以上のように座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止して、この座板の浮き上りを阻止するための補強部材は、台風の強風による風圧等が予想される非常時に用いられるものであり、このため、平常時においては、補強部材に外力等が作用することを防止して、補強部材の安全性を確保することを考慮しなければならない。
本発明の目的は、平常時の補強部材に外力等が作用することを防止できて、補強部材の安全性を確保できるようになるシャッター装置の座板押え装置を提供するところにある。
本発明に係るシャッター装置の座板押え装置は、左右のガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて上下方向に開閉移動し、閉じ側の端部が座板となっているシャッターカーテンとを含んで構成されるシャッター装置の前記シャッターカーテンのうち、少なくとも前記座板が前記シャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するための座板押え装置であって、前記シャッターカーテンのうち、少なくとも前記座板と前記シャッターカーテンの厚さ方向に対面箇所で対面する補強部材と、この対面箇所とは異なる箇所に設けられている待機箇所に配置された収納部材とを含んで構成され、前記補強部材の配置箇所は前記対面箇所と前記待機箇所との間で変更可能となっているとともに、前記待機箇所で前記収納部材の内部に収納される前記補強部材の少なくとも一部が、前記収納部材の内部から前記対面箇所へ抜け出し可能となっていることを特徴とするものである。
このように本発明に係るシャッター装置の座板押え装置では、対面箇所では補強部材が、シャッターカーテンのうちの少なくとも座板とシャッターカーテンの厚さ方向に対面するため、台風の強風による風圧等によって座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを補強部材により防止して、この座板の浮き上りを阻止することができる。
また、このシャッター装置の座板押え装置では、補強部材の配置箇所が対面箇所と待機箇所との間で変更可能となっており、待機箇所では収納部材の内部に収納される補強部材の少なくとも一部は、収納部材の内部から対面箇所へ抜け出し可能となっているため、平常時の補強部材は収納部材の内部に収納されていることになり、このため、平常時の補強部材に外力等が作用することを収納部材により防止することができて、補強部材の安全性を確保できるようになる。
なお、以上の本発明に係るシャッター装置の座板押え装置において、待機箇所で収納部材の内部に収納される補強部材の少なくとも一部を、収納部材の内部から対面箇所へ抜け出し可能とすることは、待機箇所で収納部材の内部に全部が収納されている補強部材の少なくとも一部を、収納部材の内部から対面箇所へ抜け出し可能とすることでもよく、あるいは、待機箇所では補強部材の一部が収納され、このように収納部材の内部に収納されている補強部材の一部を、収納部材の内部から対面箇所へ抜け出し可能とすることでもよく、あるいは、待機箇所では補強部材の一部が収納され、この一部のうちの半分等の部分を、収納部材の内部から対面箇所へ抜け出し可能とすることでもよい。
また、以上の本発明に係るシャッター装置の座板押え装置において、補強部材の配置箇所を対面箇所と待機箇所との間で変更可能とすることは、シャッター装置を操作等する者が、補強部材をシャッター装置構成部材等から取り外すことにより、補強部材を対面箇所から待機箇所へ変更したり、補強部材を待機箇所から対面箇所に変更したりすることでもよく、あるいは、一部がシャッター装置構成部材に連結されている補強部材をシャッター装置を操作等する者が、補強部材を運動させることにより、補強部材を対面箇所から待機箇所へ変更したり、補強部材を待機箇所から対面箇所に変更したりすることでもよい。
これらのうち、後者のように補強部材の配置箇所を対面箇所と待機箇所との間で変更可能とすることを、一部がシャッター装置構成部材に連結されている補強部材をシャッター装置を操作等する者が、補強部材を運動させることにより、補強部材を対面箇所から待機箇所へ変更したり、補強部材を待機箇所から対面箇所に変更したりすることとする場合には、補強部材を、シャッターカーテンの厚さ方向が軸方向となっている中心軸を中心に回動可能とし、これにより、前記運動を、中心軸を中心とする回動の運動としてもよい。
また、このように補強部材を、シャッターカーテンの厚さ方向が軸方向となっている中心軸を中心に回動可能とし、これにより、前記運動を、中心軸を中心とする回動の運動とする場合には、前記収納部材を、前述した左右のガイドレールとは別の部材としてもよく、あるいは、左右のガイドレールのうち、少なくともどちらかのガイドレールとしてもよい。
これらのうち、前記収納部材を、左右のガイドレールのうち、少なくともどちらかのガイドレールとすると、ガイドレールを、待機箇所に達した補強部材を内部に収納するための収納部材とすることができるため、ガイドレールの兼用化により、本発明に係るシャッター装置の座板押え装置を、構造を簡単化し、かつ構成部材の点数を削減して構成できることになる。
そして、このように前記収納部材を、左右のガイドレールのうち、少なくともどちらかのガイドレールとする場合には、収納部材となっているガイドレールを、左右方向であるシャッターカーテンの幅方向の端部の上下方向の移動を案内するためのシャッターカーテン案内部と、補強部材を内部に収納するための収納部とを有するものとし、この収納部を、シャッターカーテン案内部からシャッターカーテンの厚さ方向に離れて設けることが好ましい。
これによると、収納部材となっているガイドレールには、シャッターカーテン案内部と収納部とがシャッターカーテンの厚さ方向に離れて設けられるため、シャッターカーテン案内部によりシャッターカーテンの幅方向の端部を上下方向に移動させることと、収納部に補強部材を収納することとを互いに干渉させずに行わせることができ、また、収納部から少なくとも一部が抜け出し操作された補強部材を、前記対面箇所において、シャッターカーテンの座板とシャッターカーテンの厚さ方向に対面させることができる。
また、上述のように前記収納部材を、左右のガイドレールのうち、少なくともどちらかのガイドレールとする場合には、補強部材を、左右のガイドレールの間の内幅寸法よりも大きい長さ寸法を有するものとし、また、前記中心軸を、左右のガイドレールのうちの一方のガイドレールの内部に配置するとともに、この中心軸を、補強部材の長さ方向の両端部のうち、一方の端部を中心に補強部材を回動可能とするものとし、補強部材を、この補強部材の他方の端部が左右のガイドレールのうちの他方のガイドレールの内部に挿入される前記対面箇所と、補強部材の全体が前記一方のガイドレールの内部に収納される前記待機箇所との間において、前記中心軸を中心に回動可能とさせてもよい。
これによると、補強部材の前記他方の端部を、左右のガイドレールのうち、中心軸が内部に配置されている一方のガイドレールから他方のガイドレールに向かって中心軸を中心に回動させることにより、補強部材の配置箇所を、待機箇所から対面箇所へ変更させることができ、また、補強部材の前記他方の端部を、前記他方のガイドレールから前記一方のガイドレールに向かって中心軸を中心に回動させることにより、補強部材の配置箇所を、対面箇所から待機箇所へ変更させることができる。
なお、このように補強部材の前記他方の端部を、左右のガイドレールのうち、中心軸が内部に配置された一方のガイドレールから他方のガイドレールに向かって中心軸を中心に回動させることにより、補強部材の配置箇所を、待機箇所から対面箇所へ変更させ、また、補強部材の前記他方の端部を、前記他方のガイドレールから前記一方のガイドレールに向かって中心軸を中心に回動させることにより、補強部材の配置箇所を、対面箇所から待機箇所へ変更させる場合には、前記他方のガイドレールの内部には、配置箇所が中心軸を中心に待機箇所から対面箇所へ回動した補強部材の前記他方の端部が係止する係止部材を設けることが好ましい。
これによると、配置箇所が中心軸を中心に待機箇所から対面箇所へ回動した補強部材の前記他方の端部は、前記他方のガイドレールの内部に設けられている係止部材に係止するため、中心軸を中心に回動した補強部材を、前記対面箇所において停止させることができて、この補強部材をシャッターカーテンの座板とシャッターカーテンの厚さ方向において一層正確に対面させることができる。
なお、前記他方のガイドレールの内部に設ける係止部材は、中心軸を中心に配置箇所が待機箇所から対面箇所へ回動した補強部材の前記他方の端部を係止させることができるものであれば、任意のものでよく、この係止部材は、例えば、補強部材の前記他方の端部に形成された凹部の内部に挿入されるピン状の部材でもよく、あるいは、補強部材の前記他方の端部に設けたピン状の部材が内部に挿入される凹状の部材でもよく、あるいは、補強部材の前記他方の端部を受けるための受け部材等でもよい。
また、前述したように補強部材を、左右のガイドレールの間の内幅寸法よりも大きい長さ寸法を有するものとし、また、前記中心軸を、左右のガイドレールのうちの一方のガイドレールの内部に配置するとともに、この中心軸を、補強部材の長さ方向の両端部のうち、一方の端部を中心に補強部材を回動可能とするものとし、補強部材を、この補強部材の他方の端部が左右のガイドレールのうちの他方のガイドレールの内部に挿入される前記対面箇所と、補強部材の全体が前記一方のガイドレールの内部に収納される前記待機箇所との間において、前記中心軸を中心に回動可能とさせる場合には、補強部材の長さ寸法を調整可能とすることが好ましい。
このように補強部材の長さ寸法を調整可能とすると、左右のガイドレールの間の内幅寸法が異なるそれぞれのシャッター装置において、補強部材を共通して用いることができ、補強部材の共通化を図ることができる。
なお、補強部材の長さ寸法を調整可能とする構成は、任意のものでよい。その一例の調整手段は、補強部材を構成する複数の部材を、ボルト、ナット等による結合具で結合するとともに、これらの部材のうち、少なくとも一方の部材に、結合具が挿通されて、補強部材の長さ方向に長くなっている長孔を形成し、この長孔により、補強部材の長さ寸法を調整可能とするものであり、また、他の例の調整手段は、補強部材を構成する複数の部材を、送りねじとこの送りねじに螺合されたナット等とによる伸縮手段により連結することであり、さらに他の例の調整手段は、補強部材を、中子とこの中子が収納された筒部材のように、一方に部材に対して他方の部材が伸縮移動可能となって、これらの部材の位置関係の調整後に両方の部材を固定するための止めねじ等を備えているもの等とすることである。
また、以上説明した本発明に係るシャッター装置の座板押え装置において、補強部材は、シャッターカーテンの厚さ方向の両側のうち、どちらか一方の側だけに配置してもよく、あるいは、シャッターカーテンの厚さ方向の両側に配置してもよい。
これらのうち、補強部材を、シャッターカーテンの厚さ方向の両側に配置すると、例えば、出入口用シャッター装置においては、例えば、台風の強風による風圧により、シャッターカーテンの座板が室外側から室内側に撓み変形することを防止できるとともに、強風の吹き返しにより、シャッターカーテンの座板が室内側から室外側に撓み変形することも防止できる。
なお、以上のように補強部材を、シャッターカーテンの厚さ方向の両側に配置する場合には、シャッターカーテンの幅方向となっている左右両側に収納部材を配置し、これらの収納部材に分けて、それぞれ待機箇所に達した一方の補強部材と他方の補強部材を収納するようにしてもよく、あるいは、シャッターカーテンの幅方向となっている左右両側のうち、一方の側だけ収納部材を配置し、この収納部材に、それぞれ待機箇所に達した一方の補強部材と他方の補強部材を収納するようにしてもよい。しかし、シャッターカーテンの幅方向となっている左右両側に収納部材を配置し、これらの収納部材に分けて、それぞれ待機箇所に達した一方の補強部材と他方の補強部材を収納するようにすると、補強部材の配置箇所を待機箇所と対面箇所との間で変更する作業を行う作業者が、シャッターカーテンに向かって、シャッターカーテンの厚さ方向のうちの一方の側に立つときと、他方の側に立つときでは、左右は互いに逆となるため、補強部材の配置箇所を待機箇所と対面箇所との間で変更する作業を、上記作業者に、シャッターカーテンの厚さ方向の両側において、同じ方向への作業にさせて行わせることができ、これにより、上記変更作業を作業者が容易に行うことができるようなる。
また、本発明に係るシャッター装置の座板押え装置の補強部材を、これまで説明した補強部材と異なり、補強部材の長さ方向の両端部のうち、前記収納部材の内部に配置されている一方の端部がこの収納部材に案内されて上下方向に移動可能となっていて、他方の端部が、収納部材の内部から、シャッターカーテンが全閉となったときの座板が当接する座板当接部材に沿って左右方向にスライド自在となっているものとし、補強部材の前記一方の端部が収納部材に案内されて下方向に移動し、前記補強部材の前記他方の端部が、収納部材の内部から座板当接部材に沿って収納部材から離れる左右方向にスライドすることにより、補強部材が前述した対面箇所に達するようにしてもよい。
本発明に係るシャッター装置の座板押え装置の補強部材を、このようなものとした場合にも、補強部材が対面箇所に達することにより、この補強部材により、シャッターカーテンのうち、少なくとも座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止して、この座板が浮き上がることを阻止することができる。
なお、補強部材の前記一方の端部を収納部材に案内させて上下方向に移動させるためには、補強部材の前記一方の端部を収納部材の内部で単に上下方向に移動可能とさせてもよく、あるいは、補強部材の前記一方の端部に、収納部材の内部で回転することにより、この一方の端部を収納部材に案内させて上下方向に移動させるための回転部材を設けてもよい。
これらのうち、後者のように補強部材の前記一方の端部に、収納部材の内部で回転することにより、この一方の端部を収納部材に案内させて上下方向に移動させるための回転部材を設けると、補強部材の前記一方の端部を収納部材に案内させて円滑に上下方向に移動させることができるようになる。
また、補強部材の前記他方の端部を収納部材の内部から前記座板当接部材に沿って左右方向にスライド自在とさせるためには、補強部材の前記他方の端部を収納部材の内部から単に座板当接部材に沿って左右方向にスライド自在とさせてもよく、あるいは、補強部材の前記他方の端部に、座板当接部材の上面で回転することにより、この他方の端部を座板当接部材に案内させて左右方向にスライドさせるための回転部材を設けてもよい。
これらのうち、後者のように補強部材の前記他方の端部に、座板当接部材の上面で回転することにより、この他方の端部を座板当接部材に案内させて左右方向にスライドさせるための回転部材を設けると、補強部材の前記他方の端部を座板当接部材に案内させて円滑に左右方向にスライドさせることができるようになる。
また、前述したように補強部材の前記一方の端部が収納部材に案内されて下方向に移動し、補強部材の前記他方の端部が、収納部材の内部から座板当接部材に沿って収納部材から離れる左右方向にスライドすることにより、補強部材が前述した対面箇所に達するようにする場合には、補強部材に、座板当接部材に結合されることにより、補強部材を対面箇所で座板当接部材に固定するための結合部材を配置可能とすることが好ましい。
これによると、補強部材が対面箇所に達したときに、この補強部材を結合部材により座板当接部材に固定することができるため、補強部材によってシャッターカーテンの座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを一層確実に防止できるようになる。
なお、上述のように補強部材に、座板当接部材に結合されることにより、補強部材を対面箇所で座板当接部材に固定するための結合部材を配置可能とすることは、例えば、補強部材に、雄ねじ軸部材のように、座板当接部材にねじ込まれることによりこの座板当接部材に結合される結合部材を挿入配置することができる部分を設けることや、補強部材の前記他方の端部に、この他方の端部の左右方向の両側を挟んで座板当接部材に結合される一対の挟み部材が当たる部分を設けること等により実現することができる。
また、前述したように補強部材の前記一方の端部が収納部材に案内されて下方向に移動し、補強部材の前記他方の端部が、収納部材の内部から座板当接部材に沿って収納部材から離れる左右方向にスライドすることにより、補強部材が前述した対面箇所に達するようにするとともに、補強部材の前記他方の端部が左右方向であるシャッターカーテンの幅向の中央部よりも収納部材に近い位置に達しているときに、補強部材を前記結合部材により座板当接部材に固定するようにする場合には、この補強部材を、左右方向の両側に設けてもよい。
これによると、補強部材は、シャッターカーテンの幅方向の中央部に対して、左右方向の両側に設けられることになるため、これらの補強部材により、シャッターカーテンの座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを一層有効に防止して、この座板が浮き上がることも一層有効に阻止することができる。
また、前述したように補強部材の前記一方の端部が収納部材に案内されて下方向に移動し、補強部材の前記他方の端部が、収納部材の内部から座板当接部材に沿って収納部材から離れる左右方向にスライドすることにより、補強部材が前述した対面箇所に達するようにする場合にも、補強部材を、シャッターカーテンの厚さ方向のうち、どちらか一方の側だけに配置してもよく、あるいは、シャッターカーテンの厚さ方向の両側に配置してもよい。
これらのうち、補強部材を、シャッターカーテンの厚さ方向の両側に配置すると、例えば、出入口用シャッター装置においては、台風の強風による風圧により、シャッターカーテンの座板が室外側から室内側に撓み変形することを防止できるとともに、強風の吹き返しにより、シャッターカーテンの座板が室内側から室外側に撓み変形することも防止できる。
なお、以上のように補強部材を、シャッターカーテンの厚さ方向の両側に配置する場合にも、前述と同様に、シャッターカーテンの幅方向となっている左右両側に収納部材を配置し、これらの収納部材に分けて、それぞれ待機箇所に達した一方の補強部材と他方の補強部材を収納するようにしてもよく、あるいは、シャッターカーテンの幅方向となっている左右両側のうち、一方の側だけ収納部材を配置し、この収納部材に、それぞれ待機箇所に達した一方の補強部材と他方の補強部材を収納するようにしてもよい。しかし、シャッターカーテンの幅方向となっている左右両側に収納部材を配置し、これらの収納部材に分けて、それぞれ待機箇所に達した一方の補強部材と他方の補強部材を収納するようにすると、補強部材の配置箇所を待機箇所と対面箇所との間で変更する作業を行う作業者が、シャッターカーテンに向かって、シャッターカーテンの厚さ方向のうちの一方の側に立つときと、他方の側に立つときでは、前述したように、左右は互いに逆となるため、補強部の配置箇所を待機箇所と対面箇所との間で変更する作業を、上記作業者に、シャッターカーテンの厚さ方向の両側において、同じ方向への作業にさせて行わせることができて、上記変更作業を作業者が容易に行うことができるようなる。
さらに、補強部材の前記一方の端部が収納部材に案内されて下方向に移動し、補強部材の前記他方の端部が、収納部材の内部から座板当接部材に沿って収納部材から離れる左右方向にスライドすることにより、補強部材が前述した対面箇所に達するようにする場合には、前記収納部材を、前述した左右のガイドレールとは別の部材としてもよく、あるいは、左右のガイドレールのうち、少なくともどちらかのガイドレールとしてもよい。
これらのうち、前記収納部材を、左右のガイドレールのうち、少なくともどちらかのガイドレールとすると、ガイドレールを、待機箇所に達した補強部材を内部に収納するための収納部材とすることができ、これにより、ガイドレールの兼用化を実現できて、本発明に係るシャッター装置の座板押え装置を、構造を簡単化し、かつ構成部材の点数を削減して構成できることになる。
そして、このように収納部材を、左右のガイドレールのうち、少なくともどちらかのガイドレールとする場合には、収納部材となっているガイドレールを、左右方向であるシャッターカーテンの幅方向の端部の上下方向の移動を案内するためのシャッターカーテン案内部と、補強部材を内部に収納するための収納部とを有するものとし、この収納部を、シャッターカーテン案内部からシャッターカーテンの厚さ方向に離れて設けることが好ましい。
これによると、収納部材となっているガイドレールには、シャッターカーテン案内部と収納部とがシャッターカーテンの厚さ方向に離れて設けられることになり、このため、シャッターカーテン案内部によりシャッターカーテンの幅方向の端部が上下方向に移動することと、収納部に補強部材が収納されることとを互いに干渉させずに行わせることができる。
以上説明した本発明において、下端部が座板となっているシャッターカーテンは任意の部材によって形成されているものでよい。すなわち、このシャッターカーテンのカーテン本体を形成するカーテン構成部材は、上下端部に形成されたカール部同士の係合により互いに上下に連結されたスラットでもよく、あるいは、水平の回転中心軸で互いに上下に連結されたパネルでもよく、あるいは、シート等でもよく、また、カーテン本体は、これらの部材の複合により形成されていてもよい。
また、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板押え装置において、座板は、例えば、断面ボックス状の座板主部が主体となっているものでもよく、あるいは、座板本体と、この座板本体の下側において、座板本体に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体とを含んで構成されたもの等でもよい。
さらに、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板押え装置は、シャッターカーテンが、このシャッターカーテンの厚さ方向への風圧等の荷重を受けることが予想される任意の用途のためのシャッター装置に適用することができ、その一つのシャッター装置は、シャッターカーテンにより建物やガレージ等の出入口が開閉される出入口用シャッター装置であり、また、他のシャッター装置は、窓用シャッター装置である。さらに、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板押え装置は、火災等の発生時に防災区画を形成するために全閉となるシャッターカーテンに、炎や煙等の圧力や、排気による負圧が作用する防災用シャッター装置にも適用することができ、さらに、シャッターカーテンが防水のために全閉となるシャッター装置にも適用することができる。
また、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板押え装置は、新たに建築された建物等に設置されるシャッター装置や、改修されるシャッター装置に適用することができ、さらには、既に設置されているシャッター装置等にも適用することができる。
本発明によると、平常時の補強部材に外力等が作用することを防止できて、補強部材の安全性を確保できるようになるという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る座板押え装置を備えたシャッター装置の全体正面図が示されている。このシャッター装置は、倉庫等の建物の出入口に設置されている出入口用シャッター装置であって、図1は、シャッターカーテンの全閉時におけるシャッター装置を室外側から見た図である。この出入口用シャッター装置は、壁等の建物躯体に取り付けられて左右両側に配置されたガイドレール1により案内されて上下に開閉移動自在となっているシャッターカーテン2が、カーテン本体3と、このカーテン本体3の下端部に設けられた座板4とを備えたものとなっており、シャッターカーテン2の略全体を形成しているカーテン本体3は、多数のスラット5が上下に連設されたものとなっている。カーテン本体3の上端は、天井15の上側の天井裏空間において、下がり壁等に結合された左右一対のブラケット6により回転自在に支持されている水平の巻取軸7に連結され、この巻取軸7には、図示されていない操作装置の操作で駆動される電動モータとブレーキの組み合わせからなる開閉機8からの駆動力がスプロケットホイールやチェーン等で構成された伝動手段9を介して伝達され、開閉機8の電動モータからの正逆回転駆動力で巻取軸7が正逆回転することによる巻取軸7のシャッターカーテン2の巻き取り、繰り出しにより、シャッターカーテン2は左右両側のガイドレール1に案内されて上下方向に開閉移動する。
閉じ側の下端部が座板4となっているシャッターカーテン2が下側へ閉じ移動して、この座板4が出入口の床部材10の床面10Aに当接することにより、シャッターカーテン2は全閉となり、また、シャッターカーテン2が上側へ開き移動して、シャッターカーテン2を上下に挿通させるためのスリットを天井15に形成しているまぐさ部材11の高さ位置に座板4が達することにより、シャッターカーテン2は全開となる。
なお、以上のようにシャッターカーテン2が下側へ閉じ移動して、座板4が出入口の床部材10の床面10Aに当接することにより、シャッターカーテン2は全閉位置に達するため、上面が床面10Aとなっていて、コンクリートや、モルタル、アスファルト等で形成されている床部材10は、本実施形態におけるシャッターカーテン2で閉じられる出入口の下面を形成していて、全閉時のシャッターカーテン2の座板4が当接する座板当接部材となっている。
上述したように本実施形態に係るシャッター装置は、シャッターカーテン2が開閉機8からの駆動力で上下方向に開閉移動する電動式シャッター装置となっているが、これから説明する座板押え装置は、巻取軸の内部に戻しばねが配置されていて、この戻しばねに、シャッターカーテンが下側へ閉じ移動するときの巻取軸の逆回転時において、シャッターカーテンを上側に開き移動させるための巻取軸の正回転を補助するための戻しばね力が蓄圧され、この戻しばね力により、シャッターカーテンを手動操作により上側に軽く開き移動させることができるようになっている手動式シャッター装置にも適用することができる。
図3は、図1のS3-S3線断面図である。この図3に示されているように、左右のガイドレール1のそれぞれは、左右方向の端部に設けられた底部20と、この底部20から左右方向であるシャッターカーテン2の幅方向の内側に延出した4個の第1~第4仕切り壁21~24とを有するものとなっており、これらの第1~第4仕切り壁21~24は、室外側から室内側へシャッターカーテン2の厚さ方向の間隔をあけて並設されている。第1仕切り壁21と第2仕切り壁22との間は、第1空間部25であり、第2仕切り壁22と第3仕切り壁23との間は、第2空間部26であり、第3仕切り壁23と第4仕切り壁24との間は、第3空間部27であり、これらの空間部25~27は、シャッターカーテン2の幅方向の内側に向かって開口している。また、第2及び第3仕切り壁22,23の先端部には、第2空間部26側へ突出したリップ部22A,23Aが形成されている。
図1において、シャッターカーテン2のうち、カーテン本体3の左右両端部はガイドレール1の内部に挿入されており、これらの挿入は、図3に示されているように、左右のガイドレール1の第2空間部26において行われている。これらの第2空間部26の内部において、カーテン本体3を形成しているそれぞれのスラット5のうち、シャッターカーテン2の開閉移動方向の間隔をあけて配置されている所定のスラット5ごとに、図3の抜け出し防止部材12がこれらのスラット5の両端部に取り付けられ、本実施形態に係るこれらの抜け出し防止部材12は、シャッターカーテン2の厚さ方向両側へ突出した突起部12Aが設けられたT字形状のものとなっている
このため、シャッターカーテン2の上下方向の開閉移動は、左右のガイドレール1に設けられている第1~第3空間部25~27のうち、第2空間部26によってカーテン本体3が案内されて行われ、このため、この第2空間部26は、シャッターカーテン案内部となっているとともに、全閉位置に達しているときのシャッターカーテン2や、開閉移動中のシャッターカーテン2に、例えば、台風の強風による風圧等がシャッターカーテン2の厚さ方向に作用することにより、カーテン本体3がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形しても、抜け出し防止部材12の突起部12Aが、第2及び第3仕切り壁22,23のリップ部22A,23Aに係止することにより、カーテン本体3の左右両端部がガイドレール1の内部から抜け出ることは防止される。
また、図3に示されているように、左右のガイドレール1のうち、右側のガイドレール1Aの第1空間部25には、シャッターカーテン2の厚さ方向が軸方向となっている中心軸28が配置され、第1及び第2仕切り壁21,22に結合されたベース部材29,30に固定されて架け渡されているこの中心軸28は、図3で2本示されている補強部材31A,31Bのうち、シャッターカーテン2よりも室外側に配置されている補強部材31Aのための回動中心軸となっている。図1に示されているように、この中心軸28は、右側のガイドレール1Aの下端部の近傍に配置されていて、補強部材31Aの長さ方向の両端部のうち、一方の端部を貫通しており、このため、中心軸28により、補強部材31Aは、補強部材31Aの長さ方向の一方の端部を中心に回動自在となっている。
図3に示されているように、中心軸28とベース部材29,30は、左右のガイドレール1のうち、左側のガイドレール1Bの第3空間部27にも設けられ、この第3空間部27に配置されている中心軸28は、図3で2本示されている補強部材31A,31Bのうち、シャッターカーテン2よりも室内側に配置されている補強部材31Bのための回動中心軸となっており、この中心軸28も、左側のガイドレール1Bの下端部の近傍に配置されていて、補強部材31Bの長さ方向の両端部のうち、一方の端部を貫通しているため、この中心軸28により、補強部材31Bも、この補強部材31Bの長さ方向の一方の端部を中心に回動自在となっている。
以上により、本実施形態の出入口用シャッター装置には、2本の補強部材31がシャッターカーテン2の厚さ方向の両側に配置されていることになり、また、2本の中心軸28は、左右のガイドレール1A,1Bに分かれて配置されているため、これらの中心軸28によって回動自在となっている2本の補強部材31A,31Bにおけるそれぞれの長さ方向の上述した一方の端部は、左右方向の互いに反対側の端部となっている。
図1及び図3には、シャッターカーテン2の全閉時に、それぞれの補強部材31を中心軸28を中心に倒すことにより、補強部材31が水平又は略水平の姿勢となったときの状態が示されている。このときにおける2本の補強部材31は、シャッターカーテン2のうち、座板4とシャッターカーテン2の厚さ方向に対面しているとともに、これらの補強部材31のうち、シャッターカーテン2よりも室外側に配置されている補強部材31Aの長さ方向の他方の端部は、図3に示されているように、左右のガイドレール1のうち、左側のガイドレール1Bの第1空間部25の内部に挿入され、また、シャッターカーテン2よりも室内側に配置されている補強部材31Bの長さ方向の他方の端部は、右側のガイドレール1Aの第3空間部27の内部に挿入されている。したがって、それぞれの補強部材31の長さ寸法は、図1で示されている左右のガイドレール1の間の内幅寸法W1よりも少し大きくなっている。
図2には、2本の補強部材31のうち、補強部材31Aを中心軸28を中心に回動させて起立又は略起立させたときが示されており、このときには、補強部材31Aの全体が右側のガイドレール1Aの第1空間部25の内部に配置される。また、2本の補強部材31のうち、補強部材31Bを中心軸28を中心に回動させて起立又は略起立させたときには、この補強部材31Bの全体は左側のガイドレール1Bの第3空間部27の内部に収納される。
このため、図3に示されているように、2本の補強部材31を中心軸28を中心に回動させて倒すことによって水平又は略水平の姿勢にしたときが、これらの補強部材31がシャッターカーテン2の座板4とシャッターカーテン2の厚さ方向に対面している対面箇所に達しているときである。これに対してそれぞれの補強部材31が、2本のガイドレール1の第1空間部25や第3空間部27に内部に収納されているときは、これらの補強部材31が、ガイドレール1の内部に補強部材31の全体が収納された待機箇所に達しているときである。
このため、待機箇所に達している補強部材31が収納される第1及び第3空間部25,27を備えている左右のガイドレール1は、補強部材31が内部に収納される収納部材ともなっている。また、これらのガイドレール1における第1及び第3空間部25,27は、補強部材31を内部に収納するための収納部となっている。そして、このような収納部となっている第1及び第3空間部25,27は、前述したシャッターカーテン案内部となっている第2空間部26からシャッターカーテン2の厚さ方向に離れてガイドレール1に設けられている。
図6には、2本の補強部材31のうち、図2に示されているように、補強部材31Aを中心軸28を中心に回動させて起立又は略起立させたときにおける右側のガイドレール1Aが、シャッターカーテン2が省略された拡大図として示されており、図6(A)は、ガイドレール1Aの側面図で、図6(B)は、ガイドレール1Aの正面図である。また、図7には、図6(B)のガイドレール1Aを断面として示した図が示されている。この図7に示されているように、補強部材31Aの下部には、中心軸28が貫通した開口部32が形成されている。この開口部32は、補強部材31Aの長さ方向と直交する補強部材31Aの幅方向(図7では左右方向)の間隔をあけて互いに平行又は略平行に形成された第1長孔32A及び第2長孔32Bと、補強部材31Aの長さ方向に延びる長さを有しているこれらの第1長孔32A及び第2長孔32Bの長さ方向の両端部のうち、補強部材31Aを中心軸28を中心に回動させて起立又は略起立させたときにおける補強部材31Aの下端部(すなわち、補強部材31の長さ方向の両端部のうち、前述した一方の端部)の側の端部同士を連結している連結用長孔32Cとからなるものであり、補強部材31Aを中心軸28を中心に回動させて起立又は略起立させたときに水平又は略水平となるこの連結用長孔32Cで連結されている第1長孔32Aと第2長孔32Bのうち、第1長孔32Aの長さ寸法は小さくなっており、第2長孔32Bの長さ寸法は大きくなっている。このため、開口部32の全体形状は、中心軸28の位置を内部で移行させることができるJ字又は略J字の形状となっている。
また、ガイドレール1Aに設けられている前述した第1~第3空間部25~27のうち、図6(A)(B)に示されているように、中心軸28を中心に回動させて起立又は略起立させたときの補強部材31Aが内部に収納される第1空間部25を形成している前述した第1仕切り壁21と第2仕切り壁22の上部には、第1空間部25の内側へ突出したストップ部33が形成されている。そして、図7に示されているように、中心軸28の位置が、開口部32のうち、第1長孔32Aにあるときには、中心軸28を中心とする回動により起立又は略起立している補強部材31Aの上端部(すなわち、補強部材31の長さ方向の両端部のうち、前述した他方の端部)が、ストップ部33の下端部よりも高い位置に達している。このため、シャッターカーテン2の開閉移動による振動等がガイドレール1Aに伝達されても、通常時にはガイドレール1Aの前述した底部20に寄りかかっている補強部材31Aが、中心軸28を中心に第1空間部25から脱出する方向に回動することによってガイドレール1Aから抜け出ることを、ストップ部33のストップ作用によって阻止できるようになっている。
また、補強部材31Aには、作業者が第1空間部25に差し入れた手で握ることができる把持部材34が取り付けられており、この把持部材34により作業者が補強部材31Aを持ち上げながらシャッターカーテン2の幅方向に移動させることにより、図8に示されているように、中心軸28の位置を、開口部32のうち、第2長孔32Bの位置としたときには、起立又は略起立している補強部材31Aの上端部が、ストップ部33の下端部よりも低い位置に達している。このため、このときには、把持部材34により補強部材31Aを、図8の二点鎖線で示されているように、中心軸28を中心に回動させ、これにより、補強部材31Aの下部を除く補強部材31Aの略全体を、ガイドレール1Aの第1空間部25の内部から抜け出させることができ、これにより、この補強部材31Aの配置箇所を、前述した待機箇所から前述した対面箇所へ変更することができる。
また、待機位置に達している補強部材31Aを、作業者が把持部材34により中心軸28を中心に上述とは逆方向へ回動させることにより、この補強部材31Aの全体を第1空間部25の内部に収納させることができ、これにより、補強部材31Aの配置箇所を、対面箇所から待機箇所へ変更することができるとともに、把持部材34により作業者が補強部材31Aを持ち上げながらシャッターカーテン2の幅方向に移動させ、中心軸28の位置を、開口部32の第1長孔32Aの位置とすることにより、図7で説明したように、中心軸28を中心に起立又は略起立した補強部材31Aの上端部の位置を、ストップ部33の下端部よりも高い位置にするとすることができ、これにより、補強部材31Aが中心軸28を中心に第1空間部25から脱出する方向に回動することを阻止できる。
補強部材31Aが前述した対面箇所に達したときに、この補強部材31Aの姿勢を前述した水平又は略水平とするために、2本のガイドレール1のうち、左側のガイドレール1Bの第1空間部25には、図3で示す係止部材35が配置されている。また、補強部材31Aの長さ方向の前述した他方の端部(すなわち、図1及び図3に示されているように姿勢が水平又は略水平となった補強部材31Aの長さ方向の両端部うち、左側の端部)には、この係止部材35が内部に挿入係止する被係止部となっている図3の凹部36が形成されている。図3、及び図3のS4-S4線断面図である図4に示されているように、係止部材35は、左側のガイドレール1Bの第1仕切り壁21と第2仕切り壁22に結合されたベース部材37,38に固定されて架け渡されているピン状の部材であり、また、上述の被係止部となっている凹部36は、図7に示されているように、補強部材31Aが待機箇所に達して起立又は略起立しているときに、シャッターカーテン2の幅方向の内側に向かって開口して窪んでいる窪み部となっている。
このため、待機箇所にあった補強部材31Aが中心軸28を中心に倒れ回動することにより、凹部36の内部に係止部材35が挿入係止することにより、この補強部材31Aは、対面箇所において水平又は略水平の姿勢となる。
なお、図7に示されているように、凹部36の開口側には、補強部材31Aの長さ方向の両側において、互いの間隔が凹部36の外部側から内部側へ次第に小さくなっている傾斜部36A,36Bが設けられているため、補強部材31Aを中心軸28を中心に回動させたときに、これらの傾斜部36A,36Bの案内作用により、係止部材35を凹部36の内部に円滑に挿入係止させることができるようになっている。また、図4に示されているように、補強部材31Aには、凹部36が形成されている補強部材31Aの長さ方向の前述した他方の端部において、補強部材31Aの厚さ方向の互いの間隔が凹部36の開口側へ次第に小さくなっている傾斜面36C,36Dが形成されているとともに、上述したベース部材37,38の上面には、互いに補強部材31Aの厚さ方向に近づく斜め方向に傾斜している傾斜面37A,38Aが形成されている。このため、座板4を省略した図4の一部拡大図である図5の二点鎖線で示されているように、補強部材31Aの長さ方向の他方の端部が下方向に向かって移動することにより、凹部36の内部に係止部材35が挿入係止する際に、補強部材31Aが、この補強部材31Aの厚さ方向に多少ずれていても、傾斜部36C,36D及び傾斜面37A,38Aの案内作用により、係止部材35を凹部36の内部に円滑に挿入係止させることができるようになっている。
なお、以上の説明において、補強部材31Aの厚さ方向とは、補強部材31Aにおけるシャッターカーテン2の厚さ方向である。
また、以上の説明は、左右のガイドレール1のうち、図3で示されている右側のガイドレール1Aの第1空間部25に配置された中心軸28を中心に回動自在となっている補強部材31Aに関するものであったが、左右のガイドレール1のうち、左側のガイドレール1Bの第3空間部27に配置された中心軸28を中心に回動自在となっている補強部材31Bに関する構成も、以上の補強部材31Aに関するものと同じになっている。このため、左側のガイドレール1Bの第3空間部27を形成している前述した第3仕切り壁23と第2仕切り壁24の上部には、図6で示したストップ部33と同様のストップ部が設けられているとともに、補強部材31Bにも、図3に示されているように、左側のガイドレール1Bの第3空間部27に配置されている中心軸28が貫通した開口部32が形成され、また、この補強部材31Bには、右側のガイドレール1Aの第3空間部27に配置された係止部材35が挿入係止する被係止部となっている凹部36が形成されている。
シャッターカーテン2の下端部に配置されている本実施形態に係る座板4は、図4に示されているように、断面ボックス状となっている座板主部16と、座板4の主体となっているこの座板主部16から鉛直に立ち上がった立上り部17とを有するものになっている。この立上り部17に、シャッターカーテン2のカーテン本体3を形成している多数のスラット5のうちの最下段のスラット5Aがビスやリベット等の結合具18により結合され、スラット5同士は、それぞれのスラット5の上下両端部に形成されているカール部同士の係合により回動自在に連結されている。
以上の本実施形態において、台風の強風等が予想されない平常時には、図2に示されているように、それぞれの補強部材31は起立姿勢又は略起立姿勢となって、ガイドレール1の第1及び第3空間部25,27の内部に収納されている。そして、台風の強風が予想される非常時となったときには、作業者は、前述したように把持部材34によりそれぞれの補強部材31を中心軸28を中心に倒れ回動させることにより、これらの補強部材31の凹部36の内部に係止部材35を挿入係止させる。これにより、それぞれの補強部材31は、図4に示されているように、シャッターカーテン2の座板4とシャッターカーテン2の厚さ方向に対面するため、台風の強風による風圧により座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを補強部材31によって防止することができ、また、シャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形する座板4が床面10Aから浮き上がることも阻止できる。
また、本実施形態によると、平常時におけるそれぞれの補強部材31は、ガイドレール1に設けられている第1及び第3空間部25,27の内部に収納されているため、待機箇所に達しているこれらの補強部材31に予期しない外力等が作用することを防止でき、補強部材31の安全性を確保することができる。
また、補強部材31は、シャッターカーテン2の厚さ方向に2本設けられ、これらの補強部材31が対面箇所に達して水平姿勢又は略水平姿勢となったときには、全閉位置のシャッターカーテン2の厚さ方向の両側にこれらの補強部材31が配置されているため、台風の強風による風圧により、シャッターカーテン2の座板4が室外側から室内側に撓み変形することを、シャッターカーテン2よりも室内側に配置された補強部材31Bにより防止できるとともに、強風の吹き返しにより、この座板4が室内側から室外側に撓み変形することも、シャッターカーテン2よりも室外側に配置された補強部材31Aにより防止できる。
また、本実施形態では、ガイドレール1の第1及び第3空間部25,27は、対面箇所から待機箇所に移行した補強部材31を内部に収納するための収納部となっているため、待機箇所に達した補強部材31を内部に収納するための収納部材をガイドレール1とは別に設ける必要がなく、ガイドレール1がこの収納部材を兼用化されたものとなっているため、本実施形態に係るシャッター装置の座板押え装置を、構造を簡単化し、かつ部材点数を削減して構成することができる。
さらに、対面箇所から待機箇所に移行した補強部材31を内部に収納するための収納部となっているガイドレール1の第1及び第3空間部25,27は、シャッターカーテン2の上下方向の開閉移動を案内するためのシャッターカーテン案内部となっているガイドレール1の第2空間部26からシャッターカーテン2の厚さ方向に離れているため、待機箇所から対面箇所に移行したそれぞれの補強部材31を、全閉位置に達したシャッターカーテン2の座板4と所定どおりシャッターカーテン2の厚さ方向に対面させることができ、また、ガイドレール1の第1及び第3空間部25,27に収納されて待機箇所に達している補強部材31と干渉させることなく、シャッターカーテン2を上下方向に開閉移動させることもできる。
図9には、長さ寸法が調整可能となった補強部材41についての実施形態が示されている。この実施形態に係る補強部材41が用いられるシャッター装置は、左右のガイドレール1の間の内幅寸法W2が、図1で示したシャッター装置における左右のガイドレール1の間の内幅寸法W1と異なる寸法となっているものである。
図10には、補強部材41の全体が示されている。この補強部材41は、それぞれが補強部材41の長さ方向の長さ寸法を有している第1分割部材42及び第2分割部材43と、これらの第1分割部材42と第2分割部材43を結合するための結合具44とからなるものである。第1分割部材42における第2分割部材43側とは反対側の端部には、前述した補強部材31の一方の端部に設けられている開口部32と同じ開口部32が形成され、また、第2分割部材43における第1分割部材42側とは反対側の端部には、補強部材31の他方の端部に設けられている凹部36と同じ凹部36が形成されているとともに、この第2分割部材43には、補強部材31に取り付けられている把持部材34と同じ把持部材34が取り付けられている。
図11は、図10のS11-S11線断面図であり、図12は、図10のS12-S12線断面図である。図12に示されているように、第1分割部材42と第2分割部材43には薄肉部42A,43Aが設けられ、これらの薄肉部42A,43A同士が重ね合わせられて、第1分割部材42と第2分割部材43は、結合具44の構成部材となっているボルト44Aとナット44Bにより結合される。また、図12に示されているように、第1分割部材42の薄肉部42Aには、ボルト44Aの軸部が挿通される丸孔42Bが形成されているとともに、第2分割部材43の薄肉部43Aには、ボルト44Aの軸部が挿通される長孔43Bが補強部材41の長さ方向に長く形成されている。第2分割部材43から突出したボルト44Aの軸部の端部にナット44Bを螺合して締め付けることにより、第1分割部材42と第2分割部材43は結合具44により結合され、また、ナット44Bを緩めて、第1分割部材42に対して第2分割部材43を、長孔43Bの長さ寸法範囲内において、補強部材41の長さ方向に移動させ、この後にナット44Bを締め付けることにより、補強部材41の長さ寸法は調整される。
このようにこの実施形態に係る補強部材41は、長さ寸法が調整可能となっているため、この補強部材41は、左右のガイドレール1の内幅寸法が異なるそれぞれのシャッター装置について共通して用いることができ、補強部材41の共通化を実現できる。
図13には、別実施形態に係る座板押え装置が用いられている出入口用シャッター装置が示されている。この実施形態に係る座板押え装置は、シャッターカーテン2よりも室外側と室内側の両方において、左右に2個ずつ配置される補強部材61が用いられて構成されるものである。また、図15は、図13のS15-S15線断面図であり、図13に示されている左右のガイドレール51は、図15に示されているように、図3で示した左右のガイドレール1と同様に、左右方向の端部に設けられた底部20と、この底部20から左右方向であるシャッターカーテン2の幅方向の内側に延出した4個の第1~第4仕切り壁21~24とを有するものであり、第1仕切り壁21と第2仕切り壁22との間は、第1空間部25であり、第2仕切り壁22と第3仕切り壁23との間は、第2空間部26であり、第3仕切り壁23と第4仕切り壁24との間は、第3空間部27であり、また、第2及び第3仕切り壁22,23の先端部には、第2空間部26側へ突出したリップ部22A,23Aが形成されている。
また、これらの第1~第3空間部25~27のうち、第2空間部25には、シャッターカーテン2のうち、カーテン本体3を構成するスラット5における抜け止め防止部材12が取り付けられている左右両端部が挿入され、このため、これらの第2空間部25は、図3の実施形態と同様に、シャッターカーテン2の上下方向の開閉移動を案内するためのシャッターカーテン案内部となっている。
この実施形態では、左右のガイドレール51のそれぞれにおいて、第1及び第2仕切り壁21,22の先端部には、第1空間部25側へ突出したリップ部21A,22Bが形成され、また、第3及び第4仕切り壁23,24の先端部には、第3空間部27側へ突出したリップ部23B,24Aが形成されている。
図13には、シャッターカーテン2よりも室外側において、左右に2個配置された補強部材61が示されており、これらの補強部材61における互いに反対側の端部となっている一方の端部には、左右のガイドレール51A,51Bの内部に配置された回転部材となっているガイドローラ62が取り付けられている。図15に示されているように、左右の補強部材61A,61Bのうち、右側の補強部材61Aには、シャッターカーテンの厚さ方向を軸方向とする軸部材63を中心に回転自在となっている2個のガイドローラ62が、補強部材61Aの厚さ方向両側に配置され、これらのガイドローラ62は、左右のガイドレール51A,51Bのうち、右側のガイドレール51Aの底部20と、このガイドレール51Aの第1及び第2仕切り壁21,22の先端部に設けられているリップ部21A,22Bとの間に配置されて、これらの底部20とリップ部21A,22Bで案内されて回転しながら上下方向に移動自在となっている。また、左右の補強部材61A,61Bのうち、左側の補強部材61Bにも、シャッターカーテンの厚さ方向を軸方向とする軸部材63を中心に回転自在となっている2個のガイドローラ62が、補強部材61Bの厚さ方向両側に配置され、これらのガイドローラ62は、左右のガイドレール51A,51Bのうち、左側のガイドレール51Bの底部20と、このガイドレール51Bの第1及び第2仕切り壁21,22の先端部に設けられているリップ部21A,22Bとの間に配置されて、これらの底部20とリップ部21A,22Bで案内されて回転しながら上下方向に移動自在となっている。
以上により、左右2個の補強部材61における左右のガイドレール51の内部に挿入されている前述の一方の端部は、ガイドローラ62の回転により、これらのガイドレール51に案内されて上下方向に移動自在となっている。
図16には、図13の一部拡大の断面図が示されている。この図16に示されているように、左右の2個の補強部材61における他方の端部には、これらの端部の厚さ方向中央部の下面から上方へ切り込まれて形成された割り溝64の内部において、シャッターカーテンの厚さ方向を軸方向とする軸部材65を中心に回転自在に配置された回転部材となっている走行ローラ66が設けられ、これらの走行ローラ66の回転による走行により、左右の2個の補強部材61における他方の端部は、全閉時のシャッターカーテン2の座板4が当接する前述の座板当接部材となっている床部材10の床面10Aに沿って左右方向にスライド自在となっている。
左右の2個の補強部材61のうち、図13及び図16で示す右側の補強部材61Aにおける他方の端部を、走行ローラ66の回転による走行により右側へスライドさせることにより、この補強部材61Aの全体を、図14に示されているように、左右のガイドレール51のうち、右側のガイドレール51Aの内部に収納することができ、この収納は、図15で示されているガイドレール51Aの第1空間部25の内部に補強部材61Aの全体が配置されることにより行われる。また、左右の2個の補強部材61のうち、図13及び図16で示す左側の補強部材61Bにおける他方の端部も、走行ローラ66の回転による走行により左側へスライドさせることにより、この補強部材61Bの全体を、図14に示されているように、左右のガイドレール51のうち、左側のガイドレール51Bの内部に収納することができ、この収納は、図15で示されているガイドレール51Bの第1空間部25の内部に補強部材61Bの全体が配置されることにより行われる。
このように左右のガイドレール51の第1空間部25の内部には、左右の補強部材61の全体が収納されるため、これらの空間部25は、待機箇所に達したときの補強部材61を収納するための収納部となっている。
図18には、以上のように左右の補強部材61が、左右のガイドレール51の第1空間部25の内部に収納されたときにおける右側のガイドレール51Aを示し、図18(A)は、シャッターカーテン2を省略したガイドレール51Aの側面図で、図18(B)は、ガイドレール51Aの正面図である。また、図19には、図18(B)のガイドレール51Aを断面として示した図が示されている。図18(A)に示されているように、ガイドレール51Aの第1及び第2仕切り壁21,22に上下方向全長に渡って設けられている前述のリップ部21A,22Bの下部には、第1空間部25側へ突出したストップ部67が形成されている。このため、補強部材61Aが収納される収納部となっているガイドレール51Aの第1空間部25に補強部材61Aが配置されているときには、これらのストップ部67のストップ作用により、補強部材61Aの下部は、第1空間部25から外部に抜け出ることはできない。
補強部材61Aには、作業者が第1空間部25に差し入れた手で握ることができる把持部材68が取り付けられており、図20に示されているように、この把持部材68により作業者が補強部材61Aを持ち上げることにより、走行ローラ66をストップ部67を乗り越えさせて、補強部材61Aにおける前述の他方の端部を第1空間部25の外部へ抜け出させることができ、これにより、走行ローラ66の走行により、補強部材61Aにおける他方の端部を、床面10Aに沿って、ガイドレール51Aから離れる方向である左側へスライドさせることができる。また、補強部材61Aにおける他方の端部を床面10Aに沿って右側へスライドさせた後に、把持部材68により作業者が補強部材61Aを持ち上げることにより、走行ローラ66をストップ部67を乗り越えさせて第1空間部25に配置することもできる。
このように走行ローラ66の走行により、補強部材61Aにおける他方の端部を床面10Aに沿って左右方向へスライドさせるときには、補強部材61Aにおける前述した一方の端部は、この端部に設けられているガイドローラ62の回転により、ガイドレール51Aの第1空間部25を上下方向に移動する。
待機箇所に達しているときの補強部材61Aが収納される収納部となっているガイドレール51Aの第1空間部25には、図8(A)に示されているように、この補強部材61Aにおける前述の一方の端部に2個配置されているガイドローラ62よりも上側の位置において、これらのガイドローラ62ごとに停止部材69が固定配置され、これらの停止部材69にガイドローラ62が達することにより、補強部材61Aにおける一方の端部は、下方向の移動が停止して最下限位置に達する。このように補強部材61Aにおける一方の端部が最下限位置に達したときには、補強部材61Aにおける他方の端部は、図13に示されているように、左右方向であるシャッターカーテン2の幅方向の中央部に近い位置であって、この中央部よりもガイドレール51Aに近い位置に達している。このように補強部材61Aにおける他方の端部が、シャッターカーテン2の幅方向の中央部に近い位置であって、この中央部よりもガイドレール51Aに近い位置に達したときが、補強部材61Aが、シャッターカーテン2のカーテン本体3と座板4の両方とシャッターカーテン2の厚さ方向に対面するための対面箇所に達したときである。
このように補強部材61Aが対面箇所に達したときには、この補強部材61Aは、図16に示されているように、前述した座板当接部材をなっている床部材10に結合される結合部材70により、床部材10に固定される。この結合部材70は、電動ドライバ等の工具で回転操作することができる頭部70Aと、この頭部70Aから下方向に延びる雄ねじ軸部70Bとからなるものである。補強部材61Aには、頭部70Aが載置される段部71と、雄ねじ軸部70Bが上下に挿通される孔部72とが設けられ、また、床部材10には、雄ねじ軸部70Bが螺入される雌ねじ部材73が埋設されている。このため、結合部材70の雄ねじ軸部70Bを孔部72に挿入した後に、この雄ねじ軸部70Bを雌ねじ部材73に螺入し、頭部70Aの回転操作によって結合部材70を締め付けることにより、補強部材61Aは、対面箇所において、結合部材70により床部材10に固定される。
また、頭部70Aの逆回転操作により、雄ねじ軸部70Bを雌ねじ部材73から取り出すとともに、孔部72からも取り出すことにより、補強部材61Aを、結合部材70による床部材10への固定から解除することができ、これにより、補強部材61Aの配置箇所を、前述の対面箇所から、ガイドレール51Aの第1空間部25に収納される前述の待機箇所へ変更することができる。
なお、図16に示されているように、床部材10に埋設されている雌ねじ部材73の頂部には、結合部材70の頭部70Aを内部に挿入することができる凹部73Aが形成されているため、補強部材61Aを、結合部材70による床部材10への固定から解除したときには、図17に示されているように、雄ねじ軸部70Bを雌ねじ部材73に螺入して、凹部73Aの内部に頭部70Aを挿入することにより、結合部材70を、雌ねじ部材73を塞ぐための塞ぎ部材として利用することができる。
以上の説明は、図13及び図15で示されている左右の補強部材61A,61Bのうち、右側の補強部材61Aについてのものであったが、左側の補強部材61Bについての構成も同じであり、このため、左右のガイドレール51A,51Bのうち、左側のガイドレール51Bの第1及び第2仕切り壁21,22に設けられているリップ部21A,22Bの下部にも、左側のガイドレール51Bの第1空間部25に収納された左側の補強部材61Bに設けられている走行ローラ66が第1空間部25から抜け出ることを防止するためのストップ作用を有するストップ部が設けられ、また、左側の補強部材61Bにも把持部材68が取り付けられている。そして、この左側の補強部材61Bについても、この補強部材61Bにおける他方の端部が、左右方向であるシャッターカーテン2の幅方向の中央部に近い位置であって、この中央部よりも、左右のガイドレール51A,51Bのうち、左側のガイドレール51Bに近い位置に達したときが、補強部材61Bが、シャッターカーテン2のカーテン本体3と座板4の両方とシャッターカーテン2の厚さ方向に対面するための対面箇所に達したときであり、このときの補強部材61Bは、図16及び図17に示されているように、補強部材61Bと雌ねじ部材73から取り外し可能となっている結合部材70により、床部材10に固定される。
また、本実施形態では、以上説明したように、シャッターカーテン2よりも室外側に左右の補強部材61A,61Bが配置されているとともに、図15に示されているように、シャッターカーテン2よりも室外側にも、左右の補強部材61C,61Dが配置されている。これらの補強部材61C,61Dについての構成及び作用は、シャッターカーテン2よりも室内側に配置されている上述の左右の補強部材61A,61Bについての構成及び作用と同じあり、また、左右のガイドレール51A,51Bの第3及び第4仕切り壁23,24に設けられているリップ部23B,24Aの下部には、待機箇所に達したときの補強部材61C,61Dが収納される収納部となっている第3空間部27側に突出し、これらの補強部材61C、61Dに設けられている走行ローラ66が第3空間部27から抜け出すことを防止するためのストップ部67が設けられている(図18(A)を参照)。
この実施形態に係るシャッター装置の座板押え装置では、台風の強風等が予想されない平常時には、シャッターカーテン2よりも室外側に配置されている補強部材61A,61Bは、起立姿勢又は略起立姿勢となって左右のガイドレール51A,51Bの第1空間部25に収納され、シャッターカーテン2よりも室内側に配置されている補強部材61C,61Dは、起立姿勢又は略起立姿勢となって左右のガイドレール51A,51Bの第3空間部27に収納されている。そして、台風の強風が予想される非常時となったときには、作業者は、把持部材34によりそれぞれの補強部材61を持ち上げることにより、これらの補強部材61の他方の端部に配置されているそれぞれの走行ローラ66をストップ部67を乗り越えさせて、左右のガイドレール51の外部に抜け出せる作業を行い、次いで、作業者は、これらの走行ローラ66を床面10A上を走行させることにより、それぞれの補強部材61の他方の端部を、ガイドレール51から離れる方向にスライドさせる作業を行う。このときには、それぞれの補強部材61の前述の一方の端部は、これらの端部に設けられているガイドローラ62の回転により、左右のガイドレール51の第1及び第3空間部25,27に案内されて下方向へ移動する。
それぞれの補強部材61の他方の端部が、シャッターカーテン2の幅方向の中央部に近い位置であって、この中央部よりも、補強部材61が収納されていたガイドレール51に近い位置に達したときに、それぞれの補強部材61を図16で示した結合部材70の雄ねじ軸部70Bを、補強部材61の孔部72に挿通して、床部材10に埋設されている雌ねじ部材73に螺入することにより、これらの補強部材61を結合部材70により床部材10に固定する。
これにより、それぞれの補強部材41は、図3及び図15に示されているように、シャッターカーテン2のカーテン本体3と座板4の両方とシャッターカーテン2の厚さ方向に対面する対面箇所において、固定されることになり、このため、台風の強風による風圧によりカーテン本体3と座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを補強部材61によって防止することができ、また、シャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形する座板4が床面10Aから浮き上がることも阻止できる。
また、この実施形態によると、平常時におけるそれぞれの補強部材61は、左右のガイドレール51に設けられている第1及び第3空間部25,27の内部に収納される待機箇所に配置されているため、これらの補強部材61に予期しない外力等が作用することを、ガイドレール51により防止でき、補強部材61の安全性を確保することができる。
また、補強部材61は、シャッターカーテン2よりも室外側と室内側の両方に設けられているため、台風の強風による風圧により、シャッターカーテン2のカーテン本体3と座板4が室外側から室内側に撓み変形することを、シャッターカーテン2よりも室内側に配置された補強部材61C,61Dにより防止できるとともに、強風の吹き返しにより、カーテン本体3と座板4が室内側から室外側に撓み変形することも、シャッターカーテン2よりも室外側に配置された補強部材61A,61Bにより防止できる。
また、本実施形態では、ガイドレール1の第1及び第3空間部25,27は、対面箇所から待機箇所に移行した補強部材61を内部に収納するための収納部となっており、このため、待機箇所に達した補強部材61を内部に収納するための収納部材をガイドレール51とは別に設ける必要がなく、ガイドレール51がこの収納部材を兼用化することになり、このため、この実施形態に係るシャッター装置の座板押え装置を、構造を簡単化し、かつ部材点数を削減して構成することができる。
さらに、対面箇所から待機箇所に移行した補強部材61を内部に収納するための収納部となっているガイドレール51の第1及び第3空間部25,27は、シャッターカーテン2の上下方向の開閉移動を案内するためのシャッターカーテン案内部となっているガイドレール51の第2空間部26からシャッターカーテン2の厚さ方向に離れており、このため、待機箇所から対面箇所に移行した補強部材61を、全閉位置に達しているシャッターカーテン2のカーテン本体3及び座板4と所定どおりシャッターカーテン2の厚さ方向に対面させることができ、また、補強部材61がガイドレール51の第1及び第3空間部25,27に収納されて待機箇所に達しているときに、シャッターカーテン2を補強部材61と干渉させることなく上下方向に開閉移動させることができる。
また、それぞれの補強部材61が対面箇所に達しているときは、これらの補強部材61の他方の端部は、シャッターカーテン2の幅方向の中央部に近い位置であって、この中央部よりも、補強部材61が待機箇所に配置されているときに収納されていたガイドレール51に近い位置に達しており、このシャッターカーテン2の幅方向の中央部の位置は、台風の強風による風圧によりカーテン本体3と座板4が最も大きく撓み変形する位置であるため、この撓み変形を有効にそれぞれの補強部材61により一層有効に防止することができる。
さらに、それぞれの補強部材61の配置箇所を、待機箇所から対面箇所へ変更し、また、対面箇所から待機箇所へ変更する際に、これらの補強部材61の一方の端部は、これらの一方の端部が挿入されているそれぞれのガイドレール51の第1及び第3空間部25,27において上下方向に移動するが、これらの一方の端部には、第1及び第3空間部25,27で回転する回転部材となっているガイドローラ62が設けられているため、これらのガイドローラ62の回転により、それぞれの補強部材61の一方の端部を円滑に上下方向に移動させることができる。
また、それぞれの補強部材61の配置箇所を、待機箇所から対面箇所へ変更し、また、対面箇所から待機箇所へ変更する際には、これらの補強部材61の他方の端部を左右方向にスライド移動させることになるが、これらの一方の端部には、床面10A上を回転して走行する回転部材となっている走行ローラ66が設けられているため、これらの走行ローラ66の回転により、それぞれの補強部材61の他方の端部を円滑に左右方向にスライド移動させることができる。
なお、以上の実施形態に係る補強部材61も、図9等で示した補強部材41と同様に、長さ寸法を調整可能としてもよい。
図21には、別実施形態に係る座板80が示されている。この座板80は、座板本体81と、この座板本体81の下側において、座板本体81に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体82とを含んで構成されたものとなっており、この座板80は、前述した出入口に存在する障害物を検出することにより、シャッターカーテン2の閉じ移動を停止させることができるシャッター装置に用いられる。
図22には、シャッターカーテン2が全閉位置から上昇したときの座板80の状態が示されている。この図4から分かるように、座板80を構成する部材のうち、昇降体82には、上方へ延出していて、座板本体81の下面に形成された開口部81Aから座板本体81の内部に侵入した延出部82Aが設けられ、シャッターカーテン2の厚さ方向に一対設けられている延出部82Aのそれぞれの先端には、シャッターカーテン2の厚さ方向外側に突出した係止部82Bが設けられている。シャッターカーテン2が上下方向に開閉移動しているときや前述の全開位置に達しているときには、図22に示されているように、係止部82Bが、座板本体81の開口部81Aの外縁部を形成している被係止部81Bに上から係止することにより、昇降体82は、座板本体81に対して最下位置まで下降している。また、座板本体81の内部には、軸部81Cを中心に上下に揺動自在となった揺動部材84と、取付部材85に取り付けられた電気スイッチ等によるセンサ86とが配置されている。また、昇降体82には、下端部が昇降体82に結合された押し上げ部材87が立設されている。
全開位置に達していたシャッターカーテン2の閉じ移動中において、前述した出入口に障害物が存在すると、昇降体82はこの障害物に当接して停止するとともに、この昇降体82に対して座板本体81はさらに下降するため、昇降体82に設けられている延出部82Aの係止部82Bと押し上げ部材87が、座板本体81の内部に配置されている揺動部材84を軸部81Cを中心に上方へ揺動させ(図21を参照)、これにより、揺動部材84によってセンサ86が作動する。このセンサ86からの信号は、無線又は有線により、例えば、図1のまぐさ部材11に配置された制御装置に送られ、この制御装置による制御によって図1の開閉機8の電動モータの駆動が停止してブレーキがオンとなることにより、巻取軸7の回転が停止し、シャッターカーテン2は閉じ移動を停止する。障害物が除去されると、昇降体82が下降することによって揺動部材84は軸部81Cを中心に下方へ揺動するため、センサ86の逆作動により、制御装置からの信号によって開閉機8の電動モータの駆動が開始してブレーキがオフとなることにより、シャッターカーテン2は閉じ移動を開始する。
図21に示されているように、座板80の昇降体82が床部材10の床面10Aに当接することによりシャッターカーテン2が全閉となっても、センサ86は作動するが、例えば、図1の巻取軸7に、この巻取軸7の回転数を検出するための巻取軸回転数検出装置を配置し、この巻取軸回転数検出装置により、シャッターカーテン2が全閉位置に達したことを検出し、この巻取軸回転数検出装置からの信号が送られる前述の制御装置の制御により、開閉機8の電動モータの駆動を停止させてブレーキをオンとさせることにより、全閉位置に達したシャッターカーテン2の閉じ移動を停止させるようにしてもよい。このようにする場合には、センサ86から送られる信号は、前述の制御装置において無効とされる。
このような座板80が用いられているシャッター装置については、図21の二点鎖線で示されているように、図3や図4等で示されている実施形態の補強部材31を、これらの補強部材31が対面箇所に達したときに、座板80の座板本体81と昇降体82の両方とシャッターカーテン2の厚さ方向に対面させてもよく、あるいは、座板本体81だけとシャッターカーテン2の厚さ方向に対面させてもよく、あるいは、昇降体82だけとシャッターカーテン2の厚さ方向に対面させてもよい。また、この座板80が用いられているシャッター装置についても、図9等で示されている補強部材41や、図13等で示されている実施形態の補強部材61を用いることにより、シャッター装置の座板押え装置を構成してもよい。