JP7501591B2 - 金属材料の穴広げ試験方法と穴広げ試験用設備 - Google Patents
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Description
本発明は、金属材料の穴広げ試験方法、及び、穴広げ試験用設備に関するものである。
穴広げ試験とは、材料の成形性を評価するための試験である。具体的には、試験する材料の板状試験片に規定の大きさの円形の穴を開け、試験機にセットし、試験機に付帯した円錐形のポンチで試験片の穴を下から押し広げる。穴が広がるにつれて穴の断面部には亀裂が生じ、やがて試験片上面から下面に貫通する。以下、試験片上面から下面に貫通している割れを「貫通割れ」、貫通していない割れを単に「割れ」と呼称する。試験者は、穴広げを開始した時点から穴の断面部を観察し、どこか一か所でも貫通割れを認めた瞬間に試験機(ポンチ)を停止する。その後、試験片の穴径を測定し、以下の式で穴広げ率を求め、試験結果とする。
ただし、λ:穴広げ率(%)、D0:試験前の穴径(D0=10mm:JIS Z 2256:2020に準拠した場合の穴径)、Dh:試験後の穴径(mm)である。
穴の断面部の観察は、通常目視で行われている。しかし、円形の穴断面のどこに割れが生じるか、生じた割れのうちどれが最初に貫通割れに進展するかが不明であるため、試験者は試験開始から終了まで、断面をくまなく観察し続ける必要がある。場合によっては、断面の2か所以上で同時に割れが進展することもあり、注意を要する。そのため、目視による貫通割れの判定は、試験者に対する身体的負荷が高いという課題がある。
また、貫通割れ発生後は速やかに試験機を停止する必要があるが、前項の理由により貫通割れの発見が遅れたり、発見しても個人の反応速度の違いにより試験機を停止するのが遅れたりする場合がある。試験機の停止が遅れると、その分穴が広がるため、貫通割れ発生後即座に試験機を停止した場合と比較して、穴広げ率が大きくなることになる。貫通割れ発見の遅れは主に試験作業に習熟していない新人、試験機停止の遅れは視力や反応速度の落ちたシニア層によくみられるが、試験者の体調などによっても左右されうる。いずれにしても、これらは試験結果のばらつきの要因となり、その解決も課題の一つである。
このため、穴広げ試験においては、貫通割れの判定を目視ではなく、ソフトウェア等による自動判定とすることが求められている。その手段として、特許文献1では、試験中、穴断面が押し広げられる過程をテレビカメラで撮影し、その画像データ処理装置にて、穴断面の内周円・外周円および割れ部を暗部、それ以外を明部とし、内周円および外周円を時計回りおよび反時計回りに追跡して板厚を貫通する割れを検出する方法が提案されている。
また、特許文献2には、試験中の穴断面をテレビカメラで撮影、データ処理装置に入力し、穴断面の内周円を明確化後、内周円全周について一定のピッチで測定点を定め、さらにその測定点の位置データに近似した真円である疑似円を仮定、測定点と疑似円の位置データに一定のずれが生じたら貫通割れ発生と判定する方法が提案されている。
特許文献1の方法では、穴断面部の汚れや、穴打抜き時に生じるせん断面と破断面との表面性状の差による模様を貫通割れと判別し難い場合がある。特許文献2の方法では、材料の規格によっては貫通割れに至っていなくても穴断面部の内側(ポンチと接している側、試験片下面)に段差が生じる場合があり、それらを貫通割れとして誤検知する恐れがある。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、穴広げ試験において、材料の規格や穴断面部の状態によらず、貫通割れを検出する穴広げ試験方法と、穴広げ試験用設備を提供するものである。
筆者らは鋭意調査した結果、穴広げ試験に際し、穴断面部を挟む内周円と外周円および割れ部を暗部、それ以外を明部として2値化処理する際の、しきい値を適切に調整することにより、貫通割れ部が存在しない定常部を明部とし、貫通割れ部と、穴断面部を挟む内周円の内側と外周円の外側とを暗部として判別することができるため、定常部である穴断面部の汚れや、穴打抜き時にせん断面と破断面との表面性状の差が生じる場合にはその模様と、貫通割れ部との差異を明確に区別できることを知見した。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
[1]金属材料の穴広げ試験において、前記金属材料の開穴部に光を照らし、ポンチを当接して押し込みながら、前記開穴部の穴拡大過程を撮像して画像を得る工程、前記画像について前記開穴部の、内周円と外周円および両者に挟まれた穴断面部を定義する工程、前記穴断面部のみの平均輝度値を計算する工程、前記穴断面部のみの輝度のヒストグラムを更に求め、前記ヒストグラムの谷部の値に前記平均輝度値をオフセットする工程、前記平均輝度値を使用して2値化しきい値を決定する工程、及び、前記画像を2値化して貫通割れを判定する工程を特徴とする、金属材料の穴広げ試験方法。
[2]前記画像を2値化して貫通割れを判定する工程において、前記穴断面部を挟む前記内周円と前記外周円が、貫通割れが発生していないときは穴断面部によって割れが分断されてそれぞれ別々の領域となり、貫通割れが発生しているときは割れによってひとつながりの領域となることを特徴とする、[1]に記載の金属材料の穴広げ試験方法。
[3]金属材料の穴広げ試験用設備であって、前記金属材料の開穴部にポンチを当接するための穴広げ試験機と、前記開穴部の穴拡大過程を照らす光源と、前記穴拡大過程を撮像して画像を得るための撮像装置と、前記画像を処理するための画像処理装置とを備え、前記画像処理装置は、前記開穴部の、内周円と外周円および両者に挟まれた穴断面を定義する手段、前記穴断面部のみの平均輝度値を計算する手段、前記穴断面部のみの輝度のヒストグラムを更に求め、前記ヒストグラムの谷部の値に前記平均輝度値をオフセットする手段、前記平均輝度値を使用して2値化しきい値を決定する手段、及び、前記画像を2値化して貫通割れを判定する手段を備えることを特徴とする、金属材料の穴広げ試験用装置。
[1]金属材料の穴広げ試験において、前記金属材料の開穴部に光を照らし、ポンチを当接して押し込みながら、前記開穴部の穴拡大過程を撮像して画像を得る工程、前記画像について前記開穴部の、内周円と外周円および両者に挟まれた穴断面部を定義する工程、前記穴断面部のみの平均輝度値を計算する工程、前記穴断面部のみの輝度のヒストグラムを更に求め、前記ヒストグラムの谷部の値に前記平均輝度値をオフセットする工程、前記平均輝度値を使用して2値化しきい値を決定する工程、及び、前記画像を2値化して貫通割れを判定する工程を特徴とする、金属材料の穴広げ試験方法。
[2]前記画像を2値化して貫通割れを判定する工程において、前記穴断面部を挟む前記内周円と前記外周円が、貫通割れが発生していないときは穴断面部によって割れが分断されてそれぞれ別々の領域となり、貫通割れが発生しているときは割れによってひとつながりの領域となることを特徴とする、[1]に記載の金属材料の穴広げ試験方法。
[3]金属材料の穴広げ試験用設備であって、前記金属材料の開穴部にポンチを当接するための穴広げ試験機と、前記開穴部の穴拡大過程を照らす光源と、前記穴拡大過程を撮像して画像を得るための撮像装置と、前記画像を処理するための画像処理装置とを備え、前記画像処理装置は、前記開穴部の、内周円と外周円および両者に挟まれた穴断面を定義する手段、前記穴断面部のみの平均輝度値を計算する手段、前記穴断面部のみの輝度のヒストグラムを更に求め、前記ヒストグラムの谷部の値に前記平均輝度値をオフセットする手段、前記平均輝度値を使用して2値化しきい値を決定する手段、及び、前記画像を2値化して貫通割れを判定する手段を備えることを特徴とする、金属材料の穴広げ試験用装置。
本発明では、2値化のしきい値の決定に関する範囲を穴断面部のみとし、輝度のヒストグラムを用いてしきい値を更にオフセットすることで、試験片の模様や汚れを含む定常部と貫通割れ部とが明確に区別できるように2値化が可能となる。さらに、記載の貫通割れを判定する工程を用いることで、試験が進行して穴断面部を挟む内周円と外周円に段差が生じたり、部分的に板厚が減少したりする場合であっても、より明確に貫通割れを判定できる。これらによって、穴広げ試験における貫通割れの発生を誤検知なく自動で判定できるので、試験者の負荷低減と共に、試験者による試験結果のばらつきを小さくでき、品質の高い穴広げ試験を行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の穴広げ試験について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態には、当業者が容易に置換可能なもの、あるいは実質的に同一のものも含まれる。
本発明における穴広げ試験用設備を図5に示す。本発明を実施するためには、穴広げ試験機13のほか、穴断面部3を撮像する撮像装置14、画像処理装置15と光源16を要する。
金属材料(例えば鋼板)から切り出した試験片の中心に円形の穴を開けて開穴部(図示せず)を作成し、穴広げ試験機13にセットする。前記開穴部に光源16によって光を照らし、円錐形のポンチ(図示せず)を当接して押し込みながら、上記円形の穴を押し広げていく。この時、撮像装置14にて前記開穴部の穴拡大過程を撮像する。
前記撮像装置14は、カメラが好ましい。使用するカメラは、一定のシャッタースピードで画像を撮像し、それを画像処理装置15に逐一送信できるものであればよく、好適例として、市販のビデオカメラがあげられる。カメラの解像度は、1ピクセル当たりの長さが測定したい貫通割れ幅(以下、割れ幅という)以下であればよい。より好ましくは、1ピクセル当たりの長さが割れ幅の1/3以下であるとよい。これは、貫通割れは穴断面の接線に対して必ずしも垂直に発生するとは限らず、斜め方向に発生する場合もあり、2値化後の画像で貫通割れ部のすべてを暗部とするためには一定の余裕代が必要だからである。1ピクセル当たりの長さが割れ幅を上回ると、撮影した画像で貫通割れ部とその周囲との明暗差が適切に表現されず、その結果、2値化をしても貫通割れ部が暗部にならない場合がある。
撮影した画像は画像処理装置15に送信し、2値化処理および貫通割れの有無の判定を行う。画像処理装置15については、コンピュータ上に以下の各工程を実施するための手段を備えたコンピュータープログラムを実装することが好ましいが、必要な機能を備えたソフトウェアを用いてもよい。
次に、送信された画像を2値化処理するまでの手順(工程)を以下に述べる。手順の概略を図1に示す。まず、撮像した開穴部の画像から、図2に示す内周円1および外周円2を検出する。検出された内周円1と外周円2に挟まれたドーナツ状の領域を定義し、以下、穴断面部3と呼ぶ。
次に、2値化のしきい値を決定するため、穴断面部3のみの輝度の平均値およびヒストグラムを求める。穴広げ試験の際、穴断面部3は貫通割れの確認がしやすいように光源16を用いて照らす。光源16は、試験者やカメラの視野を阻害しないものであれば特に限定されず、従来用いられてきたもので良い。より好ましくは、周方向の光量が均一であるようなリング状の光源がよい。周方向の光量が均一であることによって、穴断面部の明るさのむらが小さくなり、定常部と貫通割れ部とを分離しやすくなるからである。光源の明るさは、撮像装置や画像処理装置、試験片の性状にあわせて適切に調整すればよい。より好ましくは、試験片を置く面で測定した場合、1200~1800ルクスがよい。明るさが不足していると(例えば、1200ルクス未満の場合)、穴断面部の定常部と貫通割れ部とのコントラストが弱くなり、貫通割れの判定が難しくなる場合がある。一方で、明るさが過剰に高い(例えば、1800ルクス超)場合、穴断面部での光の反射等により、画像中で輝度の高い部分の輪郭が不鮮明になる場合がある。当該不鮮明部分と貫通割れ部が隣接していると、画像中で貫通割れ部の判定が難しくなる場合がある。
また、光源の取り付け位置は、室内の照明や周囲の人通り等の外乱要因によって、光源16の光量が変化して画像処理に影響しない箇所に設置すれば良い。より好ましくは、図5に示すように、例えばリング状の光源16を、穴広げ試験機13の内部の、試験に支障しない箇所に取り付けることができる。
図3に示すように表面性状の違いによって反射率が異なる、せん断面7と破断面8が存在する場合がある。これは、穴広げ試験の対象となる鋼板の板厚が大きくなるほど穴断面部の面積も大きくなるため、せん断面7と破断面8の表面性状の違いが画像処理に及ぼす影響も大きくなる。このせん断面7と破断面8が存在する場合には、これらの輝度の違いにより、単純に輝度の平均値をしきい値とすると、本来明部となるべき定常部の一部が暗部となり、貫通割れの有無が不明確になる場合がある。したがって、輝度の平均値だけでなくヒストグラムを求め、穴断面部3の定常部全域が明部となるようなオフセットを設定すれば、定常部と貫通割れをより明確に区別することが可能となる。この他、定常部は、模様、汚れ等も含む。
ヒストグラムの一例を図4に示す。2値化のしきい値は図4に示すヒストグラムの暗部ピーク9と明部ピーク10の間の谷部11となるように平均輝度値12をオフセットした値にすればよい。それにより、穴断面部3の定常部は暗部となることなく、貫通割れ部4と明確に区別することができる。このようなしきい値を用いて画像全体を2値化すると、図6に示すように穴断面部3の定常部は明部、貫通割れ部4、穴断面部を挟む内周円の内側5と外周円の外側6は暗部となる。ここで、内周円の内側5を「暗部I」、外周円の外側6を「暗部II」とする。
続いて、2値化した画像を用いて貫通割れの判定を行う。貫通割れの判定には、暗部Iと暗部IIが、貫通割れ4がないときは明部である穴断面部3に分断されてそれぞれ別の領域となるが、貫通割れ4があるときは暗部である貫通割れ4によってひとつながりの領域となることを利用する。具体的な判定方法の態様を、以下に2つ述べる。
1つ目の態様は、画像内における一定以上の面積を持った暗部の数を観測する方法である。貫通割れ4が発生する前は、一定の大きさの暗部の数は暗部Iと暗部IIの2つである。しかし、貫通割れ4が発生すると、暗部Iと暗部IIは暗部である貫通割れ4により接続され、結果、画像内の暗部の数は1つに減少する。これを観測することで貫通割れ4の判定を行うことができる。
2つ目の態様は、画像内における、最大の暗部の面積を観測する方法である。貫通割れ4が発生する前は、最大の暗部は暗部Iまたは暗部IIのいずれかである。貫通割れ4が発生すると、暗部Iと暗部IIは暗部である貫通割れ4により接続され、結果、最大の暗部の面積は、暗部Iと暗部IIの面積の和に近い値となる。したがって、暗部Iおよび暗部IIの面積より大きく、両者の和より小さいようなしきい値を設定し、最大暗部の面積がしきい値を超えたら貫通割れ4発生と判定できる。
なお当然、これらの態様は明部と暗部を反転しても同様の効果が期待できる。採用する画像処理装置の特性に合わせ、適切な方法を選択するとよい。
板厚1.2mm、1.6mmの冷延鋼板における穴広げ試験について、本発明を実施した。図5に示すように、穴広げ試験機13の窓の直上に撮像装置14を設置し、開穴部を撮像できるようにした。撮像装置14には、500万画素のカメラを採用し、シャッタースピードは10回/秒とした。撮像装置14は画像処理装置15に接続した。光源16には、リング状の白色LED光源を採用し、穴広げ試験機13の内部に、リングの中心が試験片の穴中心のおよそ直上となるように設置した。2値化貫通割れの判定方法については、前述の1つめ目の態様に示した、2値化後の画像における一定以上の面積を持つ暗部の数の計数を用いた。
本発明の比較例として、同一の試験片に対し、試験者の目視判定による従来の方法でも穴広げ試験を実施し、貫通割れの判定を行った。
本発明の評価方法としては、まず穴広げ完了後に撮像装置14にて撮影した画像をさかのぼって確認し、貫通割れが発生したと認められる時刻を求めた。次に、発明例1として本発明による方法で、および比較例1として目視判定による従来の方法で貫通割れ発生と判定した時刻をそれぞれ求めた。各々の方法で貫通割れ発生を判定した時刻と、上記貫通割れ発生が認められた時刻との差分を取ったもの、すなわち貫通割れが発生してからそれを判定するのに要した時間を判定所要時間と定義した。実施結果を表1に示す。判定所要時間の平均は、板厚1.2mmでは目視判定の場合0.45秒であったのに対し、本発明による方法では0.13秒と、0.32秒短縮された。同様に、1.6mmでは0.2秒短縮された。また、各方法9枚ずつの試験片に対し、判定所要時間の標準偏差(σ)をもとめた。
比較例1の場合σ=0.13であったのに対し、発明例1による方法ではσ=0.05であり、比較例1に比べて有意にばらつきが小さくなった。
なお、実施例では1つ目の態様のみを用いて試験を行ったが、2つ目の態様についても同様の結果が得られることは確認済みである。
また、穴断面部のみの平均輝度値を当該穴断面部の輝度のヒストグラムの谷部の値にオフセットする工程を省略して画像を2値化した比較例2を、図7に示す。当該工程を省略して2値化した結果、穴断面部の外周円付近の輝度がしきい値を下回るため暗部となり、貫通割れと定常部との差異が不明確となった。
さらに、同規格・同一板厚の試験片について、光源16の明るさを1300ルクス、2000ルクスとしてそれぞれ撮像した発明例3を、夫々図8、9に示す。明るさを1300ルクスとした場合では貫通割れ箇所が明瞭に撮像できている。一方で、2000ルクスでは主に穴断面部の内周側で光が強く反射してしまい、定常部と貫通割れ部との区別が難しくなっている。
このように、本発明を用いることにより、判定所要時間のばらつきを大きく低減することができ、かつ試験の自動化による試験者の負荷低減にも寄与することができる。
1 内周円
2 外周円
3 穴断面部
4 貫通割れ部
5 内周円の内側
6 外周円の外側
7 せん断面
8 破断面
9 暗部ピーク
10 明部ピーク
11 谷部
12 平均輝度値
13 穴広げ試験機
14 撮像装置
15 画像処理装置
16 光源
17 鋼板
2 外周円
3 穴断面部
4 貫通割れ部
5 内周円の内側
6 外周円の外側
7 せん断面
8 破断面
9 暗部ピーク
10 明部ピーク
11 谷部
12 平均輝度値
13 穴広げ試験機
14 撮像装置
15 画像処理装置
16 光源
17 鋼板
Claims (3)
- 金属材料の穴広げ試験において、
前記金属材料の開穴部に光を照らし、ポンチを当接して押し込みながら、前記開穴部の穴拡大過程を撮像して画像を得る工程、
前記画像について前記開穴部の、内周円と外周円および両者に挟まれた穴断面部を定義する工程、
前記穴断面部のみの平均輝度値を計算する工程、
前記穴断面部のみの輝度のヒストグラムを更に求め、前記ヒストグラムの谷部の値に前記平均輝度値をオフセットする工程、
前記平均輝度値を使用して2値化しきい値を決定する工程、及び、
前記画像を2値化して貫通割れを判定する工程を特徴とする、金属材料の穴広げ試験方法。 - 前記画像を2値化して貫通割れを判定する工程において、前記穴断面部を挟む前記内周円と前記外周円が、貫通割れが発生していないときは穴断面部によって割れが分断されてそれぞれ別の領域となり、貫通割れが発生しているときは割れによってひとつながりの領域となることを特徴とする、請求項1に記載の金属材料の穴広げ試験方法。
- 金属材料の開穴部にポンチを当接するための穴広げ試験機と、
前記開穴部の穴拡大過程を照らす光源と、
前記穴拡大過程を撮像して画像を得るための撮像装置と、
前記画像を処理するための画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置が、
前記開穴部の、内周円と外周円および両者に挟まれた穴断面部を定義する手段、
前記穴断面部のみの平均輝度値を計算する手段、
前記穴断面部のみの輝度のヒストグラムを更に求め、前記ヒストグラムの谷部の値に前記平均輝度値をオフセットする手段、
前記平均輝度値を使用して2値化しきい値を決定する手段、及び、
前記画像を2値化して貫通割れを判定する手段を有することを特徴とする、金属材料の穴広げ試験用設備。
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