JP5170146B2 - 金属材料の穴拡げ試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属材料の穴拡げ試験方法に関するものである。
金属材料の穴拡げ試験は、金属材料の加工性を評価するための試験である。穴拡げ試験の具体的方法は、ISO16630に規定されているように、金属板の打抜き穴に円錐ポンチを当接し、このポンチを徐々に押し込んで打抜き穴を円錐ポンチで押し広げ、打抜き穴の縁に形成された割れが、少なくとも一箇所で厚さ方向に貫通した時点でポンチを停止させ、そのときの打抜き穴の直径を計測し、初期内径からの穴拡げ率を測定するものである。
従来の穴拡げ試験方法においては、金属板の打抜き穴に円錐ポンチを当接して押し込みながら、評価者が穴の形状を観察し、穴の板厚断面に形成される割れが最初に板厚を貫通したことを確認したときにポンチを停止させている。そして、この状態でノギス等を用いて穴の内径を測定している。穴の断面に観察される割れが最初に板厚を貫通したことを確認できた時点をここでは「判定点」と呼ぶ。以上のように目視によって判定点を定めているため、割れを判別するタイミングに個人差があり、同一品質の金属板を評価するに際しても判定にばらつきが生じていた。判定のタイミングは検査の新人とベテランとでも異なっており、新人はベテランに比較して判定タイミングが遅くなる傾向があった。割れが最初に板厚を貫通する時点を見逃してしまうと、試験は後戻りできず、試験中の割れの起点や広がり方などを記録することもできず、判定点を判定した後の割れが貫通した金属板しか保存することができないため、ポンチを停止させるタイミングが非常に重要になり、評価者は集中力を長時間持続させなければならない。
目視に頼らない手段として、特許文献1においては、穴拡げ試験において穴拡大過程をテレビカメラで撮像し、板厚断面における割れの軌跡を示す暗部を追跡して検出し、割れが板厚内周端から外周端までが連続した時点をもって割れと判定する方法が開示されている。
特許文献2、3においては、穴拡げ試験の穴拡大過程で試験片の温度パターンの時系列変化を計測し、十分な大きさに亀裂が進展した段階で荷重の負荷を停止し、可視光カメラを用いて亀裂の発生箇所を特定し、亀裂の入った箇所の最高温度履歴パターンを記憶手段から取り出し、温度が低下する時点を検出することによって試験片に亀裂が入った瞬間を正確に把握することができるとしている。特許文献4においては、試験片の測定対象面の温度パターンの時系列変化を二次元の温度画像として計測し、一定の温度パターンを示す測定点が隣接して連結する箇所を検出し、その中で最も早く温度低下現象が現れた測定点を、亀裂の入った瞬間として特定する方法が開示されている。
特許第3612154号公報 特開平10−82726号公報 特開平10−123034号公報 特開平10−123035号公報
穴拡げ試験の穴拡大過程において、穴の縁(板厚断面)には無数の小さな割れが導入され、このうちの一つの割れが板厚を貫通した時点をもって「割れ貫通」と判定する。特許文献1に記載の方法では、板厚断面に無数に導入される小さな割れ、あるいは打抜き穴断面の表面荒さや表面についた摺り疵あるいは汚れなどと判別するために撮像画像にコントラストをつけると、大きな割れしか判別することができず、割れが板厚を貫通した瞬間をとらえることができないという問題があった。
特許文献2〜4に記載の方法では、板厚断面に同時に複数の割れが発生し拡大が進行するので、どの割れが最初に板厚を貫通したのかを判断することは非常に困難であることが分かった。また、板厚の薄い材料では発熱量が少なく、試験環境による影響が大きくなってしまい、発熱のピークを断定するには困難な場合があった。
本発明は、金属材料の穴拡げ試験において、目視に頼ることなく、目視による方法よりも測定ばらつきを少なくして、割れが板厚を貫通した時点を判定することのできる方法を提供することを第1の目的とする。
金属材料の出荷品質評価においては、ISO16630に規定された目視による判定の代替として、目視による判定よりも測定ばらつきを少なくすることによって上記第1の目的を達成することができる。一方、目視による判定は必然的に、割れが板厚を貫通した瞬間から若干の時間が経過した時点ではじめて割れ貫通を目で確認することが可能となる。これに対し、金属材料の研究においては、金属材料の成分や組織が品質に及ぼす影響を厳密に評価する目的で、割れが貫通した瞬間を判定することも求められている。本発明は、金属材料の穴拡げ試験において、割れが貫通した瞬間を判定することのできる方法を提供することを第2の目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)金属板10の打抜き穴11に円錐ポンチ2を当接して押し込みながら、撮像装置4によって打抜き穴11の形状を時間を追って撮像して撮像データをデータ処理装置5に入力し、各時刻の撮像画像7において打抜き穴板厚断面12の内周端13を明確化する画像処理を行い、打抜き穴全周についてあらかじめ定めた周方向ピッチで当該内周端13の位置データを取得して測定点15とし、測定点15の位置データに近似した真円を定めて擬似円16とし、予め判定点数と判定閾値とを定めておき、判定点数以上の連続する個所の測定点において測定点15と擬似円16との距離が判定閾値を超えたとき(以下「第1判定点」という。)をもって穴拡げ限界と判定することを特徴とする金属材料の穴拡げ試験方法。
(2)第1判定点に到達したら、第1判定点から時間をさかのぼって撮像画像を画像表示装置に表示し、前記測定点と擬似円との距離が判定閾値を超えた付近(以下「貫通割れ発生箇所19」という。)において観察される貫通割れ18が板厚を貫通した瞬間を第2判定点とし、前記第1判定点に代えて、第2判定点をもって穴拡げ限界と判定することを特徴とする上記(1)に記載の金属材料の穴拡げ試験方法。
本発明は、穴拡げ試験において打抜き穴の形状を時間的に連続的に撮像し、打抜き穴全周について板厚断面の内周端の位置データを取得して測定点とし、測定点の位置データに近似した真円を定めて擬似円とし、測定点と擬似円との距離が判定閾値を超えたときをもって穴拡げ限界と判定するので、従来の目視方法と比較して測定ばらつきの少ない穴拡げ試験判定が可能となる。
本発明の穴拡げ試験方法を示す全体概念図である。 本発明における撮像画像の画像処理方法を示す図であり、(a)は打抜き穴板厚断面の内周端を明確化する画像処理を行った状況を示し、(b)は打抜き穴全周について内周端の位置データを取得して測定点とする状況を示す。 割れ貫通を判定した第1判定点における撮像画像を説明する図であり、(a)は半径方向に割れが貫通した場合を示し、(b)は半径方向から斜めの方向に割れが貫通した場合を示す。 本発明における撮像画像を示す図であり、(a)は第1判定点における図であり、(b)は第2判定点における図である。 割れが貫通した際の実際の撮像画像を示す部分図である。 穴拡げ試験を説明する図であり、(a)は円錐ポンチによる押し込みを開始する前、(b)は円錐ポンチによって押し込みを行っている状況を示す。
穴拡げ試験においては、ISO16630に規定されているように、図6(a)に示す金属板10の打抜き穴11に円錐ポンチ2を当接し、この円錐ポンチを図6(b)に示すように徐々に押し込んで打抜き穴を穴拡げする。打抜き穴の断面に形成された割れが板厚を貫通した時点をもって判定点とし、そのときの打抜き穴の直径を計測して破断後の穴径とし、初期内径からの穴拡げ率を測定するものである。
本発明では、図1に示すように、金属板10の打抜き穴に円錐ポンチ2を当接して押し込みながら、撮像装置4によって当該打抜き穴の形状を時間を追って撮像する。撮像装置4としては、時間を追って所定の撮像時間間隔毎に連続的に画像を撮像することのできるものであって、撮像画像を電気信号としてデータ処理装置5に入力できる撮像装置を用いる。いわゆるテレビカメラ、ビデオカメラ、動画撮像機能を有するデジタルカメラなどを好適に用いることができる。撮像方向としては、円錐ポンチ2の進行方向に撮像装置4を据え、円錐ポンチ2の中心が撮像画像の中心となるように撮像方向を定めると良い。
撮像装置4による撮像データをデータ処理装置5に入力する。データ処理装置5としては、所定の撮像時間間隔毎に連続的に送られてくる画像データについて以下に示すデータ処理を行い得る能力を有していればよい。
データ処理装置5はまず、各時刻の撮像画像において打抜き穴板厚断面の内周端を明確化する画像処理を行う。撮像画像において、打抜き穴の板厚断面の明度が明るく、板厚断面の内周端より内側及び外周端より外側が暗い明度となる。そこで、コントラストを強調する方向で調整を行うことにより、図2(a)に示すように、撮像画像7のちう板厚断面の内周端13を境界として、板厚断面12側を明部、内周端13より内側を暗部として、内周端13を明暗の境界部として強調することが可能である。これにより、打抜き穴板厚断面12の内周端13を明確化することができる。
このようにして得られた画像において、図2(b)に示すように、打抜き穴全周についてあらかじめ定めた周方向ピッチで内周端13の位置データを取得して測定点15とする。例えば全周を2°ピッチで区分して位置データを取得し、合計180点の測定点15とすることができる。打抜き穴の実寸法に相当する座標を撮像画像7に与えておき、各測定点15について内周端13の位置データを付与する。
次に、測定点15の位置データに近似した真円を定めて「擬似円16」とする。擬似円16は、撮像画像7の座標において中心座標と半径を与えることによって定まる。測定点15の位置と擬似円16の円周部との関係について最小二乗法を用いて近似化し、擬似円16の中心座標と半径を定めることができる。
穴拡げ試験において、穴の板厚断面を貫通する割れが形成される場合、割れの種類としては、図3(a)に示すように断面の半径方向に割れが貫通して貫通割れ18となる場合と、図3(b)に示すように断面の半径から斜め方向に割れが貫通して貫通割れ18となる場合とが存在する。それぞれについて、割れが断面を貫通したことを確認する方法について説明する。
図3(a)に示すように断面の半径方向に貫通する割れが形成された場合、打抜き穴の形状を撮像した撮像画像7において、貫通割れ18の部分は暗部となり、断面の内周端13より内側部分の暗部と貫通割れ18部分の暗部とが連続した暗部を形成する。このような状態で、打抜き穴全周についてあらかじめ定めた周方向ピッチで当該内周端の位置データを取得して測定点15とすると、貫通割れ部分の測定点15aについては、断面の外周端14より外側に測定点15aの座標が認識されることになる。このような状態において前記方法で擬似円16を定めると、貫通割れ18部に相当する部分の測定点15aと擬似円16との間の距離が離間することとなる。そこで、予め判定閾値を定めておいて、測定点15と擬似円16との距離が判定閾値を超えたときをもって穴拡げ限界と判定することとすれば、これによって割れの貫通を判定できることとなる。
図3(b)に示すように断面の半径から斜め方向に割れが貫通する場合、このような割れにおいてはせん断力が働くので、割れ貫通後において、撮像画像で得られる断面の内周端13の位置は図3(b)に示すように貫通割れ18を境にして段差が生じることとなる。このような状態において前記方法で擬似円16を定めると、貫通割れ18部の一方の側では測定点15が擬似円16よりも内側に位置し、貫通割れ18部のもう一方の側では測定点15が擬似円16よりも外側に位置することとなる。そこで、予め判定閾値を定めておいて、測定点15と擬似円16との距離が判定閾値を超えたときをもって穴拡げ限界と判定することとすれば、これによって割れの貫通を判定できることとなる。
以上のように、測定点15と擬似円16との距離が判定閾値を超えたときをもって穴拡げ限界と判定したときを、「第1判定点」という。判定閾値としては、金属板厚の5〜15%程度とすると好ましい。また、測定点の位置データを取得する周方向のピッチについては、1〜2°程度とすると好ましい。
打抜き穴の内周端全周に配置した測定点15のうち、1点でも判定閾値を超えたときに穴拡げ限界に達したと判定することもできる。一方、測定のばらつきで、割れが板厚を貫通する以前に測定点のうちの1点と擬似円との距離が判定閾値を超えてしまうことがある。本発明においては、予め判定点数を定めておき、判定点数以上の連続する個所の測定点15において測定点15と擬似円16との距離が判定閾値を超えたときをもって穴拡げ限界と判定することとすると好ましい。もちろん、測定精度が良好な場合には判定点数を1と定めても良い。通常は、判定点数を2〜5点とすると好ましい。
以上のように、第1判定点をもって穴拡げ限界と判定したら、データ処理装置5から穴拡げ試験機1に信号を送って円錐ポンチ2の押し込みを停止するとともに、そのときの穴径(破断後の穴径)を定める。第1判定点における穴断面の内周端13の直径が、破断後穴径に対応する。打抜き穴の形状を撮像した撮像データにおいて、穴断面の寸法形状を撮像画像7から読み取ることができる。本発明においては、第1判定点における擬似円の直径をもって破断後穴径とすることができる。より好ましくは、断面の内周端について取得した測定点15の座標を用い、測定点15の中で対角線上にある最も短い距離にある2点の測定点間距離を短径とし、この短径と直交方向にある対角線上の2点の測定点間距離を直交径とし、短径と直交径の平均値をもって破断後穴径とすると好ましい。ISO16630の規定に忠実な測定となるとともに、割れ部で穴径を測定することを防止できるからである。
以上のように、第1判定点をもって穴拡げ限界と判定する方法により、従来の目視による判定を自動判定に切り替えることができ、目視の場合には測定ばらつきが大きかったのに対し、ばらつきを低減することが可能になる。
一方、目視による判定あるいは本発明の第1判定点をもって判定する方法は必然的に、割れが板厚を貫通した瞬間から若干の時間が経過した時点ではじめて割れ貫通を判定できることとなる。これに対し、金属材料の研究においては、金属材料の成分や組織が品質に及ぼす影響を厳密に評価する目的で、割れが貫通した瞬間を判定することも求められている。本発明はさらに、金属材料の穴拡げ試験において、割れが貫通した瞬間を判定することができる。以下に詳細に説明する。
前記第1判定点に到達したら、画像解析の結果として、打抜き穴の円周方向どの部分で割れが貫通しているかが明らかとなる。即ち、測定点と擬似円との距離が判定閾値を超えた付近(以下「貫通割れ発生箇所19」という。)において割れが貫通している。そして、第1判定点に至る時間経過を追った画像記録がデータ処理装置内に格納されている。そこで、第1判定点から時間をさかのぼって撮像画像7を画像表示装置6に表示し、貫通割れ発生箇所19に的を絞って観察することにより、観察される貫通割れ18が板厚を貫通した瞬間を特定することが可能となる。そこで、観察される貫通割れ18が板厚を貫通した瞬間を第2判定点とし、前記第1判定点に代えて、第2判定点をもって穴拡げ限界と判定する。これにより、金属材料の穴拡げ試験において、割れが貫通した瞬間を判定するが可能となる。データ処理装置5は、画像表示装置6に第1判定点から時間をさかのぼった撮像画像を表示するとともに、第2判定点の入力を待ち、入力を受け付けたら、入力の対象となった画像を第2判定点時点の撮像画像としてデータ処理を行う。
図5は、第1判定点における実際の撮像画像の一例を示す図である。貫通割れ発生箇所19が表示され、半径方向から斜めの方向に貫通割れ18が発生していることがわかる。
第2判定点をもって穴拡げ限界と判定した場合においても、破断後の穴径を定める方法については、前記第1の判定点をもって穴拡げ限界と判定した場合と同様の方法を用いることができる。
板厚2.3mmの熱延高強度鋼板と板厚1.2mmの冷延鋼板について、ISO16630に基づいて穴拡げ試験を行うに際し、本発明を適用した。打抜き穴の穴径は10mmである。図1に示すように、穴拡げ試験機1を用い、打抜き穴に円錐ポンチ2を当接して押し込み、打抜き穴を徐々に拡大するに際し、撮像装置4によって打抜き穴の形状を時間を追って撮像する。撮像装置4として、撮像素子に200万画素のCCD素子を用いたデジタルテレビカメラを使用した。1秒間に8枚のピッチで撮像を行い、撮像データをデータ処理装置5に入力する。
データ処理装置5においては、撮像画像7における画素ピッチと、画像に描かれた打抜き穴の寸法との関係についてのキャリブレーションが完了している。そして、各時刻に撮像した撮像画像7について、コントラストを調整し、図2(a)に示すように打抜き穴の板厚断面12を明部とし、板厚断面の内周端13より内側、及び外周端14より外側の部分を暗部とし、内周端13が明暗の境界部となるように調整した。これにより、打抜き穴板厚断面12の内周端13を明確化する画像処理が完了する。次いで図2(b)に示すように、打抜き穴全周について周方向に2°ピッチで内周端13の位置データを取得して測定点15とする。次に、測定点15の位置データに近似した真円を定めて擬似円16とする。擬似円16とは、中心位置と半径とが定まった真円を意味する。測定点15の位置と擬似円16の円周部の関係について最小二乗法を用いて近似化し、擬似円16の中心位置と半径とを定める。
実施例では、判定点数を3点とし、判定閾値を金属板厚の12%として定め、判定を行った。各時刻における撮像画像を解析して、判定点数以上の連続する個所の測定点において測定点15と擬似円16との距離が判定閾値を超えたとき(第1判定点)をもって穴拡げ限界と判定し、本発明例1とした。
第1判定点に至ったら、データ処理装置5から穴拡げ試験機1に信号を送って円錐ポンチ2の押し込みを停止する。第1判定点における破断後穴径については、この時点の撮像画像において断面の内周端13について取得した測定点15の座標を用い、測定点15の中で対角線上にある最も短い距離にある2点の測定点間距離を短径とし、この短径と直交方向にある対角線上の2点の測定点間距離を直交径とし、短径と直交径の平均値をもって破断後穴径とする。
第1判定点における撮像画像において、図4(a)に示すように、測定点と擬似円との距離が判定閾値を超えた付近を「貫通割れ発生箇所19」として画像表示装置6に表示する。次に、第1判定点から時間をさかのぼって撮像画像を画像表示装置6に表示し、貫通割れ発生箇所19に的を絞って観察する。観察者は、貫通割れ発生箇所19に的を絞って、時間を遡って観察することにより、観察される貫通割れ18が板厚を貫通した瞬間を特定することが可能となる(図4(b))。そこで、観察される貫通割れ18が板厚を貫通した瞬間を第2判定点とし、本発明例2とした。
第2判定点における破断後穴径については、この時点の撮像画像において断面の内周端について取得した測定点15の座標を用い、測定点15の中で対角線上にある最も短い距離にある2点の測定点間距離を短径とし、この短径と直交方向にある対角線上の2点の測定点間距離を直交径とし、短径と直交径の平均値をもって破断後穴径とする。
上記本発明法において用いたと同じ鋼板について、ISO16630に基づいて目視観察による穴拡げ試験を行い、比較例とした。
本発明例1、本発明例2、比較例それぞれについて、鋼板から5箇所のサンプルを採取し、それぞれについて穴拡げ試験評価を行った。結果を表1に示す。表1には、5箇所の各サンプルにおける穴拡げ率、5箇所の平均値、5箇所の分散を示している。分散は
2=(1/n)Σi=1 n(x~−xi)2
によって算出される。ここでx~は平均値を意味する。
目視による比較例と対比すると、本発明例1、2ともに、分散が著しく改善されていることがわかる。本発明により、目視を用いた場合のばらつきを大幅に低減できることが明らかである。
本発明例1を用いることにより、鋼板の品質評価を行うに際し、従来の目視による方法に比較して穴拡げ率の値はほぼ同等を維持しつつ、測定ばらつきを大幅に低減することが可能となる。
また本発明例2を用いることにより、穴拡げ試験において割れが板厚を貫通した瞬間における穴拡げ率が評価可能となり、また評価における測定ばらつきが非常に少ないので、金属材料の成分や組織が品質に及ぼす影響を厳密に評価する目的で、割れが貫通した瞬間を判定するが可能となる。
1 穴拡げ試験機
2 円錐ポンチ(ポンチ)
3 ダイス
4 撮像装置
5 データ処理装置
6 画像表示装置
7 撮像画像
10 金属板
11 打抜き穴
12 板厚断面
13 内周端
14 外周端
15 測定点
16 擬似円
17 割れ
18 貫通割れ
19 貫通割れ発生箇所

Claims (2)

  1. 金属板の打抜き穴にポンチを当接して押し込みながら、撮像装置によって当該打抜き穴の形状を時間を追って撮像して撮像データをデータ処理装置に入力し、各時刻の撮像画像において打抜き穴板厚断面の内周端を明確化する画像処理を行い、打抜き穴全周についてあらかじめ定めた周方向ピッチで当該内周端の位置データを取得して測定点とし、測定点の位置データに近似した真円を定めて擬似円とし、予め判定点数と判定閾値とを定めておき、判定点数以上の連続する個所の測定点において測定点と前記擬似円との距離が判定閾値を超えたとき(以下「第1判定点」という。)をもって穴拡げ限界と判定することを特徴とする金属材料の穴拡げ試験方法。
  2. 前記第1判定点に到達したら、第1判定点から時間をさかのぼって撮像画像を画像表示装置に表示し、前記測定点と擬似円との距離が判定閾値を超えた付近(以下「貫通割れ発生箇所」という。)において観察される貫通割れが板厚を貫通した瞬間を第2判定点とし、前記第1判定点に代えて、第2判定点をもって穴拡げ限界と判定することを特徴とする請求項1に記載の金属材料の穴拡げ試験方法。
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