JP7499927B1 - 滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物 - Google Patents

滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物 Download PDF

Info

Publication number
JP7499927B1
JP7499927B1 JP2023146055A JP2023146055A JP7499927B1 JP 7499927 B1 JP7499927 B1 JP 7499927B1 JP 2023146055 A JP2023146055 A JP 2023146055A JP 2023146055 A JP2023146055 A JP 2023146055A JP 7499927 B1 JP7499927 B1 JP 7499927B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shoe
sliding bearing
view
plan
protruding portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023146055A
Other languages
English (en)
Inventor
真里奈 外園
快典 酒井
路夫 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority to JP2023146055A priority Critical patent/JP7499927B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7499927B1 publication Critical patent/JP7499927B1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】平面視での占有領域を抑制できる滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物を提供すること。【解決手段】滑り支承1は、上部構造体に締結部材で固定される上沓10と、下部構造体に締結部材で固定される下沓20と、を備え、上沓10及び下沓20は、平面視で互いに重複しないはみ出し部分14、24を有し、はみ出し部分14、24には、締結部材を取り付ける取付用穴14a、24aが形成され、はみ出し部分14、24として、平面視で台形状の偏平はみ出し部分15、25を有している。【選択図】図3

Description

本発明は、滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物に関する。
建築物などに設けられる免震装置として、滑り支承が知られている。滑り支承は、上下方向に対向する上沓及び下沓を備える。上沓は、ボルト等の締結部材で上部構造体に固定され、下沓は、ボルト等の締結部材で下部構造体に固定される。上沓の下面における外周部と、下沓の上面における外周部との間隔は小さい。したがって、平面視で矩形状の上沓及び下沓を、上沓と下沓との平面視姿勢を揃えて配置すると、締結部材の長さに応じた上下方向の空間が確保できず、取付作業ができない。そこで、従来から、上沓と下沓との平面視姿勢を異ならせて、上沓や下沓における固定部に対して締結部材を取り付けるための作業用空間を確保していた(例えば、下記特許文献1)。
特開2020-33716号公報
上沓と下沓との平面視姿勢を異ならせて配置すると、滑り支承には、平面視で上沓と下沓とで互いに重複しないはみ出し部分が設けられる。上沓及び下沓が平面視で矩形状である場合、当該はみ出し部分が三角形状となり、はみ出し部分の外方への突出量の分だけ、滑り支承の平面視での占有面積が増加し、構造物の設計上の不利がある。平面視での占有領域を抑制できる滑り支承が求められている。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、平面視での占有領域を抑制できる滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る滑り支承は、上部構造体と前記上部構造体に対向する下部構造体との間に配置される滑り支承であって、前記上部構造体に締結部材で固定される上沓と、前記下部構造体に締結部材で固定される下沓と、を備え、前記上沓及び前記下沓は、平面視で互いに重複しないはみ出し部分を有し、前記はみ出し部分には、前記締結部材を取り付ける取付用穴が形成され、前記はみ出し部分として、平面視で台形状の偏平はみ出し部分を有している。
本発明の一態様に係る滑り支承施工構造は、前記滑り支承と、平面視で互いに交差する前記上沓の側面及び前記下沓の側面を連結する固定部材と、を備える。
本発明の一態様に係る免震構造物は、前記滑り支承と、前記上部構造体と、前記下部構造体と、を備え、前記滑り支承は、基礎構造としての前記下部構造体に固定される基礎免震である。
本発明によれば、平面視での占有領域を抑制できる滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物を提供することができる。
第1実施形態に係る滑り支承及び免震構造物の正面断面図である。 第1実施形態に係る滑り支承の斜視図である。 第1実施形態に係る滑り支承の平面図である。 第1実施形態に係る滑り支承の、図3のA-A線に沿った片側断面図である。 第1実施形態に係る滑り支承施工構造の斜視図である。 第1実施形態の変形例に係る滑り支承の斜視図である。 第2実施形態に係る滑り支承の斜視図である。 第2実施形態に係る滑り支承の平面図である。 第2実施形態に係る滑り支承の、図8のB-B線に沿った片側断面図である。 第3実施形態に係る滑り支承の斜視図である。 第4実施形態に係る第2滑り支承の正面断面図である。 第4実施形態に係る第2滑り支承の斜視図である。 第4実施形態に係る免震構造物を示す図である。
(第1実施形態)
以下、図1~図5を参照し、本発明の第1実施形態に係る滑り支承1及び免震構造物100を説明する。図1に示すように、免震構造物100は、上部構造体Uと、下部構造体Lと、滑り支承1と、を有する。上部構造体Uと下部構造体Lとは、上下方向に対向する。滑り支承1は、上部構造体Uと下部構造体Lとの間に配置される。滑り支承1は、地震動が発生した際、上部構造体Uと下部構造体Lとを水平方向に相対変位させる。これにより、下部構造体Lの振動が上部構造体Uに伝達されることを抑制する。
例えば、滑り支承1は、基礎免震に用いられる。この場合、例えば、上部構造体Uはビルや橋梁等の建築物であり、下部構造体Lは地盤に設置される基礎構造である。なお、滑り支承1は、中間層免震に用いられてもよい。
滑り支承1は、上沓10と、下沓20と、上沓10と下沓20との間を摺動するスライダー30とを有する。
上沓10は、上部構造体Uの下部に配置される。上沓10は、上部構造体Uに、ボルト等の締結部材Fで相対移動不可に固定される。上沓10は、平面視で八角形状の板材である。例えば、上沓10は、平面視で矩形状の板状部材の角部を切り落とすことにより形成される。上沓10は、溶接鋼材用圧延鋼材(SM490A、B、C、もしくはSN490B、C、もしくはS45C)等から形成されている。
上沓10の下面には、凹球面である上滑り面11が設けられている。上滑り面11は、平面視で円形状に形成されている。上滑り面11には、ステンレス製の滑り板(図示せず)が固定されている。また、上沓10には、滑り板の外周において、滑り板を上滑り面11に固定するための平面視で環状の上ストッパーリング12が固定されている。
なお、以下の説明では、平面視における上滑り面11の中心を通り上下方向に延びる仮想的な軸を、上沓10の軸心という。上沓10の軸心は、平面視において、上沓10の外形の重心位置と一致している。また、平面視において、上沓10の軸心と交差する方向を径方向といい、上沓10の軸心回りに周回する方向を周方向という。
下沓20は、下部構造体Lの上部に配置される。下沓20は、下部構造体Lに、ボルト等の締結部材Fで相対移動不可に固定される。下沓20は、平面視で八角形状の板材である。例えば、下沓20は、平面視で矩形状の板状部材の角部を切り落とすことにより形成される。下沓20は、溶接鋼材用圧延鋼材(SM490A、B、C、もしくはSN490B、C、もしくはS45C)等から形成されている。本実施形態では、上沓10と下沓20とは同じ形状かつ同じ大きさである。
下沓20の上面には、凹球面である下滑り面21が設けられている。下滑り面21は、平面視で円形状に形成されている。下滑り面21には、ステンレス製の滑り板(図示せず)が固定されている。また、下沓20には、滑り板の外周において、滑り板を下滑り面21に固定するための平面視で環状の下ストッパーリング22が固定されている。
なお、以下の説明では、平面視における下滑り面21の中心を通り上下方向に延びる仮想的な軸を、下沓20の軸心という。下沓20の軸心は、平面視において、下沓20の外形の重心位置と一致している。
スライダー30は、上沓10と下沓20との間に配置される。スライダー30は、略円柱状を呈している。スライダー30は、凸球面である上滑り面31及び下滑り面32を備える。スライダー30は、溶接鋼材用圧延鋼材(SM490A、B、C、もしくはSN490B、C、もしくはS45C)、またはステンレス鋼材(SUS304、SUS316)等から形成される。スライダー30は、面圧60N/mm(60MPa)程度の耐荷強度を有している。
上滑り面31は、上滑り面11と摺動可能に接しており、下滑り面32は、下滑り面21と摺動可能に接している。スライダー30を上沓10及び下沓20に対して摺動しやすくするために、上滑り面31及び下滑り面32には、例えば、摩擦材が設けられている。摩擦材は、例えば、少なくともPTFEを素材とする摩擦材である。摩擦材は二重織物により形成される。二重織物は、PTFE繊維(polytetrafluoroethylene、ポリテトラフルオロエチレン)と、PTFE繊維よりも引張強度の高い繊維(高強度繊維)とにより形成される。ここで、「PTFE繊維よりも引張強度の高い繊維」としては、ナイロン6・6、ナイロン6、ナイロン4・6などのポリアミドやポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルやパラアラミドなどの繊維を挙げることができる。また、「PTFE繊維よりも引張強度の高い繊維」として、メタアラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス、カーボン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、LCP、ポリイミド、PEEKなどの繊維を挙げることができる。さらに、「PTFE繊維よりも引張強度の高い繊維」として、熱融着繊維や綿、ウールなどの繊維を適用してもよい。その中でも、耐薬品性、耐加水分解性に優れ、引張強度の極めて高いPPS繊維が望ましい。なお、少なくともPTFEを素材とする摩擦材としては、二重織物以外のPTFE繊維を含む織物でもよく、また、PTFEのみを素材とする摩擦材、PTFEと他の樹脂の複合素材からなる摩擦材、PTFEを素材とする摩擦材と他の樹脂を素材とする摩擦材との積層構造の摩擦材などであってもよい。
スライダー30が、上沓10と下沓20との間を摺動することで、上沓10と下沓20とは水平方向に相対移動が可能である。これにより、地震動による下部構造体Lの振動が下沓20に伝達された時、下沓20が上沓10に対して相対移動する。このような動きをすることで、地震動による下部構造体Lの振動が上沓10を介して上部構造体Uに伝達されることを防ぐ。
次に、上沓10及び下沓20の配置関係について説明する。なお、上述のように、地震動が発生した際、上沓10と下沓20とは水平方向に相対移動する。以下の説明では、特段の記載がない場合には、上沓10と下沓20とが水平方向に相対移動していない状態である、初期状態における上沓10及び下沓20の配置関係について説明する。初期状態における上沓10及び下沓20の配置関係は、滑り支承1を施工する際の上沓10及び下沓20の配置関係である。
初期状態において、上沓10及び下沓20は、上沓10の軸心と下沓20の軸心とが一致するよう配置される。上沓10及び下沓20は、上沓10と下沓20との平面視姿勢を異ならせて配置される。すなわち、上沓10及び下沓20は、平面視において、上沓10の角部と下沓20の角部とが互いにずらされて配置されている。言い換えると、上沓10及び下沓20は、平面視において、上沓10の辺部と下沓20の辺部とが互いに交差するよう配置されている。これにより、上沓10及び下沓20は、平面視において互いに重複しない領域を有する。
上沓10は、平面視で下沓20と重複しない上側はみ出し部分14(はみ出し部分)を有する。本実施形態では、上沓10は、同じ形状かつ同じ大きさである4つの上側はみ出し部分14を有する。上側はみ出し部分14には、締結部材Fを取り付ける上側取付用穴14a(取付用穴)が設けられている。上側取付用穴14aは、上沓10を、上沓10の板厚方向に貫通する。上側はみ出し部分14は、締結部材Fで上部構造体Uに固定される上締結部分である。
上側はみ出し部分14は、平面視で台形状の上側偏平はみ出し部分15(偏平はみ出し部分)を有する。本実施形態では、4つの上側はみ出し部分14の全てが上側偏平はみ出し部分15である。
平面視において、上側偏平はみ出し部分15は、第1~第4の辺15a~15dを有する。第1の辺15aは、台形状の上側偏平はみ出し部分15の上底であり、第2の辺15bは、下底であり、第3の辺15c及び第4の辺15dは、一対の脚である。第1の辺15a、第3の辺15c、及び第4の辺15dは、上沓10の辺部で構成され、第2の辺15bは、下沓20の辺部で構成される。
第1の辺15aと第2の辺15bとは、互いに対向する。第1の辺15aと第2の辺15bとは、互いに平行である。第3の辺15cと第4の辺15dとは、互いに対向する。第3の辺15cと第4の辺15dとは、第1の辺15a側から第2の辺15b側に向かうに従い、互いに離間するよう傾斜している。第2の辺15bは、上側偏平はみ出し部分15の4つの辺のうち最も長い辺である。
なお、本発明において、上側はみ出し部分14(上側偏平はみ出し部分15)が平面視で「台形状」であるとは、上底である第1の辺15aと、下底である第2の辺15bとが平行でない場合も含む。第1の辺15aと、第2の辺15bとがなす角度は、0度~30度の範囲であってもよく、好ましくは0度~15度、より好ましくは0度~5度であってもよい。また、第2の辺15bに対する第3の辺15c及び第4の辺15dの傾斜角度は同じでも異なっていてもよい。また、「台形状」とは、上底である第1の辺15aが、第3の辺15c及び第4の辺15dの仮想延長線(図3に二点鎖線で示す)の交点である仮想頂点Pより内側に配置されていればよく、第1の辺15aの形状は問わない。例えば、第1の辺15aは、フラットであってもよいし、外側に膨出した形状であってもよい。
下沓20は、平面視で上沓10と重複しない下側はみ出し部分24(はみ出し部分)を有する。本実施形態では、下沓20は、同じ形状かつ同じ大きさである4つの下側はみ出し部分24を有する。また、下側はみ出し部分24は、上側はみ出し部分14と同じ形状かつ同じ大きさである。下側はみ出し部分24には、締結部材Fを取り付ける下側取付用穴24a(取付用穴)が設けられている。下側取付用穴24aは、下沓20を、下沓20の板厚方向に貫通する。下側はみ出し部分24は、締結部材Fで下部構造体Lに固定される下締結部分である。
下側はみ出し部分24は、平面視で台形状の下側偏平はみ出し部分25(偏平はみ出し部分)を有する。本実施形態では、4つの下側はみ出し部分24の全てが下側偏平はみ出し部分25である。
平面視において、下側偏平はみ出し部分25は、第1~第4の辺25a~25dを有する。第1の辺25aは、台形状の下側偏平はみ出し部分25の上底であり、第2の辺25bは、下底であり、第3の辺25c及び第4の辺25dは、一対の脚である。第1の辺25a、第3の辺25c、及び第4の辺25dは、下沓20の辺部で構成され、第2の辺25bは、上沓10の辺部で構成される。
第1の辺25aと第2の辺25bとは、互いに対向する。第1の辺25aと第2の辺25bとは、互いに平行である。第3の辺25cと第4の辺25dとは、互いに対向する。第3の辺25cと第4の辺25dとは、第1の辺25a側から第2の辺25b側に向かうに従い、互いに離間するよう傾斜している。第2の辺25bは、下側偏平はみ出し部分25の4つの辺のうち最も長い辺である。
なお、上側はみ出し部分14(上側偏平はみ出し部分15)と同様に、本発明において、下側はみ出し部分24(下側偏平はみ出し部分25)が平面視で「台形状」であるとは、上底である第1の辺25aと、下底である第2の辺25bとが平行でない場合も含む。第1の辺25aと、第2の辺25bとがなす角度は、0度~30度の範囲であってもよく、好ましくは0度~15度、より好ましくは0度~5度であってもよい。また、第2の辺25bに対する第3の辺25c及び第4の辺25dの傾斜角度は同じでも異なっていてもよい。また、「台形状」とは、上底である第1の辺25aが、第3の辺25c及び第4の辺25dの仮想延長線の交点である仮想頂点より内側に配置されていればよく、第1の辺25aの形状は問わない。例えば、第1の辺25aは、フラットであってもよいし、外側に膨出した形状であってもよい。
図5を参照し、滑り支承1を施工する際の滑り支承施工構造200について説明する。滑り支承施工構造200は、滑り支承1と、滑り支承1の上沓10と下沓20とを仮固定するための固定部材50と、を備える。
固定部材50は、平面視で互いに交差する上沓10の側面10a及び下沓20の側面20aを連結する。具体的には、固定部材50は、上沓10の側面10aに沿って延びる第1板部51と、下沓20の側面20aに沿って延びる第2板部52と、を有する。第1板部51は、不図示のボルトによって上沓10の側面10aに固定され、第2板部52は、不図示のボルトによって下沓20の側面20aに固定される。
固定部材50は、第1固定部材50Aと、第2固定部材50Bと、を有する。第1固定部材50Aと、第2固定部材50Bとは、周方向に交互に設けられる。第1固定部材50Aにおいては、第2板部52の上部に、固定用空間を確保するための切り欠きが形成されている。第2固定部材50Bにおいては、第2板部52の上部に、滑り支承1を吊り下げて運搬するための吊り穴が形成されている。
滑り支承1を施工する際に、固定部材50を用いて上沓10と下沓20とが仮固定されているため、上沓10と下沓20とが水平方向に相対移動することを防止でき、滑り支承1の施工が容易となる。免震構造物100の施工が完了後、固定部材50は、滑り支承1から取り外される。
以上説明したように、本実施形態に係る滑り支承1は、上部構造体Uに締結部材Fで固定される上沓10と、下部構造体Lに締結部材Fで固定される下沓20と、を備える。上沓10及び下沓20は、平面視で互いに重複しないはみ出し部分14、24を有する。はみ出し部分14、24には、締結部材Fを取り付ける取付用穴14a、24aが形成される。はみ出し部分14、24として、平面視で台形状の偏平はみ出し部分15、25を有している。
はみ出し部分14、24を締結部材Fで上部構造体U及び下部構造体Lに固定する。はみ出し部分14、24として、平面視で台形状の偏平はみ出し部分15、25を有していることで、はみ出し部分14、24の外方への突出量を抑制し、滑り支承1の平面視での占有領域を抑制できる。
また、上沓10及び下沓20は、平面視で八角形状である。上沓10における上側はみ出し部分14及び下沓20における下側はみ出し部分24の全てが偏平はみ出し部分15、25である。
これにより、滑り支承1の平面視での占有領域をより効果的に抑制できる。また、例えば矩形状の板状部材の角部を切り落とすことにより平面視で八角形状の上沓10及び下沓20を製造することができるため、製造時の加工が容易であるとともに、製造コストを抑えることができる。
また、上沓10における上側偏平はみ出し部分15及び下沓20における下側偏平はみ出し部分25の全てが同じ形状かつ同じ大きさである。
これにより、滑り支承1の等方性を確保することができる。
本実施形態に係る滑り支承施工構造200は、滑り支承1と、平面視で互いに交差する上沓10の側面10a及び下沓20の側面20aを連結する固定部材50と、を備える。
滑り支承1を施工する際に、固定部材50を用いて上沓10と下沓20とを仮固定することで、上沓10と下沓20とが水平方向に相対移動することを防止できる。したがって、滑り支承1を容易に施工することができる。
本実施形態に係る免震構造物100は、滑り支承1と、上部構造体Uと、下部構造体Lと、を備える。滑り支承1は、基礎構造としての下部構造体Lに固定される基礎免震である。
滑り支承1の平面視での占有領域を抑制できるため、免震構造物100の設計の自由度が向上する。
(第1実施形態の変形例)
上沓10及び下沓20のいずれか一方は、平面視で矩形状であってもよい。例えば、図6に示されるように、上沓10は平面視で矩形状であり、下沓20は平面視で八角形状であってもよい。この場合、下沓20は、下側はみ出し部分24として、平面視で台形状の偏平はみ出し部分25を有している。したがって、滑り支承1の平面視での占有領域を抑制できる。なお、下沓20が平面視で矩形状であり、上沓10が平面視で八角形状であってもよい。
このように上沓10及び下沓20のいずれか一方が平面視で矩形状である場合、当該一方の加工を省略することができる。
(第2実施形態)
次に、図7~図9を参照し、本発明に係る第2実施形態の滑り支承2を説明する。
なお、第2実施形態において、第1実施形態における構成要素と同様の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、上沓10は、平面視で六角形状であり、下沓20は、平面視で八角形状である。初期状態において、上沓10及び下沓20は、上沓10の軸心と下沓20の軸心とが一致するよう配置される。上沓10及び下沓20は、平面視において互いに重複しない領域を有するように配置される。
上沓10は、平面視で下沓20と重複しない上側はみ出し部分14を有する。本実施形態では、上沓10は、上側はみ出し部分14として、平面視で台形状の上側偏平はみ出し部分16と、平面視で三角形状の三角はみ出し部分17と、を有する。
平面視において、上側偏平はみ出し部分16は、第1~第4の辺16a~16dを有する。第1の辺16aは、台形状の上側偏平はみ出し部分16の上底であり、第2の辺16bは、下底であり、第3の辺16c及び第4の辺16dは、一対の脚である。第1の辺16a、第3の辺16c、及び第4の辺16dは、上沓10の辺部で構成され、第2の辺16bは、下沓20の辺部で構成される。
第1の辺16aと第2の辺16bとは、互いに対向する。第1の辺16aと第2の辺16bとは、互いに平行である。第3の辺16cと第4の辺16dとは、互いに対向する。第3の辺16cと第4の辺16dとは、第1の辺16a側から第2の辺16b側に向かうに従い、互いに離間するよう傾斜している。第2の辺16bは、上側偏平はみ出し部分16の4つの辺のうち最も長い辺である。
平面視において、三角はみ出し部分17は、第1~第3の辺17a~17cを有する。第1の辺17a及び第2の辺17bは、上沓10の辺部で構成され、第3の辺17cは、下沓20の辺部で構成される。第3の辺17cは、三角はみ出し部分17の3つの辺のうち最も長い辺である。
下沓20は、平面視で上沓10と重複しない下側はみ出し部分24を有する。本実施形態では、下沓20は、下側はみ出し部分24として、平面視で台形状の下側偏平はみ出し部分26を有する。
平面視において、下側偏平はみ出し部分26は、第1~第4の辺26a~26dを有する。第1の辺26aは、台形状の下側偏平はみ出し部分26の上底であり、第2の辺26bは、下底であり、第3の辺26c及び第4の辺26dは、一対の脚である。第1の辺26a、第3の辺26c、及び第4の辺26dは、下沓20の辺部で構成され、第2の辺26bは、上沓10の辺部で構成される。
第1の辺26aと第2の辺26bとは、互いに対向する。第1の辺26aと第2の辺26bとは、互いに略平行である。略平行であるとは、第1の辺26aと、第2の辺26bとがなす傾斜角度が、0度~30度の範囲であることを言う。第3の辺26cと第4の辺26dとは、互いに対向する。第3の辺26cと第4の辺26dとは、第1の辺26a側から第2の辺26b側に向かうに従い、互いに離間するよう傾斜している。第2の辺26bは、下側偏平はみ出し部分26の4つの辺のうち最も長い辺である。
上側偏平はみ出し部分16の第3の辺16cと第4の辺16dとの間隔(すなわち、上側偏平はみ出し部分16の台形状における両脚の間隔)は、下側偏平はみ出し部分26の第3の辺26cと第4の辺26dとの間隔(すなわち、下側偏平はみ出し部分26の台形状における両脚の間隔)よりも長い。なお、上側偏平はみ出し部分16の第3の辺16cと第4の辺16dとの間隔、及び下側偏平はみ出し部分26の第3の辺26cと第4の辺26dとの間隔は、例えば、第3の辺16c(26c)と第4の辺16d(26d)との最短距離である。上側偏平はみ出し部分16は、台形状における両脚の間隔が下側偏平はみ出し部分26よりも長い超偏平はみ出し部である。
以上説明したように、本実施形態に係る滑り支承2では、上沓10及び下沓20の一方が平面視で八角形状であり、上沓10及び下沓20の他方が平面視で六角形状である。上沓10における上側偏平はみ出し部分16及び下沓20における下側偏平はみ出し部分26のうち一部(上側偏平はみ出し部分16)は、台形状における両脚の間隔が他の偏平はみ出し部分よりも長い超偏平はみ出し部である。
超偏平はみ出し部が設けられる上沓10または下沓20について、上沓10または下沓20における、上部構造体Uまたは下部構造体Lに対する固定部を長くとることができる。したがって、滑り支承2の平面視での占有領域を抑制しつつ、滑り支承2を上部構造体U及び下部構造体Lにより確実に固定することができる。
(第2実施形態の変形例)
上沓10が平面視で八角形状であり、下沓20が平面視で六角形状であってもよい。この場合、下沓20の下側偏平はみ出し部分26が、台形状における両脚の間隔が上側偏平はみ出し部分16よりも長い超偏平はみ出し部となる。
(第3実施形態)
次に、図10を参照し、本発明に係る第3実施形態の滑り支承3を説明する。
なお、第3実施形態において、第1実施形態における構成要素と同様の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、上沓10に、上側凹入部14b(凹入部)が形成されており、下沓20に、下側凹入部24b(凹入部)が形成されている。なお、上沓10及び下沓20のいずれか一方のみに、凹入部14b、24bが形成されていてもよい。
上側凹入部14bは、上側はみ出し部分14に設けられている。上側凹入部14bは、上沓10の下面から上方に凹むよう形成されている。上側凹入部14bは、上沓10の側面10aから凹入する状態で形成されている。例えば、上側凹入部14bは、切削加工により形成されている。
下側凹入部24bは、下側はみ出し部分24に設けられている。下側凹入部24bは、下沓20の上面から下方に凹むよう形成されている。下側凹入部24bは、下沓20の側面20aから凹入する状態で形成されている。例えば、下側凹入部24bは、切削加工により形成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る滑り支承3では、上沓10及び下沓20の少なくとも一方に、凹入部14b、24bが側面10a、20aから凹入する状態で形成されている。
上沓10及び下沓20の少なくとも一方に凹入部14b、24bを形成することで、締結部材Fを取り付けるための作業用空間を確保することができる。ここで、一般的に、下部構造体と上沓の下面との間や、上部構造体と下沓の上面との間に、締結部材を取り付けるための作業用空間が確保できない場合、当該空間を確保するために、下部構造体に箱抜き部を形成することが考えられる。本実施形態に係る滑り支承3では、上述のように凹入部14b、24bを形成することで締結部材Fを取り付けるための作業用空間を確保することができるため、上記の箱抜き部の深さを抑制、あるいは箱抜き部を不要とすることができる。
(第4実施形態)
次に、図11~図13を参照し、本発明に係る第4実施形態の免震構造物300を説明する。
本実施形態に係る免震構造物300は、上部構造体U、下部構造体L、及び滑り支承1に加えて、図11に示される第2上部構造体U1と、第2下部構造体L1と、第2滑り支承6と、を備える。
図13に示されるように、免震構造物300において、滑り支承1は、基礎免震に用いられる。図示の例では、下部構造体Lはフーチングである。また、滑り支承1の周囲には、第1耐火被覆材301が設けられている。第1耐火被覆材301は、滑り支承1を被覆するように設けられている。なお、滑り支承1の構成は、第1実施形態における滑り支承1の構成と同様であるため、ここでは記載を省略する。
免震構造物300において、第2滑り支承6は、中間層免震に用いられる。具体的には、第2上部構造体U1と第2下部構造体L1とは、上下方向に対向する。第2滑り支承6は、第2上部構造体U1と第2下部構造体L1との間に配置される。第2滑り支承6は、地震動が発生した際、第2上部構造体U1と第2下部構造体L1とを水平方向に相対変位させる。これにより、第2下部構造体L1の振動が第2上部構造体U1に伝達されることを抑制する。第2滑り支承6は、ビル等の建築物の中間層に配置される。例えば、第2上部構造体U1は建築物の上層部であり、第2下部構造体L1は建築物の下層部である。なお、第2滑り支承6は、中間層免震のうち柱頭免震に用いられてもよい。この場合、第2下部構造体L1は柱の柱頭部である。また、第2滑り支承6の周囲には、第2耐火被覆材302が設けられている。第2耐火被覆材302は、第2滑り支承6を被覆するように設けられている。
なお、図示の例では、免震構造物300において、下部構造体Lと、第2下部構造体L1とは、一体的に形成されている。しかしながら、下部構造体Lと、第2下部構造体L1とは、相対移動可能に形成されていてもよい。
第2滑り支承6は、第2上沓60と、第2下沓70と、第2上沓60と第2下沓70との間を摺動する第2スライダー80とを有する。
第2上沓60は、第2上部構造体U1の下部に配置される。第2上沓60は、第2上部構造体U1に、ボルト等の締結部材Fによって相対移動不可に固定される。第2上沓60は、平面視で矩形状の板材である。第2上沓60は、溶接鋼材用圧延鋼材(SM490A、B、C、もしくはSN490B、C、もしくはS45C)等から形成されている。
第2上沓60の下面には、凹球面である第2上滑り面61が設けられている。第2上滑り面61は、平面視で円形状に形成されている。第2上滑り面61には、ステンレス製の滑り板(図示せず)が固定されている。また、第2上沓60には、滑り板の外周において、滑り板を第2上滑り面61に固定するための平面視で環状の第2上ストッパーリング62が固定されている。
なお、以下の説明では、平面視における第2上滑り面61の中心を通り上下方向に延びる仮想的な軸を、第2上沓60の軸心という。第2上沓60の軸心は、平面視において、第2上沓60の外形の重心位置と一致している。
第2上沓60の4つの角部にはそれぞれ、締結部材Fで第2上部構造体U1に締結される第2上締結部分64が設けられる。第2上締結部分64には、締結部材Fを取り付ける第2上側取付用穴64a(第2取付用穴)が設けられている。第2上側取付用穴64aは、第2上沓60を、第2上沓60の板厚方向に貫通する。
第2上締結部分64には、締結部材Fを取り付けるための作業用空間Sを形成する第2上側凹入部65(第2凹入部)が形成されている。第2上側凹入部65は、第2上沓60の下面から上方に凹むよう形成される。第2上側凹入部65は、第2上沓60の側面60aから凹入する状態で形成されている。例えば、第2上側凹入部65は、切削加工により形成されている。
第2下沓70は、第2下部構造体L1の上部に配置される。第2下沓70は、第2下部構造体L1に、ボルト等の締結部材Fによって相対移動不可に固定される。第2下沓70は、平面視で矩形状の板材である。第2下沓70は、溶接鋼材用圧延鋼材(SM490A、B、C、もしくはSN490B、C、もしくはS45C)等から形成されている。本実施形態では、第2上沓60と第2下沓70とは同一形状を有している。
第2下沓70の上面には、凹球面である第2下滑り面71が設けられている。第2下滑り面71は、平面視で円形状に形成されている。第2下滑り面71には、ステンレス製の滑り板(図示せず)が固定されている。また、第2下沓70には、滑り板の外周において、滑り板を第2下滑り面71に固定するための平面視で環状の第2下ストッパーリング72が固定されている。
なお、以下の説明では、平面視における第2下滑り面71の中心を通り上下方向に延びる仮想的な軸を、第2下沓70の軸心という。第2下沓70の軸心は、平面視において、第2下沓70の外形の重心位置と一致している。
第2下沓70の4つの角部にはそれぞれ、締結部材Fで第2下部構造体L1に締結される第2下締結部分74が設けられる。第2下締結部分74には、締結部材Fを取り付ける第2下側取付用穴74a(第2取付用穴)が設けられている。第2下側取付用穴74aは、第2下沓70を、第2下沓70の板厚方向に貫通する。
第2下締結部分74には、締結部材Fを取り付けるための作業用空間Sを形成する第2下側凹入部75(第2凹入部)が形成されている。第2下側凹入部75は、第2下沓70の上面から下方に凹むよう形成される。第2下側凹入部75は、第2下沓70の側面70aから凹入する状態で形成されている。例えば、第2下側凹入部75は、切削加工により形成されている。
第2スライダー80は、第2上沓60と第2下沓70との間に配置される。第2スライダー80は、略円柱状を呈している。第2スライダー80は、凸球面である第2上滑り面81及び第2下滑り面82を備える。第2スライダー80は、溶接鋼材用圧延鋼材(SM490A、B、C、もしくはSN490B、C、もしくはS45C)、またはステンレス鋼材(SUS304、SUS316)等から形成される。第2スライダー80は、面圧60N/mm(60MPa)程度の耐荷強度を有している。
第2上滑り面81は、第2上滑り面61と摺動可能に接しており、第2下滑り面82は、第2下滑り面71と摺動可能に接している。第2スライダー80を第2上沓60及び第2下沓70に対して摺動しやすくするために、第2上滑り面81及び第2下滑り面82には、例えば、摩擦材が設けられている。
第2スライダー80が、第2上沓60と第2下沓70との間を摺動することで、第2上沓60と第2下沓70とは水平方向に相対移動が可能である。これにより、地震動による地盤の振動が第2下沓70に伝達された時、第2下沓70が第2上沓60に対して相対移動する。このような動きをすることで、地震動による第2下部構造体L1の振動が第2上沓60を介して第2上部構造体U1に伝達されることを防ぐ。
次に、第2上沓60及び第2下沓70の配置関係について説明する。なお、上述のように、地震動が発生した際、第2上沓60と第2下沓70とは水平方向に相対移動する。以下の説明では、特段の記載がない場合には、第2上沓60と第2下沓70とが水平方向に相対移動していない状態である、初期状態における第2上沓60及び第2下沓70の配置関係について説明する。
初期状態において、第2上沓60及び第2下沓70は、第2上沓60の軸心と第2下沓70の軸心とが一致するよう配置される。第2上沓60及び第2下沓70は、第2上沓60と第2下沓70との平面視姿勢が一致するよう配置される。すなわち、第2上沓60及び第2下沓70は、平面視において、第2上沓60の角部と第2下沓70の角部とが、互いに重なるよう配置されている。第2上沓60の角部の位置であって周方向における位置と、第2下沓70の角部の位置であって周方向における位置とは一致している。第2上締結部分64(第2上側凹入部65)と第2下締結部分74(第2下側凹入部75)とは、平面視で互いに重なるよう配置される。
以上説明したように、本実施形態に係る免震構造物は、上部構造体U、下部構造体L、及び滑り支承1に加えて、第2上部構造体U1と、第2上部構造体U1に対向する第2下部構造体L1と、第2上部構造体U1と第2下部構造体L1との間に配置される第2滑り支承6と、をさらに備える。第2滑り支承6は、第2上部構造体U1に締結部材Fで固定される第2上沓60と、第2下部構造体L1に締結部材Fで固定される第2下沓70と、を備える。第2上沓60及び第2下沓70の少なくとも一方に、締結部材Fを取り付けるための作業用空間Sを形成する第2凹入部65、75が側面60a、70aから凹入する状態で形成されている。第2上沓60及び第2下沓70は平面視で多角形状であり、第2上沓60の角部の位置であって周方向における位置と、第2下沓70の角部の位置であって周方向における位置とは一致している。第2滑り支承6は、建築物の上層部としての第2上部構造体U1と、建築物の下層部としての第2下部構造体L1との間に配置される中間層免震である。
第2上沓60及び第2下沓70の少なくとも一方に第2凹入部65、75を形成することで、締結部材Fを取り付けるための作業用空間Sを確保することができる。また、第2上沓60の角部の周方向における位置と、第2下沓70の角部の周方向における位置とが一致しているため、第2滑り支承6の平面視での占有領域を抑制できる。したがって、免震構造物の設計の自由度が向上する。また、第2滑り支承6の平面視での占有領域を抑制できるため、第2滑り支承6を被覆するように設けられている第2耐火被覆材302の設置面積を抑制することができる。図13に示されるように、第2耐火被覆材302が天井より下方に配置されている場合、第2耐火被覆材302の設置面積を抑制することができるため、第2耐火被覆材302の設置による見栄えの低下を抑制することができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態における滑り支承1、2、3は、上沓10の下面に凹球面である上滑り面11が設けられ、下沓20の上面に凹球面である下滑り面21が設けられ、上滑り面11と上滑り面31との間、及び下滑り面21と下滑り面32との間の2か所で摺動する、いわゆるダブルペンデュラム方式の滑り支承である。しかしながら、本発明はこれに限られず、上沓10のみに上滑り面11が設けられて上滑り面11と上滑り面31との間の1か所で摺動する、または、下沓20のみに下滑り面21が設けられて下滑り面21と下滑り面32との間の1か所で摺動する、いわゆるシングルペンデュラム方式の滑り支承であってもよい。あるいは、滑り支承は、上沓10の上滑り面11及び下沓20の下滑り面21が平坦面である、いわゆる平面滑り支承であってもよい。上沓10の上滑り面11及び下沓20の下滑り面21のうち一方が凹球面であり、他方が平坦面であってもよい。
また、第2実施形態に係る滑り支承2において、上沓10に上側凹入部14bが形成されており、下沓20に下側凹入部24bが形成されていてもよい。
また、第4実施形態に係る免震構造物において、第1実施形態に係る滑り支承1に代えて、第2または第3実施形態に係る滑り支承2または3が用いられてもよい。
また、第4実施形態に係る免震構造物において、第2上沓60及び第2下沓70の一方が平面視で八角形状であり、他方が平面視で六角形状であってもよい。第2上沓60及び第2下沓70の一方が平面視で八角形状であり、他方が平面視で矩形状であってもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
上部構造体と前記上部構造体に対向する下部構造体との間に配置される滑り支承であって、
前記上部構造体に締結部材で固定される上沓と、
前記下部構造体に締結部材で固定される下沓と、を備え、
前記上沓及び前記下沓は、平面視で互いに重複しないはみ出し部分を有し、
前記はみ出し部分には、前記締結部材を取り付ける取付用穴が形成され、
前記はみ出し部分として、平面視で台形状の偏平はみ出し部分を有している、
滑り支承。
(付記2)
前記上沓及び前記下沓は、平面視で八角形状であり、前記上沓における前記はみ出し部分及び前記下沓における前記はみ出し部分の全てが前記偏平はみ出し部分である、
付記1に記載の滑り支承。
(付記3)
前記上沓における前記偏平はみ出し部分及び前記下沓における前記偏平はみ出し部分の全てが同じ形状かつ同じ大きさである、
付記2に記載の滑り支承。
(付記4)
前記上沓及び前記下沓の一方が平面視で八角形状であり、前記上沓及び前記下沓の他方が平面視で六角形状であり、
前記上沓における前記偏平はみ出し部分及び前記下沓における前記偏平はみ出し部分のうち一部は、台形状における両脚の間隔が他の前記偏平はみ出し部分よりも長い超偏平はみ出し部である、
付記1に記載の滑り支承。
(付記5)
前記上沓及び前記下沓の少なくとも一方に、凹入部が側面から凹入する状態で形成されている、
付記1~4のいずれか一つに記載の滑り支承。
(付記6)
前記上沓及び前記下沓の一方が平面視で矩形状である、
付記1に記載の滑り支承。
(付記7)
付記1~6のいずれか一つに記載の滑り支承と、
平面視で互いに交差する前記上沓の側面及び前記下沓の側面を連結する固定部材と、を備える、滑り支承施工構造。
(付記8)
付記1~7のいずれか一つに記載の滑り支承と、
前記上部構造体と、
前記下部構造体と、
を備え、
前記滑り支承は、基礎構造としての前記下部構造体に固定される基礎免震である、
免震構造物。
(付記9)
第2上部構造体と、
前記第2上部構造体に対向する第2下部構造体と、
前記第2上部構造体と前記第2下部構造体との間に配置される第2滑り支承と、
をさらに備え、
前記第2滑り支承は、
前記第2上部構造体に締結部材で固定される第2上沓と、
前記第2下部構造体に締結部材で固定される第2下沓と、
を備え、
前記第2上沓及び前記第2下沓の少なくとも一方に、前記締結部材を取り付けるための作業用空間を形成する第2凹入部が側面から凹入する状態で形成されており、
前記第2上沓及び前記第2下沓は平面視で多角形状であり、前記第2上沓の角部の位置であって、平面視において前記第2上沓の軸心回りの周方向における位置と、前記第2下沓の角部の位置であって、前記周方向における位置とは一致している、
前記第2滑り支承は、建築物の上層部としての前記第2上部構造体と、前記建築物の下層部としての前記第2下部構造体との間に配置される中間層免震である、
付記8に記載の免震構造物。
1、2、3 滑り支承
6 第2滑り支承
10 上沓
14 上側はみ出し部分(はみ出し部分)
14a 上側取付用穴(取付用穴)
14b 上側凹入部(凹入部)
15 上側偏平はみ出し部分(偏平はみ出し部分)
16 上側偏平はみ出し部分(偏平はみ出し部分、超偏平はみ出し部)
20 下沓
24 下側はみ出し部分(はみ出し部分)
24a 下側取付用穴(取付用穴)
24b 下側凹入部(凹入部)
25、26 下側偏平はみ出し部分(偏平はみ出し部分)
30 スライダー
50 固定部材
60 第2上沓
65 第2上側凹入部(第2凹入部)
70 第2下沓
75 第2下側凹入部(第2凹入部)
80 第2スライダー
100 免震構造物
200 滑り支承施工構造
L 下部構造体
L1 第2下部構造体
U 上部構造体
U1 第2上部構造体

Claims (9)

  1. 上部構造体と前記上部構造体に対向する下部構造体との間に配置される滑り支承であって、
    前記上部構造体に締結部材で固定される上沓と、
    前記下部構造体に締結部材で固定される下沓と、を備え、
    前記上沓及び前記下沓は、平面視で互いに重複しないはみ出し部分を有し、
    前記はみ出し部分には、前記締結部材を取り付ける取付用穴が形成され、
    前記はみ出し部分として、平面視で台形状の偏平はみ出し部分を有している、
    滑り支承。
  2. 前記上沓及び前記下沓は、平面視で八角形状であり、前記上沓における前記はみ出し部分及び前記下沓における前記はみ出し部分の全てが前記偏平はみ出し部分である、
    請求項1に記載の滑り支承。
  3. 前記上沓における前記偏平はみ出し部分及び前記下沓における前記偏平はみ出し部分の全てが同じ形状かつ同じ大きさである、
    請求項2に記載の滑り支承。
  4. 前記上沓及び前記下沓の一方が平面視で八角形状であり、前記上沓及び前記下沓の他方が平面視で六角形状であり、
    前記上沓における前記偏平はみ出し部分及び前記下沓における前記偏平はみ出し部分のうち一部は、台形状における両脚の間隔が他の前記偏平はみ出し部分よりも長い超偏平はみ出し部である、
    請求項1に記載の滑り支承。
  5. 前記上沓及び前記下沓の少なくとも一方に、凹入部が側面から凹入する状態で形成されている、
    請求項1に記載の滑り支承。
  6. 前記上沓及び前記下沓の一方が平面視で矩形状である、
    請求項1に記載の滑り支承。
  7. 請求項1に記載の滑り支承と、
    平面視で互いに交差する前記上沓の側面及び前記下沓の側面を連結する固定部材と、を備える、滑り支承施工構造。
  8. 請求項1に記載の滑り支承と、
    前記上部構造体と、
    前記下部構造体と、
    を備え、
    前記滑り支承は、基礎構造としての前記下部構造体に固定される基礎免震である、
    免震構造物。
  9. 第2上部構造体と、
    前記第2上部構造体に対向する第2下部構造体と、
    前記第2上部構造体と前記第2下部構造体との間に配置される第2滑り支承と、
    をさらに備え、
    前記第2滑り支承は、
    前記第2上部構造体に締結部材で固定される第2上沓と、
    前記第2下部構造体に締結部材で固定される第2下沓と、
    を備え、
    前記第2上沓及び前記第2下沓の少なくとも一方に、前記締結部材を取り付けるための作業用空間を形成する第2凹入部が側面から凹入する状態で形成されており、
    前記第2上沓及び前記第2下沓は平面視で多角形状であり、前記第2上沓の角部の位置であって、平面視において前記第2上沓の軸心回りの周方向における位置と、前記第2下沓の角部の位置であって、前記周方向における位置とは一致しており、
    前記第2滑り支承は、建築物の上層部としての前記第2上部構造体と、前記建築物の下層部としての前記第2下部構造体との間に配置される中間層免震である、
    請求項8に記載の免震構造物。
JP2023146055A 2023-09-08 2023-09-08 滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物 Active JP7499927B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023146055A JP7499927B1 (ja) 2023-09-08 2023-09-08 滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023146055A JP7499927B1 (ja) 2023-09-08 2023-09-08 滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP7499927B1 true JP7499927B1 (ja) 2024-06-14

Family

ID=91431593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023146055A Active JP7499927B1 (ja) 2023-09-08 2023-09-08 滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7499927B1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003247590A (ja) 2002-02-26 2003-09-05 Daiwa House Ind Co Ltd 転がり免震装置
JP2016216906A (ja) 2015-05-14 2016-12-22 株式会社竹中工務店 免震構造
JP2017502182A (ja) 2013-11-11 2017-01-19 ワークセイフ テクノロジーズWorksafe Technologies 多角形免震システム
JP2018145660A (ja) 2017-03-03 2018-09-20 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 球面すべり支承の施工方法、固定治具付き球面すべり支承、および固定治具

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003247590A (ja) 2002-02-26 2003-09-05 Daiwa House Ind Co Ltd 転がり免震装置
JP2017502182A (ja) 2013-11-11 2017-01-19 ワークセイフ テクノロジーズWorksafe Technologies 多角形免震システム
JP2016216906A (ja) 2015-05-14 2016-12-22 株式会社竹中工務店 免震構造
JP2018145660A (ja) 2017-03-03 2018-09-20 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 球面すべり支承の施工方法、固定治具付き球面すべり支承、および固定治具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7499927B1 (ja) 滑り支承、滑り支承施工構造、及び免震構造物
JP7499928B1 (ja) 滑り支承、及び免震構造物
CA2723231A1 (en) Joining element between modules for constructions
JP2017198026A (ja) 建物
JP4668405B2 (ja) 建物の外断熱構造
JP5586566B2 (ja) 制震構造物
JP3291170B2 (ja) 曲線案内装置および三次元案内装置
JP2000104786A (ja) 免震装置の浮き上がり防止機構
JP2007056623A (ja) ユニット式建物
JP6945758B1 (ja) 滑り免震装置と免震支承
JP6733025B1 (ja) 滑り免震装置の耐火構造
JP2013213547A (ja) 支承装置
JPH10205000A (ja) 免震建造物と地盤とを繋ぐ構造
JP2019019596A (ja) 構造物
JP7482727B2 (ja) スライダーと滑り免震装置
JP7386947B1 (ja) 免震装置
JP2000336666A (ja) 杭と上部構造物との接合構造
JP2018119329A (ja) 建物免震構造
JP2024034767A (ja) 球面滑り支承システム
JP5339216B2 (ja) 制震構造
JPH09235907A (ja) 建物の耐震構造
JP2007239267A (ja) 制振構造及び制振継ぎ手
JP3019057U (ja) 防震器具
JP3800530B2 (ja) 免震装置の取付構造
KR101415731B1 (ko) 면진 스윙 슬래브 지지장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230915

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231031

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240604

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7499927

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150