1.概要
以下、本実施形態に係るコンデンサ1の概要について、図面を参照して説明する。
図10A及び図10Bに示すように、本実施形態に係るコンデンサ1は、コンデンサ素子10と、2つの金属キャップ2(第1金属キャップ21及び第2金属キャップ22)と、を備える。なお、図10A~図10Cは、説明を理解しやすくするために、誇張して図示した模式図である。
コンデンサ素子10の両端には端面電極100(第1端面電極101及び第2端面電極102)が設けられている。
2つの金属キャップ2は、コンデンサ素子10の両端に被せられる。金属キャップ2は、蓋板部4と、周壁部5と、弾性部6と、を有する。蓋板部4は、端面電極100に対向する板状部分である。周壁部5は、蓋板部4の周縁からコンデンサ素子10側に延びる壁状部分である。弾性部6は、周壁部5の内周面510に設けられている。金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せたとき、弾性部6は、コンデンサ素子10の外周面110に弾力的に接する(図10B参照)。このように、本実施形態に係るコンデンサ1の特徴の1つは、金属キャップ2が弾性部6を有する点である。
ここで、金属キャップ2が弾性部6を有しないと、以下に述べるような問題がある。
通常、金属キャップ2は、コンデンサ素子10の端部よりも一回り大きく形成される。すなわち、金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せたとき、金属キャップ2の周壁部5の内周面510とコンデンサ素子10の外周面110との間に隙間20が形成される(図10C参照)。その理由の1つは、隙間20がないと、金属キャップ2の蓋板部4とコンデンサ素子10の端面電極100との間に存在する空気の逃げ道がなくなり、金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せにくくなるからである。
しかしながら、上記の隙間20が形成されていると、図10Cの点線で示すように、コンデンサ1の両端の2つの金属キャップ2の周壁部5の外周面の位置がずれやすくなる。すなわち、金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せてから両者を固定するまでは、2つの金属キャップ2の各々は、第1端面電極101及び第2端面電極102を結ぶ方向(X軸方向)に対して垂直な平面(YZ平面)内において、独立して移動し得る。これにより、コンデンサ1の両端の2つの金属キャップ2の位置を揃えるのが難しくなる。
これに対して、本実施形態では、金属キャップ2が弾性部6を有するので、上記の隙間20を確保しながら(図1参照)、コンデンサ1の両端の2つの金属キャップ2の位置を揃えるのが容易になる。すなわち、図10A及び図10Bに示すように、2つの金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せると、2つの金属キャップ2の各々の弾性部6が、コンデンサ素子10の外周面110に弾力的に接する。そのため、2つの金属キャップ2のYZ平面内における移動が規制される。これにより、図10Bの点線で示すように、2つの金属キャップ2の位置を容易に揃えることができる。
したがって、本実施形態によれば、コンデンサ1の両端の金属キャップ2の位置合わせを容易に行うことができる。
2.詳細
(1)第1実施形態
以下、第1実施形態に係るコンデンサ1について、図面を参照して説明する。位置関係等の説明の都合上、3次元の直交座標系を構成するX軸、Y軸、及びZ軸を示す矢印を図面中に表記しているが、これらの矢印は実体を伴わない。以下、XY平面視は、Z軸方向に沿って視る場合、YZ平面視は、X軸方向に沿って視る場合、ZX平面視は、Y軸方向に沿って視る場合をそれぞれ意味する。X軸、Y軸、及びZ軸の方向は一例であり、コンデンサ1の製造時及び使用時の方向を限定する趣旨ではない。
図1に本実施形態に係るコンデンサ1を示す。コンデンサ1は、いわゆるケースレスコンデンサである。すなわち、コンデンサ1は、特許文献1のケースモールド型コンデンサと異なり、ケースを不要とする。これにより、コンデンサ1の軽量化を図ることができる。コンデンサ1は、コンデンサ素子10と、複数(本実施形態では2つ)の金属キャップ2と、を備える。
(1.1)コンデンサ素子
まずコンデンサ素子10について説明する。コンデンサ素子10は、誘電体フィルム上にアルミニウム等の金属を蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、このように重ねた金属化フィルムを巻回し、扁平状に押圧(図1ではZ軸方向に押圧)することにより形成されている。コンデンサ素子10のYZ平面視での断面形状は、Z軸方向よりもY軸方向に長い角丸長方形をなしている。
コンデンサ素子10は、X軸方向に延びる柱体形状をなしている。図2A及び図2Bに示すように、コンデンサ素子10の両端(X軸方向における両端)に端面電極100が設けられている。端面電極100は、第1端面電極101と、第2端面電極102と、を含む。
第1端面電極101は、コンデンサ素子10のX軸正の向きを向く面に層状に設けられている。第1端面電極101は、例えば、メタリコン(金属溶射法)により亜鉛等の金属で形成されている。
第2端面電極102は、第1端面電極101の反対側に設けられている。すなわち、第2端面電極102は、コンデンサ素子10のX軸負の向きを向く面に層状に設けられている。第2端面電極102も、第1端面電極101と同様に形成されている。
コンデンサ素子10の外周面110は、第1端面電極101と第2端面電極102との間に存在する。外周面110は、2つの平坦面120と、2つの凸曲面130と、を含む。
2つの平坦面120は、第1平坦面121及び第2平坦面122である(図2A参照)。第1平坦面121は、Z軸正の向きを向く平坦な面である。第2平坦面122は、Z軸負の向きを向く平坦な面である。このように、第1平坦面121及び第2平坦面122は、Y軸方向に平行に配置されている。
2つの凸曲面130は、第1凸曲面131及び第2凸曲面132である(図2B参照)。第1凸曲面131は、YZ平面視で、Y軸正の向きに半円状に突出した面である。第1凸曲面131は、第1平坦面121及び第2平坦面122とつながっている。第2凸曲面132は、YZ平面視で、Y軸負の向きに半円状に突出した面である。第2凸曲面132は、第1平坦面121及び第2平坦面122とつながっている。
(1.2)金属キャップ
次に金属キャップ2について説明する。金属キャップ2は、コンデンサ素子10の両端に被せられる部材である。2つの金属キャップ2は、第1金属キャップ21及び第2金属キャップ22である。第1金属キャップ21及び第2金属キャップ22の形状及び大きさは同じである。以下では、金属キャップ2が第1金属キャップ21である場合の直交座標系(図1と同じ直交座標系)を規定して、金属キャップ2について説明する。
図6A及び図6Bに金属キャップ2を示す。金属キャップ2は、蓋板部4と、周壁部5と、少なくとも1つ以上(本実施形態では6つ)の弾性部6と、を有する。
蓋板部4は、端面電極100に対向する板状部分である。蓋板部4のYZ平面視の形状は、Z軸方向よりもY軸方向に長い角丸長方形をなしている。つまり、蓋板部4のYZ平面視の図形とコンデンサ素子10のYZ平面視の図形とは相似形であり、前者が後者よりも一回り大きい。
蓋板部4の内面(X軸負の向きを向く面)は、突出面41と、非突出面42と、を含む。突出面41は、端面電極100と接触する面である。突出面41は、適宜の方法(例えば溶接及びはんだ付け等)により端面電極100に電気的に接続され得る。突出面41は、非突出面42よりもX軸負の向きに突出している。突出面41のYZ平面視の形状は、Z軸方向よりもY軸方向に長い長方形をなしている。突出面41は、YZ平面内において、蓋板部4の周縁よりも内側に位置している(図4B参照)。非突出面42は、蓋板部4の内面のうち突出面41を除く面である。
周壁部5は、蓋板部4の周縁からコンデンサ素子10側(図6A及び図6BではX軸負の向き)に延びる壁状部分である。周壁部5の内周面510が形成するYZ平面視の図形(本実施形態では角丸長方形)は、コンデンサ素子10の外周面110が形成するYZ平面視の図形(本実施形態では角丸長方形)よりも一回り大きい。つまり、金属キャップ2は、コンデンサ素子10の端部よりも一回り大きく形成される。
周壁部5の高さは、端面電極100の厚さよりも長く、コンデンサ素子10の長さの半分よりも短い(いずれもX軸方向の長さ)。要するに、金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せたときに、金属キャップ2で端面電極100が隠れ、かつ、2つの金属キャップ2が接触しなければ、周壁部5の高さは特に限定されない。
周壁部5は、2つの平板壁部520と、2つの半円壁部530と、を含む。
2つの平板壁部520は、第1平板壁部521及び第2平板壁部522である。第1平板壁部521及び第2平板壁部522は、Z軸方向において対向し、平行に配置されている。第1平板壁部521及び第2平板壁部522は、YZ平面視で直線状をなす。
2つの半円壁部530は、第1半円壁部531及び第2半円壁部532である。第1半円壁部531及び第2半円壁部532は、Y軸方向において対向している。第1半円壁部531は、YZ平面視で、Y軸正の向きに突出した半円弧状をなす部分である。第1半円壁部531は、第1平板壁部521及び第2平板壁部522とつながっている。第2半円壁部532は、YZ平面視で、Y軸負の向きに突出した半円弧状をなす部分である。第2半円壁部532は、第1平板壁部521及び第2平板壁部522とつながっている。
弾性部6は、弾性変形可能な部分である。弾性部6は、周壁部5の内周面510に設けられている。本実施形態では、弾性部6は、片持ちばねで形成されている。片持ちばねは、矩形状の板ばね60の一辺を固定端61、対辺を自由端62とするばねである。固定端61は、周壁部5の内周面510においてYZ平面に平行に固定されている。本実施形態では、板ばね60の固定端61は、周壁部5の先端(X軸負の向きの先端)に固定されている。自由端62は、固定端61よりも蓋板部4に近い箇所に配置されている。図10Aに誇張して図示するように、固定端61から自由端62に向かうに従って、板ばね60は周壁部5の内周面510から離れるように傾斜している。
図6Bに示すように、弾性部6は、YZ平面視で、周壁部5の内周面510の一部に設けられている。本実施形態では、複数(6つ)の弾性部6(第1弾性部601~第6弾性部606)が間隔をあけて周壁部5の内周面510に沿って設けられている。第1弾性部601及び第3弾性部603は、間隔をあけて第1平板壁部521の内周面510に設けられている。第2弾性部602及び第4弾性部604は、間隔をあけて第2平板壁部522の内周面510に設けられている。第5弾性部605は、第1半円壁部531の内周面510に設けられている。第6弾性部606は、第2半円壁部532の内周面510に設けられている。
第1弾性部601~第4弾性部604の形状及び大きさは同じである。第5弾性部605及び第6弾性部606の形状及び大きさは同じである。第5弾性部605及び第6弾性部606の板ばね60の幅は、第1弾性部601~第4弾性部604の板ばね60の幅よりも細い。なお、板ばね60の幅は、固定端61及び自由端62を結ぶ方向に対して垂直な方向の長さである。
本実施形態では、少なくとも一対(本実施形態では三対)の弾性部6が対向している。
一対目の弾性部6は、第1弾性部601及び第2弾性部602である。第1弾性部601及び第2弾性部602は、Z軸方向に対向している。第1弾性部601及び第2弾性部602の自由端62同士の間のZ軸方向の距離は、コンデンサ素子10のZ軸方向の長さよりも短い。
二対目の弾性部6は、第3弾性部603及び第4弾性部604である。第3弾性部603及び第4弾性部604は、Z軸方向に対向している。第3弾性部603及び第4弾性部604の自由端62同士の間のZ軸方向の距離は、コンデンサ素子10のZ軸方向の長さよりも短い。
三対目の弾性部6は、第5弾性部605及び第6弾性部606である。第5弾性部605及び第6弾性部606は、Y軸方向に対向している。第5弾性部605及び第6弾性部606の自由端62同士の間のY軸方向の距離は、コンデンサ素子10のY軸方向の長さよりも短い。
金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せる前は、上述のように、Z軸方向に対向する一対の弾性部6の自由端62同士の間の距離は、コンデンサ素子10のZ軸方向の長さよりも短い(Y軸方向も同様である)。そのため、金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せたとき、弾性部6は、コンデンサ素子10の外周面110に弾力的に接する。すなわち、金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せるときに、板ばね60の自由端62が、コンデンサ素子10の外周面110によって押され、固定端61を支点として、周壁部5の内周面510に向かって変位する。そして、弾性部6による弾性力(復元力)が、コンデンサ素子10による押圧力(作用)に対する反作用として、コンデンサ素子10の外周面110に働く。
(1.3)作用効果
本実施形態では、金属キャップ2が弾性部6を有するので、コンデンサ1の両端に2つの金属キャップ2を被せるときに、これらの位置を揃えるのが容易になる。すなわち、図10A及び図10Bに示すように、2つの金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せると、2つの金属キャップ2の各々の弾性部6が、コンデンサ素子10の外周面110に弾力的に接する。そのため、2つの金属キャップ2のYZ平面内における移動が規制される。
具体的には、本実施形態では、Z軸方向に対向する二対の弾性部6(第1弾性部601~第4弾性部604)により、金属キャップ2のZ軸方向における移動が規制される。またY軸方向に対向する一対の弾性部6(第5弾性部605及び第6弾性部606)により、金属キャップ2のY軸方向における移動が規制される。これにより、図10Bの点線で示すように、2つの金属キャップ2の位置を容易に揃えることができる。
したがって、第1実施形態によれば、コンデンサ1の両端の金属キャップ2の位置合わせを容易に行うことができる。
また図6Bに示すように、弾性部6は、YZ平面視で、金属キャップ2の周壁部5の内周面510の一部に設けられているので、弾性部6はスペーサーとして機能し得る。すなわち、金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せるとき、金属キャップ2の周壁部5の内周面510とコンデンサ素子10の外周面110との間に隙間20を形成することができる(図1参照)。そのため、金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せるとき、金属キャップ2の蓋板部4とコンデンサ素子10の端面電極100との間に存在する空気を上記の隙間20から外部に逃がすことができる。よって、金属キャップ2をコンデンサ素子10に被せやすくなる。
また図10Aに誇張して図示するように、板ばね60は、固定端61から自由端62に向かうに従って、周壁部5の内周面510から離れるように傾斜しているので、コンデンサ素子10の端部は、金属キャップ2の内部に円滑に案内されやすくなる。
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態に係るコンデンサ1について、図面を参照して説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様の構成要素には第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
図3、図4A及び図4Bに本実施形態に係るコンデンサ1を示す。本実施形態に係るコンデンサ1は、接着部材3と、絶縁部材71と、金属部材8と、を更に備える点で、第1実施形態に係るコンデンサ1と相違する。
(2.1)接着部材
接着部材3は、電気的絶縁性を有する部材である。接着部材3の材料としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。本実施形態では、接着部材3は、第1接着部材31と、第2接着部材32と、を含む(図4A及び図4B参照)。
第1接着部材31は、コンデンサ素子10と金属キャップ2とを接着する部材である。第1接着部材31は、コンデンサ素子10と金属キャップ2との間に介在する。すなわち、第1接着部材31は、コンデンサ素子10と金属キャップ2との間の隙間に充填されている。第1接着部材31は、適宜の方法(例えば液状樹脂のシリンジによる注入等)により、コンデンサ素子10と金属キャップ2との間の隙間に充填され得る。
具体的には、図4Bに示すように、第1接着部材31は、コンデンサ素子10の外周面110と、金属キャップ2の周壁部5の内周面510との間に充填されている。さらに第1接着部材31は、コンデンサ素子10の端面電極100と、金属キャップ2の非突出面42との間の隙間に充填されている。
一方、第2接着部材32は、コンデンサ素子10と絶縁部材71とを接着している。すなわち、第2接着部材32は、コンデンサ素子10の外周面110において、第1金属キャップ21の周壁部5の先端(X軸負の向きの先端)と、第2金属キャップ22の周壁部5の先端(X軸正の向きの先端)との間の隙間に存在する。第2接着部材32のX軸方向の長さは、第1金属キャップ21の周壁部5の先端と、第2金属キャップ22の周壁部5の先端との間の距離に等しい。第2接着部材32の外周面と、2つの金属キャップ2の周壁部5の外周面とはほぼ面一である。
(2.2)絶縁部材
絶縁部材71は、コンデンサ素子10の少なくとも一部を被覆する部材である。本実施形態では、絶縁部材71は、金属キャップ2及び第2接着部材32を介して、コンデンサ素子10の外周面110を被覆している。具体的には、絶縁部材71は、2つの金属キャップ2の各々の周壁部5の外周面の一部及び第2接着部材32を介して、コンデンサ素子10の外周面110を間接的に被覆している。絶縁部材71は、第2接着部材32に接着されている。絶縁部材71は、接着性又は粘着性を有していてもよい。絶縁部材71が接着性等を有する場合、絶縁部材71は、金属キャップ2にも接着等されている。
本実施形態では、絶縁部材71のX軸方向の長さは、第2接着部材32のX軸方向の長さよりも長い。絶縁部材71は、第1金属キャップ21と第2接着部材32との境界を被覆している(図4B参照)。すなわち、絶縁部材71の一端(X軸正の向きの先端)は、第1金属キャップ21と第2接着部材32との境界よりも、X軸正の側に位置している。さらに絶縁部材71は、第2金属キャップ22と第2接着部材32との境界を被覆している。すなわち、絶縁部材71の他端(X軸負の向きの先端)は、第2金属キャップ22と第2接着部材32との境界よりも、X軸負の側に位置している。
絶縁部材71は、電気的絶縁性を有する部材である。絶縁部材71は、フィルム状をなしている。好ましくは、絶縁部材71は、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材である。
絶縁性フィルムは、電気的絶縁性を有するフィルムであれば、特に限定されない。絶縁性フィルムの材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリイミド等を含む。
ガスバリアフィルムは、電気的絶縁性を有し、かつ水蒸気等のガスを透過させにくい性質を有するフィルムであれば、特に限定されない。ガスバリアフィルムとして、基材フィルムと、基材フィルム上に形成されたガスバリア層と、を有するフィルムを用いることができる。
基材フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、耐熱性にも優れているため、コンデンサ1の耐熱性を高めることもできる。
ガスバリア層は、特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくともいずれかを含む。ガスバリア層は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、又はプラズマCVD法等により形成可能である。
プリプレグの硬化物は、プリプレグが完全に硬化し、C-ステージ状態にある物質である。C-ステージとは不溶不融の状態であり、硬化反応の最終状態である。プリプレグは、補強材と、熱硬化性樹脂組成物と、を含む。
補強材としては、特に限定されないが、例えば、有機繊維又は無機繊維の織布又は不織布等が挙げられる。補強材は、例えば、ガラスクロス及びPET繊維の不織布を含む。
熱硬化性樹脂組成物としては、特に限定されないが、例えば、硬化反応前の常温(25℃)において、液状である熱硬化性樹脂を含有する組成物が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの中ではエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、耐熱性、耐薬品性、強靭性、電気絶縁性及び接着性等の特性に優れている。
熱硬化性樹脂組成物の硬化温度は、120℃以下であることが好ましい。この場合、熱硬化性樹脂組成物を硬化させる際の熱によるコンデンサ素子10への影響を小さくすることができる。
熱硬化性樹脂組成物は、無機充填材を含有してもよい。無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化硼素、マグネシア、ベーマイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びタルク等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、公知の硬化剤及び触媒等を含有してもよい。
(2.3)金属部材
金属部材8は、絶縁部材71の少なくとも一部を被覆する部材である。本実施形態では、金属部材8のX軸方向の長さは、絶縁部材71のX軸方向の長さよりも短い。金属部材8の一端(X軸正の向きの先端)は、第1金属キャップ21と第2接着部材32との境界よりも、X軸正の側に位置している(図4B参照)。さらに金属部材8の他端(X軸負の向きの先端)は、第2金属キャップ22と第2接着部材32との境界よりも、X軸負の側に位置している。
金属部材8としては、特に限定されないが、例えば、金属箔、及び樹脂付き金属箔等が挙げられる。金属箔の材料は、例えば、銅、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、マグネシウム、銀、金、ニッケル、及び白金を含む。樹脂付き金属箔は、樹脂層が金属箔の片面に設けられた部材である。
(2.4)作用効果
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、コンデンサ1の両端の金属キャップ2の位置合わせを容易に行うことができる。
また本実施形態では、コンデンサ1が接着部材3を更に備えることによって、金属キャップ2の位置を固定することができる。すなわち、第1接着部材31によって、コンデンサ素子10と金属キャップ2とを接着して固定することができる。また第2接着部材32によって、コンデンサ素子10と絶縁部材71とを接着して固定することができる。
また本実施形態では、コンデンサ1が絶縁部材71を更に備えることによって、絶縁性を確保することができる。さらに絶縁部材71が、金属キャップ2と第2接着部材32との境界を被覆していることによって、境界から水分がコンデンサ素子10に浸入することを抑制することができる。
特に絶縁部材71が、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材であれば、コンデンサ素子10の吸湿を抑制しやすくなり、コンデンサ1の耐湿性を向上させることができる。
また本実施形態では、コンデンサ1が金属部材8を更に備えることによって、コンデンサ素子10への水分の浸入を抑制することができる。
また本実施形態では、第2接着部材32の外周面と、2つの金属キャップ2の周壁部5の外周面とはほぼ面一であるので(図4B参照)、第2接着部材32と2つの金属キャップ2とに跨って絶縁部材71を配置しても、絶縁部材71にはシワが寄りにくい。このように、絶縁部材71にシワが寄りにくいので、絶縁部材71の外側に配置された金属部材8にもシワが寄りにくい。
(3)第3実施形態
次に、第3実施形態に係るコンデンサ1について、図面を参照して説明する。第3実施形態では、第1及び第2実施形態と同様の構成要素には第1及び第2実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
図5A及び図5Bに本実施形態に係るコンデンサ1を示す。本実施形態に係るコンデンサ1においては、絶縁部材71が第1絶縁部材71である。そして、本実施形態に係るコンデンサ1は、第2絶縁部材72と、熱収縮チューブ9と、を更に備える点で、第2実施形態に係るコンデンサ1と相違する。
(3.1)第2絶縁部材
第2絶縁部材72は、金属部材8の少なくとも一部を被覆する部材である。本実施形態では、第2絶縁部材72は、金属部材8の全部を被覆している。
本実施形態では、第2絶縁部材72のX軸方向の長さは、第1絶縁部材71のX軸方向の長さに等しい。すなわち、第2絶縁部材72のX軸方向の長さは、金属部材8のX軸方向の長さよりも長い。
第1絶縁部材71及び第2絶縁部材72は、金属部材8を挟み込んでいる。すなわち、第1絶縁部材71及び第2絶縁部材72の一端(X軸正の向きの先端)は、金属部材8の一端(X軸正の向きの先端)よりも、X軸正の側に位置している。第1絶縁部材71及び第2絶縁部材72の一端同士は密着している。また第1絶縁部材71及び第2絶縁部材72の他端(X軸負の向きの先端)は、金属部材8の他端(X軸負の向きの先端)よりも、X軸負の側に位置している。第1絶縁部材71及び第2絶縁部材72の他端同士は密着している。
第2絶縁部材72は、第1絶縁部材71と同様に、電気的絶縁性を有する部材である。第2絶縁部材72は、第1絶縁部材71と同様に、フィルム状をなしている。好ましくは、第2絶縁部材72は、第1絶縁部材71と同様に、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材である。
(3.2)熱収縮チューブ
熱収縮チューブ9は、コンデンサ素子10の少なくとも一部を被覆する部材である。本実施形態では、熱収縮チューブ9は、金属キャップ2、接着部材3、第1絶縁部材71、第2絶縁部材72、及び金属部材8を介して、コンデンサ素子10の全体を被覆している。
本実施形態では、熱収縮チューブ9は、コンデンサ1の最も外側に位置している。2つの金属キャップ2の蓋板部4は外部に露出している。
図5A及び図5Bに示すように、熱収縮チューブ9は、金属キャップ2、第1絶縁部材71、及び第2絶縁部材72に密着している。具体的には、熱収縮チューブ9は、2つの金属キャップ2の各々の周壁部5の外周面の一部、第1絶縁部材71の両端(X軸正の向き及び負の向きの先端)、第2絶縁部材72の外周面及び両端(X軸正の向き及び負の向きの先端)に密着している。
熱収縮チューブ9は、電気的絶縁性を有する部材である。熱収縮チューブ9は、両端が開口するチューブ状をなす部材である。熱収縮チューブ9は、加熱されると収縮する。
熱収縮チューブ9の材料、厚さ、及び大きさは特に限定されない。熱収縮チューブ9としては、コンデンサ1の大きさに合わせて任意のものを用いることができる。
(3.3)作用効果
本実施形態によれば、第1及び第2実施形態と同様に、コンデンサ1の両端の金属キャップ2の位置合わせを容易に行うことができる。
また本実施形態によれば、コンデンサ1が第2絶縁部材72を更に備えることによって、絶縁性を確保することができる。さらに第2絶縁部材72が、第1絶縁部材71との間で金属部材8を挟み込んでいることによって、金属部材8が金属キャップ2と接触することを抑制することができる。
特に第2絶縁部材72が、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材であれば、コンデンサ素子10の吸湿を抑制しやすくなり、コンデンサ1の耐湿性を向上させることができる。
また本実施形態によれば、コンデンサ1が熱収縮チューブ9を更に備えることによって、コンデンサ素子10の内部に水蒸気等の水分及びガスが浸入することを更に抑制することができる。したがって、コンデンサ1がより優れた耐湿性を有し得る。
3.変形例
(1)金属キャップ
(1.1)第1変形例
金属キャップ2の第1変形例について説明する。第1変形例では、上記実施形態と同様の構成要素には上記実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
図7A及び図7Bに金属キャップ2の第1変形例を示す。第1変形例は、第1弾性部601~第4弾性部604の代わりに、2つの弾性部6(第7弾性部607及び第8弾性部608)が設けられている点で、第1実施形態の金属キャップ2と相違する。
第7弾性部607及び第8弾性部608の板ばね60は、X軸方向よりもY軸方向に細長い矩形状をなしている。すなわち、第7弾性部607及び第8弾性部608の板ばね60の幅は、平板壁部520のY軸方向の長さにほぼ等しく、第1実施形態の第1弾性部601~第4弾性部604の板ばね60の幅よりも広い。
第1変形例では、Z軸方向に対向する一対の弾性部6(第7弾性部607及び第8弾性部608)により、金属キャップ2のZ軸方向における移動が規制される。またY軸方向に対向する一対の弾性部6(第5弾性部605及び第6弾性部606)により、金属キャップ2のY軸方向における移動が規制される。これにより、2つの金属キャップ2の位置を容易に揃えることができる。
(1.2)第2変形例
金属キャップ2の第2変形例について説明する。第2変形例では、上記実施形態及び変形例と同様の構成要素には上記実施形態及び変形例と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
図8A及び図8Bに金属キャップ2の第2変形例を示す。第2変形例は、第1弾性部601~第6弾性部606の代わりに、4つの弾性部6(第9弾性部609~第12弾性部612)が設けられている点で、第1実施形態の金属キャップ2と相違する。
第9弾性部609は、第1半円壁部531の内周面510に設けられている。第9弾性部609の板ばね60は、YZ平面視で円弧状に湾曲している。YZ平面視での板ばね60の円弧の長さは四分円の円弧の長さにほぼ等しい。
第10弾性部610は、第2半円壁部532の内周面510に設けられている。第10弾性部610は、YZ平面視で、第9弾性部609に対して線対称である。
第11弾性部611は、第2半円壁部532の内周面510に設けられている。第11弾性部611は、YZ平面視で、第9弾性部609に対して点対称であり、第10弾性部610に対して線対称である。
第12弾性部612は、第1半円壁部531の内周面510に設けられている。第12弾性部612は、YZ平面視で、第9弾性部609に対して線対称であり、第10弾性部610に対して点対称であり、第11弾性部611に対して線対称である。
第2変形例では、4つの弾性部6(第9弾性部609~第12弾性部612)がYZ平面視で対称的に配置されていることで、金属キャップ2のYZ平面内における移動が規制される。これにより、2つの金属キャップ2の位置を容易に揃えることができる。
なお、4つの弾性部6(第9弾性部609~第12弾性部612)の各々は、X軸方向に少なくとも1つ以上のスリットを入れて、複数に分割してもよい。これにより、弾性変形しやすくなる。
(1.3)第3変形例
金属キャップ2の第3変形例について説明する。第3変形例では、上記実施形態及び変形例と同様の構成要素には上記実施形態及び変形例と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
図9A及び図9Bに金属キャップ2の第3変形例を示す。第3変形例は、4つの弾性部6(第1弾性部601~第4弾性部604)が追加されている点で、第2変形例と相違する。
第3変形例では、第1実施形態と同様に、Z軸方向に対向する二対の弾性部6(第1弾性部601~第4弾性部604)により、金属キャップ2のZ軸方向における移動が規制される。さらに第3変形例では、第2変形例と同様に、4つの弾性部6(第9弾性部609~第12弾性部612)がYZ平面視で対称的に配置されていることで、金属キャップ2のYZ平面内における移動が規制される。
以上により、2つの金属キャップ2の位置を容易に揃えることができる。
なお、第3変形例でも、第2変形例と同様に、4つの弾性部6(第9弾性部609~第12弾性部612)の各々は、X軸方向に少なくとも1つ以上のスリットを入れて、複数に分割してもよい。これにより、弾性変形しやすくなる。
(2)その他
上記実施形態では、コンデンサ素子10は巻回型のコンデンサ素子であるが、積層型のコンデンサ素子でもよい。
上記実施形態では、弾性部6は金属製であるが、弾性変形可能であれば金属製でなくてもよい。
上記実施形態では、弾性部6は片持ちばねであるが、弾性変形可能であれば片持ちばねでなくてもよい。
上記実施形態では、弾性部6の板ばね60の固定端61は、周壁部5の先端に固定されているが、周壁部5の先端よりも蓋板部4に近い箇所に固定されていてもよい。
4.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
第1の態様は、コンデンサ(1)であって、コンデンサ素子(10)と、金属キャップ(2;21,22)と、を備える。前記コンデンサ素子(10)の両端に端面電極(100;101,102)が設けられている。前記金属キャップ(2;21,22)は、前記コンデンサ素子(10)の両端に被せられている。前記金属キャップ(2;21,22)は、蓋板部(4)と、周壁部(5)と、弾性部(6)と、を有する。前記蓋板部(4)は、前記端面電極(100;101,102)に対向する。前記周壁部(5)は、前記蓋板部(4)の周縁から前記コンデンサ素子(10)側に延びる。前記弾性部(6)は、前記周壁部(5)の内周面(510)に設けられ、前記コンデンサ素子(10)の外周面(110)に弾力的に接する。
この態様によれば、コンデンサ(1)の両端の金属キャップ(2;21,22)の位置合わせを容易に行うことができる。
第2の態様は、第1の態様に基づくコンデンサ(1)である。第2の態様では、接着部材(3)を更に備える。前記接着部材(3)は、前記コンデンサ素子(10)と前記金属キャップ(2;21,22)とを接着する。
この態様によれば、金属キャップ(2;21,22)の位置を固定することができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様に基づくコンデンサ(1)である。第3の態様では、絶縁部材(71)を更に備える。前記絶縁部材(71)は、前記コンデンサ素子(10)の少なくとも一部を被覆する。
この態様によれば、絶縁性を確保することができる。
第4の態様は、第3の態様に基づくコンデンサ(1)である。第4の態様では、前記絶縁部材(71)は、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材である。
この態様によれば、絶縁性を更に確保することができる。
第5の態様は、第3又は第4の態様に基づくコンデンサ(1)である。第5の態様では、金属部材(8)を更に備える。前記金属部材(8)は、前記絶縁部材(71)の少なくとも一部を被覆する。
この態様によれば、コンデンサ素子への水分の浸入を抑制することができる。
第6の態様は、第5の態様に基づくコンデンサ(1)である。第6の態様では、前記絶縁部材(71)が第1絶縁部材(71)である。第2絶縁部材(72)を更に備える。前記第2絶縁部材(72)は、前記金属部材(8)の少なくとも一部を被覆する。
この態様によれば、絶縁性を更に確保することができる。
第7の態様は、第6の態様に基づくコンデンサ(1)である。第7の態様では、前記第2絶縁部材(72)は、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材である。
この態様によれば、絶縁性を更に確保することができる。
第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか一つに基づくコンデンサ(1)である。第8の態様では、熱収縮チューブ(9)を更に備える。前記熱収縮チューブ(9)は、前記コンデンサ素子(10)の少なくとも一部を被覆する。
この態様によれば、絶縁性を更に確保することができる。