JP7497702B2 - 洗浄剤組成物用原液、及び該洗浄剤組成物用原液を含む洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物用原液、及び該洗浄剤組成物用原液を含む洗浄剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、洗浄剤組成物用原液、及び該洗浄剤組成物用原液を含む洗浄剤組成物に関する。
従来、各種の電子部品や合金製部品単体を洗浄する際は、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、塩化メチレン、フロン等のハロゲン化炭化水素系溶剤が用いられてきた。これらの溶剤は、不燃性で乾燥性に優れるという利点があるが、人体に対する毒性、大気汚染や土壌汚染等の環境問題の理由から、現在ではその使用が制限されている。そのような問題に対して、これまで、非ハロゲンタイプの炭化水素系洗浄剤やグリコール系洗浄剤等が提案されていた。
近年、さらなる環境負荷の低減のため、グリコールエーテル系化合物等の有機成分を水で希釈した水希釈型洗浄剤が提案されている(特許文献1~2参照)。水希釈型洗浄剤は水の質量比率が大きいので、低コスト化、有機成分の使用量の削減、VOC(volatile organic compounds)排出の抑制が可能であり、環境負荷の軽減が期待できる。また、汚れの種類に応じて、有機成分の比率を変化させて、洗浄力を調整できる点が優れている。
水希釈型洗浄剤は、水希釈する時機の観点より、希釈品(特許文献1参照)と原液品(特許文献2参照)に分類できる。希釈品は水希釈後の洗浄剤組成物を輸送及び保管して使用するが、他方、原液品は洗浄剤組成物用原液を輸送及び保管して、使用直前に水で希釈して使用する。
特開2013-181060号公報 特開2015-218295号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、上記のようなグリコールエーテル系化合物を含む水希釈型洗浄剤を用いて洗浄すると、洗浄性が十分ではない場合があった。また、グリコールエーテル系化合物を含む水希釈型洗浄剤は、その中に油性汚れが一定量存在すると洗浄性が低下する場合があり、その都度、洗浄剤を全量交換する必要があるため、洗浄剤の液寿命が短いという問題があった。
また、上記原液品に分類される水希釈型洗浄剤は、希釈品と比較して上記有機成分を効率的に輸送及び保管できる点で優れているが、当該原液品は一般的に消防法で危険物に分類される場合が多く、その取り扱い性に課題があった。さらに、上記原液品が不均一なものである場合は、その原液から得られる水希釈型洗浄剤においては有機成分の濃度が一定にならず、洗浄剤の品質が安定しないため、洗浄剤の製造の面において取り扱い性に課題があった。
本発明は、コスト及び環境負荷が低減されており、優れた洗浄性を示し、かつ液寿命の長い水希釈型洗浄剤が得られる、非危険物で取り扱いが容易な洗浄剤組成物用原液、及び該洗浄剤組成物用原液を含む洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、所定のグリコールエーテル、所定のアミノアルコール、所定の疎水性化合物、及び水を特定の質量比で含む洗浄剤組成物用原液によって、前記課題を解決できることを見出した。即ち本発明は、以下の洗浄剤組成物用原液、及びこれを含む洗浄剤組成物に関する。
1.沸点が200℃以上であって、20℃における水への溶解度が10質量%以下のグリコールエーテル(A)、
沸点が200℃以上のアミノアルコール(B)、
炭素数が10~24の炭化水素(C1)及び炭素数が10~24の脂肪族アルコール(C2)からなる群から選択される少なくとも1種の疎水性化合物(C)、及び
水(D)を含み、
各成分の含有比率は、洗浄剤組成物用原液100質量%に対して、(A)成分が50~93質量%、(B)成分が3~30質量%、(C)成分が3~30質量%、(D)成分が1~10質量%である、
洗浄剤組成物用原液。
2.(A)成分が、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル及びトリプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1に記載の洗浄剤組成物用原液。
3.(B)成分が、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-t-ブチルジエタノールアミン及びN,N-ジブチルエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1又は2に記載の洗浄剤組成物用原液。
4.(C)成分が、炭素数12~24のイソパラフィン、1-デカノール及びオレイルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1~3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物用原液。
5.上記項1~4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物用原液と、水とを含み、
上記項1~4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物用原液100質量部に対して、水が100~1500質量部である、洗浄剤組成物。
6.フラックス残渣除去用である、上記項5に記載の洗浄剤組成物。
本発明の洗浄剤組成物用原液は、上記有機成分が濃縮されて均一な溶液であるため、効率良く輸送及び保管ができ、また品質の安定した水希釈型洗浄剤が得られるため、取り扱いが容易である。そして、該洗浄剤組成物用原液及び洗浄剤組成物は、いずれも消防法の非危険物に分類され、取り扱いが容易で作業性に優れる。
本発明の洗浄剤組成物用原液を水で希釈した洗浄剤組成物は、主成分が水であるため、コスト及び環境負荷が低減されたものであり、さらに水の希釈比率を高くしても優れた洗浄性を維持できる。また、上記洗浄剤組成物は、油性汚れが一定量存在しても洗浄性を維持できるため、液寿命が長いものとなる。その結果、上記洗浄剤組成物の全量交換頻度が減少するため、コスト及び環境負荷を低減できる。
[洗浄剤組成物用原液]
本発明の洗浄剤組成物用原液(以下、原液ともいう)は、所定のグリコールエーテル(A)(以下、(A)成分とする)、所定のアミノアルコール(B)(以下、(B)成分とする)、所定の疎水性化合物(C)(以下、(C)成分とする)、及び水(D)(以下、(D)成分とする)を、特定の質量比で含む組成物である。
<グリコールエーテル(A)>
(A)成分は、沸点が200℃以上であって、20℃における水への溶解度が10質量%以下のグリコールエーテルであれば、特に限定されない。(A)成分は、1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。なお、本明細書において、「沸点」とは常圧下における沸点を意味し、「常圧」とは標準大気圧を意味する(以下、同様)。
(A)成分の沸点が200℃未満の場合、原液の引火性が高くなるので危険であり、作業性の点で問題がある。(A)成分の20℃における水への溶解度が10質量%を超える場合、洗浄剤組成物の親水性が高くなって、十分な洗浄性が得られない。20℃における水への溶解度は、洗浄剤組成物に適度な疎水性を付与して優れた洗浄性を発揮する点で、好ましくは0.5~10質量%の範囲であり、より好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは0.5~5質量%の範囲である。
(A)成分は、例えば、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル等が挙げられる。
(A)成分は、洗浄剤組成物における洗浄性が特に良好であるという点から、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル及びトリプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。
(A)成分の含有量は、原液100質量%に対して50~93質量%である。(A)成分の含有量が50~93質量%である場合、洗浄剤組成物は優れた洗浄性を発揮する。(A)成分の含有量は、原液における取扱い性に優れ、洗浄剤組成物における洗浄性に優れる点から、原液100質量%に対して60~89質量%程度であるのが好ましい。
<アミノアルコール(B)>
(B)成分は、沸点が200℃以上のアミノアルコールであれば、特に限定されない。(B)成分は、1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。(B)成分の沸点が200℃未満である場合、原液の引火性が高くなるので危険であり、作業性の点で問題がある。
(B)成分は、例えば、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-t-ブチルジエタノールアミン、N-シクロヘキシルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-(β-アミノエチル)イソプロパノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、N,N-ジブチルプロパノールアミン等が挙げられる。これら化合物は1種を単独でまたは2種以上を適宜に組合せて使用できる。
(B)成分は、洗浄剤組成物における洗浄性及び液寿命に優れる点から、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-t-ブチルジエタノールアミン及びN,N-ジブチルエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、N-n-ブチルジエタノールアミン及びN-t-ブチルジエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
(B)成分の含有量は、原液100質量%に対して3~30質量%である。(B)成分の含有量が3質量%以上である場合、洗浄剤組成物の液寿命が長くなり、洗浄剤組成物は優れた洗浄性を発揮する。(B)成分の含有量が30質量%以下の場合、洗浄剤組成物の臭気が抑制され、作業環境が良好になる。(B)成分の含有量は、洗浄剤組成物における洗浄性及び液寿命に優れる点から、原液100質量%に対して3~10質量%程度であるのが好ましい。
<疎水性化合物(C)>
(C)成分は、炭素数が10~24の炭化水素(C1)(以下、(C1)成分とする)及び炭素数が10~24の脂肪族アルコール(C2)(以下、(C2)成分とする)からなる群から選択される少なくとも1種の疎水性化合物であれば、特に限定されない。(C)成分は、1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
(C1)成分、(C2)成分の炭素数が10以上である場合、洗浄剤組成物の液寿命が長くなり、原液の引火性が低くなって取扱い性に優れる。(C1)成分、(C2)成分の炭素数が24以下である場合、洗浄剤組成物の水すすぎが容易となり、洗浄剤組成物が被洗浄物に残留しないので、洗浄性に優れる。
(C1)成分は、炭素数が10~24の炭化水素であれば特に限定されない。(C1)成分は、例えば、それぞれ炭素数が10~24の直鎖飽和炭化水素、分岐鎖飽和炭化水素、不飽和炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、パラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。
炭素数が10~24の直鎖飽和炭化水素は、例えば、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン等が挙げられる。
炭素数が10~24の分岐鎖飽和炭化水素は、例えば、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン、イソトリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、イソノナデカン、イソエイコサン、イソヘンエイコサン、イソドコサン、イソトリコサン、イソテトラコサン等が挙げられる。
炭素数が10~24の不飽和炭化水素は、例えば、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、ノナデセン、エイコセン、ヘンエイコセン、ドコセン、トリコセン、テトラコセン等が挙げられる。
炭素数が10~24の脂環式炭化水素は、例えば、シクロデカン、シクロドデセン、炭素数が10~24のアルキルシクロペンタン、炭素数が10~24のアルキルシクロヘキサン、ジシクロペンテン、デカヒドロナフタレン等が挙げられる。
炭素数が10~24の芳香族炭化水素は、例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラリン、炭素数が10~24のアルキルベンゼン等が挙げられる。
炭素数が10~24のパラフィンは、例えば、上記の炭素数が10~24の直鎖飽和炭化水素の混合物が挙げられる。
炭素数が10~24のイソパラフィンは、例えば、上記の炭素数が10~24の分岐鎖飽和炭化水素の混合物が挙げられる。
(C1)成分は、原液の引火性が低くなって取扱い性に優れ、洗浄剤組成物における洗浄性及び液寿命に優れる点から、炭素数12~24のイソパラフィン及び炭素数12~24の不飽和炭化水素からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、炭素数12~16のイソパラフィンがより好ましい。
(C2)成分は、炭素数が10~24の脂肪族アルコールであれば特に限定されない。
(C2)成分は、例えば、1-デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、1-ヘキサデカノール、パルミトレイルアルコール、1-ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール 、エライドリノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エライドリノレニルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール等が挙げられる。
(C2)成分は、原液の引火性が低くなって取扱い性に優れ、洗浄剤組成物における洗浄性及び液寿命に優れる点から、炭素数が10~18の脂肪族アルコールが好ましく、1-デカノール及びオレイルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
(C)成分の物性は、特に限定されないが、(C)成分の沸点は、原液において引火性が低くなり取扱い性に優れる点から、200℃以上であるのが好ましい。
(C)成分の含有量は、原液100質量%に対して3~30質量%である。(C)成分の含有量が3質量%以上の場合、洗浄剤組成物において液寿命が長くなる。(C)成分の含有量が30質量%以下の場合、原液が均一なものとなり、その輸送効率及び保管性に優れる。(C)成分の含有量は、原液における輸送効率、保管性及び取扱い性に優れ、洗浄剤組成物における液寿命が長くなる点から、原液100質量%に対して5~20質量%程度であるのが好ましい。
<水(D)>
(D)成分は、水であれば特に限定されず、例えば、超純水、純水、イオン交換水、精製水等が挙げられる。
(D)成分の含有量は、原液100質量%に対して1~10質量%である。(D)成分の含有量が1質量%以上の場合、原液において引火性が低くなり取扱い性に優れる。(D)成分の含有量が10質量%以下の場合、原液が均一なものとなり、その輸送効率及び保管性に優れる。(D)成分の含有量は、原液における輸送効率、保管性及び取扱い性に優れる点から、原液100質量%に対して3~8質量%程度であるのが好ましい。
上記洗浄剤組成物用原液において、(A)成分と(B)成分との質量比は、特に限定されないが、原液における輸送効率及び保管性に優れ、洗浄剤組成物における洗浄性及び液寿命に優れる点から、60~89:3~10程度が好ましい。
上記洗浄剤組成物用原液において、(A)成分及び(B)成分の合計と、(C)成分との質量比は、特に限定されないが、原液における輸送効率、保管性及び取扱い性に優れる点から、100:6~24程度が好ましい。
上記洗浄剤組成物用原液において、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の質量比は、特に限定されないが、原液における輸送効率、保管性及び取扱い性に優れ、洗浄剤組成物における洗浄性及び水すすぎ性に優れる点から、60~89:3~10:5~20程度が好ましい。
上記洗浄剤組成物用原液は、本発明の効果が得られる限りにおいて、(A)~(D)成分以外の成分(以下、その他成分という)を含み得る。その他成分は、洗浄剤組成物用原液が引火点を有さない点を考慮すれば、例えば、沸点が200℃以上の有機溶剤、添加剤等が挙げられる。該有機溶剤の具体例としては、ベンジルアルコール、4-メチルベンジルアルコール等のアルコール、沸点が200℃以上のポリアミン等が挙げられる。該添加剤の具体例としては、沸点が200℃以上の防錆剤、界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、キレート剤、有機酸等が挙げられる。
上記洗浄剤組成物用原液において、その他成分の含有量は、特に限定されないが、原液100質量%に対して0~20質量%程度であるのが好ましい。
上記洗浄剤組成物用原液は、引火点を有さず消防法の非危険物に分類されるため、取り扱いが容易で作業性に優れる。
上記洗浄剤組成物用原液において、(A)~(D)成分、及び、任意成分であるその他成分の配合方法は、特に限定されず、一般的な液体の混合方法が用いられる。具体的な配合方法としては、攪拌法が挙げられる。
[洗浄剤組成物]
本発明の洗浄剤組成物は、(A)~(D)成分を含む洗浄剤組成物用原液100質量部に対して、100~1500質量部程度の水を混合させることで得られる。水の配合量が100質量部未満では、洗浄剤組成物のコスト及び環境負荷が高くなって、水希釈型洗浄剤の特長を活かすことができない問題がある。水の配合量が1500質量部を超えると、十分な洗浄性が得られないので、洗浄不良を引き起こす場合がある。
上記洗浄剤組成物における水の配合量は、洗浄剤組成物のコスト及び環境負荷が低減できて、十分な洗浄性が得られる点から、洗浄剤組成物用原液100質量部に対して、200~1200質量部程度が好ましく、400~900質量部程度がより好ましい。
上記洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物用原液と水とを上記質量比で混合させることにより、その外観は1~90℃において油滴が水中に分散した白濁状態となる(以下、完全白濁系ともいう)。
水希釈型洗浄剤は、水希釈後の洗浄剤組成物の懸濁状態の観点から、均一系、加温白濁系、及び本発明の完全白濁系の3つに分類される。均一系は、1~90℃において外観が透明な洗浄剤であり、加温白濁系は、曇点よりも低い温度においては外観が透明で、曇点以上の温度においては白濁状態となる洗浄剤である。そして、水希釈型洗浄剤において、完全白濁系の水希釈型洗浄剤は、均一系及び加温白濁系のものに比べて、一般的に油溶性及び水溶性の汚れを除去する能力が高く十分な洗浄性を有している。すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、完全白濁系であることから、上記均一系及び加温白濁系の水希釈型洗浄剤に比べて、優れた洗浄性を発揮するものである。
上記洗浄剤組成物は、上記洗浄剤組成物用原液が引火点を有さないため、同様に引火点を有さず消防法の非危険物に分類され、取り扱いが容易で作業性に優れる。
上記洗浄剤組成物において、上記洗浄剤組成物用原液及び水の混合方法は特に限定されず、一般的な液体の混合方法が用いられる。具体的な混合方法としては、攪拌法が挙げられる。
上記洗浄剤組成物は、洗浄対象別に分類すると、例えば、フラックス残渣用洗浄剤、はんだ付け用フラックス用洗浄剤、ソルダペースト用洗浄剤、工業油用洗浄剤等が挙げられる。また、被洗浄物別に分類すると、例えば、電子材料用洗浄剤等が挙げられる。
上記電子材料は、フォトマスク、光学レンズ、真空放電管、タッチパネル、表示デバイス用ガラス等のガラス加工品、メタルマスク、パレット、プリント回路基板、フレキシブル配線基板、セラミック配線基板、半導体素子、半導体パッケージ、磁気メディア、パワーモジュール、カメラモジュール、リードフレーム、磁気ディスク、ヒートシンク等の金属加工品、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、紙フェノール基板、プラスチックモールド部品等の樹脂加工品、シリコン(Si)、サファイア(Al)、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ガリウム(GaN)、燐化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、燐化インジウム(InP)等のウエハ及びそれらの、切断(スライシング、ダイシング等)、研削(バックグラインド、ブラスト等)、面取り(ベベリング、バレル等)、研磨(ラッピング、ポリシング、バフ等)加工品、更には、それらの物品を加工、実装、溶接、洗浄、搬送する際に使用する治具、キャリア、マガジン等が例示される。
[洗浄対象]
本発明の洗浄剤組成物における洗浄対象は、特に限定されないが、例えば、はんだ付け用フラックス、ソルダペースト、フラックス残渣、工業油、及び切り粉等が挙げられる。これらの中でも、はんだ付け用フラックス、ソルダペースト及びフラックス残渣からなる群より選ばれる一種は、上記洗浄剤組成物における洗浄対象として好適である。
本明細書において、「はんだ付け用フラックス」は、はんだ及び母材(金属電極等)表面の酸化皮膜を除去し、両者の接合を容易にするために用いられる組成物である。一般的には、ベース樹脂、活性剤及び有機溶剤を含み、必要に応じてチキソトロピック剤、酸化防止剤、その他の添加剤が含まれていてもよい。また、はんだ付け用フラックスは、その組成により、ソルダペースト用フラックス、並びに糸はんだ用フラックス、ポストフラックス及びプレフラックス等の非ソルダペースト用フラックスに分類される。
上記ベース樹脂は、例えば、ロジン系ベース樹脂及び非ロジン系ベース樹脂等が挙げられる。該ロジン系ベース樹脂は、例えば、天然ロジン、ロジン誘導体、及びこれらの精製物等が挙げられる。天然ロジンは、例えば、ガムロジン、トール油ロジン及びウッドロジン等が挙げられる。ロジン誘導体は、例えば、天然ロジンの水素化物及び不均化物;
重合ロジン、不飽和酸変性ロジン、ロジンエステル、水素化不飽和酸変性ロジン等が挙げられる。上記重合ロジン、上記不飽和酸変性ロジン、及び上記ロジンエステルは、上記天然ロジン、又は上記天然ロジンの水素化物若しくは不均化物等を用いて製造され得る。上記ロジンエステルを構成する多価アルコールは、グリセリン、ペンタエリスリトール等が例示される。上記不飽和酸変性ロジンを構成する不飽和酸は、アクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が例示される。非ロジン系ベース樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム、ナイロンゴム、ナイロン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ等が挙げられる。
上記活性剤は、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、グルタル酸、セバシン酸、ドデカン2酸、ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、trans-2,3-ジブロモ-1,4-ブテンジオール、cis-2,3-ジブロモ-1,4-ブテンジオール、3-ブロモプロピオン酸、2-ブロモ吉草酸、5-ブロモ-n-吉草酸、2-ブロモイソ吉草酸、エチルアミン臭素酸塩、ジエチルアミン臭素酸塩、ジエチルアミン塩化水素酸塩、メチルアミン臭素酸等が挙げられる。
上記有機溶剤は、例えば、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、ブチルカルビトール、ヘキシルジグリコール、ヘキシルカルビトール、酢酸イソプロピル、プロピオン酸エチル、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、n-ヘキサン、ドデカン、テトラデセン等が挙げられる。
上記チキソトロピック剤は、例えば、ひまし油、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等が挙げられる。
上記酸化防止剤は、例えば、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、トリフェニルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト等が挙げられる。
上記その他の添加剤は、例えば、防黴剤、艶消し剤、増粘防止剤、界面活性剤等が挙げられる。
本明細書において「ソルダペースト」は、はんだ付け用フラックス及びはんだ粉末の混合物である。はんだ粉末は、例えば、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Sb系、Sn-Zn系の鉛フリーはんだ粉末、更に鉛を構成成分とする鉛含有はんだ粉末が挙げられる。また、これらはんだ金属は、Ag、Al、Au、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、In、Ni、P、Pt、Sb、Znの1種又は2種以上の元素がドープされたものであってよい。ソルダペーストは、スクリーン印刷によりメタルマスクを介して電極上に供給され、その上に電子部品が載置された後に、加熱下ではんだ付けが行われる。
上記はんだ付け用フラックス又はソルダペーストが付着した物品は、スクリーン印刷用のメタルマスク、スキージ、ディスペンス方式用のノズル、シリンジ、及び基板固定用の治具等が例示される。
上記フラックス残渣は、ソルダペースト、糸はんだ、はんだ付け用フラックス、プレフラックス、ポストフラックス等を用い、電子部品等を電極に接合した後に生ずる残渣である。フラックス残渣は、はんだ金属及び母材を腐食したり、基板の絶縁抵抗を低下させたりするため、洗浄により除去する必要がある。
上記フラックス残渣が付着した物品は、例えば、プリント回路基板、セラミック配線基板、半導体素子搭載基板、ウエハ、TABテープ、リードフレーム、パワーモジュール、及びカメラモジュール等が挙げられる。また、対応するものについては、IC、コンデンサ、抵抗器、ダイオード、トランジスタ、コイル、及びCSP等の電子部品がはんだ付けされていたり、BGA、PGA、及びLGA等が形成されていたり、はんだレベリング等の前処理が施されていてもよい。
上記工業油は、例えば、加工油、切削油、鉱物油、機械油グリース、潤滑油、防錆油、ワックス、ピッチ、パラフィン、油脂、グリース等が挙げられる。これらは機械加工、金属加工等の分野において、材料と工具間の摩擦を低減して焼き付きを防止したり、加工に要する力を低減して形成し易くしたり、製品の錆や腐食を防止したりするために使用される。
上記工業油が付着した物品は、例えば、ボルト、ナット、フェルール、及びワッシャー等の成型部品をはじめ、エンジンピストン等の自動車部品、ギア、シャフト、スプロケット、及びチェーン等の産業機械部品、HDD用パーツ、及びリードフレーム等の電子部品等が挙げられる。
その他の洗浄対象は、例えば、プリント回路基板、セラミック配線基板、半導体素子搭載基板、カバーガラス、及びウエハ等をダイシング加工した際に生じる切り粉等が挙げられる。
[洗浄方法]
上記洗浄剤組成物を用いて、上記洗浄対象が付着した被洗浄物を洗浄する方法は、特に限定されず、各種公知の方法が適用できる。具体的には、例えば、洗浄工程と水すすぎ工程と乾燥工程とを含む洗浄方法が挙げられる。
上記洗浄工程とは、上記洗浄剤組成物に被洗浄物を接触させて洗浄対象を除去する工程である。上記水すすぎ工程とは、被洗浄物をすすぎ水に接触させて、被洗浄物に付着した洗浄剤組成物を除去する工程である。上記乾燥工程とは、被洗浄物に付着したすすぎ水を除去する工程である。
被洗浄物に、上記洗浄剤組成物及びすすぎ水を接触させる手段は特に限定されず、例えば、浸漬撹拌法、液中シャワー法、気中シャワー法、超音波洗浄法等が挙げられる。
洗浄方法としては、洗浄性が優れている点から、超音波洗浄法が好ましい。なお、超音波洗浄法において、従来の水希釈型洗浄剤を用いると水すすぎ工程で油性汚れが被洗浄物に再付着しやすい問題があったが、上記洗浄剤組成物を用いると、水すすぎ工程において油性汚れが被洗浄物に再付着することを抑制できる。すなわち、上記洗浄剤組成物は、超音波洗浄法に好適なものとなっている。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「%」及び「部」は特に断りのない限り「質量%」、「質量部」を意味する。
[洗浄剤組成物用原液及び洗浄剤組成物の調製]
実施例1
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル80部((A)成分)、N-n-ブチルジエタノールアミン5部((B)成分)、炭素数12~16のイソパラフィン(製品名「IPソルベント2028」、出光興産(株)製)10部((C)成分)、及び水5部((D)成分)を混合して洗浄剤組成物用原液を調製した。そして、上記洗浄剤組成物用原液100部に対して、水を400部添加し、洗浄剤組成物X(洗浄剤組成物用原液の濃度20質量%)を調製した。また、前記洗浄剤組成物用原液100部に対して、水を900部添加し、洗浄剤組成物Y(洗浄剤組成物用原液の濃度10質量%)を調製した。
実施例2~15及び比較例1~12は、各成分を表1及び表2で示されるものに変更した他は、実施例1と同様に調製した。実施例10では、(C)成分として炭素数12~16のイソパラフィン(製品名「IPソルベント2028」、出光興産(株)製)5部とオレイルアルコール5部を使用した。なお、実施例1~15における洗浄剤組成物X、Yにおいて、それら洗浄剤組成物を1~90℃に加温すると、いずれの温度においてもその外観は白濁状態となった。
表1の各成分の略称、(A)成分における水への溶解度、(C)成分における炭素数、及び各成分の沸点(℃)は、表3に示すとおりである。
実施例1~15及び比較例1~12で得られた洗浄剤組成物用原液を用いて、外観を評価し、引火点を測定した。また、実施例1~15及び比較例1~12で得られた洗浄剤組成物X、並びに、実施例1~15及び比較例1~12で得られた洗浄剤組成物Yを用いて、洗浄性、液寿命の評価を行った。結果を、表4に示す。
表4中の注釈は、以下の通りである。
(1)洗浄剤組成物用原液が引火点を有していたため、洗浄剤組成物X、Yの評価はしなかった。
(2)洗浄剤組成物用原液が不均一であったため、洗浄剤組成物X、Yの評価はしなかった。
<引火点の測定>
表1の洗浄剤組成物用原液の引火点を、JIS K 2265に準拠し、引火点が室温から80℃の範囲はタグ密閉式により測定し、80℃迄で引火点が測定できなかった場合は、クリーブランド開放式にて測定を実施した。
<外観の評価>
表1の洗浄剤組成物用原液を50mLのガラス容器に入れ、25℃における均一性を目視で確認した。表4中、均一とは、外観が透明であり、洗浄剤組成物用原液が完全相溶状態であることを意味する。不均一とは、外観が白濁、もしくは水層と油層の二層に分離しており、洗浄剤組成物原液が相分離していることを意味する。
<洗浄性の評価>
(洗浄性試験のテストピースの作製)
ガラスエポキシ銅張積層板(50×50×厚さ1.0mm)の銅パターン上に、メタルマスクを用いて市販の鉛フリーハロゲンフリーソルダーペースト(商品名「エコソルダーペーストM705-S70G-HF Type4」、千住金属工業(株)製)を印刷し、以下のプロファイルでリフローすることで、フラックスが付着した試験基板を作製した。
(試験基板のリフロープロファイル)
雰囲気:空気
昇温速度:1℃/秒
ピーク温度:240℃、10秒
(洗浄性試験)
上記の試験基板を用いて、以下の洗浄及び水すすぎの条件で、浸漬超音波法による洗浄性試験を行った。液温が60℃の表2の洗浄液組成物X、Yに、試験基板を接触させて5分間、あるいは10分間超音波を照射して、洗浄を行った。次いで、液温が25℃のイオン交換水に、試験基板を浸漬させて、5分間超音波を照射して、前すすぎを行った。更に、液温が25℃のイオン交換水に、試験基板を浸漬させて、5分間超音波を照射して、仕上げすすぎを行った。その後、試験基板を1分間エアーブローし、水分を除去して乾燥を行った。乾燥した後の試験基板表面を、以下の判定基準に基づき目視判定して、洗浄性を評価した。
◎:洗浄時間が5分間の場合と、10分間の場合の両方において、フラックスを良好に除去できた(フラックス残渣の表面積は0%)。
○:洗浄時間が5分間の場合に、フラックスが残存したが、洗浄時間が10分間の場合に、フラックスを良好に除去できた(フラックス残渣の表面積は0%)。
△:洗浄時間が10分間の場合に、若干フラックスが残存した(フラックス残渣の表面積は0%を超えて10%以下)。
×:洗浄時間が10分間の場合に、かなりフラックスが残存した(フラックス残渣の表面積は10%を超える)。
(浸漬超音波法による洗浄及び水すすぎの条件)
超音波周波数:40kHz
超音波出力:100W
超音波槽内寸法:240mm×140mm
ワット密度:0.30W/cm
<液寿命の評価>
市販の鉛フリーハロゲンフリーソルダーペースト(商品名「エコソルダーペーストM705-S70G-HF Type4」、千住金属工業(株)製)10gをガラス瓶に仕込み、これを270℃に熱したホットプレート上で加熱溶融させた後、冷却し、ソルダーペーストから分離したフラックス残渣を採取した。表2の洗浄液組成物X、Y100部に対して、該フラックス残渣を0.3部溶解させた洗浄液組成物を用いて、洗浄性試験と同様の洗浄性の評価を行った。判定基準が◎又は○の場合には、汚れ成分のフラックスを含んでいても洗浄剤組成物の洗浄性は維持されているので、液寿命が長いことを示す。

Claims (6)

  1. 沸点が200℃以上であって、20℃における水への溶解度が10質量%以下のグリコールエーテル(A)、
    沸点が200℃以上のアミノアルコール(B)、
    炭素数が10~24の炭化水素(C1)及び炭素数が10~24の脂肪族アルコール(C2)からなる群から選択される少なくとも1種の疎水性化合物(C)、及び
    水(D)を含み、
    各成分の含有比率は、洗浄剤組成物用原液100質量%に対して、(A)成分が50~93質量%、(B)成分が3~30質量%、(C)成分が3~20質量%、(D)成分が1~10質量%である、
    洗浄剤組成物用原液。
  2. (A)成分が、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル及びトリプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の洗浄剤組成物用原液。
  3. (B)成分が、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-t-ブチルジエタノールアミン及びN,N-ジブチルエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物用原液。
  4. (C)成分が、炭素数12~24のイソパラフィン、1-デカノール及びオレイルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物用原液。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物用原液と、水とを含み、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物用原液100質量部に対して、水が100~1500質量部である、洗浄剤組成物。
  6. フラックス残渣除去用である、請求項5に記載の洗浄剤組成物。
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