JP7497592B2 - 電磁波遮蔽樹脂、バッテリーケース - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波の透過を抑制する電磁波遮蔽樹脂、およびこれを用いたバッテリーケースに関する。
近年、電気自動車、燃料電池自動車など電気を動力源にした自動車が普及しつつある。こうした電気を動力源にした自動車の走行距離を延ばす方法の1つとして、車体の軽量化が進められている。車体の軽量化にあたっては、比較的大きな搭載面積を占有するバッテリーパックの軽量化が求められている。バッテリーパックの軽量化には、例えば、バッテリーを収容するバッテリーケース(外装体)を従来のような金属材料から、より軽量な樹脂材料にすることが考えられている。
しかしながら、バッテリーをバッテリーケースに収容したバッテリーパックは、電気自動車のモータに大電流の電力を断続して出力するために電磁波ノイズが発生しやすい。こうした電磁波ノイズは、樹脂材料を容易に透過するために、バッテリーケースを樹脂によって形成すると、電磁波ノイズの漏洩が大きくなるという課題があった。
こうした課題を解決するために、例えば、特許文献1では、長さが0.1mm~3mmの金属短繊維を熱可塑性樹脂に混合した電磁波遮蔽用樹脂組成物が開示されている。
また特許文献2には、直径が4~20μm、長さが4~30mmの導電性長繊維と、直径が30~100μm、長さが1~5mmの導電性短繊維とを、熱可塑性樹脂に混合した導電性熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
特開昭61-115957号公報 特開2001-261675号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された電磁波遮蔽性能を有する樹脂組成物は、樹脂に混合する導電性繊維のサイズと混合量との組み合わせによって、得られる電磁波遮蔽性能にバラつきが大きい。従って、所望の電磁波遮蔽性能を安定して確保するためには、導電性繊維を多く混合しておく必要があり、コストの高い導電性繊維を多く混合することによって、電磁波遮蔽樹脂のコストが高くなるという課題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、電磁波遮蔽性能にバラつきが少なく、同一量のステンレス繊維でより高い電磁波遮蔽性能を発揮することが可能な電磁波遮蔽樹脂、およびこれを用いたバッテリーケースを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは以下の知見を見出した。
即ち、樹脂に対して導電体としてステンレス繊維を混合してなる電磁波遮蔽樹脂の電磁波遮蔽性能は、樹脂に対するステンレス繊維の充填率と、ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差によって、ほぼ正確に特定できる。
こうした知見に基づいて、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の電磁波遮蔽樹脂は、樹脂にステンレス繊維を混合した電磁波遮蔽樹脂であって、前記ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差をσ、前記樹脂に対する前記ステンレス繊維の充填率(質量%)をFとした時に、以下の式(1)を満たすことを特徴とする。
σ>0.0054×F+0.1614・・・(1)
また、本発明の電磁波遮蔽樹脂は、樹脂にステンレス繊維を混合した電磁波遮蔽樹脂であって、前記ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差をσ、前記樹脂に対する前記ステンレス繊維の充填率(質量%)をFとした時に、以下の式(2)を満たすことを特徴とする。
σ>0.0054×F+0.1544・・・(2)
こうした式(1)や式(2)を満たすような電磁波遮蔽樹脂は、ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差σを考慮しない電磁波遮蔽樹脂よりも、同一のステンレス繊維の充填率(質量%)の場合に、より優れた電磁波遮蔽性能を発揮することができる。
特に、式(1)を満たす電磁波遮蔽樹脂は、ステンレス繊維の充填量を同じにした場合に、平均より電磁波遮蔽性能のよい電磁波遮蔽樹脂となる。また、式(2)を満たす電磁波遮蔽樹脂は、下位2.5%程度の特に電磁波遮蔽特性の劣る電磁波遮蔽樹脂を除くものとなる。
また、本発明は、前記樹脂に対する前記ステンレス繊維の充填率が、2.0質量%以上、4.0質量%以下であってもよい。
本発明のバッテリーケースは、前記各項に記載の電磁波遮蔽樹脂によって成形したことを特徴とする。
本発明によれば、電磁波遮蔽性能にバラつきが少なく、最小限のステンレス繊維の含有量で高い電磁波遮蔽性能を発揮することが可能な電磁波遮蔽樹脂、およびこれを用いたバッテリーケースを提供することができる。
面積包絡度の測定を示す説明図である。 透過X線非破壊検査装置によって得られた、シート状の電磁波遮蔽樹脂のX線透過画像の一例を示す写真である。 検証例1の結果を示すグラフである。 検証例1の結果を示すグラフ(分布図)である。
以下、本発明の一実施形態の電磁波遮蔽樹脂、およびこれを用いたバッテリーケースについて説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(電磁波遮蔽樹脂)
本実施形態に係る電磁波遮蔽樹脂は、樹脂に対して、導電性フィラーであるステンレス繊維を混合(混練)したものからなる。
電磁波遮蔽樹脂を構成する樹脂としては、射出成形が可能な樹脂、例えば熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリ塩化ピニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂等が挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6樹脂、ナイロン46樹脂、ナイロン66樹脂などの脂肪族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、半芳香族ポリアミド樹脂等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体樹脂等が挙げられる。
また、上述したような各種樹脂を複数種混合したものも用いることができる。
ステンレス繊維は、樹脂に対して導電性を付与することで電磁波遮蔽性を持たせる。ステンレス繊維は、ステンレス鋼を繊維状にしたものであり、ステンレス鋼としては、マルテンサイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼等、各種ステンレス鋼を用いることができる。
ステンレス繊維の繊維形状は、細線状であり、長さが2mm以上、15mm以下であればよく、複数の長さのステンレス繊維を組み合わせることも好ましい。例えば、長さが2mmのステンレス繊維と、長さが6mmのステンレス繊維とを組み合わせることも好ましい。ステンレス繊維の繊維径(直径)は、例えば、3μm以上、20μm以下の範囲であればよい。
ステンレス繊維の樹脂に対する充填率(質量%)は、例えば、2.0質量%以上、4.0質量%以下であればよい。ステンレス繊維の充填率が2.0質量%未満であると、十分な電磁波遮蔽性能が得られない虞がある。また、4.0質量%を超えると、電磁波遮蔽樹脂の製造コストが高くなり過ぎる懸念がある。
本実施形態における電磁波遮蔽樹脂は、ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差をσ、樹脂に対する前記ステンレス繊維の充填率(質量%)をFとした時に、σは上位50%の範囲であり、以下の式(1)を満たすようにする。
σ>0.0054×F+0.1614・・・(1)
あるいは、本実施形態における電磁波遮蔽樹脂は、ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差をσ、樹脂に対するステンレス繊維の充填率(質量%)をFとした時に、σは上位97.5%の範囲であり、以下の式(2)を満たすようにする。
σ>0.0054×F+0.1544・・・(2)
ここで、本実施形態における面積包絡度について説明する。
面積包絡度(Solidity)は、複雑な3次元の粒子形状を単純化して画像解析に用いる粒子の輪郭パラメータであり、粒子プロファイルの2次元の投影図から算出される。例えば、図1に示すような2次元の投影図となる粒子A~粒子Dの二次元輪郭の周囲を囲む包絡仮想線Lb(図1中の点線)で囲まれた面積Sbを測定する。また、粒子Aや粒子Bの二次元輪郭の実際の輪郭線La(図1中の実線)で囲まれた面積Saを測定する。
そして、このSaとSbから、面積包絡度Ss=Sa/Sbで定義される。こうした定義から分かるように、面積包絡度は、粒子の表面の凹凸が少なく平滑(粒子A,粒子B)なほど値が1に近づき、粒子の凹凸が多い(粒子C,粒子D)ほど値が小さくなる。なお、図1では、点線で示す包絡仮想線Lbと、実線で示す実際の輪郭線Laとが実際には重なる部分は、分かりやすいように互いにずらして描かれている。
ステンレス繊維の面積包絡度Ssの測定は、例えば、透過X線非破壊検査装置を用いればよく、ステンレス繊維の透過X線像(2次元)に基づいて、画像処理ソフトによってステンレス繊維の包絡仮想線Lbと実際の輪郭線Laとをデータとして得ることにより行うことができる。
こうして得られた複数のステンレス繊維の面積包絡度Ssから、面積包絡度の標準偏差σを算出する。例えば、1つの透過X線像(2次元)に、互いに絡み合っていないステンレス繊維がN本写っているときに、それぞれのステンレス繊維の面積包絡度Ssを計算すると、1つの透過X線像(2次元)について面積包絡度SsがN個得られる。これらN個の面積包絡度Ssから、面積包絡度の標準偏差σを得ることができる。
図2に、透過X線非破壊検査装置によって得られた、シート状の電磁波遮蔽樹脂のX線透過画像の一例を示す。図2に示すX線透過画像では、グレーの部分が樹脂、黒色の部分がステンレス繊維の絡まった塊になった部分、黒い細片状の部分が塊にならずに解けた状態のステンレス繊維を示している。
以下、本実施形態の面積包絡度の測定のための画像撮影装置の例、および画像処理ソフトの例を示す。
(1)画像撮影
画像撮影装置:TOSCANER-32300μFD(東芝ITコントロールシステム株式会社)
-撮影条件-
・管電圧:100kV
・管電流:120μm
・積算枚数:256枚
・FPD(Flat Panel Detector)ゲイン:0.5pF
・FPD積分時間:99ms
・FDD(Focus Detector Distance):1000.0mm
・FCD(Focus-to-Centre Distance):678.7mm
・ウィンドウレベル:2844
・ウィンドウ幅:684
(2)画像処理
・画像処理ソフトウェア:ImageJ Fiji
・解析手法:TWS(Trainable Weka Segmentation)
-手順-
1.対象画像(例えば図2に示すような画像)を全てトリミングする。
2.ステンレス繊維の充填率(質量%)が4質量%の画像を画像処理ソフトウェアで開き、TWSを起動する。
3.ステンレス繊維が絡まった塊部分、塊部分以外のステンレス繊維、樹脂部分をそれぞれ5か所ずつ、画面上で選択する。
4.TWSで分類器を学習する。
5.トリミングした画像に学習した分類器を適用する。
6.1枚の対象画像を塊部分のステンレス繊維、塊部分以外のステンレス繊維、樹脂部分のそれぞれを抽出した画像3枚に分割する。
7.分割した画像それぞれに対して画像処理ソフトウェアで粒子それぞれの面積包絡度を計算する。
8.構成粒子の面積包絡度の標準偏差σを計算する。
本実施形態の電磁波遮蔽樹脂では、面積包絡度の標準偏差σの値が大きい方が電磁波遮蔽性能が大きいため、面積包絡度の標準偏差σの値を上述した式(1)や式(2)の範囲内にした本実施形態の電磁波遮蔽樹脂と、その範囲外である従来の電磁波遮蔽樹脂とでは、ステンレス繊維が同一の充填率であっても、本実施形態の電磁波遮蔽樹脂のほうが、より高い電磁波遮蔽性能を得られる。
本実施形態の電磁波遮蔽樹脂の電磁波遮蔽性能を示す電磁波遮蔽効果SEは、例えば、0.1MHz~10MHzの周波数帯域において、35dB以上、好ましくは40dB以上、より好ましくは50db以上、更に好ましくは60dB以上である。なお、電磁波遮蔽効果は、電磁波遮蔽樹脂を設置しない空間の電界強度をE(V/m)、電磁波遮蔽樹脂を設置した空間の電界強度をE(V/m)とした時に、以下の式(3)によって求められる。
SE=20log(E/E)・・・(3)
本実施形態の電磁波遮蔽樹脂を製造する際には、例えば、射出成形機を用いて、ホッパーに、樹脂とステンレス繊維とを含有量が所定量となるように投入し、シリンダ内において、これらを混練するとともに加熱することによって、樹脂にステンレス繊維が混錬した溶融物が形成される。この溶融物を金型内に射出成形することによって、任意の形状の電磁波遮蔽樹脂を得る。
こうした射出成形時において、投入するステンレス繊維の長さが長いほど、樹脂との混錬中に屈曲が多くなり、面積包絡度の値が低下するステンレス繊維が増加し、逆にステンレス繊維の長さが短いほど混錬中の屈曲が少なく、面積包絡度の値が大きいまま変化しにくいと考えられる。電磁波遮蔽樹脂の電磁波遮蔽性能を向上させるには、上述したようにステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差σを増大させることが好ましいので、投入するステンレス繊維は、長さが複数のものを組み合わせることが好ましい。言い換えると、面積包絡度が小さくなりやすい長さステンレス繊維と、面積包絡度が変わりにくく大きいままである短いステンレス繊維や太いステンレス繊維とを複数組み合わせることで、面積包絡度の標準偏差σを増大させることができる。
例えば、長さが6mmと2mmのステンレス繊維を組み合わせて投入すれば、長さ6mmのステンレス繊維は、射出成形機のスクリュで裁断されるものが多くなるので、成形後の電磁波遮蔽樹脂に含まれるステンレス繊維の長さは多様化する。更に、長さが2mmのステンレス繊維を投入することで、成形後のステンレス繊維の長さは更に多様化し、ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差σが増大する。これにより、電磁波遮蔽樹脂の電磁波遮蔽性能を向上させることができる。
なお、射出成形時には、一般的に射出成形機のゲート(溶解した樹脂が金型の製品部に流入する部分)の開口径を大きくすることで電磁波遮蔽性能が安定するが、別工程でゲートカットが必要となる。一方、ゲートを、例えば0.8mm程度のピンゲートにすることで電磁波遮蔽性能が低下し、電磁波遮蔽性能のばらつきも大きくなりやすい。しかし、本実施形態の式(1)や式(2)を満たすように電磁波遮蔽樹脂を成形することで、ピンゲートが使用でき、ゲートカットを不要としながら電磁波遮蔽を向上させ、ばらつきも低減することができる。
(バッテリーケース)
本実施形態のバッテリーケースは、上述した本実施形態の電磁波遮蔽樹脂を、例えばリチウムイオンバッテリーを収納するケースとして成形したものである。こうした本実施形態のバッテリーケースを用いたバッテリーパックを電気自動車に適用した場合、リチウムイオンバッテリーから生じる電磁波ノイズの外部への漏洩を防止するとともに、金属製のケースなどよりも軽量であるので、電気自動車の走行距離を延ばすことができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明の効果を検証した。
(検証例1)
まず、電磁波遮蔽樹脂における電磁波遮蔽性能に影響を及ぼす要素について、それぞれの要素の影響の度合いを確認した。要素としては、樹脂の組成や射出成形機の成形条件など、454個の要素を抽出し、ここからMI(Materials Informatics)によって電磁波遮蔽性能に影響がある18個の要素を選択し、更にここから累積寄与度が90%を超えるよう、寄与度の上位7個の要素に絞り込んだ。この7個の要素の電磁波遮蔽性能中での寄与度(棒グラフ)を図3に示す。図3では寄与度が大きいほど、電磁波遮蔽性能に対する影響度が大きいことを示している。
要素としては、ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差σ(A)、ステンレス繊維の樹脂に対する充填率(B)、電磁波遮蔽樹脂の任意の部分の樹脂領域の数(C)、ステンレス繊維の角度(D)、凝集したステンレス繊維の円形度の第1四分位数(E)、凝集したステンレス繊維の円形度(F)、ステンレス繊維の最大幅(G)である。
従来は電磁波遮蔽性能に一番影響のある要素は、図3に示す結果によれば、ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差σ(A)が、ステンレス繊維の樹脂に対する充填率(B)よりも電磁波遮蔽性能に影響が大きいことが判明した。よって、本発明のように、ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差σ、および樹脂に対するステンレス繊維の充填率(質量%)Fを変数にした、前述した式(1)、式(2)を満たす電磁波遮蔽樹脂にすることで、高い電磁波遮蔽性能を有する電磁波遮蔽樹脂を実現できる。
(検証例2)
ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差σと、電磁波遮蔽効果(dB)との関係を測定した。樹脂に対するステンレス繊維の充填率は2.0質量%、4.0質量%、5.6質量%とした。この結果を図4に分布グラフで示す。
図4に示すグラフによれば、ステンレス繊維の充填率が高いほど電磁波遮蔽効果(dB)も大きくなること、および同一の充填率の電磁波遮蔽樹脂では、面積包絡度の標準偏差σが大きいほど、電磁波遮蔽効果(dB)も大きくなる傾向が確認された。よって、上述した式(1)や式(2)を満たすように、ステンレス繊維の充填率およびステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差σを設定した電磁波遮蔽樹脂は、面積包絡度の標準偏差σを考慮しない電磁波遮蔽樹脂よりも、電磁波遮蔽性能に優れた電磁波遮蔽樹脂を得られることが確認できた。

Claims (4)

  1. 樹脂にステンレス繊維を混合した電磁波遮蔽樹脂であって、
    前記ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差をσ、前記樹脂に対する前記ステンレス繊維の充填率(質量%)をFとした時に、以下の式(1)を満たすことを特徴とする電磁波遮蔽樹脂。
    σ>0.0054×F+0.1614・・・(1)
  2. 樹脂にステンレス繊維を混合した電磁波遮蔽樹脂であって、
    前記ステンレス繊維の面積包絡度の標準偏差をσ、前記樹脂に対する前記ステンレス繊維の充填率(質量%)をFとした時に、以下の式(2)を満たすことを特徴とする電磁波遮蔽樹脂。
    σ>0.0054×F+0.1544・・・(2)
  3. 前記樹脂に対する前記ステンレス繊維の充填率が、2.0質量%以上、4.0質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波遮蔽樹脂。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の電磁波遮蔽樹脂によって成形したバッテリーケース。
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