JP7496661B2 - セラミック接合体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック焼結体の接合により形成され、中空構造を有する板状のセラミック接合体およびその製造方法に関する。
セラミック焼結体は、耐熱性、絶縁性および耐摩耗性等に優れる材料であり、半導体製造装置など各種装置の構造用部材として用いられている。セラミック焼結体が、構造用部材として、例えば冷却板やガス供給板に用いられる場合、セラミック焼結体の内部に気体や液体等を流すための中空流路が形成される。
特許文献1には、アルミナセラミックス焼結体により形成された中空構造体が開示されている。3枚に形成された板状の焼結体のうち、上面および下面に用いられる焼結体の接合面に中空流路用の溝を形成し、3枚の焼結体同士を直接接合して中空構造体は製造されている。
近年、セラミック焼結体内の中空流路には、さらに複雑な構造が要求されるようになってきた。例えばバキュームと冷却等を同時に行うセラミック焼結体も開発されている。そのような製品では、厚み方向に複数の中空流路が必要となる。
例えば、セラミック接合体内に、バキューム溝や水冷溝のような複数の中空流路を設ける場合、溝が形成されたセラミック焼結体を厚みが薄い溝底部の裏で接合して製造しなければならないことがある。
特開2012-071995号公報
しかしながら、セラミック焼結体を加熱および加圧する接合工程において、セラミック焼結体の溝底部が薄いことが原因で接合時に溝底部を主とする変形が起こり、接合界面において未接合の隙間が生じうる。図6は、従来のセラミック接合体300を示す正断面図である。図6に示すように、セラミック接合体300は、バルク305内に中空流路310が形成されており、その溝底部の裏側の接合界面(破線)には変形による隙間380が生じている。このような変形は、接合前のセラミック焼結体において溝底部の厚みを厚くすれば抑制されるかもしれないが、ユーザの要求図面により寸法が決定されるため、製造者の都合で一方的に厚みを変更することはできない。また接合構造における中間層には、加工代を余分に設けることもできない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、接合工程において、セラミック接合体の薄くせざるを得ない位置にある溝底部の変形を抑制し、接合界面における未接合の隙間の発生を抑制できるセラミック接合体およびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明のセラミック接合体は、板状のセラミック接合体であって、厚み方向に平行な特定の断面上に、互いに厚み方向の投影が重複しない3つ以上の孔を形成する中空流路を備え、前記3つ以上の孔のうち、両主面に最も近接する孔を除く孔の少なくともいずれかを形成する第1の中空流路には、前記第1の中空流路の高さと同一の高さで流路方向に沿って隔壁が形成されており、前記3つ以上の孔のうち、厚み方向において前記第1の中空流路の両側に隣接する2つの孔を第2の中空流路および第3の中空流路としたとき、前記第2の中空流路から前記第1の中空流路までの厚み方向の距離T1と、前記第3の中空流路から前記第1の中空流路までの厚み方向の距離T2との少なくとも一方が0よりも大きいことを特徴としている。これにより、接合工程において、セラミック接合体の薄くせざるを得ない位置にある溝底部の変形を抑制し、接合界面における未接合部の発生を抑制できる。
(2)また、本発明のセラミック接合体は、0よりも大きいT1およびT2と、前記第1の中空流路の溝幅Wとが、それぞれ6≦W/T1かつ6≦W/T2を満たすことを特徴としている。このような関係を満たす場合、溝底部の変形抑制効果に着目したときに、隔壁を設けることのメリットが大きい。
(3)また、本発明のセラミック接合体は、前記流路方向に垂直ないずれの断面においても、前記第1の中空流路の溝幅W(mm)に対して前記隔壁の幅W2(mm)が、W2≦0.6Wかつ(W-W2)/2≦6の関係を満たすことを特徴としている。これにより、中空流路を通る流体の流れを十分に確保しつつ、溝幅に対し十分な幅の隔壁で溝底部の変形を抑制できる。
(4)また、本発明のセラミック接合体は、前記隔壁が、前記流路方向において1ヶ所以上で分断されることを特徴としている。このような隔壁の分断により、中空流路を通る流体の流れを妨げない。
(5)また、本発明のセラミック接合体は、前記隔壁の端部が、端に向かって幅が減少する形状を有することを特徴としている。これにより、端部の構造により中空流路を通る流体の抵抗を小さくできる。なお、端部の形状には、R面形状や角錐形状が含まれる。
(6)また、本発明のセラミック接合体は、板状のセラミック焼結体の接合によるセラミック接合体の製造方法であって、3つ以上のセラミック焼結体の少なくとも一方の主面に中空流路となる溝を形成し、前記セラミック焼結体のうち接合時に両端部に位置しないものに形成された前記溝のいずれかに、前記溝と平行な凸部を形成する工程と、表面粗さRa0.05μm以下に前記セラミック焼結体の接合面のそれぞれを研磨加工する工程と、前記セラミック焼結体の接合面同士を当接させて1.0MPa以上3.5MPa以下の圧力を加えるとともに、1時間以上9時間以下の間1500℃以上2100℃以下に加熱して接合する工程と、を含むことを特徴としている。これにより、接合工程において、セラミック接合体の薄くせざるを得ない位置にある溝底部の変形を抑制し、接合界面における未接合部の発生を抑制できる。
本発明によれば、接合工程において、セラミック接合体の薄くせざるを得ない位置にある溝底部の変形を抑制し、接合界面における未接合の隙間の発生を抑制できる。
本発明のセラミック接合体を示す平断面図である。 本発明のセラミック接合体を示す正断面図である。 (a)~(d)それぞれ加工された炭化珪素焼結体を示す正断面図である。 (a)~(c)それぞれ中空流路の一形態を示す概略図である。 中空構造の仕様とセラミック接合体の評価を示す表である。 従来のセラミック接合体を示す正断面図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[セラミック接合体の構成]
(全体構成)
図1および図2は、それぞれセラミック接合体100を示す平断面図および正断面図である。図1および図2は、それぞれに示す断面c1およびc2上の断面図を示している。セラミック接合体100は、円板状に形成され、例えば、半導体ウェハを載置する部品として半導体製造装置に用いられる。セラミック接合体100のバルク105を形成するセラミック材料には、炭化珪素、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム等が用いられる。
セラミック接合体100は、厚み方向に平行な特定の断面上に、互いに厚み方向の投影が重複しない3つ以上の孔を形成する中空流路110、120、130を備えている。中空流路の形状は、表面に平行な辺が長い長方形であることが好ましいが、単純な長方形に限られず、長手方向端部が円弧状のものや、楕円形であってもよい。その場合には、溝幅として最大幅を用いることができる。
中空流路110(第1の中空流路)は、厚み方向の3つ以上の孔のうち、両主面に最も近接する孔を除く孔を形成しており、流入口111から流出口112まで流体を流す経路を構成している。この孔は、両主面に最も近接する孔を除くいずれかであればよい。中空流路120(第2の中空流路)および中空流路130(第3の中空流路)は、中央の孔の両側に隣接する2つの孔を形成している。
なお、中空流路110に形成されている流入口111および流出口112は、セラミック接合体100の両主面に形成される開口部に接続される場合や、中空流路120および中空流路130のいずれかに接続される場合がある。
そして、中空流路120から中空流路110までの厚み方向の距離T1と、中空流路130から中空流路110までの厚み方向の距離T2は、図中の例ではいずれも0より大きい。この距離T1、T2のいずれも0である場合には、中空流路110を構成するセラミック焼結体に溝底部が存在しないため、接合工程における溝底部の変形を原因とする未接合部の問題が生じ得ない。距離T1、T2のうちの少なくとも一方が0よりも大きい場合に未接合部が問題になる。
このような中空構造を有するセラミック接合体100では、中空流路110の高さと同一の高さで流路方向に沿って隔壁115が形成されている。この隔壁115により中空流路110の支持面が増加することで、接合工程において、セラミック接合体100の薄くせざるを得ない位置にある溝底部の変形を抑制し、接合界面における未接合部の発生を抑制できる。
中空流路110に隣接する中空流路120、130までの距離T1およびT2は、これらと中空流路110の溝幅Wとが、それぞれ6≦W/T1かつ6≦W/T2を満たすことが好ましい。このような関係を満たす場合には、隔壁115が無ければ溝底部に変形が生じやすくなる。したがって、溝底部の変形抑制効果に着目すれば、隔壁115を設けることのメリットが大きい。なお、W/T1またはW/T2が6未満のときに隔壁を形成した場合でも、変形抑制効果はあるが、中空流路110を通る流体の流れを妨げるおそれがあり、本来の流路としての機能を損ねてしまいかねない。
また、溝底部の厚みに対して特に溝幅Wが大きい場合は、複数本の隔壁を形成してもよい。なお、流路方向の位置に応じて溝幅Wが異なる場合は、W/T1またはW/T2が6以上の部分に隔壁を形成することで、十分に効果が得られる。
なお、距離T1、T2は、セラミック接合体100の断面写真から確認できる。例えば、セラミック接合体100を表面に垂直な断面で切断し、光学顕微鏡を用いて断面を撮影し、隔壁115を有する中空流路110の底面と、厚み方向に隣り合う中空流路120、130の底面に平行な平面との間の距離T1、T2を測定すればよい。
(隔壁の構造)
中空流路110に設けられた隔壁115は、接合時の変形抑制の観点から中空流路110の中央に位置し、流路方向に沿って連続的に設けられることが好ましい。ただし、隔壁115は、流路全体にわたって連続的に設けられるより、流路方向において1ヶ所以上で分断されることが好ましい。このような隔壁115の分断により、中空流路110を通る気体または液体等の流体の流れを妨げない。隔壁115は、所定範囲の間隔で分断されることで接合時の変形防止と流路の機能とのバランスをとることができる。分断部117は、流れを妨げない程度の長さであればよく、例えば、隔壁115の幅~中空流路110の幅程度であればよい。
隔壁115の流路方向の端部115aは、端に向かって幅が減少する先細りの形状を有することが好ましい。これにより、端部115aの構造により中空流路110を通る流体の抵抗を小さくできる。なお、端部115aの形状には、端に向かって幅が単調減少するようなR面形状や角錐形状が含まれる。
また、例えば中空流路110の溝のパターンが渦巻き状である場合、円周方向の同じ位置に隔壁115が分断された部分が来ないように設計することが好ましい。これにより、接合時の圧力が均等にかかりやすくなり、未接合部分を形成し難くすることができる。
隔壁115の幅W2(mm)は、流路方向に垂直ないずれの断面においても、中空流路110の溝幅W(mm)に対してW2≦0.6Wかつ(W-W2)/2≦6の関係を満たすことが好ましい。これにより、中空流路110を通る流体の流れを十分に確保しつつ、溝幅に対し十分な幅の隔壁で溝底部の変形を抑制できる。
なお、流路方向の位置に応じて溝幅Wが異なる場合は、その溝幅Wに合わせて隔壁の幅W2を調整することが好ましい。しかし、そのような構成が難しく、隔壁の幅W2を一定にする場合は、最も狭い溝幅Wを基準に隔壁の幅W2を決めるのが好ましい。
[セラミック接合体の製造方法]
セラミック接合体の製造方法を説明する。まず、セラミック接合体の設計に応じて、接合対象となる3つ以上のセラミック焼結体を準備する。以下にセラミック焼結体の一例として、炭化珪素焼結体を用いた製造方法を説明する。図3(a)~(d)は、それぞれ加工された炭化珪素焼結体210~240を示す正断面図である。
炭化珪素焼結体210~240は、例えば以下の方法により作製される。まず、平均粒子径1μm以下の炭化珪素粉末を準備し、PVA等のバインダーを添加し、混合する。得られた混合物をスプレードライヤー等で顆粒化した後、CIP成形により炭化珪素成形体を得る。その際、焼結助剤としてB4CやCが含まれていてもよい。
得られた炭化珪素成形体を切削加工し、中空流路となる溝および接合後に隔壁となる凸部を形成する。その後、アルゴン雰囲気で2000℃以上2200℃以下の範囲で焼成し、炭化珪素焼結体を得る。その時の相対密度は99.0%以上であることが好ましい。このとき、接合時に両端部に位置しない炭化珪素焼結体220、230の主面に中空流路となる溝225、235を形成する。なお、図3(b)、(c)に示す例では、炭化珪素焼結体220、230の両方に溝225、235が設けられているが少なくとも一方に設けられればよい。
その際には、溝225、235に、溝225、235と平行に溝225、235の深さと同様の高さで凸部227、237を形成する。このようにして得られた炭化珪素焼結体210~240の接合面となる面のそれぞれについて、表面粗さRaが0.05μm以下となるように研磨加工する。表面粗さRaを0.05μm以下にすることで、接合界面における気孔の残存を抑制し、気密性が得られる。
そして、加工された炭化珪素焼結体の接合面を当接させた状態で、接合面に対し垂直な方向に1.0MPa以上3.5MPa以下の圧力を加える。圧力を加えた状態で1500℃以上2100℃以下の温度で1時間以上9時間以下加熱し、接合を行う。接合は、ホットプレス装置を用い、窒素(N)、アルゴン(Ar)等の雰囲気、または真空雰囲気下で行うことが好ましい。このようにして、中空流路の隔壁が形成され、接合工程において、セラミック接合体の薄くせざるを得ない位置にある溝底部の変形を抑制し、接合界面における未接合部の発生を抑制できる。
なお、上記の接合工程では、中空流路となる溝が形成された3以上の板状のセラミック焼結体を1度の接合工程により接合することが好ましい。例えば、4枚のセラミック焼結体のうち2枚のセラミック焼結体をそれぞれ接合した後、その接合体同士をさらに接合する場合のように複数回に分割して接合した場合には、異なる加圧の履歴や熱履歴が残り、接合強度のバラツキや変形のおそれが生じる。
[中空流路の構成例]
中空流路の全溝幅Wおよび隔壁幅W2は、W2≦0.6Wかつ(W-W2)/2≦6(隔壁幅は、全溝幅の6割以下、各溝幅は、6mm以下)の条件を満たすことが好ましい。そのために設計を工夫することが可能である。なお、WおよびW2はいずれもmm単位である。このような条件について具体例を挙げて説明する。図4(a)~(c)は、それぞれ中空流路110の一形態を示す概略図である。
図4(a)に示す例では、隔壁幅W2は、全溝幅Wの6割であり、かつ片方の溝幅W1は6mmであることから、上記の条件を満たしている。図4(b)に示す例では、隔壁幅W2は、全溝幅Wの55%であるが、片方の溝幅W1は6.8mmであることから、上記の条件を満たさず変形のおそれが高まる。図4(c)に示す例では、図4(b)に示す例と隔壁幅W2の全溝幅Wに対する割合は同じであるが、各溝幅が4.5mmとなり、6mm以下に収まることから変形のおそれを低減できる。
[実施例]
平均粒径0.6μmの炭化珪素粒子に対し、焼結助剤としてBCを0.25質量%、炭素を3.0質量%添加し、バインダーとしてポリビニルアルコールを2質量%添加して原料粉末を得た。この原料粉末をボールミルに投入し、さらにイオン交換水を添加して、撹拌混合し、スラリーを得た。得られたスラリーをスプレードライ法で造粒し顆粒を得た。
顆粒の原料を型に投入し、静水圧プレス成型により成形してφ300mmの炭化珪素成形体を4枚形成し、所定の面について切削加工により溝部、隔壁となる凸部を形成した。このようにして得られた成形体を、アルゴン雰囲気中で、2200℃で焼成することにより、炭化珪素焼結体を得た。
次に、各炭化珪素焼結体の接合面となる面についてラッピング加工により表面粗さRaが0.05μmとなるように研磨加工をした。次に、接合面を当接させた状態で、接合面に対し垂直な方向に2.5MPaの圧力を加えるとともに、2000℃で6時間以上保持することによりホットプレス焼結を行った。ホットプレス焼結はアルゴン雰囲気で行った。これにより炭化珪素中空構造部材としてセラミック接合体を得た。
作製されたセラミック接合体の中空流路の仕様は図5に示す通りである。例えば実施例1では、溝幅Wが14mm、溝底部厚みTが1mm(W/T=14)、隔壁の幅W2が2.1mm(W2=0.15W・(W-W2)/2=6)の中空流路を形成した。
セラミック接合体は、下記の方法で接合界面(図3における炭化珪素焼結体220、230の接合面に相当)を評価した。
(1)超音波観察
セラミック接合体の接合状態を超音波観察して評価した。具体的には、超音波探傷装置(インサイト社製 IS-350)を用いて、接合界面の状態を観察し、中空流路においてリークに直結するような未接合部分が無い場合を合格とした。
(2)耐水圧試験
中空流路へ水(市水)を0.5MPaで注入し、直後、及び10min経過後の2つの時点での圧力値の変動を観察し、圧力値に変動が無い場合を合格とした。
図5は、中空構造の仕様とセラミック接合体の評価を示す表である。図中の〇および◎は合格、×は不合格を示している。また、◎は、目視では接合部分を区別できないほどに滑らかに接合されている状態を示し、〇は接合部分に沿ってわずかに気泡が観察されたものの接合自体はなされている状態を示している。
(実施例)
実施例1~3として作製されたセラミック接合体は、未接合部分は観察されず、耐水圧試験においても圧力値に変動は無かった。なお、中空流路に一定量の水を注入したところ、実施例1に対し、実施例3では、水が流れ切るまでに若干の時間を要した。
(比較例)
隔壁W2の仕様を図5に示す通りに変更した点を除き、実施例1と同様の条件で炭化珪素からなるセラミック接合体を作製した。隔壁の無い比較例1では、溝底部において変形が生じたため、接合界面に未接合部分が発生し、耐水圧試験では水漏れが発生した。隔壁を形成した比較例2では、W/Tが十分に小さいため接合工程における変形は比較例1より抑制されたが、隔壁の幅が狭すぎたため、接合界面に生じたわずかな気泡が原因で耐水圧試験では水漏れが発生した。隔壁を形成した比較例3では、未接合部分は観察されず、耐水圧試験においても圧力値に変動は無かったが、隔壁の幅が厚すぎたため、水が流れ切るまでに数倍の時間を要し、実質的な流路が十分に取れなかった。
100 セラミック接合体
105 バルク
110、120、130 中空流路
111 流入口
112 流出口
115 隔壁
115a 隔壁の端部
117 隔壁の分断部
210~240 炭化珪素焼結体
225、235 溝
227、237 凸部
T1、T2 隣接する中空流路の距離
W 全溝幅
W1 各溝幅
W2 隔壁幅

Claims (5)

  1. 板状のセラミック接合体であって、
    厚み方向に平行な特定の断面上に、互いに厚み方向の投影が重複しない3つ以上の孔を形成する中空流路を備え、
    前記3つ以上の孔のうち、両主面に最も近接する孔を除く孔の少なくともいずれかを形成する第1の中空流路には、前記第1の中空流路の高さと同一の高さで流路方向に沿って隔壁が形成されており、
    前記3つ以上の孔のうち、厚み方向において前記第1の中空流路の両側に隣接する2つの孔を第2の中空流路および第3の中空流路としたとき、前記第2の中空流路から前記第1の中空流路までの厚み方向の距離T1と、前記第3の中空流路から前記第1の中空流路までの厚み方向の距離T2との少なくとも一方が0よりも大きいことを特徴とし、
    前記中空流路は渦巻き状であり、
    前記流路方向に垂直ないずれの断面においても、前記第1の中空流路の溝幅W(mm)に対して前記隔壁の幅W2(mm)が、W2≦0.6Wかつ(W-W2)/2≦6の関係を満たすことを特徴とするセラミック接合体。
  2. 0よりも大きいT1およびT2と、前記第1の中空流路の溝幅Wとが、それぞれ6≦W/T1かつ6≦W/T2を満たすことを特徴とする請求項1記載のセラミック接合体。
  3. 前記隔壁は、前記流路方向において1ヶ所以上で分断されることを特徴とする請求項1または請求項記載のセラミック接合体。
  4. 前記隔壁の端部は、端に向かって幅が減少する形状を有することを特徴とする請求項記載のセラミック接合体。
  5. 板状のセラミック焼結体の接合による請求項1記載のセラミック接合体の製造方法であって、
    3つ以上のセラミック焼結体の少なくとも一方の主面に中空流路となる溝を形成し、前記セラミック焼結体のうち接合時に両端部に位置しないものに形成された前記溝のいずれかに、前記溝と平行な凸部を形成する工程と、
    表面粗さRa0.05μm以下に前記セラミック焼結体の接合面のそれぞれを研磨加工する工程と、
    前記セラミック焼結体の接合面同士を当接させて1.0MPa以上3.5MPa以下の圧力を加えるとともに、1時間以上9時間以下の間1500℃以上2100℃以下に加熱して接合する工程と、を含むことを特徴とするセラミック接合体の製造方法。
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