JP6934342B2 - 炭化珪素部材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、主に半導体製造装置に用いられる炭化珪素部材を製造する製造方法に関する。
炭化珪素製品は耐熱性、耐食性に優れており、半導体製造装置用の部材に多く用いられている。半導体製造装置用部材として、炭化珪素部材は、高比剛性、高熱伝導率の点からも、主に露光工程での半導体基板(基板又はウェハともいう)を保持するウェハステージ(単に、ステージともいう)や、真空チャック及びその温度調節用ステージ等に使用されている。
例えば、炭化珪素焼結体は炭化珪素の粉末原料に焼結助剤成分として炭素や炭化硼素等の炭素含有成分を添加し2000℃程度で焼結して製作されている。(非特許文献1)
炭化珪素焼結体を半導体製造用部材として使用する場合に問題となる基板へのパーティクル付着に対しては半導体基板へのパーティクル汚染を減少させるため、珪素蒸気と炭素を反応させて炭化珪素を作製し、その中の遊離炭素を除去する手段として、750〜1200℃で熱処理を行うことが開示されている。(特許文献1)
また、炭化珪素焼結体の表面のパーティクルや、微小凹凸を高い除去率で取り除くことができる方法として、酸素含有雰囲気で800〜1200℃の温度範囲で加熱して酸化被膜を形成する工程と、酸洗浄する工程とを含む方法が開示されている(特許文献2)。
特開2012−134535号公報 特開2011−51812号公報
日本金属学会誌 第71巻 第10号(2007)901−907、大庭ら、
炭化珪素製ステージを作製するには、部材として炭化珪素セラミックス焼結体が適当である。しかしながら、炭化珪素焼結体の形成には焼結助剤成分として炭化硼素等の炭素含有物質が使用され、焼成体には炭素成分が組織内に残留する。さらに原料中に不可避に存在する金属成分からなる金属炭化物も炭化珪素焼結体に残留する。
この炭素成分は、炭化珪素製ステージの外面(外部から見える表面)に対しては、従前の熱処理等の方法により除去することが可能であるが、炭化珪素製ステージの中空流路の内面(外部から見えない表面)にある炭素成分はその除去が非常に困難であった。
その結果、基板をステージに吸着するためステージの外面に連通する中空流路を介して真空排気する際又は基板をステージから取り外すため中空流路を介して正圧を負荷する際に、中空流路の内面に残留する炭素成分が基板に付着してしまうことが問題になっていた。
本発明は、以上の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、炭化珪素部材内部の中空流路の内面にある炭素成分を除去できる半導体製造装置のための炭化珪素部材を製造する製造方法を提供することを目的とする。
本発明の炭化珪素部材の製造方法は、半導体製造装置のための基板保持部材を構成する部材である炭化珪素部材を製造する製造方法であって、
炭化珪素焼結体によって内部に中空流路が画定された炭化珪素部材を準備する工程と、
前記中空流路に研磨剤を含んだ研磨液を流通させ前記中空流路の内面を加工する工程と、を含むことを特徴とする。
かかる本発明によれば、炭化珪素部材内部の中空流路に研磨剤を含んだ研磨液を流通させ中空流路の内面を加工するので、炭化珪素部材内部の中空流路の内面にある炭素成分等を除去することができる。
更なる本発明の炭化珪素部材の製造方法は、半導体製造装置のための基板保持部材を構成する部材である炭化珪素部材を製造する製造方法であって、
炭化珪素焼結体によって内部に中空流路が画定された前記炭化珪素部材を準備する工程と、
前記中空流路に乾燥空気供給装置を密着させて酸素含有ガスを流しつつ前記炭化珪素部材に対して熱処理を施す工程と、を含むことを特徴とする。
更なる本発明によれば、炭化珪素部材内部の中空流路に酸素含有ガスを流しつつ炭化珪素部材に対して熱処理を施すので、中空流路の内面にある炭素成分等を除去することができる。
本発明の実施例の炭化珪素部材の製造方法にて得られた真空チャックの平面図である。 本発明の実施例の炭化珪素部材の製造方法にて得られた真空チャックの内部構造のイメージを示す概略断面図である。 本発明の実施例の炭化珪素部材の製造方法にて得られた真空チャックを構成する第1、第2及び第3の炭化珪素基材のイメージを示す概略断面図である。 本発明の実施例の炭化珪素部材の製造方法おいて接合された炭化珪素部材を酸素含有雰囲気で熱処理する工程を説明する熱処理炉内に配置された炭化珪素部材のイメージを示す概略断面図である。 本発明の実施例の炭化珪素部材の製造方法において炭化珪素部材内部に砥粒含有液が供給される炭化珪素部材のイメージを示す概略断面図である。 本発明の実施例の炭化珪素部材の製造方法において、乾燥空気供給装置により酸素含有ガスを炭化珪素部材内部に流しつつ、炭化珪素部材を酸素含有雰囲気で熱処理する工程を説明する熱処理炉内に配置された炭化珪素部材のイメージを示す概略断面図である。 本発明の実施例の炭化珪素部材の製造方法における実施例の炭化珪素部材の中空流路の表面組織を撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明の比較例の炭化珪素部材の中空流路の表面組織を撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、図面を参照しつつ本発明による実施例の炭化珪素部材の製造方法について詳細に説明する。なお、実施例として、炭化珪素部材(基板保持部材)の一例として炭化珪素焼結体からなる真空チャックを製造する方法を説明するが、本発明は真空チャック製造方法に限定されるものではなく、プラズマプロセス用のシャワーヘッド等の半導体製造装置用部材にも適用可能である。なお、実施例において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(炭化珪素部材)
図1は、本実施例の炭化珪素部材の製造方法にて得られた真空チャック10を、ウェハを吸着保持する吸着面(載置面)である外面Ob側から眺めた平面図である。図2は、真空チャック10の内部構造のイメージを示す概略断面図である。図3(a)、(b)及び(c)は、真空チャック10を構成する第1、第2及び第3の基材11a、11b及び11cのイメージを示す概略断面図である。
図1に示すように、真空チャック10は、減圧による吸引力によって、図示しない半導体ウェハを吸着して保持する円盤状の吸着プレートである。この真空チャック10は、円盤状炭化珪素焼結体の炭化珪素部材11を含む。炭化珪素部材11は、吸着面に開口部を有する垂直貫通孔12であって、炭化珪素部材11の外面Ob側から後述の第1の基材11aを板厚方向に貫く複数の垂直貫通孔12(減圧のための吸着孔)を備えている。垂直貫通孔12の数は特に限定されないが、例えば、合計17個の垂直貫通孔12が配置される。垂直貫通孔12の配列は特に限定されないが、例えば、炭化珪素部材11の吸着面の中心に1つの垂直貫通孔12が配置され、この垂直貫通孔12を中心とする半径の異なる2つの同心円上に等間隔で垂直貫通孔12が8つずつ配置される。これら垂直貫通孔12は炭化珪素部材11の吸着面の中心に配置された垂直貫通孔12から放射状に延びる連結通気路13によって連結される。なお、炭化珪素部材11の外面Ob側には、ウェハを支える多数の突起(図示せず)が設けられる。
図2に示すように、真空チャック10の炭化珪素部材11は、円板状の炭化珪素焼結体である第1、第2及び第3の基材11a、11b及び11cを重ねて接合することにより形成されている。連結通気路13は、第1及び第2の基材11a、11bの間に配置され、円板状の第2の基材11bの中心に形成された垂直排気孔14に連通している。第2の基材11bに形成された垂直排気孔14は円板状の第3の基材11cの中心に形成された垂直排気孔14に連通している。垂直排気孔14の外部開口は排気設備(図示せず)に気密に接続される。
炭化珪素部材11内部には、第2及び第3の基材11b、11cの間に配置され且つ円板状両基材11b、11cの中心と同じ位置に中心を有する環状に形成された冷媒流路15を備えている。冷媒流路15は、第3の基材11cに形成された流入供給孔16及び流出供給孔17に連通している。流入供給孔16及び流出供給孔17の各外部開口は冷媒循環設備(図示せず)に気密に接続される。
(実施例1の炭化珪素部材の製造方法)
炭化珪素部材は、以下の(1)〜(7)工程からなる製造方法により製造される。
(1)炭化珪素成形体を形成する焼成前成形工程:
炭化珪素原料粉末に炭化硼素粉末及びタール等の炭素成分を添加して均一に混合して、混合物を所定の型に充填して成形し、離型する((1−1)焼成前成形)。得られた各炭化珪素成形体に、後に製品の中空流路を形成することになる領域を加工する((1−2)焼成前加工)。図3(a)に示すように、第1の基材11aが、板厚方向に貫通する複数の垂直貫通孔12と、吸着面となる表面の反対の裏面に第1の基材11aの中心から放射状に延びて複数の垂直貫通孔12を互いに連結するための連結溝13aとを有するように炭化珪素成形体に貫通孔及び溝を形成する。図3bに示すように、第2の基材11bが、中心に基材11aの連結溝13aと連結する垂直排気孔14と、片面側(連結溝13aと向かい合う面の反対の裏面)に冷媒流路用の環状溝15aとを有するように炭化珪素成形体に貫通孔及び溝を形成する。図3cに示すように、第3の基材11cが、中心に第2の基材11bの垂直排気孔14と連結する垂直排気孔14と、冷媒流路と連結させるための流入供給孔16及び流出供給孔17とを有するように貫通孔を形成する。
(2)成形体を焼成する焼成工程:
例えば、500℃で脱脂後、1900〜2100℃のAr等の不活性ガス雰囲気で各炭化珪素成形体を焼成して、焼結体の炭化珪素基材を得る。
(3)炭化珪素基材の外面を調整する接合前加工工程:
各炭化珪素基材に、接合後中空流路となる中空流路用の溝及び貫通孔の表面の表層を削る研削を施し、所定の中空流路用の溝及び貫通孔の形状を調整、画定する。このようにして真空チャックの中空流路(垂直貫通孔12、連結通気路13、垂直排気孔14)用の凹部又は貫通孔を形成する。なお、中空流路用の溝(凹部)及び貫通孔以外で中空流路を画定する炭化珪素基材の表面の表層を削る研削を施しても良い。
(4)炭化珪素基材の接合工程:
図3(a)、(b)及び(c)の第1、第2及び第3の基材11a、11b及び11cの炭化珪素基材を接合し、内部の中空流路等を画定し、図2の炭化珪素部材11を形成する。炭化珪素基材の接合は、例えば、拡散接合、固相接合等の直接接合法や、有機、無機又は金属の材料(又はこれらの混合物)を中間材として、接着、ロウ付け、焼成又は圧着する中間材接合法等を用いることができる。
(5)接合された炭化珪素部材を酸素含有雰囲気で熱処理する工程:
図4に示すように炭化珪素部材11を熱処理炉20内に配置して所定の酸素含有雰囲気下で熱処理を行う。熱処理工程後、炭化珪素部材11を冷却して炉から取り出す。
(6)炭化珪素部材表面加工工程:
熱処理工程後、炭化珪素部材11について、所定の形状にその表面を加工する。
(7)中空流路内湿式加工:
図5に示すように炭化珪素部材11の中空流路(垂直貫通孔12、連結通気路13、垂直排気孔14)に、研磨剤を含んだ砥粒含有液(研磨液)を研磨液供給管21によって供給、流通させ、中空流路内面を研磨加工して、真空チャックが完成する。
以上の工程うち(3)の工程は必須ではないが、工程(3)を含む方がより好ましい。
(実施例2の炭化珪素部材の製造方法)
実施例2の炭化珪素部材の製造方法は、上記実施例1の炭化珪素部材の製造方法の(1)〜(7)工程のうち(5)の酸素含有雰囲気熱処理工程に代えて、図6に示すように炭化珪素部材の熱処理Bとして熱処理炉20内に配置された炭化珪素部材11の中空流路(垂直貫通孔12、連結通気路13、垂直排気孔14)に、乾燥空気供給装置22により酸素含有ガス(図示せず)を流しつつ、炭化珪素部材11を酸素含有雰囲気で熱処理する工程に置き換えた以外、実施例1の炭化珪素部材の製造方法と同一である。
(実施例3の炭化珪素部材の製造方法)
実施例3の炭化珪素部材の製造方法は、上記実施例2の炭化珪素部材の製造方法の(1)(2)(3)(4)(炭化珪素部材の熱処理B)(6)及び(7)工程のうち(7)の中空流路内湿式加工工程行わない以外、実施例2の炭化珪素部材の製造方法((1)(2)(3)(4)(炭化珪素部材の熱処理B)及び(6))と同一である。
実施例1として、以下(1−1)〜(7)の条件で実施例1の炭化珪素部材の製造方法を実行して、炭化珪素部材を作製した。
(1−1)焼成前成形工程:
炭素源としてタール添加しつつ、α−炭化珪素粉末100wt%と炭化硼素粉末0.2wt%とを混合して、混合物を所定の型(図3に示すような基材に対応する型)に充填して成形し、離型した。
(1−2)焼成前加工工程:
得られた各炭化珪素成形体に、後に製品の中空流路を形成することになる領域を加工し、貫通孔及び溝を形成した。
(2)焼成工程:
加工した各炭化珪素成形体を、500℃で脱脂後、真空雰囲気で1800℃まで昇温、その後1900℃〜2100℃、Ar雰囲気で焼結し、焼結体の炭化珪素基材を得た。
(3)炭化珪素基材の接合前加工工程:
以下の寸法となるよう基材の中空流路となる貫通孔及び溝の表層をそれぞれ加工した。
(図3(a)に示す基材11aに対応する基材)
・焼成後加工寸法:φ302mm、厚み10mm
・垂直貫通孔:φ2mm、17か所(中心(半径r=0)に1ケ、半径r=65mmの位置に放射状に8等配、半径r=130mmの位置に放射状に8等配)
・垂直貫通孔を連結する連結溝:幅2mm、17か所の垂直貫通孔を中心から放射状に連結。
(図3(b)に示す基材11bに対応する基材)
・焼成後加工寸法:φ302mm、厚み10mm
・中心に上記連結溝と連結する垂直排気孔:φ4mm
・片面に冷媒流路用の溝:幅5mm
(図3(c)に示す基材11cに対応する基材)
・焼成後加工寸法:φ302mm、厚み10mm
・中心に上記垂直排気孔と連結する垂直排気孔:φ4mm
・冷媒流路の流入供給孔及び流出供給孔:φ5mm
(4)炭化珪素基材の接合工程:
各炭化珪素基材の接合面を表面粗さRaが0.1μm以下となるまで研磨して接合面の粗さ平坦度を調節した。そして、各炭化珪素基材を不活性雰囲気下、接合温度2000℃以上の例えば2000℃で図2に示されるように拡散接合した。なお、本実施例は拡散接合による接合方法を採用したが、本発明はこれに限定されない。
(5)酸素含有雰囲気熱処理工程:
炭化珪素基材を接合した後の炭化珪素部材を酸素含有雰囲気で1100℃、2時間、熱処理を施した。
(6)炭化珪素部材表面加工工程:
接合した炭化珪素部材を所定の形状に加工し真空チャック(接合後の形状:φ300mm、厚み28mm)が完成した。また、ブラスト加工またはレーザ加工により載置面に、φ0.2mmの突起を複数形成した。突起高さは100μmで、突起の間隔は2.5mmの正三角形配置とした。突起表面は研磨加工によりRa0.1μm以下とした。
(7)中空流路内湿式加工:
ダイヤモンド砥粒(10μm)を水で懸濁し、この砥粒含有液を研磨液供給管を介して炭化珪素部材の中空流路の流入供給孔から流出供給孔に向けて1時間通水した。その後、炭化珪素部材の同孔を介して、洗浄のため超純水で同様に中空流路を通水したのち、炭化珪素部材を110℃のオーブンにて乾燥した。
実施例1における上記(5)酸素含有雰囲気熱処理工程に代えて以下の炭化珪素部材の熱処理B工程に置き換えた以外同じ製造方法(上記(1)(2)(3)(4)(炭化珪素部材の熱処理B)(6)及び(7)工程)により製造した。
(炭化珪素部材の熱処理B)
接合により形成された炭化珪素部材の中空流路に、乾燥空気を100sccm流しつつ、炭化珪素部材に対し酸素含有雰囲気で1100℃、2時間熱処理を行った。乾燥空気は炉内へはアルミナ製チューブで配管し、炭化珪素部材に設けられた中空流路と接続している流入供給孔の直下に密着させて配置した。
実施例3の炭化珪素部材の製造方法では、上記実施例2の炭化珪素部材の製造方法の(1)(2)(3)(4)(炭化珪素部材の熱処理B)及び(6)工程を実行して、炭化珪素部材を作製した。
(比較例1)
更に、比較例1の真空チャックとして、上記実施例1における上記(7)中空流路内湿式加工を実行しない以外、実施例1と同一の製造方法を実行して、炭化珪素部材を作製した。
[試験・評価方法]
(1)実施例1〜3及び比較例1の炭化珪素部材について、中空流路表面の組織観察を行った。
・炭化珪素部材の中空流路表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により組織観察を行った。同時にエネルギー分散型X線(EDX)分析より元素の量(重量%)を測定した。
(2)実施例1〜3及び比較例1の炭化珪素部材について、真空チャックの真空吸着動作によって吸着基板であるシリコンウェハへのパーティクル付着程度の試験を以下の条件で行った。
(2−1)基板の真空吸着と離脱方法
・12インチシリコンウェハを真空吸着した。真空吸着には排気設備により大気圧との差圧が60KPa以上発生するようにした。真空吸着後、Nガス(0.12MPa)に真空吸着のための中空流路に加圧して基板をステージから離脱させた。
(2−2)基板のパーティクルカウント測定
・基板に付着した大きさ0.4μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンタ(WA10、トプコン製)にて計測した。
(結果)
実施例1〜3と比較例1の炭素定量分析とパーティクルのカウント数は表1に示す。また、実施例1の炭化珪素部材の中空流路表面を組織観察したSEM写真を図7に示す。比較例1の炭化珪素部材の中空流路表面を組織観察したSEM写真を図8に示す。
Figure 0006934342
(評価)
図7及び図8から明らかなように、実施例1と比較例1のSEM写真を比べると、図7の実施例1にはないが、図8の比較例1には黒色の粒子の硼素成分と炭素成分が確認され、炭化硼素粒子が現れている。このことから、炭化珪素基材を接合した後の炭化珪素部材に熱処理を行っても中空流路の内面の黒色の粒子の硼素成分と炭素成分は除去されないが、中空流路内を砥粒含有液を用いて加工することにより、中空流路の内面から黒色を呈している硼素成分と炭素成分の粒子が効率的に除去されることが確認された。
表1から明らかなように、炭素成分の除去効果はEDX分析(定量分析)によっても確認することができた。
熱処理工程の温度条件800℃以上で炭素成分の除去効果が表れることが示された。また、当該酸化雰囲気熱処理は、他の実験で接合時の変形防止のため2000℃以下の温度範囲で行われることが好ましいことも確認された。
また、表1から明らかなように、実施例1〜3とも比較例1に比べ、大きさ0.4μm以上のパーティクルの個数が少なく、基板に対するパーティクル付着が減少しており、上記実施例の(炭化珪素部材の熱処理B工程)若しくは(7)中空流路内湿式加工工程又は両工程が有効であることが確かめられた。これにより、真空チャックの真空吸着時及び真空解除時に炭化珪素部材の中空流路に気体が流れることによってもシリコンウェハ等の吸着基板に対してパーティクルの付着を抑制することができる。
よって、本実施例により、接合された炭化珪素焼結体の内部に形成された狭小空間の内面を、中空流路に研磨液を流通させ機械加工すること、又は、研磨剤を含んだ研磨液を流通させることにより、狭小な中空流路内面に付着残存している炭素成分及び焼結体表面に偏析している炭素成分や硼素成分を除去加工して取り除くことができる。
10‥真空チャック、11‥炭化珪素部材、11a,11b,11c‥基材、12‥貫通孔、13‥連結通気路、14‥垂直排気孔、15‥冷媒流路、16‥流入供給孔、17‥流出供給孔、20‥熱処理炉、21‥研磨液供給管、22‥乾燥空気供給装置。

Claims (7)

  1. 半導体製造装置のための基板保持部材を構成する部材である炭化珪素部材を製造する製造方法であって、
    炭化珪素焼結体によって内部に中空流路が画定された炭化珪素部材を準備する工程と、
    前記中空流路に研磨剤を含んだ研磨液を流通させ前記中空流路の内面を加工する工程と、を含むことを特徴とする製造方法。
  2. 前記中空流路の内面を加工する工程の前に、前記中空流路に酸素含有ガスを流しつつ前記炭化珪素部材に対して熱処理を施す工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 内部に中空流路が画定された前記炭化珪素部材を準備する工程は、前記中空流路用の凹部又は貫通孔を有する少なくとも1つの炭化珪素焼結体を含む複数の炭化珪素焼結体を準備する工程と、前記複数の炭化珪素焼結体を互いに接合し、前記中空流路を画定する工程と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記基板保持部材は半導体基板が載置される載置面に複数の開口部を有、前記中空流路の内面を加工する工程において内面が加工される前記中空流路が前記開口部と連通することとなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 半導体製造装置のための基板保持部材を構成する部材である炭化珪素部材を製造する製造方法であって、
    炭化珪素焼結体によって内部に中空流路が画定された前記炭化珪素部材を準備する工程と、
    前記中空流路に乾燥空気供給装置を密着させて酸素含有ガスを流しつつ前記炭化珪素部材に対して熱処理を施す工程と、を含むことを特徴とする製造方法。
  6. 内部に中空流路が画定された前記炭化珪素部材を準備する工程は、前記中空流路用の凹部又は貫通孔を有する少なくとも1つの炭化珪素焼結体を含む複数の炭化珪素焼結体を準備する工程と、前記複数の炭化珪素焼結体を互いに接合し、前記中空流路を画定する工程と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記基板保持部材は半導体基板が載置される載置面に複数の開口部を有、前記中空流路を画定する工程において前記中空流路が前記開口部と連通することとなることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
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