以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
また、以下では、説明の便宜上、通常使用時の状態を想定して「上」、「下」、「前」、「後」、「横」等の方向を示す用語を用いるが、本発明に係る錠剤払い出し装置の使用状態等を限定することを意味するものではない。
[第1実施形態]
(全体構造)
図1は、第1実施形態に係る錠剤カセット1を斜め前方から見た斜視図である。また、図2は、第1実施形態に係る錠剤カセット1を斜め後方から見た斜視図である。
図1を参照すると、錠剤カセット1は、錠剤T(図16に示す)を分割して払い出すための装置である。本実施形態の錠剤カセット1は、例えば、図示しない錠剤分包装置などに取り付けて使用される。この錠剤分包装置としては、例えば、特開2010-5378号公報に記載の錠剤分包機を使用してもよい。本実施形態に係る錠剤カセット1は、本発明に係る錠剤払い出し装置の一例である。
本実施形態の錠剤カセット1は、多数の錠剤を収容するカセット本体10を備える。カセット本体10は、基部11と、基部11に固定されたケース12と、ケース12に回動可能に取り付けられた上蓋13とを備える。錠剤T(図16に示す)は、カセット本体10のケース12に収容されている。本実施形態に係るケース12は、本発明に係る収容部の一例である。
図2を参照すると、カセット本体10は、ケース12の内部に収容された錠剤T(図16に示す)を錠剤カセット1の外部へ払い出すための錠剤出口14を備える。具体的には、錠剤出口14は、ケース12に形成され、カセット本体10の外部に露出した開口である。
図3は、本実施形態に係る錠剤カセット1を斜め前方から見た分解斜視図である。
図3を参照すると、本実施形態の錠剤カセット1は、第1ロータ20と、第2ロータ30と、第1ロータ20と第2ロータ30とに駆動源(図示せず)からの駆動力を伝達するための伝達機構40とを備える。第1ロータ20および第2ロータ30は、伝達機構40から伝達された駆動力により、回転軸線Cを中心に回転可能である。この駆動源は、例えば、錠剤カセット1が取り付けられる錠剤分包装置に設けられている。
以下の説明において、回転軸線Cが延びる方向を単に軸方向という場合があり、軸方向を中心とする仮想円の径方向を単に径方向という場合があり、前記仮想円の周方向を単に周方向という場合がある。本実施形態の回転軸線Cは、上下方向に沿って延びている。このため、以下の説明において、軸方向の一方側を上側または上方という場合があり、軸方向の他方側を下側または下方という場合がある。
以下の説明において、回転軸線Cを中心とした回転において、上面視で時計回りの方向を正転方向という場合があり、上面視で反時計回りの方向を逆転方向という場合がある。また、以下の説明において、回転軸線Cを中心とした正転方向の回転を単に正転という場合があり、回転軸線Cを中心とした逆転方向の回転を単に逆転という場合がある。本実施形態の正転方向は、本発明に係る第1方向の一例であり、本実施形態の逆転方向は、本発明に係る第2方向の一例である。
図3に示すように、本実施形態のカセット本体10の基部11は、上面視で後方が開口した略U字状である。また、基部11の上側は、開口しており、基部11の上側の開口を覆うように、カセット本体10のケース12が基部11の上側に固定されている。
本実施形態のケース12は、錠剤T(図16に示す)が投入される投入部12aと、周方向において、第1ロータ20および第2ロータ30を径方向外側から覆うように構成された有底円筒状の筒部12bとを備える。ケース12は、収容した錠剤を外部から目視できるように、半透明である。投入部12aは、上方が開口している。投入部12aの上部の開口は、上蓋13によって、開閉可能である。本実施形態のカセット本体10のケース12は、基部11の上側の開口を覆うように基部11に固定されている。
本実施形態のカセット本体10は、第1ロータ20および第2ロータ30の径方向外側に配置された仕切ブロック15を備える。仕切ブロック15は、第1ロータ20および第2ロータ30の周方向の一部を径方向の外側から覆うように構成された平面視略円弧状の内側面を有する。仕切ブロック15は、ケース12の筒部12bとともに第1ロータ20を全周にわたって、径方向外側から覆っている。また、仕切ブロック15には、カセット本体10を図示しない錠剤分包装置などに取り付けたときに、錠剤分包装置と電気的に接続されて、錠剤カセット1の情報を読み取るためのコネクタが設けられている。前記コネクタは、RFIDチップ等の無線通信方式による読み取り方式を採用してもよい。
図4(a)は、筒部12bの断面斜視図である。図4(b)は、筒部12bの内周面の周方向に沿った模式的な展開図である。図4(b)において、左右方向が周方向に対応している。図4(b)において、左側から右側に向かう方向が正転方向であり、右側から左側に向かう方向が逆転方向である。
図4(a)を参照すると、本実施形態のケース12は、筒部12bの底部に配置された底板12cを有する。錠剤出口14は、筒部12bと底板12cとに跨がって形成されている。錠剤出口14は、底板12cの外周部分に形成された円弧状の切り欠き14aと、筒部12bに形成された略L字状の切り欠き14bとからなる。
図4(b)に示すように、切り欠き14bのうち正転方向の前方(つまり、下流側)の部分14b1の軸方向の寸法は、切り欠き14bのうち正転方向の後方(つまり、上流側)の部分14b2の軸方向の寸法よりも大きい。
部分14b1の軸方向の寸法は、後述する第2案内路33および第3案内路34内に位置する整数錠の軸方向の寸法よりも大きい。これにより、第2ロータ30が高速回転した場合に、第2案内路33および第3案内路34内の錠剤が遠心力によって径方向外側に向けて第2案内路33および第3案内路34内から飛び出したときであっても、錠剤が筒部12bに干渉せずに、錠剤出口14から払い出されるようになっている。
また、部分14b2は、周方向において後述するカッタ部材70と対応する位置に配置されている。部分14b2の軸方向の寸法は、前記整数錠の軸方向の寸法よりも小さく、かつ第2案内路33および第3案内路34内に位置する半錠の軸方向の寸法よりも大きい。
図4(a)に示すように、錠剤カセット1は、中間仕切部材50と、上側仕切部材60と、カッタ部材70とを備える。中間仕切部材50は、筒部12bに固定されている。上側仕切部材60と、カッタ部材70とは、仕切ブロック15(図3に示す)に固定されている。筒部12bには、上側仕切部材60およびカッタ部材70のそれぞれに対応する位置に切り欠きが設けられており、上側仕切部材60およびカッタ部材70は、これらの切り欠きを介して筒部12bの内部に突出している。中間仕切部材50と、上側仕切部材60と、カッタ部材70とは、軸方向の一方側(図4において上側)から他方側(図4において下側)に向かって、上側仕切部材60、中間仕切部材50、カッタ部材70の順に並んで配置されている。なお、上側仕切部材60と、カッタ部材70とは、筒部12bに固定されていてもよい。
図5は、筒部12bおよび中間仕切部材50の上面図である。図6は、筒部12bおよび上側仕切部材60の上面図である。図7は、筒部12bおよびカッタ部材70の上面図である。図5では、錠剤出口14が設けられている領域に2点鎖線でハッチングを付して示している。図6では、中間仕切部材50の後述する第1開口部51および第2開口部52が設けられている領域に2点鎖線でハッチングを付して示している。図7では、第1開口部51、第2開口部52、および錠剤出口14が設けられている領域に2点鎖線でハッチングを付して示している。
中間仕切部材50は、後述する第2案内路33および第3案内路34(図8に示す)が後述する第1案内路23(図8に示す)から錠剤を受け取ることを制限する。図4および図5を参照すると、中間仕切部材50は、円弧状の部材である。中間仕切部材50は、筒部12bの内周面から径方向内側に突出するように配置されている。中間仕切部材50には、第1開口部51と第2開口部52とが設けられている。第1開口部51と第2開口部52とは、回転軸線Cを中心として60度ずれて配置されている。詳細には、第1開口部51は、正転方向(図5において時計回りの方向)において、第2開口部52よりも回転軸線Cを中心として60度前方に配置されている。言い換えれば、第1開口部51は、正転方向において、第2開口部52よりも回転軸線Cを中心として60度下流側に配置されている。本実施形態の中間仕切部材50は、本発明に係る第2仕切部材の一例である。
第1開口部51は、錠剤Tが通過可能に形成されている。第1開口部51は、周方向において、錠剤出口14が設けられた範囲に配置されている。言い換えれば、第1開口部51は、軸方向の一方側から見て、つまり上面視で錠剤出口14と重なる位置に配置されている。第1開口部51は、中間仕切部材50に形成された切り欠きである。第1開口部51は、中間仕切部材50に形成された穴であってもよい。
第2開口部52は、錠剤Tが通過可能に形成されている。第2開口部52は、周方向において、錠剤出口14が設けられた範囲と異なる位置に配置されている。言い換えれば、第2開口部52は、軸方向の一方側から見て、つまり上面視で錠剤出口14と重ならない位置に配置されている。第2開口部52は、中間仕切部材50に形成された切り欠きである。第2開口部52は、中間仕切部材50に形成された穴であってもよい。
上側仕切部材60は、後述する第1案内路23(図8に示す)への錠剤の進入を制限する。図4および図6を参照すると、上側仕切部材60は、円弧状の部材である。上側仕切部材60は、図3に示す仕切ブロック15に取り付けられ、ブラシ状(図6では簡略化して示す)の形状を有している。上側仕切部材60は、筒部12bの内周面から径方向内側に突出するように配置されている。上側仕切部材60は、中間仕切部材50の第1開口部51および第2開口部52の軸方向の一方側(図4において上側)に配置されている。また、図4に示すように、上側仕切部材60は、カッタ部材70の軸方向の一方側に位置している。言い換えれば、上側仕切部材60の軸方向の他方側(図4において下側)には、中間仕切部材50の第1開口部51および第2開口部52、並びにカッタ部材70が位置している。上側仕切部材60は、周方向において、第1開口部51と第2開口部52との間にわたって延びている。言い換えれば、上側仕切部材60は、第1開口部51の上方から第2開口部52の上方に渡って逆転方向(図6において反時計回りの方向)に向けて延びている。本実施形態の上側仕切部材60は、本発明に係る第1仕切部材の一例である。
上側仕切部材60は、後述する第1案内路23(図8に示す)と第1開口部51とが位置合わせされているとき、および第1案内路23と第2開口部52とが位置合わせされているときに、第1開口部51または第2開口部52に位置合わせされた第1案内路23に錠剤が入らないように、配置されている。本実施形態の上側仕切部材60は、第1案内路23と第1開口部51とが位置合わせされているとき、および第1案内路23と第2開口部52とが周方向において位置合わせされているときに、第1案内路23を横切るように配置されている。言い換えれば、上側仕切部材60は、第1案内路23と第1開口部51とが位置合わせされているとき、および第1案内路23と第2開口部52とが周方向において位置合わせされているときに、第1開口部51および第2開口部のそれぞれに位置合わせされた第1案内路23を上下方向に2つに仕切るように配置されている。上側仕切部材60は、第1案内路23と第1開口部51とが位置合わせされているとき、および第1案内路23と第2開口部52とが周方向において位置合わせされているときに、第1開口部51および第2開口部のそれぞれに位置合わせされた第1案内路23を覆うように配置されてもよい。
図4および図7を参照すると、カッタ部材70は、錠剤を分割するための円弧状の部材である。カッタ部材70は、筒部12bの内周面から径方向内側に突出するように配置されている。カッタ部材70は、周方向において、中間仕切部材50の第1開口部51と第2開口部52との間で円弧の短い側に配置されている。言い換えれば、カッタ部材70は、正転方向において、第1開口部51の後方(つまり上流側)かつ第2開口部52の前方(つまり下流側)に配置されている。さらに言い換えれば、カッタ部材70は、正転方向において、第2開口部52から第1開口部51に向かう途中に配置されている。また、カッタ部材70の一部は、錠剤出口14が設けられた範囲に配置されている。本実施形態のカッタ部材70は、本発明に係る分割部の一例である。本実施形態においてカッタ部材70は、後述する第2案内路33および第3案内路34に径方向外側から突出していた所謂外刃であったが、本発明に係る分割部は、これに限定されず、例えば、特開2021-7628号公報に記載されている所謂内刃であってもよい。また、本発明に係る分割部は、外刃と内刃との両方から構成されてもよい。
図8は、第1ロータ20および第2ロータ30の斜視図である。図9は、第1ロータ20と第2ロータ30とを分離した状態の斜視図である。図10は、第1ロータ20の上面図である。図11は、第2ロータ30の上面図である。
図8および図9を参照すると、本実施形態の第1ロータ20は、略円筒状である。第1ロータ20は、ケース12の筒部12b内に配置される。これにより、第1ロータ20は、ケース12の筒部12bによって、径方向の外側から覆われている。また、第1ロータ20は、基部11内に収容された伝達機構40(図3に示す)と機械的に接続される。第1ロータ20は、駆動源(図示せず)からの回転駆動力が伝達機構40を介して伝達されることで、回転軸線Cを中心にして回転する。第1ロータ20は、正転方向および逆転方向の両方に回転可能である。
第1ロータ20は、円筒状の本体部21と、本体部21の軸方向の一方側(図8において上側)に取り付けられた略円錐状のキャップ22とを備える。
図10を併せて参照すると、本実施形態の第1ロータ20は、本体部21の外側面に形成され、軸方向に延びた6つの第1案内路23を備える。本実施形態の第1案内路23は、本体部21の外側面から径方向内側に窪んだ溝状である。本実施形態の6つの第1案内路23は、周方向に等間隔に配置されている。言い換えれば、本実施形態の6つの第1案内路23は、回転軸線Cを中心にして60度間隔で設けられている。また、第1案内路23は、錠剤を1つだけ保持可能な幅(周方向の寸法)を有している。第1案内路23は、錠剤T(図16に示す)が軸方向に並んで収容される。本実施形態の第1案内路23は、本発明に係る第1案内部の一例である。
図8に示すように、本実施形態の第1ロータ20は、本体部21の外側面に形成され、周方向に延びた上側周溝24を備える。具体的には、上側周溝24は、本体部21の外側面に全周にわたって形成されている。上側周溝24は、第1案内路23を横切るように形成されている。上側周溝24の軸方向の寸法は、上側仕切部材60の厚み寸法よりも大きい。上側仕切部材60の厚み寸法よりも大きい軸方向の寸法を有する上側周溝24内に上側仕切部材60が配置されているので、上側仕切部材60が第1ロータ20に接触しない。上側周溝24は、第1案内路23のうち上側周溝24よりも軸方向の他方側(図8において下側)に位置する部分が、錠剤を1つだけ保持可能な高さ(軸方向の寸法)を有するように形成されている。
図8および図9に示すように、第2ロータ30は、略円筒状である。第2ロータ30は、ケース12の筒部12b内に配置される。これにより、第2ロータ30は、ケース12の筒部12bによって、径方向の外側から覆われている。第2ロータ30は、第1ロータ20の軸方向の他方側(図8において下側)に配置されている。第2ロータ30は、第1ロータ20と同軸に配置されている。また、第2ロータ30は、基部11内に収容された伝達機構40(図3に示す)と機械的に接続される。第2ロータ30は、駆動源(図示せず)からの回転駆動力が伝達機構40を介して伝達されることで、回転軸線Cを中心にして回転する。本実施形態の第2ロータ30は、伝達機構40のワンウェイクラッチ44の作用により、正転方向にのみ回転可能である。
図9に示すように、第2ロータ30は、略円筒状の軸部31と、軸部31から径方向外側に張り出した円弧状の本体部32とを備える。本体部32の外側面には、3つの第2案内路33と、3つの第3案内路34とが設けられている。
図11を併せて参照すると、第2案内路33は、本体部32の外側面から径方向内側に窪んだ溝状である。3つの第2案内路33は、周方向に等間隔に配置されている。言い換えれば、3つの第2案内路33は、回転軸線Cを中心に120度間隔で配置されている。第2案内路33は、錠剤を1つだけ保持可能な幅(周方向の寸法)および高さ(軸方向の寸法)を有している。第2案内路33は、第1案内路23と周方向において位置合わせされた状態で第1案内路23から錠剤を受け取り可能である。本実施形態の第2案内路33は、本発明に係る第2案内部の一例である。
第3案内路34は、本体部32の外側面から径方向内側に窪んだ溝状である。3つの第3案内路34は、周方向に等間隔に配置されている。言い換えれば、3つの第3案内路34は、回転軸線Cを中心に120度間隔で配置されている。第3案内路34は、周方向において第2案内路33から間隔を開けて配置されている。具体的には、第3案内路34は、第2案内路33から正転方向(図11において時計回りの方向)の前方に30度ずれた位置に配置されている。言い換えれば、第3案内路34は、第2案内路33から正転方向の下流側に30度ずれた位置に配置されている。また、第3案内路34は、周方向に隣接する第2案内路33がカッタ部材70を横切る位置にあるとき、第1開口部51と周方向において位置合わせされるように、配置されている。言い換えれば、第3案内路34は、周方向に隣接する第2案内路33内にカッタ部材70が位置しているとき、第1開口部51と周方向において位置合わせされるように、配置されている。さらに言い換えれば、第3案内路34は、周方向に隣接する第2案内路33がカッタ部材70により2つに仕切られているとき、第1開口部51と周方向において位置合わせされるように、配置されている。第3案内路34は、錠剤を1つだけ保持可能な幅(周方向の寸法)および高さ(軸方向の寸法)を有している。第3案内路34は、第1案内路23と周方向において位置合わせされた状態で第1案内路23から錠剤を受け取り可能である。本実施形態の第3案内路34は、本発明に係る第3案内部の一例である。
図8に示すように、本実施形態の本体部32の外側面には、周方向に延びた下側周溝35が設けられている。具体的には、下側周溝35は、本体部32の外側面に全周にわたって形成されている。下側周溝35は、第2案内路33および第3案内路34を横切るように形成されている。より具体的には、下側周溝35は、第2案内路33および第3案内路34の軸方向の中央を通るように形成されている。下側周溝35の軸方向の寸法は、カッタ部材70の厚み寸法よりも大きい。カッタ部材70の厚み方向よりも大きい軸方向の寸法を有する下側周溝35内にカッタ部材70が配置されているため、カッタ部材70は、第2ロータ30に接触しない。錠剤カセット1は、第2ロータ30が回転軸線Cを中心として回転したときに、カッタ部材70が第2案内路33および第3案内路34を横切るように、構成されている。下側周溝35は、カッタ部材70が第2ロータ30に接触しないように形成されている。
本実施形態の第1ロータ20と第2ロータ30との間には、中間周溝80が形成されている。中間周溝80は、第1ロータ20と第2ロータ30とが組み付けられたときの、第1ロータ20の本体部21と、第2ロータ30の本体部32との間の隙間である。中間周溝80は、周方向に延びている。中間周溝80の軸方向の寸法は、中間仕切部材50の厚み寸法よりも大きい。中間仕切部材50の厚み寸法よりも大きい軸方向の寸法を有する中間周溝80内に中間仕切部材50が配置されているので、中間仕切部材50は、第1ロータ20および第2ロータ30と接触しない。中間仕切部材50は、第1ロータ20と第2ロータ30との間に配置され、第1案内路23の内部に位置する錠剤を下方から支持する。
図10および図12から図15を参照すると、本実施形態の錠剤カセット1は、第1検出装置90(90a,90b)と、第2検出装置91(91a,91b)と、第3検出装置92(92a,92b)と、第4検出装置93(93a,93b)とを備える。図12は、第2検出装置91の位置を示すための第2ロータ30の上面図である。図13は、第3検出装置92の位置を示すための第2ロータ30の上面図である。図14は、第4検出装置93の位置を示すための第2ロータ30の上面図である。図15は、第1検出装置90、第2検出装置91、第3検出装置92、および第4検出装置93の軸方向の位置を示すための第1ロータ20および第2ロータ30の模式的な側面図である。
図10に示すように、第1検出装置90は、6つある第1案内路23のいずれかと第1開口部51とが周方向において位置合わせされた状態を検出する。本実施形態の第1検出装置90は、周方向において6つの第1案内路23のそれぞれに対応する位置にそれぞれ配置された6つの磁石90aと、磁石90aの磁界を検知するホールIC(Integrated Circuit)90bとを備える。
第1検出装置90のホールIC90bは、筒部12bのうち周方向において中間仕切部材50の第1開口部51に対応する位置に設けられている。第1検出装置90のホールIC90bにより、磁石90aが検出されているとき、6つの第1案内路23のいずれかが第1開口部51と周方向において位置合わせされている。
以下の説明において、第1検出装置90のホールIC90bが磁石90aを検出しているとき、つまり6つの第1案内路23のいずれかが第1開口部51と周方向において位置合わせされているとき、第1検出装置90がオンであるという場合がある。また、以下の説明において、第1検出装置90のホールIC90bが磁石90aを検出していないとき、つまり6つの第1案内路23のいずれかも第1開口部51と周方向において位置合わせされていないとき、第1検出装置90がオフであるという場合がある。
第1検出装置90の磁石90aおよびホールIC90bの数および配置は、第1案内路23と第1開口部51とが周方向において位置合わせされた状態を検出できる範囲において、上述した態様に限定されない。
6つの磁石90aは、周方向において第1案内路23からずれた位置に配置されてもよい。例えば、6つの磁石90aおよびホールIC90bは、図10に示す位置からそれぞれ正転方向の前方(下流側)に30度ずらして配置してもよい。これにより、磁石90aが周方向において第1案内路23とは異なる位置に配置されるので、磁石90aの第1ロータ20への取り付けを容易にできる。また、磁石90aを取り付ける位置を第1ロータ20において径方向外側にずらせるので、磁石90aとホールIC90bとの間の距離を短くでき、検出精度を向上できる。また、磁石90aを周方向において第1案内路23とは異なる位置に配置できるので、第1案内路23内の錠剤の粉などによって検出精度が低下することを抑制できる。
また、第1検出装置90は、磁石90aおよびホールIC90bを使用するものに限定されない。例えば、第1ロータ20を駆動する駆動源としてパルスモータを採用した場合に、第1検出装置90は、パルスモータのパルス信号によって第1ロータ20の位置を検出してもよい。
図12を参照すると、第2検出装置91は、第2案内路33が周方向において第1開口部51と第2開口部52との間に位置する状態を検出する。より詳細には、第2検出装置91は、第2案内路33が周方向においてカッタ部材70(図7に示す)と位置合わせされている状態を検出する。本実施形態の第2検出装置91は、周方向において3つの第2案内路33のそれぞれに対応する位置にそれぞれ配置された3つの磁石91aと、磁石91aの磁界を検知するホールIC91bとを備える。
第2検出装置91のホールIC91bは、筒部12bのうち周方向において第1開口部51と第2開口部52との間の位置に設けられている。第2検出装置91のホールIC91bにより、磁石91aが検出されているとき、3つの第2案内路33のいずれかが周方向において第1開口部51と第2開口部52との間に位置する。
以下の説明において、第2検出装置91のホールIC91bが磁石91aを検出しているとき、つまり、3つの第2案内路33のいずれかが周方向において第1開口部51と第2開口部52との間に位置しているとき、第2検出装置91がオンであるという場合がある。また、以下の説明において、第2検出装置91のホールIC91bが磁石91aを検出していないとき、つまり、3つの第2案内路33のいずれも周方向において第1開口部51と第2開口部52との間に位置していないとき、第2検出装置91がオフであるという場合がある。
第2検出装置91の磁石91aおよびホールIC91bの数および配置は、第2案内路33が周方向において第1開口部51と第2開口部52との間に位置する状態を検出できる範囲において、上述した態様に限定されない。
3つの磁石91aは、周方向において第2案内路33からずれた位置に配置されてもよい。例えば、3つの磁石91aおよびホールIC91bは、図12に示す位置からそれぞれ正転方向の後方(上流側)に30度ずらして配置してもよい。これにより、磁石91aが周方向において第2案内路33とは異なる位置に配置されるので、磁石91aの第2ロータ30への取り付けを容易にできる。また、磁石91aを取り付ける位置を第2ロータ30において径方向外側にずらせるので、磁石91aとホールIC91bとの間の距離を短くでき、検出精度を向上できる。また、周方向において磁石91aの位置を第2案内路33とは異なる位置に配置できるので、第2案内路33内の錠剤の粉などによって検出精度が低下することを抑制できる。
また、第2検出装置91は、磁石91aおよびホールIC91bを使用するものに限定されない。例えば、第2ロータ30を駆動する駆動源としてパルスモータを採用した場合に、第2検出装置91は、パルスモータのパルス信号によって第2ロータ30の位置を検出してもよい。
図13を参照すると、第3検出装置92は、第2案内路33と第2開口部52とが周方向において位置合わせされた状態を検出する。本実施形態の第3検出装置92は、周方向において3つの第2案内路33のそれぞれに対応する位置にそれぞれ配置された3つの磁石92aと、磁石92aの磁界を検知するホールIC92bとを備える。
第3検出装置92のホールIC92bは、筒部12bのうち周方向において第2開口部52に対応する位置に設けられている。第3検出装置92のホールIC92bにより、磁石92aが検出されているとき、3つの第2案内路33のいずれかが第2開口部52と周方向において位置合わせされている。
以下の説明において、第3検出装置92のホールIC92bが磁石92aを検出しているとき、つまり、3つの第2案内路33のいずれかが第2開口部52と周方向において位置合わせされているとき、第3検出装置92がオンであるという場合がある。また、以下の説明において、第3検出装置92のホールIC92bが磁石92aを検出していないとき、つまり、3つの第2案内路33のいずれも第2開口部52と周方向において位置合わせされていないとき、第3検出装置92がオフであるという場合がある。
第3検出装置92の磁石92aおよびホールIC92bの数および配置は、第2案内路33と第2開口部52とが周方向において位置合わせされた状態を検出できる範囲におい
て、上述した態様に限定されない。
3つの磁石92aは、周方向において第2案内路33からずれた位置に配置されてもよい。例えば、3つの磁石92aおよびホールIC92bは、図13に示す位置からそれぞれ正転方向の後方(上流側)に30度ずらして配置してもよい。これにより、磁石92aが周方向において第2案内路33とは異なる位置に配置されるので、磁石92aの第2ロータ30への取り付けを容易にできる。また、磁石92aを取り付ける位置を第2ロータ30において径方向外側にずらせるので、磁石92aとホールIC92bとの間の距離を短くでき、検出精度を向上できる。また、周方向において磁石92aの位置を第2案内路33とは異なる位置に配置できるので、第2案内路33内の錠剤の粉などによって検出精度が低下することを抑制できる。
また、第3検出装置92は、磁石92aおよびホールIC92bを使用するものに限定されない。例えば、第2ロータ30を駆動する駆動源としてパルスモータを採用した場合に、第3検出装置92は、パルスモータのパルス信号によって第2ロータ30の位置を検出してもよい。
図14を参照すると、第4検出装置93は、第2案内路33または第3案内路34のいずれかと、第1開口部51とが周方向において位置合わせされた状態を検出する。本実施形態の第4検出装置93は、周方向において3つの第2案内路33および3つの第3案内路34のそれぞれに対応する位置にそれぞれ配置された6つの磁石93aと、磁石93aの磁界を検知するホールIC93bとを備える。
第4検出装置93のホールIC93bは、筒部12bのうち周方向において第1開口部51に対応する位置に設けられている。第4検出装置93のホールIC93bにより、磁石93aが検出されているとき、第2案内路33または第3案内路34のいずれかが第1開口部51と周方向において位置合わせされている。
以下の説明において、第4検出装置93のホールIC93bが磁石93aを検出しているとき、つまり3つの第2案内路33または3つの第3案内路34のいずれかが第1開口部51と周方向において位置合わせされているとき、第4検出装置93がオンであるという場合がある。また、以下の説明において、第4検出装置93のホールIC93bが磁石93aを検出していないとき、つまり3つの第2案内路33および3つの第3案内路34のいずれも第1開口部51と周方向において位置合わせされていないとき、第4検出装置93がオフであるという場合がある。
第4検出装置93の磁石93aおよびホールIC93bの数および配置は、第2案内路33または第3案内路34のいずれかと第1開口部51とが周方向において位置合わせされた状態を検出できる範囲において、上述した態様に限定されない。
6つの磁石93aは、周方向において第2案内路33および第3案内路34のそれぞれからずれた位置に配置されてもよい。例えば、6つの磁石93aおよびホールIC93bは、図14に示す位置からそれぞれ正転方向の後方(上流側)に60度ずらして配置してもよい。これにより、磁石93aが周方向において第2案内路33および第3案内路34とは異なる位置に配置されるので、磁石93aの第2ロータ30への取り付けを容易にできる。また、磁石93aを取り付ける位置を第2ロータ30において径方向外側にずらせるので、磁石93aとホールIC93bとの間の距離を短くでき、検出精度を向上できる。また、周方向において磁石93aの位置を第2案内路33および第3案内路34とは異なる位置に配置できるので、第2案内路33内および第3案内路34内の錠剤の粉などによって検出精度が低下することを抑制できる。
また、第4検出装置93は、磁石93aおよびホールIC93bを使用するものに限定されない。例えば、第2ロータ30を駆動する駆動源としてパルスモータを採用した場合に、第4検出装置93は、パルスモータのパルス信号によって第2ロータ30の位置を検出してもよい。
図15に示すように、本実施形態では、第1検出装置90と、第2検出装置91と、第3検出装置92と、第4検出装置93とは、軸方向において互いに異なる位置に配置されている。第2検出装置91と第3検出装置92とは、軸方向において同じ位置(ただし、周方向において異なる位置)に配置されていてもよい。この場合、第2検出装置91の磁石91aと第3検出装置92の磁石92aとを兼用することが可能となる。
図16は、錠剤カセット1の縦断面図である。図16を参照すると、伝達機構40は、回転シャフト41と、第1軸受部材42と、第2軸受部材43と、ワンウェイクラッチ44と、歯車45とを備える。
回転シャフト41の上端は、第1ロータ20の本体部21に固定されている。回転シャフト41の下端は、駆動源(図示せず)に機械的に接続された歯車45に固定されている。
回転シャフト41と第2ロータ30との間には、ワンウェイクラッチ44が配置されている。ワンウェイクラッチ44は、回転シャフト41が正転方向に回転するときに、回転シャフト41と第2ロータ30とが機械的に接続され、回転シャフト41が逆転方向に回転するときに、回転シャフト41と第2ロータとの機械的な接続が解除されるように構成されている。これにより、回転シャフト41の正転方向の回転は、ワンウェイクラッチ44を介して第2ロータ30に伝達される一方、回転シャフト41の逆転方向の回転は、第2ロータ30に伝達されないようになっている。
歯車45は、モータのような外部の駆動源(図示せず)で駆動される駆動歯車(図示せず)と噛み合うように構成されている。言い換えれば、本実施形態の歯車45は、従動歯車である。また、図2に示すように、歯車45は、カセット本体10から外部に露出するように設けられている。
回転シャフト41は、第1軸受部材42及び第2軸受部材43の支持によって、回転軸線Cを中心にして回転可能なように構成されている。
モータのような外部の駆動源(図示せず)によって、歯車45が駆動されることで、回転シャフト41は回転軸線Cを中心にして回転する。詳細には、回転シャフト41は、歯車45が駆動されることで、回転軸線Cを中心にして正転または逆転する。回転シャフト41が正転するとき、第1ロータ20および第2ロータ30が回転軸線Cを中心にして正転する。このとき、第1ロータ20の回転速度と第2ロータ30の回転速度とは等しい。一方で、回転シャフト41が逆転するとき、第1ロータ20は、回転軸線Cを中心にして逆転するが、ワンウェイクラッチ44の作用により、第2ロータ30は回転しない。
(錠剤カセットの錠剤払い出し動作)
以下、錠剤を払い出すときの錠剤カセット1の動作(以下、錠剤払い出し動作という)を説明する。この錠剤払い出し動作は、錠剤カセット1が取り付けられる錠剤分包装置(図示せず)が有する制御装置が回転シャフト41の動作(正転または逆転)を制御することで、第1ロータ20および第2ロータ30の動作(正転または逆転)を制御することにより実行される。この錠剤分包装置の制御装置には、第1検出装置90、第2検出装置91、第3検出装置92、および第4検出装置93から検出結果が入力されてもよい。以下の説明において、錠剤分包装置の制御装置を単に制御装置という場合がある。
図17は、本実施形態に係る錠剤払い出し動作を説明するためのフローチャートである。具体的には、図17は、本実施形態に係る錠剤カセット1が錠剤を払い出すときに制御装置が行う処理の流れを示す。
図17を参照すると、ステップS1では、錠剤カセット1は、初期動作を行う。後述するように、この初期動作では、制御装置は、第1ロータ20の第1案内路23の位置、ならびに、第2ロータ30の第2案内路33おび第3案内路34の位置を確認する。
ステップS2では、制御装置は、払い出し指示があるか否かを判定し、払い出し指示がある場合には、処理は、ステップS3に進む。払い出し指示は、例えば、錠剤カセット1が取り付けられる錠剤分包装置(図示せず)に設けられた入力部(例えば、タッチパネル)から入力されてもよく、錠剤分包装置と通信可能な携帯端末を介して入力されてもよい。また、払い出し指示には、整数錠の数Nrと、半錠の数Mrとが含まれている。ここで、払い出し指示に含まれる整数錠の数Nrおよび半錠の数Mrは、0以上の整数である。
ステップS3では、制御装置は、錠剤の払い出し数を記録する。具体的には、制御装置は、払い出す整数錠の数Nとして払い出し指示に含まれる整数錠の数Nrを記録し、払い出す半錠の数Mとして半錠の数Mrを記録する。
次に、ステップS4では、制御装置は、整数錠の数Nが0か否かを判定する。
ステップS4で、整数錠の数Nが0ではない、つまり払い出す整数錠の数Nが1以上であると判定されたとき、処理はステップS5に進み、錠剤カセット1は、整数錠払い出し動作を実行する。ステップS5で整数錠払い出し動作が行われた後、処理はステップS7に進む。後述するが、整数錠払い出し動作において、1錠が払い出される毎に、制御装置は、整数錠の数Nとして現在記憶している値から1を減じた値を新たに記憶する(図19のステップS5-8参照)。すなわち、ステップS5の整数錠払い出し動作で、払い出し指示に含まれる整数錠の数Nrの錠剤が払い出されたとき、整数錠の数Nは0に更新されている。
一方で、ステップS4で、整数錠の数Nが0であると判定されたとき、処理はS6に進み、錠剤カセット1は、半錠払い出し動作を実行する。ステップS6で半錠払い出し動作が行われた後、処理はステップS7に進む。後述するが、半錠払い出し動作において、半錠が払い出される毎に、制御装置は、半錠の数Mとして現在記憶している値から1を減じた値を新たに記憶する(図22のステップS6-8およびS6-16参照)。すなわち、ステップS6の半錠払い出し動作で、払い出し指示に含まれる半錠の数Mrの錠剤が払い出されたとき、半錠の数Mは、0に更新されている。
ステップS7では、制御装置は、整数錠の数Nと半錠の数Mとがともに0であるか否かを判定する。
ステップS7において、整数錠の数Nと半錠の数Mとがともに0であると判定された場合、すなわち払い出し指示に含まれる整数錠の数Nrの錠剤および半錠の数Mrの錠剤が払い出されたとき、錠剤カセット1の錠剤払い出し動作は終了する。一方で、整数錠の数Nおよび半錠の数Mのうち少なくとも一方が0でないと判定された場合、処理は、ステップS4に戻る。
なお、ステップS4において整数錠の数Nを判断の対象とすることで、半錠払い出し動作よりも整数錠払い出し動作を優先するようにしたが、ステップ4において半錠の数Mを判断の対象とすることで、整数錠払い出し動作よりも半錠払い出し動作を優先するようにしてもよい。この場合、以下に説明する運用が可能である。錠剤カセット1が取り付けられる錠剤分包装置(例えば、特開2010-5378号公報に記載の錠剤分包機)に、錠剤カセット1と、錠剤カセット1が払い出す錠剤と同種の錠剤の整数錠払い出し動作が可能な別のカセットとを設置する。このようにすることで、錠剤カセット1の半錠払い出し動作と並行して、前記別のカセットの整数錠払い出し動作が行われることで、錠剤の払い出しにかかる時間を短縮できる。また、前記別のカセットで錠剤が不足した場合であっても、錠剤カセット1の半錠払い出し動作が完了した後に、錠剤カセット1の整数錠払い出し動作が実行されることで、不足分の整数錠の払い出しが可能となる。
(初期動作)
図18は、錠剤払い出し動作の初期動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1-1では、制御装置は、第2検出装置91、第3検出装置92、および第4検出装置93の全てがオフであるか否かを判定する。ステップS1-1において、第2検出装置91、第3検出装置92、および第4検出装置93の全てがオフであると判定された場合、処理は、ステップS1-2に進む。ステップS1-1において、第2検出装置91、第3検出装置92、および第4検出装置93のいずれか1つがオンであると判定された場合には、初期動作は終了する。
ステップS1-2では、制御装置は、第1検出装置90がオンであるか否かを判定する。ステップS1-2において、第1検出装置90がオフであると判定された場合、処理は、ステップS1-3に進む。ステップS1-2において、第1検出装置90がオンであると判定された場合、処理は、ステップS1-6に進む。
ステップS1-3では、制御装置は、回転シャフト41を逆転させて、第2ロータ30が停止した状態で第1ロータ20のみを逆転させる。ステップS1-3では、第1ロータ20および第2ロータ30が停止した状態から、第1ロータ20のみが逆転を開始する。
その後、ステップS1-4では、制御装置は、第1検出装置90がオンであるか否かを判定する。ステップS1-4において、第1検出装置90がオンであると判定された場合、処理はステップS1-5に進み、制御装置は、回転シャフト41を停止させて、第1ロータ20の逆転を停止させる。ステップS1-4において、第1検出装置90がオフであると判定された場合は、制御装置は、第1検出装置90がオンであると判定されるまで、回転シャフト41の逆転、つまり第1ロータ20の逆転を継続させる。
ステップS1-2で第1検出装置90がオンであると判定された場合、またはステップS1-5に続いて、ステップS1-6が実行される。ステップS1-6では、制御装置は、回転シャフト41を15度正転させて、第1ロータ20および第2ロータ30をともに15度正転させる。
その後、ステップS1-7では、制御装置は、ステップS1-6における第2ロータ30の正転によって、第2検出装置91、第3検出装置92、および第4検出装置93のいずれかがオンになったか否かを判定する。詳細には、ステップS1-7において、第2検出装置91、第3検出装置92、および第4検出装置93のいずれかがオンであると判定された場合、初期動作は、終了する。ステップS1-7において、第2検出装置91、第3検出装置92、および第4検出装置93の全てがオフであると判定された場合、処理は、ステップS1-6に戻り、制御装置は、回転シャフト41を再度15度正転させて、第1ロータ20および第2ロータ30をともに再度15度正転させる。
以上のように、錠剤カセット1の初期動作では、制御装置は、第2ロータ30の第2案内路33または第3案内路34の位置を確認する。初期動作が終了したとき、第2検出装置91、第3検出装置92、および第4検出装置93のうち少なくとも1つがオンになっている。
(整数錠払い出し動作)
図19は、錠剤カセット1の整数錠払い出し動作を説明するためのフローチャートである。図20は、後述するステップS5-6を開始する前における第1ロータ20、第2ロータ30、上側仕切部材60、中間仕切部材50、およびカッタ部材70の周方向に沿った模式的な展開図である。図21は、後述するステップS5-6での第1ロータ20、第2ロータ30、上側仕切部材60、中間仕切部材50、およびカッタ部材70の周方向に沿った模式的な展開図である。図20および図21において、左右方向が周方向に対応している。図20および図21において、右側から左側に向かう方向が正転方向であり、左側から右側に向かう方向が逆転方向である。
ステップS5-1では、制御装置は、第3検出装置92がオンであるか否かを判定する。ステップS5-1において、第3検出装置92がオンであると判定された場合、処理は、ステップS5-2に進む。ステップS5-1において、第3検出装置92がオフであると判定された場合、つまり第2検出装置91および第4検出装置93の少なくとも1つがオンである場合、処理はステップS5-6(整数錠の払い出し開始)に進む。言い換えれば、ステップS5-1を実行するときに、第2ロータ30の第2案内路33および第3案内路34のいずれかが中間仕切部材50の第1開口部51と位置合わせされているとき、すなわち錠剤出口14からの錠剤払い出しが可能であるとき、処理はステップS5-6に進む。
ステップS5-2では、制御装置は、第1検出装置90がオンであるか否かを判定する。ステップS5-2において、第1検出装置90がオンであると判定された場合、処理はステップS5-3に進む。ステップS5-2において、第1検出装置90がオフであると判定された場合は、処理はステップS5-4に進む。
ステップS5-3では、制御装置は、回転シャフト41を15度逆転させて、第2ロータ30を停止させた状態で第1ロータ20のみを15度逆転させる。これにより、第1ロータ20の第1案内路23が、第2ロータ30の第2案内路33および第3案内路34に周方向において位置合わせされていない状態になる。その結果、次に続く第1ロータ20および第2ロータ30の正転中に、第1案内路23から第2案内路33または第3案内路34に錠剤が受け渡されることが防止される。その後、回転シャフト41を正転させて、第1ロータ20および第2ロータ30の正転を開始させる。
次に、ステップS5-4において、制御装置は、第4検出装置93がオンであるか否かを判定する。ステップS5-4において、第4検出装置93がオンであると判定された場合、処理は、ステップS5-5に進む。ステップS5-4において、第4検出装置93がオフであると判定された場合、上記制御装置は、第4検出装置93がオンであると判定されるまで、回転シャフト41の正転、つまり第1ロータ20および第2ロータ30の正転を継続させる。
ステップS5-5では、制御装置は、回転シャフト41の正転を停止させて、第1ロータ20および第2ロータ30の正転を停止させる。このとき、第4検出装置93はオンである。つまり、第2ロータ30は、図20に示すように、第2案内路33および第3案内路34のいずれか(図20では、第3案内路34)が、第1開口部51および錠剤出口14と周方向において位置合わせされている。
続いて、ステップS5-6(整数錠の払い出し開始)では、制御装置は、回転シャフト41の逆転を開始させて、第2ロータ30を停止させた状態で、第1ロータ20の逆転を開始させる。具体的には、図20に示す状態から、回転シャフト41の逆転により、第1ロータ20の逆転が開始する。このとき、第2ロータ30は、ワンウェイクラッチ44の作用により、回転せずに停止している。
図21に示すように、第1ロータ20の第1案内路23が第1開口部51と周方向において位置合わせされると、第1案内路23内の錠剤Tが、第1開口部51と、第2案内路33または第3案内路34(図21では、第3案内路34)とを通じて、錠剤出口14から錠剤カセット1の外部に払い出される。このとき、第1開口部51と位置合わせされた第1案内路23内の残りの錠剤は、上側仕切部材60によって第1案内路23内に保持されている。これにより、整数錠の払い出し動作において、2錠以上の錠剤が意図せず一度に払い出されることを防止している。
図19を参照すると、ステップS5-7では、制御装置は、例えば、錠剤出口14(図2に示す)に設けられ、錠剤出口14を錠剤が通過したことを検出するセンサ(図示せず)の検出結果に基づいて、錠剤が払い出された否かを判定する。ステップS5-7において、錠剤が払い出されたと判定された場合、処理は、ステップS5-8に進む。ステップS5-6において、錠剤が払い出されていないと判定された場合は、制御装置は、ステップS5-7で錠剤が払い出されたと判定されるまで、第1ロータ20の逆転を継続させる。
ステップS5-8では、制御装置は、整数錠の数NをN-1に更新する。具体的には、制御装置は、整数錠の数Nとして、現在記憶している値から1を減じた値を新たに記憶する。
続いて、ステップS5-9では、制御装置は、整数錠の数Nが0より大きいか否かを判定する。ステップS5-9において、整数錠の数Nが0より大きいと判定されたとき、つまり、整数錠の数Nが1以上であると判定されたとき、処理は、ステップS5-7に戻る。言い換えれば、制御装置は、払い出し指示に含まれる払い出す整数錠の数Nrの錠剤を払い出すまで、第1ロータ20の逆転を継続する。ステップS5-9において、整数錠の数Nが0であると判定されたとき、処理は、ステップS5-10に進む。
その後、ステップS5-10において、制御装置は、回転シャフト41の逆転を停止させて、第1ロータ20の逆転を停止させた後、整数錠払い出し動作を終了する。
(半錠払い出し動作)
図22は、錠剤カセット1の半錠払い出し動作を説明するためのフローチャートである。図23は、後述するステップS6-4を開始する前における第1ロータ20、第2ロータ30、上側仕切部材60、中間仕切部材50、およびカッタ部材70の周方向に沿った模式的な展開図である。図24は、後述するステップS6-5での第1ロータ20、第2ロータ30、上側仕切部材60、中間仕切部材50、およびカッタ部材70の周方向に沿った模式的な展開図である。図23および図24において、左右方向が周方向に対応している。図23および図24において、右側から左側に向かう方向が正転方向であり、左側から右側に向かう方向が逆転方向である。
ステップS6-1では、制御装置は、半錠フラグの真偽を判定する。ここで、半錠フラグは、半錠払い出し動作で分割される2つの半錠のうち、一方の半錠が払い出され、他方の半錠が第2案内路33に保持されている場合にTrueの値をとり、半錠が第2案内路33に保持されていない場合にFalseの値をとる。半錠フラグは、制御装置に記憶されている。ステップS6-1において、半錠フラグがFalseの値であると判定されたとき、処理は、ステップS6-2に進む。ステップS6-1において、半錠フラグがTrueの値であると判定されたとき、処理は、ステップS6-11に進む。
ステップS6-2では、制御装置は、第1位置合わせ処理を実行する。後述するように、この第1位置合わせ処理では、制御装置は、第3検出装置92がオフの場合に、第3検出装置92がオンとなる位置に第2ロータ30を移動させる。つまり、ステップS6-2の第1位置合わせ処理が終了したとき、第2ロータ30の第2案内路33は、中間仕切部材50の第2開口部52と周方向において位置合わせされている。
ステップS6-3では、制御装置は、第2位置合わせ処理を実行する。後述するように、この第2位置合わせ処理では、制御装置は、第1ロータ20の第1案内路23を、中間仕切部材50の第2開口部52および第2ロータ30の第2案内路33と周方向において位置合わせさせて、第1案内路23内の錠剤を、第2開口部52を通じて第2案内路33に案内する。つまり、第2位置合わせ処理が終了したとき、第2案内路33内には、錠剤が保持されている。
次に、ステップS6-4では、制御装置は、回転シャフト41を正転させて、第1ロータ20および第2ロータ30をともに正転させる。
ステップS6-4が開始するとき、第1ロータ20および第2ロータ30は、図23に示すように、第2案内路33が、第2開口部52と周方向において位置合わせされている。また、図23に示す状態では、第1案内路23内に保持されていた錠剤Tが第2開口部52を通じて第2案内路33に案内されている。このとき、第2開口部52と位置合わせされた第1案内路23内の残りの錠剤Tは、上側仕切部材60によって、第1案内路23内に保持されている。これにより、第1案内路23内の上側仕切部材60よりも軸方向の他方側(下側)の部分には、錠剤Tが保持されていない。
図23に示す状態から、ステップS6-4において、回転シャフト41の正転により、第1ロータ20および第2ロータ30を正転させると、図24に示すように、第2案内路33がカッタ部材70を横切るときに、第2案内路33内の錠剤Tがカッタ部材70により2つの半錠T1,T2に分割される。2つの半錠T1,T2のうちカッタ部材70より軸方向の他方側(図24において下側)の半錠T1は、錠剤出口14から錠剤カセット1の外部に払い出される。一方で、2つの半錠T1,T2のうちカッタ部材70より軸方向の一方側(図24において上側)の半錠T2は、カッタ部材70により支持されて、第2案内路33内に保持される。このとき、錠剤出口14の切り欠き14bの部分14b2(図4(b)に示す)がカッタ部材70より軸方向の一方側には形成されていないので、第2案内路33内に保持されている半錠が意図せず錠剤出口14から払い出されることを防止できる。
続いて、図22を参照すると、ステップS6-5では、制御装置は、第2検出装置91がオンであるか否かを判定する。つまり、ステップS6-5では、制御装置は、第2案内路33がカッタ部材70を横切る位置に移動したか否かを判定する。ステップS6-5において、第2検出装置91がオンであると判定された場合、処理は、ステップS6-6に進む。ステップS6-5において、第2検出装置91がオフであると判定された場合、制御装置は、ステップS6-5で第2検出装置91がオンであると判定されるまで、回転シャフト41の正転、つまり第1ロータ20および第2ロータ30の正転を継続させる。
ステップ6-6では、制御装置は、回転シャフト41の正転を停止させて、第1ロータ20および第2ロータ30の正転を停止させる。
ステップS6-7では、制御装置は、例えば、錠剤出口14(図2に示す)に設けられ、錠剤出口14を錠剤が通過したことを検出するセンサ(図示せず)の検出結果に基づいて、錠剤(半錠)が払い出された否かを判定する。ステップS6-7において、錠剤が払い出されたと判定された場合、処理は、ステップS6-8に進む。ステップS6-7において、錠剤が払い出されていないと判定された場合(すなわち、直近の第2位置合わせ処理後に、第2案内路33内に半錠が保持されていなかった場合)は、処理は、ステップS6-2に戻る。
続いて、ステップS6-8では、制御装置は、半錠の数MをM-1に更新する。具体的には、制御装置は、半錠の数Mとして、現在記憶している値から1を減じた値を新たに記憶する。
ステップS6-9では、制御装置は、半錠フラグをFalseの値からTrueの値に更新する。つまり、ステップS6-9が実行されたとき、カッタ部材70により分割された2つの半錠のうち、一方の半錠が払い出され、他方の半錠が第2案内路33に保持されている。
そして、ステップS6-10では、制御装置は、半錠の数Mが0より大きいか否かを判定する。ステップS6-10において、半錠の数Mが0より大きいと判定されたとき、つまり、半錠の数Mが1以上であると判定されたとき、処理は、ステップS6-1に戻る。言い換えれば、制御装置は、払い出し指示に含まれる払い出す半錠の数Mrの錠剤(半錠)を払い出すまで、半錠払い出し動作を続行する。ステップS6-10において、半錠の数Mが0であると判定されたとき、つまり払い出し指示に含まれる払い出す半錠の数Mrの錠剤(半錠)を払い出したとき、半錠払い出し動作は終了する。
上述したように、ステップS6-1において、半錠フラグがTrueの値であると判定されたとき、処理は、ステップS6-11に進む。つまり、第2ロータ30の第2案内路33に半錠が保持されているとき、処理は、ステップS6-11に進む。
ステップS6-11では、制御装置は、第2検出装置91がオンであるか否かを判定する。ステップS6-11において、第2検出装置91がオンであると判定された場合、処理は、ステップS6-12に進む。ステップS6-11において、第2検出装置91がオフであると判定された場合、処理は、ステップS6-18に進む。
ステップS6-12を開始する前において、第1ロータ20および第2ロータ30は、図24に示す状態にある。ステップS6-12では、制御装置は、回転シャフト41の正転を開始させて、第1ロータ20および第2ロータ30の正転を開始させる。
図24に示す状態から、回転シャフト41の正転により、第1ロータ20とともに第2ロータ30を正転させ、図25に示すように第2案内路33がカッタ部材70と周方向においてずれた位置に移動すると、第2案内路33内に保持されていた半錠T2が錠剤出口14から錠剤カセット1の外部に払い出される。
続いて、ステップS6-13では、制御装置は、第4検出装置93がオンであるか否かを判定する。つまり、ステップS6-13では、制御装置は、第2案内路33が第1開口部51と周方向において位置合わせされているか否かを判定する。ステップS6-13において、第4検出装置93がオンであると判定された場合、処理は、ステップS6-14に進む。ステップS6-13において、第4検出装置93がオフであると判定された場合、制御装置は、ステップS6-13で第4検出装置93がオンと判定されるまで、第1ロータ20および第2ロータ30の正転を継続させる。
ステップS6-142では、制御装置は、回転シャフト41の正転を停止させて、第1ロータ20および第2ロータ30の正転を停止させる。
次に、ステップS6-15では、制御装置は、例えば、錠剤出口14(図2に示す)に設けられ、錠剤出口14を錠剤が通過したことを検出するセンサ(図示せず)の検出結果に基づいて、錠剤(半錠)が払い出された否かを判定する。ステップS6-15において、錠剤が払い出されたと判定された場合、処理は、ステップS6-16に進む。ステップS6-15において、錠剤が払い出されたと判定された場合、第2案内路33内に保持されていた半錠が払い出され、第2案内路33内に半錠が残っていない。ステップS6-15において、錠剤が払い出されていないと判定された場合、処理は、ステップS18に進む。
続いて、ステップS6-16では、制御装置は、半錠の数MをM-1に更新する。具体的には、制御装置は、半錠の数Mとして、現在記憶している値から1を減じた値を新たに記憶する。
ステップS6-17では、制御装置は、半錠フラグをTrueの値からFalseの値に更新する。つまり、ステップS6-16が実行されたとき、カッタ部材70により分割された2つの半錠のそれぞれが払い出され、第2案内路33内には、半錠が残っていない。
上述したように、ステップS6-11において、第2検出装置91がオフであると判定された場合、または、ステップS6-15において、錠剤が払い出されていないと判定された場合、処理は、ステップS6-18に進む。ステップS6-18では、制御装置は、エラー処理を行い、半錠払い出し動作を終了する。ここで、エラー処理とは、例えば、錠剤カセット1が取り付けられる錠剤分包装置(図示せず)に設けられた報知部(例えば、タッチパネルまたはスピーカー)により、錠剤カセット1の不具合をユーザに報知する処理であってもよい。
(第1位置合わせ処理)
図26は、第1位置合わせ処理を説明するためのフローチャートである。
ステップS6-2-1では、制御装置は、第3検出装置92がオンであるか否かを判定する。つまり、ステップS6-2-1では、制御装置は、第2案内路33が第2開口部52と周方向に位置合わせされているか否かを判定する。ステップS6-2-1において、第3検出装置92がオンであると判定された場合、第1位置合わせ処理は、終了する。ステップS6-2-1において、第3検出装置92がオフであると判定された場合、処理は、ステップS6-2-2に進む。
ステップS6-2-2では、制御装置は、第2検出装置91がオンであるか否かを判定する。つまり、ステップS6-2-2では、制御装置は、第2案内路33がカッタ部材70と周方向において位置合わせされているか否かを判定する。ステップS6-2-2において、第2検出装置91がオフであると判定された場合、処理は、ステップS6-2-3に進む。ステップS6-2-2において、第3検出装置92がオンであると判定された場合、処理は、ステップS6-2-5に進む。
処理がステップS6-2-3にあるとき、第2ロータ30の第2案内路33は、カッタ部材70および第2開口部52のいずれとも周方向において位置合わせされていない。ステップS6-2-3では、第1検出装置90がオンであるか否かを判定する。ステップS6-2-3において、第1検出装置90がオンであると判定された場合、処理は、ステップS6-2-4に進む。ステップS6-2-3において、第1検出装置90がオフであると判定された場合、処理は、ステップS6-2-5に進む。
ステップ6-2-4では、制御装置は、回転シャフト41を15度逆転させることで、第2ロータ30を停止させた状態で、第1ロータ20を15度逆転させる。これにより、ステップS6-2-4の終了時には、第1ロータ20の6つの第1案内路23のいずれも第1開口部51と周方向において位置合わせされていない。また、第1ロータ20の第1案内路23と、第2ロータ30の第2案内路33および第3案内路34との周方向の位置をずらすことで、この後に続くステップS6-2-5で回転シャフト41を正転させたときに、第1案内路23内の錠剤が第2案内路33または第3案内路34に意図せず受け渡されることが防止される。
続いて、ステップS6-2-5では、制御装置は、回転シャフト41の正転を開始させることで、第1ロータ20および第2ロータ30の正転を開始させる。
そして、ステップS6-2-6では、制御装置は、第3検出装置92がオンであるか否かを判定する。つまり、ステップS6-2-6では、制御装置は、第2案内路33が第2開口部52と周方向に位置合わせされているか否かを判定する。ステップS6-2-6において、第3検出装置92がオンであると判定された場合、処理は、ステップS6-2-7に進む。ステップS6-2-6において、第3検出装置92がオフであると判定された場合、制御装置は、ステップS6-2-6で第3検出装置92がオンであると判定されるまで、回転シャフト41の正転、つまり第1ロータ20および第2ロータ30の正転を継続させる。
ステップS6-2-7では、制御装置は、回転シャフト41の正転を停止させて、第1ロータ20および第2ロータ30の正転を停止させる。その後、第1位置合わせ処理は、終了する。第1位置合わせ処理が終了したとき、第2案内路33が第2開口部52と周方向に位置合わせされているので、第1ロータ20の第1案内路23内の錠剤の第2ロータ30の第2案内路33への受け渡しが可能になっている。
(第2位置合わせ処理)
図27は、第2位置合わせ処理を説明するためのフローチャートである。第2位置合わせ処理が開始するとき、第2案内路33は、第2開口部52と周方向において位置合わせされている。
ステップS6-3-1では、制御装置は、第1検出装置90がオンであるか否かを判定する。つまり、ステップS6-3-1では、制御装置は、第1ロータ20の第1案内路23が第1開口部51と周方向において位置合わせされているか否かを判定する。ステップS6-3-1において、第1検出装置90がオフであると判定された場合、処理は、ステップS6-3-2に進む。ステップS6-3-1において、第1検出装置90がオンであると判定された場合、処理は、ステップS6-3-4に進む。
ステップS6-3-2では、制御装置は、回転シャフト41の逆転を開始させることで、第2ロータ30を停止させた状態で、第1ロータ20の逆転を開始させる。
次に、ステップS6-3-3では、制御装置は、第1検出装置90がオンであるか否かを判定する。つまり、ステップS6-3-3では、制御装置は、第1ロータ20の第1案内路23が第1開口部51と周方向において位置合わせされているか否かを判定する。ステップS6-3-3において、第1検出装置90がオンであると判定された場合、処理は、ステップS6-3-4に進む。ステップS6-3-3において、第1検出装置90がオフであると判定された場合、制御装置は、第1検出装置90がオンであると判定されるまで、回転シャフト41の逆転、つまり第1ロータ20の逆転を継続させる。
ステップS6-3-4では、制御装置は、第1検出装置90がオンである状態から、回転シャフト41を120度逆転させることで、第1ロータ20をさらに120度逆転させる。ステップS6-3-4において、第1ロータ20が120度逆転している間に、第1ロータ20の第1案内路23は、第2開口部52および第2案内路33と2回位置合わせされるので、第1ロータ20の第1案内路23内の錠剤は、第2案内路33に案内されやすくなる。ここで、第1案内路23と第2案内路33とが位置合わせされる回数を増やしたければ、ステップS6-3-4における回転シャフト41の回転角度を大きくすればよい。第1案内路23と第2案内路33とが位置合わせされる回数を減らしたければ、ステップS6-3-4における回転シャフト41の回転角度を小さくすればよい。また、第1ロータ20が回転したときの第1案内路23内への錠剤の収容効率(第1ロータ20の1回転毎に第1案内路23内へ落ちる錠剤の個数)が錠剤の形状に応じて変わるため、ステップS6-3-4における回転シャフト41の回転角度は、錠剤の収容効率に応じて回転角度を設定してもよい。
続いて、ステップS6-3-5では、制御装置は、回転シャフト41を15度逆転させることで、第1ロータ20を15度逆転させる。これにより、S6-3-5が終了したとき、第1ロータ20の第1案内路23は、第2開口部52および第2案内路33と周方向において位置合わせされていない。その後、第2位置合わせ処理は、終了する。
本実施形態では、錠剤カセット1は、錠剤払い出し動作において、整数錠の錠剤を払い出した後に、半錠を払い出すように構成されていたが、半錠を払い出した後に、整数錠の錠剤を払い出してもよい。この場合、図24に示すように、第2ロータ30の第2案内路33内に半錠が保持されていることがある、つまり半錠フラグがTrueの値の場合がある。図24に示す状態から一錠を払い出す場合、第2ロータ30を停止させたまま、第1ロータ20逆転させる。第1案内路23が第1開口部51および第3案内路34と周方向において位置合わせされると、図28に示すように、第1案内路23内の錠剤Tは、第1開口部51および第3案内路34を通じて錠剤出口14から錠剤カセット1の外部に払い出される。このとき、第2案内路33内に保持されていた半錠T2は、第2案内路33内に保持されたままである。
本実施形態の錠剤カセット1は、以下の機能を有する。
本実施形態の錠剤カセット1によれば、一錠および半錠に分割された錠剤の両方を自在に払い出すための構成を簡素化できる。具体的には、第2案内路33が第1開口部51に位置合わせされた状態で、第1ロータ20を回転させると、第1案内路23が第1開口部51に位置合わせされたときに、第1案内路23内に位置する錠剤が、第1開口部51と第2案内路33とを通じて錠剤出口14から払い出される。これにより、一錠を払い出すことができる。また、第1案内路23と第2案内路33とが第2開口部52に位置合わせされた状態では、ケース12に収容された錠剤が、第1案内路23および第2開口部52を通じて第2案内路33に案内される。この状態で第1ロータ20および第2ロータ30を回転させると、カッタ部材70により錠剤が分割され、分割された2つの半錠のうち一方の半錠を錠剤出口14から払い出すことができる。これにより、半錠に分割された錠剤を払い出すことができる。この構成によれば、第1ロータ20の回転または第2ロータ30の回転により、一錠または半錠に分割された錠剤を自在に払い出すことができる。その結果、錠剤出口14を開閉する構造を必要としないので、錠剤出口14を開閉する構造を必要とする場合と比較して、簡単な構成で一錠または半錠を自在に払い出すことができる。
第2案内路33がカッタ部材70を横切る位置にあるとき、カッタ部材70により分割された2つの半錠のうち上方に位置する半錠が、カッタ部材70により下方から支持されていることがある。この状態で、第2案内路33を通じて一錠を払い出そうとすると、カッタ部材70に支持されている半錠を払い出す必要がある。この払い出された半錠は、多くの場合廃棄される。これに対して、本実施形態によれば、第2案内路33がカッタ部材70を横切る位置にあるときに、第1ロータ20を回転させることで、第1案内路23内に位置する錠剤が、第1開口部51と第3案内路34とを通じて錠剤出口14から払い出される。これにより、半錠がカッタ部材70により下方から支持されたまま、一錠を払い出すことができる。その結果、半錠が廃棄されることを抑えることができる。
第1案内路23と第2案内路33とが第1開口部51に位置合わせされているとき、ケース12に収容された錠剤が、第1案内路23と第1開口部51と第2案内路33とを通じて、意図せず払い出されることがある。これに対して、本実施形態では、上側仕切部材60が、第1開口部51と位置合わせされている第1案内路23にケース12に収容された錠剤が入らないように、配置されているため、第1案内路23と第2案内路33とが第1開口部51に位置合わせされているときに、ケース12内の錠剤が、第1案内路23と第1開口部51と第2案内路33とを通じて、意図せず払い出されことを抑えることができる。
また、第1案内路23と第2案内路33とが第2開口部52に位置合わせされている場合、第1案内路23から第2案内路33に錠剤が案内されたときであっても、第1案内路23に新たに錠剤が入ることがある。この場合に第1ロータ20が回転すると、意図しないタイミングで第1案内路23内の錠剤が払い出されることがある。これに対して、本実施形態では、上側仕切部材60が、第2開口部52と位置合わせされている第1案内路23にケース12に収容された錠剤が入らないように、配置されているため、第1案内路23と第2案内路33とが第2開口部52に位置合わせされている場合に、ケ第1案内路23に新た錠剤が入ることが抑えられる。その結果、意図しないタイミングで錠剤が払い出されることを抑えることができる。
本実施形態によれば、1つの駆動源を用いて回転シャフト41を回転させることで、第1ロータ20と第2ロータ30との両方を回転させることができる。その結果、第1ロータ20を回転させるための駆動源と、第2ロータ30を回転させるための駆動源との2つの駆動源を用いる場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、本実施形態では、錠剤カセット1は、第3案内路34と第1開口部51とが位置合わせされているときに、カッタ部材70により分割され、第2案内路33内に位置する一方側の半錠をカッタ部材70で保持すると共に、第1案内路23、第1開口部51、および第3案内路34を介して整数錠の錠剤を払い出すように構成されている。これにより、半錠がカッタ部材70により第2案内路33内に保持されたまま、一錠を払い出すことができる。
また、本実施形態では、錠剤カセット1は、本発明に係る分割部の一例としてカッタ部材70を備えていたが、分割部を備えなくてもよい。この場合であっても、錠剤カセット1は、以下の機能を有する。
第1ロータ20に設ける第1案内路23の数、形状、および配置と、第2ロータ30に設ける第2案内路33の数、形状、および配置とを調整することで、錠剤カセット1の柔軟な運用が可能となる。例えば、第1ロータ20に複数の第1案内路23を設けるとともに、第2ロータ30に複数の第2案内路33を設け、第1案内路23間の間隔(ピッチ)と第2案内路33間の間隔(ピッチ)とを異ならせることが考えられる。この場合、第2案内路33に予め錠剤を収容しておくことで、第1ロータ20を回転させたときの錠剤の払い出し速度と、第2ロータ30を回転させたときの錠剤の払い出し速度とを異ならせることができる。また、例えば、第1案内路23に収容可能な錠剤の数(例えば、1錠)と、第2案内路33に収容可能な錠剤の数(例えば、2錠)とを異ならせることが考えられる。この場合、第2案内路33に予め錠剤を収容しておくことで、第1ロータ20を回転させたときに一度に払い出される錠剤の数と、第2ロータ30を回転させたときに一度に払い出される錠剤の数とを異ならせることができる。
[第2実施形態]
以下、図29を参照して、本発明の第2実施形態に係る錠剤カセット101を説明する。図29は、第2実施形態に係る錠剤カセット101の縦断面図である。第2実施形態に係る錠剤カセット101は、伝達機構140の構成を除いて、第1実施形態に係る錠剤カセット1と同様の構成を有している。第2実施形態に係る錠剤カセット101において、第1実施形態に係る錠剤カセット1と同様の構成には、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
図29を参照すると、本実施形態に係る伝達機構140は、第1回転シャフト141と、第1軸受部材142と、第2軸受部材143と、第2回転シャフト144と、第1歯車145と、第2歯車146とを備える。
第1回転シャフト141は、円柱状である。第1回転シャフト141の上端は、第1ロータ20の本体部21に固定されている。第1回転シャフト141の下端は、駆動源(図示せず)に機械的に接続された第1歯車145に固定されている。
第2回転シャフト144は、円筒状である。第2回転シャフト144の上端は、第2ロータ30に固定されている。第2回転シャフト144の下端は、駆動源(図示せず)に機械的に接続された第2歯車146に固定されている。第1回転シャフト141に機械的に接続された駆動源と、第2回転シャフト144に機械的に接続された駆動源とは異なっている。第2回転シャフト144は、第1回転シャフト141と同軸に配置されている。また、第2回転シャフト144の内部には、第1回転シャフト141が配置されている。
第2回転シャフト144は、第1軸受部材142及び第2軸受部材143の支持によって、回転軸線Cを中心にして回転可能なように構成されている。また、第1回転シャフト141は、第2回転シャフト144に対して回転自在に配置されている。
第1歯車145は、モータのような外部の駆動源(図示せず)で駆動される駆動歯車(図示せず)と噛み合うように構成されている。言い換えれば、本実施形態の第1歯車145は、従動歯車である。
第2歯車146は、モータのような外部の駆動源(図示せず)で駆動される駆動歯車(図示せず)と噛み合うように構成されている。言い換えれば、本実施形態の第2歯車146は、従動歯車である。
モータのような外部の駆動源(図示せず)によって、第1歯車145が駆動されることで、第1回転シャフト141は回転軸線Cを中心にして正転または逆転する。第1ロータ20は、第1回転シャフト141が回転軸線Cを中心にして正転または逆転することで、回転軸線Cを中心にして正転または逆転する。同様に、モータのような外部の駆動源(図示せず)によって、第2歯車146が駆動されることで、第2回転シャフト144は回転軸線Cを中心にして正転または逆転する。第2ロータ30は、第2回転シャフト144が回転軸線Cを中心にして正転または逆転することで、回転軸線Cを中心にして正転または逆転する。第1ロータ20と第2ロータ30とは、互いに独立して回転できる。
本実施形態の錠剤カセット101は、第1実施形態の錠剤の払い出し動作を同様に実行できる。また、本実施形態の錠剤カセット101では、第1ロータ20と第2ロータ30とは、互いに独立して正転または逆転できるので、第1実施形態の錠剤の払い出し動作と異なり、第2ロータ30のみを正転させたいときに、第1ロータ20をともに正転させる必要はない。
第2実施形態に係る錠剤カセット101は、第1実施形態に係る錠剤カセット1と同様の機能を有する。
また、本実施形態の錠剤カセット101によれば、第1回転シャフト141と第2回転シャフト144とをそれぞれ別の駆動源を用いて回転させることができる。この場合、第1回転シャフト141と第2回転シャフト144とをそれぞれ独立して回転させることができるので、第1ロータ20および第2ロータ30に、一錠または半錠の払い出しに適した動作をさせることができる。
本発明は、前記第1および第2実施形態に限るものではなく、発明の要旨を変更することなく、変形や修正が可能である。
例えば、前記第1および第2実施形態において、本発明に係る第1案内部の一例として、溝状の第1案内路23を挙げて説明したが、本発明に係る第1案内部は、これに限定されない。例えば、本発明に係る第1案内部は、第1ロータ20の外側面に設けられた溝でなくてもよく、第1ロータ20の内部に設けられた通路であってもよいし、第1ロータ20の外側面に設けられた錠剤を保持する突起であってもよい。
例えば、前記第1および第2実施形態において、本発明に係る第2案内部の一例として、溝状の第2案内路33を挙げて説明したが、本発明に係る第2案内部は、これに限定されない。例えば、本発明に係る第2案内部は、第2ロータ30の外側面に設けられた溝でなくてもよく、第2ロータ30の内部に設けられた通路であってもよい。
例えば、前記第1および第2実施形態において、本発明に係る第3案内部の一例として、溝状の第3案内路34を挙げて説明したが、本発明に係る第3案内部は、これに限定されない。例えば、本発明に係る第3案内部は、第2ロータ30の外側面に設けられた溝でなくてもよく、第2ロータ30の内部に設けられた通路であってもよい。
本発明に係る錠剤カセットは、以下の第3および第4実施形態に示すように構成されてもよい。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る錠剤カセット201を説明する。図30は、第3実施形態に係る錠剤カセット201の第1ロータ220の構成を説明するための模式図である。図31は、第3実施形態に係る錠剤カセット201の第2ロータ230の構成を説明するための模式図である。第3実施形態に係る錠剤カセット201において、第1実施形態に係る錠剤カセット1と同様の構成には、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。また、第3実施形態では、第1実施形態と重複する記載は省略する。
図30を参照すると、本実施形態では、4つの第1案内路23が第1ロータ220の外周面に設けられている。4つの第1案内路23は、周方向に等間隔に配置されている。言い換えれば、4つの第1案内路23は、回転軸線Cを中心にして90度間隔で設けられている。
図31を参照すると、本実施形態では、4つの第2案内路33が第2ロータ230の外周面に設けられている。4つの第2案内路33は、周方向に等間隔に配置されている。言い換えれば、4つの第2案内路33は、回転軸線Cを中心にして90度間隔で設けられている。また、本実施形態の第2ロータ230は、第3案内路を有しない。
本実施形態では、第2実施形態と同様に、第1ロータ220と第2ロータ230とは、互いに独立して回転することができる。つまり、本実施形態の第1ロータ220と第2ロータ230とは、互いに独立して正転または逆転することができる。
本実施形態の中間仕切部材250は、径方向に移動可能である。具体的には、中間仕切部材250は、第2案内路33が第1案内路23から錠剤を受け取ることを制限する第1位置と、第2案内路33が第1案内路23から錠剤を受け取ることを許容する第2位置(図31に示す位置)とに径方向に移動可能である。中間仕切部材250は、第1位置にあるとき、中間周溝80(図32から図34に示す)内に突出して、周方向において、錠剤出口14が設けられた範囲に配置されている。言い換えれば、中間仕切部材250は、第1位置にあるとき、軸方向の一方側から見て、錠剤出口14と重なる位置に配置されている。
本実施形態の中間仕切部材250には、駆動軸251に固定された歯車(図示せず)と噛み合うラック(図示せず)が設けられている。これにより、駆動軸261の回転に伴って、中間仕切部材250が径方向に移動する。
本実施形態のカッタ部材270は、図31に示すように、周方向において、隣接する2つの第2案内路33の間に跨がるように回転軸線Cを中心にして70度に亘って設けられている。本実施形態のカッタ部材270のうち正転方向の下流側の端部は、周方向において、錠剤出口14が設けられた範囲に配置されている。具体的には、カッタ部材270のうち正転方向の下流側の端部は、錠剤出口14を周方向において三分割したときに正転方向の最も上流側に位置する範囲に配置されている。また、カッタ部材270のうち正転方向の上流側の端部は、正転方向の下流側の端部よりも70度上流側に位置している。
(錠剤カセットの錠剤払い出し動作)
以下、本実施形態に係る錠剤払い出し動作を説明する。図32から図34は、第3実施形態に係る錠剤払い出し動作における第1ロータ220、第2ロータ230、上側仕切部材260、中間仕切部材250、およびカッタ部材270の周方向に沿った模式的な展開図である。図32から図34において、左右方向が周方向に対応している。図32から図34において、右側から左側に向かう方向が正転方向であり、左側から右側に向かう方向が逆転方向である。
(整数錠払い出し動作)
本実施形態の整数錠払い出し動作では、まず、制御装置は、第2ロータ230を正転させて、図32に示すように、第2ロータ230の第2案内路33を周方向において錠剤出口14と位置合わせさせる。具体的には、第2ロータ230の第2案内路33を、錠剤出口14を周方向において三分割したときに中央に位置する領域に位置合わせさせる。また、制御装置は、中間仕切部材250を第2位置に位置させて、中間周溝80から退避させる。その後、制御装置は、第1ロータ220を逆転させる。このとき、第2ロータ230は、回転せずに停止している。第1案内路23が、錠剤出口14に位置合わせされた第2案内路33と周方向において位置合わせされると、第2案内路33内の一錠が錠剤出口14を通じて払い出される。
(半錠払い出し動作)
本実施形態の半錠払い出し動作では、図33に示すように、制御装置は、中間仕切部材250を第1位置に移動させて中間周溝80に突出させた後に、第1ロータ220および第2ロータ230を正転させる。第2案内路33がカッタ部材270を横切るときに、第2案内路33内の錠剤Tがカッタ部材270により2つの半錠T1,T2に分割される。2つの半錠T1,T2のうちカッタ部材270より軸方向の他方側(図33において下側)の半錠T1は、第2案内路33が錠剤出口14と周方向において位置合わせされたときに、錠剤出口14から錠剤カセット201の外部に払い出される。一方で、2つの半錠T1,T2のうちカッタ部材270より軸方向の一方側(図33において上側)の半錠T2は、カッタ部材270により支持されて、第2案内路33内に保持される。
半錠T1を払い出した後に一錠を払い出す場合、制御装置は、図33に示す状態から、第2ロータ230を逆転させ、図34に示すように、第2ロータ230の第2案内路33を錠剤出口14と周方向において位置合わせさせる。具体的には、第2ロータ230の第2案内路33を、錠剤出口14を周方向において三分割したときに正転方向の最も下流側に位置する領域に位置合わせさせる。錠剤出口14と周方向において位置合わせされた第2案内路33内に一錠が保持されている場合、図34に示すように、この一錠が錠剤出口14から払い出される。このとき、半錠T2は、カッタ部材270により支持されて、第2案内路33内に保持されている。なお、中間仕切部材250は、第1位置にある。
図33に示す状態から第2ロータ230を逆転させ、図34に示すように第2ロータ230の第2案内路33を錠剤出口14と周方向において位置合わせさせたときに、一錠が錠剤出口14から払い出されなかった場合、制御装置は、中間仕切部材250を第2位置に位置させて、中間周溝80から退避させる。その後、制御装置は、第1ロータ220を逆転させる。このとき、第2ロータ230は、回転せずに停止している。第1案内路23が、錠剤出口14に位置合わせされた第2案内路33と周方向において位置合わせされると、第2案内路33内の一錠が錠剤出口14を通じて払い出される。
図33または図34に示されるような、半錠T2がカッタ部材270により支持されて、第2案内路33内に保持されている状態から半錠を払い出す場合、制御装置は、図33または図34に示す状態から第2ロータ230を正転させる。第2ロータ230を正転させ、第2案内路33がカッタ部材270と周方向においてずれた位置に移動すると、第2案内路33内に保持されていた半錠T2が錠剤出口14から錠剤カセット201の外部に払い出される。このとき、第1位置にある中間仕切部材250により、第2案内路33が第1案内路23から錠剤を受け取ることが制限される。これにより、第1ロータ220の第1案内路23内に位置する錠剤が第2案内路33を通じて錠剤出口14から錠剤カセット201の外部に払い出されることを防止することができる。
第3実施形態では、中間仕切部材250が径方向に移動可能な例について説明したが、これに限定されない。中間仕切部材250は、図35に示す変形例のように、周方向に移動可能であってもよい。図35で示す変形例では、中間仕切部材250は、駆動軸251に固定された歯車と噛み合う歯車が固定された従動軸252に接続されている。これにより、駆動軸261の回転に伴って、中間仕切部材250は、周方向に移動する。
本発明の第3実施形態では、
錠剤が通過する錠剤出口を有し、錠剤を収容する収容部と、
前記収容部の内部に配置され、回転することにより前記収容部の内部の錠剤を前記錠剤出口に案内する第1案内部が設けられた第1ロータと、
前記第1案内部から錠剤を受け取り可能な第2案内部が設けられた第2ロータと、
前記第1案内部の錠剤を制限する第1仕切部材と、
前記第2案内部が前記第1案内部から錠剤を受け取ることを制限する第2仕切部材と、
前記第2案内部の内部に位置する錠剤を分割する分割部と
を備え、
前記第2仕切部材は、前記錠剤出口が設けられた範囲に位置し、前記第2案内部が前記第1案内部から錠剤を受け取ることを制限する第1位置と、前記第2案内部が前記第1案内部から錠剤を受け取ることを許容する第2位置とに移動可能である、錠剤払い出し装置を提供する。
[第4実施形態]
以下、図36から図41を参照して、本発明の第4実施形態に係る錠剤カセット301を説明する。図36は、第4実施形態に係る錠剤カセット301の第1ロータ320の構成を説明するための模式図である。図37は、第4実施形態に係る錠剤カセット301の第2ロータ330の構成を説明するための模式図である。第4実施形態に係る錠剤カセット301において、第1実施形態に係る錠剤カセット1と同様の構成には、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。また、第3実施形態では、第1実施形態と重複する記載は省略する。
図36を参照すると、本実施形態では、4つの第1案内路23が第1ロータ320の外周面に設けられている。4つの第1案内路23は、周方向に等間隔に配置されている。言い換えれば、4つの第1案内路23は、回転軸線Cを中心にして90度間隔で設けられている。
本実施形態の中間仕切部材350は、円弧状であり、周方向において、回転軸線Cを中心にして220度に亘って設けられている。中間仕切部材350のうち正転方向の下流側の端部は、錠剤出口14よりも正転方向の下流側に位置している。具体的には、中間仕切部材350のうち正転方向の下流側の端部は、錠剤出口14の中心よりも正転方向において40度下流側に位置している。中間仕切部材350のうち正転方向の上流側の端部は、錠剤出口14の中心よりも正転方向において180度上流側に位置している。
図37を参照すると、本実施形態では、4つの第2案内路33が第2ロータ330の外周面に設けられている。4つの第2案内路33は、周方向に等間隔に配置されている。言い換えれば、4つの第2案内路33は、回転軸線Cを中心にして90度間隔で設けられている。本実施形態では、第2ロータ330の第2案内路33は、周方向において、第1ロータ320の第1案内路23(図36に示す)と同じ位置に配置されている。また、本実施形態の第2ロータ330は、第1実施形態のような第3案内路を有しない。
本実施形態では、第1ロータ320と第2ロータ330とは一体に形成されており、1つのロータを構成する。このため、本実施形態の第2ロータ330は、第1ロータ320とともに正転または逆転する。また、本実施形態の錠剤カセット301は、ワンウェイクラッチを有しない。
本実施形態のカッタ部材370は、周方向において、回転軸線Cを中心にして70度に亘って設けられている。本実施形態のカッタ部材370のうち正転方向の下流側の端部は、周方向において、錠剤出口14が設けられた範囲に配置されている。また、カッタ部材370のうち正転方向の上流側の端部は、正転方向の下流側の端部よりも70度上流側に位置している。
本実施形態では、カッタ部材370よりも正転方向の上流側には延長部材371が配置されている。本実施形態の延長部材371は、ブラシ状である。延長部材371は、第2ロータ330が正転方向に回転したときに、第2案内路33内の一錠が第2ロータ330の回転に伴って周方向に移動することを許容するように変形する。また、延長部材371は、第2ロータ330が回転したときに、第2案内路33内の半錠が第2ロータ330の回転に伴って延長部材371により下方から支持されながら周方向に移動するように構成されている。
延長部材371は、周方向において、回転軸線Cを中心にして110度に亘って設けられている。延長部材371のうち正転方向の下流側の端部は、カッタ部材370のうち正転方向の上流側の端部に連なっている。延長部材371のうち正転方向の上流側の端部は、中間仕切部材350(図36に示す)のうち正転方向の上流側の端部と周方向において同じ位置に配置されている。
(錠剤カセットの錠剤払い出し動作)
以下、本実施形態に係る錠剤払い出し動作を説明する。具体的には、錠剤払い出し動作について、半錠、一錠、一錠、半錠の順番で錠剤を払い出す例を用いて説明する。図38から図41は、第4実施形態に係る錠剤払い出し動作における第1ロータ320、第2ロータ330、中間仕切部材350、カッタ部材370、および延長部材371の周方向に沿った模式的な展開図である。なお、図38から図41では、第1ロータ320、第2ロータ330の全周を示している。図38から図41において、左右方向が周方向に対応している。図38から図41において、右側から左側に向かう方向が正転方向であり、左側から右側に向かう方向が逆転方向である。
1番目の半錠は、図38に示すように、制御装置が、回転シャフト41を正転させて、第1ロータ220および第2ロータ230を正転させることにより、払い出される。第2案内路33がカッタ部材370を横切るときに、第2案内路33内の錠剤Tがカッタ部材370により2つの半錠T1,T2に分割される。2つの半錠T1,T2のうちカッタ部材370より軸方向の他方側(図38において下側)の半錠T1は、錠剤出口14から錠剤カセット301の外部に1番目の半錠として払い出される。一方で、2つの半錠T1,T2のうちカッタ部材370より軸方向の一方側(図38おいて上側)の半錠T2は、カッタ部材370により支持されて、第2案内路33内に保持される。
2番目の一錠は、図39に示すように、制御装置が、回転シャフト41を逆転させて、第1ロータ320および第2ロータ330を図38に示す状態から逆転させることにより、払い出される。このとき、半錠T2は、延長部材371により支持されて、第2案内路33内に保持されている。
3番目の一錠は、図40に示すように、制御装置が、回転シャフト41を逆転させて、第1ロータ320および第2ロータ330を図39に示す状態からさらに逆転させることにより、払い出される。このとき、半錠T2は、延長部材371により支持されて、第2案内路33内に保持されている。
4番目の半錠は、図41に示すように、制御装置が、回転シャフト41を正転させて、第1ロータ320および第2ロータ330を図40に示す状態から正転させることにより、払い出される。具体的には、1番目の半錠および2,3番目の一錠が払い出されるときにカッタ部材370または延長部材371により支持されて第2案内路33内に保持されていた半錠T2が、4番目の半錠として払い出される。
図38から図41に示す例では、1番目の半錠T1を払い出すときに、1番目の半錠T1が位置する第2案内路33よりも正転方向の下流側に隣接する第2案内路33(以下、第2案内路33Aという)内に一錠が保持されていたが、これに限定されない。例えば、中間仕切部材350のうち正転方向の下流側の端部を図38から図41に示す例よりも正転方向の下流側に位置させて、1番目の半錠T1を払い出すときに第2案内路33Aへの第1案内路23からの錠剤の受け渡しを中間仕切部材350により規制してもよい。このとき、1番目の半錠T1を払い出したときに、第2案内路33内Aに一錠が保持されない。この場合、1番目の半錠T1を払い出した後に、第1ロータ320および第2ロータ330を正転させて、第2案内路33Aが第1案内路23から錠剤を受け取るようにしてもよい。このとき、中間仕切部材350のうち正転方向の下流側の端部の位置と、カッタ部材370のうち正転方向の下流側の端部の位置とは、カッタ部材370により支持されている半錠T2が第1ロータ320および第2ロータ330の正転により払い出されないように設定されることが好ましい。例えば、カッタ部材370のうち正転方向の下流側の端部の位置および錠剤出口14のうち正転方向の下流側の端部の位置を図38から図41に示す例よりも正転方向の下流側に位置させてもよい。
図38から図41に示す例では、2番目の一錠を払い出した後に第1ロータ320および第2ロータ330を更に逆転させて、3番目の一錠を払い出していたが、これに限定されない。2番目の一錠を払い出した後に第1ロータ320および第2ロータ330を正転させて、2番目の一錠を払い出した第2案内路33が第1案内路23から新たに一錠を受け取った後に第1ロータ320および第2ロータ330を逆転させて3番目の一錠を払い出してもよい。この場合、延長部材371のうち正転方向の上流側の端部の位置は、2番目の一錠を払い出すときに第2案内路33内に保持されている半錠T2が下側周溝35よりも下側に落下しないように設定されていればよい。
本発明の第4実施形態では、
錠剤が通過する錠剤出口を有し、錠剤を収容する収容部と、
前記収容部の内部に配置され、回転することにより前記収容部の内部の錠剤を前記錠剤出口に案内する複数の案内部が設けられたロータと、
前記案内部の最下部への錠剤の進入を制限する仕切部材と、
前記錠剤出口が設けられた範囲に少なくとも一部が配置され、前記案内部の最下部に位置する錠剤を2つの半錠に分割する分割部と、
前記分割部に対して前記錠剤出口とは反対側に前記ロータの回転方向に沿って延びた延長部材と
を備え、
前記延長部材は、前記案内部の最下部に位置する錠剤が前記ロータの回転に伴って移動するとともに、前記案内部の最下部に位置する前記2つの半錠のうちの一方の半錠が前記ロータの回転に伴って前記延長部材に支持されながら移動するように構成されている、錠剤払い出し装置を提供する。