JP7494946B2 - ヒータ制御装置 - Google Patents

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本開示は、ヒータ制御装置に関する。
本出願は、2021年1月29日付の日本国出願の特願2021-12977に基づく優先権を主張し、前記日本国出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
特許文献1は、半導体ウエハの上に金属薄膜を設ける成膜装置を開示する。この成膜装置は、載置台に設けられた加熱手段と、載置台に載せられた半導体ウエハの温度を検出する温度検出部と、加熱手段の発熱量を制御する制御手段と、載置台の下部を支持する支持部材とを備える。加熱手段は、半導体ウエハの中央部と周縁部とをそれぞれ加熱するための第一のヒータ及び第二のヒータを備える。制御手段は、載置台の中央部の温度検出値に基づいて第一のヒータの供給電力を制御する。さらに制御手段は、第一のヒータの供給電力に対して予め定められた比率の電力を第二のヒータに供給するように構成されている。
特開2009-74148号公報
本開示のヒータ制御装置は、円板状の形状を有する基材と、前記基材に同軸状に取り付けられた筒状の支持体と、前記基材の中心を含む領域に配置された第一発熱体と、前記第一発熱体と同心状に配置された少なくとも一つの第二発熱体と、前記第一発熱体の第一温度を測定する温度センサと、前記少なくとも一つの第二発熱体に供給される電流を測定する少なくとも一つの電流センサと、前記第一温度が目標温度に近づくように第一制御信号を出力する第一温度調節器と、前記第一制御信号に応じて前記第一発熱体に供給される第一電力を制御する第一電力制御器と、前記第二発熱体に供給される第二電力を制御する第二電力制御器と、前記第二発熱体の温度を求める演算器とを備える。前記基材は、加熱対象が載置される第一面と、前記第一面と向かい合う第二面とを有する。前記筒状の支持体は、前記第二面に取り付けられている。前記温度センサは、前記筒状の支持体の内側に配置される。前記第二電力制御器は、前記第一電力に対して予め設定された比率となるように前記第二電力を位相制御方式により制御する。前記演算器は、前記少なくとも一つの電流センサの測定値に基づいて前記第二発熱体の温度を求める。
図1は、実施形態1に係るヒータ制御装置の機能ブロック図である。 図2は、発熱体の配置領域を示す基材の平面図である。 図3は、基材内における発熱体の配置を示す縦断面図である。 図4は、位相制御方式の説明図である。 図5は、実施形態1において第二電力を出力するまでの処理手順を示すフローチャートである。 図6は、実施形態1において第二温度を出力するまでの処理手順を示すフローチャートである。 図7は、実施形態1における発熱体の温度プロファイルの一例を示すグラフである。 図8は、温度保持時における発熱体の温度プロファイルの一例を示すグラフである。 図9は、図8における処理状態での温度プロファイルの一例を拡大して示すグラフである。 図10は、実施形態2に係るヒータ制御装置の機能ブロック図である。 図11は、実施形態2において第二電力を出力するまでの処理手順を示すフローチャートである。 図12は、変形例1において、発熱体の配置領域を示す基材の平面図である。 図13は、変形例1において、発熱体の配置領域を示す基材の縦断面図である。 図14は、変形例2に係るヒータ制御装置の機能ブロック図である。 図15は、変形例3に係るヒータ制御装置の機能ブロック図である。
[本開示が解決しようとする課題]
複数の発熱体を有するマルチゾーンヒータにおいて、ウエハ面内でのさらなる均熱性の向上が求められている。
特許文献1に記載の成膜装置では、第一のヒータは温度検出部の検出値に基づいて供給電力が制御されている。これに対し、第二のヒータには、第一のヒータの供給電力に対して所定の比率の電力が供給されるが、ウエハの周縁部の温度を検出する温度検出部はない。そのため、第二のヒータの温度を把握することで、上記均熱性を改善することが望まれる。
一方で、マルチゾーンヒータにおいて、各発熱体に温度センサを設け、それらセンサの検出値に基づいて各ヒータを制御することは難しい。成膜装置では、腐食性ガスを取り扱うことがある。発熱体、電極、及び温度センサなどに使用される金属は腐食性ガスに弱いため、耐腐食性の高いセラミックス材料で保護される必要がある。特許文献1に記載の成膜装置では、セラミックス材料からなる筒状の支持部材の内側に電極や温度センサが集約して配置されている。そのため、サイズの制約がある支持部材内に複数の温度センサを配置することは困難である。この困難性は、発熱体の数が増えると電極数や温度センサの数も増えるため、一層顕著になる。
本開示の目的の一つは、マルチゾーンのヒータ制御装置において、個々の発熱体に温度センサを設けることなく、各発熱体に対応するゾーンの温度を把握できるヒータ制御装置を提供することにある。
さらに本開示の別の目的の一つは、マルチゾーンのヒータ制御装置において、個々の発熱体に温度センサを設けることなく、各発熱体に対応するゾーンの温度制御が可能なヒータ制御装置を提供することにある。
[本開示の効果]
上記ヒータ制御装置によれば、個々の発熱体に温度センサを設けることなく、各発熱体に対応するゾーンの温度を把握できる。
[本開示の実施形態の説明]
以下、本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態に係るヒータ制御装置は、円板状の形状を有する基材と、前記基材に同軸状に取り付けられた筒状の支持体と、前記基材の中心を含む領域に配置された第一発熱体と、前記第一発熱体と同心状に配置された少なくとも一つの第二発熱体と、前記第一発熱体の第一温度を測定する温度センサと、前記少なくとも一つの第二発熱体に供給される電流を測定する少なくとも一つの電流センサと、前記第一温度が目標温度に近づくように第一制御信号を出力する第一温度調節器と、前記第一制御信号に応じて前記第一発熱体に供給される第一電力を制御する第一電力制御器と、前記第二発熱体に供給される第二電力を制御する第二電力制御器と、前記第二発熱体の温度を求める演算器とを備え、前記基材は、加熱対象が載置される第一面と、前記第一面と向かい合う第二面とを有し、前記筒状の支持体は、前記第二面に取り付けられ、前記温度センサは、前記筒状の支持体の内側に配置され、前記第二電力制御器は、前記第一電力に対して予め設定された比率となるように前記第二電力を位相制御方式により制御し、前記演算器は、前記少なくとも一つの電流センサの測定値に基づいて前記第二発熱体の温度を求める。
上記ヒータ制御装置によれば、第一発熱体の第一温度は、温度センサにより検出される。第一発熱体に供給される第一電力は、温度センサの検出温度に基づいて制御される。一方、第二発熱体の温度は、電流センサの測定値に基づいて演算器により求められる。そのため、第二発熱体の温度又は第二発熱体が配置されるゾーンの温度を検出する温度センサがなくても第二発熱体の温度を把握できる。第二発熱体に供給される第二電力は、第一電力に対して予め設定された比率となるように制御される。第二電力は、位相制御方式により制御されるため、高精度に制御することができる。その結果、第二発熱体の温度も高精度に把握することができる。
(2)上記ヒータ制御装置の一形態として、前記演算器は、前記第一温度、前記第二発熱体の第二電圧、及び予め定めた係数を用いて前記第二発熱体の温度を演算し、前記係数は、前記第二発熱体の抵抗と前記第二発熱体の温度との関係を表す係数であってもよい。
上記形態は、第二発熱体に供給される電流及び第二電圧を用いて、第二発熱体の抵抗を求めることができる。さらに、第二発熱体の抵抗と第二発熱体の温度との関係を表す係数を用いることで、第二発熱体の温度を求めることができる。
(3)予め定めた係数を用いて前記第二発熱体の温度を演算する上記ヒータ制御装置の一形態として、前記係数は、予め定めた複数の係数から前記第一温度に応じて選択された係数であってもよい。
上記形態は、温度センサの測定結果、つまり第一発熱体の第一温度に応じて、異なる係数を用いることで、より精度よく第二発熱体の温度を求めることができる。第二発熱体には、第一発熱体に供給される電力と所定の比率となる電力が供給される。つまり、第二発熱体の温度は、第一発熱体の温度と関係する。一方、第二発熱体の温度と抵抗の関係は、室温での抵抗と最高温度での抵抗との関係のみから求めた係数では、温度域によって正確に第二発熱体の温度を求めることが難しい。そのため、第一発熱体の温度に応じて、異なる係数を用いることで、より正確に第二発熱体の温度を演算できる。
(4)予め定めた係数を用いて前記第二発熱体の温度を演算する上記ヒータ制御装置の一形態として、前記複数の係数は、前記第一発熱体及び前記第二発熱体の昇温時、温度保持時、及び降温時で異なってもよい。
上記形態は、第二発熱体の昇温時、温度保持時、降温時の各段階で同じ係数を用いる場合に比べてより精度よく第二発熱体の温度を求めることができる。上記各段階は、温度履歴が大きく異なる。そのため、これらの各段階で共通する係数を用いたのでは、正確に第二発熱体の温度を求めることが難しい。特に、温度保持時は、昇温時及び降温時に比べて単位時間当たりの温度変化量が僅かである。よって、昇温から降温に至る過程の異なる段階に応じて異なる係数を用いることで、より精度よく第二発熱体の温度を求めることができる。
(5)予め定めた係数を用いて前記第二発熱体の温度を演算する上記ヒータ制御装置の一形態として、前記係数は、前記温度保持時に、前記第一面に前記加熱対象が載置されていない状態で測定された前記第一温度に基づいて求められてもよい。
上記形態は、加熱対象を第一面に載せて予備試験を行うことなく係数を求めることができる。よって、予備試験で加熱対象を用意する必要がない。予備試験は、上記係数を求めるために、温度保持時における目標温度に第一発熱体を加熱して、第二発熱体の温度と抵抗との関係を調べる試験である。求められる第二発熱体の温度の正確性を重視すれば、基材の第一面に加熱対象を載せて予備試験を行うには加熱対象を用意しなければならない。これに対し、加熱対象を第一面に載せない状態で予備試験を行えば、加熱対象を用いなくても係数を求めることができる。
(6)上記ヒータ制御装置の一形態は、前記第二発熱体の温度及び前記第二発熱体の温度が適正範囲にあるか否かの判定結果の少なくとも一方を表示又は外部装置に送信する外部出力部を備えてもよい。
上記形態は、外部出力部を備えることで、第二発熱体の温度である第二温度や上記判定結果をユーザに知らせることができる。外部出力部の具体例としては、第二温度の表示器や、第二温度が所定の範囲を外れた場合に出力される警報装置、或いは外部に設けられた他の機器へ通信を行うデータ出力インターフェイスなどが挙げられる。
(7)上記ヒータ制御装置の一形態は、さらに第二温度調節器を備え、前記第二温度調節器は、前記第二発熱体の温度が目標温度に近づくように前記比率を調整するための第二制御信号を出力し、前記第二電力制御器は、前記第二制御信号により調整された前記比率に応じて前記第二電力を制御してもよい。
上記形態は、第二温度調節器を備えることで、上記比率を調整し、第二発熱体の温度を精度よく制御することができる。
(8)上記ヒータ制御装置の一形態は、さらに第三温度調節器を備え、前記第三温度調節器は、前記第二発熱体の温度と前記第一温度との差が前記第二発熱体の温度と第一温度のそれぞれの目標温度の差になるように前記比率を調整するための第三制御信号を出力し、前記第二電力制御器は、前記第三制御信号により調整された前記比率に応じて前記第二電力を制御してもよい。
上記形態は、第三温度調節器を備えることで、上記比率を調整し、第二発熱体の温度を精度よく制御することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係るヒータ制御装置を図面に基づいて説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にする目的で表現されており、必ずしも実際の寸法関係等を表すものではない。
[実施形態1]
図1から図4を参照して、実施形態1に係るヒータ制御装置1を説明する。このヒータ制御装置1は、ウエハの表面に薄膜を形成する成膜装置に利用できる。成膜装置は、雰囲気ガスの制御ができるチャンバー内に基材10及び支持体20を備える。チャンバーの図示は省略する。図1において、各発熱体30は基材10の周方向の一部に配置されていない箇所があるが、実際の装置では基材10の全体に満遍なく発熱体30が配置されている。
<全体構成>
図1に示すように、ヒータ制御装置1は、基材10と、支持体20と、複数の発熱体30と、温度センサ40と、電流センサ50と、制御器60とを備える。基材10は、図3に示す加熱対象Wが載置される第一面10aと、第一面10aに向かい合う第二面10bとを備える。以下の説明では、基材10の第一面10a側を「上」とし、第二面10b側を「下」ということがある。支持体20は、基材10の下方に取り付けられている。複数の発熱体30は、図1及び図3に示すように、基材10の内部に配置されている。複数の発熱体30は、第一発熱体31と一つ以上の第二発熱体32とを備える。本例では、説明の便宜上、一つの第二発熱体32を備える場合を例として説明する。温度センサ40は第一発熱体31の温度を検知する。電流センサ50は、第一発熱体31に流れる第一電流を測定する第一電流センサ51と、第二発熱体32に流れる第二電流を測定する第二電流センサ52とを備える。制御器60は、主に第一発熱体31及び第二発熱体32に供給される電力を制御する。実施形態1の特徴の一つは、第二発熱体32には温度センサを設けることなく第一発熱体31のみに温度センサ40を設け、第二発熱体32の温度を把握できるように構成したことにある。以下、各構成をより詳しく説明する。
<基材>
基材10は円板状の形状を有する。基材10は、第一面10aと第二面10bとを備える。第一面10aと第二面10bとは互いに向かい合っている。第一面10aには、図3に示す加熱対象Wが載置される。加熱対象Wは、例えばシリコンや化合物半導体等のウエハである。第二面10bには、後述する支持体20が取り付けられている。第二面10bには、図3に示す複数の端子30tが嵌め込まれる複数の穴が設けられている。
基材10は、図2に示すように、同心状に複数の領域に区切られている。本例の基材10は、内側領域10iと外側領域10eとに区切られている。内側領域10iは、基材10の中心を中心とした円形状の領域である。基材10の中心とは、平面視した基材10の輪郭で構成された円の中心のことである。内側領域10iの直径は、基材10の直径の80%以下である。内側領域10iの直径が基材10の直径の80%以下であることで、第一発熱体31の外側に一つ以上の第二発熱体32を配置可能な面積を確保できる。内側領域10iの直径は、更に基材10の直径の50%以下であってもよい。内側領域10iの直径は、基材10の直径の10%以上であってもよい。第一発熱体31の直径が基材10の直径の10%以上であることで、基材10の中心に第一発熱体31を配置可能な面積を確保できる。外側領域10eは、内側領域10iの外側に位置する環状の領域である。複数の領域に対応して、後述する複数の発熱体30が配置されている。
基材10の材質は、公知のセラミックスが挙げられる。セラミックスとしては、例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化珪素等が挙げられる。基材10の材質は、上記セラミックスと金属との複合材料で構成されていてもよい。金属としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等が挙げられる。本例の基材10の材質は、セラミックスである。
<支持体>
支持体20は、図1及び図3に示すように、基材10を第二面10b側から支持している。支持体20は、ヒータ制御装置1を第一面10a側から平面視したときに複数の端子30tを囲むように第二面10bに取り付けられている。支持体20の形状は、特に限定されない。本例の支持体20は、円筒状部材である。支持体20は、基材10と同心状に配置されている。本例では、円筒状の支持体20の中心と、円板状の基材10の中心とが同軸となるように、基材10と支持体20とが接続されている。
支持体20の両端部は、外側に屈曲したフランジ部21を備える。上端部のフランジ部21と第二面10bとの間には、図示しないシール部材が配置されている。シール部材によって、支持体20の内部はシールされている。別の形態として、シール部材を用いずに気密を保つために第二面10bとフランジ部21とが接合されていてもよい。基材10及び支持体20が配置されるチャンバー内には、代表的には、腐食性ガスが充満される。支持体20の内部の気密が保たれることで、支持体20の内部に収納された複数の端子30tや複数の電力線30cなどを腐食性ガスから隔離することができる。
支持体20の材質は、基材10の材質と同様に、公知のセラミックスが挙げられる。支持体20の材質と基材10の材質とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
<第一発熱体及び第二発熱体>
複数の発熱体30の各々は、基材10を介して加熱対象Wを加熱する熱源である。第一発熱体31は、図1及び図3に示すように基材10の中心を含む円形領域、即ち内側領域10iに配置されている。一つ以上の第二発熱体32は、基材10及び第一発熱体31と同心状に配置されている。一つ以上の第二発熱体32は、基材10の中心と同心状の環状領域、即ち外側領域10eに配置されている。第一発熱体31と一つ以上の第二発熱体32とは、基材10の厚さ方向に間隔をあけて配置されている。第一発熱体31及び第二発熱体32の各々は、図3に示す端子30tを介して電力線30cにつながっている。この電力線30cを介して各発熱体30には図示しない電源から電力が供給される。
第一発熱体31及び第二発熱体32の形状は、特に限定されない。基材10を第一面10a側から平面視したとき、第一発熱体31及び第二発熱体32の外周輪郭線の形状は、一般的には円形である。複数の発熱体30は、基材10及び支持体20と同心状に配置されている。よって、複数の発熱体30同士も同心状に配置されている。ここでの同心状とは、ヒータ制御装置1を第一面10a側から平面視したとき、各発熱体30の包絡円が共通する中心を有し、かつ各包絡円の直径が異なることを言う。この包絡円の中心は、基材10の中心と一致する。図1や図3では、第一発熱体31及び第二発熱体32を簡略化して示しているが、これら複数の発熱体30は同心状に配置されている。本明細書において、中心側とは包絡円の中心側のこと、外側とは中心から包絡円の径方向に離れる側のことを言う。
複数の発熱体30は、図1及び図3に示すように、一つの第一発熱体31と、一つ以上の第二発熱体32とを備える。本例では第二発熱体32は一つである。後述する変形例1で示すように、第二発熱体32は複数設けられていてもよい。一つ以上の第二発熱体32の包絡円の直径は、第一発熱体31の包絡円の直径よりも大きい。基材10を第一面10a側から平面視したとき、各発熱体30は、上記の各包絡円の径方向に部分的に重なって配置されていてもよいし、重なることなく間隔をあけて配置されていてもよい。
各発熱体30は、図1及び図3に示すように、基材10の内部に配置されている。各発熱体30は、基材10の厚さ方向に間隔をあけて層状に配置されている。本例の各発熱体30は、第一面10aと平行な層に配置されている。第一発熱体31は、基材10の厚さ方向で最も第一面10a側に位置する第一層に配置されている。第一発熱体31が第一層に配置されていることで、第一発熱体31と第二面10bとの間の長さを長く確保できる。また、第一発熱体31は、第一層に配置されていることで、第一発熱体31が第一層以外の層に配置されている場合に比較して、回路パターンの自由度が高い。第一層に配置された第一発熱体31は、第二発熱体32に接続された端子30tを回避して配置する必要がないからである。第二発熱体32は、第一発熱体31よりも第二面10b側に配置されている。第二発熱体32が複数設けられている場合、個々の第二発熱体32も基材10の厚さ方向に間隔をあけて層状に配置されている。
各発熱体30の材質は、加熱対象Wを所望の温度に加熱できる材質であれば特に限定されない。各発熱体30の材質は、抵抗加熱に好適な公知の金属が挙げられる。金属としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、銀、銀合金、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、クロム、及びクロム合金からなる群より選択される1種が挙げられる。ニッケル合金としては、例えば、ニクロムが挙げられる。
各発熱体30は、例えば、スクリーン印刷法とホットプレス接合法とを組み合わせて製造できる。本例の場合、以下の手順で製造できる。3枚のセラミックス基板と、各発熱体30を転写できるスクリーンマスクとを用意する。スクリーンマスクは、第一発熱体31、第二発熱体32の各回路パターンを作製可能なものを用いる。2枚のセラミックス基板の各々に、作製する回路パターンのスクリーンマスクを置く。発熱体30となるペーストをスクリーンマスクが載せられたセラミックス基板に塗布する。スキージを使用して発熱体30をセラミックス基板に転写する。発熱体30の転写後、スクリーンマスクを除去する。以上により、第一発熱体31が転写された第一基板と、第二発熱体32が転写された第二基板とが得られる。第一基板、第二基板、及び発熱体を転写していないセラミックス基板を順に貼り合わせてホットプレスで接合する。この接合によって、基材10の内部に各発熱体30が配置される。
<温度センサ>
温度センサ40は、第一発熱体31の第一温度を測定するセンサである。温度センサ40としては、市販の熱電対や測温抵抗体が好適に利用できる。測温抵抗体には、白金測温抵抗体であるPT100などが挙げられる。
この温度センサ40の配置箇所は、基材10の内部である。本例では、基材10の内部のうち、基材10を平面視したとき、支持体20の内周面よりも内側の領域に温度センサ40が配置されている。つまり、請求項における「温度センサは筒状の支持体の内側に配置され」とは、支持体20を軸方向に見た場合、支持体20の内周面の輪郭線よりも内側に温度センサ40が位置することをいう。特に、温度センサ40は、第一発熱体31の近傍に配置されていることが好ましい。第一発熱体31の近傍に設置した温度センサ40で測定される温度は、第一発熱体31自体の温度ではなく、第一発熱体31が配置される基材10の内側領域10iの温度である。但し、この内側領域10iの温度も第一発熱体31の第一温度とみなす。
<電流センサ>
電流センサ50は、発熱体30に流れる電流を検知するセンサである。本例では、第一発熱体31に流れる第一電流を検知する第一電流センサ51と、第二発熱体32に流れる第二電流を検知する第二電流センサ52とを備える。第二電流センサ52が請求項1における電流センサに相当する。第二発熱体32が複数ある場合、第二電流センサ52は、各第二発熱体32に設けられる。第一電流センサ51は第一発熱体31につながる電力線30cに、第二電流センサ52は第二発熱体32につながる電力線30cにそれぞれ設けられている。この電流センサ50は、市販のCT(Current Tansmitter)で代表されるセンサが利用できる。本例において、第一電流又は第二電流は、第一発熱体31又は第二発熱体32に流れる電流の実効値を所定時間内に平均化して電気的雑音を除去した値としている。
<制御器>
制御器60は、ヒータ制御装置1の動作に必要な各部の制御を行う。より具体的には、制御器60は、第一温度調節器61、第一電力制御器63、第二電力制御器64、演算器65及びメモリ66を備える。制御器60は、代表的には、CPU(Central Processor Unit)またはDSP(Digital Signal Processing)等を含むプロセッサによって実現される。代表的には、プロセッサは、バスと、バスに接続されたCPU、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力I/F(Interface)などを含む。プロセッサの数は、制御器60に一つ以上備えれられていればよく、複数備えられていてもよい。第一温度調節器61、第一電力制御器63、第二電力制御器64、演算器65及びメモリ66は、個別のハードウェアで構成されてもよいし、一つの制御器60の一部の構成要素として構成されてもよい。メモリ66には、後述する制御手順をプロセッサに実行させるためのプログラムが格納されている。プロセッサは、メモリ66に格納されたプログラムを読み出して実行する。プログラムは、第一温度調節器61、第一電力制御器63、第二電力制御器64、及び演算器65での処理に関するプログラムコードを含む。
・第一温度調節器
第一温度調節器61は、上記第一温度が目標温度に近づくように第一制御信号を出力する。この第一温度調節器61での制御は、PID制御が利用できる。PID制御は、フィードバック制御の一種であり、入力値の制御を出力値と目標値との偏差(P)、その積分(I)、および微分(D)の3つの動作によって行う制御方法である。偏差に応じた操作量を出力する比例動作によりハンチングの小さい滑らかな温度制御が行える。積分動作でオフセットを自動的に修正できる。微分動作で外乱に対する応答を速くすることができる。
目標温度はユーザにより設定された温度である。第一温度調節器61は、目標温度と第一発熱体31の現在温度、即ち第一温度を元にPID演算を行って、第一制御信号を第一電力制御器63に出力する。
・第一電力制御器
第一電力制御器63は、第一制御信号に応じて第一発熱体31に供給される第一電力を制御する。第一制御信号が入力された第一電力制御器63は、第一制御信号に対応した第一電力を第一発熱体31に供給する。第一電力は、第一電流と第一電圧との積により演算される。第一電流は、上述したように第一電流センサ51の測定値である。第一電圧は、第一発熱体31に印加される電圧である。この第一電圧は後述するように演算により求められる。
第一電力の制御は、位相制御方式により行われる。位相制御方式とは、電源周波数の半サイクルごとに点弧位相角を制御することにより、負荷に加わる電圧を0%から100%の範囲で制御する方式である。第一電力制御器63には、スイッチング素子が好適に用いられる。スイッチング素子の具体例としては、トライアックが挙げられる。トライアックは、2個のサイリスタを逆並列に接続することで、1つのゲートの開閉で双方向の電流を制御できる素子である。
位相制御方式の概要を図4に基づいて説明する。図4は、電源からの供給電流の電流波形を正弦波として示している。トライアックのゲートにゲート信号が入力されると、ゲートが開くことでトライアックがオンになり電流が流れる。図4における正弦波のうち、ハッチングで示される領域の電流が出力される。本例では、ゲート信号は一定の幅wのパルス信号である。ゲート信号がなくなっても、トライアックはオンのままであり電流は流れ続ける。トライアックに流れる電流がゼロになると、トライアックは自動的にオフになり電流は流れなくなる。上記ゲート信号を与えるタイミングにより、トライアックは第一電流を0%から100%までの範囲で所望の電流に出力できる。本例での位相制御時の出力モードは、電圧比例自乗制御である。電圧比例自乗制御は、ゲートの開き具合に対応する操作量MVに対して出力電圧の実効値Vrmsの自乗が比例するモードである。操作量MVと図4の操作位相角θとは、MV=θ-(1/2π)sin(2θπ)の関係にある。
一方、電源からの供給電圧も正弦波で表される。その電源からの供給電圧は既知であるため、上述のように電源からの電流波形に対してゲート信号が入力されるタイミング、換言すればゲートの開き具合により第一電圧も演算により把握できる。この第一電圧の演算及び第一電力の演算は、後述する演算器65により行われる。
・第二電力制御器
第二電力制御器64は、第二発熱体32に供給される第二電力を制御する。より具体的には、第二電力制御器64は、第一電力に対して予め設定された比率となるように第二電力を制御する。この比率は、ユーザが予め設定する比率である。例えば、第一電力:第二電力が1.0:0.8となるように比率が設定される。第二発熱体32が複数ある場合、個々の発熱体30の第二電力も第一電力に対して予め設定された比率となるように制御される。例えば、第二発熱体32が2つある場合、第一電力:第二電力A:第二電力B=1.0:0.8:0.6とする。第二電力Aは、2つの第二発熱体32の一方の第二電力である。第二電力Bは、2つの第二発熱体32の他方の第二電力である。
発熱体30の昇温、温度保持、降温の一連の温度プロファイルにおいて、異なる比率を設定することができる。通常、この比率は、昇温時、温度保持時、及び降温時の各段階で異なる。昇温時及び降温時は、各段階の開始から終了までの間において、温度域によって比率が異なってもよい。例えば、室温から400℃までの間は第一電力:第二電力を1.0:0.8とし、400℃から450℃までの間は第一電力:第二電力を1.0:0.9とする。同じ電力比率で昇温して高温になると、発熱体30がセンターホットになり過ぎて、自身の面内温度分布の内外差による熱応力で破損する可能性がある。そのため、高温で第二電力の比率を上げることが好ましい。
この第二電力の制御も、第一電力の制御と同様に、位相制御方式により行われる。第二電力は第二電流と第二電圧との積により求められる。第二電流は、第二電流センサ52の測定値である。第二電圧は、第一電圧と同様、ゲートの開き具合に基づいて演算で求めることができる。これら第二電圧の演算及び第二電力の演算も次述する演算器65で行われる。
・演算器
演算器65は、制御器60で必要な各種演算を行う。上述したように、第一電圧、第一電力、第二電圧、及び第二電力の演算はいずれも演算器65で行われる。さらに、演算器65は第二発熱体32の温度である第二温度の演算も行う。
第二発熱体32の第二温度は、第二発熱体32の抵抗と、予め求められた第二発熱体32の抵抗と温度との関係を表す係数とを用いて求められる。つまり、第二温度は、温度センサを用いて測定された値ではなく、第一発熱体31に供給される電力に基づいて演算された値である。第二発熱体32の抵抗は、上述した第二発熱体32の第二電圧を第二発熱体32に流れる第二電流で除することにより求められる。係数は、後述する予備試験により予め求めておく。この係数は、第二発熱体32の抵抗と温度との関係を示す関係式も含む。係数は、メモリ66に記憶されている。予め第二発熱体32の抵抗と温度との関係が既知であれば、第二発熱体32の抵抗が求められると、この抵抗を上記関係と参照することで、第二発熱体32の第二温度を演算して求めることができる。
・メモリ
メモリ66は、プログラムを記憶するメモリとして、各種不揮発性メモリが好適に利用できる。また、メモリ66は、一連の演算に必要な値を一時的に記憶する揮発性メモリを含んでいてもよい。
<その他の構成部材>
ヒータ制御装置1は、外部出力部70及びトランス80を備えてもよい。
外部出力部70は、上記のように求められた第二発熱体32の第二温度及び第二温度が適正範囲にあるか否かの判定結果の少なくとも一方を表示又は外部装置に送信する機器である。例えば、外部出力部70として、第二温度を文字で表示したり、第二温度の経時変化をグラフで表示したりするディスプレイが挙げられる。他の外部出力部70としては、第二温度に所定の処理を施した処理結果を出力する機器であってもよい。この処理結果を示す機器には、警報装置が挙げられる。警報装置は、例えば第二温度が設定された所定の適正範囲から外れた場合に警報を出す装置である。警報は、ユーザに第二温度の異常を知らせることができるものであれば特に限定されない。例えば、具体的な警報の種類としては、ディスプレイへの文字表示、ランプの点灯、ブザーの鳴動などが挙げられる。さらに他の外部出力部70としては、図示しない通信機器が挙げられる。この通信機器は、遠隔地のユーザが持つ外部装置との通信を行う。例えば、第二温度の情報を通信機器で外部装置へ送ったり、上記警報を通信機器でフラグの状態変化として外部装置に伝えたりすることができる。この情報の伝送により、遠隔地のユーザは第二温度や警報を認知できる。
トランス80は、図示しない電源と制御器60とを電磁気的に結合して、第一発熱体31及び第二発熱体32への電力を供給するための部材である。トランス80の一次側、つまり電源側と、トランス80の二次側、つまり制御器60側とは、電気的には接続されることがなく互いに絶縁されている。電源と制御器60とが絶縁されていることで、各発熱体30に対する電力を制御し易い。本例では、二次側の電力線30cを第一発熱体31と第二発熱体32の各々に分岐させることで発熱体30の各々に電力供給を行っている。即ち、第一発熱体31と第二発熱体32とは互いに電気的に絶縁されていない。第一発熱体31と第二発熱体32とが絶縁されていないことで、両発熱体30を絶縁する場合に比べてトランス80の数を削減できる。
さらに、ヒータ制御装置1は、図示していない入力部を備えていてもよい。入力部は、ユーザが設定する各種条件を入力するためのデバイスである。各種条件には、第二電力を規定するために第一電力に対して予め設定された比率が含まれる。入力部には、例えばテンキー、キーボード、タッチパネルなどの公知の入力機器が利用できる。入力部から入力された各種条件は、メモリ66に記憶される。
<処理手順>
図5、図6に基づいて、上記ヒータ制御装置1の処理手順を説明する。各構成部材については図1を参照する。
まず、図5に基づいて、第一電力及び第二電力を各発熱体30に出力するまでの処理手順を説明する。ステップS1において、温度センサ40から第一温度を取得し、さらに第一電流センサ51から第一電流を取得する。ステップS2では、第一温度が目標温度に近づくように第一温度調節器61が第一制御信号を出力する。ステップS3では第一電力制御器63は第一制御信号に対応した第一電力を第一発熱体31に出力する。そして、ステップS4では、演算器65で第二電力を演算し、さらに第二電力を第二電力制御器64から第二発熱体32に出力する。このステップS1からステップS4の一連の処理は、ヒータ制御装置1を駆動している間、繰り返して行われる。
次に、図6に基づいて、第二温度を求めて出力するまでの処理手順を説明する。ステップS11では、第二電流センサ52により第二電流を取得する。ステップS12では、演算器65により、第二電流と第二電圧とから第二発熱体32の抵抗である第二抵抗を演算する。ステップS13では、演算された第二抵抗と、予め求められた第二発熱体32の抵抗と温度との関係を表す係数とを用いて、演算器65により第二温度を演算する。ステップS14では、求められた第二温度を外部出力部70に出力する。
<予備試験>
予備試験は、第二発熱体32の抵抗と温度との関係を表す係数を予め求めるための試験である。予備試験は、昇温時及び降温時と、温度保持時とで異なる手法により行うことが好適である。つまり、昇温時及び降温時と、温度保持時とで異なる係数を用いることが好適である。
この係数を求めるための手法を説明する前に、昇温から降温に至るまでの温度プロファイルを図7に基づいて説明する。図7は、本例のヒータ制御装置1における第一発熱体31の温度の経時変化を示すグラフである。
まず、昇温過程では、室温から所定の保持温度まで、ほぼ一定の割合で発熱体30の温度が上昇する。この昇温過程の昇温速度は、発熱体30が損傷しないような速度が選択される。
温度保持過程では、ほぼ一定の温度に発熱体30の温度が保持される。温度保持過程には、基材10上にウエハを載せない状態のアイドル状態と、基材10上にウエハを載せて、そのウエハに成膜を行う処理状態とが含まれる。アイドル状態では、成膜装置におけるガスの出入りや上述した各発熱体30に供給する電力の制御に伴って、ごく微細な温度変動が生じている。図7のグラフでは、アイドル状態を水平に延びる直線で示しているが、実際には後述するように、ごく僅かに温度変動が生じている。一方、処理状態では、基材10上にウエハを出し入れして複数枚のウエハに順次成膜を行っていくため、アイドル状態に比べてより大きな温度変動が生じている。処理状態での温度変化は、図7において、アイドル状態の直線に続く波線で示している。
降温過程では、保持温度から室温まで、ほぼ一定の割合で発熱体30の温度が下降する。この降温過程の降温速度は、発熱体30が損傷しないような速度が選択される。
以上の温度プロファイルにおいて、まず昇温時と降温時の係数の求め方を説明し、その後で温度保持時の係数の求め方を説明する。
・昇温時及び降温時
昇温時及び降温時では、温度保持時に比べて単位時間当たりの温度変化量が大きい。この昇温時及び降温時、ウエハへの成膜処理は行われない。この場合、室温から保持温度までの温度域又は保持温度から室温までの温度域をより狭い温度域ごとに区切り、区切られた各温度域ごとに第二発熱体32の抵抗と温度との関係を求める。例えば、50℃から100℃の範囲を有する区切られた温度域ごとに第一発熱体31及び第二発熱体32の各々の抵抗と温度との関係を求める。より具体的には、昇温時であれば、50℃以上100℃以下の第一温度域、100℃以上200℃以下の第二温度域、200℃以上300℃以下の第三温度域、300℃以上400℃以下の第四温度域、及び400℃以上保持温度以下の第五温度域の各々について第二発熱体32の抵抗と温度との関係を求める。保持温度の一例としては450℃が挙げられる。例えば、第一温度域においては、50℃と100℃の二点における抵抗と温度との関係を求める。ここで、二点の測定点、即ち低温側の抵抗R(T1)における第二発熱体32の温度T1と、高温側の抵抗R(T2)における第二発熱体32の温度T2とは、比例の関係式で表される。この関係式を用いれば、抵抗Rの第二発熱体32の温度Tは次式で求められる。
T={(T2-T1)/(R(T2)-R(T1))}×(R-R(T1))+T1
但し、T1≦T≦T2、R(T1)≦R≦R(T2)である。
降温時も昇温時と同様の考え方により、第二発熱体32の抵抗と温度との関係を求めておけばよい。このように、区切られた狭い範囲の温度域ごとに第二発熱体32の抵抗と温度との関係を求めておくことで、区切られた温度域ごとに異なる係数を用いることができる。区切られた温度域ごとに異なる係数を用いることで、高精度に第二発熱体32の温度を求めることができる。
これに対し、例えば、抵抗R(Tr)における第二発熱体32の温度、即ち室温Trと、抵抗R(Tk)における第二発熱体32の保持温度Tkも比例の関係式で表される。この関係式を用いれば、抵抗Rの第二発熱体の温度Tは、次式で求められる。
T={(Tk-Tr)/(R(Tk)-R(Tr))}×(R-R(Tr))+Tr
但し、Tr≦T≦Tk、R(Tr)≦R≦R(Tk)である。
この場合、室温と保持温度との二点から求めた第二発熱体32の抵抗と温度との関係式では、その中間の温度での抵抗値はその二点間の線形補間では表せないため、精度よく第二発熱体の温度を求めることは難しい。
・温度保持時
温度保持時は、昇温時や降温時に比べて単位時間当たりの温度変化の割合はごく僅かである。よって、温度保持時は、昇温時や降温時よりも狭い温度帯域における第二発熱体32の抵抗と温度との関係を求めることが好ましい。より具体的には、温度保持時における最大温度と最小温度との差という微細な温度域に応じた係数を用いることで、正確に第二発熱体32の温度を求めることができる。温度保持過程には、上述したように加熱対象Wのないアイドル状態と加熱対象Wのある処理状態の2つの温度プロファイルが含まれる。この温度プロファイルを図8に基づいて説明する。図8は、第一発熱体の温度と第二発熱体の温度の経時変化を示すグラフである。第一発熱体31の温度は、第一電流と第一電圧とから求めた第一発熱体31の抵抗と上記係数とに基づいて求めた温度である。第二発熱体32の温度は、第二電流と第二電圧とから求めた第二発熱体32の抵抗と上記係数とに基づいて求めた温度である。このグラフでは、さらに温度センサ40の測定値の経時変化も併せて示している。いずれのグラフも互いに線が重なっている。さらにこのグラフでは、アイドル状態の過程をCase1とし、処理状態の過程をCase2として示している。このグラフに示すように、アイドル状態では、成膜装置のチャンバー内にガスの出入りが行われ、第一温度調節器61による温度制御の結果、ごく僅かの温度の上下動が認められる。これに対し、処理状態では、チャンバー内にウエハを出し入れするため、アイドル状態に比べてより大きな温度の上下動が認められる。図8のグラフは複数の線が重なって示されるため、例えば複数の線が重なって示されたアイドル状態における温度の振れ幅は大きく見える。しかし、個々のグラフの線の振れ幅はもっと小さい。特に、個々のグラフの振れ幅は、処理状態よりもアイドル状態の方が明確に小さい。このような温度保持過程においては、処理状態での温度プロファイルに基づいて係数を求める方法と、アイドル状態での温度プロファイルに基づいて係数を求める方法とがある。以下、それぞれを順に説明する。
方法A(処理状態:加熱対象あり)
まず、処理状態の所定時間内における温度センサ40の測定値の経時変化から、最大温度Tmaxの時点における各発熱体30の抵抗値Rmax、及び最小温度Tminの時点における各発熱体30の抵抗値Rminを確認する。所定時間は、500秒から1000秒程度の範囲から選択する。本例での所定時間は600秒である。この所定時間内に1枚のウエハに成膜が行われる。図9は、図8の処理状態における温度変化の一部を拡大して示したものである。最小温度Tminは、成膜処理済みのウエハが取り出され、今から成膜処理を行う現ウエハが基材10上に載置されるまでの間のバレー温度である。最大温度Tmaxは現ウエハに対して成膜処理が行われている間のピーク温度である。図9では、最小温度Tminが449.4℃、最大温度Tmaxが450.3℃であることを示している。各発熱体30の抵抗値Rmax及び抵抗値Rminは、上記各時点における第一電圧を第一電流で除した値、又は上記各時点における第二電圧を第二電流で除した値である。これら最大温度Tmax、抵抗値Rmax、最小温度Tmin、及び抵抗値Rminを用いて各発熱体30の温度と抵抗値の関係式を求める。この関係式は、昇温時及び降温時で示した関係式と同様の考え方により求められる。
上記の手法は、ウエハの処理状態における抵抗値Rmaxと最大温度Tmax並びに最小温度Tminと抵抗値Rminに基づいて関係式を求めるため、その関係式を用いて得られる第二発熱体32の温度は高精度に把握することができる。
上記方法Aにより予備試験を行い、発熱体30の抵抗と温度との関係を求めれば、実際の成膜を模擬した温度プロファイルに基づいて上記抵抗と温度との関係が求められる。これにより、高い精度で第二発熱体32の温度を把握することができる。
方法B(処理状態:加熱対象あり)
まず、処理状態の所定時間内における各発熱体30の抵抗値の経時変化から、所定時間内の平均抵抗Raveを求める。所定時間は、例えば5000秒から10000秒程度の範囲から適宜選択する。本例では所定時間は8000秒である。この所定時間内には、10枚以上のウエハに成膜が行われている。次に、所定時間内の各発熱体30の抵抗の変化率ΔR/Rを予め設定しておく。最初に所定時間内の最大抵抗Rmax、最小抵抗Rminを求めておき、さらに最大抵抗Rmaxと最小抵抗Rminとの差分ΔR、及び差分ΔRの平均抵抗Raveに対する比率ΔR/Raveを求める。この比率ΔR/Raveを変化率ΔR/Rとする。例えば、ここでは変化率ΔR/Rを0.02とする。一方、温度センサ40の測定値についても同様に、所定時間内の平均温度Taveを求める。また、所定時間内における温度変化量ΔTを予め設定しておく。温度変化量ΔTも最初に所定時間内の最大温度Tmaxと最小温度Tminとの差分を温度変化量ΔTとして求めておく。例えば、ここでは温度変化量ΔTは0.88℃とする。比率ΔR/Rと温度変化量ΔTは、保持温度が大きく変わらなければ、発熱体30ごとにほぼ一定と考えられる。保持温度が大きく変わらないとは、例えば保持温度の変化量が100℃以下であることを言う。
次回以降の成膜においては、各発熱体30の平均抵抗Raveと平均温度Taveとを求めればよい。つまり、次回以降における最大抵抗Rmax、最小抵抗Rmin、最大温度Tmax、最小温度Tminは、次のように求める。
ΔR=Rave×0.02
最大抵抗Rmax=Rave+ΔR/2
最小抵抗Rmin=Rave-ΔR/2
最大温度Tmax=Tave+ΔT/2
最小温度Tmin=Tave-ΔT/2
このように、1回目の成膜前には、事前に最大抵抗Rmax、最小抵抗Rmin、最大温度Tmax、最小温度Tminを求める必要がある。しかし、2回目以降の成膜時には、既知である抵抗変化率ΔR/R及び温度変化量ΔTを用いて最大抵抗Rmax、最小抵抗Rmin、最大温度Tmax、最小温度Tminを求めることができる。これらの各パラメータが求められれば、その発熱体30の抵抗と温度の相関関係を求めることができる。
上記方法Bにより予備試験を行い、発熱体30の抵抗と温度との関係を求めれば、2回目以降のヒータ制御装置1の運転時、実際に最大抵抗Rmax、最小抵抗Rmin、最大温度Tmax、最小温度Tminを測定する必要がない。そのため、より簡便に第二発熱体32の温度を求めることができる。
方法C(アイドル状態:加熱対象なし)
まず、アイドル状態の所定時間内における各発熱体30の抵抗値の経時変化から、所定時間内の平均抵抗Raveを求める。所定時間は、例えば5000秒から10000秒程度の範囲から適宜選択する。本例では所定時間は10000秒である。次に、所定時間内の各発熱体30の抵抗の変化率ΔR/Rを予め設定しておく。最初に所定時間内の最大抵抗Rmax、最小抵抗Rminを求めておき、さらに最大抵抗Rmaxと最小抵抗Rminとの差分ΔR、及び差分ΔRの平均抵抗Raveに対する比率ΔR/Raveを求める。このΔR/Raveを抵抗変化率ΔR/Rとする。例えば、ここでは変化率ΔR/Rを0.02とする。一方、温度センサ40の測定値についても同様に、所定時間内の平均温度Taveを求める。また、所定時間内における温度変化量ΔTを予め設定しておく。温度変化量ΔTも最初に所定時間内の最大温度Tmaxと最小温度Tminとの差分を温度変化量ΔTとして求めておく。例えば、ここでは温度変化量ΔTは0.88℃とする。比率ΔR/Rと温度変化量ΔTは、保持温度が大きく変わらなければ、発熱体30ごとにほぼ一定と考えられる。保持温度が大きく変わらないとは、例えば保持温度の変化量が100℃以下であることを言う。
次回以降の成膜においては、各発熱体30の平均抵抗Raveと平均温度Taveとを求めればよい。つまり、次回以降における最大抵抗Rmax、最小抵抗Rmin、最大温度Tmax、最小温度Tminは、次のように求める。
ΔR=Rave×0.02
最大抵抗Rmax=Rave+ΔR/2
最小抵抗Rmin=Rave-ΔR/2
最大温度Tmax=Tave+ΔT/2
最小温度Tmin=Tave-ΔT/2
このように、1回目の成膜前には、事前に最大抵抗Rmax、最小抵抗Rmin、最大温度Tmax、最小温度Tminを求める必要がある。しかし、2回目以降の成膜時には、既知である抵抗変化率ΔR/R及び温度変化量ΔTを用いて最大抵抗Rmax、最小抵抗Rmin、最大温度Tmax、最小温度Tminを求めることができる。しかも、アイドル状態で加熱対象Wのない場合において取得した係数に基づいて第二発熱体32の温度を求められるため、係数を求めるのに際し、ウエハを用意する必要もない。また、予備試験時に、ウエハを成膜して係数を求める場合に比べて、ウエハの浪費を削減できる。これらの各パラメータが求められれば、その発熱体30の抵抗と温度の相関関係を求めることができる。
上記方法Cにより予備試験を行い、発熱体30の抵抗と温度との関係を求めれば、2回目以降のヒータ制御装置1の運転時、実際に最大抵抗Rmax、最小抵抗Rmin、最大温度Tmax、最小温度Tminを測定する必要がない。そのため、より簡便に第二発熱体32の温度を求めることができる。
上記ヒータ制御装置は、第二発熱体32に温度センサ40を設けることなく、第二発熱体32に対応するゾーンの温度を把握できる。第一発熱体31の温度は、温度センサ40により検出される。第一発熱体31に供給される第一電力は、温度センサ40の検出温度に基づいて制御される。一方、第二発熱体32に供給される第二電力は、第一電力に対して予め設定された比率となるように制御される。また、第二発熱体32の温度は、第二電流センサ52の測定値に基づいて演算器65により求められる。そのため、第二発熱体32の温度を検出する温度センサがなくても第二発熱体32の温度を把握できる。
第二電力は、位相制御方式により制御されるため、高精度に制御することができる。その結果、第二発熱体32の温度も高精度に把握することができる。
第一発熱体31及び第二発熱体32は第一電力及び第二電力により制御される。電力比率による制御は、電流比率による制御に比べて各発熱体30の自己発熱による抵抗値の変化の影響を受けにくい。この点からも第二発熱体32の温度を正確に把握できる。
[実施形態2]
次に、実施形態2を図10に基づいて説明する。実施形態1では、第二発熱体32の温度である第二温度を把握したり、第二温度が異常な温度となることを監視したりできる。これに対し、実施形態2では、上述した比率を変えることにより第二電力を制御することで、第二発熱体32の温度を制御することができる。以下、主に実施形態1との相違点について説明を行い、実施形態1との共通点の説明は省略する。
実施形態2では、実施形態1の構成に加え、さらに第二温度調節器62を備えている。第二温度調節器62は、第二温度が目標温度に近づくように、上記比率を調整するための第二制御信号を出力する。この比率を調整するための制御もPID制御を利用することができる。第二制御信号に応じて、第二電力制御器64は、第二電力を求めるための比率を調整する。上記比率が第一電力:第二電力=1.0:0.8であったが、第二温度が目標温度よりも低い場合、第二電力を上げる必要がある。その場合、例えば、第一電力:第二電力=1.0:0.81に変更する。逆に第二温度が目標温度よりも高い場合、第二電力を下げる必要がある。その場合、例えば、第一電力:第二電力=1.0:0.79に変更する。この比率の変動幅は適宜設定できるが、変更前の第二電力の比率の5%以内程度とすることが好ましい。上記の例であれば、変更前の第二電力の比率は0.8なので、変更後の第二電力の比率は0.76から0.84までの間で変更する。この比率の変動幅を逸脱するような電力の変動が起こった場合は、図示しない警報装置によってユーザに警報を発する。この警報により、ユーザは異常を検知して適宜対処することが可能となる。
実施形態2における処理手順を図11に基づいて説明する。この処理手順は、図5のステップS3に続いて行われる。ステップS21では、第二温度調節器62により、第二温度が目標温度に近づくように、上記比率を調整するための第二制御信号を出力する。ステップS22では、演算器65により、調整された比率に応じた第二電力を演算する。そして、第二電力が第二電力制御器64より第二発熱体32に出力される。
実施形態2のヒータ制御装置1によれば、第二発熱体32の第二温度を外部出力部70に表示したりするだけでなく、第二発熱体32を温度制御することができる。
[実施形態3]
次に、実施形態3を説明する。実施形態3では、第二温度と第一温度との差が可及的にゼロになるように、第二電力を求めるための比率を制御する。実施形態3の装置構成は図10で説明される実施形態2の装置構成とほぼ同じである。実施形態3では、第二温度調節器62の代わりに第三温度調節器62aを備えている。実施形態2では、温度センサ40で測定した温度Tsを第一発熱体31自体の温度Thとみなして第一温度としている。つまり、厳密には第一発熱体31の温度Thは温度センサ40で測定される温度Tsとは異なる。これは、温度Tsには、第一発熱体31自身の発熱による温度上昇分が過渡的に含まれるためである。
より精密に各発熱体30の温度分布を制御するためには、第一温度及び第二温度には、発熱体30の自己発熱による微小な温度上昇分が含まれることを考慮する必要がある。そこで、第二温度と第一温度との差を第一面10a内の温度分布の差とみなす。また、厳密には、第一温度と第二温度はそれぞれ異なる目標温度がある。第三温度調節器62aは、上記温度分布の差が第二温度と第一温度のそれぞれの目標温度の差になるように上記比率を調整するための第三制御信号を出力する。第二電力制御器64は、上記第三制御信号により調整された上記比率に応じて第二電力を制御する。この第二電力の制御により、さらに精密な各発熱体30の温度制御が可能になる。実施形態2と同様に、この比率の変動幅を逸脱するような電力の変動が起こった場合は、図示しない警報装置によってユーザに警報を発する。この警報により、ユーザは異常を検知して適宜対処することが可能となる。
[変形例1]
図12、図13に基づいて、変形例1を説明する。変形例1は実施形態1から実施形態3のいずれにおいても適用できる構成である。変形例1では、基材10において独立して温度制御されるゾーンが6つある。つまり、基材10には、基材10の中央部に位置する円形の内側領域10i、内側領域10iの外側に位置する中間領域10m、中間領域10mの外側に位置する外側領域10eが設けられている。さらに、変形例1では外側領域10eが基材10の周方向に分割されている。分割された外側領域10eに設けられる第二発熱体32の数は複数であればよい。本例での分割数は4つである。外側領域10eの各ゾーンは環状の領域を4等分した扇形のゾーンである。4等分された外側領域10eの各ゾーンには各々第二発熱体32が配置されている。つまり、内側領域10iには第一発熱体31が、中間領域10mには一つの第二発熱体32が、外側領域10eには4つの第二発熱体32が設けられている。各発熱体30は供給される電力を独立して制御できる。そして、各々の発熱体30につながる各電力線30cに図示しない電流センサが設けられている。
変形例1のヒータ制御装置1によれば、第二電力制御器64を用いることで、実施形態1や実施形態2よりも多くの発熱体30を用いて基材10の均熱化を実現できる。
[変形例2]
図14に基づいて変形例2を説明する。変形例2は実施形態1の変形例であり、第一発熱体31と第二発熱体32とを絶縁した構成である。
図14に示すように、変形例2では、第一発熱体31と電源との間及び第二発熱体32と電源との間にそれぞれ第一トランス81と第二トランス82とが設けられている。つまり、第一トランス81と第二トランス82の一次側は電源から分岐された電力線につながっている。一方、第一トランス81と第二トランス82の二次側は互いに独立した電力線30cにつながっている。そのため、第一発熱体31と第二発熱体32とは互いに絶縁されている。
変形例2によれば、実施形態1と同様の効果に加え、第一発熱体31と第二発熱体32とをより確実に絶縁することができる。
[変形例3]
図15に基づいて変形例3を説明する。変形例3は実施形態2又は実施形態3の変形例であり、第一発熱体31と第二発熱体32とを絶縁した構成である。
図15に示すように、変形例3では、第一発熱体31と電源との間及び第二発熱体32と電源との間にそれぞれ第一トランス81と第二トランス82とが設けられている。つまり、第一トランス81と第二トランス82の一次側は電源から分岐された電力線につながっている。一方、第一トランス81と第二トランス82の二次側は互いに独立した電力線30cにつながっている。そのため、第一発熱体31と第二発熱体32とは互いに絶縁されている。
変形例3によれば、実施形態2又は実施形態3と同様の効果に加え、第一発熱体31と第二発熱体32とをより確実に絶縁することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ヒータ制御装置
10 基材
10a 第一面
10b 第二面
10i 内側領域
10m 中間領域
10e 外側領域
20 支持体
21 フランジ部
30 発熱体
31 第一発熱体
32 第二発熱体
30t 端子
30c 電力線
40 温度センサ
50 電流センサ
51 第一電流センサ
52 第二電流センサ
60 制御器
61 第一温度調節器
62 第二温度調節器
62a 第三温度調節器
63 第一電力制御器
64 第二電力制御器
65 演算器
66 メモリ
70 外部出力部
80 トランス
81 第一トランス
82 第二トランス
W 加熱対象
w 幅
θ 操作位相角

Claims (5)

  1. 円板状の形状を有する基材と、
    前記基材に同軸状に取り付けられた筒状の支持体と、
    前記基材の中心を含む領域に配置された第一発熱体と、
    前記第一発熱体と同心状に配置された少なくとも一つの第二発熱体と、
    前記第一発熱体の第一温度を測定する温度センサと、
    前記少なくとも一つの第二発熱体に供給される電流を測定する少なくとも一つの電流センサと、
    前記第一温度が目標温度に近づくように第一制御信号を出力する第一温度調節器と、
    前記第一制御信号に応じて前記第一発熱体に供給される第一電力を制御する第一電力制御器と、
    前記第二発熱体に供給される第二電力を制御する第二電力制御器と、
    前記第二発熱体の温度を求める演算器とを備え、
    前記基材は、加熱対象が載置される第一面と、前記第一面と向かい合う第二面とを有し、
    前記筒状の支持体は、前記第二面に取り付けられ、
    前記温度センサは、前記筒状の支持体の内側に配置され、
    前記第二電力制御器は、前記第一電力に対して予め設定された比率となるように前記第二電力を位相制御方式により制御し、
    前記演算器は、前記少なくとも一つの電流センサの測定値、前記第一温度、前記第二発熱体の第二電圧、及び予め定めた係数に基づいて前記第二発熱体の温度を求め
    前記係数は、前記第二発熱体の抵抗と前記第二発熱体の温度との関係を表す複数の係数から、前記第一温度に応じて選択された係数であり、
    前記複数の係数は、前記第一発熱体及び前記第二発熱体の昇温時、温度保持時、及び降温時で異なる、
    ヒータ制御装置。
  2. 前記係数は、前記温度保持時に、前記第一面に前記加熱対象が載置されていない状態で測定された前記第一温度に基づいて求められる、請求項に記載のヒータ制御装置。
  3. 前記第二発熱体の温度及び前記第二発熱体の温度が適正範囲にあるか否かの判定結果の少なくとも一方を表示又は外部装置に送信する外部出力部を備える、請求項1または請求項に記載のヒータ制御装置。
  4. さらに第二温度調節器を備え、
    前記第二温度調節器は、前記第二発熱体の温度が目標温度に近づくように前記比率を調整するための第二制御信号を出力し、
    前記第二電力制御器は、前記第二制御信号により調整された前記比率に応じて前記第二電力を制御する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のヒータ制御装置。
  5. さらに第三温度調節器を備え、
    前記第三温度調節器は、前記第二発熱体の温度と前記第一温度との差が前記第二発熱体の温度と第一温度のそれぞれの目標温度の差になるように前記比率を調整するための第三制御信号を出力し、
    前記第二電力制御器は、前記第三制御信号により調整された前記比率に応じて前記第二電力を制御する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のヒータ制御装置。
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