JP7493979B2 - 吊り天秤及び吊り天秤を用いた施工方法 - Google Patents
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Description
このとき、上記内装ユニットを吊り上げる工程では、内装ユニットが大型な重量物であることから、吊り上げ時にスリングが内装ユニット側に食い込んでしまい、内装ユニットの変形や損傷を起こすことがある。そのため、スリングの内装ユニット側への食い込みを抑制すべく、スリングの吊り位置を保持する枠状の吊り天秤が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、特許文献2に記載の揚重装置では、2組の対辺が共に平行である四角形をなし、かつ、内角が変形可能に構成された枠状の吊り天秤が開示されている。詳しく述べると、当該吊り天秤は、内角が全て直角である矩形状態と、2組の対角のうちの1組が鋭角で1組が鈍角である平行四辺形の状態とに変形可能に構成されている。そのため、搬入時には吊り天秤を平行四辺形の状態に変形させることで、荷台への積み込み作業を改善することができる。
特に、重量物となる内装ユニット(例えば、ユニットバス)を吊り上げる際に用いられ、シンプルな構成で、スリング部材の吊り位置を好適に保持することが可能な吊り天秤が求められていた。
なお、特許文献2の吊り天秤では、吊り天秤の状態を変形させることができるものの、吊り対象物の搬入時と吊り上げ時の場面を想定して使い分けるものであった。
また、本発明の他の目的は、内装ユニットを吊り上げる際に用いられ、シンプルな構成で、スリング部材の吊り位置を好適に保持することが可能な吊り天秤及び吊り天秤を用いた施工方法を提供することにある。
上記構成により、重量物の吊り上げ時には好適に機能させることができ、不使用時にはコンパクトに収納することが可能な吊り天秤を実現することができる。
詳しく述べると、上記吊り天秤であれば、重量物を吊り上げる際には枠状に展開された「展開位置」とし、収納する際には折り畳まれた「折り畳み位置」に切り替えることができる。
また、一対の連結部材が、一方の長尺部材に対して他方の長尺部材を(一方向に)水平回転可能となるように取り付けられており、従来の吊り天秤のように全体が回動可能な構成とはなっていない。そのため、重量物を吊り上げるときには、枠状に展開した吊り天秤が歪みにくい(折り畳まれにくい)設計となっている。
また上記構成により、吊り天秤を折り畳むときには、長尺部材の連結穴が第1屈曲部、第2屈曲部に沿って移動することで、長尺部材を一方向に水平回転させることができる。
すなわち、シンプルな構成で、吊り天秤が「展開位置」と「折り畳み位置」の間で切り替え回転することができる。
上記構成により、内装ユニットを吊り上げる際に用いられ、かつ、シンプルな構成で、スリング部材の吊り位置を好適に保持することができる。
上記構成により、シンプルな構成で、吊り上げ時には、吊り天秤を枠状のまま固定し易くすることができ、かつ、折り畳むときには、吊り天秤を容易に折り畳み回転させることができる。
上記構成により、長尺部材及び連結部材が一体的に連結されるため、吊り上げ時には好適に機能させることができ、不使用時にはコンパクトに収納することができる。また、吊り天秤を管理し易くなる。
上記構成により、上記抜け防止部の機能と同様に、長尺部材及び連結部材が一体的に連結されるため、吊り上げ時には、吊り天秤を枠状のまま固定し易くすることができる。
また、上記第1突起部、第2突起部の突出量を調整することで、吊り天秤の折り畳み角度を調整することができる。
上記構成により、工場で予め組み立てられた内装ユニットを建物の躯体内部に好適に設置することが可能な吊り天秤を用いた施工方法を実現することができる。
また、特に内装ユニットを吊り上げる際に用いられ、シンプルな構成で、スリング部材の吊り位置を好適に保持することが可能となる。
また、工場で予め組み立てられた内装ユニットを建物の躯体内部に好適に設置することが可能となる。
本実施形態は、吊り上げ装置に掛け止めされたスリング部材によって内装ユニットを吊り上げる際に用いられ、スリング部材の吊り位置を保持するための吊り天秤であって、水平方向において間隔を空けて設けられ、互いに対向しながら延びている一対の長尺部材と、長尺部材の延出方向において間隔を空けて設けられ、一対の長尺部材を連結するとともに、一方の長尺部材に対して他方の長尺部材を水平回転可能に取り付けられる一対の連結部材と、を備えており、吊り天秤は、スリング部材の吊り位置を保持するために、一対の長尺部材と一対の連結部材とで枠状に展開された「展開位置」と、吊り天秤を収納するために、展開位置から一方の長尺部材に対して他方の連結部材を水平回転させることで、他方の連結部材を一方の長尺部材側に折り畳んだ「折り畳み位置」との間で切り替え可能であることを特徴とする「吊り天秤」の発明に関するものである。また、「吊り天秤を用いた施工方法」の発明に関するものである。
詳しく述べると、施工システムSでは、吊り上げ装置Lによって内装ユニットUを吊り上げる際にそれぞれ用いられ、吊り上げ装置Lに掛け止めされたスリング部材1と、スリング部材1の吊り位置を保持するための吊り天秤100及び吊り治具200と、を備えている。また、吊り上げられた内装ユニットUを建物内部に床から浮かせた状態で仮置きする際に用いられ、かつ、仮置きされた内装ユニットUを建物内部の所定位置まで移動させる際にも用いられる移動用治具300をさらに備えている。
内装ユニットUは、箱状のユニット本体U1と、ユニット本体U1の底面に取り付けられる矩形枠状のベースフレームU2と、ベースフレームU2の底面から下方に突出している複数の脚部材U3と、から主に構成されている。
内装ユニットUは、工場から施工現場へ搬入する工程から建物内部に設置する工程までの間、シート状のユニットカバーU4によって上方から被覆されている。
また、ベースフレームU2は、内装ユニットUを床上で移動させるときに移動用治具300を取り付けるための部材としても機能する。
脚部材U3は、上下方向に延びている軸状の脚部材であって、建物内部の床パネル上に接着剤を用いて固定される部材である。
また、脚部材U3は、内装ユニットUを吊り上げるときに吊り治具200を取り付けるための部材としても機能する。
ユニットカバーU4は、図1に示すように、防水性を有する養生カバーであって、ユニットカバーU4の幅方向の一端面には、内装ユニットUを取り出し可能にするためのカバー開閉部U4aが形成されている。カバー開閉部U4aは、線状ファスナーによって開閉可能に構成されている。
吊りスリング10、支持スリング20の長尺方向の両端部には、それぞれ環状の環状部11、12、環状部21、22が形成されており、吊りスリング10の中央部には、環状のべろ部23が別途取り付けられている。
支持スリング20の環状部21は、公知なシャックルを介して吊り天秤100の四隅に設けられたスリング取り付け穴114に掛け止めされており、環状部22は、内装ユニットUの脚部材U3に吊り治具200を介して取り付けられている。
支持スリング20のべろ部23は、ユニット本体U1を囲むように延びている胴ベルト30を挿通させて、当該胴ベルト30を支持する部分である。
なお、胴ベルト30は、ユニット本体U1の外側面に沿って延びているナイロン製の長尺ベルトであって、吊り上げ時に内装ユニットUの転倒を防止する機能を果たす。
4本の吊りスリング10が、吊り上げ部L1から吊り天秤100の四隅に向かってそれぞれ延びており、矩形枠状の吊り天秤100を吊り上げている。
また、4本の支持スリング20が、吊り天秤100の四隅から内装ユニットUを挟み込むように下方に延びて、内装ユニットUの下端部の四隅に設けられた吊り治具200にそれぞれ取り付けられている。
上記構成によって、内装ユニットUが吊りスリング10、支持スリング20、胴ベルト30によって保持された上で、吊り上げ装置Lによって吊り上げられることになる。
吊り天秤100は、図9A-図9Cに示すように、スリング部材1の吊り位置を保持するために、矩形枠状に展開された「展開位置」と、吊り天秤100を収納するために、「展開位置」から折り畳まれた「折り畳み位置」との間で切り替え可能となっている。
そのため、内装ユニットUの吊り上げ時にはスリング部材1の吊り位置を保持し、不使用時にはコンパクトに収納することができる。
一対の連結部材120は、一方の長尺部材110Aに対して他方の長尺部材110Bを水平回転可能となるように取り付けられている。
長尺部材110は、長尺に延びている断面四角形状の本体部111と、本体部111の延出方向の両端部からそれぞれ外側に突出し、吊りスリング10を取り付けるためのT字形状のスリング取り付け部112と、から主に構成されている。
詳しく述べると、スリング取り付け部112は、図9に示すように、本体部111の延出端部から本体部111の延出方向に沿って突出している第1突出部112aと、第1突出部112aの突出端部から連続して、第1突出部112aの突出方向とは交差する方向において互いに反対側に突出している一対の第2突出部112bと、を有している。
連結部材120は、長尺に延びている軸状の本体部121と、本体部121の延出方向の両端部からそれぞれ連続して、連結部材120の延出方向とは交差する方向に屈曲して延びている第1屈曲部122及び第2屈曲部123と、から主に構成されている。
第1屈曲部122と第2屈曲部123は、連結部材120の延出方向とは交差する方向において互いに反対側に延びており、それぞれ長尺部材110(連結穴113)を貫通している。
抜け防止部124は、長尺部材110から連結部材120が抜けることを防止する機能を果たし、また内装ユニットUを吊り上げるときに吊りスリング10(環状部12)を内側から支持する機能を果たす。
また、連結部材120の延出方向において他方の長尺部材110Bに設けられた連結穴113よりも内側に位置する他端部分には、当該他端部分の外側面から第2屈曲部123の屈曲方向と同じ向きに突出する第2突起部126が成されている。
すなわち、第1突起部125と第2突起部126は、互いに反対側に突出している。
第1突起部125、第2突起部126は、吊り天秤100が図7に示す「展開位置」にいるときに、これら突起部125、126の外側面と、長尺部材110の内側面とがそれぞれ当接することで、吊り天秤100の形状を保持する機能を果たす。
また、吊り天秤100が図9Cに示す「折り畳み位置」にいるときに、これら突起部125、126の突出面と、長尺部材110の内側面とがそれぞれ当接することで、吊り天秤100の折り畳み形状を保持する機能を果たす。
詳しく述べると、連結部材120A、120Bの第1屈曲部122が、長尺部材110Aの連結穴113に沿って移動し、かつ、連結部材120A、120Bの第2屈曲部123が、長尺部材110Bの連結穴113に沿って移動することで、長尺部材110Bを一方向に水平回転させることができる。
そのため、吊り天秤100が「展開位置」にいるときに、一対の連結部材120が上記軸周りにおいて互いに異なる回動位置に配置されることで、吊り天秤100が枠状のまま固定される。
例えば、図7、図8に示すように、一方の連結部材120Aが、第1屈曲部122及び第2屈曲部123を上下方向に向かせた回動位置に配置され、かつ、他方の連結部材120Bが、第1屈曲部122及び第2屈曲部123を水平方向に向かせた回動位置に配置されることで、吊り天秤100が水平回転することができず、枠状のまま固定されることになる。
例えば、図9Aに示すように、一方の連結部材120Aが、第1屈曲部122及び第2屈曲部123を水平方向に向かせた回動位置に配置され、かつ、他方の連結部材120Bが、第1屈曲部122及び第2屈曲部123を水平方向に向かせた回動位置に配置されることで、吊り天秤100が水平回転することができ、折り畳むことが可能となる。
詳しく述べると、吊り治具200は、支持スリング20の吊り位置を保持するために、内装ユニットUの脚部材U3に側方から掛け止めされ、脚部材U3から内装ユニットUの外側に向かって側方に突出した位置で支持スリング20(環状部22)と連結されている。
吊り治具200は、長尺に延びている治具本体部210と、治具本体部210の長さ方向の一端部に設けられ、脚部材U3に対して着脱可能に掛け止めされる掛け止め部220と、治具本体部210の他端部に設けられ、支持スリング20(環状部22)を取り付けるためのスリング取り付け部230と、治具本体部210の上面に設けられ、弾性を有する第1弾性部材240及び第2弾性部材250と、から主に構成されている。
上壁部211、底壁部212それぞれのうち、連結壁部213が連結された部分と異なる位置には、掛け止め部220が形成されている。
上壁部211のうち、連結壁部213が連結された部分の上面には、第1弾性部材240及び第2弾性部材250が並ぶように取り付けられている。
突出壁部214のうち、第2突出壁部214bの側面には、スリング取り付け部230が形成されている。
第1掛け止め部220Aと第2掛け止め部220Bは上面視で互いに重なる位置に配置されている。また、脚部材U3の形状(やや先細り形状)に対応させて、第1掛け止め部220Aは、第2掛け止め部220Bよりも幅広の溝となるように形成されている。
掛け止め部220A、220Bは、第1溝部221から第2溝部222へ脚部材U3を導き入れることで、脚部材U3に対して着脱可能に掛け止めされる。
移動部材223は、掛け止め部220に掛け止めされた脚部材U3が掛け止め部220から抜けることを防止するための抜け防止部材である。
移動フック223bは、「閉鎖位置」にいるときに、第2掛け止め部220B(第1溝部221)の開口部を跨ぐように配置されている。
また、移動フック223bは、「開口位置」にいるときに、脚部材U3を第1溝部221の開口部から第2溝部222の延出端部へ導き入れる経路を形成するように、第2溝部222側へ寄らせて配置されている。
また、スリング取り付け部230は、第1弾性部材240及び第2弾性部材250よりも上方位置に配置されている。
第1弾性部材240、第2弾性部材250は、治具本体部210から上面に接着剤で取り付けられており、治具本体部210から上方に突出している。
また、第2弾性部材250は、第1弾性部材240よりも大きく、第1弾性部材240よりも上方に突出している。
そのため、第1弾性部材240、第2弾性部材250は、各種内装ユニットUのベースフレームU2の形状に対応して、内装ユニットUの吊り上げ時にベースフレームU2と接触させることが可能となっている。
詳しく述べると、移動用治具300は、内装ユニットUのベースフレームU2に対して着脱可能に取り付けられ、脚部材U3を床Fからやや浮かせた状態で内装ユニットUを保持したまま移動することができ、また、ジャッキのように内装ユニットUの高さ位置を調整することができる。
本体部310の上面には、本体部310の中央部分に形成され、高さ調整部材340を組み付けるための組み付け穴311と、本体部310の角部に形成され、キャスター部320を取り付けるための取り付け穴312と、保持部330と上下方向で重なる部分に形成され、保持部330との干渉を避けるための逃げ穴313とがそれぞれ形成されている。
逃げ穴313は、保持部330の外形に対応させて形成された略矩形状の切り欠き穴である。
詳しく述べると、キャスター部320は、平面視において高さ調整部材340から略等しい間隔を空けて3つ配置されており、第1キャスター部320Aと、第2キャスター部320Bと、第3キャスター部320Cと、を有している。
上記構成により、移動用治具300は、キャスター部320を旋回させながら回転させることで床上を自在に移動することができる。
保持部330は、互いに隣り合う第1キャスター部320A及び第2キャスター部320Bの間に配置されており、かつ、平面視において第1キャスター部320Aと第2キャスター部320Bを結ぶ仮想線の延長上に配置されている。
また、保持部330は、本体部310の中央部分に対して第3キャスター部320C側とは反対側の位置に配置され、かつ、本体部310の中央部分と第3キャスター部320Cを結ぶ仮想線の延長上に配置されている。
保持部330は、上壁部332及び底壁部333によって、内装ユニットUのベースフレームU2を上下方向で挟み込むように保持する。
保持部330がベースフレームU2を挟み込んだときに、保持部330の締結穴335と、ベースフレームU2に設けられた締結穴とが連通した状態で締結ボルトが下方から締結されることで、移動用治具300がベースフレームU2に取り付けられる。
あるいは、締結穴334と、ベースフレームU2に設けられた締結穴とが連通した状態で締結ボルトが上方から締結されることで、移動用治具300がベースフレームU2に取り付けられる。
詳しく述べると、移動ブラケット344は、高さ調整ナット343及び規制ナット345の間に配置され、固定ボルト342を挿通可能な第1中空部344aと、規制ナット345及び本体部310の間に配置され、固定ボルト342を挿通可能な第2中空部344bと、第1中空部344a及び第2中空部344bの外側面に取り付けられ、保持部330を取り付けるための連結部344cと、を有している。
次に、吊り天秤100、吊り治具200、移動用治具300を用いた内装ユニットUの施工方法について、図12に基づいて説明する。
まずは、作業者(例えば、メーカー施工者)が、内装ユニットUを事前に組み立てる「ユニット組み立て工程」(ステップS1)から始まる。
このとき、内装ユニットUは、ユニットカバーU4によって被覆され、胴ベルト30を巻き付けた状態でトラックによって搬入される。
詳しく述べると、ユニット吊り上げ工程では、図1に示すように、枠状に展開された吊り天秤100によって吊りスリング10及び支持スリング20の吊り位置を保持することと(ステップS3-1)、内装ユニットUの脚部材U3に対して吊り治具200(掛け止め部220)を掛け止めすることと(ステップS3-2)、支持スリング20の下端部に対して吊り治具200(スリング取り付け部230)を取り付けることと(ステップS3-3)、を行った上で、内装ユニットUを吊り上げる(ステップS3-4)。
なお、ステップS3-1からステップS3-3までの作業については、いずれの順番で行われても良い。
詳しく述べると、ユニット仮置き工程では、図2に示すように、内装ユニットUのベースフレームU2に対して移動用治具300を複数取り付けることと(ステップS4-1)、内装ユニットUを床から浮かせた状態で仮置きすることと(ステップS4-2)、内装ユニットUから吊り治具200を取り外すことと(ステップS4-3)、を行う。
なお、仮置きされた内装ユニットUは、例えば、工事の進捗状況に応じて所定の間、建物内部の別の位置に保管される。あるいは、内装ユニットUのメーカー施工者が到着するまでの間、建物内部の別の位置に保管される。
詳しく述べると、ユニット移動工程では、建物の躯体内部の所定位置まで内装ユニットUを移動させることと(ステップS5-1)、内装ユニットUから移動用治具300を取り外すことと(ステップS5-2)、を行う。
なお、図2に示すように、建物の躯体内部にある床F(パネル床F)の上面には、躯体に対し床Fを固定するための固定用穴F1が所定の間隔を空けて形成されている。そうすると、移動用治具300のキャスター部320が固定用穴F1内部に落下する虞がある。そのため、移動用治具300が固定用穴F1に落下する場合を想定して、移動用治具300が3つのキャスター部320を備えている。
詳しく述べると、内装ユニットUの高さ合わせ及び位置調整を行い、内装ユニットUの脚部材U3を床F上に接着剤を用いて固定し、内装ユニットUの配管作業を行う。
上記ステップS6の工程を終えて、一連の作業工程を終了する。
特に、吊り天秤100を用いることで、スリング部材1の吊り位置を好適に保持することができ、内装ユニットUを安定して吊り上げることができる。
上記実施形態では、図1に示すように、吊り天秤100は、内装ユニットUを吊り上げる際に用いられるが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、箱状の重量物を吊り上げる際に用いられても良いし、重量物以外の吊り対象物を吊り上げる際に用いられても良い。
例えば、スリング取り付け部112が、連結部材120の延出方向の両端部にそれぞれ形成されていても良い。
また例えば、スリング取り付け部112が長尺部材110の中央部分に形成され、スリング取り付け穴114が連結部材120の中央部分に形成されていても良い。
なお、図3に示す本実施形態であれば、吊りスリング10(環状部12)が、長尺部材110の延出方向において連結部材120と、支持スリング20(シャックル付き環状部21)との間に挟み込まれている。そのため、吊りスリング10及び支持スリング20が吊り天秤100から外れてしまうことを防止できる。
例えば、長尺部材110と連結部材120とのなす展開角度が60~90度、好ましくは、75~90度に設定されていると良い。また、折り畳み角度が0~45度、好ましくは0~30度に設定されていると良い。
上記のように設定されることで、吊り上げ時にはより好適に機能させることができ、不使用時にはよりコンパクトに収納可能な吊り天秤100を実現できる。
すなわち、第1突起部125(第2突起部126)が、抜け防止部124と同様に、長尺部材110から連結部材120が抜けることを防止する機能を果たすため、例えば抜け防止部124を不要の構成としても良い。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
U 内装ユニット
U1 ユニット本体
U2 ベースフレーム
U3 脚部材
U4 ユニットカバー
U4a カバー開閉部
1 スリング部材
10 吊りスリング
11、12 環状部
20 支持スリング
21、22 環状部
23 べろ部
30 胴ベルト
100 吊り天秤
110(110A、110B) 長尺部材
111 本体部
112 スリング取り付け部
112a 第1突出部
112b 第2突出部
113 連結穴
114 スリング取り付け穴
120(120A、120B) 連結部材
121 本体部
122 第1屈曲部
123 第2屈曲部
124 抜け防止部
125 第1突起部
126 第2突起部
200 吊り治具
210 治具本体部
211 上壁部
212 底壁部
213 連結壁部
214 突出壁部
214a 第1突出壁部
214b 第2突出壁部
220 掛け止め部
220A 第1掛け止め部
220B 第2掛け止め部
221 第1溝部
222 第2溝部
223 移動部材
223a 回動軸
223b 移動フック
223c 付勢バネ
230 スリング取り付け部
240 第1弾性部材
250 第2弾性部材
300 移動用治具
310 本体部
311 組み付け穴
312 取り付け穴
313 逃げ穴
320 キャスター部
320A 第1キャスター部
320B 第2キャスター部
320C 第3キャスター部
321 キャスター軸
322 キャスター本体
323 車軸
324 車輪
330 保持部
331 側壁部
332 上壁部
333 底壁部
334、335 締結穴
340 高さ調整部材
341 固定ナット
342 固定ボルト
343 高さ調整ナット
344 移動ブラケット
344a 第1中空部
344b 第2中空部
344c 連結部
345 規制ナット
L 吊り上げ装置
L1 吊り上げ部
F 床(パネル床)
F1 固定用穴
Claims (6)
- 吊り上げ装置に掛け止めされたスリング部材によって重量物を吊り上げる際に用いられ、前記スリング部材の吊り位置を保持するための吊り天秤であって、
水平方向において所定の間隔を空けて設けられ、互いに対向しながら延びている一対の長尺部材と、
該長尺部材の延出方向において所定の間隔を空けて設けられ、前記一対の長尺部材を連結するとともに、一方の長尺部材に対して他方の長尺部材を水平回転可能となるように取り付けられる一対の連結部材と、を備えており、
前記長尺部材及び前記連結部材の一方には、前記スリング部材を取り付けるためのスリング取り付け部が形成され、
前記吊り天秤は、
前記スリング部材の吊り位置を保持するために、前記一対の長尺部材と前記一対の連結部材とで枠状に展開された展開位置と、
該展開位置から、前記一方の長尺部材に対して前記他方の長尺部材を水平回転させることで、該他方の長尺部材を前記一方の長尺部材側に折り畳んだ折り畳み位置との間で切り替え可能であり、
前記連結部材は、前記一対の長尺部材にそれぞれ設けられた連結穴を貫通するように延びており、
前記連結部材において前記一方の長尺部材を貫通した一端部には、前記連結部材の延出方向とは交差方向に屈曲して延びている第1屈曲部が形成され、
前記連結部材において前記他方の長尺部材を貫通した他端部には、前記連結部材の延出方向とは交差方向に屈曲し、かつ、前記第1屈曲部の延出方向とは反対側に延びている第2屈曲部が形成されていることを特徴とする吊り天秤。 - 前記吊り天秤は、前記重量物となる内装ユニットを吊り上げる際に用いられ、
前記スリング取り付け部は、前記長尺部材の延出方向において前記一対の連結部材が連結された部分よりも外側に位置する両端部分に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の吊り天秤。 - 前記連結部材は、前記一対の長尺部材に対して前記連結部材の延出方向に沿った軸周りに回動可能となるように取り付けられ、
前記吊り天秤が前記展開位置にいるときに、前記一対の連結部材が前記軸周りにおいて互いに異なる回動位置に配置されることで、前記吊り天秤が枠状のまま固定され、
前記吊り天秤が前記展開位置にいるときに、前記一対の連結部材が前記軸周りにおいて同じ回動位置に配置されることで、前記吊り天秤が折り畳み可能となることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り天秤。 - 前記連結部材の延出方向において前記第1屈曲部及び前記第2屈曲部よりも外側に位置する両端部には、前記連結穴よりも幅広となるように形成された抜け防止部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吊り天秤。
- 前記連結部材の延出方向において前記一方の長尺部材に設けられた前記連結穴よりも内側に位置する一端部分には、該一端部分の外側面から前記第1屈曲部の屈曲方向と同じ向きに突出する第1突起部が形成され、
前記連結部材の延出方向において前記他方の長尺部材に設けられた前記連結穴よりも内側に位置する他端部分には、該他端部分の外側面から前記第2屈曲部の屈曲方向と同じ向きに突出する第2突起部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吊り天秤。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の吊り天秤を用いた施工方法であって、
重量物となる内装ユニットを組み立てるユニット組み立て工程と、
組み立てられた前記内装ユニットを施工現場へ搬入するユニット搬入工程と、
搬入された前記内装ユニットを前記吊り上げ装置に掛け止めされた前記スリング部材によって吊り上げるユニット吊り上げ工程と、
吊り上げられた前記内装ユニットを建物の躯体内部に設置するユニット設置工程と、を含み、
前記ユニット吊り上げ工程では、枠状に展開された前記吊り天秤によって前記スリング部材の吊り位置を保持することを特徴とする吊り天秤を用いた施工方法。
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