JP7493164B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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本発明は、非水電解質二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、例えば、電気自動車等の車両の動力源に用いられ、高容量化や出力特性の向上が求められている。非水電解質二次電池の正極活物質には、例えば、リチウムとニッケルとを含む複合酸化物(以下、ニッケル系複合酸化物とも称する。)が用いられる。
特許文献1では、以下の非水電解質二次電池用正極活物質が提案されている。正極活物質は、一般式:LiNi1-x-yCoで表されるリチウム金属複合酸化物の粉末を含む。式中、0.10≦x≦0.35、0≦y≦0.35、0.97≦z≦1.20を満たし、Mは、Mn、V、Mg、Mo、Nb、TiおよびAlからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。リチウム金属複合酸化物の粉末は、一次粒子および一次粒子が凝集して形成された二次粒子を含み、一次粒子の表面にタングステン酸リチウムの微粒子が配置されている。タングステン酸リチウムには、LiWO、LiWO、またはLiが用いられる。
また、特許文献2では、以下の非水電解質二次電池が提案されている。非水電解質二次電池は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子を含む正極と、リチウムイオンを挿入脱離可能な炭素材料を含む負極と、非水電解質と、を備える。リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムを除く全金属元素の主成分としてニッケルを含む。リチウム遷移金属複合酸化物の粒子は、一次粒子および一次粒子が凝集して形成された二次粒子を含み、一次粒子および二次粒子の少なくとも一方の表面にタングステン化合物が付着している。非水電解質は、環状カーボネートおよび鎖状カーボネートを含み、環状カーボネートに対する鎖状カーボネートの体積比は、3以上、9未満である。
特開2013-125732号公報 国際公開第2016/017092号
ニッケル系複合酸化物は、高容量化に有利であるが、正極抵抗が増大し、電池の直流抵抗が上昇し易い。ニッケル系複合酸化物粒子の表面に、特許文献1に記載のタングステン酸リチウムや特許文献2に記載のタングステン化合物を付着させると、初期の直流抵抗はある程度小さくなる。しかし、充放電を繰り返すと、直流抵抗が上昇し、出力特性が低下することがある。
上記に鑑み、本発明の一側面は、正極と、負極と、非水電解質と、を備え、前記正極は、リチウムと、リチウム以外の金属Meと、を含有する複合酸化物の粒子と、前記粒子の表面に付着しているタングステン化合物と、を備える正極材料を含み、前記金属Meは、少なくともニッケルを含み、前記非水電解質は、不飽和スルトン化合物を含む、非水電解質二次電池に関する。
本発明によれば、高容量および優れた出力特性を有する非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の一部を切り欠いた概略斜視図である。
本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質と、を備える。正極は、リチウムと、リチウム以外の金属Meと、を含有する複合酸化物(活物質)の粒子と、上記の粒子の表面に付着しているタングステン化合物と、を備える正極材料を含む。金属Meは、少なくともニッケルを含む。非水電解質は、不飽和スルトン化合物を含む。なお、上記の「付着している」とは、正極合剤層内においてタングステン化合物と複合酸化物の粒子とが接触している場合を含む。
高容量化に有利なニッケル系複合酸化物の粒子の表面にタングステン化合物を付着させるとともに、非水電解質に不飽和スルトン化合物を含ませることにより、ニッケル系複合酸化物を用いる場合の充放電の繰り返しに伴う直流抵抗の上昇が大幅に抑制される。
その詳細な理由は明らかでないが、以下のように推測される。
充放電時に、タングステン化合物が付着している複合酸化物粒子の表面に、不飽和スルトン化合物由来の成分を含む被膜が形成され得る。上記被膜は、抵抗が小さく、良好なリチウムイオン伝導性を有する。また、上記被膜は、上記の複合酸化物粒子を保護する作用等を有し、充放電時において、上記被膜によりタングステン化合物の電解液への溶出が抑制され、タングステン化合物による直流抵抗の低減効果が維持され易い。
不飽和スルトン化合物は、環内に炭素-炭素不飽和結合を有する環状スルホン酸エステルである。不飽和スルトン化合物では、飽和スルトン化合物と比べて、不飽和結合の存在等により複合酸化物を保護する作用を有する良質な被膜が形成され易く、タングステン化合物の電解液への溶出が抑制される。
不飽和スルトン化合物としては、例えば、以下の一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007493164000001
一般式(1)のR~Rは、それぞれ独立して、水素原子または置換基である。置換基は、ハロゲン原子、炭化水素基、ヒドロキシル基、アミノ基、エステル基等を含む。ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子等を含む。炭化水素基は、アルキル基およびアルケニル基等を含む。アルキル基およびアルケニル基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。アルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等を含む。アルケニル基は、ビニル基、1-プロぺニル基、2-プロぺニル基等を含む。炭化水素基の水素原子の少なくとも1つは、ハロゲン原子に置換されていてもよい。非水電解質の良好な粘性確保および溶解性向上の観点から、炭化水素基は、炭素原子数が1~5のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1~3のアルキル基がより好ましい。
一般式(1)中のnは、RおよびRを有するメチレン基の繰り返し数を示す。nは、1~3の整数である。nが2または3の場合、各メチレン基が有するRおよびRは、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、1-プロペン-1,3-スルトン(PRS)、1-ブテン-1,4-スルトン、1-ペンテン-1,5-スルトン、2-フルオロ-1-プロペン-1,3-スルトン、2-フルオロ-1-ブテン-1,4-スルトン、2-フルオロ-1-ペンテン-1,5-スルトン等が挙げられる。充放電の繰り返しに伴う直流抵抗の上昇の抑制効果が特に大きい観点から、中でも、PRSが好ましい。
非水電解質中の不飽和スルトン化合物の含有量(非水電解質全体に対する質量割合)は、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上、1.5質量%以下であり、更に好ましくは0.2質量%以上、1.5質量%以下である。電池の初回充電前(もしくは電池に注液する前)において、非水電解質中の不飽和スルトン化合物の含有量が上記範囲内であることが好ましい。非水電解質中の不飽和スルトン化合物の含有量が1.5質量%以下である場合、被膜が適度に形成され易く、被膜抵抗を低減し易い。非水電解質中の不飽和スルトン化合物の含有量が0.1質量%以上である場合、不飽和スルトン化合物由来の被膜が十分に形成され易い。非水電解質中のスルトン化合物の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析(GCMS)により求められる。
充放電の過程で、不飽和スルトン化合物の少なくとも一部は分解し、被膜形成に利用される。よって、充放電後の電池(例えば充放電を数回行った初期の電池)では、非水電解質中の不飽和スルトン化合物の含有量は1.5質量%未満であってもよい。非水電解質の調製時における不飽和スルトン化合物の含有量が1.5質量%以下である場合、例えば初回充電後の電池における非水電解質中の不飽和スルトン化合物の含有量は、例えば、50ppm以下である。電池から取り出された非水電解質に含まれる不飽和スルトン化合物の含有量は、検出限界に近い微量となっていてもよい。不飽和スルトン化合物の存在が確認できれば、それに応じた作用効果が認められる。
非水電解質が酢酸メチル(MA)を含む場合、不飽和スルトン化合物の添加による充放電の繰り返しに伴う直流抵抗の上昇抑制の効果が顕著に得られる。非水電解質がMAを含む場合、抵抗が小さくなる反面、タングステン化合物が電解液中に溶出し易くなる。よって、この場合、不飽和スルトン化合物の添加によるタングステン化合物の電解液への溶出抑制の効果が顕著に得られる。非水電解質中のMAの含有量は、例えば、5質量%以上、90質量%以下である。
タングステン化合物は、例えば、酸化タングステンおよびタングステン酸リチウムの少なくとも一方を含む。酸化タングステンとしては、WO等が挙げられる。タングステン酸リチウムとしては、LiWO等が挙げられる。
正極材料において、金属Meに対するタングステン化合物に含まれるタングステンの原子比:W/Meは、好ましくは0.01以上、0.5以下であり、より好ましくは0.05以上、0.5以下であり、更に好ましくは0.05以上、0.2以下である。W/Meが0.01以上である場合、複合酸化物粒子の表面にタングステン化合物が十分に存在し、充放電の繰り返しに伴う直流抵抗の上昇の抑制効果が得られ易い。W/Meが0.5以下である場合、正極材料において複合酸化物(正極活物質)が十分に存在し、高容量化し易い。
原子比W/Meは、例えば、以下の方法により求めることができる。
電池を分解して、正極を取り出す。正極を非水溶媒で洗浄し、正極に付着した非水電解質を除去し、乾燥により非水溶媒を除去する。正極から正極合剤を採取し、所定の酸で溶液化し、試料溶液を得る。得られた試料溶液を用いて、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により、試料溶液中のW量およびMe量を求め、原子比W/Meを算出する。
複合酸化物粒子の表面にタングステン化合物を付着させる方法としては、例えば、複合酸化物とタングステン化合物とを混合し、混合物を熱処理する方法が挙げられる。上記の方法では、複合酸化物の一次粒子および二次粒子の両方の表面にタングステン化合物を付着させ易い。
複合酸化物粒子の表面に付着しているタングステン化合物は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による正極合剤層中の複合酸化物粒子(粒子表面の付着物を含む)の断面の観察、およびエネルギー分散型X線分光法(EDX)による当該粒子の断面の元素分析により確認することができる。
正極活物質は、リチウムと、リチウム以外の金属Meと、を含有する複合酸化物を含み、金属Meは、少なくともニッケル(Ni)を含む。これにより、高容量の電池が得られる。金属Meは、更に、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ストロンチウム(Sr)およびシリコン(Si)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでもよい。また、複合酸化物は、金属Me以外に、ホウ素(B)等を更に含んでもよい。
高容量化および出力特性の向上の観点から、中でも、金属Meは、Niと、Co、MnおよびAlからなる群より選択される少なくとも1種と、を含むことが好ましく、Niと、Coと、Mnおよび/またはAlと、を含むことがより好ましい。金属MeがCoを含む場合、充放電時において、リチウムとニッケルとを含む複合酸化物の相転移が抑制され、結晶構造の安定性が向上し、サイクル特性が向上し易い。金属MeがMnおよび/またはAlを含む場合、熱安定性が向上する。
高容量化し易い観点から、複合酸化物において、金属Meに対するニッケルの原子比:Ni/Meは、好ましくは0.45以上、1未満であり、より好ましくは0.50以上、1未満であり、更に好ましくは0.75以上、1未満である。
複合酸化物は、一般式:LiNi1-x(0.9≦a≦1.2、0.45≦x<1、Mは、Co、MnおよびAlからなる群より選択される少なくとも1種)で表される酸化物であってもよい。Liの組成比を示すaが0.95以上、1.2以下である場合、NiイオンがLiサイトに入るカチオンミキシングが生じ難くなり、出力特性が向上し易い。Niの組成比を示すxが0.45以上、1未満である場合、金属Meに占めるNiの割合が多く、高容量化し易いとともに、Niによる効果と、Mによる効果とが、バランス良く得られる。なお、aの値は、充放電時に変化する。
複合酸化物は、一般式:LiNiCoAl(0.95≦a≦1.2、0.8≦x<1、0≦y<0.2、0≦z≦0.05、x+y+z=1)で表される酸化物であってもよい。Coの組成比を示すyが0超、0.2未満である場合、高容量および高出力を維持し易く、かつ、充放電時の結晶構造の安定性が向上し易い。Alの組成比を示すzが0超、0.05以下である場合、高容量および高出力を維持し易く、かつ、熱安定性が向上し易い。
複合酸化物の粒子は、通常、複数の一次粒子が凝集した二次粒子を含む。二次粒子の平均粒径(D50)は、例えば、5μm以上、20μm以下である。なお、ここでいう平均粒径(D50)は、体積基準の粒度分布において体積積算値が50%となるメディアン径のことをいう。二次粒子の平均粒径(D50)は、レーザー回折法による粒度分布測定を行うことにより求められる。複合酸化物の粒子は、単独で存在している一次粒子を含んでもよい。
以下、非水電解質二次電池の構成について詳細に説明する。
(正極)
正極は、例えば、正極集電体と、正極集電体の表面に形成された正極合剤層と、を具備する。正極合剤層は、正極合剤を分散媒に分散させた正極スラリーを、正極集電体の表面に塗布し、乾燥させることにより形成できる。乾燥後の塗膜を、必要により圧延してもよい。正極合剤層は、正極集電体の一方の表面に形成してもよく、両方の表面に形成してもよい。正極合剤は、必須成分として正極活物質を含み、任意成分として、結着剤、導電剤、増粘剤等を含んでもよい。
結着剤としては、樹脂材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;アラミド樹脂等のポリアミド樹脂;ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド樹脂;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、エチレン-アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂;ポリアクリルニトリル、ポリ酢酸ビニル等のビニル樹脂;ポリビニルピロリドン;ポリエーテルサルフォン;スチレン-ブタジエン共重合ゴム(SBR)等のゴム状材料等が例示できる。結着剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤としては、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛;アセチレンブラック等のカーボンブラック類;炭素繊維や金属繊維等の導電性繊維類;フッ化カーボン;アルミニウム等の金属粉末類;酸化亜鉛やチタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類;酸化チタン等の導電性金属酸化物;フェニレン誘導体等の有機導電性材料等が例示できる。導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびその変性体(Na塩等の塩も含む)、メチルセルロース等のセルロース誘導体(セルロースエーテル等);ポリビニルアルコール等の酢酸ビニルユニットを有するポリマーのケン化物;ポリエーテル(ポリエチレンオキシド等のポリアルキレンオキサイド等)等が挙げられる。増粘剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分散媒としては、特に制限されないが、例えば、水、エタノール等のアルコール、テトラヒドロフラン等のエーテル、ジメチルホルムアミド等のアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、またはこれらの混合溶媒等が用いられる。
正極集電体としては、無孔の導電性基板(金属箔等)、多孔性の導電性基板(メッシュ体、ネット体、パンチングシート等)が使用される。正極集電体の材質としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン等が例示できる。正極集電体の厚さは、特に限定されないが、例えば、3~50μmである。
(負極)
負極は、例えば、負極集電体と、負極集電体の表面に形成された負極合剤層と、を具備する。負極合剤層は、負極合剤を分散媒に分散させた負極スラリーを、負極集電体の表面に塗布し、乾燥させることにより形成できる。乾燥後の塗膜を、必要により圧延してもよい。負極合剤層は、負極集電体の一方の表面に形成してもよく、両方の表面に形成してもよい。負極合剤は、必須成分として負極活物質を含み、任意成分として、結着剤、導電剤、増粘剤等を含んでもよい。結着剤、増粘剤、および分散媒としては、正極で例示したものを用いることができる。また、導電剤としては、黒鉛を除き、正極で例示したものを用いることができる。
負極活物質としては、炭素材料、ケイ素、ケイ素含有材料、リチウム合金等が例示できる。
高容量化の観点から、負極活物質は、ケイ素およびケイ素含有材料の少なくとも一方のSi系活物質を含むことが好ましい。ケイ素含有材料としては、例えば、アルカリ金属元素および第2族元素の少なくとも一方を含むシリケート相と、シリケート相内に分散しているシリコン粒子と、を備える複合材料を用いることができる。この場合、初期の充放電効率およびサイクル特性が向上する。複合材料は、例えば、リチウムシリケート相と、リチウムシリケート相内に分散しているシリコン粒子と、を備える。リチウムシリケート相は、例えば、Li2uSiOu+2(0<u<2)で表される組成を有し得る。ケイ素含有材料としては、SiO相と、SiO相内に分散しているシリコン粒子と、を備えるSiO(0.5≦z≦1.5)を用いてもよい。ケイ素含有材料の粒子の表面は、炭素材料等の導電性材料を含む導電層で被覆されていてもよい。
炭素材料としては、例えば、黒鉛、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)等が例示できる。中でも、充放電の安定性に優れ、不可逆容量も少ない黒鉛が好ましい。黒鉛とは、黒鉛型結晶構造を有する材料を意味し、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン粒子等が含まれる。炭素材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
良好なサイクル特性および高容量をバランス良く得られ易い観点から、Si系活物質と炭素材料とを併用することが好ましい。高容量化の観点から、Si系活物質と炭素材料との合計に占めるSi系活物質の割合は、例えば、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、更に好ましくは2質量%以上である。また、サイクル特性の向上の観点から、Si系活物質と炭素材料との合計に占めるSi系活物質の割合は、例えば、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以下である。
負極集電体としては、無孔の導電性基板(金属箔等)、多孔性の導電性基板(メッシュ体、ネット体、パンチングシート等)が使用される。負極集電体の材質としては、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金等が例示できる。負極集電体の厚さは、特に限定されないが、負極の強度と軽量化とのバランスの観点から、1~50μmが好ましく、5~20μmがより望ましい。
(非水電解質)
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解したリチウム塩と、を含む。非水溶媒は、不飽和スルトンを含む。
非水溶媒としては、例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステル、鎖状カルボン酸エステル等が用いられる。環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)等が挙げられる。ビニレンカーボネート(VC)等の不飽和結合を有する環状炭酸エステルを用いてもよい。フルオロエチレンカーボネート(FEC)等のフッ素原子を有する環状炭酸エステルを用いてもよい。鎖状炭酸エステルとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)等が挙げられる。環状カルボン酸エステルとしては、γ-ブチロラクトン(GBL)、γ-バレロラクトン(GVL)等が挙げられる。鎖状カルボン酸エステルとしては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル等が挙げられる。非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、ホウ酸塩類、イミド塩類等が挙げられる。ホウ酸塩類としては、ビス(1,2-ベンゼンジオレート(2-)-O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3-ナフタレンジオレート(2-)-O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’-ビフェニルジオレート(2-)-O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(5-フルオロ-2-オレート-1-ベンゼンスルホン酸-O,O’)ほう酸リチウム等が挙げられる。イミド塩類としては、ビスフルオロスルホニルイミドリチウム(LiN(FSO22)、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(CF3SO22)、トリフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(CF3SO2)(C49SO2))、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(C25SO22)等が挙げられる。リチウム塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。非水電解質中のリチウム塩の濃度は、例えば、0.5mol/L以上、2mol/L以下である。
(セパレータ)
通常、正極と負極との間には、セパレータを介在させることが望ましい。セパレータは、イオン透過度が高く、適度な機械的強度および絶縁性を備えている。セパレータとしては、微多孔薄膜、織布、不織布等を用いることができる。セパレータの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンが好ましい。
非水電解質二次電池の構造の一例としては、正極および負極がセパレータを介して巻回されてなる電極群と、非水電解質とが外装体に収容された構造が挙げられる。或いは、巻回型の電極群の代わりに、正極および負極がセパレータを介して積層されてなる積層型の電極群等、他の形態の電極群が適用されてもよい。非水電解質二次電池は、例えば円筒型、角型、コイン型、ボタン型、ラミネート型等、いずれの形態であってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る角形の非水電解質二次電池の一部を切欠いた概略斜視図である。
電池は、有底角形の電池ケース4と、電池ケース4内に収容された電極群1および非水電解質(図示せず)とを備えている。電極群1は、長尺帯状の負極と、長尺帯状の正極と、これらの間に介在し、かつ直接接触を防ぐセパレータとを有する。電極群1は、負極、正極、およびセパレータを、平板状の巻芯を中心にして捲回し、巻芯を抜き取ることにより形成される。
負極の負極集電体には、負極リード3の一端部が溶接等により取り付けられている。負極リード3の他端部は、樹脂製の絶縁板(図示せず)を介して、封口板5に設けられた負極端子6に電気的に接続されている。負極端子6は、樹脂製のガスケット7により、封口板5から絶縁されている。正極の正極集電体には、正極リード2の一端部が溶接等により取り付けられている。正極リード2の他端部は、絶縁板を介して、封口板5の裏面に接続されている。すなわち、正極リード2は、正極端子を兼ねる電池ケース4に電気的に接続されている。絶縁板は、電極群1と封口板5とを隔離するとともに負極リード3と電池ケース4とを隔離している。封口板5の周縁は、電池ケース4の開口端部に嵌合しており、嵌合部はレーザー溶接されている。このようにして、電池ケース4の開口部は、封口板5で封口される。封口板5に設けられている非水電解質の注入孔は、封栓8により塞がれている。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(1)正極活物質の作製
共沈法により得られたNi0.90Co0.07Al0.03(OH)と、LiCOとを、Ni、CoおよびAlの合計に対するLiの原子比:Li/(Ni+Co+Al)が1.05/1となるように混合し、酸素雰囲気下で焼成し、正極活物質である複合酸化物を得た。得られた複合酸化物の組成は、Li1.05Ni0.90Co0.07Al0.03であった。なお、複合酸化物の組成はICP発光分光分析により求めた。粉砕および篩を用いた分級により、平均粒径12μmの複合酸化物の粉末を得た。
(2)正極材料の作製
複合酸化物の粉末と、タングステン化合物の粉末(平均粒径4μm)とを、金属Me(Ni、CoおよびAlの合計)に対するWの原子比:W/Meが0.09/1となるように混合した。得られた混合物を200℃で熱処理し、複合酸化物の粒子の表面にタングステン化合物が付着した正極材料を得た。タングステン化合物には、WOを用いた。
SEM観察およびEDX分析により、複合酸化物の粒子は、複数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子と、単独で存在している一次粒子と、を含み、いずれの粒子の表面にもタングステン化合物が付着していることが確かめられた。
(3)正極の作製
正極材料と、アセチレンブラック(AB)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、100:2:2の質量比で混合し、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を添加した後、混合機(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス)を用いて攪拌し、正極スラリーを調製した。アルミニウム箔の表面に正極スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧延して、アルミニウム箔の両面に正極合剤層(密度3.6g/cm)が形成された正極を作製した。
(4)負極の作製
シリコン含有材料粉末(平均粒径5μm)と黒鉛粉末(平均粒径20μm)とを5:95の質量比で混合し、負極活物質を得た。シリコン含有材料には、SiO相と、SiO相内に分散しているシリコン粒子と、を備えるとともに、表面に導電層を有するSiO(z=1)の粒子を用いた。
負極活物質と、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)と、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)とを、100:1:1の質量比で混合し、水を添加した後、混合機(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス)を用いて攪拌し、負極スラリーを調製した。銅箔の表面に負極スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧延して、銅箔の両面に負極合剤層(密度1.7g/cm)が形成された負極を作製した。
(5)非水電解質の調製
エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比1:1)にLiPFを溶解させて、非水電解質を調製した。上記において、非水電解質に添加剤として1-プロペン-1,3-スルトン(PRS)を含ませた。非水電解質中のPRSの含有量は、1.0質量%とした。非水電解質中のLiPFの濃度は、1.2mol/Lとした。
(6)非水電解質二次電池の作製
上記で得られた正極にアルミニウム製の正極リードの一端部を取り付けた。上記で得られた負極にニッケル製の負極リードの一端部を取り付けた。ポリエチレン製のセパレータを介して正極および負極を巻回することにより巻回型の電極体を作製した。当該電極体を105℃で2時間真空乾燥した後、負極端子を兼ねる有底円筒形状の電池ケースに収容した。電池ケースには、鉄製ケース(外径18mm、高さ65mm)を用いた。次いで、電池ケース内に非水電解質を注入した後、正極端子を兼ねる金属製の封口体を用いて電池ケースの開口部を閉じた。このとき、封口体と電池ケースの開口端部との間に樹脂製のガスケットを介在させた。正極リードの他端部を封口体に接続し、負極リードの他端部を電池ケースの内底面に接続した。このようにして、18650型の円筒形非水電解質二次電池(実施例1の電池A1)を作製した。
《比較例1》
PRSの代わりに1-プロパン-1,3-スルトン(PS)を非水電解質に含ませた以外、電池A1と同様の方法により、比較例1の電池B1を作製した。
《比較例2》
非水電解質にPRSを含ませなかった以外、電池A1と同様の方法により、比較例2の電池C1を作製した。
電池A1、B1およびC1について、以下の評価を行った。
[評価1:初期(0サイクル時)の直流抵抗]
上記で得られた電池について、25℃の環境下で、0.2Cの電流で電圧が4.2Vに達するまで定電流充電を行い、定電流充電の後、4.2Vの電圧で電流が0.02Cに達するまで定電圧充電を行った。その後、20分間休止した。このようにして、SOC100%の電池を得た。得られたSOC100%の電池について、0.5Cの電流Iで定電流放電を行った。放電開始直前の電圧と放電開始後10秒経過時の電圧との差ΔVを電流Iで除した値(ΔV/I)を求め、初期(0サイクル時)の直流抵抗Rとした。
[評価2:200サイクル時の直流抵抗]
上記で得られた電池について、下記の充放電サイクル試験を行った。
〈充放電サイクル試験〉
〈充電〉
45℃の環境下で、0.5Cの電流で電圧が4.2Vに達するまで定電流充電を行った。充電後、20分間休止した。
〈放電〉
休止後、45℃の環境下で、0.5Cの電流で電圧が2.5Vに達するまで定電流放電を行った。
200サイクル後の電池について、評価1と同様の手順でΔV/Iを求め、200サイクル時の直流抵抗R200とした。
[評価3:500サイクル時の直流抵抗]
上記で得られた電池について、評価2と同様の充放電サイクル試験を行った。500サイクル後の電池について、評価1と同様の手順でΔV/Iを求め、500サイクル時の直流抵抗R500とした。
[評価4:抵抗変化率]
上記で得られた直流抵抗Rおよび直流抵抗R200を用い、下記式より200サイクル時の抵抗変化率を求めた。
抵抗変化率(%)=(直流抵抗R200-直流抵抗R)/直流抵抗R×100
上記で得られた直流抵抗Rおよび直流抵抗R500を用い、下記式より500サイクル時の抵抗変化率を求めた。
抵抗変化率(%)=(直流抵抗R500-直流抵抗R)/直流抵抗R×100
[評価5:抵抗上昇比率]
電池C1に対する電池A1の200サイクル時の抵抗上昇比率は、電池A1の200サイクル時の抵抗変化率をA1200とし、電池C1の200サイクル時の抵抗変化率をC1200として、下記式により求めた。
電池A1の200サイクル時の抵抗上昇比率(%)=(A1200/C1200)×100
電池C1に対する電池A1の500サイクル時の抵抗上昇比率は、電池A1の500サイクル時の抵抗変化率をA1500とし、電池C1の500サイクル時の抵抗変化率をC1500として、下記式により求めた。
電池A1の500サイクル時の抵抗上昇比率(%)=(A1500/C1500)×100
電池C1に対する電池B1の200サイクル時の抵抗上昇比率は、電池B1の200サイクル時の抵抗変化率をB1200とし、電池C1の200サイクル時の抵抗変化率をC1200として、下記式により求めた。
電池B1の200サイクル時の抵抗上昇比率(%)=(B1200/C1200)×100
電池C1に対する電池B1の500サイクル時の抵抗上昇比率は、電池B1の500サイクル時の抵抗変化率をB1500とし、電池C1の500サイクル時の抵抗変化率をC1500として、下記式により求めた。
電池B1の500サイクル時の抵抗上昇比率(%)=(B1500/C1500)×100
《比較例3~5》
複合酸化物粒子の表面にタングステン化合物を付着させなかった以外、電池A1、B1およびC1と同様の方法により、それぞれ比較例3~5の電池A2、B2およびC2を作製し、評価した。
《実施例2および比較例6~7》
非水電解質に添加剤としてPRSおよび酢酸メチル(MA)を含ませた。具体的には、ECとDECとMAとを、25:60:15の体積比で混合し、混合溶媒を得た。混合溶媒にLiPFを溶解させて、非水電解質を調製した。非水電解質にPRSを含ませた。非水電解質中のPRSの含有量は、1.0質量%とした。非水電解質中のLiPFの濃度は、1.2mol/Lとした。
上記以外、電池A1と同様の方法により、実施例2の電池A3を作製し、評価した。また、上記以外、電池B1およびC1と同様の方法により、それぞれ比較例6~7の電池B3およびC3を作製し、評価した。
電池A1~A3、B1~B3およびC1~C3の評価結果を表1に示す。
ニッケル系複合酸化物粒子の表面にタングステン化合物を付着させ、非水電解質にPRSを含ませた実施例1の電池A1では、200サイクル時および500サイクル時の抵抗変化率が小さかった。比較例1の電池B1および比較例2の電池C1では、ニッケル系複合酸化物粒子の表面にタングステン化合物を付着させたが、非水電解質に不飽和スルトン化合物を含ませなかったため、200サイクル時および500サイクル時の抵抗変化率が増大した。非水電解質にPRSを含ませた電池A1では、非水電解質にPSを含ませた電池B1と比べて、200サイクル時および500サイクル時の電池C1に対する抵抗上昇比率が大幅に小さかった。電池A1では、電池B1、C1と比べて、充放電の繰り返しに伴う抵抗上昇の抑制効果が顕著に得られた。
非水電解質にPRSおよびMAを含ませた実施例2の電池A3では、充放電の繰り返しに伴う抵抗上昇の抑制効果がより顕著に得られた。
比較例3の電池A2では、非水電解質にPRSを含ませたが、ニッケル系複合酸化物粒子の表面にタングステン化合物を付着させなかったため、抵抗変化率が増大した。
比較例4の電池B2および比較例5の電池C2では、非水電解質にPRSを含ませず、ニッケル系複合酸化物粒子の表面にタングステン化合物を付着させなかったため、抵抗変化率が増大した。
比較例6の電池B3および比較例7の電池C3では、ニッケル系複合酸化物粒子の表面にタングステン化合物を付着させたが、非水電解質に不飽和スルトン化合物を含ませなかったため、抵抗変化率が増大した。
《実施例3~5》
非水電解質中のPRSの含有量を表2に示す値に変えた以外、電池A1と同様の方法により、実施例3~5の電池D1~D3を作製した。電池D1~D3について評価1~4を行った。電池A1とともに電池D1~D3の評価結果を表2に示す。
非水電解質中のPRS含有量が0.2質量%以上、1.5質量%以下である実施例1の電池A1および実施例3~5の電池D1~D3のいずれも、抵抗変化率が小さかった。中でも、非水電解質中のPRS含有量が0.8質量%以上、1.5質量%以下の電池A1、D2、D3では、抵抗変化率がより小さかった。
《実施例6》
タングステン化合物としてWOの代わりにLiWOを用いた以外、電池A1と同様の方法により、実施例6の電池E1を作製した。電池E1について評価1~4を行った。電池A1とともに電池E1の評価結果を表3に示す。
電池E1でも、電池A1と同様に、抵抗変化率が小さかった。
《実施例7~9》
正極材料の作製において、複合酸化物とタングステン化合物との配合比を調製し、原子比W/Meを表4に示す値に変えた以外、電池A1と同様の方法により、実施例7~9の電池F1~F3を作製した。電池F1~F3について評価1、2、4を行った。電池A1、A2とともに電池F1~F3の評価結果を表4に示す。
W/Meが0.01以上、0.5以下である実施例1の電池A1および実施例7~9の電池F1~F3のいずれも、タングステン化合物を用いなかった比較例3の電池A2と比べて、抵抗変化率が小さかった。中でも、W/Meが0.05以上、0.2以下の電池A1、F2、F3では、抵抗変化率がより小さかった。
《実施例10~12》
複合酸化物の作製において、金属Me(Ni、Co、MnおよびAl)の組成比を示す、x、y1、y2およびy3を表5に示す値に変えた以外、電池A1と同様の方法により、実施例11~13の電池G1~G3を作製した。
電池G1~G3について、評価1、2、4を行った。
また、電池A1、G1~G3について、以下の評価6を行った。
[評価6:初期容量]
上記で得られた電池について、下記の充放電を行い、初期容量を求めた。
〈充電〉
25℃の環境下で、0.2Cの電流で電圧が4.2Vに達するまで定電流充電を行い、その後、4.2Vの電圧で電流が0.02Cに達するまで定電圧充電した。充電後、20分間休止した。
〈放電〉
休止後、25℃の環境下で、0.2Cの電流で電圧が2.5Vに達するまで定電流放電を行い、初期の放電容量(初期容量)を求めた。
なお、初期容量は、実施例1の電池A1の初期容量を100とした指数として表した。
電池A1、G1~G3の評価結果を表5に示す。
xが0.45以上の実施例1の電池A1および実施例10~12のG1~G3のいずれも、初期容量が高く、抵抗変化率が小さかった。中でも、xが0.50以上の電池A1、G1、G2では、抵抗変化率が小さく、より高い初期容量が得られた。
本発明に係る非水電解質二次電池は、例えば、電気自動車等の車両の動力源として好適に用いられる。
1 電極群
2 正極リード
3 負極リード
4 電池ケース
5 封口板
6 負極端子
7 ガスケット
8 封栓

Claims (9)

  1. 正極と、負極と、非水電解質と、を備え、
    前記正極は、リチウムと、リチウム以外の金属Meと、を含有する複合酸化物の粒子と、前記粒子の表面に付着しているタングステン化合物と、を備える正極材料を含み、
    前記金属Meは、少なくともニッケルを含み、
    前記非水電解質は、不飽和スルトン化合物を含む、非水電解質二次電池。
  2. 前記不飽和スルトン化合物は、1-プロペン-1,3-スルトンを含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記非水電解質中の前記不飽和スルトン化合物の含有量は、1.5質量%以下である、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記非水電解質は、酢酸メチルを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記タングステン化合物は、酸化タングステンおよびタングステン酸リチウムの少なくとも一方を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記正極材料において、前記金属Meに対する前記タングステン化合物に含まれるタングステンの原子比:W/Meは、0.01以上、0.5以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記複合酸化物において、前記金属Meに対する前記ニッケルの原子比:Ni/Meは、0.45以上、1未満である、請求項1~6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記複合酸化物は、一般式:LiNi1-xで表され、
    式中、aおよびxは、それぞれ、0.9≦a≦1.2および0.45≦x<1を満たし、Mは、Co、MnおよびAlからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記負極は、ケイ素およびケイ素含有材料の少なくとも一方を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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