JP7489852B2 - 開口部養生装置、及び開口部養生方法 - Google Patents

開口部養生装置、及び開口部養生方法 Download PDF

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Description

本願発明は、建物などに設けられる開口部を養生する技術に関するものであり、より具体的には、開口部の下層階側から操作することによって開口部を封鎖することができる開口部養生装置と開口部養生方法に関するものである。
オフィスビルや集合住宅、商業施設といった建物には、電気設備や排水設備等が設置される空間、あるいは機械や工具等を収納する空間など(以下、これらを総称して「目隠空間」という。)が設けられていることがある。そしてこれら目隠空間は、普段利用されることがないことから地下に設置されることもあり、この場合、地下の目隠空間に入るための進入口が地上階の床面に設けられるケースも少なくない。
通常、目隠空間への進入口には開閉蓋が設置され、普段は開閉蓋によって進入口が閉鎖されているが、作業等のため目隠空間に入るにあたっては当然ながら開閉蓋は進入口から外される。開閉蓋が外された進入口はいわゆる「開口部」となり、第三者が転落することがないよう開口部には何らかの対策(養生)が施されるのが一般的である。
ところが、目隠空間への進入口の周囲には設備や道具等が配置されることもあり、その結果、進入口周辺が狭隘な状況となっていることも珍しくなく、そのため開口部の周りを囲う安全柵を設置することができず、あるいは設置できたとしても人の通行を妨げることとなっていた。
また、目隠空間では設備の点検作業や工具等の搬出作業が行われるが、比較的短時間で完了し、しかも目隠空間が閉塞した空間であることから、その作業は単独で実施されることが多い。このように単独作業の場合、ひとまず地上階で開口部の養生を行ったうえで目隠空間内に進入するか、目隠空間内に進入した後に下方から開閉蓋を閉めることになる。
しかしながら、例えば安全柵で開口部の養生を行った後に目隠空間内に進入する場合、安全柵を現地まで運搬する手間や作用後に搬出する手間が増えるうえ、目隠空間内への進入や目隠空間内からの退出が困難となり、上記したようにそもそも安全柵を設置するスペースがないケースさえある。また目隠空間内への進入後に下方から開閉蓋を閉める場合、作業中に開閉蓋上に物が置かれるなど不測の事態により目隠空間から脱出できない不安が生じるうえ、踏み抜くことがないよう堅固な材料で製作された開閉蓋は相当の重量があることからその設置作業には手間がかかり、そもそも目隠空間が深いときは下方から開閉蓋を設置できないケースさえある。
このような背景のもと、容易に開口部の養生を行うことを目的とする技術がこれまで種々提案されてきた。例えば特許文献1では、番傘の構造を模した開口部落下防止用安全器具と、これを用いた開口部落下防止用安全器具設置方法について提案している。
特開2009-263911号公報
特許文献1に開示される技術は、番傘と同様の操作で開口部落下防止用安全器具を開くとともに、いわば番傘を逆向きにした状態でその開口部落下防止用安全器具を開口部の上方から配置することによって、開口部を養生するものである。これにより、開口部の周りを囲う安全柵を設置する従来技術に比して、容易に開口部を養生することができるわけである。
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、開口部落下防止用安全器具を配置した後に作業者が開口部から進入することになるため、目隠空間内への進入にとって開口部落下防止用安全器具が障害となるという問題がある。また、狭隘なスペースに開口部が設けられている場合は、地上階において開口部落下防止用安全器具を開く作業が困難になるおそれもある。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、開口部上方における作業を従来技術に比して低減することができる開口部養生装置と開口部養生方法を提供することである。
本願発明は、開口部の下方に立つ作業者が操作することで開口部を養生する、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の開口部養生装置は、開口部の下層階側から挿入して展開することによって開口部を封鎖し得る装置であり、主軸と開閉軸、覆膜材、補助軸、移動支持体を備えたものである。主軸には固定支持体が設けられ、この固定支持体には複数の開閉軸が回転可能に固定される。また覆膜材は、開閉軸に取り付けられ、補助軸は、それぞれの開閉軸に取り付けられ、移動支持体は、主軸の軸方向に移動可能に主軸に取り付けられる。なお補助軸は、一端が開閉軸の一部に回転可能に固定されるとともに、他端が移動支持体に回転可能に固定される。そして、固定支持体を移動支持体より上方として開口部に通過させた状態で、移動支持体を固定支持体側に移動すると、開閉軸が主軸に対して開くとともに覆膜材が展張し、展張した覆膜材によって該開口部が封鎖される。
本願発明の開口部養生装置は、開閉軸の先端に滑り止め材が取り付けられたものとすることもできる。なお滑り止め材は、開閉軸の材料より大きな摩擦係数を有する材料で形成されたものである。
本願発明の開口部養生装置は、主軸が軸方向に連続する第1主軸と第2主軸で形成されたものとすることもできる。この場合、固定支持体は第1主軸に設けられる。なお第2主軸は、複数の分割軸で構成されるとともに、複数の分割軸は結束体によって結束される。そして、結束体を取り外して複数の分割軸の結束を解除すると、移動支持体が固定支持体側に移動し、覆膜材が展張する。
本願発明の開口部養生装置は、照明器と、この照明器を制御するスイッチをさらに備えたものとすることもできる。なお照明器は、開閉軸や覆膜材に取り付けられ、スイッチは、固定支持体を移動支持体より上方としたときの主軸の下端側に設けられる。
本願発明の開口部養生装置は、飛散防止体をさらに備えたものとすることもできる。この飛散防止体は、移動支持体(あるいは主軸)に取り付けられ、開口部を通過することができないものである。そのため、飛散防止体が開口部の下方に位置する状態で設置すると、開口部養生装置が上方へ飛散することを防止することができる。
本願発明の開口部養生方法は、本願発明の開口部養生装置を用いて開口部を封鎖する方法であり、開口部養生装置挿入工程と開口部封鎖工程を備えた方法である。このうち開口部養生装置挿入工程では、固定支持体を移動支持体より上方とした開口部養生装置を、開口部の下層階側から開口部に挿入する。また開口部封鎖工程では、移動支持体を固定支持体側に移動することで、開閉軸が主軸に対して開くとともに覆膜材が展張し、展張した覆膜材によって開口部を封鎖する。なお開口部養生装置挿入工程では、開閉軸の先端が開口部を通過するまで開口部養生装置を持ち上げる。
本願発明の開口部養生方法は、内部に気体や液体を注入することによって膨張する開口部養生装置を用いて開口部を封鎖する方法とすることもできる。この場合、開口部養生装置配置工程を備えることとし、当該工程では開口部の下層階側から開口部養生装置を開口部内に配置する。また開口部封鎖工程では、開口部内に配置した開口部養生装置の内部に気体や液体を注入することによって、開口部を封鎖する。
本願発明の開口部養生装置、及び開口部養生方法には、次のような効果がある。
(1)例えば、目隠空間で作業を行っている最中に、第三者が開口部から転落することを抑制することができる。
(2)開閉蓋上に物が置かれるなど不測の事態によって、作業者が目隠空間内に閉じ込められるおそれがない。
(3)下方から操作することで開口部を封鎖することができるため、地上階が狭隘なスペースであっても容易に操作することができる。
(4)また、目隠空間内に進入した後に操作することから、作業者は障害なく円滑に開口部を通過することができる。
(5)本願発明の開口部養生装置は、従来の安全柵に比して小型かつ軽量であることから、持ち運びが容易である。
上層階と下層階を仕切る床面に設けられた開口部を模式的に示す斜視図。 開閉軸が展張状態とされた開口部養生装置を模式的に示す断面図。 本願発明の開口部養生装置を上方から見た平面図。 開閉軸が折畳状態とされた開口部養生装置を模式的に示す断面図。 展張状態とされた開閉軸が上層階の床面に載置された開口部養生装置を模式的に示す断面図。 (a)は2層型主軸を用いて構成された折畳状態の開口部養生装置を模式的に示す断面図、(b)は2層型主軸を用いて構成された展張状態の開口部養生装置を模式的に示す断面図。 本願発明の開口部養生方法の主な工程を示すフロー図。 本願発明の開口部養生方法の主な工程を示すステップ図。 膨張式開口部養生装置を用いた本願発明の開口部養生方法の主な工程を示すフロー図。 膨張式開口部養生装置を用いた本願発明の開口部養生方法の主な工程を示すステップ図。
本願発明の開口部養生装置、及び開口部養生方法の実施の例を図に基づいて説明する。
1.全体概要
図1は、上層階(例えば地上階)と下層階(例えば地下室)を仕切る床面に設けられた開口部OPを模式的に示す斜視図である。普段、開口部OPは開閉蓋によって閉鎖されているが、この図では作業者が開口部OPから下層階に進入するために開閉蓋が取り外されている。本願発明は、図1に示すような開口部OPを養生する技術であり、より詳しくは作業者が下層階から開口部OPを封鎖することができる技術である。
2.開口部養生装置
本願発明の開口部養生装置について詳しく説明する。なお、本願発明の開口部養生方法は、本願発明の開口部養生装置を用いて開口部OPを養生する方法である。したがって、まずは本願発明の開口部養生装置について説明し、その後に本願発明の開口部養生方法について説明することとする。
図2は本願発明の開口部養生装置100を模式的に示す断面図であり、図3は本願発明の開口部養生装置100を上方から見た平面図である。これらの図に示すように本願発明の開口部養生装置100は、主軸110と開閉軸120、補助軸130、移動支持体140、固定支持体150、覆膜材170を含んで構成され、さらに滑り止め材160や飛散防止体141、照明器181、制御スイッチ182を含んで構成することもできる。なお便宜上ここでは、図2に示すように固定支持体150を移動支持体140よりも上方にした状態(以下、「使用時状態」という。)で、それぞれ構成要素の位置関係を説明することとする。
図2に示すように、主軸110の上方には固定支持体150が設けられ、また主軸110の中間部には移動支持体140が取り付けられている。固定支持体150は、主軸110上を移動することなく固定されているが、一方の移動支持体140は、主軸110上をその軸方向にスライドすることができるように取り付けられている。すなわち移動支持体140は、主軸110に沿って固定支持体150に接近するように移動することができ、また主軸110に沿って固定支持体150から離れるように移動することができるわけである。
開閉軸120は、その一端(使用時状態における上端)が固定支持体150に固定される。また図3に示すように、開口部養生装置100には複数(図では12本)の開閉軸120が設けられ、これら開閉軸120の上面(上方)には覆膜材170が貼り付けられる。覆膜材170は、シート状のものであり、樹脂製や布製の材料を利用することができ、その表面には目立つ色で着色したり、図3に示すように文字を付したり、注意を促すような表示を施すとよい。なお、図3に示すようにすべての開閉軸120と開閉軸120の間に覆膜材170を貼り付けることもできるし、一部の開閉軸120と開閉軸120の間は省略して(つまり、雨傘とは異なり一部が歯抜けた状態で)覆膜材170を貼り付けることもできる。
補助軸130は、その一端(使用時状態における上端)が開閉軸120の中間部に固定され、他端(使用時状態における下端)が移動支持体140に固定される。なお、補助軸130は開閉軸120を支える部材であり、したがって開口部養生装置100には開閉軸120と同数(図3では12本)の補助軸130が設けられる。
主軸110や開閉軸120、補助軸130は、断面寸法に比して軸方向寸法が卓越した棒状あるいは筒状の部材であり、鋼製(例えば、ステンレス鋼など)や樹脂製の材料を利用することができる。なお、後述するように開閉軸120の先端(使用時状態における下端)は床面に接地する部分であり、すなわち開口部養生装置100の水平方向の移動は開閉軸120の先端の摩擦力によって抵抗することから、図2に示すように開閉軸120の先端には滑り止め材160を取り付けるとよい。滑り止め材160は、例えばゴムといった樹脂製とするなど、開閉軸120の材料よりも大きな摩擦係数を有する材料で形成される。また、相当の重量を有する滑り止め材160を利用すれば、さらに大きな摩擦力が得られるため好適となる。
開閉軸120は、主軸110に対して開いた状態(以下、「展張状態」という。)とすることもできるし、主軸110に対して閉じた状態(以下、「折畳状態」という。)とすることもできる。図2は、主軸110と開閉軸120との挟角が大きくなった(鈍角となった)展張状態の開口部養生装置100を示している。そして開閉軸120が展張状態とされると、隣接する開閉軸120の間隔も広がり、図3に示すように覆膜材170も展張する。一方、図4は主軸110と開閉軸120との挟角が小さくなった(鋭角となった)折畳状態の開口部養生装置100を示している。以下、開閉軸120が展張状態や折畳状態に変化する機構について、図4を参照しながら説明する。
開閉軸上端120Uは固定支持体150に固定されると説明したが、この固定点では開閉軸120が主軸110に対して回転可能となるように固定される。つまり、開閉軸上端120Uは、固定支持体150にピン結合されるわけである。また補助軸上端130Uも開閉軸120に対して回転可能に固定され(つまり、ピン結合され)、さらに補助軸下端130Lも移動支持体140(つまり、主軸110)に対して回転可能に固定される(つまり、ピン結合される)。
図2の状態から移動支持体140を下方に(固定支持体150から離れる方向に)移動すると、補助軸下端130Lが移動支持体140にピン結合されているため、移動支持体140の移動に応じて補助軸下端130Lも下方に移動するとともに、主軸110と補助軸130との挟角は小さくなっていく。同時に、補助軸130の補助軸上端130Uが開閉軸120を下方に引き下げ、その結果、主軸110と開閉軸120との挟角が小さくなり折畳状態とされる。なお開閉軸120が折畳状態とされると、隣接する開閉軸120の間隔も狭くなり、覆膜材170は開閉軸120の間に折り畳まれる。
一方、図4の状態から移動支持体140を上方に(固定支持体150に接近する方向に)移動すると、補助軸下端130Lが移動支持体140にピン結合されているため、移動支持体140の移動に応じて補助軸下端130Lも上方に移動するとともに、主軸110と補助軸130との挟角は大きくなっていく。同時に、補助軸130の補助軸上端130Uが開閉軸120を上方に押し上げ、その結果、主軸110と開閉軸120との挟角が大きくなり展張状態とされる。
図5は、展張状態とされた開閉軸120が上層階の床面に載置された開口部養生装置100を模式的に示す断面図である。なおこの図に至るまでには、開閉軸120を折畳状態とした開口部養生装置100を開口部OPに通し、その状態を維持したまま移動支持体140を上方に移動して開閉軸120を展張状態とし、開閉軸120の先端(滑り止め材160)を床面に接地させている。
図5から分かるように、開閉軸120が展張状態とされた開口部養生装置100は、開口部OPを的確に封鎖しており、これにより開口部OPからの転落等を防止することができる。また、上層階から開口部養生装置100を見た者は、図3に示すような注意(点検中)を確認することができ、誤って覆膜材170を踏み抜くことも、誤って開閉蓋で開口部OPを閉じてしまうことも防ぐことができる。
既述したとおり覆膜材170は、その表面に目立つ色で着色したり、図3に示すように文字を付したり、注意を促すような表示を施すとよい。あるいは図5に示すように、照明器181を利用してさらに開口部養生装置100を発見しやすいようにすることもできる。この場合、開閉軸120や覆膜材170に、適量(1個、あるいは2個以上)の照明器181を取り付けるとよい。なお照明器181は、覆膜材170の表面側(上方側)に取り付けてもよいし、覆膜材170の裏面側(下方側)に取り付けることもできる。そして制御スイッチ182を操作することによって、照明器181を点灯(あるいは点滅)させ、消灯させる。この制御スイッチ182は、下層階にいる者が操作しやすいように主軸110の下端側に設けるとよい。
図5では、滑り止め材160が取り付けられた開閉軸120の先端が床面に接地している。既に説明したように、この滑り止め材160は開閉軸120の材料よりも大きな摩擦係数を有する材料で形成されている。これにより開閉軸120の先端では比較的大きな摩擦力が得られ、そのため開口部養生装置100に作用する相当の水平力に抵抗することができるわけである。
また開口部養生装置100は、図5に示すように飛散防止体141を備えたものとすることもできる。この飛散防止体141は、2以上の棒状あるいは筒状の部材で構成され、主軸110の軸方向に対して略垂直(垂直含む)方向に広がるように移動支持体140(あるいは主軸110)に取り付けられる。また飛散防止体141は、開口部OPを通過することができない大きさや形状とされる。したがって、図5に示すように飛散防止体141が開口部OPの下方に位置する状態で設置すると、開口部養生装置100が上方へ飛散することを防止することができる。なお飛散防止体141は、移動支持体140あるいは主軸110に固定することもできるし、着脱可能に取り付けることもできる。着脱可能とする場合、開口部養生装置100を図5に示すように設置した後に、飛散防止体141を移動支持体140あるいは主軸110に取り付けるとよい。
飛散防止体141は、開口部OPを通過し得ない構造とするほか、開口部OPに内壁に当接する構造とすることもできる。2以上の棒状部材(あるいは筒状部材)が開口部OPの内壁から反力を得ることによって(いわば、突っ張ることによって)、開口部養生装置100が上方へ飛散することを防止するわけである。さらに飛散防止体141は、開口部養生装置100の一部(例えば、主軸110の下端側)に取り付ける重錘とすることもできる。開口部養生装置100の重量を大きくすることによって、上方への飛散を防止するわけである。この場合、飛散防止体141(つまり、重錘)は着脱可能とし、開口部養生装置100の設置後に取り付けることができる構成にするとよい。
ここまで、一連の棒状(あるいは筒状)部材からなる主軸110によって構成される開口部養生装置100について説明してきたが、図6に示すように第1主軸111と第2主軸112で形成される主軸110(以下、「2層型主軸110」という。)を用いて開口部養生装置100を構成することもできる。図6は、2層型主軸110を用いて構成された開口部養生装置100を模式的に示す断面図であり、(a)は開閉軸120が折畳状態とされた開口部養生装置100を、(b)は開閉軸120が展張状態とされた開口部養生装置100をそれぞれ示している。
図6(a)に示すように2層型主軸110は、上方に配置された第1主軸111と下方に配置された第2主軸112によって形成され、そして第1主軸111と第2主軸112が同軸上に連続するように連結されているため全体視では棒状あるいは筒状となっている。また図6(b)に示すように第2主軸112は、複数の分割軸112Sで構成される。なお、図6(b)では第2主軸112が2本の分割軸112Sによって構成される例を示しているが、これに限らず3以上の分割軸112Sによって第2主軸112を構成することもできる。
図6(a)に示すように、開閉軸120が折畳状態とされたときは、第2主軸112を構成する複数の分割軸112Sが結束体190によって束ねられ(結束され)ている。この結束体190は、細径の鉄線(いわゆる番線)を利用することもできるし、環状の弾性材(例えば、輪ゴムなど)を利用することもできる。図6(a)から分かるように、結束体190によって分割軸112Sが結束されている状態では、特段の操作をしない限り移動支持体140は上下いずれの方向にも移動しない。
一方、結束体190を取り外すことによって分割軸112Sの結束が解除されると、図6(b)に示すように分割軸112Sは略水平(水平含む)の姿勢にすることができ、すなわち第1主軸111に対して分割軸112Sを開くことができる。なお、分割軸112Sを略水平方姿勢にするには、作業者の手動とすることもできるし、バネ等を利用することによって結束体190を取り外すといわば自動的に分割軸112Sが拡がるような構造とすることもできる。そして分割軸112Sを略水平方姿勢にすると、移動支持体140が上方に(固定支持体150に接近する方向に)移動し、補助軸130の補助軸上端130Uが開閉軸120を上方に押し上げ、開閉軸120が展張状態とされるとともに、覆膜材170が展張する。
このように2層型主軸110を利用した開口部養生装置100は、結束体190を取り外して分割軸112Sを略水平姿勢にする(つまり、第1主軸111に対して開く)ことによって、移動支持体140が上方に移動し、開閉軸120が展張状態とされるとともに覆膜材170が展張する。したがって、移動支持体140を直接操作(移動)する必要がなく、しかも主軸110の一部である第2主軸112(分割軸112S)が略水平姿勢になることから下層階の空間を広く使うことができて作業性も向上するわけである。またこの場合、略水平姿勢とされた分割軸112Sが飛散防止体141の機能(つまり、開口部養生装置100が上方へ飛散することを防止する機能)を果たすことができる。
3.開口部養生方法
次に、本願発明の開口部養生方法について図を参照しながら説明する。なお、本願発明の開口部養生方法は、ここまで説明した本願発明の開口部養生装置100を用いて開口部OPを養生する方法である。したがって開口部養生装置100で説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の開口部養生方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.開口部養生装置」で説明したものと同様である。
図7は、本願発明の開口部養生方法の主な工程を示すフロー図であり、図8は、本願発明の開口部養生方法の主な工程を示すステップ図である。まず、図1に示すように開閉蓋を取り外し(図7のStep11)、開口部養生装置100を持った作業者が下層階へ進入する(図7のStep12)。このとき、梯子や階段などを利用して下層階まで降りていくとよい。
作業者が下層階へ進入すると、図8(a)に示すように開閉軸120を折畳状態とした開口部養生装置100を持ち上げ、開口部OPに挿入していく(図7のStep13)。このとき開口部養生装置100は、固定支持体150を移動支持体140よりも上方にした使用時状態である。そして、開閉軸120の先端(使用時状態における下端)が床面より上方となるまで開口部養生装置100を持ち上げ、図8(b)に示すようにその状態を維持したまま移動支持体140を上方に移動して開閉軸120を展張状態にするとともに、図3に示すように覆膜材170を展張する(図7のStep14)。覆膜材170が展張すると、図8(c)に示すようにその状態のまま開口部養生装置100を若干降下させて、開閉軸120の先端(滑り止め材160)を床面に接地させる(図7のStep15)。
ここまでの一連の工程を実施することで、図5に示すように開口部養生装置100によって開口部OPが的確に封鎖され、開口部OPからの転落等を防止することができる。その後、作業者が下層階における所定の作業(例えば、点検作業)を行う。所定の作業が完了すると、下層階にいる作業者が開口部養生装置100を折り畳む(図7のStep16)。具体的には、開口部養生装置100を若干持ち上げたうえで、移動支持体140を下方に移動して、開閉軸120を折畳状態にする。開閉軸120を折畳状態にすると、開口部OPを通しながら下層階まで開口部養生装置100を引き下げ(図7のStep17)、開口部養生装置100を持った作業者が開口部OPから退出する(図7のStep18)。そして作業者が上層階まで移動すると、開閉蓋を元の位置に戻して開口部OPを封鎖する(図7のStep19)。
ところで本願発明の開口部養生方法は、「2.開口部養生装置」で説明した本願発明の開口部養生装置100に代えて、その体積が増加する開口部養生装置(以下、「膨張式開口部養生装置200」という。)を用いて開口部OPを養生する方法とすることもできる。この膨張式開口部養生装置200は、注入口201を通じて気体や液体を内部に注入することによって、全体が膨張するものである。便宜上ここでは、空気を注入することで膨張する膨張式開口部養生装置200の例で説明する。
図9は、膨張式開口部養生装置200を用いた本願発明の開口部養生方法の主な工程を示すフロー図であり、図10は、膨張式開口部養生装置200を用いた本願発明の開口部養生方法の主な工程を示すステップ図である。まず、図1に示すように開閉蓋を取り外し(図9のStep21)、膨張式開口部養生装置200を持った作業者が下層階へ進入する(図9のStep22)。ただしこの時点では、膨張式開口部養生装置200はまだ空気が注入されていない収縮状態である。
作業者が下層階へ進入すると、図10(a)に示すように膨張式開口部養生装置200を持ち上げ、開口部OPに挿入していく(図9のStep23)。そして、図10(b)に示すように膨張式開口部養生装置200を開口部OP内の所定位置に配置すると、注入口201を通じて膨張式開口部養生装置200内に空気を注入していく(図9のStep24)。図10(c)に示すように開口部OPを封鎖する程度に膨張式開口部養生装置200が膨張すると、この膨張式開口部養生装置200によって開口部OPが的確に封鎖され、開口部OPからの転落等を防止することができる。なお膨張式開口部養生装置200は、開口部養生装置100の覆膜材170と同様、その表面に目立つ色で着色したり、図3に示すような文字を付したり、あるいは図5に示すような照明器181で点灯(点滅)させる構成とすることもできる。
膨張式開口部養生装置200によって開口部OPを封鎖すると、作業者が下層階における所定の作業(例えば、点検作業)を行う。所定の作業が完了すると、下層階にいる作業者が注入口201を通じて膨張式開口部養生装置200内の空気を排出していく(図9のStep25)。膨張式開口部養生装置200を収縮状態にすると、その膨張式開口部養生装置200を持った作業者が開口部OPから退出する(図9のStep26)。そして作業者が上層階まで移動すると、開閉蓋を元の位置に戻して開口部OPを封鎖する(図9のStep27)。
本願発明の開口部養生装置、及び開口部養生方法は、オフィスビルや集合住宅、商業施設といった建物には、電気設備や排水設備等が設置される空間や、機械や工具等を収納する空間などに形成される開口部や、建設現場に形成される開口部など、あらゆる状況で形成される開口部に対して利用することができる。本願発明によって第三者の転落事故を未然に防ぐことができることを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
100 本願発明の開口部養生装置
110 (開口部養生装置の)主軸
111 (2層型主軸の)第1主軸
112 (2層型主軸の)第2主軸
120 (開口部養生装置の)開閉軸
120U (開閉軸の)開閉軸上端
130 (開口部養生装置の)補助軸
130U (補助軸の)補助軸上端
130L (補助軸の)補助軸下端
140 (開口部養生装置の)移動支持体
141 (開口部養生装置の)飛散防止体
150 (開口部養生装置の)固定支持体
160 (開口部養生装置の)滑り止め材
170 (開口部養生装置の)覆膜材
181 (開口部養生装置の)照明器
182 (開口部養生装置の)制御スイッチ
190 (開口部養生装置の)結束体
200 膨張式開口部養生装置
201 (膨張式開口部養生装置の)注入口
OP 開口部

Claims (5)

  1. 開口部の下層階側から挿入して展開することによって、該開口部を封鎖し得る装置であって、
    固定支持体が設けられる主軸と、
    前記固定支持体に回転可能に固定される複数の開閉軸と、
    前記開閉軸に取り付けられる覆膜材と、
    それぞれの前記開閉軸に取り付けられる補助軸と、
    前記主軸の軸方向に移動可能に、該主軸に取り付けられる移動支持体と、を備え、
    前記補助軸は、一端が前記開閉軸の一部に回転可能に固定されるとともに、他端が前記移動支持体に回転可能に固定され、
    前記主軸が、軸方向に連続する第1主軸と第2主軸で形成され、
    前記固定支持体は、前記第1主軸に設けられ、
    前記第2主軸は、複数の分割軸で構成されるとともに、複数の該分割軸は結束体によって結束され、
    前記固定支持体を前記移動支持体より上方として前記開口部に通過させた状態で、前記結束体を取り外して複数の前記分割軸の結束を解除すると、前記移動支持体が前記固定支持体側に移動し、前記開閉軸が前記主軸に対して開くとともに前記覆膜材が展張し、展張した該覆膜材によって該開口部が封鎖される、
    ことを特徴とする開口部養生装置。
  2. 開口部の下層階側から挿入して展開することによって、該開口部を封鎖し得る装置であって、
    固定支持体が設けられる主軸と、
    前記固定支持体に回転可能に固定される複数の開閉軸と、
    前記開閉軸に取り付けられる覆膜材と、
    それぞれの前記開閉軸に取り付けられる補助軸と、
    前記主軸の軸方向に移動可能に、該主軸に取り付けられる移動支持体と、
    前記移動支持体、又は前記主軸に取り付けられ、前記開口部を通過しない飛散防止体と、を備え、
    前記補助軸は、一端が前記開閉軸の一部に回転可能に固定されるとともに、他端が前記移動支持体に回転可能に固定され、
    前記固定支持体を前記移動支持体より上方として前記開口部に通過させた状態で、該移動支持体を該固定支持体側に移動すると、前記開閉軸が前記主軸に対して開くとともに前記覆膜材が展張し、展張した該覆膜材によって該開口部が封鎖され、
    前記飛散防止体を前記開口部の下方に配置すると、上方への飛散を防止することができる
    ことを特徴とする開口部養生装置。
  3. 前記開閉軸の先端に、該開閉軸の材料より大きな摩擦係数を有する滑り止め材が取り付けられた、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の開口部養生装置。
  4. 照明器と、
    前記照明器を制御するスイッチと、をさらに備え、
    前記照明器は、前記開閉軸、及び/又は前記覆膜材に取り付けられ、
    前記スイッチは、前記固定支持体を前記移動支持体より上方としたときの前記主軸の下端側に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の開口部養生装置。
  5. 開口部養生装置を用いて、開口部を封鎖する方法であって、
    前記開口部養生装置は、固定支持体が設けられる主軸と、該固定支持体に回転可能に固定される複数の開閉軸と、該開閉軸に取り付けられる覆膜材と、それぞれの該開閉軸に取り付けられる補助軸と、該主軸の軸方向に移動可能に該主軸に取り付けられる移動支持体と、を有し、
    前記補助軸は、一端が前記開閉軸の一部に回転可能に固定されるとともに、他端が前記移動支持体に回転可能に固定され、
    前記固定支持体を前記移動支持体より上方とした前記開口部養生装置を、前記開口部の下層階側から該開口部に挿入する開口部養生装置挿入工程と、
    前記移動支持体を前記固定支持体側に移動することで、前記開閉軸が前記主軸に対して開くとともに前記覆膜材が展張し、展張した該覆膜材によって前記開口部を封鎖する開口部封鎖工程と、を備え、
    前記開口部養生装置挿入工程では、前記開閉軸の先端が前記開口部を通過するまで、前記開口部養生装置を持ち上げる、
    ことを特徴とする開口部養生方法。
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