以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
また、本明細書において、同時、同じなどの要素間の関係性を示す用語、並びに、数値、および、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態)
[1.宅内機器制御システムの構成]
まず、実施の形態に係る宅内機器制御システム1の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、実施の形態に係る宅内機器制御システム1の概要を示す図である。図2は、実施の形態に係る宅内機器制御システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、宅内機器制御システム1は、施設100に設けられ、施設100内に設置された機器(図1の例では、エアコン32、送風機33及びダンパ34)を制御するためのシステムである。施設100は、例えば、戸建住宅(住宅)である。施設100内には、壁及び扉などで仕切られた複数の部屋が含まれる。本実施の形態では、宅内機器制御システム1が備える機器制御システム30は、複数の部屋を含む施設100の建物内全体の空調及び換気を行うことができる全館空調システムである。なお、宅内機器制御システム1が備える機器制御システム30は、全館空調システムであることに限定されず、施設100内に配置され、第1のコントローラ10及び第2のコントローラ20と通信可能に接続される機器を含んでいればよい。
図2に示すように、宅内機器制御システム1は、第1のコントローラ10と、第2のコントローラ20と、機器制御システム30とを備える。少なくとも機器制御システム30は、施設100内に配置される。
第1のコントローラ10は、施設100に設置された機器を制御するために他のコントローラ(例えば、第2のコントローラ20及び第3のコントローラ31)、及び、機器に制御信号(制御指示)を出力する総合コントローラ(統合制御装置)である。第1のコントローラ10は、例えば、施設100で使用される機器の動作の監視及び制御を集中的に行う。第1のコントローラ10は、例えば、機器制御システム30及び機器制御システム30以外の機器の動作の監視及び制御を集中的に行う。機器制御システム30以外の機器は、第1のコントローラ10と通信可能に接続された機器であり、例えば、照明機器、音響機器、映像機器などであるが、それらの少なくとも1つを含む他の機器制御システムなどであってもよい。
第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20及び第3のコントローラ31の上位コントローラである。第1のコントローラ10は、例えば、1つの施設100に対して1つ設置され、施設100内の他のコントローラ、及び、機器に制御信号を送信する。第1のコントローラ10は、例えば、ホームゲートウェイであってもよい。
第1のコントローラ10は、例えば、第2のコントローラ20及び第3のコントローラ31と通信可能に接続される。第1のコントローラ10は、例えば、第2のコントローラ20を介してエアコン32(単独で(単一で)機能を提供することが可能な機器の一例)と通信可能に接続され得る。また、第1のコントローラ10は、例えば、第3のコントローラ31を介してエアコン32を含む機器システム30aと通信可能に接続され得る。つまり、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介してエアコン32と通信可能に接続され、かつ、第2のコントローラ20を介さずにエアコン32と通信可能に接続される。
なお、単独で提供することができる機能とは、エアコン32を例に説明すると、電源のON/OFF、温度設定、冷房・暖房などの運転モードの切り替えなどである。また、単独で提供することができない機能とは、エアコン32を含む全館空調システムを例に説明すると、部屋別に設定した温度により空調を行う機能などである。
本実施の形態では、第1のコントローラ10と第2のコントローラ20との通信、及び、第1のコントローラ10と第3のコントローラ31との通信は、例えば、イーサネット(Ethernet/登録商標)等の通信仕様(通信プロトコル)に沿った通信(例えば、LAN(Local Area Network)を用いた有線通信)により行われるが、これに限定されない。また、本実施の形態では、第1のコントローラ10と第2のコントローラ20との通信は、WebAPI(Web Application)を用いて行われ、第1のコントローラ10と第3のコントローラ31との通信は、ECHONET-Lite(登録商標)のようなオープンな通信仕様を用いて行われる。このように、本実施の形態では、第1のコントローラ10及び第2のコントローラ20の通信に用いられる通信仕様と、第1のコントローラ10及び第3のコントローラ31の通信に用いられる通信仕様とは互いに異なるが、これに限定されない。
第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31からの複数の機器の登録要求により、エアコン32、送風機33及びダンパ34を1つの機器システム30aとして第1のコントローラ10に登録可能である。この場合、エアコン32は、第1のコントローラ10に機器システム30aの1つの構成要素として登録される。また、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録要求により、エアコン32を単独で第1のコントローラ10に登録可能である。この場合、エアコン32は、第1のコントローラ10に単独の機器として登録される。なお、登録要求とは、第1のコントローラ10の制御対象に、機器又は機器システムを加えることを要求することである。第1のコントローラ10に機器又は機器システムが登録されると、第1のコントローラ10の制御により当該機器又は当該機器システムを制御可能となる。
第1のコントローラ10は、例えば、施設100内に配置される。
第2のコントローラ20は、施設100で使用される機器の動作の監視及び制御を行うコントローラ(制御装置)である。第2のコントローラ20は、例えば、第1のコントローラ10からの制御信号により、機器制御システム30及び機器制御システム30以外の機器の動作の監視及び制御を行う。第2のコントローラ20は、例えば、HEMS(Home Energy Management System)コントローラであるが、これに限定されない。第2のコントローラ20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどの汎用の端末装置にアプリケーションプログラムを実行させることによって実現されてもよい。また、第2のコントローラ20は、例えば、エアコン32を制御するための専用の装置であってもよい。
第2のコントローラ20は、機器制御システム30内の機器を個別に制御可能である。第2のコントローラ20は、例えば、機器制御システム30内の機器のうち単独で機能を提供することが可能な機器を個別に制御可能である。本実施の形態では、第2のコントローラ20は、エアコン32、送風機33及びダンパ34のうちエアコン32を制御可能である。なお、第2のコントローラ20は、エアコン32を制御することに限定されず、単独で機能を提供することが可能な機器を制御すればよい。また、第2のコントローラ20は、ゲートウェイ機能を有していてもよい。
本実施の形態では、第2のコントローラ20と第3のコントローラ31との通信は、ECHONET-Lite(登録商標)のようなオープンな通信仕様を用いて行われるが、これに限定されない。
第2のコントローラ20は、例えば、施設100内に配置される。また、第2のコントローラ20は、第1のコントローラ10とは別体のコントローラである。
機器制御システム30は、本実施の形態では全館空調システムであり、複数の機器を含んで構成される。機器制御システム30は、第3のコントローラ31と、エアコン32と、送風機33と、ダンパ34とを有する。例えば、第3のコントローラ31及びエアコン32は、筐体40(図1参照)内に配置される。
第3のコントローラ31は、第1のコントローラ10及び第2のコントローラ20と通信可能に接続され、機器制御システム30内の複数の機器(本実施の形態では、エアコン32、送風機33及びダンパ34)を制御する。第3のコントローラ31は、第1のコントローラ10及び第2のコントローラ20の下位コントローラである。第3のコントローラ31は、第1のコントローラ10からの制御信号に応じて、エアコン32、送風機33及びダンパ34を一括で制御可能である。また、第3のコントローラ31は、第2のコントローラ20からの制御信号に応じて、エアコン32、送風機33及びダンパ34のうちエアコン32のみを単独で制御可能である。
第3のコントローラ31は、例えば、施設100内に配置される。
エアコン32は、施設100内に配置される第1の機器の一例であり、例えば、家庭用の壁掛けエアコンである。エアコン32は、施設100内に配置され、施設100の外部から取り入れた空気(例えば、外気)と施設100内から取り入れた空気とを熱交換する。なお、第1の機器は、エアコン32に限定されず、単独で機能を提供することが可能な機器であり、かつ、施設100内に配置される機器であればよい。
送風機33は、施設100内に配置される第2の機器の一例であり、エアコン32と接続されており、エアコン32で熱交換された空気を、ダクトを介してダンパ34に向けて送り出す送風ファンである。なお、第2の機器は、送風機33に限定されず、第1の機器と連動して動作する機器であり、かつ、施設100内に配置される機器あればよい。
ダンパ34は、ダクトの中間に取り付けられ、各部屋への風量を調整する風量調整用のダンパである。ダンパ34は、施設100内に配置される機器である。
送風機33及びダンパ34は、機器システム30a内において、エアコン32と一括で制御される。つまり、送風機33及びダンパ34は、エアコン32と連動して動作する。
なお、第3のコントローラ31と複数の機器とは、例えば無線による通信が行われるが、有線による通信が行われてもよい。
なお、第3のコントローラ31は、必須の構成ではない。例えば、第1のコントローラ10は、エアコン32、送風機33及びダンパ34などの機器と直接通信してもよい。第1のコントローラ10がエアコン32などの機器と直接通信することは、第1のコントローラ10が第2のコントローラ20を介さずにエアコン32などの機器と通信することの一例である。また、例えば、第2のコントローラ20は、エアコン32などの単独で機能を提供することが可能な機器と直接通信してもよい。
筐体40は、機器制御システム30の少なくとも一部の構成要素を収容する箱状の物体である。筐体40は、例えば、矩形の箱状である。筐体40は、樹脂により構成されてもよいし、金属により構成されてもよい。なお、筐体40は、必須の構成ではない。
上記のように、宅内機器制御システム1は、第1のコントローラ10と、第1のコントローラ10とは異なる第2のコントローラ20と、施設100内に配置されるエアコン32(第1の機器の一例)とを備える。第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介してエアコン32と通信することも可能であり、かつ、第2のコントローラ20を介さずにエアコン32と通信することも可能である。
[2.宅内機器制御システムの動作]
続いて、上記の宅内機器制御システム1の動作について、図3~図8を参照しながら説明する。まずは、宅内機器制御システム1全体の動作について、図3~図5を参照しながら説明する。図3は、実施の形態に係る宅内機器制御システム1の動作の第1例を示すシーケンス図である。具体的には、図3は、第3のコントローラ31からエアコン32を含む機器システム30aの登録が第1のコントローラ10に対して行われていない、つまり第1のコントローラ10に機器制御システム30内の各機器が登録されていない場合について説明する。なお、図3及び図5では、機器システム30aのうち、エアコン32のみを図示している。また、以下では、機器制御システム30の複数の機器のうち、エアコン32を第2のコントローラ20に登録する例について説明する。
図3に示すように、第3のコントローラ31は、第2のコントローラ20に登録された後(例えば、第2のコントローラ20との通信が確立した後)、第2のコントローラ20にエアコン32を登録する登録要求を出力し、第2のコントローラ20は、当該登録要求を取得する(S11)。第3のコントローラ31は、第3のコントローラ31が制御する機器であるエアコン32の識別情報を第2のコントローラ20に出力する。識別情報は、メーカコード、品番、商品コード及び製造番号の少なくとも1つを含むが、これに限定されず、宅内機器制御システム1に含まれる各種機器の中から当該機器を特定可能な情報であればよい。
ここで、識別情報の一例について、図4を参照しながら説明する。図4は、識別情報の一例を示す図である。
図4に示すように、識別情報は、例えば、メーカコードと、商品コードと、製造番号(例えば、個体を識別するためのID)とを含む。メーカコード、商品コード及び製造番号のそれぞれは、例えば、文字、数字、記号などの少なくとも1つを含んで構成される。図4の上段は、エアコン32単体における、メーカコード、商品コード及び製造番号を示しており、下段は、エアコン32を含む機器システム30aにおける、メーカコード、商品コード及び製造番号を示している。
メーカコードは、機器の製造メーカを識別する情報である。製造メーカごとに互いに異なるコードが付与される。図4に示すように、「A社」及び「B社」で互いに異なるメーカコードが付与される。商品コードは、各商品(各機器又は各機器システム)を特定するための情報である。商品コードは、同じ商品には同じ情報が設定される。エアコン32単体と、エアコン32を含む機器システム30aの商品コードは、互いに異なる。製造番号は、機器又は機器システムに含まれる複数の機器のそれぞれに個別に設定される情報である。エアコン32単体と、機器システム30aに含まれるエアコン32とは同一のエアコンであり、製造番号は同じである。そのため、メーカコード及び商品コードは異なっているが、製造番号が同じことは起こり得る。
第1のコントローラ10は、例えば、識別情報に商品コードのみが含まれている場合、第2のコントローラ20から取得するエアコン32の識別情報と第3のコントローラ31から取得するエアコン32を含む機器システム30aの識別情報とが異なるので、2つのエアコン32が同一のエアコンであると識別することができない。そこで、複数の機器を含む機器システム30aに単独で機能を提供することが可能な機器が含まれる場合、当該機器を識別することが可能な情報(図4の例では、製造番号)が含まれるとよい。
これにより、第1のコントローラ10は、エアコン32(単独で機能を提供することが可能な機器の一例)及び当該エアコン32を含む機器システム30aのように商品コードが異なる場合であっても、製造番号に基づいて、2つのエアコン32が同一のエアコンであると判定することができる。以下に記載される識別情報には、商品コード及び製造番号が含まれるとする。
図3を再び参照して、第3のコントローラ31は、例えば、複数の機器のうち単独で機能を提供することが可能な機器のリストを記憶しており、当該リストに基づいてエアコン32の識別情報を第2のコントローラ20に出力してもよい。なお、ステップS11では、第3のコントローラ31は、エアコン32を含む複数の機器それぞれの識別情報を第2のコントローラ20に出力してもよい。
ステップS11の動作は、第2のコントローラ20が接続可能なコントローラの探索(又は接続可能な機器の検索)を行うことをトリガとして実行されてもよいし、定期的に実行されてもよい。コントローラの探索とは、接続先(例えば、第3のコントローラ31)を特定するための処理である。
次に、第2のコントローラ20は、エアコン32を登録すると、自装置が制御可能であるエアコン32を第1のコントローラ10に登録する登録要求を出力し、第1のコントローラ10は、当該登録要求を取得する(S12)。第2のコントローラ20は、第3のコントローラ31から取得したエアコン32の識別情報を、第1のコントローラ10に出力する。
なお、第2のコントローラ20は、例えば、複数の機器のうち単独で機能を提供することが可能な機器のリストを記憶していてもよい。そして、第2のコントローラ20は、第3のコントローラ31からエアコン32を含む複数の機器それぞれの識別情報を取得した場合、当該リストに基づいて複数の機器の中から単独で機能を提供することが可能な1以上の機器(例えば、エアコン32)を抽出し、抽出した1以上の機器の識別情報を第1のコントローラ10に出力してもよい。
次に、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20からエアコン32の登録要求を取得すると、エアコン32が既に第1のコントローラ10に登録されているか否かを判定する。(S13)。第1のコントローラ10は、例えば、既に第1のコントローラ10に登録されているエアコンの識別情報と、ステップS12で取得したエアコン32の識別情報とを比較することで当該判定を行ってもよい。図3の例では、ステップS13の時点で、第3のコントローラ31から第1のコントローラ10にエアコン32を登録する登録要求が行われていない、つまり第1のコントローラ10にエアコン32が登録されていないので、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20から登録要求を取得したエアコン32が登録されていないと判定する。
次に、第1のコントローラ10は、エアコン32がまだ登録されていない場合、第2のコントローラ20から登録要求を取得したエアコン32を登録する(S14)。これにより、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介して、機器制御システム30内のエアコン32を単独で制御可能となる。
次に、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20にエアコン32を制御するための制御信号を出力すると、第2のコントローラ20は、当該制御信号を取得する(S15)。そして、第2のコントローラ20は、第3のコントローラ31にエアコン32を制御するための制御信号を出力すると、第3のコントローラ31は、当該制御信号を取得する(S16)。第2のコントローラ20は、制御信号を中継するとも言える。
次に、第3のコントローラ31は、エアコン32に制御信号を出力し、エアコン32は、当該制御信号を取得する(S17)。これにより、エアコン32は、第1のコントローラ10からの制御により、単独で動作する(S18)。なお、ステップS17では、送風機33及びダンパ34には、制御信号は出力されない。
ここで、ステップS14において、エアコン32が登録された後に、第3のコントローラ31がエアコン32を含む機器システム30aの登録要求を行った場合について説明する。
第3のコントローラ31は、第1のコントローラ10に登録された後(例えば、第1のコントローラ10との通信が確立した後)、エアコン32を含む機器システム30aを登録する登録要求を第1のコントローラ10に出力し、第1のコントローラ10は、当該登録要求を取得する(S19)。第3のコントローラ31は、エアコン32を含む機器システム30aに含まれる複数の機器それぞれの識別情報を第1のコントローラ10に出力する。この場合、複数の機器それぞれの商品コードは、同一のコードとなる。
次に、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31から機器システム30aの登録要求を取得すると、機器システム30aを構成する各機器が既に登録されているか否かを判定する(S20)。第1のコントローラ10は、既に第1のコントローラ10に登録されている機器の識別情報(例えば、商品コード及び製造番号)と、第3のコントローラ31から取得した各機器の識別情報(例えば、商品コード及び製造番号)とを比較することで当該判定を行ってもよい。図3の例では、ステップS14の時点で、第2のコントローラ20を介してエアコン32が第1のコントローラ10に登録されている、つまり第1のコントローラ10に既にエアコン32が登録されているので、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31から登録要求を取得した機器システム30aに含まれるエアコン32が既に第1のコントローラ10に登録されていると判定する。第1のコントローラ10は、例えば、製造番号を比較することで、当該判定を行うことができる。
次に、第1のコントローラ10は、エアコン32が既に登録されている場合、第3のコントローラ31から登録要求を取得したエアコン32を登録しないと判定する(S21)。つまり、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31から登録要求を取得したエアコン32の登録を行わない。第1のコントローラ10は、エアコン32が既に登録されている場合、第3のコントローラ31からの登録要求を拒否するとも言える。図3の例では、第1のコントローラ10は、例えば、エアコン32を含む機器システム30aの登録を行わない。なお、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31からエアコン32を含む機器システム30aの登録要求を取得したことを記憶してもよい。
このように、第3のコントローラ31は、第1のコントローラ10に既にエアコン32が登録されている場合、第1のコントローラ10へのエアコン32を含む機器システム30aの登録に失敗する。これにより、第1のコントローラ10において、エアコン32が2重に登録されることを抑制することができる。例えば、第1のコントローラ10が登録されている機器の状態を監視するために定期的に機器の状態を取得する場合、2重登録されている機器があると当該機器に2回の状態取得が行われることがある。一方、上記のように、本実施の形態に係る第1のコントローラ10は、2重登録されることを抑制することができるので、2重登録に起因する不要な通信が発生することを抑制することができる。つまり、第1のコントローラ10は、通信負荷の増加を抑制することができる。
図3の例では、ステップS14以降において、第1のコントローラ10から第3のコントローラ31に対してエアコン32を含む機器システム30aを制御するための制御信号は出力されない。
次に、宅内機器制御システム1の動作の他の例について、図5を参照しながら説明する。図5は、実施の形態に係る宅内機器制御システム1の動作の第2例を示すシーケンス図である。図5は、第3のコントローラ31からエアコン32を含む機器システム30aの登録が第1のコントローラ10に対して行われている、つまり第1のコントローラ10にエアコン32が登録されている場合について説明する。なお、図5に示すステップS11~S13までの動作は、図3に示すステップS11~S13と同様であり説明を省略する。また、図5の例では、ステップS13において、第1のコントローラ10は、エアコン32を含む機器システム30aが既に第1のコントローラ10に登録されているので、エアコン32が既に登録されていると判定する。
図5に示すように、第1のコントローラ10は、エアコン32が既に登録されている場合、第2のコントローラ20から登録要求を取得したエアコン32を登録しないと判定する(S24)。つまり、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20から登録要求を取得したエアコン32の登録を行わない。第1のコントローラ10は、エアコン32が既に第1のコントローラ10に登録されている場合、第2のコントローラ20からの登録要求を拒否するとも言える。なお、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20からエアコン32の登録要求を取得したことを記憶してもよい。
このように、第2のコントローラ20は、第1のコントローラ10に既にエアコン32を含む機器システム30aが登録されている場合、第1のコントローラ10へのエアコン32の登録に失敗する。これにより、第1のコントローラ10において、エアコン32が2重に登録されることを抑制することができる。
次に、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31にエアコン32を含む機器システム30aを制御するための制御信号を出力すると、第3のコントローラ31は、当該制御信号を取得する(S25)。そして、第3のコントローラ31は、機器システム30aに含まれる複数の機器それぞれに当該機器を制御するための制御信号を出力する。第3のコントローラ31は、エアコン32に制御信号を出力すると、エアコン32は当該制御信号を取得する(S26)。これにより、エアコン32を含む機器システム30aは、第1のコントローラ10からの制御により、機器システム30a全体で動作する。つまり、エアコン32は、他の機器(例えば、送風機33及びダンパ34)と一括で制御される(S27)。例えば、エアコン32、送風機33及びダンパ34は、連動して動作する。これにより、機器制御システム30は、部屋別に設定した温度により空調を行うことが可能となる。
なお、図5の例では、第1のコントローラ10から第2のコントローラ20に対してエアコン32を制御するための制御信号は出力されない。
続いて、第1のコントローラ10の動作について、図6~図8を参照しながら説明する。図6は、実施の形態に係る第1のコントローラ10の動作の第1例を示すフローチャートである。具体的には、図6は、第1のコントローラ10における機器の登録動作の一例を示す。
図6に示すように、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20からエアコン32の登録要求を受け付ける(S101)と、第1のコントローラ10に当該エアコン32が登録されているか否かを判定する(S102)。ステップS102は、図3及び図5に示すステップS13に相当する。
第1のコントローラ10は、エアコン32が登録されていない場合(S102でNo)、第2のコントローラ20からのエアコン32を登録する(S103)。第1のコントローラ10は、例えば、第2のコントローラ20及びエアコン32の識別情報を対応付けて記憶する。
これにより、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介してエアコン32を制御可能となるので、第2のコントローラ20を介してエアコン32の制御を実行する(S104)。
また、第1のコントローラ10は、エアコン32が登録されている場合(S102でYes)、エアコン32の登録を第2のコントローラ20からの登録に切り替えるか否かを判定する(S105)。第1のコントローラ10は、2重登録となる登録要求を取得したことをユーザに報知し、どちらのコントローラからの登録を優先するかの選択を受け付け、受け付けた選択結果に基づいて当該判定を行ってもよい。また、第1のコントローラ10は、各コントローラの登録における優先順位を示す情報を記憶している場合、ステップS105において、当該情報に基づいてどちらのコントローラからの登録を優先するかを判定してもよい。
第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20からの登録に切り替えない、つまり第3のコントローラ31からの登録を優先する場合(S105でNo)、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録要求を拒否する(S106)。つまり、第1のコントローラ10は、エアコン32が既に登録されている場合、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録を行わない。なお、ステップS105でNoと判定することは、図5に示すステップS24に相当する。
次に、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31を介してエアコン32を他の機器(送風機33及びダンパ34)と一括で制御する(S107)。つまり、第1のコントローラ10は、エアコン32を全館空調システムの構成要素の一部として動作させる。
また、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20からの登録に切り替える、つまり第2のコントローラ20からの登録を優先する場合(S105でYes)、既に登録されている第3のコントローラ31からの機器システム30aの登録を解除する。つまり、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31からのエアコン32の登録を解除する(S108)。これにより、第1のコントローラ10には、エアコン32が登録されていないこととなる。つまり、第1のコントローラ10は、エアコン32を制御することができない状態となる。よって、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介してのエアコン32の登録を受け付け可能な状態となる。
なお、上記では第2のコントローラ20を介してエアコン32を第1のコントローラ10に登録する動作について説明したが、第3のコントローラ31を介してエアコン32を含む機器システム30aを登録する動作についても同様に行われる。
次に、第1のコントローラ10は、ステップS103に進み、新たに第2のコントローラ20からのエアコン32の登録を行う。これにより、登録を切り替える場合においても、1つの機器が2重に登録されることを抑制することができる。
なお、ステップS105の判定は行われなくてもよい。つまり、ステップS102でYesの場合、自動的にステップS106の処理が行われてもよい。
続いて、図6のステップS105でNoと判定され、第1のコントローラ10が第3のコントローラ31を介してエアコン32を含む機器システム30aを制御中に送風機33が故障した場合の第1のコントローラ10の動作について、図7を参照しながら説明する。図7は、実施の形態に係る第1のコントローラ10における、機器(本実施の形態では、送風機33)が故障したときの動作を示すフローチャートである。なお、故障する機器は、ダンパ34であってもよい。
第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31から送風機33の故障を受け付ける(S201)。第1のコントローラ10は、送風機33が故障したことを示す情報を第3のコントローラ31から取得する。なお、第1のコントローラ10は、当該情報を取得すると、送風機33が故障したことをユーザに報知してもよい。
次に、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31からの機器システム30aの登録を解除する。つまり、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31からのエアコン32の登録を解除する(S202)。これにより、第1のコントローラ10には、エアコン32が登録されていないこととなる。つまり、第1のコントローラ10は、エアコン32を制御することができない状態となる。よって、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介してのエアコン32の登録を受け付け可能な状態となる。
次に、第1のコントローラ10は、機器システム30aに含まれる複数の機器のうち故障していない機器が単独で機能を提供することが可能な機器であるか否かの判定を行う(S203)。第1のコントローラ10は、複数の機器のうち単独で機能を提供することが可能な機器のリストを記憶しており、当該リストに基づいて、複数の機器のうち故障していない機器が単独で機能を提供することが可能な機器であるか否かを判定してもよい。当該リストは、予め第1のコントローラ10に記憶されている。
なお、第1のコントローラ10の判定は、リストを用いることに限定されず、例えば、複数の機器のうち故障していない機器が単独で機能を提供することが可能な機器があるか否かの入力をユーザから受け付けることにより行われてもよい。
次に、第1のコントローラ10は、複数の機器のうち故障していない機器が単独で機能を提供することが可能な機器である場合(S203でYes)、接続可能なコントローラを探索する(S204)。第1のコントローラ10は、故障していない機器を動作させるためのコントローラを探索する。第1のコントローラ10は、例えば、自装置と通信により接続可能なコントローラを探索する。図2の例では、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20及び第3のコントローラ31と接続可能であるので、第2のコントローラ20及び第3のコントローラ31が探索される。なお、探索方法は特に限定されず、公知のいかなる技術が用いられてもよい。
第2のコントローラ20は、第1のコントローラ10から探索され、登録された後、エアコン32の登録要求を出力する。
次に、第1のコントローラ10は、接続可能なコントローラから制御対象となる機器の登録要求を受け付ける。本実施の形態では、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20と接続可能であるので、第2のコントローラ20から当該第2のコントローラ20に登録されているエアコン32の登録要求を受け付ける(S205)と、当該エアコン32が登録されているか否かを判定する(S206)。ステップS206の処理は、例えば、図6のステップS102と同様であってもよい。
第1のコントローラ10は、エアコン32が登録されていない場合(S206でNo)、第2のコントローラ20からのエアコン32を登録する(S207)。第1のコントローラ10は、例えば、第2のコントローラ20及びエアコン32の識別情報を対応付けて記憶する。
次に、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介してエアコン32の制御を実行する(S208)。
また、第1のコントローラ10は、既に第1のコントローラ10にエアコン32が登録されている場合(S206でYes)、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録要求を拒否する(S209)。つまり、第1のコントローラ10は、既に第1のコントローラ10にエアコン32が登録されている場合、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録を行わない。
また、第1のコントローラ10は、複数の機器のうち故障していない機器が単独で機能を提供することが可能な機器ではない場合(S203でNo)、処理を終了する。
上記のように、第1のコントローラ10は、送風機33が故障し機器システム30aとしての動作を行えない状態であっても、エアコン32の登録を切り替えることで、第2のコントローラ20を介して機器システム30aの中のエアコン32を単独で制御可能となる。第1のコントローラ10は、機器システム30aの故障時に、エアコン32を通常のエアコンとして縮退運転させることができるとも言える。
なお、第1のコントローラ10は、ステップS206でYesの場合、さらに、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録に切り替えるか否かを判定してもよい。そして、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録に切り替える場合、登録の切り替えを行い、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録に切り替えない場合、ステップS209の処理を行ってもよい。
なお、第1のコントローラ10は、機器システム30aを縮退運転させている、つまりエアコン32を単独で制御していることをユーザに報知してもよい。例えば、第1のコントローラ10は、縮退運転していることを表示部に表示してもよい。また、第1のコントローラ10は、機器システム30aの制御用の操作画面をエアコン32単独の制御用の操作画面に切り替えてもよい。
なお、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31からの機器システム30aの登録を第2のコントローラ20からのエアコン32の登録に切り替えたことを、履歴情報として記憶してもよい。
続いて、図7において、送風機33が故障したことにより第2のコントローラ20からのエアコン32の登録が行われた後に、当該送風機33が復旧した場合の第1のコントローラ10の動作について、図8を参照しながら説明する。図8は、実施の形態に係る第1のコントローラ10における、機器(本実施の形態では、送風機33)が復旧したときの動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31から送風機33が復旧したことを受け付ける(S301)。第1のコントローラ10は、送風機33が復旧したことを示す情報を第3のコントローラ31から取得する。なお、第1のコントローラ10は、当該情報を取得すると、送風機33が復旧したことをユーザに報知してもよい。
次に、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録を解除する(S302)。これにより、第1のコントローラ10には、エアコン32が登録されていないこととなる。つまり、第1のコントローラ10は、エアコン32を制御することができない状態となる。よって、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31を介してのエアコン32を含む機器システム30aの登録を受け付け可能な状態となる。
なお、第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20からのエアコン32の登録を解除するか否かの入力をユーザから受け付け、解除することを示す入力を受けけた場合に第2のコントローラ20からのエアコン32の登録を解除してもよい。
次に、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31からの機器システム30aの登録を行う。つまり、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31からのエアコン32を再登録する(S303)。第1のコントローラ10は、履歴情報を記憶している場合、履歴情報に基づいて送風機33の故障前に登録されていた登録状態に戻すとも言える。
次に、第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31を介してエアコン32を他の機器(送風機33及びダンパ34)と一括で制御する(S304)。つまり、第1のコントローラ10は、エアコン32を全館空調システムの構成要素の一部として動作させる。
これにより、送風機33が復旧すると送風機33が故障する前の登録状態に自動で戻すことができる。
上記のように、第1のコントローラ10は、例えば、第2のコントローラ20を介してエアコン32が制御されるように当該エアコン32が第1のコントローラ10に登録されているときには、所定の条件を満たす場合(例えば、ステップS105でYesの場合)に第2のコントローラ20を介さないエアコン32の登録への切り替えを行い、所定の条件を満たさない場合(例えば、ステップS105でNoの場合)に第2のコントローラ20を介さないエアコン32の登録の要求を受け付けない。また、第1のコントローラ10は、例えば、第2のコントローラ20を介さずにエアコン32が制御されるように当該エアコン32が第1のコントローラ10に登録されているときには、所定の条件を満たす場合(例えば、ステップS105でYesの場合)に第2のコントローラ20を介してのエアコン32の登録への切り替えを行い、所定の条件を満たさない場合(例えば、ステップS105でNoの場合)に第2のコントローラ20を介してのエアコン32の登録の要求を受け付けない。
[3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る宅内機器制御システム1は、第1のコントローラ10と、第1のコントローラ10とは異なる第2のコントローラ20と、施設100内に配置されるエアコン32(第1の機器の一例)とを備える。第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介してエアコン32と通信可能であり、かつ、第2のコントローラ20を介さずにエアコン32と通信可能である。第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介してエアコン32が登録されているときには、第2のコントローラ20を介さないエアコン32の登録を受け付けず、かつ、第2のコントローラ20を介さずにエアコン32が登録されているときには、第2のコントローラ20を介してのエアコン32の登録を受け付けない。
これにより、第1のコントローラ10に、第2のコントローラ20を介して、及び、第2のコントローラ20を介さずにエアコン32が同時期に登録されることを抑制することができる。よって、宅内機器制御システム1は、第1のコントローラ10にエアコン32が2重登録されることを抑制することができる。
また、宅内機器制御システム1は、さらに、エアコン32を制御する第3のコントローラ31を備える。第3のコントローラ31は、第1のコントローラ10及び第2のコントローラ20と通信可能に接続される。
これにより、宅内機器制御システム1が第3のコントローラ31を備える構成であっても、第1のコントローラ10にエアコン32が2重登録されることを抑制することができる。具体的には、宅内機器制御システム1は、第2のコントローラ20を介して、及び、第3のコントローラ31を介して(第2のコントローラ20を介さないことの一例)エアコン32が同時期に第1のコントローラ10に登録されることを抑制することができる。
また、宅内機器制御システム1は、さらに、第3のコントローラ31によりエアコン32と一括で制御される送風機33(第2の機器の一例)を備える。第1のコントローラ10は、第3のコントローラ31を介してエアコン32が登録されているときに送風機33が故障したことを示す情報を取得すると、第3のコントローラ31を介したエアコン32の登録を解除し、第2のコントローラ20を介してのエアコン32の登録を受け付け可能とする。
これにより、送風機33が故障してエアコン32の登録を切り替える場合であっても、第1のコントローラ10にエアコン32が2重登録されることを抑制することができる。また、送風機33が故障した場合に第2のコントローラ20によりエアコン32が第1のコントローラ10に登録されることで、第2のコントローラ20を介してエアコン32を単独で動作させることができる。
また、第1のコントローラ10は、送風機33が故障したことにより第2のコントローラ20を介してエアコン32が登録されているときに送風機33が復旧したことを示す情報を取得すると、第2のコントローラ20を介したエアコン32の登録を解除し、第3のコントローラ31を介したエアコン32の登録に切り替える。
これにより、送風機33が故障から復旧した場合にも、第1のコントローラ10にエアコン32が2重登録されることを抑制することができる。また、送風機33が故障から復旧した場合、送風機33が故障する前の登録状態に自動で戻すことができる。
また、第1のコントローラ10は、エアコン32を特定するための識別情報に基づいて、エアコン32が既に登録されているか否かを判定する。
これにより、識別情報を比較するだけで、第1のコントローラ10にエアコン32が2重登録されることを抑制することができる。
また、識別情報は、エアコン32のメーカコード、商品コード、品番及び製造番号の少なくとも1つを含む。
これにより、エアコン32が既に登録されているか否かの判定を行うための特別な情報を用いることなく、機器が生産・出荷される際に付与される情報を用いて、上記の判定を行うことができる。
また、第1の機器は、空調機器(例えば、エアコン32)であり、第2の機器は、送風機33である。第3のコントローラ31、エアコン32及び送風機33により、施設100の全館空調を行う全館空調システムを構成する。
これにより、全館空調システムにおけるエアコン32が第1のコントローラ10に2重登録されることを抑制することができる。
また、第1のコントローラ10は、エアコン32を直接制御する。
これにより、第1のコントローラ10及び第2のコントローラ20の2つのコントローラを備える宅内機器制御システム1において、第1のコントローラ10にエアコン32が2重登録されることを抑制することができる。
また、以上のように、本実施の形態に係る宅内機器制御システム1の制御方法は、第1のコントローラ10と、第2のコントローラ20と、施設100内に配置されるエアコン32(第1の機器の一例)とを備える宅内機器制御システム1における第1のコントローラ10の制御方法である。第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介してエアコン32と通信可能であり、かつ、第2のコントローラ20を介さずにエアコン32と通信可能である。そして、制御方法は、第2のコントローラ20を介してエアコン32が登録されているときには、第2のコントローラ20を介さないエアコン32の登録を受け付けず(S21)、かつ、第2のコントローラ20を介さずにエアコン32が登録されているときには、第2のコントローラ20を介してのエアコン32の登録を受け付けない(S24、S106)。
これにより、上記宅内機器制御システム1と同様の効果を奏する。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、宅内機器制御システムは、第3のコントローラ及び複数の機器を有する機器制御システムを有する例について説明したが、これに限定されない。宅内機器制御システムは、例えば、機器を制御するシステムであってもよい。図9は、その他の実施の形態に係る宅内機器制御システム1aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、宅内機器制御システム1aは、第1のコントローラ10と、第2のコントローラ20と、第1の機器50と、第2の機器60とを備える。第1のコントローラ10は、第2のコントローラ20を介して第1の機器50及び第2の機器60を制御可能(図9に示す実線を参照)であり、かつ、第2のコントローラ20を介さずに第1の機器50及び第2の機器60を制御可能(図9に示す破線を参照)である。第1のコントローラ10は、例えば、第1の機器50及び第2の機器60を直接制御可能であってもよい。第2のコントローラ20は、例えば、ゲートウェイ機能を有する。
このような場合において、例えば、第1のコントローラ10には、第2のコントローラ20を介して第1の機器50及び第2の機器60が登録され、さらに、第2のコントローラ20を介さずに直接第1の機器50及び第2の機器60が登録されることが起こり得る。つまり、第1のコントローラ10に第1の機器50及び第2の機器60が2重に登録されることが起こり得る。このような宅内機器制御システム1aにおいても、第1のコントローラ10が上記実施の形態で説明した制御を行うことで、第1のコントローラ10に第1の機器50及び第2の機器60が2重に登録されることを抑制することができる。なお、宅内機器制御システム1aは、第1の機器50及び第2の機器60のうち少なくとも一方を備えていればよい。
また、上記実施の形態では、第1~第3のコントローラのそれぞれは、施設内に配置される例について説明したが、これに限定されない。第1~第3のコントローラの少なくとも1つは、施設外に配置されていてもよい。例えば、第1のコントローラは、施設の外部(例えば、遠隔地)に配置されたサーバ装置により実現されてもよい。
また、上記実施の形態では、宅内機器制御システムは、機器制御システム又は機器を備える例について説明したが、これに限定されない。宅内機器制御システムは、機器制御システム及び機器を備えていなくてもよい。例えば、宅内機器制御システムは、第1のコントローラと、第1のコントローラとは異なる第2のコントローラとを備えていればよい。第1のコントローラは、第2のコントローラを介して施設内に配置されるエアコン(第1の機器の一例)と通信することも可能であり、かつ、第2のコントローラを介さずにエアコンと通信することも可能である。そして、第1のコントローラは、第2のコントローラを介してエアコンが制御されるように当該エアコンが第1のコントローラに登録されているときには、第2のコントローラを介さないエアコンの登録の要求を受け付けず、かつ、第2のコントローラを介さずにエアコンが制御されるように当該エアコンが第1のコントローラに登録されているときには、第2のコントローラを介してのエアコンの登録の要求を受け付けなくてもよい。
また、上記実施の形態では、宅内機器制御システムが施設の一例である戸建住宅に設けられる例について説明したが、施設は戸建住宅に限定されない。施設は、住宅以外の事務所ビル、商業ビル、病院、介護施設その他の施設であってもよい。
また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法は、一例である。装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間では、例えば、特定小電力無線、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、または、Wi-Fi(登録商標)などの通信規格を用いた無線通信が行われてもよい。なお、無線通信は、例えば、電波通信又は赤外線通信などである。
また、装置間においては、無線通信に代えて、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)又は有線LANを用いた通信など、有線通信が行われてもよい。
また、上記実施の形態において説明された宅内機器制御システム及び第1のコントローラの動作における複数の処理の順序は一例である。複数の処理の順序は、変更されてもよいし、複数の処理は、並行して実行されてもよい。また、複数の処理の一部は、省略されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、第1のコントローラが実行する制御方法として実現されてもよいし、上記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現されてもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。例えば、上記プログラム及び上記プログラムからなるデジタル信号は、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものであってもよい。また、上記プログラム及び上記プログラムからなるデジタル信号は、記録媒体に記録して移送されることにより、又はネットワーク等を経由して移送されることにより、独立した他のコンピュータシステムにより実行されてもよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。