JP7489627B2 - 電解コンデンサ用電極箔およびその製造方法ならびに電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電極箔およびその製造方法ならびに電解コンデンサ Download PDF

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Description

本開示は、電解コンデンサ用電極箔およびその製造方法ならびに電解コンデンサに関する。
電解コンデンサの陽極体には、例えば、弁作用金属を含む金属箔が用いられている。電解コンデンサの容量を増加させるために、金属箔の表面を粗面化することが従来から行われている。例えば、金属箔を電解エッチングすることによって、金属箔の表面を多孔質化することが行われている。
特許文献1(特開平9-246112号公報)は、「アルミニウム箔を塩酸を主体とする溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングしてアルミニウム箔の表面積を拡大させるエッチング工程において、このエッチング工程の途中でエッチングを一時中断させてアルミニウム箔を燐を含む酸もしくは燐酸塩を含有する溶液に浸漬する浸漬処理を1回あるいは複数回施すようにしたアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法。」を開示している。
特開平9-246112号公報
現在、電解コンデンサのさらなる高容量化が求められている。本開示は、電解コンデンサの高容量化が可能な電極箔およびその製造方法を提供することを目的の1つとする。
本開示の一局面は、電解コンデンサ用電極箔の製造方法に関する。当該製造方法は、第1の金属箔を電解エッチングすることによって、表面が粗面化された第2の金属箔を作製する工程(i)と、前記第2の金属箔を、前記第2の金属箔に吸着する吸着部と疎水性部とを含有する化合物を含む処理液で処理することによって、前記第2の金属箔の前記表面に前記化合物を付着させる工程(ii)と、前記化合物が付着した前記第2の金属箔を水溶液中で電解エッチングすることによって、前記第2の金属箔の前記表面をさらに粗面化する工程(iii)とを含む。
本開示の他の一局面は、電解コンデンサ用電極箔に関する。当該電極箔は、芯部と芯部の表面に形成された多孔質部とを含む金属箔を含み、前記多孔質部の表面には、前記金属箔に吸着する吸着部と疎水性部とを含有する第1の化合物、および、前記第1の化合物に由来する第2の化合物から選択される少なくとも1つの化合物が配置されている。
本開示の他の一局面は、電解コンデンサに関する。当該電解コンデンサは、芯部と芯部の表面に形成された多孔質部とを含む金属箔と、前記多孔質部の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層に接する電解質とを含む電解コンデンサであって、前記誘電体層は、前記金属箔を構成する金属の酸化物層で構成され、前記酸化物層の内部および/または表面に、前記金属箔に吸着する吸着部と疎水性部とを含有する第1の化合物、および、前記第1の化合物に由来する第2の化合物から選択される少なくとも1つの化合物が配置されている。
本開示によれば、高容量の電解コンデンサを得ることが可能である。
実施形態1の製造方法で用いられる装置の一例を模式的に示す図である。 実施形態2の電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図である。 図2に示した電解コンデンサの一部を模式的に示す図である。 図1に示した電解コンデンサの一部を模式的に示す拡大図である。
本開示に係る実施形態の例について以下に説明する。なお、以下の説明では、本開示の実施形態について例を挙げて説明するが、本開示は以下で説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本開示の効果が得られる限り、他の数値や他の材料を適用してもよい。この明細書において、「数値A~数値Bの範囲」という場合、当該範囲には数値Aおよび数値Bが含まれる。
(電解コンデンサ用電極箔の製造方法)
本実施形態に係る製造方法は、電解コンデンサ用の電極箔を製造する方法である。当該製造方法を、以下では「製造方法(M)」と称する場合がある。製造方法(M)は、工程(i)、工程(ii)、および工程(iii)をこの順に含む。
工程(i)は、第1の金属箔を電解エッチングすることによって、表面が粗面化された第2の金属箔を作製する工程である。工程(ii)は、第2の金属箔を、第2の金属箔に吸着する吸着部と疎水性部とを含有する化合物を含む処理液で処理することによって、第2の金属箔の表面に当該化合物を付着させる工程である。当該化合物を、以下では「化合物(C)」と称する場合がある。工程(iii)は、化合物(C)が付着した第2の金属箔を水溶液中で電解エッチングすることによって、第2の金属箔の表面をさらに粗面化する工程である。それぞれの工程について、詳細を以下に説明する。
(工程(i))
工程(i)で用いられる第1の金属箔には、弁作用を有する金属の箔や、弁作用を有する金属の合金の箔を用いることができる。弁作用を有する金属の例には、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、およびニオブ(Nb)が含まれる。第1の金属箔の好ましい例には、アルミニウム箔およびアルミニウム合金の箔が含まれる。第1の金属箔の厚さは特に限定されず、15μm~300μmの範囲にあってもよい。
第1の金属箔の電解エッチングの方法に特に限定はなく、公知の電解エッチングの方法を用いてもよい。一例の電解エッチングでは、第1の金属箔と電極とをエッチング液に浸漬した状態で両者の間に電流を流すことによって行われる。第1の金属箔と電極(対極)との間に流す電流は、交流電流であってもよいし、直流電流であってもよい。
エッチング液としては、電解エッチングに用いられる公知のエッチング液を用いてもよい。エッチング液には、酸性水溶液を用いてもよい。酸性水溶液の例には、塩酸と他の酸とを含む水溶液が含まれる。他の酸の例には、硫酸、硝酸、リン酸、シュウ酸などが含まれる。酸性水溶液には、キレート剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。エッチング液の濃度および温度は特に限定されず、所望のエッチングピットの形状などに応じて適宜設定すればよい。
エッチング液が塩酸と他の酸とを含む場合、塩酸の濃度は、1モル/L~10モル/Lの範囲にあってもよい。その他の酸の濃度は、0.01モル/L~1モル/Lの範囲にあってもよい。電解エッチング中のエッチング液の温度は、15℃~60℃の範囲にあってもよい。
交流電流で電解エッチングを行う場合、電流波形や周波数も特に限定されない。交流電源の周波数は、1Hz~500Hzの範囲にあってもよい。第1の電極箔と電極(対極)との間に流す電流密度は、0.01/cm~10A/cmの範囲にあってもよい。
第1の金属箔は、切断することによって複数のコンデンサ素子の陽極体(電極箔)が得られる金属シート(大判の金属箔)であってもよい。そのような金属シートを用いることによって、一度に多数の陽極体を製造することが可能である。金属シートを用いる場合、いわゆるロール・ツー・ロール(role to role)方式で工程(i)を行ってもよい。その場合の一例では、送り出しロールに巻かれている金属シートを送り出し、電解エッチングを行った後、巻き取りロールで巻き取る。
工程(i)の電解エッチングによって、第1の金属箔の表面が粗面化されて第2の金属箔となる。すなわち、工程(i)によって、表面が粗面化(多孔質化)された第2の金属箔が得られる。直流電流で電解エッチングを行った場合、第2の金属箔の表面にはトンネル状の細孔が形成されやすい。交流電流で電解エッチングを行った場合、第2の金属箔の表面は、スポンジ状になりやすい。
(工程(ii))
工程(ii)では、第2の金属箔を、第2の金属箔に吸着する吸着部と疎水性部とを含有する化合物(C)を含む処理液で処理することによって、第2の金属箔の表面に化合物(C)を付着させる。
処理液は、化合物(C)の溶液であってもよいし、化合物(C)の分散液であってもよい。工程(ii)は、第2の金属箔を処理液に浸漬する工程を含んでもよく、さらに、第2の金属箔に付着した処理液を乾燥させる工程を含んでもよい。
化合物(C)は、第2の金属箔に吸着する吸着部と疎水性部とを含む。吸着部は、第2の金属箔に物理吸着してもよい。あるいは、吸着部は、第2の金属箔に化学吸着してもよい。例えば、第2の金属箔の表面に水酸基などの官能基が存在する場合、吸着部は、当該官能基と反応して第2の金属箔に化学吸着するものであってもよい。吸着部は、親水性基(親水性部)であってもよい。吸着部として親水性基を用いることによって、親水性基が第2の金属箔に吸着する。疎水性部は、炭化水素鎖(例えば、鎖状の炭化水素基)であってもよい。
化合物(C)は、リン含有オキソ酸構造を含むことが好ましい。リン含有オキソ酸構造は、吸着部として機能する。化合物(C)は、リン含有オキソ酸構造を有する場合、多孔質部がエッチングされることを適度に抑制できるので、多孔質部の拡面率をより増大できる。
化合物(C)は、リン酸基、リン酸基の塩、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩、次亜リン酸基、次亜リン酸基の塩、およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。これらの基は、吸着部として機能し、特に、アルミニウム箔などの金属箔に対する吸着部として好ましく用いられる。リン酸基、リン酸基の塩、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩、次亜リン酸基、次亜リン酸基の塩は、リン含有オキソ酸構造の例である。塩を構成する陽イオンには特に限定はなく、ナトリウムイオンやカリウムイオンであってもよい。
化合物(C)は、炭素数が1~18の範囲にあるアルキレン基を含んでもよい。アルキレン基は疎水性部として機能する。アルキレン基の炭素数は、2~18の範囲の場合、多孔質部がエッチングされることを適度に抑制できるので、多孔質部の拡面率をより増大できる。アルキレン基の炭素数は、3~15の範囲がさらに好ましい。化合物(C)の一例は、一端が上述した吸着部に結合しているアルキレン基を含む。アルキレン基の他端は、メチル基などの疎水基に結合されていてもよいし、吸着部よりも親水性が低い親水性基に結合されていてもよい。アルキレン基は直鎖であってもよいし分岐鎖であってもよい。直鎖のアルキレン基を用いることによって、自己組織化単分子膜が形成されやすくなる場合がある。アルキレン基の水素の一部はフッ素で置換されていてもよい。
化合物(C)の分子量は、70~1000の範囲(より好ましくは90~500の範囲)にあることが好ましい。この場合、多孔質部がエッチングされることを適度に抑制できるので、多孔質部の拡面率をより増大できる。処理液の液状成分(分散媒または溶媒)の例には、水、アルコール、界面活性剤などが含まれる。処理液は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。添加剤の例には、表面調整剤、可溶化剤、pH調整剤、緩衝剤などが含まれる。
化合物(C)は、自己組織化単分子膜(SAM)の状態で第2の金属箔の表面(多孔質部の表面)に付着していてもよい。換言すれば、化合物(C)は、自己組織化単分子膜を形成するような化合物であってもよい。第2の金属箔の表面に自己組織化単分子膜を形成することによって、第2の金属箔の表面の拡面率を特に大きくすることが可能である。
化合物(C)が第2の金属箔の全体を完全に覆ってしまうと、工程(iii)における電解エッチングの進行が遅くなる。そのため、処理液の濃度や処理の時間を制御して、化合物(C)の付着量を適切な量に制御することが好ましい。適切な量は、工程(iii)の条件によっても変化する。工程(ii)における条件を変更して工程(iii)を行い、得られた金属箔を評価してフィードバックすることによって、工程(ii)における好ましい条件を簡単に決定できる。
(工程(iii))
工程(iii)では、化合物(C)が付着した第2の金属箔を水溶液中で電解エッチングすることによって、第2の金属箔の表面をさらに粗面化(多孔質化)する。工程(i)~工程(iii)を含む工程によって、電解コンデンサ用の電極箔が製造される。工程(iii)の電解エッチングに特に限定はなく、工程(i)について説明した方法で行ってもよい。エッチング液には、水溶液が用いられ、例えば、上述した酸性水溶液を用いることができる。工程(i)のエッチング条件と工程(iii)のエッチング条件とは同じであってもよいし異なってもよい。
電解エッチングによって金属箔の表面の拡面率を大きくするには、微細な多孔質部を形成したり、多孔質部を深くしたりすることが考えられる。拡面率を大きくするために電解エッチングの時間を長くすると、初期に形成された多孔質部の少なくとも一部がエッチングによって消失する。そのため、従来の方法では、高い拡面率を実現することが難しかった。また、拡面率が電解エッチングの時間に比例せず、電解エッチングの時間が長くなるほど、電解エッチングの効率が低下しやすくなるという問題があった。このような問題を解決するために、特許文献1(特開平9-246112号公報)は、燐を含む酸または燐酸塩で処理を行う方法を開示している。
しかし、特許文献1で用いられている化合物(燐を含む酸または燐酸塩)を用いても、拡面率の増大には限界があった。検討した結果、発明者らは、化合物(C)を用いることによって、拡面率をさらに増大することができることを新たに見出した。本開示は、この新たな知見に基づく。
化合物(C)は疎水性部を含むため、工程(iii)において、エッチング液(水溶液)を適度に弾く。そのため、工程(iii)のエッチングにおいて、工程(i)で形成された多孔質部がエッチングされることを抑制できる。その結果、多孔質部の拡面率を従来よりも増大させることが可能である。さらに、化合物(C)が自己組織化単分子膜を形成する場合、工程(i)で形成された多孔質部がエッチングされることを特に抑制できるため、拡面率を特に高くすることが可能である。
本実施形態に係る製造方法(M)は、工程(iii)の後に、工程(ii)と工程(iii)とを含む工程を1回または2回以上行ってもよい。工程(ii)と工程(iii)とを繰り返し行うことによって、電極箔の表面の拡面率をより高くすることが可能である。
(工程(iv))
本実施形態に係る製造方法(M)は、工程(iii)の後に工程(iv)を含んでもよい。工程(iv)は、工程(iii)を経た第2の金属箔(以下では「第3の金属箔」と称する場合がある)の表面(多孔質部の表面)に誘電体層を形成する工程である。誘電体層は、金属箔(第1~第3の金属箔)を構成する金属の酸化物層である。
酸化物層(誘電体層)の形成方法に限定はなく、公知の方法を用いてもよい。例えば、公知の化成方法で酸化物層を形成してもよい。化成方法(陽極酸化法)の一例では、第3の金属箔と電極(対極)とを化成液に浸漬した状態で両者の間に電圧を印加することによって、第3の金属箔の表面に酸化物層を形成する。化成液の例には、アジピン酸アンモニウム溶液、リン酸アンモニウム溶液、ホウ酸アンモニウム溶液などが含まれる。
酸化物層を形成する際に、第3の金属箔の表面に存在する化合物(C)は、酸化物層の内部に取り込まれたり、酸化物層の表面に残存したりすることがある。なお、酸化物層の表面には、酸化物層と第3の金属箔との界面も含まれる。
本実施形態に係る製造方法(M)は、上記の各工程の前や、上記の各工程の後に、他の工程を含んでもよい。他の工程の例には、前処理工程、洗浄工程、乾燥工程などが含まれる。それらの工程は、公知の方法で行ってもよい。
(電解コンデンサ用電極箔)
本実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔は、上述した製造方法(M)によって製造することができる。製造方法(M)で説明した事項についてはこの電極箔に適用できるため、重複する説明を省略する場合がある。また、以下に説明する事項は、製造方法(M)に適用できる。
本実施形態に係る電極箔は、芯部と芯部の表面に形成された多孔質部とを含む金属箔を含む。芯部と多孔質部とは同じ金属で形成されている。当該多孔質部の表面には、吸着部と疎水性部とを含有する第1の化合物、および、第1の化合物に由来する第2の化合物から選択される少なくとも1つの化合物が配置されている。金属からなる芯部と芯部の表面に形成された多孔質部とを含む電極箔は、上述した工程(iii)によって形成される。
第1の化合物は、上述した化合物(C)である。第2の化合物は、化合物(C)が分解したり変性したり反応したりすることによって生じる化合物である。第1および/または第2の化合物は、工程(ii)で第2の金属箔の表面に付着した第1の化合物が、工程(iii)の後も第3の金属箔の表面に残存したか、あるいは分解等によって生じた第2の化合物が第3の金属箔の表面に残存したものである。
多孔質部の表面には、上記金属箔を構成する金属の酸化物層が形成されていてもよい。酸化物層は、上述した工程(iv)によって形成される。この場合、酸化物層の内部および/または表面に、上記少なくとも1つの化合物が配置されていてもよい。
(電解コンデンサ)
本実施形態に係る電解コンデンサは、本実施形態に係る電極箔を含む。電極箔およびその製造方法について説明した事項は、本実施形態に係る電解コンデンサにも適用できるため、重複する説明を省略する場合がある。なお、電解コンデンサについて説明した事項は、電極箔およびその製造方法にも適用できる。
本実施形態に係る電解コンデンサは、芯部と芯部の表面に形成された多孔質部とを含む金属箔と、多孔質部の表面に形成された誘電体層と、誘電体層に接する電解質とを含む。当該金属箔は、本実施形態に係る電極箔であり、陽極体として機能する。誘電体層は、金属箔を構成する金属の酸化物層で構成されている。酸化物層の内部および/または表面に、吸着部と疎水性部とを含有する第1の化合物、および、第1の化合物に由来する第2の化合物から選択される少なくとも1つの化合物が配置されている。第1の化合物は、上述した化合物(C)であり、第2の化合物は、上述した第2の化合物である。これにより、誘電体層にクラック等の欠陥が生じることを抑制し、電解コンデンサの漏れ電流の増大を抑制できる。
電解質は、導電性高分子を含んでもよく、さらに液状成分を含んでもよい。この場合、第1の化合物および/または第2の化合物の疎水性部によって、誘電体層に対する導電性高分子の密着性を向上させることが可能である。
電解質は、液状成分(例えば電解液)を含んでもよい。電解質は、導電性高分子に加えて液状成分を含んでもよい。電解質が導電性高分子と液状成分とを含む場合、誘電体層に対する導電性高分子の密着性が低下しやすい。しかし、第1の化合物および/または第2の化合物の疎水性部によって、誘電体層に対する導電性高分子の密着性を維持することが可能である。
上記の構成以外の構成については特に限定はない。本開示に係る電解コンデンサは、コンデンサ素子を含む。当該コンデンサ素子の一例は、金属箔(陽極体)と、金属箔上に形成された誘電体層と、陰極体と、誘電体層と陰極体との間に配置された電解質およびセパレータとを含む。陽極体と陰極体とは、陽極体上の誘電体層と陰極体とが対向するように配置される。コンデンサ素子の形態に限定はなく、巻回型のものであってもよいし、積層型のものであってもよい。巻回型のコンデンサ素子の一例では、陽極体と陰極体との間にセパレータが配置されるように、箔状の陽極体と箔状の陰極体とセパレータとが巻回されている。積層型のコンデンサ素子の一例では、陽極体と陰極体との間にセパレータが配置されるように、箔状の陽極体と箔状の陰極体とセパレータとがジグザグ状に折りたたまれている。
本開示に係る電極箔を用いることを除いて、本開示に係る電解コンデンサの製造方法に特に限定はなく、公知の方法を用いてもよい。
電解コンデンサの構成要素の例について、以下に説明する。ただし、本開示に係る電解コンデンサの構成要素は、以下に例示するものに限定されない。
(陽極体)
陽極体には、上述した電極箔が用いられる。電極箔の好ましい材質は、アルミニウムまたはアルミニウム合金である。電極箔の表面の少なくとも一部は粗面化(多孔質化)されている。多孔質部分の表面(粗面化された表面)の少なくとも一部には誘電体層(酸化物層)が形成される。電解質は、誘電体層と接触している。
(陰極体)
陰極体には、金属箔を用いてもよい。金属箔を構成する金属の種類は特に限定されない。金属箔を構成する金属の例には、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンなどの、弁作用を有する金属、および弁作用を有する金属の合金が含まれる。好ましい一例は、アルミニウムおよびアルミニウム合金である。陰極体の表面には、化成皮膜が設けられていてもよく、陰極体を構成する金属とは異なる金属(異種金属)や非金属の被膜が設けられていてもよい。異種金属や非金属としては、例えば、チタンのような金属やカーボンのような非金属などを挙げることができる。
(セパレータ)
陽極体と陰極体との間にはセパレータが配置されてもよい。セパレータには、電解質が含浸されうるシート状物を用いることができ、例えば、絶縁性を有し且つ電解質が含浸されうるシート状物を用いてもよい。セパレータは、織布であってもよいし、不織布であってもよいし、多孔質膜であってもよい。いずれにしてもセパレータは、空隙を有する。セパレータの材料の例には、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ビニロン、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、レーヨン、およびガラスなどが含まれる。
(電解質)
陽極体と陰極体との間には電解質が配置される。電解質は、典型的には、非水溶媒を含む。電解質は、非水溶媒と非水溶媒に溶解された塩基成分とを含む電解液(非水電解液)を含んでもよく、当該電解液によって構成されていてもよい。すなわち、本開示の電解コンデンサの電解質は、液状成分を含んでもよい。以下では、電解質に含まれる液状成分(非水溶媒または電解液)を、「液状成分(L)」と称する場合がある。なお、この明細書において、液状成分(L)は、室温(25℃)において液体状である成分であってもよいし、電解コンデンサの使用時の温度において液体状である成分であってもよい。
電解質に含まれる非水溶媒は、有機溶媒であってもよいし、イオン性液体であってもよい。非水溶媒の例には、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコール類、スルホラン(SL)などの環状スルホン類、γ-ブチロラクトン(γBL)などのラクトン類、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどのアミド類、酢酸メチルなどのエステル類、炭酸プロピレンなどのカーボネート化合物、1,4-ジオキサンなどのエーテル類、メチルエチルケトンなどのケトン類、ホルムアルデヒドなどが含まれる。
また、非水溶媒として、高分子系溶媒を用いてもよい。高分子系溶媒の例には、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールの誘導体、多価アルコール中の水酸基の少なくとも1つがポリアルキレングリコール(誘導体を含む)に置換された化合物などが含まれる。具体的には、高分子系溶媒の例には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールグリセリルエーテル、ポリエチレングリコールジグリセリルエーテル、ポリエチレングリコールソルビトールエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールグリセリルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリセリルエーテル、ポリプロピレングリコールソルビトールエーテル、ポリブチレングリコールなどが含まれる。高分子系溶媒の例には、さらに、エチレングリコール-プロピレングリコールの共重合体、エチレングリコール-ブチレングリコールの共重合体、プロピレングリコール-ブチレングリコールの共重合体などが含まれる。非水溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解された塩基成分(塩基)とを含んでもよい。また、電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解された塩基成分および/または酸成分(酸)とを含んでもよい。
酸成分としては、ポリカルボン酸およびモノカルボン酸を用いることができる。マレイン酸、フタル酸、安息香酸、ピロメリット酸、レゾルシン酸は、熱的に安定であり、好ましく用いられる。
酸成分として、無機酸および/または有機酸を用いてもよい。代表的な無機酸の例としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ホウ酸、ホウフッ酸、4フッ化ホウ酸、6フッ化リン酸などが挙げられる。代表的な有機酸の例としては、メタンスルホン酸といったアルカンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸といったアルカノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキル燐酸エステル、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などが挙げられる。また、酸成分として有機酸と無機酸との複合化合物を用いてもよい。そのような複合化合物の例としては、ボロジグリコール酸、ボロジ蓚酸、ボロジサリチル酸などが挙げられる。
塩基成分は、アルキル置換アミジン基を有する化合物であってもよく、例えば、イミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)などであってもよい。具体的には、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン-5、1,2-ジメチルイミダゾリニウム、1,2,4-トリメチルイミダゾリン、1-メチル-2-エチル-イミダゾリン、1,4-ジメチル-2-エチルイミダゾリン、1-メチル-2-ヘプチルイミダゾリン、1-メチル-2-(3’ヘプチル)イミダゾリン、1-メチル-2-ドデシルイミダゾリン、1,2-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、1-メチルイミダゾール、1-メチルベンゾイミダゾールが好ましい。これらを用いることによって、インピーダンス性能の優れたコンデンサが得られる。
塩基成分として、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級塩を用いてもよい。そのような塩基成分の例としては、炭素数1~11のアルキル基またはアリールアルキル基で4級化された、イミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)が挙げられる。具体的には、1-メチル-1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7、1-メチル-1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン-5、1,2,3-トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウム、1,2-ジメチル-3-エチル-イミダゾリニウム、1,3,4-トリメチル-2-エチルイミダゾリニウム、1,3-ジメチル-2-ヘプチルイミダゾリニウム、1,3-ジメチル-2-(3’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,3-ジメチル-2-ドデシルイミダゾリニウム、1,2,3-トリメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジウム、1,3-ジメチルイミダゾリウム、1-メチル-3-エチルイミダゾリウム、1,3-ジメチルベンゾイミダゾリウムが好ましい。これらを用いることによって、インピーダンス性能の優れたコンデンサが得られる。
また、塩基成分として三級アミンを用いてもよい。三級アミンの例としては、トリアルキルアミン類(トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル-n-プロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、メチルエチルn-プロピルアミン、メチルエチルイソプロピルアミン、ジエチル-n-プロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリ-tert-ブチルアミンなど)、フェニル基含有アミン(ジメチルフェニルアミン、メチルエチルフェニルアミン、ジエチルフェニルアミンなど)が挙げられる。なかでも、電解質の導電性が高くなる点で、トリアルキルアミン類が好ましく、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。また、塩基成分として、ジアルキルアミン類などの二級アミン、モノアルキルアミンなどの一級アミン、アンモニアを用いてもよい。
液状成分(L)は、酸成分と塩基成分との塩を含有してもよい。塩は、無機塩および/または有機塩であってもよい。有機塩とは、アニオンおよびカチオンの少なくとも一方が有機物を含む塩である。有機塩としては、例えば、マレイン酸トリメチルアミン、ボロジサリチル酸トリエチルアミン、フタル酸エチルジメチルアミン、フタル酸モノ1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウム、フタル酸モノ1,3-ジメチル-2-エチルイミダゾリニウムなどを用いてもよい。
本開示の電解コンデンサにおいて、電解液における塩基成分の量は、0.1質量%以上で20質量%以下であってもよい。塩基成分の量が0.1質量%以上の場合、導電性粒子を用いることが特に重要になる。また、塩基成分の量を20質量%以下とすることによって、塩基成分を電解液に溶解させることが容易になる。
電解質は、液状成分(L)(例えば電解液)に加えて導電性高分子を含んでもよい。導電性高分子の例には、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、およびそれらの誘導体などが含まれる。当該誘導体には、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、およびポリアセチレンを基本骨格とするポリマーが含まれる。例えば、ポリチオフェンの誘導体には、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。これらの導電性高分子は、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、導電性高分子は、2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。導電性高分子の重量平均分子量は特に限定されず、例えば1000~100000の範囲にあってもよい。導電性高分子の好ましい一例は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である。
導電性高分子にはドーパントがドープされてもよい。導電性高分子からの脱ドープを抑制する観点から、ドーパントとして、高分子ドーパントを用いることが好ましい。高分子ドーパントの例には、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸などが含まれる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらは、塩の形態で電解質に含まれてもよい。ドーパントの好ましい一例は、ポリスチレンスルホン酸(PSS)である。
本開示の電解コンデンサにおいて、ドーパントは、酸性基を含有するドーパントであってもよく、酸性基を含有する高分子ドーパントであってもよい。酸性基の例には、スルホン酸基、カルボキシル基などが含まれる。酸性基を含有する高分子ドーパントは、少なくとも一部の構成単位が酸性基を含有する高分子(ポリマー)である。そのような高分子ドーパントの例には、上述した高分子ドーパントが含まれる。
ドーパントの重量平均分子量は特に限定されない。均質な電解質の形成を容易にする観点から、ドーパントの重量平均分子量を1000~100000の範囲としてもよい。
本開示の電解コンデンサにおいて、ドーパントはポリスチレンスルホン酸であってもよく、導電性高分子はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であってもよい。すなわち、電解質は、ポリスチレンスルホン酸がドープされたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を含んでもよい。
ドーパントがドープされた導電性高分子を用いる場合、ドーパントの脱ドープを抑制するために、液状成分(L)のpHを7未満としてもよく、5以下(例えば2~4.5の範囲)としてもよい。
導電性高分子は、原料モノマーを誘電体層上で化学重合および/または電解重合することによって、陽極体と陰極体との間に配置してもよい。あるいは、導電性高分子を含む液体(溶液または分散液)をセパレータに含浸させることによって、陽極体と陰極体との間に導電性高分子を配置してもよい。
以下では、本実施形態の例について、図面を参照して具体的に説明する。以下で説明する実施形態には、上述した説明を適用できる。また、以下で説明する実施形態を、上述した説明に基づいて変更してもよい。また、以下で説明する事項を、上述した実施形態に適用してもよい。
(実施形態1)
実施形態1では、本開示に係る電極箔の製造方法(M)の一例について説明する。実施形態1の製造方法で用いられる装置の構成を、図1に模式的に示す。図1には、ロール・ツー・ロール方式で電極箔を製造する場合の一例を示す。
図1の装置300は、第1のエッチング槽310、処理槽320、第2のエッチング槽330、送り出しロール341、巻き取りロール342、および複数の中継ロール343を含む。第1のエッチング槽310は、複数の電極311を含む。第2のエッチング槽330は、複数の電極331を含む。電極311および331には、電解エッチングを行うための電源(図示せず)が接続されている。第1のエッチング槽310および第2のエッチング槽330にはそれぞれ、エッチング液312およびエッチング液332が配置されている。処理槽320には、化合物(C)を含む処理液321が配置されている。
送り出しロール341には、金属シート(大判の金属箔)351が巻かれている。送り出しロール341は、金属シート351を送り出す。送り出された金属シート351(第1の金属箔)は、第1のエッチング槽310において電解エッチングされる。これによって表面が粗面化された金属シート352(第2の金属箔)が作製される。
金属シート352は、次に、処理槽320で処理される。これによって、金属シート352の表面に化合物(C)が付着する。
化合物(C)が付着した金属シート352は、次に、第2のエッチング槽330で電解エッチングされる。これによって、表面がさらに粗面化された金属シート353(第3の金属箔)が作製される。上記の処理によって得られた金属シート353は、巻き取りロール342によって巻き取られる。このようにして、電解コンデンサ用の電極箔が得られる。なお、電解コンデンサに組み込む際に、金属シート353は適切なサイズに切断される。
上述したように、製造方法(M)は、図1に示す工程以外の工程を含んでもよい。その場合、それらの工程を行うための装置が、送り出しロール341と巻き取りロール342との間に配置されてもよいし、それらの間の前または後に配置されてもよい。また、ロール・ツー・ロール以外の方式(例えばバッチ式)で電極箔を製造してもよい。
(実施形態2)
実施形態2では、本開示に係る電解コンデンサの一例について説明する。図2は、実施形態2の電解コンデンサ100の一例の断面を模式的に示す。図3は、図2に示した電解コンデンサ100に含まれるコンデンサ素子10の一部を展開した概略図を示す。
図2に示すように、電解コンデンサ100は、コンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を収容する有底ケース11と、有底ケース11の開口を塞ぐ封止部材12と、封止部材12を覆う座板13と、封止部材12から導出され、座板13を貫通するリード線14Aおよび14Bと、リード線14Aおよび14Bとコンデンサ素子10の電極とを接続するリードタブ15Aおよび15Bとを含む。コンデンサ素子10は、有底ケース11に収容されている。有底ケース11の開口端近傍は、内側に絞り加工されており、有底ケース11の開口端は封止部材12をかしめるようにカール加工されている。
図3を参照して、コンデンサ素子10は、表面に誘電体層(図示せず)が形成された陽極体(電極箔)21と、箔状の陰極体22と、これらの間に配置されたセパレータ23および電解質(図示せず)とを含む。陽極体21は、上述した電極箔である。陽極体21および陰極体22は、それらの間にセパレータ23が配置された状態で巻回されている。巻回体の最外周は、巻止めテープ24によって固定される。なお、図3は、巻回体の最外周を固定する前の、一部が展開された状態を示している。
陽極体21の表面近傍の拡大図を図4に示す。陽極体21は、芯部21aと多孔質部21bとを含む。多孔質部21bは、芯部21aの表面に形成されており、芯部21aとつながっている。多孔質部21bの表面は、誘電体層(酸化物層)21cで覆われている。誘電体層21cに接するように、電解質25が配置されている。多孔質部21bの深さDは、5μm以上(例えば5μm~40μmの範囲)であってもよい。
本開示は、電解コンデンサ用電極箔およびその製造方法、ならびに電解コンデンサに利用できる。
10 :コンデンサ素子
21 :陽極体(電極箔)
21a :芯部
21b :多孔質部
21c :誘電体層(酸化物層)
22 :陰極体
23 :セパレータ
25 :電解質
100 :電解コンデンサ
310 :第1のエッチング槽
320 :処理槽
321 :処理液
330 :第2のエッチング槽

Claims (16)

  1. 第1の金属箔を電解エッチングすることによって、表面が粗面化された第2の金属箔を作製する工程(i)と、
    前記第2の金属箔を、前記第2の金属箔に吸着する吸着部と疎水性部とを含有する化合物を含む処理液で処理することによって、前記第2の金属箔の前記表面に前記化合物を付着させる工程(ii)と、
    前記化合物が付着した前記第2の金属箔を水溶液中で電解エッチングすることによって、前記第2の金属箔の前記表面をさらに粗面化する工程(iii)とを含む、電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  2. 前記化合物はリン含有オキソ酸構造を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記化合物は、リン酸基、リン酸基の塩、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩、次亜リン酸基、次亜リン酸基の塩、およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記化合物は、炭素数が1~18の範囲にあるアルキレン基を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 芯部と芯部の表面に形成された多孔質部とを含む金属箔を含み、
    前記多孔質部の表面には、前記金属箔に吸着する吸着部と疎水性部とを含有する第1の化合物、および、前記第1の化合物に由来する第2の化合物から選択される少なくとも1つの化合物が配置されている、電解コンデンサ用電極箔。
  6. 前記第1の化合物はリン含有オキソ酸構造を含む、請求項5に記載の電解コンデンサ用電極箔。
  7. 前記第1の化合物は、リン酸基、リン酸基の塩、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩、次亜リン酸基、次亜リン酸基の塩、およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項5に記載の電解コンデンサ用電極箔。
  8. 前記第1の化合物は、炭素数が1~18の範囲にあるアルキレン基を含む、請求項5~7のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電極箔。
  9. 前記多孔質部の前記表面には、前記金属箔を構成する金属の酸化物層が形成されている、請求項5~8のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電極箔。
  10. 前記酸化物層の内部および/または表面に、前記少なくとも1つの化合物が配置されている、請求項9に記載の電解コンデンサ用電極箔。
  11. 芯部と芯部の表面に形成された多孔質部とを含む金属箔と、前記多孔質部の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層に接する電解質とを含む電解コンデンサであって、
    前記誘電体層は、前記金属箔を構成する金属の酸化物層で構成され、
    前記酸化物層の内部および/または表面に、前記金属箔に吸着する吸着部と疎水性部とを含有する第1の化合物、および、前記第1の化合物に由来する第2の化合物から選択される少なくとも1つの化合物が配置されている、電解コンデンサ。
  12. 前記第1の化合物はリン含有オキソ酸構造を含む、請求項11に記載の電解コンデンサ。
  13. 前記第1の化合物は、リン酸基、リン酸基の塩、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩、次亜リン酸基、次亜リン酸基の塩、およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項11に記載の電解コンデンサ。
  14. 前記第1の化合物は、炭素数が1~18の範囲にあるアルキレン基を含む、請求項11~13のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  15. 前記電解質は導電性高分子を含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  16. 前記電解質は液状成分を含む、請求項15に記載の電解コンデンサ。
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