JP7487090B2 - シール構造、バーナ構造及びシール構造の組付方法 - Google Patents
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Description
これについて、例えば特許文献1には、上記のような開口部に関するものではないが、風箱の周縁部をシールすることが開示されている。
すなわち、本開示の一態様に係るシール構造は、風箱の開口部の周縁にシール面が設けられた壁部と、前記シール面に密着する壁面シール部材と、該壁面シール部材を前記シール面側に押さえつける壁面シール押圧部材とを備え、前記シール面は、前記開口部の貫通方向に直交した第1シール面と該第1シール面に直交するように接続された第2シール面とを有している。
以下、本開示に係る第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。以降の説明で、上や上方とは鉛直方向上側を示し、下や下方とは鉛直方向下側を示すものであり、鉛直方向は厳密ではなく誤差を含むものである。
まず、本開示の一実施形態に係る石炭焚きボイラの構成について説明する。
図1は、石炭焚きボイラを表す概略構成図である。石炭焚きボイラ10は、石炭(炭素含有固体燃料)を粉砕した微粉炭を微粉燃料として用い、この微粉燃料をバーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能な石炭焚き(微粉炭焚き)ボイラである。
火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11を構成する火炉壁91は、複数の伝熱管とこれらを接続するフィンとで構成され、微粉燃料の燃焼により発生した熱を伝熱管の内部を流通する水や蒸気と熱交換して、火炉壁の温度上昇を抑制している。
ただし、火炉の形状や一つの段におけるバーナの数、段数、配置などはこの形態に限定されるものではない。
この粉砕機31,32,33,34,35は、例えば、ハウジング内に粉砕テーブル(図示省略)が駆動回転可能に支持され、この粉砕テーブルの上方に複数の粉砕ローラ(図示省略)が粉砕テーブルの回転に連動回転可能に支持されて構成されている。
石炭が複数の粉砕ローラと粉砕テーブルとの間に投入されると、石炭は粉砕され、搬送用ガス(一次空気、酸化性ガス)によりハウジング内の分級機(図示省略)に搬送されて、所定の粒径範囲内に分級された微粉燃料を、微粉炭供給管26,27,28,29,30からバーナ21,22,23,24,25に供給することができる。
空気ダクト37は、他端部に押込通風機(FDF:Forced Draft Fan)38が設けられている。
燃焼ガス通路13は、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、過熱器92,93,94、再熱器95,96、節炭器97が設けられており、火炉11で発生した燃焼ガスと各熱交換器の内部を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。
燃焼ガス通路13は、その下流側に熱交換を行った燃焼ガスが排出される煙道14が連結されている。
煙道14は、エアヒータ42より上流側の位置に脱硝装置43が設けられている。脱硝装置43は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を煙道14内に供給し、還元剤が供給された燃焼ガス中の窒素酸化物と還元剤との反応を、脱硝装置43内に設置された脱硝触媒の触媒作用により促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。
また、煙道14から排出された排ガスとエアヒータ42で熱交換することで、加熱された燃焼用空気(二次空気、酸化性ガス)が、空気ダクト37から風箱36を介してバーナ21,22,23,24,25に供給される。バーナ21,22,23,24,25は、微粉燃料と搬送用ガスとが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに微粉燃料混合気が着火することで火炎を形成することができる。
火炉11内の下部で火炎が生じ、高温の燃焼ガスがこの火炉11内を上昇し、燃焼ガス通路13に排出される。
なお、酸化性ガスとしては、空気が例示される。空気よりも酸素割合が多いものや逆に少ないものであってもよく、燃料流量との適正化を図ることで使用可能になる。
次に、シール構造100Aの概要について説明する。
図4に示すように、開口部111は、バーナ(例えば、バーナ21)を風箱36の内部(開口部111から火炉11の内部(以下、「炉内」という。)までの空間。)に引き込んだり、風箱36の炉外側に引き抜いたりするために使用される開口である。このため、開口部111は、バーナ21のバーナノズル21bの外形状よりも大きな間口をもつ開口とされている。
以下、シール構造100Aの詳細について詳細に説明する。
図10に示すように、シール構造100Aは、壁部110と、壁面ガスケット120と、前面板130Aとを備えている。
第2シール面114は、第1シール面113に直交する面内に設けられている。つまり、第2シール面114は、開口部111の貫通方向と平行な面内に設けられている。第2シール面114は、開口部111の全周縁のうち、鉛直方向の両縁に設けられており、2つの第2シール面114は互いに面対向している。
したがって、シール面112は、図9に示すように、コの字型の縦断面形状をもつ。
図11に示すように、壁面ガスケット120は、シール構造100Aに組み込まれていない状態において、略一定幅を有する矩形の環状とされている。壁面ガスケット120の内寸法は、開口部111の内寸法に対応している。
図10に示すように、壁面ガスケット120は、シール構造に組み込まれる際、鉛直方向にある両辺が第2シール面114に沿うように折り曲げられる。これにより、壁面ガスケット120は、第1シール面113及び第2シール面114に密着可能な形状となる。
このとき、壁面ガスケット120の第1シール面113に沿う部分を第1シール部121として、壁面ガスケット120の第2シール面114に沿う部分を第2シール部122とする。
そして、図12に示すように、前面板130Aで壁面ガスケット120を壁部110側に押さえつけるようにして、前面板130Aを壁部110に固定する。これにより、壁面ガスケット120が押し潰されて、壁部110と前面板130Aとの間の間隙が確実にシールされる。
風箱36の開口部111の周縁にシール面112が設けられた壁部110と、シール面112に密着する壁面ガスケット120と、壁面ガスケット120をシール面112側に押さえつける前面板130Aとを備え、シール面112は、開口部111の貫通方向に直交した第1シール面113と第1シール面113に直交するように接続された第2シール面114とを有しているので、第1シール面113及び第2シール面114を使用して開口部111の周縁をシールすることができる。
一方、図13の本実施形態では、第2シール面114を第1シール面113に対して直交させている。すなわち、従来例でいうところのシール面214を、開口部211の貫通方向に直交する面に対して90°だけ折り曲げた形態となる。したがって、第2シール面114の分だけ貫通方向に直交する面に延在するシール面112としての寸法を鉛直方向に縮小させることができる。具体的には、従来例で示したシール面214の寸法Lだけ縮小させることができる。これによって、同じ開口部111の面積を確保しつつ開口部111の貫通方向に直交する面に延在するシール面112としての寸法ひいては壁部110や風箱36及びボイラ10の鉛直方向の寸法を小さくすることができる。
次に、本開示の第2実施形態に係るシール構造について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態のシール構造は、第1実施形態に係るシール構造に対して、前面板及びその周辺の構成が異なる。このため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
また、図14、図15及び図18に示すように、ヤーンロープ160を設けた状態で、間隙140を含むようにして、前面板130B1及び前面板130B2に亘って第2ガスケット(覆設シール部材)170を覆設する。
更に、図14、図15及び図19に示すように、ヤーンロープ160及び第2ガスケット170を設けた状態で、第2ガスケット170を前面板130B側に押さえつける補助前面板(覆設シール押圧部材)180を前面板130Bに固定する。
前面板130Bは、第2シール面114の対向方向において分割されているので、例えば、前面板130B1を固定した後に、前面板130B2を固定することができる。仮に、分割されていない1つの前面板(例えば第1実施形態の130A)で2つの第2シール面114を同時に押さえつけようとした場合、伸縮性のある壁面ガスケット120が損傷する可能性がある。本実施形態では、前面板130Bを分割することで、壁面ガスケット120の損傷を回避できる。
すなわち、本開示の一態様に係るシール構造(100A,100B)は、風箱(36)の開口部(111)の周縁にシール面(112)が設けられた壁部(110)と、前記シール面(112)に密着する壁面シール部材(120)と、該壁面シール部材(120)を前記シール面(112)側に押さえつける壁面シール押圧部材(130A,130B)とを備え、前記シール面(112)は、前記開口部(111)の貫通方向に直交した第1シール面(113)と該第1シール面(113)に直交するように接続された第2シール面(114)とを有している。
11 火炉
12 燃焼装置
13 燃焼ガス通路
14 煙道
21~25 バーナ
21a バーナ本体
21a1 フランジ部
21b バーナノズル
26~30 微粉炭供給管
31~35 粉砕機(ミル)
36 風箱
37 空気ダクト(風道)
38 押込通風機(FDF)
41 ガスダクト
42 エアヒータ(空気予熱器)
43 脱硝装置
44 集塵装置
45 誘引通風機(IDF)
46 脱硫装置
50 煙突
91 火炉壁
92 第1過熱器(熱交換器)
93 第2過熱器(熱交換器)
94 第3過熱器(熱交換器)
95 第1再熱器(熱交換器)
96 第2再熱器(熱交換器)
97 節炭器(熱交換器)
100A,100B シール構造
110 壁部
111 開口部
112 シール面
113 第1シール面
114 第2シール面
120 壁面ガスケット(壁面シール部材)
121 第1シール部
122 第2シール部
130A 前面板(壁面シール押圧部材)
130B(130B1,130B2) 前面板(壁面シール押圧部材)
131 第1押圧部
132 第2押圧部
133 挿通穴
140 間隙
160 ヤーンロープ(間隙シール部材)
170 第2ガスケット(覆設シール部材)
180 補助前面板(覆設シール押圧部材)
181 爪部
Claims (9)
- 風箱の開口部の周縁にシール面が設けられた壁部と、
前記シール面に密着する壁面シール部材と、
該壁面シール部材を前記シール面側に押さえつける壁面シール押圧部材と、
を備え、
前記シール面は、前記開口部の貫通方向に直交した第1シール面と該第1シール面に直交するように接続された第2シール面とを有しているシール構造。 - 前記第2シール面は、互いに面対向した2つの面とされている請求項1に記載のシール構造。
- 前記壁面シール押圧部材は、前記第2シール面の対向方向において分割されている請求項2に記載のシール構造。
- 分割された前記壁面シール押圧部材同士の間隙に設けられる間隙シール部材と、
前記間隙を含むように前記壁面シール押圧部材を覆う覆設シール部材と、
前記覆設シール部材を前記壁面シール押圧部材側に押さえつける覆設シール押圧部材と、
を備えている請求項3に記載のシール構造。 - 前記覆設シール押圧部材は、前記間隙シール部材を前記貫通方向に押し込む爪部を有している請求項4に記載のシール構造。
- 前記開口部は、矩形状の開口とされ、
前記第2シール面は、水平方向又は鉛直方向に広がる平面とされている請求項1から5のいずれかに記載のシール構造。 - 前記壁面シール押圧部材は、前記開口部を塞ぐとともにバーナが挿通される挿通穴が形成された、風箱の前面板とされている請求項6に記載のシール構造。
- 請求項7に記載のシール構造と、
前記壁部の前記開口部及び前記前面板の前記挿通穴に挿通された前記バーナと、
を備えているバーナ構造。 - 請求項1から7のいずれかに記載のシール構造の組付方法であって、
前記壁部と前記壁面シール押圧部材との間に前記壁面シール部材を介在させた状態で、前記壁面シール押圧部材を前記壁部に固定する工程を含むシール構造の組付方法。
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