JP7485328B2 - 歯科用被切削体 - Google Patents
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Description
このような歯科用被切削体について、アダプタに装着する際に容易に位置合わせすることが可能なものが、特許文献1に記載されている。
そうなると、従来の歯科用被切削体をアダプタに保持させた状態で、CAD/CAM加工装置に取り付ける際に位置ずれすることが抑止できても、CAD/CAM加工装置に取り付けるに時間を要してしまう。
本発明の実施の形態1に係る歯科用被切削体を図面に基づいて説明する。
図1に示す歯科用被切削体10は、全体形状が円盤状に形成されている。歯科用被切削体10は、金、金合金、銀、銀合金、ジルコニア、コバルト-クロム合金、チタン、チタン合金、ハイブリッドレジン、セラミックス、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ワックスなどで形成されている。
この円盤部11の側周面12と環状凸部13との段差である環状凹部14が、アダプタへの取付溝となる。
本実施の形態1では、図2に示すように、目印M11が被切削面15の周縁領域S1(円形状の点線により外側の領域)の全体を含む被切削面15全体に形成されている。本実施の形態では、周縁領域S1は外周から1cm内側の領域としている。
目印M11は、被切削面15の外周上の一方の端部から他方の端部に延びた直線であり、約1cm間隔の平行な直線が直交した格子することで、被切削面15全体に形成されている。
本実施の形態1に係る歯科用被切削体10では、数値N(円盤部11の厚み)が20mmであることを示しており、数値Nは、円周方向F1に沿って等間隔に配置されており、22.5度ごとに配置することで、16箇所に配置されている。
印刷は、転写や吹付、塗布などとすることができる。刻印はレーザ刻印、打刻などとすることができる。突起は周囲面の削り出しや、別体とした目印M11を被切削面15に接着することにより形成することができる。
よって、歯科用被切削体10は、簡単に位置合わせのための目印M11,M12を認識することを可能とすることで、アダプタを付けたり外したりして断続的に切削加工したとしても正確に位置決めすることが可能である。
また、目印M11,M12が刻印により形成されていれば、被切削面15が他の物に擦れて消えてしまうことが防止できる。更に、目印M11,M12を突起により形成すれば、手で触れても目印M11,M12を認知することができる。
本実施の形態1に係る歯科用被切削体10では、周縁領域S1に、円盤部11の厚みTを示す数値が、円周方向F1(図2参照)に沿って表示されているため、アダプタを取り付けたままでも、被切削面15側から見ただけで、円盤部11の厚みT(図1参照)を把握することができる。
また、表裏の判別が容易ではなくなるが、目印M11,M12を天面STおよび底面SBの両方に形成していてもよい。
更に、目印M11,M12は、周縁領域S1の全部に形成されていたが、天面ST側から視認でき、アダプタへの位置合わせができれば、周縁領域S1の一部でもよい。
本発明の実施の形態2に係る歯科用被切削体を図面に基づいて説明する。なお、図4においては、図2と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図4に示す歯科用被切削体100は、円盤部11の天面STにおける周縁領域S1に被切削面15の中心Oを中心とした放射状の仮想線Lに沿って目印M21が直線により形成されている。
本実施の形態2では、目印M21は、外周から周縁領域S1を抜け、円形領域S2に入るまで延びる直線が、30度ごとに円周方向F1に沿って等間隔に形成されている。
また、円盤部11には、目印M22として、円盤部11の中心Oから所定の半径方向を基準として、円周方向の角度を示す度数Aが円周方向に沿って形成されている。
更に、周縁領域S1には、実施の形態1と同様に、目印M12として、円盤部11の厚みを示す数値Nが円周方向に沿って表示されている。
また、度数Aが形成されていることで、天面STの中央を中心に回転しても、回転位置を容易に把握することができる。
本発明の実施の形態3に係る歯科用被切削体を図面に基づいて説明する。なお、図5においては、図1から図4と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図5に示す本実施の形態3に係る歯科用被切削体110は、円盤部11の側周面12と環状凸部13には目印M31が形成されたものである。また、歯科用被切削体110の被切削面15の周縁領域S1には、被切削部である円盤部11の材質を識別するための表記と、円盤部11の色調を識別するための表記とが、目印M32,M33として形成されている。
この目印M31は、被切削面15に形成された格子状の目印M11が円盤部11の外周まで到達した位置から目印M11を延長するように、目印11から連続して、側周面12と環状凸部13との側周面12に形成されている。
そうすることで、円盤部11の周縁領域S1における目印M11の位置を、側周面12側からも視認することができる。
更に、被切削面15に、円盤部11の色調を識別するための表記が目印M33として、VITA社製のシェードガイドにおけるクラシカルにて用いられる色調番号「A1」が形成されているため、作業者が歯科用被切削体110の被切削面15を見ただけで、円盤部11の位置合わせを容易とすることができると共に、円盤部11の色調を把握することができる。
また、円盤部11の材質を識別するための表記として、樹脂の略称としとする以外に、材質を示す化学記号としたり、材質の日本語表記、材質ごとに割り当てた英文字や記号としたりしてもよい。
更に、円盤部11の色調を識別するための表記として、VITA社製のシェードガイドクラシカルにて用いられた色調番号とする以外に、3Dマスターにて用いられる色調番号とすることができ、他のシェードガイドで用いられる色調番号とすることも可能である。また、独自の色調番号とすることができる。
本発明の実施の形態4に係る歯科用被切削体を図面に基づいて説明する。なお、図6においては、図1から図5と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図6に示す歯科用被切削体120における円盤部11(被切削部)の側周面12(環状凸部13)に、読み書き可能な半導体チップCが取り付けられたものである。
切削領域を示すデータとは、被切削面15からそれぞれの歯科補綴物Pを削り出すために、歯科補綴物Pの周囲まで切削されるが、このときの切削された周囲範囲の輪郭を示すデータである。
CAD/CAM加工装置では、被切削面15の切削領域Rを把握することができる。従って、CAD/CAM加工装置では、個々の歯科用被切削体120について、前回の切削で、どこまで切削したかを呼び出すことなく、半導体チップCから読み込むことができる。そのため、他の歯科用被切削体120に関する切削データと取り違えてしまうことを防止することができ、素早く前回の切削の状態をCAD/CAM加工装置の表示画面に表示させることができる。
本実施の形態1~4に係る歯科用被切削体10,100,110,120は、円盤状に形成されているが、矩形状でも多角形状でもよい。
また、図4に示す実施の形態2に係る歯科用被切削体100における円周方向の角度を示す度数Aを、実施の形態1に係る歯科用被切削体10や、実施の形態3~4(図5~6参照)の被切削面15に形成してもよい。
11 円盤部
12 側周面
13 環状凸部
14 環状凹部
15 被切削面
S1 周縁領域
S2 円形領域
M11,M12,M21,M22,M31,M32,M33 目印
N 数値
A 度数
F1 円周方向
ST 天面
SB 底面
W1,W2 幅
T 厚み
L 仮想線
O 中心
P 歯科補綴物
C 半導体チップ
R 切削領域
Claims (8)
- 被切削面から歯科補綴物が切り出される被切削部を有する歯科用被切削体において、
前記被切削面の少なくとも周縁領域の一部または全部に形成された目印であり、CAD/CAM加工装置に取り付けるために装着されるアダプタへの位置決め用の目印として前記被切削部の厚みを示す数値が表示され、かつ前記目印は、前記被切削面全体に形成された格子状の模様を含む歯科用被切削体。 - 被切削面から歯科補綴物が切り出される被切削部を有する歯科用被切削体において、
前記被切削面の少なくとも周縁領域の一部または全部に形成された目印であり、CAD/CAM加工装置に取り付けるために装着されるアダプタへの位置決め用の目印として前記被切削部の厚みを示す数値が表示され、かつ前記目印は、前記被切削部の中央を中心とした放射状の仮想線に沿って形成された直線を含む歯科用被切削体。 - 前記目印は、前記被切削面の中心から所定の半径方向を基準として円周方向に沿って形成された円周方向の角度を示す度数を含む請求項1または2に記載の歯科用被切削体。
- 前記目印は、前記被切削部の材質を識別するための表記を含む請求項1から3のいずれかの項に記載の歯科用被切削体。
- 前記目印は、前記被切削部の色調を識別するための表記を含む請求項1から4のいずれかの項に記載の歯科用被切削体。
- 前記目印は、印刷、刻印、突起、またはこれらの組み合わせにより形成された請求項1から5のいずれかの項に記載の歯科用被切削体。
- 前記目印は、前記被切削部の側周面にも形成された請求項1から6のいずれかの項に記載の歯科用被切削体。
- 前記被切削部の側周面には、歯科補綴物を削り出すときに切削された前記被切削面における切削領域を示すデータが格納される半導体チップが取り付けられた請求項1から7のいずれかの項に記載の歯科用被切削体。
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