JP7485239B2 - 接着剤、積層体、包装材 - Google Patents

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Description

本発明は2液硬化型接着剤、積層体、包装材に関する。
各種包装材、ラベル等に用いられる積層体は、各種多種多様なプラスチックフィルム、金属箔、紙等の基材のラミネートにより、意匠性、機能性、保存性、利便性、耐輸送性等が付与される。該積層体を袋状に成形してなる包装材は、食品、医薬品、洗剤等をはじめ、様々な分野の包装材として使用されている。
このような包装材に用いられる積層体をラミネートする際に使用する接着剤として、従来、ウレタン反応型2液タイプの接着剤(以後、2液硬化型接着剤や反応型接着剤と称する場合がある)が多用されてきた。一方で、ウレタン反応型の2液硬化型接着剤は、イソシアネートプレポリマーを硬化成分として使用するために、接着層に残存するイソシアネートモノマーが問題となっており、特に近年では、人体や環境への影響を考慮し、イソシアネートモノマーは種類によらず、欧州委員会によるREACH規制により取り扱い条件が強化されることが決定しており、接着層に残存するイソシアネートモノマーをできるだけ低減させることが要求されている。
残存するイソシアネートモノマーを低減させる方法は、従来より検討されてきた。
例えば特許文献1では、ウレタンプレポリマー100重量部と、活性水素を持たず数平均分子量が300~10000である低分子量極性ポリマーからなる流動性付与剤もしくは軟化剤10~40重量部とからなり、接着剤中のイソシアネートモノマー量が0.01~4重量%であることを特徴とするポリウレタン接着剤が開示されている。(特許文献1参照)
また例えば特許文献2には、(a)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、グリコールおよびこれらの混合物からなる群から選択されるポリオールと、イソシアネートモノマーとを反応させ、2.5から11.5重量%のNCO含量を有し、2.0から3.0の範囲の平均NCO官能基を有するプレポリマーを含む反応混合物を形成し、(b)プレポリマーと未反応イソシアネートを含む前記反応混合物を、ショートパス蒸発器に通し、0.15重量%未満の量まで未反応イソシアネートを除去することを含む、低イソシアネート残量のイソシアネート官能性プレポリマーの形成方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
一方で、接着層に残存するイソシアネートモノマーが、接着剤そのものの機能性にどれだけ関与しているかを評価することは、これまで行われてこなかった。即ち、接着層に残存するイソシアネートモノマーが、接着剤の機能にどのくらい影響するかはまだ明確になっていない。
特許文献1には、実質的に、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと称する場合がある)、を使用した組成物を、960Paに減圧した環境下で20分間攪拌して脱泡を行い、常温環境下で冷却した接着剤組成物に残留するMDIの残留濃度と粘度しか開示されていない。
また、特許文献2には、実質的に、ポリオールと、トルエンジイソシアネート(以下TDIと称する場合がある)を反応させたプレポリマーからショートパス蒸発器に通し、0.15重量%未満の量まで未反応イソシアネートを除去する具体的態様しか開示されていない。
特開2005-2286号公報 特開2002-265552号公報
本発明は、現在流通するウレタン反応型の2液硬化型接着剤と遜色ない接着剤機能を維持し、且つ人体や環境への影響がないと判断されているレベルまでイソシアネートモノマーを低減させた、ポリイソシアネート組成物、及びそれを使用した2液硬化型接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の低分子量のイソシアネートモノマーを、特定量配合したポリイソシアネート組成物、及びそれを使用した2液硬化型接着剤が、前記課題を解決することを見出した。
ウレタン反応型の2液硬化型接着剤において、低分子量イソシアネートモノマーは硬化後の膜の架橋構造に寄与するが、寄与の程度は高分子量のウレタンプレポリマーとは異なると推定される。
例えば高分子量のウレタンプレポリマーは、架橋後、架橋点間の距離が比較的大きいことや、架橋後の構造が線状ポリマーの網目構造に近いために架橋点密度はやや低く、得られる硬化膜はフレキシブルだが強度にやや劣ることが知られている。一方で、低分子量イソシアネートモノマーは、架橋後の架橋点間距離が短いため架橋点密度が高く、得られる硬化膜は柔軟性に乏しいが強度に優れることが知られている。
本発明者らは、この架橋点密度のバランスの観点から、数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)と、数平均分子量140~280のイソシアネートモノマー(A2)とを含有し、前記イソシアネートモノマー(A2)の配合量がポリイソシアネート組成物固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下であるポリイソシアネート組成物であれば、架橋点密度のバランスに優れた硬化膜が得られ、現在流通するウレタン反応型の2液硬化型接着剤と遜色ない接着剤機能を維持し、例えば基材がフレキシブル性を有するプラスチックや紙であっても追従可能で強度に優れる2液硬化型接着剤が得られることを見出した。
即ち本発明は、数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)と、数平均分子量140~280のイソシアネートモノマー(A2)とを含有し、前記イソシアネートモノマー(A2)の配合量がポリイソシアネート組成物固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下であるポリイソシアネート組成物を提供する。
また本発明は、数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)と、数平均分子量140~280のイソシアネートモノマー(A2)とを含有し、前記イソシアネートモノマー(A2)の配合量が固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下であるポリイソシアネート組成物(X)と、イソシアネート基と反応しうる基を有する化合物を含有する組成物(Y)、とを含む2液硬化型接着剤を提供する。
また本発明は、第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材と前記第二の基材とを貼り合わせる接着層とを有し、前記接着層が前記記載の2液硬化型接着剤の硬化塗膜である積層体を提供する。
また本発明は、前記記載の積層体からなる包装材を提供する。
本発明のポリイソシアネート組成物は、現在流通するウレタン反応型の2液硬化型接着剤と遜色ない接着剤機能を維持し、且つ人体や環境への影響がないと判断されているレベルまでイソシアネートモノマーを低減させているので、安全であり、且つ現在流通するウレタン反応型の2液硬化型接着剤と遜色ない機能を有する接着剤を提供できる。
本発明の2液硬化型接着剤は、安全であり、且つ現在流通するウレタン反応型の2液硬化型接着剤と遜色ない機能を有するので、食品、医薬品、洗剤等をはじめ、様々な分野の包装材に適用できる積層体を提供できる。
<定義>
本発明において、数平均分子量及び重量平均分子量は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値とした。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSKgel 4000HXL、TSKgel 3000HXL、TSKgel 2000HXL、TSKgel 1000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
<ポリイソシアネート組成物>
本発明のポリイソシアネート組成物(以後ポリイソシアネート組成物(X)と称する場合がある)は、数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)と、数平均分子量140~280のイソシアネートモノマー(A2)とを含有し、前記イソシアネートモノマー(A2)の配合量がポリイソシアネート組成物固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下であることを特徴とする。
(数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1))
本発明で使用する、数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)(以後、イソシアネート化合物(A1)と称する場合がある)は、特に限定されず、数平均分子量280を超えるイソシアネートを1つ以上有する化合物であればよいが、接着剤分野において好ましく使用される、ウレタンプレポリマー(A1-1)、または、ウレア変性ポリイソシアネート、又はイソシアネート重合体(A1-2)であることが好ましい。
(ウレタンプレポリマー(A1-1))
本発明で使用するウレタンプレポリマー(A1-1)は、特に限定なく、接着剤技術分野で使用されるウレタンプレポリマーを使用することができる。一般的には、イソシアネート組成物(i)と、ポリオール組成物(ii)とを、ポリオール組成物(ii)に含まれる活性水素基に対してイソシアネート基(i)に含まれるイソシアネート基が過剰となる条件下で反応させて得たウレタンプレポリマーが使用される。
(イソシアネート組成物(i))
本発明で使用するイソシアネート組成物(i)は、イソシアネート化合物を含む。イソシアネート化合物としては特に限定されず、ウレタンプレポリマーの合成に通常使用され得るものを適宜用いることができる。例えば、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらジイソシアネートのビュレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、カルボジイミド変性体、ウレトジオン変性体、これらポリイソシアネートとポリオールを反応させたウレタンプレポリマー等が挙げられ、これらを単独でまたは複数組み合わせて使用することができる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、あるいはクルードMDIとも称される)、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート(別名:PPDI)、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(別名:TDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、トリジンジイソシアネート(別名:TODI)、ジアニシジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(別名:NDI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができるが、これらに限定されない。
芳香脂肪族ジイソシアネートとは、分子中に1つ以上の芳香環を有する脂肪族イソシアネートを意味し、m-又はp-キシリレンジイソシアネート(別名:XDI)、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(別名:TMXDI)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
脂肪族ジイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(別名:PDI)、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(別名:LDI)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
脂環族ジイソシアネートとしては、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート(別名:水添MDIまたはHMDI)、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(別名:水添XDIまたはHXDI)、ノルボルナンジイソシアネート(別名:NBDI)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
(ポリオール組成物(ii))
ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリオール組成物(ii)は、ポリオール化合物を含む。ポリオール化合物としては特に限定されず、ウレタンプレポリマーの合成に通常使用され得るものを適宜用いることができる。例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオール;
前記グリコール、3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;
ポリエーテルポリオールを更にイソシアネート化合物で高分子量化したポリエーテルウレタンポリオール;
プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、β-メチル-σ-バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと前記グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール(1);
前記グリコール、ダイマージオール、又は前記ビスフェノール等の2官能型ポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(2):
3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(3);
2官能型ポリオールと、前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(4);
ジメチロールプロピオン酸、ひまし油脂肪酸等のヒドロキシル酸の重合体である、ポリエステルポリオール(5);
ポリエステルポリオール(1)~(5)の少なくとも一種とポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオール;
ポリエステルポリオール(1)~(5)をイソシアネート化合物で高分子量化して得られるポリエステルポリウレタンポリオール;
ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるヒマシ硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等のひまし油系ポリオール等、及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(2)~(4)の合成に用いられる多価カルボン酸としては、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、ナフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の芳香族多塩基酸;
ジメチルテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の芳香族多塩基酸のメチルエステル化物;
マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多塩基酸;
マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ピメリン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の脂肪族多塩基酸のアルキルエステル化物;
1,1-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン-1,2,4-トリカルボン酸-1,2-無水物、無水ハイミック酸、無水ヘット酸等の脂環族多塩基酸;等が挙げられ、1種または2種以上を組合わせて用いることができる。
ポリウレタンポリオールの合成に用いられるイソシアネート化合物のうち、非芳香族イソシアネートとしてはイソシアネート組成物(i)に用い得るものと同様のものを用いることができる。芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、あるいはクルードMDIとも称される)、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート(別名:PPDI)、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(別名:TDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、トリジンジイソシアネート(別名:TODI)、ジアニシジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(別名:NDI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等、これらジイソシアネートの誘導体(ビウレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体)等が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリオール化合物は、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールの少なくとも一種を含むことが好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(A1-1)は、イソシアネート組成物(i)と、ポリオール組成物(ii)とを、ポリオール組成物(ii)に含まれる活性水素基に対してイソシアネート基(i)に含まれるイソシアネート基が過剰となる条件下で反応させて得られる。ポリオール組成物(ii)に含まれる活性水素基に対するイソシアネート基の当量比[NCO]/[活性水素基]は、目的に応じて適宜調整され得るが、一例として2.0以上20.0以下である。
前記ウレタンプレポリマー(A1-1)の分子量は、数平均分子量に換算して、280を超え、上限は50000であることが好ましい。より好ましくは、下限300を超え、上限は30000以下である。
(ウレア変性ポリイソシアネート、又はイソシアネート重合体(A1-2))
ウレア変性ポリイソシアネート又はイソシアネート重合体(A1-2)としては、具体的には、イソシアネートモノマーが、ウレア構造、ビウレット構造、ウレトジオン結合、ヌレート構造、カルボジイミド構造等から選択される構造を介して結合した化合物である。
ここでいうイソシアネートモノマーとしては、前記ウレタンプレポリマー(A1-1)に使用される前記イソシアネートモノマーを使用することができ、具体的には、例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、あるいはクルードMDIとも称される)、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート(別名:PPDI)、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(別名:TDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、トリジンジイソシアネート(別名:TODI)、ジアニシジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(別名:NDI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
m-又はp-キシリレンジイソシアネート(別名:XDI)、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(別名:TMXDI)等の芳香脂肪族ジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(別名:PDI)、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(別名:LDI)等の脂肪族ジイソシアネート、
3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート(別名:水添MDIまたはHMDI)、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(別名:水添XDIまたはHXDI)、ノルボルナンジイソシアネート(別名:NBDI)等の脂環族ジイソシアネート、等が挙げれれる。
ウレア変性ポリイソシアネートとしては、ビウレット構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートが挙げられる。これらの数平均分子量は280を超え、上限は2000以下であることが好ましい。より好ましくは、下限300を超えることが好ましく350を超えることがなお好ましい。上限は1800以下であることが好ましく1500以下である。
イソシアネート重合体としては、ウレトジオン構造又はヌレート構造を有するポリイソシアネートが挙げられる。これらの数平均分子量は280を超え、上限は2000以下であることが好ましい。より好ましくは、下限300を超えることが好ましく350を超えることがなお好ましい。上限は1800以下であることが好ましく1500以下である。
本発明においては、特に、ウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートを含有することが好ましい。特に、一般式(1)で表される化合物であり、且つ(1)及び(2)を満たす化合物が好ましい。
Figure 0007485239000001
一般式(1)中、Rは芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、及び脂環族ジイソシアネートからなる群から選ばれるジイソシアネート化合物の1つのイソシアネート基を除く残基であり、Rは、ウレトジオン基またはウレア基を表す。
(1)一般式(1)で表される化合物の数平均分子量が280を超え600以内の範囲である。
(2)一般式(1)で表される化合物をポリイソシアネート組成物固形分に対し0.001質量%以上30質量%以下含有する。
また、前記一般式(1)で表される化合物は、一般式(1)で表される化合物以外のイソシアネート化合物(A1)との相溶性がやや低く、含有量が多いとポリイソシアネート組成物に濁りが生じることがある。このため一般式(1)で表される化合物は、ポリイソシアネート組成物固形分に対し、0.005質量%以上20質量%以下の範囲で含有することが好ましく、0.01質量%以上10質量%以下の範囲で含有することが好ましく、0.01質量%以上3質量%以下の範囲で含有することがより好ましい。
これらのウレア変性ポリイソシアネート、又はイソシアネート重合体(A1-2)の分子量は、数平均分子量に換算して、280を超え、上限は2000以下であることが好ましい。より好ましくは、下限300を超えることが好ましく350を超えることがなお好ましい。上限は1800以下であることが好ましく1500以下である。
(その他)
その他、前記イソシアネート化合物(A1)として、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートや、アロファネート構造を有するポリイソシアネート等であってもよい。
(イソシアネート化合物(A1)の組み合わせ)
前記イソシアネート化合物(A1)は、用途により、当該イソシアネート化合物(A1)に相当する化合物を複数組み合わせて使用することができる。以下に具体的態様の一例を列挙するが、本発明はこれらに限定されることなく様々な組み合わせで使用することができる。
(I)ウレタンプレポリマー(A1-1)に相当する化合物を単独また複数含有する。
(II)ウレア変性ポリイソシアネート、又はイソシアネート重合体(A1-2)に相当する化合物を単独また複数含有する。
(III)ウレタンプレポリマー(A1-1)に相当する化合物を単独また複数含有し、且つ、ウレア変性ポリイソシアネート、又はイソシアネート重合体(A1-2)に相当する化合物を単独また複数含有する。
(IV)ウレタンプレポリマー(A1-1)に相当する化合物を単独また複数含有し、且つ、ウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートである一般式(1)で表される化合物を含有する。
(V)ウレア変性ポリイソシアネート、又はイソシアネート重合体(A1-2)に相当する化合物を単独また複数含有し、且つ、ウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートである一般式(1)で表される化合物を含有する。
(VI)ウレタンプレポリマー(A1-1)に相当する化合物を単独また複数含有し、且つ、ウレア変性ポリイソシアネート、又はイソシアネート重合体(A1-2)に相当する化合物を単独また複数含有し、且つ、ウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートである一般式(1)で表される化合物を含有する。
特に、前記(III)の、ウレタンプレポリマー(A1-1)に相当する化合物を単独また複数使用し、且つ、ウレア変性ポリイソシアネート、又はイソシアネート重合体(A1-2)に相当する化合物を単独また複数含有する組み合わせや、前記(IV)~(VI)の、ウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートである一般式(1)で表される化合物を含有する組み合わせは、ウレア変性ポリイソシアネート、又はイソシアネート重合体(A1-2)の添加量や、ウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートである一般式(1)で表される化合物の添加量によって様々な効果が期待でき好ましい。
例えば、本発明のポリイソシアネート組成物は、イソシアネート基を有する化合物の組成物であるが、イソシアネート基は反応性が非常に高く空気中の水分とですら反応し、貯蔵中の粘度上昇、可使時間が短くなる原因となる場合がある。ウレタンプレポリマー(A1-1)よりも水との反応性の高い一般式(1)で表される化合物を含有することで、水分と選択的に反応し粘度上昇が抑えられる効果(水分キャッチャー)が期待できる。このような、水分キャッチャーの効果は、一般式(1)で表される化合物がごく微量でも発現できることから、この効果を期待する場合の一般式(1)で表される化合物の添加量は、本発明のイソシアネート組成物の固形分に対し0.001質量%以上であればよく、0.01質量%以上であればなおよい。
一般式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は、ウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート化合物の反応性と同程度以上のものを用いることが好ましい。
具体的には、ウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香族ジイソシアネートである場合は、一般式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物も芳香族ジイソシアネートであることが好ましい。
ウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香脂肪族ジイソシアネートである場合は、一般式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネートおよび芳香脂肪族ジイソシアネートから選ばれることが好ましい。
ウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート化合物が脂肪族ジイソシアネートである場合は、一般式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートから選ばれることが好ましい。
ウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート化合物が脂環族ジイソシアネートである場合は、一般式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートから選べばよい。
同様の粘度上昇抑制効果はイソシアネート重合体が一般式(1)で表される化合物を含む場合についても期待できる。この場合も同様に、一般式(1)で表される化合物の合成に用いるイソシアネート化合物は、イソシアネート重合体の合成に用いられるイソシアネート化合物の反応性と同程度以上のものを用いることが好ましい。
具体的には、イソシアネート重合体の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香族ジイソシアネートである場合は、一般式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物も芳香族ジイソシアネートであることが好ましい。
イソシアネート重合体の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香脂肪族ジイソシアネートである場合は、一般式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネートおよび芳香脂肪族ジイソシアネートから選ばれることが好ましい。
イソシアネート重合体の合成に用いられるイソシアネート化合物が脂肪族ジイソシアネートである場合は、一般式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートから選ばれることが好ましい。
イソシアネート重合体の合成に用いられるイソシアネート化合物が脂環族ジイソシアネートである場合は、一般式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートから選べばよい。
イソシアネート化合物(A1)がイソシアネート重合体、中でもヌレート構造を有するポリイソシアネートであると、特に粘度上昇抑制効果に優れ好ましい。ヌレート構造を有するポリイソシアネートの合成に用いられるイソシアネートが、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートおよび脂肪族ジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、脂環族ジイソシアネートおよび脂肪族ジイソシアネートから選ばれる少なくとも一種を含むことがより好ましい。
ウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートである一般式(1)で表される化合物を含むことによる別の効果として、耐ピンホール性、ヒートシール強度、アルミ密着性、ジッパーヒートシール耐性、ボイル耐性、耐熱性等のような、接着剤の凝集力に起因する効果も期待できる。即ち、ウレタンプレポリマー(A1-1)はイソシアネート基間にポリオール由来の鎖を有するため、得られる接着剤硬化膜の架橋密度はさほど上がらない。しかしウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートである一般式(1)を含むことにより、接着剤の硬化塗膜中に複雑な架橋密度構造が形成され、凝集力が向上することが期待できる。このような、凝集力の向上の効果は、ウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートである一般式(1)がごく微量でも発現できることから、この効果を期待する場合のウレトジオン構造又はウレア構造を有するポリイソシアネートである一般式(1)の添加量は、本発明のイソシアネート組成物の固形分に対し0.001質量%以上であればよく、0.01質量%以上であればなおよい。このとき、より接着剤の凝集力が向上しやすくなるためウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート組成物(i)が、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートから選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートから選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、芳香族ジイソシアネートであることがより好ましい。芳香族ジイソシアネートがトルエンジイソシアネートであることがさらに好ましい。
(数平均分子量140~280のイソシアネートモノマー(A2))
本発明で使用するイソシアネートモノマー(A2)は、数平均分子量140~280であれば特に限定なく使用することができる。
具体的には例えば、芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:MDI)、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート(別名:PPDI)、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(別名:TDI)、トリジンジイソシアネート(別名:TODI)、ナフタレンジイソシアネート(別名:NDI)、等を挙げることができるが、これらに限定されない。
芳香脂肪族ジイソシアネートとは、分子中に1つ以上の芳香環を有する脂肪族イソシアネートを意味し、m-又はp-キシリレンジイソシアネート(別名:XDI)、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(別名:TMXDI)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
脂肪族ジイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(別名:PDI)、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(別名:LDI)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
脂環族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート(別名:水添MDIまたはHMDI)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンまたは1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(別名:水添XDIまたはHXDI)、ノルボルナンジイソシアネート(別名:NBDI)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明のポリイソシアネート組成物(X)は、前記イソシアネート化合物(A1)と、前記イソシアネートモノマー(A2)とを含有し、前記イソシアネートモノマー(A2)の配合量が固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下であることを特徴とする。ここで固形分とは、ポリイソシアネート組成物の固形分を表す。例えばポリイソシアネート組成物が前記イソシアネート化合物(A1)と前記イソシアネートモノマー(A2)からなる場合は、固形分はウレタンプレポリマー(A1-1)質量とイソシアネートモノマー(A2)質量の和となる。
前記イソシアネートモノマー(A2)の配合量は、中でも下限が、固形分に対し0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上が最も好ましい。この範囲において、架橋点密度のバランスに優れた硬化膜が得られ、現在流通するウレタン反応型の2液硬化型接着剤と遜色ない接着剤機能を維持し、例えば基材がフレキシブル性を有するプラスチックや紙であっても追従可能で強度に優れる2液硬化型接着剤が得られる。
イソシアネートモノマー(A2)の配合量は、例えばASTM D 3432に従って、内部標準を用いたガスクロマトグラフィーによって測定することができる。あるいは、下記条件に従って、液体クロマトグラフィーによって測定することもできる。
[測定条件]
装置:Waters Corporation製「ACQUITY UPLC H-Class」
データ処理:Waters Corporation製「Empower-3」
カラム:Waters Corporation製「ACQUITY UPLC HSS T3 」(100 mm×2.1 mmφ, 1.8 μm)40℃
溶離液:ギ酸アンモニウム水溶液/メタノール、0.3mL/分
検出器:PDA
試料調整:1.適宜ブロックした試料100mgをTHF(LC用)10mlに溶解
2.30秒間ボルテックスで撹拌
3.溶離液(移動相)で、適宜希釈
4.0.2μmろ過フィルターに通液し測定試料とした。
面積比の計算:目的物に対して最大吸収波長を用いて算出する。
(粘度)
本発明のポリイソシアネート組成物(X)を無溶剤型の2液硬化型接着剤として用いる場合は、ポリイソシアネート組成物(X)の粘度は、ノンソルベントラミネート法に適した範囲に調整される。一例として、40℃における粘度が100~20000mPas、より好ましくは500~10000mPasの範囲になるよう調整される。ポリイソシアネート組成物(X)の粘度は、一例としてウレタンプレポリマーやイソシアネートモノマーの配合量により調整することができる。ポリイソシアネート組成物(X)の粘度は、例えば、回転粘度計を用い、コーン・プレート:1°×直径50mm、せん断速度:100sec-1、40℃±1℃で測定することができる。
(ポリイソシアネート組成物の製造方法)
本発明のポリイソシアネート組成物(X)は、前記イソシアネート化合物(A1)と前記イソシアネートモノマー(A2)とを混合して得ることができる。
また、前記イソシアネートモノマー(A2)が、前記イソシアネート化合物(A1)の原料の1つである場合は、前記前記イソシアネート化合物(A1)を合成後、残存する前記イソシアネートモノマー(A2)を、当該組成物の固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下となるように調整してもよい。またこれらの方法を組み合わせてもよい。
前記イソシアネート化合物(A1)と前記イソシアネートモノマー(A2)とを混合する場合には、公知の撹拌機等を使用して混合し、本発明のポリイソシアネート組成物(X)とすることができる。
また、前記イソシアネート化合物(A1)を合成後、残存する前記イソシアネートモノマー(A2)を、当該組成物の固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下となるように調整する場合には、前記イソシアネート化合物(A1)を合成後、ショートパス蒸留装置や薄膜蒸留装置を用いて、当該組成物の固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下となるように調整する。
本発明においては、中でも、前記イソシアネート化合物(A1)を合成後、ショートパス蒸留装置や薄膜蒸留装置を用いて、当該組成物の固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下となるように調整する方法が、簡便であり好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物(X)は、ウレタン反応型の2液硬化型接着剤として、ポリオール組成物等のイソシアネート基と反応しうる基を有する化合物を含有する組成物(Y)と共に使用することで、現在流通するウレタン反応型の2液硬化型接着剤と遜色ない接着剤機能を維持できる。この理由としては定かではないが、次のように推定している。即ち、前記イソシアネートモノマー(A2)の配合量を微量ながら特定量配合するので、ポットライフが維持できると考えられる。また、架橋点密度のバランスに優れた硬化膜が得られるので、二酸化炭素発生に由来する微細な泡が塗膜から抜けやすく、気泡等の目立たない外観のよい硬化膜が得られると考えられる。
<2液硬化型接着剤>
本発明の2液硬化型接着剤は、前記ポリイソシアネート組成物(X)と、イソシアネート基と反応しうる基を有する化合物を含有する組成物(Y)とを含有する。
(イソシアネート基と反応しうる基を有する化合物を含有する組成物(Y))
イソシアネート基と反応しうる基を有する化合物を含有する組成物(Y)において、イソシアネート基と反応しうる基を有する化合物とは具体的には、水酸基を有するポリオール化合物(B)、アミノ基を有するアミン化合物(C)、カルボキシル基を有する化合物、エポキシ基を有するエポキシ化合物等が挙げられる。中でも本発明においては、ポリオール化合物(B)を含有する組成物が好ましく、適度な架橋密度を得られる観点から複数の水酸基を有するポリオール化合物(B)を含有するポリオール組成物(Y)が好ましい。
(ポリオール組成物(Y))
ポリオール組成物(Y)は、複数の水酸基を有するポリオール化合物(B)を含む。ポリオール化合物(B)として特に限定はなく、通常ウレタン反応型の2液硬化型接着剤に使用されるポリオール化合物ならばいずれも使用することができる。
具体的には例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、植物油ポリオール、糖アルコール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、水酸基含有オレフィン樹脂、水酸基含有フッ素樹脂、(ポリ)アルカノールアミン等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリプロピレングリコールのトリオール体等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したものが挙げられる。ポリプロピレングリコールを用いることが好ましい。
ポリエステルポリオールは、多価アルコールと多価カルボン酸との反応生成物である。ポリエステルポリオールの合成に用いられる多価アルコールはジオールでも、3官能以上のポリオールでもよい。またジオールとして前記ポリエーテルポリオールを使用したポリエステルポリエーテルポリオールや、後述のポリウレタンポリオールを使用したポリエステルポリウレタンポリオールでもよい。
ジオールとしては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2,2-トリメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-3-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のエーテルグリコール;
脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール;
脂肪族ジオールと、ラクタノイド、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールにエチレンオキサイド、プロプレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
3官能以上のポリオールは、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;
脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;
脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールの合成に用いられる多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;及びこれら脂肪族又はジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
植物油ポリオールとしては、ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるひまし硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等が挙げられる。
ポリウレタンポリオールは、低分子量または高分子量のポリオールと、ポリイソシアネート化合物との反応生成物である。低分子量ポリオールとしては、ポリエステルポリオールの原料として例示した多価アルコールと同様のものを用いることができる。高分子量ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が例示される。ポリイソシアネート化合物としては、前記ウレタンプレポリマー(A1-1)で使用するポリイソシアネートと同様のものを用いることができる。
糖アルコールとしては、ペンタエリスリトール、スクロース、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール糖等が挙げられる。
本発明の2液硬化型接着剤が無溶剤型として用いられる場合は、ポリオール組成物(Y)の粘度はノンソルベントラミネート法に適した範囲に調整される。一例として、40℃における粘度が100~5000mPas、より好ましくは100~3000mPasの範囲になるよう調整される。ポリオール組成物(Y)の粘度は、ポリオール化合物(B)の骨格や、後述する可塑剤等により調整することができる。ポリオール化合物(B)の骨格で調整する場合は、例えば、ポリプロピレングリコールや、脂肪族カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールを用いることにより粘度を低下させることができる。あるいは、芳香族カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールを用いることにより粘度を高くすることができる。
(接着剤のその他の成分)
本発明の2液硬化型接着剤は、上述の成分以外の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)のいずれかまたは両方に含まれていてもよいし、これらとは別に調整しておき、接着剤の塗工直前にポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)とともに混合して用いてもよい。以下、各成分について説明する。
(アミン化合物(C))
ポリオール組成物(Y)に、アミノ基を有するアミン化合物(C)を含有していてもよい。なお本明細書においてアミノ基とは、NH2基またはNHR基(Rは官能基を有していてもよいアルキル基またはアリール基)をいう。
アミン化合物(C)としては公知のものを特に制限なく用いることができ、メチレンジアミン、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、3,9-ジプロパンアミン-2,4,8,10-テトラオキサスピロドウンデカン、リシン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ポリ(プロピレングリコール)ジアミン、ポリ(プロピレングリコール)トリアミン、ポリ(プロピレングリコール)テトラアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、
1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ノナエチレンデカミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2-アミノエチルアミノメチル)メタン、1,3-ビス(2’-アミノエチルアミノ)プロパン、トリエチレン-ビス(トリメチレン)ヘキサミン、ビス(3-アミノエチル)アミン、ビスヘキサメチレントリアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミン、4,4’-イソプロピリデンビスシクロヘキシルアミン、ノルボルナジアミン、
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、ビス(シアノエチル)ジエチレントリアミン、1,4-ビス-(8-アミノプロピル)-ピペラジン、ピペラジン-1,4-ジアザシクロヘプタン、1-(2’-アミノエチルピペラジン)、1-[2’-(2”-アミノエチルアミノ)エチル]ピペラジン、トリシクロデカンジアミン、前記した各種のポリアミンと前記した各種のイソシアネート成分との反応生成物であるポリウレアアミンなどの複数のアミノ基を有するアミン化合物(C1)、
モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-メチルプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の1級または2級のアルカノールアミン(C2)、
エチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジステアリルアミンなどの1級または2級アミン(C3)などが挙げられる。
アミン化合物(C)の配合量は、ポリオール組成物(Y)のアミン価が20~70mgKOH/g、より好ましくは25~50mgKOH/gとなるよう配合されることが好ましい。
なお、本明細書におけるアミン価は試料1gを中和するのに必要なHCl量に対して当量となるKOHのミリグラム数を意味し、特に制限はなく、公知の方法を用いて算出することができる。アミン化合物(C)の化学構造、更に必要に応じて、平均分子量等がわかっている場合には、(1分子当たりのアミノ基の数/平均分子量)×56.1×1000より算出することができる。アミン化合物の化学構造や平均分子量等が不明である場合には、公知のアミン価測定方法、例えば、JISK7237-1995に従い測定することができる。
(モノオール化合物(D))
ポリオール組成物(Y)は、アルコール性水酸基を1つ有するモノオール化合物(D)を含んでいてもよい。モノオール化合物(D)の主鎖は特に制限されず、水酸基を1つ有するビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、脂肪族アルコール、アルキルアルキレングリコール等も用いることができる。モノオール化合物(D)の主鎖は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。水酸基の結合位置についても特に限定はないが、分子鎖の末端に存在することが好ましい。
モノオール化合物(D)の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノールラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、セチルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、その他のアルカノール(C20~50)、オレイルアルコール、およびこれらの異性体等の脂肪族モノオール、
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、4-ブチルシクロヘキサノール、4-ペンチルシクロヘキサノール、4-ヘキシルシクロヘキサノール、シクロデカノール、シクロドデカノール、シクロペンタデカノール、4-イソプロピルシクロヘキサノール、3,5,5-トリメチルシクロヘキサノール、メントール、2-ノルボルナノール、ボルネオール、2-アダマンタノール、ジシクロヘキシルメタノール、デカトール、2-シクロヘキシルシクロヘキサノール、4-シクロヘキシルシクロヘキサノール、4-(4-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、4-(4-ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、α-アンブリノール、デスオキシコルチコステロン、11-デヒドロコルチコステロン、コレステロール、β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β-コレスタノール、テストステロン、エストロン、ジギトキシゲニン、デヒドロエピアンドロステロン、コプロスタノール、プレグネノロン、エピコレスタノール、7-デヒドロコレステロール、安息香酸エストラジオール、チゴゲニン、ヘコゲニン、メタンジエノン、酢酸コルチゾン、ステノロン、およびこれらの異性体等の脂環族モノオール、
ベンジルアルコールなどの芳香脂肪族モノオール、
活性水素を1個含有するアルキル化合物等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドを開環付加重合させたポリオキシアルキレンモノオール等が挙げられる。
(触媒)
触媒としては、金属系触媒、アミン系触媒、脂肪族環状アミド化合物、4級アンモニウム塩等が例示される。
金属系触媒としては、金属錯体系、無機金属系、有機金属系の触媒が挙げられる。金属錯体系の触媒としては、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、Zr(ジルコニウム)、Th(トリウム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Co(コバルト)からなる群より選ばれる金属のアセチルアセトナート塩、例えば鉄アセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、銅アセチルアセトネート、ジルコニアアセチルアセトネート等が例示される。
無機金属系の触媒としては、Sn、Fe、Mn、Cu、Zr、Th、Ti、Al、Co等から選ばれるものが挙げられる。
有機金属系触媒としては、オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル等の有機ニッケル化合物、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、テトライソプロピルオキシチタネート、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド、脂肪族ジケトン、芳香族ジケトン、炭素原子数2~10のアルコールの少なくとも1種をリガンドとするチタンキレート錯体等のチタン系化合物等が挙げられる。
アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、2-メチルトリエチレンジアミン、キヌクリジン、2-メチルキヌクリジン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチル-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、3-キヌクリジノール、N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジン、1,3,5-トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、N-メチル-N’-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’-ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N,N-ジメチルヘキサノールアミン、N-メチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
脂肪族環状アミド化合物としては、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム、ω-エナントールラクタム、η-カプリルラクタム、β-プロピオラクタム等が挙げられる。これらの中でもε-カプロラクタムが硬化促進により効果的である。
4級アンモニウム塩としては、アルキルアンモニウム、芳香族アンモニウム等のヒドロキシ塩、アルキル酸塩、ハロゲン化物塩等が挙げられる。例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられるが、これらに限定されない。
(酸無水物)
酸無水物としては、環状脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、不飽和カルボン酸無水物等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。より具体的には、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ヘット酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、1-メチル-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
また、酸無水物として上述した化合物をグリコールで変性したものを用いてもよい。変性に用いることができるグリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポチテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルグリコール類等が挙げられる。更には、これらのうちの2種類以上のグリコール及び/又はポリエーテルグリコールの共重合ポリエーテルグリコールを用いることもできる。
(カップリング剤)
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ヘキサメチルジシラザン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、テトラオクチレングリコールチタネート、チタンラクテート、テトラステアロキシチタン等が挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
(顔料)
顔料としては特に制限はなく、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料などが挙げられる。
体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土などが挙げられる。
有機顔料の具体例としては、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラックなどが挙げられる。
無機顔料としては、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
プラスチック顔料としては、例えば、DIC(株)製「グランドールPP-1000」、「PP-2000S」等が挙げられる。
用いる顔料については目的に応じて適宜選択すればよいが、例えば耐久性、対候性、意匠性に優れることから白色顔料としては酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物を用いることが好ましく、黒色顔料としてはカーボンブラックを用いることが好ましい。
顔料の配合量は、一例としてポリオール組成物(X)とポリイソシアネート組成物(Y)の不揮発分総量100質量部に対して1~400質量部であり、接着性、耐ブロッキング性をより良好なものとするため10~300質量部とすることがより好ましい。
(可塑剤)
可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、芳香族ポリカルボン酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、ポリオール系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、カーボネート系可塑剤などが挙げられる。
フタル酸系可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジへキシルフタレート、ジへプチルフタレート、ジ-(2-エチルヘキシル)フタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジフェニルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、オクチルデシルフタレート、ジメチルイソフタレート、ジ-(2-エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤、例えば、ジ-(2-エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ-n-オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレートなどのテトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤が挙げられる。
脂肪酸系可塑剤としては、例えば、ジ-n-ブチルアジペート、ジ-(2-エチルへキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(C6-C10アルキル)アジペート、ジブチルジグリコールアジペートなどのアジピン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-へキシルアゼレート、ジ-(2-エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレートなどのアゼライン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-ブチルセバケート、ジ-(2-エチルへキシル)セバケート、ジイソノニルセバケートなどのセバシン酸系可塑剤、例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ-n-ブチルマレート、ジ-(2-エチルヘキシル)マレートなどのマレイン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-ブチルフマレート、ジ-(2-エチルへキシル)フマレートなどのフマル酸系可塑剤、例えば、モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ-(2-エチルヘキシル)イタコネートなどのイタコン酸系可塑剤、例えば、n-ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレートなどのステアリン酸系可塑剤、例えば、ブチルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレートなどのオレイン酸系可塑剤、例えば、トリエチルシトレート、トリ-n-ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリ-(2-エチルへキシル)シトレートなどのクエン酸系可塑剤、例えば、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレートなどのリシノール酸系可塑剤、および、ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸系可塑剤などが挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸系可塑剤としては、例えば、トリ-n-ヘキシルトリメリテート、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテート、トリ-n-オクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテートなどのトリメリット酸系可塑剤、例えば、テトラ-(2-エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ-n-オクチルピロメリテートなどのピロメリット酸系可塑剤などが挙げられる。
リン酸系可塑剤としては、例えば、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェートなどが挙げられる。
ポリオール系可塑剤としては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ-(2-エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ-(2-エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレートなどのグリコール系可塑剤、例えば、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレートなどのグリセリン系可塑剤などが挙げられる。
エポキシ系可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2-エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシルなどが挙げられる。
ポリエステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステルなどが挙げられる。
カーボネート系可塑剤としては、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネートなどが挙げられる。
また、可塑剤としては、その他に、部分水添ターフェニル、接着性可塑剤、さらには、ジアリルフタレート、アクリル系モノマーやオリゴマーなどの重合性可塑剤などが挙げられる。これら可塑剤は、単独または2種以上併用することができる。
(リン酸化合物)
リン酸化合物としては、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、イソドデシルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられる。
(接着剤の形態)
本発明の2液硬化型接着剤は、溶剤型または無溶剤型のいずれの形態であってもよい。なお本明細書において「溶剤型」の接着剤とは、接着剤を基材に塗工した後に、オーブン等で加熱して塗膜中の有機溶剤を揮発させた後に他の基材と貼り合せる方法、いわゆるドライラミネート法に用いられる形態をいう。ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)のいずれか一方、もしくは両方が本発明で使用するポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)の構成成分を溶解(希釈)することが可能な有機溶剤を含む。
有機溶剤としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等が挙げられる。ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)の構成成分の製造時に反応媒体として使用された有機溶剤が、更に塗装時に希釈剤として使用される場合もある。
本明細書において「無溶剤型」の接着剤とは、ポリイソシアネート組成物(X)及びポリオール組成物(Y)が酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等の溶解性の高い有機溶剤、特に酢酸エチル又はメチルエチルケトンを実質的に含まず、接着剤を基材に塗工した後に、オーブン等で加熱して溶剤を揮発させる工程を経ずに他の基材と貼り合せる方法、いわゆるノンソルベントラミネート法に用いられる接着剤の形態を指す。ポリイソシアネート組成物(X)またはポリオール組成物(Y)の構成成分や、その原料の製造時に反応媒体として使用された有機溶剤が除去しきれずに、ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)中に微量の有機溶剤が残留してしまっている場合は、有機溶剤を実質的に含まないと解される。また、ポリオール組成物(Y)が低分子量アルコールを含む場合、低分子量アルコールはポリイソシアネート組成物(X)と反応して塗膜の一部となるため、塗工後に揮発させる必要はない。従ってこのような形態も無溶剤型接着剤として扱い、低分子量アルコールは有機溶剤とはみなされない。
本発明の2液硬化型接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)に含まれるイソシアネート基のモル数[NCO]とポリオール組成物(Y)に含まれる水酸基のモル数[OH]との比[NCO]/[OH]が1.0~3.0となるよう配合して用いることが好ましい。これにより、塗工時の環境湿度に依存することなく適切な硬化性を得ることができる。
<積層体>
本発明の積層体は例えば、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを事前に混ぜ合わせた後、第一の基材に塗布し、次いで塗布面に第二の基材を積層し、接着剤層を硬化させて得る2液混合工程を有する方法や、ポリイソシアネート組成物(X)と、ポリオール組成物(Y)とを第一の基材及び第二の基材に別々に塗布後、それぞれの塗布面を接触させ圧着させることにより第一の基材と第二の基材とを積層させ、接着剤層を硬化させて得る2液分別塗工工程を有する方法により得られる。用いるフィルムに特に制限はなく、用途に応じたフィルムを適宜選択することができる。
例えば、食品包装用としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム、MDOPE:一軸延伸ポリエチレンフィルム、OPE:二軸延伸ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)、エチレンビニルアルコール共重合体や、ポリビニルアルコールなどのガスバリア性を有する樹脂の片面または両面にオレフィン系のヒートシール性の樹脂層を設けたガスバリア性ヒートシールフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。
また、バイオマス由来成分、生分解成分、あるいは再生成分を含有する材料で形成された、バイオマスフィルムや生分解性フィルムや再生プラスチックフィルムを用いることも好ましい。
バイオマスフィルムや生分解性フィルムや再生プラスチックフィルムは、各社から販売されているほか、例えば、一般財団法人日本有機資源協会に記載のバイオマス認定商品一覧に挙げられるようなフィルムシートや、公益財団法人日本環境協会に記載のエコマーク認定商品一覧に挙げられるようなフィルムや、日本バイオプラスチック協会が定めるシンボルマークを有するフィルム等、各国で認証されたフィルムを使用することができる。
(バイオマスフィルム)
具体的によく知られているバイオマスフィルムとしては、バイオマス由来のエチレングリコールを原料とするものが挙げられる。バイオマス由来のエチレングリコールは、バイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。例えば、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等により、バイオマス由来のエチレングリコールを得ることができる。また、市販のバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から市販されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。
例えば、従来の石油系原料を使用したポリエチレンテレフタレートフィルムの代替として、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステル、バイオマスポリエチレンテレフタレート等を含有するフィルムが知られている。
バイオマスポリエステルのジカルボン酸単位は、化石燃料由来のジカルボン酸を使用する。ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体を制限なく使用することができる。
また、上記のジオール成分とジカルボン酸成分に加えて、2官能のオキシカルボン酸や、架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸及び/又はその無水物並びに3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物等の第3成分として共重合成分を加えた共重合ポリエステルであっても良い。
また、例えば、従来の石油系原料を使用したポリオレフィン系フィルムの代替として、バイオマス由来のエチレングリコールを原料とするポリエチレン系樹脂を含有するバイオマスポリエチレン系フィルム、バイオマスポリエチレン-ポリプロピレン系フィルム等のバイオマスポリオレフィン系フィルムも知られている。
ポリエチレン系樹脂は、原料の一部に前記バイオマス由来のエチレングリコールを使用する以外は特に限定されず、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とするエチレンとα-オレフィンとの共重合体(エチレン単位を90質量%以上含有するエチレン-α-オレフィン共重合体)などが挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、エチレンとα-オレフィンとの共重合体を構成するα-オレフィンは特に限定されず、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン及び1-オクテンなどの炭素原子数4乃至8のα-オレフィンが挙げられる。低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などの公知のポリエチレン樹脂を用いることができる。中でも、フィルム同士が擦れても、穴開きや破けなどの損傷を一段と生じにくくする観点から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(エチレンと1-ヘキセンとの共重合体、又はエチレンと1-オクテンとの共重合体)が好ましく、密度が0.910乃至0.925g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン樹脂がより好ましい。
バイオマスフィルムとしては、ISO16620またはASTMD6866で規定されたバイオマスプラスチック度で区別されたバイオマス原料を使用したものも流通している。大気中では1012個に1個の割合で放射性炭素14Cが存在し、この割合は大気中の二酸化炭素でも変わらないので、この二酸化炭素を光合成で固定化した植物の中でも、この割合は変わらない。このため、植物由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cが含まれる。これに対し、化石燃料由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cがほとんど含まれない。そこで、加速器質量分析器で樹脂中の放射性炭素14Cの濃度を測定することにより、樹脂中の植物由来樹脂の含有割合、すなわちバイオマスプラスチック度を求めることができる。
ISO16620またはASTM D6866で規定されたバイオマスプラスチック度が80%以上、好ましくは90%以上であるバイオマスプラスチックである植物由来の低密度ポリエチレンとしては、例えば、Braskem社製の商品名「SBC818」「SPB608」「SBF0323HC」「STN7006」「SEB853」「SPB681」等が挙げられ、これらを原料として使用したフィルムを好適に使用することができる。
また、バイオマス原料であるデンプンや、ポリ乳酸を配合したフィルムやシートも知られている。これらは用途に応じて適宜選択し使用することができる。
バイオマスフィルムは、複数のバイオマスフィルムを積層させた積層体であってもよいし、従来の石油系フィルムとバイオマスフィルムとの積層体であってもよい。またこれらのバイオマスフィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。
(生分解性フィルム)
具体的によく知られている生分解性フィルムは、一般的に入手することができる生分解性樹脂を原料とするものが挙げられる。例えば、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、セルロースエステル、乳酸系ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂、または脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの生分解性樹脂は一種単独で用いても二種以上を組み合わせて用いても構わない。中でも、脂肪族ポリエステル系樹脂、または脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく使用される。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸との重縮合反応で得られる脂肪族ポリエステルが挙げられる。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、これらの混合物を用いてもよい。中でも1,4-ブタンジオールを用いることが好ましい。脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸が挙げられ、これらの誘導体である酸無水物を用いてもよい。中でも、コハク酸または無水コハク酸、あるいはこれらとアジピン酸との混合物であることが好ましい。
具体的には、1,4ブタンジオールとコハク酸から得られるポリブチレンサクシネート(PBS)(例えば、PPT MCCバイオケム製BioPBS)、PBSにアジピン酸を共重合したポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)等が挙げられる。
脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ジカルボン酸単位と、芳香族ジカルボン酸単位と、鎖状脂肪族及び/または脂環式ジオール単位とを含む共重合体が挙げられる。ジオール単位を与えるジオール成分は、炭素数が通常2~10のものであり、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。中でも、炭素数2~4のジオールが好ましく、エチレングリコール、1,4-ブタンジオールが好ましく、1,4-ブタンジオールが更に好ましい。ジカルボン酸単位を与えるジカルボン酸成分は、炭素数が通常2~10のものであり、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。中でも、コハク酸またはアジピン酸が好ましい。芳香族ジカルボン酸単位を与える芳香族ジカルボン酸成分として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。中でも、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、テレフタル酸が更に好ましい。
具体的には、1,4-ブタンジオールとアジピン酸とテレフタル酸との共重合体であるPBAT(例えば、ビー・エー・エス・エフ社製エコフレックス)等が挙げられる。
その他としては、例えば、ヒドロキシアルカン酸と多価カルボン酸とから得られる脂肪族ポリエステル共重合体のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)(中でも、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)(例えば、カネカ社製アオニレックス)、ポリ乳酸(PLA)(例えば、海正生物材料社製REVODE、ネイチャーワークス社製Ingeo)が挙げられる。
生分解性フィルムは、複数の生分解性フィルムを積層させた積層体であってもよいし、従来の石油系フィルムと生分解性フィルムとの積層体であってもよい。またこれらの生分解性フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。
フィルムは延伸処理を施されたものであってもよい。延伸処理方法としては、押出製膜法等で樹脂を溶融押出してシート状にした後、同時二軸延伸あるいは逐次二軸延伸を行うことが一版的である。また逐次二軸延伸の場合は、はじめに縦延伸処理を行い、次に横延伸を行うことが一般的である。具体的には、ロール間の速度差を利用した縦延伸とテンターを用いた横延伸を組み合わせる方法が多く用いられる。
フィルム表面には、膜切れやはじき等の欠陥のない接着層が形成されるように、必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理等の各種表面処理を施してもよい。
あるいは、アルミニウム等の金属、シリカやアルミナ等の金属酸化物の蒸着層を積層したフィルム、ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のガスバリア層を含有するバリア性フィルムを併用してもよい。このようなフィルムを用いることで、水蒸気、酸素、アルコール、不活性ガス、揮発性有機物(香り)等に対するバリア性を備えた積層体とすることができる。
紙としては、特に限定なく公知の紙基材を使用することができる。具体的には、木材パルプ等の製紙用天然繊維を用いて公知の抄紙機にて製造されるが、その抄紙条件は特に規定されるものではない。製紙用天然繊維としては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の木材パルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、亜麻パルプ等の非木材パルプ、およびそれらのパルプに化学変性を施したパルプ等が挙げられる。パルプの種類としては、硫酸塩蒸解法、酸性・中性・アルカリ性亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等を使用することができる。また、市販の各種上質紙やコート紙、裏打ち紙、含浸紙、ボール紙や板紙などを用いることもできる。
より具体的な積層体の構成としては、
(1)基材1/接着層1/シーラントフィルム
(2)基材1/接着層1/金属蒸着未延伸フィルム
(3)基材1/接着層1/金属蒸着延伸フィルム
(4)透明蒸着延伸フィルム/接着層1/シーラントフィルム
(5)基材1/接着層1/基材2/接着層2/シーラントフィルム
(6)基材1/接着層1/金属蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(7)基材1/接着層1/透明蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(8)基材1/接着層1/金属層/接着層2/シーラントフィルム
(9)基材1/接着層1/基材2/接着層2/金属層/接着層3/シーラントフィルム
(10)基材1/接着層1/金属層/接着層2/基材2/接着層3/シーラントフィルム
等が挙げられるがこれに限定されない。
構成(1)に用いられる基材1としては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム、紙等が挙げられる。また、基材1としてガスバリア性や、後述する印刷層を設ける際のインキ受容性の向上等を目的としたコーティングが施されたものを用いてもよい。コーティングが施された基材フィルム1の市販品としては、K-OPPフィルムやK-PETフィルム等が挙げられる。接着層1は、本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムとしては、CPPフィルム、LLDPEフィルム、ガスバリア性ヒートシールフィルム等が挙げられる。基材1の接着層1側の面(基材フィルム1としてコーティングが施されたものを用いる場合には、コーティング層の接着層1側の面)または接着層1とは反対側の面に、印刷層を設けてもよい。印刷層は、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセットインキ、孔版インキ、インクジェットインク等各種印刷インキにより、従来ポリマーフィルムや紙への印刷に用いられてきた一般的な印刷方法で形成される。
構成(2)、(3)に用いられる基材1としては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルムやPETフィルム、紙等が挙げられる。接着層1は、本発明の接着剤の硬化塗膜である。金属蒸着未延伸フィルムとしては、CPPフィルムやLLDPEフィルム、ガスバリア性ヒートシールフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-CPPフィルム、VM-LLDPEフィルム等を、金属蒸着延伸フィルムとしては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-MDOPEフィルム、VM-OPEフィルム、VM-OPPフィルムを用いることができる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(4)に用いられる透明蒸着延伸フィルムとしては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム等にシリカやアルミナ蒸着を施したフィルムが挙げられる。シリカやアルミナの無機蒸着層の保護等を目的として、蒸着層上にコーティングが施されたフィルムを用いてもよい。接着層1は、本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。透明蒸着延伸フィルムの接着層1側の面(無機蒸着層上にコーティングが施されたものを用いる場合には、コーティング層の接着層1側の面)に印刷層を設けてもよい。印刷層の形成方法は構成(1)と同様である。
構成(5)に用いられる基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。基材2としては、ナイロンフィルム等が挙げられる。接着層1、接着層2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(6)の基材1としては、構成(2)、(3)と同様のものが挙げられる。金属蒸着延伸フィルムとしては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルムやPETフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-MDOPEフィルム、VM-OPEフィルム、VM-OPPフィルムやVM-PETフィルムが挙げられる。接着層1、接着層2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(7)の基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。透明蒸着延伸フィルムとしては、構成(4)と同様のものが挙げられる。接着層1、2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(8)の基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。金属層としては、アルミニウム箔等が挙げられる。接着層1、2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(9)、(10)の基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。基材2としては、ナイロンフィルム等が挙げられる。金属層としては、アルミニウム箔等が挙げられる。接着層1、2、3の少なくとも一層は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
本発明の積層体が、金属蒸着フィルム、透明蒸着フィルム、金属層の少なくとも一つを含む場合、金属蒸着層、透明蒸着層、金属層に接する接着層は、本発明の接着剤の硬化塗膜であることが好ましい。
本発明の接着剤を接着補助剤として用いる場合、基材となるフィルム材料に本発明の接着補助剤をグラビアロール等のロールを用いて塗布し、オーブン等での加熱により有機溶剤を揮発させた後、押出し機により溶融させたポリマー材料をラミネートすることにより本発明の積層体を得る。
本発明の積層体は、上述した構成(1)~(10)に加えて、更に他のフィルムや基材を含んでいてもよい。他の基材としては、上述した延伸フィルム、未延伸フィルム、透明蒸着フィルムに加え、後述の紙、木材、皮革等の多孔質の基材を使用することもできる。他の基材を貼り合せる際に用いる接着剤は、本発明の接着剤であってもよいし、そうでなくてもよい。
「他の層」は、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、易接着コート剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。また「他の層」は、その他の材料と積層する場合の密着性を向上させるために、前処理としてフィルムの表面をコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理などしたものであってもよい。
本発明の積層体は、様々な用途、例えば食品や医薬品、生活用品の包装材料や、蓋材、紙ストローや紙ナプキン、紙スプーン、紙皿、紙コップ等の紙製食器、防壁材、屋根材、太陽電池パネル材、電池用包装材、窓材、屋外フローリング材、照明保護材、自動車部材、看板、ステッカー等の屋外産業用途、射出成形同時加飾方法等に使用する加飾用シート、洗濯用液体洗剤、台所用液体洗剤、浴用液体洗剤、浴用液体石鹸、液体シャンプー、液体コンディショナー等包装材料等として、好適に使用することができる。
<包装材>
本発明の積層体は、食品や医薬品などの保護を目的とする多層包装材料として使用することができる。多層包装材料として使用する場合には、内容物や使用環境、使用形態に応じてその層構成は変化し得る。また、本発明の包装体に易開封処理や再封性手段を適宜設けてあってもよい。
本発明の包装材の具体的態様の一例として、例えば前記積層体の構成にある、
(1)基材1/接着層1/シーラントフィルム
(4)透明蒸着延伸フィルム/接着層1/シーラントフィルム
(5)基材1/接着層1/基材2/接着層2/シーラントフィルム
(6)基材1/接着層1/金属蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(7)基材1/接着層1/透明蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(8)基材1/接着層1/金属層/接着層2/シーラントフィルム
(9)基材1/接着層1/基材2/接着層2/金属層/接着層3/シーラントフィルム
(10)基材1/接着層1/金属層/接着層2/基材2/接着層3/シーラントフィルム
のような、シーラントフィルムを有する積層体の場合では、当該積層体のシーラントフィルムの面を対向して重ね合わせた後、その周辺端部をヒートシールして袋状にして得られる。製袋方法としては、本発明の積層体を折り曲げるか、あるいは重ねあわせてその内層の面(シーラントフィルムの面)を対向させ、その周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他のヒートシール型等の形態によりヒートシールする方法が挙げられる。本発明の包装材は内容物や使用環境、使用形態に応じて種々の形態をとり得る。自立性包装材(スタンディングパウチ)等も可能である。ヒートシールの方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
本発明の包装材に、その開口部から内容物を充填した後、開口部をヒートシールして本発明の包装材を使用した製品が製造される。充填される内容物として、例えば食品としては、米菓、豆菓子、ナッツ類、ビスケット・クッキー、ウェハース菓子、マシュマロ、パイ、半生ケーキ、キャンディ、スナック菓子などの菓子類、パン、スナックめん、即席めん、乾めん、パスタ、無菌包装米飯、ぞうすい、おかゆ、包装もち、シリアルフーズなどのステープル類、漬物、煮豆、納豆、味噌、凍豆腐、豆腐、なめ茸、こんにゃく、山菜加工品、ジャム類、ピーナッツクリーム、サラダ類、冷凍野菜、ポテト加工品などの農産加工品、ハム類、ベーコン、ソーセージ類、チキン加工品、コンビーフ類などの畜産加工品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、かまぼこ、のり、佃煮、かつおぶし、塩辛、スモークサーモン、辛子明太子などの水産加工品、桃、みかん、パイナップル、りんご、洋ナシ、さくらんぼなどの果肉類、コーン、アスパラガス、マッシュルーム、玉ねぎ、人参、大根、じゃがいもなどの野菜類、ハンバーグ、ミートボール、水産フライ、ギョーザ、コロッケなどを代表とする冷凍惣菜、チルド惣菜などの調理済食品、バター、マーガリン、チーズ、クリーム、インスタントクリーミーパウダー、育児用調整粉乳などの乳製品、液体調味料、レトルトカレー、ペットフードなどの食品類が挙げられる。
また非食品としては、タバコ、使い捨てカイロ、輸液パック等の医薬品、洗濯用液体洗剤、台所用液体洗剤、浴用液体洗剤、浴用液体石鹸、液体シャンプー、液体コンディショナー、化粧水や乳液等の化粧品、真空断熱材、電池等、様々な包装材料としても使用され得る。
以下、本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表す。
<ポリイソシアネート組成物(X)の調製>
(ポリイソシアネート組成物(X-1))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート(TDI)500.0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら60℃まで加熱した。その後、2官能ポリプロピレングリコール(AGC製 エクセノール420)657.6部を発熱に気を付けながら仕込み、その後80℃まで加熱し80℃にて2時間反応させた。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.02Torrの圧力および160℃の温度にて、TDIとポリプロピレングリコールとの反応生成物であるウレタンプレポリマー中のTDIが固形分中0.05質量%となるまで精製することでポリイソシアネート組成物(X-1)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-1)のNCO%は8.9%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-2))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)1000.0部を加え、攪拌しながら60℃に加温した。そこに、0.5部の4級アンモニウム塩を滴下し、所定の屈折率になったら失活剤を適宜加え反応を終了した。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.02Torrの圧力および160℃の温度にて、HDIの反応生成物であるヌレート体中のHDIが固形分中0.05質量%となるまで精製することで、ポリイソシアネート組成物(X-2)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-2)のNCO%は21.8%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-3))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000.0部を加え、攪拌しながら60℃に加温した。そこに、0.5部の4級アンモニウム塩を滴下し、所定の屈折率になったら失活剤を適宜加え反応を終了した。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.02Torrの圧力および160℃の温度にて、IPDIの反応生成物であるヌレート体中のIPDIが固形分中0.05質量%となるまで精製することで、ポリイソシアネート組成物(PX-1)を得た。ポリイソシアネート組成物(PX-1)のNCO%は17.3%であった。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、前記ポリイソシアネート組成物(X-2)40.0質量部、前記ポリイソシアネート組成物(PX-1)10.0質量部を加え、攪拌しながら130℃まで加温した。液が透明になるまで130℃で攪拌を継続し、透明になったところで降温することで、ポリイソシアネート組成物(X-3)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-3)のNCO%は20.9%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-4))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート(TDI)1045.2部、トリメチロールプロパン(TMP)134.0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃まで加熱し、90℃にて2時間反応させた。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.02Torrの圧力および160℃の温度にて、TDIとTMPとの反応生成物であるウレタンプレポリマー中のTDIが固形分中0.05質量%となるまで精製した。これを酢酸エチルを用いてNV%が75%になるよう希釈することでポリイソシアネート組成物(X-4)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-4)の固形換算のNCO%は17.0%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-1M))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート(TDI)500.0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら60℃まで加熱した。その後、2官能ポリプロピレングリコール(AGC製 エクセノール420)657.6部を発熱に気を付けながら仕込み、その後80℃まで加熱し80℃にて2時間反応させた。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.02Torrの圧力および160℃の温度にて、TDIとポリプロピレングリコールとの反応生成物であるウレタンプレポリマー中のTDIが固形分中0.03質量%となるまで精製した。そこに、TDIを固形分に対して0.02質量%添加し、TDIを固形分中0.05質量%含有させることでポリイソシアネート組成物(X-1M)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-1M)のNCO%は8.9%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-2M))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)1000.0部を加え、攪拌しながら60℃に加温した。そこに、0.5部の4級アンモニウム塩を滴下し、所定の屈折率になったら失活剤を適宜加え反応を終了した。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.02Torrの圧力および160℃の温度にて、HDIの反応物であるヌレート体中のHDIが固形分中0.03質量%となるまで精製した。そこに、HDIを固形分に対して0.02質量%添加し、HDIを固形分中0.05%含有させることで、ポリイソシアネート組成物(X-2M)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-2M)のNCO%は21.8%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-3M))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000.0部を加え、攪拌しながら60℃に加温した。そこに、0.5部の4級アンモニウム塩を滴下し、所定の屈折率になったら失活剤を適宜加え反応を終了した。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.02Torrの圧力および160℃の温度にて、IPDIの反応物であるヌレート体中のIPDIが固形分中0.03質量%となるまで精製した。そこに、IPDIを固形分に対して0.02質量%添加し、IPDIを固形分中0.05%含有させることで、ポリイソシアネート組成物(PX-2M)を得た。ポリイソシアネート組成物(PX-2M)のNCO%は17.3%であった。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ポリイソシアネート組成物(X-2M)40.0質量部、ポリイソシアネート組成物(PX-2M)10.0質量部を加え、攪拌しながら130℃まで加温した。液が透明になるまで130℃で攪拌を継続し、透明になったところで降温することで、ポリイソシアネート組成物(X-3M)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-3M)のNCO%は20.9%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-4M))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート(TDI)1045.2部、トリメチロールプロパン(TMP)134.0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃まで加熱し、90℃にて2時間反応させた。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.02Torrの圧力および160℃の温度にて、TDIとTMPとの反応生成物であるウレタンプレポリマー中のTDIが固形分中0.03質量%となるまで精製した。そこに、TDIを固形分に対して0.02質量%添加し、TDIを固形分中0.05質量%含有させた。これを酢酸エチルを用いてNV%が75%になるよう希釈することでポリイソシアネート組成物(X-4M)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-4M)の固形換算のNCO%は17.0%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-1U))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート(TDI)900.0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら60℃まで加熱した。その後、純水25.8部を発熱に気を付けながら仕込み、その後80℃まで加熱し80℃にて2時間反応させた。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.01Torrの圧力および160℃の温度にて、TDIと水との反応生成物であるウレア誘導体中のTDIが固形分中0.002質量%となるまで精製することでウレア誘導体(U-1)を得た。ウレア誘導体(U-1)は、上記一般式(1)で表される化合物であり、Rがトリレンジイソシアネートの残基である。ウレア誘導体組成物(U-1)のNCO%は22.9%であった。
ポリイソシアネート組成物(X-1)99.5部に、ウレア誘導体(U-1)0.5部を加えてポリイソシアネート組成物(X-1U)を得た。
(ポリイソシアネート組成物(X-2U))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)900.0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら60℃まで加熱した。その後、純水25.8部を発熱に気を付けながら仕込み、その後80℃まで加熱し80℃にて2時間反応させた。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.01Torrの圧力および160℃の温度にて、HDIと水との反応生成物であるウレア誘導体中のHDIが固形分中0.001質量%となるまで精製することでウレア誘導体(U-2)を得た。ウレア誘導体(U-2)は、上記一般式(1)で表される化合物であり、Rがヘキサメチレンジイソシアネートの残基である。ウレア誘導体(U-2)のNCO%は23.7%であった。
ポリイソシアネート組成物(X-2M)99.95部に、ウレア誘導体(U-2)0.05部を加えてポリイソシアネート組成物(X-2U)を得た。
(ポリイソシアネート組成物(X-3U))
ポリイソシアネート組成物(X-3)99.99部に、ウレア誘導体(U-2)0.01部を加えてポリイソシアネート組成物(X-3U)を得た。
(ポリイソシアネート組成物(X-4U))
ポリイソシアネート組成物(X-4)95.0部に、ウレア誘導体(U-1)5.0部を加えてポリイソシアネート組成物(X-4U)を得た。
(ポリイソシアネート組成物(X-1X))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート(TDI)500.0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら60℃まで加熱した。その後、2官能ポリプロピレングリコール(AGC製 エクセノール420)657.6部を発熱に気を付けながら仕込み、その後80℃まで加熱し80℃にて2時間反応させた。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.009Torrの圧力および160℃の温度にて、TDIとポリプロピレングリコールとの反応生成物であるウレタンプレポリマー中のTDIが検出されなくなるまで(0.001質量%未満)精製することでポリイソシアネート組成物(X-1X)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-1X)のNCO%は8.9%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-2X))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)1000.0部を加え、攪拌しながら60℃に加温した。そこに、0.5部の4級アンモニウム塩を滴下し、所定の屈折率になったら失活剤を適宜加え反応を終了した。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.009Torrの圧力および160℃の温度にて、HDIの反応生成物であるヌレート体中のHDIが検出されなくなるまで(0.001質量%未満)精製することで、ポリイソシアネート組成物(X-2X)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-2X)のNCO%は21.8%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-3X))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000.0部を加え、攪拌しながら60℃に加温した。そこに、0.5部の4級アンモニウム塩を滴下し、所定の屈折率になったら失活剤を適宜加え反応を終了した。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.009Torrの圧力および160℃の温度にて、IPDIの反応生成物であるヌレート体中のIPDIが検出されなくなるまで(0.001質量%未満)精製することで、ポリイソシアネート組成物(PX-1X)を得た。ポリイソシアネート組成物(PX-1X)のNCO%は17.3%であった。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ポリイソシアネート組成物(X-2X)40.0質量部、ポリイソシアネート組成物(PX-1X)10.0質量部を加え、攪拌しながら130℃まで加温した。液が透明になるまで130℃で攪拌を継続し、透明になったところで降温することで、ポリイソシアネート組成物(X-3X)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-3X)のNCO%は20.9%であった。
(ポリイソシアネート組成物(X-4X))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーを備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート(TDI)1045.2部、トリメチロールプロパン(TMP)134.0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃まで加熱し、90℃にて2時間反応させた。次に、薄膜蒸留装置を使用し、約0.007Torrの圧力および160℃の温度にて、TDIとTMPとの反応生成物であるウレタンプレポリマー中のTDIが検出されなくなるまで(0.001質量%未満)精製した。これを酢酸エチルを用いてNV%が75%になるよう希釈することでポリイソシアネート組成物(X-4X)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-4X)の固形換算のNCO%は17.0%であった。
<ポリオール組成物(Y)の調整>
(ポリオール組成物(Y-1))
市販のひまし油(伊藤製油製株式会社製)90質量部、3官能ポリプロピレングリコール(AGC製 エクセノール430)10質量部とを混合することで、ポリオール組成物(Y-1)を得た。ポリオール組成物(Y-1)の水酸基価は184.0mgKOH/gであった。
(ポリオール組成物(Y-2))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えた反応容器に、窒素ガス導入下でエチレングリコール7.2部、ジエチレングリコール15.8部、ネオペンチルグリコール22.5部、アジピン酸21.9部、セバシン酸4.6部、イソフタル酸28.0部を仕込んだ。常圧窒素気流下にて徐々に昇温し脱水反応を行いながら250℃まで昇温し、250℃にて2時間反応させた。内容物が透明、かつ、精留塔の塔頂温度が80℃以下になったことを確認したら240℃に降温し、精留塔からコンデンサーに切替え、真空ポンプにラインをつなぎ30~60Torrの減圧下で所定の酸価と粘度に到達するまで反応を継続し、反応生成物(Y-2)を得た。反応生成物(Y-2)の酸価は0.7mgKOH/g、水酸基価は159.0mgKOH/gであった。
(ポリオール組成物(Y-3))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えた反応容器に、窒素ガス導入下でエチレングリコール7.2部、ネオペンチルグリコール3.6部、ジエチレングリコール26.6部を仕込み、攪拌しながら加温し溶解させた。その後120~130℃でアジピン酸20.0部、イソフタル酸29.8部、テレフタル酸12.3部を仕込んだ。常圧窒素気流下にて徐々に昇温し脱水反応を行いながら260℃まで昇温した。内容物が透明、かつ、精留塔の塔頂温度が80℃以下になったことを確認したら240℃に降温し、精留塔からコンデンサーに切替え、真空ポンプにラインをつなぎ30~60Torrの減圧下で所定の酸価と粘度に到達するまで反応を継続した。その後、酢酸エチルを用いてNV%が70%になるように希釈することで、ポリオール組成物(Y-3)を得た。ポリオール組成物(Y-3)の固形換算の酸価は1.0mgKOH/g、固形換算の水酸基価は15.0mgKOH/gであった。
<積層体の製造方法>
(実施例1)分別塗工法
ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製 ON、15μm)にポリイソシアネート組成物(X-1)を、ポリエチレンフィルム(LLDPE、三井化学東セロ株式会社製 TUX-HC、60μm)にポリオール組成物(Y-1)を塗布し、ナイロンとLLDPEとをニップロール(50℃)で圧着してナイロン/接着層/LLDPEの積層体1を得た。ポリイソシアネート組成物(X-1)、ポリオール組成物(Y-1)の塗布量はそれぞれ、1.5g/m、0.5g/mであった。
(実施例2)分別塗工法
ポリイソシアネート組成物を(X-1M)に変更した以外は実施例1と同様にして積層体2を得た。ポリイソシアネート組成物(X-1M)、ポリオール組成物(Y-1)の塗布量はそれぞれ、1.5g/m、0.5g/mであった。
(実施例3)分別塗工法
ポリイソシアネート組成物を(X-2)に変更した以外は実施例1と同様にして積層体3を得た。ポリイソシアネート組成物(X-2)、ポリオール組成物(Y-1)の塗布量はそれぞれ、1.0g/m、1.0g/mであった。
(実施例4)分別塗工法
ポリイソシアネート組成物を(X-2M)に変更した以外は実施例1と同様にして積層体4を得た。ポリイソシアネート組成物(X-2M)、ポリオール組成物(Y-1)の塗布量はそれぞれ、1.0g/m、1.0g/mであった。
(実施例5)ノンソルベントラミネート法(ノンソルラミ)
ポリイソシアネート組成物(X-3)とポリオール組成物(Y-2)を攪拌混合後、ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製 ON、15μm)に2.0g/mになるように塗布し、ポリエチレンフィルム(LLDPE、三井化学東セロ株式会社製 TUX-HC、60μm)とニップロール(50℃)で圧着してナイロン/接着層/LLDPEの積層体5を得た。ポリイソシアネート組成物(X-3)とポリオール組成物(Y-2)の混合比率は1:1であった。
(実施例6)ノンソルベントラミネート法(ノンソルラミ)
ポリイソシアネート組成物を(X-3M)に変更した以外は実施例5と同様にして積層体6を得た。ポリイソシアネート組成物(X-3M)とポリオール組成物(Y-2)の混合比率は1:1であった。
(実施例7)ドライラミネート法(ドライラミ)
ポリイソシアネート組成物(X-4)とポリオール組成物(Y-3)と酢酸エチルを固形分が30%になるように混合攪拌後、ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製 ON、15μm)に塗布し、酢酸エチルを乾燥させた。酢酸エチル乾燥後の塗布量は2.5g/mであった。その後ナイロンとポリエチレンフィルム(LLDPE、三井化学東セロ株式会社製 TUX-HC、60μm)とをニップロール(50℃)で圧着してナイロン/接着層/LLDPEの積層体7を得た。ポリイソシアネート組成物(X-4)とポリオール組成物(Y-3)の混合比率は6:1であった。
(実施例8)ドライラミネート法(ドライラミ)
ポリイソシアネート組成物を(X-4M)に変更した以外は実施例7と同様にして積層体8を得た。ポリイソシアネート組成物(X-4M)とポリオール組成物(Y-3)の混合比率は6:1であった。
(実施例9)分別塗工法
ポリイソシアネート組成物を(X-1U)に変更した以外は実施例1と同様にして積層体9を得た。ポリイソシアネート組成物(X-1U)、ポリオール組成物(Y-1)の塗布量はそれぞれ、1.5g/m、0.5g/mであった。
(実施例10)分別塗工法
ポリイソシアネート組成物を(X-2U)に変更した以外は実施例1と同様にして積層体10を得た。ポリイソシアネート組成物(X-2U)、ポリオール組成物(Y-1)の塗布量はそれぞれ、1.5g/m、0.5g/mであった。
(実施例11)ノンソルベントラミネート法(ノンソルラミ)
ポリイソシアネート組成物を(X-3U)に変更した以外は実施例5と同様にして積層体11を得た。ポリイソシアネート組成物(X-3U)とポリオール組成物(Y-2)の混合比率は1:1であった。
(実施例12)ドライラミネート法(ドライラミ)
ポリイソシアネート組成物を(X-4U)に変更した以外は実施例7と同様にして積層体8を得た。ポリイソシアネート組成物(X-4M)とポリオール組成物(Y-3)の混合比率は6:1であった。
(比較例1)分別塗工法
ポリイソシアネート組成物を(X-1X)に変更した以外は実施例1と同様にして積層体13を得た。ポリイソシアネート組成物(X-1X)、ポリオール組成物(Y-1)の塗布量はそれぞれ、1.5g/m、0.5g/mであった。
(比較例2)分別塗工法
ポリイソシアネート組成物を(X-2X)に変更した以外は実施例1と同様にして積層体14を得た。ポリイソシアネート組成物(X-2X)、ポリオール組成物(Y-1)の塗布量はそれぞれ、1.5g/m、0.5g/mであった。
(比較例3)ノンソルベントラミネート法(ノンソルラミ)
ポリイソシアネート組成物を(X-3X)に変更した以外は実施例5と同様にして積層体15を得た。ポリイソシアネート組成物(X-3X)とポリオール組成物(Y-2)の混合比率は1:1であった。
(比較例4)ドライラミネート法(ドライラミ)
ポリイソシアネート組成物を(X-4X)に変更した以外は実施例7と同様にして積層体16を得た。ポリイソシアネート組成物(X-4X)とポリオール組成物(Y-3)の混合比率は6:1であった。
<ヒートシール強度評価用サンプルの作成方法>
積層体1を40℃で72時間エージングし、積層体1のLLDPEフィルム同士を対向させ、1辺をヒートシール(180℃、0.1MPa、1秒)により熱融着させて評価用サンプル1を作成した。また積層体2~16についても同様の方法でヒートシール強度評価用サンプル2~16を作成した。
<評価>
(貯蔵安定性)
15ml入り目のガラス瓶を実施例、比較例のポリイソシアネート組成物(X)で満たし、常温で6カ月保管した。保管前後のイソシアネート組成物(X)の粘度をそれぞれ測定し、以下の4段階で評価し、結果を表1、2にまとめた。
◎:粘度の変化率が5%未満
○:粘度の変化率が5%以上10%未満
△:粘度の変化率が10%以上15%未満
×:粘度の変化率が15%以上20%未満
(透明性)
実施例、比較例のポリイソシアネート組成物(X)を気泡が入らないように透明なガラス瓶に採取し、密閉した後一週間静置した。保管後の外観を観察し、保管前の外観と比較した際の濁りの変化の程度により以下の3段階で評価し、結果を表1、2にまとめた。
◎:保管後も全く濁りがない。
〇:保管後に僅かに濁りが発生した。
×:保管前から濁りが発生した。
Figure 0007485239000002
Figure 0007485239000003
(ヒートシール強度)
実施例で得た評価用サンプルから試験片を15mm幅で切り取り、引張り試験機を使用して、フィルムを剥離速度300mm/minで、ヒートシール強度(N/15mm)を測定した。評価は次の通りとした。結果を表3~5にまとめた。
◎:60N/15mm以上
○:50N/15mm以上
△:30~49N/15mm
×:30N/15mm未満
Figure 0007485239000004
Figure 0007485239000005
Figure 0007485239000006
表中、略語は次の通りである。
分別塗工:分別塗工法
ノンソルラミ:ノンソルベントラミネート法
ドライラミ:ドライラミネート法

Claims (22)

  1. 数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)と、数平均分子量140~280のイソシアネートモノマー(A2)とを含有し、
    前記化合物(A1)がウレタンプレポリマー(A1-1)、ビウレット構造を有するポリイソシアネート、ウレトジオン結合を有するポリイソシアネート、ヌレート構造を有するポリイソシアネート、およびカルボジイミド結合を有するポリイソシアネートから選ばれる少なくとも一種と、下記式(1)で表される化合物を含み、
    Figure 0007485239000007
    (上記式(1)中、Rは芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、及び脂環族ジイソシアネートからなる群から選ばれるジイソシアネート化合物の1つのイソシアネート基を除く残基であり、前記化合物(A1)が脂肪族ジイソシアネートから合成されるウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートの少なくとも一種を含む場合は、Rはウレア基であり、前記化合物(A1)が脂肪族ジイソシアネートから合成されるウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートを含まない場合は、Rはウレトジオン基またはウレア基を表す。)
    前記イソシアネートモノマー(A2)の配合量が固形分に対し0.001質量%以上0.1%質量以下であることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
  2. 上記式(1)中、前記化合物(A1)がウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートの少なくとも一種を含む場合は、Rはウレア基であり、前記化合物(A1)がウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートを含まない場合は、Rはウレトジオン基またはウレア基を表す、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  3. 前記式(1)で表される化合物の含有量が、前記ポリイソシアネート組成物固形分に対し0.001質量%以上30質量%以下である請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  4. 前記化合物(A1)が前記ウレタンプレポリマー(A1-1)を含み、上記式(1)中、Rはウレトジオン基またはウレア基を表す請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  5. 前記化合物(A1)がウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートの少なくとも一種を含み、上記式(1)中、Rはウレア基を表す請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  6. 前記数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)が前記ウレタンプレポリマー(A1-1)と、前記式(1)で表される化合物とを含み、
    前記ウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香族ジイソシアネートであり、前記式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香族ジイソシアネートである請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  7. 前記数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)が前記ウレタンプレポリマー(A1-1)と、前記式(1)で表される化合物とを含み、
    前記ウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香脂肪族ジイソシアネートであり、前記式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネートおよび芳香脂肪族ジイソシアネートから選ばれる請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  8. 前記数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)が前記ウレタンプレポリマー(A1-1)と、前記式(1)で表される化合物とを含み、
    前記ウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート化合物が脂肪族ジイソシアネートであり、前記式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートから選ばれる請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  9. 前記数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)が前記ウレタンプレポリマー(A1-1)と、前記式(1)で表される化合物とを含み、
    前記ウレタンプレポリマー(A1-1)の合成に用いられるイソシアネート化合物が脂環族ジイソシアネートであり、前記式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートから選ばれる請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  10. 前記数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)がウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートの少なくとも一種と、前記式(1)で表される化合物とを含み、
    前記ウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートの少なくとも一種の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香族ジイソシアネートであり、前記式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香族ジイソシアネートである請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  11. 前記数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)がウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートの少なくとも一種と、前記式(1)で表される化合物とを含み、
    前記ウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートの少なくとも一種の合成に用いられるイソシアネート化合物が芳香脂肪族ジイソシアネートであり、前記式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネートおよび芳香脂肪族ジイソシアネートから選ばれる請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  12. 前記数平均分子量280を超えるイソシアネート基を1つ以上有する化合物(A1)がウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートの少なくとも一種と、前記式(1)で表される化合物とを含み、
    前記ウレトジオン結合を有するポリイソシアネートおよびヌレート構造を有するポリイソシアネートの少なくとも一種の合成に用いられるイソシアネート化合物が脂環族ジイソシアネートであり、前記式(1)で表される化合物の合成に用いられるイソシアネート化合物は芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートから選ばれる請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  13. 前記ウレタンプレポリマー(A1-1)が、イソシアネート組成物(i)とポリオール組成物(ii)との反応生成物である請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  14. 前記ポリオール組成物(ii)がポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールの少なくとも一種を含む請求項13に記載のポリイソシアネート組成物。
  15. 前記ポリオール組成物(ii)がグリコール、3官能または4官能の脂肪族アルコールの少なくとも一種を含む請求項13に記載のポリイソシアネート組成物。
  16. 前記ポリオール組成物(ii)がひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるヒマシ硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体から選ばれる少なくとも一種を含む請求項13に記載のポリイソシアネート組成物。
  17. 前記イソシアネート組成物(i)が芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートから選ばれる少なくとも一種を含む請求項13に記載のポリイソシアネート組成物。
  18. 前記ウレタンプレポリマー(A1-1)の数平均分子量が300以上30000以下である請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  19. ポリイソシアネート組成物(X)と、
    イソシアネート基と反応しうる基を有する化合物を含有する組成物(Y)、とを含み、
    前記ポリイソシアネート組成物(X)が請求項1~18のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物であることを特徴とする2液硬化型接着剤。
  20. 前記イソシアネート基と反応しうる基を有する化合物を含有する組成物(Y)が、ポリオール化合物(B)を含むポリオール組成物(Y)である請求項19に記載の2液硬化型接着剤。
  21. 第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材と前記第二の基材とを貼り合わせる接着層とを有し、前記接着層が請求項20に記載の2液硬化型接着剤の硬化塗膜である積層体。
  22. 請求項21に記載の積層体からなる包装材。
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