JP2023094003A - 接着剤、積層体、包装材 - Google Patents

接着剤、積層体、包装材 Download PDF

Info

Publication number
JP2023094003A
JP2023094003A JP2021209191A JP2021209191A JP2023094003A JP 2023094003 A JP2023094003 A JP 2023094003A JP 2021209191 A JP2021209191 A JP 2021209191A JP 2021209191 A JP2021209191 A JP 2021209191A JP 2023094003 A JP2023094003 A JP 2023094003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
adhesive
film
polyol
polyisocyanate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021209191A
Other languages
English (en)
Inventor
月子 細野
Tsukiko HOSONO
安信 廣田
Yasunobu Hirota
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2021209191A priority Critical patent/JP2023094003A/ja
Publication of JP2023094003A publication Critical patent/JP2023094003A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】 ポットライフが好適な2液硬化型接着剤、当該接着剤を用いて得られる積層体、包装材を提供する。【解決手段】 ポリオール化合物(A)を含むポリオール組成物(X)と、ポリイソシアネート化合物(B)を含むポリイソシアネート組成物(Y)とを含む2液硬化型接着剤であって、リン酸誘導体(C)をさらに含み、リン酸誘導体(C)の配合量がポリオール組成物(X)及び前記ポリイソシアネート組成物(Y)の不揮発分総量100質量部に対し0.0001質量部以上0.005質量部以下である2液硬化型接着剤。【選択図】 なし

Description

本発明は接着剤、当該接着剤を用いて得られる積層体、包装材に関する。
食品、医療品、化粧品、日用品等の包装材料として、アルミニウム箔などの金属箔あるいは金属蒸着フィルムとポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエステル、ナイロンなどのプラスチックフィルムを多層ラミネートして複合化したものが用いられている。これらの積層体は、各々用途での要求特性に応じて、各種あるプラスチックフィルム、金属蒸着フィルムあるいは金属箔を適宜組み合わせ、接着剤で貼り合わせたものである。接着剤としては、一般的にポリオール組成物とポリイソシアネート組成物からなる2液硬化型のものが用いられる(例えば特許文献1)。
特開2014-101422号公報
このような2液硬化型の接着剤は塗工直前にポリオール組成物とポリイソシアネート組成物とを塗工装置の液溜部で混合したものをフィルムに塗布して用いるが、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物の反応性が高すぎると液溜部内の接着剤の粘度が徐々に上昇してしまい、いわゆるポットライフが悪化する。接着剤の粘度が高くなり過ぎると塗工適性が悪化し、積層体の外観不良等を引き起こすおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、ポットライフが好適な2液硬化型接着剤、当該接着剤を用いて得られる積層体、包装材を提供することを目的とする。
本発明は、ポリオール化合物(A)を含むポリオール組成物(X)と、ポリイソシアネート化合物(B)を含むポリイソシアネート組成物(Y)とを含む2液硬化型接着剤であって、リン酸誘導体(C)をさらに含み、リン酸誘導体(C)の配合量がポリオール組成物(X)及び前記ポリイソシアネート組成物(Y)の不揮発分総量100質量部に対し0.0001質量部以上0.005質量部以下である2液硬化型接着剤に関する。
さらに本発明は、第1の基材と、第2の基材と、第1の基材と前記第2の基材とを貼り合わせる接着層とを含み、接着層は上述の2液硬化型接着剤の硬化塗膜である積層体、当該積層体からなる包装材に関する。
本発明によれば、ポットライフが好適な2液硬化型接着剤、当該接着剤を用いて得られる積層体、包装材を提供することができる。
<接着剤>
本発明の接着剤は、ポリオール組成物(X)とポリイソシアネート組成物(Y)からなる2液硬化型の接着剤である。以下、本発明の接着剤について詳細に説明する。
(ポリオール組成物(X))
(ポリオール化合物(A))
本発明の接着剤に用いられるポリオール組成物(X)は、ポリオール化合物(A)を含む。ポリオール化合物(A)としては特に限定されず、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオール;
前記グリコール、3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;
ポリエーテルポリオールを更にイソシアネート化合物で高分子量化したポリエーテルウレタンポリオール;
プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、β-メチル-σ-バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと前記グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール(1);
前記グリコール、ダイマージオール、又は前記ビスフェノール等の2官能型ポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(2):
3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(3);
2官能型ポリオールと、前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(4);
ジメチロールプロピオン酸、ひまし油脂肪酸等のヒドロキシル酸の重合体である、ポリエステルポリオール(5);
ポリエステルポリオール(1)~(5)の少なくとも一種とポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオール;
ポリエステルポリオール(1)~(5)をイソシアネート化合物で高分子量化して得られるポリエステルポリウレタンポリオール;
ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるヒマシ硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等のひまし油系ポリオール等、及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(2)~(4)の合成に用いられる多価カルボン酸としては、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、ナフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の芳香族多塩基酸;
ジメチルテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の芳香族多塩基酸のメチルエステル化物;
マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多塩基酸;
マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ピメリン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の脂肪族多塩基酸のアルキルエステル化物;
1,1-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン-1,2,4-トリカルボン酸-1,2-無水物、無水ハイミック酸、無水ヘット酸等の脂環族多塩基酸;等が挙げられ、1種または2種以上を組合わせて用いることができる。
ポリオール化合物(A)の数平均分子量は特に限定されないが、一例として300以上4000以下であることが好ましい。なお本明細書における数平均分子量は下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSKgel 4000HXL、TSKgel 3000HXL、TSKgel 2000HXL、TSKgel 1000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
ポリオール化合物(A)の水酸基価は、1~300mgKOH/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは3mgKOH/g以上であり、200mgKOH/g以下である。またポリエステルポリオール(A)の酸価は特に限定はないが、10.0mgKOH/g以下であることが好ましい。下限について特に制限はないが、一例として0.5mgKOH/g以上である。0mgKOH/gであってもよい。水酸基価、酸価はJIS-K0070に記載の方法にて測定することができる。
本発明の接着剤が無溶剤型として用いられる場合は、ポリオール組成物(X)の粘度はノンソルベントラミネート法に適した範囲に調整される。一例として、40℃における粘度が100~5000mPas、より好ましくは100~3000mPasの範囲になるよう調整される。ポリオール組成物(X)の粘度は、ポリオール化合物(A)の骨格や、後述する可塑剤等により調整することができる。ポリオール化合物(A)の骨格で調整する場合は、例えば、ポリプロピレングリコールや、脂肪族カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールを用いることにより粘度を低下させることができる。あるいは、芳香族カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールを用いることにより粘度を高くすることができる。
本発明の接着剤が溶剤型として用いられる場合は、ポリオール組成物(X)の粘度は溶剤で希釈することにより塗工に適した粘度に調整される。
(ポリイソシアネート組成物(Y))
ポリイソシアネート組成物(Y)は、複数のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(B)を含む。ポリイソシアネート化合物(B)としては特に限定されず、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらジイソシアネートのビュレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、カルボジイミド変性体、ポリメリック体、ウレトジオン変性体、これらポリイソシアネートとポリオールを反応させたウレタンプレポリマー等が挙げられ、これらを単独でまたは複数組み合わせて使用することができる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、あるいはクルードMDIとも称される)、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができるが、これらに限定されない。
芳香脂肪族ジイソシアネートとは、分子中に1つ以上の芳香環を有する脂肪族イソシアネートを意味し、m-又はp-キシリレンジイソシアネート(別名:XDI)、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(別名:TMXDI)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
脂肪族ジイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができるが、これらに限定されない。
脂環族ジイソシアネートとしては、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができるが、これらに限定されない。
ウレタンプレポリマーの合成に用いるポリオールとしては、ポリオール化合物(A)として例示したものと同様のものを用いることができる。接着剤の低粘度化を図りつつ、接着強度を高めることができることから、ポリアルキレングリコール又はポリエステルポリオールの少なくとも一種を用いることが好ましい。
ポリアルキレングリコールとしては、数平均分子量が200~6,000の範囲にあるものが好ましい。ポリエステルポリオールは、ポリアルキレングリコールと炭素原子数2~30の脂肪族多価カルボン酸とを反応させて得られるものが好ましい。また、ポリエステルポリオールはその原料アルコール成分として、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上のアルコールを該ポリオール成分中10質量%以下となる割合で用いてもよい。
軟包装基材用としては芳香族ポリイソシアネートと数平均分子量200~6,000の範囲にあるポリアルキレングリコールとを反応させて得られるポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートと数平均分子量200~3,000の範囲にあるポリエステルポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネートが硬化物に適度な柔軟性を付与できる点から好ましい。滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート含有率が5~20質量%のものが適正な樹脂粘度となって塗工性に優れる点から好ましい。
一方、硬質基材用では芳香族ポリイソシアネートと数平均分子量200~3,000の範囲にあるポリエステルポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートと、数平均分子量200~3,000の範囲にあるポリエステルポリオールと、数平均分子量200~6,000の範囲にあるポリアルキレングリコールの混合物とを反応させて得られるポリイソシアネートが接着強度に優れる点から好ましい。定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート含有率が5~20質量%のものが、やはり適正な樹脂粘度となって塗工性に優れる点から好ましい。
ポリイソシアネート化合物(B)がウレタンプレポリマーである場合、反応に供されるイソシアネート基と水酸基との当量比[NCO]/[OH]は1.2~10.0の範囲であることが、接着剤の粘度が適正範囲となって塗工性が良好となる点から好ましい。
本発明の接着剤が無溶剤型である場合、ポリイソシアネート組成物(Y)の粘度はノンソルベントラミネート法に適した範囲に調整される。一例として、40℃における粘度が500~5000mPas、より好ましくは500~3000mPasの範囲になるよう調整される。ポリイソシアネート組成物(Y)の粘度は、一例としてウレタンプレポリマーの配合量や、低分子量のイソシアネート化合物の配合量により調整することができる。
本発明の接着剤が溶剤型として用いられる場合は、ポリイソシアネート組成物(Y)の粘度は溶剤で希釈することにより塗工に適した粘度に調整される。
(リン酸誘導体(C))
本発明の接着剤は、リン酸誘導体(C)を含み、その配合量がポリオール組成物(X)およびポリイソシアネート組成物(Y)の不揮発分総量100質量部に対し0.0001質量部以上0.005質量部以下である。これにより、ポットライフが良好な接着剤とすることができる。添加量が少なすぎるとポットライフを保つ効果を期待できない。一方で、通常リン酸誘導体(C)は水溶液の形態で添加されるため、添加量が多すぎると水とイソシアネート組成物との反応によりやはり粘度上昇を招き、ポットライフが悪化する恐れがある。
リン酸誘導体(C)としては、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、イソドデシルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられる。
リン酸誘導体(C)を接着剤に添加するタイミングとしては特に制限されない。例えば、ポリオール組成物(X)またはポリイソシアネート組成物(Y)を調製する際に添加してもよい。ポリイソシアネート組成物(Y)がウレタンプレポリマーを含む場合はその合成時に、原料となるポリオールまたはポリイソシアネートを合成する際に添加し、ウレタン化反応の調整剤として用いたものをそのまま利用してもよい。ポリオール組成物(X)、ポリイソシアネート組成物(Y)の一方のみにリン酸誘導体(C)が配合されていてもよいし、両方に配合されていてもよい。接着剤の塗工直前にポリオール組成物(X)、ポリイソシアネート組成物(Y)とともに混合して用いてもよい。
ポリオールとポリイソシアネートのウレタン化反応では、副反応としてアロファネート化が起こりうる。生成したアロファネート化合物は、イソシアネート組成物(Y)の粘度を上昇させるため、接着剤のレベリング性を低下させ、積層体の外観不良を招きうる。ウレタンプレポリマーの合成時にリン酸を添加することで、このような不具合を抑制する効果も期待できる。
(接着剤のその他の成分(D))
本発明の接着剤は、上述の成分以外の成分を含んでいてもよい。その他の成分(D)は、ポリオール組成物(X)またはポリイソシアネート組成物(Y)のいずれかまたは両方に含まれていてもよいし、これらとは別に調整しておき、接着剤の塗工直前にポリオール組成物(X)、ポリイソシアネート組成物(Y)とともに混合して用いてもよい。以下、各成分について説明する。
(触媒(D1))
触媒(D1)としては、金属系触媒、アミン系触媒、脂肪族環状アミド化合物等が例示される。
金属系触媒(D1)としては、金属錯体系、無機金属系、有機金属系の触媒が挙げられる。金属錯体系の触媒としては、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、Zr(ジルコニウム)、Th(トリウム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Co(コバルト)からなる群より選ばれる金属のアセチルアセトナート塩、例えば鉄アセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、銅アセチルアセトネート、ジルコニアアセチルアセトネート等が例示される。
無機金属系の触媒としては、Sn、Fe、Mn、Cu、Zr、Th、Ti、Al、Co等から選ばれるものが挙げられる。
有機金属系触媒としては、オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル等の有機ニッケル化合物、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、テトライソプロピルオキシチタネート、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド、脂肪族ジケトン、芳香族ジケトン、炭素原子数2~10のアルコールの少なくとも1種をリガンドとするチタンキレート錯体等のチタン系化合物等が挙げられる。
アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、2-メチルトリエチレンジアミン、キヌクリジン、2-メチルキヌクリジン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチル-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、3-キヌクリジノール、N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジン、1,3,5-トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、N-メチル-N’-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’-ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N,N-ジメチルヘキサノールアミン、N-メチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
脂肪族環状アミド化合物としては、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム、ω-エナントールラクタム、η-カプリルラクタム、β-プロピオラクタム等が挙げられる。これらの中でもε-カプロラクタムが硬化促進により効果的である。
(酸無水物(D2))
酸無水物(D2)としては、環状脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、不飽和カルボン酸無水物等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。より具体的には、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ヘット酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、1-メチル-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
また、酸無水物(D2)として上述した化合物をグリコールで変性したものを用いてもよい。変性に用いることができるグリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポチテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルグリコール類等が挙げられる。更には、これらのうちの2種類以上のグリコール及び/又はポリエーテルグリコールの共重合ポリエーテルグリコールを用いることもできる。
(カップリング剤(D3))
カップリング剤(D3)としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ヘキサメチルジシラザン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、テトラオクチレングリコールチタネート、チタンラクテート、テトラステアロキシチタン等が挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
(顔料(D4))
顔料(D4)としては特に制限はなく、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料などが挙げられる。
体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土などが挙げられる。
有機顔料の具体例としては、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラックなどが挙げられる。
無機顔料としては、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
プラスチック顔料としては、例えば、DIC(株)製「グランドールPP-1000」、「PP-2000S」等が挙げられる。
用いる顔料(D4)については目的に応じて適宜選択すればよいが、例えば耐久性、対候性、意匠性に優れることから白色顔料としては酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物を用いることが好ましく、黒色顔料としてはカーボンブラックを用いることが好ましい。
顔料(D4)の配合量は、一例としてポリオール組成物(X)とポリイソシアネート組成物(Y)の固形分総量100質量部に対して1~400質量部であり、接着性、耐ブロッキング性をより良好なものとするため10~300質量部とすることがより好ましい。
(可塑剤(D5))
可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、芳香族ポリカルボン酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、ポリオール系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、カーボネート系可塑剤などが挙げられる。
フタル酸系可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジへキシルフタレート、ジへプチルフタレート、ジ-(2-エチルヘキシル)フタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジフェニルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、オクチルデシルフタレート、ジメチルイソフタレート、ジ-(2-エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤、例えば、ジ-(2-エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ-n-オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレートなどのテトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤が挙げられる。
脂肪酸系可塑剤としては、例えば、ジ-n-ブチルアジペート、ジ-(2-エチルへキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(C6-C10アルキル)アジペート、ジブチルジグリコールアジペートなどのアジピン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-へキシルアゼレート、ジ-(2-エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレートなどのアゼライン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-ブチルセバケート、ジ-(2-エチルへキシル)セバケート、ジイソノニルセバケートなどのセバシン酸系可塑剤、例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ-n-ブチルマレート、ジ-(2-エチルヘキシル)マレートなどのマレイン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-ブチルフマレート、ジ-(2-エチルへキシル)フマレートなどのフマル酸系可塑剤、例えば、モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ-(2-エチルヘキシル)イタコネートなどのイタコン酸系可塑剤、例えば、n-ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレートなどのステアリン酸系可塑剤、例えば、ブチルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレートなどのオレイン酸系可塑剤、例えば、トリエチルシトレート、トリ-n-ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリ-(2-エチルへキシル)シトレートなどのクエン酸系可塑剤、例えば、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレートなどのリシノール酸系可塑剤、および、ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸系可塑剤などが挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸系可塑剤としては、例えば、トリ-n-ヘキシルトリメリテート、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテート、トリ-n-オクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテートなどのトリメリット酸系可塑剤、例えば、テトラ-(2-エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ-n-オクチルピロメリテートなどのピロメリット酸系可塑剤などが挙げられる。
リン酸系可塑剤としては、例えば、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェートなどが挙げられる。
ポリオール系可塑剤としては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ-(2-エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ-(2-エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレートなどのグリコール系可塑剤、例えば、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレートなどのグリセリン系可塑剤などが挙げられる。
エポキシ系可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2-エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシルなどが挙げられる。
ポリエステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステルなどが挙げられる。
カーボネート系可塑剤としては、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネートなどが挙げられる。
また、可塑剤としては、その他に、部分水添ターフェニル、接着性可塑剤、さらには、ジアリルフタレート、アクリル系モノマーやオリゴマーなどの重合性可塑剤などが挙げられる。これら可塑剤は、単独または2種以上併用することができる。
(接着剤の形態)
本発明の接着剤は、溶剤型又は無溶剤型のいずれの形態であってもよい。本発明でいう「溶剤型」の接着剤とは、接着剤を基材に塗工した後に、オーブン等で加熱して塗膜中の有機溶剤を揮発させた後に他の基材と貼り合せる方法、いわゆるドライラミネート法に用いられる形態をいう。ポリオール組成物(X)、ポリイソシアネート組成物(Y)のいずれか一方、もしくは両方が、本発明で使用するポリオール組成物(X)の構成成分、ポリイソシアネート組成物(Y)の構成成分を溶解(希釈)することが可能な有機溶剤を含む。
有機溶剤としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジメチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等が挙げられる。
本明細書において「無溶剤型」の接着剤とは、ポリオール組成物(X)及びポリイソシアネート組成物(Y)が上述したような溶解性の高い有機溶剤、特に酢酸エチル又はメチルエチルケトンを実質的に含まず、接着剤を基材に塗工した後に、オーブン等で加熱して溶剤を揮発させる工程を経ずに他の基材と貼り合せる方法、いわゆるノンソルベントラミネート法に用いられる接着剤の形態を指す。ポリオール組成物(X)及びポリイソシアネート組成物(Y)の構成成分や、その原料の製造時に反応媒体として使用された有機溶剤が除去しきれずに、ポリオール組成物(X)及びポリイソシアネート組成物(Y)中に微量の有機溶剤が残留してしまっている場合は、有機溶剤を実質的に含まないと解される。また、ポリオール組成物(X)が低分子量アルコールを含む場合、低分子量アルコールはポリイソシアネート組成物(Y)と反応して塗膜の一部となるため、塗工後に揮発させる必要はない。従ってこのような形態も無溶剤型接着剤として扱い、低分子量アルコールは有機溶剤とはみなされない。
本発明の接着剤は、ポリイソシアネート組成物(Y)に含まれるイソシアネート基のモル数[NCO]とポリオール組成物(X)に含まれる水酸基のモル数[OH]との比[NCO]/[OH]が1.0~5.0となるよう配合して用いることが好ましい。
<積層体>
本発明の積層体は、複数の基材(フィルムあるいは紙)を、本発明の接着剤を用い、ドライラミネート法またはノンソルベントラミネート法にて貼り合わせて得られる。用いるフィルムに特に制限はなく、用途に応じたフィルムを適宜選択することができる。例えば、食品包装用としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム、MDOPE:一軸延伸ポリエチレンフィルム、OPE:二軸延伸ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。
また、バイオマス由来成分を含有する材料で形成された、バイオマスフィルムを用いることも好ましい。バイオマスフィルムは各社から販売されているほか、例えば、一般財団法人日本有機資源協会に記載のバイオマス認定商品一覧に挙げられるようなシートを使用することができる。
具体的によく知られているバイオマスフィルムとしては、バイオマス由来のエチレングリコールを原料とするものが挙げられる。バイオマス由来のエチレングリコールは、バイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。例えば、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等により、バイオマス由来のエチレングリコールを得ることができる。また、市販のバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から市販されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。
例えば、従来の石油系原料を使用したポリエチレンテレフタレートフィルムの代替として、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステル、バイオマスポリエチレンテレフタレート等を含有するフィルムが知られている。
バイオマスポリエステルのジカルボン酸単位は、化石燃料由来のジカルボン酸を使用する。ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体を制限なく使用することができる。
また、上記のジオール成分とジカルボン酸成分に加えて、2官能のオキシカルボン酸や、架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸及び/又はその無水物並びに3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物等の第3成分として共重合成分を加えた共重合ポリエステルであっても良い。
また、例えば、従来の石油系原料を使用したポリオレフィン系フィルムの代替として、バイオマス由来のエチレングリコールを原料とするポリエチレン系樹脂を含有するバイオマスポリエチレン系フィルム、バイオマスポリエチレン-ポリプロピレン系フィルム等のバイオマスポリオレフィン系フィルムも知られている。
ポリエチレン系樹脂は、原料の一部に前記バイオマス由来のエチレングリコールを使用する以外は特に限定されず、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とするエチレンとα-オレフィンとの共重合体(エチレン単位を90質量%以上含有するエチレン-α-オレフィン共重合体)などが挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、エチレンとα-オレフィンとの共重合体を構成するα-オレフィンは特に限定されず、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン及び1-オクテンなどの炭素原子数4乃至8のα-オレフィンが挙げられる。低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などの公知のポリエチレン樹脂を用いることができる。中でも、フィルム同士が擦れても、穴開きや破けなどの損傷を一段と生じにくくする観点から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(エチレンと1-ヘキセンとの共重合体、又はエチレンと1-オクテンとの共重合体)が好ましく、密度が0.910乃至0.925g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン樹脂がより好ましい。
バイオマスフィルムとしては、ISO16620またはASTMD6866で規定されたバイオマスプラスチック度で区別されたバイオマス原料を使用したものも流通している。大気中では1012個に1個の割合で放射性炭素14Cが存在し、この割合は大気中の二酸化炭素でも変わらないので、この二酸化炭素を光合成で固定化した植物の中でも、この割合は変わらない。このため、植物由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cが含まれる。これに対し、化石燃料由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cがほとんど含まれない。そこで、加速器質量分析器で樹脂中の放射性炭素14Cの濃度を測定することにより、樹脂中の植物由来樹脂の含有割合、すなわちバイオマスプラスチック度を求めることができる。
ISO16620またはASTM D6866で規定されたバイオマスプラスチック度が80%以上、好ましくは90%以上であるバイオマスプラスチックである植物由来の低密度ポリエチレンとしては、例えば、Braskem社製の商品名「SBC818」「SPB608」「SBF0323HC」「STN7006」「SEB853」「SPB681」等が挙げられ、これらを原料として使用したフィルムを好適に使用することができる。
また、バイオマス原料であるデンプンや、ポリ乳酸を配合したフィルムやシートも知られている。これらは用途に応じて適宜選択し使用することができる。
バイオマスフィルムは、複数のバイオマスフィルムを積層させた積層体であってもよいし、従来の石油系フィルムとバイオマスフィルムとの積層体であってもよい。またこれらのバイオマスフィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。
フィルムは延伸処理を施されたものであってもよい。延伸処理方法としては、押出製膜法等で樹脂を溶融押出してシート状にした後、同時二軸延伸あるいは逐次二軸延伸を行うことが一版的である。また逐次二軸延伸の場合は、はじめに縦延伸処理を行い、次に横延伸を行うことが一般的である。具体的には、ロール間の速度差を利用した縦延伸とテンターを用いた横延伸を組み合わせる方法が多く用いられる。
フィルム表面には、膜切れやはじき等の欠陥のない接着層が形成されるように、必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理等の各種表面処理を施してもよい。
あるいは、アルミニウム等の金属、シリカやアルミナ等の金属酸化物の蒸着層を積層したフィルム、ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のガスバリア層を含有するバリア性フィルムを用いてもよい。このようなフィルムを用いることで、水蒸気、酸素、アルコール、不活性ガス、揮発性有機物(香り)等に対するバリア性を備えた積層体とすることができる。
紙としては、特に限定なく公知の紙基材を使用することができる。具体的には、木材パルプ等の製紙用天然繊維を用いて公知の抄紙機にて製造されるが、その抄紙条件は特に規定されるものではない。製紙用天然繊維としては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の木材パルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、亜麻パルプ等の非木材パルプ、およびそれらのパルプに化学変性を施したパルプ等が挙げられる。パルプの種類としては、硫酸塩蒸解法、酸性・中性・アルカリ性亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等を使用することができる。また、市販の各種上質紙やコート紙、裏打ち紙、含浸紙、ボール紙や板紙などを用いることもできる。
より具体的な積層体の構成としては、
(1)基材フィルム1/接着層1/シーラントフィルム
(2)基材フィルム1/接着層1/金属蒸着未延伸フィルム
(3)基材フィルム1/接着層1/金属蒸着延伸フィルム
(4)透明蒸着延伸フィルム/接着層1/シーラントフィルム
(5)基材フィルム1/接着層1/基材フィルム2/接着層2/シーラントフィルム
(6)基材フィルム1/接着層1/金属蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(7)基材フィルム1/接着層1/透明蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(8)基材フィルム1/接着層1/金属層/接着層2/シーラントフィルム
(9)基材フィルム1/接着層1/基材フィルム2/接着層2/金属層/接着層3/シーラントフィルム
(10)基材フィルム1/接着層1/金属層/接着層2/基材フィルム2/接着層3/シーラントフィルム
等が挙げられるがこれに限定されない。
構成(1)に用いられる基材1としては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム、紙等が挙げられる。また、基材1としてガスバリア性や、後述する印刷層を設ける際のインキ受容性の向上等を目的としたコーティングが施されたものを用いてもよい。コーティングが施された基材フィルム1の市販品としては、K-OPPフィルムやK-PETフィルム等が挙げられる。接着層1は、本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムとしては、CPPフィルム、LLDPEフィルム、ガスバリア性ヒートシールフィルム等が挙げられる。基材1の接着層1側の面(基材フィルム1としてコーティングが施されたものを用いる場合には、コーティング層の接着層1側の面)または接着層1とは反対側の面に、印刷層を設けてもよい。印刷層は、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセットインキ、孔版インキ、インクジェットインク等各種印刷インキにより、従来ポリマーフィルムや紙への印刷に用いられてきた一般的な印刷方法で形成される。
構成(2)、(3)に用いられる基材1としては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルムやPETフィルム、紙等が挙げられる。接着層1は、本発明の接着剤の硬化塗膜である。金属蒸着未延伸フィルムとしては、CPPフィルムやLLDPEフィルム、ガスバリア性ヒートシールフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-CPPフィルム、VM-LLDPEフィルム等を、金属蒸着延伸フィルムとしては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-MDOPEフィルム、VM-OPEフィルム、VM-OPPフィルムを用いることができる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(4)に用いられる透明蒸着延伸フィルムとしては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム等にシリカやアルミナ蒸着を施したフィルムが挙げられる。シリカやアルミナの無機蒸着層の保護等を目的として、蒸着層上にコーティングが施されたフィルムを用いてもよい。接着層1は、本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。透明蒸着延伸フィルムの接着層1側の面(無機蒸着層上にコーティングが施されたものを用いる場合には、コーティング層の接着層1側の面)に印刷層を設けてもよい。印刷層の形成方法は構成(1)と同様である。
構成(5)に用いられる基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。基材2としては、ナイロンフィルム等が挙げられる。接着層1、接着層2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(6)の基材1としては、構成(2)、(3)と同様のものが挙げられる。金属蒸着延伸フィルムとしては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルムやPETフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-MDOPEフィルム、VM-OPEフィルム、VM-OPPフィルムやVM-PETフィルムが挙げられる。接着層1、接着層2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(7)の基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。透明蒸着延伸フィルムとしては、構成(4)と同様のものが挙げられる。接着層1、2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(8)の基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。金属層としては、アルミニウム箔等が挙げられる。接着層1、2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(9)、(10)の基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。基材2としては、ナイロンフィルム等が挙げられる。金属層としては、アルミニウム箔等が挙げられる。接着層1、2、3の少なくとも一層は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
本発明の接着剤が溶剤型である場合、基材となるフィルム材料に本発明の接着剤をグラビアロール等のロールを用いて塗布し、オーブン等での加熱により有機溶剤を揮発させた後、他方の基材を貼り合せて本発明の積層体を得る。ラミネート後に、エージング処理を行うことが好ましい。エージング温度は室温~80℃、エージング時間は12~240時間が好ましい。
本発明の接着剤が無溶剤型である場合、基材となるフィルム材料に予め40℃~100℃程度に加熱しておいた本発明の接着剤をグラビアロール等のロールを用いて塗布した後、直ちに他方の基材を貼り合せて本発明の積層体を得る。ラミネート後に、エージング処理を行うことが好ましい。エージング温度は室温~70℃、エージング時間は6~240時間が好ましい。
接着剤の塗布量は、適宜調整する。溶剤型接着剤の場合、一例として固形分量が1g/m以上10g/m以下、好ましくは2g/m以上5g/m以下となるよう調整する。無溶剤型接着剤の場合、接着剤の塗布量が一例として1g/m以上5g/m以下、好ましくは1g/m以上3g/m以下である。
本発明の積層体は、上述した構成(1)~(10)に加えて、更に他のフィルムや基材を含んでいてもよい。他の基材としては、上述した延伸フィルム、未延伸フィルム、透明蒸着フィルムに加え、後述の紙、木材、皮革等の多孔質の基材を使用することもできる。他の基材を貼り合せる際に用いる接着剤は、本発明の接着剤であってもよいし、そうでなくてもよい。
「他の層」は、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、易接着コート剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。また「他の層」は、その他の材料と積層する場合の密着性を向上させるために、前処理としてフィルムの表面をコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理などしたものであってもよい。
<包装材>
本発明の包装材は、上述の積層体を袋状に成形し、ヒートシールすることにより包装材の形態としたものである。包装材の態様としては、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋、ゲーベルトップ型の有底容器、テトラクラシック、ブリュックタイプ、チューブ容器、紙カップ、蓋材、など種々ある。また、本発明の包装材に易開封処理や再封性手段を適宜設けてあってもよい。
本発明の包装材は、主に食品、洗剤、薬剤を充填する包装材として工業的に使用することができる。充填される内容物として、例えば食品としては、米菓、豆菓子、ナッツ類、ビスケット・クッキー、ウェハース菓子、マシュマロ、パイ、半生ケーキ、キャンディ、スナック菓子などの菓子類、パン、スナックめん、即席めん、乾めん、パスタ、無菌包装米飯、ぞうすい、おかゆ、包装もち、シリアルフーズなどのステープル類、漬物、煮豆、納豆、味噌、凍豆腐、豆腐、なめ茸、こんにゃく、山菜加工品、ジャム類、ピーナッツクリーム、サラダ類、冷凍野菜、ポテト加工品などの農産加工品、ハム類、ベーコン、ソーセージ類、チキン加工品、コンビーフ類などの畜産加工品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、かまぼこ、のり、佃煮、かつおぶし、塩辛、スモークサーモン、辛子明太子などの水産加工品、桃、みかん、パイナップル、りんご、洋ナシ、さくらんぼなどの果肉類、コーン、アスパラガス、マッシュルーム、玉ねぎ、人参、大根、じゃがいもなどの野菜類、ハンバーグ、ミートボール、水産フライ、ギョーザ、コロッケなどを代表とする冷凍惣菜、チルド惣菜などの調理済食品、バター、マーガリン、チーズ、クリーム、インスタントクリーミーパウダー、育児用調整粉乳などの乳製品、液体調味料、レトルトカレー、ペットフードなどの食品類が挙げられる。
また非食品としては、タバコ、使い捨てカイロ、輸液パック等の医薬品、洗濯用液体洗剤、台所用液体洗剤、浴用液体洗剤、浴用液体石鹸、液体シャンプー、液体コンディショナー、化粧水や乳液等の化粧品、真空断熱材、電池等、様々な包装材料としても使用され得る。
以下、本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表す。
<ポリオール化合物(A)>
(ポリオール化合物(A-1)の合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入管および精留塔を備えたガラス製2リットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコール20.4部、2-メチル-1,3-プロパンジオール20.4部、グリセリン4.7部、アジピン酸54.5部を仕込んだ。常圧窒素気流下にて徐々に昇温し脱水反応を行いながら220℃まで昇温し、220℃で反応を継続した。精留塔の塔頂温度が80℃以下になったのを確認した後、精留塔を取り外してガラス製コンデンサーに切替え、窒素ガス導入管から真空ポンプにラインをつなぎ50Torrの減圧下で所定の酸価に到達するまで縮合反応を行うことで、ポリエステルポリオールを得た。これをポリオール化合物(A-1)とする。ポリオール化合物(A-1)の酸価は1.2mgKOH/g、水酸基価は160.3mgKOH/gである。
(ポリオール化合物(A-2)の合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入管および精留塔を備えたガラス製2リットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコール50.7部、アジピン酸49.3部を仕込んだ。常圧窒素気流下にて徐々に昇温し脱水反応を行いながら220℃まで昇温し、220℃で反応を継続した。精留塔の塔頂温度が80℃以下になったのを確認した後、精留塔を取り外してガラス製コンデンサーに切替え、窒素ガス導入管から真空ポンプにラインをつなぎ50Torrの減圧下で所定の酸価に到達するまで縮合反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。これをポリオール化合物(A-2)とする。ポリオール化合物(A-2)の酸価は0.8mgKOH/g、水酸基価は179.5mgKOH/gである。
(ポリオール化合物(A-3)の合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入管および精留塔を備えたガラス製2リットルの四つ口フラスコに、エチレングリコール14.9部、ネオペンチルグリコール28.5部、アジピン酸28.3部、イソフタル酸28.3部を仕込んだ。常圧窒素気流下にて徐々に昇温し脱水反応を行いながら250℃まで昇温し、250℃で反応を継続した。精留塔の塔頂温度が80℃以下になったのを確認した後、230℃まで降温し、精留塔を取り外してガラス製コンデンサーに切替え、窒素ガス導入管から真空ポンプにラインをつなぎ50Torrの減圧下で所定の酸価に到達するまで縮合反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。これをポリオール化合物(A-3)とする。ポリオール化合物(A-3)の酸価は1.1mgKOH/g、水酸基価は190mgKOH/gである。
(ポリオール化合物(A-4))
ポリオール化合物(A-4)として、ひまし油(伊藤製油社製精製ひまし油、水酸基価が160.0mgKOH/g)を用いた。
(ポリオール化合物(A-5))
ポリオール化合物(A-5)として、PPG1000(旭硝子社製エクセノール1020、水酸基価が112.2mgKOH/g、2官能のポリプロピレングリコール)を用いた。
(ポリオール化合物(A-6))
ポリオール化合物(A-6)として、PPG1030(旭硝子社製エクセノール1030、水酸基価が168.0mgKOH/g、3官能のポリプロピレングリコール)を用いた。
<ポリイソシアネート化合物(B)>
(ポリイソシアネート化合物(B-1))
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入管および精留塔を備えたガラス製2リットルの四つ口フラスコに、エチレングリコール20.3部、2-メチル-1,3-プロパンジオール20.3部、アジピン酸59.4部を仕込んだ。常圧窒素気流下にて徐々に昇温し脱水反応を行いながら220℃まで昇温し、220℃で反応を継続した。 精留塔の塔頂温度が80℃以下になったのを確認した後、精留塔を取り外してガラス製コンデンサーに切替え、窒素ガス導入管から真空ポンプにラインをつなぎ50Torrの減圧下で所定の酸価に到達するまで縮合反応を行うことで、酸価0.8mgKOH/g、水酸基価193.6mgKOH/gの両末端に水酸基を有するポリエステル中間体(B-1’)を得た。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたガラス製2リットルの四つ口フラスコに、2,2-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが54:45:1(質量比)である混合物(以下、「MDI-50」と略記する。)60.3部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら60℃まで加熱した。ポリエステル中間体(B-1’)39.7部とリン酸の85%水溶液0.0004部を数回に分けて滴下し、更に加熱して内温70℃で4時間保持してウレタン化反応を行い、NCO基含有率14.6%の両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。これをイソシアネート化合物(B-1)として用いた。
(ポリイソシアネート化合物(B-2))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたフラスコに、ジエチレングルコール45.8部を仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら80℃まで加熱した。更に撹拌しながらアジピン酸54.2部を反応容器に仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して230℃まで昇温し、230℃で反応を継続した。精留塔の塔頂温度が80℃以下になったのを確認した後、220℃に降温し、精留塔を取り外してガラス製コンデンサーに切替え、窒素ガス導入管から真空ポンプにラインをつなぎ、反応容器内部を徐々に減圧し、40Torr以下で反応させ、酸価0.9mgKOH/g、水酸基価80.1mgKOH/gの両末端に水酸基を有するポリエステル中間体(B-2’)を得た。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、53.0部のMDI-50を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら60℃まで加熱した。ポリエステル中間体(B-2’)を38部、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール9部を数回に分けて滴下し、更に加熱して内温70℃で4時間保持してウレタン化反応を行い、NCO基含有率14.8%の両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーをポリイソシアネート化合物(B-2)として用いた。
(ポリイソシアネート化合物(B-3))
ポリエステル中間体(B-2’)、数平均分子量1000のポリプロピレングリコールとともにリン酸の85%水溶液0.0004部を滴下してウレタン化反応を行った以外はポリイソシアネート化合物(B-2)の合成と同様にして、NCO基含有率14.8%の両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーをポリイソシアネート化合物(B-3)として用いた。
(ポリイソシアネート化合物(B-4))
ポリエステル中間体(B-2’)、数平均分子量1000のポリプロピレングリコールとともにリン酸の85%水溶液0.002部を滴下してウレタン化反応を行った以外はポリイソシアネート化合物(B-2)の合成と同様にして、NCO基含有率14.8%の両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーをポリイソシアネート化合物(B-4)として用いた。
(ポリイソシアネート化合物(B-5))
ポリエステル中間体(B-2’)、数平均分子量1000のポリプロピレングリコールとともにリン酸の85%水溶液0.02部を滴下してウレタン化反応を行った以外はポリイソシアネート化合物(B-2)の合成と同様にして、NCO基含有率14.8%の両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーをポリイソシアネート化合物(B-4)として用いた。
(ポリイソシアネート化合物(B-6))
エチレングリコール16.7部、ネオペンチルグリコール17.7部、トリメチロールプロパン3.3部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら80℃に加熱した。更に撹拌しながらアジピン酸59.2部とイソフタル酸3.1部を反応容器に仕込み150℃~240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が5mgKOH/g以下になったところで反応容器を徐々に減圧し、1mmHg以下、200~240℃で1時間反応させ、酸価1.2mgKOH/g、水酸基価71.0mgKOH/gの両末端に水酸基を有するポリエステル中間体(B-6’)を得た。
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(コベストロ社製、デスモジュールN3300)8.1部、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー社製、ミリオネートMT-F)32.5部、ポリエステル中間体(B-6’)40.5部、ポリプロピレングリコール(分子量約2000)8.9部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら80℃加熱して反応を行い、反応が完結したところで反応容器を60℃まで冷却した。続いて該容器にカルボジイミド修飾ジフェニルメタンジイソシアネート(BIP社製、ルプラネートMM103)10.0部を加えて均一になるまで攪拌し、イソシアネート基含有率が16.5%のウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーをポリイソシアネート化合物(B-6)として用いた。
(ポリイソシアネート化合物(B-7))
ポリエステル中間体(B-6’)、ポリプロピレングリコールとともにリン酸の85%水溶液0.004部を滴下してウレタン化反応を行った以外はポリイソシアネート化合物(B-6)の合成と同様にして、NCO基含有率16.5%のウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーをポリイソシアネート化合物(B-7)として用いた。
(ポリイソシアネート化合物(B-8))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、55.0部のMDI-50を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱した。数平均分子量400のポリプロピレングリコール11.0部、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール22.0部、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール12.0部、リン酸の85%水溶液0.004部を数回に分けて滴下し、5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたウレタンプレポリマーのNCO基含有率は、13.5%であった。このウレタンプレポリマーをポリイソシアネート化合物(B-8)として用いた。
<接着剤の調製>
(実施例1)
ポリオール化合物(A-1)をポリオール組成物(X)として用いた。40℃に加温したポリオール組成物(X)、ポリイソシアネート組成物(Y)を、表1に示す配合で混合して実施例1の接着剤を得た。
(実施例2)~(実施例9)、(比較例1)(比較例2)
表1、2に示す配合とした以外は実施例1と同様にして実施例、比較例の接着剤を得た。なお表中において実施例4、比較例1はポリオール組成物(X)とポリイソシアネート組成物(Y)とを混合する際にリン酸(C)の85%水溶液を添加したことを意味し、実施例7はポリオール組成物(X)を調製する際にリン酸の85%水溶液を添加したことを意味する。
<評価>
(ポットライフ)
ポリオール組成物(X)とポリイソシアネート組成物(Y)とを混合した後、40℃で30分静置した後の接着剤の粘度を測定し、以下の基準に従い評価し結果を表1、2にまとめた。
〇:実用範囲内
×:実用範囲外
Figure 2023094003000001
Figure 2023094003000002

Claims (3)

  1. ポリオール化合物(A)を含むポリオール組成物(X)と、ポリイソシアネート化合物(B)を含むポリイソシアネート組成物(Y)とを含む2液硬化型接着剤であって、
    リン酸誘導体(C)をさらに含み、
    前記リン酸誘導体(C)の配合量が前記ポリオール組成物(X)および前記ポリイソシアネート組成物(Y)の不揮発分総量100質量部に対し0.0001質量部以上0.005質量部以下である2液硬化型接着剤。
  2. 第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材と前記第二の基材とを貼り合わせる接着層とを含み、前記接着層が請求項1に記載の2液硬化型接着剤の硬化塗膜である積層体。
  3. 請求項2に記載の積層体を製袋してなる包装材。
JP2021209191A 2021-12-23 2021-12-23 接着剤、積層体、包装材 Pending JP2023094003A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021209191A JP2023094003A (ja) 2021-12-23 2021-12-23 接着剤、積層体、包装材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021209191A JP2023094003A (ja) 2021-12-23 2021-12-23 接着剤、積層体、包装材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023094003A true JP2023094003A (ja) 2023-07-05

Family

ID=87001704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021209191A Pending JP2023094003A (ja) 2021-12-23 2021-12-23 接着剤、積層体、包装材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023094003A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7231127B2 (ja) 接着剤、積層体、包装材
JP7396547B2 (ja) 接着剤、積層体、積層体の製造方法、包装材
JP7231131B1 (ja) 接着剤、積層体、包装材
JP7323082B2 (ja) 接着剤、積層体、包装材
JP2023094003A (ja) 接着剤、積層体、包装材
CN113853304B (zh) 反应性粘接剂、层叠膜、及包装体
CN113165357B (zh) 反应性粘接剂、层叠体和包装体
WO2024122292A1 (ja) 接着剤、積層体、包装材
JP7193045B1 (ja) 接着剤、積層体、包装材
JP7332075B1 (ja) 接着剤、積層体、包装材
WO2023112688A1 (ja) 接着剤、積層体、包装材
JP7364130B2 (ja) 接着剤、積層体、包装材
JP7036293B1 (ja) 接着剤、積層体、包装材
WO2024138548A1 (en) Adhesive, laminate, and packaging material
WO2024135514A1 (ja) 2液硬化型接着剤、積層体、包装材
JP7276636B1 (ja) 接着剤、積層体、積層体の製造方法、包装材
JP7409570B2 (ja) ウレタンプレポリマーの製造方法
JP6733835B1 (ja) 反応性接着剤、積層体、及び包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240814