JP7482698B2 - ガラス外れ止め具 - Google Patents

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Description

本開示は、ガラス外れ止め具に関する。
従来、框体の内側に納められるガラスが外れないように、框体とガラスとの間にガラスの端部を押さえるガラス外れ止め具を取り付けた建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来のガラス外れ止め具は、框体の内周面に固定される受け台と、受け台に組み付けられることによってガラスの端部を押さえるL型の押さえ金具と、の2つの部品によって構成されている。押さえ金具は、室内側に向けて延びる脚部の先端に爪状の係合片部を有する。受け台は、押さえ金具の脚部が挿入される挿入孔を有する。受け台は、押さえ金具の脚部が挿入孔に挿入された際に係合片部に対応する位置に、係合片部と係合する係合孔を有する。受け台の挿入孔に押さえ金具の先端が挿入され、押さえ金具の係合片部が受け台の係合孔に係合することによって、押さえ金具が受け台に組み付けられる。これによって、押さえ金具は、ガラスの端部を押さえ、ガラスが框体から外れることを防止する。
特開2012-140785号公報
近年、框体の内側にスペーサを挟んで複数枚のガラスを納めた建具が使用されている。具体的には、框体の内側に2枚のガラスが納められたペアガラスの建具と、框体の内側に3枚のガラスが納められたトリプルガラスの建具と、が知られている。
ペアガラスの建具とトリプルガラスの建具とでは、ガラスの使用枚数の違いによってガラス部分の奥行寸法が異なるため、使用されるガラス外れ止め具の受け台及び押さえ金具の寸法もそれぞれ異なる。そのため、従来のガラス外れ止め具は、例えば、トリプルガラス用のガラス外れ止め具の受け台の挿入孔に、奥行寸法の短いペアガラス用の押さえ金具を挿入して組み付けることができず、汎用性が低いという問題がある。
よって、発明者は、奥行寸法が異なる部品でも組み付けることができる汎用性の高いガラス外れ止め具を提供するという課題を見出した。
本開示のガラス外れ止め具は、建具の框体の内周面とガラスの端部との間に配置され、室外側に向けて開口する挿入孔を有する受け台と、前記受け台の前記挿入孔に挿入されて組み付けられ、前記ガラスの端部の室外側の面を押さえる押さえ部を有する押さえ金具と、によって構成され、前記押さえ金具は、前記押さえ部から室内側に向けて延び、前記挿入孔に対して挿入される挿入脚部の先端に係合爪部を有し、前記受け台は、室内外方向に沿う異なる位置に、前記挿入孔に挿入される前記挿入脚部の前記係合爪部と係合することによって、前記押さえ金具を抜け止めする係合部をそれぞれ有する。
ガラス外れ止め具を備える建具を示す正面図である。 ガラス外れ止め具を備える建具の縦断面図である。 ガラス外れ止め具を備える建具の横断面図である。 建具の戸先側縦框に固定されるガラス外れ止め具を見付方向の吊元側から見た図である。 建具の戸先側縦框を示す拡大横断面図である。 ガラス外れ止め具の受け台をガラスに対向する面から見た斜視図である。 ガラス外れ止め具の受け台をガラスに対向する面の反対面から見た斜視図である。 ガラス外れ止め具の受け台にトリプルガラス用の押さえ金具を取り付ける様子を説明する図である。 ガラス外れ止め具の受け台にペアガラス用の押さえ金具を取り付ける様子を説明する図である。 ガラス外れ止め具の受け台と押さえ金具との係合を解除する様子を説明する図である。 ガラス外れ止め具の受け台とガラスの端部との間に調整部材を挿入する様子を見付方向の吊元側から見た図である。 ガラス外れ止め具の受け台とガラスの端部との間に調整部材を挿入する様子を室外側から見た図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「見付方向」とは、建物に形成された開口部に取り付けられた建具の枠体に納められるガラスや障子の面内方向に沿う方向を意味する。「見込方向」とは、建具の室内外方向、すなわち、建具の奥行き方向に沿う方向を意味する。図中に示すX1は室外を示し、X2は室内を示す。
図1は、室内側から見た縦辷り窓である建具1を示している。建具1は、建物開口部に固定される枠体10と、枠体10の内側に開閉可能に取り付けられる障子20と、を備える。
枠体10は、上枠11、下枠12、吊元側縦枠13及び戸先側縦枠14が矩形に枠組みされて構成される。上枠11、下枠12、吊元側縦枠13及び戸先側縦枠14は、何れも樹脂製であり、溶着によって接合される。これらの樹脂製の上枠11、下枠12、吊元側縦枠13及び戸先側縦枠14は、内部に中空部を有する押出し形材である。
図2に示すように、上枠11の内部は、見込方向で複数の空間に区画されている。上枠11には、室外側から室内側の順に中空部11a,11b,11cが形成される。中空部11cには金属製の上枠芯材11dが配置される。上枠11の室内側下部には、下方に延びる延出部11eが形成される。延出部11eの室外側の見付面には、クッション材11fが配置される。下枠12の内部には、見込方向に複数の中空部12a,12b,12cが形成される。中空部12bには金属製の下枠芯材12dが配置される。下枠12の室内側上部には、上方に延びる延出部12eが形成される。延出部12eには、クッション材12fが配置される。
図3に示すように、吊元側縦枠13の内部も、見込方向で区画された複数の中空部13a,13b,13cが形成される。中空部13bには、金属製の縦枠芯材13dが配置される。吊元側縦枠13の室外側には、見付方向の戸先側に延びる延出部13eが形成される。延出部13eには、クッション材13fが配置される。
戸先側縦枠14の内部にも、見込方向で区画された複数の中空部14a,14b,14cが形成され、中空部14bには金属製の縦枠芯材14dが配置される。戸先側縦枠14の室外側にも見付方向吊元側に延びる延出部14eが形成され、該延出部14eにもクッション材14fが配置される。
図3に示すように、枠体10の内側の隅には、枠側コーナー金具46がそれぞれ配置される。図2では、枠側コーナー金具46の図示は省略している。枠側コーナー金具46は、4隅のそれぞれに配置される。枠側コーナー金具46自体は、枠体10の見込面に配置されるが、ネジ等の締結部材を介して枠体10の内側の上枠芯材11d、下枠芯材12d、縦枠芯材13d及び縦枠芯材14dに締結固定される。具体的には、枠体10の戸先側上部では、上枠芯材11dと縦枠芯材14dとが枠側コーナー金具46によって連結される。吊元側上部では、上枠芯材11dと縦枠芯材13dとが連結される。戸先側下部では、下枠芯材12dと縦枠芯材14dとが枠側コーナー金具46によって連結される。吊元側下部では、下枠芯材12dと縦枠芯材13dとが連結される。
障子20は、ガラス25と、ガラス25を囲うように構成される框体30と、を含んで構成される。ガラス25は、框体30の内側に納められる。
ガラス25は、室外側に配置される室外側ガラス25aと、室外側ガラス25aに対して隙間をあけて室内側に配置される室内側ガラス25bと、室外側ガラス25aと室内側ガラス25bとの間に配置される中間ガラス25cと、を備えるトリプルガラスである。室外側ガラス25a、室内側ガラス25b及び中間ガラス25cのそれぞれの間には、スペーサ26等が配置される。
框体30は、上框31、下框32、吊元側縦框33及び戸先側縦框34を矩形に枠組みすることによって構成される。上框31、下框32、吊元側縦框33及び戸先側縦框34は、何れも樹脂製であり、溶着によって接合される。これらの樹脂製の上框31、下框32、吊元側縦框33及び戸先側縦框34は、内部に中空部を有する押出し形材である。
図2に示すように、上框31の内部には、室外側から室内側に向かって複数の中空部31a,31b,31cが形成される。最も室内側に位置する中空部31cには、金属で形成される室内側上框芯材31dが配置される。中空部31bには、金属製の室外側上框芯材31eが配置される。室内側上框芯材31d及び室外側上框芯材31eは、何れも上框31の長手方向に沿って延びている。上框31の室外側上部には、上枠11の一部と見込方向で対向する延出部31fが形成される。延出部31fの室内側には、クッション材31gが設けられる。延出部31fの下方には、樹脂製の押し縁部材27を嵌合固定する嵌合固定部31hが形成される。押し縁部材27は、上框31に取り付けられ、ガラス25の端部の室外側の面を押圧する。
下框32の内部には、室外側から室内側に向かって複数の中空部32a,32b,32cが形成される。最も室内側に位置する中空部32cには、金属で形成される室内側下框芯材32dが配置される。中空部32bには、金属製の室外側下框芯材32eが配置される。室内側下框芯材32d及び室外側下框芯材32eは、何れも下框32の長手方向に沿って延びている。下框32の室外側下部には、下枠12の一部と見込方向で対向する延出部32fが形成される。延出部32fの室内側には、クッション材32gが設けられる。延出部32fの下方には樹脂製の押し縁部材27を嵌合固定する嵌合固定部32hが形成される。押し縁部材27は、下框32に取り付けられ、ガラス25の端部の室外側の面を押圧する。
図3に示すように、吊元側縦框33の内部には、室外側から室内側に向かって複数の中空部33a,33b,33cが形成される。最も室内側に位置する中空部33cには、金属で形成される室内側縦框芯材33dが配置される。中空部33bには、金属製の室外側縦框芯材33eが配置される。室内側縦框芯材33d及び室外側縦框芯材33eは、何れも吊元側縦框33の長手方向に沿って延びている。吊元側縦框33の室外側には、吊元側縦枠13の一部と見込方向で対向する延出部33fが形成される。延出部33fの室内側には、クッション材33gが設けられる。延出部33fの戸先側には樹脂製の押し縁部材27を嵌合固定する嵌合固定部33hが形成される。押し縁部材27は、吊元側縦框33に取り付けられ、ガラス25の端部の室外側の面を押圧する。
戸先側縦框34の内部には、室外側から室内側に向かって複数の中空部34a,34b,34cが形成される。最も室内側に位置する中空部34cには、金属で形成される室内側縦框芯材34dが配置される。中空部34bには、金属製の室外側縦框芯材34eが配置される。室内側縦框芯材34d及び室外側縦框芯材34eは、何れも戸先側縦框34の長手方向に沿って延びている。戸先側縦框34の室外側には、吊元側縦枠13の一部と見込方向で対向する延出部34fが形成される。延出部34fの室内側には、クッション材34gが設けられる。延出部34fの吊元側には樹脂製の押し縁部材27を嵌合固定する嵌合固定部34hが形成される。押し縁部材27は、戸先側縦框34に取り付けられ、ガラス25の端部の室外側の面を押圧する。
框体30内部の室外側に位置する芯材である室外側上框芯材31e、室外側下框芯材32e、室外側縦框芯材33e及び室外側縦框芯材34eと、室内側に位置する芯材である室内側上框芯材31d、室内側下框芯材32d、室内側縦框芯材33d及び室内側縦框芯材34dと、が框芯材連結金具67によって連結されている。框芯材連結金具67は、框体30の外側面の形状に応じて段差状に形成されるプレート部材である。框芯材連結金具67は、框体30の外部に配置され、框体30の内部で異なる中空部に配置される室外側の芯材と室内側の芯材とに、ネジ等の締結部材によってそれぞれ締結される。これによって、見込方向に複数の中空部が形成される樹脂製の框体30が火災発生時の高温環境下で室外側と室内側に分離する事態が確実に防止されている。
障子20は、上枠11に連結されるとともに上框31に連結される上アーム部材61及び下枠12に連結されるとともに下框32に連結される下アーム部材62によって開閉可能に枠体10の内側に支持される。本実施形態では、上アーム部材61及び下アーム部材62は、何れも框体30に対して金属により板状に成形される補強材65を介して連結される。
障子20の戸先側には、ハンドル55に連動するスライドロック機構50が配置される。スライドロック機構50は、ハンドル55操作に連動して上下方向に移動するスライドプレート51と、スライドプレート51の戸先側の見込面に形成されるロックピン52と、を備える。戸先側縦枠14の内側の見込面には、ロックピン52が嵌合する受け金具15が固定される。ロックピン52と受け金具15とによって、グレモン錠が構成される。本実施形態では、ロックピン52は、上下方向で複数個所に形成される。受け金具15も、ロックピン52の数に応じて上下方向に間隔をあけて複数固定される。スライドプレート51は、戸先側縦框34の戸先側にスライド嵌合された状態でハンドル55に連結されている。
次に、框体30の内側の見込面に配置されるガラス外れ止め具40について説明する。図1に示すように、框体30の吊元側縦框33及び戸先側縦框34の内側の見込面には、ガラス外れ止め具40が1又は複数配置される。框体30の内側の見込面とは、框体30の内周面であり、ガラス25に対向する面である。
図4は、本実施形態の建具1が備える戸先側縦框34に固定されるガラス外れ止め具40を見付方向の吊元側から見た図である。図4に示すように、戸先側縦框34の内側の見込面には、4個のガラス外れ止め具40が間隔をあけて配置される。同様に吊元側縦框33の見込面にも、4個のガラス外れ止め具40が配置される。ガラス外れ止め具40は、吊元側縦框33及び戸先側縦框34の内側の見込面と、吊元側縦框33及び戸先側縦框34に対向するガラス25の端部と、の間に挟まれるように配置される。
ガラス外れ止め具40は、受け台41と押さえ金具42とによって構成される。各ガラス外れ止め具40は同一構造である。そのため、以下の説明では、一つのガラス外れ止め具40を図示して説明する。
図6及び図7は、ガラス外れ止め具40の受け台41を示している。受け台41は、樹脂によって略矩形の薄板状に形成される。受け台41は、第1ブロック411と第2ブロック422とを有する。第1ブロック411と第2ブロック422とは、一体に設けられ、吊元側縦框33及び戸先側縦框44の上下方向に隣接している。これによって、受け台41は、室内外方向に沿う寸法よりも、室内外方向に直交する吊元側縦框33及び戸先側縦框44の上下方向に沿う寸法の方が大きい。受け台41の室内外方向の寸法は、室外側ガラス25a,室内側ガラス25b及び中間ガラス25cによって構成されるガラス25の奥行寸法に略等しい。
第1ブロック411と第2ブロック422との間には、受け台41の室内外方向に延びる1本の溝部413が設けられる。受け台41は、この溝部413を境にして、第1ブロック411と第2ブロック412とに区画される。溝部413は、受け台41におけるガラス対向側面41aに配置されている。このガラス対向側面41aは、受け台41が吊元側縦框33及び戸先側縦框34の内周面に取り付けられた際に、框体30の内側に納められるガラス25の端部に対向する側面である。
受け台41の第1ブロック411は、後述の押さえ金具42が組み付けられる部位である。第1ブロック411には、押さえ金具42を挿入するスリット状の挿入孔414が設けられる。挿入孔414は、第1ブロック411において、受け台41の室外側端面41bに開口している。挿入孔414は、受け台41の室内側端面41cに向けて受け台41を室内外方向に貫通している。
第1ブロック411には、室内外方向に延びる1本の細幅板状の解除片415と、室内外方向に沿う異なる位置に配置される2つの係合部416,417と、が設けられる。これら解除片415及び係合部416,417は、溝部413と同じ受け台41のガラス対向側面41aに設けられる。
図6に示すように、解除片415は、第1ブロック411において、受け台41の室外側端面41bの近傍から、受け台41の室内側端面41cと略同一位置まで一体に延びている。詳しくは、解除片415は、受け台41のガラス対向側面41aにおける第1ブロック411の中央部に配置され、ガラス対向側面41aの一部を構成している。第1ブロック411におけるガラス対向側面41aには、解除片415の延び方向に沿って、解除片415の両側部にそれぞれスリット415a,415aが設けられる。
図7に示すように、第1ブロック411において、受け台41のガラス対向側面41aと反対側の側面41dには、矩形状に切り欠かれた切り欠き部415bが設けられる。切り欠き部415bは、挿入孔414を通して解除片415のほぼ全体を側面41d側に露出させるように、受け台41の室外側端面41bの近傍から、受け台41の室内側端面41cに向けて開放するように設けられる。これによって、解除片415は、第1ブロック411と一体化された受け台41の室外側端面41bの近傍を基点として、受け台41のガラス対向側面41aからその反対側の側面41dに向けて、すなわち、挿入孔414の内部に向けて、弾性変形可能に設けられる。
第1ブロック411の室内外方向に沿って配置される2つの係合部416,417は、後述の押さえ金具42に設けられる係合爪部423と係合することによって、挿入孔414に挿入された押さえ金具42を抜け止めする。
係合部416は、係合部417よりも、受け台41の室外側端面41bに近い位置に配置される。係合部416は、解除片415を挟んで一対設けられている。一対の係合部416,416は、それぞれガラス対向側面41aに開口し、挿入孔414をガラス対向側面41aから外部に連通させている。詳しくは、一対の係合部416,416は、解除片415の両側に配置されるスリット415a,415aに向けて開放する矩形状に開口するように形成される。
係合部417は、係合部416よりも、受け台41の室内側端面41cに近い位置に配置される。係合部417は、解除片415を挟んで一対設けられている。一対の係合部417,417は、受け台41のガラス対向側面41aの室内側端面41c側を、解除片415を残して大きく切り欠くことによって形成される。一対の係合部417,417は、大きく切り欠かれた部位において、受け台41の室内側端面41cに向いて配置される段部によって構成される。
第2ブロック412には、受け台41を吊元側縦框33及び戸先側縦框34の内周面にそれぞれ固定するためのネジ穴418が設けられる。受け台41は、このネジ穴418に、締結部材である皿ネジ400(図12参照)が挿入され、吊元側縦框33及び戸先側縦框34の内周面に締結されることによって固定される。
受け台41の室外側端面41bに配置される両端の角部のうち、第2ブロック412に配置される角部に、面取り部419が設けられる。面取り部419は、室外側端面41bに配置される第2ブロック412の角部を斜めに切り欠くことによって形成される。
押さえ金具42は、図8~図12に示されている。押さえ金具42は、ガラス25の端部の室外側の面を押さえる金属製のL型の部品である。本実施形態におけるガラス外れ止め具40の受け台41には、トリプルガラス用の押さえ金具42Aと、ペアガラス用の押さえ金具42Bと、の2種類の押さえ金具42を組み付け可能である。
トリプルガラス用の押さえ金具42Aは、矩形状の薄板からなる押さえ部421と、押さえ部421の一側縁から室内側に向けて見込方向に延びる3本の挿入脚部422a,422a,422bと、挿入脚部422bの先端に設けられる係合爪部423と、を有する。
押さえ部421は、ガラス25の端部の室外側の面に沿うように矩形状に形成される。押さえ金具42Aが受け台41に組み付けられた際に、押さえ部421は、ガラス25の端部の室外側の面に当接し、ガラス25が框体30から室外側に外れないように、ガラス25の端部を室外側から押さえる。吊元側縦框33及び戸先側縦框34に取り付けられる押し縁部材27は、受け台41に押さえ金具42Aが組み付けられてガラス25が押さえられた後に、取り付けられる。これによって、ガラス外れ止め具40の押さえ金具42Aは、押し縁部材27によって覆い隠され、室外側から視認されない。
挿入脚部422a,422a,422bは、いずれも細幅の薄板からなり、金属板を押さえ部421の一側縁から室内側に向けて一体に折り曲げることによって形成される。押さえ金具42Aの挿入脚部422a,422a,422bは、トリプルガラスからなるガラス25の奥行寸法に対応する延び方向の寸法を有する。詳しくは、押さえ金具42Aの挿入脚部422a,422a,422bの延び方向に沿う寸法は、受け台41の室内外方向に沿う寸法に略等しい寸法を有する。
係合爪部423は、3本の挿入脚部422a,422a,422bのうちの中央に配置される挿入脚部422bの先端に設けられる。詳しくは、挿入脚部422bの先端は、挿入脚部422bの延び方向と交差するように、両側の挿入脚部422a,422aに向けてT字状に延びる連結板424を有する。係合爪部423は、連結板424の両端部に、それぞれ押さえ部421に向けて延びるように一体に設けられる。一対の係合爪部423,423は、連結板424から、挿入脚部422a,422a,422bに対する押さえ部421の延び方向に向けて僅かに傾斜するように折り曲げられている。
押さえ金具42Aにおいて、挿入脚部422bの一対の係合爪部423,423の位置及び間隔は、受け台41の第1ブロック411に設けられる室内側端面41cに近い一対の係合部417,417の位置及び間隔に対応する。したがって、図8及び図10に示すように、受け台41の第1ブロック411の挿入孔414に、押さえ金具42Aの挿入脚部422a,422a,422bが挿入された際、一対の係合爪部423,423は、解除片415を挟んだ両側において、一対の係合部417,417にそれぞれ係合する。これによって、押さえ金具42Aは、受け台41に組み付けられて抜け止めされる。
このようにして受け台41に組み付けられた押さえ金具42Aの押さえ部421は、受け台41の室外側端面41bから、受け台41のガラス対向側面41aと同一の方向に張り出す。これによって、図1及び図12に示すように、框体30の内側に納められるガラス25の端部の室外側の面を押さえる。
図9に示すように、ペアガラス用の押さえ金具42Bは、トリプルガラス用の押さえ金具42Aと、挿入脚部422a,422a,422bの長さが異なる以外は、押さえ金具42Aと同一の構成を有する。したがって、図9において、押さえ金具42Aと同一の構成部位については同一の符号を付している。押さえ金具42Bの挿入脚部422a,422a,422bは、ペアガラスからなるガラス25の奥行寸法に対応する延び方向の寸法を有する。ペアガラスの奥行寸法は、トリプルガラスの奥行寸法よりも小さいため、押さえ金具42Bの挿入脚部422a,422a,422bの延び方向に沿う寸法は、受け台41の室内外方向に沿う寸法よりも短い。
押さえ金具42Bにおいて、挿入脚部422bの一対の係合爪部423,423の位置及び間隔は、受け台41の第1ブロック411に設けられる室外側端面41bに近い一対の係合部416,416の位置及び間隔に対応する。したがって、図9に示すように、受け台41の第1ブロック411の挿入孔414に、押さえ金具42Bの挿入脚部422a,422a,422bが挿入された際、一対の係合爪部423,423は、解除片415を挟んだ両側において、一対の係合部416,416にそれぞれ係合する。これによって、押さえ金具42Bは、受け台41に組み付けられて抜け止めされる。したがって、受け台41に組み付けられた押さえ金具42Bの押さえ部421も、押さえ金具42Aの押さえ部421と同様に、受け台41の室外側端面41bから、受け台41のガラス対向側面41aと同一の方向に張り出す。
このように、本実施形態のガラス外れ止め具40は、トリプルガラス用の受け台41に対して、トリプルガラス用の押さえ金具42Aだけでなく、奥行寸法が異なるペアガラス用の押さえ金具42Bを組み付けることによって、トリプルガラス用の押さえ金具42Aと同様に、ガラス25の端部の室外側の面を押さえることが可能である。したがって、このガラス外れ止め具40は汎用性が高い。例えば、ガラス外れ止め具40によってトリプルガラスからなるガラス25の外れ止めを行う際に、トリプルガラス用の押さえ金具42Aの数が足りなくなる等の事態が生じても、受け台41にペアガラス用の押さえ金具42Bを使用してガラス25を押さえることが可能である。
受け台41に組み付けられた押さえ金具42Aは、解除片415によって容易に係合解除して取り外すことができる。具体的には、図10中の矢印で示すように、作業者が、障子20の室内側から、ガラス25の表面に沿って、図示しない薄板等の取り外し治具をガラス外れ止め具40に向けて挿入し、取り外し治具の先端を解除片415に押し当てる。これによって、解除片415は、挿入孔414内に向けて弾性変形する。弾性変形した解除片415は、押さえ金具42Aの中央に配置される挿入脚部422bを押圧して変形させ、係合爪部423を係合部417から離脱させる。この状態で、押さえ部421を室外側に引き抜くことによって、押さえ金具42Aを容易に取り外すことができる。
受け台41に押さえ金具42Bが組み付けられる場合も、上記と同様にして、押さえ金具42Bの係合爪部423を係合部416から離脱させた後、押さえ部421を室外側に引き抜くことによって、押さえ金具42Bを容易に取り外すことができる。したがって、このガラス外れ止め具40によれば、ガラス交換時等に押さえ金具42A,42Bを容易に取り外すことができ、建具1のメンテナンス性を向上させることができる。
図11及び図12に示すように、吊元側縦框33及び戸先側縦框34の内周面にそれぞれ固定された受け台41の第2ブロック412とガラス25の端部との間には、薄板状の調整部材43が挿入される。調整部材43は、框体30の戸先側が下方に変形することを防止する戸先下がり防止用の樹脂製の板状部材である。詳しくは、調整部材43は、第2ブロック412における受け台41のガラス対向側面41aに沿って配置される矩形状の調整部材本体431と、この調整部材本体431の一側縁からL型に折り曲げられた溝挿入片432と、によって構成される。
調整部材43は、吊元側縦框33及び戸先側縦框34の内周面に固定された受け台41の第2ブロック412とガラス25の端部との隙間に、室外側から挿入される。調整部材43の調整部材本体431は、第2ブロック412における受け台41のガラス対向側面41aに沿って、作業者の指によって押し込まれる。調整部材43の溝挿入片432は、受け台41の溝部413に室外側から挿入される。これによって、調整部材43の挿入動作が、溝部413に沿って直線状にガイドされる。調整部材43は、所定の位置まで挿入された後、受け台41の第2ブロック412によって支持される。
受け台41の第2ブロック412には、調整部材43が挿入される室外側の角部に面取り部419を有する。調整部材43は矩形状に形成されているため、受け台41とガラス25との間に挿入された後の調整部材43の面取り部419に対応する角部には、面取り部419から三角形状にはみ出したはみ出し部431aが形成される。これによって、作業者が調整部材43を押し込む際に、はみ出し部431aの部位を摘んで押し込み操作することによって、指が第2ブロック412と干渉することなく、奥まで容易に押し込むことができる。このはみ出し部431aは、調整部材43が受け台41とガラス25との間に挿入された後であっても、指で容易に摘むことができる。そのため、調整部材43の挿入方向の位置を引き出す方向に調整する場合には、作業者は、このはみ出し部431aを指で摘むことによって、調整部材43を容易に引き出すことができる。
以上説明した上記実施形態の構成によれば、以下のような効果を奏する。ガラス外れ止め具40は、建具1の框体30の内周面とガラス25の端部との間に配置され、室外側に向けて開口する挿入孔414を有する受け台41と、受け台41の挿入孔414に挿入されて組み付けられ、ガラス25の端部の室外側の面を押さえる押さえ部421を有する押さえ金具42A,42Bと、によって構成される。押さえ金具42A,42Bは、押さえ部421から室内側に向けて延び、挿入孔414に対して挿入される挿入脚部422bの先端に係合爪部423を有する。受け台41は、室内外方向に沿う異なる位置に、挿入孔414に挿入される挿入脚部422bの係合爪部423と係合することによって、押さえ金具42A,42Bを抜け止めする係合部416,417をそれぞれ有する。これによって、奥行寸法がそれぞれ異なる押さえ金具42Aと押さえ金具42Bとを、共通の受け台41に組み付けて抜け止めすることができる。そのため、このガラス外れ止め具40によれば、奥行寸法が異なる押さえ金具42Aと押さえ金具42Bのいずれの押さえ金具でも組み付けることができる。したがって、ガラス外れ止め具40は、汎用性が高い。
本実施形態のガラス外れ止め具40において、受け台41は、挿入孔414に沿って室内側に向けて延び、外部から押圧された際に挿入孔414内に向けて弾性変形することによって、係合部416,417に対する係合爪部423の係合を解除する解除片415を有する。これによって、解除片415を押圧して弾性変形させることによって、押さえ金具42A,42Bの係合爪部423と受け台41の係合部416,417との係合を容易に解除することができる。そのため、このガラス外れ止め具40によれば、建具1のガラス交換等のメンテナンス性が向上する。
本実施形態のガラス外れ止め具40において、受け台41は、挿入孔414が設けられる第1ブロック411と、第1ブロック411に隣接して框体30の内周面に配置され、ガラス25の端部との間に挿入される戸先下がり防止用の板状の調整部材43を支持する第2ブロック412と、を有し、第2ブロック412は、調整部材43が挿入される側の角部に、面取り部419を有する。これによって、作業者は、調整部材43を押し込む際に、面取り部419からはみ出す調整部材43のはみ出し部431aの部位を摘んで押し込み操作することができる。指が第2ブロック412と干渉することがないため、作業者は調整部材43を奥まで容易に押し込むことができる。さらに、調整部材43の位置を引き出す方向に調整する場合には、作業者は、このはみ出し部431aを指で摘むことによって、調整部材43を容易に引き出すことができる。
以上、本開示のガラス外れ止め具が適用される建具は、上述の実施形態に示す縦辷り窓に制限されるものではなく、横辷り窓や引違い窓のような開閉可能な障子を備える建具にも適用できる。本開示のガラス外れ止め具は、FIX窓のような框体の内側に窓を固定する建具にも適用することができる。
上記実施形態の枠体10及び框体30は、何れも樹脂製であるが、枠体10及び框体30の見込方向の室外側及び室内側の少なくとも何れか一方に、アルミ等の金属製のカバー部材を追加的に配置する構成としてもよい。すなわち、樹脂製の枠及び樹脂製の框は、その内部、室内側又は室外側に金属部材を取り付けたものであってもよい。
1 建具、 25 ガラス、 30 框体、 40 ガラス外れ止め具、 41 受け台、 411 第1ブロック、 412 第2ブロック、 414 挿入孔、 415 解除片、 416,417 係合部、 419 面取り部、 42 押さえ金具、 421 押さえ部、 422b 挿入脚部、 423 係合爪部、 43 調整部材

Claims (2)

  1. 建具の框体の内周面とガラスの端部との間に配置され、室外側に向けて開口する挿入孔を有する受け台と、
    前記受け台の前記挿入孔に挿入されて組み付けられ、前記ガラスの端部の室外側の面を押さえる押さえ部を有する押さえ金具と、によって構成され、
    前記押さえ金具は、前記押さえ部から室内側に向けて延び、前記挿入孔に対して挿入される挿入脚部の先端に係合爪部を有し、
    前記受け台は、室内外方向に沿う異なる位置に、前記挿入孔に挿入される前記挿入脚部の前記係合爪部と係合することによって、前記押さえ金具を抜け止めする係合部をそれぞれ有するとともに、前記挿入孔に沿って室内側に向けて延び、外部から押圧された際に前記挿入孔内に向けて弾性変形することによって、前記係合部に対する前記係合爪部の係合を解除する解除片を有する、ガラス外れ止め具。
  2. 前記受け台は、
    前記挿入孔が設けられる第1ブロックと、
    前記第1ブロックに隣接して前記框体の内周面に配置され、前記ガラスの端部との間に挿入される戸先下がり防止用の板状の調整部材を支持する第2ブロックと、を有し、
    前記第2ブロックは、前記調整部材が挿入される側の角部に、面取り部を有する、請求項1記載のガラス外れ止め具。
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