JP7481055B1 - 亜臨界水処理装置及び亜臨界水処理ユニット - Google Patents

亜臨界水処理装置及び亜臨界水処理ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】有機性廃棄物を撹拌機構の中心線に沿って適度な速度で移動させつつ亜臨界水処理を行うことができ、有機性廃棄物の処理効率を向上し得る亜臨界水処理装置及び亜臨界水処理ユニットを提供する。【解決手段】本発明の一態様によれば、有機性廃棄物を亜臨界水処理して処理物を得る亜臨界水処理装置が提供される。この亜臨界水処理装置は、水平方向に沿って中心線を有する圧力容器と、圧力容器に収容された有機性廃棄物を撹拌する撹拌機構と、有機性廃棄物を加熱する加熱機構とを有する。圧力容器は、容器本体と、有機性廃棄物を容器本体内に投入する投入口と、処理物を容器本体内から排出する排出口とを備える。撹拌機構は、中心線に沿って配置された回転軸と、中心線に略直交する交差線に沿って回転軸から径方向外側に向かって突出し、互いに離間して設けられた複数の撹拌翼とを備える。各撹拌翼は、交差線に沿って略平行且つ中心線に対して傾斜する平坦面を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、亜臨界水処理装置及び亜臨界水処理ユニットに関する。
特許文献1には、亜臨界水条件下での水熱反応を利用して廃棄物の分解等の処理を行う有機系廃棄物処理装置が記載されている。この有機系廃棄物処理装置は、耐熱耐圧容器と、耐熱耐圧容器内に設けられたスクリュウ羽根とを有している。そして、耐熱耐圧容器内に収容された廃棄物をスクリュウ羽根で撹拌しつつ処理する。
特許第4751977号
しかしながら、特許文献1に記載されたようなスクリュウ羽根で廃棄物を撹拌すると、耐熱耐圧容器内で廃棄物がスクリュウ羽根の軸(中心線)に沿った片側に大きく移動して偏在してしまう。そのため、かかる有機系廃棄物処理装置では、廃棄物に対して十分に分解等の処理を行うために、スクリュウ羽根の正転及び逆転を頻繁に繰り返す必要がある。
本発明では上記事情に鑑み、有機性廃棄物を撹拌機構の中心線に沿って適度な速度で移動させつつ亜臨界水処理を行うことができ、有機性廃棄物の処理効率を向上し得る亜臨界水処理装置及び亜臨界水処理ユニットを提供することとした。
本発明の一態様によれば、有機性廃棄物を亜臨界水処理して処理物を得る亜臨界水処理装置が提供される。この亜臨界水処理装置は、水平方向に沿って中心線を有する圧力容器と、圧力容器に収容された有機性廃棄物を撹拌する撹拌機構と、有機性廃棄物を加熱する加熱機構とを有する。圧力容器は、容器本体と、有機性廃棄物を容器本体内に投入する投入口と、処理物を容器本体内から排出する排出口とを備える。撹拌機構は、中心線に沿って配置された回転軸と、中心線に略直交する交差線に沿って回転軸から径方向外側に向かって突出し、互いに離間して設けられた複数の撹拌翼とを備える。各撹拌翼は、交差線に沿って略平行且つ中心線に対して傾斜する平坦面を備える。
かかる態様によれば、有機性廃棄物を撹拌機構の中心線に沿って適度な速度で移動させつつ亜臨界水処理を行うことができ、その結果、有機性廃棄物の処理効率を向上することができる。
亜臨界水処理装置の実施形態を部分的に断面で示す概念図である。 隔離板の構成を示す平面図である。 外部に高圧ボイラーを付帯する場合の亜臨界水処理装置を部分的に示す概念図である。 撹拌翼を拡大して示す図である。 亜臨界水処理装置の上面側から見た際の、圧力容器、撹拌機構、及び排出口の関係を示す図である。 亜臨界水処理の流れを示すフローチャートである。 亜臨界水処理の流れを示すフローチャートである。 亜臨界水処理ユニットの実施形態を示す概念図である。 変形例1に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。 側面側から見た際の、変形例1に係る亜臨界水処理装置を部分的に断面で示す概念図である。 変形例1に係る亜臨界水処理装置1の上面側から見た際の、圧力容器、撹拌機構、及び排出口の関係を示す図である。 変形例2に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。 変形例2に係る亜臨界水処理装置の上面側から見た際の、圧力容器、撹拌機構、及び排出口の関係を示す図である。 変形例3に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。 変形例4に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。 変形例4に係る第2の撹拌翼を拡大して示す図である。 変形例4に係る圧力容器、撹拌機構、及び排出口の関係を示す図である。 変形例5に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組合せ可能である。
<亜臨界水処理装置>
まず、本発明の亜臨界水処理装置について説明する。
図1は、亜臨界水処理装置の実施形態を部分的に断面で示す概念図である。図2は、隔離板の構成を示す平面図である。
本発明の亜臨界水処理装置1は、有機性廃棄物を亜臨界水処理して処理物を得る亜臨界水処理装置である。
ここで、亜臨界水処理とは、水の臨界温度以下の高温であり、且つ、飽和水蒸気圧以上の高圧である、高温且つ高圧下で、気体状の亜臨界水を有機性廃棄物に接触させて低分子化する方法である。この低分子化により、有機性廃棄物が分解されて処理物が得られる。
有機性廃棄物は、通常、嫌気性細菌や好気性細菌では加水分解できない廃棄物である。かかる有機性廃棄物としては、例えば、紙類、布類、衣類、プラスチック類、ゴム類、皮革類、木竹類、ワラ類、厨芥類、不燃物類、医療廃棄物類、パッケージされたままの廃棄食品類等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を含んでいてよい。
図1に示す亜臨界水処理装置1は、水平方向に沿って中心線O21を有する圧力容器2と、圧力容器2に収容された有機性廃棄物を撹拌する撹拌機構3と、有機性廃棄物を加熱する加熱機構4とを有する。なお、以下の説明において、周方向とは、中心線O21回りの方向を、径方向とは、中心線O21を中心とした半径の方向を意味する。
圧力容器2は、容器本体21と、有機性廃棄物を容器本体21内に投入する投入口22と、処理物を容器本体21内から排出する排出口23と、液体収容部24と、隔離板25と、架台29とを備える。
本実施形態の圧力容器2は、容器本体21の中心線O21が水平方向に沿うように、架台29によって支持された横置き型の圧力容器である。
容器本体21の容積は、200~5000L程度であることが好ましく、250~4000L程度であることがより好ましく、300~3000L程度であることがさらに好ましい。かかる容積の容器本体21を使用すれば、有機性廃棄物を十分に収容しつつ、亜臨界水処理装置1を十分に小型化することができ、大容量かつ省スペースな亜臨界水処理装置1へのニーズに応えることができる。
また、後述するようにコンテナ内に亜臨界水処理装置1を収容することができるようになり、この状態で目的とする場所にまで搬送することができる。
投入口22は、筒状の胴部221を有し、容器本体21の上部に形成された貫通孔2113に連通するように、容器本体21に接続されている。また、投入口22は、胴部221の開口222を気密的に封止する蓋部(クラッチドア)223を有する。
さらに、投入口22は、圧力容器弁224及び225を有する。圧力容器弁224又は225を開閉することで、圧力容器2内部の圧力を調整することができる。なお、圧力容器弁224又は225は、投入口22に設けられる必要はなく、圧力容器2の他の場所に設けられてもよい。
排出口23は、筒状の胴部231を有し、容器本体21の端部に形成された貫通孔2123に連通するように、容器本体21に接続されている。したがって、排出口23(胴部231)の中心線O23は、容器本体21の中心線O21に対して傾斜し、容器本体21と反対側の開口232は、鉛直方向斜め下側を向いている。また、排出口23は、胴部231の開口232を気密的に封止する蓋部(クラッチドア)233を有する。
かかる圧力容器2では、蓋部233を閉塞した状態で蓋部223を開放することにより、投入口22の胴部221を介して有機性廃棄物を容器本体21内に投入することができる。その後、蓋部223を閉塞した状態とし、容器本体21内で有機性廃棄物に対して亜臨界水処理を行う。この有機性廃棄物の亜臨界水処理により生成した処理物は、蓋部233を開放することにより、排出口23の胴部231を介して容器本体21から取り出すことができる。
特に、排出口23の中心線O23が、容器本体21の中心線O21に対して傾斜しているので、処理物の容器本体21内からの排出(取出)作業を行い易い。
液体収容部24は、圧力容器2に設けられ、有機性廃棄物の亜臨界水処理に使用する液体Lを収容する。液体収容部24に、上記液体Lを収容した状態で、圧力容器2を密閉し、加熱機構4により有機性廃棄物の加熱を開始する。これにより、液体収容部24に収容された液体Lから、気体状の亜臨界水が生成され、この亜臨界水を有機性廃棄物に接触させることで、有機性廃棄物の低分子化が進行する。
ここで、上記液体Lは、水を主成分とすればよく、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、過酸化水素、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
かかる亜臨界水処理装置1によれば、高圧ボイラーを付帯しないので、亜臨界水処理装置1の小型化を図ることができる。したがって、亜臨界水処理装置1を比較的狭いスペースに設置することができる。このため、後述するように亜臨界水処理装置1を移動可能に構成し、市街地のコンビニエンスストアに隣接して配置すれば、廃棄される賞味期限切れの日配品(主に、弁当類)を簡便に亜臨界水処理することができる。
また、高圧ボイラーを付帯しないので、亜臨界水処理装置1の運転及び操作は、ボイラー技士の有資格者によらず、コンビニエンスストアのレジ担当でも行うことができる。したがって、亜臨界水処理装置1の操作性及び利便性が極めて高い。
本実施形態では、排出口23の内側空間の一部が、液体収容部24として機能するように構成されている。かかる構成によれば、圧力容器2の部品点数の増大や、圧力容器2の構成の複雑化を防止することができる。したがって、亜臨界水処理装置1の小型化に寄与する。
なお、排出口23の設置位置の変更、排出口23の中心線O23の容器本体21の中心線O21に対する傾斜角度の調整等により、排出口23の内部空間の全体を、液体収容部24として機能させることもできる。
また、液体収容部24は、排出口23から独立して構成されてもよい。かかる構成としては、例えば、容器本体21の底面側の内面に凹没形成した凹部、容器本体21の上面側の内面に固定又は内面から吊下された容器等が挙げられる。
隔離板25は、容器本体21と排出口23との境界部に設けられている。この隔離板25は、液体Lの蒸気の通過を許容するが、有機性廃棄物の通過を阻止する機能を備える。かかる構成によれば、排出口23(液体収容部24)内に収容された液体Lに、有機性廃棄物が混入するのを防止又は抑制することができる。すなわち、亜臨界水処理装置1は、液体収容部24に収容された液体Lから隔離した隔離状態で、有機性廃棄物を容器本体21に収容可能である。そして、その隔離状態は隔離板25の存在により確保されている。一方、生成された液体Lの蒸気(気体状の亜臨界水)を有機性廃棄物に十分に接触させ、その低分子化を確実に促進することができる。
図2に示す隔離板25は、複数枚の扇状の板材251を中心部で互いに展開可能に固定することにより、全体として円形状をなしている。各板材251には、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔2511が形成されている。貫通孔2511を介して液体Lを排出口23の内側空間(液体収容部24)に供給し、液体Lの蒸気は貫通孔2511を介して容器本体21内に移動することができる。
なお、液体収容部24が排出口23の内部に設けられていない場合、隔離板25は、図2のように構成される必要はない。この場合、隔離板25は、排出口23への有機性廃棄物の通過を阻止できればよい。
本実施形態では、加熱機構4は、容器本体21の全体を覆うように設けられている。ただし、加熱機構4は容器本体21の一部を覆うように設けられていてもよい。例えば、加熱機構4は、容器本体21の下側の部分を覆うように設けられていてもよい。この場合、容器本体21と排出口23の内側空間とを省電力で効率よく加熱することができる。これにより、液体Lの蒸気(気体状の亜臨界水)を省電力で円滑に生成させることができる。
加熱機構4は、例えば、アルミナヒーター式、オイルヒータ式、光加熱(赤外線)式、IHヒータ式等の加熱機構で構成することができる。
なお、配置スペースに比較的余裕がある場合は、亜臨界水処理装置1は、液体収容部24を有する代わりに、外部又は内部に高圧ボイラーを付帯するように構成されていてもよい。この場合、高圧ボイラーから気体状の亜臨界水又は蒸気(以下、まとめて高温の蒸気ともいう)が、容器本体21内と加熱機構4内とに供給される。
図3は、外部に高圧ボイラーを付帯する場合の亜臨界水処理装置を部分的に示す概念図である。図3では、加熱機構4、容器本体21、排出口23、及び、蒸気供給管41,42以外の構成を省略している。図3で省略されている構成は、液体収容部24を有する場合の構成と同様である。
亜臨界水処理装置1が高圧ボイラーを付帯する場合、加熱機構4は中空の構造(容器本体21と容器本体21と間隔を空けて配置されるジャケットとの二重構造)を有する。高圧ボイラーに接続された蒸気供給管41、42を介して、それぞれ容器本体21内及び加熱機構4内に高温の蒸気が供給される。
蒸気供給管41を介して加熱機構4内に高温の蒸気が供給されると、容器本体21内が加熱される。容器本体21内が加熱されると、蒸気供給管42を介して容器本体21内に供給された高温の蒸気が熱せられ続ける。そして、容器本体21内の温度及び圧力が、後述する所定の温度及び圧力に達すると、容器本体21内は気体状の亜臨界水で満たされる。
圧力容器2が液体収容部24を有する代わりに高圧ボイラーを付帯している場合、高圧ボイラーから高温の蒸気が容器本体21内に供給されるため、亜臨界水処理装置1を起動してから短時間で気体状の亜臨界水を発生させることができる。したがって、亜臨界水処理全体にかかる時間を短縮し得る。
撹拌機構3は、回転軸31と、複数(本実施形態では6つ)の撹拌翼32と、モータ33と、ベルト34と、架台35とを備える。
回転軸31は、容器本体21の中心線O21に沿って、且つ、その一端部が容器本体21を貫通して配置されている。なお、回転軸31が容器本体21を貫通する部分には、封止構造(図示せず。)が設けられており、容器本体21の気密性が保持されている。
モータ33は、架台35に設置されている。また、モータ33の回転軸は、容器本体21から突出する回転軸31の端部にベルト34を介して接続されている。これにより、モータ33の回転力を回転軸31に伝達することができる。
この回転軸31には、6つの撹拌翼32が中心線O21に沿った方向(回転軸31の長手方向)に沿って互いに離間して設けられ、且つ、回転軸31の周方向に沿って略等間隔(略180°間隔)で配置されている。
図4は、撹拌翼を拡大して示す図である。図5は、亜臨界水処理装置1の上面側から見た際の、圧力容器2(容器本体21)、撹拌機構3(回転軸31及び撹拌翼32)、及び排出口23の関係を示す図である。図5では、亜臨界水処理装置1の一部を断面で示している。また、図5では、加熱機構4、容器本体21、排出口23、回転軸31、及び撹拌翼32以外の構成を省略している。図5において、回転軸31の下側に位置する撹拌翼32は破線で示す。
図1等に示すように、複数の撹拌翼32は、互いに同じ形状をなしている。そして、各撹拌翼32は、円柱状の翼軸部321と、翼軸部321の回転軸31とは反対側に設けられた翼部322とを有している。
各撹拌翼32(翼軸部321)は、容器本体21の中心線O21に略直交する交差線Iに沿って回転軸31から径方向外側に向かって突出している。
本実施形態において、各翼部322は、2つの主面(平坦面)3221と、主面3221を繋ぐ2つの側面3222とを備える。主面3221は、交差線Iに対し略平行であり、容器本体21の中心線O21に対して傾斜角度θで傾斜している。すなわち、各撹拌翼32は、交差線Iに沿って略平行且つ中心線O21に対して傾斜する主面3221を備えている。なお、側面3222の形状は、特に限定されないが、本実施形態では平坦であり、容器本体21の中心線O21に対して所定の傾斜角度で傾斜している。また、本実施形態では、主面3221と側面3222とのなす角度が略90°である。また、各翼部322の頂面(翼軸部321と反対側の面)は、容器本体21の内面の形状に対応して円弧状をなしている。
傾斜角度θは、主面3221と中心線O21とのなす2つの角度のうち、小さい方の角度である。
本実施形態の亜臨界水処理装置1のように、中心線O21が水平方向に沿う横置き型の圧力容器2を有する場合、圧力容器2に収容された有機性廃棄物及び処理物を中心線O21に沿った方向に移動させることが困難な場合がある。この場合、有機性廃棄物を十分に撹拌することができず、気体状の亜臨界水との接触の機会が低減し、その処理効率を高めることができない。
そこで、本実施形態の亜臨界水処理装置1では、各撹拌翼32に中心線O21に対して傾斜する主面(平坦面)3221を設けることとした。かかる主面3221を設けることにより、モータ33が回転軸31を回転駆動させた際に、容器本体21内の有機性廃棄物に主面3221を接触させて、有機性廃棄物を中心線O21に沿った方向に押し込むことで移動させ得るようになる。そのため、有機性廃棄物を十分に撹拌することができ、その処理効率が向上する。
具体的には、モータ33による回転軸31の正転又は逆転を行うことにより、容器本体21内において有機性廃棄物を、鉛直上下方向のみならず、中心線O21に沿った方向にも移動させて撹拌することができる。さらに、有機性廃棄物を亜臨界水処理した後に、生じた処理物を排出口23付近に移動させることができるので、この処理物を速やかに排出口23から排出することもできる。
さらに、撹拌翼32が互いに離間して設けられていることにより、中心線O21に沿った方向に移動する有機性廃棄物を鉛直上方に跳ね上げた(掻き揚げた)後、撹拌翼32同士の間で鉛直下方に落下させることができる。これにより、有機性廃棄物を亜臨界水処理する際に、有機性廃棄物を中心線O21に沿った方向に必要以上に移動させるのを抑制することができる。このため、回転軸31の正転と逆転とを頻繁に繰り返すことを防止することが可能である。
本実施形態では、全ての撹拌翼32は互いに同じ形状を有する。この場合、撹拌翼32が互いに異なる形状を有する場合よりも、設計コストや製造コスト、メンテナンスコスト等を軽減させ得ることが期待できる。
また、全ての撹拌翼32が互いに同じ形状を有するため、隣り合う2つの撹拌翼32は、中心線O21に対する傾斜角度θが略等しい主面3221を備える。これにより、容器本体21内の有機性廃棄物及び処理物を中心線O21に沿った方向に、一定の速度で移動させ易くなる。したがって、有機性廃棄物及び処理物を移動させる際の円滑さを向上し得る。
主面3221の中心線O21に対する傾斜角度θは、30~70°程度であることが好ましく、35~65°程度であることがより好ましい。
このように構成することで、モータ33が回転軸31を回転駆動させた際に、主面3221が有機性廃棄物をより押し込んで移動させ易くなるので、有機性廃棄物の処理効率がさらに向上する。また、亜臨界水処理を行うことで得られた処理物を排出口23付近に移動させ易くなるため、排出口23から速やかに処理物を排出させることができる。
また、傾斜角度θが30~70°程度である主面3221について、排出口23に近い主面3221ほど、中心線O21に対する傾斜角度θが大きくなるように設定してもよい。この場合、排出口23に近づくほど、処理物の中心線O21に沿った方向の移動が抑制され得る。したがって、処理物を排出する際に、排出口23の周辺に溜めやすくなることが期待でき、排出口23から処理物をより円滑に排出させることができる。
傾斜角度θを排出口23に近づくにつれて徐々に大きくする代わりに、排出口23に近い主面3221のみ中心線O21に対する傾斜角度θを大きくしてもよい。
また、傾斜角度θが30~70°程度である主面3221について、投入口22に近い主面3221ほど、中心線O21に対する傾斜角度θが小さくなるように設定してもよい。この場合、投入口22に近いほど、有機性廃棄物の中心線O21に沿った方向の移動が促進され得る。したがって、投入口22から投入された有機性廃棄物が投入口22の周辺に留まることを防止することが期待でき、円滑に亜臨界水処理を行うことができる。
傾斜角度θを投入口22に近づくにつれて徐々に小さくする代わりに、投入口22に近い主面3221のみ、中心線O21に対する傾斜角度θを小さくてもよい。
また、本実施形態では、隔離板25から蒸気が供給されるため、隔離板25付近では活性の高い気体状の亜臨界水が多く存在している可能性がある。そのため、傾斜角度θが30~70°程度である主面3221について、隔離板25に近い主面3221ほど、中心線O21に対する傾斜角度θが小さくなるように設定してもよい。これにより、活性の高い気体状の亜臨界水が多く存在している箇所において、有機性廃棄物の中心線O21に沿った方向の移動が抑制されるため、亜臨界水処理の効率が向上し得る。
また、主面3221の交差線Iと直交する方向の最大長さをX[mm]とし、容器本体21の直径をY[mm]としたとき、X/Yが0.2~0.5程度であることが好ましく、0.25~0.45程度であることがより好ましい。このように構成することで、有機性廃棄物と主面3221との接触面積を十分に確保することができ、有機性廃棄物を中心線O21に沿った方向により移動させ易くなる。さらに、撹拌翼32で掻き揚げられた有機性廃棄物を、隣り合う撹拌翼32同士の間で鉛直下方に落下させ易くなる。したがって、主面3221が有機性廃棄物を中心線O21に沿った方向に適度な速度で移動させることができるので、有機性廃棄物の処理効率がさらに向上し得る。
例えば、容積3000Lの容器本体21の場合、X/Yが好ましくは0.35程度に設定され、容積400Lの容器本体21の場合、X/Yが好ましくは0.34程度に設定される。
なお、撹拌翼32において、翼軸部321と翼部322とは、一体的に形成されていてもよく、別体として形成され、互いに接続されてもよい。後者の場合、形状の異なる翼部322に取り替えて使用することができる。
撹拌翼32の形状は、互いに同一である必要はなく、互いに異なっていてもよい。例えば、異なる形状の撹拌翼の組が複数組で設けられていてもよい。
また、撹拌翼32の形状は、設置位置によって機能が異なるように構成してもよい。例えば、中央部の撹拌翼32では、中心線O21に沿った方向に有機性廃棄物を移動させ易い形状に、端部の撹拌翼32では、有機性廃棄物を掻き出し易い形状に構成してもよい。
撹拌翼同士の形状が互いに異なる例については、変形例4において詳述する。
撹拌翼32が備える主面3221の数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。
また、主面3221の形状は、図示の形状に限定されず、例えば、台形、三角形、五角形、半円形等であってもよい。
主面の数や形状が本実施形態とは異なる例については、変形例4において詳述する。
翼軸部321の形状も、円柱状に限定されず、例えば、円錐台状、四角柱状等であってもよい。
また、撹拌翼32の設置数は、6つに限定されず、2つ、3つ、4つ又は7つ以上であってもよい。
また、撹拌翼32の設置間隔は、回転軸31の周方向に沿って180°間隔に限定されず、例えば、周方向に沿って60°間隔、90°間隔、120°間隔、210°間隔であってもよい。
さらに、撹拌翼32の回転軸31の周方向に沿った設置間隔は、中心線O21に沿って不均一であってもよい。例えば、撹拌翼32は、容器本体21の端部では回転軸31の周方向に沿って90°間隔で設置され、中央部では回転軸31の周方向に沿って180°間隔で設置されていてもよい。
また、撹拌翼32は、中心線O21に沿った方向の同じ位置に、回転軸31の周方向に沿って複数設けられていてもよい。すなわち、複数の撹拌翼32は、回転軸31の同一円周上に位置していてもよい。例えば、有機性廃棄物及び処理物が滞留し易い箇所(例えば、容器本体21の端部)では、回転軸31の同一円周上に複数の撹拌翼32を設けてもよい。
撹拌翼32の設置間隔が不均一であり、回転軸31の同一円周上に複数の撹拌翼32を設ける例については、変形例5において詳述する。
<亜臨界水処理>
次に、本実施形態の亜臨界水処理装置1における亜臨界水処理について説明する。
図6は、亜臨界水処理の流れを示すフローチャートである。
S101において、排出口23の蓋部233を閉じた状態で、投入口22の蓋部223を開き、開口222及び貫通孔2113から液体収容部24に液体Lを投入する。この液体Lから、亜臨界水処理に必要な液体Lの蒸気(気体状の亜臨界水)が得られる。
続いて、S102において、開口222及び貫通孔2113から容器本体21内に有機性廃棄物を投入する。有機性廃棄物を投入したら、蓋部223を閉じる。蓋部223が閉じられると、圧力容器2は密閉状態になる。
S103において、加熱機構4を起動させることで容器本体21内を加熱する。容器本体21の熱が液体収容部24に伝わると、液体収容部24内の液体Lから蒸気が発せられる。この蒸気が隔離板25の貫通孔2511を介して容器本体21内に供給されると、密閉状態の圧力容器2内の圧力が上昇する。
また、モータ33を起動させることで回転軸31を回転させる。すなわち、撹拌機構3を起動させて、有機性廃棄物の撹拌を開始する。
この際、上述したように、モータ33による回転軸31の正転又は逆転により、主面3221が有機性廃棄物を押し込んで、有機性廃棄物を中心線O21に沿った方向に移動させることができる。この移動の際に、撹拌翼32により有機性廃棄物を鉛直上方に掻き揚げ、互いに離間した複数の撹拌翼32同士の間で鉛直下方に有機性廃棄物を落下させる。これにより、有機性廃棄物の不必要な移動を防ぐことができるため、モータ33による回転軸31の正転及び逆転の繰り返し回数を抑制することができる。したがって、省電力で亜臨界水処理を行うことができる。
次に、S104において、圧力容器2内の圧力及び温度が規定値に到達したかどうかを確認する。圧力又は温度が規定値に到達していない場合、S104に留まり、圧力及び温度の両方が規定値に到達した場合、S105に進む。
S104における判断の基準となる圧力及び温度の規定値は、亜臨界水処理に必要な温度及び圧力の値であり、後に記載する。
S105において、一定時間経過したかどうかを確認する。一定時間が経過していない場合、S105に留まり、一定時間が経過した場合、S106に進む。
S105における判断の基準となる時間は、亜臨界水処理に必要な時間であり、後に記載する。
なお、本実施形態の亜臨界水処理装置1は、上述したように、中心線O21に対し傾斜する主面3221を備え、且つ互いに離間した複数の撹拌翼32を有するため、有機性廃棄物を鉛直上下方向のみならず、中心線O21に沿った方向に適度な速度で移動させつつ(すなわち、十分に撹拌しつつ)、亜臨界水処理を効率的に行うことができる。これにより、亜臨界水処理にかかる時間を短縮することが期待できる。
S106において、亜臨界水処理に必要な温度及び圧力下において、必要な時間が経過すると、加熱機構4を停止させる。また、圧力容器弁224又は225を微かに開放する。すなわち、圧力容器2内の圧力を低下させつつ降温させる。
続いて、S107において、圧力容器2内の圧力及び温度が十分に低下したかどうかを確認する。圧力又は温度が十分に低下していない場合は、S107に留まり、圧力及び温度が十分に低下した場合は、S108に進む。
S107においては、安全に処理物を取り出すことのできる圧力及び温度まで、圧力容器2内の圧力及び温度が低下したかどうかを確認する。
S108において、排出口23の蓋部233を開いて、容器本体21内の処理物を取り出す。処理物を取り出す際には、回転軸31を回転させることにより、撹拌翼32が処理物を排出口23付近に移動させる。処理物の排出が終了し、撹拌機構3を停止させることにより、本亜臨界水処理を終了する。
図7は、亜臨界水処理の流れを示すフローチャートである。図7では、亜臨界水処理装置1が液体収容部24を有する代わりに高圧ボイラーを付帯している場合の亜臨界水処理の流れを示す。
図7のS201、S204~S205、S207~S208はそれぞれ、図6を参照して説明したS102、S104~S105、S107~S108と同様であるため、その説明を省略する。
S202において、高圧ボイラーを起動させる。高圧ボイラーからは、亜臨界水処理に必要な気体状の亜臨界水を生成するための高温の蒸気が供給される。
S203において、蒸気供給管41、42を介して、高圧ボイラーからの高温の蒸気を、それぞれ加熱機構4内及び容器本体21内に供給する。このとき、蒸気供給管41を介した加熱機構4内への高温の蒸気の供給を先に行う。加熱機構4を介して容器本体21内を予め加熱しておくことで、容器本体21内に供給された高温の蒸気が、容器本体21内で冷えて復水することを防ぐことができる。また、S203において、図6のS103と同様に撹拌機構3を起動させて、有機性廃棄物の撹拌を開始する。
S206において、亜臨界水処理に必要な温度及び圧力下において、必要な時間が経過すると、高圧ボイラーを停止させる。また、圧力容器弁224又は225を微かに開放する。すなわち、圧力容器2内の圧力を低下させつつ降温させる。
以上説明した流れによれば、本実施形態の亜臨界水処理装置1を用いて亜臨界水処理を行うことができる。
なお、S106及びS206の後、加熱機構4による処理物の加熱を継続してもよい(S206の場合、加熱機構4への高温の蒸気の供給を継続)。これにより、処理物の含水量を低下させる(調整する)ことができる。かかる処理は、後述のような燃料用途のペレットの製造に、処理物を使用する場合に有効である。
図6に示す亜臨界水処理の場合、亜臨界水処理に使用する液体Lの量は、特に限定されないが、容器本体21の容積の0.001~0.1倍程度であることが好ましく、0.005~0.05倍程度であることがより好ましい。かかる量の液体Lを使用すれば、有機性廃棄物を低分子化するのに十分な気体状の亜臨界水を生成することができる。
気体状の亜臨界水(液体Lの蒸気)の温度は、150~230℃程度であることが好ましく、160~220℃程度であることがより好ましい。また、その圧力は、15~25気圧程度であることが好ましく、18~22気圧程度であることがより好ましい。
気体状の亜臨界水の具体的な温度及び圧力は、200℃程度、20気圧程度であることが好ましい。
撹拌翼32の径方向外側端の回転周速は、2m/秒以上であることが好ましく、3m/秒以上であることがより好ましい。なお、回転周速の上限値は、通常、7m/秒程度である。かかる回転周速であれば、有機性廃棄物の中心線O21に沿った方向へ適度な速度で移動させることができるとともに、高出力の高価なモータ33の使用を回避することができる。
亜臨界水処理における時間は、有機性廃棄物の種類等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、0.1~10時間程度であることが好ましく、0.5~5時間程度であることがより好ましい。
この亜臨界水は、誘電率が15~45であり、低極性溶媒の誘電率と同等である。このため、多くの有機物を溶解することができる。さらに、亜臨界水は、イオン積が1×10-12~1×10-11mol/kgであり、水素イオンと水酸化物イオンとに分離する割合が大きく、よって、強い加水分解作用を示す。
なお、室温且つ大気圧下での水の誘電率は、約80であり、温度約25℃且つ大気圧下での水のイオン積は、1×10-14mol/kgである。
低分子化された有機性廃棄物(すなわち、処理物)は、その可溶化率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
ここで、可溶化率とは、亜臨界水処理後の全有機物に対する可溶性有機物の比率であり、数値が高いほど有機物の低分子化が進んでいることを意味する。
有機性廃棄物の低分子化物の具体例としては、例えば、炭水化物、タンパク質、脂肪等が分解され、これらのそれぞれ対応する糖類、アミノ酸類、高級脂肪酸類等が挙げられる。
また、亜臨界水処理装置1での亜臨界水処理は、その性質上バッチ処理となるが、本発明では、数バッチ/日の割合で実施することができる。
<亜臨界水処理ユニット>
次に、本発明の亜臨界水処理ユニットについて説明する。
図8は、亜臨界水処理ユニットの実施形態を示す概念図である。
図8に示す亜臨界水処理ユニット100は、上記亜臨界水処理装置1と、この亜臨界水処理装置1に接続されたペレット化装置・半炭化装置10とを有する。
処理物を含む混合物(ペレット原料)は、処理物を含むペレット原料を半炭化する半炭化装置により半炭化した後、これをペレット化装置によりペレット化してもよく、この逆であってもよい。ここで、ペレット化装置は、ペレット原料又は半炭化後のペレット原料をペレット化して、ペレットを得る装置である。
なお、ペレット化装置・半炭化装置10は、必要に応じて、処理物と木質バイオマスとを混合して、これらの混合物をペレット原料として得る混合装置(不図示)を備えていてもよい。
有機性廃棄物は、収集地域、時期により組成が異なり、亜臨界水処理により得られた処理物の発熱量も変動する。この発熱量の変動を補完(調整)すること等を目的として、木質バイオマスを処理物と混合することができる。これにより、石炭と同等の安定した発熱量を有し、RPFで定められた全塩素分の質量分率における品質区分と同等の品質を有するペレット(固形燃料)を極めて短時間で良好に製造することができる。
本発明において使用可能な木質バイオマスとしては、山から伐採した原木(丸太)を木材(板材、柱材等)に加工する際に発生する端の部分(いわゆる「端材(はざい)」)や、丸太の樹皮等の粉砕物及び木材を原料とする廃棄紙が挙げられる。
得られるペレットは、燃焼させればCOを発生するが、木質バイオマスであれば、森林の木々が吸収したCOを大気中に戻すだけなので、カーボンニュートラルである。したがって、例えば、本実施形態で得られるペレットのような「バイオマスエネルギー燃料」は、エコロジーな燃料とも言える。
なお、得られるペレットは、目的の装置の燃料として好適に使用できれば、そのサイズ、形状等は、特に限定されるものではない。
また、半炭化により得られたペレットは、含水率及び揮発性の有機成分の含有率が抑制されるとともに、純度の高い炭化物で構成される。したがって、ペレットは、その発熱量が増大し、自然環境での耐久性及び保存安定性に優れる。
半炭化装置による半炭化処理は、酸素濃度が低い雰囲気中で、ペレット原料に対して熱処理することにより行われる。
熱処理の温度は、200~700℃程度であることが好ましく、200~300℃程度であることがより好ましい。また、熱処理の時間は、1~24時間程度であることが好ましく、1~3時間程度であることがより好ましい。
かかる条件で半炭化処理を行うことにより、ペレット原料を確実に半炭化状態とすることができる。
ここで、半炭化状態とは、ペレット原料の半分程度が炭化物に変換された状態を言う。
ペレット化装置には、例えば、ストランド方式の押出機、ホットカット方式の押出機等を使用することができる。
また、本実施形態の亜臨界水処理ユニット100は、図8に示すように、亜臨界水処理装置1、ペレット化装置・半炭化装置10を収容した状態で搬送可能なコンテナ200を有する。
コンテナ200は、亜臨界水処理装置1及びペレット化装置・半炭化装置10を収容した状態で、大型車両300に積載されている。これにより、亜臨界水処理ユニット100を、目的に応じて、所定の箇所に移動させることができる。
コンテナ200の容積は、10~70m程度であることが好ましく、15~65m程度であることがより好ましく、20~50m程度であることがさらに好ましい。かかるサイズのコンテナ200であれば、市街地であっても、その設置場所を確保し易い。
さらに、亜臨界水処理ユニット100は、目的に応じて、ペレット化装置・半炭化装置10に代えて、あるいは、ペレット化装置・半炭化装置10と組み合わせて、水処理装置・脱臭処理装置を有していてもよい。
ここで、水処理装置は、亜臨界水処理装置1から排出されたガスを水処理する装置であり、その処理方法は、水処理の目的や基準に応じて選定される。この水処理装置は、例えば、加圧浮上処理を行う装置等で構成することができる。また、脱臭処理装置は、亜臨界水処理装置1から排出されたガスを脱臭処理する装置であり、例えば、吸着フィルター装置等で構成することができる。
亜臨界水処理装置1から排出されたガスは、水処理装置により水処理した後、これを脱臭処理装置により脱臭処理してもよく、この逆であってもよい。
なお、亜臨界水処理ユニット100は、亜臨界水処理装置1と、ペレット化装置、半炭化装置、水処理装置及び脱臭処理装置のうちの少なくとも1つの装置とを有していればよい。この場合、コンテナ200は、亜臨界水処理装置1及び上記少なくとも1つの装置を収容する。
したがって、亜臨界水処理ユニット100を構成する複数の装置は、コンテナ200の容積(サイズ)や容器本体21の容積、高圧ボイラーの付帯の有無等に応じて、全ての装置を1つのコンテナ200に収容してもよく、複数のコンテナ200に分けて収容するようにしてもよい。後者の場合、複数のコンテナ200の容積は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、有機性廃棄物を適度な速度で移動させつつ亜臨界水処理を行うことができ、処理効率を向上し得る亜臨界水処理装置1及び亜臨界水処理ユニット100を提供することができる。
<変形例>
以下、本実施形態の亜臨界水処理装置1の各変形例について説明する。各図において、上記構成例(図1等参照)と同様の部材については同じ符号を付す。
また、亜臨界水処理装置1の各変形例について説明するが、上記構成例との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
(変形例1)
図9は、変形例1に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。また、図9では、排出口23を破線で示す。図10は、側面側(図9の右側)から見た際の、変形例1に係る亜臨界水処理装置を部分的に断面で示す概念図である。図10では、加熱機構4、容器本体21、投入口22、排出口23、液体収容部24、架台29以外の構成を省略している。
図11は、変形例1に係る亜臨界水処理装置1の上面側から見た際の、圧力容器、撹拌機構、及び排出口の関係を示す図である。図11では、亜臨界水処理装置1の一部を断面で示している。また、図11では、加熱機構4、容器本体21、排出口23、回転軸31、及び撹拌翼32以外の構成を省略している。図11において、回転軸31の下側に位置する撹拌翼32は破線で示す。
亜臨界水処理装置1の変形例1では、容器本体21の構成及び撹拌機構3の構成が異なり、それ以外は、上記構成例と同様である。
すなわち、図9及び図10に示すように、変形例1に係る亜臨界水処理装置1において、排出口23は、容器本体21の中心線O21に沿った方向の中央部に位置している。また、図9及び図11に示すように、排出口23よりも右側(中心線O21に沿った一方の側)に配置された撹拌翼32は、左側(他方の側)に配置された撹拌翼32に対し線対象の形状を有する。そのため、排出口23より右側(中心線O21に沿った一方の側)に位置する主面(平坦面)3221の傾斜方向と、左側(他方の側)に位置する主面(平坦面)3221の傾斜方向とが反対である。
亜臨界水処理後に、回転軸31を一方向に回転させると、排出口23よりも右側に配置された主面3221と左側に配置された主面3221とが、左右反対方向に処理物を押し出す。そのため、回転軸31の一方向の回転により、排出口23よりも右側に位置する処理物を左側に、排出口23よりも左側に位置する処理物を右側に移動させることができる。これにより、排出口23が亜臨界水処理装置1の中央部に位置する場合であっても、モータ33の一方向の回転により排出口23付近に処理物を移動させることができる。したがって、速やかに、且つ、省電力で処理物を排出口23から排出させることができる。
なお、本変形例1において、主面3221が排出口23の左側と右側とで反対方向に傾斜していれば、撹拌翼32は排出口23の左右で線対称の形状を有していなくてもよい。
また、本変形例1において、排出口23は、容器本体21の中心線O21に沿った中央部に位置する必要はなく、この中央部よりも一端側に片寄っていてもよい。例えば、排出口23は、容器本体21の中心線O21に沿った方向において、右側の端部から1/3程度の長さの位置に設けられていてもよい。この場合も、撹拌翼32が排出口23の左側と右側とで反対方向に傾斜する主面3221を有していればよい。
(変形例2)
図12は、変形例2に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。図13は、変形例2に係る亜臨界水処理装置の上面側から見た際の、圧力容器、撹拌機構、及び排出口の関係を示す図である。図13では、亜臨界水処理装置1の一部を断面で示している。また、図13では、加熱機構4、容器本体21、排出口23、回転軸31、及び撹拌翼32以外の構成を省略している。図13において、回転軸31の下側に位置する撹拌翼32は破線で示す。
亜臨界水処理装置1の変形例2では、容器本体21の構成及び撹拌機構3の構成が異なり、それ以外は、上記構成例と同様である。
すなわち、図12に示すように、変形例2に係る亜臨界水処理装置1において、排出口23は、圧力容器2の容器本体21の中心線O21に沿った方向の両端部に配置されている。また、図12及び図13に示すように、容器本体21の中心線O21に沿った方向の中央線Cよりも右側に配置された撹拌翼32は、左側に配置された撹拌翼32に対し線対象の形状を有する。そのため、中央線Cよりも右側に位置する主面3221の傾斜方向と、他方の側に位置する主面3221の傾斜方向とが反対である。
このように、中央線Cの左右において主面3221の傾斜方向が反対であるため、回転軸31が一方向に回転すると、中央線Cよりも右側に配置された主面3221と左側に配置された主面3221とが、左右反対方向に処理物を押し出す。そのため、回転軸31の一方向の回転により、中央線Cよりも右側に位置する処理物を右側に、中央線Cよりも左側に位置する処理物を左側に移動させることができる。したがって、処理物を排出口23から排出させる際に、回転軸31の一方向の回転により、処理物から近い方の排出口23付近に処理物を移動させることができる。これにより、排出口23が亜臨界水処理装置1の両端部に位置する場合であっても、速やかに、且つ、省電力で処理物を排出口23から排出させることができる。
また、排出口23が両端部のそれぞれに設けられているため、処理物の中心線O21に沿った方向の移動を短くでき、また、各排出口23から排出される処理物の量を少なくできる。したがって、処理物を短時間で排出口23から排出させることができる。そのため、次のバッチの亜臨界水処理を円滑に開始することができる。
なお、排出口23だけでなく投入口22も複数設けられていてもよい。
なお、本変形例2において、主面3221が中央線Cの右側と左側とで反対方向に傾斜していれば、撹拌翼32は中央線Cの左右で線対称の形状を有していなくてもよい。
(変形例3)
図14は、変形例3に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。
亜臨界水処理装置1の変形例3では、容器本体21の構成が異なり、それ以外は、上記構成例と同様である。
すなわち、変形例3に係る亜臨界水処理装置1では、投入口22が容器本体21の左端部、つまり、排出口23とは反対側の端部に配置されている。
主面3221が有機性廃棄物を右側に移動させるように回転軸31を回転させると、投入口22から投入された有機性廃棄物は、容器本体21の左端部から右端部に位置する排出口23付近まで移動する。
このように容器本体21の中心線O21に沿った方向の長さを最大限利用して有機性廃棄物を移動させつつ亜臨界水処理を行えば、有機性廃棄物が投入口22から投入されてからから排出口23に到達するまでの間に、十分な亜臨界水処理が行われ得る。その場合、図6のS103(又は図7のS203)で撹拌機構3を起動させてから図6のS108(又は図7のS208)で撹拌機構3を停止させるまでの間、回転軸31の一方向の回転により、亜臨界水処理を実施し得る。
言い換えれば、投入口22から有機性廃棄物を投入してから、処理物を排出口23から排出するまでの間、回転軸31を同一方向にのみ回転させるだけで、亜臨界水処理を実施し得る。
そのため、変形例3に係る亜臨界水処理装置1では、回転軸31の正転及び逆転を切り替えることによる電力消費を抑制することができる。
もちろん、容器本体21の中心線O21に沿った方向の長さ、有機性廃棄物の種類や量、温度や圧力の条件等に応じて、回転軸31の正転及び逆転の両方によって有機性廃棄物を撹拌してもよい。
(変形例4)
図15は、変形例4に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。
亜臨界水処理装置1の変形例4では、撹拌機構3の構成が異なり、それ以外は、上記構成例と同様である。
すなわち、変形例4の撹拌機構3は、2種類の形状の撹拌翼を有している。ここで、上述した撹拌翼32と異なる形状の撹拌翼を第2の撹拌翼36と呼ぶ。変形例4では、2つの第2の撹拌翼36が、中心線O21に沿った方向において、複数(本変形例では、4つ)の撹拌翼32の両側に配置されている。
図16は、変形例4に係る第2の撹拌翼を拡大して示す図である。図17は、変形例4に係る圧力容器、撹拌機構、及び排出口の関係を示す図である。図17は、亜臨界水処理装置の上面側から見た際の関係を示しており、亜臨界水処理装置の一部を断面で示す。図17では、加熱機構4、容器本体21、排出口23、回転軸31、撹拌翼32、及び第2の撹拌翼36以外の構成を省略している。また、図17において、回転軸31の下側に位置する撹拌翼32及び第2の撹拌翼36は破線で示す。
第2の撹拌翼36は、翼部と翼軸部との境界を有さない。第2の撹拌翼36は、容器本体21の中心線O21に略直交する交差線I2に沿って回転軸31から径方向外側に向かって突出している。
各第2の撹拌翼36は、中心線O21に沿った方向の内側を向く面として、主面(平坦面)361を1つ備える。主面361は、交差線I2に対し略平行であり、容器本体21の中心線O21と傾斜角度θ2をなすように構成される。すなわち、第2の撹拌翼36は、交差線I2に沿って略平行且つ中心線O21に対して傾斜する主面361を備える。
傾斜角度θ2は、主面361と中心線O21とがなす2つの角度のうち、小さい方の角度である。
第2の撹拌翼36の外側部分362は、丸みを帯びた形状を有する。この形状は、容器本体21の内面のうち、左端部及び右端部の丸みに沿うように設計されている。このため、複数の撹拌翼32の中心線O21に沿った方向の両端に位置する第2の撹拌翼36を、容器本体21の内面により近づけて配置することができる。したがって、主面361が、容器本体21の端部に移動した有機性廃棄物及び処理物を中心線O21に沿った方向に押し出して移動させることができるので、有機性廃棄物及び処理物が容器本体21の端部に滞留するのを防止することができる。
(変形例5)
図18は、変形例5に係る亜臨界水処理装置を、部分的に断面で示す概念図である。
亜臨界水処理装置1の変形例5では、撹拌機構3の構成が異なり、それ以外は、上記構成例と同様である。
すなわち、変形例5の撹拌機構3において、撹拌翼32の設置間隔が不均一である。また、回転軸31の同一円周上に複数の撹拌翼32が設けられている。
具体的には、以下のとおりである。中心線O21に沿った排出口23から最も遠い位置(第1の位置)と、3番目に遠い位置(第3の位置)とのそれぞれにおいて、回転軸31の同一円周上に2つの撹拌翼32が設けられている。そして、これらの位置では、2つの撹拌翼32は、略180°間隔で設けられている。
一方、排出口23から2番目、4番目、5番目、6番目、7番目に遠い位置(第2、4、5、6、7の位置)のそれぞれにおいては、回転軸の同一円周上に1つの撹拌翼32が設けられている。そして、隣り合う位置に配置された撹拌翼32同士は、略90°間隔で設けられている。
排出口23とは反対側の容器本体21の端部に近い第1及び第3の位置のそれぞれにおいて、回転軸31の同一円周上に複数の撹拌翼32が設けられているため、有機性廃棄物又は処理物が、主面3221によって中心線O21に沿った方向に押し込まれ易くなる。その結果、有機性廃棄物又は処理物が、当該端部においても滞留することなく中心線O21に沿った方向に十分に撹拌されるため、亜臨界水処理効率が向上する。
第1の位置と第3の位置との間に位置する第2の位置において、回転軸31の同一円周上に撹拌翼32が1つのみ設けられることで、第1及び第3の位置の撹拌翼32の主面3221によって鉛直上方に掻き揚げられた有機性廃棄物が、第2の位置において鉛直下方に落下し易い。そのため、有機性廃棄物を中心線O21に沿った方向に移動させ過ぎることを防止できるため、回転軸31の正転及び逆転を繰り返すことによる電力消費を抑止することができる。
容器本体21の中心線O21に沿った中央部に位置する第4及び第5の位置のそれぞれにおいて、回転軸31の同一円周上に撹拌翼32が1つのみ設けられることで、撹拌翼32の主面3221によって鉛直上方に掻き揚げられた有機性廃棄物が、鉛直下方に落下し易い。これにより、有機性廃棄物が滞留し難い容器本体21の中央部において、有機性廃棄物を中心線O21に沿った方向に移動させ過ぎることを防止できるため、回転軸31の正転及び逆転を繰り返すことによる電力消費を抑止できる。
排出口23に近い第6及び第7の位置のそれぞれにおいて、回転軸31の同一円周上に撹拌翼32が1つのみ設けられることで、撹拌翼32の主面3221によって鉛直上方に掻き揚げられた処理物が、鉛直下方に落下し易い。これにより、排出口23から処理物を排出する際に、排出口23付近に処理物を滞留させ易くなるため、処理物を短時間で排出することが期待できる。その結果、次のバッチの亜臨界水処理を円滑に開始することができるため、亜臨界水処理効率が向上する。
以上のような構成によれば、有機性廃棄物を適度な速度で移動させつつ亜臨界水処理を行うことができ、有機性廃棄物の処理効率を向上し得る。
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
(1)有機性廃棄物を亜臨界水処理して処理物を得る亜臨界水処理装置であって、水平方向に沿って中心線を有する圧力容器と、前記圧力容器に収容された前記有機性廃棄物を撹拌する撹拌機構と、前記有機性廃棄物を加熱する加熱機構とを有し、前記圧力容器は、容器本体と、前記有機性廃棄物を前記容器本体内に投入する投入口と、前記処理物を前記容器本体内から排出する排出口とを備え、前記撹拌機構は、前記中心線に沿って配置された回転軸と、前記中心線に略直交する交差線に沿って前記回転軸から径方向外側に向かって突出し、互いに離間して設けられた複数の撹拌翼とを備え、各前記撹拌翼は、前記交差線に沿って略平行且つ前記中心線に対して傾斜する平坦面を備える、亜臨界水処理装置。
(2)上記(1)に記載の亜臨界水処理装置において、前記平坦面の前記中心線に対する傾斜角度は、30~70°である、亜臨界水処理装置。
(3)上記(2)に記載の亜臨界水処理装置において、前記排出口に近い前記平坦面ほど、前記中心線に対する傾斜角度は大きい、亜臨界水処理装置。
(4)上記(2)に記載の亜臨界水処理装置において、前記投入口に近い前記平坦面ほど、前記中心線に対する傾斜角度は小さい、亜臨界水処理装置。
(5)上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の亜臨界水処理装置において、前記平坦面の前記交差線と直交する方向の最大長さをX[mm]とし、前記容器本体の直径をY[mm]としたとき、X/Yが0.2~0.5である、亜臨界水処理装置。
(6)上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の亜臨界水処理装置において、前記排出口は、前記容器本体の前記中心線に沿った方向の中央部に位置しており、前記排出口より前記中心線に沿った一方の側に位置する前記平坦面の傾斜方向と、他方の側に位置する前記平坦面の傾斜方向とが反対である、亜臨界水処理装置。
(7)上記(1)~(6)のいずれか一つに記載の亜臨界水処理装置において、隣り合う2つの前記撹拌翼は、前記中心線に対する傾斜角度が略等しい前記平坦面を備える、亜臨界水処理装置。
(8)上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の亜臨界水処理装置において、前記投入口から前記有機性廃棄物を投入してから、前記処理物を前記排出口から排出するまでの間、前記回転軸を同一方向にのみ回転させる、亜臨界水処理装置。
(9)上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の亜臨界水処理装置において、前記容器本体の容積は、200~5000Lである、亜臨界水処理装置。
(10)亜臨界水処理ユニットであって、上記(1)~(9)のいずれか1つに記載の亜臨界水処理装置と、前記処理物を含むペレット原料を半炭化する半炭化装置、前記ペレット原料又は半炭化後の前記ペレット原料をペレット化して、ペレットを得るペレット化装置、前記亜臨界水処理装置から排出されたガスを水処理する水処理装置及び前記亜臨界水処理装置から排出されたガスを脱臭処理する脱臭処理装置のうちの少なくとも1つの装置と、前記亜臨界水処理装置及び前記少なくとも1つの装置を収容した状態で搬送可能なコンテナとを有する、亜臨界水処理ユニット。
(11)上記(10)に記載の亜臨界水処理ユニットにおいて、前記コンテナの容積は、10~70mである、亜臨界水処理ユニット。
もちろん、この限りではない。
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 :亜臨界水処理装置
2 :圧力容器
21 :容器本体
2113 :貫通孔
2123 :貫通孔
22 :投入口
221 :胴部
222 :開口
223 :蓋部
224 :圧力容器弁
225 :圧力容器弁
23 :排出口
231 :胴部
232 :開口
233 :蓋部
24 :液体収容部
25 :隔離板
251 :板材
2511 :貫通孔
29 :架台
3 :撹拌機構
31 :回転軸
32 :撹拌翼
321 :翼軸部
322 :翼部
3221 :主面(平坦面)
3222 :側面
33 :モータ
34 :ベルト
35 :架台
36 :第2の撹拌翼
361 :主面(平坦面)
362 :外側部分
4 :加熱機構
41 :蒸気供給管
42 :蒸気供給管
10 :ペレット化装置・半炭化装置
100 :亜臨界水処理ユニット
200 :コンテナ
300 :大型車両
C :中央線
I :交差線
I2 :交差線
L :液体
O21 :中心線
O22 :中心線
O23 :中心線
θ :傾斜角度
θ2 :傾斜角度

Claims (11)

  1. 亜臨界水処理装置を用いて有機性廃棄物を亜臨界水処理して処理物を製造する処理物の製造方法であって、
    前記亜臨界水処理装置は、
    水平方向に沿って中心線を有する圧力容器と、撹拌機構とを有し、
    前記圧力容器は、容器本体と、投入口と、排出口とを備え、
    前記撹拌機構は、前記中心線に沿って配置された回転軸と、前記中心線に略直交する交差線に沿って前記回転軸から径方向外側に向かって突出し、互いに離間して設けられた複数の撹拌翼とを備え、
    各前記撹拌翼は、柱状の翼軸部と、前記翼軸部の前記回転軸とは反対側に設けられ、前記交差線に沿って略平行且つ前記中心線に対して傾斜する平坦面を備える翼部とを備え、
    各前記撹拌翼において、前記平坦面を平面視したとき、前記平坦面の長手方向の両端は、前記翼軸部を介して互いに反対側に位置しており、
    各前記撹拌翼を介して前記回転軸を見たとき、前記翼部の存在により、前記翼軸部が視認できず、
    前記製造方法は、以下の各ステップを有し、
    投入ステップでは、前記投入口を介して前記有機性廃棄物を前記容器本体内に投入し、
    撹拌ステップでは、前記容器本体内において、前記有機性廃棄物を前記平坦面によって水平方向に移動させ、且つ鉛直方向に掻き揚げて前記撹拌翼同士の間に落下させつつ、前記有機性廃棄物に前記亜臨界水処理を施すことにより前記処理物を生成し、
    排出ステップでは、前記容器本体内において、前記処理物を前記平坦面によって移動させ、前記排出口を介して前記処理物を前記容器本体内から排出する、
    処理物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の処理物の製造方法において、
    前記平坦面の前記中心線とのなす2つの角度のうち、小さい方の角度である傾斜角度は、30~70°である、
    処理物の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の処理物の製造方法において、
    前記平坦面の前記交差線と直交する方向の最大長さをX[mm]とし、前記容器本体の直径をY[mm]としたとき、X/Yが0.2~0.5である、
    処理物の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の処理物の製造方法において、
    前記排出口は、前記容器本体の前記中心線に沿った方向の中央部に位置しており、
    前記排出口より前記中心線に沿った一方の側に位置する前記平坦面の傾斜方向と、他方の側に位置する前記平坦面の傾斜方向とが反対であり、
    前記排出ステップでは、前記回転軸を同一方向にのみ回転させることで、前記処理物を前記排出口に向かって移動させる、
    処理物の製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の処理物の製造方法において、
    隣り合う2つの前記撹拌翼は、前記中心線に対する傾斜角度が略等しい前記平坦面を備える、
    処理物の製造方法。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の処理物の製造方法において、
    前記投入ステップの後、前記排出ステップが完了するまでの間、前記回転軸を同一方向にのみ回転させる、
    処理物の製造方法。
  7. 請求項1又は請求項2に記載の処理物の製造方法において、
    前記容器本体の容積は、200~5000Lである、
    処理物の製造方法。
  8. 請求項1又は請求項2に記載の処理物の製造方法において、
    各前記撹拌翼は、前記平坦面を前記翼部にのみ備える、
    処理物の製造方法
  9. 有機性廃棄物を亜臨界水処理して処理物を得る亜臨界水処理装置であって、
    水平方向に沿って中心線を有する圧力容器と、前記圧力容器に収容された前記有機性廃棄物を撹拌する撹拌機構と、前記有機性廃棄物を加熱する加熱機構とを有し、
    前記圧力容器は、容器本体と、前記有機性廃棄物を前記容器本体内に投入する投入口と、前記処理物を前記容器本体内から排出する排出口とを備え、
    前記撹拌機構は、前記中心線に沿って配置された回転軸と、前記中心線に略直交する交差線に沿って前記回転軸から径方向外側に向かって突出し、互いに離間して設けられた複数の撹拌翼とを備え、
    各前記撹拌翼は、柱状の翼軸部と、平坦面を備える翼部とを備え、
    各前記撹拌翼において、前記平坦面を平面視したとき、前記平坦面の長手方向の両端は、前記翼軸部を介して互いに反対側に位置しており、
    各前記撹拌翼を介して前記回転軸を見たとき、前記翼部の存在により、前記翼軸部が視認できず、
    前記平坦面は、前記翼軸部の前記回転軸とは反対側に設けられ、前記交差線に沿って略平行且つ前記中心線に対して傾斜し、前記回転軸の回転により前記平坦面が前記有機性廃棄物及び前記処理物を水平方向に移動させ、且つ鉛直方向に掻き揚げて前記撹拌翼同士の間に落下させるように構成されている、
    亜臨界水処理装置。
  10. 亜臨界水処理ユニットであって、
    請求項に記載の亜臨界水処理装置と、
    前記処理物を含むペレット原料を半炭化する半炭化装置、前記ペレット原料又は半炭化後の前記ペレット原料をペレット化して、ペレットを得るペレット化装置、前記亜臨界水処理装置から排出されたガスを水処理する水処理装置及び前記亜臨界水処理装置から排出されたガスを脱臭処理する脱臭処理装置のうちの少なくとも1つの装置と、
    前記亜臨界水処理装置及び前記少なくとも1つの装置を収容した状態で搬送可能なコンテナとを有する、亜臨界水処理ユニット。
  11. 請求項10に記載の亜臨界水処理ユニットにおいて、
    前記コンテナの容積は、10~70mである、亜臨界水処理ユニット。
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