JP7477152B2 - Htlv-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のための剤 - Google Patents

Htlv-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のための剤 Download PDF

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Description

本発明は、HTLV-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のための剤に関する。
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染者(キャリア)は、日本、南米、アフリカ、カリブ海沿岸諸国等を中心に世界で2千万人以上存在する。数%のキャリアにおいて、長期の潜伏期後、難治性血液がんである成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)、神経難病である熱帯性痙性対麻痺/HTLV-1関連脊髄症(HAM/TSP)などを含むHTLV-1関連疾患を発症する。一旦HTLV-1に感染すると生涯このウイルスを体内から排除することができず、さらにATLL細胞は抗がん剤耐性を示すことから予後不良となる。またHAM/TSPは、歩行障害、排尿障害などをきたし、QOLを低下させる。しかしながら、未だこれらの疾患に対する有効な発症予防薬や治療薬は開発されていない。
近年日本においてATLLの新規治療法として、造血幹細胞移植や、分子標的薬であるモガムリズマブが開発され、一部の患者の予後が改善されている(非特許文献1)。
医薬品インタビューフォーム「ポテリジオ(登録商標)点滴静注20mg」、2020年2月改定(第1版)
しかしながら、急性型ATLL患者の平均生存期間は半年程度と未だ極めて予後不良である。また、モガムリズマブや既存の抗がん剤は副作用が強く、適用患者も制限される。さらに、モガムリズマブは極めて高価である
そこで、本発明は、従来公知のHTLV-1関連疾患の治療薬の代替となり、かつ安全で安価なHTLV-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のための剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。その結果、下記式1で表される化合物によって、上記課題を解決することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の一形態によれば、下記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、HTLV-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のための剤が提供される。
式1中、Rは、メチル基またはヒドロキシメチル基である。
本発明の他の形態によれば、上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、HTLV-1感染細胞の増殖抑制剤が提供される。
本発明の他の形態によれば、上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、NF-κB阻害剤が提供される。
本発明によれば、従来公知のHTLV-1関連疾患の治療薬の代替となり、かつ安全で安価なHTLV-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のための剤が提供される。
図1は、実施例の試験例1において、ATLL細胞株に対するクロロキンの増殖阻害効果を評価した結果を示すグラフである。 図2は、実施例の試験例1において、ATLL患者の細胞検体に対するクロロキンの増殖阻害効果を評価した結果を示すグラフである。 図3は、実施例の試験例1において、HAM/TSP細胞株に対するクロロキンの増殖阻害効果を評価した結果を示すグラフである。 図4は、実施例の試験例1において、ATLL細胞株に対するヒドロキシクロロキンの増殖阻害効果を評価した結果を示すグラフである。 図5は、実施例の試験例2において、ATLL細胞株におけるクロロキン処理によるアポトーシス誘導効果を評価した結果を示すグラフである。 図6は、実施例の試験例3において、クロロキン処理によるATLL細胞株のアポトーシス誘導を抗Cleaved Caspase-3抗体を用いたウエスタンブロット法により解析した結果を示すグラフである。 図7は、実施例の試験例4において、ATLL細胞株をクロロキンで処理し、p47タンパク質発現およびNF-κBシグナル伝達の阻害を失せスタンブロット法により解析した結果を示すグラフである。 図8は、実施例の試験例5において、クロロキン処理によるin vivo ATLL腫瘍抑制効果を評価した結果を示すグラフである。 図9は、実施例の試験例5において、低用量クロロキン処理によるin vivo ATLL腫瘍抑制効果を評価した結果を示すグラフである。
以下、本発明の一形態に係る実施の形態を説明する。本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%RHの条件で測定する。
本発明の第1の形態は、上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、HTLV-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のための剤である。本発明の第2の形態は、上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、HTLV-1感染細胞の増殖抑制剤である。本発明の第3の形態は、上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、NF-κB阻害剤である。
本明細書において、第1の形態のHTLV-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のための剤、第2の形態のHTLV-1感染細胞の増殖抑制剤および第3の形態NF-κB阻害剤をまとめて、「本発明に係る薬剤」と称する。
本明細書において、「有効成分として含む」とは、HTLV-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のための剤、HTLV-1感染細胞の増殖抑制剤またはNF-κB阻害剤として有効である程度に含むことを意味し、その他の成分を含むことを妨げるものではない。
[有効成分として用いられる化合物およびその薬学的に許容される塩]
本発明は、下記式1で表される化合物およびその薬学的に許容される塩を有効成分として含む。
式1中、Rは、メチル基またはヒドロキシメチル基である。
本明細書において、「薬学的に許容される塩」は、被験体へ投与された後、望ましくない生理学的効果を生じさせない、金属塩、アンモニウム塩、有機酸塩、無機酸塩、または有機塩基もしくは無機塩基との塩である。より具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、アニリン塩、ジメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、ピロリジン塩、ピペリジン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フタル酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびp-トルエンスルホン酸塩等が例示できるが、これらに限定されない。
好ましい実施形態において、上記式1で表される化合物およびその薬学的に許容される塩は、ヒドロキシクロロキン硫酸塩およびクロロキン二リン酸塩からなる群から選択される。
上記式1で表される化合物は、本願出願時の技術常識を参酌することにより、常法に従って合成してもよく、市販品を用いてもよい。
[本発明の各形態に係る用途]
上述のように、HTLV-1関連疾患であるATLLの治療において、モガムリズマブなどの分子標的薬が知られている。しかし、モガムリズマブや既存の抗がん剤は副作用が強く、適用患者も制限される。
これに対し、本発明者らは、上記式1で表される化合物およびその薬学的に許容される塩がHTLV-1感染細胞に対して様々な作用を発揮することを初めて見出し、本発明を完成させるに至った。
まず、本発明者らが検討を進めたところ、ATLL細胞およびHAM/TSP細胞に対して、オートファジー阻害剤が有効であることを見出した。ATLL細胞は、癌シグナルとして知られるNF-κB情報伝達経路が活性化し、細胞増殖や生存を維持している。さらに、HTLV-1感染細胞におけるNF-κB情報伝達系の活性化は、ATLL細胞の特異的表面分子であり、臓器浸潤に関わるCADM1発現を促進する。本発明者らは、NF-κB情報伝達活性化機構として、NF-κBの負の制御因子であるp47分解がオートファジーにより亢進されていることを発見した。
これまでに抗マラリア薬であるクロロキン(CQ)およびヒドロキシクロロキン(HCQ)がオートファジーを阻害することが報告されている。しかしながら、CQ/HCQがHTLV-1感染細胞に対して様々な作用を発揮することについては、何ら知られていない。
そこでATLL細胞およびHAM/TSP細胞に対して、これらの薬効を検討したところ、CQ/HCQがNF-κB情報伝達系を阻害し、さらに極めて高い増殖抑制効果を示すことを明らかにした(後述の試験例4)。また、CQ/HCQがHAM/TSP細胞およびATLL細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導できることを明らかにした(後述の試験例2および3)。さらに、ATLLモデルマウスを用いたin vivoでの実験により、CQがATLL細胞による腫瘍の成長を抑制できることを明らかにした(後述の試験例5)。
HTLV-1関連疾患としては、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)、熱帯性痙性対麻痺/HTLV-1関連脊髄症(TSP/HAM)、HTLV-1関連気管支肺炎(HAB)、HTLV-1関連ぶどう膜炎(HAU)、HTLV-1関連関節症(HAAP)などが挙げられる。これらのうち、本発明に係る薬剤の対象としては、好ましくは成人T細胞白血病・リンパ腫および熱帯性痙性対麻痺/HTLV-1関連脊髄症である。
本発明に係る薬剤は、それ自体を投与してもよいし、または適当な医薬組成物として投与してもよい。投与に用いられる医薬組成物としては、本発明に係る薬剤と薬理学的に許容されうる担体、希釈剤および賦形剤とを含むものであってもよい。このような医薬組成物は、経口または非経口投与に適する剤形として提供される。
経口投与のための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられる。このような組成物は公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有していてもよい。錠剤用の担体、賦形剤としては、例えば、乳糖、でんぷん、ショ糖、ステアリン酸マグネシウムが用いられる。
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤等が用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等の剤形を包含してもよい。このような注射剤は、公知の方法に従って調製できる。注射剤の調製方法としては、例えば、本発明に係る薬剤を通常注射剤に用いられる無菌の水性液、または油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製できる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液等が用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例えば、ポリソルベート80、HCO-50(polyoxyethylene(50mol) adduct of hydrogenated castor oil)〕等と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油等が用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用してもよい。調製された注射液は、適当なアンプルに充填されることが好ましい。直腸投与に用いられる坐剤は、本発明に係る薬剤を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製されてもよい。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。このような投薬単位の剤形としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤が挙げられる。本発明に係る薬剤の含有量としては、上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩として投薬単位剤形当たり通常5~500mgであり、とりわけ錠剤では200~400mgであることが好ましい。
上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む本発明に係る薬剤の投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与経路などによっても異なるが、例えば、成人のHTLV-1関連疾患の発症予防、進展抑制または治療のために使用する場合には、上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を1回量として、例えば0.01~20mg/kg体重程度、好ましくは0.1~10mg/kg体重程度、さらに好ましくは1~7mg/kg体重程度を、1日1回経口投与するのが好都合である。他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて適宜投与量を調節してもよい。
以下に具体例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
(細胞の前培養)
以下の例で用いられる細胞株のうち、KK1、KOB、ST1、HCT1、HCT4、およびHCT5は、長崎大学より譲渡されたものであり、Su9T1とS1Tは、鹿児島大学より譲渡されたものであり、MT2は、大分大学より譲渡されたものであり、MT1は、高知大学より譲渡されたものであり、MOLT4は、株式会社林原より購入した。
ヒトの細胞検体は、健常者および成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)患者のヘパリン採血より分取した末梢血単核球細胞(PBMC)を用いた。なお、ヒトからの血液試料の採取はすべて、インフォームドコンセントを行って血液提供者の意思を確認した後に実施したものである。
ATLL細胞株(KK1、MT1、KOB、S1T、ST1、およびSu9T1)、およびT-ALL細胞株(MOLT4)を10%FBS(ウシ胎児血清、Biological Industries製)、100units/mL ペニシリン(Gibco、Thermo Fisher Scientific製)、および100μg/mL ストレプトマイシン(Gibco、Thermo Fisher Scientific製)を添加したRPMI-1640培地(L-グルタミン、フェノールレッド含有)(富士フイルム和光純薬株式会社製)中で培養した。なお、IL-2依存性ATLL細胞株においては0.75μg/mL IL-2(Recombinant Human IL-2、PeproTech社製)をさらに添加したRPMI-1640培地中で培養した。
HAM/TSP細胞株(HCT1、HCT4、HCT5)、健常者の細胞検体(ヒトPBMC)およびATLL患者の細胞検体(Pt#1、Pt#2およびPt#3)は、20%FBS、10μM 2-メルカプトエタノール、0.75μg/ml IL2を添加したAIM-V培地(Thermo Fisher Scientific社製)中で培養した。
(試験例1)クロロキンまたはヒドロキシクロロキンのin vitro薬効評価(MTTアッセイ)
前培養した細胞をPBS(-)緩衝液で洗浄した後、1×10cells/mLに調整し50μLずつ平底96-Well plateに添加した(n=3)。400μMのクロロキン(CQ)(クロロキン二リン酸塩、Tocris社製)またはヒドロキシクロロキン(HCQ)(ヒドロキシクロロキン硫酸塩、プラニケル(登録商標)、サノフィ株式会社製)を含む培養液(RPMI-1640培地またはAIM-V培地)を用意し、5段階の希釈系列(2、10、20、100または200μM)を作製した(薬剤を含まない培養液も用意した)。細胞を分注したwellに薬剤を含む培養液を50μLずつ添加し(最終濃度:1、5、10、50、100または200μM)、薬剤を含まない培養液を50μLずつ添加した。また、培養液を100μLずつ分注したwellを用意した。COインキュベーター中で37℃、5%COの条件で48時間培養した。培養後それぞれのwellにCell Counting Kit-8溶液(株式会社同仁化学研究所製)を10μLずつ添加し、COインキュベーター内で2時間または6時間(ヒトPBMCに対して)呈色反応を行い、マイクロプレートリーダーで450nmの吸光度を測定した。薬剤を含まないwellの吸光度を細胞増殖率100%としてそれぞれの薬剤濃度での細胞増殖率(%)を算出した。
結果を表1~4および図1~4に示す。
図1は、各種ATLL細胞株(KK1、KOB、MT1、S1TおよびST1)、HTLV-1陰性T細胞株MOLT4、およびヒト健常者由来のPBMC(Human Healthy PBMC)に対してクロロキンを処理した結果を示す。縦軸は細胞生存率(%)、横軸はクロロキンの投与量を示す。値は平均値±SD;*、ユーロ(記号)、#、‡、$、\、P<0.05、KK1、MT1、KOB、S1T、ST1、MOLT4 vs.CD4+Tを示す。
図1に示すように、クロロキンは、解析した全てのATLL細胞株において、濃度依存的な増殖抑制効果を示した。そのIC50濃度は、30μMから71μM程度であった(表1)。一方、健常者由来の末梢血単核球(PBMC)に対する毒性作用は低く、高濃度(200μM)の処理においてのみ抑制作用が見られた。HTLV-1陰性Tリンパ性白血病細胞株MOLT4に対しても、クロロキンによる一定の増殖阻害効果が観察された。したがって、クロロキンは、ATLL細胞に対して一貫した増殖抑制効果を有する阻害薬であることが示唆される。
図2は、ATLL患者の細胞検体(Pt#1、Pt#2およびPt#3)に対してクロロキンを処理した結果を示す。縦軸は細胞生存率(%)、横軸はクロロキンの投与量を示す。値は平均値±SDを示す。
図2に示すように、クロロキンは、解析した全てのプライマリーATLL細胞において、濃度依存的な増殖抑制効果を示した。そのIC50濃度は、19μMから49μM程度であった(表2)。したがって、クロロキンは、プライマリーATLL細胞に対して有効であることが示唆される。
図3は、HAM/TSP細胞株(HCT1、HCT4およびHCT5)に対してクロロキンを処理した結果を示す。縦軸は細胞生存率(%)、横軸はクロロキンの投与量を示す。値は平均値±SDを示す。
図3に示すように、HAM/TSP細胞株においてもATLL細胞株と同様にクロロキンによる高い増殖抑制活性が示された。そのIC50は、17μMから63μM程度であった(表3)。クロロキンは、HAM/TSP由来細胞に対しても感受性が高い阻害剤であることが分かる。
図4は、ATLL細胞株(KK1およびSu9T1)、HTLV-1陰性T細胞株MOLT4、およびATL患者の細胞検体(Pt#2)に対してヒドロキシクロロキンを処理した結果を示す。縦軸は細胞生存率(%)、横軸はクロロキンの投与量を示す。値は平均値± SDを示す。
図4に示すように、ヒドロキシクロロキンは、解析した全てのATLL細胞において、濃度依存的な増殖抑制効果を示した。そのIC50濃度は、16μMから60μM程度であった(表4)。HTLV-1陰性Tリンパ性白血病細胞株MOLT4に対しても、ヒドロキシクロロキンによる増殖阻害効果が観察された。以上、ヒドロキシクロロキンは、ATLL細胞に対して増殖抑制効果を有する阻害薬であることが示唆される。
(試験例2)フローサイトメトリー解析によるアポトーシス評価
前培養した細胞をPBS(-)緩衝液で洗浄した後、1×10cells/mLに調整し1mLずつ6-Well plateに添加した。200μMのクロロキンを含む培養液を用意した(薬剤を含まない培養液も用意した)。細胞を分注したwellに薬剤を含む培養液を1mLずつ添加し(最終濃度:100μM)、薬剤を含まない培養液を1mLずつ添加した。COインキュベーター中で37℃、5%COの条件で24時間培養した。
培養した細胞を遠心分離して上清を除去し、ペレットをFlow cytometry Buffer(0.5% BSAおよび2mM EDTAを含むPBS(-)、以下FACS buffer)で1回洗浄し、再度ペレットをFACS Bufferに懸濁して細胞数を測定した。細胞が1×10cells/mlになるように細胞懸濁液を調整し、これをFACS tubeに100μLずつ分注した。遠心分離により上清を除去し、PE標識Annexin V抗体(最終濃度 0.2μg/ml、BioLegend社製)およびDAPI(最終濃度 0.02ng/ml、Sigma-Aldrich社製)を含むFACS Buffer 100μLを添加した。よく懸濁してから、4℃で30分インキュベートした。その後、遠心分離を行い、FACS Buffer 100μLずつで2回それぞれの細胞を洗浄した。洗浄した細胞を3mLのFACS Bufferで懸濁した後、Flow cytometer(JSAN、ベイバイオサイエンス株式会社製)でAnnexin VおよびDAPIの蛍光シグナルを測定した。
結果を図5および表5に示す。
図5は、ATLL細胞株(KK1、KOB、S1TおよびMT2)に対して、クロロキンを処理し、アポトーシスの割合をフローサイトメトリーにて解析した結果を示す。正常細胞は、Annexin V(AnnV)およびDAPI陰性であり、初期アポトーシスは、Annexin V(AnnV)陽性およびDAPI陰性であり、後期アポトーシスおよびネクローシスは、Annexin V(AnnV)およびDAPI陽性である。
クロロキンは、アポトーシスの誘導能を有し、100μM、24時間の処理で74~95%のATLL細胞株がアポトーシスを引き起こしていることが示された(表5)。したがって、クロロキンは、アポトーシス誘導を介してATLL細胞の増殖を抑制することが示唆される。
(試験例3)ウエスタンブロット法によるアポトーシス評価
ウエスタンブロット法を用いて、クロロキンで処理したATLL細胞株(KK1およびS1T)におけるCleaved Caspase-3の発現の経時的な変化を調べた。Actinをローディングコントロールとして使用した。
前培養した細胞をPBS(-)緩衝液で洗浄した後、1×10cells/mLに調整し1mLずつ6-Well plateに添加した。100μMのクロロキンを含む培養液を用意した(薬剤を含まない培養液も用意した)。細胞を分注したwellに薬剤を含む培養液を1mLずつ添加し(最終濃度:50μM)、薬剤を含まない培養液を50μLずつ添加した。COインキュベーター中で37℃、5%COの条件で6、12、18または24時間培養した。
培養した細胞を回収後、PBS(-)緩衝液で洗浄し、細胞ペレットに1×SDSサンプル緩衝液(62.5mM Tris-HCl(pH6.8)、2% SDS、10%グリセロール、5% 2-メルカプトエタノール、0.01%ブロモフェノールブルー)を加え細胞を溶解した。95℃で5分間煮沸後、サンプルを15%SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。ミニプロテアン3セル(Bio-Rad社製)により定電圧100Vで2時間泳動した。ゲルはミニトランスブロットセル(Bio-Rad社製)(250mA、3時間)を用いてPVDF膜(Millipore社製)に転写し、転写膜は1%ウシ血清アルブミン(BSA)添加Tris buffered saline/Tween 20(TBS/T)緩衝液(150mM NaCl、10mM Tris-HCl(pH7.4)、0.1% Tween20)により室温、1時間ブロッキング反応を行なった。1%BSA/TBS-Tで1000倍希釈(抗Cleaved Caspase-3抗体(Cell Signaling Technology社製))または2000倍希釈(抗Actin抗体(Sigma-Aldrich社製))後の一次抗体液を用いて4度で一晩反応させ、TBS/T緩衝液にて5分×3回洗浄した。さらに1%BSA/TBS-Tにて2000倍希釈後の二次抗体液にて室温で1時間反応させ、その後TBS/T緩衝液にて5分×3回洗浄した。洗浄後Lumi lightPLUS Western Blotting kit(Roche Applied Science社製)にて化学発光させ、ルミノイメージアナライザーLAS-3000(富士フイルム株式会社製)で画像解析を行った。
結果を図6に示す。
図6に示すように、クロロキン処理によるATLL細胞株のアポトーシス誘導は、抗Cleaved Caspase-3のウエスタンブロット解析においても確認された。
(試験例4)ウエスタンブロット法によるNF-κBシグナル伝達経路の評価
ウエスタンブロット法を用いて、クロロキンで処理したATLL細胞株(KK1およびS1T)におけるCADM1、p47、NEMO、p-IκBα、IκBα、LC3-IおよびLC3-IIの発現の経時的な変化を調べた。Actinをローディングコントロールとして使用した。
前培養した細胞をPBS(-)緩衝液で洗浄した後、1×10cells/mLに調整し1mLずつ平底6-Well plateに添加した。100μMのクロロキンを含む培養液を用意した(薬剤を含まない培養液も用意した)。細胞を分注したwellに薬剤を含む培養液を1mLずつ添加し(最終濃度:50μM)、薬剤を含まない培養液を1mLずつ添加した。COインキュベーター中で37℃、5%COの条件で6、12、18または24時間培養した。
培養した細胞を回収後、PBS(-)緩衝液で洗浄し、細胞ペレットに1×SDSサンプル緩衝液(62.5mM Tris-HCl(pH6.8)、2% SDS、10%グリセロール、5% 2-メルカプトエタノール、0.01%ブロモフェノールブルー)を加え細胞を溶解した。95℃で5分間煮沸後、サンプルを10%、12%、または15%SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。ミニプロテアン3セル(Bio-Rad社製)により定電圧100Vで2時間泳動した。ゲルはミニトランスブロットセル(Bio-Rad社製)(250mA、3時間)を用いてPVDF膜(Millipore社製)に転写し、転写膜は1%ウシ血清アルブミン(BSA)添加Tris buffered saline/Tween 20(TBS/T)緩衝液(150mM NaCl、10mM Tris-HCl(pH7.4)、0.1% Tween20)により室温、1時間ブロッキング反応を行なった。1%BSA/TBS-Tで500倍希釈(抗CADM1抗体)、2000倍(抗Actin抗体)、あるいは1000倍希釈(抗p47抗体(Abnova社製)、抗NEMO抗体(Santa Cruz Biotechnology社製)、抗p-IκBα抗体(Cell Signaling Technology社製)、抗IκBα抗体(Santa Cruz Biotechnology社製)および抗LC-3抗体(Novus Bilologicals社製))後の一次抗体液を用いて4度で一晩反応させ、TBS/T緩衝液にて5分×3回洗浄した。さらに1%BSA/TBS-Tにて2000倍希釈後の二次抗体液にて室温で1時間反応させ、その後TBS/T緩衝液にて5分×3回洗浄した。洗浄後Lumi lightPLUS Western Blotting kit(Roche Applied Science社製)にて化学発光させ、ルミノイメージアナライザーLAS-3000(富士フイルム株式会社製)で画像解析を行った。
結果を図7に示す。
図7に示すように、ウエスタンブロット解析において、クロロキン処理によりオートファジーのプロセスで分解されるオートファジータンパク質LC3-IIの蓄積が観察された。よって、クロロキンの細胞内シグナル伝達作用機序として、オートファジー阻害を介していることが示唆される。
さらに、NF-κBシグナル伝達抑制因子であるp47タンパク質が蓄積し、IκBαのリン酸化に伴うIκBαの蓄積が見られ、CADM1の発現低下が誘導され、NF-κB活性化が抑制されていることが示唆される。
以上より、クロロキンによるATLL細胞のアポトーシス誘導は、NF-κBシグナル経路阻害が関与していることが示唆される。
(試験例5)クロロキンのin vivo薬効評価
以下の実験は、「宮崎大学動物実験規則」に基づき、宮崎大学動物実験委員会の承認のもと実施された(承認番号:2017-503)。
前培養したATLL細胞株Su9T1またはMT2を5400×g、5分間遠心して上清を除去した後、ペレットをPBS(-)に懸濁し、70μmのセルストレーナーを通し、細胞数をカウントした。カウント後、細胞懸濁液を遠心して上清を除去し、注射用生理食塩水に懸濁して0.5×10cells/ml に調製した。29G1/2針付きシリンジ(SS-010F2913、テルモ株式会社製)に細胞懸濁液200μLを充填し、マウス(NOGマウス(NOD/Shi-scid,IL-2RγKO)、雄、8週齢、インビボサイエンス社)の皮下に全量を注入した。細胞移植後は、隔日でノギスを用いて腫瘍径を測定し、腫瘍容積が150mmに達したものを実験に使用し、無作為に2群に分けた。クロロキン5mg/kg BW及び50 mg/kg BWまたは対照群として滅菌水を1回/日にて腹腔内投与した。投与は全16回実施した。一般状態観察および生死判定は移植後毎日実施し、毎週ノギスを用いて腫瘍径を測定し、また体重の測定を行なった。最終投与日より1週間の観察期間を取り、その後安楽死処置を行い、血液および全身臓器を採取した。なお、異常所見発生時または腫瘍容積が1500mmを超えた場合は安楽死処置した。20%を超える体重減少や顕著な衰弱、体温低下などの事象が発生した場合は、試験委託者に報告の上、麻酔下で後大静脈より少量採血した後、放血により安楽死させた。また、採血した血液を使用して血液塗抹標本を作製した。安楽死処置後、解剖を行い、病理所見を記録した。
結果を図8および9に示す。図8Aは、腫瘍径の比較、図8Bは、腫瘍径の増加率(エンドポイントの大きさ/投与開始日の大きさ)、図8Cは、腫瘍の浸潤が見られたマウスの割合、および図Dは、体重変化を示す。図9は、各群における腫瘍の成長を示す。
図8に示すように、ATLL細胞株Su9T1を免疫不全マウスに皮下移植したATLLモデルマウスにおいて、クロロキン投与は、ATLL細胞の腫瘍形成を阻害できることが分かる。生理食塩水を投与した対照群では、移植したATLL細胞株による腫瘍の増大が見られたのに対して、クロロキン投与群では、その腫瘍成長は抑制された(図8AおよびB)。さらに、対照群は移植したATLL細胞株によるリンパ節浸潤が高率に示すのに対して、クロロキン投与群ではリンパ節浸潤も阻害されていた(図8C)。また、クロロキン投与においてマウスの体重変化は見られなかった(図8D)。以上より、クロロキンは生体内においてもATLL細胞の増殖を阻害する薬剤であることが示唆される。
同様に、図9に示すように、MT2を皮下移植したATLLモデルマウスにおいて、低用量のクロロキン投与によってもATLL細胞の腫瘍形成を阻害できることが分かる。5mg/kg BWのクロロキン投与は、50mg/kg BWと同程度に腫瘍成長を抑制したことが分かる。

Claims (5)

  1. 下記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)または熱帯性痙性対麻痺/HTLV-1関連脊髄症(HAM/TSP)の発症予防、進展抑制または治療のための剤:

    式1中、Rは、メチル基またはヒドロキシメチル基である。
  2. 前記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩がヒドロキシクロロキン硫酸塩およびクロロキン二リン酸塩からなる群から選択される、請求項1に記載の剤。
  3. 下記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、HTLV-1感染細胞の増殖抑制剤:


    式1中、Rは、メチル基またはヒドロキシメチル基である。
  4. 下記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、HTLV-1感染細胞のNF-κB阻害剤:

    式1中、Rは、メチル基またはヒドロキシメチル基である。
  5. 下記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、HTLV-1感染細胞のアポトーシス誘導剤:

    式1中、R は、メチル基またはヒドロキシメチル基である。
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