JP7477147B2 - リチウム硫黄二次電池の正極用バインダ - Google Patents

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Description

本発明はリチウム硫黄二次電池の正極用バインダに関する。
携帯電話、パソコン、デジタルカメラ等に用いる二次電池として、現在、リチウムイオン電池が広く用いられているが、エネルギー密度の更なる向上、コストの低減等が求められている。
そこで注目されているのがリチウム硫黄二次電池である。リチウム硫黄二次電池は、正極活物質として硫黄、負極活物質としてリチウム金属を使用し、リチウムイオン(Li)が正極と負極との間を移動することによって充放電を行う二次電池である。リチウム硫黄二次電池では、放電時に負極からLiイオンが溶出し、正極で硫黄と反応して、LiSを生成するとともに、外部回路へ電流が流れる。
硫黄原子は、重量あたりの酸化還元反応に関する電子数が多く、理論上、従来のリチウムイオン電池に比して、理論上、5倍以上の高いエネルギー密度を有することが見込まれている。また、硫黄は安価で確保も容易であるため、材料のコストを削減することも可能である。このため、リチウム硫黄二次電池は、次世代型の二次電池として盛んに研究が行われている。
例えば、特許文献1には、(a)ポリ-γ-グルタミン酸又はその塩と、(b)炭素材料と、(c)シリコン系材料と、を含み、前記成分(a)のハロゲン元素含有量が4000質量ppm以下である電極を、リチウムイオン二次電池等負極として用いることが開示されている。
また、特許文献2には、正極と負極と、上記正極と上記負極の間に配置されたセパレータと、イオン伝導性を有する電解液とを備えた非水電解液二次電池に用いられる正極であって、上記正極が(a)導電性ポリマーと、(b)ポリアニオン酸およびその金属塩の少なくとも一方と、(c)可塑剤とを含んでいることを特徴とする非水電解液二次電池用正極が開示されている。
特開2019-165005号公報(2019年9月26日公開) 特開2014-130752号公報(2014年7月10日公開)
リチウム硫黄二次電池の正極に含有される硫黄は絶縁体であるため、活性炭等の導電材料と複合化することによって電子伝導性を保つことが必要である。
しかしながら、硫黄を活性炭等と複合化した場合も、硫黄の高エネルギー密度という特性は生かし切れていない。
すなわち、リチウム硫黄二次電池は、高いエネルギー密度を有する一方で、放電時に正極で生成する多硫化物イオンが電解液に溶出するという問題がある。具体的には、溶出した多硫化物イオンは電解液中のリチウムイオンと反応して硫化物(例えば、LiSなどのポリスルフィド)を生成し、硫黄の1.8倍の体積となる。
このため、リチウム硫黄二次電池の充放電を繰り返すと、体積変化が伴うことにより、正極に破砕や割れが生じ、放電容量の低下につながることが問題となっていた。
また、リチウム硫黄二次電池の正極は、担持される硫黄の量の増加に伴い、充放電時に体積変化がさらに大きくなるため、前記問題が顕著になるという問題があった。
特許文献1には、特許文献1に記載の電極を負極として用いることによって、高い容量維持率を有し、充放電サイクル寿命に優れる電池を製造することができることが記載されている。
特許文献2には、正極材料として導電性ポリマー(a)を用い、これにポリアニオン酸およびその金属塩の少なくとも一方(b)を含ませることにより、正極での反応をカチオン移動型とし、電解液中のイオン濃度の変化を抑制することが記載されている。また、これによって、特性に優れる正極と二次電池が得られることが記載されている(引用文献2の段落〔0013〕)。
しかしながら、特許文献1および2には、前述したリチウム硫黄二次電池に固有の課題については何ら言及されていない。
このような状況下、前記課題を解決し、リチウム硫黄二次電池の実用化を推進し得る技術が待望されている。
そこで、本発明の一態様は、リチウム硫黄二次電池の放電容量を高く保ち、かつ、優れた結着性を有するリチウム硫黄二次電池の正極用バインダを提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明者らは、ポリグルタミン酸塩を含有する正極用バインダを用いることにより、リチウム硫黄二次電池の放電容量を高く保ち、かつ、優れた結着性を有する正極用バインダを提供し得ることを見出した。
すなわち、本発明には以下の構成が含まれる。
<1>
リチウム硫黄二次電池の正極用材料を結着するリチウム硫黄二次電池の正極用バインダであって、
ポリグルタミン酸塩を含有し、
前記リチウム硫黄二次電池の正極用材料は、硫黄を担持した活性炭を含有する、リチウム硫黄二次電池の正極用バインダ。
<2>
さらに、アルギン酸塩、アクリル酸およびアクリル酸塩からなる群より選ばれる1以上の化合物を含有する、<1>に記載のリチウム硫黄二次電池の正極用バインダ。
<3>
前記ポリグルタミン酸塩と、前記化合物との重量比が、95:5~10:90である、<1>または<2>に記載のリチウム硫黄二次電池の正極用バインダ。
<4>
前記硫黄を担持した活性炭が、当該活性炭の重量に対して50重量%以上の硫黄を担持する、<1>~<3>のいずれか1つに記載のリチウム硫黄二次電池の正極用バインダ。
<5>
<1>~<4>のいずれか1つに記載のリチウム硫黄二次電池の正極用バインダと、硫黄を担持した活性炭とを少なくとも含有する正極を備える、リチウム硫黄二次電池。
本発明の一態様によれば、リチウム硫黄二次電池の放電容量を高く保ち、かつ、優れた結着性を有するリチウム硫黄二次電池の正極用バインダを提供することができる。
実施例および比較例で用いたリチウム硫黄二次電池の正極用バインダと、硫黄を担持した活性炭との親和性試験の結果を示す図である。 実施例および比較例で用いたリチウム硫黄二次電池の正極用バインダを用いた正極シートを90度剥離強度試験に供した結果を示す図である。 図2に示す平均剥離強度を棒グラフ化した図である。 実施例および比較例で作製した正極用バインダを用いた正極シートを用い、リチウム硫黄二次電池の正極用材料と集電箔との接着強度を検討した結果を示す図である。 実施例および比較例で作製したラミネートセル用正極の表面を、光学顕微鏡によって観察した結果を示す図である。 実施例および比較例で作製したリチウム硫黄二次電池の交流インピーダンスを測定した結果を示す図である。 実施例および比較例で作製したリチウム硫黄二次電池のサイクル特性試験の結果を示す図である。 実施例および比較例で作製したリチウム硫黄二次電池における充放電後の正極の表面状態を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す図である。 実施例および比較例で作製したリチウム硫黄二次電池における充放電後の正極の表面状態を、光学顕微鏡を用いて観察した結果を示す図である。 実施例および比較例で作製したリチウム硫黄二次電池の充放電曲線である。 実施例および比較例で作製したリチウム硫黄二次電池のサイクル特性試験の結果を示す図である。 実施例および比較例で作製したリチウム硫黄二次電池について、バインダを構成するポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸マグネシウムとの重量比と、100サイクル目の放電容量との関係を示す図である。 実施例および比較例で作製したリチウム硫黄二次電池のサイクル特性試験の結果を示す図である。 ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸ナトリウムとポリアクリル酸との重量比が20:60:20であるバインダを用いたリチウム硫黄二次電池およびアルギン酸マグネシウムをバインダとして用いたリチウム硫黄二次電池の充放電曲線を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能である。例えば、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意図する。
〔1.リチウム硫黄二次電池の正極用バインダ〕
本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄二次電池の正極用バインダは、リチウム硫黄二次電池の正極用材料を結着するリチウム硫黄二次電池の正極用バインダであって、ポリグルタミン酸塩を含有し、前記リチウム硫黄二次電池の正極用材料は、硫黄を担持した活性炭を含有する。
「リチウム硫黄二次電池の正極用バインダ」(以下、単に「正極用バインダ」と称する場合がある)は、リチウム硫黄二次電池の正極用材料(以下、単に「正極用材料」と称する場合がある)を結着する。
本明細書において、正極用材料とは、正極を作製するために集電体に塗布もしくは充填される材料であって、正極用バインダによる結着の対象となる材料のことである。よって、本明細書における正極用材料には、正極用バインダは含まれない。
前記正極用材料としては、硫黄を担持した活性炭、導電助剤等を挙げることができる。また、硫黄、硫黄を担持していない活性炭単体等が含まれていてもよい。
前記正極用バインダに求められる性能としては、正極用材料同士の結着の他に、正極用材料と集電体との結着、正極用材料との親和性、正極用材料と電解液の界面との抵抗の低減、正極を電解液に含浸した際の膨潤性等が挙げられる。
従来、リチウム硫黄二次電池の正極用材料を結着する正極用バインダとしては、スチレン-ブタジエンラバー(SBR)水分散液、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸マグネシウム)等の水系バインダが用いられていた。特に、正極用材料と電解液の界面との抵抗を低減させることができ、放電容量が大きいリチウム硫黄二次電池を提供し得るという観点から、前記水系バインダの中でも、アルギン酸塩が好適に用いられていた。
しかしながら、アルギン酸塩を初めとする前記水系バインダは、正極用材料における硫黄の含有量を増加させると、ポリスルフィドの溶出等により、正極活物質間の割れが顕著に発生するという問題があった。当該割れが発生すると、導電パスが分断され、リチウム硫黄二次電池の放電容量が著しく低下する。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、ポリグルタミン酸塩を含有する正極用バインダが、前記課題を解決する上で優れていることを見出した。
(1-1)ポリグルタミン酸塩等
本発明の一実施形態に係る正極用バインダは、ポリグルタミン酸塩を含有する。前記正極用バインダがポリグルタミン酸塩を含有することにより、硫黄を担持した活性炭に対してアルギン酸塩と同等の親和性を示しつつ、正極用材料同士の結着性、正極用材料と集電体との結着性を向上させることができる。
また、前記正極用バインダは、ポリグルタミン酸塩を含有するため、集電体に容易かつ均一に塗布もしくは充填することができる。
それゆえ、前記正極用バインダを用いたリチウム硫黄二次電池は、優れた電池特性を発揮することができる。これらのことは、後述する実施例で実証されている。
後述する正極用スラリーを調製する際にポリグルタミン酸塩を溶解する溶媒としては、正極用バインダとして使用できるものであれば、特に限定されないが、好ましくは純水である。
前記ポリグルタミン酸塩としては、正極用バインダとして用いることができるものであれば、特に限定されるものではない。前記ポリグルタミン酸塩の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、本発明の効果を得る上で10万~100万であることが好ましく、15万~95万であることがより好ましい。
前記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC-MALS)によって測定することができる。
本発明の一実施形態に係る正極用バインダは、ポリグルタミン酸塩に加え、さらに、アルギン酸塩、アクリル酸およびアクリル酸塩からなる群より選ばれる1以上の化合物を含有していてもよい。
前記化合物を含有することにより、後述するように、前記正極用バインダを用いたリチウム硫黄二次電池の放電容量を、前記正極用バインダがポリグルタミン酸塩のみを含有する場合より高めることができる傾向があるため好ましい。
前記アルギン酸塩の重量平均分子量は、正極用スラリーの粘度が最適になることから、25万~110万であることが好ましく、25万~45万または70万~110万であることがより好ましい。前記アルギン酸塩の重量平均分子量が25万より小さいと、正極用スラリーの粘度が低すぎるため、厚い塗工が困難になる。前記アルギン酸塩の重量平均分子量が110万より大きいと、正極用スラリーの粘度が高すぎるため、均一な塗工が困難になる。
前記アルギン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸リチウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸マグネシウムが挙げられる。前記アルギン酸塩は1種でもよく、2種以上であってもよい。
前記アクリル酸は、ポリアクリル酸であってもよい。ポリアクリル酸の重量平均分子量は、正極用スラリーの粘度が最適になることから、5000~100万であることが好ましく、5000~25万または25万~100万であることがより好ましい。
前記アクリル酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸アンモニウムが挙げられる。前記アクリル酸塩は1種でもよく、2種以上であってもよい。
本発明の一実施形態に係る正極用バインダは、当該正極用バインダの重量に対して、ポリグルタミン酸塩を100重量%含有していてもよい。この場合、後述する実施例に示すように、当該正極用バインダは十分な結着性を示し、かつ、当該正極用バインダを用いたリチウム硫黄二次電池に優れた電池特性をもたらすことができる。
一方、詳細な理由は不明であるが、本発明の一実施形態に係る正極用バインダが、ポリグルタミン酸塩と、アルギン酸塩等の他のバインダとを含有する場合の方が、当該正極用バインダを用いたリチウム硫黄二次電池の放電容量をより高めることができる傾向が見られている。
以上のことから、本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄二次電池の正極用バインダは、ポリグルタミン酸塩と前記化合物との重量比が、95:5~10:90であり得る。前記重量比としては、90:10~30:70であることがより好ましく、80:20~40:60であることがさらに好ましい。
(1-2)リチウム硫黄二次電池の正極用材料
本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄二次電池の正極用バインダは、前記正極用材料を結着する。
前記正極用材料は、硫黄を担持した活性炭を含有する。当該硫黄が、正極活物質となる。硫黄を担持した活性炭とは、活性炭が有する細孔に硫黄が担持されてなる活性炭である。すなわち、硫黄を担持した活性炭とは、ポリスルフィドを吸着した活性炭を意味する。なお、前記吸着は物理吸着であってもよく、化学吸着であってもよい。
前記細孔への硫黄の担持は、例えば、活性炭と硫黄とを乳鉢等を用いて混合した後、得られた混合物をマッフル炉内等で加熱することによって行うことができる。硫黄としては、市販の硫黄華等を用いることができる。
本明細書において、硫黄の形態は特に限定されない。例えば、α硫黄(斜方硫黄)、β硫黄(単斜硫黄)、γ硫黄(単斜硫黄)、ゴム状硫黄、およびプラスチック硫黄からなる群より選択される1以上の硫黄を用いることができる。
硫黄を担持させる活性炭は特に限定されないが、比表面積および細孔の体積が大きく、硫黄を多く担持する上で好適な構造を備えているため、樹脂、化石資源材料等を炭化後、水酸化カリウム等のアルカリによって賦活することによって得られた活性炭等を好ましく用いることができる。
前記硫黄を担持した活性炭の比表面積は、硫黄を多く担持する観点から、1500cm-1~2900cm-1であることが好ましく、1700cm-1~2900cm-1であることがより好ましい。
なお、比表面積は、BET法によって測定した値である。比表面積の測定は、例えば、Quantachrome社のAUTOSORB iQを用いて行うことができる。
また、前記硫黄を担持した活性炭の細孔の体積は、硫黄を多く担持する観点から、0.6cc・g-1~1.2cc・g-1であることが好ましく、0.8cc・g-1~1.2cc・g-1であることがより好ましい。
なお、細孔の体積は、例えば、Quantachrome社のAUTOSORB iQを用いて測定することができる。
さらに、前記硫黄を担持した活性炭の粒径は、累積頻度%径の観点から、D50が2.9μm以上6.2μm以下であることがより好ましい。
累積頻度%径は、散乱式粒子径分布測定装置(RASER SCATTERING PARTICLE SIZE DISTRIBUTION ANALYZER LA-950(HORIBA社製))を用いた湿式バッチ式測定法によって測定することができる。
なお、湿式バッチ式測定法は、以下の方法で行うことができる。
(i)前記硫黄を担持した活性炭と、分散媒(カルボキシルメチルセルロース、界面活性剤等)とを混合し、前記硫黄を担持した活性炭を分散した分散液を調製する。
(ii)次いで、特殊なコーティング加工を施したガラス製のセルに純水を満たし、その中に前記分散液を数滴滴下し、試料を作製する。さらに、前記試料を、スターラーを用いて攪拌し、前記分散液をセル内に分散させる。
(iii)前記分散液を分散させた後、前記試料に半導体レーザー光を照射して試料の透過率を測定し、前記透過率から前記硫黄を担持した活性炭の粒径を算出する。
累積頻度%径の測定法としては、フロー式、乾式法等もあるが、湿式バッチ式測定法は、測定に用いる前記硫黄を担持した活性炭が少量で済み、かつ、測定後に生じる汚水量が少量であるため、測定を簡便に行うことができる。
前記硫黄を担持した活性炭は、当該活性炭の重量に対して50重量%以上の硫黄を担持することが好ましい。つまり、硫黄を担持した活性炭を構成する硫黄の重量と活性炭の重量との合計に対する硫黄の重量の割合が50重量%以上であることが好ましい。
当該構成によれば、硫黄の担持量が多いため、正極材料への硫黄含有量の増加という近年の要望に沿ったリチウム硫黄電池を提供することができる。
前記割合は高い方がより好ましいが、上限値は、活性炭の担持能力等に鑑みると、50~55重量%程度である。なお、硫黄の担持量は、実施例1に後述する方法によって確認することができる。
なお、前記硫黄を担持した活性炭の細孔は、ミクロ孔であることが好ましい。細孔がミクロ孔であるとは、細孔の直径が2nm以下であることを言う。細孔がミクロ孔であることは、Quantachrome社のAUTOSORB iQを用い、BET法によって比表面積を測定し、急冷固相密度関数法(QSDFT)によって細孔分布および細孔の体積を測定することによって、確認することができる。
比表面積、細孔分布、および細孔の体積の測定は、200℃で3時間真空脱気した試料について、液体窒素の温度にて、窒素の吸着等温線を測定することによって行うことができる。
前記正極用材料である導電助剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば使用することができる。導電助剤としては、通常、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが使用されるが、他の導電助剤を用いてもよい。例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンウイスカー、炭素繊維粉末、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金等)粉末、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を使用してもよい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上の混合物として用いることもできる。
前記正極用材料は、例えば、前記硫黄を担持した活性炭と前記導電助剤とを均質に混合することによって調製することができる。当該混合の方法としては、前記硫黄を担持した活性炭と、前記導電助剤とを乳鉢等に入れて混合し、得られた混合物を、更に自転・公転ミキサーを用いて撹拌する方法を挙げることができる。
(1-3)正極用スラリー
本発明の一実施形態に係る正極用バインダは、前記正極用材料と共に、正極用スラリーとして、集電体に塗布もしくは充填される。
前記正極用スラリーは、例えば、前記正極用バインダを純水に溶解させて調製したバインダ溶液に導電助剤を添加し、次いで前記硫黄を担持した活性炭を添加し、混合することによって調製することができる。
前記正極用スラリーにおける前記硫黄を担持した活性炭と、前記導電助剤と、前記正極用バインダとの重量比は、集電体への塗布もしくは充填を均一に行う観点から、80:10:10~97:0:3であることが好ましく、85:5:10~95:0:5であることがより好ましい。
〔2.リチウム硫黄二次電池〕
本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄二次電池は、本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄二次電池の正極用バインダと、硫黄を担持した活性炭とを少なくとも含有する正極を備える。
当該構成によれば、後述する実施例に示すように、正極用材料同士、および、正極用材料と集電体とが強く結着され、かつ、高い放電容量を維持することができるリチウム硫黄二次電池を提供することができる。
前記正極用バインダ、および硫黄を担持した活性炭については、既に説明したとおりである。前記正極は、例えば、前記正極用スラリーを集電体に塗布もしくは充填し、乾燥させた後、加圧成形し、さらに真空乾燥する方法によって調製することができる。
集電体としては、構成された電池において悪影響を及ぼさない電子伝導体を使用可能である。例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス等を挙げることができる。接着性、導電性、耐酸化性等の向上の目的で、表面をカーボン、ニッケル、チタンまたは銀等で処理した集電体を用いてもよい。
集電体の形状については、フォイル状、フィルム状、シート状、ネット状等のいずれであってもよい。中でも、より多くの前記リチウム硫黄二次電池用正極材料を充填することができ、大容量化が可能となるため、例えばハニカム状等の三次元構造を有する集電体が好ましい。当該集電体としては、例えば、3Dアルミニウム集電体を挙げることができる。
負極は、例えば、負極用スラリーを集電体に塗布もしくは充填し、乾燥させた後、加圧成形し、さらに真空乾燥する方法によって調製することができる。
前記負極用スラリーは、例えば、バインダを純水に溶解させて調製したバインダ溶液に導電助剤を添加し、次いで負極活物質を添加し、混合することによって調製することができる。負極活物質としては、例えば金属リチウムを用いることができる。
本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄二次電池は、リチウムを含有する電解質と、カーボネート類、エーテル類、硫黄化合物、ハロゲン化炭化水素類、リン酸エステル系化合物、スルホラン系炭化水素類、およびイオン性液体からなる群より選択される1以上の溶媒と、を含有する電解液を備えることが好ましい。
リチウムを含有する電解質としては、例えば、LiPF、LiBF、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)が挙げられる。中でも、LiPF、LiFSI、LiTFSIであることが好ましく、LiTFSIであることがさらに好ましい。前記リチウムを含有する電解質は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記溶媒としてはカーボネート類およびエーテル類からなる群より選択される1以上の溶媒を含むことがより好ましい。
前記カーボネート類としては、エチレンカーボネート(EC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類であることが好ましい。
前記エーテル類としては、ジオキソラン(DOL)、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類;ジメトキシエタン(DME)、トリグライム(G3)、テトラグライム(G4)、1,1,2,2-テトラフルオロ-3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)-プロパン(HFE)等の鎖状エーテル類であることが好ましい。
特に好ましくは、カーボネート類を含む溶媒である。中でも、FECとHFEとの混合物は、リチウム硫黄二次電池の初回放電時に、活性炭にSEI被膜を形成することができるため好ましい。
本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄二次電池は、正極、負極、電解液、セパレータ、筐体等を用いて、従来公知の方法によって組み立てることにより、製造することができる。
本発明の一実施形態において、リチウム硫黄二次電池の放電容量維持率としては、放電容量を大きくするという観点から、例えば、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。なお、前記放電容量維持率は、後述する実施例に記載の方法で計算することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<活性炭と正極用バインダとの親和性試験>
正極用バインダとして、後述する実施例1で用いたポリグルタミン酸ナトリウム、および、後述する比較例1で用いたアルギン酸マグネシウムを、それぞれ3gずつ用意した。これに対し、後述する硫黄を担持した活性炭0.007gをそれぞれ添加し、遊星攪拌機を用いて20分撹拌した。撹拌後、前記活性炭の前記正極用バインダに対する分散状態を、目視により観察した。観察結果に基づき、前記活性炭と、前記正極用バインダとの親和性を判断した。
<90度剥離強度試験>
実施例および比較例で用いた正極用バインダを使用して正極シートを作製し、90度剥離強度試験を、JIS K 6854-1:1999に記載の方法で実施した。具体的には、以下の方法で試験を実施した。
前記正極用バインダを用いて、後述する方法で正極用スラリーを作製した。次いで、前記正極用スラリーを、正極合材中に含まれる硫黄重量が、集電体の単位面積当たり1.9mg/cmとなるようにアルミニウム箔に塗布し、厚さ30μm、100mm×200mmサイズの正極シートを作製した。前記正極シートは、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥させた。なお、前記正極シートは、前記正極用バインダ1種類あたり3つずつ作製した。
続いて、つかみ移動速度を60mm/minとして、JIS K 6854-1:1999に基づき、前記各正極シートの剥離強度を測定し、平均剥離強度を算出した。
なお、引張試験機としては、自動縦型サーボスタンド(JISC Corp.,JSV-H1000)およびデジタルフォースゲージ(ハンディデジタルフォースゲージ HFシリーズ、Japan Instrumentation System Corp.,Ltd)を用いて90度剥離強度試験を行った。
電極表面に張り付ける剥離用テープとしては、幅15mmのナイスタック(NICHIBAN Corp.,NW-15)を用い、60mm/min、測定範囲50mmで、前記剥離強度の測定を行った。
<リチウム硫黄二次電池の正極用材料と集電箔との接着強度試験>
実施例および比較例で用いた正極用バインダを用いて、後述する方法で正極用スラリーを作製した。次いで、アルミニウム箔に対する正極用スラリーの塗布量を増やすことにより、厚さを50~100μmとした正極シート(以下、「厚塗り試料」と称する)を作製した。前記厚塗り試料を、ホットプレートを用いて40℃で20分乾燥した後、リチウム硫黄二次電池の正極用材料とアルミニウム箔との結着状態を、目視により観察した。
<正極用スラリーの粘度測定>
純水で粘度を調整した正極用スラリーの粘度を、振動式粘度計(VISCOMATE VM-10A SECONIC社製)を用いて測定した。
<交流インピーダンスの測定>
実施例および比較例にて作製したリチウム硫黄二次電池の交流インピーダンスを、電気化学測定システム S1 1280B(Solartron製)を用いて測定した。具体的には、前記リチウム硫黄二次電池を、電圧範囲1~3Vで1サイクルおよび20サイクル作動させて充放電し、1時間緩和させた後、振幅幅10mV、周波数範囲500kHz~10mHzの条件で交流インピーダンスを測定した。
<サイクル特性試験>
充放電レートを0.1/0.1Cとし、1-100サイクルの充放電を行った。各サイクル目での放電容量が高いほど、優れたリチウム硫黄二次電池とする。
なお、容量維持率を、下記式で求めた。
・容量維持率(%)=(20サイクル目放電容量/2サイクル目放電容量)×100、および
・容量維持率(%)=(100サイクル目放電容量/20サイクル目放電容量)×100
<充放電試験>
実施例および比較例にて作製したリチウム硫黄二次電池の正極を作用極とし、BTS2400W(Nagano社製)を用いて、定電流充放電試験を行った。充電時のモードをC.C.法(「C.C.」はconstant currentの略称である。)とし、放電時のモードをC.C.モードとした。設定電流密度は167.2mA/gとした(電流密度1672mA/gを1Cと定義する。以下、167.2mA/gを0.1Cと示す。)。カットオフ電圧は、下限値を1.0V、上限値を3.0Vとした。試験は25℃の環境にて行った。
なお、充電容量および放電容量は、硫黄の重量を基準とし、単位をmA・h(g sulfur)-1と定義した。
<走査型電子顕微鏡を用いた充放電後の正極の表面観察>
実施例および比較例にて作製したリチウム硫黄二次電池につき、1サイクル、10サイクル、および20サイクル充放電させた後、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ SU-1500 Hitachi HIgh-Technologies社製)を用いて、正極の表面観察を行った。
具体的には、前記各サイクルを経た正極を、導電性カーボンテープを用いてアルミニウム製の試料台に貼り付け、当該試料台をチャンバー内に取り付けた。チャンバー内を真空にした後、Working distanceを15mm、加速電圧を15kVとして、前記正極の表面を観察した。
<光学顕微鏡を用いた充放電後の正極の表面観察>
実施例および比較例にて作製したリチウム硫黄二次電池を、1サイクル充放電させた後、光学顕微鏡(SELMIC.,SE-MP-L)を用いて、正極の表面観察を行った。具体的には、前記正極をウェット状態のまま可視セルに移動させた後、倍率を270倍にして前記正極の表面を観察した。
〔実施例1〕
(硫黄を担持した活性炭の作製)
重量比が43:57となるように、活性炭と、硫黄華(Wako pure chemical社製、純度99%超)とを、メノウ乳鉢を用いて混合し、混合物を得た。前記混合物を耐熱性金属容器に移し、これをマッフル炉に投入して、大気中で加熱処理を行った。
前記活性炭の細孔の体積は0.8cc/gであり、比表面積は1709cm/gであった。
具体的には、前記金属容器を炉内に投入した後、炉内を155℃まで昇温させ、この温度を5時間保持し、硫黄を融解させた。前記硫黄は、毛細管現象によって前記活性炭の細孔内に吸着された。
次いで、5℃/minの速度で300℃まで昇温させ、この温度を2時間保持し、前記活性炭の表面に残留した硫黄を昇華させた。その後、炉内を室温まで十分に空冷して、炉内から金属容器を取り出し、硫黄を担持した活性炭を得た。
前記活性炭の硫黄の担持量は、以下の方法により測定した。すなわち、前記硫黄を担持した活性炭をアルミナセルに入れ、島津製作所社製、DTG-60AHを用いて、熱重量分析(TGA)を行った。測定は、測定ガスAr、ガス流量50ml/min、昇温速度5℃/min、および上限温度600℃の条件下で行った。前記硫黄の担持量は、硫黄を担持した活性炭全体の重量を基準として、51~52重量%であった。
(バインダ溶液の調製)
バインダとして、ポリグルタミン酸ナトリウムを純水に溶解させ、ポリグルタミン酸ナトリウムの濃度が6重量%のバインダ溶液を調製した。
(リチウム硫黄二次電池の正極用スラリーの作製)
前記バインダ溶液に、導電助剤であるアセチレンブラックを添加し、次いで前記硫黄を担持した活性炭を添加することにより、正極用スラリーを調製した。得られた正極用スラリーの粘度は、0.13Pa・sであった。前記硫黄を担持した活性炭と、アセチレンブラックと、バインダ(ポリグルタミン酸ナトリウム)との重量比は90:5:5とした。
(リチウム硫黄二次電池用正極の作製)
リチウム硫黄二次電池用正極として、2極式フラットセル用正極およびラミネートセル用正極を作製した。
2極式フラットセル用正極は、以下の方法によって作製した。まず、前記正極用スラリーを、正極合材中に含まれる硫黄重量が、集電体の単位面積当たり1.9mg/cmとなるように、アルミニウム箔(集電体)に塗布し、大気圧下、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥させた。次に、乾燥した集電体を、ロールプレス機を用いて圧延した後、直径12mmサイズに打ち抜き、成形体を得た。前記成形体を、50℃のベルジャーを用いて、さらに12時間真空乾燥させて、2極式フラットセル用正極を作製した。2極式フラットセル用正極の厚さは約30μmであった。
ラミネートセル用正極は、以下の方法によって作製した。まず、前記正極用スラリーを、正極合材中に含まれる硫黄重量が、集電体の単位面積当たり7.3mg/cm以上8.8mg/cm以下となるように、3Dアルミニウム集電体(住友電工株式会社製 セルメット)に充填し、大気圧下、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥させた。次に、乾燥した集電体を、ロールプレス機を用いて圧延した後、24mm×24mmのサイズに挟みを用いてカットし、成形体を得た。前記成形体を、50℃のベルジャーを用いて、さらに12時間真空乾燥させて、ラミネートセル用正極を作製した。ラミネートセル用正極の厚さは約250μmであった。
(リチウム硫黄二次電池用負極の作製)
リチウム硫黄二次電池用負極として、2極式フラットセル用負極およびラミネートセル用負極を作製した。
2極式フラットセル用負極は、露点-40℃以下の大気雰囲気中において、厚さ20~30μmのリチウム箔を直径16mmサイズに打ち抜くことによって調製した。
ラミネートセル用負極は、露点-40℃以下の大気雰囲気中において、厚さ30μmのリチウム箔を30mm×35mmのサイズに挟みを用いてカットすることによって調製した。
(リチウム硫黄二次電池の電解液の調製)
リチウム含有電解質として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、LiTFSIと称する)を用いた。また、非水溶媒として、フルオロエチレンカーボネート(以下、FECと称する)と1,1,2,2-テトラフルオロ-3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)-プロパン(以下、HFEと称する)とを混合した混合溶媒を用いた。
電解液の調製方法を、さらに具体的に記載する。FECおよびHFEを、体積比で1:1になるように混合し、混合溶媒とした。次いで、LiTFSIを、1.0mol/LのLiTFSI/FEC:HFEとなるように前記混合溶媒に溶解させ、溶液を調製した。次に、ビニレンカーボネート(VC)を、90Volume%の前記溶液に対して10Volume%添加し、リチウム硫黄二次電池の電解液とした。
(リチウム硫黄二次電池の作製)
露点-40℃以下の大気雰囲気中において、前記(リチウム硫黄二次電池用正極の作製)により作製した正極、前記(リチウム硫黄二次電池用負極の作製)により作製した負極、前記(リチウム硫黄二次電池の電解液の調製)により調製した電解液、およびセパレータとしてのポリプロピレン系微多孔膜を用い、以下の手順でリチウム硫黄二次電池を作製した。
リチウム硫黄二次電池のセルとしては、2極式フラットセル(塗布電極)およびラミネートセル(3Dアルミニウム集電体)を用いた。まず、前記セル内に、正極、セパレータ、および負極がこの順に積層するように収容した。次に、前記セル内に前記電解液を注入し、リチウム硫黄二次電池を作製した。
〔実施例2〕
(バインダ溶液の調製)において、バインダとして、ポリグルタミン酸ナトリウムの代わりに、ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸マグネシウムとの重量比が80:20である混合物を純水に溶解させ、バインダの濃度が4重量%のバインダ溶液を調製した。この点以外は実施例1と同様の方法により、リチウム硫黄二次電池を作製した。
〔実施例3〕
(バインダ溶液の調製)において、バインダとして、ポリグルタミン酸ナトリウムの代わりに、ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸マグネシウムとの重量比が50:50である混合物を純水に溶解させ、バインダの濃度が4重量%のバインダ溶液を調製した。この点以外は実施例1と同様の方法により、リチウム硫黄二次電池を作製した。
〔実施例4〕
(バインダ溶液の調製)において、バインダとして、ポリグルタミン酸ナトリウムの代わりに、ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸マグネシウムとの重量比が40:60である混合物を純水に溶解させ、バインダの濃度が4重量%の正極用スラリーを調製した。この点以外は実施例1と同様の方法により、リチウム硫黄二次電池を作製した。
〔実施例5〕
(バインダ溶液の調製)において、バインダとして、ポリグルタミン酸ナトリウムの代わりに、ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸マグネシウムとの重量比が30:70である混合物を純水に溶解させ、バインダの濃度が4重量%の正極用スラリーを調製した。この点以外は実施例1と同様の方法により、リチウム硫黄二次電池を作製した。
〔実施例6〕
(バインダ溶液の調製)において、バインダとして、ポリグルタミン酸ナトリウムの代わりに、ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸マグネシウムとの重量比が20:80である混合物を純水に溶解させ、バインダの濃度が4重量%の正極用スラリーを調製した。この点以外は実施例1と同様の方法により、リチウム硫黄二次電池を作製した。
〔実施例7〕
(バインダ溶液の調製)において、バインダとして、ポリグルタミン酸ナトリウムの代わりに、ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸ナトリウムとポリアクリル酸との重量比が20:60:20である混合物を純水に溶解させ、バインダの濃度が3重量%の正極用スラリーを調製した。この点以外は実施例1と同様の方法により、リチウム硫黄二次電池を作製した。
〔比較例1〕
(バインダ溶液の調製)において、バインダとして、ポリグルタミン酸ナトリウムの代わりにアルギン酸マグネシウムを純水に溶解させ、バインダの濃度が4重量%の正極用スラリーを調製した。この点以外は実施例1と同様の方法により、リチウム硫黄二次電池を作製した。前記正極用スラリーの粘度は、0.59Pa・sであった。
〔結果〕
(1.活性炭と正極用バインダとの親和性試験)
図1に、硫黄を担持した活性炭と、実施例1および比較例1で用いたリチウム硫黄二次電池の正極用バインダとの親和性試験の結果を示す。
図1より、実施例1と、比較例1とでは、硫黄を担持した活性炭の分散の程度は同等であることが分かる。すなわち、ポリグルタミン酸ナトリウムは、硫黄を担持した活性炭に対し、アルギン酸マグネシウムと同程度の親和性を有することが分かった。
(2.90度剥離強度試験)
図2および図3に、実施例1および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池の正極用バインダの90度剥離強度試験の結果を示す。
図2の「実施例1」は、実施例1で調製した正極用スラリーを用いて3つ作製した正極シートそれぞれの剥離強度を示し、前記正極シートの平均剥離強度が3.0N/mmであったことを示している。
図2の「比較例1」は、比較例1で調製したバインダ溶液を用いること以外は、実施例1と同様にして作製した正極用スラリーを用い、3つ作製した正極シートそれぞれの剥離強度を示している。また、図2の「比較例1」は、前記正極シートの平均剥離強度が2.0N/mmであったことを示している。
図3は、図2に示す平均剥離強度を棒グラフ化したものである。
図2および図3より、実施例1で用いたバインダ(ポリグルタミン酸ナトリウム)は、比較例1で用いたバインダ(アルギン酸マグネシウム)に比して、平均剥離強度が大きいことが分かる。また、図示していないが、90度剥離強度試験を実施した後の正極シートの表面には、アルミニウム箔の露出は見られなかった。
よって、前記平均剥離強度は、正極用スラリーに含有されている正極用材料(硫黄を担持した活性炭およびアセチレンブラック)と集電体との間の剥離強度ではなく、正極用材料と正極用材料との間の剥離強度を意味している。
すなわち、正極用バインダとしてのポリグルタミン酸ナトリウムは、アルギン酸マグネシウムよりも、正極用材料を結着する力が大きいことが分かった。
(3.リチウム硫黄二次電池の正極用材料と集電箔との接着強度)
図4に、実施例1および比較例1で作製した正極用バインダを用いた正極シートを用い、リチウム硫黄二次電池の正極用材料と集電箔との接着強度を検討した結果を示す。ここでは、前記正極用材料と集電箔との剥離が起こり易い条件とするため、正極用スラリーの塗布量を意図的に増やして調製した前記厚塗り試料を用いている。
図4に示すように、比較例1では、厚塗り試料に剥離が見られた。一方、実施例1は、厚塗り試料の剥離が見られなかった。この結果より、正極用バインダとしてのポリグルタミン酸ナトリウムは、アルギン酸マグネシウムよりも、正極用材料(硫黄を担持した活性炭およびアセチレンブラック)と集電箔とを結着する力も大きいことが分かった。
(4.3Dアルミニウム集電体への充填性について)
図5に、実施例1および比較例1で作製したラミネートセル用正極の表面観察の結果を示す。なお、図5中、前記ラミネートセル用正極を図の左上隅に示し、丸枠で囲んだ箇所を拡大して観察したものを図の中央部に示す。
図5に示すように、実施例1は、比較例1に比して、ラミネートセル用正極の表面において、空隙および合材が密になっている箇所が少なかった。なお、前記合材とは正極用スラリーに含有されている固形分である。
図5に示す結果より、ポリグルタミン酸ナトリウムを含有するリチウム硫黄二次電池の正極用スラリーは、低粘度であるため流動性が高く、3Dアルミニウム集電体の孔に、均一に充填できることが分かった。
(5.交流インピーダンス)
図6に、実施例1および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池の交流インピーダンスを測定した結果を示す。図中、「1cyc.」は1サイクル充放電した場合の結果を示し、「20cyc.」は20サイクル充放電した場合の結果を示す。図6の右上側に示す図は、図6の左上側に示す図の拡大図である。
1サイクル目および20サイクル目とも、いずれのリチウム硫黄二次電池についても2つの半円成分が観察されたが、実施例1の方が、比較例1よりも、どちらの半円成分についても低抵抗となった。つまり、正極用バインダとしてのポリグルタミン酸ナトリウムは、アルギン酸マグネシウムよりも、正極用材料間の電子抵抗および集電体の電子抵抗等を低いまま保持することができることが明らかとなった。
(6.サイクル特性、充放電試験)
図7に、実施例1および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池の1~100サイクルのサイクル特性試験の結果を示す。当該リチウム硫黄二次電池の正極としては、2極式フラットセル用正極を用いた。また、表1に、前記サイクル特性試験の結果および容量維持率を示す。
Figure 0007477147000001
図7に示すように、比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池では、約20サイクル目までに放電容量が大きく低下した。一方、実施例1で作製したリチウム硫黄二次電池では約20サイクル目までの放電容量の低下が比較例1よりも大幅に改善されていた。
また、表1に示すように、実施例1で作製したリチウム硫黄二次電池は、比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池を大きく上回る容量維持率を示した。
図8に、実施例1および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池における充放電後の正極の表面状態を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す。
図8に示すように、1サイクル目では、実施例1で用いた正極および比較例1で用いた正極のいずれにも、表面に割れが見られた。しかし、図7に示す放電容量に差が見られ始める10サイクル目以降を比較すると、実施例1で用いた正極の方が表面の割れが少なかった。
すなわち、正極用バインダとしてのポリグルタミンナトリウム酸は、アルギン酸マグネシウムよりも結着力の強いバインダであることが分かった。
図9は、実施例1および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池における充放電後の正極の表面状態を、光学顕微鏡を用いて観察した結果を示す。この観察は、図8に示した正極表面の割れが、正極を洗浄した後の乾燥、走査型電子顕微鏡による観察時の真空引き等によって生じたものであるか否かを確認することを目的として行った。それゆえ、1サイクル充放電させたリチウム硫黄二次電池の正極を、ウェット状態のまま可視セルに移動させ、観察している。
図9に示すように、実施例1で用いた正極は、比較例1で用いた正極に比して、表面の割れが少なかった。すなわち、図8で観察された充放電後の正極の表面に形成された割れが、前記乾燥および前記真空引きに由来するものでないことが分かった。
図10に、実施例1および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池の充放電曲線を示す。当該リチウム硫黄二次電池の正極としては、ラミネートセル用正極を用いた。
図10に示すように、実施例1のリチウム硫黄二次電池は、比較例1のリチウム硫黄二次電池に対して、100サイクル目における放電容量の向上が見られた。さらに、図11および表2に示すように、実施例1のリチウム硫黄二次電池は、比較例1のリチウム硫黄二次電池に比して、高サイクルまで寿命を維持することができ、かつ、高い容量維持率特性を示した。
図11に、実施例1および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池のサイクル特性試験の結果を示す。実施例1で作製したリチウム硫黄二次電池については1~250サイクルの結果を示す。比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池については1~125サイクルの結果となっているが、これは、当該リチウム硫黄二次電池が125サイクルで短絡を起こしたためである。また、表2に、前記サイクル特性試験の結果および容量維持率を示す。
Figure 0007477147000002
図11に示すように、実施例1では放電容量の低下が比較例1よりも改善されていた。
また、比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池は、125サイクル目で短絡が生じてしまい、以降の放電容量を測定することができなかった。一方、実施例1で作製したリチウム硫黄二次電池は、約二倍の250サイクル目まで、高い放電容量のまま、安定して稼働した。
図11に示す結果は、正極用バインダとしてのポリグルタミン酸ナトリウムによって、正極用スラリーが集電体にむらなく均一に塗布されたため、充放電の電流の分布のバラつきが少なくなり、デンドライトの発生が抑制されたことによると考えられる。
また、表2に示すように、実施例1で作製したリチウム硫黄二次電池は、比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池に比して、2サイクル目から20サイクル目まで、および20サイクル目から100サイクル目までのいずれにおいても、高い容量維持率を示した。
表2に示す結果は、正極用バインダとしてのポリグルタミン酸ナトリウムが強い接着性を示したことによって、合材の割れが抑制されたことによると考えられる。
図12は、実施例1~6および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池について、バインダを構成するポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸マグネシウムとの重量比と、100サイクル目の放電容量との関係を示す。前記リチウム硫黄二次電池の正極としては、2極式フラットセル用正極を用いた。
図12の下部の横軸はバインダを構成するポリグルタミン酸ナトリウムの重量比を示し、上部の横軸はバインダを構成するアルギン酸マグネシウムの重量比を示す。図12の縦軸は、リチウム硫黄二次電池の100サイクル目の放電容量を示す。
前記2極式フラットセル用正極としては、実施例1の(リチウム硫黄二次電池用正極の作製)において説明した2極式フラットセル用正極の作製法において、前記正極用スラリーを、正極合材中に含まれる硫黄重量が、集電体の単位面積当たり2.0mg/cmとなるようにアルミニウム箔に塗布して作製した、厚さ約35μmの2極式フラットセル用正極を用いた。すなわち、電極の割れが生じやすいように、意図的に正極用スラリーを厚塗りした2極式フラットセル用正極を用いた。
図12に示すように、ポリグルタミン酸ナトリウムを含有するリチウム硫黄二次電池の正極用バインダを用いた場合、ポリグルタミン酸ナトリウムを含有していないリチウム硫黄二次電池の正極用バインダを用いた場合と比較して、リチウム硫黄二次電池の100サイクル目の放電容量が増加することが分かる。なお、前記放電容量は、ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸マグネシウムとの重量比が50:50のときに最も高くなった。
図13は、実施例1、4、6および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池のサイクル特性試験の結果を示す図である。前記リチウム硫黄二次電池の正極としては、実施例1の(リチウム硫黄二次電池用正極の作製)において説明したラミネートセル用正極を用いた。
図13より、ラミネートセル用正極を用いた場合、放電容量は、ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸マグネシウムとの重量比が40:60である実施例4が最も高く、前記重量比が100:0である実施例1がこれに続き、前記重量比が20:80である実施例6は前記重量比が0:100である比較例1とあまり変わらない結果となった。
図14は、実施例7で作製したリチウム硫黄二次電池および比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池の充放電曲線を示す図である。実施例7では、ポリグルタミン酸ナトリウムとアルギン酸ナトリウムとポリアクリル酸との重量比が20:60:20であるバインダを用い、比較例1ではアルギン酸マグネシウムのみをバインダとして用いている。前記リチウム硫黄二次電池の正極としては、実施例1の(リチウム硫黄二次電池用正極の作製)において説明したラミネートセル用正極を用いた。
図14に示すように、実施例7のリチウム硫黄二次電池と、比較例1のリチウム硫黄二次電池とでは、放電容量の差が見られなかった。しかし、比較例1で作製したリチウム硫黄二次電池については1~125サイクルの結果となっているが、これは、当該リチウム硫黄二次電池が125サイクルで短絡を起こし、以降の放電容量を測定することができなかったためである。
一方、実施例7で作製したリチウム硫黄二次電池は、159サイクル目まで、安定して稼働した。すなわち、実施例7で用いたリチウム硫黄二次電池の正極用バインダは、リチウム硫黄二次電池のサイクル寿命を延ばす効果を有する。
本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄二次電池の正極用バインダは、実施例に示したように、リチウム硫黄二次電池の正極用材料の剥離を抑制するとともに、結着強度を向上させ、かつ、正極の割れを抑制することができる。その結果、充放電特性に優れたリチウム硫黄二次電池を提供することができる。
前記リチウム硫黄二次電池は、高い容量維持率を有し、安定した充放電特性を発揮することができるため、今後のリチウム硫黄二次電池の実用化に大きく寄与することができると考えられる。
本発明に係るリチウム硫黄二次電池の正極用バインダは、携帯電話や携帯情報端末(PDA)等の携帯端末機器、ノート型パソコン、ビデオカメラやデジタルカメラ等の小型電子機器、家電機器;電動自転車、電動自動車(電気自動車)、ハイブリッド自動車、電車等の移動用機器(車両);火力発電、風力発電、水力発電、原子力発電、地熱発電、太陽光発電等の発電用機器;自然エネルギー蓄電システム;等の分野において、広範に利用することができる。

Claims (4)

  1. リチウム硫黄二次電池の正極用材料を結着するリチウム硫黄二次電池の正極用バインダであって、
    ポリグルタミン酸塩を含有し、
    さらに、アルギン酸塩、アクリル酸およびアクリル酸塩からなる群より選ばれる1以上の化合物を含有し、
    前記リチウム硫黄二次電池の正極用材料は、硫黄を担持した活性炭を含有する、リチウム硫黄二次電池の正極用バインダ。
  2. 前記ポリグルタミン酸塩と、前記化合物との重量比が、95:5~10:90である、請求項に記載のリチウム硫黄二次電池の正極用バインダ。
  3. 前記硫黄を担持した活性炭が、当該活性炭の重量に対して50重量%以上の硫黄を担持する、請求項1または2に記載のリチウム硫黄二次電池の正極用バインダ。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載のリチウム硫黄二次電池の正極用バインダと、硫黄を担持した活性炭とを少なくとも含有する正極を備える、リチウム硫黄二次電池。
JP2020072387A 2020-04-14 2020-04-14 リチウム硫黄二次電池の正極用バインダ Active JP7477147B2 (ja)

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