JP7476573B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、潜像担持体と、潜像担持体に近接した露光位置と潜像担持体から離間した退避位置との間で移動可能に構成された露光装置と、露光位置で露光装置が当接し、潜像担持体との間隔を決めるスペーサ部材とを備えた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、露光装置が退避位置に位置しているときに露光装置のスペーサ部材との当接部にトナーなどが付着する場合があった。この当接部に付着したトナーなどの付着物により露光装置がスペーサ部材に当接したときに潜像担持体との間隔が規定の間隔からずれてしまい、良好な画像を形成できなくなるおそれがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、潜像担持体と、前記潜像担持体に近接した露光位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間で移動可能に構成された露光装置と、前記露光位置で前記露光装置が当接し、前記潜像担持体との間隔を決めるスペーサ部材とを備えた画像形成装置において、前記露光装置が前記退避位置と前記露光位置との間を移動する過程において前記露光装置のスペーサ部材に当接する当接部を清掃する清掃手段と、前記露光装置が前記退避位置と前記露光位置との間を移動する過程において前記露光装置のレンズ面を清掃するレンズ清掃手段を備え、前記レンズ清掃手段が前記レンズ面を清掃するタイミングと、前記清掃手段が前記当接部を清掃するタイミングとが互いに異なることを特徴とするものである。
本発明によれば、良好な画像を形成することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図。 (a)は、露光装置周辺の概略構成を示す正面図。(b)は、露光装置周辺の概略構成を示す側面図。 (a)は、露光装置が感光体に対して位置決めされた状態を示す正面図。(b)は、露光装置が感光体に対して位置決めされた状態を示す側面図。 退避装置と、露光装置と、感光体ドラムとを示す斜視図。 退避機構の概略構成図。 引っ張りスプリングを用いて第二連結部材を引っ張る構成とした退避機構の概略構成図。 装置本体側板とカバー部材で覆われた退避機構の概略構成斜視図。 露光装置を露光位置(露光位置)から退避位置へ移動中の退避機構を示す図。 露光装置が退避位置にあるときの退避機構を示す図。 露光装置を露光位置から退避位置へ移動させるときの退避機構の第一リンク部材と開閉カバーとの関係を示す図。 露光装置が露光位置から退避位置へ移動したときの退避機構の第一リンク部材と開閉カバーとの関係を示す図。 露光装置の退避経路の途中にレンズ面を清掃する清掃部材を配置した構成の説明図。 露光装置の退避経路の途中にレンズ面を清掃する清掃部材を配置した構成の説明図。 清掃部材をブラシとした例を示す図。 露光装置が退避位置にあるときの先の図12に示す方向とは反対側から退避機構を見た図。 清掃レバーを操作して、露光装置を退避位置から露光位置へ移動させる様子を示す図。 清掃レバーの回動が規制された様子を示す図。 清掃レバーの変形例を示す図。 軸方向一端側に配置されたスペーサ部材と感光体ドラムとを示す斜視図。 図19とは反対側から見た軸方向一端側に配置されたスペーサ部材と感光体ドラムとを示す斜視図。 軸方向一端側に配置されたスペーサ部材に書込ヘッドが当接している様子を示す斜視図。 軸方向一端側に配置されたスペーサ部材に書込ヘッドが当接している様子を示す正面図。 書込ヘッドのレンズ面よりも主走査方向外側に付着したトナーを示す図。 露光装置の退避経路の途中に位置決め清掃部材を配置した構成の説明図。 位置決め清掃部材と書込ヘッドとスペーサ部材とを示す図。 位置決め清掃部材を板状部材とした例を示す概略図。 ひとつのブラシでレンズ面と被位置決め面とを清掃するようにした例を示す図。 図27に示す構成の変形例。 レンズ面を清掃するレンズ清掃手段と被位置決め面を清掃する清掃手段とを一体的に構成するさらに別の例を示す図。
以下、本発明を、画像形成装置であるレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略構成図である。
本プリンタ1は、装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジ50、潜像形成手段としての露光装置60、転写ローラ70、給紙カセット10、定着装置80などを備えている。
プロセスカートリッジ50は、潜像担持体としての感光体ドラム3、帯電手段としての帯電ローラ4、現像手段としての現像装置2、クリーニング手段としてのクリーニング装置5などを有している。
感光体ドラム3は、図中反時計回りに回転駆動されながら、帯電手段としての帯電ローラ4により、その表面を一様に帯電される。その後、潜像形成手段としての露光装置60により画像情報に基づき露光されて、感光体ドラム3の表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム3上に形成された静電潜像は、現像装置2により現像され、感光体ドラム3上にトナー像が形成される。感光体ドラム3上に形成されたトナー像は、転写ローラ70を備えた転写手段としての転写ユニットにより、給紙カセット10から給紙ローラ12及びレジストローラ対14を経て搬送される記録材としての用紙上に転写される。
転写終了後の用紙は、定着手段としての定着装置80によりトナー像が定着され、排紙ローラ15により機外に排出される。転写されずに感光体ドラム3上に残留した転写残トナーは、クリーニング手段としてのクリーニング装置5により感光体ドラム3の表面から除去される。また、感光体ドラム3上の残留電荷は、除電手段としての除電ランプで除去される。
感光体ドラム3や現像装置2の経時劣化によりプロセスカートリッジ50の交換が必要な場合には、プリンタ本体の図中左側側面部に設けられた開閉部材たる開閉カバー91を開けることができる構成となっている。開閉カバー91を開けることにより、プロセスカートリッジ50を図中左側面部から取り出すことができる。なお、本実施形態では、感光体ドラム3と現像装置2とを一体に支持するプロセスカートリッジ50としたが、感光体ドラム3と現像装置2とを個別に着脱可能な構成にしてもよい。
図2は、露光装置60周辺の概略構成図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
図2に示すように露光装置60は、感光体ドラム3の長手方向に配列されたLEDや有機EL素子などの複数の発光素子、感光体ドラム3と発光素子とに配列された複数のレンズなどで構成される書込ヘッド(LEDアレイ)64を有している。また、書込ヘッド64を保持する露光装置保持機構(露光装置保持部材)としてのホルダ65が設けられている。書込ヘッド64は、バネ部材66によって感光体ドラム3方向に付勢されてホルダ65に保持されている。書込ヘッド64は、画像情報に基づいて所定の位置の発光素子を発光させ、レンズを介して感光体ドラム3に照射することで、感光体ドラム3を露光し、感光体ドラム3に静電潜像が形成される。ホルダ65の長手方向両端には、後述する退避機構に支持される支持突起62と、案内突起63とが上下方向に並べて設けられている。
感光体ドラム3と書込ヘッド64との間には、両者の距離を規制する規制部材たるスペーサ部材21が配置されている。スペーサ部材21は、感光体ドラム3の非画像形成領域に書込ヘッド64と対向するように感光体ドラム3に対して摺動可能に設けられている。また、プロセスカートリッジ50のケース50aの軸方向両端には、位置決めボス22が設けられている。書込ヘッド64の軸方向一端(図中右側)には、位置決めの主基準となる丸穴状の位置決め穴67aが設けられている。また、書込ヘッド64の軸方向他端(図中左側)には、位置決めの従基準となる長穴状の位置決め穴67bが設けられている。
図3は、露光装置60が位置決めされた状態を示した図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、側面図である。
図3に示すように、各位置決めボス22が、書込ヘッド64の位置決め穴67a,67bに嵌ることで、書込ヘッド64が、図中Y方向(軸方向:主走査方向)図中X方向(副走査方向)に位置決めされる。また、スペーサ部材21に書込ヘッド64が当接することにより、書込ヘッド64が図中Z方向(感光体ドラム3の法線方向)に位置決めされる。
露光装置60が後述する退避装置により退避位置から露光位置へ移動していき、書込ヘッド64がスペーサ部材21に突き当たった後も、ホルダ65は、退避装置により感光体ドラム3に向けて移動する。すると、バネ部材66が圧縮し、書込ヘッド64の移動規制部68が、ホルダ65から離間する。その結果、書込ヘッド64は、バネ部材66の付勢力によりスペーサ部材21に押し付けられる。
また、書込ヘッド64の位置決め穴67a,67bを位置決めボス22に確実にはめ込むために、後述の図5及び6に記載の露光案内孔105bの露光位置近傍の幅は、案内突起63や支持突起62の直径とほぼ同じとなっている。露光位置において、ホルダ65は、露光案内孔105bにより位置決めされる関係となっている。露光装置60のホルダ65が、露光案内孔105bに位置決めされることで、潜像形成時に振動などでホルダ65ががたつくのを抑制でき、ホルダ65の振動で潜像が乱れるのを抑制することができる。書込ヘッド64が位置決めボス22により図中X方向、Y方向に位置決め可能なように、書込ヘッド64とホルダ65とは、X方向、Y方向に所定のガタを有している。
書込ヘッド64は、焦点距離が短いため、露光装置60を感光体ドラム3に近接配置する必要がある。このように、露光装置60を感光体ドラム3に近接配置するため、プロセスカートリッジ50を装置本体に対して着脱するとき邪魔となる。そのため、本実施形態においては、感光体ドラム3に近接した露光位置と、感光体ドラム3から離間した退避位置との間を、露光装置60を移動させる退避装置を備えている。以下に本実施形態の退避装置について図面を用いて具体的に説明する。
図4は、退避装置20と、露光装置60と、感光体ドラム3とを示す斜視図である。
図4に示すように、退避装置20は、露光装置60の長手方向一端側と他端側とに同一構成の退避機構100a,100bをそれぞれ設けている。以下の説明では、一端側と他端側とで退避機構を区別しない場合は、「退避機構100」として説明する。
図5は、退避機構100の概略構成図である。図5は、露光装置60が感光体ドラム3に潜像を形成する露光位置に位置しているときを示している。
図5に示すように、移動機構たる退避機構100は、装置本体に回動自在に支持された第一リンク部材101と、露光装置60を保持し、装置本体に回動自在に支持された第二リンク部材102とを備えている。また、第一リンク部材101と第二リンク部材102とを連結する連結手段としての連結機構103を備えている。
連結機構103は、第一連結部材103aと、第二連結部材103bとを有している。第一連結部材103aは、一端が第一リンク部材101に設けられた支持軸101bに回動自在に支持され、他端が、連結軸103cに回動自在に支持されている。また、第二連結部材103bは、一端が連結軸103cに回動自在に支持され、他端が第二リンク部材102に回動自在に支持されている。連結軸103cは、カバー部材105に設けられた図中左右に延びる連結案内孔105aを貫通している。
第二リンク部材102は、露光装置60のホルダ65の長手方向両端部に設けられた支持突起62が貫通し、第二リンク部材102の回動の支点A1に向かって延びる長孔状の支持孔102aが設けられている。露光装置60の支持突起62がこの支持孔102aを貫通することにより、露光装置60が退避機構100に支持される。また、支持突起62は、カバー部材105に設けられたガイド部たる露光案内孔105bを貫通している(図6、図7参照)。また、露光装置60のホルダ65には、案内突起63が設けられており、この案内突起63も、露光案内孔105bを貫通している。
第一リンク部材101は、中心角が略90°の扇形状をしており、第一リンク部材101の円周方向一端に第一連結部材103aを回動自在に支持する支持軸101bが設けられている。また、第一リンク部材101の円周方向他端には、ボス部101aが設けられている。
第二リンク部材102には、付勢手段としてトーションスプリング104の一端を引っ掛けるための引っ掛け部102bが設けられている。トーションスプリング104は、一端がこの引っ掛け部102bに引っ掛けられて、他端をカバー部材105に引っ掛けられることで、第二リンク部材102を図中矢印S方向に付勢している。
このトーションスプリング104の付勢力により、第二リンク部材102及び連結軸103c(第一連結部材103a,第二連結部材103b)は、第一リンク部材101側へ移動するような力を受ける。このとき、第一リンク部材101の回動の支点A2と連結軸103cとを結んだ線分Aよりも第一連結部材103aの第一連結部材支持位置A3(支持軸101b)が図中下側にある。その結果、連結軸103cの第一リンク部材101側へ移動するような力によって、第一連結部材支持位置A3に矢印T1方向に移動させようとする力が生じ、第一リンク部材101が、図中反時計回りに回動させようとする力が生じる。これにより露光装置60を感光体ドラム3側へ付勢させ、書込ヘッド64内のバネ部材66の付勢力と合わせて露光位置に位置させている。
図6は、引っ張りスプリング104’を用いて第二連結部材103bを引っ張る構成とした退避機構の概略構成図である。
図6に示す構成は、第二連結部材103bの一端側(連結軸103cに回動自在に支持された側)には、付勢手段として引っ張りスプリング104’の一端を引っ掛けるための引っ掛け部113が設けられている。引っ張りスプリング104’は、一端がこの引っ掛け部113に引っ掛けられて、第二連結部材103bを図中矢印S方向に付勢している。このとき、第一リンク部材101の回動の支点A2と連結軸103cとを結んだ線分Aよりも第一連結部材103aの第一連結部材支持位置A3(支持軸101b)が図中下側にある場合は、上述と同様に第一連結部材支持位置A3に矢印T1方向に移動させようとする力が生じる。これにより、第一リンク部材101が、図中反時計回りに回動させようとする力が生じる。
また、本実施形態では、先の図4に示すように、露光装置60の両端に退避機構を設けている。本実施形態のように、露光装置60の両端に退避機構100を設けることで、露光装置60両端の動きの偏差を抑制することができる。また、露光装置60の一端側と他端側のいずれかに退避機構100を設けてもよい。この場合、露光装置60の一端側と他端側とで動作のズレが大きくなるが、装置を安価にすることができる。
また、図4に示すように、一端側の退避機構100aと、他端側の退避機構100bとは、退避機構連結部材107により連結されている。具体的には、退避機構連結部材107は、一端側の退避機構の第二リンク部材102と、他端側の退避機構の第二リンク部材102とを連結している。これにより、一端側の退避機構100aと他端側の退避機構100bとを一体的に動作させることができ、一端側の退避機構100aと他端側の退避機構100bとの間で動作のズレが生じるのを抑制することができる。この退避機構連結部材107は第二リンク部材102と同一部材であっても良い。
また、プロセスカートリッジ50を装置本体に装着するときに、退避位置にある露光装置60にぶつかって、露光装置60が破損するおそれがある。また、開閉カバー91を開いた状態のとき、ユーザーが開閉カバー91により開かれた開口部から露光装置60を触って、露光装置60を破損させてしまう場合もある。このため、退避位置にある露光装置60を保護するための保護部材を備えている。保護部材は、露光装置60の長手方向に延びており、一端が、装置本体一端側の側板に固定されており、他端が、装置本体一端側の側板に固定されている。保護部材は例えば断面略L字状の形状をしていることで、保護することが可能となる。
図7は、装置本体側板111とカバー部材105で覆われた退避機構の概略構成斜視図である。
図7に示すように、第一リンク部材101、第一連結部材103a、第二連結部材103bを、装置本体側板111とカバー部材105とで覆っている。これにより、開閉カバー91を開いたとき、ユーザーが第一リンク部材101、第一連結部材103aや第二連結部材103bに触れるのを抑制することができる。従って、ユーザーにより露光装置60を退避位置から露光位置へ移動させてしまうのを抑制することができる。これにより、プロセスカートリッジ装着時に、露光装置60が露光位置にあり、露光装置60が、プロセスカートリッジ50とぶつかるのを抑制することができる。
また、連結軸103cを案内する連結案内孔105aと、支持突起62と案内突起63を案内する露光案内孔105bとが、カバー部材105に設けられている。
次に、露光装置60の露光位置と退避位置との間の移動について説明する。
図8は、露光装置60を露光位置から退避位置へ移動中の退避機構100を示す図であり、図9は、露光装置60が退避位置にあるときの退避機構100を示す図である。また、図10、図11は、露光装置60を露光位置から退避位置へ移動させるときの退避機構100の第一リンク部材101と開閉カバー91との関係を示す図である。また、図12は、露光装置60を退避位置から露光位置へ移動させるときの退避機構100の第一リンク部材101と開閉カバー91との関係を示す図である。
なお、図8~図12は、先の図6に示した引っ張りスプリング104’を用いて第二連結部材103bを引っ張る構成とした退避機構を例にして説明するが、先の図5に示したトーションスプリング104の付勢力により、第二リンク部材102を引っ張る構成した退避機構についても同様な動作となる。
図10に示すように、移動手段たる開閉カバー91には、第一リンク部材101のボス部101aを引っ掛ける鉤形状の作用部材としての引っ掛けレバー91aが設けられている。開閉カバー91が閉じられており、露光装置60が露光位置にあるときは、引っ掛けレバー91aは、ボス部101aから離間している。
開閉カバー91を開いていくと、引っ掛けレバー91aがボス部101aに当接し、第一リンク部材101が図中反時計回りに回動する。このときは、第一リンク部材101は、連結機構103を介して引っ張りスプリング104’(先の図5の構成では、トーションスプリング104)により露光装置60を退避位置へ移動させる回動方向(図中反時計回り方向)と反対方向に付勢されている。従って、このときは、引っ掛けレバー91aで第一リンク部材101を引っ張りスプリング104’の付勢力に抗して回動させることになる。
引っ張りスプリング104’(先の図5の構成では、トーションスプリング104)の付勢力に抗して第一リンク部材101を図8まで回転させると、第一リンク部材101の回転の支点A2と、連結軸103cとを結ぶ線分A上に第一リンク部材101の第一連結部材支持位置A3がくる。上記線分A上に第一連結部材支持位置A3(支持軸101b)がくるまでの間は、連結軸103cが、第一リンク部材101から遠ざかる方向へ移動する。その結果、露光装置60のホルダ65が、バネ部材66を圧縮して、先の図3に示す露光位置から感光体ドラム3に近接する近接位置へと移動する。先の図3(b)に示すように、露光装置60が露光位置にあるとき、案内突起63と、露光案内孔105bの感光体ドラム側端部との間には、所定の隙間がある。このため、上記線分A上に第一連結部材支持位置A3がくるまでの間、ホルダ65が露光位置から感光体ドラム3に近接する近接位置へと移動できる。
上記線分A上に第一連結部材支持位置A3がきた状態から引っ掛けレバー91aにより第一リンク部材101をさらに反時計回りに回動させると、第一連結部材支持位置A3が、線分Aよりも図8の上側に移動する。すると、連結軸103cを第一リンク部材101側(図中左側)へ移動させる引っ張りスプリング104’の力により、上側方向に移動させようとする力が第一連結部材支持位置A3に生じる。これにより、連結機構103を介して引っ張りスプリング104’により露光装置60を退避位置へ移動させる回動方向(図中反時計回り)に、第一リンク部材101が付勢される。その結果、第一リンク部材101が、引っ張りスプリング104’の付勢力により露光装置60を退避位置へ移動させる回動方向(図中反時計回り)に自動的に回転し、露光装置60を退避位置へ移動させる。
また、第一リンク部材101が反時計回りに回動することで、連結軸103cが、連結案内孔105aに案内されて、開閉カバー91側(図8の左側)へと移動する。すると、第二連結部材103bも開閉カバー側(図8の左側)へと移動し、第二リンク部材102が支点A1を支点にして反時計回りに回動する。すると、第二リンク部材102の支持孔102aを貫通している露光装置60の支持突起62と案内突起63とが、露光案内孔105bに案内されながら、感光体ドラム3から離間する方向に持上げられる。
第二リンク部材102の支持突起62を支持する支持孔102aが、支点A1側に延びる長孔形状となっている。このため、露光装置60は、円弧状の軌跡をとらず、露光案内孔105bに案内されながら、感光体ドラム3の法線方向に沿って直線状に露光位置から退避位置へと移動する。
このように、本実施形態では、露光装置60が、露光位置から感光体ドラム3の法線方向に沿って直線状に退避位置へ移動する。よって、帯電ローラ4、現像装置2を露光装置60に近接配置しても、露光装置60を露光位置から退避位置へ移動させるときに移動の邪魔となることがない。
また、露光案内孔105bは、図7に示すように感光体ドラム3の法線方向に直線状に延びる第一直線部分155aと、図中左斜め上方に直線状に延びる第二直線部分155cとを有している。また、露光案内孔105bは、第一直線部分155aと第二直線部分155cとを結ぶ曲率半径の小さい円弧状部分155bを有している。第二直線部分155cは、図9の矢印X1に示すように、プロセスカートリッジ50の引き出し方向とほぼ平行に延びている。支持突起62が露光案内孔105bの円弧状部分155bに案内されると、露光装置60は、案内突起63を支点にして、図中反時計回りに回動し、露光装置60の姿勢が変更される。そして、図9に示すように、案内突起63が、露光案内孔105bの第二直線部分155cにくると、露光装置60が、プロセスカートリッジ引き出し方向と略平行な退避姿勢となる。
このように、感光体ドラム3の法線方向に沿って直線状に露光装置60を移動させた後、露光装置60を回動させて、プロセスカートリッジ引き出し方向と略平行にしている。これにより、露光装置60を、プロセスカートリッジ50の着脱の邪魔とならない退避位置へ移動させるときの図中上下方向の移動量を、露光装置60を回動させない場合に比べて、少なくできる。これにより、露光装置60を露光位置と退避位置との間を移動するための図中上下方向スペースを狭めることができ、装置の小型化を図ることができる。
プロセスカートリッジ50を交換するなどして、図11に示す開閉カバー91が開位置にある状態から、開閉カバー91を閉めていくと、図12に示すように、引っ掛けレバー91aの先端面911が支持軸101bに当接する。
図12に示す状態から、開閉カバー91をさらに閉じていくと、引っ掛けレバー91aにより支持軸101bが押され、引っ張りスプリング104’の付勢力に抗して、第一リンク部材101を図中時計回りに回動させる。そして、先の図8に示す位置以上、引っ掛けレバー91aの先端面911で支持軸101bを押して、引っ張りスプリング104’の付勢力に抗して、第一リンク部材101を図中時計回りに回動させる。すると、第一連結部材支持位置A3(支持軸101b)が、線分Aよりも下側に位置し、引っ張りスプリング104’の付勢力による第一リンク部材101の回動方向が切り替わる。これにより、第一リンク部材101が引っ張りスプリング104’の付勢力による図中時計回りに自動で回動し、露光装置60が露光位置へ移動する。
装置の構成によっては、外装カバーの内側にインナーカバーを設け、外装カバーを構成する開閉カバー91に引っ掛けレバー91aを設けられない場合がある。このような場合は、インナーカバーの装置内部を開閉するカバーに上記引っ掛けレバー91aを設けて、インナーカバーの開閉に連動して露光装置60を、退避位置と露光位置との間で移動させるようにすればよい。
次に、露光装置60のレンズ面64aを清掃するための具体的な実施例について説明する。
図13は、露光装置60の退避経路Rの途中にレンズ面64aを清掃するレンズ清掃手段たるレンズ清掃部材69を配置した構成の説明図である。レンズ清掃部材69は、露光装置60のレンズ面64aに接触して清掃面形成部分が傾くように変形可能な部材である。図12に示すように、開閉カバー91の開閉により、露光装置60は露光位置から退避位置まで、直線と曲線の軌道を描いて退避経路Rを移動する。なお、露光装置60の退避経路Rは、レンズ面64aの副走査方向(書込ヘッド64の短手方向)中央の移動軌跡である。本実施形態では、退避経路Rの曲線軌道の途中に弾性をもったレンズ清掃部材69が配置されており、露光装置60が退避位置から露光位置まで移動する際にレンズ面64aがレンズ清掃部材69に押し当てられる。これにより、トナーや塵埃などの付着物をレンズ面64aからレンズ清掃部材69へ移され、レンズ面64aの付着物の除去が可能となる。レンズ清掃部材69は弾性をもったもので、例えば基材としての薄いマイラーに布部材としての不織布を貼り付けたものやブラシなどが挙げられるが、スポンジシール材等でも代用できる。レンズ清掃部材69は図13に示すようなL字状の保持部材72に両面テープなどで固定されており、この保持部材72は本体ステー71にねじ等で固定される。
図14は、レンズ清掃部材をブラシとした例を示す図であり、図14(a)は、斜視図であり、図14(b)は、側面図である。
レンズ清掃部材であるブラシ691aは基材691bに織り込まれており、基材691bの裏面と保持部材72を両面テープなどで固定する。レンズ清掃部材としてはその清掃性もさることながら、清掃圧が強いと露光装置60の退避時にレンズ清掃部材で引っかかってしまうため、そこに留意して選定する必要がある。ブラシ691aは樹脂製のPETやポリエステル、ナイロン製などが清掃性も良く、柔らかい材質のため良い。その他にも除電性能に優れたSUSの繊維のものでも良いが、露光装置60のレンズ面64aを傷つけないように注意する必要がある。また、ブラシ691aは清掃性が高く、より柔らかいものとなる繊維が細く、密度の高いものが良い。
露光装置60の長手方向に均等に清掃することができるため、ブラシ691aの毛の長さは長手方向で一律同じとするのが好ましいが、毛の長さを場所により変えても良い。ブラシ691aは露光装置60に付着した塵埃、トナーなどを、その毛の中に抱え込む形となるため、退避軌道の方向に毛を並べる形とすることで、より多くの塵埃、トナーを清掃できることとなる。
また、本実施形態では、レンズ清掃部材69を露光装置60の感光体ドラム3への位置決めと退避の途中に配置したが、露光装置60の退避は開閉カバー91の開閉と連動しているため、開閉カバー91の開閉により自動的に清掃されることとなる。開閉カバー91の内側には作像PCDUや搬送経路が存在し、紙詰まりを除去するためや、プロセスカートリッジ50を交換する時に開閉カバー91の開閉が行われ、その作業を行うことで露光装置60も自動で清掃されるため、メンテナンス性に優れている。
露光位置と退避位置の軌道経路の間にレンズ清掃部材69を配置することで、開閉カバー91の開閉により露光装置60が清掃される。このため、レンズ面64aの汚れによる画像不良が発生した場合、この開閉カバー91の開閉動作によりレンズ面64aを清掃して、画像不良の改善を図ることができる。しかし、1回の開閉による清掃動作で完全にレンズ面64aの付着物が取れない場合がある。従って、レンズ面64aの汚れによる画像不良が発生した場合、この開閉カバー91の開閉動作を複数回行ってレンズ面64aの汚れを行うように、操作マニュアルなどに記載しておくことになる。しかし、露光装置60の清掃のために大きい開閉カバー91の開閉を複数回行なうことは、作業者にそれなりの作業負荷が加わる。また、露光位置まで露光装置60を移動させるため、スプリング(トーションスプリング104または引っ張りスプリング104’)の付勢の方向が、露光装置60を退避位置へ移動させる方向から、露光装置60を露光位置へ移動させる方向に切り替わる。従って、開閉カバー91を閉じた後に開閉カバー91を開く操作をする必要があり、作業の負荷が大きい。露光装置60を露光位置まで移動させるため、操作量(回動量)が多く、これも清掃作業の負担に繋がる。
さらには、開閉カバー91の閉じ動作で、先の図3に示したように、各位置決めボス22が、書込ヘッド64の位置決め穴67a,67bに嵌り、スペーサ部材21に書込ヘッド64が当接して露光装置60が露光位置で位置決めされる。開閉カバー91の複数回の開閉によって、複数回清掃動作を行なうことで、各位置決めボス22や、書込ヘッド64の位置決め穴67a,67b、スペーサ部材21等に想定した以上に負荷がかかってしまう。その結果、位置決めボス22が根元から折れてしまうなどの不具合が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態では、開閉カバー91の開閉以外にも露光装置60を清掃できるように、第一リンク部材101の横に清掃操作手段としての清掃レバー106が設けられている(図5、7、12参照)。清掃レバー106はカバー部材105に回転可能に保持されており、この清掃レバー106を回転させることで第一リンク部材101の支持軸101bの真裏に形成された清掃用ボス部101cと接触し、清掃用ボス部101cを押す。清掃用ボス部101cが押されることで第一リンク部材101が回転する。第一リンク部材101の回転に伴い、露光装置60が退避位置から移動しその途中でレンズ清掃部材69と接触するため、露光装置60が清掃されることとなる。この清掃レバー106は開閉カバー91を開けると見える位置にあり、露光装置60が退避位置にある状態から、清掃レバー106を押すことで退避機構100を通じて露光装置60が移動して露光位置に向かい、その途中で清掃される。
また、清掃レバー106は、露光装置60が露光位置に到達する前に、その回動が規制される。具体的には、先の図8に示すように、第一連結部材支持位置A3が、第一リンク部材101の回動の支点A2と、連結軸103cとを結ぶ線分A上にくる前に清掃レバー106の回動が規制される。これにより、清掃レバー106の操作では、露光装置60が露光位置で位置決めされることがない。また、清掃レバー106を回動が規制される位置まで回動させた後、清掃レバー106を離すとスプリングにより元の退避位置に戻っていく。これにより、清掃レバー106を押す作業のみでよい。また、露光位置よりも手前までの移動で回動が規制されるため、露光位置まで移動させる開閉カバー91の開閉に比べて、操作量(回動量)が少ない。よって、露光装置60に異物が大量に付着した場合など、何度も露光装置60のレンズ面64aをレンズ清掃部材69に接触させて清掃する必要がある場合に、開閉カバー91を開け閉めするより楽に清掃することが可能となり、利用者の作業負担を低減するができる。
また、露光装置60が露光位置まで移動しないので、各位置決めボス22が、書込ヘッド64の位置決め穴67a,67bに嵌り、スペーサ部材21に書込ヘッド64が当接する位置決めが行われない。これにより、各位置決めボス22や、書込ヘッド64の位置決め穴67a,67b、スペーサ部材21等に想定した以上に負荷がかかるのを抑制することができ、位置決めボス22等の破損を抑制することができる。
次に、清掃レバー106の回動の規制について、図15、図16、図17を用いて具体的に説明する。
清掃レバー106は、利用者が清掃レバー106を押し易いようにした操作部106aを有しているが、それ以外は、先の図5、7、12に示す清掃レバー106と同様な構成である。
図15は、露光装置60が退避位置にあるときの退避機構を示す図である。また、図16は、清掃レバー106を操作して、露光装置60を退避位置から露光位置へ移動させる様子を示す図である。図17は、清掃レバー106の回動が規制された様子を示す図である。図15、図16、図17の(a)は、退避機構100を軸方向外側から見た図であり、(b)は、退避機構100を軸方向内側から見た図である。
図15に示すように、清掃レバー106は、カバー部材105に設けられたレバー支持軸105eに回転自在に取り付けられる取り付け穴を有した板状の取り付け部106cと、この取り付け部106cの図中左部から上方に延び、第一リンク部材101の清掃用ボス部101cに対向する作動部106bと、利用者が清掃レバー106を操作するための操作部106aとを有している。また、カバー部材105には、清掃用ボス部101cを逃がす逃がし溝105dと、清掃レバー106の回動を規制する規制突起105cとを有している。
図15に示す状態から、利用者が清掃レバー106の操作部106aを、図中右側(装置内部側)に押すと、清掃レバー106が、レバー支持軸105eを支点にして図中時計回りに回転する。すると、清掃レバー106の作動部106bが清掃用ボス部101cに当接し、第一リンク部材101を図中時計回りに回動させる。そして、図16に示すように、露光装置60のレンズ面64aがレンズ清掃部材69に接触する清掃位置に露光装置60が移動し、レンズ面64aがレンズ清掃部材69により清掃される。図16に示す状態から、さらに清掃レバー106を押し込んでいくと、図17に示すように、清掃レバー106の作動部106bが、規制突起105cに当接し、図中時計回りの回動が規制される。
図17に示すように、清掃レバー106の回動が規制突起105cに規制された状態において、第一連結部材支持位置A3は、第一リンク部材101の回動の支点A2と、連結軸103cとを結ぶ線分Aよりも図中上側に位置している。よって、この状態のときは、スプリング(トーションスプリング104または引っ張りスプリング104’)により第一リンク部材101は、図中反時計回りに回動する方向に付勢されている。従って、利用者が清掃レバー106を離すと、スプリングにより露光装置60は、元の退避位置に戻っていく。
図18は、清掃レバーの変形例を示す図である。
図15~図17に示した清掃レバー106は、取り付け部106cを板状とし、作動部106bを第一リンク部材101の回動の支点A2から離した位置に設けることで、図17に示すように、清掃レバー106が規制位置に位置した状態で、第一リンク部材101の回動の支点A2に当接しないようにしている。
一方、図18に示す変形例の清掃レバー106´は、略中央にレバー支持軸105eに回転自在に取り付けられる取り付け穴を有する略円形状の取り付け部106´cとし、作動部106´bを、第一リンク部材101の回動の支点A2を逃げる湾曲形状としたものである。かかる構成でも、図18に示すように、清掃レバー106が規制位置に位置した状態で、第一リンク部材101の回動の支点A2に当接しないようにできる。
図19は、軸方向一端側に配置されたスペーサ部材21と感光体ドラム3とを示す斜視図であり、図20は、図19とは反対側から見た軸方向一端側に配置されたスペーサ部材21と感光体ドラム3とを示す斜視図である。
スペーサ部材21は、感光体ドラム3に接触する円弧状の感光体接触面21b1を有する土台部21bと、土台部21bの感光体ドラム接触面と反対側の面から垂直に延び出した一対の位置決め部21aと、係合部21cとを備えている。
上カバー50bの軸方向両端には、スペーサ部材21を保持するスペーサ保持部150が設けられている。スペーサ保持部150は、第一スペーサ保持部150aと、第二スペーサ保持部150bとを有している。図19に示すように、第一スペーサ保持部150aは、副走査方向に延び出しており、図中奥側(係合部21c側)の位置決め部21aが感光体ドラム3の法線方向に貫通する切り欠きを有している。スペーサ部材21の土台部21bは、感光体ドラム3と第一スペーサ保持部150aとに上下方向に挟まれることで、上下方向(感光体ドラム3の法線方向)に保持される。
スペーサ部材21の係合部21cは、土台部21bの感光体ドラム表面移動方向の一端側から垂直に伸びており、図20に示すように、先端が鉤形状となっている。この係合部21cの鉤形状部分を、上カバー50bの棒状の第二スペーサ保持部150bに引っ掛けることで、スペーサ部材21は、副走査方向に保持される。
スペーサの位置決め部21aの先端部は、書込ヘッド64が当接して感光体ドラムと書込ヘッド64のレンズ面64aとの距離が規定の距離となるように位置決めする位置決め面21a1が設けられている。
図21は、軸方向一端側に配置されたスペーサ部材21に書込ヘッド64が当接している様子を示す斜視図であり、図22は、軸方向一端側に配置されたスペーサ部材21に書込ヘッド64が当接している様子を示す正面図である。
図21、図22に示すように、露光位置において、書込ヘッド64のレンズ面64aよりも主走査方向外側の当接部である被位置決め面64b1が、スペーサ部材21の位置決め面21a1に当接している。これにより、感光体ドラム3とレンズ面64aとの距離Dが、規定の距離となるように、書込ヘッド64が感光体ドラム3の法線方向に位置決めされる。
軸方向他端側のスペーサ部材は、位置決め部21aが一つだけ設けられている。そのため、書込ヘッド64は、3点支持のような形で、スペーサ部材21により位置決めされる。このように、3点支持のような形で、書込ヘッド64が位置決めされることで、4点支持に比べて、安定的に書込ヘッド64を感光体ドラム3の法線方向に位置決めすることができる。
本実施形態では、感光体ドラムの表面にスペーサ部材21を突き当てて、スペーサ部材に書込ヘッド64を突き当てて感光体ドラム3の法線方向に位置決めしているが、感光体ドラム3を回転自在に保持しているフレームの面に書込ヘッド64を突き当てて書込ヘッド64を突き当てて感光体ドラム3の法線方向に位置決めしてもよい。
図23は、書込ヘッド64のレンズ面64aよりも主走査方向外側に付着したトナーを示す図である。
感光体ドラム3の周囲には、感光体ドラム3にトナーを付着させ、現像する現像装置2や、感光体ドラム3に残留した転写残トナーを除去するクリーニング装置5が配置されており、これら装置からトナーが飛散することがある。そのため、露光位置において、感光体ドラム3に近接配置される書込ヘッド64は、少なからずトナー飛散を受け、飛散したトナーが書込ヘッド64のレンズ面64aや図23に示すように、レンズ面64aよりも主走査方向外側の感光体ドラム3との対向面64bに付着する。
上述したようにレンズ面64aに付着したトナーは、レンズ清掃部材69により清掃されるが、レンズ面64aよりも主走査方向外側の感光体ドラム3との対向面64bに付着した付着トナーTHは、清掃されることなくそのまま付着したままとなる。
図23に示す破線の被位置決め面64b1は、露光位置において、スペーサ部材21の位置決め面21a1に当接している。そのため、露光位置に位置するとき、被位置決め面64b1には、飛散したトナーが付着することはない。しかし、露光装置60を露光位置と退避位置との間を移動させる接離動作のときや、露光装置60が退避位置に位置しているときは、被位置決め面64b1は、露出した状態となる。その結果、露光装置60を露光位置と退避位置との間を移動させるときや、露光装置60が退避位置に位置しているときに装置内を浮遊しているトナー、塵および埃が被位置決め面64b1に付着するおそれがある。
また、接離動作のときの振動や、その対向面64bに当たった気流により、対向面64bに付着している付着トナーTHが、被位置決め面64b1に移動してくる場合もある。その結果、図23に示すように、被位置決め面64b1にトナーが付着する場合があった。そのため、退避位置から露光位置へ露光装置60を移動させたとき、スペーサ部材21の位置決め面21a1と、被位置決め面64b1との間にトナーなどが挟まることがあった。
また、退避位置から露光位置へ露光装置60を移動させたときに、ガタ等により前回と同位置にスペーサ部材21の位置決め面21a1が当接しないこともある。このようなガタ等の影響で、位置決め面21a1に当接する被位置決め面64b1の位置が変わり、位置決め面21a1と被位置決め面64b1との間にトナーなどが挟まる場合もある。
上述した様々な要因で、位置決め面21a1と被位置決め面64b1との間にトナーなどが挟まると、感光体ドラムと書込ヘッド64のレンズ面64aとの距離Dが規定の距離に対してずれてしまう。書込ヘッド64は、小型である反面、短焦点であるため、使うレンズにもよるが焦点方向の位置決め精度として50μm以下の精度が求められる。
トナーの粒径はその機械により異なるが、10μm以下であることが多く、多少、位置決め面21a1と被位置決め面64b1との間にトナーなどが挟まっても、感光体ドラムと書込ヘッド64のレンズ面64aとの距離Dが規定の距離に対して50μm以上ずれることがない。しかし、経時の使用で被位置決め面64b1に付着する付着物が増加していき、経時の使用で感光体ドラムと書込ヘッド64のレンズ面64aとの距離Dが規定の距離に対して50μm以上ずれるおそれがある。
また、トナーの飛散量が多く、対向面64bに大量のトナーが付着しているような場合は、接離動作時の振動などで大量のトナーが被位置決め面64b1に移動し、一回の接離動作で、被位置決め面64b1に付着したトナーによって感光体ドラム3と書込ヘッド64のレンズ面64aとの距離Dが規定の距離に対して数10μm、場合によって100μmを超えるほどずれることもあった。
このように、規定距離に対して、感光体ドラムと書込ヘッド64のレンズ面64aとの距離Dがずれてしまうと、感光体ドラムの表面に良好な潜像を書き込むことができず、画像ボケなどの異常画像が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、少なくとも被位置決め面64b1を清掃し、被位置決め面64b1に付着したトナー等の付着物を除去する清掃手段としての位置決め清掃部材を設けた。
図24は、露光装置60の退避経路Rの途中に位置決め清掃部材211を配置した構成の説明図であり、図25は、位置決め清掃部材211と書込ヘッド64とスペーサ部材21とを示す図である。なお、図25は、図24のZ1方向から見たものである。
位置決め清掃部材211も、レンズ清掃部材69と同様、退避経路Rの曲線軌道の途中に配置されており、露光装置60が退避位置と露光位置との間を移動する際に書込ヘッド64の少なくとも被位置決め面64b1に押し当てられる。これにより、少なくとも被位置決め面64b1に付着したトナーや塵埃などの付着物が、位置決め清掃部材211へ移され、付着物が被位置決め面64b1から除去される。よって、位置決め面21a1と被位置決め面64b1との間にトナーなどが挟まるのを抑制でき、感光体ドラム3と書込ヘッド64のレンズ面64aとの距離Dが規定の距離に対してずれるのを抑制できる。
また、退避経路Rの曲線軌道の途中に位置決め清掃部材211を配置することで、レンズ清掃部材69と同様、紙詰まりの除去時や、プロセスカートリッジ50を交換する時の開閉カバー91の開閉時に、被位置決め面64b1も自動で清掃されるため、メンテナンス性にも優れている。
図24に示す位置決め清掃部材211は、ブラシであり、位置決め清掃部材211は、ネジ、両面テープなどの公知の方法で第二保持部材201に固定されており、この第二保持部材201は本体ステー71にねじ等で固定される。また、位置決め清掃部材211は、主走査方向の両端に設けられている。
位置決め清掃部材211は、ブラシが弾性変形しながら、被位置決め面64b1を含む書込ヘッド64の感光体ドラム3との対向面64bを副走査方向(書込ヘッドの短手方向)に摺擦して、被位置決め面64b1に付着した付着物を除去する。この際に、被位置決め面64b1の周辺に付着したトナーなどの付着物も位置決め清掃部材211により除去される。これにより、より一層、位置決め面21a1と被位置決め面64b1との間にトナーなどが挟まるのを抑制でき、感光体ドラム3と書込ヘッド64のレンズ面64aとの距離Dが規定の距離に対してずれるのを抑制できる。また、ガタ等が多少あって、対向面64bのスペーサ部材21の位置決め面21a1に当接する箇所が多少ずれたとしても、位置決め面21a1と被位置決め面64b1との間にトナーなどが挟まるのを抑制できる。
位置決め清掃部材211をブラシとすることで、植毛密度、植毛太さ、長さなどを任意に選択することができ、所望の清掃性を容易に得ることができる。また、板状部材に比べて、当たりも柔らかくすることが可能で、位置決め清掃部材211を通過する際の露光装置60の移動抵抗を、位置決め清掃部材211として板状部材を用いた場合に比べて低減することが可能となる。
位置決め清掃部材211およびレンズ清掃部材69は、ブラシが弾性変形しながら、清掃面(位置決め清掃部材211においては、被位置決め面64b1、レンズ清掃部材69においては、レンズ面64a)に摺擦して、清掃面に付着した付着物を除去する。そのため、各清掃部材の清掃領域を露光装置60が通過する際に、所定の移動抵抗が加わる。この移動抵抗がスプリング104の付勢力を上回ると、露光装置60の移動が止まってしまい、退避位置まで移動しないおそれがある。また、移動抵抗が高いと、開閉カバー91を閉じる際や、清掃レバー106を押し込む際に大きな力が必要となる。
そのため、本実施形態では、位置決め清掃部材211の清掃位置を、レンズ清掃部材69の清掃位置よりも露光装置60の退避位置から露光位置への移動方向上流側に位置させ、位置決め清掃部材211の清掃タイミングを、レンズ清掃部材69の清掃タイミングと異ならせている。これにより、清掃時にかかる移動抵抗を分散でき、位置決め清掃部材211の清掃タイミングとレンズ清掃部材69の清掃タイミングを一致させた場合に比べて移動抵抗を抑制できる。その結果、露光装置60をスプリング104の付勢力で退避位置まで移動させることができる。また、スムーズに開閉カバー91を閉じることができる。また、スムーズに清掃レバー106を操作することができる。
また、位置決め清掃部材211が清掃する被位置決め面64b1は、レンズ清掃部材69が清掃するレンズ面64aよりもホルダ65側に位置している。そのため、退避経路Rの曲線軌道において、被位置決め面64b1の移動軌跡は、レンズ面64aの移動軌跡よりも本体ステー71から離れた位置となる。そのため、位置決め清掃部材211のブラシ長さを、レンズ清掃部材69のブラシ長さと同一とし、かつ、ブラシ根元から退避経路Rまでの距離をレンズ清掃部材69と同一とした場合、被位置決め面64b1が位置決め清掃部材211に接触せず清掃できないおそれがある。あるいは、ブラシの先端のみに接触し、ブラシがほとんど弾性変形せず、所望の圧で被位置決め面64b1に摺擦できず、ブラシで被位置決め面64b1に付着したトナーを除去できないおそれがある。また、ブラシがほとんど弾性変形しないことで、被位置決め面64b1との接触時間が短くなり、ブラシで被位置決め面64b1に付着したトナーを除去できないおそれがある。
そのため、本実施形態では、図24に示すように、位置決め清掃部材211のブラシ根元から退避経路Rまでの距離Q1を、レンズ清掃部材のブラシ根元から退避経路Rまでの距離Q2よりも短くしている。これにより、位置決め清掃部材211を、被位置決め面64b1に所定の圧で接触させることができる。また、ブラシが所定量弾性変形し、所定の時間、ブラシを被位置決め面64b1に摺擦させることができる。これにより、ブラシで被位置決め面64b1に付着したトナーなどを良好に除去することができる。
レンズ面64aを清掃するレンズ清掃部材69は、レンズ面64aを傷付けずに良好にレンズ面64aに付着した付着物を除去できる機能が求められる。一方、位置決め清掃部材211は、多少、被位置決め面64b1が傷ついたとしても、位置決めに支障がないことから、清掃による被位置決め面64b1の傷つきについて考慮する必要はない。位置決め清掃部材211は、スペーサ部材21の位置決め面21a1と被位置決め面64b1とに挟まれて被位置決め面64b1への付着力が高まった付着物を除去できる機能が求められる。従って、位置決め清掃部材211の被位置決め面64b1への接触圧を、レンズ清掃部材69のレンズ面64aへの接触圧よりも高くするのが好ましい。
また、位置決め清掃部材211で取り切れなかったトナーや、露光装置60が退避位置に位置しているときに、スペーサ部材21の位置決め面21a1に付着したトナーなどの付着物が、被位置決め面64b1と位置決め面21a1とに挟まれることもある。被位置決め面64b1と位置決め面21a1とに挟まれた付着物は、所定の圧を受けて、被位置決め面64b1との付着力が高まっている。上述したように、位置決め清掃部材211の被位置決め面64b1への接触圧を、レンズ清掃部材69のレンズ面64aへの接触圧よりも高くすることで、このような付着力が高まった付着物を良好に除去することができる。
なお、位置決め清掃部材211で取り切れなかったり、露光装置60が退避位置に位置しているときにスペーサ部材21の位置決め面21a1に浮遊したトナーが付着したりして、多少、被位置決め面64b1と位置決め面21a1と間にトナーが挟まれたとしても、レンズ面64aと感光体ドラム3の距離Dが規定の距離に対して50μm以上ずれることはなく、画像に影響がでることはほぼない。
スペーサ部材21の位置決め面21a1に付着したトナーは、露光装置60の接離動作で被位置決め面64b1が位置決め面21a1から離れるときに被位置決め面64b1へ移り、位置決め清掃部材211により除去される。従って、経時の使用でスペーサ部材21の位置決め面21a1に付着するトナーなどの付着物が堆積していくことはない。
また、スペーサ部材21の位置決め面21a1を被位置決め面64b1よりも平滑にするなどして、被位置決め面64b1と位置決め面21a1と間に挟まれたトナーが被位置決め面64b1に付着しやすくするのが好ましい。このように構成することで、スペーサ部材21の位置決め面21a1に付着したトナーが、露光装置60の接離動作で被位置決め面64b1が位置決め面21a1から離れるときに被位置決め面64b1により一層移りやすくすることができる。
なお、接触圧を高めることで、位置決め清掃部材211の清掃領域を抜けるときの露光装置60の移動抵抗が高まってしまう。しかし、位置決め清掃部材211は、レンズ清掃部材69とは異なり、主走査方向に短いため、多少、接触圧が高くなっても、移動抵抗がスプリング104の付勢力を上回ることがなく、スプリング104の付勢力で退避位置まで露光装置60を移動させることができる。
位置決め清掃部材211の植毛密度、植毛太さ、長さ、ブラシの材質などのブラシの種類をレンズ清掃部材69のブラシ種類と異ならせることで、各清掃部材に応じた機能(レンズ清掃部材69:レンズ面64aを傷つけることなく、良好にレンズ面64aを清掃する機能、位置決め清掃部材211:被位置決め面への付着力が強い付着物を良好に除去できる機能)を容易に実現することができ、好ましい。
具体的には、位置決め清掃部材211として、レンズ清掃部材69よりも植毛密度が高い種類のブラシを用いる。植毛密度が高いブラシは弾性変形し難く清掃面との接触圧が高くなる。よって、位置決め清掃部材211として、レンズ清掃部材69と植毛密度が同じ種類のブラシを用いた場合に比べて、位置決め清掃部材211と被位置決め面64b1との接触圧を高めることができ、良好に被位置決め面64b1を清掃することができる。また、レンズ清掃部材69として、位置決め清掃部材211植毛密度が低い種類のブラシを用いることでブラシがスムーズに弾性変形してレンズ面64aとの接触圧が高まるのを抑制でき、レンズ面64aの傷つきを抑制できる。
また、位置決め清掃部材211として、レンズ清掃部材69よりも植毛太さが太い種類のブラシを用いてもよい。ブラシの毛の太さが太いほど、ブラシのコシが高くなり、清掃面との接触圧が高くなる。よって、位置決め清掃部材211として、レンズ清掃部材69よりも植毛太さが太い種類のブラシを用いることで、位置決め清掃部材211として、レンズ清掃部材と植毛太さが同一のブラシを用いた場合に比べて位置決め清掃部材211と被位置決め面64b1との接触圧を高めることができる。これにより、良好に被位置決め面64b1を清掃することができる。また、レンズ清掃部材69として、位置決め清掃部材211よりも植毛太さが細い種類のブラシを用いることでブラシがスムーズに弾性変形してレンズ面64aとの接触圧が高まるのを抑制でき、レンズ面64aの傷つきを抑制できる。
また、位置決め清掃部材211として、レンズ清掃部材69のブラシの材質よりもコシの強い材質のブラシを用いてもよい。位置決め清掃部材211として、レンズ清掃部材69のブラシの材質よりもコシの強い材質のブラシを用いることで、上記と同様に、良好に被位置決め面64b1を清掃することができる。また、レンズ清掃部材69として、位置決め清掃部材211よりもコシの弱い材質のブラシを用いることでブラシがスムーズに弾性変形してレンズ面64aとの接触圧が高まるのを抑制でき、レンズ面64aの傷つきを抑制できる。
また、位置決め清掃部材211として、レンズ清掃部材69よりもブラシ長さが長い種類のブラシを用いてもよい。位置決め清掃部材211として、レンズ清掃部材69よりもブラシ長さが長い種類のブラシを用いることで、位置決め清掃部材211のブラシ根元から退避経路Rまでの距離Q1が、レンズ清掃部材のブラシ根元から退避経路Rまでの距離Q2と同一であっても、位置決め清掃部材211を、被位置決め面64b1に良好に接触させることができ、被位置決め面64b1に付着したトナーなどを良好に除去することができる。
また、植毛密度、植毛太さ、ブラシ材質、ブラシ根元から退避経路Rまでの距離およびブラシ長さを適宜組み合わせて、各清掃部材に応じた機能(レンズ清掃部材69:レンズ面64aを傷つけることなく、良好にレンズ面64aを清掃する機能、位置決め清掃部材211:被位置決め面への付着力が強い付着物を良好に除去できる機能)を満たすようにしてもよい。
図26は、位置決め清掃部材211を板状部材とした例を示す概略図である。
図26に示すように、位置決め清掃部材211を、弾性をもった板状部材としたものであり、例えば薄いマイラーに不織布を貼り付けたもの、ゴムブレードなどを挙げることができる。位置決め清掃部材211を弾性を持った板状部材とした場合でも、露光装置60の接離動作において、板状の位置決め清掃部材211が弾性変形しながら、被位置決め面64b1に摺擦することで、被位置決め面64b1に付着した付着物を除去することができる。
図27は、ひとつのブラシでレンズ面64aと被位置決め面64b1とを清掃するようにした例を示す図である。
図27に示すように、保持部材72に、レンズ面64aを清掃するレンズ清掃手段としてのレンズ清掃ブラシ部169と、被位置決め面64b1を清掃する清掃手段としての位置決め清掃ブラシ部1211とを有している。レンズ清掃ブラシ部169は、レンズ面64aと対向している。位置決め清掃ブラシ部1211は、レンズ清掃ブラシ部169の主走査方向(図中左右方向)の両側に設けられ、被位置決め面64b1と対向している。
図27に示すように、レンズ面64aを清掃するレンズ清掃手段と被位置決め面64b1を清掃する清掃手段とを一体的に構成することで、レンズ清掃手段と清掃手段とを別々に設けるものに比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。
図28は、図27に示す構成の変形例である。
保持部材72は、レンズ清掃ブラシ部169を保持する第一保持部72aと、この第一保持部72aよりもブラシ先端側に突き出し、位置決め清掃ブラシ部1211を保持する第二保持部72bとを有している。このように構成することで、レンズ清掃ブラシ部169と、位置決め清掃ブラシ部1211の毛の長さが同一で、位置決め清掃ブラシ部1211のブラシ先端を、レンズ清掃ブラシ部169のブラシ先端よりも突出(退避経路R側に位置)させることができる。
これにより、レンズ面64aよりも引っ込んだ位置にある被位置決め面64b1に位置決め清掃ブラシ部1211を良好に接触させることができ、良好に被位置決め面64b1に付着した付着物を除去することができる。
図29は、レンズ面64aを清掃するレンズ清掃手段と被位置決め面64b1を清掃する清掃手段とを一体的に構成するさらに別の例を示す図である。
図29に示すように、この例では、保持部材208の上面に両面テープ等で、板状の位置決め清掃部材211を貼り付け、保持部材208の下面に両面テープ等で、板状のレンズ清掃部材69を貼り付けたものである。
図29に示す構成においても、レンズ面64aを清掃するレンズ清掃手段と被位置決め面64b1を清掃する清掃手段とを一体的に構成しているので、レンズ清掃手段と清掃手段とを別々に設けるものに比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。さらに、図29に示す構成は、位置決め清掃部材211が被位置決め面64b1を清掃するタイミングと、レンズ清掃部材69がレンズ面64aを清掃するタイミングとを互いに異ならせることができる。これにより、位置決め清掃部材211の被位置決め面64b1との接触圧を高めても、移動抵抗がスプリング104の付勢力を上回ることがなく、スプリング104の付勢力で退避位置まで露光装置60を移動させることができる。
また、被位置決め面64b1にエアを吹き付けて、被位置決め面に付着した付着物を吹き飛ばすことで、被位置決め面を清掃するようにしてもよい。例えば、清掃手段として、エアシリンダを配置し、被位置決め面64b1がエアシリンダとの対向領域を通過する際に、エアシリンダからエアを放出し、被位置決め面64b1にエアを吹き付けて、被位置決め面64b1に付着している付着物を吹き飛ばす。また、ファンによりダクトへ空気を送り込み、ダクトから放出されたエアを被位置決め面64b1に吹き付けることで、被位置決め面64b1に付着している付着物を吹き飛ばす。
このように、気流により被位置決め面64b1を清掃することで、移動抵抗が高まるのを抑制でき、露光装置60を、退避位置と露光位置との間でスムーズに移動させることができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
感光体ドラム3などの潜像担持体と、潜像担持体に近接した露光位置と潜像担持体から離間した退避位置との間で移動可能に構成された露光装置60と、露光位置で露光装置60(本実施形態では、露光装置60の書込ヘッド64)が当接し、潜像担持体との間隔を決めるスペーサ部材21とを備えた画像形成装置において、露光装置60のスペーサ部材21に当接する被位置決め面64b1などの当接部を清掃する位置決め清掃部材211などの清掃手段を備える。
これによれば、位置決め清掃部材211などの清掃手段により被位置決め面64b1などの当接部を清掃することで、当接部に付着した付着物を除去することができ、露光位置で露光装置60と感光体ドラム3などの潜像担持体との間隔を規定の間隔に維持することができ、良好な画像を形成することができる。
(態様2)
態様1において、位置決め清掃部材211などの清掃手段は、露光装置60が退避位置と露光位置との間を移動する過程において、被位置決め面64b1などの当接部を清掃する。
これによれば、実施形態で説明したように、感光体ドラム3などの潜像担持体を備えたプロセスカートリッジ50を交換する時などの露光装置60の接離動作時に、被位置決め面64b1などの当接部が自動で清掃される。
(態様3)
態様2において、露光装置が退避位置と露光位置との間を移動する過程で露光装置60のレンズ面64aを清掃するレンズ清掃部材69などのレンズ清掃手段を備え、レンズ清掃手段がレンズ面64aを清掃するタイミングと、位置決め清掃部材211などの清掃手段が被位置決め面64b1などの当接部を清掃するタイミングとが互いに異なる。
これによれば、実施形態で説明したように、レンズ清掃部材69などのレンズ清掃手段がレンズ面64aを清掃するタイミングと、位置決め清掃部材211などの清掃手段が被位置決め面64b1などの当接部を清掃するタイミングとが同一の場合に比べて、露光装置が退避位置と露光位置との間を移動する際の移動抵抗の高まりを抑制でき、露光装置の接離動作をスムーズに行うことができる。
また、レンズ清掃手段の清掃タイミングと清掃手段の清掃タイミングとが同一の場合に比べて、露光装置のスムーズな接離動作を阻害しない清掃手段の当接部との接触圧の上限を高くすることができる。これにより、レンズ清掃手段の清掃タイミングと清掃手段の清掃タイミングとが同一の場合に比べて、清掃手段の当接部との接触圧を高めることが可能となる。
(態様4)
態様2または3において、露光装置が退避位置と露光位置との間を移動する過程で露光装置のレンズ面を清掃するレンズ清掃部材69などのレンズ清掃手段を備え、レンズ清掃手段と位置決め清掃部材211などの清掃手段とが一体的に構成されている。
これによれば、図27~図29を用いて説明したように、レンズ清掃部材69などのレンズ清掃手段と位置決め清掃部材211などの清掃手段とを別々に構成した場合に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。
(態様5)
態様4において、清掃手段の先端を、レンズ清掃手段の先端よりも突出させた。
これによれば、図28を用いて説明したように、レンズ面64aよりも引っ込んだ位置にある被位置決め面64b1などの当接部に清掃手段を良好に接触させることができ、良好に被位置決め面64b1に付着した付着物を除去することができる。
(態様6)
態様2乃至5いずれかにおいて、露光装置が退避位置と露光位置との間を移動する過程で露光装置のレンズ面を清掃するレンズ清掃部材69などのレンズ清掃手段を備え、位置決め清掃部材211などの清掃手段の被位置決め面64b1などの当接部との接触圧を、レンズ清掃手段のレンズ面64aとの接触圧よりも高くした。
これによれば、実施形態で説明したように、レンズ清掃手段のレンズ面64aとの接触圧と位置決め清掃部材211などの清掃手段の被位置決め面64b1などの当接部との接触圧を同一にした場合に比べて、レンズ面64aの傷つきを抑制し、かつ、被位置決め面64b1などの当接部に付着した付着物を良好に除去することができる。
(態様7)
態様2乃至6いずれかにおいて、露光装置60が退避位置と露光位置との間を移動する過程で露光装置60のレンズ面64aを清掃するレンズ清掃部材69などのレンズ清掃手段を備え、レンズ清掃手段および位置決め清掃部材211などの清掃手段は、種類が互いに異なるブラシである。
これによれば、実施形態で説明したように、レンズ清掃部材69などのレンズ清掃手段と位置決め清掃部材211などの清掃手段とのブラシ種類が同一の場合に比べて、各清掃手段に応じた機能(レンズ清掃手段:レンズ面64aを傷つけることなく、良好にレンズ面64aを清掃する機能、清掃手段:当接部への付着力が強い付着物を良好に除去できる機能)を容易に実現することができる。
(態様8)
態様7において、位置決め清掃部材211などの清掃手段として、レンズ清掃部材69などのレンズ清掃手段とはブラシ密度が異なる種類のブラシを用いた。
これによれば、実施形態で説明したように、レンズ清掃部材69などのレンズ清掃手段については、レンズ面64aを傷つけることなく、良好にレンズ面64aを清掃することができる。位置決め清掃部材211などの清掃手段については、被位置決め面64b1などの当接部への付着力が強い付着物を良好に除去できる。
(態様9)
態様7または8において、位置決め清掃部材211などの清掃手段として、レンズ清掃部材69よりもブラシ長さが長い種類のブラシを用いた。
これによれば、実施形態で説明したように、レンズ面64aよりも下がった位置にある被位置決め面64b1などの当接部に位置決め清掃部材211などの清掃手段を良好に接触させることができ、良好に当接部に付着した付着物を除去することができる。
(態様10)
態様2乃至6いずれかにおいて、清掃手段は、ブラシである。
これによれば、位置決め清掃部材211などの清掃手段と被位置決め面64b1など当接部とが接触するとブラシが弾性変形して逃げて、露光装置の退避位置と露光位置との間を移動時における移動抵抗の高まりを抑制することができる。また、弾性変形することで、当接部との接触を維持することができ、良好に当接部に付着した付着物を除去することができる。
(態様11)
態様2乃至6いずれかにおいて、位置決め清掃部材211などの清掃手段は、弾性を有する板状部材である。
これによれば、位置決め清掃部材211などの清掃手段と被位置決め面64b1など当接部とが接触すると板状部材が弾性変形して逃げて、露光装置の退避位置と露光位置との間を移動時における移動抵抗の高まりを抑制することができる。また、弾性変形することで、当接部との接触を維持することができ、良好に当接部に付着した付着物を除去することができる。
(態様12)
態様2または3において、清掃手段は、被位置決め面64b1などの当接部に空気を吹き付けて清掃する。
これによれば、被位置決め面64b1などの当接部に非接触で当接部に付着した付着物を除去することができる。露光装置の退避位置と露光位置との間を移動時における移動抵抗を増加させずに、当接部に付着した付着物を除去することができる。
1 :プリンタ
3 :感光体ドラム
20 :退避装置
21 :スペーサ部材
21a :位置決め部
21a1 :位置決め面
21b :土台部
21b1 :感光体接触面
21c :係合部
22 :位置決めボス
50 :プロセスカートリッジ
50a :ケース
50b :上カバー
60 :露光装置
62 :支持突起
63 :案内突起
64 :書込ヘッド
64a :レンズ面
64b :対向面
64b1 :被位置決め面
65 :ホルダ
66 :バネ部材
67a :位置決め穴
67b :位置決め穴
68 :移動規制部
69 :レンズ清掃部材
71 :本体ステー
72 :保持部材
72a :第一保持部
72b :第二保持部
91 :開閉カバー
91a :引っ掛けレバー
100 :退避機構
101 :第一リンク部材
101a :ボス部
101b :支持軸
101c :清掃用ボス部
102 :第二リンク部材
102a :支持孔
102b :引っ掛け部
103 :連結機構
103a :第一連結部材
103b :第二連結部材
103c :連結軸
105 :カバー部材
105a :連結案内孔
105b :露光案内孔
105c :規制突起
105d :逃がし溝
105e :レバー支持軸
106 :清掃レバー
106a :操作部
106b :作動部
106c :取り付け部
107 :退避機構連結部材
111 :装置本体側板
113 :引っ掛け部
150 :スペーサ保持部
150a :第一スペーサ保持部
150b :第二スペーサ保持部
169 :レンズ清掃ブラシ部
201 :第二保持部材
208 :保持部材
211 :位置決め清掃部材
691a :ブラシ
691b :基材
911 :先端面
1211 :位置決め清掃ブラシ部
TH :付着トナー
特開2018-1752号公報

Claims (10)

  1. 潜像担持体と、
    前記潜像担持体に近接した露光位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間で移動可能に構成された露光装置と、
    前記露光位置で前記露光装置が当接し、前記潜像担持体との間隔を決めるスペーサ部材とを備えた画像形成装置において、
    前記露光装置が前記退避位置と前記露光位置との間を移動する過程において前記露光装置の前記スペーサ部材に当接する当接部を清掃する清掃手段と、
    前記露光装置が前記退避位置と前記露光位置との間を移動する過程において前記露光装置のレンズ面を清掃するレンズ清掃手段を備え、
    前記レンズ清掃手段が前記レンズ面を清掃するタイミングと、前記清掃手段が前記当接部を清掃するタイミングとが互いに異なることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項に記載の画像形成装置において
    記レンズ清掃手段と前記清掃手段とが一体的に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
    前記清掃手段の先端を、前記レンズ清掃手段の先端よりも突出させたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項乃至いずれか一項に記載の画像形成装置において
    記清掃手段の前記当接部との接触圧を、前記レンズ清掃手段の前記レンズ面との接触圧よりも高くしたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項乃至いずれか一項に記載の画像形成装置において
    記レンズ清掃手段および前記清掃手段は、種類が互いに異なるブラシであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項に記載の画像形成装置において、
    前記清掃手段として、前記レンズ清掃手段とはブラシ密度が異なる種類のブラシを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項またはに記載の画像形成装置において、
    前記清掃手段として、前記レンズ清掃手段よりもブラシ長さが長い種類のブラシを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項乃至いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記清掃手段は、ブラシであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項乃至いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記清掃手段は、弾性を有する板状部材であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記清掃手段は、前記当接部に空気を吹き付けて清掃することを特徴とする画像形成装置。
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