JP7476115B2 - 新規の塩および結晶 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年6月6日に出願された米国仮出願第62/681,534号(その内容は出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)の利益及び優先権を主張する国際出願である。
分野
本開示は、置換複素環縮合γカルボリンの塩および結晶形態、その製造、その医薬組成物、ならびに、例えば5-HT2A受容体、セロトニントランスポーター(SERT)、および/またはドパミンD1/D2受容体シグナル伝達経路が関与しているかまたはそれにより媒介されている疾患または異常状態の治療における、その使用に関する。
1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(しばしば、4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8(7H)-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1-ブタノンと称され、ルマテペロンまたはITI-007としても知られている)は、以下の構造:
を有する。
ITI-007は、ドパミン(DA)D2受容体(Ki=32nM)およびセロトニントランスポーター(SERT)(Ki=62nM)に対して強い親和性を有する強力な5-HT2A受容体リガンド(Ki=0.5nM)であるが、抗精神病薬(例えば、H1ヒスタミン作動薬、5-HT2C、およびムスカリン作用薬)の認知的および代謝的副作用に関連する受容体への結合はごくわずかである。ITI-007は、ドパミンD1受容体(Ki=52nM)でも活性であり、この相互作用を介して間接的に、ITI-007は、脳において、特に内側前頭前皮質(mPFC)において、NMDAおよびAMPAシグナル伝達を増強させることが判明している。ITI-007は、現在、例えば統合失調症、うつ、および他の精神的障害の治療のための、臨床試験中である。ITI-007は有望な薬物であるが、その製造および製剤化には課題がある。ITI-007は、遊離塩基形態では、水溶性に乏しい、油性で粘着性のある固体である。該化合物の塩を作ることは非常に難しいことが証明されている。ITI-007の塩酸塩形態は特許文献1に開示されているが、この特定の塩形態は吸湿性であり、安定性が低いことが示されている。それはジエチルエーテルからの沈殿により得られた。最終的にはITI-007のトルエンスルホン酸付加塩(トシル酸塩)が同定され、特許文献2および特許文献3(特許文献4)に記載されている。
ITI-007の代替の安定で薬学的に許容される塩および多形体が必要とされている。
米国特許第7,183,282号 国際公開第2009/114181号 米国特許出願公開第2011/0112105号 米国特許第8,648,077号
ITI-007の新しい塩および多形体を見つけるための努力において、広範な塩スクリーニングを行った。ITI-007は、遊離塩基のさまざまな有機溶媒への良好な溶解性にもかかわらず、他の一般的な薬学的に許容される酸とは容易には塩を形成しない。最初に、国際公開第2009/114181号および米国特許出願公開第2011/0112105号に記載しているように、トルエンスルホン酸付加塩(トシル酸塩)を調製したが、他の安定な塩は見出せなかった。最終的に、大規模な塩スクリーニングを行い、そこでは、遊離塩基化合物をさまざまな溶媒系でさまざまな条件下で研究し、次いで、さまざまな条件下でさまざまな溶媒、共溶媒および抗溶媒系で100種類を超える酸の選択を使用して体系的にスクリーニングして、新しい可能性のある塩の形態を特定した。広範なスクリーニングおよび実験の後、新しい二トシル酸塩多形体を発見した。この新しい二トシル酸塩形態は、結晶性であり、安定している。
したがって、本開示は、ガレヌス製剤(galenic formulations)の調製における使用に特に有利なITI-007の新規の二トシル酸塩形態、ならびにその製造方法および使用方法を提供する。本開示は、ITI-007のこの新規な二トシル酸塩形態が、ITI-007の遊離塩基形態から、およびITI-007の一トシル酸塩形態からを含む様々な条件下で調製され得ることを示す。
本発明のさらなる適用領域は、以下に提供される詳細な説明から明らかになる。詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい実施態様を示す一方で、例示のみを目的とすることを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図するものではないと解されるべきである。
本発明は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解できるようになる。
図1は、実施例1から(ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸の1:1モル混合物から)得られたITI-007二トシル酸塩結晶のX線粉末回折(XRPD)パターン(上方の曲線)を、ITI-007一トシル酸塩結晶の既知のXRPDパターン(下方の曲線)を参照として重ね合わせて示す。 図2は、実施例1から得られたITI-007二トシル酸塩結晶のTGA-DSCサーモグラムを示す。 図3は、実施例1から得られたITI-007二トシル酸塩結晶の1H-NMRスペクトルを示す。 図4は、実施例1から得られたITI-007二トシル酸塩結晶のFTIRスペクトルを示す。 図5は、実施例2から(ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸の2:1モル混合物から)得られたITI-007一トシル酸塩結晶のX線粉末回折(XRPD)パターン(上方の曲線)を、ITI-007一トシル酸塩結晶の既知のXRPDパターン(下方の曲線)を参照として重ね合わせて示す。 図6は、実施例2から得られたITI-007二トシル酸塩結晶のTGA-DSCサーモグラムを示す。 図7は、実施例2から得られたITI-007二トシル酸塩結晶の1H-NMRスペクトルを示す。
詳細な説明
以下の好ましい実施態様の記載は、本質的に単なる例示であり、如何なる場合も、本発明、その用途、または使用を制限することを意図するものではない。
全体を通して使用されるように、範囲は、範囲内にあるすべての値を記載するための省略形として使用される。範囲内のいずれの値も、範囲の末端として選択することができる。さらに、本明細書で引用されるすべての参考文献は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする。本開示における定義と引用された参考文献の定義とが矛盾する場合、本開示が支配する。
特記しない限り、本明細書および本明細書の他の場所で表現されるすべての百分率および量は、重量百分率を指すものと解されるべきである。記載された量は、物質の活性重量に基づいている。
第1の実施態様では、本発明は、安定な二トシル酸塩形態の1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)(塩1)を提供する。さらなる実施態様では、本発明は、また、以下のものを提供する:
1.1.固体形態である、塩1。
1.2.結晶形態、例えば乾燥結晶形態である、塩1または1.1。
1.3.例えばITI-007の他の形態を含まないかまたは実質的に含まない、例えば非晶質形態を含まないかまたは実質的に含まない、例えば含まれる非晶質形態が10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約2重量%未満、さらに好ましくは約1重量%未満、さらに好ましくは約0.1%未満、最も好ましくは約0.01重量%未満である、均質な結晶形態である、塩1.2。
1.4.2-ブタノン溶媒から結晶化された結晶形態である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.5.溶媒和物、例えば2-ブタノン溶媒和物である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.6.溶媒和物ではない、上記のいずれかの形態の塩1。
1.7.水和物である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.8.水和物ではない、上記のいずれかの形態の塩1。
1.9.ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸を、1:1~1:3のモル比、例えば1:1~1:2.2、または1:1~1:2、または1:1~1:1.5のモル比、または約1:1、または約1:1.5、または約1:2、または約1:2.2のモル比で、合わせることによって形成される、上記のいずれかの形態の塩1。
1.10.ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸の2-ブタノン溶媒中スラリーから形成される、上記のいずれかの形態の塩1。
1.11.該塩のDSC/TGA分析が、約184℃で1つの吸熱事象、および約258℃で1つの発熱事象を示し、例えば該DSC/TGA分析が、およそT開始=178℃、Tピーク=184℃およびΔE=-88J/gで第1の吸熱事象を示し、およそT開始=242℃、Tピーク=258℃およびΔE=122J/gで第2の発熱事象を示し、例えば該第1の吸熱事象が融解であり、該第2の発熱事象が再結晶である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.12.該塩が、下記の表のd間隔および/または角度(2θ)値に対応するX線粉末回折パターンを有する結晶の形態であり、例えば該パターンが、例えば試料の純度および装置のバリエーションに起因する潜在的なバリエーション、例えばX線の波長のバリエーションに起因する2θシフトを考慮して、該値のうち少なくとも5つ、または少なくとも6つ、または少なくとも7つ、または少なくとも8つを含んでおり、例えば該X線粉末回折パターンが銅アノードおよびニッケルフィルターを有するX線回折計を用いて作成されたものであり、例えば少なくとも、少なくとも0.4、少なくとも0.5、または少なくとも0.6の相対強度を有するピークを含むか、またはピーク1、2、6、7、8および9を含んでいる、上記のいずれかの形態の塩1:
1.13.例えば試料の純度および装置のバリエーションに起因する潜在的なバリエーション、例えばX線の波長のバリエーションに起因する2θシフトを考慮して、図1に対応するX線粉末回折パターン(上方の曲線)、例えば銅アノードおよびニッケルフィルターを有するX線回折計を使用して作成された図1に対応するX線粉末回折パターンを有する結晶の形態である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.14.塩が、試料の純度および装置のバリエーションに起因する潜在的なバリエーションを考慮して、約6.35、8.39、10.45、13.79、14.26、14.66、14.92、15.40、15.93、16.51、17.11、17.90、18.65、19.20、20.49、20.67、20.86、22.47、22.90、23.97、25.11、25.92、27.03、27.42、28.74、29.14、30.13、31.65、33.43、35.41、36.48、39.67、42.62および43.56からなる群から選択される角度(2θ)値を有する少なくとも5つ、または少なくとも6つ、または少なくとも7つ、または少なくとも8つのピークを有するX線粉末回折パターンを有する結晶の形態であり、例えば該X線粉末回折パターンが銅アノードおよびニッケルフィルターを有するX線回折計を使用して作成されたものである、上記のいずれかの形態の塩1。
1.15.塩が、試料の純度および装置のバリエーションに起因する潜在的なバリエーションを考慮して、約13.91、10.53、8.46、6.42、6.21、6.04、5.93、5.75、5.56、5.37、5.18、4.95、4.75、4.62、4.33、4.29、4.26、3.95、3.88、3.71、3.54、3.44、3.30、3.25、3.10、3.06、2.96、2.83、2.68、2.53、2.46、2.27、2.12および2.07からなる群から選択されるd間隔値を有する少なくとも5つ、または少なくとも6つ、または少なくとも7つ、または少なくとも8つのピークを有するX線粉末回折パターンを有する結晶の形態であり、該X線粉末回折パターンが銅アノードおよびニッケルフィルターを有するX線回折計を使用して作成されたものである、上記のいずれかの形態の塩1。
1.16.塩1.14および/または1.15において提供された角度(2θ)値および/またはd間隔値を有する少なくとも5つ、または少なくとも6つ、または少なくとも7つ、または少なくとも8つのピークを有するX線粉末回折パターンを有する結晶の形態である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.17.塩が、少なくとも、10.2~10.5(例えば、10.3~10.5、または約10.3、または約10.4または約10.45、または約10.5)の角度(2θ)値で相対強度25%のピークを有するX線粉末回折パターンを有する結晶の形態であり、場合によっては、該ピークが少なくとも30%または少なくとも40%または少なくとも50%、または約25%または約30%、または約35%の相対強度を有する、上記のいずれかの形態の塩。
1.18.塩が、実施態様1.12の表に示されている相対的な角度(2θ)値を有するX線粉末回折粉末(X-ray powder diffraction powder)を有する結晶の形態であり、ここで、該値が最大±0.2°シフトされ、例えば該値が実質的に均一に最大±0.2°シフトされる、上記のいずれかの形態の塩1。
1.19.図1の上方の曲線において示されているかまたは実質的に示されているX線回折パターンを有する結晶の形態である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.20.図2に示されているかまたは実質的に示されているDSC/TGAサーモグラムを有する結晶の形態である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.21.図3に示されているかまたは実質的に示されているプロトンNMRスペクトルを有する、上記のいずれかの形態の塩1。
1.22.例えば(スペクトルをDMSO-d6溶媒中にて400MHzで取った場合に)約4:2:4:2の積分比で約7.11ppm、7.36ppm、7.49ppmおよび8.03ppmでのNMRプロトンピーク(すなわち、これらのppmに中心がある多重項)によって示されている、ITI-007塩基部分当たり約2つのトルエンスルホン酸分子の存在を示しているプロトンNMRスペクトルを有している、上記のいずれかの形態の塩1。
1.23.図4に示されているかまたは実質的に示されているFTIRスペクトルを有する、上記のいずれかの形態の塩1。
1.24.含まれる他のITI-007トシル酸塩形態(例えば、一トシル酸塩または三トシル酸塩)が塩1の10重量%未満、例えば5重量%未満または3重量%未満または2重量%未満または1重量%未満または0.5重量%未満である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.25.含まれるITI-007遊離塩基形態が塩1の10重量%未満、例えば5重量%未満または3重量%未満または2重量%未満または1重量%未満または0.5重量%未満である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.26.ITI-007が重水素化されており、例えば分子内の1つ以上の特定の位置における重水素:プロチウム比が、天然の同位体比または該分子内の他の位置における同位体比よりも有意に高い、例えば少なくとも2倍、例えば少なくとも10倍高い、上記のいずれかの形態の塩1;例えば、例えば国際公開第2015/154025号(および米国特許出願公開第2017/0183350号)または国際公開第2017/165843号(米国特許出願第16/088,397号と同等)(各記載内容は出典明示により本明細書の一部とする)に記載されるように、ITI-007のメチル化された窒素部分に隣接するおよび/またはカルボニル部分に隣接する-CH2-が重水素化されており、例えば天然の重水素:プロチウム同位体比または該分子内の他の位置における重水素:プロチウム同位体比よりも有意に高いレベルで-CHD-または-CD2-の形態である、および/または、該メチル基が、例えば天然の重水素:プロチウム同位体比または該分子内の他の位置における重水素:プロチウム同位体比よりも有意に高いレベルで、重水素化されており、例えばCD3-である、上記のいずれかの形態の塩1。
1.27.1.1~1.26に記載されている特徴の組合せを示す、上記のいずれかの形態の塩1。
別の実施態様では、本発明は、塩1の製造方法であって、
(a)1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)遊離塩基とトルエンスルホン酸とを、例えば有機溶媒(例えば、2-ブタノンを含む)と一緒に、反応させること(例えば、ここで、該ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸はモル比が1:1~1:3、例えば1:1~1:2.2、または1:1~1:2、または1:1~1:1.5、または約1:1、または約1:1.5、または約1:2、または約1:2.2である);および
(b)このようにして形成された塩を回収すること、例えば塩1または塩1.1~1.27のいずれかを回収すること
を含む、方法(方法1)を提供する。
方法1の別の実施態様では、反応工程(a)は、有機溶媒、例えば2-ブタノンにITI-007遊離塩基を溶解または懸濁すること、およびそれにトルエンスルホン酸を添加することを含む。方法1の別の実施態様では、反応工程(a)は、ITI-007遊離塩基をトルエンスルホン酸と合わせること、およびそれに有機溶媒、例えば2-ブタノンを添加することを含む。
方法1のいくつかの実施態様では、方法工程(a)は、バッチ法として行われ、他の実施態様では、方法工程(a)は、連続(フロー)法として行われる。
別の実施態様では、本発明は、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせてまたは併せて活性成分として塩1または塩1.1~1.27のいずれかを含む医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせてまたは併せて活性成分として塩1または塩1.1~1.27のいずれかを含む医薬組成物であって、該塩が、主に、または全体的にもしくは実質的に全体的に、乾燥結晶形態である、医薬組成物を提供する。
特定の実施態様では、本発明は、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせてまたは併せて活性成分として塩1または塩1.1~1.27のいずれかを含む医薬組成物であって、例えばITI-007の徐放を提供するための、注射用デポー剤の剤形である、医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、
(1)(a)1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)遊離塩基、または
(b)1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)遊離塩基の酸付加塩、および
(2)存在する1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)の量に基づいて少なくとも1モル当量のトルエンスルホン酸
を含む、医薬組成物(組成物2)を提供する。
場合により、(1)(b)部分におけるITI-007の酸付加塩はITI-007の塩酸塩である。
別の実施態様では、本発明は、組成物2の調製方法であって、
(1)(a)1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)遊離塩基、または
(b)1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)遊離塩基の酸付加塩を
(2)存在する1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)の量に基づいて少なくとも1モル当量のトルエンスルホン酸
と合わせる工程、および
(3)これらの成分と少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤または担体とを混合して組成物を形成する工程
を含む、方法を提供する。
別の実施態様では、本発明は、5-HT2A受容体、セロトニントランスポーター(SERT)、および/またはドパミンD1/D2受容体シグナル伝達経路が関与しているかまたはそれにより媒介されている疾患または異常状態、例えば肥満症、食欲不振、過食症、うつ、不安、精神病、統合失調症、片頭痛、強迫性障害、性障害、双極性うつ病、注意欠陥障害、注意欠陥多動障害、睡眠障害、頭部痛関連状態、社会恐怖症および/または認知症から選択される障害の治療において用いるための、塩1もしくは塩1.1~1.27のいずれか、または塩1もしくは塩1.1~1.27のいずれかを含む医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、5-HT2A受容体、セロトニントランスポーター(SERT)、および/またはドパミンD1/D2受容体シグナル伝達経路が関与しているかまたはそれにより媒介されている疾患または異常状態、例えば肥満症、食欲不振、過食症、うつ、不安、精神病、統合失調症、片頭痛、強迫性障害、性障害、双極性うつ病、注意欠陥障害、注意欠陥多動障害、睡眠障害、頭部痛関連状態、社会恐怖症および/または認知症から選択される障害に罹患しているヒトの予防または治療の方法であって、該予防または治療を必要としている患者に塩1または塩1.1~1.27のいずれかの治療有効量を投与することを含む方法を提供する。
例示した塩形態を単離して特徴付けるために以下の装置および方法を使用する:
X線粉末回折(XRPD): X線粉末回折試験は、Bragg-Brentano型Bruker AXS D2 PHASER装置#1549/#2353を使用して行う。該装置は30kV、10mAのCuアノード;試料ステージ標準器回転、Κβフィルター(0.5%Ni)による単色化を使用する。スリット: 固定発散スリット1.0mm(=0.61°)、一次軸ソーラースリット2.5°、二次軸ソーラースリット2.5°。検出器: 受容スリット5°検出器開口を備えた線形検出器LYNXEYE。標準試料ホルダー((510)シリコンウェハーにおける0.1mmキャビティ)は、バックグラウンドシグナルへの寄与が最小である。測定条件: 走査範囲5~45°2θ、試料回転5rpm、0.5秒/ステップ、0.010°/ステップ、3.0mm検出器スリット;および全測定条件を装置制御ファイルに記録する。システム適性として、コランダム試料A26-B26-S(NIST標準)を毎日測定する。データ収集に使用したソフトウェアはDiffrac.Commander v2.0.26である。データ分析はDiffrac.Eva v1.4を使用して行う。該パターンにバックグラウンド補正または平滑化は適用しない。
同時熱重量測定(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)またはTGA/DSC分析: TGA/DSC試験は、オートサンプラーを備えたMettler Toledo TGA/DSC1 Stare System装置#1547を使用し、ピンホールを開けた40μlのAlるつぼを使用して行う。測定条件: 5分、30.0℃、10℃/分で30.0~350.0℃、40ml/分のN2流。装置制御およびデータ分析に使用したソフトウェアはSTARe v12.10である。
示差走査熱量測定(DSC): DSC試験は、Mettler Toledo DSC1 STARe System装置#1564を使用して行う。Alるつぼ(40μl;穿孔)を使用して試料を調製する。典型的には、予め計量したAlるつぼに試料1~8mgを載せ、30℃で5分間保持し、その後、10℃/分で30℃から350℃まで加熱し、350℃で1分間保持する。試料全体に40ml/分の窒素パージを維持する。システム適性チェックとして、インジウムおよび亜鉛を参照として使用する。データ収集および評価に使用したソフトウェアは、STARe Software v12.10 build 5937である。サーモグラムに補正は適用しない。
フーリエ変換赤外分光分析(FT-IR): FT-IR試験は、Thermo Scientific Nicolet iS50装置#2357を使用して行う。減衰全反射測定法(ATR)技術をKBrビームスプリッターと共に使用する。400cm-1~4000cm-1の解像度4で、走査数は16である。データ収集および評価のためにソフトウェアOMNIC version 9.2を使用する
高速液体クロマトグラフィー(HPLC): 高速液体クロマトグラフィー分析は、Agilent 1100 series G1322A脱気装置#1894、Agilent 1100 series G1311Aクォータナリポンプ装置#1895、Agilent 1100 series G1313A ALS装置#1896、Agilent 1100 series G1318Aカラム装置#1897およびAgilent 1100 series G1314A VWD装置#1898を装備しているLC-31/Agilent 1200 series G1379B脱気装置#2254、Agilent 1100 series G1311Aクォータナリポンプ装置#2255、Agilent 1100 series G1367A WPALS装置#1656、Agilent 1100 series G1316Aカラム装置#2257およびAgilent 1100 series G1315B DAD装置#2258を装備しているLC-34で行う。データをAgilent ChemStation for LC systems Rev. B.04.02[96]を使用して収集および評価する。溶液は次のとおり調製する: 移動相A: 1LメスフラスコにMilliQ水800mlを添加する。TFA 1mlを添加し、均質化する。印までMilliQを充填する。移動相B: 1Lメスフラスコにアセトニトリル800mlを添加する。TFA 1mlを添加し、均質化する。印までアセトニトリルを充填する;希釈剤: 50/50 MeOH/ACN。
プロトン核磁気共鳴(NMR): 試料をDMSO-d6溶媒で調製し、Agilent Inova400で、室温、周波数399.9MHz、掃引幅6398Hz、およびスピン20Hzにてスペクトルを収集する。
実施例1: ITI-007二トシル酸塩
ITI-007遊離塩基 約1gおよび1モル当量のトルエンスルホン酸を合わせ、2-ブタノン溶媒(20mL)と混合する。該混合物を500rpmで室温にて25時間撹拌する。次いで、該混合物を濾過し、乾燥させて、白色/茶色の固体を得る。該固体をXRPD、DSC/TGA、HPLC、FTIRおよびプロトンNMRによって分析する。該固体は、メタノールおよび酢酸に溶け(>30mg/mL)、ジクロロメタンにはやや溶けにくい(10~30mg/mL)ことが分かる。
XRPD分析は、得られた固体が結晶性固体であることを示している。該XRPDパターンは、以前に製造したITI-007一トシル酸塩結晶から得られたXRPDパターン(下方の曲線)を参照して図1に示されている(上方の曲線)。参照結晶は、溶媒として酢酸エチルまたはトルエンを使用して、ITI-007とトルエンスルホン酸との1:1モル混合物から得た。結果は、実施例1によって得た固体と参照ITI-007一トシル酸塩との間のXPRDパターンの明らかな差異を示している。二トシル酸塩の形成を示すと考えられる1つの重要な特徴的なピークは、約10.45の角度(2シータ)で現れる。実施例1の化合物のピークは表1において表形式で同定される:
DSC/TGAサーモグラムは図2に示されている。該DSC/TGA分析は、約184℃で1つの吸熱事象を示し、約258℃で1つの発熱事象を示している。第1の吸熱事象は約T開始=178℃で生じ、Tピーク=184℃およびΔE=-88J/gを有する。第2の発熱事象は約T開始=242℃で生じ、Tピーク=258℃およびΔE=122J/gを有する。吸熱事象は融解であり、一方、発熱事象は再結晶である。TGAプロファイルは、40℃から190℃までで1.7%の質量損失を示しており、210℃から270℃までで3.4%の質量損失を示している。再結晶事象は、参照ITI-007一トシル酸塩結晶で以前に観察された温度よりも約25℃低い温度で生じることに注目する。
LC-MS分析は、得られた固体について92面積%の純度を示している。
プロトンNMRは図3に示されている。プロトンNMR分析は、該化合物がITI-007の二トシル酸塩であることを示している。詳しくは、該プロトンNMRスペクトルは、ITI-007塩基部分当たり約2つのトルエンスルホン酸分子の存在を示している。これは、約4:2:4:2の積分比で存在している約7.11ppm、7.36ppm、7.49ppmおよび8.03ppmでのNMRプロトンによって立証されている。7.11ppmピークおよび7.49ppmピークはトルエンスルホン酸塩部分の芳香族トシル酸環からのプロトンを表しており、一方、7.36ピークおよび8.03ピークはITI-007部分の芳香族4-フルオロフェニル環からのプロトンを表している。6.4~7.0ppmの残りの芳香族ピークはITI-007のキノキサリン核の芳香族プロトンを表しており、それらの積分はITI-007遊離塩基の1モル単位と一致している。約2.3ppmでのアルキルピークはトシル酸塩環のメチル基を表しており、その積分もまたトルエンスルホン酸の2モル単位と一致している。
FTIRスペクトルは図4に示されており、それもまた当該塩の二トシル酸塩構造と一致している。
動的水蒸気吸着(DVS)分析は、95RH%での総質量取り込みが2%である段階的吸着を示している。したがって、この塩はわずかに吸湿性である。分析結果は以下の表2にまとめられている。
実施例2の一トシル酸塩で得られた分析データと直接比較すると、実施例1の塩は、ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸をモル比1:2で含む異なる結晶性塩形態であることが明らかである。理論に縛られることなく、2-ブタノン溶媒に対するITI-007遊離塩基の溶解度が他の溶媒に比べて低いため、遊離塩基の有効濃度が低くなり、遊離塩基対トルエンスルホン酸の有効比が高くなると考えられる。その結果、二トシル酸塩が形成され、該生成物を濾過した後に未反応の遊離塩基が溶液中に残る。
追加の実験は、実質的に上記のように行った2-ブタノン溶媒中のITI-007遊離塩基対トルエンスルホン酸の1:2モル比で、濾過後に回収された固体が、高収率から定量的収率で上記と同じ二トシル酸塩であることを示している。
実施例2: ITI-007一トシル酸塩
ITI-007遊離塩基 約1gおよび1/2モル当量のトルエンスルホン酸を添加し、2-ブタノン溶媒(15mL)と混合する。該混合物を500rpmで室温にて25時間撹拌する。次いで、該混合物を濾過し、乾燥させて、白色固体を得る。該固体をXRPD、DSC/TGA、HPLC、FTIRおよびプロトンNMRによって分析する。該分析は、この塩がITI-007の一トシル酸塩であり、実施例1から得られた二トシル酸塩とは明らかに異なることを示している。
XRPD分析は、得られた固体が結晶性固体であることを示している。該XRPDパターンは、以前に製造したITI-007一トシル酸塩結晶から得られたXRPDパターン(下方の曲線)を参照して図5に示されている(上方の曲線)。参照結晶は、溶媒として酢酸エチルまたはトルエンを使用して、ITI-007とトルエンスルホン酸との1:1モル混合物から得た。結果は、実施例2によって得た固体と参照ITI-007一トシル酸塩との間で実質的に同一のXPRDパターンを示した。実施例2の化合物のピークは表3において表形式で同定される。
DSC/TGAサーモグラムは図6に示されている。該DSC/TGA分析は、約179℃で1つの吸熱事象を示し、約285℃で1つの発熱事象を示している。第1の吸熱事象は約T開始=175℃で生じ、Tピーク=179℃およびΔE=-81J/gを有する。第2の発熱事象は約T開始=278℃で生じ、Tピーク=285℃およびΔE=255J/gを有する。吸熱事象は融解であり、一方、発熱事象は再結晶である。TGAプロファイルは、40℃から220℃までで0.4%の質量損失を示しており、220℃から290℃までで9.4%の質量損失を示している。
LC-MS分析は、得られた固体について93面積%の純度を示している。
プロトンNMRは図7に示されている。プロトンNMR分析は、該化合物がITI-007の一トシル酸塩であることを示している。詳しくは、該プロトンNMRスペクトルは、ITI-007塩基部分当たり1つのトルエンスルホン酸の存在を示している。これは、約2:2:2:2の積分比で存在している約7.11ppm、7.36ppm、7.52ppmおよび8.05ppmでのNMRプロトンによって立証されている。7.11ppmピークおよび7.52ppmピークは芳香族トシル酸塩環からのプロトンを表しており、一方、7.36ピークおよび8.05ピークはITI-007遊離塩基の芳香族4-フルオロフェニル環からのプロトンを表している。6.4~7.0ppmの残りの芳香族ピークはITI-007のキノキサリン核の芳香族プロトンを表しており、それらの積分はITI-007遊離塩基の1モル単位と一致している(1:1:1比の明確に異なるピークの積分)。約2.3ppmでのアルキルピークはトシル酸塩環のメチル基を表しており、その積分もまたトルエンスルホン酸の1モル単位と一致している。
分析結果は下記の表4にまとめられている。
本願は下記の態様も包含する。
[態様1]
例えば1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オンの他の形態を含まないかまたは実質的に含まない均質な結晶形態の、1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オンの安定な二トシル酸塩。
[態様2]
ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸を、1:1~1:3のモル比、例えば1:1~1:2.2のモル比、または1:1~1:2、または1:1~1:1.5、または約1:1のモル比、または約1:1.5、または約1:2、または約1:2.2のモル比で、合わせることによって形成される塩である、態様1記載の塩。
[態様3]
ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸の2-ブタノン溶媒中スラリーから形成される、態様1または2記載の塩。
[態様4]
図1の上方の曲線において示されているかまたは実質的に示されているX線回折パターンを有する塩結晶である、態様1~3のいずれかに記載の塩。
[態様5]
図2に示されているかまたは実質的に示されているDSC/TGAサーモグラムを有する塩結晶である、態様1~4のいずれかに記載の塩。
[態様6]
図3に示されているかまたは実質的に示されているプロトンNMRスペクトルを有する塩結晶である、態様1~5のいずれかに記載の塩。
[態様7]
例えば約4:2:4:2の積分比で約7.11ppm、7.36ppm、7.49ppmおよび8.03ppmでのNMRプロトンによって示されているように、ITI-007塩基部分当たり約2つのトルエンスルホン酸部分の存在を示しているプロトンNMRスペクトルを有する塩結晶である、態様1~6のいずれかに記載の塩。
[態様8]
含まれる他のITI-007トシル酸塩形態(例えば、一トシル酸塩または三トシル酸塩)が該塩の10重量%未満、例えば5重量%未満または3%未満または2%未満または1%未満または0.5%未満である、態様1~7のいずれかに記載の塩。
[態様9]
含まれるITI-007遊離塩基形態が該塩の10重量%、例えば5%未満または3%未満または2%未満または1%未満または0.5%未満である、態様1~8のいずれかに記載の塩。
[態様10]
態様1~9のいずれかに記載の塩の製造方法であって、
(a)1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)遊離塩基とトルエンスルホン酸とを、例えば有機溶媒(例えば、2-ブタノンを含む)と一緒に,反応させること(例えば、ここで、該ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸はモル比が1:1~1:3、例えば1:1~1:2.2、または1:1~1:2、または1:1~1:1.5、または約1:1、または約1:1.5、または約1:2、または約1:2.2である);および
(b)このようにして形成された塩を回収すること
を含む、方法。
[態様11]
反応が有機溶媒、例えば2-ブタノン中にて行われる、態様10記載の方法。
[態様12]
薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせてまたは併せて態様1~9のいずれかに記載の塩を含む医薬組成物。
[態様13]
5-HT 2A 受容体、セロトニントランスポーター(SERT)、および/またはドーパミンD 1 /D 2 受容体シグナル伝達経路が関与しているかまたはそれにより媒介されている疾患または異常状態に罹患しているヒトの予防または治療の方法であって、該ヒトに態様1~9のいずれかに記載の塩の有効量を投与することを含む、方法。

Claims (6)

  1. 1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オンの二トシル酸塩の製造方法であって、
    (a)1-(4-フルオロフェニル)-4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H,7H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8-イル)-ブタン-1-オン(ITI-007)遊離塩基とトルエンスルホン酸とを2-ブタノンからなる有機溶媒中にて反応させること(ここで、該ITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸は1:1のモル比で合わせられる);および
    (b)このようにして形成された塩を回収すること
    を含む、方法。
  2. 反応がITI-007遊離塩基およびトルエンスルホン酸の2-ブタノン溶媒中スラリーを使用して行われる、請求項記載の方法。
  3. ITI-007遊離塩基の濃度が2-ブタノン溶媒20mLあたり1gである、請求項記載の方法。
  4. 反応が室温で行われる、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  5. 回収された塩に含まれる他のITI-007トシル酸塩形態(一トシル酸塩または三トシル酸塩を含む)が該塩の3重量%未満または2重量%未満または1重量%未満または0.5重量%未満である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  6. 回収された塩に含まれるITI-007の非晶質形態が10重量%未満である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
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