JP7475905B2 - 形状算出プログラム、形状算出方法、及び形状算出装置 - Google Patents

形状算出プログラム、形状算出方法、及び形状算出装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、形状算出プログラム、形状算出方法、及び形状算出装置に関する。
基板上の周期構造が有する形状を解析するため、例えば小角散乱X線法が用いられることがある。しかしながら、小角散乱X線法では、膨大な波形データのフィッティングが必要となり、充分な測定精度が得られないことがある。
特開2019-056568号公報 特開2017-053828号公報 特開2011-117894号公報
一つの実施形態は、基板上の周期構造が有する形状を高精度に算出することができる形状算出プログラム、形状算出方法、及び形状算出装置を提供することを目的とする。
実施形態の形状算出プログラムは、基板上の第1の周期構造に電磁波を入射させて得られる前記電磁波の出射波に基づく第1の散乱プロファイルを生成するステップと、仮想設定された第2の周期構造を用いて第2の散乱プロファイルを生成するステップと、前記第2の周期構造を規定する形状パラメータのうち少なくとも1つを測定対象として選択し、前記第2の散乱プロファイルから、前記第2の散乱プロファイルに含まれ、散乱強度の情報をそれぞれ有する複数の因子のうち、前記形状パラメータについての注目因子を特定するステップと、前記第1の散乱プロファイルから前記注目因子に対応する因子を抜粋した第1のデータフレームを作成するステップと、前記第2の散乱プロファイルから前記注目因子を抜粋した第2のデータフレームを作成するステップと、前記第1のデータフレームと前記第2のデータフレームとのフィッティングを行うステップと、前記フィッティングの結果に基づいて、前記第1の周期構造の前記形状を特定するステップと、をコンピュータに実行させる。
図1は、実施形態にかかる形状算出システムの構成の一例を示すブロック図である。 図2は、実施形態にかかる形状算出装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図3は、実施形態にかかる散乱強度計測装置の構成の一例を示す模式図である。 図4は、実施形態にかかる散乱強度計測装置による散乱強度の計測手法の一例について説明する図である。 図5は、実施形態にかかる形状算出装置が取得する2次元散乱強度画像の一例を示す図である。 図6は、実施形態にかかる形状算出装置が生成する散乱プロファイルの一例を示す図である。 図7は、実施形態にかかる形状算出装置が構築する構造モデル及び構造モデルの構築に用いられる形状パラメータの設定値の一例を示す図である。 図8は、実施形態にかかる形状算出装置が生成した散乱プロファイルから行列データが導き出される過程を示す図である。 図9は、実施形態にかかる形状算出装置が各因子について求めた形状パラメータの変化に対する相関係数の大小関係を表した行列データの一例を示す図である。 図10は、実施形態にかかる形状算出装置が散乱プロファイルからデータフレームを作成してフィッティングを行う過程を示す図である。 図11は、実施形態にかかる形状算出システムで実施される形状算出処理の手順の一例を示すフロー図である。 図12は、実施形態の変形例1にかかる形状算出装置が各因子について求めた形状パラメータの変化に対する変動幅の大小関係を表した行列データの一例を示す図である。 図13は、実施形態の変形例2にかかる形状算出システムで実施される形状算出処理の手順の一例を示すフロー図である。
以下に、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
(形状算出システムの構成例)
図1は、実施形態にかかる形状算出システム1の構成の一例を示すブロック図である。半導体基板等の基板上の周期構造は、加工条件および突発的な事象等によって種々に変化しうる。形状算出システム1は、例えば小角散乱X線法(SAXS:Small Angle X-ray Scattering)を用いて、基板上の周期構造が有する形状の解析を行うシステムである。
図1に示すように、形状算出システム1は、形状算出装置10および散乱強度計測装置20を備える。
散乱強度計測装置20は、例えば小角散乱X線法を用いて基板上の周期構造に関する情報を取得する。小角散乱X線法では、X線を基板に入射して得られる出射波のうち、数度以下の回折角を有する出射波の散乱角度および散乱強度等の散乱強度データを計測する。散乱強度データには、基板上の周期構造を構成する単位構造に関する情報が含まれる。
形状算出装置10は、基板上の周期構造にX線等の電磁波を照射して得られた散乱プロファイルと、仮想的に作成した構造モデルに対してX線等の電磁波を照射した場合に得られるであろう散乱プロファイルとをフィッティングして、周期構造が有する形状を算出する。
形状算出装置10は、上記機能を実現するための機能部として、入力部11、プロファイル生成部12、シミュレーション部13、注目因子特定部14、データフレーム作成部15、フィッティング部16、形状特定部17、出力部18、及び記憶部19を備える。
入力部11は、散乱強度計測装置20から散乱強度データ及び散乱強度の計測条件等の入力を受け付け、プロファイル生成部12及びシミュレーション部13へと送る。また、入力部11は、図示しない外部装置から設定情報等の入力を受け付ける。設定情報は、例えばプロファイル生成条件、仮想構造データ、及び形状パラメータの設定条件等であり、周期構造が有する形状の算出に用いられる。入力部11は、プロファイル生成条件をプロファイル生成部12へと送り、仮想構造データ及び形状パラメータの設定条件をシミュレーション部13へと送る。
第1のプロファイル生成部としてのプロファイル生成部12は、散乱強度計測装置20による散乱強度データから、各々の散乱角度における散乱強度を表した散乱プロファイルを生成する。このとき、プロファイル生成部12は、プロファイル生成条件にしたがって、散乱強度データから必要なデータを抜粋して散乱プロファイルを生成する。
第2のプロファイル生成部としてのシミュレーション部13は、基板上の周期構造として仮想設定された周期構造を用いて散乱プロファイルを生成する。仮想設定された周期構造とは、仮想構造データ及び形状パラメータの設定条件にしたがって構築された構造モデル(仮想構造)が有する周期構造である。シミュレーション部13は、このような周期構造に実際にX線等を照射した場合に得られる散乱強度データのシミュレーション値を算出し、算出したシミュレーション値から散乱プロファイルを生成する。
シミュレーション部13のシミュレーションにより得られた散乱プロファイルは、プロファイル生成部12が生成した実測に基づく散乱プロファイルとのフィッティング、または、注目因子特定部14による注目因子の特定に用いられる。シミュレーション部13は、フィッティングに用いる散乱プロファイルをデータフレーム生成部15へと送り、注目因子の特定に用いる散乱プロファイルを注目因子特定部14へと送る。ただし、両者は同じものであってよい。
注目因子特定部14は、シミュレーション部13が生成した複数の散乱プロファイルに基づいて、計測対象となる形状に対応する注目因子を特定する。散乱プロファイルには、散乱強度の情報をそれぞれ有する複数の因子が含まれる。注目因子特定部14は、計測対象となる形状の変化に応じて大きく変動する因子等の、パラメータに対する感度の高い因子をその形状についての注目因子として特定する。注目因子特定部14は、特定した注目因子の情報をデータフレーム作成部15へと送る。
データフレーム作成部15は、プロファイル生成部12及びシミュレーション部13が生成した散乱プロファイルから、特定された注目因子を抜粋したデータフレームを作成する。つまり、データフレームは注目因子の集合体である。
フィッティング部16は、プロファイル生成部12が生成した散乱プロファイルから作成されたデータフレームと、シミュレーション部13が生成した散乱プロファイルから作成されたデータフレームとのフィッティングを行う。フィッティング部16によるフィッティング結果は、例えば2つのデータフレームの差であるフィッティング残渣として表される。フィッティング部16は、実測値に基づくデータフレームに対し、シミュレーションから得られた少なくとも1つのデータフレームについてフィッティング残渣を求める。
形状特定部17は、フィッティング部16が求めたフィッティング残渣のうち、最小のフィッティング残渣を示したシミュレーション値に対応する形状を、実際の周期構造が有する形状として特定する。形状特定部17は、特定した形状等のデータを形状の算出結果として出力部18へと送る。
出力部18は、形状特定部17からの形状の算出結果を出力する。形状の算出結果の出力は、例えばディスプレイ等による表示、または、プリンタ等によるプリントアウトなどによりなされる。
記憶部19は、形状算出装置10の動作に必要な種々のパラメータ及び情報等を記憶する。
例えば、記憶部19は、入力部11に入力された、散乱強度計測装置20からの散乱強度データ、外部装置からの設定情報等を記憶する。また例えば、記憶部19は、プロファイル生成部12及びシミュレーション部13が生成した散乱プロファイルを記憶する。また例えば、記憶部19は、注目因子特定部14が特定した所定の形状についての注目因子を記憶する。また例えば、記憶部19は、データフレーム作成部15が作成したデータフレームを記憶する。また例えば、記憶部19は、フィッティング部16が算出したフィッティング残渣等のフィッティング結果を記憶する。また例えば、記憶部19は、形状特定部17による形状の算出結果を記憶する。
(形状算出装置のハードウェア構成例)
次に、図2を用いて、実施形態の形状算出装置10のハードウェア構成について説明する。図2は、実施形態にかかる形状算出装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、形状算出装置10は、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、表示装置94、入力装置95、及び記憶装置96を備える。これらのCPU91、ROM92、RAM93、表示装置94、入力装置95、及び記憶装置96は、バスラインを介して接続されている。
CPU91は、コンピュータプログラムである形状算出プログラム97を用い、基板上の周期構造が有する形状を算出する。
形状算出プログラム97は、コンピュータで実行可能な、形状を算出するための複数の命令を含むコンピュータ読取り可能かつ非遷移的な記録媒体(Nontransitory Computer Readable Recording Medium)を有するコンピュータプログラムプロダクトである。
形状算出プログラム97は、例えばROM92内に格納されており、バスラインを介してRAM93へロードされる。図2は、形状算出プログラム97がRAM93へロードされた状態を示している。
CPU91はRAM93内にロードされた形状算出プログラム97を実行する。具体的には、形状算出装置10では、使用者による入力装置95からの指示入力にしたがって、CPU91がROM92内から形状算出プログラム97を読み出してRAM93内のプログラム格納領域に展開して各種処理を実行する。CPU91は、この各種処理に際して生じる各種データをRAM93内に形成されるデータ格納領域に一時的に記憶させておく。
このように、形状算出プログラム97は、コンピュータとして構成される形状算出装置10に、上記複数の命令が形状の算出を実行させる。形状算出装置10で実行される形状算出プログラム97は、プロファイル生成部12、シミュレーション部13、注目因子特定部14、データフレーム作成部15、フィッティング部16、及び形状特定部17を含むモジュール構成となっており、これらが主記憶装置上にロードされ、これらが主記憶装置上に生成される。
表示装置94は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。表示装置94は、CPU91の制御下で上述の出力部18として機能する。ただし、基板上の周期構造が有する形状の算出結果等を出力可能であれば、形状算出装置10が、表示装置94に代えて、あるいは加えて、CPU91の制御下で出力部18として機能するプリンタ等を備えていてもよい。
入力装置95は、例えばキーボード及びマウス等である。入力装置95は、表示装置94と一体になったタッチ式パネル等であってもよい。入力装置95は、CPU91の制御下で上述の入力部11として機能する。
記憶装置96は、例えばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等である。記憶装置96は、CPU91の制御下で上述の記憶部19として機能する。
(散乱強度計測装置の構成例)
次に、図3を用いて、実施形態の散乱強度計測装置20の構成例について説明する。図3は、実施形態にかかる散乱強度計測装置20の構成の一例を示す模式図である。
図3に示すように、散乱強度計測装置20は、条件設定部21、X線管球22、光源制御部23、発散スリット24、2次元検出器25、データ処理部26、送信部27、ステージ28、及びステージ制御部29を備えている。図3に示すX方向およびY方向は、ステージ28の表面に平行で互いに垂直な方向である。図3に示すZ方向は、ステージ28の表面に垂直な方向である。図3に示す回転軸Kは、ステージ28のXY平面における回転軸である。
ステージ28上に支持される基板Wは、例えばシリコン基板等の半導体基板、ガラス基板、アルミナ基板、または、その他の基板であって、所定の周期で単位構造が配列される周期構造を上面に有する。
条件設定部21は、使用者による指示入力等にしたがって、散乱強度計測の条件を設定する。散乱強度計測の条件としては、例えばXY平面に対するX線の入射角度(仰角)、XY平面内でのX線の入射角度(入射方位)、X線波長、発散スリット幅、及び計測時間等がある。
X線管球22は、X線のビームX1を発生させ、ステージ28上の基板Wの表面にビームX1を照射する。
光源制御部23は、散乱強度計測の条件を条件設定部21から取得し、その条件にしたがって、X線管球22、発散スリット24、ステージ28等の動作を制御する。
これにより、光源制御部23は、例えば基板Wに対するX線の照射方向を制御する。X線の照射方向としては、XY平面に対するX線の入射角度である仰角、及びXY平面内でのX線の入射角度である方位角(入射方位)等がある。
光源制御部23は、例えばX線管球22の動作を制御することでX線の仰角を制御する。光源制御部23は、例えば回転軸Kを中心にステージ28を回転させることでX線の方位角を制御する。光源制御部23が、例えばX線管球22または発散スリット24の位置を変化させることでX線の方位角を制御してもよい。
発散スリット24は、光源制御部23の制御下で、基板Wの表面におけるX線の照射面積を決定する。X線管球22が発生させたX線は、X線管球22内の凹面鏡によりその光路が調整され、発散スリット24を通り、所望の仰角および方位角で基板W上の計測点に入射する。
2次元検出器25は、2次元方向へ配列させた複数の受光部(不図示)を備えている。受光部はX線を検出する検出素子等である。これにより、2次元検出器25は、基板Wの表面で反射され、方位角方向と仰角方向とへ散乱したX線の出射波X2を検出する。2次元検出器25は、検出結果をデータ処理部26へと送る。
2次元検出器25によりX線の出射波X2の散乱強度を検出させることで、散乱強度計測のTAT(Turn Around Time)を向上させることができる。ただし、散乱強度計測装置20が、2次元検出器25に代えて、散乱強度を点で検出する0次元検出器、または、散乱強度を線で検出する1次元検出器を備えていてもよい。
データ処理部26は、2次元検出器25によるX線の出射波X2の検出結果から、出射波X2の強度分布を表す2次元散乱強度画像を作成し、作成した2次元散乱強度画像を送信部27へと送る。
送信部27は、データ処理部26から取得した2次元散乱強度画像を散乱強度データとし、2次元散乱強度画像の取得に用いられた計測条件と共に形状算出装置10へと送信する。
ステージ28は、基板Wが有する周期構造が上を向くように基板Wを支持する。
ステージ制御部29は、光源制御部23の指示にしたがって、ステージ28の動作を制御する。例えば、ステージ制御部29は、ステージ28を、X方向、Y方向、及びZ方向に移動させ、また、回転軸Kを中心にステージ28を回転させる。これにより、ステージ28に支持された基板WへのX線の方位角を変化させることができる。
(散乱強度の計測例)
次に、図4を用いて、実施形態の散乱強度計測装置20による散乱強度の計測例について説明する。図4は、実施形態にかかる散乱強度計測装置20による散乱強度の計測手法の一例について説明する図である。
計測対象の基板が有する周期構造は、例えばラインアンドスペース(LS)パターンのような1次元周期構造、または、ホールパターン若しくはピラーパターン等の2次元周期構造であってよい。図4の例では、基板WはホールパターンHPを有する。
図4の透視斜視図に示すように、基板WのホールパターンHPでは、複数のホールHLがXY平面上(2次元)にマトリクス状(周期的)に広がっている。このとき、ホールHLに対するX線の入射方位に対し、単位構造であるホールHLの垂直断面に関する情報が散乱角度および散乱強度の情報から取得できる。
したがって、ホールパターンHPのような2次元周期構造の場合、散乱強度計測装置20のX線が入射する方向を変えることによって、ホールHLの複数の断面に関する情報が取得できる。例えば、個々のホールHLの形状を4回対称と見做してX線の方位角を90°変化させれば、ホールHLの全周の断面形状の情報が得られる。
散乱強度計測装置20の光源制御部23は、ホールパターンHPにX線を照射しながら、例えば回転軸Kを中心にステージ28を回転させ、または、X線管球22若しくは発散スリット24の位置を変化させて、X線の方位角を例えば90°変化させる。これにより、ホールパターンHPに異なる方位角で入射したX線がホールパターンHPの表面で反射し、所定の強度で散乱した出射波が発生する。
ホールHLの全周の断面形状の情報を含む散乱角度および散乱強度の情報は、散乱強度計測装置20の2次元検出器25によって検出され、データ処理部26によって2次元散乱強度画像に変換される。
(形状算出装置の機能例)
次に、図5~図10を用いて、実施形態の形状算出装置10の詳細の機能例について説明する。
図5は、実施形態にかかる形状算出装置10が取得する2次元散乱強度画像の一例を示す図である。図5に示すように、形状算出装置10は、散乱強度計測装置20から、散乱強度計測装置20が検出したデータから作成した2次元散乱強度画像を取得する。
2次元散乱強度画像においては、ホールパターンHPで散乱したX線の出射波同士が干渉することにより、例えば方位角方向に回折ピークが現れ、仰角方向には回折ピークごとに干渉縞が現れる。このような2次元散乱強度画像は、例えばホールパターンHPのホール寸法(ホール径)等の横方向の情報と、ホール深さ等の縦方向の情報とを含んでいる。また例えば、2次元散乱強度画像の特徴的な干渉パターンには、基板W上の周期構造が反映されている。
形状算出装置10のプロファイル生成部12は、例えば2次元散乱強度画像を数値化して散乱プロファイルを生成する。このとき、プロファイル生成部12は、計測対象の周期構造におけるレイアウト情報に基づき、2次元散乱強度画像から形状算出に必要なデータを抜粋した散乱プロファイルを生成する。
周期構造のレイアウト情報としては、例えばホールパターンHPの場合、ホールHL同士のピッチ、及び各々のホールHLの配置位置等がある。レイアウト情報に応じたデータの抜粋は、入力部11に入力され、記憶部19に格納された設定情報の1つであるプロファイル生成条件に基づいて行われる。
図6は、実施形態にかかる形状算出装置10が生成する散乱プロファイルの一例を示す図である。図6に示すように、散乱プロファイルは、例えばXY平面に対する出射波の出射角β/degを横軸にとり、出射波の散乱強度を縦軸にとったグラフに表される。このグラフ上で、散乱プロファイルは複数の曲線からなる。
一方、形状算出装置10のシミュレーション部13は、上記の実測値に基づく散乱プロファイルとのフィッティングを行うため、上記の散乱プロファイルと対応する少なくとも1つの散乱プロファイルを、シミュレーションにより生成する。
散乱プロファイルの生成において、シミュレーション部13は、基板W上の周期構造が有する可能性のある形状を備えた構造モデルを少なくとも1つ作成する。そして、シミュレーション部13は、実際に基板Wに対して適用されたX線照射条件を用いた場合に、構造モデルから得られる散乱プロファイルをシミュレーションする。
フィッティング部16は、シミュレーションで得られた少なくとも1つの散乱プロファイルと、上記の実測値に基づく散乱プロファイルとのフィッティングを行う。このフィッティング結果に基づいて、形状特定部17は、基板Wの周期構造が有している形状を特定する。
なお、構造モデルの生成、及び散乱プロファイルのフィッティングの詳細については後述する。
上述のように、ホールパターンHPのような2次元周期構造に対しては、X線の方位角を例えば0°~90°と広い範囲で変化させて計測またはシミュレーションが行われる。このため、実測による散乱プロファイル及びシミュレーションによる散乱プロファイルの曲線の数は共に非常に多くなり、これらのフィッティングには負荷がかかるだけでなく、フィッティングの精度が低下する場合がある。
そこで、形状算出装置10は、計測対象の形状がより良く反映された因子を特定し、それを注目因子として散乱プロファイルから抽出し、解析対象とすべき情報を絞り込んだうえで基板W上の形状を算出する。
注目因子を特定するために、形状算出装置10は、仮想的に構築した構造モデルの形状を変化させ、それぞれの形状に対応する散乱プロファイルをシミュレーションし、これらの散乱プロファイルを比較する。その詳細について、以下に説明する。
図7は、実施形態にかかる形状算出装置10が構築する構造モデルMD及び構造モデルMDの構築に用いられる形状パラメータの設定値PRの一例を示す図である。
上述のように、形状パラメータの設定値PRは、入力部11に入力され、記憶部19に格納された設定情報の1つである。形状パラメータの設定値PRは、例えば形状算出装置10が構造モデルMDを構築する際に参照される。また、形状パラメータの設定値PRは、構造モデルMDの形状を変化させる際の引数となる。
構造モデルMDの構築および形状変化に際しては、形状パラメータの設定値PRの他に、仮想構造データも用いられる。上述のように、仮想構造データも、入力部11に入力され、記憶部19に格納された設定情報の1つである。仮想構造データには、ホールHL等の構造モデル(仮想構造)MDにおいて、形状パラメータの設定値PRの数値を適用すべき位置が規定されている。構造モデルMDは、仮想構造データに形状パラメータの設定値PRの数値が適用されることで構築され、また、形状を変化させられる。
形状算出装置10では、周期構造が有する形状の算出は、例えば周期構造を構成する単位構造の断面形状についてなされ、単位構造の断面形状は、種々のパラメータにより規定される。図7は、周期構造が上述のホールパターンHLである場合の構造モデルMD及び形状パラメータの設定値PRの例である。
図7に示すように、例えばホールパターンHLであれば、単位構造はホールHLであり、ホールHLの断面形状に関するパラメータとして、例えばホール深さH(Hight)、テーパ角θ(Side wall angle)、開口部OPの径Lx,Ly、開口部OPの曲率RxLx,RyLy、開口縁部の丸みRT(Top rounding radius)、及び底面縁部の丸みRB(Bottom rounding radius)等が、形状パラメータの設定値PRに含まれる。
形状パラメータの設定値PRに含まれるホール深さHは、ホールHLの上端から下端までの距離であり、テーパ角θはホールHLの側壁の傾斜角度である。
また、図7の例では、開口部OPは小判型(オーバル型)の形状を有しており、開口部OPの径LxはX方向の径(長径)を表し、開口部OPの径LyはY方向の径(短径)を表している。また、小判型の開口部OPの四隅は曲線状の形状を有する。そこで、このような小判型の開口部OPの形状を規定するため、X方向に延びる辺が曲線形状に転ずるポイントから開口部OPのX方向側端部までの距離を、開口部OPの曲率RxLxと定義している。同様に、Y方向に延びる辺が曲線形状に転ずるポイントから開口部OPのY方向側端部までの距離を、開口部OPの曲率RyLyと定義している。
また、開口縁部、つまり、ホールHLが形成される基板Wの上面とホールHLの側壁との接続部分TPは、加工条件等によって丸みを帯びた曲面形状となることがある。そこで、曲面形状に内設する円の半径を、ホールHLの上面の曲面形状を表す開口縁部の丸みRTと定義している。また、底面縁部、つまり、ホールHLの底面とホールHLの側壁との接続部分BTも、加工条件等によって丸みを帯びた曲面形状となることがある。そこで、開口縁部の丸みRTと同様、底面における曲面形状に内設する円の半径を、底面の曲面形状を表す底面縁部の丸みRBと定義している。
形状算出装置10のシミュレーション部13は、例えば形状パラメータの設定値PR及び仮想構造データを用いて構造モデルMDを構築する。1つの形状パラメータについて、形状パラメータの設定値PRに複数の数値が設定されている場合には中央値が用いられる。このように、形状パラメータの設定値PRの中央値が適用された構造モデルMDは、例えば基板W上の周期構造の設計値に基づく理想的な形状または基板W上の周期構造が通常有しうる標準的な形状等を有する。
形状算出装置10では、単位構造であるホールHLの断面形状を規定する形状パラメータのうち少なくとも1つが計測対象として選択され、選択された全ての形状パラメータについて注目因子が特定される。
シミュレーション部13は、計測対象として選択された形状パラメータについて、それらの設定値を形状パラメータの設定値PRの数値に基づいて変化させ、これに対応する形状を有する複数の構造モデルを生成する。このとき、その他の計測対象外の形状パラメータについては中央値が選択される。図7の例では、計測対象としてホール深さH、開口縁部の丸みRT、及び底面縁部の丸みRBが選択されたものとする。
シミュレーション部13が、形状パラメータの設定値PRにしたがって、ホール深さHを45nm~55nmと変化させていくのに応じて、中央値を用いて構築された構造モデルMDに比べ、ホール深さHがより浅い構造モデル、及びより深い構造モデル等が生成される。
シミュレーション部13が、形状パラメータの設定値PRにしたがって、開口縁部の丸みRTを0nm~10.0nmと変化させていくのに応じて、中央値を用いて構築された構造モデルMDに比べ、開口縁部がより角張った構造モデル、及びより丸みを帯びた構造モデル等が生成される。
シミュレーション部13が、形状パラメータの設定値PRにしたがって、底面縁部の丸みRBを0nm~10.0nmと変化させていくのに応じて、中央値を用いて構築された構造モデルMDに比べ、底面縁部がより角張った構造モデル、及びより丸みを帯びた構造モデル等が生成される。
上述のように、基板W上の周期構造が有する形状は、そのときどきの加工条件および突発的事象等によって変動する。構造モデルに適用する形状パラメータの設定値PRの変数は、例えば基板W上の形状が実際に変動しうる範囲内で決定されることが好ましい。
図8は、実施形態にかかる形状算出装置10が生成した散乱プロファイルから行列データが導きだされる過程を示す図である。
図8に示すように、シミュレーション部13は、中央値を用いた構造モデルMDを含め、上記のように生成した複数の構造モデルについて、それらの形状に対応する散乱プロファイルをシミュレーションにより生成する。
計測対象として選択された形状パラメータがn個であるときは、散乱プロファイルは例えばn次元方程式で表される。形状算出装置10の注目因子特定部14は、この散乱プロファイルを、例えば各次数における出射角での散乱強度からなる行列データとして捉えることで注目因子を特定する。ここで、行列データの各因子の数値は散乱強度を示している。換言すれば、行列データの各因子には散乱強度が格納されている。注目因子特定部14は、計測対象の形状パラメータについて、その設定値の変化に応じて行列データの各因子が示す散乱強度の変動度合いから、これらの相関係数を求める。
図9は、実施形態にかかる形状算出装置10が各因子について求めた形状パラメータの変化に対する相関係数の大小関係を表した行列データの一例を示す図である。
図9(a)は、形状パラメータがホール深さHである場合に、形状パラメータの変化に対する各因子の相関係数を示した行列データである。図9(b)は、形状パラメータが開口縁部の丸みRTである場合に、形状パラメータの変化に対する各因子の相関係数を示した行列データである。図9(c)は、形状パラメータが底面縁部の丸みRBである場合に、形状パラメータの変化に対する各因子の相関係数を示した行列データである。
図9に示す各行列データでは、計測対象の形状パラメータを変化させた場合の各因子の相関係数の大きさの違いによって、各因子に濃淡が付けられている。各因子は、-1~+1の範囲内で所定の大きさの相関係数を示す。各行列データにおいて、相関係数の絶対値が大きいほど、つまり、-1または+1に近いほど、因子は濃く示される。
注目因子特定部14は、形状パラメータの変化に対する相関係数が所定値以上となった因子を、その形状パラメータについての注目因子として特定する。つまり、注目因子は、図9に示す各行列データにおいては所定濃度以上の濃さで示された因子に相当し、計測対象の形状パラメータの解析に優位な因子である。
図10は、実施形態にかかる形状算出装置10が散乱プロファイルからデータフレームを作成してフィッティングを行う過程を示す図である。
図10に示すように、形状算出装置10のデータフレーム作成部15は、注目因子が特定されたところで、フィッティングに用いられるデータフレームを作成する。
つまり、データフレーム作成部15は、注目因子特定部14によって特定された注目因子の情報に基づき、プロファイル生成部12が生成した上述の実測による散乱プロファイルから注目因子を抽出してデータフレームを作成する。
図9の例でいえば、計測対象の所定の形状パラメータについて、各因子に濃淡が付いた行列データの所定濃度以上の濃さで示された領域に相当する領域の因子が、上記の実測値に基づく散乱プロファイルから抽出されてデータフレームが構成される。このように、データフレームは、計測対象となった所定の形状パラメータを解析するにあたって優位となる注目因子の集合体である。
ただし、図9及び図10の例は、散乱プロファイルからデータフレームを作成するにあたり、データフレーム作成部15が、散乱プロファイルから行列データへの変換を行ってから、注目因子を抽出してデータフレームを作成することを必ずしも意味しない。散乱プロファイルと、それから生成される行列データとは、実質的に等価なものであり、注目因子を抽出するにあたっては、適宜、散乱プロファイルから直接的に注目因子が抽出され、あるいは、散乱プロファイルに基づき生成された行列データから間接的に注目因子が抽出されうる。
また、データフレームの生成は、散乱プロファイルから直接的に注目因子が抽出されることで散乱プロファイルを再生成することに相当する。この場合、データフレームは散乱プロファイルの形態を取り得る。または、データフレームは散乱プロファイルから行列データを経て間接的に注目因子が抽出されることで構成された行列データの形態を取り得る。
データフレーム作成部15は、実測値に基づくデータフレーム作成の場合と同様に、シミュレーション部13が生成したシミュレーションに基づく散乱プロファイルからデータフレームを作成する。シミュレーションに基づく散乱プロファイルは、上述した注目因子を特定するための散乱プロファイルを生成する際、基板W上の周期構造が有する可能性のある形状を備えた少なくとも1つの構造モデルに基づいて生成されたものである。
形状算出装置10のフィッティング部16は、実測値に基づくデータフレームと、シミュレーションに基づくデータフレームとのフィッティングを行って、フィッティング結果としてフィッティング残渣を算出する。フィッティング残渣は、実測値に基づくデータフレーム及びシミュレーションに基づくデータフレーム間において、これらのデータフレームに含まれる因子(注目因子)が示す散乱強度の差分を求め、散乱強度の差分の和を取ることで求められる。
形状算出装置10の形状特定部17は、フィッティング結果に基づいて基板W上の周期構造が有する形状を特定する。例えば、実測値に基づくデータフレームと、シミュレーションに基づく複数のデータフレームとの間で上記フィッティングがそれぞれ実施され、フィッティング結果が複数ある場合には、形状特定部17は、シミュレーションに基づく複数のデータフレームのうち、フィッティング結果に含まれるフィッティング残渣が最小となったデータフレームを選択する。そして、形状特定部17は、そのデータフレームの元となった構造モデルが有する形状を、基板W上の周期構造が有している形状として特定する。
また、シミュレーションに基づく1つのみのデータフレームについてフィッティングが行われた場合であっても、形状特定部17は、そのデータフレームに対応する形状が基板W上の周期構造が有する形状たり得るか否かを、フィッティング残渣の値等から判定することで、それを形状解析の結果として提示してもよい。
(形状算出処理の例)
次に、図11を用いて、実施形態の形状算出システム1による形状算出処理の例について説明する。図11は、実施形態にかかる形状算出システム1で実施される形状算出処理の手順の一例を示すフロー図である。
図11に示すように、形状算出システム1による形状算出処理は例えば5つのフェーズを有している。すなわち、形状算出処理の5つのフェーズは、基板W上の周期構造の実測処理(ステップS101~S102)、実測値に基づくフィッティング用データフレームの生成処理(ステップS201~S202)、シミュレーションに基づくフィッティング用データフレームの生成処理(ステップS211~S215)、注目因子の特定処理(ステップS211~S214)、及び基板W上の周期構造が有する形状の解析処理(ステップS231~S233)である。
上記のように、注目因子の特定処理は、シミュレーションに基づくフィッティング用データフレームの生成処理に含まれ、シミュレーションに基づくフィッティング用データフレームが生成される過程で実施される。
ここで、実測値に基づくフィッティング用データフレームの生成処理のうちステップS201の処理、及びシミュレーションに基づくフィッティング用データフレームの生成処理は、どちらの処理を先に実施してもよく、または、双方のフェーズの処理を並行して実施してもよい。
また、注目因子の特定処理は、基板W上の周期構造の実測に用いられる計測条件が決定した後、上記実測値に基づくデータフレームの生成が開始されるまでであれば、いずれのタイミングで実施されてもよい。
まず、基板W上の周期構造の実測処理について説明する。
散乱強度計測装置20の条件設定部21は、使用者による指示入力等にしたがって、散乱強度計測に使用する計測条件を決定する(ステップS101)。計測条件の決定においては、基板Wに対するX線の入射角度等が決定される。送信部27は、決定された計測条件を形状算出装置10へと送信する。
光源制御部23は、決定された計測条件にしたがって散乱強度計測装置20の各部を制御し、2次元検出器25は、基板W上の周期構造から得られたX線の出射波の散乱強度データを取得する(ステップS102)。送信部27は、散乱強度データを形状算出装置10へと送信する。
次に、注目因子の特定処理について説明する。
形状算出装置10のシミュレーション部13は、仮想構造データ及び形状パラメータの設定値PRを用い、各形状パラメータの中央値を有する構造モデルMDを構築する(ステップS211)。つまり、各形状パラメータの中央値をどのように設定するかによって構造モデルMDが決定される。上述のように、構造モデルMDには、例えば基板W上の周期構造の設計値に基づく理想的な形状または基板W上の周期構造が通常有しうる標準的な形状等が設定される。つまり、ここで用いられる仮想構造データ及び形状パラメータの設定値PRには、例えば設計上の理想形状または標準的な形状を示す値が設定されている。
シミュレーション部13は、仮想構造データ及び形状パラメータの設定値PRを用い、構築した構造モデルMDを規定する形状パラメータのうち、計測対象となっている形状パラメータの設定値として用いる数値を決定し、決定した数値を上記の構造モデルMDに適用する(ステップS212)。これにより、上記の構造モデルMDを基準として、それとは異なる形状を有する複数の構造モデルが生成される。
上述のように、基板W上の周期構造が有する形状は、そのときどきの加工条件および突発的事象等によって変動する。構造モデルMDに適用する形状パラメータの設定値は、基板W上の形状が実際に変動しうる範囲内で決定されることが好ましい。またここでは、形状パラメータの設定値が少なくとも1つ決定され、それに基づいて、少なくとも1つの構造モデルが生成される。
シミュレーション部13は、生成した構造モデルから得られる複数の散乱プロファイルを、シミュレーションにより生成する(ステップS213)。このとき、シミュレーション部13は、散乱強度計測装置20から送信され、実際の基板Wの計測に用いられた計測条件に基づき、散乱プロファイルのシミュレーションを行う。
注目因子特定部14は、シミュレーション部13が生成した散乱プロファイルから注目因子を特定する(ステップS214)。すなわち、注目因子特定部14は、例えば1つの形状パラメータに対応する複数の散乱プロファイルから、その形状パラメータの設定値の変化に対する相関係数が所定値以上となる因子を、その形状パラメータの注目因子として特定する。
次に、シミュレーションに基づくフィッティング用データフレームの生成処理の残りの処理について説明する。
データフレーム作成部15は、シミュレーション部13が生成した散乱プロファイルから、計測対象の形状パラメータについて、注目因子特定部14により特定された注目因子を抜粋したデータフレームを作成する(ステップS215)。
次に、実測値に基づくフィッティング用データフレームの生成処理について説明する。
プロファイル生成部12は、散乱強度計測装置20により計測された散乱強度データから、形状解析に必要なデータを抜粋して散乱プロファイルを生成する(ステップS201)。
データフレーム作成部15は、プロファイル生成部12が生成した散乱プロファイルから、計測対象の形状パラメータについて、注目因子特定部14により特定された注目因子を抜粋したデータフレームを作成する(ステップS202)。ここで作成されるデータフレームは、上記のステップS215の処理で作成されるシミュレーションに基づくデータフレームと1対1に対応している。つまり、これらのデータフレーム間でフィッティングを実施することが可能に構成される。
次に、基板W上の周期構造が有する形状の解析処理について説明する。
フィッティング部16は、上記のステップS202の処理で作成された実測値に基づくデータフレームに対し、上記のステップS215の処理で作成されたシミュレーションに基づくデータフレームを当てはめてフィッティングを行う(ステップS221)。
上記のステップS215の処理で作成されたデータフレームが1つであるときは、フィッティング部16は、上記のステップS202の処理で作成されたデータフレームと、ステップS215のデータフレームとを1対1に対応させてフィッティングを行う。
上記のステップS215の処理で作成されたデータフレームが複数あるときは、フィッティング部16は、上記のステップS203の処理で作成されたデータフレームに、ステップS215のデータフレームを1つ1つ当てはめて、ステップS215のデータフレームのそれぞれについてフィッティング結果を得る。
形状特定部17は、フィッティング部16により得られたフィッティング残渣から、基板W上の周期構造が実際に有する形状を特定する(ステップS222)。
すなわち、形状特定部17は、ステップS215のデータフレームが複数あって、フィッティング結果が複数得られているときは、フィッティング残渣が最小値を示したステップS215のデータフレームに対応する構造モデルの形状を特定し、それを基板W上の周期構造が実際に有する形状とする。
形状特定部17は、ステップS215のデータフレームが1つであって、フィッティング結果が1つのみ得られているときは、フィッティング残渣が示す値等から、そのデータフレームに対応する構造モデルの形状が、基板W上の周期構造が実際に有する形状であると決定できるか否かを判定し、それを形状計測の結果とする。
出力部18は、特定された形状を形状算出結果として出力する(ステップS223)。
以上により、実施形態の形状算出システム1による形状算出処理が終了する。
(比較例)
比較例の形状算出方法においては、例えば実測値に基づく散乱プロファイルと、1つまたは複数のシミュレーションに基づく散乱プロファイルとのフィッティングを行って、基板上の周期構造が有する形状を決定する。換言すれば、比較例の形状算出方法は、上述の行列データ内の全ての因子を等価に扱い、これら全ての因子についてフィッティング計算をすることに相当する。
この場合、実測値に基づく散乱プロファイルに対して、シミュレーションに基づく散乱プロファイルの散乱強度の差が小さくなるよう、複数の形状パラメータのシミュレーション値を調整し、これらの差が一定値以下になった場合に、そのシミュレーション値に対応する構造モデルが、基板上の周期構造が実際に有する形状であるものとする。
このように、比較例の形状算出方法においては、複数の形状パラメータを変数として、散乱プロファイル間の散乱強度の差分の和が最小になるようフィッティングを行う。このため、途中段階において多くの局所的な極値(ローカルミニマム)に到達し得る。したがって、真値に辿りつき難く、また、これらのうちのいずれかが最適化された極値(グローバルミニマム)であるか否かの見極めが難しく、形状の計測制度の劣化を招きやすい。
最終的に得られた形状に対しては、使用した散乱プロファイルの散乱強度の差に由来するR因子(信頼性因子)等の指標を用いて判定可能であるものの、この指標は単に、得られた形状全体の解析精度を表しているにすぎず、ある特定の形状パラメータの解析精度を示しているわけではない。つまり、比較例の形状算出方法では、仮にR因子等による判定を行ったとしても、個々の形状パラメータの解析精度を知ることは困難である。
また、上述の特許文献1(特開2019-056568号公報)では、複数の形状パラメータを引数とした構造モデルを用いる際、他の測定ツールを用いて計測した値を初期値として解析を行う。他の測定ツールとしては例えがSEM等があり、SEM等で計測可能な値としては例えばホールの長径と短径との比率等である。しかしながら、小角散乱X線法等により得られるデータには、例えば開口縁部の丸み及び底面縁部の丸み等のように、SEM等による計測からは得ることが難しい形状パラメータに関する情報が含まれる。このように、他の測定ツールにおいて高精度の計測が保証されない形状パラメータに関しては、当然のことながら、高精度の解析を行うことは困難である。
また、上述の特許文献2(特開2017-053828号公報)では、散乱プロファイルの変曲点に注目してモデルフィッティングを行う。このとき、開口部の径および底面の径ならびにホール深さ等の形状パラメータは、散乱プロファイルの変曲点として現れやすい。しかしながら、例えば開口縁部の丸み及び底面縁部の丸み等のように、変曲点に現れにくい形状パラメータも存在する。このような形状パラメータについては、高精度の解析を行うことは困難である。また、ホールパターン等の2次元周期構造においては、通常、複数の方位角からの計測が行われるため、形状パラメータの変化を散乱プロファイルの変曲点に関連付けることは困難である。
また、上述の特許文献3(特開2011-117894号公報)では、任意の注目パラメータに対して感度が出やすい回折プロファイル領域を検出して計測範囲、積載時間の最適化を行う。しかしながら、回折プロファイル領域から注目パラメータに対する因子を特定することは困難である。
実施形態の形状算出方法等によれば、実測による散乱プロファイルと、シミュレーションによる散乱プロファイルとから、計測対象の形状パラメータに対する注目因子の集合体であるデータフレームをそれぞれ作成し、これらについてフィッティングを行う。つまり、散乱プロファイルに含まれる全ての因子について解析を行うのではなく、注目因子に限定して解析を行う。このため、例えば多次元周期構造について複数の方位角から計測を行う場合に、回転対象となる周期軸に応じて適正な計測条件を選択することができる。これにより、基板W上の周期構造が有する形状を高精度に算出することができる。また、計測のスループットを向上させることができる。
(変形例1)
次に、図12を用いて、実施形態の変形例1の形状算出システムについて説明する。変形例1の形状算出システムでは、注目因子の特定手法が上述の実施形態とは異なる。
変形例1の形状算出システムでは、形状算出装置の注目因子特定部は、散乱プロファイルを散乱強度からなる行列データとして捉えた場合に、計測対象の形状パラメータについて、その設定値の変化に応じて行列データの各因子が示す散乱強度の変動幅(レンジ)を算出する。
図12は、実施形態の変形例1にかかる形状算出装置が各因子について求めた形状パラメータの変化に対する変動幅の大小関係を表した行列データの一例を示す図である。
図12(a)は、形状パラメータがホール深さHである場合に、形状パラメータの変化に対する各因子の変動幅を示した行列データである。図12(b)は、形状パラメータが開口縁部の丸みRTである場合に、形状パラメータの変化に対する各因子の変動幅を示した行列データである。図12(c)は、形状パラメータが底面縁部の丸みRBである場合に、形状パラメータの変化に対する各因子の変動幅を示した行列データである。
図12に示す各行列データでは、計測対象の形状パラメータを変化させた場合の各因子の変動幅の大きい因子が濃い色で示されている。
注目因子特定部は、形状パラメータの変化に対する変動幅が所定値以上となった因子を、その形状パラメータについての注目因子として特定する。つまり、注目因子は、図12に示す各行列データにおいては色の付された因子に相当し、計測対象の形状パラメータの解析に優位な因子である。
変形例1の形状算出システムでは、このように特定された注目因子を元の散乱プロファイルから抽出して実測値に基づくデータフレームとシミュレーション値に基づくデータフレームとを作成し、フィッティングを行う。
なお、図12の例は、散乱プロファイルからデータフレームを作成するにあたり、散乱プロファイルから行列データへの変換を行ってから、注目因子を抽出してデータフレームを作成することを必ずしも意味しない。散乱プロファイルと、それから生成される行列データとは、実質的に等価なものであり、注目因子を抽出するにあたっては、適宜、散乱プロファイルから直接的に注目因子が抽出され、あるいは、散乱プロファイルに基づき生成された行列データから間接的に注目因子が抽出されうる。
また、データフレームの生成は、散乱プロファイルから直接的に注目因子が抽出されることで散乱プロファイルを再生成することに相当する。この場合、データフレームは散乱プロファイルの形態を取り得る。または、データフレームは散乱プロファイルから行列データを経て間接的に注目因子が抽出されることで構成された行列データの形態を取り得る。
変形例1の形状算出方法等によれば、計測対象の形状パラメータの変化に対して変動幅の大きい因子を注目因子として特定する。これによっても、基板上の周期構造が有する形状を高精度に算出し、また、計測のスループットを向上させることができる。
(変形例2)
次に、図13を用いて、実施形態の変形例2の形状算出システムについて説明する。変形例2の形状算出システムでは、注目因子を特定するタイミングが上述の実施形態とは異なる。
図13は、実施形態の変形例2にかかる形状算出システムで実施される形状算出処理の手順の一例を示すフロー図である。図13に示すように、形状算出システムによる形状算出処理は例えば8つのフェーズを有している。
すなわち、形状算出処理の8つのフェーズは、基板上の周期構造の実測処理(ステップS101~S102)、実測値に基づくフィッティング用散乱プロファイルの生成処理(ステップS201)及びフィッティング用データフレームの生成処理(ステップS245)、シミュレーションに基づくフィッティング用散乱プロファイルの生成処理(ステップS211~S213)及びフィッティング用データフレームの生成処理(ステップS215)、基板上の周期構造が有する暫定形状決定処理(ステップS231~S233)、注目因子の特定処理(ステップS242~S244)、及び基板上の周期構造が有する形状の解析処理(ステップS251~S253)である。
基板上の周期構造の実測処理は、上述の実施形態の図11におけるステップS101~S102の処理と同様に実施される。
実測値に基づくフィッティング用散乱プロファイルの生成処理は、上述の実施形態の図11におけるステップS201の処理と同様に実施される。シミュレーションに基づくフィッティング用散乱プロファイルの生成処理は、上述の実施形態の図11におけるステップS211~S213の処理と同様に実施される。
次に、基板上の周期構造が有する暫定形状決定処理について説明する。
変形例2の形状算出装置におけるフィッティング部は、上記のステップS201の処理で作成された実測値に基づく散乱プロファイルに対し、上記のステップS213の処理で作成されたシミュレーションに基づく散乱プロファイルを当てはめてフィッティングを行う(ステップS231)。
形状特定部は、フィッティング残渣が最小値を示したステップS213の散乱プロファイルに対応する構造モデルの形状を特定し(ステップS232)、それを基板上の周期構造が実際に有する形状として暫定的に決定する(ステップS233)。
次に、注目因子の特定処理について説明する。
シミュレーション部は、ステップS233の処理で決定された形状を規定する形状パラメータのうち、計測対象となっている形状パラメータの設定値として用いる数値を決定し、決定した数値を上記の暫定的な形状に適用する(ステップS242)。これにより、上記の暫定的な形状を基準として、それとは異なる形状を有する複数の構造モデルが生成される。
シミュレーション部は、生成した構造モデルから得られる複数の散乱プロファイルを、シミュレーションにより生成する(ステップS243)。このとき、シミュレーション部は、散乱強度計測装置から送信され、実際の基板の計測に用いられた計測条件に基づき、散乱プロファイルのシミュレーションを行う。
注目因子特定部は、シミュレーション部が生成した散乱プロファイルから注目因子を特定する(ステップS244)。すなわち、注目因子特定部は、例えば1つの形状パラメータに対応する複数の散乱プロファイルから、その形状パラメータの変化に対して寄与率の高い因子を、その形状パラメータの注目因子として特定する。
次に、実測値に基づくフィッティング用データフレームの生成処理、及びシミュレーションに基づくフィッティング用データフレームの生成処理について説明する。
データフレーム作成部は、プロファイル生成部が生成した散乱プロファイルから、計測対象の形状パラメータについて、注目因子特定部により特定された注目因子を抜粋したデータフレームを作成する(ステップS245)。
データフレーム作成部は、シミュレーション部が生成した散乱プロファイルから、計測対象の形状パラメータについて、注目因子特定部により特定された注目因子を抜粋したデータフレームを作成する(ステップS215)。
次に、基板上の周期構造が有する形状の解析処理について説明する。
フィッティング部は、上記のステップS245の処理で作成された実測値に基づくデータフレームに対し、上記のステップS215の処理で作成されたシミュレーションに基づくデータフレームを当てはめてフィッティングを行う(ステップS251)。
形状特定部は、フィッティング部16により得られたフィッティング残渣から、基板W上の周期構造が実際に有する形状を特定する(ステップS252)。
出力部は、特定された形状を形状算出結果として出力する(ステップS253)。
以上により、実施形態の変形例2の形状算出システムによる形状算出処理が終了する。
変形例2の形状算出方法等によれば、形状解析を暫定形状の決定と基板上の実際の形状の特定との2段階で行って、基板上の周期構造が有する形状を特定する。このような手法によっても、例えば比較例のように形状が全く未知の状態で、予め規定された精密化条件だけで形状を決定する場合と異なり、上述の実施形態の形状算出方法等と同様の効果を奏する。
(その他の変形例)
上述の実施形態および変形例1,2においては、各因子について相関係数または変動幅を求め、計測対象の形状パラメータに対して寄与率の高い注目因子を抽出してフィッティング等による形状解析を行うこととした。しかし、例えば各因子が有する相関係数の絶対値または変動幅を重みづけ係数とした重みづけを各因子に対して行って、それらを注目因子とするデータフレームを作成して形状解析を行ってもよい。
上述の実施形態および変形例1,2においては、散乱強度計測装置20がX線のビームを用いて散乱強度データを計測することとしたが、計測に用いるビームは、X線以外の電磁波または粒子線等であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…形状算出システム、10…形状算出装置、12…プロファイル生成部、13…シミュレーション部、14…注目因子特定部、15…データフレーム作成部、16…フィッティング部、17…形状特定部、20…散乱強度計測装置。

Claims (3)

  1. 基板上の第1の周期構造に電磁波を入射させて得られる前記電磁波の出射波に基づく第1の散乱プロファイルを生成するステップと、
    仮想設定された第2の周期構造を用いて第2の散乱プロファイルを生成するステップと、
    前記第2の周期構造を規定する形状パラメータのうち少なくとも1つを測定対象として選択し、前記第2の散乱プロファイルから、前記第2の散乱プロファイルに含まれ、散乱強度の情報をそれぞれ有する複数の因子のうち、前記形状パラメータについての注目因子を特定するステップと、
    前記第1の散乱プロファイルから前記注目因子に対応する因子を抜粋した第1のデータフレームを作成するステップと、
    前記第2の散乱プロファイルから前記注目因子を抜粋した第2のデータフレームを作成するステップと、
    前記第1のデータフレームと前記第2のデータフレームとのフィッティングを行うステップと、
    前記フィッティングの結果に基づいて、前記第1の周期構造の前記形状を特定するステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記第2の散乱プロファイルは、選択した前記形状パラメータの設定値を変化させた前記第2の周期構造を用いて生成され、
    前記注目因子の特定は、前記設定値の変化に応じて前記第2の散乱プロファイルの各因子が示す散乱強度の変動度合いに基づいて行われ、
    前記形状パラメータの前記設定値の変化に対する前記第2の散乱プロファイルの各因子の相関係数が所定値以上となった因子を前記注目因子として特定するステップをコンピュータに実行させる、
    形状算出プログラム。
  2. 基板上の第1の周期構造に電磁波を入射させて得られる前記電磁波の出射波に基づく第1の散乱プロファイルを生成するステップと、
    仮想設定された第2の周期構造を用いて第2の散乱プロファイルを生成するステップと、
    前記第2の周期構造を規定する形状パラメータのうち少なくとも1つを測定対象として選択し、前記第2の散乱プロファイルから、前記第2の散乱プロファイルに含まれ、散乱強度の情報をそれぞれ有する複数の因子のうち、 前記形状パラメータについての注目因子を特定するステップと、
    前記第1の散乱プロファイルから前記注目因子に対応する因子 を抜粋した第1のデータフレームを作成するステップと、
    前記第2の散乱プロファイルから前記注目因子を抜粋した第2のデータフレームを作成するステップと、
    前記第1のデータフレームと前記第2のデータフレームとのフィッティングを行うステップと、
    前記フィッティングの結果に基づいて、前記第1の周期構造の前記形状を特定するステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記第2の散乱プロファイルは、選択した前記形状パラメータの設定値を変化させた前記第2の周期構造を用いて生成され、
    前記注目因子の特定は、前記設定値の変化に応じて前記第2の散乱プロファイルの各因子が示す散乱強度の変動度合いに基づいて行われ、
    前記形状パラメータの前記設定値の変化に対する前記第2の散乱プロファイルの各因子の変動幅が所定値以上となった因子を前記注目因子として特定するステップをコンピュータに実行させる、
    形状算出プログラム。
  3. 基板上の第1の周期構造に電磁波を入射させて得られる前記電磁波の出射波に基づく第1の散乱プロファイルを生成する第1のプロファイル生成部と、
    仮想設定された第2の周期構造を用いて第2の散乱プロファイルを生成する第2のプロファイル生成部と、
    前記第2の周期構造を規定する形状パラメータのうち少なくとも1つを測定対象として選択し、前記第2の散乱プロファイルから、前記第2の散乱プロファイルに含まれ、散乱強度の情報をそれぞれ有する複数の因子のうち、前記形状パラメータについての注目因子を特定する注目因子特定部と、
    前記第1の散乱プロファイルから前記注目因子に対応する因子を抜粋した第1のデータフレームを作成し、前記第2の散乱プロファイルから前記注目因子を抜粋した第2のデータフレームを作成するデータフレーム作成部と、
    前記第1のデータフレームと前記第2のデータフレームとのフィッティングを行うフィッティング部と、
    前記フィッティングの結果に基づいて、前記第1の周期構造の前記形状を特定する形状特定部と、を備え、
    前記第2のプロファイル生成部は、選択した前記形状パラメータの設定値を変化させた前記第2の周期構造を用いて前記第2の散乱プロファイルを生成し、
    前記注目因子特定部は、前記設定値の変化に応じて前記第2の散乱プロファイルの各因子が示す散乱強度の変動度合いに基づいて前記注目因子の特定を行い、
    前記注目因子の特定は、前記形状パラメータの前記設定値の変化に対する前記第2の散乱プロファイルの各因子の相関係数が所定値以上となった因子を前記注目因子として特定する、
    形状算出装置。
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