JP7474999B1 - 既設杭引抜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の既設杭の引抜装置は、掘削抵抗が大きかった。【解決手段】本発明は、回転駆動機構によりケーシングを回転し、既設杭の外周の土壌を掘り進んで、既設杭の周囲とその周囲の土壌との縁切りを行い、ケーシングの下部に設けた係止機構により、既設杭の下部を係止して、既設杭を引き抜く。前記係止機構7は、既設杭5の下部に係止する係止爪11と、この係止爪11を軸支して保持するハウジング10と、このハウジング10の下部に設けられ、ハウジング10をケーシング2の上下方向にスライドさせるスライダー板10aと、前記スライダー板10aをケーシング2の上下方向にスライドして案内する案内レール機構15と、案内レール機構15をケーシング2に固定する複数の固定手段(固定片)16と、係止爪11の下部をケーシング2の開口部側に導くカム体17と、から構成されている。【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用 (1) 1)販売日;令和5年4月28日 2)販売場所;株式会社SINTEC(大阪府大阪市港区港晴1-10-5) 3)公開者; 辻井 勲、高畑 耕一 4)販売した物の内容 既設杭引抜装置を販売
本発明は、地中に埋設されている既設杭を引抜く既設杭引抜装置に関する。
図10~図12は、特許文献1に開示されている従来の既設杭引抜装置50を図示したものである。図10に示すように、従来の既設杭引抜装置50は、ケーシング53を回転しながら掘り下げる回転駆動機構(アースオーガ)51を上部に備え、この回転駆動機構51の下部に、スイベル(スイベルジョイント)52を介して、円筒状のケーシング53を連結している。ケーシング53の下端内周壁に、既設杭70の周囲とその周囲の地盤との間の縁切りを行う先端掘削刃54が取付けられるとともに、ケーシング53の下端外周部に、係止機構55が土中を回転しながら下降していきやすいようにケーシング53の周囲の地盤を堀削する外側掘削刃64が取り付けられている。前記係止機構55は、外側掘削刃64の近傍の上方外周側に設けられ、係止爪(掛止爪)55Aが既設杭70の下端部に係止して既設杭70を引抜く作用をはたす。
係止爪55Aは、ケーシング53の上部に取り付けられた油圧シリンダ56のピストンロッドにロッド57を介して連結している。図11~図13に示すように、係止爪55Aの外側を覆うように、爪カバー61がケーシング53の外側に取付けられている。従って、係止爪55Aは、爪カバー61の内部空間に配置され、この内部空間内を上下に移動する。爪カバー61の両方の側板部61Aには、上下方向にガイド長孔61Cが穿設され、このガイド長孔61Cに、係止爪55Aの上端部の横方向に軸支された回動軸(枢支軸)62の両端部がスライド可能に挿通している。これにより、係止爪55Aは、回動軸62を介して爪カバー61のガイド長孔61Cに沿って上下にスライドするとともに、係止爪55Aが下方にスライドすると、下記のようにカム体63の作用により、回動軸62を中心として旋回し、係止爪55Aの下部からケーシング53の内側に傾斜しながら入り込んで行くよう構成されている。
前記のように、係止爪55Aが下方にスライドする際に、回動軸62を中心として旋回するのは、図11に示すように、ケーシング53下部の爪カバー61が取付けられた位置に開口部(開口)66が形成され、この開口部66の下部にL字形のカム体63が設けられているためである。即ち、油圧シリンダ56のピストンロッドが下方に突き出て、ロッド57により係止爪55Aが爪カバー61内をガイド長孔61Cに沿って下方にスライドすると、係止爪55Aの下部の外面がカム体63に当接して回動軸62を中心にして旋回し、開口部66からケーシング53の内側に傾斜しながら入り込んで行く。ちょうど、係止爪55Aが既設杭70の下方の位置に来るまでケーシング53が掘り下げられた状態で、前記のようにして、係止爪55Aをケーシング53の内側に入り込ませ、係止爪55Aで既設杭70の下部を係止した状態で、ケーシング53全体を持ち上げることで、既設杭70を上方に引抜くことができる。
特開2019-194422公報
ケーシング53が回転して土壌を掘り下げるには、ケーシング53がスムーズに回転する必要がある。しかし、特許文献1に開示されている従来の既設杭引抜装置50では、係止機構55が土中での回転を妨げ、ケーシング53がスムーズに回転できないおそれがあった。その理由として、係止機構55が大型化せざるを得ず、ケーシング53の土中での回転に対する抵抗が大きくなるためである。
係止機構55が大型化せざるを得なくなる理由としては、図12に示すように、係止爪55Aを既設杭70の下部に係止してケーシング53を引き上げる際に、既設杭70の負荷が回動軸62にかかるとともに、その負荷が爪カバー61にもかかる。このため、爪カバー61は既設杭70の負荷に耐えられるような大きくて頑丈なものでなければならなかった。しかも、回動軸62の両端が爪カバー61の側板部61Aに穿設されたガイド長孔61Cに沿ってスライドする構造であるため、側板部61Aは、厚くて丈夫でなければならず、その意味からも、爪カバー61は、大型化せざるを得ず、図13に示すように、爪カバー61は、ケーシング53から外側への突出寸法Hが大きくなっていた。その結果、ケーシング53を回転しながら掘り下げる際に、爪カバー61の土壌に対する抵抗も大きくなるため、ケーシング53を回転する回転駆動機構51の出力を大きくしなければならないという課題があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、係止機構を上下にスライド可能とし、係止機構がケーシングから外側への突出する寸法を小さく抑えることができる既設杭引抜装置を提供することを目的とする。
本発明は、回転駆動機構によりケーシングを回転し、既設杭の外周の土壌を掘り進んで、既設杭の周囲とその周囲の土壌との縁切りを行い、ケーシングの下部に設けた係止機構により、既設杭の下部を係止して、既設杭を引抜く既設杭引抜装置であって、前記係止機構は、既設杭の下部に係止する係止爪と、この係止爪を軸支して保持するハウジングと、ケーシングの上下方向に沿った方向における前記ハウジングの下部に設けられ、前記ハウジングをケーシングの上下方向にスライドさせるスライダー板と、前記スライダー板をケーシングの上下方向にスライドして案内する案内レール機構と、案内レール機構をケーシングに固定する固定手段と、係止爪の下部をケーシングの開口部側に導くカム体と、を備えた既設杭引抜装置。
本発明は前記構成により、係止機構がケーシングから外側への突出する寸法を小さく抑えることができるため、ケーシングを回転しながら掘り下げる際に、係止機構の土壌に対する抵抗を小さく抑えることができる。
本発明の既設杭引抜装置を示す全体正面図 本発明の既設杭引抜装置の係止機構の下方からの斜視図 本発明の係止機構の部分断面図 本発明の係止機構の平面断面図 本発明の係止機構の部分縦断面図 本発明の係止機構の使用状態図 本発明の係止機構の使用状態図 本発明の高圧水配管及び高圧水ノズルの部分正面図 本発明の高圧水配管及び高圧水ノズルの部分縦断面図 従来の既設杭引抜装置を示す全体正面図 従来の既設杭引抜装置の下端部の縦断面図 従来の既設杭引抜装置の下端部の縦断面図 従来の係止機構の平面断面図
(既設杭引抜装置の概要)
以下、本発明の実施の形態に係る既設杭引抜装置を図面に基づき説明する。図1は本発明の既設杭引抜装置の全体正面図である。この既設杭引抜装置1は、主要な構成部分を占める円筒形状のケーシング2を備えており、このケーシング2の上部にスイベル3を介して回転駆動機構(アースオーガ)4を備えている。ケーシング2は、回転駆動機構4により回転しながら掘り下げられ、既設杭5と周囲の地盤との間の縁切りを行い、既設杭引抜装置1により既設杭5を引き抜きできるように作用する。なお、ケーシング2は例えば上部ケーシング2a、中間ケーシング2b、下部ケーシング2cを連結して構成されているが、ケーシング2はこのような分割する構成に限るものではない。
ケーシング下端部2dには、地盤を掘るための多数の先端掘削刃6、外側掘削刃60が取り付けられている。また、ケーシング2には、既設杭5を引抜く係止機構7が外側掘削刃60の近傍の上方外周の対称位置に設けられている。ケーシング2の上部には、各係止機構7に対応して油圧シリンダ8が取り付けられている。油圧シリンダ8のピストンロッドと、係止機構7とは、連結ロッド9で連結されており、油圧シリンダ8のピストンロッドの伸縮により係止機構7のハウジング10及び係止爪11がケーシング2に対して上下にスライドする。
なお、スイベル3の内部には、油圧シリンダ8へ油を送る油圧通路(図示せず)が形成されており、この油圧通路に油圧接続管12が接続され、ベースマシンからの油が油圧通路及び油圧接続管12を介して油圧シリンダ8へ送り込まれる。さらに、スイベル3の内部には、高圧水通路(図示せず)が形成されており、この高圧水通路に高圧水配管13が接続されている。高圧水配管13及びこの高圧水配管13の下端の高圧水ノズル13aについては、図面を用いて後に説明する。なお、前記の油圧シリンダ8、連結ロッド9、係止機構7はケーシング2の外周に2体設けられているが、これらを3体あるいは4体以上設けてもよい。このように複数の油圧シリンダ8、連結ロッド9、係止機構7を設置するには、円筒形のケーシング2の外周に等間隔(2つの場合は180度毎、3つの場合は120度毎、4つの場合は90度毎)に配置している。高圧水配管13は、ケーシング2の上下方向に1本だけ配置しているが、これも2本以上であってもよい。図1に簡略的に示すように、ケーシング2の下部の外周には、ケーシング2をより良好に下方に掘り進めるようにスクリュ14も設けられている。
(係止機構)
図2~図4は、既設杭5の下部を係止して既設杭5を引き抜く係止機構7を図示している。この係止機構7は、既設杭5の下部に係止する係止爪11と、この係止爪11を軸支して保持するハウジング10と、このハウジング10の下部に設けられ、ハウジング10をケーシング2の上下方向にスライドさせるスライダー板10aと、前記スライダー板10aをケーシング2の上下方向にスライドして案内する案内レール機構15と、案内レール機構15をケーシング2に固定する固定手段16と、係止爪11の下部をケーシング2の開口部2E側に導くカム体17と、から構成されている。以下において、これらの部材を説明する。
係止爪;係止爪11は、肉厚の鋼材を用いて製作されており、立方体形状の係止爪11の下部に、係止爪11をカム体17によりケーシング2側に傾斜させる傾斜面11aが形成されている。また、係止爪11の基端部(上部)に形成された軸孔11bに回動軸18が挿通され、係止爪11が回動軸18を中心に正逆方法に回動する。なお、回動軸18の両端は、下記のハウジング10の両側板10bに穿設された固定孔10cに固定され、係止爪11がハウジング10の両側板10bに架け渡されている。前記のように、係止爪11に対向するケーシング2の壁部には、係止爪11が旋回して支障なくケーシング2内に入り込めるように、開口部2Eが形成されている。
ハウジング;ハウジング10は、厚肉の三枚の板体から構成され、図2に示すように略コ字状に形成されている。この実施の形態の枠体は、二枚の板体が平行に配置された前記側板10bと、両側板10bの上部両端を連結する連結板10dとから構成され、両方の側板10bの上端と連結板10dとが溶接されている。前記のように、側板10bには回動軸18の両端部を挿通して固定する固定孔10cが穿設されている。また、連結板10dは、連結ロッド9を介して油圧シリンダ8のピストンロッドと連結している。ハウジング10のケーシング2に対向する面は板体が設けらずに開放されて、係止爪11が旋回してケーシング2の開口部2E側に入り込めるように構成されている。また、ハウジング10の外側(ケーシングの開口部2Eから遠い側の面)も板体が設けらずに開放されている。このため、既設杭引抜装置1の厚みhを薄くすることができる(図4参照)。なお、本実施の形態では、ハウジング10は、三枚の別体の板体から構成されているが、三枚である必要はなく、コ字状に一体の構造であってもよい。
スライダー板;スライダー板10aは、ハウジング10の両方の側板10bの底部に設けられている。このスライダー板10bは、ハウジング10の側板10bと一体であってもよいし、別体であってもよい。図2~図4に図示するように、この実施の形態では、スライダー板10aの幅は、案内レール機構15の案内レール15aの幅と同一寸法であって、側板10bの幅寸法と比較して約2倍程度の幅である。また、スライダー板10aの長さは、側板10bの長さより多少大きい寸法としている。図4に示すように、スライダー板10aの内側の面と側板10bの内側の面とは面一となっており、係止爪11がケーシング10の開口部2E側に旋回した際に、スライダー板10aと係止爪11が干渉しないように構成されている。
案内レール機構;この実施の形態では、案内レール機構15は、前記ハウジング10の下部のスライダー板10aが上に載って上下方向にスライドする前記案内レール15aと、案内レール15aとの間に隙間Gを設けてスライダー板10aをスライド可能に保持するガイド部材15bと、から構成されている。なお、図4に示すように、案内レール機構15及び後述する固定手段16のケーシング2からの外方への突出寸法は、係止爪11の外方への突出寸法よりも小さい構成となっている。案内レール15aは、図2、図3に示すように、長い平板形状の板体であってケーシング2の開口部2Eの側縁から開口部2Eの中心側にせり出すように、ケーシング2に溶接されている。この案内レール15a上に、スライダー板10aが載った状態で、上下にスライドする。なお、図4に示すように、案内レール15aの内側の面と、スライダー板10aの内側の面とは面一となっており、係止爪11が開口部2E側に旋回した際に、係止爪11がスライダー板10a及び案内レール15aと干渉しないように構成されている。なお、案内レール15aの長さは、図6に示すように係止爪11が待機位置にある状態から、図7に示すように係止爪11が旋回してケーシング2の開口部2Eに入り込んで、既設杭5の下部を係止することができるよう、スライダー板10aがスライド可能な長さとなるように設定されている。
ガイド部材15bは、図2~図4に示すように、断面が逆L字形をした長目の鋼材であって、案内レール15aとガイド部材15bとの間に、スライダー板10aの厚みより若干大きく、係止爪11側に開口した隙間Gを有しており、スライダー板10aを上下方向に案内する。このガイド部材15bは、ケーシング2に立設した状態で下端縁が溶接されている。なお、案内レール機構15は、案内レール15aとガイド部材15bとから構成しているが、案内レール機構15はこのような構成に限定されるものではなく、案内レール15aとガイド部材15bが一体に組み合わされて、断面がコ字状のチャンネル状の鋼材であってもよい。
固定手段;この実施の形態の固定手段16は、逆L字形をした小形の取付け部材であって、ガイド部材15bをケーシング2に固定する役割をはたす。この実施の形態では、図2及び図3に示すように、5本の固定片を等間隔に配置してガイド部材15bをケーシング2に固定している。なお、固定片の形状は、かかる形状に限定されるものではなく、また、固定手段16は、図2及び図3に示すような固定片に限定されるものでもない。例えば、固定手段16は、案内レール機構15の案内レール15a及びガイド部材15bを溶接によりケーシング2に溶着してもよい。また、前記のように、案内レール機構15が案内レール15aとガイド部材15bが一体に組み合わされた断面がコ字状のチャンネル状の鋼材の場合は、この鋼材をケーシング2に溶着したりボルトで固定したりしたようなものであってもよい。
カム体;カム体17は三角柱状に形成されており、このカム体17の内側には係止爪11をケーシング2の内側に入れ込むための単一のテーパ面17aが形成されている。なお、係止爪11の下部の外側面にも、前記テーパ面17aと対接する傾斜面11aが形成されている。前記のカム体17をケーシング2の開口部2Eの下端に設け、連結ロッド9を介して油圧シリンダ8によりハウジング10及び係止爪11を下方にスライドさせることにより、係止爪11の傾斜面11aがカム体17のテーパ面17aに摺接しながら下降していくと、係止爪11が回動軸18を中心に旋回しながら開口部2Eからケーシング2の内側に入り込んでいく。
(高圧水ノズル)
前記のように、スイベル3の内部に高圧水通路(図示せず)が形成され、この高圧水通路に高圧水配管13が接続している。この高圧水配管13は、図1に示すように、ケーシング2に沿って下部まで配管されている。図8、図9に示すように、この高圧水配管13の下端部に高圧水ノズル13aが取付けられている。この高圧水ノズル13aから、ケーシング2の下部内に高圧水を噴射して先端掘削刃6、外側掘削刃60により掘削する地盤の軟化を促進させ、既設杭5の周囲とその周囲の地盤との間の縁切りを促進する。高圧水ノズル13aの噴射口は横方向に開口しており、この噴射口にゴム製のパッキン13bが取付けられ、高圧水ノズル13a内に小石や泥が入らないような構成になっている。
(作用)
次に、前記構成の作用について説明する。本発明の実施の形態の既設杭引抜装置1は、図示していないが、クローラ式クレーンにバックステーを介してリーダを取り付け、このリーダに本件発明の既設杭引抜装置1を支持する。既設杭引抜装置1を用いて既設杭5を引き抜く工事を施工する場合は、土中に打ち込まれた既設杭5の上部に既設杭引抜装置1をセットする。その際、油圧シリンダ8のピストンロッドを縮めて、図6に示すように、ハウジング10内の係止爪11がケーシング2の側部において上下に延びる姿勢として、ケーシング2の開口部3Eには入り込まないようにする。
既設杭引抜装置1を掘り進めて行くには、ケーシング2の底部を既設杭5の頭部に嵌め込み、回転駆動機構4を起動してケーシング2を回転し、堀削刃6で既設杭5の周囲の土壌を掘り進んでいく。掘り進む際には、高圧水ノズル13aからケーシング2内に高圧水を噴射して土壌を軟化し、堀削刃6で既設杭5の周囲の土壌を掘り進んでいく。既設杭引抜装置1は、リーダによって下方に押し下げられながら土壌を掘り下げていく。ケーシング2の下部外周に取り付けられたスクリュ14もケーシング2を堀下げる働きをする。
そして、係止爪11が既設杭5の下方となる位置までケーシング2を掘り下げると、既設杭5はその周囲の土壌と縁切りとなる。その状態で、油圧シリンダ8のピストンロッドを下方に押し下げることで、連結ロッド9を介してハウジング10が押し下げられると、ハウジング10の下部のスライダー板10aが案内レール機構15により下方にスライドする。ハウジング10の回動軸18に軸支した係止爪11もハウジング10とともに下降する。係止爪11が下降することにより、図7に示すように、係止爪11は、傾斜面11aがカム体17のテーパ面17aに摺接しながら回転軸18を中心に旋回し、ケーシング2の開口部2E側に案内される。係止爪11が開口部2Eに深く入り込んでゆくと、図7に示すように、既設杭5の底部を係止爪11が係止する。この状態で、既設杭引抜装置1をリーダにより引き上げ、ケーシング2とともに、ケーシング内の既設杭5が上方に引抜かれる。
本件発明の既設杭引抜装置1の構成は、ハウジング10の下部に設けられた薄型のスライダー板10aが案内レール機構15の隙間Gをスライドする構成にしたので、図4に示すように、枠体4の外側への突出寸法hを小さく抑えることができる。即ち、略直方体形状のハウジング10の底部に、薄型のスライダー板10aを設け、このスライダー板10aの一部をハウジング10の側方から突出するように構成し、このスライダー板10aの突出部を案内レール機構15の隙間Gに嵌め込んで、スライダー板10aが案内レール機構15をスライドして移動できるように構成している。前記の構成により、スライダー板10aや案内レール機構15がハウジング10より外方へ突き出ることがないので、係止機構7の突出寸法hを小さくすることができる。
例えば、従来構成による爪カバー61によるケーシング53からの外側への突出寸法Hは約132mmであったが、これに対して上記構成による係止機構7の外側への突出寸法hは約75mmと大幅に小さくすることができた。これにより、係止機構7の突出寸法hを小さく押えることができ、回転駆動機構4の出力も小さく押えることができた。
また、係止爪11を軸支する構造についても、ハウジング10の両側板10b間に架け渡された回動軸18に、係止爪11を回動可能に軸支したので、従来技術の係止爪55Aのようにガイド長孔61Cをスライドするような構成に比べて、係止機構7の構造を丈夫にできるので、構造的に小型化しても係止爪11が既設杭5を引き抜く際の加重に耐えうることができる。
本発明は、地中に埋設されている既設杭を引抜く既設杭引抜装置に広く適用することができる。
1 既設杭引抜装置
2 ケーシング
3 スイベル
4 回転駆動機構(アースオーガ)
5 既設杭
6 先端掘削刃
60 外側掘削刃
7 係止機構
8 油圧シリンダ
9 連結ロッド
10 ハウジング
10a スライダー板
10b 側板
10c 固定孔
10d 連結板
11 係止爪
11a 傾斜面
11b 軸孔
12 油圧接続管
13 高圧水配管
13a 高圧水ノズル
14 スクリュ
15 案内レール機構
15a 案内レール
15b ガイド部材
16 固定手段
17 カム体
17a テーパ面
18 回動軸
G 隙間

Claims (3)

  1. 回転駆動機構によりケーシングを回転し、既設杭の外周の土壌を掘り進んで、既設杭の周囲とその周囲の土壌との縁切りを行い、ケーシングの下部に設けた係止機構により、既設杭の下部を係止して、既設杭を引抜く既設杭引抜装置であって、
    前記係止機構は、既設杭の下部に係止する係止爪と、この係止爪を軸支して保持するハウジングと、ケーシングの上下方向に沿った方向における前記ハウジングの下部に設けられ、前記ハウジングをケーシングの上下方向にスライドさせるスライダー板と、前記スライダー板をケーシングの上下方向にスライドして案内する案内レール機構と、案内レール機構をケーシングに固定する固定手段と、係止爪の下部をケーシングの開口部側に導くカム体と、を備えた既設杭引抜装置。
  2. 案内レール機構は、ケーシングの上下方向に沿った方向におけるハウジングの下部に設けられたスライダー板て上下方向にスライドさせる案内レールと、この案内レールとの間に隙間を設けてスライダー板をスライド可能に保持するガイド部材と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の既設杭引抜装置。
  3. 高圧水配管がケーシングに沿って下部まで配管され、高圧水配管の下端部に高圧水ノズルが取付けられ、高圧水ノズルから、ケーシングの下部内に高圧水を噴射して地盤の軟化を促進させ、既設杭の周囲とその周囲の地盤との間の縁切りを促進する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の既設杭引抜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019002195A (ja) 2017-06-15 2019-01-10 株式会社徳永組 杭キャッチャー、及び杭キャッチャーを用いた杭抜き工法

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