JP2005147781A - 境界杭の埋設具 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート境界杭を簡単な工法で埋設穴を安全かつ能率良く掘削すること。
【解決手段】ピン15で本体1、打設体2、押出体3が一体化された埋設具をコンクリート境界杭の埋設場所に持ち運び、ピン15を引抜き、パワーシャベルなどの土木機械で使用して打設体を吊り上げ、埋設地点にセットし、パワーシャベルのバケットを打設体に押し当てて上から押圧し、地中へ所定の深さ押し込み、打設体を引抜くと、埋設穴が作られ、そこにコンクリート境界杭を入れて埋め戻す。掘削土で充たされた打設体を本体の打設体受け部11に入れた後、その打設体の上部開口に押出体をセットし、パワーシャベルのバケットで押出体を押し込むと、掘削土が本体の基部内の空間10aに押し出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、道路と民地、民地と民地間の境界等に設置されるコンクリート製の境界杭(境界標)の設置作業を能率的に行うための埋設具に関するものである。
従来、境界杭は角柱形状のコンクリート境界杭やプラスチック境界杭が使われている。この種の境界杭の埋設工事において、エンジン付き掘削機でラセン式掘削刃を回転させ、円形に掘削するか、或いは作業員がスコップ等で堀るかのいずれかによって埋設穴が掘られている。しかし、機械式掘削の場合は能率よく作業ができるが、高価であるばかりでなく、ラセン式掘削刃が正確に堀り進むように人力で押さえるため、硬い地面の場合は押さえている作業員が振り回される危険があって、現在ではほとんど使われていない。一方、作業員が掘る方式は人手もかかり、重労働かつ非能率的である。
作業員の労力を軽減するものとして、回転治具を使用し、作業員が回転治具を手回して境界杭を回転させながら埋設する方式が引用文献1に提案されている。
特開平5−306517号公報
上記の回転埋設方式は境界杭が従来の角柱形状とは異なり、特殊な構造に成っているため、高価であるばかりか、現在普及しているものへの転用もできない。
本発明の目的は、現在使用しているコンクリート境界杭を簡単な工法で埋設穴を安全かつ能率良く掘削することを可能にしたコンクリート境界杭の埋設具を提供することにある。
請求項1の発明に係る境界杭の埋設具は、コンクリート製の境界杭の埋設穴を掘削するための内径を有する両端開放された胴部に、該先端に刃部を設け、胴部を刃部から前記境界杭の埋設地点に押打して埋設穴を掘削する打設体と、設置可能な基部および打設体を上部開口から挿入可能な打設体受け部から成り、該打設体受け部を基部に立設した本体と、打設体内の掘削土を上方から挿し込んで下方に土を押し出す押出体とを備え、埋設穴を掘削した土で充たされた打設体を本体の打設体受け部に入れ、該打設体に押出体を差し込んで掘削土を本体の基部に押し出すことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、打設体の刃部を着脱可能に構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1において、本体の打設体受け部に打設体を入れ、該打設体に押出体を入れ、この3つの要素を貫通するピン穴を設け、該ピン穴にピンを通して一体化する手段が設けられていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1において、打設体の上部側面には横向きの穴が形成された打設体側金具を固着するとともに、本体の打設体受け部の上部側面には打設体側金具に対向し、横向きの穴が形成された本体側金具を固着し、本体の打設体受け部に打設体を入れ、両金具にピンを通して結合する手段を備えていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、打設体の上端に受け鍔を固着し、該受け鍔の上面に吊り輪が取り付けられていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかにおいて、本体は打設体受け部に自在キャスタおよび基部にキャスタが配置されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、埋設具をコンクリート境界杭の埋設場所に持ち運び、パワーシャベルなどの土木機械を使用して打設体を埋設地点にセットし、パワーシャベルのバケットを打設体に押し当てて上から押圧し、地中へ所定の深さ押し込む。その後引き抜くと、埋設穴が作られる。打設体を本体の打設体受け部に入れ、押出体を上から打設体に入れて押し込むと、掘削土が本体の基部に押し出される。一方、埋設穴にコンクリート境界杭を入れ、掘削土で埋め戻す。このようにコンクリート境界杭の埋設に必要な最小限の径の埋設穴を非常に能率良く作ることができ、その際の掘削土も少量なため、埋め戻し作業も楽にできる。更に、打設体を埋設地点に正確にセットし、掘ることができるため、コンクリート埋設杭を埋設地点に正しく埋設することができる。
請求項2の発明によれば、刃先の磨耗による交換が容易であり、刃先を研削するときも比較的軽量な刃部を取り扱えるため、作業性が向上されるとともに、打設体を交換するより刃部のみを交換する方が安く、経済的である。
請求項3の発明によれば、本体、打設体、押出体の3つの要素をピンにより一体化することで、移動や持ち運びのための作業がし易くなる。
請求項4の発明によれば、掘削土の土質によって打設体の内面にこびりついていることがあるため、このように状態で打設体に押出体を押し込んで掘削土を押し出しても打設体と押出体との間の残土によって両部材がしっかり結合されてしまい、押出体を引き上げると一緒に打設体も引き上げられ、打設体から押出体を抜き去ることができなくなる。そこで、本体と打設体とをピン結合することで、押出体のみを引き抜くことができるようになり、作業性が向上される。
請求項5の発明によれば、本体と打設体、打設体と押出体、或いは本体と打設体と押出体の各要素をピンにより一体化し、打設体の吊り輪を使ってパワーシャベルなどの土木機械で吊り上げ、簡単かつ安全に移動や持ち運びが可能となる。
請求項6の発明によれば、手押しにより短い距離の移動ができ、取扱い性に優れている。
コンクリート埋設杭の埋設穴に合わせて作製された打設体を埋設地点にセットし、パワーシャベル等の土木機械を使って打設体を上から押圧し、この打設体を土中に所定の深さ押し込んだ後、打設体を抜き去り、本体に打設体を挿入し、この打設体に押出体を入れて押し込むことで掘削土を押し出すとともに、上記において出来た埋設穴にコンクリート埋設杭を入れて埋め戻すことで実現した。
図1は本発明に係る埋設具の組付け時を示す斜視図、図2は本体の斜視図、図3は打設体の斜視図、図4は押出体の斜視図である。埋設具は本体1、打設体2、押出体3から構成されている。本体1は安定して設置可能な基部10の中央に打設体受け部11を垂直に立設した構造に作製されている。
図2において、基部10は後述の打設体2から押し出された掘削土を受け止める内空間10aを有する。また打設体受け部11は後述の打設体2を上部開口12から収容するため、打設体2の断面形状と同形の内空間を有し、打設体2の長さにほぼ等しい高さに形成されている。埋設具を現場へ持ち運んだり、現場から持ち去るときのために、打設体受け部11側に自在キャスタ13、基部10の両側方に一対の固定キャスタ14が設けられている。打設体受け部11の一方の側面とそれに対向する側面には、引抜きピン15が貫通するピン穴16が穿設されている。引抜きピン15は一端を打設体受け部11に固設されたチェーン17の他端に取り付けられている。打設体受け部11の上部には、後述の押出体3の使用時に打設体2を本体1に結合するため、上端から自在キャスタ13の方向に溝18が形成され、その溝18の近傍に、横向きの穴19aが穿設された本体側金具19が取り付けられている。
図3において、打設体2は胴部20が打設体受け部11の内径より若干小さい外径を有し、打設体受け部11の上部開口12から挿入可能な四角形の中空鋼材で作製されており、胴部先端縁には外側から内側に傾斜した刃部21が研削されて設けられているとともに、胴部上端には打設体受け部11の上部開口端の全面に当て止められる受け鍔22が固着されている。刃部21は打設体2と一体形成されたもの、あるいは別体にて構成し、打設体2の先端部分に着脱可能な構造にすることもできる。刃部21を打設体2に着脱可能な構造を採用した場合には、刃先の磨耗による交換が容易であり、刃先を研削するときも比較的軽量な刃部21を取り扱えるため、作業性が向上されるとともに、打設体2を交換するより刃部21のみを交換する方が安く、経済的である。
受け鍔22には胴部20を利用して補強枠23が固設され、その補強枠23で補強された位置に吊り輪24が配置されている。吊り輪24が設けられた胴部20側とは直交する側面の受け鍔22に近い位置に打設体側金具25が固定され、この打設体側金具25には側面に横向きの穴25aが穿設されている。吊り輪24が配置された胴部20側には打設体受け部11のピン穴16に一致したピン穴27が穿設されている。打設体側金具25は打設体2を本体1の打設体受け部11に入れたとき、打設体側金具25の一部が溝18に位置される。
図4において、押出体3は角材で作製され、打設体2の内径より若干小さい外径で打設体より充分長く形成されており、上部および下部はカツラ金具30を被覆されている。他の変形例としては、下部は鉄材を装着する構造であっても良い。カツラ金具30で覆われた上部の側部には吊り輪31が取り付けられている。押出体3の吊り輪31が設けられた側部と同一側に、打設体受け部11のピン穴16及び打設体2のピン穴27と同一位置となるピン穴32が貫通されている。
次に本実施例の作用を説明する。各図は断面を示すもので、図5は移動や持ち運び時の本体1、打設体2、押出体3を一体化を示している。パワーシャベル等の土木機械を使用して、一体化された埋設具を境界杭の埋設場所に持ち運び、ピン15を抜いて、押出体3、打設体2を順次吊り上げて本体1から外す。打設体2を埋設地点にセットし、パワーシャベルのバケットにより上から押圧して打設体2を地中に所定の深さに押し込む(図6)。その後、打設体2を引抜き(図7)、埋設穴40にコンクリート境界杭50を入れる(図8A)。一方、掘削土41で充たされた打設体2を吊り上げ、本体の打設体受け部11に入れる(図9)。その後、押出体3を吊り上げ、打設体2に差し入れ、図示せずピンを本体側金具19のピン穴19aと打設体側金具25のピン穴25aに通して本体1と打設体2を結合する。続いて、打設体2に押出体3を押し込み、掘削土41を基部10内の空間10aに押し出す(図10)。そして、図8Bに示すように掘削土などの土41を埋設穴40に埋め戻してコンクリート境界杭50を設置する(図8B)。
本発明に係る埋設具の組付け時を示す斜視図である。 本体の斜視図である。 打設体の斜視図である。 押出体の斜視図である。 埋設具の断面図である。 打設体を埋設地点の地中に押し込む状況を示す図である。 打設体を所定の深さに押し込んで引き抜く状況を示す図である。 埋設穴に境界杭を入れた状況を示す図である。 打設体を本体に入れ、ピン結合した状況を示す図である。 打設体に充たされた掘削土を押出体で押し出す状況を示す図である。
符号の説明
1 本体
2 打設体
3 押出体
10 基部
11 打設体受け部
15 ピン
19 本体側金具
20 胴部
21 刃部
22 受け鍔
24 吊り輪
25 打設体側金具
31 吊り輪
40 埋設穴
41 掘削土
50 コンクリート境界杭

Claims (6)

  1. コンクリート製の境界杭の埋設穴を掘削するための内径を有する両端開放された胴部に、該先端に刃部を設け、前記胴部を刃部から前記境界杭の埋設地点に押打して前記埋設穴を掘削する打設体と、
    設置可能な基部および前記打設体を上部開口から挿入可能な打設体受け部から成り、該打設体受け部を基部に立設した本体と、
    前記打設体内の掘削土を上方から挿し込んで下方に土を押し出す押出体と、を備え、
    前記埋設穴を掘削した土で充たされた前記打設体を前記本体の打設体受け部に入れ、該打設体に前記押出体を差し込んで掘削土を前記本体の基部に押し出すことを特徴とする境界杭の埋設具。
  2. 請求項1において、打設体の刃部を着脱可能に構成されていることを特徴とする境界杭の埋設具。
  3. 請求項1において、本体の打設体受け部に打設体を入れ、該打設体に押出体を入れ、この3つの要素を貫通するピン穴を設け、該ピン穴にピンを通して一体化する手段が設けられていることを特徴とする境界杭の埋設具。
  4. 請求項1において、打設体の上部側面には横向きの穴が形成された打設体側金具を固着するとともに、本体の打設体受け部の上部側面には前記打設体側金具に対向し、横向きの穴が形成された本体側金具を固着し、前記本体の打設体受け部に打設体を入れ、前記両金具にピンを通して結合する手段を備えていることを特徴とする境界杭の埋設具。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、打設体の上端に受け鍔を固着し、該受け鍔の上面に吊り輪が取り付けられていることを特徴とする境界杭の埋設具。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、本体は打設体受け部に自在キャスタおよび基部にキャスタが配置されていることを特徴とする境界杭の埋設具。
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