JP7474969B1 - Gsrセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】負磁歪アモルファスワイヤを用いて磁気ノイズを大幅に低減したGSRセンサを提供する。【解決手段】負磁歪のCo-Si系アモルファスワイヤと前記ワイヤにコイルを巻きつけた磁界検出素子と、前記磁界検出素子が生む出す磁界信号に対応した電圧を処理する信号処理回路からなるGSRセンサであって、GSRセンサを構成する磁性ワイヤ1について、Fe/Co比が0.65以下である負磁歪のCo-Fe-B-Siの軟磁性合金からなり、かつ、酸素含有量は10ppm以下であり、直径が10μm以下で、磁区構造が表面磁区とコア磁区の2層構造からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、負磁歪アモルファスワイヤを用いて磁気ノイズを低減したGSRセンサに関する。
ゼロ磁歪または弱負磁歪のCoFeBSi系合金のアモルファスワイヤに高周波のパルス電流を流すとワイヤ内部のスピンが高速に回転するGSR効果が知られている。GSRセンサは、この変化をアモルファスワイヤに巻回した検出コイルによって検出するGSR素子を利用した高感度磁気センサである。
従来のGSRセンサは、特許文献1に開示されているように異方性磁界が小さく透磁率が高い、つまり磁壁が移動しやすいゼロ磁歪または弱負磁歪の感磁ワイヤを使用している。
上記アモルファスワイヤ内部の軸構造を模式的に示した斜視図を図4に示す。感磁ワイヤ4は、磁区構造の違いにより表面磁区(円周方向向きのスピン配列)41とコア磁区(磁区方向向きのスピン配列)42の2層に分かれる。表面磁区41では、スピンが一定の円周方向に右回転と左回転に向いた磁区に分かれてバンブー構造となっており、表面磁区41に180磁壁が存在している。一方、表面磁区41の内周側にあるコア磁区42では、多磁区構造を有し、多くの磁壁が存在する。
また、表面磁区41とコア磁区42の界面では、90度磁壁が存在する。このように従来の磁性ワイヤ4は、表面磁区41ではスピンが一定の円周方向を向いた左回転と右回転のスピン構造(配列)をもち、両者の間には180度磁壁を有する。コア磁区42では多磁区構造を有し、表面磁区とコア磁区との間には90度磁壁を有し、全体として磁気的複合構造となっていた。
特許文献2には、「零磁歪」とは、磁歪の絶対値が10-6未満を意味する。例えば、コロナ社出版の「磁気センサ理工学」の13頁には、「(CoFe)80(SiB)20において、Fe/Coが0.07のとき、磁歪の絶対値が10-6未満となり、そのレベルの磁歪を零磁歪とする」旨の記述がされている。そこで特許文献1の発明は、これまでのMIセンサで使用されていたアモルファスワイヤを使用したものであったことを踏まえると、零磁歪または弱負磁歪の定義は、特許文献2の磁歪の絶対値が10-6未満をゼロ磁歪の定義と一致したものである。
従来のGSRセンサは、GHzパルス電流で励起するため磁壁の移動は抑制され、スピン回転による磁化の変化を検知するものであるが、実際のパルス電流は、それが高速変化に至る過程で、パルス変化の初期と終期において穏やかに変化する過程を伴うことは工業的に避けられない。このタイミングで、スピン回転に伴って表面磁区の180度磁壁が消滅または発生することが起こり得る。表面磁区とコア磁区との間に存在する90度磁壁がワイヤ内部に移動したり、表面方向に移動したりし得る。
磁壁が移動した場合、バルクハウゼンノイズを生じて大きな磁気ノイズを伴うという問題がある。この問題は、感磁ワイヤであるアモルファスワイヤの磁区構造と磁壁の移動に起因する。つまりコア部42の多磁区構造部分に存在する磁壁および表層部41とコア部42の界面に存在する磁壁が、感磁ワイヤまたはそれを用いたGSRセンサの磁気ノイズの発生源となり問題であった。
特許文献2には、零磁歪となる軟磁性合金からなるボルテックススピン構造を有する感磁ワイヤが開示されている。その記述によれば、ボルテックススピン構造によってヒステリシスは消失することが報告されているが、磁気センサ感度や磁気ノイズについては何の開示もされていない。磁壁を含まないボルテックススピン構造によって、バルクハウゼンノイズらよって生じる大きな磁気ノイズが抑制されることは考えられるが、磁気異方性が大きくなり感度が低下すると予想されるので、ボルテックススピン構造による検出力改善は今後の研究課題であると考えられる。
特許第5839527号公報 特許第4650591号公報
本発明の課題は、現行のGSRセンサに使用されているアモルファスワイヤの磁壁の移動を抑制する手段を見出して磁気ノイズの少ないGSR素子およびGSRセンサを提供することである。磁壁の移動抑制は、GSR効果の本質であるスピンの回転をも同時に抑制するので、センサ感度が低下する。つまり磁気ノイズとセンサ感度は背反現象であり、同時に改善することはむつかしい課題である。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究した結果、[at.%]のFe/Co比を0.065以下とした異方性磁界が大きなCo-Si系の負磁歪のアモルファスワイヤを用いることで、磁壁の移動を抑制し磁気ノイズを大幅に低減すると同時に、スピン回転の抑制に対しては換算パルス周波数を高めると同時に表面磁区層の厚みを増加して、感度へ悪影響を相殺して、全体として磁気センサ感度の低下を防ぐことができることを見出した。
また、酸素などの不純物を極小化すると、局所的な磁壁移動のダンピング現象を無くして低ノイズ化を実現し、センサ感度の向上が図れることを見出した。
さらに、ワイヤ径を2μm以下にした場合、ワイヤ内部の磁区構造が消滅し、特許文献2に記載されているボルテックス磁区構造が発生する。ボルテックス磁区構造では、パルス電流に起因した円周方向のスピン回転は少し抑制されセンサ感度は低下するものの、磁壁の移動に伴う磁気ノイズがほぼ消滅するために、全体としては磁界検出力が大幅に向上することを見出した。
本発明の構成を、磁性ワイヤ、GSR素子、GSRセンサの順に説明する。
<磁性ワイヤ>
(1)本発明の磁性ワイヤは、[at.%]のFe/Co比を0.065以下とした負磁歪で、ゼロ磁歪および弱負磁歪に比べてより厚い表面磁区とコア磁区からなる2層磁区構造を有する。またワイヤ直径が2μm以下の場合には、ボルテックススピン構造を有する。
なお、「ボルテックススピン構造」とは、ワイヤ表層部で各スピンが一定の円周方向に連続的に配列しているとともに、その表層部の内周側である内周部では各スピンがアモルファスワイヤの中心に近づくに従って徐々に円周方向から軸方向に回転していき、そのワイヤ中心部では軸方向に向いている連続的なスピン配列となる構造をいう。特許文献2に詳しく記載されている。ここでいう「スピン」とは、1原子当たりの磁気モーメントをいう。
(2)特許文献2に記載されているボルテックススピン構造の斜視断面図を図1に模式的に示して説明する。断面Aはワイヤの軸方向に垂直な面であり、断面Bはワイヤの軸方向に沿った中央部で切断した面である。感磁ワイヤ1は、スピン配列の異なる表層部11と内側部12の2層からなる。
先ず表層部11について説明する。断面Aの表層部11では、スピンが一定の円周方向へ向いている。それゆえ、スピンは全体として連続的に配列し円周方向に閉じて(循環または還流して)おり、表層部11には磁壁が全く存在しない。そして表層部11を構成する断面BのX1-X2-X3-Y1領域(図1では、代表例としてX1-X5線で示す。)に存在する各スピンは、表層部11の最表面と同じスピン配列となっている。
次に内側部12のスピン配列を説明する。断面B上のY1-X3-X6-Y3領域(図1では、代表例としてX5-X6線で示す。)で、表層部11と内側部12との境界(X5)でのスピンは、表層部11のスピンと同じ向きである。X5からX6に向かうにつれて、すなわち、軸中心に近づくにつれて、スピンはその向きを円周方向から軸方向に向けて徐々に傾斜していき、軸中心(X6)において軸方向(感磁ワイヤ1の中心線方向)に向きが一致する。このようなスピン傾斜配列は、断面BのY1-Y2線上においても、さらに断面BのY1-X3-X6-Y3領域中のいずれの部分でも同様に存在する。
このように本発明に係る感磁ワイヤ1の内側部12には磁壁が存在しない。また、表層部11S内側部12の境界面でも、スピンは連続的に配列しており磁壁が存在しない。このようなスピン配列全体で本発明ではボルテックススピン構造と呼んでいる。なお、本明細書でいう「スピン配列」は、種に、各スピンの磁気モーメントの分布状況を意味するが、適宜単に「スピン配列」を「スピン」とも呼ぶ。
(3)本発明の磁性ワイヤが使用されるGSRセンサの概略は次のとおりである。
すべてのスピンは、印可された磁場である印可磁場の大きさに応じて、その印可磁場の方向に傾く。磁性ワイヤにパルス電流が流れると、そのパルス電流により、磁性ワイヤの円周方向に磁場が形成され、磁性ワイヤ中のスピンは円周方向に向く。この磁性ワイヤのスピンの回転による変化を、GSRセンサは、ピックアップコイルで検出する。
<GSR素子>
(1)本発明は、上述した負磁歪のCo-Fe-Si-B系合金からなる直径10μm以下の磁性ワイヤを磁気検出体とする素子でもある。
本発明のGSR素子は、従来の公知であるGSR素子に対して、その磁気検出体である磁性ワイヤのみを本発明の上述した磁性ワイヤで置き換えたものであれば足りる。GSR素子の構成自体は、特許文献1に記載されているように、基板と、上述した本発明の磁性ワイヤと、該磁性ワイヤを内包する絶縁体と、該磁性ワイヤの周囲に巻回した検出コイルと、該磁性ワイヤおよび該検出コイルから延設された電極端子とが含まれる。
(2)GSR素子の磁性ワイヤ中の各スピンは、外部磁場の大きさに応じて、その外部磁場の方向に傾いている。そこへパルス発振回路により発生した0.5~4GHzのパルス電流を供給すると、磁性ワイヤの円周方向に磁場が形成され、磁性ワイヤ内のスピンは円周方向に回転する。GSRセンサは、このスピンの向きの変化を検出コイルで検出する。前記のパルス電流を遮断するときもどうようの変化が生じ、その変化が検出され得る。この本発明の[at.%]のFe/Co比を0.065以下の負磁歪のアモルファスワイヤを使ったGSR素子をGSRセンサに使用することで、後述の優れた効果が発揮される。
<GSRセンサ>
(1)本発明は、上記の磁性ワイヤやGSR素子のみならず、それらを用いたGSRセンサとしても把握される。本発明のGSRセンサは、従来のGSRセンサに対して、その磁気検出体である磁性ワイヤのみを本発明の上述した磁性ワイヤで置き換えたものであれば足りる。すなわち、本発明のGSRセンサは、本発明の負磁歪の磁性ワイヤと、該磁性ワイヤの周囲に巻回した検出コイルと、該磁性ワイヤにパルス電流を通電するパルス発振回路と、該検出コイルの検出電圧から外部磁界の強度に対応する信号に変換する信号処理回路とからなる。
(2)本発明のGSRセンサは、前出の負磁歪の磁性ワイヤを使用しているため、磁壁の移動が抑制されており、磁気ノイズが小さくなるという特性を有し、かつパルス電流の換算パルス周波数と表面磁区層の厚みを厚くして高いセンサ感度を維持することができるものである。GSRセンサの構成自体も、前述した公報等で公知であり、それらの公知の構成やその他の公知の構成を本発明のGSRセンサに利用可能である。
このように本発明のGSR素子やGSRセンサは、従来のGSR素子やGSRセンサの感磁ワイヤを、負磁歪の感磁ワイヤに置き換えることで、磁気ノイズを抑制し、かつ高いセンサ感度を維持して優れた磁界検出力を得ることができる。
磁性ワイヤのボルテックススピン構造を模式的に示す斜視図である。 GSR素子の平面図である。 GSRセンサの電子回路の概念図である。 従来の磁性ワイヤ内部の磁気的複合構造を模式的に示す斜視図である。
第1実施形態について、適宜従来例と比較しつつ説明する。
<構成>
(1)合金組成
感磁ワイヤは、[at.%]のFe/Co比を0.065以下とした負磁歪となるCo-Fe-Si-B系の軟磁性合金で、直径は10μm以下である。また酸素含有量は10ppm以下とすることが必要である。
本ワイヤは表面磁区とコア磁区との2層の磁区構造を有し、Fe/Co比が小さくなるほど表面磁区の厚みが大きくなる。その比が0.065を超えて0.07程度になるとゼロ磁歪となって磁壁が移動しやすくなり、磁気ノイズが増加して好ましくない。
また、CoとFeとの含有量の合計は75%から80%程度が好ましい。75%未満の場合、飽和磁化の強さが小さくなり、センサの感度が低下する。80%を超えるとアモルファス形成元素であるSiやBの含有量が少なくなり、アモルファスワイヤの製造が困難になる。
さらに、酸素含有量は10ppm以下である。10ppmを超えて増加すると局所的な磁壁移動が発生しやすくなり、磁気ノイズの原因となる。
感磁ワイヤの直径は、10μm以下で直径が細くなるほどワイヤ内部の磁区構造が減少する。また、直径が2μm以下の場合ボルテックス磁区構造が発生する。
(2)熱処理
この供試材であるアモルファスワイヤは、40~76kg/mmの張力を付与して基板に整列させた後、40kg/mmの張力を付与して250~350℃で張力熱処理することが好ましい。この張力熱処理によって、表面磁区の厚みを増加させて磁区ノイズを抑制すると同時にセンサ感度を増加させることができる。
(3)GSR素子
本発明に係る第1実施形態のGSR素子2の構成について、図2の概念図を用いて説明する。
先ず、磁性ワイヤ21の周囲に絶縁物(図示せず)を介して配置された検出コイル22が基板20上に配設される。磁性ワイヤ21の両端には、パルス電流を印可するための電極211に接続されている。検出コイル22は、外部磁場に応じて変化する電圧を検出するための電極221に接続されている。磁性ワイヤ1の長さは0.2~2mmとし、コイルピッチを5μm以下とし、検出コイル22の巻き数は30~2,000回とした。
(4)GSRセンサ
本発明に係るGSRセンサの電子回路について、図3を用いて説明する。GSRセンサ3はGSR素子2、パルス発振回路31、信号処理回路32からなる。
パルス発振回路31により発生した0.5~4GHz相当の換算パルス周波数をもち、50~100mAのパルス電流をGSR素子2の磁性ワイヤ21へ供給する。すると、外部磁場とパルス電流によるワイヤ円周方向の磁場との作用によって、磁性ワイヤ21中のスピンの回転に基づく電圧が検出コイル22で発生する。なお、換算パルス周波数は、先ずパルス電流波形のパルスの立ち上がり、もしくは、立下りの時間Δtを求め、次にそのΔtが、波の2分の1周期に相当するとして求めた周期から算出したものである。
次に、前記パルス電流が立ち上がった後、サンプルタイミング調整回路321によって、所定のタイミングでアナログスイッチ322が短時間のスイッチング(オン-オフ)をする。これによりアナログスイッチ322は、検出コイル3に発生した外部磁場に対応した電圧を、バッファー回路を介してサンプリングして増幅器323へ伝える。パルス電流を遮断するとき(立下りのとき)も同様である。なお、検出コイルの抵抗が1kΩ以下と小さい場合にはバッファー回路を省略してもよい。
ここに示した構成は一例であり、その他公知のGSRセンサの電子回路を採用してもよい。
<測定>
GSR特性は、GSRセンサ6を±240A/m、10Hzの磁場中に設置し、GSR素子2の磁性ワイヤ1に換算パルス周波数2GHzの80mAのパルス電流を入力し、検出コイル22に発生した電圧信号を上記の信号処理回路32で信号処理して、検出コイル22から出力される各磁場の電圧を測定して、磁気ノイズとセンサ感度を求めて評価した。
パルス電流の立ち上がり時間、立ち下り時間は共に0.25nsであった。なお、ここでパルスの立ち下り部で検出したが、立ち上がり部でもよく、両方でもよい。
<磁気センサの特性>
磁気ノイズ特性は、従来のゼロ磁歪ワイヤに比べて、同一コイル巻き数の素子の場合、磁気ノイズは1/10程度減少し、センサ感度は同等であった。
第2実施形態について、以下に説明する。
磁性ワイヤの直径を2μm以下としたもので、他の構成は第1実施形態と同一である。
磁性ワイヤの直径を2μm以下とすると、磁区構造はボルテックス構造となり、磁壁が消滅する。その結果、磁壁移動に伴う磁気ノイズが激減する。第1実施形態と比較して、磁気ノイズは同じコイル巻き数の場合、センサ感度は1/2程度に小さくなるが、磁気ノイズは1/2以下となる。
また、励磁パルス電流の強さは、25~50mA程度となり、第1実施形態に比べて1/2程度と小さくなる。電流が小さくなる理由は、異方性磁界は2倍程度大きくなるが、円周方向磁界はワイヤ径に反比例するため4倍程度で大きくなるためである。
[実施例1]
実施例1を磁性ワイヤ、GSR素子、GSRセンサの順に説明する。
(1)磁性ワイヤ
改良テイラー法により作製した(Co96Fe76Si1212 [at.%]の合金組成で、0.041のFe/Co比を有し、酸素含有量を5ppmとし、直径10μmのアモルファスワイヤを、本発明の実施例に係る磁性ワイヤとした。このアモルファスワイヤを76kg/mm2の張力を負荷して基板に整列させた後、50kg/mm2の張力を負荷して300℃で張力熱処理を行なった。
なお、比較例として、(Co93.7Fe6.376Si1212 [at.%]の合金組成で、0.067のFe/Co比を有し、酸素含有量を30ppmとした直径10μmで、一定の円周方向のスピン構造を表面磁区に有し、内部にコア磁区を有するアモルファスワイヤを準備した。
(2)GSR素子
本発明に係る実施例1であるGSR素子2の構成について、図2の概念図を用いて説明する。
先ず、磁性ワイヤ1の周囲には絶縁物(図示せず)を介して配置された検出コイル3が基板10上に配設される。磁性ワイヤ1の両端には、パルス電流を印可するための電極51に接続されている。検出コイル3は、外部磁場に応じて変化する電圧を検出するための電極52に接続されている。磁性ワイヤの長さは2mmとし、コイルピッチを3μmとして、検出コイル30の巻き数は560ターンとした。
(3)GSRセンサ
本発明に係る実施例であるGSRセンサ3の電子回路を、図3を用いて説明する。GSRセンサ3は、GSR素子2、パルス発振回路31、信号処理回路32からなる。センサの動作は以下のとおりである。
パルス発振回路31により発生した2GHz相当の換算パルス周波数をもつパルス電流をGSR素子2中の磁性ワイヤ21に供給する。すると、外部磁場とパルス電流によるワイヤ円周方向の磁場との作用によって、磁性ワイヤ1中のスピンの回転に基づく電圧が検出コイル22で発生する。
次に、パルス電流が立ち上がった後、サンプルタイミング調整回路321によって、所定のタイミングでアナログスイッチ322が短時間のスイッチング(オン-オフ)をする。これにより、アナログスイッチ322は、検出コイルに発生した外部磁場に対応した電圧をバッファー回路320を介し、サンプリングして増幅器323に伝える。パルス電流を遮断するとき(立ち下がりのとき)も同様である。
<測定>
本実施例に関するGSR特性は、GSRセンサ6を±240A/m、10Hzの磁場中に設置し、GSR素子2の磁性ワイヤ1に換算パルス周波数2GHzの80mAのパルス電流を入力し、検出コイル22に発生した電圧信号を上記の信号処理回路32で信号処理して、検出コイル3~出力される各磁場の電圧を測定して、磁気ノイズとセンサ感度を求めて評価した。
パルス電流の立ち上がり時間、立ち下り時間は共に0.25nsであった。なお、ここでパルスの立ち下り部で検出したが、立ち上がり部でもよく、両方でもよい。
実施例1の磁気ノイズ特性は、比較例のゼロ磁歪のアモルファスワイヤの磁気ノイズ1.2nTで、センサ感度400mV/Gに比べて、磁気ノイズは0.1nTで1/10に減少し、センサ感度は400mV/Gで同等であった。
[実施例2]
実施例2は、実施例1において磁性ワイヤを(Co98Fe76Si1212 [at.%]の合金組成で、0.02のFe/Co比を有し、酸素含有量を5ppmとした直径10μmのアモルファスワイヤに変更したものである。
その結果、磁気ノイズ特性は0.08nTで1/10程度に減少し、ンサ感度は380mV/Gで同等であった。

[実施例3]
実施例3は、実施例1において、磁性ワイヤの直径を1μmのボルテックス磁区構造を有するアモルファスワイヤに変更したものである。
その結果、磁気ノイズ特性は0.05nTで1/20程度に減少し、センサ感度は600mV/Gと向上した。
Figure 0007474969000002
本発明による磁性ワイヤ、GSR素子及びGSRセンサは、磁気ノイズを大幅に抑制し、磁気検出力を改善する。これにより、医療機器や携帯電話をはじめとする小型電子機器の超小型磁気センサに適用が可能である。
1:磁性ワイヤ
11:表層部
12;内側部
2;GSR素子
20;基板
21;磁性ワイヤ
211;電極
22;検出コイル
221;電極
3;GSRセンサ
31;パルス発振回路
32;信号処理回路
320;バッファー回路
321;サンプルタイミング調整回路
322;アナログスイッチ
323;増幅器
4;従来の磁性ワイヤ
41;表面磁区
42;コア磁区



















Claims (3)

  1. 負磁歪のCo-Si系アモルファスワイヤ(以下、磁性ワイヤという。)と前記磁性ワイヤにコイルを巻きつけた磁界検出素子と前記磁界検出素子が生み出す磁界信号に対応した電圧を処理する信号処理回路からなるGSRセンサにおいて、
    前記磁性ワイヤは、[at.%]のFe/Co比を0.065以下としたCo-Fe-B-Si系の負磁歪軟磁性合金で10ppm以下の酸素含有量からなり、
    前記磁性ワイヤは、直径は10μm以下にて、磁区構造は表面磁区とコア磁区の2層構造からなることを特徴するGSRセンサ。
  2. 請求項1において、
    前記磁性ワイヤの直径は、2μm以下にて、
    前記磁区構造は、表層部で各スピンが一定の円周方向に連続的に配列しているとともに、その表層部の内周側である内側部ではスピンが前記磁性ワイヤの中心に近づくに従って徐々に円周方向から軸方向に回転していき前記磁性ワイヤ中心では軸方向に向く、連続的なスピン配列となるボルテックススピン構造を有していることを特徴とするGSRセンサ。
  3. 請求項1または2において、
    パルス電流は、0.5GHz~4GHzの換算パルス周波数を有し、前記磁性ワイヤの異方性磁界の1.5倍以上の表面円周磁界を生み出すパルス電流の強さを有することを特徴とするGSRセンサ。
















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