JP7474380B1 - 電力料金課金システム - Google Patents

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Abstract

【課題】特に夏季や冬季の電力需給にひっ迫や、2022年時点での日本の電源構成の主力である火力発電の燃料(LNG、石炭)価格の高騰によって、日本卸電力取引所での市場取引価格が高騰した。特に請求体系が市場価格連動体系での電力料金が急上昇し、企業や一般家庭に大きな負担となっている。【課題を解決するための手段】需要家の市場価格連動体系が関連付けられている期間の、電力料金の請求額または前記需要家の電力消費量を示す情報である連動体系需要家情報と変更ルールに基づいて、所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する電力料金課金システムを提供する。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用 1.顧客への営業活動による開示 令和4年3月7日開始 公開者 日本テクノ株式会社 2.ウェブサイト(環境市場 でんきトップページ)の掲載日 令和4年6月24日 公開者 日本テクノ株式会社 3.ウェブサイト(環境市場でんき お知らせ)の掲載日 令和4年7月1日 公開者 日本テクノ株式会社 4.ウェブサイト(環境市場でんき料金メニュー)の掲載日 令和4年6月24日 公開者 日本テクノ株式会社 5.ウェブサイト(日本テクノ株式会社サイト お知らせ)の掲載日 令和4年7月1日 公開者 日本テクノ株式会社 6.ウェブサイトからダウンロード可能な資料の掲載日: 令和4年10月11日 公開者 日本テクノ株式会社 7.環境市場新聞の刊行日 令和4年7月1日 環境市場新聞2022年夏号(令和4年7月1日)2頁 公開者 日本テクノ株式会社 電子版公開ウェブサイトのアドレス https://www.n-technoplus.jp/69/index.html 8.日本テクノ株式会社 Facebookの掲載日 令和4年6月28日、7月21日、9月21日 公開者 日本テクノ株式会社 ウェブサイトのアドレス https://www.facebook.com/nihontechno/ 9.日本テクノ株式会社Twitterの掲載日 令和4年9月22日 公開者 日本テクノ株式会社 ウェブサイトのアドレス https://twitter.com/nihontechno/status/1572785254607233024?cxt=HHwWgICxjeX209MrAAAA 10.日本テクノ株式会社Instagramの掲載日 令和4年6月29日、7月21日、9月21日 公開者 日本テクノ株式会社 ウェブサイトのアドレス https://www.instagram.com/nihontechno/ 11.ウェブサイト(環境市場でんき)にてニュースリリース公開 令和4年6月24日 公開者 日本テクノ株式会社 ウェブサイトのアドレス https://denki.kankyo-ichiba.jp/news/image?pathName=/uploadfile/03/0000000100.pdf 12.日本テクノ株式会社ニュースリリース公開 令和4年7月1日 公開者 株式会社ネタもと
本発明は、電力小売業者が需要家と取り交わす電力販売契約において、電力市場取引価格高騰時に料金の請求体系を少なくとも一部が市場取引価格に連動する体系から、市場取引価格に連動する部分を含まない請求体系又はその類似の請求体系へ切り替える電力課金システムに関する発明である。また、これに関連して、計算機である前記システムの動作方法と、計算機である前記システムに実行させるプログラムに関する発明も含まれる。
2016年の電力小売自由化により、発電能力を有しない特定規模電気事業者(以下、新電力)が電力小売り事業に参入した。旧一般電気事業者(自由化以前の東京電力など10社)が余剰電力全てを、日本卸電力取引所(以下、JEPX)へ供給する。新電力がその電力を購入し、需要家に販売する仕組みである。2020年冬の寒波到来時には電力需要の大幅な増加によって電力の需給がひっ迫し、JEPXでの市場取引価格が急騰した。このような電力需給のひっ迫は、現在の日本の電源構成に原因がある。令和3年度エネルギーに関する年次報告によれば、2020年度の日本の電源構成は、石炭31.0%(3、102億kWh)、LNG39.0%(3、899億kWh)、石油等6.4%(636億kWh)、水力7.8%(784億kWh)、再生可能エネルギー等12.0%(1、199億kWh)、原子力3.9%(388億kWh)であり、化石燃料を使用する火力発電所が76.4%に達する。電力の需給ひっ迫は、東日本大震災以降原子力発電所の再稼働が少なく火力発電所が発電能力のほとんどを占めていたが、太陽光発電など再生可能エネルギーが普及し需給ピーク時の調整の役割を担っていた火力発電所の稼働率が低下し採算が取れなくなり廃止や運転休止が相次いだことによるものである。
また火力発電所の燃料であるLNGも2022年マレーシアなどの施設でのトラブルや、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、価格が高騰した。電力小売業者(以下、供給者)から電力を購入する需要家が市場取引価格に連動する電力料金体系で契約している場合は、平時であれば発電事業者が余剰の電力を供給するために安くなっているが、電力需給のひっ迫や火力発電所燃料の高騰が起こると市場取引価格が高騰するために、連動して、平時よりも大幅に電力料金が高騰する。
特許文献1には電力料金とは異なるが、学校業務支援システムのサーバ装置上の各手段をアプリケーションとしてネットワークを介して学校側又は所管機関側へ提供するサービスに課金するにあたり、利用頻度が高い月は固定制、低い月は従量制とするなど、ユーザ側で選択可能とする発明が開示されている。
特開2003-044599号
特許文献1では、学校授業の終盤の月など利用頻度が高い月は固定制、利用頻度が低い学校授業のない月などは従量制とするなどユーザ側で選択可能とされているが、選択方法について明示されていない。あらかじめ固定制と従量制の月を選択しておくと考えられる。そのためユーザが予期しない事態(例えば、COVID19流行に伴う休校やオンライン授業などによって教員側の教材や通知作成の負担増)が発生し、従量制の月に利用頻度が増えた場合には、その従量制の月は高額課金となってしまうという問題があった。
そこで本発明では、電力の請求体系が市場価格連動体系の期間であっても、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報と変更ルールに基づいて、所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する電力料金課金システムを提供する。例えば、電力取引市場での市場取引価格(例:単価)が高騰し市場価格連動体系での電力料金が、高騰して固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の電力料金を越したり、所定の閾値を超えたりするような場合である。請求体系変更による請求体系の変更は、将来の所定期間や過去の所定期間について行ったり、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間の請求体系を変更したりすることもできる。本システムによって、変更ルールに基づいて自動的に請求体系が変更されるため、需要家は電力料金高騰のリスクを避けることができる。
以上のような電力料金課金システムに関する課題を解決するために、本願では、第一の発明として、
電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する市場取引価格情報取得部(A)と、
各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得部(A)が取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する請求体系保持部(B)と、
各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する連動体系需要家情報取得部(C)と、
各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する変更ルールA保持部(D)と、
保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する請求体系変更部(E)と、
を有する電力料金課金システムを提供する。
第二の発明として、第一の発明を基礎として、
請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する同時期請求体系変更手段(F)を有する電力料金課金システムを提供する。
第三の発明として、第一または第二の発明のいずれか一を基礎として、
請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する将来請求体系変更手段(G)を有する電力料金課金システムを提供する。
第四の発明として、第一から第三の発明のいずれか一を基礎として、
請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する過去請求体系変更手段(H)を有する電力料金課金システムを提供する。
第五の発明として、第一から第四の発明のいずれか一を基礎として、
変更ルールA保持部(D)は、電力消費量の上限閾値又は/及び下限閾値を示す情報である閾値情報をデマンド区間に応じて保持する閾値情報保持手段(L)を有するとともに、
保持されている閾値情報を利用して変更するルールである閾値依存変更ルールを保持する閾値依存変更ルール保持手段(M)を有する電力料金課金システムを提供する。
第六の発明として、
電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する市場取引価格情報取得部(A)と、
市場取引価格情報取得部(A)が取得した市場取引価格情報を保持する市場取引価格情報保持部(N)と、
各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する請求体系保持部(B)と、
各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する連動体系需要家情報取得部(C)と、
各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する変更ルールB保持部(O)と、
保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する請求体系変更部(E)と、
を有する電力料金課金システムを提供する。
第七の発明として、第六の発明を基礎として、
請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する同時期請求体系変更手段(F)を有する電力料金課金システムを提供する。
第八の発明として、第六又は第七の発明のいずれか一を基礎として、
請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する将来請求体系変更手段(G)を有する電力料金課金システムを提供する。
第九の発明として、第六から第八の発明のいずれか一を基礎として、
請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する過去請求体系変更手段(H)を有する電力料金課金システムを提供する。
さらに、第一の発明から第九の発明の計算機である電力料金課金システムの動作方法と、読み込み可能な動作プログラムも提供する。また、動作プログラムは記録媒体に記録されたものであってもよい。
以上の構成を有する本発明の電力料金課金システムによって、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報と変更ルールに基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する電力料金課金システムを提供する。例えば、電力取引市場での市場取引価格(例:単価)が高騰し市場価格連動体系での電力料金が、高騰して固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の電力料金を越したり、所定の閾値を超えたりするような場合である。料金体系変更による請求体系の変更は、将来の所定期間や過去の所定期間について変更したり、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間の請求体系を変更したりすることもできる。本システムによって、変更ルールに基づいて自動的に料金体系が変更されるため、需要家は電力料金高騰のリスクを避けることができる。
各図の簡単な説明の後ろにつけた[]内の数字は、図の説明または図を使用した説明の主な段落番号を示す。
実施形態1にかかる発明の機能ブロック図[0056-0111] 実施形態1にかかる発明の動作フローチャート図[0118-0119] 実施形態1にかかる発明のハードウェア図[0120-0124] 実施形態2にかかる発明の機能ブロック図[0127-0128] 実施形態2にかかる発明の動作フローチャート図[0135-0136] 実施形態2にかかる発明のハードウェア図[0137-0141] 実施形態3にかかる発明の機能ブロック図[0144-0145] 実施形態3にかかる発明の動作フローチャート図[0158-0159] 実施形態3にかかる発明のハードウェア図[0160-0164] 実施形態4にかかる発明の機能ブロック図[0167-0168] 実施形態4にかかる発明の動作フローチャート図[0175-0176] 実施形態4にかかる発明のハードウェア図[0177-0181] 実施形態5にかかる発明の機能ブロック図[0184-0189] 実施形態5にかかる発明の動作フローチャート図[0196-0197] 実施形態5にかかる発明のハードウェア図[0198-0202] 実施形態6にかかる発明の機能ブロック図[0205-0222] 実施形態6にかかる発明の動作フローチャート図[0223-0224] 実施形態6にかかる発明のハードウェア図[0225-0229] 実施形態7にかかる発明の機能ブロック図[0232-0233] 実施形態7にかかる発明の動作フローチャート図[0240-0241] 実施形態7にかかる発明のハードウェア図[0242-0246] 実施形態8にかかる発明の機能ブロック図[0249-0250] 実施形態8にかかる発明の動作フローチャート図[0256-0257] 実施形態8にかかる発明のハードウェア図[0258-0262] 実施形態9にかかる発明の機能ブロック図[0265-0266] 実施形態9にかかる発明の動作フローチャート図[0274-0275] 実施形態9にかかる発明のハードウェア図[0276-0280] 本発明のシステムの全体構成概略図[0028] 本発明のハードウェアの説明図[0029-0030] 本発明の請求体系の内訳例を示す図[0072-0081] 固定単価体系の例の説明図[0072、0073] 固定料金体系の例の説明図[0072、0074] 固定類似料金体系の例の説明図1[0072、0075、0076] 固定類似料金体系の例の説明図1[0072、0077] 固定類似料金体系の例の説明図2[0072、0075] 市場価格連動体系の例の説明図1[0072、0078] 市場価格連動体系の例の説明図2[0072、0078] 本発明の変更ルールAによる請求体系の変更例[0087-0089、0216] 本発明の変更ルールAによる請求体系の変更例[0089、0216] 本発明の変更ルールAによる請求体系の変更例[0090、0169-0171] 本発明の変更ルールAによる請求体系の変更例[0091] 本発明の変更ルールAによる請求体系の変更例[0092、0093、0172、0271] 本発明の変更ルールAによる請求体系の変更例[0087、0093] 本発明の現在の所定期間内での電力料金予測の説明図[0096、0098、0099、0103、0105、0132、0237] 本発明の変更ルールAによる請求体系の変更例[0087、0108] 本発明の変更ルールAによる請求体系の変更例[0087、0108] 本発明の1年間の請求体系の例を示す図[0111-0114] 本発明の電力料金課金システムの画面表示例1[0115-0117] 本発明の電力料金課金システムの画面表示例2[0115-0117] 本発明の変更ルールAによる将来の請求体系の変更例[0146] 本発明の変更ルールAによる将来の請求体系の変更例[0147、0216] 本発明の変更ルールAによる将来の請求体系の変更例[0148、0154、0155] 本発明の変更ルールAによる将来の請求体系の変更例[0150-0154] 本発明の変更ルールAによる将来の請求体系の変更例[0150-0154] 本発明の変更ルールAによる将来の請求体系の変更例[0152] 本発明の変更ルールAによる将来の請求体系の変更例[0152] 本発明の変更ルールAによる過去の請求体系の変更例[0173] 本発明の変更ルールAによる過去の請求体系の変更例[0173] 本発明の変更ルールBの例の説明図[0215、0216] 本発明の変更ルールBの例の説明図[0218] 本発明の変更ルールBによる将来の請求体系の変更例[0252。0253] 本発明の変更ルールBによる将来の請求体系の変更例[0254] 本発明の変更ルールBによる過去の請求体系の変更例[0267、0269] 本発明の変更ルールBによる過去の請求体系の変更例[0218、0272] 本発明の変更ルールBによる過去の請求体系の変更例[0218、0272] 本発明の変更ルールBによるトレンドの説明図1[0217] 本発明の変更ルールBによるトレンドの説明図2[0217] 本発明の変更ルールBによるトレンドの説明図3[0217、0219]
<全実施形態の説明の前提>
<本発明を構成し得るハードウェアについて>
本件発明は、原則的に電子計算機を利用する発明であるが、少なくとも一部はソフトウェアによって実現され、ハードウェアによっても実現され、ソフトウェアとハードウェアの協働によっても実現される。この場合に、ソフトウェアはハードウェア資源を利用して各種演算を行い求められるデータや情報を通じて諸機能を実現する。ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア資源を用いて具体的に実現されていると言える。
本件発明の各構成要件の全部又は一部を実現するハードウェアでは、計算機の基本的構成であるCPU、メモリ、バス、入出力装置、各種周辺機器、ユーザーインターフェイスなどによって構成される。各種周辺機器には、記憶装置、インターネット等インターフェイス、インターネット等機器、LAN機器、Wifi(登録商標)機器、ディスプレイ、ディスプレイインターフェイス、キーボード、マウス、スピーカ、マイク、カメラ、ビデオ、テレビ、CD装置、DVD装置、ブルーレイ装置、USBメモリ、USBメモリインターフェイス、着脱可能タイプのハードディスク、一般的なハードディスク、プロジェクタ装置、SSD、電話、ファックス、コピー機、印刷装置、ムービー編集装置、各種センサ装置などが含まれうる。
また、本システムは、必ずしも一つの筐体によって構成されている必要はなく、複数の筐体を通信で結合して構成されるものであってもよい。また、通信は、LANであってもWAN、Wifi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、赤外線通信、超音波通信、近距離無線通信(NFC)、携帯電話網であってもよく、さらに、一部が国境を跨いで設置されていてもよい。
<全実施形態における本願発明の自然法則の利用性の充足>
本発明は、計算機とソフトウェアとの協働で機能するものである。本発明ではインターネット回線又は専用回線を介して、需要家が消費する電力量を高圧受変電設備またはその監視装置や電力消費量をカウントするスマートメータなどから本システムが受信し、本システムに保持されている変更ルールに基づいて、電力料金の請求体系を変更する。または、インターネット回線又は専用回線を介して、電力の市場取引価格を本システムが取得し、需要家の電力の消費量や市場取引価格に基づいて請求体系を変更する変更ルールに基づいて請求体系を変更するといった処理を行う。前記各種情報をデータとしてやり取りしたり、計算機上で検索したりといったICTならではの処理が含まれているのでいわゆるビジネスモデル特許として成立するものである。この観点からも本願発明は計算機などのリソースを請求項や明細書に記載された事項と、それらの事項に関係する技術常識に基づいて判断すれば、本願発明は自然法則を利用したものであることとなる。
<特許法で求められる自然法則の利用の意義についての出願人の理解>
特許法で求められる自然法則の利用とは、法目的に基づいて、発明が産業上利用性を有し、産業の発達に寄与するものでなければならないとの観点から、産業上有用に利用することができる発明であることを担保するために求められるものである。つまり、産業上有用であること、すなわち出願に際して宣言した発明の効果がその発明の実施によってある一定の確実性の下再現できることを求めるものである。この観点から自然法則利用性とは、発明の効果を発揮するための発明の構成である発明特定事項(発明構成要件)のそれぞれが発揮する機能が自然法則を利用して発揮されるものであればよい、と解釈される。さらに言えば、発明の効果とはその発明を利用する利用者に所定の有用性を提供できる可能性があればよいのであって、その有用性を利用者がどのように感じたり、考えたりするかという観点で見るべきではない。したがって、電力を購入し消費する需要家や、電力を需要家に販売供給する供給者や、本システムの運営管理に携わる者などが本電力料金課金システムによって得る効果が心理的な効果(安心できる等)であったとしても、その効果自体は求められる自然法則の利用性の有無を判断するための対象外の事象である。
<ハードウェア構成>
図28に本装置の全体構成の概略を示す。インターネット回線(2850)(他の商用回線や専用回線でもよい)を介して、本システムのプログラムが動作するサーバ装置(2851)と、サーバ装置(2851)に接続された管理運営者PC(2852)と、高圧受変電設備の監視装置A(2853A)と、高圧受変電設備A(2854A)と、高圧受変電設備A(2854A)から電力を受ける需要家Aと、需要家Aが本システムを利用する際に使用するPC(2855A)と、高圧受変電設備監視装置B(2853B)と、高圧受変電設備B(2854B)と、高圧受変電設備B(2854B)から電力を受ける需要家Bと、需要家Bが本システムを利用する際に使用するPC(2855B)と、需要家C(一般家庭)が購入する電力を計量するスマートメータ(2853C)と、需要家C(一般家庭)が本システムを利用する際に使用するスマートフォン(2855C)が有線または無線(Wifi(登録商標)や携帯電話回線網など)で接続されている。各需要家が本システムを利用する際に使用する機器は上記例に限定されない。ノートPC、デスクトップPC、スマートフォン、タブレットなどの情報機器で、インターネット接続機能と、本システム利用に足る性能を有していればよい。図28ではサーバ装置(2851)は1台のみ図示されているが、複数台から構成されていてもよい。サーバ装置は、地域ごとに担当するサーバを分けて設置し、相互をインターネット回線などで接続するような構成としてもよい。図示していないが、ほかに本発明のシステムのサーバ装置を管理又は/及び運営する者(図28の管理運営者PC(2852)の使用者)がいてもよい。インターネット接続できる情報端末(PC等)を介してサーバ装置へアクセスしたり、またはサーバ装置に直接接続した情報端末でサーバ装置を管理又は/及び運営したりすることができる。各需要家が購入、すなわち消費した電力消費量は、需要家C(一般家庭)はスマートメータ(2853C)がインターネットを介してサーバ装置(2851)へ送信するが、高圧電力を購入する需要家AやBの場合は、高圧受変電設備監視装置A、Bがサーバ装置へ送信する。高圧受変電設備自体に電力消費量送信機能を内蔵してもよい。
図29は本実施形態1における電力料金課金システムを構成するハードウェア構成の一例を示す図である。PCに準じた構成とした場合を例として、本実施形態における電力料金課金システムのハードウェア構成について、図29を用いて説明する。なお、本システムにサーバを用いる場合には、電力料金課金サーバもPCに準じた構成としてもよく、以降のハードウェア構成の説明と同様であるため、説明を省略する。
この図にあるように、計算機は、マザーボード上に構成されるチップセット、CPU、不揮発性メモリ、メインメモリ、各種バス、BIOS(またはUEFI)、USBやLANなどの各種周辺機器や通信回線接続用インターフェイス、リアルタイムクロック等や、グラフィックカードなどの拡張カードからなる。これらはオペレーティングシステムやデバイスドライバ(USBなどの各種インターフェイス、カメラ、マイク、スピーカ又はヘッドホン、ディスプレイなどの各種機器組込み用)、各種プログラムなどと協働して動作する。USB端子(またはPS/2ポート)経由で接続されるキーボードやマウスなどの入力信号も用いて、本発明を構成する各種プログラムや各種データはこれらのハードウェア資源を効率的に利用して各種の処理を実行するように構成されている。LAN端子などを通じてインターネット回線へ接続される。インターネット回線への接続にWiFi(登録商標)を使用して接続したり、携帯電話回線網を介して接続したりしてもよい。
以下ハードウェアとしてコンピュータを構成する主な部品について、例として説明する。なおこれらの例に本発明は限定されない。
≪チップセット≫
「チップセット」は、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、マザーボードに搭載された不揮発性メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。古くは、CPUと接続しメインメモリやグラフィックス処理用のチップ(GPU)を搭載したグラフィックスカードとの間のように高速性を求められる処理を行うノースブリッジと、ノースブリッジと接続し比較的低速なインターフェイスとの間の処理をするサウスブリッジの2チップ構成であった。近年は、CPUにノースブリッジ機能が統合され、以前のサウスブリッジのみとなったが、引き続きチップセットとも呼ばれる。本明細書ではCPUにノースブリッジの機能が内蔵されたサウスブリッジのみの1チップ構成で説明する。なお前記のようにノースブリッジとサウスブリッジの2チップ構成の場合でも、サウスブリッジの機能をもCPUに統合したチップセットなしの場合でも、本発明の効果は変わらない。
(サウスブリッジ)
チップセットが1構成チップ時のサウスブリッジは、PCI Expressインターフェイス(スロット)、SATA(Serial ATA)またはeSATAインターフェイス、USBインターフェイス、LAN(Ethernet)インターフェイス、リアルタイムクロックなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。1チップ構成時のチップセットは、ディスプレイや、USB/LAN端子などの外部接続や、HDDやSSDとの接続用のSATAなどや、PCI Expressなどのインターフェイスを制御する処理を行うチップであり、CPUとはポイント・ツー・ポイントのハードウェアインターフェイス(例えばDMI:Direct Media Interface)で接続される。チップによっては、不揮発性メモリ(HDDなど)のRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks:複数のHDDなどをひとつのドライブのように認識・表示させる技術)をサポートする。
また近年使われることが少なくなった、高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、RS-232Cなどのシリアルポート、プリンタ向けのIEEE1284などのパラレルポート、ISAバスなどをサポートする場合には、サウスブリッジにLow Pin Countバスで接続するスーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIが使われる。
≪バス≫
バスにはパラレルバスとシリアルバスとがある。パラレルバスは、ビット数分の信号線を用意して、クロックに同期させて伝送する。クロック信号の専用線をデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。シリアルバスは、1ビットずつデータを転送する。
マザーボード上の周辺機器や各種制御部と、CPU(MPU)と、を繋ぐためにバスが用いられる。CPU内部でCPUコアとキャッシュメモリなどを接続する内部バスに対し、CPUとCPU外のメモリ等を接続するためのバスは外部バスと呼ばれる。CPUに内蔵されたメモリコントローラとメインメモリとの間をつなぐ外部バスは、例えばDDR4-SDRAM(Double-Data-Rate4 Synchronous Dynamic Random Access Memory)を使用するDDR4規格対応の場合は64bit幅のパラレルバスである。DDR4規格の一例としてDDR4-3200メモリ規格対応であれば、メモリ最大動作周波数3200MHz×バス幅64(bit)÷8(bit→Byte変換)=25.6(GB/s)の帯域幅となる。CPUとサウスブリッジ間の接続には上記のようにDMI(Direct Media Interface)などのポイント・ツー・ポイント接続が使われる。
PCI ExpressやSATA等の外部接続用の拡張バスはチップセットによって連結される。パラレルバスとしては、GPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。
シリアルバスは、1ビットずつデータを転送する。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI Expressでは、ポイント・ツー・ポイント配線とシリアル転送方式を採用している。USBや、SATAもデータ転送はシリアルである。
≪CPU≫
CPUはメインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリ(1次、2次、3次)や、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、メモリコントローラ、タイマー、サウスブリッジとの接続バスとのインターフェイスなどが含まれる。CPUにグラフィック機能(GPU)を統合している場合は、グラフィックスインターフェイスやCPUコアと接続する内部バスなども含まれる。GPUを内蔵したCPUで外付けグラフィックスボードを使用する場合は、CPUに内蔵されたグラフィックインターフェイス(PCI Expressなど)に接続される。
なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。実施形態での説明は2コアタイプのものであるが、これに限定されない。またCPUチップを複数備える構成であってもよい。CPU内にプログラムを内蔵することもできる。
≪不揮発性メモリ≫
(HDD)
ハードディスクドライブの基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。外部インターフェイスは、SATA(過去ではATA)やSAS(Serial Attached SCSI、過去ではSCSI)などを採用することができる。HDDのインターフェイスは大きくは前記のATA系とSCSI系に二分される。ATA系は物理的に接続された相手に一方的にデータを送る方式であり、マザーボード上のBIOS(またはUEFI)に依存するために、CPUの処理時間を常に要求する。SCSI系は接続された相手の状態を確認しながら正確にデータを送る方式であり、HDD内に制御用システムを備えるため、CPUの負荷を抑えられる。ATA系は廉価で大容量であるが、SCSI系はサーバ向けのシステムから発展し、高速性や拡張性の高さで優れ、SCSIコマンドをマルチスレッドで処理できるため、高負荷環境下でも高い信頼度をもつ。
HDDは容量単価に優れるが、上記のように可動部を含むためアクセスに時間を要することや機械的故障の懸念があることから、高い信頼性を要求されるサーバ装置向けなどでRAIDを使い、複数台のHDDに同時に分散して読み書きしたり、複数のHDDに同じファイルを書き込んだりといった構成をとることができる。
(フラッシュメモリ)
現在、NAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリの2種が一般に使われている。読み出し書き出し速度は一長一短あるが、NAND型の方が高集積化には有利であり、データストレージ用途に使われる。ハードディスクドライブと比較し、可動部がないため小型で、稼動時の振動や音が発生しない。但し容量単価はハードディスクドライブを置き換えるようなところまで下がってはいない。ハードディスクドライブよりも高価だが、装置が小型化でき、衝撃などにも強くなるという利点がある。スマートフォンや携帯情報端末では、搭載されるデータストレージ目的の記憶容量は通常64GB~256GB程度であるため、小型軽量化目的もあってフラッシュメモリが使われる。PCなどではOSやアプリケーションソフトを記憶するアクセス頻度の高いドライブにはフラッシュメモリからなるソリッドステートドライブ(SSD)が使用されるようになりつつある。
≪メインメモリ≫
CPUが直接アクセスしてメインメモリ上の各種プログラムを実行する。メインメモリは揮発性のメモリでDRAMが用いられる。メインメモリ上のプログラムはプログラムの起動命令を受けて不揮発性メモリからメインメモリ上に展開される。その後もプログラム内で各種実行命令や、実行手順に従ってCPUがプログラムを実行する。
≪オペレーティングシステム(OS)≫
オペレーティングシステムは計算機上の資源をアプリケーションに利用させるための管理をしたり、各種デバイスドライバを管理したり、ハードウェアである計算機自身を管理するために用いられる。小型の計算機ではオペレーティングシステムとしてファームウェアを用いることもある。
≪UEFI≫
以前使用されていたBIOSを発展させた後継として同様の役割りをするUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)が近年使われている。UEFIもBIOSと同様フラッシュROMに格納された状態でマザーボード上に搭載される。UEFIを収めたフラッシュROMチップは、計算機のハードウェアを立ち上げてオペレーティングシステムを稼働させるための手順をCPUに実行させるもので、最も典型的には計算機の起動命令を受けるとCPUが最初に読取りに行くハードウェアである。ここには、ディスク(不揮発性メモリ)に格納されているオペレーティングシステムのアドレスが記載されており、CPUに展開されたUEFIによってオペレーティングシステムが順次メインメモリに展開されて稼働状態となる。なお、UEFIは、バスに接続されている各種デバイスの有無をチェックするチェック機能をも有している。チェックの結果はメインメモリ上に保存され、適宜オペレーティングシステムによって利用可能な状態となる。なお、外部装置などをチェックするようにUEFIを構成してもよい。
図に示すように、本発明は基本的に汎用計算機プログラム、各種デバイスで構成することが可能である。計算機の動作は基本的に不揮発性メモリに記録されているプログラムをメインメモリにロードして、メインメモリとCPUと各種デバイスとで処理を実行していく形態をとる。デバイスとの通信はバス線と繋がったインターフェイスを介して行われる。インターフェイスには、ディスプレイインターフェイス、USB、LAN端子、PCI Expressインターフェイス、通信バッファ等が考えられる。
以下に記載する電力料金課金システムを構成する各機能ブロックは、いずれもハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアのいずれによっても実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶媒体とそれらの媒体の読取ドライブなど)、情報入力に利用される操作ボタン等の入力デバイス、マウス、タッチパネル、専らタッチパネルをタッチする目的で利用する電子ペン、ジョイスティック又はジョイスティック類似のポインタ位置入力装置その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェイス、LAN端子などの通信用インターフェイス、GPS受信インターフェイス、GPS用演算装置、ジャイロセンサ、加速度センサ、回転検知センサ、これらセンサの信号の処理装置、カメラ、画像ファイル処理回路、スピーカ、マイク、音声ファイル処理回路、通信用インターフェイス、バーコードリーダー、電子カードリーダー、POS端末、顔認証装置、暗号化装置、指紋認証装置、掌紋認証装置、網膜認証装置などの生体認証装置や、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。特にスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ、データセンターのサーバ装置、有線・無線ネットワーク及びインターフェイスなどを利用する。
メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェイスなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、二以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
また、本発明は、その一部をソフトウェアとして構成することも可能である。さらに、そのようなソフトウェアが記録された記憶媒体も当然に本発明の技術的な範囲に含まれる(本実施形態に限らず、本明細書の全体を通じて同様である。)。
<本願発明において使う用語について>
「識別情報」とは、何らかを識別するために用いられる記号、文字、符号などである。ただし、識別情報そのものが識別される情報そのものである場合があってもよい。例えば、例えば、文字列記録Aを識別する情報である識別情報が、文字列記録A自身である場合があってよい。従って需要家識別情報は単なる記号、文字、符号である場合とその記号、文字、符号などで識別される需要家の氏名や屋号や企業名や住所又は連絡先などである場合が同時に成立してもよい。
「関連付け」とは、二以上の情報が直接的に関連付けられている場合の他、二以上の情報が他の一以上の情報を介して間接的に関連付けられている場合も含む意味で本願明細書においては用いられる。間接的な関連付けは、必ずしも一の装置(筐体が一の筐体である装置)内での関連付けに限定されず、複数の装置にわたって関連付けられている場合も含まれる。
「基づいて」とは、対象そのものに拠る場合と、対象に何らかの処理をした後のものに拠る場合の両方を含む。例えば、「市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系」とは、「市場取引価格情報」そのものに拠る「市場価格連動体系」の場合と、「市場取引価格情報」に所定の比率(例1.1倍)を乗じる処理をした後の情報による「市場価格連動体系」の場合をも含む。
「デマンド値」とは、デマンド区間すなわち所定単位時間内に消費された電力量の平均値である。日本でのデマンド区間は30分間であり、毎正時(0分)から30分、30分から60分といった30分を1コマとする。1日は48コマとなる。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。なお、説明の用いる図のうち、図30、図37-図42、図44-図46、図49-図57、図60-図64は横軸が月、縦軸が電力料金を示し、説明の簡略化のために各月の電力消費量は一定とした図である。縦軸は横軸と交わる箇所が0円を意味する。また、図1、図4、図7、図10、図13、図16、図19、図22、図25の9つの機能ブロック図中の4桁の数字からなる符号は、上2桁が図面番号を示し、下2桁がそれぞれ固有の番号を示す。
<実施形態1 概要>主に請求項1、10、19
実施形態1の電力料金課金システムは、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するように構成される。
<実施形態1 機能的構成>
図1に実施形態1の電力料金課金システムの機能ブロック図を示す。実施形態1の電力料金課金システムは、市場取引価格情報取得部(A)(0101)と、請求体系保持部(B)(0102)と、連動体系需要家情報取得部(C)(0103)と、変更ルールA保持部(D)(0104)と、請求体系変更部(E)(0105)と、を有する。
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。以下の実施形態1以降の説明でも同様である。
<実施形態1 構成の説明>
<実施形態1 市場取引価格情報取得部(A)(0101)>
「市場取引価格情報取得部(A)」(0101)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得するように構成される。
後記実施形態6で説明するように、取得した市場取引価格情報を時系列的に保持する市場取引情報保持部を設けるとよい。
「電力の市場取引価格」とは、電力の売買が行われる卸売市場にて取引される電力の価格を言う。2022年時点で日本では、JEPXにて取引が行われている。発電事業者が電力を売り、電力小売業者が買う。JEPXでの取引時はデマンド区間単位で1kWh当たりの価格(単価)と量を指定して売買が行われる。日本の電力小売り分野では市場取引価格は単価を意味することが多い。本明細書では、市場取引価格は特に注釈ない場合は単価でもよいし、売買量に対する総額であってもよい。
<実施形態1 請求体系保持部(B)(0102)>
「請求体系保持部(B)」(0102)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得部(A)が取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持するように構成される。これは、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得部(A)が取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間と関連付けた、各需要家に対する電力料金の請求体系を保持するように構成されると言い換えることができる。
「暦上の所定期間」とは、暦上の1時間や1日や1週間やひと月や三カ月(四半期)や6カ月(半期)や12カ月(1年)などである。nを自然数として一般化すると、n時間、n日、n週間、n月やこれらを適宜組み合わせて(同種のものを重ねて組み合わせてもよい。)所定の期間を特定する。またmを自然数としてこれらの組み合わせの間に、m時間、m日、m週間、m月を除外して、又はm時間、m日、m週間、m月の組み合わせを除外して所定の期間を構成することができる。除外する期間に関しても同種のものを重ねて組み合わせてもよい。
一般的に電力料金の契約期間は1年で、電力消費量の計量締めと料金請求はひと月ごとに行われる。契約上の定めに拠ってこの期間は適宜定めることができ、最短はデマンド区間である。日本ではデマンド区間は30分間であり、デマンド時間(例:30分間)の倍数の期間を所定の期間とできる。そのように暦上の所定期間はひと月には限定されずに前記のように、1時間や1日や1週間やひと月や三カ月(四半期)や6カ月(半期)や12カ月(1年)としたり、ランダムに設定したとびとびの期間(例:月、週、日、時間、デマンド区間)としたりすることもできる。
「暦上の所定期間に関連付ける」とは、例えば暦上の1年(12か月)に対し、3、4、5、6、10、11月の6カ月を市場価格連動体系とし、残りの1、2、7、8、9、12月の6か月を固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)と設定するような設定の仕方である。6か月の組ではなくひと月ごとに請求体系を変えたり、2カ月や3カ月ごとに変えたり、または1カ月単位ではなく週単位や日単位や時間単位やデマンド区間単位で料金体系を変えたり、不均一な期間や不規則な期間で料金体系を変えたり、日中と夜間で請求体系を変えたりするように構成できる。また契約期間内の請求体系を市場価格連動体系と、固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)の割り振りについて、それぞれの請求体系を選択できる数を供給者と需要家間での契約に規定し、どの期間をどの請求体系とするか需要家に選択させるようにも構成できる。
「電力料金」とは、電力を購入する需要家が、電力を供給(販売)してくれた電力小売業者(供給者)へ支払う代金である。電力料金の内訳の例としては、市場取引価格(単価)とは直接連動しない基本料金と、購入(消費)した電力量に従って支払額が増える従量制の電力量料金との和からなる料金がある。基本料金部分の例は、一般家庭であればブレーカの契約アンペア数に応じた基本料金、高圧電力契約の需要家であれば過去に最大となったデマンド値に応じた基本料金などである。
一般に、電力料金の計算は月単位で行われ、契約期間は1年間である。高圧電力契約の需要家の契約では一例として、当月の最大デマンド値(デマンド区間の平均電力消費量の最大値(kW))と過去11カ月の最大デマンド値を比較して、より大きな方の最大デマンド値(kW)に基本料金単価(¥/(kW月))をかけて求めた基本料金(一般的には受電力率も考慮して基本料金を決める)と、当月使用した電力消費量に単価をかけた電力量料金との和が、ひと月の電力料金となる(電力料金には後記する託送料や燃料調整費や再エネ賦課金を含めてもよい(含めなくてもよい))。したがって上記例でいえば、一般家庭であればブレーカのアンペア数を例えば40Aから50Aに変えれば基本料金が上がり、高圧電力の需要家であれば当月の最大デマンド値が過去11カ月の最大デマンド値よりも大きければ当月以降の基本料金が上がってしまう。このように基本料金は、契約内容によっては契約期間内に替わる可能性があり、また需要家毎に基本料金は異なる。しかし、基本料金は市場取引価格(単価)には連動しない。
上記のように従量制の電力量料金の例は、需要家が所定期間に使用した電力消費量に供給者が契約で定める単価を乗じた金額である。前記基本料金には供給者の手数料(供給者の販管費などの経費と利益)が含まれてもよい。前記供給者の手数料は従量部分である電力量料金の単価に含めてもよい。電力料金は、所定期間あたり定額であってもよいし、所定期間あたりに使用(消費)した電力量×単価という完全従量制であってもよい。
「請求体系」とは、供給者が需要家に対し使用した電力の代金を請求するための情報である。需要家が電力を購入する際に料金の算定に使用する請求体系に従って、暦上の所定期間に需要家が消費した電力量に基づいて取得する料金の情報が一例である。
保持する請求体系を取得するために、需要家を識別する情報である需要家識別情報と、需要家が電力を購入する際に料金の算定に使用する請求体系を識別する情報である請求体系識別情報と、請求体系識別情報で識別される、料金を計算するための算定方法である請求体系と、需要家が暦上の所定期間に消費した電力量の情報である電力消費実績情報とに基づいて請求体系を取得する請求体系取得部を設けるように構成することもできる。需要家の電力消費実績を示す情報である電力消費実績情報を保持する電力消費実績情報保持部をも設けることが好ましく、電力消費実績情報を時系列的に保持する電力消費実績情報履歴保持手段を前記電力消費実績情報保持部にさらに有するとより好ましい。
「請求体系」の具体例は、電力料金の算定方法である。例えば、以下説明するような固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系などが含まれる。図30にこれら4種の請求体系の例を、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系の順に示す(電力消費量は4種共通とする)。図31に固定単価体系の例を示し、図32に固定料金体系の例を示す。図33a、図33b、図34に固定類似料金体系の例を示す。図35、図36に市場価格連動体系の例を示す。
「固定単価体系」とは、所定期間の電力料金が基本料金と電力消費量に応じた従量制の電力量料金からなり、電力量料金の単価が固定の請求体系(図31参照)をいう。この例が図30に示す4種の棒グラフのうち左側の固定単価体系の例である。電力料金は、基本料金+電力量料金であり、基本料金は前記説明の通り市場取引価格とは連動しない料金であり、電力量料金は電力消費量に単価をかけた従量制の料金である。電力量料金は、例えば電力量料金=(外的要因固定単価+供給者設定固定単価)×電力消費量、で表される。上記例の電力量料金については、発電業者(発電所)から需要家までの間の送電事業者へ支払う託送料(単価)、燃料代調整金(月ごとに決まる単価)、および再エネ賦課金(単価)などの供給者に依存しない外的な要因に拠る外的要因固定単価を含めることができる(含めなくてもよい)。そのほか供給者が電力の仕入れや事業を行う上での経費などに要した費用の回収や利益分としての供給管理手数料単価を適宜設定することができる。図31に示すように、固定単価体系での電力料金は、電力消費量に応じた一次関数になる。
「固定料金体系」とは、所定期間の電力量料金が固定額の請求体系(図32参照)をいう。図30に示す4種の棒グラフのうち右端が固定料金体系の例である。電力量料金には、前記の託送料、燃料調整費、再エネ賦課金などの外的要因の費用を固定額として含めてもよい(含めなくてもよい)。図32に示すように、固定料金体系は基本料金と固定額の電力量料金の和であり、暦上の所定期間(例:1カ月)の電力量料金を電力消費量にかかわらず固定額とする請求体系である。別例として、電力量料金を所定電力消費量までは固定額とし、所定電力消費量を超えたら、固定単価を用いた従量料金とする請求体系も考えられる。
「固定類似料金体系」とは、電力料金のうち従量制である電力量料金の単価が固定類似単価の請求体系(図33a参照)や、電力量料金が固定類似料金(図34参照)の請求体系をいう。電力量料金に前記の託送料、燃料調整費、再エネ賦課金などの外的要因の費用を含めてもよい(含めなくてもよい)。図30に示す4種の棒グラフのうち左から2つ目が固定類似料金体系の例である。図34に示す例は、基本料金以外の電力量料金を需要家が使用する電力量によって段階的に固定額を切り替える体系である(図34に示すような3段階には限定されない)。
図33aに示す例は、基本料金と従量制の電力量料金からなる電力料金のうち電力量料金において、供給者が適宜設定する固定類似単価を暦上の所定期間の需要家の電力消費量に応じて段階的に変える体系である。電力料金は、基本料金+電力量料金であり、従量制である電力量料金は、(外的要因固定単価+供給者設定固定類似単価)×電力消費量となる。(外的要因固定単価+供給者設定固定類似単価)で示す固定類似単価のうち供給者設定固定類似単価は、例えば月の電力消費量が120kWh以下なら単価20円/kWh、120kWhを超え300kWh以下の量に対して26円/kWh、300kWhを超えた量に対して30円/kWhといった3段階とする(3段階には限定されない)。
電力量料金の単価が固定類似の請求体系の別例として、図33bに示すような、市場取引価格(単価)の範囲に応じて段階的に電力量料金の単価が切り替わるような固定類似の請求体系とすることもできる(図33bに示すような3段階には限定されない)。図33bに示す例では市場取引価格(単価)が、10円/kWh未満の場合に単価が最も低く(例:7円/kWh、9円/kWhなど)、10円/kWh以上20円/kWh以下の場合が2番目に単価が低く(例:15円/kWhなど)、20円/kwhを超える場合が最も高い単価(例:20円/kWh、21円/kWhなど)となる。図33bの例では3段階にしか変わらず、市場取引価格(単価)が20円/kWhを超え30円/kWhなどのように高騰した高値となっても所定の一定単価を維持するため、市場取引価格(単価)が高騰した際には需要家にとって得となる。逆に市場取引価格(単価)が10円/kWh未満であって例えば0.1円/kWhなど著しく下落した値となっても、所定の一定単価を維持するため、市場取引価格(単価)が下落した際には供給者が事業継続に必要な利益を得ることができる。
「市場連動価格料金体系」とは、従量制の電力量料金の単価が市場取引価格(単価)に連動して変わる請求体系(図35、図36参照)を言う。図30に示す4種の棒グラフのうち右から2つ目が市場価格連動体系の例である。固定料金+(外的要因固定単価+市場取引価格連動単価)×電力消費量が電力料金となる。電力量料金に前記の託送料、燃料調整費、再エネ賦課金などの外的要因の費用分の外的要因固定単価を含めてもよい(含めなくてもよい)。市場連動価格料金体系は、例えば図35、図36に示すように、電力料金のうち従量制の電力量料金において、電力量料金の単価を市場取引価格(単価)に連動する単価とする請求体系である。市場取引価格(単価)はデマンド区間ごとに変わるため、例えば図35のデマンド区間1での市場取引価格(単価)1に対して、図36のデマンド区間2では低い市場取引価格(単価)2となったため、電力消費量に対する電力料金のグラフの傾きが小さくなっている。
なお、従量制の電力量料金の単価は市場取引価格(単価)そのままでもよいし、市場取引価格(単価)に例えば供給者が受け取る所定の手数料を加えた単価のように市場取引価格(単価)に連動するが市場取引価格(単価)そのものではない請求体系としてもよい。または基本料金部分を設けずに、すべて従量料金とし、市場取引価格(単価)に基本料金分の回収も含めた所定手数料分の単価を合計した単価を用いる請求体系でもよい。市場取引価格(単価)が、供給者設定固定単価、供給者設定固定類似単価よりも安ければ、図30のように4種の請求体系中で最も電力料金が安くなる。
また市場連動価格料金体系の別例として、電力料金のうち基本料金以外の固定額である電力量料金が市場取引価格に連動する請求体系(図示せず)も考えられる。その請求体系は、例えばひと月の所定電力消費量以下であれば電力消費量に拠らず、ひと月の市場取引価格の平均に連動した一定額の電力料金となる請求体系である。
図30の例では電力用利用料金の単価は、固定単価体系の供給者設定固定単価>固定類似料金体系の供給者設定固定類似単価>市場価格連動体系の市場取引価格連動単価の関係を想定しているため、それぞれの電力料金は単価差を反映した高さとなっている。上記の単価の関係が変化すれば、図30のグラフの高さの関係は変化する。
<実施形態1 連動体系需要家情報取得部(C)(0103)>
「連動体系需要家情報取得部(C)」(0103)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得するように構成される。
「市場価格連動体系に関連付けられている期間」とは、請求体系保持部(B)に保持される市場価格連動体系に関連付けられた暦上の所定期間である。一般的には上記の通りひと月であることが多いと考えられるが、供給者と需要家間の契約により適宜設定できる。通常は、電力料金が未払いの、所定期間であるが、過去の電力料金を支払い済みの所定期間でもよい。暦上の所定期間はひと月には限定されずに前記のように、1時間や1日や1週間やひと月や三カ月(四半期)や6カ月(半期)や12カ月(1年)としたり、不規則にとびとびの期間(例:月、週、日、時間、デマンド区間)としたりすることもできる。
「各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額」は、上記の市場連動価格体系の説明のように、例えば基本料金+電力量料金となる請求額である。従量制の電力量料金は、例えば(外的要因固定単価+市場取引価格(単価))×ひと月の電力消費量で算出される。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D)(0104)>
「変更ルールA保持部(D)」(0104)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持するように構成される。
以下、変更ルールAについて説明するが、後記する請求体系変更部(E)にて請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、いずれか一つの変更ルールAに基づくことには限定されない。いずれか二以上の変更ルールAに基づいて変更するように構成することができる。また、請求体系が関連付けられた所定期間(例:「ひと月」)を分割した期間でもよい(以下の実施形態でも同様である)。例えば所定期間である月を2週間ごとに分けて月後半で所定の閾値を上回ったり、下回ったりした場合に、過去である月前半の請求体系を市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ切り替えるように構成することができる(なお分割数は2には限定されない、以下同じ)。
変更ルールAについて図37から図42と図44と図45を用いて説明する。それらの図では暦上の所定の期間をひと月、供給者と需要家間の電力購買契約の契約期間を1年とし各月の電力消費量を一定値とした場合に、各月における請求体系が固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一である場合に課金されるべき金額(灰色、縦軸に代表して「固定単価体系」と表記している)と市場価格連動体系である場合に課金されるべき金額(白)を示す(縦軸:電力料金、横軸:月)。各月表示の下には、この需要家が元々その月を供給者と固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一で契約をしているか、市場価格連動体系で契約をしているかを示す「固定」、「連動」の文字が記載されている。また、グラフは上段と下段に分けられており、上段の棒グラフは、月ごとに市場価格連動体系である場合に支払うべき電力料金と、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一である場合に支払うべき電力料金の2種を併記し示す。下段の棒グラフは、需要家が実際に支払う(または支払った)電力料金を示し、その下にどの請求体系に則って電力料金を支払うのか、上段と同様に「固定」または「連動」の文字を記載している。下段の棒グラフは、各種変更ルールAによって各月の請求体系がどうなったかを示す図である。
グラフ中に上限閾値が示されている場合は、電力料金が市場価格連動体系で支払われる契約月において、その月の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するための料金の上側の閾値である上限閾値を示している。グラフ中に下限閾値が示されている場合には、電力料金が市場価格連動体系で支払われる契約月において、その月の請求体系を変更するための料金の下側の閾値である下限閾値を示している。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:現在に応じて現在の請求体系を変更>
各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する変更ルールAは、
所定期間の市場取引価格(単価)の平均値に基づく市場価格連動体系での電力料金が、需要家の過去の電力消費実績に基づいた電力料金額である上限閾値を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するルール(図37 11月参照)、
所定期間の市場取引価格に連動する連動体系需要家情報(電力料金の請求額)が、所定の上限閾値を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するルール(図37 11月参照)、
所定期間の市場取引価格に連動する連動体系需要家情報(電力料金の請求額)が、前記所定期間の固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に基づく電力料金の請求額を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するルール(図38 3月参照)、
所定期間の電力消費量が所定の上限閾値を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するルール(図示せず)、
などの例が考えられる。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:現在に応じて過去の請求体系を変更>
他にも、過去の一の所定期間(例:過去、先月など。先月以前でもよい)では、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に基づいた場合の電力料金<市場価格連動体系に基づく電力料金<請求体系切替の上限閾値(電力料金)、の関係であったために市場価格連動体系のままだったが、次以降の所定期間(例:現在、今月など)において市場価格連動体系では上限閾値をも超えてしまう場合に過去の前記一の所定期間の請求体系をも固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ切り替えるルールが考えられる(図39参照 11月に市場価格連動体系で上限閾値を超えたため、11月の請求体系の変更に加え10月の請求体系も変更する)。前記過去の一の期間(図39 10月)においても請求体系を切り替えた方が、需要家にとっては得となる。
図40に示すように、もし前記過去の一の所定期間(4月)の市場価格連動体系に基づく電力料金が固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に基づいた場合の電力料金よりも低ければ、現在の所定期間(5月)の市場価格連動体系での電力料金が上限閾値を超えたことにより前記過去の一の所定期間(4月)の請求体系を固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)へ切替えると需要家が損をするため、切り替えないルールとする方が好ましい。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:過去、現在、将来に応じて過去の請求体系を変更>
現在よりも過去の所定期間(例:先月)、現在の所定期間(例:今月)の請求体系、将来の所定期間(例:来月)が市場価格連動体系であって、それぞれの電力料金(将来の所定期間の電力料金は予測値)が、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に基づいた場合の電力料金<市場価格連動体系に基づく電力料金<上限閾値の関係にあるときに、次のようなルールも考えられる。図41の4月、5月、6月に示すように現在(5月)の市場価格連動体系で支払うべき電力料金が、過去(4月:先月)の市場価格連動体系で支払うべき(または支払った)電力料金と将来(6月)の市場価格連動体系で支払うべきだろう予測電力料金との平均値よりも高く上限閾値よりも低い場合に、前記過去の所定期間(4月)を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に切り替えて、電力料金を請求するルールである。
4月分の電力料金がすでに集金済みの場合は、図41の例では、差額のみを払い戻したり、今月の電力料金の一部と相殺したり、来月以降の電力料金の一部と相殺したりするなどを行う。このルールを満たさない図42の3月、4月、5月の例に示すような場合、すなわち過去(3月)の電力料金と将来(5月)の電力料金との平均よりも、現在(4月)の電力料金が低ければ、過去(3月)の請求体系は切替えない。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:将来の電力料金予測>
「将来」の所定期間の請求体系によって支払うべき電力料金の予測は、現在の属する所定期間の電力料金や、現在を含む連続する過去複数の所定期間の電力料金(例:将来(6月)、現在(5月)、過去(3月、4月)など)や、または「将来」の所定期間の時期と該当する過去の所定期間の電力料金の実績(例:将来が来月とした場合、昨年の該当月の電力料金の実績。一以上でもよく、過去10年の該当月の電力料金の実績など。)や、該需要家と似た電力消費性向の他の需要家の電力料金の実績などに基づいて、予測する。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:現在の属する所定期間の電力料金予測>
上記のルールにおいて現在の電力料金について、現在が属する所定期間途中であっても、期間内の電力消費量を予測し、予測電力消費量から現在の所定期間の請求体系及び他の請求体系での電力料金を算出して使用する(例:請求体系を変更する)ように構成することができる。前記のように予測する場合、現在が属する所定期間内において前記所定期間の始まりから現在までの期間の実際の電力消費量の推移から、現在からの前記所定期間の終わりまでの電力消費量を予測し、現在が属する所定期間全体の電力消費量を予測するように構成できる。なお所定期間始まりから現在までは実績に基づき、現在から所定期間終わりまでは予測に基づいて請求体系を変更するように構成することもできる。暦上の同時期の過去の実際の電力消費量または複数の同時期の実際の電力消費量の平均値や最大値を予測電力消費量としてもよい。または需要家と似た電力消費性向の他の需要家の電力料金の実績などに基づいて、予測するように構成することもできる
図43のグラフに示す例を用いて、現在が所属する所定期間における市場価格連動体系の電力料金の予測について説明する。図43は現在の所定期間をひと月(1から31日:横軸)とし電力料金を縦軸として、毎日一定量の電力消費量である時の市場連動体系の電力料金の例を5種示している。実際には毎日一定量電力を消費することは稀であるが、説明の簡略化のためにそのように仮定する。縦軸には、請求体系を市場価格連動体系から、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更する上限閾値を「上限閾値」として示し、毎月一定の電力消費量である当月ひと月分の電力消費量に対する固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一での電力料金を「固定単価体系」として示す。
直線のグラフA、B、Cについては、電力消費量は同じなので、A、B、Cの大小は電力の単価の差によるものである。単価一定かつ電力消費量が一定と仮定して、所定期間(この例ではひと月)の電力消費量と電力料金を、所定期間の途中の時点で予測できる。Aのグラフは固定単価体系または固定類似料金体系の電力の単価よりも安い単価の場合の例である。Bのグラフは、固定単価体系または固定類似料金体系と同じ単価の場合のグラフである。Cのグラフは、固定単価体系または固定類似料金体系よりも電力単価が高く、市場価格連動体系では上限閾値を超える電力料金となる例である。
図43の右側に、グラフDでのひと月の電力料金の内訳の例を示した棒グラフを示す。図43左側のグラフでの1日目の電力料金については、ほとんどが基本料金である(基本料金以外は従量制である1日分の電力量料金)。
図43のD、EはA-Cと日々の電力消費量は同じだが、市場取引価格(単価)に連動する市場価格連動体系において、現在の所定期間であるひと月内で2回市場取引価格(単価)が変動し3種の市場取引価格(単価)となった場合(1-7日、7-14日、14-31日の3段階)の推移の例である。グラフDとEについては、14日目での当月前半の電力料金推移に基づいた今月の電力料金の予測について細実線にて示している。月半ばの14日で予測し請求体系を変更するする例について説明しているが、14日には限定されない。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:途中での所定期間の電力料金予測に基づく請求体系の変更>
例えば14日目の時点でグラフEについて当月の電力料金を予測すると、14日までの電力料金推移の実績からは、当月の電力料金は請求体系の切替閾値である上限閾値を超えると予測される。14日時点の予測に基づいて、請求体系を市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するように構成することができる。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:現在の属する所定期間途中での電力料金予測が外れた場合の精算:変更の必要がなかった場合>
<実施形態1 変更の必要がなかった場合:再変更しない例>
例えばグラフEについて、14日時点での当月の電力料金を予測すると上限閾値を超えると予測できる。しかし当月末時点での電力消費量と単価の実績からは、もともとの請求体系である市場連動体系では上限実績値を超えない結果であった。月末締め日の実績に基づいて請求体系の変更を判断するのであれば、14日の予測に基づく請求体系の変更は必要なかったこととなる。予測が外れた場合に、需要家にとって損となるのであれば、請求体系を市場価格連動体系へ再度切り替えないように構成できる。
グラフEの場合、実際の当月月末で市場連動体系での電力料金は上限閾値を超えず、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系での電力料金額は超える結果だった。もし当月の締め日での電力料金実績に基づいて請求体系を再度市場価格連動体系へ変更した場合、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一での電力料金額との差額分相当の電力料金の請求額が増えるため、需要家にとって損となる。そのため、予測が外れても再度請求体系を市場価格連動体系へ変更しないように構成することができる。なお所定期間である当月の締め日で把握した実績に基づく電力料金との差額を、供給者が需要家へ別途請求できるように構成してもよい。請求する場合には、電力料金が未集金であれば請求額を修正して集金し、集金済みであれば当月以降の月の電力料金の集金時に精算するように構成できる。
<実施形態1 変更の必要がなかった場合:再変更する例>
もしグラフEでの当月の締め日での市場連動体系での電力料金が図43に示すよりも少なく、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系電力料金を下回る電力料金だった場合、請求体系を再変更しなければ需要家が損することとなる。そのような場合には請求体系を再変更するように構成すれば、需要家にとって得となるので好ましい。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:現在の属する所定期間途中での電力料金予測が外れた場合の精算:変更する必要があった例>
グラフDの場合はグラフEとは逆に、14日時点では上限閾値を越さないという予測だったが、当月の締め日での市場価格連動体系に基づく電力料金実績は上限閾値を超える額だった。当月の実績に基づいて請求体系を変更することが必要だった。そのため、月末締め日の当月の実績に基づいて請求体系を再変更することが、需要家にとって得となるため好ましい。14日時点の予測で当月の請求体系の変更有無を判断した場合には、月末締め日の実績に基づいて請求体系を変更すると、予測した請求体系での電力料金との間での差額の精算が必要となる。予測が外れた場合の精算については、当月分の電力料金が未集金であれば、正しい請求体系での電力料金に修正して請求する。もしすでに当月分の電力料金を集金済みであれば、差額のみを払い戻したり、または翌月以降の電力料金集金時に差額分の電力料金を加減したりする。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:下限閾値を設ける意義:供給者の利益確保>
供給者が事業を維持できる最低限の利益を得るために、市場価格連動体系での電力料金は図43の右端に例示するような基本料金と、需要家が消費した電力量と単価を乗じた従量制である電力量料金とから構成することが好ましい(電力量料金の単価は例えば、燃料調整費のような外的要因による固定単価部分と、市場価格と連動する単価部分又は/及び電力消費量に応じた段階的加算単価のような変動単価部分から構成されてもよい)。そのような基本料金と従量制の電力量料金とから構成される市場価格連動体系の場合には、前記基本料金を事業維持のための最低限の利益獲得用として、市場価格連動体系での電力料金の下限の額とすることが好ましい。
もし請求体系に供給者が事業を維持できる最低限の利益を得るための基本料金の設定がなく、従量である電力量料金で得る利益も事業維持のために用いる請求体系であるならば、変更ルールAとしては、電力料金の上限閾値に加え、事業を維持できる最低限の利益を得るための部分に相当する下限閾値も設定するように構成することが好ましい。市場価格連動体系での電力の単価が上昇し電力料金が上限閾値を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に切り替わるルールのみ適用する設定では、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一への切り替え後の市場取引価格(単価)と固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)での単価の差による電力料金の差額分を供給者が負担することとなる。逆に市場取引価格(単価)が想定以上に下がった場合などに、供給者の経費等考慮して設定された電力料金下限閾値を下回っても固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)に切り替えずに市場価格連動体系のまま運用すると、供給者が事業継続のための経費回収を含めた利益を得ることができず、供給者の負担が増加する。
上記理由から、電力料金の上限閾値を超えたことによって市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ請求体系を切り替える場合には、電力料金の下限閾値を下回ったら市場連動料金から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ切り替わる料金体系とする、または電力料金下限閾値の金額とする(または別の額の固定額としてもよい)ことが好ましい。需要家は電力の市場取引価格が高騰しても高額な電力料金を支払わなくても済み、供給者は自身の利益を確保することができる。言い換えるならば、需要家は安い電力料金である時と、高い電力料金である時との、電力料金の振れ幅を小さくすることができると言える。もし電力料金上限閾値を超える場合に市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ切り替わるのみでは、前記の上限閾値を超えた場合に供給者が被った差額分を回収しきれずに、供給者が本システムを運営維持できずに提供中止となってしまい、需要家にとっても長期的には得とはならない。
<実施形態1 変更ルールA保持部(D):変更ルールAの具体例:市場価格又は/及び電力消費量低下した場合:供給者が得する場合>
上記ルール例とは逆に電力料金や電力消費量が少なくなった時に、固定料金体系や固定類似料金体系へ変更するルールであってもよい。所定期間の市場価格連動体系での電力料金が所定の下限閾値を下回った場合に電力料金を下限閾値の金額とするルール(図44 5月)や、所定期間の市場価格連動体系での電力料金が所定の下限閾値を下回った場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ請求体系を切り替えるルール(図45 5月)や、所定期間の電力消費量が電力消費量下限閾値を下回った時など請求額が少なくなりすぎる場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(図示せず)としてもよい。
<実施形態1 請求体系変更部(E)(0105)>
「請求体系変更部(E)」(0105)は、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するように構成される。請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に連動体系需要家情報と共に基づく変更ルールAは、いずれか一つの変更ルールAに基づくことには限定されない。いずれか二以上の変更ルールAに基づいて変更するように構成することができる。例えば上限閾値に関する変更ルールAと、下限閾値に関する変更ルールBを両方使用する場合である。
<実施形態1 電力料金課金システム(0100)>
「電力料金課金システム」(0100)は、市場取引価格情報を取得する市場取引価格情報取得部(A)(0101)と、請求体系を保持する請求体系保持部(B)(0102)と、電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する連動体系需要家情報取得部(C)(0103)と、変更ルールAを保持する変更ルールA保持部(D)(0104)と、変更ルールAと連動体系需要家情報とに基づいて所定期間の需要家の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する請求体系変更部(E)(0105)とから構成される。
<実施形態1 電力料金課金システム:例を用いた説明>
<実施形態1 電力料金課金システム:説明の前提>
図46に示す例を用いて、本発明の電力料金課金システムについて説明する。図46は横軸がある年の月を表し、左縦軸が電力料金の棒グラフ用の軸であり、右縦軸が市場取引価格(単価:¥/kWh)の折れ線グラフ用の軸である。横軸の月に楕円がかかっている1、2、7、8、9、12月は固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)、その他の月は市場価格連動体系の月である。なお、説明を簡単にするために、図46に電力料金を示す需要家の各月の電力消費量は一定とし、電力料金が固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)時の電力料金を超えた場合には固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)に変更するという変更ルールAを適用しているとする。
<実施形態1 電力料金課金システム:各月の請求体系と変更>
例えば東京近辺であれば4-6月ごろや9-11月は春秋頃で暑からず寒過ぎない季節はエアコン使用量が多くはなく、電力消費量が1年の中では少ない季節といえる。そのため例えば、1年のうちで3、4、5、6、10、11月の6カ月を市場価格連動体系とし、残りの1、2、7、8、9、12月の6か月を固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)と設定し、市場価格連動体系に設定した月の請求体系を所定条件によって固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)へ変更する請求体系を、ある需要家が供給者と今年向けに契約したとする。この請求体系の例の場合、3月に寒波がぶり返して一般的に暖房用にエアコンの使用時間が増えてしまい厳寒期の2月と比べて電力需要が大きくは減らなかった時や、早くも6月に夏本番の暑さが到来して一般的に冷房用にエアコンの使用時間が増えてしまい電力需要が増加した時などに、図46に示すように市場価格連動体系では需要が増えるために該当する所定期間(ひと月)の市場取引価格(単価)も上昇し電力料金(連動体系需要家情報)の請求額が増大する。
図46の例では、3月の市場取引価格(単価)が2月よりも大きくは下がらず、6月の市場取引価格(単価)が上昇したことによって、3月と6月の市場価格連動体系による電力料金が、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系場合の電力料金よりも増えた。本発明の電力料金課金システムにて、市場価格連動体系としていた3月と6月は、電力料金が固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一である時の電力料金を超えた場合には固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するという変更ルールAが適用され、請求体系変更部(E)によって市場価格連動体系が固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更され、変更後の請求体系に応じた電力料金が請求される。このため市場取引価格が予期せず変動した場合(上昇した場合)に、需要家は電力料金の急増を避けることができる。
図46中に図示されていないが、例えば市場価格連動体系である5月の天候が良く、気温が温暖であって日照時間が長く、太陽光発電量が多かったために日中の電力の市場取引価格が想定以上に安くなり、供給者が想定していた下限閾値を下回ったとする。その場合には、需要家が供給者へ支払う電力料金の単価が安くなりすぎないように、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金額、例:基本料金(以下同じ))のいずれか一の請求体系へ切り替えるように構成することができる。需要家は短期的には多少高めの電力料金(固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系で支払うべき電力料金)を支払うこととなるが、本システムを利用して電力料金が極端に上下に振れずに、通年である程度の想定範囲内の単価の電力の供給を継続的に受けることができる。
<実施形態1 本システムの利用画面例>
本発明の電力料金課金システムを需要家が利用する際の画面表示例を図47、図48に示す。図47、図48は需要家が利用するPCを利用して本システムにアクセスした画面表示例である。専用ソフトを利用して本システムにアクセスしてもよいし、ブラウザを介して本システムのウェブサイトにアクセスして利用するように構成してもよい。本システムへのアクセス手段はPCには限定されず、スマートフォンやタブレット端末などを利用してアクセスするように構成することができる。
<実施形態1 本システムの利用画面例:TOP画面>
図47は、本システムの利用画面のTOP画面である。本システムを需要家など利用者が利用しようとしてアクセスする際に最初に利用する画面である。すでに本システムを利用する会員登録している場合には右下の「ログイン」ボタンを押下してシステムにログインする。まだ会員登録していない利用者は左下の「会員登録」ボタンを押下し会員登録を行う。会員登録時に利用者が需要家であれば、需要家の属性を示す情報である需要家属性情報も登録を行う。需要家属性情報は、例えば需要家が供給者から電力の供給を受ける施設の住所や名称、施設の規模や、電力の購買契約内容、需要家の連絡先、需要家が利用する金融機関の情報(電力料金の引き落とし先や、還付金などの振込先)であり、ホンシステムに需要家が登録した際に需要家を識別するために需要家に割り振られる需要家識別情報と関連付けて保持されるように構成することが好ましい。本システムに新規会員登録したり、ログインしたりした後、画面中央の「電力料金プラン変更」、「電力消費実績閲覧」、「電力料金実績閲覧」、「登録内容変更」のボタンを選択し押下できるようになる。
<実施形態1 本システムの利用画面例:電力料金プラン変更画面>
図48は、図47のTOP画面で「電力料金プラン変更」ボタンを押下した後に遷移する電力料金プラン変更画面の例を示す。今年2023年の電力料金プランが左側に月ごとに表示されている。その右側に翌年2024年の各月の請求体系の選択欄が配置されている。図48では2024年の1月と2月について固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系でも可)を選択したところが示されている。各月の該当料金体系にカーソルを当てクリックして選択する。この利用者の電力料金プランでは、1年のうち固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系でも可)の月が6か月、市場価格連動体系の月が6か月である。図48に示す画面例中央の表の右に、それぞれをいくつ選択したかが表示されている。図48の状態は1月と2月の2か月のみ選択した選択途中の状態のため、固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系でも可)が2/6、市場価格連動体系が未選択のため0/6と表示されている。12か月分選択終了したら、画面右下の「登録」ボタンを押下する。2024年の各月の請求体系の選択結果が本システムに登録され保持される。
<実施形態1 処理の流れ>
図2は、実施形態1の計算機である電力料金課金システムの動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態1の電力料金課金システムでは、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S0201)と、請求体系保持ステップ(b)(S0202)と、連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S0203)と、変更ルールA保持ステップ(d)(S0204)と、請求体系変更ステップ(e)(S0205)と、を有する。
ここで計算機である電力料金課金システムの動作方法は、
市場取引価格情報取得ステップ(a)(S0201)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する処理を行い、
請求体系保持ステップ(b)(S0202)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得部(A)が取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する処理を行い、
連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S0203)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する処理を行い、
変更ルールA保持ステップ(d)(S0204)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する処理を行い、
請求体系変更ステップ(e)(S0205)は、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力料金課金システムに実行させる動作方法である。
<実施形態1 ハードウェアの説明>
本実施形態に1おける電力料金課金システムのハードウェア構成について、図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態1における電力料金課金システムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力料金課金システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、市場取引価格情報取得プログラム(a)と、請求体系保持プログラム(b)と、連動体系需要家情報取得プログラム(c)と、変更ルールA保持プログラム(d)と、請求体系変更プログラム(e)と、である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、市場取引価格情報と、固定料金体系と、固定類似料金体系と、市場価格連動体系と、所定期間と、連動体系需要家情報と、変更ルールAなどが格納されている。
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている市場取引価格情報取得プログラム(a)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し電力卸売市場のサーバにアクセスし、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する。
そして、「メインメモリ」に格納されている請求体系保持ステップ(b)を実行して、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する。
そして、「メインメモリ」に格納された連動体系需要家情報取得プログラム(c)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し各需要家の電力消費量をスマートメータまたは高圧受変電設備(またはその監視装置)から取得し、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した変更ルールA保持プログラム(d)を実行して、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する。
そして「メインメモリ」に格納した請求体系変更プログラム(e)を実行して、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する。
そして需要家に所定期間の電力料金を請求するための処理を行い、金融機関のサーバまたは/及び需要家の情報端末へ支払い依頼のための通知を出力する。
<実施形態1の効果>
本実施形態1の電力料金課金システムは、電力の請求体系が市場価格連動体系の期間であっても、市場取引価格上昇によって固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系での電力料金よりも高額な料金(連動体系需要家情報)となる場合は、変更ルールAに基づいて請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更することができる。
<実施形態2 概要>主に請求項2、11、20
実施形態1を基礎とする実施形態2の電力料金課金システムの請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する同時期請求体系変更手段(F)を有するように構成される。
<実施形態2 機能的構成>
図4に実施形態1を基礎とする実施形態2の電力料金課金システムの機能ブロック図を示す。実施形態2の電力料金課金システムは、実施形態1の構成に加え、請求体系変更部(E)(0405)に、同時期請求体系変更手段(F)(0406)を有する。
<実施形態2 構成の説明>
<実施形態2 同時期請求体系変更手段(F)(0406)
「同時期請求体系変更手段(F)」(0406)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更するように、請求体系変更部(E)(0405)内に構成される。
「一の所定期間」とは、例えば暦上のひと月や2週間など実施形態1で説明した「暦上の所定期間」のうち他の所定期間と区別する区間を言う。
本実施形態2での請求体系の変更は、以下のような2つの場合がありうる。一つは、例えば電力料金の計算を2週間毎(または月半ばと月末などの2回)に行う場合である(電力料金の集金は月末締めなど月ごとにまとめて集金してもよい)。この場合、当月初めから2週間経過時点(または例えば14日や15日など)で連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)が所定の上限閾値を超えた場合に、市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ以後切り替える場合である。この場合一の所定期間は2週間(または半月)であり、すでに経過した2週間分は市場価格連動体系で電力料金計算され、請求体系変更後の2週間は固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一で電力料金が計算される。
もう一つの例は、例えば電力料金の計算をひと月ごとに行う場合である。この場合、前回締め日から2週間経過時点で連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)が所定の上限閾値を超えた場合に、すでに経過した2週間分を含めてひと月分すべての電力料金計算を、市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ請求体系を変更して行うという例である。この例の場合は一の所定期間はひと月であり、ひと月内で連動体系需要家情報に基づいた条件に達したことによって、請求体系が切り替えられる。なおこれらの説明では、一の所定期間を2週間またはひと月としたがこれには限定されない。
<実施形態2 同時期請求体系変更手段(F):切替例:当月の電力料金予測>
上限閾値を実際の連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)が越えた場合が上記2例であるが、一の期間の途中の推移(または過去の連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)の実績を使用してもよい)に基づいて一の期間の連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)を予測し、連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)の上限値を超えると予測された場合に、前記一の期間に適用する請求体系を市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ切り替えるように構成してもよい。図43に示すグラフを用いて説明する。上記例のようにひと月ごとに電力料金を計算する請求体系において、2週間経過時点(14日め)で当月の連動体系需要家情報として電力料金を予測する場合、当月分の電力料金が上限閾値を超えると予測できるのは図43のグラフC、Eの2つである。
<実施形態2 同時期請求体系変更手段(F):切替例:当月の電力料金予測:精算>
Eのグラフでは実際には当月末締めの電力料金は上限閾値以下の結果となっている。そのため、まだ需要家から集金していなければ締め日での結果をもって、再度当月の請求体系を切り替えて電力料金を計算して、請求集金する。もし需要家から集金済であれば、翌月以降の電力料金集金時に差額を精算するように構成する。逆に上限閾値を超えないとの予測だったのに、結局一の所定期間での連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)の上限閾値を超えた場合は、上記と同様未集金であれば請求体系を切り替えて電力料金を算出して請求集金し、集金済であれば翌月以降の電力料金集金時に差額を精算するように構成する。
<実施形態2 同時期請求体系変更手段(F):切替例:当月の電力料金予測が下限閾値を下回った場合:供給者の利益確保>
また、上記説明では一の所定期間内で連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)が所定の閾値(例:上限閾値)を超えた場合を例として説明したが、逆に一の所定期間内で連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)が所定の閾値(例:下限閾値)を下回った場合に、市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または固定金額。例:下限閾値の金額)のいずれか一の請求体系へ切り替えるように構成することもできる。供給者が適正な利益を確保することができる。
<実施形態2 処理の流れ>
図5は、実施形態1を基礎とする実施形態2の計算機である電力料金課金システムの動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態2の電力料金課金システムでは、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S0501)と、請求体系保持ステップ(b)(S0502)と、連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S0503)と、変更ルールA保持ステップ(d)(S0504)と、請求体系変更ステップ(e)(S0505)と、同時期請求体系変更サブステップ(f)(S0506)を有する。
ここで計算機である電力料金課金システムの動作方法は、
市場取引価格情報取得ステップ(a)(S0501)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する処理を行い、
請求体系保持ステップ(b)(S0502)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得部(A)が取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する処理を行い、
連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S0503)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する処理を行い、
変更ルールA保持ステップ(d)(S0504)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する処理を行い、
請求体系変更ステップ(e)(S0505)は、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する処理を行う際に、
請求体系変更ステップ(e)(S0505)内の同時期請求体系変更サブステップ(f)(S0506)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力料金課金システムに実行させる動作方法である。
<実施形態2 ハードウェアの説明>
実施形態1を基礎とする本実施形態2における電力料金課金システムのハードウェア構成について、図6を用いて説明する。
図6は、実施形態1を基礎とする本実施形態2における電力料金課金システムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力料金課金システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、市場取引価格情報取得プログラム(a)と、請求体系保持プログラム(b)と、連動体系需要家情報取得プログラム(c)と、変更ルールA保持プログラム(d)と、請求体系変更プログラム(e)と、さらに同時期請求体系変更サブプログラム(f)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、市場取引価格情報と、固定料金体系と、固定類似料金体系と、市場価格連動体系と、所定期間と、連動体系需要家情報と、変更ルールAなどが格納されている。
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている市場取引価格情報取得プログラム(a)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由しインターネット回線を経由し電力卸売市場のサーバにアクセスし、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する。
そして、「メインメモリ」に格納されている請求体系保持ステップ(b)を実行して、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する。
そして、「メインメモリ」に格納された連動体系需要家情報取得プログラム(c)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し各需要家の電力消費量をスマートメータまたは高圧受変電設備(またはその監視装置)から取得し、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した変更ルールA保持プログラム(d)を実行して、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する。
そして「メインメモリ」に格納した請求体系変更プログラム(e)を実行して、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、「メインメモリ」に格納されている同時期請求体系変更サブプログラム(f)を実行して、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する。
そして需要家に所定期間の電力料金を請求するための処理を行い、金融機関のサーバまたは/及び需要家の情報端末へ支払い依頼のための通知を出力する。
本実施形態2では実施形態1の効果に加え、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する。これにより例えば所定期間途中で市場取引価格が高騰した場合には、以降の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更したり、所定期間開始時点までさかのぼって請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更したりすることができる。需要家の負担を軽減することができる。
<実施形態3 概要>主に請求項3、12、21
実施形態1又は2のいずれか一を基礎とする実施形態3の電力料金課金システムの請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する将来請求体系変更手段(G)を有するように構成される。
<実施形態3 機能的構成>
図7に実施形態1を基礎とする実施形態3の電力料金課金システムの機能ブロック図を示す。実施形態3の電力料金課金システムは、実施形態1の構成に加え、請求体系変更部(E)(0705)に、将来請求体系変更手段(G)(0707)を有する。なお実施形態2を基礎としても同様の効果が得られる。
<実施形態3 構成の説明>
<実施形態3 将来請求体系変更手段(G)(0707)
「将来請求体系変更手段(G)」(0707)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更するように、請求体系変更部(E)(0705)内に構成される。
<実施形態3 将来請求体系変更手段(G):上限閾値による変更例:現在に基づき単独の将来を変更>
例えば、図49に示すように今月(5月)の需要家の市場価格連動体系による電力料金または需要家の電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報が所定の上限閾値を超えた場合に、来月(6月)又は再来月の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するというような例である。来月や再来月よりもさらに将来の所定期間の請求体系を変更するように構成することもできるが、現在に基づく予測が外れやすくなるため、再来月くらいまでの将来までとすることが好ましい。図49の例では、今月(5月)も将来である来月(6月)も市場価格連動体系であり、今月(5月)の電力料金が請求体系を変更する閾値である上限閾値を超えたため、今月(5月)と「将来」にあたる来月(6月)の請求体系が固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更された。このような事態は、市場取引価格が上昇した場合や、需要家の電力消費量が増えた場合に起こりうる。
<実施形態3 将来請求体系変更手段(G):上限閾値による変更例:過去と現在に基づき単独の将来を変更>
図50を用いて、現在と過去の電力料金の実績に基づいて将来の請求体系を切り替える場合の別の例を説明する。市場価格連動体系である現在(今月:5月)と過去(先月:4月)の実績に基づいて、市場価格連動体系である将来(来月:6月)の請求体系を切り替える。図50では、先月(4月)と今月(5月)の市場価格連動体系での電力料金の推移から来月(6月)は、今月(5月)以上の電力料金となると予測できる。予測の結果から、来月(6月)の請求体系を市場価格連動体系から、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ切り替える。なお過去の実績は同じ契約期間(例:当年)内の実績に限らず、過去の契約期間(例:過去の年、単独の契約期間でも複数の契約期間でもよい)の該当所定期間(例:過去の年の同じ月)の実績に基づいて予測するように構成することもできる。その際、過去の契約期間の該当所定期間と、現在の属する所定期間にも基づいて予測してもよい。例えば過去10年の5月と6月の電力料金の実績から、過去の5月の電力料金と6月の電力料金の関係を調べ、今年の5月の電力料金(実績、予測どちらでも可)に基づいて今年の6月の電力料金を予測する。
<実施形態3 将来請求体系変更手段(G):上限閾値による変更例:過去と現在に基づき複数の将来を変更>
図51を用いて、現在と過去の電力料金の実績に基づいて将来の請求体系を切り替える場合の、上記とは別の例を説明する。市場価格連動体系である現在(今月:4月)と過去(先月:3月)の実績に基づいて、市場価格連動体系である将来(来月:5月と再来月:6月)の請求体系を切り替える例である。図51では今月(4月)の電力料金が、請求体系を切り替える上限閾値を超えた。また先月(3月)と今月(4月)の市場価格連動体系での電力料金の推移から、来月(5月)及び再来月(6月)は今月(4月)と同等以上の電力料金となるとも予測できる。前記理由のどちらかまたは両方から、来月(5月)と再来月(6月)の請求体系を市場価格連動体系から、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ切り替える。
なお過去の実績は同じ契約期間(例:当年)内の実績に限らず、過去の契約期間(例:過去の年、単独の契約期間でも複数の契約期間でもよい)の該当所定期間(例:過去の年の同じ月)の実績に基づいて予測するように構成することもできる。その際、過去の契約期間の該当所定期間と、現在の所定期間にも基づいて予測してもよい。例えば過去10年の3月から6月の電力料金の実績から、過去の3月から6月にかけての電力料金の推移傾向を調べ、今年の3月と4月の電力料金(実績、予測どちらでも可)に基づいて今年の5月と6月の電力料金を予測する。
<実施形態3 将来請求体系変更手段(G):下限閾値による変更例:現在に基づき単独の将来を変更:供給者の利益確保>
逆に一の所定期間の連動体系需要家情報が所定の下限閾値を下回った場合には、同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するといった例である。供給者の適正な利益を確保することができる。図52を用いて説明する。過去である先月(3月)、現在である今月(4月)、将来である来月(5月)と再来月(6月)はすべてもともと市場価格連動体系である。先月(3月)の電力料金の実績は固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系電力料金を下回ったが、請求体系を切り替える閾値である下限閾値は下回らなかった。今月(4月)の電力料金の実績は下限閾値を下回った。そのため、将来(来月:5月)の請求体系を、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ切り替える。しかしながら今(4月)月の電力料金が下限閾値を下回ったため、来月(5月)の電力料金は下限閾値を下回る可能性があると予測し、今月(4月)と来月(5月)の電力料金を電力料金の下限閾値の金額とした例が図52の例である。または図53に示すように、下限閾値を下回った場合に、今月(4月)と来月(5月)の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金額)のいずれか一に切り替えるように構成してもよい。
<実施形態3 将来請求体系変更手段(G):下限閾値による変更例:過去に基づき単独の将来を変更:供給者の利益確保>
現在の属する一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する例を上記に説明したが、過去の一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更するように構成することもできる。例えば、図52や図53の例では、昨年の5月の連動体系需要家情報に基づいて、対応する今年の5月の請求体系を変更するといったように、過去の一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて、別の1つの所定期間の請求体系を変更するように構成することもできる。
<実施形態3 将来請求体系変更手段(G):下限閾値による変更例:現在に基づき複数の将来を変更:供給者の利益確保>
上記の図52、図53を用いた説明において、今月(4月)の電力料金の実績は下限閾値を下回ったことにより、将来の複数の所定期間(来月:5月、再来月:6月)の請求体系を、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金額)のいずれか一へ切り替えるように構成することもできる(図54、図55)。図54の例は、今月(4月)の電力料金が下限閾値を下回ったため、来月(5月)と再来月(6月)の電力料金は下限閾値を下回る可能性があると予測し、下限閾値の電力料金とした例である。または図55に示すように、今月(4月)の電力料金が下限閾値を下回った場合に、今月(4月)と来月(5月)と再来月(6月)の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金額)のいずれか一に切り替えるように構成してもよい。
<実施形態3 将来請求体系変更手段(G):下限閾値による変更例:過去に基づき複数の将来を変更:供給者の利益確保>
または、昨年の5月の連動体系需要家情報に基づいて、対応する今年の5月と、さらに将来の6月の請求体系を変更するといったように、過去の一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて、別の複数の所定期間の請求体系を変更するように構成することもできる。
<実施形態3 将来請求体系変更手段(G):複数の将来の請求体系を変更する際の範囲>
上記の図51や図52や図53を用いた説明のように、一の所定期間である今月(4月)の電力料金(連動体系需要家情報)に基づいて、もともと市場価格連動体系だった将来の来月(5月)と再来月(6月)までの複数の別の所定期間の請求体系を変更するように構成することができる。上記例の説明では、もともと固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系だった7月より先の、市場価格連動体系で電力料金を支払うべき月(10月、11月)の請求体系は変更しないルールとして説明した。請求体系を変更しようとする一の所定期間とは異なる、単独の将来の別の所定期間(もともとは市場価格連動体系で支払うべき所定期間)のみ請求体系を変更するように構成してもよいし、変更しようとする対象の前記単独の将来の別の所定期間に連続する将来のさらに別の複数の所定期間も請求体系を変更するように構成してもよい。この例は図51では、変更しようとする来月5月の請求体系に連続する再来月6月も請求体系を変更するということである。7月がもともと固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系であるため、6月までが請求体系の変更対象となる。
このように、複数の連続する所定期間の請求体系を市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更する場合に、もともと固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系で、電力料金を支払うべき所定期間に行き当たるまでの複数の所定期間すべての請求体系を変更するように構成することができる。または、請求体系を変更しようとする将来の別の所定期間が属する契約期間(供給者と需要家間の契約の単位期間。例:1年)内の、もともと市場価格連動体系で電力料金を支払うべきさらに別の将来の所定期間すべての請求体系を変更するように構成することもできる。この例は図51では、前記の来月5月と再来月6月に加え、10月と11月も請求体系の変更対象ということとなる。
さらに将来の所定期間の請求体系について、一の所定期間の連動体系需要家情報又は/及び一の所定期間以外の過去の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて、予測するように構成することができる。連動体系需要家情報を保持する連動体系需要家情報保持部を設け、さらにその中に、連動体系需要家情報が推移する傾向を予測する連動体系需要家情報傾向予測手段を設けることが好ましい。連動体系需要家情報保持部は、連動体系需要家情報を時系列的に保持するとなお好ましい。連動体系需要家情報傾向予測手段は、例えば今月(一の所定期間)の連動体系需要家情報の推移傾向に基づいて、翌月など将来の連動体系需要家情報を予測する。予測した将来の連動体系需要家情報と所定の閾値とに基づいて、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するように構成することができる。今月だけではなく今月を含むここ3カ月(今月、先月、先々月)の連動体系需要家情報に基づいて、翌月など将来の連動体系需要家情報を予測するように構成することもできる。
なお、将来請求体系変更手段(G)が変更する同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系は、変更後以降の所定期間すべてに適用されないように構成することもできる。例えば今月が12月であって、12月の連動体系需要家情報に基づいて1月の請求体系を変更する。その際に、同じような連動体系需要家情報が予想される2月も同様に請求体系を変更することができるが、3月以降の請求体系は変更しないといった例である。
<実施形態3 処理の流れ>
図8は、実施形態1を基礎とする実施形態3の計算機である電力料金課金システムの動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態3の電力料金課金システムでは、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S0801)と、請求体系保持ステップ(b)(S0802)と、連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S0803)と、変更ルールA保持ステップ(d)(S0804)と、請求体系変更ステップ(e)(S0805)と、将来請求体系変更サブステップ(g)(S0806)を有する。なお実施形態2を基礎としても同様の効果が得られる。
ここで計算機である電力料金課金システムの動作方法は、
市場取引価格情報取得ステップ(a)(S0801)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する処理を行い、
請求体系保持ステップ(b)(S0802)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得部(A)が取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する処理を行い、
連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S0803)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する処理を行い、
変更ルールA保持ステップ(d)(S0804)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する処理を行い、
請求体系変更ステップ(e)(S0805)は、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する処理を行う際に、
請求体系変更ステップ(e)(S0805)内の将来請求体系変更サブステップ(g)(S0806)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力料金課金システムに実行させる動作方法である。
<実施形態3 ハードウェアの説明>
実施形態1又は2のいずれか一を基礎とする本実施形態3における電力料金課金システムのハードウェア構成について、図9を用いて説明する。
図9は、実施形態1を基礎とする本実施形態3における電力料金課金システムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力料金課金システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態2を基礎としても同様の効果が得られる。
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、市場取引価格情報取得プログラム(a)と、請求体系保持プログラム(b)と、連動体系需要家情報取得プログラム(c)と、変更ルールA保持プログラム(d)と、請求体系変更プログラム(e)と、さらに将来請求体系変更サブプログラム(g)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、市場取引価格情報と、固定料金体系と、固定類似料金体系と、市場価格連動体系と、所定期間と、連動体系需要家情報と、変更ルールAなどが格納されている。
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている市場取引価格情報取得プログラム(a)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し電力卸売市場のサーバにアクセスし、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する。
そして、「メインメモリ」に格納されている請求体系保持ステップ(b)を実行して、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する。
そして、「メインメモリ」に格納された連動体系需要家情報取得プログラム(c)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し各需要家の電力消費量をスマートメータまたは高圧受変電設備(またはその監視装置)から取得し、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した変更ルールA保持プログラム(d)を実行して、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する。
そして「メインメモリ」に格納した請求体系変更プログラム(e)を実行して、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、「メインメモリ」に格納されている将来請求体系変更サブプログラム(g)を実行して、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する。
そして需要家に所定期間の電力料金を請求するための処理を行い、金融機関のサーバまたは/及び需要家の情報端末へ支払い依頼のための通知を出力する。
本実施形態3では実施形態1又は2のいずれか一の効果に加え、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて、該一の所定期間以外の将来の請求体系を変更することができる。これにより例えば市場取引価格が高騰した場合には、例えば一の所定期間(例:今月)の需要家の連動体系需要家情報(電力料金)が高騰するため、翌月の請求体系をあらかじめ固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更し翌月の需要家の負担を軽減することができる。
<実施形態4 概要>主に請求項4、13、22
実施形態1から3のいずれか一を基礎とする実施形態4の電力料金課金システムの請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する過去請求体系変更手段(H)を有するように構成される。
<実施形態4 機能的構成>
図10に実施形態1を基礎とする実施形態4の電力料金課金システムの機能ブロック図を示す。実施形態4の電力料金課金システムは、実施形態1の構成に加え、請求体系変更部(E)(1005)に、過去請求体系変更手段(H)(1008)を有する。なお実施形態2又は3のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
<実施形態4 構成の説明>
<実施形態4 過去請求体系変更手段(H)(1008)
「過去請求体系変更手段(H)」(1008)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更するように、請求体系変更部(E)(1005)内に構成される。
<実施形態4 過去請求体系変更手段(H):上限閾値:過去の請求体系変更>
例えば、需要家の今月の市場価格連動体系による電力料金または需要家の電力消費量を示す情報である連動体系需要家情報において、今月の連動体系需要家情報が所定の上限閾値を超えた場合に、先月以前の月の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するというような例である(図39参照)。過去の請求体系を変更するため、実際には需要家がこれから支払う予定だった電力料金を(請求体系の変更により)修正したり、需要家が電力料金を支払済の場合は支払った電力料金の差額分を払い戻したり、これからの支払予定の電力料金(今月、または来月以降の将来の電力料金)の一部と差額を相殺したりするなどの支払方法をとるように構成する。
上記のように、過去請求体系変更手段(H)が変更する同じ一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系は、変更対象所定期間より前の所定期間すべてに適用されないように構成することができる。図39に示す今月11月の連動体系需要家情報に基づいて10月の請求体系を変更した。その際に、同じように市場価格連動体系の電力料金を支払った図39 6月も同様に請求体系を変更することができるが、6月およびそれ以前の請求体系は変更しないといった例である。
<実施形態4 過去請求体系変更手段(H):上限閾値:複数の過去の請求体系変更>
過去の市場価格連動料金体系で電力料金を支払った所定期間に対し、複数の所定期間の請求体系を変更(市場価格連動体系から、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一への変更)をするように構成することができる。上記図39に示す例でいえば、11月に基づく先月10月の請求体系の変更だけではなく、その前の6月の請求体系も変更する。変更は固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系で電力料金を支払った所定期間に行き着くまで変更するようにも構成できる。その場合は11月に基づく請求体系の変更は10月までで、6月以前の請求体系は変更しない。または、供給者と需要家間の契約の単位期間(例:1年)内の過去の市場価格連動体系で電力料金を支払った所定期間を対象とするように構成してもよい(例:6月より前の月や昨年10月や11月などの請求体系の変更)。
実施形態1で図41(4月、5月、6月)を用いて説明したように、現在の属する一の所定期間だけではなく、将来の所定期間の予測連動体系需要家情報をも使用して、過去の一以外の所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するように構成してもよい。
<実施形態4 過去請求体系変更手段(H):下限閾値:過去の請求体系変更:供給者の利益確保>
上記例とは逆に、図56に示すように今月の連動体系需要家情報が所定の下限閾値を下回る場合に、今月と、先月以前の月の請求体系も市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金額)のいずれか一へ変更するというような例も考えられる。または、図57に示すように、今月が下限閾値を下回ったら、先月以前の月の請求体系も市場価格連動体系から、電力料金の下限閾値の金額とする例も考えられる。供給者の適正な利益確保のためである。
<実施形態4 過去請求体系変更手段(H):過去の請求体系変更:所定期間の分割>
請求体系を変更する対象の期間は月単位ではなく、料金の計算を行う所定期間(上記例では「月」)を分割した期間でもよい。例えば所定期間である月を2週間ごとに分けて月後半で所定の閾値を上回ったり、下回ったりした場合に、過去である月前半の請求体系を市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金額)のいずれか一の請求体系へ切り替えるように構成することができる(なお分割数は2には限定されない)。
<実施形態4 処理の流れ>
図11は、実施形態1を基礎とする実施形態4の計算機である電力料金課金システムの動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態4の電力料金課金システムでは、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S1101)と、請求体系保持ステップ(b)(S1102)と、連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S1103)と、変更ルールA保持ステップ(d)(S1104)と、請求体系変更ステップ(e)(S1105)と、過去請求体系変更サブステップ(h)(S1106)を有する。なお実施形態2又は3のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
ここで計算機である電力料金課金システムの動作方法は、
市場取引価格情報取得ステップ(a)(S1101)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する処理を行い、
請求体系保持ステップ(b)(S1102)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得部(A)が取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する処理を行い、
連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S1103)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する処理を行い、
変更ルールA保持ステップ(d)(S1104)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する処理を行い、
請求体系変更ステップ(e)(S1105)は、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する処理を行う際に、
請求体系変更ステップ(e)(S1105)内の過去請求体系変更サブステップ(h)(S1106)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力料金課金システムに実行させる動作方法である。
<実施形態4 ハードウェアの説明>
実施形態1から3のいずれか一を基礎とする本実施形態4における電力料金課金システムのハードウェア構成について、図12を用いて説明する。
図12は、実施形態1を基礎とする本実施形態4における電力料金課金システムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力料金課金システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態2又は3のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、市場取引価格情報取得プログラム(a)と、請求体系保持プログラム(b)と、連動体系需要家情報取得プログラム(c)と、変更ルールA保持プログラム(d)と、請求体系変更プログラム(e)と、さらに過去請求体系変更サブプログラム(h)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、市場取引価格情報と、固定料金体系と、固定類似料金体系と、市場価格連動体系と、所定期間と、連動体系需要家情報と、変更ルールAなどが格納されている。
CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている市場取引価格情報取得プログラム(a)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し電力卸売市場のサーバにアクセスし、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する。
そして、「メインメモリ」に格納されている請求体系保持ステップ(b)を実行して、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する。
そして、「メインメモリ」に格納された連動体系需要家情報取得プログラム(c)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し各需要家の電力消費量をスマートメータまたは高圧受変電設備(またはその監視装置)から取得し、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した変更ルールA保持プログラム(d)を実行して、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する。
そして「メインメモリ」に格納した請求体系変更プログラム(e)を実行して、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、「メインメモリ」に格納されている過去請求体系変更サブプログラム(h)を実行して、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する。
そして需要家に所定期間の電力料金を請求するための処理を行い、金融機関のサーバまたは/及び需要家の情報端末へ支払い依頼のための通知を出力する。
本実施形態4では実施形態1から3のいずれか一の効果に加え、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて、該一の所定期間以外の過去の請求体系を変更することができる。これにより例えば市場取引価格が高騰した場合には、例えば一の所定期間(例:今月)の需要家の連動体系需要家情報(電力料金)が高騰するため、先月の請求体系をさかのぼって固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更して差額を精算することで需要家の負担を軽減することができる。
<実施形態5 概要>主に請求項5、14、23
実施形態1から実施形態4のいずれか一を基礎とする実施形態5の電力料金課金システムは、変更ルールA保持部(D)内に電力消費量の上限閾値又は/及び下限閾値を示す情報である閾値情報を保持する閾値情報保持手段(L)を有し、閾値情報を利用して所定期間の請求体系を変更するルールである閾値依存変更ルールを保持する閾値依存変更ルール保持手段(M)を有するように構成される。
<実施形態5 機能的構成>
図13に実施形態1を基礎とする実施形態5の電力料金課金システムの機能ブロック図を示す。実施形態5の電力料金課金システムは実施形態1の構成に加え、変更ルールA保持部(D)(1304)内にさらに、閾値情報保持手段(L)(1309)と、閾値依存変更ルール保持手段(M)(1310)と、を有する。なお実施形態2から4のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
<実施形態5 構成の説明>
<実施形態5 閾値情報保持手段(L)(1309)
「閾値情報保持手段(L)」(1309)は、電力消費量の上限閾値又は/及び下限閾値を示す情報である閾値情報をデマンド区間に応じて保持するように変更ルールA保持部(D)(1304)内に構成される。電力消費量は、各請求体系の電力料金に換算できるため、実質的には電力料金と同等の意を持つということができる。そのため、閾値情報は電力料金(または請求体系ごとの単価を示す情報である単価情報)の上限閾値又は/及び下限閾値を示す情報として、デマンド区間に応じて保持するように構成してもよい。
「閾値情報」は、請求体系を変更する閾値を示す情報である。市場価格連動体系から、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するための閾値を示す情報が閾値情報である。
閾値情報は、市場価格連動体系での電力料金単価又は市場取引価格情報が示す市場取引価格(単価)の値によって、その示す上限閾値又は/及び下限閾値が変動するように構成することができる。前記電力料金単価又は/及び使用取引価格(単価)が高くなった時には、上限閾値を下げたり又は/及び下限閾値を上げたりする。逆に安くなった時には、上限閾値を上げたり又は/及び下限閾値を下げたりする。閾値情報の変動は上限閾値、下限閾値ごとに関数を用いて連続的に可変させるように構成してもよいが、利便性を考慮すると段階的に変動させること(例:2段階、3段階など)が好ましい。閾値情報は、適用される市場価格連動体系での電力料金単価又は市場取引価格情報取得部(A)が取得した市場取引価格情報が示す市場取引価格(単価)の範囲を示す情報である電力料金単価情報と関連付けて保持されるように構成することが好ましい。
閾値情報は、請求体系を算出する暦上の所定期間に需要家が消費する電力量に基づいて、その示す上限閾値又は/及び下限閾値が変動するように構成することもできる。大量に電力を消費する需要家には、上限閾値を下げたり又は/及び下限閾値を上げたりする。または逆に、大量に電力を消費する需要家には、電力消費を抑制させる効果を期して、上限閾値を上げたり叉は/及び下限閾値を下げたりする。電力の消費量に基づいた閾値情報の変動は段階的に変動させること(例:2段階、3段階など)が好ましい。閾値情報は、適用される電力の消費量の範囲と関連付けて保持されるように構成することが好ましい。
<実施形態5 閾値依存変更ルール保持手段(M)(1310)
「閾値依存変更ルール保持手段(M)」(1310)は、保持されている閾値情報を利用して変更するルールである閾値依存変更ルールを保持するように変更ルールA保持部(D)(1304)内に構成される。
<実施形態5 閾値依存変更ルール保持手段(M):上限閾値>
閾値依存変更ルールの例としては、デマンド区間に対する電力消費量(デマンド値、以下同じ)が上限閾値である閾値情報に達するかまたは前記閾値情報を超えたら請求体系を市場価格連動体系から固定料金体系又は固定類似料金体系へ変更するというルールや、デマンド値が所定期間内で上限閾値を超えた回数を計数した結果を保持するデマンド値上限閾値超回数保持部を設け、所定回数を超えたら固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するルールなどが考えられる。または、所定期間の市場取引価格(単価)の平均値に基づく市場価格連動体系での電力料金が、需要家の過去の電力消費実績に基づいた電力料金額である上限閾値を超えた場合や、所定期間の市場取引価格に連動する連動体系需要家情報(電力料金の請求額)が所定の上限閾値を超えた場合や、所定期間の電力消費量が所定の上限閾値を超えた場合などに変更する閾値依存変更ルールも考えられる。
閾値依存変更ルールの別の一例としては、需要家が高圧電力の需要家の場合に、需要家の電力消費実績情報を時系列的に保持する電力消費実績情報保持部を設け、過去の需要家のデマンド区間当たり最大電力消費量を上限閾値として閾値情報保持手段(L)に保持し、需要家のデマンド区間当たりの電力消費量が上限閾値を超えたら、電力料金の請求体系における基本料金を変更する(増額する)ルールが考えられる。
<実施形態5 閾値依存変更ルール保持手段(M):下限閾値:供給者の利益確保>
下限閾値の閾値情報を用いる閾値依存変更ルールの例としては、デマンド値が下限閾値である閾値情報に達するかまたは前記閾値情報を下回ったら請求体系を市場価格連動体系から固定料金体系又は固定類似料金体系へ変更するというルールや、デマンド値が下限閾値を下回った回数が所定回数以上である場合に市場価格連動体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(下限閾値の電力料金額)のいずれか一へ変更するというルールである。所定期間の電力料金が少なすぎると、供給者が適正な利益を得られない場合がありうるからである。適正な利益が得られなければ供給者の事業継続が困難となって、結局需要家が不利益を被る可能性がある。
または、所定期間の市場価格連動体系での電力料金が所定の下限閾値を下回った場合や、所定期間の電力消費量が電力消費量下限閾値を下回った場合など、請求額が少なくなりすぎる場合に変更する閾値依存変更ルールとしてもよい。
<実施形態5 閾値依存変更ルール保持手段(M):閾値情報の変更>
閾値情報が示す上限閾値又は/及び下限閾値を、需要家の電力の消費量や、市場価格連動体系での電力料金単価又は市場取引価格情報が示す市場取引価格(単価)に基づく変更(連続的変更又は段階的変更)の仕方について、閾値依存変更ルールに含むように構成することができる。
電力料金または電力消費量の閾値情報を用いた請求体系の切替に関するルールの具体例については、実施形態1から4のところで、上限閾値又は/及び下限閾値を用いたルールとして説明済みのため省略する。
<実施形態5 処理の流れ>
図14は、実施形態1を基礎とする実施形態5の計算機である電力料金課金システムの動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態5の電力料金課金システムでは、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S1401)と、請求体系保持ステップ(b)(S1402)と、連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S1403)と、変更ルールA保持ステップ(d)(S1404)と、変更ルールA保持ステップ(d)(S1404)内の閾値情報保持サブステップ(l)(S1405)と閾値依存変更ルール保持サブステップ(m)(S1406)と、請求体系変更ステップ(e)(S1407)と、を有する。なお実施形態2から4のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
ここで計算機である電力料金課金システムの動作方法は、
市場取引価格情報取得ステップ(a)(S1401)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する処理を行い、
請求体系保持ステップ(b)(S1402)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得部(A)が取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する処理を行い、
連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S1403)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する処理を行い、
変更ルールA保持ステップ(d)(S1404)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する処理を行い、
変更ルールA保持ステップ(d)(S1404)内の閾値情報保持サブステップ(l)(S1405)は、電力消費量の上限閾値又は/及び下限値を示す情報である閾値情報をデマンド区間に応じて保持する処理を行い、
変更ルールA保持ステップ(d)(S1404)内の閾値依存変更ルール保持サブステップ(m)(S1406)は、保持されている閾値情報を利用して変更するルールである閾値依存変更ルールを保持する処理を行い、
請求体系変更ステップ(e)(S1407)は、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力料金課金システムに実行させる動作方法である。
<実施形態5 ハードウェアの説明>
実施形態1から4のいずれか一を基礎とする本実施形態5における電力料金課金システムのハードウェア構成について、図15を用いて説明する。
図15は、実施形態1を基礎とする本実施形態5における電力料金課金システムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力料金課金システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態2から4のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、市場取引価格情報取得プログラム(a)と、請求体系保持プログラム(b)と、連動体系需要家情報取得プログラム(c)と、変更ルールA保持プログラム(d)と、請求体系変更プログラム(e)と、閾値情報保持サブプログラム(l)と、閾値依存変更ルール保持サブプログラム(m)と、である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、市場取引価格情報と、固定料金体系と、固定類似料金体系と、市場価格連動体系と、所定期間と、連動体系需要家情報と、変更ルールAと、さらに閾値情報が格納されている。
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている市場取引価格情報取得プログラム(a)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し電力卸売市場のサーバにアクセスし、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する。
そして、「メインメモリ」に格納されている請求体系保持ステップ(b)を実行して、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する。
そして、「メインメモリ」に格納された連動体系需要家情報取得プログラム(c)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し各需要家の電力消費量をスマートメータまたは高圧受変電設備(またはその監視装置)から取得し、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した変更ルールA保持プログラム(d)を実行して、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する。
「メインメモリ」に格納されている閾値情報保持サブプログラム(l)を実行して、電力消費量の上限閾値又は/及び下限値を示す情報である閾値情報をデマンド区間に応じて保持する。
「メインメモリ」に格納されている閾値依存変更ルール保持サブプログラム(m)を実行して、保持されている閾値情報を利用して変更するルールである閾値依存変更ルールを保持する。
そして「メインメモリ」に格納した請求体系変更プログラム(e)を実行して、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、「メインメモリ」に格納されている過去請求体系変更サブプログラム(h)を実行して、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する。
そして需要家に所定期間の電力料金を請求するための処理を行い、金融機関のサーバまたは/及び需要家の情報端末へ支払い依頼のための通知を出力する。
本実施形態5の本システムは実施形態1から4のいずれか一の効果に加え、変更ルールA保持部に電力消費量の上限閾値又は/及び下限閾値を示す情報である閾値情報を保持し、該閾値情報を利用する閾値変更ルールを利用することにより、閾値に応じて請求体系を変更することができる。市場取引価格連動体系を採用する需要家の電力消費量が多い場合に、電力消費量の閾値情報に基づいて請求体系を変更することによって、需要家の負担を減らすことができる。または電力消費量の下限閾値を設けることにより、市場取引価格連動体系を採用する需要家の電力消費量が少ない場合には、請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の固定額)のいずれか一へ変更することで、供給者の適正利益を確保し事業の安定継続を図ることができる。
<実施形態6 概要>主に請求項6、15、24
実施形態6の電力料金課金システムは、各需要家情報の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報に基づいて所定期間の請求体系を、保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて変更するように構成される。
<実施形態6 機能的構成>
図16に実施形態6の電力料金課金システムの機能ブロック図を示す。実施形態6の電力料金課金システムは、市場取引価格情報取得部(A)(1601)と、市場取引価格情報保持部(N)(1611)と、請求体系保持部(B)(1602)と、連動体系需要家情報取得部(C)(1603)と、変更ルールB保持部(O)(1612)と、請求体系変更部(E)(1605)と、を有する。
<実施形態6 構成の説明>
先に説明済みの実施形態と説明が重複する部分もあるが改めて記載する。
<実施形態6 市場取引価格情報取得部(A)(1601)>
「市場取引価格情報取得部(A)」(1601)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得するように構成される。
<実施形態6 市場取引価格情報保持部(N)(1611)
「市場取引価格情報保持部(N)」(1611)は、市場取引価格情報取得部(A)(1601)が取得した市場取引価格情報を保持するように構成される。市場取引価格は電力の売買量に対する総額であってもよいし、デマンド区間ごとの単価であってもよい。
市場取引価格情報保持部(N)に市場取引価格情報を保持する際には、時系列的に保持することが望ましい。年月日と時間(デマンド区間)を示す時間軸の情報であるデマンド区間情報と関連付けて保持することにより、後記する変更ルールBにて市場取引価格自体や市場取引価格の所定期間内の推移も、請求体系の変更のきっかけとして使用できる。そのために、市場取引価格の短期間の推移傾向を示す情報である短期トレンド情報(例:1時間毎、1日毎、1週間毎、2週間毎、1カ月毎など、1カ月以内くらいの期間)を保持する市場取引価格短期トレンド情報保持手段を市場取引価格情報保持部(N)に設けることができる。同様に市場取引価格の長期間の推移傾向を示す情報である長期トレンド情報(例:2か月毎、半年毎、1年毎など、1カ月以上の期間でのトレンド)を保持する市場取引価格長期トレンド情報保持手段を市場取引価格情報保持部(N)に設けることができる。そして、市場取引価格の短期トレンド情報と長期トレンド情報との比較情報である短期長期トレンド比較情報を保持する市場取引価格短期長期トレンド比較情報保持手段を市場取引価格情報保持部(N)に設けることもできる。さらに、短期トレンド情報、長期トレンド情報、短期長期トレンド比較情報のいずれか一以上に基づいて、所定期間の市場取引価格を予測した情報である市場取引価格予測情報を取得する市場取引価格予測情報取得手段を市場取引価格情報取得部(A)に設けてもよい。市場取引価格予測情報にもとづいて、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するように構成することができる。
トレンド情報としては、市場取引価格推移の近似関数の微分などが例として考えられる。短期トレンド情報は例えば、デマンド時間ごとの市場取引単価をそのまま使用したり、一日間の市場取引価格の平均値や最大値や最小値などを、該当日を代表する代表市場取引価格として使用したりして、1週間や一月内程度の短期トレンドの情報を得るように構成することができる。長期トレンド情報は例えば、前記1日間の代表市場取引価格の1週間ごとの平均値や最大値や最小値などを該当週の市場取引価格として使用したり、月ごとの平均値や最大値や最小値などを該当月の市場取引価格として使用したりして、2カ月毎、半年毎、1年毎など、1カ月以上の期間での長期トレンドの情報を得るように構成することができる。
<実施形態6 請求体系保持部(B)(1602)>
「請求体系保持部(B)」(1602)は、需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持するように構成される。
「暦上の所定期間」及び「暦上の所定期間と関連付ける」とは、実施形態1で説明した内容と同様の為、説明を省略する。実施形態1と同様に、契約期間内の請求体系を市場価格連動体系と、固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)の割り振りについて、それぞれの請求体系を選択できる数を供給者と需要家間での契約に規定し、どの期間をどの請求体系とするか需要家に選択させるようにも構成できる。
<実施形態6 連動体系需要家情報取得部(C)(1603)>
「連動体系需要家情報取得部(C)」(1603)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得するように構成される。
<実施形態6 変更ルールB保持部(O)(1612)>
「変更ルールB保持部(O)」(1612)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持するように構成される。
変更ルールBは、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである場合には実質的に変更ルールAと同内容となる。変更ルールBが、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである場合や、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである場合や、保持されている市場取引価格情報(市場取引価格(単価)自体、または所定期間内の市場取引価格(単価)を処理した結果)に基づいて請求体系を変更するルールを含むことが、変更ルールAとは異なる点である。
<実施形態6 変更ルールB保持部(O):変更ルールBの例の説明>
変更ルールBの例のいくつかを図58他を用いて説明する。図58は所定の期間の市場取引価格の推移を示したグラフである。例えば、所定の期間はひと月であり、市場取引価格は日毎の市場取引価格(例:デマンド区間ごとの市場取引単価)である。図58の模擬グラフの横軸は時間(例:日)であり、縦軸は市場取引価格(例:円/kWh)である。図中に所定期間内での市場取引価格最大値の上限閾値と、市場取引価格が越えた回数を計数するための閾値と、所定期間内の市場取引価格の平均の閾値の3種の閾値を示す。
<実施形態6 変更ルールB保持部(O):変更ルールBの例:上限閾値>
変更ルールBの例としては、変更ルールAと同内容のルールの他に、
所定期間の市場取引価格(単価)の平均値が所定上限閾値を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するルール(図58に示す市場取引価格の平均は、棒グラフで示す平均の閾値を超えているので、図58に示す所定期間の請求体系は変更される)、
所定期間の市場取引価格(単価)の最大値が所定上限閾値を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するルール(図58に示す市場取引価格最大値の閾値を、所定期間内の市場取引価格の最大値が越しているので、図58に示す所定期間の請求体系は変更される)、
所定期間の市場取引価格(単価)の最小値が所定上限閾値を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するルール(図示せず)、
所定期間内で市場取引価格(単価)が所定上限閾値を超えた事例が発生した日が所定日数に達した場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するルール(例えば、市場取引価格が閾値を超えた回数が5回以上ならば、その所定期間の請求体系を変更するルールならば、図58の所定期間では6回以上閾値を超えているため、請求体系が変更される)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間の初めの方の区間(例:期間の開始から期間の長さの10%の区間、期間の前半分の区間など)での市場取引価格の短期トレンドを示す短期トレンド情報が所定上限閾値を超える場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するルール(短期トレンド情報が閾値として所定期間の市場取引価格の最大値の上限閾値を超えた場合に請求体系を変更するルールであるならば、図58の例では所定期間の開始から長さの10%の期間での近似線(点線)は所定の期間終了時点までに該当閾値を超えるため、請求体系が変更される)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間の初めの方の区間(例:期間の開始から期間の長さの10%の区間、期間の前半分の区間など)での市場取引価格の短期トレンドを示す短期トレンド情報が所定上限閾値を超え、前記期間の市場価格連動体系での電力料金が、仮に需要家への請求体系が前記期間に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一であった場合の電力料金よりも高額である場合または/および所定の電力料金上限閾値を超える場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(図示せず)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間の電力料金が、仮に需要家への請求体系が前記期間に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一であった場合の電力料金よりも高額であるまたはそのように予測される場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(例:図37 11月、図38 3月等)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間よりも過去の市場取引価格のトレンド(長期トレンド:例 直前の期間、前記期間直前の半年間など)から、前記期間での市場取引価格が所定の上限閾値を超えると予測される場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(例:図50 6月)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間よりも過去の市場取引価格のトレンド(長期トレンド:例 直前の期間、前記期間直前の半年間など)と、需要家の過去の電力消費実績に基づいて、前記期間において市場価格連動体系での電力料金の方が、仮に需要家が固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系で前記期間に支払うと予測される電力料金よりも高額である場合またはそのように予測される場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(図示せず)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間よりも過去の市場取引価格の長期トレンド(例 前記期間直前の半年間、前記期間直前の1年間または5年間などの市場取引価格の推移傾向)と、市場価格連動体系に関連付けられている所定期間よりも過去の市場取引価格の短期トレンド(例 前記期間直前の所定期間、前記期間直前の3つ分の所定期間などの市場取引価格の推移傾向)とを比較した短期長期トレンド比較情報と、需要家の過去の電力消費実績に基づいて、前記期間において市場価格連動体系での電力料金の方が、仮に需要家が固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系で前記期間に支払うと予測される電力料金または請求体系切替用上限閾値の電力料金を超える場合またはそのように予測される場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール、
などが考えられる。なお、上記変更ルールBに則って請求体系を市場価格連動体系から切り替える際に、上記のように固定単価体系に切り替えるのではなく固定料金体系または固定類似料金体系へ切り替えるルールでもよい。
<実施形態6 変更ルールB保持部(O):短期長期トレンド情報:上限閾値>
短期長期トレンド比較情報の例としては、例えば図65に示すように電力供給能力が増強され長期的に安定して供給され市場取引価格が低下傾向にあるような長期トレンドであって、短期的に発電所の故障停止などによって一時的な供給不足が生じて直近の市場取引価格の短期トレンドが増加傾向にあるような場合が考えられる。図65の例では、太実線で市場取引価格が示され、今月(7月)に対し過去6カ月(1月から6月)の市場取引価格に基づく長期トレンドとそこから予測される今月以降の予測長期トレンド(太点線)と、先月(6月)から今月(7月)途中にかけての市場取引価格に基づく短期トレンド(急に市場取引価格が上昇開始)とそこから予測される今月以降の短期トレンド(細点線)と、予測長期トレンドと予測短期トレンドに基づく短期長期トレンド比較情報(一点鎖線)とを示している(後記する図66、図67の表記も同様)。予測短期トレンドでは来月には請求体系を切り替える上限閾値を超える見込みだが、短期トレンドと長期トレンドを比較した短期長期トレンド比較情報に基づくと上限閾値は越さない見込みとなる。図66の例では、予測短期トレンドでは上限閾値を越さない見込みだが、短期長期トレンド比較情報に基づくと来月には上限閾値を超す見込みとなる。短期長期トレンド比較情報をもちいることにより、一層正確に請求体系の切替を行うことができる。市場取引価格情報を用いることにより、需要家にとって、電力需給ひっ迫や外的要因に拠る燃料代高騰などによる市場取引価格高騰に拠る予期せぬ高額の電力料金負担を避けることができる。
<実施形態6 変更ルールB保持部(O):変更ルールBの例:下限閾値:供給者の利益確保>
上記とは別の下限閾値に関する変更ルールBの例としては(図59他参照)、
所定期間の市場取引価格(単価)の平均値が所定の下限閾値を下回った場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一へ請求体系を切り替えるルール(図59に示す市場取引価格の平均は、棒グラフで示す平均の閾値を下回っているので、図59の所定期間の請求体系は変更される)、
所定期間の市場取引価格(単価)の最小値が所定下限閾値を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一へ請求体系を変更するルール(図59に示す市場取引価格最小値の閾値を、所定期間内の市場取引価格の最小値が越しているので、図59の所定期間の請求体系は変更される)、
所定期間の市場取引価格(単価)の最大値が所定下限閾値を超えた場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一へ請求体系を変更するルール(図示せず)、
所定期間内で市場取引価格(単価)が所定下限閾値を超えた事例が発生した日が所定日数に達した場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一へ請求体系を変更するルール(例えば、市場取引価格が閾値を下回った回数が5回以上の時に、その所定期間の請求体系を変更するルールならば、図59の所定期間では5回以上閾値を下回っているため、請求体系が変更される)、
所定期間内で市場取引価格(単価)が所定下限閾値を下回った事例が発生したデマンド区間が所定数に達した場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一へ請求体系を変更するルール(図示せず)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間の初めの方の区間(例:期間の開始から期間の長さの10%の区間、期間の前半分の区間など)での市場取引価格の短期トレンドが所定下限閾値を下回る場合に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一の請求体系へ変更するルール(短期トレンド情報が所定期間の市場取引価格の最小値の下限閾値を超えた場合に請求体系を変更するルールであるならば、図59の例では所定期間の開始から長さの10%の期間での近似線(点線)は所定の期間終了時点までに該当閾値を下回るため、請求体系が変更される)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間の初めの方の区間(例:期間の開始から期間の長さの10%の区間、期間の前半分の区間など)での市場取引価格の短期トレンドが所定下限閾値を下回り続け、前記期間の市場価格連動体系での電力料金が、仮に需要家への請求体系が前記期間に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一であった場合の電力料金よりも低額である場合または/および所定の電力料金下限閾値を下回る場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(図示せず)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間の電力料金が、仮に需要家への請求体系が前記期間に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一であった場合の電力料金よりも低額であるまたはそのように予測される場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(図63参照。固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一ではなく図64のように下限閾値の電力料金としてもよい)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間よりも過去の市場取引価格のトレンド(長期トレンド:例 直前の期間、前記期間直前の半年間など)から、前記期間での市場取引価格が所定の下限閾値を下回ると予測される場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(図示せず)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間よりも過去の市場取引価格のトレンド(長期トレンド:例 直前の期間、前記期間直前の半年間など)と、需要家の過去の電力消費実績に基づいて、前記期間において市場価格連動体系での電力料金の方が、仮に需要家への請求体系が前記期間に固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一であった場合の電力料金よりも低額であるまたはそのように予測される場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(図示せず)、
市場価格連動体系に関連付けられている所定期間よりも過去の市場取引価格の長期トレンド(例 前記期間直前の半年間、前記期間直前の1年間または5年間などの市場取引価格の推移傾向)と、市場価格連動体系に関連付けられている所定期間よりも過去の市場取引価格の短期トレンド(例 前記期間直前の所定期間、前記期間直前の3つ分の所定期間などの市場取引価格の推移傾向)とを比較した短期長期トレンド比較情報と、需要家の過去の電力消費実績に基づいて、前記期間において市場価格連動体系での電力料金の方が、仮に需要家が固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系で前記期間に支払うと予測される電力料金または請求体系切替用下限閾値の電力料金を下回る場合またはそのように予測される場合に、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金)のいずれか一の請求体系へ切り替えるルール(前記下限閾値の電力料金とするルールでもよい)、
などが考えられる。なお、下限閾値に関する上記変更ルールBに則って請求体系を市場価格連動体系から切り替える際に、上記のように固定単価体系に切り替えるのではなく固定料金体系または固定類似料金体系へ切り替えるルールでもよい。または下限閾値の電力料金額とする変更ルールBとしてもよい。下限閾値に関するルールの設定は、供給者が適正な利益を確保するためである。
<実施形態6 変更ルールB保持部(O):短期長期トレンド情報:下限閾値:供給者の利益確保>
短期長期トレンド比較情報の例としては、図67に示すように原油価格や天然ガス価格が長期的に値上がり傾向にあって市場取引価格の長期トレンドが増加傾向にある一方、短期的には温暖で快晴な天候が続いて太陽光発電による電力供給増と需要の低下により市場取引価格の短期トレンドが低下傾向にあるような場合が考えられる。図67の例では、市場取引価格の予測短期トレンドでは、請求体系を切り替える閾値である下限閾値を来月下回る見込みだが、予測長期トレンドは一貫して増加傾向にあるため下限閾値は下回らない見込みである。市場取引価格の長期トレンドと短期トレンドを比較した短期長期トレンド比較情報の来月以降の予測である予測短期長期トレンド比較情報では、下限閾値を下回らない見込みとなる。短期長期トレンド比較情報をもちいることにより、一層正確に請求体系の切替を行うことができる。市場取引価格情報を用いることにより、供給者にとって、太陽光発電の普及などによる市場取引価格の急激な低下によって市場価格連動体系での電力料金が適正な利益が得られる水準以下まで下がってしまうことを防止できる。需要家にとっては不利益に見えるが、供給者の収益が悪化し事業継続できなくなれば、需要家は他の供給者を探して切り替えねばならず、同様の請求体系で電力購入できるかは不明であるため、需要家にとっても利がある。
変更ルールBの例として、市場取引価格情報の推移傾向を示す長期トレンド情報と短期トレンド情報との比較情報である短期長期トレンド比較情報を用いて、短期トレンド情報または長期トレンド情報を単独で使用するよりも正確な予測を行った結果に基づいて、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するルールとしてもよい。
<実施形態6 変更ルールB保持部(O):複数ルールの併用>
保持されている変更ルールBは、後記する請求体系変更部(E)にて請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、いずれか一つの変更ルールBに基づくことには限定されない。いずれか二以上の変更ルールBに基づいて変更するように構成することができる。例えば上限閾値に関する変更ルールBと、下限閾値に関する変更ルールBを両方使用する場合である。
<実施形態6 請求体系変更部(E)(1605)>
「請求体系変更部(E)」(1605)は、保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するように構成される。請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に連動体系需要家情報と共に基づく変更ルールAは、いずれか一つの変更ルールBに基づくことには限定されない。いずれか二以上の変更ルールBに基づいて変更するように構成することができる。例えば上限閾値に関する変更ルールBと、下限閾値に関する変更ルールBを両方使用する場合である。
<実施形態6 処理の流れ>
図17は、実施形態6の計算機である電力料金課金システムの動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態6の電力料金課金システムでは、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S1701)と、市場取引価格情報保持ステップ(n)(S1702)と、請求体系保持ステップ(b)(S1703)と、連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S1704)と、変更ルールB保持ステップ(o)(S1705)と、請求体系変更ステップ(e)(S1706)と、を有する。
ここで計算機である電力料金課金システムの動作方法は、
市場取引価格情報取得ステップ(a)(S1701)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する処理を行い、
市場取引価格情報保持ステップ(n)(S1702)は、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S1701)が取得した市場取引価格情報を保持する処理を行い、
請求体系保持ステップ(b)(S1703)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する処理を行い、
連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S1704)は、各各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する処理を行い、
変更ルールB保持ステップ(o)(S1705)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する処理を行い、
請求体系変更ステップ(e)(S1706)は、保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力料金課金システムに実行させる動作方法である。
<実施形態6 ハードウェアの説明>
本実施形態6における電力料金課金システムのハードウェア構成について、図18を用いて説明する。
図18は、本実施形態6における電力料金課金システムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力料金課金システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、市場取引価格情報取得プログラム(a)と、市場取引価格情報保持プログラム(n)と、請求体系保持プログラム(b)と、連動体系需要家情報取得プログラム(c)と、変更ルールB保持プログラム(o)と、請求体系変更プログラム(e)と、である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、市場取引価格情報と、固定料金体系と、固定類似料金体系と、市場価格連動体系と、所定期間と、連動体系需要家情報と、変更ルールBなどが格納されている。
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている市場取引価格情報取得プログラム(a)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し電力卸売市場のサーバにアクセスして、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した市場取引価格情報保持プログラム(n)を実行して、取得した市場取引価格情報を保持する。
そして、「メインメモリ」に格納されている請求体系保持ステップ(b)を実行して、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する。
そして、「メインメモリ」に格納された連動体系需要家情報取得プログラム(c)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し各需要家の電力消費量をスマートメータまたは高圧受変電設備(またはその監視装置)から取得し、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した変更ルールB保持プログラム(o)を実行して、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する。
そして「メインメモリ」に格納した請求体系変更プログラム(e)を実行して、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する。
そして需要家に所定期間の電力料金を請求するための処理を行い、金融機関のサーバまたは/及び需要家の情報端末へ支払い依頼のための通知を出力する。
本実施形態6の本システムは、市場取引価格情報を取得し、各需要家の連動体系需要家情報(所定期間の電力消費量)又は/および保持されている市場取引価格情報(トレンドなど)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更することができ、突発的な上昇ではなく長期的な上昇傾向などに応じて請求体系を変更することができる。
<実施形態7 概要>主に請求項7、16、25
実施形態6を基礎とする実施形態7の電力料金課金システムは、各需要家情報の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報に基づいて所定期間の請求体系を、保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて変更される際に、請求体系変更部(E)の同時期請求体系変更手段(F)が一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更するように構成される。
<実施形態7 機能的構成>
図19に実施形態6を基礎とする実施形態7の電力料金課金システムの機能ブロック図を示す。実施形態7の電力料金課金システムは実施形態6の構成に加えてさらに、請求体系変更部(E)(1905)内に同時期請求体系変更手段(F)(1906)を有する。
<実施形態7 構成の説明>
<実施形態7 同時期請求体系変更手段(F)(1906)>
「同時期請求体系変更手段(F)」(1906)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更するように、請求体系変更部(E)(1905)内に構成される。前記一の所定期間内に関連付けられている連動体系需要家情報又は/および保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報、市場取引価格(単価)など)に基づいて請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更する変更ルールBと、取得された前記一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて請求体系を変更するように構成される。そのため、以下電力料金を用いて請求体系の変更を説明しているが、電力消費量や市場取引情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報、市場取引価格(単価)など)に基づいて、前記所定期間の請求体系を変更するように構成することもできる。
本実施形態7では「一の所定期間」とは、例えば暦上のひと月や2週間など実施形態1で説明した「暦上の所定期間」のうち他の所定期間と区別する区間を言う。
本実施形態7での請求体系の変更は、以下のような2つの場合がありうる。一つは、例えば電力料金の計算を2週間毎(または月半ばと月末などの2回)に行う場合である(電力料金の集金は月末締めなど月ごとにまとめて集金してもよい)。この場合、当月初めから2週間経過時点(または例えば14日や15日など)で連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)が所定の上限閾値を超えた場合に、市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ以後切り替える場合である。この場合一の所定期間は2週間(または半月)であり、すでに経過した2週間分は市場価格連動体系で電力料金計算され、請求体系変更後の2週間は固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系で電力料金が計算される。
もう一つの例は、例えば電力料金の計算をひと月ごとに行う場合である。この場合、前回締め日から2週間経過時点で連動体系需要家情報または/及び市場取引価格情報が所定の上限閾値を超えた場合に、すでに経過した2週間分を含めてひと月分すべての電力料金計算を、市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ請求体系を変更して行うという例である。この例の場合は一の所定期間はひと月であり、ひと月内で連動体系需要家情報に基づいた条件に達したことによって、請求体系が切り替えられる。実施形態2では電力消費量または電力料金に基づいて請求体系を変更したが、本実施形態では市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報、市場取引価格(単価)など)にも基づいて請求体系を変更することもできる。なおこれらの説明では、一の所定期間を2週間またはひと月としたがこれには限定されない。
<実施形態7 同時期請求体系変更手段(F):切替例:当月の電力料金予測>
上限閾値を実際の連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)が越えた場合が上記2例であるが、一の期間の途中の推移(または過去の連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)の実績を使用してもよい)に基づいて一の期間の連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)を予測し、連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)の上限値を超えると予測された場合に、前記一の期間に適用する請求体系を市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ切り替えるように構成してもよい。図43に示すグラフを用いて説明する。上記例のようにひと月ごとに電力料金を計算する請求体系において、2週間経過時点(14日経過)で当月の連動体系需要家情報として電力料金を予測する場合、当月分の電力料金が上限閾値を超えると予測できるのは図43のC、Eの2つのグラフである。
<実施形態7 同時期請求体系変更手段(F):切替例:当月の電力料金予測:精算>
Eのグラフでは実際には当月末締めの電力料金は上限閾値以下の結果となっている。そのため、まだ需要家から集金していなければ締め日での結果をもって再度当月の請求体系を切り替えて電力料金を計算して、請求集金する。もし需要家から集金済であれば、翌月以降の電力料金集金時に差額を精算するように構成する。逆に上限閾値を超えないとの予測だったのに、結局一の所定期間での連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)の上限閾値を超えた場合は、上記と同様未集金であれば請求体系を切り替えて電力料金を算出して請求集金し、集金済であれば翌月以降の電力料金集金時に差額を精算するように構成する。
<実施形態7 同時期請求体系変更手段(F):切替例:当月の電力料金予測が下限閾値を下回った場合:供給者の利益確保>
また、上記説明では一の所定期間内で連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)が所定の閾値(例:上限閾値)を超えた場合を例として説明したが、逆に一の所定期間内で連動体系需要家情報(電力料金または電力消費量)が所定の閾値(例:下限閾値)を下回った場合に、市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または固定金額。例:下限閾値の金額)のいずれか一の請求体系へ切り替えるように構成することもできる。供給者が適正な利益を確保することができる。
<実施形態7 処理の流れ>
図20は、実施形態6を基礎とする実施形態7の計算機である電力料金課金システムの動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態7の電力料金課金システムでは、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S2001)と、市場取引価格情報保持ステップ(n)(S2002)と、請求体系保持ステップ(b)(S2003)と、連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S2004)と、変更ルールB保持ステップ(o)(S2005)と、請求体系変更ステップ(e)(S2006)と、さらに同時期請求体系変更サブステップ(f)(S2007)を有する。
ここで計算機である電力料金課金システムの動作方法は、
市場取引価格情報取得ステップ(a)(S2001)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する処理を行い、
市場取引価格情報保持ステップ(n)(S2002)は、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S2001)が取得した市場取引価格情報を保持する処理を行い、
請求体系保持ステップ(b)(S2003)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する処理を行い、
連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S2004)は、各各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する処理を行い、
変更ルールB保持ステップ(o)(S2005)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する処理を行い、
請求体系変更ステップ(e)(S2006)は、保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、
請求体系変更ステップ(e)(S2006)内の同時期請求体系変更サブステップ(f)(S2007)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力料金課金システムに実行させる動作方法である。
<実施形態7 ハードウェアの説明>
実施形態6を基礎とする本実施形態7における電力料金課金システムのハードウェア構成について、図21を用いて説明する。
図21は、実施形態6を基礎とする本実施形態7における電力料金課金システムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力料金課金システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、市場取引価格情報取得プログラム(a)と、市場取引価格情報保持プログラム(n)と、請求体系保持プログラム(b)と、連動体系需要家情報取得プログラム(c)と、変更ルールB保持プログラム(o)と、請求体系変更プログラム(e)と、さらに同時期請求体系変更サブプログラム(f)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、市場取引価格情報と、固定料金体系と、固定類似料金体系と、市場価格連動体系と、所定期間と、連動体系需要家情報と、変更ルールBなどが格納されている。
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている市場取引価格情報取得プログラム(a)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し電力卸売市場のサーバにアクセスして、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した市場取引価格情報保持プログラム(n)を実行して、取得した市場取引価格情報を保持する。
そして、「メインメモリ」に格納されている請求体系保持ステップ(b)を実行して、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する。
そして、「メインメモリ」に格納された連動体系需要家情報取得プログラム(c)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し各需要家の電力消費量をスマートメータまたは高圧受変電設備(またはその監視装置)から取得し、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する・
「メインメモリ」に格納した変更ルールB保持プログラム(o)を実行して、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する。
そして「メインメモリ」に格納した請求体系変更プログラム(e)を実行して、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、「メインメモリ」に格納されている同時期請求体系変更サブプログラム(f)を実行して、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する。
そして需要家に所定期間の電力料金を請求するための処理を行い、金融機関のサーバまたは/及び需要家の情報端末へ支払い依頼のための通知を出力する。
本実施形態7の本システムは、市場取引価格情報を取得し、各需要家の連動体系需要家情報(所定期間の電力消費量)又は/および保持されている市場取引価格情報(トレンドなど)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更することができる実施形態6の効果に加え、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更することができる。例えば今月の連動体系需要家情報が増大した際に、今月の請求体系を変更するといったことが可能となる。
<実施形態8 概要>主に請求項8、17、26
実施形態6又は7のいずれか一を基礎とする実施形態8の電力料金課金システムは、各需要家情報の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報に基づいて所定期間の請求体系を、保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて変更される際に、請求体系変更部(E)の将来請求体系変更手段(F)が一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更するように構成される。
<実施形態8 機能的構成>
図22に実施形態6を基礎とする実施形態8の電力料金課金システムの機能ブロック図を示す。実施形態8の電力料金課金システムは実施形態6の構成に加えてさらに、請求体系変更部(E)(2205)内に将来請求体系変更手段(G)(2207)を有する。なお実施形態7を基礎としても同様の効果が得られる。
<実施形態8 構成の説明>
<実施形態8 将来請求体系変更手段(G)(2207)>
「将来請求体系変更手段(G)」(2207)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更するように、請求体系変更部(E)(2205)内に構成される。
前記一の所定期間内に関連付けられている連動体系需要家情報又は/および保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報、市場取引価格(単価)など)に基づいて請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更する変更ルールBと、取得された前記一の所定期間以外の将来の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて請求体系を変更するように構成される。そのため、以下電力料金を用いて請求体系の変更を説明しているが、電力消費量や市場取引情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報、市場取引価格(単価)など)に基づいて、前記一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更するように構成することもできる。
<実施形態8 将来請求体系変更手段(G):上限閾値による変更例:現在に基づき将来を変更>
例えば図60に示すように、今月の需要家の市場価格連動体系で支払うべき電力料金が所定の閾値(請求体系を切り替える上限閾値、または固定料金体系(固定類似料金体系でも可)での電力料金など)を超えた場合、または需要家の電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報が所定の閾値(請求体系を切り替える閾値)を超えた場合、または今月の市場取引価格(単価)の日毎の平均が所定の閾値として上限閾値単価を超えた場合のいずれか一以上の場合に、来月の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するというような例である。来月だけではなくさらに将来の所定期間も請求体系を変更するように構成することもできる。
単に市場取引価格の平均が所定の閾値を超えたという条件だけではなく、図60に示す市場取引価格(単価)の日毎の平均のグラフのように、今月を通してみると市場取引価格が右肩上がりの上昇傾向にあって、締め日(例:月末)付近でもなお上昇を続けているといった予測の場合にも、翌月も上昇傾向が続くと判断し、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するということができる。実施形態3と同様に、来月またはそれ以降の連動体系需要家情報を予測して、所定の閾値を超えた場合に、対象の将来の所定期間の請求体系を変更するようにも構成できる。市場取引価格情報と予測した連動体系需要家情報に基づいて請求体系を変更するようにも構成できる。今月だけではなく今月を含むここ3カ月(今月、先月、先々月)の連動体系需要家情報に基づいて、翌月など将来の連動体系需要家情報を予測するように構成することもできる。
<実施形態8 将来請求体系変更手段(G):下限閾値による変更例:現在に基づき将来を変更:供給者の利益確保>
逆に例えば図61に示すように、今月の需要家の市場価格連動体系で支払うべき電力料金が所定の閾値(請求体系を切り替える下限閾値、または固定単価体系(または固定料金体系または固定類似料金体系)での電力料金など)を下回った場合、または需要家の電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報が所定の閾値(請求体系を切り替える下限閾値)を下回った場合、または今月の市場取引価格(単価)の日毎の平均が所定の閾値として下限閾値単価を下回った場合のいずれか一以上の場合に、来月又は再来月の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するというような例である。または下限閾値の電力料金を支払うようにしてもよい。供給者の適正な利益を確保することができる。
そのために、実施形態6の説明に記載したように市場取引価格情報取得部(A)に、市場取引価格予測情報取得手段を設け、市場取引価格の短期トレンド情報、長期トレンド情報、短期長期トレンド比較情報のいずれか一以上の基づく市場取引価格予測情報と今月(一の所定期間)の市場取引価格情報に基づいて、一の所定期間以外の将来の所定期間の市場取引価格の推移予測を行うように構成するとよい。将来請求体系変更手段(G)が変更する将来の所定期間の市場取引価格が上昇していて、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一への変更を行うべき状態となるか予測できる。
<実施形態8 処理の流れ>
図23は、実施形態6を基礎とする実施形態8の計算機である電力料金課金システムの動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態8の電力料金課金システムでは、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S2301)と、市場取引価格情報保持ステップ(n)(S2302)と、請求体系保持ステップ(b)(S2303)と、連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S2304)と、変更ルールB保持ステップ(o)(S2305)と、請求体系変更ステップ(e)(S2306)と、さらに将来請求体系変更サブステップ(g)(S2307)を有する。なお実施形態7を基礎としても同様の効果が得られる。
ここで計算機である電力料金課金システムの動作方法は、
市場取引価格情報取得ステップ(a)(S2301)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する処理を行い、
市場取引価格情報保持ステップ(n)(S2302)は、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S2301)が取得した市場取引価格情報を保持する処理を行い、
請求体系保持ステップ(b)(S2303)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する処理を行い、
連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S2304)は、各各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する処理を行い、
変更ルールB保持ステップ(o)(S2305)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する処理を行い、
請求体系変更ステップ(e)(S2306)は、保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、
請求体系変更ステップ(e)(S2306)内の将来請求体系変更サブステップ(g)(S2307)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力料金課金システムに実行させる動作方法である。
<実施形態8 ハードウェアの説明>
実施形態6を基礎とする本実施形態8における電力料金課金システムのハードウェア構成について、図24を用いて説明する。なお実施形態7を基礎としても同様の効果が得られる。
図24は、実施形態6を基礎とする本実施形態8における電力料金課金システムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力料金課金システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、市場取引価格情報取得プログラム(a)と、市場取引価格情報保持プログラム(n)と、請求体系保持プログラム(b)と、連動体系需要家情報取得プログラム(c)と、変更ルールB保持プログラム(o)と、請求体系変更プログラム(e)と、さらに将来請求体系変更サブプログラム(g)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、市場取引価格情報と、固定料金体系と、固定類似料金体系と、市場価格連動体系と、所定期間と、連動体系需要家情報と、変更ルールBなどが格納されている。
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている市場取引価格情報取得プログラム(a)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し電力卸売市場のサーバにアクセスして、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した市場取引価格情報保持プログラム(n)を実行して、取得した市場取引価格情報を保持する。
そして、「メインメモリ」に格納されている請求体系保持ステップ(b)を実行して、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する。
そして、「メインメモリ」に格納された連動体系需要家情報取得プログラム(c)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し各需要家の電力消費量をスマートメータまたは高圧受変電設備(またはその監視装置)から取得し、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した変更ルールB保持プログラム(o)を実行して、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する。
そして「メインメモリ」に格納した請求体系変更プログラム(e)を実行して、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、「メインメモリ」に格納されている将来請求体系変更サブプログラム(g)を実行して、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する。
そして需要家に所定期間の電力料金を請求するための処理を行い、金融機関のサーバまたは/及び需要家の情報端末へ支払い依頼のための通知を出力する。
本実施形態8の本システムは、実施形態6又は7のいずれか一の効果に加え、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて、該一の所定期間以外の将来の請求体系を変更することができる。これにより例えば市場取引価格が高騰した場合には、例えば一の所定期間(例:今月)の需要家の連動体系需要家情報(電力料金)が高騰するため、翌月の請求体系をあらかじめ固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更し翌月の需要家の負担を軽減することができる。
<実施形態9 概要>主に請求項9、18、27
実施形態6から8のいずれか一を基礎とする実施形態9の電力料金課金システムは、各需要家情報の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報に基づいて所定期間の請求体系を、保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて変更される際に、請求体系変更部(E)の過去請求体系変更手段(H)が一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更するように構成される。
<実施形態9 機能的構成>
図25に実施形態6を基礎とする実施形態9の電力料金課金システムの機能ブロック図を示す。実施形態9の電力料金課金システムは実施形態6の構成に加えてさらに、請求体系変更部(E)(2505)内に過去請求体系変更手段(G)(2508)を有する。なお実施形態7又は8のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
<実施形態9 構成の説明>
<実施形態9 過去請求体系変更手段(H)(2508)>
「過去請求体系変更手段(H)」(2508)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更するように、請求体系変更部(E)(2505)内に構成される。
<実施形態9 過去請求体系変更手段(H):過去の所定期間の請求体系変更>
例えば図62に示すように、需要家の今月の市場価格連動体系による電力料金または需要家の電力消費量を示す情報である連動体系需要家情報において、今月の連動体系需要家情報が所定の上限閾値を超えた場合又は/及び市場取引価格情報が所定の上限閾値を超えた場合に、先月以前の月の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するというような例である。過去の請求体系を変更するため、まだ電力料金を集金前であれば電力料金を(請求体系の変更により)修正したり、電力料金を集金済の場合は差額分を払い戻したり、今後集金予定の電力料金(今月、または来月以降の将来の電力料金)と差額を精算したりするなどの方法をとるように構成する。
なお、過去の所定期間の請求体系を変更する際に基づく一の所定期間の連動体系需要家情報は、現在の属する所定期間には限定されない。将来の所定期間の連動体系需要家情報でもよいし、過去の所定期間の連動体系需要家情報でもよい。
<実施形態9 過去請求体系変更手段(H):単独の過去の所定期間の請求体系変更>
上記のように、過去請求体系変更手段(H)が変更する同じ一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系は、変更対象所定期間より前の所定期間すべてに適用されないように構成することができる。図62の今月の連動体系需要家情報(電力料金)または市場取引価格情報に基づいて先月の請求体系を変更際に、同じように市場価格連動体系の電力料金を支払った先々月以前について請求体系を変更しないといった例である。
<実施形態9 過去請求体系変更手段(H):複数の過去の所定期間の請求体系変更>
過去の市場価格連動料金体系で電力料金を支払った複数の所定期間に対し、請求体系を変更(市場価格連動体系から、固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一への変更)をするように構成することもできる。上記例でいえば、今月に基づく先月の請求体系の変更だけではなく、その前の先々月または先々月とそれ以前の請求体系も変更する。変更は固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系で電力料金を支払った所定期間に行き着くまで変更するようにも構成できる。または、供給者と需要家間の契約の単位期間(例:1年)内の過去の市場価格連動体系で電力料金を支払った所定期間すべてを対象とするように構成してもよい
<実施形態9 過去請求体系変更手段(H):将来に基づく過去の所定期間の請求体系変更>
将来の所定期間の予測連動体系需要家情報や、予測した将来の所定期間の市場取引価格情報を使用して、過去の一以外の所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するように構成することができる。または実施形態1で図41(4月、5月、6月)を用いて説明したように、現在の属する一の所定期間だけではなく、将来の所定期間の予測連動体系需要家情報や、予測した将来の所定期間の市場取引価格情報をも使用して、過去の一以外の所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一へ変更するように構成してもよい。
<実施形態9 過去請求体系変更手段(H):下限閾値による過去の所定期間の請求体系変更:供給者の利益確保>
上記例とは逆に、図63に示すように今月の連動体系需要家情報が下限閾値を下回る場合、又は/及び市場取引価格(単価)の日毎の平均が今月の間に下限閾値を下回る場合に、今月と、先月以前の月の請求体系も市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金額、例:基本料金)のいずれか一の請求体系へ変更するというような例も考えられる。または今月の市場取引価格情報が所定の下限閾値を下回る場合に、今月と、先月以前の月の請求体系も市場価格連動体系から固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の請求体系へ変更するというような例も考えられる。または、図64に示すように、今月が下限閾値を下回ったら、先月以前の月の請求体系も市場価格連動体系から、電力料金の下限閾値の金額とする例も考えられる。供給者の適正な利益を確保することができる。
<実施形態9 過去請求体系変更手段(H):過去の請求体系変更:所定期間の分割>
請求体系を変更する対象の期間は月単位ではなく、料金の計算を行う所定期間(上記例では「月」)を分割した期間でもよい。例えば所定期間である月を2週間ごとに分けて月後半で所定の閾値を上回ったり、下回ったりした場合に、過去である月前半の請求体系を市場価格連動体系から固定単価体系または固定料金体系または固定類似料金体系(または下限閾値の電力料金額、例:基本料金)のいずれか一の請求体系へ切り替えるように構成することができる(なお分割数は2には限定されない)。
<実施形態9 処理の流れ>
図26は、実施形態6を基礎とする実施形態9の計算機である電力料金課金システムの動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態9の電力料金課金システムでは、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S2601)と、市場取引価格情報保持ステップ(n)(S2602)と、請求体系保持ステップ(b)(S2603)と、連動体系需要家情報取得ステップ(c)(S2604)と、変更ルールB保持ステップ(o)(S2605)と、請求体系変更ステップ(e)(S2606)と、さらに過去請求体系変更サブステップ(h)(S2607)を有する。なお実施形態7又は8のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
ここで計算機である電力料金課金システムの動作方法は、
市場取引価格情報取得ステップ(a)(S2601)は、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する処理を行い、
場取引価格情報保持ステップ(n)(S2602)は、市場取引価格情報取得ステップ(a)(S2601)が取得した市場取引価格情報を保持する処理を行い、
求体系保持ステップ(b)(S2603)は、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する処理を行い、
動体系需要家情報取得ステップ(c)(S2604)は、各各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する処理を行い、
更ルールB保持ステップ(o)(S2605)は、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する処理を行い、
求体系変更ステップ(e)(S2606)は、保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、
求体系変更ステップ(e)(S2606)内の過去請求体系変更サブステップ(h)(S2607)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力料金課金システムに実行させる動作方法である。
<実施形態9 ハードウェアの説明>
施形態6を基礎とする本実施形態9における電力料金課金システムのハードウェア構成について、図27を用いて説明する。なお実施形態7又は8のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
図27は、実施形態6を基礎とする本実施形態9における電力料金課金システムのハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力料金課金システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」と拡張基板として「グラフィックカード」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
本システムの起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、市場取引価格情報取得プログラム(a)と、市場取引価格情報保持プログラム(n)と、請求体系保持プログラム(b)と、連動体系需要家情報取得プログラム(c)と、変更ルールB保持プログラム(o)と、請求体系変更プログラム(e)と、さらに過去請求体系変更サブプログラム(h)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、市場取引価格情報と、固定料金体系と、固定類似料金体系と、市場価格連動体系と、所定期間と、連動体系需要家情報と、変更ルールBなどが格納されている。
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている市場取引価格情報取得プログラム(a)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し電力卸売市場のサーバにアクセスして、電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した市場取引価格情報保持プログラム(n)を実行して、取得した市場取引価格情報を保持する。
そして、「メインメモリ」に格納されている請求体系保持ステップ(b)を実行して、各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する。
そして、「メインメモリ」に格納された連動体系需要家情報取得プログラム(c)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し各需要家の電力消費量をスマートメータまたは高圧受変電設備(またはその監視装置)から取得し、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する。
「メインメモリ」に格納した変更ルールB保持プログラム(o)を実行して、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する。
そして「メインメモリ」に格納した請求体系変更プログラム(e)を実行して、保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する際に、「メインメモリ」に格納されている過去請求体系変更サブプログラム(h)を実行して、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する。
そして需要家に所定期間の電力料金を請求するための処理を行い、金融機関のサーバまたは/及び需要家の情報端末へ支払い依頼のための通知を出力する。
本実施形態9の本システムは、実施形態6から8のいずれか一の効果に加え、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更することができる。これにより例えば市場取引価格が高騰した場合には、例えば一の所定期間(例:今月)の需要家の連動体系需要家情報(電力料金)が高騰するため、先月の請求体系をさかのぼって固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更して差額を精算することで需要家の負担を軽減することができる。
<5.効果>
以上の構成を有する電力料金課金システムによって、電力の請求体系が市場価格連動体系の期間であっても、各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報と変更ルールに基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する電力料金課金システムを提供する。例えば、電力取引市場での市場取引価格(例:単価)が高騰し市場価格連動体系での電力料金が、高騰して固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一の電力料金を越したり、所定の閾値を超えたりするような場合である。請求体系変更による請求体系の変更は、将来の所定期間や過去の所定期間について行ったり、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間の請求体系を変更したりすることもできる。本システムによって、変更ルールに基づいて自動的に請求体系が変更されるため、需要家は電力料金高騰のリスクを避けることができる。
電力料金課金システム・・・0100
市場取引価格情報取得部(A)・・・0101
請求体系保持部(B)・・・0102
連動体系需要家情報取得部(C)・・・0103
変更ルールA保持部(D)・・・0104
請求体系変更部(E)・・・0105

Claims (27)

  1. 電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する市場取引価格情報取得部(A)と、
    各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得部(A)が取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する請求体系保持部(B)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する連動体系需要家情報取得部(C)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する変更ルールA保持部(D)と、
    保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する請求体系変更部(E)と、
    を有する電力料金課金システム。
  2. 請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する同時期請求体系変更手段(F)を有する請求項1に記載の電力料金課金システム。
  3. 請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する将来請求体系変更手段(G)を有する請求項1に記載の電力料金課金システム。
  4. 請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する過去請求体系変更手段(H)を有する請求項1に記載の電力料金課金システム。
  5. 変更ルールA保持部(D)は、電力消費量の上限閾値又は/及び下限閾値を示す情報である閾値情報をデマンド区間に応じて保持する閾値情報保持手段(L)を有するとともに、
    保持されている閾値情報を利用して変更するルールである閾値依存変更ルールを保持する閾値依存変更ルール保持手段(M)を有する請求項1に記載の電力料金課金システム。
  6. 電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する市場取引価格情報取得部(A)と、
    市場取引価格情報取得部(A)が取得した市場取引価格情報を保持する市場取引価格情報保持部(N)と、
    各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する請求体系保持部(B)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する連動体系需要家情報取得部(C)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する変更ルールB保持部(O)と、
    保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する請求体系変更部(E)と、
    を有する電力料金課金システム。
  7. 請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する同時期請求体系変更手段(F)を有する請求項6に記載の電力料金課金システム。
  8. 請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する将来請求体系変更手段(G)を有する請求項6に記載の電力料金課金システム。
  9. 請求体系変更部(E)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する過去請求体系変更手段(H)を有する請求項6に記載の電力料金課金システム。
  10. 電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する市場取引価格情報取得ステップ(a)と、
    各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する請求体系保持ステップ(b)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する連動体系需要家情報取得ステップ(c)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する変更ルールA保持ステップ(d)と、
    保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する請求体系変更ステップ(e)と、を有する、計算機である電力料金課金システムの動作方法。
  11. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する同時期請求体系変更サブステップ(f)を有する、請求項10に記載の動作方法。
  12. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する将来請求体系変更サブステップ(g)を有する、請求項10に記載の動作方法。
  13. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する過去請求体系変更サブステップ(h)を有する、請求項10に記載の動作方法。
  14. 変更ルールA保持ステップ(d)は、電力消費量の上限閾値又は/及び下限閾値を示す情報である閾値情報をデマンド区間に応じて保持する閾値情報保持ステップ(l)を有するとともに、
    保持されている閾値情報を利用して変更するルールである閾値依存変更ルールを保持する閾値依存変更ルール保持サブステップ(m)を有する、請求項10に記載の動作方法。
  15. 電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する市場取引価格情報取得ステップ(a)と、
    市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した市場取引価格情報を保持する市場取引価格情報保持ステップ(n)と、
    各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する請求体系保持ステップ(b)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する連動体系需要家情報取得ステップ(c)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する変更ルールB保持ステップ(o)と、
    保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する請求体系変更ステップ(e)と、
    を有する、計算機である電力料金課金システムの動作方法。
  16. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する同時期請求体系変更サブステップ(f)を有する、請求項15に記載の動作方法。
  17. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する将来請求体系変更サブステップ(g)を有する、請求項15に記載の動作方法。
  18. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する過去請求体系変更サブステップ(h)を有する、請求項15に記載の動作方法。
  19. 電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する市場取引価格情報取得ステップ(a)と、
    各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した情報である市場取引価格情報に基づく市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する請求体系保持ステップ(b)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する連動体系需要家情報取得ステップ(c)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールAを保持する変更ルールA保持ステップ(d)と、
    保持されている変更ルールAと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する請求体系変更ステップ(e)と、
    を有する、計算機である電力料金課金システムに実行させるプログラム。
  20. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する同時期請求体系変更サブステップ(f)をさらに実行させる、請求項19に記載のプログラム。
  21. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する将来請求体系変更サブステップ(g)をさらに実行させる、請求項19に記載のプログラム。
  22. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する過去請求体系変更サブステップ(h)をさらに実行させる、請求項19に記載のプログラム。
  23. 変更ルールA保持ステップ(d)は、電力消費量の上限閾値又は/及び下限閾値を示す情報である閾値情報をデマンド区間に応じて保持する閾値情報保持ステップ(l)をさらに実行させるとともに、
    保持されている閾値情報を利用して変更するルールである閾値依存変更ルールを保持する閾値依存変更ルール保持サブステップ(m)をさらに実行させる、請求項19に記載のプログラム。
  24. 電力の市場取引価格を示す情報である市場取引価格情報を取得する市場取引価格情報取得ステップ(a)と、
    市場取引価格情報取得ステップ(a)で取得した市場取引価格情報を保持する市場取引価格情報保持ステップ(n)と、
    各需要家に対する電力料金の請求体系であって、固定単価体系、固定料金体系、固定類似料金体系、市場価格連動体系のいずれか一を暦上の所定期間に関連付けて保持する請求体系保持ステップ(b)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の電力料金の請求額または電力の消費量を示す情報である連動体系需要家情報を取得する連動体系需要家情報取得ステップ(c)と、
    各需要家の市場価格連動体系に関連付けられている期間の連動体系需要家情報又は/および、保持されている市場取引価格情報(長期トレンドと短期トレンドとの比較情報など)に基づいて所定期間の請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更するためのルールである変更ルールBを保持する変更ルールB保持ステップ(o)と、
    保持されている変更ルールBと取得された連動体系需要家情報とに基づいて市場価格連動体系が関連付けられている所定期間のその需要家に対する請求体系を固定単価体系、固定料金体系または固定類似料金体系のいずれか一に変更する請求体系変更ステップ(e)と、
    を有する計算機である電力料金課金システムに実行させるプログラム。
  25. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間の請求体系を変更する同時期請求体系変更サブステップ(f)をさらに実行させる、請求項24に記載のプログラム。
  26. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて同じ一の所定期間以外の将来の所定期間の請求体系を変更する将来請求体系変更サブステップ(g)をさらに実行させる、請求項24に記載のプログラム。
  27. 請求体系変更ステップ(e)は、一の所定期間の連動体系需要家情報に基づいて一の所定期間以外の過去の所定期間の請求体系を変更する過去請求体系変更サブステップ(h)をさらに実行させる、請求項24に記載のプログラム。
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