JP7473990B2 - 電子情報の処理システムで適用される管理サーバ - Google Patents

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Description

本発明は、電子情報の処理システムで適用される管理サーバに関するものである。
銀行預金は、半世紀前に銀行にコンピュータが導入されオンライン化された際、電子的に決済と移動ができる電子通貨となった。現在、日本銀行は通貨供給量を「現金通貨+預金取扱機関に預けられた預金」としている。すなわち預金は通貨であり、現在では通貨の大部分を占める。預金は預金口座上で数字としてのみ存在する電子化された通貨であり、法定通貨である貨幣と同じ単位(日本では円)を持ち、電子的に決済と移動ができる。
預金通貨の電子化を伴う金融システムの構築は、通貨の移動および保有利便性を飛躍的に高め、その後の金融工学の発展を促進した。現在、金融システムの高度なネットワークが世界中に張り巡らされ、通貨は瞬時に国境を越え、24時間にわたって膨大な量の金融取引が行われている。この結果、付加価値を創造せず投機により利ザヤを稼ぐ虚業が盛んとなり、膨大な量の金融商品が日々、生み出されている(非特許文献1参照)。
このような金融システムにおいて、近年では仮想通貨やポイントといった通貨と同等な価値を有する電子的に記録された財産的価値が登場している。このような電子的に記録された財産的価値を用いる際の課題に対応するため、様々な技術が考えられている。
例えば、特許文献1には、個々の電子的価値の象徴の移転情報を把握することなく電子的価値の象徴の移転手数料を徴収する方法が開示される。また、特許文献2には、人々の物質消費、娯楽享受を円滑で安全に構築できる代用貨幣によるシステムが開示される。また、特許文献3には、電子マネーシステムにおいて、電子マネーの消費を心理的に促進させることにより経済効果が期待できる電子マネーの決済方法が開示される。
また、非特許文献2には、政府発行の「公共貨幣」を用いて通貨の流通総量を安定化させる手段が開示されている。また、非特許文献3の取組においては、sovereign moneyと呼ばれる(民間銀行発行ではない)同様の公共的な貨幣を用いてバブル経済を抑制し経済を安定化させる手段が開示されている。非特許文献2と非特許文献3に共通するのは民間銀行の通貨発行権の抑制であり、それによって無制限な通貨量膨張と借金経済を抑制する目的がある。
また、非特許文献4には、時間が経つにつれて減価していく「ゲセルの自由貨幣」の概念が紹介されている。放置すると減価するため、人々は競ってこれを使用するのである。これは1930年代にオーストリアの一部などで実施され、経済の活性化に非常に有効であることが立証された。また、非特許文献5には、ゲゼルの自由貨幣を現在の電子マネーで再現した、「キームガウアー」と呼ばれる減価する通貨が紹介されている。
以上の電子マネーおよび貨幣などには、通貨の総量の制御の概念や、通貨の使用を促す減価という概念はあるが、強制的な循環のシステムは存在しない。また、通貨の総量制御と循環との両方を可能にする概念は存在しない。
特開2001-202470号公報 特開2001-319170号公報 国際公開第2004/036471号
堂免信義、Journal of Integrated Creative Studies、No.2018-005-a、2018年 山口薫、「公共貨幣」、東洋経済新報社、2015年 Positive Money、[online]、[令和1年5月16日検索]、インターネット<https://positivemoney.org/our-proposals/sovereign-money-introduction/> 河邑厚徳、「エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと」、講談社、2011年 廣田裕之、「減価する貨幣の理論」、集広舎、2013年、[online][令和1年5月16日検索]、インターネット<https://shukousha.com/column/hirota/2478/> トマ・ピケティ、「21世紀の資本」、みすず書房、2014年 リチャード・A・ヴェルナー、「円の支配者」、草思社、2001年 堂免信義、「日本を滅ぼす経済学の錯覚」、光文社、2005年 デイヴィッド・オレル、ニューズウィーク日本版10・31、p.23、2017年 堂免信義、Journal of Integrated Creative Studies、No.2017-007-a、2017年 日経新聞、2018/11/13、「政府統計、信頼に揺らぎ GDPなど日銀が不信感」、2018年、[online][令和1年5月16日検索]、インターネット<https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37675170S8A111C1EA1000/>
しかしながら、このような金融システムには次のような課題がある。
<課題1:通貨の滞留および沈殿>
貨幣経済では、売買に使用された通貨は消滅することなく市場を循環する。この通貨が滞留、沈殿し偏在すると経済格差を生じることになる。現代においては通貨の滞留、沈殿、偏在が顕著となり、ピケティのデータによる証明からも明らかなように経済格差・貧困が拡大中である(非特許文献6参照)。
しかし、現行の金融システムには通貨の無制限な沈殿を抑制する機構がなく、沈殿からの通貨の強制的な循環が設計されていない。このことが、富裕層への無制限な通貨の沈殿を招き、世界の経済格差を年々大きくしている。
図12に、金融資産または負債による利子受取または支払いの、年収の多寡に対する関係を示す。縦軸のプラスは正味の受取を、マイナスは支払いを示す。
この図は、家計が持つ金融資産(預貯金や株式)および負債(借金)における、利子等の受取・支払の通貨の出入りの様子、すなわち年収以外の通貨の出入りの様子を、年収階級別に示したものである。この図における縦軸のプラスは通貨を得ていること、マイナスは通貨を失っていることを示す。また、年収が最多となる階級の受取超過額を100としたときの相対比で他階級の収支の大きさを表している。
この図から、年収が最多となる階級が通貨を最も多く得ていること、下位の第8年収十分位までは逆に通貨を失う側であることがわかる。つまり、年収が高い層は年収以外の収入を金融システムから受け取るのに対して、年収が低い層は支払っていることがわかる。現行の金融システムは、もともと年収に存在する経済格差を更に拡大する方向に、通貨の再分配を行っているのである。
また、このような課題に付随して、次のような課題も生じる。
<課題2:銀行業態の行き詰まり>
現在、銀行は、貸出のために他者から現金を集める必要はなく、借金者の口座に数字を書き込むだけで貸出を行うことが可能である(非特許文献7参照)。これは、預金という電子通貨を創造する(非特許文献8参照)ことに相当する。この方法を「預金創造」と定義する。預金創造が行われるとき、その分、通貨の量が増加する。また預金取扱機関に借金が返済されたとき通貨は消滅し、社会の通貨は返済額だけ減少する。これを「預金消滅」と定義する。
預金創造は通貨の発行にほかならないので、預金取扱機関は実効的に通貨発行の権限を持つと言える(非特許文献1、非特許文献8、非特許文献2、非特許文献9参照)。これにより預金取扱機関は貸出用の現金を集める必要がなくなり、通貨の貸出コストは激減することになる。
一方で、電子化された通貨が主流となった現在、預金取扱機関は預金という電子通貨を保証・保全する役割を持つようになった。したがって、これらの産業は現在、大容量サーバなどを大量に保有する装置産業であり、通貨移動および保管の利便性を図るIT産業であり、サイバー空間で顧客の通貨を守るセキュリティ産業でもある。このように多くの設備・システムなどが必要になった結果、預金取扱機関にとって預金のコストは増大することになる。
以上のように、預金取扱機関は通貨の電子化によって預金創造権限と預金保全機能とを持つに至り、貸出のコストの激減と、預金のコストの増大とを招いている。しかし、現状は、依然として借金者が利子を支払い、預金者は利子を受け取り、預金コストを含めた預金取扱機関の経営を借金者が支える構造になっている。この構造が、借金者を増加させる駆動力となっており、個人向けの無理なカードローンなどが社会問題になっている根本的な原因である(非特許文献1)。
経済が成熟した現在の日本では、産業界の投資意欲は高度経済成長の頃ほど大きくなく、銀行からの借金に積極的でないので、企業は全体としては銀行に対して黒字である。すなわち、銀行においては、貸出から得る利子の額より預金に対して支払う利子の額の方が大きい。これも、前述の個人向けのカードローンが発達する要因となっている。銀行が不要な借金増加の駆動力になることを避けるためには、預金者が預金コストを負担する構造への転換が不可欠である。
<課題3:政府の財政赤字拡大>
現在、銀行から最大の借金を行っているのは政府であり、政府の財政赤字幅は拡大する一方である。本来、政府の予算執行により民間に移動した通貨は、税金徴収により政府に戻ることにより、完全な税金循環を形成しなければ持続可能な財政とは言えない。しかし、これが達成できていない。借金返済のために借金を重ねる自転車操業を改善するためには、税金循環の設計が不可欠である。
<課題4:有利子経済>
現状では、通貨は預金創造によって発行され、企業または富裕層に沈殿している(非特許文献1参照)。この様子を図13に表す。通貨は政府・企業・家計が預金取扱機関から借金する際に発行され、実体経済に供給されるが、社会を流通したのちに、ほとんどが循環することなく企業または富裕層に沈殿してしまう。このため借金返済に必要な通貨が借金者に循環して来ないので、利子付きの返済のために、元々の借金額を越える金額の、更なる借金が必要となる。したがって、有利子借金経済の下では、借金は増加し続ける。この増加を打ち消すためにインフレが必要となるが、膨張し続ける借金とそれをごまかすのに必要なインフレによる経済は、持続可能とは言えない。この解消のためには、無利子経済と、通貨の循環の形成が必須である。
<課題5:AI・ロボットの発展による失業の拡大>
19世紀末の産業革命は動力革命であり、「人間にできない作業」を可能にすることで、産業の爆発的拡大を生んだ。しかし現在は、「人間にしかできなかった作業」を機械で行うことを可能にする知能革命が進行中であり、人々の労働需要が機械によって代替され、失業の拡大が懸念されている(非特許文献10参照)。
AIやロボットによる労働需要の減少は本来、余暇の拡大につながるべきであり、全国民が生活していける財・サービスが少ない労働量で手に入ることを意味するのだから、喜ぶべき未来である。全員が少ない労働を通貨で交換し合えば済むことである。
貨幣経済において通貨は、もともとは交換の「手段」として導入され、重い米を交換のため持ち歩かないで済む利便性を持った「公共財」であった。ところが現在は、通貨は蓄財のために「目的化」され、「私財」として富裕層に沈殿している(非特許文献1参照)。
このために人々は、本来自らの労働の交換「手段」として導入された通貨を得るために、新たな労働需要を血眼になって探している。既に全国民が生活していける財・サービスが少ない労働量で手に入るにもかかわらず、沈殿によって通貨が足りないから、不要な労働を新たに導入するのは本末転倒であり、エネルギー消費量を増加させ地球環境を疲弊させるので有害ですらある。
この問題においても、私財として富裕層に沈殿している通貨が問題であり、通貨を公共財として全国民に十分に循環・流通させれば、労働需要の減少を余暇の拡大につなげることができるはずである。
<課題6:非効率な景気対策>
現在、景気対策については様々な説が提唱されており、確実な景気浮揚の対策は提示されていない(非特許文献1参照)。特に世界経済の金融化が進む今、一国の金融不安が世界に伝播し、連鎖的な景気墜落が発生する可能性がある。現在の日本では、異次元の金融緩和などの施策を行っているが、景気浮揚効果は限定的である(非特許文献10)。
<課題7:容易な経済効果計測技術の欠如>
GDPは定義により数値が大きく異なるため、専門家の間でも議論となっている(非特許文献11参照)。経済の状況を把握するために容易な経済効果測定方法が必須である。
<課題8:デフレによる経済収縮>
日本は「失われた20年」の言葉に象徴されるように、長期的なデフレーションの下にある。デフレは、時間の経過とともに物の値段が下がるため、買い控えを誘発し消費の停滞を招くので、経済を収縮させてしまう。
しかし、科学技術の発展によりあらゆる産業において生産性が向上している現在、物価の下落は必然である。さらに、市場主義経済における自由競争が物価下落を助長している。物価の下落は、消費を活発にできさえすればデメリットはなく、消費者にとって良いことである。デフレ下でも有効な、通貨の流通促進策が必要である。
このような課題を解決する観点から、本発明は、通貨価値の無制限な滞留、沈殿および偏在を抑制し、円滑に市場を循環する通貨価値管理システムおよび通貨価値管理プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、金銭的価値に対応した通貨価値の流れを管理する通貨価値管理システムであって、ネットワークに接続される管理サーバを備える。
管理サーバは、少なくとも付与に用いる通貨価値に関する電子情報が対応付けされた電子基幹庫と、電子基幹庫から通貨価値を付与される付与対象者ごとの通貨価値に関する電子情報が対応付けされた付与対象口座と、を管理する口座管理部と、電子基幹庫から付与対象口座に通貨価値を電子情報として付与する通貨価値付与部と、付与対象口座に蓄積された通貨価値の残高から一部の通貨価値を電子情報として回収して電子基幹庫に移動する通貨価値回収部と、を有する。このシステムにおいて、口座管理部は、予め設定された付与期間を経過することで通貨価値付与部による所定額の通貨価値の電子情報としての付与と、予め設定された回収期間を経過することで通貨価値回収部による所定額の通貨価値の電子情報としての回収とを制御する。
このような構成によれば、予め設定された付与期間を経過すると通貨価値の利用者に対して所定額の通貨価値が電子情報として付与されるため、利用者の生活に対する投資として所定の通貨価値を利用者に供給することができる。一方、予め設定された回収期間を経過すると付与対象口座から通貨価値の残高に対する所定額の通貨価値が電子情報として回収されるため、付与対象口座に通貨価値が蓄積され続けることを回避できる。そして、この通貨価値の付与と回収とを繰り返すことで、通貨価値の循環が促進される。通貨価値は電子情報として付与および回収されるため、通貨価値の流れを把握および制御しやすい。また、プログラムを作成しておけばシステムは自動で動くため、ランニングコストも小さい。
上記システムにおいて、口座管理部は、電子基幹庫から所定額の通貨価値を電子情報として付与されない付与非対象口座をさらに管理し、通貨価値回収部は、口座管理部の制御によって、付与対象口座および付与非対象口座のそれぞれに蓄積された通貨価値の残高から所定額の通貨価値を電子情報として回収して電子基幹庫に移動するようにしてもよい。これにより、通貨価値を付与されない口座(付与非対象口座)が設定され、それらを店舗などに割り当てることで、付与対象者が当該店舗で通貨価値を使用すれば、通貨価値の循環をより促進できる。
上記システムにおいて、ネットワークを介して管理サーバと接続される端末をさらに備え、端末は、所定額の通貨価値を電子情報として一の付与対象口座から他の付与対象口座に移動する指示、所定額の通貨価値を電子情報として付与対象口座から付与非対象口座に移動する指示、所定額の通貨価値を電子情報として付与非対象口座から付与対象口座に移動する指示、および所定額の通貨価値を電子情報として一の付与非対象口座から他の付与非対象口座に移動する指示、の少なくともいずれかを、ネットワークを介して管理サーバに送る通貨価値移動指示部を有していてもよい。これにより、付与対象者間、および付与対象者と付与非対象者との間で取り引きが行われた場合、取り引きの対価に相当する通貨価値の口座間での移動を、ネットワークを介して管理サーバへ指示することができる。
上記システムにおいて、口座管理部は、所定額の通貨価値を電子情報として一の付与対象口座から他の付与対象口座に移動する処理、所定額の通貨価値を電子情報として付与対象口座から付与非対象口座に移動する処理、所定額の通貨価値を電子情報として付与非対象口座から付与対象口座に移動する処理、および所定額の通貨価値を電子情報として一の付与非対象口座から他の付与非対象口座に移動する処理、の少なくともいずれかを制御するようにしてもよい。これにより、付与対象者間、および付与対象者と付与非対象者との間で取り引きが行われた場合、取り引きの対価に相当する通貨価値の口座間での移動を行うことができる。
上記システムにおいて、回収期間は付与期間と同じ日数であり、通貨価値付与部による付与の日は、通貨価値回収部による回収の日と異なっていてもよい。これにより、一定期間ごとで、異なる日に利用者に対して通貨価値の付与と回収とが行われ、通貨価値の循環のサイクルが構築される。
上記システムにおいて、通貨価値付与部による付与は、付与対象口座ごとに一定額で行われ、通貨価値回収部による回収は、各口座に蓄積された通貨価値の残高に対する一定割合で行われることが好ましい。これにより、利用者の生活への投資としての通貨価値が定期的に付与されるとともに、各口座の通貨価値の残高に対する一定割合の通貨価値が定期的に回収され、通貨価値の循環が促されることになる。また、付与は、全員に平等に定額とし、回収は、各口座に蓄積した通貨価値の多寡に応じて定率とすることで、通貨価値保有の格差を解消する方向に、通貨価値を再分配することができる。
本発明の他の一態様は、金銭的価値に対応した通貨価値の流れを管理する通貨価値管理プログラムであって、コンピュータに、少なくとも付与に用いる通貨価値に関する電子情報が対応付けされた電子基幹庫と、前記電子基幹庫から通貨価値を付与される付与対象者ごとの通貨価値に関する電子情報が対応付けされた付与対象口座と、を管理する口座管理ステップと、電子基幹庫から付与対象口座に通貨価値を電子情報として付与する通貨価値付与ステップと、付与対象口座に蓄積された通貨価値の残高から一部の通貨価値を電子情報として回収して電子基幹庫に移動する通貨価値回収ステップと、予め設定された付与期間を経過することで通貨価値付与部による所定額の通貨価値の電子情報としての付与と、予め設定された回収期間を経過することで通貨価値回収部による所定額の通貨価値の電子情報としての回収と、を実行する付与回収ステップと、を実行させる。
このような構成によれば、予め設定された付与期間を経過すると通貨価値の利用者に対して所定額の通貨価値が電子情報として付与されため、生活への投資として通貨価値を利用者に供給することができる。一方、予め設定された回収期間を経過すると付与対象口座から通貨価値の残高に対する所定額の通貨価値が電子情報として回収されるため、付与対象口座に通貨価値が蓄積され続けることを回避できる。そして、この通貨価値の付与と回収とを繰り返すことで、通貨価値の循環が促進される。通貨価値は電子情報として付与および回収されるため、通貨価値の流れを把握および制御しやすい。また、プログラムによりシステムは自動的に動作するため、ランニングコストを抑制できる。
上記プログラムにおいて、口座管理ステップでは、電子基幹庫から所定額の所定額の通貨価値を電子情報として付与されない付与非対象口座をさらに管理し、通貨価値回収ステップでは、付与対象口座および付与非対象口座のそれぞれに蓄積された通貨価値の残高から所定額の通貨価値を電子情報として回収して電子基幹庫に移動するようにしてもよい。これにより、通貨価値を付与されない口座(付与非対象口座)が設定され、これを店舗などに割り当てることにより、通貨価値の利用が促進される。
上記プログラムにおいて、ネットワークを介して管理サーバと端末とが接続され、コンピュータは、所定額の通貨価値を電子情報として需要者の付与対象口座から供給者の付与対象口座に移動する指示、所定額の通貨価値を電子情報として付与対象口座から付与非対象口座に移動する指示、所定額の通貨価値を電子情報として付与非対象口座から付与対象口座に移動する指示、および所定額の通貨価値を電子情報として一の付与非対象口座から他の付与非対象口座に移動する指示、の少なくともいずれかを、ネットワークを介して受け付ける移動指示受け付けステップをさらに実行させるようにしてもよい。これにより、付与対象者間、および付与対象者と付与非対象者との間で取り引きが行われた場合、取り引きの対価に相当する通貨価値の口座間での移動を、ネットワークを介して行うことができる。
上記プログラムにおいて、所定額の通貨価値を電子情報として一の付与対象口座から他の付与対象口座に移動する処理、所定額の通貨価値を電子情報として付与対象口座から付与非対象口座に移動する処理、所定額の通貨価値を電子情報として付与非対象口座から付与対象口座に移動する処理、および所定額の通貨価値を電子情報として一の付与非対象口座から他の付与非対象口座に移動する処理、の少なくともいずれかを行う通貨価値移動ステップをさらに備えていてもよい。これにより、付与対象者間、および付与対象者と付与非対象者との間で取り引きが行われた場合、取り引きの対価に相当する通貨価値の口座間での移動を行うことができる。
上記プログラムにおいて、回収期間は付与期間と同じ日数であり、通貨価値回収ステップによる回収の日は、通貨価値付与ステップによる付与の日と異なっていてもよい。これにより、一定期間ごとで、異なる日に利用者に対して通貨価値の付与と回収とが行われ、通貨価値の循環のサイクルが構築される。
上記プログラムにおいて、通貨価値付与ステップによる付与は、付与対象口座ごとに一定額で行われ、通貨価値回収ステップによる回収は、各口座に蓄積された通貨価値の残高に対する一定割合で行われることが好ましい。これにより、利用者の生活への投資としての通貨価値が定期的に付与されるとともに、各口座の通貨価値の残高に対する一定割合の通貨価値が定期的に回収され電子基幹庫へ移動され、通貨価値の循環が促されることになる。また、付与は、全員に平等に定額とし、回収は、各口座に蓄積した通貨価値の多寡に応じて定率とすることで、通貨価値保有の格差を解消する方向に、通貨価値を再分配することができる。
本発明によれば、通貨価値の無制限な滞留、沈殿および偏在を抑制し、円滑に市場を循環する通貨価値管理システムおよび通貨価値管理プログラムを提供することが可能になる。
本実施形態に係る通貨価値管理システムの概略構成図である。 (a)および(b)は、サーバのハードウェア構成を例示するブロック図である。 本実施形態に係る通貨価値管理システムの機能ブロック図である。 本実施形態に係る通貨価値管理プログラムを例示するフローチャートである 本実施形態に係る通貨価値管理プログラムを例示するフローチャートである 通貨価値の付与および回収の処理の一具体例を示すフローチャートである。 口座および通貨価値の流れの概念図である。 通貨価値による取り引きでの処理の一具体例を示すフローチャートである。 口座とポイント循環のイメージを説明する模式図である。 (a)および(b)は、無利子経済の成立について説明する模式図である。 (a)および(b)は、通貨価値の漸近について説明する図である。 金融資産または負債による利子受取または支払いの、年収の多寡に対する関係を示す図である。 通貨の沈殿について説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
(通貨価値管理システムの構成)
図1は、本実施形態に係る通貨価値管理システムの概略構成図である。
本実施形態に係る通貨価値管理システム1は、金銭的価値に対応した通貨価値の流れを管理するシステムである。通貨価値管理システム1は、特定の地域(国、自治体、提携企業間など)で適用されてもよいし、世界的な範囲で適用されてもよい。
本実施形態における説明に用いられる用語は以下のように定義される。
・通貨価値とは、金銭的価値に対応した価値であって、現金、紙幣および預貯金の代替となり、電子情報として管理可能な決済手段のことをいう。
・利用者Uとは、通貨価値を定期的に付与される者(個人および法人(公的機関、組織、団体、会社、商店など))のことをいう。利用者Uは、付与対象者ともいう。
・協力機関Cとは、通貨価値を定期的に付与されない者(法人(公的機関、組織、団体、会社、商店など)および個人)のことをいう。協力機関Cは、付与非対象者ともいう。
・運営機関Aとは、通貨価値の流れを管理する管理・運営者(銀行、企業、団体、個人および公的機関など)のことをいう。
・ネットワークNには、インターネット、イントラネットおよび通信キャリア回線などが含まれる。ネットワークNの通信方式には、無線および有線が含まれる。
・端末300とは、利用者Uや協力機関Cが本システムを利用するための機器のことをいう。端末300には、利用者Uや従業員等が取り扱う個別端末310、および協力機関Cが取り扱う取引端末320が含まれる。
・電子基幹庫EMとは、付与および回収の通貨循環に使用される通貨価値に関する電子情報が対応付けされた電子的な金庫であり、通貨価値循環の起点となる構成要素のことをいう。
・利用者用口座AC-Uとは、個々の利用者Uごとに通貨価値に関する電子情報が対応付けされた口座のことをいう。
・一般用口座AC-Cとは、協力機関Cごとに通貨価値に関する電子情報が対応付けされた口座のことをいう。
・従業員用口座AC-Wとは、協力機関Cに従事する従業員等ごとに通貨価値に関する電子情報が対応付けされた口座のことをいう。
・銀行用口座AC-Bとは、銀行ごとに通貨価値に関する電子情報が対応付けされた口座のことをいう。
・付与対象口座とは、電子基幹庫EMから通貨価値を付与される口座のことをいう。
・付与非対象口座とは、電子基幹庫EMから通貨価値を付与されない口座のことをいう。
本実施形態に係る通貨価値管理システム1は、ネットワークNに接続される管理サーバ100を備える。管理サーバ100は運営機関Aなどが管理および運営を行う。ネットワークNにはデータベースサーバ200や端末300(個別端末310および取引端末320)が接続される。端末300としては、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブル端末などの携帯端末や、パーソナルコンピュータ、カード型端末、専用端末などが挙げられる。端末300には、入出力機能のみを有し、制御機能、記憶機能、通信機能など他の機能がネットワークNに接続された他の機器で実現されているものも含まれる。
図2は、サーバのハードウェア構成を例示するブロック図である。
図2(a)には管理サーバ100のハードウェア構成が例示され、図2(b)にはデータベースサーバ200のハードウェア構成が例示される。
図2(a)に示すように、管理サーバ100は、制御部101、記憶部102、入力部103、出力部104および通信部105を備える。後述する通貨価値管理プログラムは、制御部101において実行される。
図2(b)に示すように、データベースサーバ200は、制御部201、記憶部202および通信部203を備える。記憶部202は、後述する各種の口座に対応して、口座名義情報、通貨価値に関する電子情報、履歴情報などを記憶する。
ここで、データベースサーバ200は、管理サーバ100と別体であってもよいし、管理サーバ100に含まれていてもよい。また、管理サーバ100は、データベースサーバ200と別体であってもよいし、データベースサーバ200に含まれていてもよい。
また、管理サーバ100およびデータベースサーバ200のそれぞれのハードウェア構成は上記に限定されない。
さらにまた、管理サーバ100およびデータベースサーバ200のそれぞれのハードウェア構成は、物理的に同じ場所(同筐体、同建物、同地域、同国など)に配置されていてもよいし、ネットワークNを介して離散的(別筐体、別建物、別地域、別国など)に配置されていてもよい。また、管理サーバ100およびデータベースサーバ200は1つに限定されず、複数で構成されていてもよい。
図3は、本実施形態に係る通貨価値管理システムの機能ブロック図である。
通貨価値管理システム1の管理サーバ100は、制御部101および通信部105のほか、口座管理部111、通貨価値付与部112および通貨価値回収部113を少なくとも備える。
口座管理部111は、個々の利用者Uごとの通貨価値に関する電子情報が対応付けされた利用者用口座AC-Uと、少なくとも付与に用いる通貨価値に関する電子情報が対応付けされた電子基幹庫EMと、を管理する。また、口座管理部111は、通貨価値付与部112から所定額の通貨価値を電子情報として付与されない一般用口座AC-Cをさらに管理してもよい。
通貨価値付与部112は、利用者用口座AC-Uに通貨価値を電子情報として付与する処理を行う。すなわち、通貨価値付与部112は、口座管理部111からの指示を受けて、所定のタイミングで所定額の通貨価値を電子情報として利用者用口座AC-Uに付与する処理を実行する。
通貨価値回収部113は、利用者用口座AC-Uに蓄積された通貨価値の残高から一部の通貨価値を電子情報として回収して電子基幹庫EMに移動する処理を行う。すなわち、通貨価値回収部113は、口座管理部111からの指示を受けて、所定のタイミングで利用者Uの各々の利用者用口座AC-Uの残高に基づいて一部の通貨価値を電子情報として回収し、電子基幹庫EMに蓄積(徴収)する処理を実行する。
また、口座管理部111によって一般用口座AC-Cが管理されている場合、通貨価値回収部113は、口座管理部111からの指示を受けて、所定のタイミングで利用者用口座AC-Uとともに一般用口座AC-Cからも残高に基づく一部の通貨価値を電子情報として回収し、電子基幹庫EMに蓄積(徴収)する処理を実行する。
データベースサーバ200には、利用者用口座AC-U、一般用口座AC-Cおよび電子基幹庫EMに関する情報が記憶される。利用者用口座AC-Uは、複数の利用者Uの各々に対応付けされている。利用者用口座AC-Uは、利用者Uの登録情報(登録年月日や個人情報など)、通貨価値の残高、通貨価値の利用記録などに関する情報を格納(紐付け管理)している。一般用口座AC-Cは、協力機関Cの登録情報(登録年月日や企業等の個別情報)、通貨価値の残高、通貨価値の利用記録などに関する情報を格納(紐付け管理)している。電子基幹庫EMは、回収した通貨価値の残高、通貨価値の回収や付与の履歴(各口座と対応付けされた回収および付与の履歴)などに関する情報を格納(紐付け管理)している。
端末300は、制御部301、入出力部302、通信部303および通貨価値移動指示部311を少なくとも備える。制御部301は各部を制御する部分である。入出力部302は、キーボード、タッチパネルおよびカメラなどの入力部と、表示部およびスピーカなどの出力部とを有する。通信部303はネットワークNとのインタフェース機能を有する。
通貨価値移動指示部311は、所定額の通貨価値を電子情報として口座間で移動するための指示(価値移動指示)を、ネットワークNを介して管理サーバ100へ送る処理を行う。ここで、価値移動指示には次のような種類が挙げられる。
(1)一の利用者用口座AC-Uから他の利用者用口座AC-Uに移動する指示。
(2)利用者用口座AC-Uから一般用口座AC-Cに移動する指示。
(3)一般用口座AC-Cから利用者用口座AC-Uに移動する指示。
(4)一の一般用口座AC-Cから他の一般用口座AC-Cに移動する指示。
なお、上記(1)は、一の付与対象口座から他の付与対象口座に移動する指示でもあり、上記(2)は、付与対象口座から付与非対象口座に移動する指示でもあり、上記(3)は、付与非対象口座から付与対象口座に移動する指示でもあり、上記(4)は、一の付与非対象口座から他の付与非対象口座に移動する指示でもある。
通貨価値移動指示部311からの価値移動指示を受けた管理サーバ100では、口座管理部111によって上記(1)~(4)のいずれかの価値移動指示に応じて、所定額の通貨価値を電子情報として口座間で移動するよう処理を行う。
このような構成を備えた通貨価値管理システム1では、口座管理部111によって、予め設定された付与期間を経過することで通貨価値付与部112による所定額の通貨価値の電子情報としての付与と、予め設定された回収期間を経過することで通貨価値回収部113による所定額の通貨価値の電子情報としての回収とを制御する。
これにより、予め設定された付与期間を経過すると通貨価値の利用者Uには所定額の通貨価値が電子情報として付与される。したがって、付与期間の経過によって利用者Uの生活への投資として通貨価値が利用者Uに供給されることになる。
一方、予め設定された回収期間を経過すると利用者用口座AC-Uや一般用口座AC-Cから通貨価値の残高に対する所定額の通貨価値が電子情報として回収される。すなわち、回収期間を経過した段階で利用者用口座AC-Uや一般用口座AC-Cに通貨価値が残っていると、残高に応じた所定額の通貨価値が強制的に徴収される。したがって、利用者用口座AC-Uや一般用口座AC-Cに通貨価値が無制限に蓄積(滞留)され続けることを回避することができる。
このような口座管理部111によってこの通貨価値の付与と回収とを1つの処理単位として、この処理単位を予め設定されたサイクルで繰り返すことにより、通貨価値の循環が促進される。また、本実施形態に係る通貨価値管理システム1では、通貨価値を電子情報として付与および回収することから、通貨価値の流れを把握および制御しやすい。また、初期設定後は自動化できるため、運用経費を最小限にできる。
ここで、回収期間を付与期間と同じ日数にし、通貨価値回収部113による回収の日を、通貨価値付与部112による付与の日と異なる日にしてもよい。例えば、毎月10日に通貨価値の付与が行われ、毎月月末に通貨価値の回収が行われる。これにより、一定期間ごとで、異なる日に利用者Uに対して通貨価値の付与と回収とが行われ、一定期間ごと(例えば1ヶ月ごと)に通貨価値の循環のサイクルが構築される。
また、通貨価値付与部112による付与は、利用者用口座AC-Uごとに一定額で行われ、通貨価値回収部113による回収は、各口座に蓄積された通貨価値の残高に対する一定割合で行われるようにしてもよい。これにより、利用者Uが必要とする通貨価値が定期的に付与されるとともに、各口座、すなわち利用者用口座AC-Uおよび一般用口座AC-Cの通貨価値の残高に対する一定割合の通貨価値が定期的に回収され、通貨価値の強制的な循環が促され、また通貨価値保有量の格差が縮小する方向に通貨価値が再分配されることになる。
また、回収期間を付与期間と異なる日数にしてもよい。例えば、1ヶ月に1回の付与日を設けるとともに、1ヶ月に複数回の回収日を設けるよう設定してもよい。これにより、通貨価値の使用日の集中を緩和することができる。すなわち、1ヶ月に1回の付与日および1ヶ月に1回の回収日の設定では、1ヶ月の間で1回のみの回収日前に通貨価値の使用が集中しやすい。1ヶ月に複数回の回収日を設定すれば、1ヶ月の間で通貨価値の使用が分散して、経済活動を活発化しやすくなる。逆に、付与日を複数回としてもよい。これにより、通貨価値の計画的な利用を促進できる。
(通貨価値管理プログラム)
図4および図5は、本実施形態に係る通貨価値管理プログラムを例示するフローチャートである。
本実施形態に係る通貨価値管理プログラムは、コンピュータ(代表的には、管理サーバ100)に次のステップを実行させる。
<口座管理ステップ:図4のステップS101>
口座管理ステップは、個々の利用者Uごとの通貨価値に関する電子情報が対応付けされた利用者用口座AC-Uと、少なくとも付与に用いる通貨価値に関する電子情報が対応付けされた電子基幹庫EMと、を管理する処理を実行する。口座管理ステップは、通貨価値付与ステップで所定額の通貨価値を電子情報として付与されない一般用口座AC-Cをさらに管理する処理を実行してもよい。
<通貨価値付与ステップ:図4のステップS103>
通貨価値付与ステップは、利用者用口座AC-Uに通貨価値を電子情報として付与する処理を実行する。
<通貨価値回収ステップ:図4のステップS105>
通貨価値回収ステップは、利用者用口座AC-Uに蓄積された通貨価値の残高から一部の通貨価値を電子情報として回収して電子基幹庫EMに移動する処理を実行する。通貨価値回収ステップは、口座管理ステップにおいて一般用口座AC-Cを管理する場合、一般用口座AC-Cに蓄積された通貨価値の残高から一部の通貨価値を電子情報として回収して電子基幹庫EMに移動する処理を実行する。
<付与回収ステップ:図4のステップS102、S104>
付与回収ステップは、予め設定された付与期間を経過することで通貨価値付与ステップによる所定額の通貨価値の電子情報としての付与と、予め設定された回収期間を経過することで通貨価値回収ステップによる所定額の通貨価値の電子情報としての回収と、を実行する。
上記各ステップを含む処理(図4のフローチャートに示す処理)は、例えば管理サーバ100のコンピュータで実行される。処理の流れは次のようになる。
先ず、口座管理部111で口座の管理(ステップS101)を行った状態で、口座管理部111で付与期間を経過したか否かの判断を行う(ステップS102)。付与期間を経過した場合、通貨価値付与部112により利用者用口座AC-Uに所定額の通貨価値を電子情報として付与する処理を行う(ステップS103)。
次に、口座管理部111で回収期間を経過したか否かの判断を行う(ステップS104)。回収期間を経過した場合、通貨価値回収部113により利用者用口座AC-Uや一般用口座AC-Cに蓄積された通貨価値の残高から一部の通貨価値を電子情報として回収して電子基幹庫EMに移動する処理を行う(ステップS105)。
次に、システム継続するか否かの判断を行い(ステップS106)、継続する場合にはステップS102へ戻り、以降の処理を繰り返す。
ここで、ステップS102に示す回収期間と、ステップS104に示す付与期間と同じ日数にし、ステップS103に示す通貨価値回収部113による回収処理を行う日を、ステップS105に示す通貨価値付与部112による付与処理を行う日と異なる日にしてもよい。これにより、一定期間ごとで、異なる日に利用者Uに対して通貨価値の付与と回収とが行われ、通貨価値の循環のサイクルが構築される。
また、ステップS102に示す回収期間と、ステップS104に示す付与期間と異なる日数にしてもよい。これにより、通貨価値の使用日の集中を緩和することができ、経済活動を活発化しやすくなる。
また、ステップS103に示す通貨価値付与部112による付与は、利用者用口座AC-Uごとに一定額で行われ、ステップS105に示す通貨価値回収部113による回収は、各口座に蓄積された通貨価値の残高に対する一定割合で行われるようにしてもよい。これにより、利用者Uの生活への投資としての通貨価値が定期的に付与されるとともに、全口座、すなわち利用者用口座AC-Uおよび一般用口座AC-Cの通貨価値の残高に対する一定割合の通貨価値が定期的に回収され、通貨価値の循環が促され、また通貨価値保有量の格差が縮小する方向に通貨価値が再分配されることになる。
また、通貨価値管理プログラムは、コンピュータ(代表的には、端末300)に次のステップを実行させてもよい。
<移動指示受け付けステップ:図5(a)のステップS201~S202>
移動指示受け付けステップは、上記(1)~(4)の少なくともいずれかの価値移動指示を受け付けて、ネットワークNを介して管理サーバ100へ送信する処理を行う。
上記各ステップを含む処理(図5(a)のフローチャートに示す処理)は、例えば端末300のコンピュータで実行される。処理の流れは次のようになる。
先ず、端末300の通貨価値移動指示部311で価値移動指示を受け付ける(ステップS201)。
次に、受け付けた価値移動指示を、端末300の通信部303からネットワークNを介して管理サーバ100へ送信する(ステップS202)。
また、通貨価値管理プログラムは、コンピュータ(代表的には、管理サーバ100)に次のステップを実行させてもよい。
<通貨価値移動ステップ:図5(b)のステップS301~S302>
通貨価値移動ステップは、上記(1)~(4)の少なくともいずれかの価値移動指示に基づく口座間の通貨価値の移動処理を実行する。例えば、端末300からネットワークNを介して送られた価値移動指示を受け付けて、その価値移動指示に基づく口座間での通貨価値の電子情報としての移動処理を実行する。
すなわち、上記各ステップを含む処理(図5(b)のフローチャートに示す処理)は、例えば管理サーバ100のコンピュータで実行される。処理の流れは次のようになる。
先ず、例えば端末300からネットワークNを介して送信された価値移動指示を、管理サーバ100の通信部105で受信して(ステップS301)、受信した価値移動指示を口座管理部111へ送る。
次に、管理サーバ100の口座管理部111は、端末300から送られた価値移動指示に基づき、所定額の通貨価値を口座間で移動する処理を行う(ステップS302)。
次に、本実施形態に係る通貨価値管理プログラムの処理の一具体例を説明する。
図6は、通貨価値の付与および回収の処理の一具体例を示すフローチャートである。
図7は、口座および通貨価値の流れの概念図である。
先ず、通貨価値管理システム1が機能するために、事前にこの通貨価値専用の口座を開設する。開設する口座は、利用者用口座AC-U、一般用口座AC-Cおよび電子基幹庫EMである。
図7に示すように、先ず、電子基幹庫EMを作成(開設)するとともに、利用者Uである通貨価値の付与対象者の定員内で利用者用口座AC-Uを開設する。また、通貨価値を財・サービスの交換に使用してくれる企業などの協力機関Cを募集し、それらの機関に対応した一般用口座AC-Cを開設する。
ここで、口座の属性としては、大別すると、電子基幹庫EMから通貨価値を付与される口座(付与対象口座)と、電子基幹庫EMから通貨価値を付与されない口座(付与非対象口座)とが挙げられる。
付与申込者である利用者Uは付与対象者であり、代表的には個人(個人事業主を含む)であるが、法人(公的機関、組織、団体、会社、商店など)であってもよい。利用者Uについて開設される利用者用口座AC-Uは付与対象口座に属する。
協力機関Cは付与非対象者であり、代表的には法人(公的機関、組織、団体、商店など)であるが、個人(個人事業主を含む)であってもよい。協力機関Cについて開設される一般用口座AC-Cは付与非対象口座に属する。
また、協力機関Cである例えば企業は、その従業員、職員、行員など(以下、従業員等と言う。)のために、企業(協力機関C)から給与や賞与など(以下、給与等と言う。)として通貨価値を支給するための口座(従業員用口座AC-W)を開設してもよい。
従業員等は付与非対象者および付与対象者のいずれかである。従業者等が付与非対象者の場合、従業員用口座AC-Wは付与非対象口座となる。一方、従業員等が付与対象者の場合、従業員用口座AC-Wは付与対象口座となる。本実施形態では、従業員等が付与非対象者であり、従業員用口座AC-Wが付与非対象口座である場合を例として説明する。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、各種の口座に名称を付しているが、本システムのデータベース上では、各口座は名称にかかわらず付与対象口座または付与非対象口座のいずれかに属することになる。
また、本システムの運用において、一個人または一法人に対して1つの口座の開設のみを許可するか、複数の口座の開設を許可するかを設定することができる。いずれの場合でも、口座の属性として、付与対象口座および付与非対象口座のいずれかに属することになる。また、口座管理部111は、口座の属性の変更を行うことができる。
口座の開設は、口座管理部111の処理によって例えばデータベースサーバ200に登録されることで行われる。なお、協力機関Cはいくつあってもよいが、通貨価値の付与申込者(利用者U)や従業員等が例えば毎月付与される通貨価値で購入可能な日用品の販売会社、食料品店、スーパーマーケットなどや、公的機関、銀行が好適である。
上記のように各種の口座が開設されていることを前提として、図6のフローチャートに示す処理が管理サーバ100で実行される。
先ず、口座データを読み込み(ステップS1001)、次に、予め設定された時間(T1とする)を経過したか否かの判断を行い(ステップS1002)、時間T1を経過した場合、通貨価値の付与申込者の各々の利用者用口座AC-Uに、電子基幹庫EMから所定額の通貨価値を電子情報として付与するループを実行する(ステップS1003~S1005)。
次に、通貨価値の付与のループが終了したのち、予め指定された時間(T2とする)の経過を監視しながら(ステップS1006)、商品売買の取り引きに通貨価値が使われた場合に端末300から情報を受け取り(ステップS1007)、これに伴う通貨価値の口座間移動を行う(ステップS1008~S1009)。なお、協力機関Cから従業員等へ給与等として通貨価値を従業員用口座AC-Wに付与する処理もステップS1007~S1009によって行われる。付与のタイミングは各協力機関Cの規定による。
T2の時間が経過した際には(ステップS1006でYes)、各口座のその時点での通貨価値数(残高)に、予め指定された回収比率R1を掛け、各口座の回収額Ci(iは各口座)を計算する(ステップS1010)。続いて、各口座からCiに相当する通貨価値の額を回収するループを実行して回収を行い(ステップS1011~S1013)、総額の中のR1に相当する通貨価値の額を電子基幹庫EMに戻す。そして、システムを継続するか否かの判断を行う(ステップS1014)、継続する場合にはステップS1001へ戻り、以降の処理を繰り返す。
なお、システムを継続する場合において、ステップS1002の判断がNoであった場合(時間t1を経過していない場合)、ステップS1007~S1009の処理を入れてもよい。すなわち、システムの継続において、通貨価値の付与の前に、取り引きによる口座間の通貨価値移動を可能にしてもよい。
このような通貨価値の付与および回収のシステムが、本発明の中心となる技術であり、通貨価値の付与および回収の繰り返しによって通貨価値の循環が促進される。電子基幹庫EMが起点となって、社会の血液である通貨を循環させる、心臓の役割を果たすシステムであり、経済活性化効果は非常に大きいが、自動化によりシステム自体の運営経費は最小で済む。
図8は、通貨価値による取り引きでの処理の一具体例を示すフローチャートである。
図8のフローチャートに示す処理は、端末300で実行される。
通貨価値の所持者が、付与された通貨価値を財・サービスの購入に使用する際、当該所持者が持つ端末300によって、その取り引きの情報を管理サーバ100側に送信する。
端末300は、先ず、当該端末で指定した口座(利用者用口座AC-U、一般用口座AC-C、従業員用口座AC-W)の金額(通貨価値の残高)を読み込む(ステップS3001)。取り引きを開始したら(ステップS3002)、金額(金額に相当する通貨価値の額)の入力を要求し(ステップS3003)、その取引金額が口座(利用者用口座AC-U、一般用口座AC-C、従業員用口座AC-W)にある通貨価値の総額(残高)で支払い可能かどうか(取引金額≦口座金額か否か)を確認する(ステップS3004)。
この確認において支払い不可だった場合(ステップS3004でNo)、”金額が足りません”などの表示を行いステップS3002へ戻る。一方、この確認において支払い可能だった場合(ステップS3004でYes)、取引先口座の情報入力を要求する(ステップS3006)。この情報を読み込んだのち、端末300から管理サーバ100にネットワークNを介して取引額と取引先口座の情報を転送し(ステップS3007)、口座間の通貨価値の移動を指示する(ステップS3008)。
図6および図8に示すフローチャートに沿った処理により、通貨価値管理システム1は以下のように動作する。
先ず、電子基幹庫EMから通貨価値の付与申込者(利用者U)の利用者用口座AC-Uに所定額の通貨価値を電子情報として付与する。協力機関の一般用口座AC-Cや従業員用口座AC-W、電子基幹庫EMには、電子基幹庫EMからの通貨価値の付与は行われない。なお、一般用口座AC-Cから従業員用口座AC-Wへの給与等として通貨価値の支給や、電子基幹庫EMを除く各口座間での通貨価値の移動は行われる。
次に、電子基幹庫EMから利用者用口座AC-Uへ所定額の通貨価値が次に付与されるまでの間、次のような通貨価値の移動が行われる。
すなわち、通貨価値の付与申込者(利用者U)は、付与された通貨価値を使って、企業、店舗などの協力機関から財・サービスを購入する。その際に、財・サービスの購入の対価としての通貨価値を、利用者用口座AC-Uから協力機関Cの一般用口座AC-Cに電子情報として移動する。
また、協力機関は他の協力機関から財・サービスを購入することができる。この場合、財・サービスの供給者の機関用口座(一の機関用口座)AC-Cから、需要者の機関用口座(他の機関用口座)AC-Cに通貨価値を電子情報として移動する。また、協力機関は、通貨価値を給料として従業員等に支払うことができる。この場合、協力機関の一般用口座AC-Cから従業者等の従業員用口座AC-Wや利用者用口座AC-Uに給料に相当する通貨価値を電子情報として移動する。
通貨価値を得た従業員等は、協力機関から財・サービスを購入できる。この場合、従業員等の従業員用口座AC-Wや利用者用口座AC-Uから財・サービスの対価に相当する通貨価値を、協力機関の一般用口座AC-Cに電子情報として移動する。
また、例えば個人売買などにおいて利用者Uの間で通貨価値を移動することもできる。この場合、一の利用者用口座AC-Uや従業員用口座AC-Wから他の利用者用口座AC-Uや従業員用口座AC-Wに通貨価値を電子情報として移動する。
このようにして、図7に示す全ての口座の中を通貨価値が電子情報として移動することになる。
その後、所定の時間が経過した段階で、利用者用口座AC-U、一般用口座AC-Cおよび従業員用口座AC-Wの全口座から例えば残高に対する一定の割合で通貨価値を回収し、電子基幹庫EMに電子情報として移動する。
この回収した通貨価値を次の付与に使用することができる。このようにして、通貨価値の循環システムを構築することができる。
(適用例)
次に、適用例について説明する。
<1.非金融企業がポイントとして通貨価値の付与・管理を行う場合>
通貨価値であるポイントの付与を実行する企業(非金融企業)は、前述の通貨価値管理システム1を用意し、ポイント付与申込の定員を定めて募集すると同時に、同ポイントを財・サービスの交換に使用してくれる企業などの協力機関を募集する。管理サーバ100は、電子基幹庫EMと、ポイント付与申込者、協力機関、協力機関の従業員について、それぞれポイント専用の口座とを開設する。また、それぞれのスマホなどの端末に、ポイント使用のためのアプリケーションソフトウェア(いわゆるアプリ)を入れて、端末300とする。
例えば、通貨価値であるポイントにおいて、日本の公定通貨である円とポイントとの対応比率を1対1とする。ポイント付与申込者に所定の額(例えば、三万ポイント)が付与され、協力機関での財・サービス販売について、円での定価をそのまま「ポイント」で支払う仕組みとする。各売り場にも端末を用意し、ポイント保持者から、ポイントでの支払いを受ける。
ポイントは付与後、所定の期間、例えば付与から4週間の後に、一定の割合(例えば、1%)が設定され、全口座(利用者用口座AC-U、従業員用口座AC-Wおよび一般用口座AC-Cの全口座)の残高から上記設定された割合分のポイントが電子情報として回収されるものとする。このようにポイントは減少するため、無くなる前に使用しようと使用が促進されるので、ポイントは自発的に循環する。また、ポイント保持者が使用せずポイントが口座に滞留・沈殿していても、回収によって強制的に循環することができる。
なお、ポイント付与実行企業とその従業員は自らの付与対象口座を作成し、付与対象者となることもできる。
<2.金融機関がポイント付与を行う場合>
ポイント付与実施金融機関、例えば銀行は、銀行のサーバの中に前述の通貨価値管理システム1を用意し、上記の適用例1.と同様に、ポイント付与申込者と協力機関およびその従業員を募集する。管理サーバ100は、口座用データベース(例えば、データベースサーバ200)内に、利用者用口座AC-U、一般用口座AC-C、従業員用口座AC-Wおよび電子基幹庫EMに加えて、銀行用口座AC-Bを開設する。銀行用口座AC-Bには電子基幹庫EMから通貨価値が付与されない。したがって、銀行用口座AC-Bは付与非対象口座である。なお、銀行用口座AC-Bは複数設けられていてもよい。銀行は、給料をポイントで支払う銀行従業員(行員)を選定し、その口座(従業員用口座AC-W)を開設する。
この場合の口座とポイント循環のイメージを図9に示す。ポイントの回収の際、回収のための定率(例えば、1%)を設定し、全ての利用者用口座AC-U、従業員用口座AC-Wおよび一般用口座AC-Cの残高から定率分のポイントを電子情報として回収し、通貨価値循環の起点となる電子基幹庫EMに戻す。また、回収して電子基幹庫EMに戻すと同時に、銀行の運営とポイントの保全のために必要な手数料として定率(例えば、1%)を設定し、全ての利用者用口座AC-U、従業員用口座AC-Wおよび一般用口座AC-Cの残高から定率分のポイントを電子情報として徴収し、銀行用口座AC-B(一般用口座AC-C)に移動する。なお、銀行運営用の手数料は、銀行用口座AC-Bからは徴収しないこととする。
銀行はこのポイントを、他の協力機関における財・サービスの購入や、銀行従業員への給料の支払いに使用できる。なお、銀行用口座からも従業員用口座からも、ポイント利用者として例外なく、電子基幹庫EMへの1%の回収は行われる。したがって、ポイントが銀行用口座に無制限に滞留・沈殿することはない。
金融機関が付与実施企業となる場合、このように、電子基幹庫EMを中心とした社会全体の循環に加えて、銀行用口座AC-Bを中心とした銀行内の循環も実施される。したがって回収の際、ポイントの保持者は合計2%の割合で回収(徴収)されるため、やはり使用が促進され、ポイントは自発的に循環する。また銀行においては、ポイント保持量に応じた手数料収入が得られるため、ポイントに関しては振込など移動に関して例えば無料にしても運営可能であり、ポイントの使用(口座間移動)を促進できる。利用者から見れば、振込手数料などを1回ずつ支払わないで済み、銀行を何度利用しても「徴収時残高の1%」という手数料額が変わらないので「手数料定額制」に近く、受け入れやすい。また、ポイント預金の保全コストを借金に頼らず確保できる。このため、銀行の経営が借金に頼らない収益モデルとなり、従来の銀行経営の宿命であった借金増加の駆動力を減ずることができ、社会の経済格差の抑制に寄与する。
さらに、ポイントの付与→回収→付与→回収→…の繰り返しにより、社会のポイントを強制的に循環させることができ、経済活動を刺激できる。
ここで、ポイントの付与申込者が増加し、社会全体にポイントが行き渡る場合、比較的富裕な者においては余剰のポイントが滞留を始めることが考えられる。つまり、毎月定率の回収が行われても、(付与額/回収率)のポイント額を上限として貯めることができるからである(後述する例において、付与額3万ポイント、回収率1%の場合、上限額は300万ポイントとなる)。また、協力機関となる企業が、1か月の回収期間の間に、取り引きにより大きな通貨価値額を獲得する可能性もある。この場合、余剰のポイントを、銀行を介して貸し出すことで、無利子経済を成立させることができる。
図10は、無利子経済の成立について説明する模式図である。
先ず、図10(a)に示すように、余剰のポイントだけについて考えると、毎月1%の回収によって余剰のポイントは5年でほぼ半減してしまう。
そこで、図10(b)に示すように、銀行を介して無利子で貸し出すこととする。借手は5年後に全額を無利子で銀行に返済する。銀行が手数料を2割とした場合、8割が貸手に戻って来ることになる。図10(b)に示すように、余剰のポイントを放置すれば5年でほぼ半減することを考えると、無利子でも貸した方が有利である。また、銀行の手数料を1割にした場合、10%のマイナス利子、すなわち9割を借手が返済する条件で貸し出すこともできる。
銀行は、余剰ポイントを貸したい者と、不足資金を借りたい者を仲介する新たなビジネスモデルを得る。この場合、預金創造は行われず、社会のポイントが増加することは無い。この方法によって、有利子経済から無利子経済への転換を図ることができる。また、不足の資金を必要とする個人または企業に、滞留するポイントを貸し出すことは、滞留するポイントを循環させる効果を得ることができる。
<3.公共の財政主体が地域通貨としての通貨価値の付与・管理を行う場合>
公共の財政主体が地域通貨を付与する適用例では、財政主体は、主となる銀行(地域が国であれば中央銀行)より無期限無利息の借金で得た資金により地域通貨を発行する。先の適用例と同様に、銀行内に地域通貨による通貨価値管理システム1(地域通貨管理システム)を用意し、地域通貨付与者を定める(例えば大人全員)。
また、これと同時に、地域通貨を財・サービスの交換に使用してくれる企業などの協力機関を地域内で募集する。管理サーバ100は、口座用データベース(例えば、データベースサーバ200)内には、利用者用口座AC-U、一般用口座AC-C、従業員用口座AC-Wおよび電子基幹庫EMに加えて、銀行用口座AC-Bも用意する。銀行用口座AC-Bは付与非対象口座である。端末300には、アプリケーションソフトウェア(いわゆるアプリ)がインストールされる。
先ず、地域通貨を付与対象者(例えば、大人全員)に定額(例えば、三万通貨)を付与する。地域通貨による売買の取り引きが地域内で行われ、さらに給料として従業員に支払われれば、地域社会の中を地域通貨が流通・循環する状況になる。
次に、所定の期間(例えば、付与から4週間)を経過した後に、地域通貨税として定率(例えば、1%)を設定し、全ての利用者用口座AC-U、従業員用口座AC-Wおよび一般用口座AC-Cの残高から定率分の地域通貨を電子情報として徴収し、財政主体の電子基幹庫EMに戻す。同時に、銀行の経営および地域通貨保全コストの手数料のために、定率(例えば、1%)を設定し、全ての利用者用口座AC-U、従業員用口座AC-Wおよび一般用口座AC-Cの残高から定率分の地域通貨を電子情報として徴収して銀行用口座AC-Bに移動する。なお、銀行運営用の手数料は、銀行用口座AC-Bからは徴収しないこととする。複数の銀行がある場合、手数料率は銀行によって異なっても良い。その場合、個々の利用者用口座AC-Uは複数の銀行に分かれて開設される。銀行手数料は、自行の口座からのみ徴収することとする。
このように、定期的、例えば1ヶ月に一度、定額の支給と、定率の徴収を行うことで、地域通貨を地域内で強制的に循環させることが可能となる。定額で支給すれば、全員に分配でき、定率で徴収すれば、所有する地域通貨の多寡に応じて回収されることになり、定期的な地域通貨の再分配により、経済格差抑制が可能となる。
この地域通貨の「定額支給と定率徴収」の通貨価値管理システム1は下記の利点を持つ。
<通貨循環のコストがほぼゼロ>
初期投資として通貨価値管理システム1(地域通貨管理システム)と端末300を用意すれば、定額支給、定率徴収はプログラム化された手順により、システムが自動的に行うため、運用経費は最低限で済む。
<経済格差縮小>
通貨価値管理システム1(通貨価値循環管理システム)は、地域通貨を富裕層に沈殿させることなく強制的に循環させる心臓の役割を果たすので、人々の間の経済格差の抑制が可能となる。
<経済活性化>
定額支給された地域通貨は、地域通貨を付与される者(利用者U)の生活に対する定期的な「投資」である。投資により支出された通貨は他者の新たな収入になるので、これによって経済を大きく活性化できる。
<通貨の総額を常時把握可能>
電子化された通貨価値のみを使用するため、常に通貨価値総額の把握が可能である。
<景気対策>
この投資による経済効果は取引総額(=「通貨価値」の移動の合計額)に等しいため、この投資による経済効果の把握が容易である。前項の通貨総額と併せて、循環の調整による景気対策が可能となる。
<ワークシェアリング拡大>
定額支給された地域通貨は、地域住民の基礎所得(ベーシックインカム)となり、ワークシェアリングを可能とする。また、通貨循環の促進により経済が活性化され、雇用が促進される。循環する地域通貨であるため、ベーシックインカムの財源も確保される。
<少子化対策>
地域の構成員の生活に対する投資なので、少子化対策ともなりうる。特に支給対象に子どもを含めれば、効果が大きい。
ここで、本実施形態に係る通貨価値管理システム1および通貨価値管理プログラムによる上記課題1~8に対応した効果1~8について説明する。
<効果1:通貨価値(ポイント)の循環>
本実施形態は、通貨価値の循環において下記のように、「強制循環」と「自発循環」との二つの効果を持つ。
・通貨価値を付与し、指定の期間後に指定の割合を回収し、それをまた付与に回すことにより、実体経済の中で強制的に通貨価値を循環させる(強制循環)。
・当該通貨価値は、所定の期間後に回収(徴収)されて減少してしまうことから「減価する通貨価値資産」となり、減少する前の自発的な使用を促進する。すなわち、実体経済の中で通貨価値保持者が自発的に通貨価値を循環させる(自発循環)、ゲゼルの自由貨幣(非特許文献4参照)と同じ効果を持つ。
本実施形態は、上記2種類の強力な循環機能により、社会の中の心臓の役割を果たして社会全体に通貨を満遍なく行き渡らせるとともに、通貨価値の無制限な滞留・沈殿を抑制する。また、定額供給と定率徴収とにより、平等な供給の一方で、通貨価値所有の多寡に応じた徴収となり、富裕層から多くの徴収を行うため、社会の経済格差を縮小する方向に通貨価値を再分配することになり、経済格差を抑制できる。
<効果2:銀行の業態改善>
銀行が通貨価値付与機関と契約し、通貨価値保全の業務を担った場合、電子基幹庫EMによる全体の回収とは独立に、一定の割合を銀行が手数料として徴収することができる。これを銀行の従業員の賃金とすることによって銀行を起点とした通貨価値の循環を形成することができ、銀行の経営を借金に頼らず行なえるようになる。このことが借金者増加の駆動力を減じ、社会の経済格差の抑制に寄与する。
また、銀行においては、通貨価値の管理手数料を一括して受け取ることで振込手数料などを無料にでき、社会における通貨の循環をより活発化できる。
<効果3:政府の財政赤字減少>
本実施形態により地域通貨を発行すれば、財政主体の予算執行時に民間に付与された通貨価値は、有限の期間内に全額が財政主体に戻る仕組みを構築でき、持続可能な循環する通貨を形成できる。また、日本円は税金として回収し国債の返済に充てることができる。
<効果4:有利子経済から無利子経済への変換>
本実施形態では、富裕な通貨価値保有者が、余剰な通貨価値を貯めこみ保有し続けると、回収され減少していく。例えば、月に1%の回収を行えば5年でほぼ半減することになる。もし、この通貨価値を無利子で貸し出し、5年後に返済してもらえば、富裕な通貨価値保有者にとっては、5年後も通貨価値の額が減少しないので、放置した場合に比べて有利な運用と言える。そこで、この余剰な通貨価値を銀行が集め、5年後に無利子で返済する契約で貸し出すことができる。この場合、銀行の預金創造による通貨価値の貸出(直接金融)ではなく、通貨価値保有者から銀行を介しての貸出(間接金融)であり、通貨価値保有者の口座からは通貨価値がなくなり、借手の口座に通貨価値が移動する。したがって、社会の通貨価値量の総額は変化しない。
また、この貸出に際し、5年後に、貸した通貨価値の9割の額を銀行が貸手に返済する契約で通貨価値を貸し出せば、借手は5年後に無利子で全額を銀行に返済し、銀行はそのうちの9割を貸手に返済すれば良いので、貸出額の1割を銀行の受取額とすることができる。富裕な通貨価値保有者にとっては、5年後に9割が返済されれば、やはり放置して半減するより有利な運用となるからである。このように、銀行は新たな間接金融の業態を得る。
<効果5:ワークシェア促進による失業の抑制と余暇の拡大>
本実施形態による通貨価値付与は、労働需要を分け合うワークシェアリングにおいて、基礎所得(ベーシックインカム)として利用できる。科学技術が発展し労働需要が減少する際に、少ない労働需要を労働者で分け合えば、失業は抑制でき、それぞれの労働者は余暇を拡大することができる。このとき、労働需要が減少するので労働の対価である賃金の減少は避けられないが、付与される通貨価値を基礎所得とすれば、その減少を補うことができる。循環する通貨の仕組みにより、労働者は余暇を拡大し、余暇のための新産業が生まれ、経済は活性化される。なお、循環する通貨価値であるため、ベーシックインカムの財源も確保される。
<効果6:定期的な景気浮揚>
本実施形態による通貨価値付与は、定期的な景気対策となりうる。表1に示すように様々な景気モデルが提唱されているが、循環する通貨による景気の波は、通貨価値の付与を月に1回とすると、毎月の定常的な景気浮揚施策となり、持続可能な経済に寄与することができる(表1の(4)参照)。この景気対策は自動化されたシステムにより行われるので、経費はほとんどかからないで済む。
Figure 0007473990000001
<効果7:容易な経済効果計測および景気制御>
電子化されたシステム、すなわち通貨価値を電子情報として管理することによって、取引金額の総額が瞬時に導出できる。したがって、経済効果の把握が容易となる。社会に存在する通貨価値の総額は、月に1回の付与および回収とした場合、(付与額×人数)/回収率に漸近する(以下の計算モデルを参照)。ここで、(毎月の取引総額/社会での総額)が、通貨価値の利用率となるので、取引総額の計測によりこの利用率を把握したうえで、付与額や回収率の変更によって総額を制御することができる。これにより、経済の可視可が容易となり、付与額および回収率の変更による景気の制御が可能となる。
<効果8:デフレ耐性を持つ通貨価値>
デフレ下においては、時間の経過とともに物の値段が下がるため、買い控えを誘発し消費の停滞を招くので、経済を収縮させてしまう。しかし、本実施形態によれば、通貨価値は放置すれば回収(徴収)により減少するので、デフレ下においても、通貨の使用、流通が促進される。したがって、本実施形態による通貨価値はデフレ耐性を持つと言える(非特許文献1)。科学技術の発展によりあらゆる産業において生産性が向上している現在、物価の下落は必然である。本実施形態による通貨価値を用いれば、経済を停滞させることなく、科学技術の発展による価格低下の恩恵を受けることができる。
本実施形態による通貨価値の、社会における総額は、経済活動強度(景気)を制御するうえで非常に重要であるが、この総額は、付与額、人数、回収率の3要因で決定される一定量に漸近し、この上限を超えて無制限に増加し続けることは無い。総額におけるこの上限の存在は、景気過熱を防止するうえで不可欠である。本実施形態にかかる通貨価値管理システムでは、上記3要因による通貨価値総額の設計が容易であることを、計算により下記に示す。
「計算モデル」
毎月一度の定額支給、定率徴収を仮定すると、毎月の付与する通貨価値の総額Zstは定額の付与額Z1と人数Nを用いて下記の数1のようにあらわされる。
Zst=Z1×N …数1
一方、定額支給開始後mヶ月目の、徴収する通貨価値の総額Zct(m)は、mヶ月目の最初に社会に存在する通貨価値の総額ZT(m)と、定率徴収の割合Rを用いて下記の数2のように表される。
Zct(m)=(ZT(m)+Zst)×R …数2
したがって、mヶ月目の終わりに、社会に存在する通貨価値の総額ZT(m+1)は、前月分からZst増加してからZct(m)減少するので、下記の数3のように書ける。
ZT(m+1)=ZT(m)+Zst-Zct(m)
=ZT(m)+Zst-(ZT(m)+Zst)×R
=(ZT(m)+Zst)×(1-R) …数3
通貨価値の単位を[ポイント:PT]とし、Z1=30,000[PT]、N=100人、R=1%とした場合のZstとZct(m)の変化の様子を図11(a)に示す。ZctはZstに漸近していくことがわかる。Zst=Zct(m)となったとき、供給と回収の総額が一致し、通貨価値の社会全体における増減はゼロとなり、社会全体の総額ZT(m)は定常値ZTsに達する。
ZTsの値は下記の数4のように導出できる。
Zst=Zct(m)=(ZTs+Zst)×R …数4
ここで、ZTs≫Zstを利用すると、
Zst=ZTs×R
∴ ZTs=Zst/R=(Z1×N)/R
社会に存在する通貨価値の総額は、月に1回の付与および回収とした場合、(付与額×人数)/回収率に漸近する様子を図11(b)に示す。図11(a)と同様に、付与額を30,000[PT]、付与人数を100人、回収率を1%とした場合、社会に存在する通貨価値の総額は、(30,000×100)/0.01[PT]となり、3億[PT]に漸近する。
本実施形態に係る通貨価値管理システム1を用いれば、このように、社会に流通する通貨価値の総額の値を、付与額、人数、回収率によって容易に設計することができる。
また、付与申込者が付与される通貨価値を全く使用せず貯めた場合においても、付与額と回収額が一致した場合に定常値に達する。供給額が30,000[PT]、回収率が1%の場合、3,000,000[PT]に達したときに、毎月の供給額が回収額と同額になり、それ以上増加しない。すなわち、付与申込者においても、付与だけで蓄積できる金額は(付与額/回収率)が上限となり、際限ない通貨価値の沈殿を抑制できる。
この事実は同時に、この通貨価値によってある程度の蓄えが可能であることも意味している。何かの突発的事態や病気、将来の消費に備えて、付与される通貨価値をある程度は貯めておきたい場合も考えられる。その上限が、上記の例の場合、3,000,000[PT]ということである。
なお、例えば1億人の国民全員が上記の3,000,000[PT]を貯めたとしても、合計300兆[PT]である。この総額を、そのまま円換算すると300兆円だが、これはGDPの約500兆円、現在の日本の通貨総量(1000兆円を超える)と比較可能な量であり、通貨価値の総量としては、十分に実現性のある量である。
(応用例)
本実施形態に係る通貨価値管理システム1および通貨価値管理プログラムでは、通貨価値を電子情報として管理することから、次のような応用が可能である。
<ビッグデータ取得>
本実施形態による通貨価値管理システム1を用いれば、データベースサーバ200に全ての取り引きの情報を口座ごとに自動的に記録することも可能である。このとき、付与対象者、非付与対象者の属性を事前に集めてそれぞれの口座に紐づけておくことにより、様々なビッグデータの取得が可能となる。
例えば、住所、年齢、性別、職業、配偶者の有無、子どもの有無と人数などの属性を口座に紐づければ、取引総額(すなわち経済効果)や通貨の利用率を、地域別に取得したり、季節変動を調べたり、年代別や性別の利用率を比較したり、曜日による変動を調べたりできる。また、子どもの有無による経済行動の違いや、その地域性など、業種ごとに取り出すことも可能である。ビッグデータの取得は、取り引きが電子情報のやり取りである本実施形態による通貨価値管理システム1ならではの特徴であり、日々の経済活動の可視化も可能である。
<通貨価値の固有の識別情報>
管理サーバ100は、通貨価値に固有の識別情報(固有番号、固有記号など)を与えて管理することができる。すなわち、管理サーバ100は、提供する通貨価値の所定単位(例えば最小単位や付与単位)ごとの通貨価値に固有の識別情報を付与し、管理してもよい。
例えば、利用者Uの一人であるX氏に定期的に30,000[PT]の通貨価値が付与されるとした場合、付与される30,000[PT]の通貨価値のそれぞれに識別情報を付与する。これにより、30,000[PT]の通貨価値に対して30,000通りの識別情報が付与され、データベースで管理される。管理サーバ100は、この固有の識別情報ごとに、通貨価値を付与された利用者UであるX氏の情報、付与の日や時間などをデータベースに記録しておく。管理サーバ100は、付与する30,000[PT]の通貨価値に対して一つの識別情報を付与してもよい。
<通貨価値のトレーサビリティ>
管理サーバ100は、通貨価値に付与された識別情報に基づいて、通貨価値の流通経路や流通履歴を管理してもよい。例えば、通貨価値を付与された利用者UであるX氏が通貨価値を使用して商品を購入した場合、管理サーバ100は、その商品を購入した際に使われた通貨価値に付与された識別情報に対応付けして、その通貨価値の使用者情報、移動日時、移動先情報、使用対象(購入した商品やサービスの情報)などを記録し、管理する。管理サーバ100は、通貨価値が使用されるごとにこのような記録を累積するように記録する。これにより、識別情報を特定することで、その識別情報に対応付けされた通貨価値の流通経路や流通履歴を把握することができる。
<通貨価値の使用順>
管理サーバ100は、通貨価値に付与された識別情報に基づいて、通貨価値の使用順を管理してもよい。例えば、利用者UであるX氏の利用者用口座AC-Uに所定額の通貨価値が蓄積されている場合、管理サーバ100は、利用者用口座AC-Uの通貨価値のそれぞれに付与された識別情報からX氏の利用者用口座AC-Uに移動した日時(入日時)を把握することができる。X氏が利用者用口座AC-Uの通貨価値を使用して商品を購入する場合、管理サーバ100は、X氏の利用者用口座AC-Uの通貨価値の中から入日時の古いものから使用するように管理してもよい。これにより、入日時の古い通貨価値から先に使用され、通貨価値の滞留状況や回転率などの把握が容易となる。
<通貨価値の循環期間の把握>
管理サーバ100は、通貨価値に付与された識別情報に基づいて、通貨価値の循環期間を管理してもよい。例えば、識別情報の付された通貨価値が電子基幹庫EMから利用者用口座AC-Uに移動してから、どのくらいの期間で電子基幹庫EMに戻ってくるのかという循環期間について、管理サーバ100は通貨価値ごとに把握することができる。
<滞留期間の把握>
管理サーバ100は、通貨価値に付与された識別情報に基づいて、利用者Uのそれぞれについて通貨価値の滞留期間を把握することができる。例えば、利用者UであるX氏の利用者用口座AC-Uに付与された通貨価値について、管理サーバ100で識別情報により管理しておく。管理サーバ100は、X氏の利用者用口座AC-Uに付与された通貨価値が、利用者用口座AC-Uから他の口座へ移動するまでの期間を滞留期間として計算する。管理サーバ100は、例えば利用者用口座AC-Uについて滞留期間の平均を計算することで、X氏における通貨価値の滞留期間を把握することができる。
<滞留期間に応じた回収率の設定>
管理サーバ100は、上記のような利用者Uごとの滞留期間に応じて回収率を設定する管理を行ってもよい。例えば、滞留期間が長い利用者Uほど回収率を高く、滞留期間が短い利用者Uほど回収率を低く設定するようにしてもよい。
(通貨価値管理方法)
本実施形態に係る通貨価値管理システム1および通貨価値管理プログラムの動作は、通貨価値管理方法として特定することができる。
すなわち、通貨価値管理方法は、金銭的価値に対応した通貨価値の流れを管理する方法であって、
個々の利用者ごとの通貨価値に関する電子情報が対応付けされた利用者用口座と、少なくとも付与に用いる通貨価値に関する電子情報が対応付けされた電子基幹庫と、を管理する口座管理工程と、
前記利用者用口座に通貨価値を電子情報として付与する通貨価値付与工程と、利用者用口座に蓄積された通貨価値の残高から一部の通貨価値を電子情報として回収して前記電子基幹庫に移動する通貨価値回収工程と、
予め設定された付与期間を経過することで前記通貨価値付与工程による所定額の通貨価値の電子情報としての付与と、予め設定された回収期間を経過することで前記通貨価値回収工程による所定額の通貨価値の電子情報としての回収と、を実行する付与回収工程と、
を備える。
(通貨価値管理プログラムを格納した記憶媒体)
また、本実施形態に係る通貨価値管理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(DVD-ROM等)に記憶されていてもよい。
すなわち、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、
金銭的価値に対応した通貨価値の流れを管理する通貨価値管理プログラムを記憶する媒体であって、
コンピュータに、
個々の利用者ごとの通貨価値に関する電子情報が対応付けされた利用者用口座と、少なくとも付与に用いる通貨価値に関する電子情報が対応付けされた電子基幹庫と、を管理する口座管理ステップと、
前記利用者用口座に通貨価値を電子情報として付与する通貨価値付与ステップと、
前記利用者用口座に蓄積された通貨価値の残高から一部の通貨価値を電子情報として回収して前記電子基幹庫に移動する通貨価値回収ステップと、
予め設定された付与期間を経過することで前記通貨価値付与ステップによる所定額の通貨価値の電子情報としての付与と、予め設定された回収期間を経過することで前記通貨価値回収ステップによる所定額の通貨価値の電子情報としての回収と、を実行する付与回収ステップと、
を記憶する。
また、前記口座管理ステップでは、前記通貨価値付与ステップで所定額の通貨価値を電子情報として付与されない機関用口座をさらに管理し、
前記通貨価値回収ステップでは、前記利用者用口座および前記機関用口座のそれぞれに蓄積された通貨価値の残高から所定額の通貨価値を電子情報として回収して前記電子基幹庫に移動するようにしてもよい。
また、ネットワークNを介して管理サーバ100と端末300とが接続され、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、
所定額の通貨価値を電子情報として一の前記利用者用口座から他の前記利用者用口座に移動する指示、
所定額の通貨価値を電子情報として前記利用者用口座から前記機関用口座に移動する指示、
所定額の通貨価値を電子情報として前記機関用口座から前記利用者用口座に移動する指示、
および所定額の通貨価値を電子情報として一の前記機関用口座から他の前記機関用口座に移動する指示、
の少なくともいずれかを端末300で受け付けて、ネットワークNを介して管理サーバ100へ送信する移動指示受け付けステップをさらに記憶していてもよい。
また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、
所定額の通貨価値を電子情報として一の前記利用者用口座から他の前記利用者用口座に移動する処理、
所定額の通貨価値を電子情報として前記利用者用口座から前記機関用口座に移動する処理、
所定額の通貨価値を電子情報として前記機関用口座から前記利用者用口座に移動する処理、
および所定額の通貨価値を電子情報として一の前記機関用口座から他の前記機関用口座に移動する処理、
の少なくともいずれかを行う通貨価値移動ステップをさらに記憶していてもよい。
また、本実施形態に係る通貨価値管理プログラムは、ネットワークNを介して配信可能に構成されていてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、通貨価値の無制限な滞留、沈殿および偏在を抑制し、円滑に市場を循環する通貨価値管理システムおよび通貨価値管理プログラムを提供することが可能となる。
なお、上記に本実施形態およびその適用例(変形例、具体例)を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、通貨価値の電子情報としての付与と回収について、1回の付与に対して1回または複数回の回収を行う例を説明したが、複数回の付与に対して1回の回収を行ってもよい。また、前述の各実施形態またはその適用例(変形例、具体例)に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
以上のように、本発明は、通貨と同等な価値を有する通貨価値は、ポイントのほか、仮想通貨や実際の通貨を利用した通貨価値に好適に利用可能である。
1…通貨価値管理システム
100…管理サーバ
101…制御部
102…記憶部
103…入力部
104…出力部
105…通信部
111…口座管理部
112…通貨価値付与部
113…通貨価値回収部
200…データベースサーバ
201…制御部
202…記憶部
203…通信部
300…端末
301…制御部
302…入出力部
303…通信部
310…個別端末
311…通貨価値移動指示部
320…取引端末
A…運営機関
AC-B…銀行用口座
AC-C…一般用口座
EM…電子基幹庫
AC-U…利用者用口座
AC-W…従業員用口座
C…協力機関
N…ネットワーク
U…利用者

Claims (4)

  1. ネットワークに接続され、電子情報の処理システムで適用される管理サーバであって、
    少なくとも付与に用いる通貨価値に関する電子情報が記録され、前記電子情報が前記ネットワークを介して電子的に付与と回収との循環を繰り返す起点となる電子基幹庫と、前記電子基幹庫から前記電子情報を付与される付与対象者ごとに前記電子情報が記録される付与対象口座および前記電子基幹庫から前記電子情報を付与されない付与非対象者ごとに前記電子情報が記録される付与非対象口座を含む複数の口座と、に対して前記電子情報の記録に関する処理を制御する口座管理部と、
    前記口座管理部からの指示を受けて、前記電子基幹庫から前記付与対象口座に前記電子情報を電子的に付与する処理を行う付与部と、
    前記口座管理部からの指示を受けて、前記付与対象口座および前記付与非対象口座を含む全ての口座に蓄積された前記電子情報の価値数の一部を電子的に回収して前記電子基幹庫に電子的に移動する処理を行う回収部と、
    を有し、
    前記口座管理部は、予め設定された付与期間の経過によって前記付与部に指示を与え、前記付与部による所定の価値数の前記電子情報の電子的な付与と、予め設定された回収期間の経過によって前記回収部に指示を与え、前記回収部による前記全ての口座からの所定の価値数の前記電子情報の電子的な回収と、の前記処理システム内での循環の繰り返しの処理をさらに制御し、
    前記回収部は、前記口座管理部からの指示を受けて前記回収を行う際、前記付与対象口座および前記付与非対象口座を含む全ての口座に蓄積された前記電子情報の価値数について、前記回収の時点での各口座のそれぞれに蓄積された前記電子情報の価値数に、予め設定された回収率を掛けることで、各口座のそれぞれでの回収の価値数を計算し、各口座のそれぞれから、各口座のそれぞれについて計算された前記回収の価値数の前記電子情報を電子的に回収するループを前記全ての口座に対して実行して、その回収した前記電子情報を前記電子基幹庫に戻す処理をさらに行う、電子情報の処理システムで適用される管理サーバ。
  2. 一の前記付与対象口座に付与された前記電子情報が他の口座に移動するまでの期間を滞留期間として計算し、前記滞留期間に応じて前記回収率を設定する処理を実行する、請求項1記載の管理サーバ。
  3. 前記口座管理部は、前記付与期間と前記回収期間とを異なる日数に設定する、請求項1記載の管理サーバ。
  4. 前記口座管理部は、前記付与期間と前記回収期間とを同じ日数に設定し、前記付与部による付与の日と、前記回収部による回収の日とを異なる日に設定する、請求項1記載の管理サーバ。
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