JP7473611B2 - 車両におけるレーダー装置保護構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両におけるレーダー装置保護構造に関する。
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて自動運転技術や運転支援技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発が注力されている。自動運転機能又は運転支援機能を備える車両には、自車周辺に存在する他車両や建造物等の物体を検知するためにレーダー装置が搭載される。特許文献1は、車体フレームの前端部に取り付けられたブラケットと、ブラケットに支持されたレーダー装置と、レーダー装置の前方を覆うカバーとを有する車体構造を開示している。カバーの前面にはエンブレムが形成されている。レーダー装置は、ガーニッシュとしてのフロントグリルに形成された開口部に配置されている。カバーは、開口部に嵌め込まれ、レーダー装置の前方に配置されている。
特開2021-025849号公報
ガーニッシュ及びカバーは製造誤差を有するため、ガーニッシュとカバーとの隙間を完全になくすことは困難である。このため、雨水や雪等が浸入し、レーダー装置における電波の送受信面や、カバーの裏面における送受信面に対向する部分に付着して、レーダー装置の機能が低下するおそれがある。
本発明の発明者は、浸入した雨水や雪等をせき止める突条をカバーの裏面におけるレーダー装置の上方かつ近傍に設けることにより、雨水や雪等がレーダー装置における電波の送受信面やカバーの裏面における送受信面に対向する部分に付着することを防止することを検討した。しかしながら、この方法では、突条が多重波伝播(マルチパスプロパゲーション)の原因となること、すなわち、レーダー装置が送受信する電波が突条で反射することによりレーダー装置による正確な測位が乱されること、が懸念された。
本発明は、以上の背景を鑑み、車両におけるレーダー装置保護構造であって、レーダー装置における電波の送受信面や、カバーの裏面における送受信面に対向する部分に雨水や雪等が付着することを抑制し、かつ多重波伝播の原因とならない構造を提供することを直接の目的とし、延いては、持続可能な輸送システムの発展に寄与することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両(1)におけるレーダー装置保護構造(3,50,60,70,80,90)であって、前記車両の外形の一部を形成し、前記外形の前記一部に対する内外方向の外方に開口した開口部(14)を有するガーニッシュ(4)と、前記開口部に対する前記内外方向から見て前記外形の外表面よりも前記内外方向の内方に配置され、前記外方に向かって電波を送受信するアンテナ(11)を有するレーダー装置(5)と、前記レーダー装置よりも前記外方に位置して前記開口部を塞ぐように前記ガーニッシュに取り付けられ、前記車両の前記外形の一部を形成する表面(24)及び前記レーダー装置に対向する裏面(25)を有して前記レーダー装置から発射させた前記電波を透過可能な板状部(26)を含む、カバー(6,51,61,71,81,91)とを備え、前記カバーは、前記裏面から前記内方に突出して横方向に延在する突条(36,52,62,72,82)を有し、前記突条は、前記裏面に連結する基端(37)と、前記レーダー装置よりも上方に位置する突出端(38)と、前記基端及び前記突出端間に位置する下面(39,63,73,83)とを有し、前記下面は、前記内方に向かうにつれて前記上方に向かうように構成される。ここで、「内方」は、「外方」の反対向きを意味し、例えば、電波の送受信の向きである「外方」が前方であれば「内方」は後方であり、「外方」が後方であれば「内方」は前方であり、「外方」が右方であれば「内方」は左方であり、「外方」が左方であれば「内方」は右方である。「横方向」は、裏面に沿った水平方向を意味する。
この態様によれば、突条によって、レーダー装置における電波の送受信面や、カバーの裏面における送受信面に対向する部分に雨水や雪等が付着することが抑制され、突条の下面が内方に向かうにつれて前記上方に向かっていることにより、多重波伝播が抑制される。
上記の態様において、前記突条の前記下面(39,63,73,83)は、前記裏面(25)における前記レーダー装置の視野の上限(FOV-U)との交線から延出するか、又は前記交線から前記上方に5mm以内の範囲から突出してもよい。
この態様によれば、突条がレーダー装置の近傍かつ上方に配置されるため、雨水や雪等の付着が更に抑制される。
上記の態様において、前記内外方向及び上下方向に平行な断面視で、前記突条(36)の前記下面(39)が前記内外方向に直交する平面に対してなす角(α)と、前記カバー(6,51,61,71,81,91)の前記裏面(25)から前記レーダー装置(5)の表面までの前記内外方向の距離(X)(X>0)と、前記突条の前記基端の厚さ(Y)との関係が、α≦90°+tan-1(Y/X)であってもよい。
この態様によれば、突条の肉厚と下面の傾斜角度とのバランスが良くなる。
上記の態様において、前記内外方向及び上下方向に平行な断面視で、前記電波における前記アンテナ(11)の上端部から発射されて最も前記上方に向かう上端部電波(W-U)と、前記下面(39)における前記上端部電波との交点から前記基端側に向かう線分とのなす角は、90°よりも小さいとよい。
この態様によれば、アンテナから放射された電波が直接に突条の下面に反射しても、反射波が入射波に対して角度をもって反射するため、その反射波がアンテナに直接に戻ることが抑制される。
上記の態様において、前記突出端(38)は、前記レーダー装置(5)における前記カバー(6,51,61,71,81,91)に対向する表面よりも前記内方に位置するとよい。
この態様によれば、突条の上面に滞留する水分は、突出端を超えて落下しても、レーダー装置における電波の送受信面や、カバーの裏面における送受信面に対向する部分に付着し難い。
上記の態様において、前記上方から見て、前記突条(36,52,62,72,82)の前記横方向の両端部は、前記レーダー装置の前記横方向の両端部よりも横外方に位置するとよい。
この態様によれば、突条の上面に滞留する水分は、突条の横方向の両端部を超えて落下しても、レーダー装置における電波の送受信面や、カバーの裏面における送受信面に対向する部分に付着し難い。
上記の態様において、前記下面(63)は、前記内外方向及び上下方向に平行な断面視で、階段形状を呈してもよい。
この態様によれば、下面が階段形状を呈するため、電波の下面における反射が抑制されて、多重波伝播が更に抑制される。
上記の態様において、前記下面(39,63,73,83)は、シボ加工されているか、又は反射抑制材(84)を含むとよい。
この態様によれば、シボ加工又は反射抑制材によって、電波の下面における反射が抑制されて、多重波伝播が更に抑制される。
上記の態様において、前記突条(52)は、前記基端(37)及び前記突出端(38)間に位置する上面(53)を更に有し、前記上面は、前記内方に向かうにつれて前記上方に向かうように構成されてもよい。
この態様によれば、突条の上面に滞留する水分は、突出端を超えて落下するよりも、突条の横方向の両端部から落下し易くなる。このため、レーダー装置5電波の送受信面に水分が付着することが抑制される。
以上の構成によれば、車両におけるレーダー装置保護構造であって、レーダー装置における電波の送受信面や、カバーの裏面における送受信面に対向する部分に雨水や雪等が付着することを抑制し、かつ多重波伝播の原因とならない構造を提供することができる。
第1実施形態に係るレーダー装置保護構造を備える車両の斜視図 第1実施形態に係るレーダー装置保護構造の分解斜視図 第1実施形態に係るレーダー装置保護構造の縦断面図(カバーの右端から左右方向幅の1/3だけ左方にずれた点を通って左右方向に直交する断面を左方から見た図) 第1実施形態に係るフロントグリルの開口形成部の斜視図 第1実施形態に係るカバーの背面図 図2における突条周辺の拡大図 第2実施形態に係るレーダー装置保護構造の突条周辺の拡大断面図 第3実施形態に係るレーダー装置保護構造の突条周辺の拡大断面図 第4実施形態に係るレーダー装置保護構造の突条周辺の拡大断面図 第5実施形態に係るレーダー装置保護構造の突条周辺の拡大断面図 第6実施形態に係るカバーの背面図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態では、本発明を乗用車に適用した例について説明する。
図1に示すように、車両1は、4輪車両であって、車両本体2と、レーダー装置保護構造3とを備える。図1~図3に示すように、レーダー装置保護構造3は、車両1の前部に設けられたガーニッシュとしてのフロントグリル4と、フロントグリル4の外表面よりも後方に配置されたレーダー装置5と、フロントグリル4に取り付けられてレーダー装置5を覆うカバー6と、レーダー装置5をフロントグリル4に取り付けるためのアダプタ7とを備える。
フロントグリル4は、車両1の外側に設けられ、車両1の外形の一部を構成する。フロントグリル4は、左右及び上下に延びている。フロントグリル4は、車両1の前部の左右方向における中央に配置されている。フロントグリル4は、車両1の外殻を形成するフロントバンパフェースや、左右のヘッドライトに結合されているとよい。フロントグリル4は、樹脂材料によって形成されているとよい。
フロントグリル4は、前後に貫通する複数の通気口8を有する。フロントグリル4は、その左右方向における中央部に、レーダー装置5が配置される開口形成部9を有する。開口形成部9は、車両1のエンブレムを取り付けるためのエンブレム取付部を兼ねる。開口形成部9にはアダプタ7が結合され、アダプタ7にはレーダー装置5が支持される。開口形成部9には、レーダー装置5を覆うカバー6が結合される。カバー6の表面24にはエンブレムが形成されてもよい。開口形成部9、アダプタ7、及びカバー6は樹脂によって形成されている。カバー6は例えば、ポリプロピレンによって形成されているとよい。
レーダー装置5は、電波を発射し、その反射波を測定することにより、車両1の周辺に存在する対象物を検出すると共に、対象物までの距離及び方向、すなわちレーダー装置5に対する対象物の位置を測定する。レーダー装置5が発射する電波は、ミリ波やマイクロ波を含むとよい。レーダー装置5は、扁平な直方体のケース10と、ケース10内に収容されて電波を送受信するアンテナ11とを有する。ケース10は、前方に開口してアンテナ11を収容する箱形状の箱部12と、箱部12の開口を塞ぐ蓋であってアンテナ11の前方に配置された前壁部13とを有する。アンテナ11は、前方に向かって電波を送受信し、前壁部13は、アンテナ11が送受信する電波が透過可能な素材によって形成される。箱部12には、その上部から上方に突出する上部結合片12Aと、その下部から下方に突出する一対の下部結合片12Bとが設けられている。上部結合片12A及び下部結合片12Bがアダプタ7に係合することにより、レーダー装置5がアダプタ7に取り付けられる。
図2及び図4に示すように、開口形成部9は、軸線が前後に延びる筒形に形成されている。本実施形態では、開口形成部9は四角筒に形成されている。開口形成部9の内側に形成される開口部14は、フロントグリル4の外面から内面に貫通している。開口形成部9は、開口部14の下部を画定する下壁部9Aと、開口部14の上部を画定する上壁部9Bと、開口部14の左右の側部を画定する左右の側壁部9Cとを有する。
図2~図4に示すように、アダプタ7はフロントグリル4の開口形成部9の後面に結合されると共に、開口部14と対向する位置に配置されている。アダプタ7は、面が前後を向く板状のベース部15と、ベース部15の縁部から前方に突出すると共に縁部に沿って延びる縁壁部16とを有する。ベース部15及び縁壁部16は、協働してレーダー装置5を受容するための受容凹部17を形成している。ベース部15は、前方から見て略四角形に形成されている。縁壁部16は、概ね四角筒形状をなす。
ベース部15の下端には、係合片18が設けられており、係合片18は、フロントグリル4の開口形成部9の下壁部9Aに設けられた係合孔19に係合する。ベース部15の上端には、前後方向に貫通する貫通孔20Aを有する締結片20が設けられており、フロントグリル4の開口形成部9の上部の後面には、貫通孔20Aに整合するねじ孔9Dが設けられている。係合片18が係合孔19に係合し、ねじ21が貫通孔20Aを介してねじ孔9Dに締結されることによって、アダプタ7がフロントグリル4に固定される。アダプタ7のフロントグリル4への固定によって、アダプタ7の受容凹部17に取り付けられたレーダー装置5がフロントグリル4の開口形成部9に配置される。
図2及び図3に示すように、カバー6は、開口形成部9の前端に結合され、開口部14を覆う。カバー6は、レーダー装置5及びアダプタ7を隠す。図4に示すように、開口形成部9の前端面は、開口部14に沿って環状に形成されている。開口形成部9の前端面には、前方に突出すると共に開口部14を囲むように延びる環状リブ22が形成されている。環状リブ22は、開口形成部9の前端面において外周側に配置されている。これにより、開口形成部9の前端面の内周側に、開口部14の縁部と環状リブ22とによって画定される環状表面23が形成されている。図3に示すように、カバー6は、環状リブ22の内側に配置される。
図3及び図5に示すように、カバー6は、前方を向いた表面24及び後方を向いた裏面25を有する板状部26を備える。板状部26の裏面25の周縁部は、開口形成部9の環状表面23に対向又は当接する。
カバー6は、裏面25の下部から延出する下部係止片27と、裏面25の上部から延出する上部係止片28と、裏面25の左右側部の各々から延出する側部係止片29とを更に備える。図4に示すように、フロントグリル4の開口形成部9は、下壁部9A、上壁部9B及び側壁部9Cの内面に、下部係止部30、上部係止部31及び側部係止部32が設けられている。図3~図5に示すように、下部係止片27が下部係止部30に係止され、上部係止片28が上部係止部31に係止され、側部係止片29が側部係止部32に係止されることにより、カバー6が、開口形成部9に取り付けられる。
図5に示すように、カバー6は、裏面25の周縁近傍に立設されて周縁に沿って配置された周壁33と、裏面25の上部に配置されたシール材34とを更に備えてもよい。周壁33は、2つの下部係止片27を連結するように設けられた部分、下部係止片27と側部係止片29とを連結するように設けられた部分、及び、上部係止片28と側部係止片29と間に、これらと離間するように裏面25の上隅に設けられた部分とを含む。図3及び図5に示すように、シール材34は、環状表面23に接触し、裏面25と環状表面23との隙間を埋める。本実施形態では、シール材34は裏面25の上縁に沿って左右に延びている。シール材34は、例えばゴムの発砲材であるとよい。シール材34は上部係止片28及び周壁33よりも板状部26の上縁側に配置されている。シール材34の左右の端部は、下方に延びているとよい。シール材34は、板状部26の裏面25に設けられた溝35に嵌合しているとよい。周壁33及びシール材34は、雨水や雪、ダスト等の異物が板状部26の周縁からレーダー装置5に向かうことを抑制する。
図3、図5及び図6に示すように、カバー6は、板状部26の裏面25から後方に突出し、横方向に延在する突条36を更に備える。突条36は、レーダー装置5よりも上方に配置される(図5において、レーダー装置5を後方からの投影した位置を二点鎖線で示す)。突条36は、裏面25に連結する基端37と、レーダー装置5の上方に位置する突出端38と、基端37及び突出端38間に位置する下面39及び上面40とを有する。上面40は、略水平に延在するが、下面39は、後方に向かうにつれて上方に向かうように構成される。本実施形態では、下面39は、平面であるが、湾曲面であってもよい。下面39は、平坦な面であっても良く、シボ加工された面であっても良い。
図6に示すように、突条36の突出端38は、レーダー装置5の前壁部13の前面よりも後方に、好ましくは2mm以上後方に位置する。上方から見て、突条36の横方向の両端部は、アンテナ11の横方向の両端部よりも横方向の外方に位置し、好ましくは、レーダー装置5の横方向の両端部よりも横方向の外方に位置する。突条36の下面39は、板状部26の裏面25におけるレーダー装置5の視野の上限FOV-Uとの交線から延出するか、又は、交線の近傍かつ上方(例えば、交線から上方に5mm以内の範囲)から突出する。
前後方向に直交する平面と突条36の下面39とがなす角度αについて検討する。レーダー装置5は前方に向けて電波を放射しており、レーダー装置5の前壁部13の前面は、前後方向に直交する平面である。突条36の前後方向長さ(突出長)を、図示する状態よりも短い最小値、すなわち、板状部26の裏面25と前壁部13の前面との前後方向の離間距離Xとし、突条36の基端37を、上下方向の厚さYがカバー6における成形可能な最小肉厚となるように成形し、突出端38を線状になるように突条36を成形した場合(前後方向及び上下方向に平行な断面視で三角形になるように突条36を形成した場合)に、角度αが最大となる。従って、α≦90°+tan-1(Y/X)となる。
アンテナ11からは、レーダー装置5の視野の上限FOV-Uよりも上方に向かって、有効な測位に利用できない電波が放射され得る。本実施形態では、ケース10の箱部12は、電波を透過しない素材で形成されている。従って、有効な測位に利用できない電波の内、最も上方に向かう上端部電波W-Uは、ケース10の上部において箱部12と前壁部13との互いの当接面の下端を通る。このような放射電波の進行方向が突条36の下面39に直交すると、アンテナ11がその反射波を受信して測位が乱される。よって、上端部電波W-Uの範囲の電波の進行方向が、突条36の下面39に直交しないように、前後方向及び上下方向に平行な断面視で、上端部電波W-Uと、突条36の下面39における上端部電波W-Uとの交点から基端37側に向かう線分とのなす角βは、90°よりも小さいことが好ましい。
第1実施形態に係るレーダー装置保護構造3の保護構造について説明する。
突条36が、レーダー装置5の近傍かつ上方に配置されるため、カバー6の板状部26の裏面25に沿って上方から浸入した雨水及び雪が、レーダー装置5の前壁の前面や、カバー6の板状部26の裏面25におけるレーダー装置5の正面に位置する部分に付着することを防止できる。また、突条36の下面39が、後方に向かうにつれて上方に向かうように構成されているため、下面39が水平な場合に比べて、対象物からの反射波が下面39で反射してアンテナ11に受信されることが抑制され、多重波伝播が抑制される。下面39がシボ加工されている場合は、下面39で反射してアンテナ11に受信される電波が更に減り、多重波伝播が更に抑制される。
突条36の突出端38が、レーダー装置5の前壁部13の前面よりも後方に位置するため、突条36の上面40に滞留する水分は、突出端38を超えても、レーダー装置5の上部に落下し、前壁部13の前面には付着し難く、レーダー装置5の測位の精度の低下が抑制される。
突条36の横方向の両端部が、レーダー装置5又はアンテナ11の横方向の両端部よりも横外方に位置するため、突条36の上面40に滞留する水分が突条36の横方向の両端部を超えて落下しても、前壁部13の前面には付着し難く、付着してもアンテナ11による電波の送受信への影響が小さい部分に付着し、レーダー装置5の測位の精度の低下が抑制される。
図7を参照して、第2実施形態に係るレーダー装置保護構造50を説明する。説明に当たって、第1の実施形態と共通する構成は、その説明を省略し同一の符号を付す(第3~第6実施形態の説明についても同様)。
第2実施形態に係るレーダー装置保護構造50は、カバー51の突条52の上面53が、後方に向かうにつれ上方に向かうように構成されている点においてのみ、第1実施形態と相違する。上面53は、平面であっても湾曲面であってもよい。突条52の上面53に滞留する水分は、突出端38を超えて落下すると、レーダー装置5の上面に落下して、前壁部13の前面に向かって流れるおそれがある。第2実施形態では、上面53が後方に向かうにつれ上方に向かうように構成されていることにより、上面53に滞留する水分は、突出端38を超えて落下するよりも、突条52の横方向の両端部から落下し易くなる。このため、レーダー装置5の前壁部13の前面に水分が付着することを抑制できる。
図8を参照して、第3実施形態に係るレーダー装置保護構造60を説明する。第3実施形態に係るレーダー装置保護構造60は、カバー61の突条62の下面63が、階段形状に形成されている点においてのみ、第1実施形態と相違する。すなわち、下面63は、後方に向かうにつれ上方に向かう傾斜面を複数有し、かつ、互いに前後に隣接する傾斜面間に、後方に位置する傾斜面がその前方に位置する傾斜面よりも上方に位置するように上下に段差が設けられている。このように下面63が階段形状を呈することにより、電波の下面63における反射が抑制されて、多重波伝播が抑制される。
図9を参照して、第4実施形態に係るレーダー装置保護構造70を説明する。第4実施形態に係るレーダー装置保護構造70は、カバー71の板状部26の裏面25に対する突条72の下面73の角度が、第1実施形態よりも大きい点でのみ、第1実施形態と相違する。このように、裏面25に対する下面73の角度が大きくてもよい。この場合、アンテナ11から放射される電波が視野の上限FOV-Uよりも上方に向かわないように、前壁部13における視野の上限FOV-Uよりも上方の部分が電波を透過させないように構成されることが好ましい。
図10を参照して、第5実施形態に係るレーダー装置保護構造80を説明する。第5実施形態に係るレーダー装置保護構造80は、カバー81の突条82の下面83が反射抑制材84を含む点においてのみ、第1実施形態と相違する。下面83が反射抑制材84を含むことにより、電波の下面83における反射が更に抑制されて、多重波伝播が更に抑制される。
図11を参照して、第5実施形態に係るレーダー装置保護構造90を説明する。第6実施形態に係るレーダー装置保護構造90は、カバー91が、側部突条92及び下部突条93を更に備える点でのみ、第1実施形態と相違する。
側部突条92は、カバー91の裏面25の左右に1つずつ設けられ、突条36の横方向の両端部から下方に向かって延在する。側部突条92は、後方から見て、レーダー装置5の横方向の両端部の近傍かつ横方向の外方に位置する。下部突条93は、左右の側部突条92の下端部間を連結するように横方向に直線状に延在する。下部突条93は、後方から見て、レーダー装置5の下端部の近傍かつ下方に位置する。
側部突条92及び下部突条93における延在方向に直交する断面形状は、突条36における延在方向に直交する断面形状と同様である。側部突条92におけるレーダー装置5を向いた内側面94は、後方に向かうにつれて横外方に向かうように構成され、下部突条93におけるレーダー装置5を向いた上面95は、後方に向かうにつれて下方に向かうように構成されている。側部突条92及び下部突条93は、側方及び下方から浸入又は侵入する水分やダスト等の異物の、レーダー装置5の前壁部13の前面への付着と、板状部26の裏面25における突条36、側部突条92及び下部突条93に囲まれた領域への付着とを抑制する。また、側部突条92の内側面94及び下部突条93の上面95が、後方に向かうにつれ横外方及び下方に向かうように構成されていることにより、突条36の下面39と同様に、多重波伝播が抑制される。
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。突条が、横方向に直線状に延在することに代えて、上に凸に湾曲又は屈曲するように横方向に延在しても良く、この場合、突条の上面に滞留する水分が横方向に排出され易くなり、水分が突出端を超えてレーダー装置に落下することが抑制される。第2~第6実施形態のいくつかを互いに組み合わせても良い。レーダー装置は、アダプタに代えて、車両のフレーム連結されたブラケット等の車両本体の部品に支持されてもよい。ガーニッシュは、フロントグリルに代えて、パネルであってもよい。
レーダー装置は、車両の前方の物体を検知するために車両の前部に配置されることに代え、車両の後方又は側方の物体を検知するために車両の後部又は側部に配置されても良い。レーダー装置が後部に配置される場合は、前後を互いに読み替えて上述の説明が適用され、レーダー装置が側部に配置される場合は、前後方向を左右方向に読み替え、かつ左右方向(横方向)を前後方向に読み替えて上述の説明が適用される。
1 :車両
3,50,60,70,80,90:レーダー装置保護構造
4 :フロントグリル(ガーニッシュ)
5 :レーダー装置
6、51,61,71,81,91:カバー
11 :アンテナ
14 :開口部
24 :表面
25 :裏面
26 :板状部
36,52,62,72,82:突条
37 :基端
38 :突出端
39,63,73,83:下面
40,53 :上面
84 :反射防止材
FOV-U :視野の上限
W-U :上端部電波

Claims (9)

  1. 車両におけるレーダー装置保護構造であって、
    前記車両の外形の一部を形成し、前記外形の前記一部に対する内外方向の外方に開口した開口部を有するガーニッシュと、
    前記開口部に対する前記内外方向から見て前記外形の外表面よりも前記内外方向の内方に配置され、前記外方に向かって電波を送受信するアンテナを有するレーダー装置と、
    前記レーダー装置よりも前記外方に位置して前記開口部を塞ぐように前記ガーニッシュに取り付けられ、前記車両の前記外形の一部を形成する表面及び前記レーダー装置に対向する裏面を有して前記レーダー装置から発射させた前記電波を透過可能な板状部を含む、カバーとを備え、
    前記カバーは、前記裏面から前記内方に突出して横方向に延在する突条を有し、
    前記突条は、前記裏面に連結する基端と、前記レーダー装置よりも上方に位置する突出端と、前記基端及び前記突出端間に位置する下面とを有し、前記下面は、前記内方に向かうにつれて前記上方に向かうように構成された、レーダー装置保護構造。
  2. 前記突条の前記下面は、前記裏面における前記レーダー装置の視野の上限との交線から延出するか、又は前記交線から前記上方に5mm以内の範囲から突出する、請求項1に記載のレーダー装置保護構造。
  3. 前記内外方向及び上下方向に平行な断面視で、前記突条の前記下面が前記内外方向に直交する平面に対してなす角(α)と、前記カバーの前記裏面から前記レーダー装置の表面までの前記内外方向の距離(X)(X>0)と、前記突条の前記基端の厚さ(Y)との関係が、α≦90°+tan-1(Y/X)である、請求項2に記載のレーダー装置保護構造。
  4. 前記内外方向及び上下方向に平行な断面視で、前記電波における前記アンテナの上端部から発射されて最も前記上方に向かう上端部電波と、前記下面における前記上端部電波との交点から前記基端側に向かう線分とのなす角は、90°よりも小さい、請求項1に記載のレーダー装置保護構造。
  5. 前記突出端は、前記レーダー装置における前記カバーに対向する表面よりも前記内方に位置する、請求項1に記載のレーダー装置保護構造。
  6. 前記上方から見て、前記突条の前記横方向の両端部は、前記レーダー装置の前記横方向の両端部よりも横外方に位置する、請求項1に記載のレーダー装置保護構造。
  7. 前記下面は、前記内外方向及び上下方向に平行な断面視で、階段形状を呈する、請求項1に記載のレーダー装置保護構造。
  8. 前記下面は、シボ加工されているか、又は反射抑制材を含む、請求項1に記載のレーダー装置保護構造。
  9. 前記突条は、前記基端及び前記突出端間に位置する上面を更に有し、前記上面は、前記内方に向かうにつれて前記上方に向かうように構成された、請求項1に記載のレーダー装置保護構造。
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