JP7472730B2 - ラジアルころ軸受用保持器 - Google Patents

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Description

本発明は、ラジアルころ軸受用保持器に関し、特に、自動車用変速機の変速ギヤ支持部やシャフト支持部に用いられるラジアルころ軸受用保持器に関する。
従来、針状ころ軸受、円筒ころ軸受、棒状ころ軸受などのラジアルころ軸受としては、複数のころと保持器のみを有して、内輪及び外輪を有しないケージアンドローラによって構成されるものや、シェル型外輪を有して、内輪を有さないシェル型ころ軸受によって構成されるものが知られている。保持器には周方向等間隔に複数のポケットが形成されており、複数のころは、各ポケットに転動可能に保持された状態で、外輪部材(例えばハウジング)と内輪部材(例えば回転軸)との間を転動する。ラジアルころ軸受は、ラジアル荷重を支えて、外輪部材に対して内輪部材を回転可能に支持している。
従来、ラジアルころ軸受用保持器としては、アキシャルドロー金型で樹脂を射出成型したアキシャルドロー保持器が知られている(特許文献1,2参照)。アキシャルドロー保持器は、ラジアルドロー金型で成型される保持器と比較して、1回の成型工程で複数の保持器を製造でき、金型部品点数を大幅に減らすことができるため、リードタイムおよびコスト面で有利となる。
また、他のラジアルころ軸受用保持器としては、一対のリム部と、一対のリム部を連結し、ころを収容するポケットを形成するように軸方向に延びる複数の柱部と、一対のリム部から内径側に延びる一対の環状の鍔部とを有し、柱部の軸方向の中央部は、内径側に折曲げられて略M字状に形成されたものが知られている(特許文献3,4参照)。例えば、特許文献3は、一対の鍔部から軸方向内方側に延びる内方側突出部を有し、ころの内径側への脱落を防止している。また、特許文献4では、保持器の両鍔部の内面の内径側縁に、環状の段差面を設け、この段差面に、ころ端面に接触する樹脂製リングを嵌合させている。
実開昭62-117322号公報 特公昭60-8525号公報 特開2008-202694号公報 特開2011-127645号公報
特許文献1、2に記載の樹脂製保持器によれば、成型後に金型をアキシアル方向の両側に抜くという構造上、保持器のリム部の径方向厚さがラジアルドロー金型で製造される保持器に比べて薄くなり、保持器の剛性が低下して保持器変形や、その変形に起因するころ抜けなどの発生が懸念される。防止策として、リム部の軸方向厚さを厚くしたり、ころ数を減らして柱部の幅を太くするなどが考えられるが、軸受定格容量がラジアルドロー金型で製造される保持器に比べて低下するという問題があった。
また、特許文献3に記載のころ軸受用保持器においては、リング部12a(12b)と曲げ加工された内方側突出部18a(18b)の間に径方向の隙間があるので、曲げ加工時のスプリングバックの影響により、内径がばらついた内方側突出部の一部が内輪部材に接触して、軸受の回転トルクが上昇する可能性がある。また、ラジアルころ軸受の取り付け周辺部の構成として、軌道面(シャフト又はギヤ)の軸方向端部(径方向から見て鍔部17aと重なる位置)に逃げ溝が形成されている場合がある。そして、ころの端面と保持器の鍔部との間の軸方向寸法が小さいと(特許文献3の図1参照)、ころ転動面が上記逃げ溝に干渉して、ころにエッジロードがかかって軸受が早期に損傷する可能性がある。特許文献4では、ころ端面に接触する樹脂製リングを設けているが、鍔部に設けられた段差面3aにより、鍔部の剛性が低下するという問題があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構造で、リム部の剛性を向上させると共に、ころの位置を適切に調節可能なラジアルころ軸受用保持器を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 軸方向に離間して同軸に配置される円環状の一対のリム部と、前記一対のリム部を軸方向に連結する複数の柱部と、を備え、前記一対のリム部と隣接する柱部との間に、ころを回転自在に収容するポケットを形成する保持器本体と、
前記一対のリム部の外周面又は内周面に嵌合する一対の円環状部材と、
を有するラジアルころ軸受用保持器であって、
前記各円環状部材は、軸方向において、前記一対のリム部の軸方向内側面よりも前記ポケット側に突出する、ラジアルころ軸受用保持器。
(2) 前記一対のリム部は、軸方向一方側で前記柱部と連結され、前記柱部の内接円の直径より大径の内径を有する大径リム部と、軸方向他方側で前記柱部と連結され、前記柱部の外接円の直径より小径の外径を有する小径リム部と、を備え、
前記保持器本体は、アキシャルドローにより射出成形されてなる樹脂製であり、
前記一対の円環状部材は、前記大径リム部の内周面に内嵌する小径円環状部材と、前記小径リム部の外周面に外嵌する大径円環状部材と、を備え、
前記各円環状部材は、円環部と、周方向に離間して設けられ、該円環部から軸方向内側に突出する複数の突出部を備えることで、径方向から見て櫛状を有する、(1)に記載のラジアルころ軸受用保持器。
(3) 前記突出部の先端部は、前記ころの端面と点接触するように凸状を有する、(2)に記載のラジアルころ軸受用保持器。
(4) 前記突出部の先端部は、窪み、又は径方向に沿って延びる凹溝を有する、(2)に記載のラジアルころ軸受用保持器。
(5) 前記突出部は、径方向に突出して、前記リム部の軸方向内側面と係合可能な係合部を有する、(2)~(4)のいずれかに記載のラジアルころ軸受用保持器。
(6) 前記保持器本体は、金属板を曲げ加工して形成され、
前記一対のリム部は、前記柱部から連続する円筒状部と、該円筒状部の軸方向外端部から内径側に延びる円盤状の鍔部と、を備え、
前記円環状部材は、前記鍔部の軸方向内側で前記円筒状部に内嵌し、且つ、軸方向において、前記円筒状部の軸方向内側面よりも前記ポケット側に突出する、(1)に記載のラジアルころ軸受用保持器。
(7) 前記円環状部材の軸方向内側面には、径方向、または周方向に沿った溝が形成される、(6)に記載のラジアルころ軸受用保持器。
本発明のラジアルころ軸受用保持器によれば、簡単な構造で、リム部の剛性を向上でき、また、ころの位置を適切に調整できる。
本発明の第1実施形態に係るラジアルころ軸受用保持器の斜視図である。 (a)は、図1に示すラジアルころ軸受用保持器のII-II線に沿った断面図であり、(b)は、図1のII´-II´線に沿った断面図である。 図1のラジアルころ軸受用保持器の円環状部材を径方向から見た部分展開図である。 第1実施形態の第1変形例に係る円環状部材を径方向から見た部分平面展開図である。 (a)は、第1実施形態の第2変形例に係る円環状部材を径方向から見た部分展開図、(b)は、図5(a)のV―V断面図である。 本発明の第2実施形態に係るラジアルころ軸受の断面図である。 図6に示すラジアルころ軸受の分解斜視図である。 図7に示す円環状部材の斜視図である。 他の円環状部材の斜視図である。 さらに他の円環状部材の斜視図である。 第2実施形態の第1変形例に係るラジアルころ軸受の断面図である。 第2実施形態の第2変形例に係るラジアルころ軸受の断面図である。 図12に示す円環状部材の斜視図である。 第2実施形態の第3変形例に係るラジアルころ軸受の断面図である。 図14に示す円環状部材の斜視図である。 第2実施形態の第4変形例に係るラジアルころ軸受の断面図である。
以下、本発明に係るラジアルころ軸受用保持器の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のラジアルころ軸受用保持器10は、アキシャルドロー形式の金型で射出成形された樹脂製の保持器本体20と、保持器本体20の軸方向端部(リム部21,22)に内嵌及び外嵌する一対の円環状部材30(小径円環状部材30A及び大径円環状部材30B)とを備える。
保持器本体20は、軸方向に離間し、且つ同軸に配置された円環状の大径リム部21及び小径リム部22と、大径リム部21及び小径リム部22を軸方向に連結し、円周方向に所定間隔で設けられる複数の柱部23と、を備える。そして、保持器本体20は、大径リム部21及び小径リム部22と周方向に隣り合う柱部23とによって、円筒ころ25が転動自在に保持されるポケット24を形成する。各柱部23は、保持器本体20の中心軸と平行に形成されており、図2(b)に示すように、各柱部23の径方向厚さは、軸方向の全長に亘り同じである。
即ち、大径リム部21は、保持器本体20の軸方向一方側で柱部23と連結され、各柱部23に外接する円の直径(各柱部23の外接円の直径)と同じ外径、且つ各柱部23に内接する円の直径(各柱部23の内接円の直径)より大径の内径を有する。小径リム部22は、保持器本体20の軸方向他方側で柱部23と連結され、各柱部23の外接円の直径より小径の外径、且つ各柱部23の内接円の直径と同じ内径を有する。大径リム部21の内径は、小径リム部22の外径より大径である。
また、図2に示すように、大径リム部21及び小径リム部22は、柱部23から大径リム部21側に軸方向に突出する内径側凸部27Aと、柱部23から小径リム部22側に軸方向に突出する外径側凸部27Bとを介して、柱部23とさらに連結される。内径側凸部27Aと外径側凸部27Bとは、柱部23を保持器本体20の中心軸と直交する平面で切断したときの断面形状を維持して、柱部23から軸方向に延在する。
また、大径リム部21の内周面21bには、小径円環状部材30Aが締め代をもって内嵌され、小径リム部22の外周面22bに、大径円環状部材30Bが締め代をもって外嵌される。このように、小径円環状部材30A及び大径円環状部材30Bを保持器本体20のリム部21、22に内嵌及び外嵌することによって、樹脂製の保持器本体20、特に、大径リム部21及び小径リム部22の剛性が強化される。
図3にも示すように、小径円環状部材30Aは、内径側凸部27Aの軸方向外側に位置する円環部32Aと、内径側凸部27Aを挟んで周方向に離間して設けられ、円環部32Aから軸方向内側に突出する複数の突出部33Aと、を有する。これにより、小径円環状部材30Aは、径方向から見て櫛状を有する。
突出部33Aは、ポケット24と同一位相、かつポケット24の周方向幅と同じ幅を有しており、それぞれ隣接する内径側凸部27A間に軸方向外側から嵌合する。さらに、各突出部33Aは、その軸方向内側の先端部に、円筒ころ25の端面25aと点接触する半球状の凸部34Aを備える。これにより、小径円環状部材30Aは、大径リム部21の軸方向内側面21aよりもポケット24側に突出する。
小径円環状部材30Aは、円環部32Aの軸方向内側面が内径側凸部27Aの軸方向外側面に当接することにより、大径リム部21に対する軸方向の位置決めを図っている。また、小径円環状部材30Aの軸方向外側面は大径リム部21の軸方向外側面と面一(同一平面状に位置している)であり、突出部33Aの軸方向内側面は大径リム部21の軸方向内側面21aと面一であり、小径円環状部材30Aの内径は各柱部23の内接円の直径と同じである。
また、大径円環状部材30Bも、外径側凸部27Bの軸方向外側に位置する円環部32Bと、外径側凸部27Bを挟んで周方向に離間して設けられ、円環部32Bから軸方向内側に突出する複数の突出部33Bと、を有する。これにより、大径環状部材30Bは、径方向から見て櫛状を有する。
突出部33Bは、ポケット24と同一位相、かつポケット24の周方向幅と同じ幅を有しており、それぞれ隣接する外径側凸部27B間に軸方向外側から嵌合する。さらに、各突出部33Bは、その軸方向内側の先端部に、円筒ころ25の端面25aと点接触する半球状の凸部34Bを備える。これにより、大径円環状部材30Bも、小径リム部22の軸方向内側面22aよりもポケット24側に突出する。
大径円環状部材30Bは、円環部32Bの軸方向内側面が外径側凸部27Bの軸方向外側面に当接することにより、小径リム部22に対する軸方向の位置決めを図っている。また、大径円環状部材30Bの軸方向外側面は小径リム部22の軸方向外側面と面一(同一平面状に位置している)であり、突出部33Bの軸方向内側面は小径リム部22の軸方向内側面22aと面一であり、大径円環状部材30Bの外径は各柱部23の外接円の直径と同じである。
半球状の凸部34A及び凸部34Bの中心を結ぶ中心軸は、円筒ころ25の中心軸CL上に位置している。
したがって、各円環状部材30A、30Bの突出部33A,33Bのポケット24への突出量や、凸部34A、34Bの軸方向寸法によって、ラジアルころ軸受用保持器10の軸方向外側面に対する、円筒ころ25の端面25aの軸方向位置を適切に調整することができる。従って、ラジアルころ軸受の軸方向端部に大きな軸方向の隙間を確保して、ころ25の転動面が軌道面(シャフト、ギヤ等)に形成された逃げ溝に干渉するのを回避することができる。
また、突出部33A、33Bの軸方向寸法が異なる数種類の円環状部材30A、30Bを用意して、同一の保持器本体20と組み合わせることにより、ラジアルころ軸受用保持器10は、円筒ころ25を保持するポケット24の軸方向寸法を、任意の寸法に調整することができる。従って、保持器本体10を共通化して、任意の円環状部材を組み合わせることで、ころ長さが異なるラジアルころ軸受に対応した保持器を安価に提供することができる。
また、ころ軸受の運転中、半球状に形成された凸部34A及び34Bと、円筒ころ25の端面25aとは点接触となるので、接触抵抗が低く、低トルク化できる。
なお、各円環状部材30A,30Bは、軸方向において、リム部21,22の軸方向内側面21a,22aよりもポケット側に突出するものであれば、突出部33A,33Bの形状は、種々変更可能である。
例えば、図4に示す、円環状部材の第1変形例のように、突出部33Aの先端部が平面37Aであり、該平面37Aの略中央部に潤滑油を保持可能な窪み35が設けられている。該平面37Aの先端と円筒ころ25の端面25aとの接触部は、面接触となるが、窪み35が保持する潤滑油で潤滑されるので、さらなる低トルク化が期待できる。
なお、該平面には、窪み35の代わりに、径方向又は周方向に沿って延びる凹溝が形成されてもよい。
また、図5に示す、円環状部材の第2変形例のように、突出部33Aの先端部は、稜線が径方向に延びる、上面視半円形状に形成される凸部34Aとし、円筒ころ25の端面と線接触する。また、凸部34Aの外径側は、突出部33Aから外径側に突出して、大径リム部21の軸方向内側面21aと係合可能な係合部36を構成する。
これにより、係合部36は、小径円環状部材30Aの円環部32Aが、大径リム部21に内嵌するとき、弾性変形されながら大径リム部21の内周面を移動し、移動完了時に元の形状に戻り、大径リム部21の軸方向内側面21aに係合して、小径円環状部材30Aが大径リム部21から軸方向に離脱することを防止する。
なお、図4及び図5に示す変形例では、小径円環状部材について説明したが、大径円環状部材も同様に構成すればよく、説明は省略する。
小径円環状部材30A及び大径円環状部材30Bの材質は、保持器本体20と同一の樹脂材料としてもよく、また保持器本体20と異なる樹脂材料であってもよく、さらに鋼板等の金属材料で形成されてもよい。
また、小径円環状部材30A及び大径円環状部材30Bは、保持器本体20に締め代をもって嵌合させる以外に、接着剤により接着固定することもできる。
小径円環状部材30A及び大径円環状部材30Bが、保持器本体20と同一の樹脂材料で成形されて、保持器本体20に締め代をもって嵌合する場合、温度変化による膨張量及び収縮量が略同一となるため、小径円環状部材30A及び大径円環状部材30Bが保持器本体20(リム部21,22)から脱落し難くなる。なお、樹脂材料としては、66ナイロンや、46ナイロン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。
一方、小径円環状部材30A及び大径円環状部材30Bを金属材料で形成した場合、樹脂材料で成形した小径円環状部材30A及び大径円環状部材30Bと比較して、保持器本体20の剛性がさらに向上する。なお、金属材料としては、冷間圧延鋼板(SPC材)や、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)等が挙げられる。冷間圧延鋼板を採用した場合には、プレス加工が可能となるため、低コストで所望の小径円環状部材30A及び大径円環状部材30Bを形成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の保持器10Aについて、図6~図10を参照して説明する。
図6及び図7に示すように、本実施形態の保持器10Aは、金属板がプレスにより曲げ加工して形成された保持器本体40と、保持器本体40に内嵌する一対の円環状部材50と、を備える。
保持器本体40は、両端に形成された一対のリム部41と、一対のリム部41を連結し、円筒ころ25を収容するポケット45を形成するように軸方向に延びる複数の柱部46とを備える。各リム部41は、柱部46から連続して形成された円筒状部42と、円筒状部42の軸方向外端部から内径側に延びる円盤状の鍔部43と、鍔部43の内径側が軸方向内側に曲げ形成された折り曲げ部44と、を有する。柱部46は、軸方向の中央部46aが、円筒ころ25の中心軸よりも内径側となるように折り曲げられており、保持器本体40は、全体として断面略M字状に形成されている。
一対の円環状部材50は、図8に示すように、鉄製で、断面略矩形状を有し、円筒状部42、鍔部43、及び折り曲げ部44で画成されて軸方向内側に開口するリム部41の内部空間Sに収容される。即ち、一対の円環状部材50は、鍔部43の軸方向内側で、円筒状部42に内嵌、且つ、折り曲げ部44に外嵌する。一対の円環状部材50の軸方向内側面51は、軸方向において、円筒状部42の軸方向内側面42aよりもポケット45側に突出する。
なお、円環状部材50は、図9に示すように、円周方向の一箇所に切欠き部53が設けられた略C字形に形成されてもよく、図10に示すように、円環状部材50を周方向に複数に分割して半円形部材58、58を形成し、該半円形部材58、58間に弾性部材55を挟持して形成されてもよい。この場合、切欠き部53及び弾性部材55は、リム部41に連結された柱部46と整合する(ポケット45と整合しない)円周方向位置に配置されている。
したがって、一対の円環状部材50のポケット45への突出量によって、ラジアルころ軸受用保持器10Aの軸方向外側面に対する、円筒ころ25の端面25aの軸方向位置を適切に調整することができる。従って、ラジアルころ軸受の軸方向端部に大きな軸方向の隙間を確保して、ころ25の転動面が軌道面(シャフト、ギヤ等)に形成された逃げ溝に干渉するのを回避することができる。
また、軸方向寸法が異なる数種類の円環状部材50を用意して、同一の保持器本体40と組み合わせることにより、ラジアルころ軸受用保持器10Aは、円筒ころ25を保持するポケット45の軸方向寸法を、任意の寸法に調整することができる。従って、保持器本体40を共通化して、任意の円環状部材を組み合わせることで、ころ長さが異なるラジアルころ軸受に対応した保持器を安価に提供することができる。
また、円環状部材50をリム部41に装着する場合、円環状部材50を、円筒状部42に締め代を有した状態で内嵌し、且つ、鍔部43に当接した状態に配置した後、鍔部43の内径側を軸方向内側に折り曲げて、折り曲げ部44を形成する。この時、円環状部材50と円筒状部42との間、及び円環状部材50と折り曲げ部44との間には径方向の隙間が存在しないので、リム部41に対してしごき加工を施すことにより、折り曲げ部44のスプリングバックを防止して、リム部41の内径を所定の精度に仕上げることができる。なお、一対の円環状部材50は、樹脂製とすることもできる。
なお、第2実施形態の第1変形例の保持器10Bでは、図11に示すように、保持器本体40Bが、第2実施形態の保持器本体40に対して、折り曲げ部44を有しない構成としてもよい。この場合、円環状部材50Bは、鍔部43の軸方向内側で円筒状部42に内嵌する。また、この場合も、円環状部材50Bは、軸方向において、円筒状部42の軸方向内側面42aよりもポケット45側に突出する。
この構成によれば、保持器本体40Bの加工が容易となる。
また、第2実施形態の第2変形例の保持器10Cでは、図12及び図13に示すように、第1変形例の保持器本体40Bを有し、円環状部材50Cは、第1変形例と同様に、鍔部43の軸方向内側で円筒状部42に内嵌し、且つ、軸方向において、円筒状部42の軸方向内側面42aよりもポケット45側に突出する。一方、円環状部材50Cは、軸方向内側面51及び軸方向外側面57に周方向に離間して、径方向に延びる複数の凹溝54を有する。円環状部材50Cは、軸方向内側面51に形成される各凹溝54の周方向位置が、ポケット45と整合するようにして、円筒状部42に内嵌固定される。
なお、凹溝54は、径方向に対して傾斜した直線形状に形成されてもよいし、渦巻き状の曲線形状に形成されてもよい。
この構成によれば、凹溝54に保持される潤滑油により円筒ころ25の端面25aが潤滑されるので、円筒ころ25の端面25aの摩耗や焼き付きが防止される。なお、複数の凹溝54が軸方向両側面51,57に設けられることで、内部空間Sへの組み込みが容易であると共に、軽量化に寄与する。
さらに、第2実施形態の第3変形例の保持器10Dでは、図14及び図15に示すように、第2実施形態の折り曲げ部44を有する保持器本体40を有し、円環状部材50Dは、鍔部43の軸方向内側で、円筒状部42に内嵌、且つ、折り曲げ部44に外嵌し、且つ、軸方向において、円筒状部42の軸方向内側面42aよりもポケット45側に突出する。また、円環状部材50Dは、軸方向内側面51及び軸方向外側面57の径方向中央部に円環状溝56が形成される。
この構成によれば、円環状溝56に保持される潤滑油により円筒ころ25の端面25aが潤滑されるので、円筒ころ25の端面25aの摩耗や焼き付きが防止される。また、円環状溝56は、軸方向両側面51,57に設けられることで、内部空間Sへの組み込みが容易であると共に、軽量化に寄与する。
なお、円環状溝56は、円環状部材の外周面を切り欠くように径方向外側に形成されてもよいし、或いは、円環状部材の内周面を切り欠くように径方向内側に形成されてもよい。
また、第2実施形態の第4変形例の保持器10Eでは、図16に示すように、円環状部材50Eは、ポケット45側に突出する部分として、軸方向内側面51に径方向断面が略半円形の凸部52が周方向全域に亘って形成される構成としてもよい。これにより、円筒ころ25の端面25aは、凸部52と線接触することで摺動抵抗が低減し、低トルク化できる。
尚、本発明は、前述した各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10,10A,10B,10C,10D,10E ラジアルころ軸受用保持器
20,40,40B 保持器本体
21 大径リム部(リム部)
21a,22a 軸方向内側面
22 小径リム部(リム部)
23,46 柱部
24,45 ポケット
25 円筒ころ(ころ)
30A 小径円環状部材(円環状部材)
30B 大径円環状部材(円環状部材)
34A,34B,52 凸部
36 係合部
41 リム部
42 円筒状部
43 鍔部
50,50B,50C,50D 円環状部材
54 凹溝
56 円環状溝

Claims (4)

  1. 軸方向に離間して同軸に配置される円環状の一対のリム部と、前記一対のリム部を軸方向に連結する複数の柱部と、を備え、前記一対のリム部と隣接する柱部との間に、ころを回転自在に収容するポケットを形成する保持器本体と、
    前記一対のリム部の外周面又は内周面に嵌合する一対の円環状部材と、
    を有するラジアルころ軸受用保持器であって、
    前記各円環状部材は、軸方向において、前記一対のリム部の軸方向内側面よりも前記ポケット側に突出し、
    前記一対のリム部は、軸方向一方側で前記柱部と連結され、前記柱部の内接円の直径より大径の内径を有する大径リム部と、軸方向他方側で前記柱部と連結され、前記柱部の外接円の直径より小径の外径を有する小径リム部と、を備え、
    前記保持器本体は、アキシャルドローにより射出成形されてなる樹脂製であり、
    前記一対の円環状部材は、前記大径リム部の内周面に内嵌する小径円環状部材と、前記小径リム部の外周面に外嵌する大径円環状部材と、を備え、
    前記各円環状部材は、円環部と、周方向に離間して設けられ、該円環部から軸方向内側に突出する複数の突出部を備えることで、径方向から見て櫛状を有する、
    ラジアルころ軸受用保持器。
  2. 前記突出部の先端部は、前記ころの端面と点接触するように凸状を有する、請求項に記載のラジアルころ軸受用保持器。
  3. 前記突出部の先端部は、窪み、又は径方向に沿って延びる凹溝を有する、請求項に記載のラジアルころ軸受用保持器。
  4. 前記突出部は、径方向に突出して、前記リム部の軸方向内側面と係合可能な係合部を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のラジアルころ軸受用保持器。
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