JP7472550B2 - 溶液紡糸口金 - Google Patents

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Description

本発明は多列の吐出孔を有する溶液紡糸口金に関する。
近年、繊維径がミクロンオーダーからナノオーダーの不織布膜がフィルター、電子材料、電池などの環境・エネルギー分野や、おむつ、マスク、細胞培養などの衛生材、医療材、再生医療用途などの様々な分野で利用されている。これらの不織布を製造する技術としては、メルトブロー法、スパンポンド法、エレクトロスピニング法での製造が一般的であり、製品用途に合わせて製造方法が選択されている。
中でもエレクトスピニング法は繊維径がナノオーダーの繊維を作ることができ、多くの用途での使用が期待されている。エレクトロスピニング法は溶液にしたポリマーをノズルから押し出し、ノズルに数kV~100kVの高圧電圧をかけて接地した捕集部に向けてポリマーが引き出される。そして、クーロン力がポリマーの表面張力を越えるとポリマー中の溶媒が爆発的に揮発して繊維状となる。そして周囲から噴射する高速エアーにより吐出したポリマーを引き延ばして、吐出したポリマーを繊維化する。
エレクトロスピニング法で用いられる口金は特許文献1~3に示すようにシリンジの装着した針の先端から吐出する方式や、多数の孔があるプレートから吐出する構成がポリマーを吐出する方法が一般的に用いられている。また、溶液の原料液体を吐出して紡糸する方法には特許文献4に示すように多数の針状のノズルから吐出した原料液体をブローで延伸して繊維化する方法も知られている。
特開2008-223187号広報 特開2010-196236号広報 特開2014-177728号広報 特許第6246055号号広報
しかしながら、特許文献1に開示されている口金の構成は、生産量を増やす場合はシリンジを多数並べる必要があり、原料液体の吐出直進性はシリンジの取り付け精度にも大きく依存するため、シリンジ1本1本の設置が非常に手間である。
一方、特許文献2~4に開示されている口金は設置作業の手間を軽減するため、多数の孔が空いたプレートやノズルから原料液体が吐出するため、孔の部分を分解洗浄することができないため、原料液体の吐出性能に大きく関わる、孔の洗浄や孔状態管理に大きな労力が必要となる。
本発明は、多数孔を有する口金でありながら従来技術同様に原料液体の流動性や均一性を保ちつつ安定的な吐出ができ、孔の洗浄等の孔管理を軽減化できる生産性の高い溶液紡糸口金を提供する。
上記の課題を解決する本発明の溶液紡糸口金は、
対向する第1のリップおよび第2のリップ、ならびに第1のリップと第2のリップに挟まれた櫛歯状シムを有し、
上記第1のリップには、上記櫛歯状シムと接する面に櫛歯状シムと共になって原料液体を拡幅するためのマニホールド、および第1のリップの外部からマニホールドに至る原料液体を供給するための供給路が形成され、
上記櫛歯状シムには、櫛歯状シムの1つの辺から上記マニホールドに至るまで延びた複数のスリットが形成され、
さらに、上記櫛歯状シムのスリットから外部に吐出される原料液体に、原料液体を挟むように、かつ原料液体の吐出方向に傾けたブローエアーを吹き付けるためのブローブロックを有する。
本発明の溶液紡糸口金は、以下の(1)~(4)のいずれかを満たしていることが好ましい。
(1) 上記櫛歯状シムのスリットが形成された辺が、上記第1のリップおよび上記第2のリップから10~500μm突出している。
(2) 上記櫛歯状シムのスリットの幅が、スリットが形成されている1辺で20~100μm拡がっている。
(3) 上記櫛歯状シムのスリットが、スリットの幅方向の中心を通る線を対の軸として、線対の形状である。
(4) 上記櫛歯状シムのスリットが形成された辺が、スリットが形成されているそれぞれの部分で突出しており、その辺とスリットの各辺とが交わる部分が鋭角の角形状である。
本発明の溶液紡糸口金の上記ブローブロックは、
上記第1のリップおよび上記第2のリップのそれぞれに取り付けられ、
上記第1のリップおよび第2のリップから順に、エアー整流シム、エアー拡幅シムおよびブローリップが積層されて構成されており、
上記エアー拡幅シムには、上記エアー整流シムおよび上記ブローリップと共になってエアーを拡幅するための開口が形成されており、
上記ブローリップには、外部から前記エアー拡幅シムの開口に至るエアーを供給するための供給路が形成されており、
上記エアー整流シムには、エアー整流シムの1つの辺から上記エアー拡幅シムの開口に至るまで延びたエアーの流路が形成されていることが好ましい。
さらに、上記エアー整流シムのエアーの流路が複数のスリットであり、これらスリットが、
溶液紡糸口金を上記櫛歯状シムのスリットが形成されている辺側から観察したとき、櫛歯状シムのスリットと1対1で対応する位置に形成されており、
幅が上記櫛歯状のシムのスリットの幅よりも広いことが好ましい。
本発明の溶液紡糸口金は、多数孔を有する口金でありながら原料液体の流動性や均一性を保ちつつ安定的な吐出ができ、孔の洗浄や孔管理の手間を軽減化できる。
本発明の溶液紡糸口金の構造を示す断面模式図である。 櫛歯状シムの模式図である。 図1の実施形態で原料液体が流入する状態を示す模式図である。 櫛歯状シムの別の実施形態を示した模式図である。 櫛歯状シムのさらに別の実施形態を示した模式図である。 溶液紡糸口金の別の実施形態の構造を示す断面模式図である。 図6の実施形態のエアー拡幅シムを示した模式図である。 図6の実施形態のエアー整流シムを示した模式図である。 図6の矢視Aを示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し本発明はこれらに限定されない。
まず本発明の溶液紡糸口金の実施形態の一例について、図1を用いて説明する。図1は
本発明の紡糸口金の構造を示す断面模式図である。
図1を参照する。本発明の溶液紡糸口金は、第1のリップ2、第2のリップ3、第1のリップ2および第2のリップ3に挟まれた原料液体を複数に分配する櫛歯状シム7、分配されて吐出した原料液体を延伸するブローブロック8から構成される。以下、各構成要素について詳述していく。
第1のリップ2には、櫛歯状シム7に対向する面に凹みが形成されている。この凹みと櫛歯状シム7の壁面とで、原料液体を幅方向に均一に拡幅するためのマニホールド5になる。第1のリップ2の櫛歯状シム7に対向する面の一部は、マニホールド5と一続きの原料液体を整流するランド部6になる。さらに第1のリップ2には、第1のリップ2の外部からマニホールド5に至る原料液体を供給するための原料液体供給路4が形成されている。第1のリップ2と第2のリップ3との間に櫛歯状シム7を挟み込むこみことで、後述する櫛歯状シム7に形成されているスリット14、第1のリップ2の壁面、および第2のリップ3の壁面とで、マニホールド5に連通した多数の閉じた流路となり原料液体を流動させる。マニホールド5は流入した原料液体を拡幅する部分であり、半円状の凹部が図1のY方向に均一な形状を有している。ただし、原料液体を均一に拡幅する形状であればよいので、図1の形状には限定されない。また、原料液体の流動性を高めるため、マニホールド5の面粗度はRa0.2以下にすることが好ましい。ランド部6はマニホールド5で拡幅された原料液体を整流するために、Y方向に平面度が0.005mm以下に加工することが好ましく、表面粗さはRa0.2以下が好ましい。また、第1のリップ2と櫛歯状シム7を挟んで対向する第2のリップ3の面も、間に挟む櫛歯状シム7との合わせ面を気密状態にするために、Y方向に平面度が0.005以下に加工することが好ましく、表面粗さはRa0.2以下が好ましい。
櫛歯状シム7から吐出された原料液体13は、第1のリップ2、第2のリップ3に取り付けられたブローブロック8から吹き出されたエアーブローにより延伸し、原料液体の溶媒が揮発して繊維化する。エアーブローは、櫛歯状シム7から吐出された原料液体13を挟むように、かつ原料液体13の吐出方向に傾けて、ブローブロック8から吹き出される。ブローブロック8は、ブローリップ9およびエアー整流シム11から構成されている。ブローリップ9には、ブローエアーを取り込むブローエアー供給路10、ブローブローエアーを拡幅するエアーマニホールド12が形成されている。エアーマニホールド12は流入したブローエアーを拡幅する部分であり、半円状の凹部が図1のY方向に均一な形状を有している。ただし、ブローエアーを拡幅する形状であればよいので、図1に示す半円形状には限定されない。エアー整流シム11には、エアーマニホールド12に連通して、エアーマニホールド12で拡幅されたブローエアーを外部へ吹き出すためのエアー流路が形成されている。エアー整流シム11は、エアーマニホールド12で拡幅したエアーブローを原料液体に均一に吹き付けることができるように厚み、形状が選択される。
次に図2を参照して櫛歯状シム7の詳細を説明する。図2は櫛歯状シム7の模式図である。櫛歯状シム7は厚みT1の板状体であり、幅W1で長さLの貫通した切れ込みであるスリット14が、板状体の一辺に一定のピッチPで複数本形成されている。スリット幅W1、スリット長さL、シム厚みT1は原料液体13の吐出量および粘度とのバランスによって決定されるが、スリット長さLは、スリット14をマニホールド5と連通させるために(スリット長さL)>(ランド部6のランド長さLR)としなければならない。また、複数あるスリット14のスリット幅W1、スリット長さLの寸法公差は各スリット14から吐出する液体原料13のバラツキを極小化するために±10μm以下にすることが好ましい。また、スリット14の加工方法は上記の寸法公差に収めるために、放電加工もしくはエッジング加工により形成することが好ましい。また、櫛歯状シム7の幅Xは第1のリップ2、第2のリップ3の幅と同じにすると端部を合わせて組立ができるので好ましい。
また、櫛歯状シム7の高さHは第1のリップ2、第2のリップ3と組立時に櫛歯状シム7の先端が10~500μm飛び出す寸法にすることが好ましい。歯状シム7の先端が10~500μm飛び出すことで、原料液体13が、第1のリップ2、第2のリップ3の先端から飛び出した櫛歯状シム7の先端でピンニングされ、第1のリップ2、第2のリップ3の先端で原料液体13が濡れ広がることに起因する先端汚染を防止できる。
図3は、図1の実施形態で原料液体13が流入する状態示す模式図である。原料液体供給路4から流入した原料液体13がマニホールド5に流入して拡幅し、連通した櫛歯状シム7の各々のスリット14に流入して均等に分配された後に、ランド部6で整流され、原料液体13がスリット14の先端から均一に吐出される。
図4は櫛歯状シム7の別の実施形態を示した模式図であり、拡大表示したスリット14の先端部部分を除いては図2に示す櫛歯状シム7と同じである。図4の櫛歯状シム7では、スリット14のスリット幅がW1からW2に拡幅している。スリット幅が一定であると、原料液体13がスリット14から吐出する時に表面張力で膨らみ、櫛歯状シム7の先端で汚れて吐出が不安定になる場合がある。スリット14がW1からW2に拡幅することで、スリット14の両辺の流速が低下し、スリット14の中央部の流速が早くなることで、スリット14の中央部の押し出し力は高くなり、両端部の押し出し力は低下するので、原料液体のピンニング効果を高めることができる。スリット14の拡幅した後の幅W2は、拡幅する前の幅W1に対して20~200μm拡幅していることが好ましく、原料液体の流動性を損なわないためには、50~100μmがさらに好ましい。また、スリット14のスリット幅W1の中心を通る線を対の軸として、対形の形状であると原料液体の流速がスリット14の両端で均等になり吐出が安定するのでさらに好ましい。
図5は櫛歯状シム7のさらに別の実施形態を示した模式図であり、スリット14の先端に鋭角の角形状15が形成されている以外は図4に示す櫛歯状シム7と同じである。図5の櫛歯状シム7では、スリット14の各辺とスリット14が形成されている辺との交わる部分を頂部として、切れ込み角度θが鋭角の角形状15が形成されている。吐出した原料液体13が鋭角の頂部でピンニングされるため、原料液体13が先端で濡れ広がるのを防止できる。切れ込み角度θは80°以下が好ましく、先端の剛性を保つために30°以上60°以下がさらに好ましい。
図6は溶液紡糸口金の別の実施形態を示す断面模式図である。図1の溶液紡糸口金1と図6の溶液紡糸口金101との違いは、ブローブロックの構成である。溶液紡糸口金101のブローブロック108は、第1のリップ102から順に、エアー整流シム111、エアー拡幅シム110、ブローリップ109が積層して構成されている。第2のリップ103にも同じ構成のブローリップが設置されている。櫛歯状シム107から吐出された原料液体104をブローブロック108から噴出したブローエアーで延伸することで繊維化する。ブローブロック108では、ブローリップ109に形成されたブローエアー供給路112から流入したブローエアーがエアー拡幅シム110で均一に拡幅され、その後エアー整流シム111で整流されて、ブローエアーを吹き付ける。
エアー拡幅シム110、エアー整流シム111について図7、図8を用いて説明する。
図7はエアー拡幅シム110を示した模式図である。エアー拡幅シム110の幅X2と高さH2はエアーリップ109と同じ寸法にしておくと、端部を合わせて組立ができるので好ましい。また、エアー拡幅シム110には、ブローエアーを拡幅する疑似マニホールド開口115が形成されている。エアー拡幅シム110が、ブローリップ109とエアー整流シム111とで挟まれることで、疑似マニホールド開口115がマニホールドを形成する。疑似マニホールド開口115の高さLBとエアー拡幅シム110の厚みとの関係は、ブローエアーの拡幅のさせ方で決定される。
図8はエアー整流シム111を示した模式図である。エアー整流シム111の幅X3、高さH3はエアー拡幅シム110の幅X2、高さH2と同じであると組立がやり易くなるので好ましい。エアー整流シム111には、エアー拡幅シム110の疑似マニホールド115で拡幅したブローエアーを整流して複数に分配するためのブロースリット116が形成されている。ブロースリット116をエアー拡幅シム110の疑似マニホールド開口115と連通させるため、ブロースリット116の長さL3を、エアー拡幅シム110の疑似マニホールドのランド長LCより長くする。
図9は、図6の溶液紡糸口金101の矢視Aを示す模式図である。第1のリップ102に設置されているブローリップ109に着目すると、エアー拡幅シム110の各スリット116は、櫛歯状シム107のスリット117と1対1に対応した位置に形成されている。第2のリップ103に設置されているブローリップも同じである。このように、櫛歯状シム107のスリット117とエアー拡幅シム110のスリット116とが1対1で対応しているので、スリット117から吐出した原料液体に対して、スリット116からピンポイントにブローエアーを吹き付けて延伸することができる。そのため、原料液体が吐出していない箇所に向けて、スリット116からブローエアーを吹き付けることがなくなるので、ブローエアーの消費量を大幅に削減することができる。
再び図8を参照する。スリット116の幅W3は、ブローエアーを櫛歯状シム107から吐出された原料液体に確実に吹き付けて延伸するために、櫛歯状シム107のスリット状切れ込み117の幅よりも100μm以上1mm以下の範囲で広いことが好ましい。図4、5の実施形態のように、櫛歯状シム107のスリット117が途中で拡幅している場合は、拡幅した後のスリット117の幅よりも100μm以上1mm以下の範囲で広いことが好ましい。
[実施例1]
図1の溶液紡糸口金1で紡糸を実施した。第1のリップ2および第2のリップ3のY方向の幅は80mm、Z方向の高さは50mmとし、第1のリップ2にはφ4.0mmの原料液体供給路4および半径5mmのマニホールド5を形成し、ランド6のランド長さLR=4.0mmとした。第1のリップ2および第2のリップ3で櫛歯状シム7を挟みこみ、組み付けた。櫛歯状シム7は厚みT=0.3mm、幅X=80mmとし、第1のリップ2、第2のリップ3の先端から50μm突き出るようにシム高さHを決定した。また、櫛歯状シム7のスリット幅W1=0.3mmとし、スリット長さL=7.0mm、ピッチP=10mmとして、5箇所形成した。また、エアーブロック8は、厚み0.5mmでコの字状のエアー整流シム11を、マニホールドが形成されたブローリップ9と第1のリップ2との間に挟んで構成した。第2のリップ3にも同じ構成でエアーブロックを設置した。
上記構成の溶液紡糸口金1に、ポリ乳酸を酢酸エチルに12.5質量%で溶かした、粘度350mPa・sのポリマーを、1mL/minで原料液体供給路4から供給した。そして、櫛歯状シム7の5箇所のスリット13から吐出されたポリマーに対して、第1のリップ2、第2のリップ3の各々に取り付けたブローブロック8からブローエアーを各々90L/minで吹き付けて紡糸を行った。得られた不織布の繊維径を電子顕微鏡で測定したところ、平均繊維径0.59μmであった。紡糸開始から10分経過した時点で口金の先端が汚れ始めたが、10分間は安定して紡糸ができた。
[実施例2]
櫛歯状シムを図5に示す櫛歯状シムに交換した以外は、実施例1と同じ構成および条件で紡糸を実施した。櫛歯状シム7は実施例1と同様に厚みT=0.3mm、幅X=80mmとし、第1のリップ2、第2のリップ3の先端から50μm突き出るようにした。そして、スリット幅W1=0.3mm、拡幅スリット幅W2=0.35μmとし、スリット長さL=7.0mm、ピッチP=10mmとして5箇所形成した。また、切り込み角度θ=45°で鋭角な角形状14を付与した。紡糸を実施したところ、口金先端が汚れることなく、1時間安定的に紡糸が可能であった。
[実施例3]
図6の紡糸口金101で紡糸を実施した。ブローブロック108以外の口金構成は実施例2と全く同じであった。ブローブロック108は、φ6mmのブローエアー供給口112を設けたブローリップ109、厚みを0.5mm、疑似マニホールド115の開口高さLB=20mm、疑似マニホールド開口幅LB=50mm、疑似マニホールドランドLC=3.0mmとしたエアー拡幅シム110、および、エアー整流シム111から構成した。エアー整流シム111のスリット116は、幅W3を櫛歯状シム107のスリット117の拡幅した後のスリット幅W2=0.35mmより広いW3=0.70mmとし、長さL3を7.0mmとし、ピッチP3は櫛歯状シムのピッチPと同じP3=10mmとした。
上記構成の溶液紡糸口金101に実施例1と同じポリ乳酸を酢酸エチルに溶解した原料液体を1mL/minで供給した。そして、櫛歯状シムの5箇所のスリット状切れ込みから吐出された原料液体に対して、第1のリップ102、第2のリップ103の各々に対向したブローブロック108からブローエアーを各20L/minで吹き付けて紡糸を実施した。得られた不織布の繊維径を電子顕微鏡で測定したところ、平均繊維径0.35μmであり、少ない流量で実施例1より繊度が低い繊維を得ることができた。
本発明は、ポリマーの流動を均一化しつつ、口金の部品点数を削減することで、口金の分解、洗浄、組立の付帯作業を軽減し、安定的に紡糸が可能な紡糸口金として利用することができる。
1 溶液紡糸口金
2 第1のリップ
3 第2のリップ
4 原料液体供給路
5 マニホールド
6 ランド部
7 櫛歯状シム
8 ブローブロック
9 ブローリップ
10 ブローエアー供給路
11 エアー整流シム
12 エアーマニホールド
13 原料液体
14 スリット
15 鋭角な角形状
101 溶液紡糸口金
102 第1のリップ
103 第2のリップ
104 原料液体供給路
105 マニホールド
106 ランド部
107 櫛歯状シム
108 ブローブロック
109 ブローリップ
110 エアー拡幅シム
111 エアー整流シム
112 ブローエアー供給路
113 スリット状切れ込み
114 鋭角の角形状
115 疑似マニホールド開口
116 ブロー用スリット
117 スリット状切れ込み
LR ランド部長さ
X 櫛歯状シムの幅
H 櫛歯状シムの高さ
L スリット長さ
W1 スリット幅
W2 拡幅スリット拡幅
T シム厚み
P スリットピッチ
θ 切り込み角度
X2 エアー拡幅シム幅
H2 エアー拡幅シム高さ
LB 疑似マニホールド開口高さ
LC 疑似マニホールドランド長さ
LW 疑似マニホールド開口幅
LH 疑似マニホールドランド
X3 エアー整流シム幅
H3 エアー整流シム高さ
W3 ブロースリット幅
L3 ブロースリット長さ
P3 ブロースリットピッチ

Claims (6)

  1. 対向する第1のリップおよび第2のリップ、ならびに第1のリップと第2のリップに挟まれた櫛歯状シムを有し、
    前記第1のリップには、前記櫛歯状シムと接する面に櫛歯状シムと共になって原料液体を拡幅するためのマニホールド、および第1のリップの外部からマニホールドに至る原料液体を供給するための供給路が形成され、
    前記櫛歯状シムには、櫛歯状シムの1つの辺から前記マニホールドに至るまで延びた複数のスリットが形成され、
    前記櫛歯状シムのスリットが形成された辺が、前記第1のリップおよび前記第2のリップから10~500μm突出しており、
    さらに、前記櫛歯状シムのスリットから外部に吐出される原料液体に、原料液体を挟むように、かつ原料液体の吐出方向に傾けたブローエアーを吹き付けるためのブローブロックを有する、
    溶液紡糸口金。
  2. 前記櫛歯状シムの先端のスリットの幅が、スリットが形成されている1辺で20~100μm拡がっている、請求項の溶液紡糸口金。
  3. 前記櫛歯状シムのスリットが、スリットの幅方向の中心を通る線を対の軸として、線対の形状である、請求項1または2の溶液紡糸口金。
  4. 前記櫛歯状シムのスリットが形成された辺が、スリットが形成されているそれぞれの部分で突出しており、その辺とスリットの各辺とが交わる部分が鋭角の角形状である、請求項1~のいずれかの溶液紡糸口金。
  5. 前記ブローブロックが、
    前記第1のリップおよび前記第2のリップのそれぞれに取り付けられ、
    前記第1のリップおよび第2のリップから順に、エアー整流シム、エアー拡幅シムおよびブローリップが積層されて構成されており、
    前記エアー拡幅シムには、前記エアー整流シムおよび前記ブローリップと共になってエアーを拡幅するための開口が形成されており、
    前記ブローリップには、外部から前記エアー拡幅シムの開口に至るエアーを供給するための供給路が形成されており、
    前記エアー整流シムには、エアー整流シムの1つの辺から前記エアー拡幅シムの開口に至るまで延びたエアーの流路が形成されている、
    請求項1~のいずれかの溶融紡糸口金。
  6. 前記エアー整流シムのエアーの流路が複数のスリットであり、
    前記エアー整流シムの各スリットが、
    前記溶融紡糸口金を前記櫛歯状シムのスリットが形成されている辺側から観察したとき、櫛歯状シムのスリットと1対1で対応する位置に形成されており、
    幅が前記櫛歯状シムのスリットの幅よりも広い、
    請求項の溶融紡糸口金。
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