JP7472369B1 - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータに乗車している時間を、エレベータ利用者にとって有用な時間にすることが可能なエレベータシステムを提供すること。【解決手段】一実施形態に係るエレベータシステムは、サービス提供システムにより提供されるサービスに関する多数の映像コンテンツを記憶する映像コンテンツ記憶手段と、カメラおよび表示装置が設置された乗りかごと、利用者による呼び情報の登録に応じて、乗りかごの運転を制御するエレベータ制御手段と、呼び情報を登録した利用者が乗りかごに一人で乗車していることが検知された場合、サービス提供システムにより提供されるWebサイトまたはアプリケーションにおいて利用者により行われた検索の履歴を示す履歴情報に基づき、呼び情報を登録した利用者の嗜好に合う映像コンテンツを映像コンテンツ記憶手段から選択し、これを表示装置に配信する配信制御手段と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータシステムに関する。
近年、ユーザに関する情報として、検索サイトにおける検索履歴やWebサイトの利用履歴などの履歴情報を収集し、当該履歴情報に基づきパーソナライズされた情報(おすすめ情報)を当該ユーザに広告として提供する仕組みが普及している。この仕組みによれば、ユーザは、関心のある分野に関する新たな情報を知るための機会を得ることができる。
一方、上述したおすすめ情報の詳細は、提供された広告のリンク先に遷移しなければ知ることができないなど、ユーザの二次行動を必要とするものが多く、このような二次行動をしてまで、当該おすすめ情報の詳細を知ろうとするユーザは少ないといった問題がある。
ところで、エレベータ利用者に関する傾向として、エレベータ内ではスマートフォンなどをあまり使用せず、エレベータが行先階に到着するまで暇を持て余す傾向(つまり、空虚な時間を過ごす傾向)がある。このため、エレベータに乗車している時間を、エレベータ利用者にとって有用な時間にすることが可能な新たな技術の実現が望まれている。
特許第4621763号公報 特開2002-167131号公報
本発明が解決しようとする課題は、エレベータに乗車している時間を、エレベータ利用者にとって有用な時間にすることが可能なエレベータシステムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータシステムは、所望のサービスを利用者に提供可能なサービス提供システムと協働する。前記エレベータシステムは、前記サービス提供システムによって提供されるWebサイトまたはアプリケーションにおいて、前記利用者により入力された検索条件を含む履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、前記サービス提供システムによって提供されるサービスに関する映像コンテンツと、前記映像コンテンツの概要を示すキー情報とを対応づけて含む多数のコンテンツ情報を記憶する映像コンテンツ記憶手段と、カメラおよび表示装置が設置された乗りかごと、前記利用者による呼び情報の登録に応じて、前記乗りかごの運転を制御するエレベータ制御手段と、前記呼び情報を登録した利用者が前記乗りかごに一人で乗車していることが検知された場合、前記呼び情報を登録した利用者に対応する履歴情報に含まれる検索条件からキー情報を推測し、前記推測されたキー情報に対応づけられた映像コンテンツを、前記呼び情報を登録した利用者の嗜好に合う映像コンテンツとして前記映像コンテンツ記憶手段から選択し、この映像コンテンツを前記表示装置に配信する配信制御手段と、を備えることを特徴とする。
図1は、一実施形態に係るエレベータシステム含む情報処理システムの概略構成例を示す図である。 図2は、同実施形態における履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。 図3は、同実施形態におけるコンテンツ情報のデータ構造の一例を示す図である。 図4は、同実施形態におけるクラウドサーバの概略構成例を示す図である。 図5は、同実施形態におけるエレベータシステムにより実行される一連の処理を説明するためのフローチャートである。 図6は、同実施形態におけるかご室内表示装置に表示される映像コンテンツの一例を示す図である。 図7は、同実施形態におけるかご室内表示装置に表示される映像コンテンツの一例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
本実施形態においては、所望のサービスを利用者に提供するサービス提供システムと協働し、当該利用者にとって有益な情報を提供することが可能なエレベータシステムについて説明する。なお、本実施形態においては、サービス提供システムが、所望の検索条件に基づく旅行プランを利用者に提供(提案)し、当該旅行プランの予約を行うことが可能な旅行検索/予約システムである場合を想定する。旅行プランとは、旅行検索/予約システムから利用者に提供される旅行の一例であり、例えば、旅行先、当該旅行先までの移動手段(例えば、新幹線、バス、飛行機など)、当該旅行先における宿泊施設、当該旅行先における食事などを示す。
なお、本実施形態においては、サービス提供システムが旅行検索/予約システムである場合を想定するが、これに限定されず、サービス提供システムは、所望のサービスを利用者に提供可能なシステムであれば、任意のシステムであって構わない。
図1は、本実施形態に係るエレベータシステムを含む情報処理システムの概略構成例を示す図である。図1に示すように、情報処理システムは、エレベータシステム1および旅行検索/予約システム2を含む。以下では、まず、エレベータシステム1に含まれる構成について説明する。
乗りかご11の出入口上部にはカメラ12が設置されている。具体的には、カメラ12は、乗りかご11の出入口上部を覆う幕板11aの中にレンズ部分を直下方向に向けて設置されている。カメラ12は、例えば魚眼レンズ等の超広角レンズを有し、180度以上の視野角で乗りかご11内を含む撮影対象を広範囲に撮影する。カメラ12は、1秒間に数コマ(例えば、30コマ/秒)の画像を連続的に撮影可能である。
なお、カメラ12の設置場所は、かごドア13付近であれば、乗りかご11の出入口上部でなくてもよい。例えば、乗りかご11の出入口に近い天井面など、乗りかご11内の床面全域を含むかご室内全体と戸開時に出入口付近の乗場15を撮影可能な場所であればよい。
乗りかご11には、かご室内表示装置14(例えば、サイネージ)が設けられている。詳細については後述するが、かご室内表示装置14には、旅行検索/予約システム2によって提供される旅行プランであって、利用者の嗜好に合う旅行プラン(換言すると、利用者が関心があると推測される旅行プラン)に関する映像コンテンツが表示される。なお、かご室内表示装置14は、いわゆるタッチパネル機能を有した表示装置であってもよい。
各階の乗場15において、乗りかご11の到着口には乗場ドア16が設置されている。乗場ドア16は、乗りかご11の到着時にかごドア13に係合して開閉動作する。なお、動力源(ドアモータ)は乗りかご11側にあり、乗場ドア16はかごドア13に追従して開閉するだけである。
本実施形態において、利用者は、自身の携帯端末3(例えば、スマートフォンやタブレット端末など)に予めインストールされた呼び登録用のアプリケーション(以下、呼び登録アプリと表記)3aを用いて、呼び情報を登録する。呼び登録アプリ3aは、例えば、エレベータシステム1の関連企業によって開発されたアプリケーションであり、携帯端末3のOS(Operating System)に依存するWebサイトから自由にダウンロードすることができる。
利用者は、呼び登録アプリ3aを起動し、乗車階および行先階(乗車情報)を入力することで(あるいは、呼び登録アプリ3aに乗車情報を予め設定しておくことで)、当該乗車情報と当該利用者固有のユーザIDとを含む呼び情報を、エレベータ制御装置30に登録(送信)することができる。
なお、利用者固有のユーザIDは、呼び登録アプリ3aによってユーザ毎に割り当てられたユーザIDであってもよいが、好ましくは、呼び登録アプリ3aがインストールされた携帯端末3の端末IDを利用者固有のユーザIDとして利用する態様が望ましい。これによれば、呼び情報に含まれるユーザIDと、旅行検索/予約システム2において管理されるユーザIDとを共通化することができるため、エレベータシステム1と旅行検索/予約システム2とを協働させるにあたって必要なこれら2つのユーザIDの紐付け作業が不要となる。
また、本実施形態においては、利用者が呼び登録アプリ3aを用いて呼び情報を登録するとしたが、これに限定されず、乗車情報と利用者固有のユーザIDとを含む呼び情報を登録可能な態様であれば、当該呼び情報は任意の態様で登録されて構わない。例えば、利用者は、乗車情報と利用者固有のユーザIDとが記録されたICカードを、乗場に設置された乗場行先階登録装置(HDC: Hall Destination Controller)にかざすことで、当該乗車情報と当該ユーザIDを含む呼び情報を登録してもよい。
エレベータ制御装置30は、他の装置(例えば、携帯端末3、後述する利用者検知装置20やクラウドサーバ40など)と通信するための通信機能を有している。エレベータ制御装置30は、登録された呼び情報に応答して乗りかご11の運転を制御する。本実施形態において、エレベータ制御装置30は、上述した呼び登録アプリ3aを用いて携帯端末3から送信された呼び情報を受信すると、当該呼び情報を図示せぬメモリなどに登録し、当該呼び情報によって示される乗車階に乗りかご11を応答させる。なお、エレベータ制御装置30は、乗りかご11が乗車階や行先階に到着した時のかごドア13の戸開閉制御や、乗りかご11内の照明機器の点灯制御なども行う。
利用者検知装置20は、他の装置(例えば、カメラ12やエレベータ制御装置30など)と通信するための通信機能を有している。利用者検知装置20は、カメラ12によって連続的に撮影された各画像(映像)をリアルタイムに解析する処理を実行する。このため、利用者検知装置20は、画像処理装置または画像解析装置と称されても構わない。図1に示すように、利用者識別装置20は、記憶部21と、利用者識別部22と、乗車人数検知部23とを備えている。
記憶部21には、カメラ12によって撮影された画像が逐次記憶される。また、記憶部21には、利用者識別部22の処理に必要なデータとして、上述した利用者固有のユーザIDと、当該ユーザIDにより識別される利用者の属性情報とが予め対応づけて記憶(保持)されている。属性情報は、例えば、利用者の性別、利用者の年齢、利用者の顔画像、特記事項(例えば、車椅子利用者、ベビーカー利用者など)など、利用者の特徴を示す情報である。
利用者識別部22は、カメラ12によって撮影された画像に映る利用者が、エレベータ制御装置30に呼び情報を登録した利用者(呼び情報の登録者)であるかどうかを判別する処理を実行する。より詳しくは、利用者識別部22は、カメラ12によって撮影された画像と、記憶部21に予め記憶された属性情報のうち、エレベータ制御装置30に登録された呼び情報によって示されるユーザIDに対応づけられた属性情報とを照合し、当該画像に映る利用者の特徴が、当該属性情報によって示される利用者の特徴と一致するかどうかに基づき、当該画像に映る利用者が当該呼び情報の登録者であるかどうかを判別する。
乗車人数検知部23は、カメラ12によって撮影された画像に基づき乗りかご11に乗車している利用者の人数を検知し、乗りかご11に乗車している利用者が上述した呼び情報の登録者のみであるかどうかを判別する処理を実行する(つまり、呼び情報の登録者による一人乗車を検知する処理を実行する)。
なお、利用者識別部22および乗車人数検知部23による上述した処理の結果は、エレベータ制御装置30に通知されると共に、当該エレベータ制御装置30を介して後述するクラウドサーバ40にも通知される。
クラウドサーバ40は、エレベータシステム1の関連企業によって構築されるクラウド上に設けられたサーバである。クラウドサーバ40は、旅行検索/予約システム2と協働して、利用者の嗜好に合う旅行プランに関する映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信する処理を実行する。なお、クラウドサーバ40の詳細な構成については後述する。また、以下では、「利用者の嗜好に合う旅行プランに関する映像コンテンツ」を、「利用者の嗜好に合う映像コンテンツ」と称して説明する。
次に、旅行検索/予約システム2の構成について説明する。
図1に示すように、旅行検索/予約システム2は、履歴情報記憶部2aと、コンテンツ情報記憶部2bとを備えている。
履歴情報記憶部2aは、旅行検索/予約システム2によって提供されるWebサイトまたはアプリケーション(以下、旅行アプリと表記)において、利用者によって行われた検索の履歴を示す履歴情報を記憶している。ここで、図2を参照して、履歴情報のデータ構造の一例を説明する。
図2は、履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。図2に示すように、履歴情報は、ユーザIDと、検索履歴情報と、予約情報とを対応づけて含む情報である。なお、履歴情報のデータ構造は、図2に示したデータ構造に限られず、さらに別の情報が対応づけられてもよい。
ユーザIDは、旅行検索/予約システム2によって提供されるWebサイトまたは旅行アプリにおいて検索を行った利用者を識別するための情報である。なお、ユーザIDは、旅行検索/予約システム2によりユーザ毎に割り当てられたユーザIDであってもよいが、上述した呼び情報に含まれるユーザIDと同様に、好ましくは、旅行検索/予約システム2によって提供されるWebサイトまたは旅行アプリにおいて検索を行った携帯端末3の端末IDを利用者固有のユーザIDとして利用する態様が望ましい。
検索履歴情報は、旅行検索/予約システム2によって提供されるWebサイトまたは旅行アプリにおいて行われた検索の履歴を示す情報であり、例えば、検索を行った日付や、利用者により入力(指定)された検索条件などを示す。検索条件としては、所望のキーワードや、旅行先(地域)、旅行先までの移動手段、旅行時期、予算、宿泊人数、食事の有無などが一例に挙げられる。
予約情報は、利用者の予約状況を示す情報であり、例えば、予約済または未予約のどちらかを示す。
例えば、図2に示す履歴情報d1によれば、ユーザID「U_id001」によって識別される利用者が、「2023年1月1日」に、以下に示す5つの検索条件を入力して旅行プランの検索を行ったこと、また、当該利用者の予約状況が「未予約」であることが示される。
・「旅行先:群馬、栃木、千葉」
・「旅行時期:2023年2月1日-2月7日のいずれかで2泊」
・「予算:10000円-30000円」
・「宿泊人数:大人2人、子供1人」
・「食事の有無:食事なし」
再度図1の説明に戻る。
コンテンツ情報記憶部2bは、旅行検索/予約システム2によって提供可能な旅行プランに関する映像コンテンツを含むコンテンツ情報を記憶している。ここで、図3を参照して、コンテンツ情報のデータ構造の一例を説明する。
図3は、コンテンツ情報のデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、コンテンツ情報は、コンテンツIDと、映像コンテンツと、放映時間情報と、キー情報とを対応づけて含む情報である。なお、コンテンツ情報のデータ構造は、図3に示したデータ構造に限られず、さらに別の情報が対応づけられてもよいし、図3に示した各種情報の一部が省略されてもよい。
コンテンツIDは、旅行検索/予約システム2によって提供可能な旅行プランに関する映像コンテンツを識別するための情報である。
放映時間情報は、上述した映像コンテンツの放映時間(映像コンテンツの長さ)を示す情報である。
キー情報は、上述した映像コンテンツの概要を示す情報であり、当該映像コンテンツがどのような旅行プランに関する映像コンテンツであるかを示す。詳細については後述するが、キー情報は、利用者の嗜好に合う映像コンテンツを選択するために使用される。
例えば、図3に示すコンテンツ情報d2によれば、コンテンツID「C_id001」によって識別される「映像コンテンツC1」の放映時間が「15秒」であること、また、当該映像コンテンツC1が「東京から2時間圏内」の旅行プランに関する映像コンテンツであることが示される。
なお、コンテンツ情報d2においては、1つの映像コンテンツに対して1つのキー情報が対応づけられているが、これに限定されず、1つの映像コンテンツに対して複数のキー情報が対応づけられていてもよい。例えば、図3に示す映像コンテンツC1に対して、「東京から2時間圏内」および「温泉宿」といった2つのキー情報が対応づけられていてもよい。
次に、図4を参照して、クラウドサーバ40の詳細な構成について説明する。
図4に示すように、クラウドサーバ40は、履歴情報記憶部41と、コンテンツ情報記憶部42と、予約状況確認部43と、キー情報推測部44と、乗車時間推測部45と、コンテンツ配信制御部46と、を備えている。
履歴情報記憶部41は、旅行検索/予約システム2から提供される履歴情報を記憶している。つまり、履歴情報記憶部41は、旅行検索/予約システム2の履歴情報記憶部2aと同様な記憶装置である。なお、履歴情報記憶部41は、旅行検索/予約システム2の履歴情報記憶部2aに記憶される履歴情報のうち、現在から一定期間以内(例えば、1週間以内)に行われた検索に関する履歴情報のみを記憶するとしてもよい。これによれば、履歴情報記憶部41に記憶される履歴情報のデータ量を削減することが可能である。
コンテンツ情報記憶部42は、旅行検索/予約システム2から提供されるコンテンツ情報を記憶している。つまり、コンテンツ情報記憶部42は、旅行検索/予約システム2のコンテンツ情報記憶部2bと同様な記憶装置である。
予約状況確認部43は、履歴情報に含まれる予約情報に基づき利用者の予約状況を確認し、旅行検索/予約システム2によって提供される旅行プランが当該利用者によって既に予約されているかどうかを判別する。
キー情報推測部44は、履歴情報に含まれる検索履歴情報に基づき、利用者の嗜好に合う映像コンテンツを選択するために用いられるキー情報を推測する。より詳しくは、キー情報推測部44は、検索履歴情報によって示される利用者により入力された検索条件に基づいて、当該利用者の嗜好に合う映像コンテンツを選択するためのキー情報を推測する。
なお、キー情報推測部44が、キー情報を推測するためのアルゴリズムは特に限定されないが、例えば、キー情報推測部44は、検索条件とキー情報との組を教師データとして機械学習された学習モデルを用いて、利用者により入力された検索条件に対応するキー情報を推測してもよい。例えば、検索条件「旅行先:群馬、栃木、千葉」と、キー情報「東京から2時間圏内」との組を教師データとして機械学習された学習モデルを用いることにより、キー情報推測部44は、利用者により入力された検索条件が「旅行先:群馬、栃木、千葉」である場合に、「東京から2時間圏内」というキー情報を推測することが可能である。
乗車時間推測部45は、エレベータ制御装置30に登録された呼び情報によって示される乗車階および行先階に基づき、利用者が乗りかご11に乗車してから降車するまでにかかる時間(つまり、利用者が乗りかご11に乗車している乗車時間)を推測する。なお、乗車時間推測部45は、乗りかご11が乗車階から行先階まで移動するのにかかる時間を、上述した乗車時間として推測(算出)する。
コンテンツ配信制御部46は、呼び情報の登録者が、旅行検索/予約システム2によって提供される旅行プランをまだ予約していない未予約者であり、かつ、乗りかご11に一人で乗車している場合にのみ、当該登録者の嗜好に合う映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信する処理を実行する。なお、映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信している最中に、他の利用者による新たな呼び情報がエレベータ制御装置30に登録された場合、コンテンツ配信制御部46は、プライバシー保護の観点から、当該映像コンテンツの配信を終了させる。
かご室内表示装置14に映像コンテンツを配信するために、コンテンツ配信制御部46は、乗車時間推測部45によって推測された乗車時間に基づき、旅行プランに関する映像コンテンツを配信するための少なくとも1つの配信枠を生成する。なお、コンテンツ配信制御部46が、上述した配信枠を生成するためのアルゴリズムは特に限定されないが、好ましくは、乗車時間推測部45によって推測された乗車時間に相当する1つの配信枠を生成するのではなく、当該乗車時間を分割して複数の配信枠を生成することが望ましい。
例えば、乗車時間推測部45によって推測された乗車時間が「25秒」の場合、25秒の1つの配信枠を生成するよりも、「15秒」の配信枠を1つと「5秒」の配信枠を2つなど、複数の配信枠を生成する方が望ましい。このように1つの配信枠ではなく複数の配信枠を生成し、放映時間の短い複数の映像コンテンツを配信することで、短い時間でも利用者に旅行プランを提供することが可能である。また、新たな呼び情報の登録に応じて映像コンテンツの配信を途中で終了させるような場合であっても、少なくとも1つの旅行プランを利用者に提供するなど、柔軟に対応することが可能である。
コンテンツ配信制御部46は、生成された配信枠毎に、利用者の嗜好に合う映像コンテンツを選択する。例えば、所望の配信枠において配信される映像コンテンツを選択する場合、コンテンツ配信制御部46は、コンテンツ情報記憶部42に記憶された多数のコンテンツ情報の中から、当該配信枠よりも短い放映時間を示す放映時間情報を含み、かつ、キー情報推測部44によって推測されたキー情報を含むコンテンツ情報を選択し、当該コンテンツ情報に含まれる映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信(送信)する。
ここで、図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係るエレベータシステム1によって実行される一連の処理について説明する。図5は、利用者によって呼び情報が登録されてから、当該利用者の嗜好に合う映像コンテンツがかご室内表示装置14に配信されるまでの一連の処理を示すフローチャートである。
まず、エレベータ制御装置30は、利用者の呼び登録操作に応じて携帯端末3から送信された呼び情報を受信すると、当該呼び情報を図示せぬメモリに登録し、当該呼び情報によって示される乗車階に乗りかご11を応答させる(ステップS1)。
乗りかご11が乗車階に到着し、当該乗りかご11のかごドア13が戸開すると、当該乗りかご11内に設けられたカメラ12は、乗場15にいる利用者を含む画像を撮影する。利用者検知装置20の利用者識別部22は、カメラ12によって撮影された画像を解析し、当該画像に映る利用者が、ステップS1において呼び情報を登録した利用者であるかどうかを判別する。
より詳しくは、利用者識別部22は、カメラ12によって撮影された画像と、記憶部21に予め記憶された属性情報であって、ステップS1において登録された呼び情報によって示されるユーザIDに対応づけられた属性情報とを照合し、当該画像に映る利用者の特徴が、当該属性情報によって示される利用者の特徴と一致するかどうかに基づき、当該画像に映る利用者が当該呼び情報の登録者であるかどうかを判別する(ステップS2)。
ステップS2において、カメラ12によって撮影された画像に映る利用者の特徴が、属性情報によって示される利用者の特徴と一致し、当該画像に映る利用者が呼び情報の登録者であると判別された場合(ステップS2のYes)、乗車人数検知部23は、カメラ12によって撮影された画像に基づき、乗りかご11に乗車している利用者の人数を検知し、乗りかご11に乗車している利用者が、呼び情報の登録者のみであるかどうかを判別する(ステップS3)。
ステップS3において、乗りかご11に乗車している利用者が呼び情報の登録者のみであると判別された場合(ステップS3のYes)、利用者検知装置20は、ステップS2,S3の結果として、呼び情報の登録者が乗りかご11に一人で乗車している旨の通知(以下、一人乗車通知と表記)をエレベータ制御装置30に送信する。エレベータ制御装置30は、利用者検知装置20から送信された一人乗車通知を受信すると、当該一人乗車通知と、ステップS1において登録された呼び情報とをクラウドサーバ40に送信する。
クラウドサーバ40の予約状況確認部43は、エレベータ制御装置30から送信された一人乗車通知および呼び情報を受信すると、履歴情報記憶部41に記憶された履歴情報であって、当該呼び情報によって示されるユーザIDを含む履歴情報に基づき、当該呼び情報の登録者の予約状況を確認し、当該登録者が、旅行検索/予約システム2によって提供される旅行プランをまだ予約していない未予約者であるかどうかを判別する(ステップS4)。
ステップS4において、呼び情報の登録者が未予約者であると判別された場合(ステップS4のYes)、キー情報推測部44は、当該呼び情報によって示されるユーザIDを含む履歴情報に含まれる検索履歴情報(検索条件)に基づき、当該呼び情報の登録者の嗜好に合う映像コンテンツを選択するためのキー情報を推測する(ステップS5)。
一方、乗車時間推測部45は、受信された呼び情報によって示される乗車階と行先階に基づき、呼び情報の登録者が乗りかご11に乗車している乗車時間を推測する(ステップS6)。
その後、コンテンツ配信制御部46は、ステップS6において推測された乗車時間に基づき、映像コンテンツを配信するための少なくとも1つの配信枠を生成する(ステップS7)。
しかる後、コンテンツ配信制御部46は、ステップS7において生成された配信枠毎に、呼び情報の登録者の嗜好に合う映像コンテンツを選択し、当該映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信する。より詳しくは、コンテンツ配信制御部46は、コンテンツ情報記憶部42に記憶された多数のコンテンツ情報の中から、配信枠よりも短い放映時間を示す放映時間情報を含み、かつ、ステップS5において推測されたキー情報を含むコンテンツ情報を、呼び情報の登録者の嗜好に合う映像コンテンツを含むコンテンツ情報として選択し、当該コンテンツ情報に含まれる映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信して(ステップS8)、一連の処理を終了させる。
図6は、かご室内表示装置14に表示される映像コンテンツの一例を示す図である。なお、図6では、「東京から2時間圏内」というキー情報に基づき選択された映像コンテンツがかご室内表示装置14に表示されている場合を示している。これによれば、利用者は、東京から1時間で行ける自然豊かな温泉宿があること、温泉宿の近くにバーベキュー施設があること、温泉宿には貸切風呂があること、温泉宿やバーベキュー施設の外観や内装、温泉宿に大人2人・子供1人の3人で2泊宿泊した際の料金、温泉宿の住所、温泉宿へのアクセス方法など、自身が関心のあることに関する具体的な情報(この場合、自身の嗜好に合う旅行プラン)をエレベータに乗車するだけで知ることできる。
なお、かご室内表示装置14に表示される映像コンテンツは、図7に示すように、クーポンを発行するためのクーポン発行ボタンb1を含んでいてもよい。これによれば、クーポン発行ボタンb1が利用者によってタッチされた場合に、当該利用者の携帯端末3にクーポンを発行(送信)するサービスを行うことができる。
本実施形態においては、コンテンツ配信制御部46は、呼び情報の登録者が乗りかご11に一人で乗車している場合にのみ、当該登録者の嗜好に合う映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信するとしたが、これに限定されず、例えば呼び情報の登録者とその子供のみが乗りかご11に乗車している場合にも、当該登録者の嗜好に合う映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信してもよい。なお、呼び情報の登録者と同乗している利用者が当該登録者の子供であるかどうかの判別は、例えば、利用者検知装置20の記憶部21に記憶される属性情報の特記事項にベビーカー利用者であることや子供がいることを予め登録しておくことで、画像に映る利用者が呼び情報の登録者であるかどうかを判別する際に併せて判別することができる。
また、コンテンツ配信制御部46は、所望の呼び情報の登録者に対して一度配信した映像コンテンツを、例えば一定期間の間、当該呼び情報の登録者には再度配信しない機能を有していてもよい。これによれば、所望の映像コンテンツを視聴した利用者が乗りかご11に一人で乗車する次の機会には、今回配信した所望の映像コンテンツとは異なる映像コンテンツが当該利用者に対して配信されるため、同じ映像コンテンツが何度も配信され、当該利用者が飽きてしまうことを防ぐことができる。
但し、カメラ12によって撮影された画像に基づき、所望の呼び情報の登録者がかご室内表示装置14に配信されている映像コンテンツを視聴していないことが検知された場合、コンテンツ配信制御部46は、上述した次の機会が一定期間内であったとしても、今回配信した映像コンテンツを再度配信して構わない。なお、呼び情報の登録者がかご室内表示装置14に配信されている映像コンテンツを視聴しているかどうかの判別は、例えば、カメラ12によって撮影された画像に映る当該登録者の顔の向きなどに基づき判別されてもよい。
さらに、コンテンツ配信制御部46は、映像コンテンツの配信中に新たな呼び情報が登録されたことに応じて当該映像コンテンツの配信を途中で終了させた場合、当該映像コンテンツを視聴していた利用者が乗りかご11に一人で乗車する次の機会には、今回途中で終了させた映像コンテンツの続きを配信するとしてもよい。
また、コンテンツ配信制御部46は、予め定められた時間帯において、呼び情報の登録者が乗りかご11に一人で乗車していることが検知された場合にのみ、当該呼び情報の登録者の嗜好に合う映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信するとしてもよい。例えば平日の朝などの忙しい時間帯に、映像コンテンツが配信されてしまうと、利用者に不快感を与えてしまう可能性があるが、上述のようにすることで、このような事態の発生を抑制することができる。
本実施形態においては、コンテンツ配信制御部46は、呼び情報の登録者が乗りかご11に一人で乗車している場合に、当該登録者の嗜好に合う映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信するとしたが、コンテンツ配信制御部46は、乗りかご11に複数の利用者が乗車している場合には、旅行検索/予約システム2に関する広告をかご室内表示装置14に配信してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るエレベータシステム1は、旅行検索/予約システム2のようなサービス提供システムと協働し、当該サービス提供システムによって提供されるサービスであって、利用者が関心のあるサービスに関する映像コンテンツをかご室内表示装置14に配信する。これによれば、利用者は、エレベータに乗車するだけで、自身が関心のあるサービスに関する具体的な情報を知ることができ、エレベータに乗車している時間を自身にとって有用な時間にすることができる。
つまり、以上説明した一実施形態によれば、エレベータに乗車している時間を、エレベータ利用者にとって有用な時間にすることが可能なエレベータシステムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…エレベータシステム、2…旅行検索/予約システム、2a…履歴情報記憶部、2b…コンテンツ情報記憶部、11…乗りかご、11a…幕板、12…カメラ、13…かごドア、14…かご室内表示装置、15…乗場、16…乗場ドア、20…利用者検知装置、21…記憶部、22…利用者識別部、23…乗車人数検知部、30…エレベータ制御装置、40…クラウドサーバ、41…履歴情報記憶部、42…コンテンツ情報記憶部、43…予約状況確認部、44…キー情報推測部、45…乗車時間推測部、46…コンテンツ配信制御部。

Claims (11)

  1. 所望のサービスを利用者に提供可能なサービス提供システムと協働するエレベータシステムであって、
    前記サービス提供システムによって提供されるWebサイトまたはアプリケーションにおいて、前記利用者により入力された検索条件を含む履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、
    前記サービス提供システムによって提供されるサービスに関する映像コンテンツと、前記映像コンテンツの概要を示すキー情報とを対応づけて含む多数のコンテンツ情報を記憶する映像コンテンツ記憶手段と、
    カメラおよび表示装置が設置された乗りかごと、
    前記利用者による呼び情報の登録に応じて、前記乗りかごの運転を制御するエレベータ制御手段と、
    前記呼び情報を登録した利用者が前記乗りかごに一人で乗車していることが検知された場合、前記呼び情報を登録した利用者に対応する履歴情報に含まれる検索条件からキー情報を推測し、前記推測されたキー情報に対応づけられた映像コンテンツを、前記呼び情報を登録した利用者の嗜好に合う映像コンテンツとして前記映像コンテンツ記憶手段から選択し、この映像コンテンツを前記表示装置に配信する配信制御手段と、
    を備えることを特徴とする、エレベータシステム。
  2. 前記カメラによって撮影された画像に映る利用者が前記呼び情報を登録した利用者であることを検知し、かつ、前記呼び情報を登録した利用者が前記乗りかごに一人で乗車していることを検知する利用者検知手段をさらに備えることを特徴とする、
    請求項1に記載のエレベータシステム。
  3. 前記利用者検知手段は、
    前記呼び情報を登録した利用者の特徴を示す属性情報を予め保持し、
    前記カメラによって撮影された画像に映る利用者の特徴が、前記属性情報によって示される前記呼び情報を登録した利用者の特徴と一致する場合に、前記画像に映る利用者が前記呼び情報を登録した利用者であることを検知することを特徴とする、
    請求項2に記載のエレベータシステム。
  4. 前記配信制御手段は、
    前記呼び情報を登録した利用者に対応する前記履歴情報に基づき、前記呼び情報を登録した利用者が前記サービス提供システムによって提供されるサービスをまだ受けていないことが確認された場合に、前記映像コンテンツの配信を行うことを特徴とする、
    請求項1に記載のエレベータシステム。
  5. 前記呼び情報は、前記呼び情報を登録した利用者の乗車階および行先階を示し、
    前記配信制御手段は、
    前記呼び情報によって示される乗車階および行先階に基づき、前記呼び情報を登録した利用者の乗車時間を推測し、
    前記呼び情報を登録した利用者の嗜好に合う映像コンテンツであって、前記乗車時間内に放映可能な映像コンテンツを前記映像コンテンツ記憶手段から選択することを特徴とする、
    請求項1に記載のエレベータシステム。
  6. 前記配信制御手段は、
    前記乗車時間を複数の配信枠に分割し、
    前記配信枠毎に、前記呼び情報を登録した利用者の嗜好に合う映像コンテンツであって、前記配信枠内に放映可能な映像コンテンツを前記映像コンテンツ記憶手段から選択することを特徴とする、
    請求項5に記載のエレベータシステム。
  7. 前記配信制御手段は、
    前記映像コンテンツの配信中に新たな呼び情報が登録された場合、前記映像コンテンツの配信を終了させることを特徴とする、
    請求項1に記載のエレベータシステム。
  8. 前記配信制御手段は、
    前記新たな呼び情報が登録されたことに応じて前記映像コンテンツの配信を途中で終了させた場合、前記呼び情報を登録した利用者が前記乗りかごに一人で乗車する次の機会には、今回途中で終了させた映像コンテンツの続きを配信することを特徴とする、
    請求項7に記載のエレベータシステム。
  9. 前記配信制御手段は、
    前記呼び情報を登録した利用者とその子供のみが前記乗りかごに乗車していることが検知された場合にも、前記映像コンテンツの配信を行うことを特徴とする、
    請求項1に記載のエレベータシステム。
  10. 前記配信制御手段は、
    前記呼び情報を登録した利用者が前記乗りかごに一人で乗車する次の機会には、今回配信した映像コンテンツとは異なる映像コンテンツを配信することを特徴とする、
    請求項1に記載のエレベータシステム。
  11. 前記配信制御手段は、
    前記呼び情報を登録した利用者が今回配信した映像コンテンツを視聴していないことが検知された場合、前記次の機会にも今回配信した映像コンテンツを配信することを特徴とする、
    請求項10に記載のエレベータシステム。
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