JP7470698B2 - 密封型グリッパ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、産業用ロボットのアーム先端部に取り付けられ、ワークを把持する際に使用する密封型グリッパに関する。
産業用ロボットのハンドとしてアーム先端部に取り付けられ、ワークを把持する際に使用されるグリッパがある。このようなグリッパは、マスタージョウとプランジャとが連動することでマスタージョウに接合されているジョウの開閉が行なわれる(特許文献1)。
また、グリッパは、粉塵が発生する環境や水等の液体を使用する環境などでも使用される場合があり、グリッパ内部への粉塵や液体などの異物の侵入防止、またはグリッパ外部へのグリースなどの漏洩防止として、シール材を用いることで、グリッパ内部及びグリッパ外部の相互間を密封する構造となっている(特許文献2)。
密封型グリッパとしては、例えば、本願の図6に示す構造のものが既に提案されている。上述した引用文献2のチャック装置も、本願の図6に示すような構造を有している。従来の密封型グリッパは、本願の図6に示すように、主に、マスタージョウ11、グリッパ本体20、ピストン30、プランジャ40、リアカバー50、そして、フロントカバー26などで構成されている。密封型グリッパ100の内部空間は、隔壁21aによって、背面側のシリンダ室25と正面側の格納室25cとに隔たされている。換言すると、隔壁21aの内周面には、円環溝が設けられ、その溝にOリングシール部材が設けられている。これによって、シリンダ室25と格納室25cは互いに密封空間を有する構成となっている。
マスタージョウ11の一方側には、係合溝11aが設けられ、それに対応して、プランジャ40には、放射状の張出部41が設けられている。係合溝11a及び張出部41が係合することで、プランジャ40の軸方向の移動に連動してマスタージョウ11が径方向に移動する。
また、係合溝11a及び張出部41の断面は、ピストン30側に行くにつれて次第に中心軸Jから離れるように傾斜している。
したがって、上述の構成により、ワークの外周を把持するには、プランジャ40を背面側に移動させる必要がある。
すなわち、第2シリンダ室25bにエアを供給することで、マスタージョウ11が径方向内方へ移動し、密封型グリッパがワークの外周を把持することができる。その際、隔壁21aを設けることで、ワークを所定の把持力で把持することができる。しかし、例えば、上述の隔壁21aが存在せず、第2シリンダ室25bと格納室25cとが一体に構成された場合、第2シリンダ室25bにエアを供給すると、ピストン30には、エアによって背面側に移動する力が働くが、その一方で、マスタージョウ11は、エアによって径方向の外方に押される。ここで、マスタージョウ11がエアによって押される方向は、ピストン30の移動に伴うマスタージョウ11の移動方向とは逆方向である。このため、図6の構成の密封型のチャックが隔壁21aを備えていないと、第2シリンダ室25bにエアが供給されたときに、マスタージョウ11の動作性及びマスタージョウ11と連動するピストン30の動作性が損なわれ、所定の把握力がでない虞がある。したがって、ワークを所定の把持力で把持させるためには隔壁21aは重要な構成要素となっている。
また、密封型グリッパ100は、隔壁21aによって、密封空間が、第1シリンダ室25a、第2シリンダ室25b、そして格納室25cと軸方向に沿って3箇所設けられている。それによって、ピストン30が軸方向に沿って格納室25c側に移動すると、格納室25c内は、体積変化が生じ正圧になっていく。その圧を大気に逃がすために、グリッパ本体20には格納室25cからグリッパ本体20を経由してエアを外部に排出するエア排出通路R3が設けられている。
また、隔壁21aが設けられているため、組み付け時の問題でピストン30及びプランジャ40は、一体成形をすることができず、各々別体で成形される。そして、ピストン30は、背面側から正面側に、プランジャ40は、正面側から背面側に組み付けられ、各々がボルトで取り外し可能に締結されている。
また、ピストン30及びプランジャ40を組み付け、または取り外しをするために、グリッパ本体20の正面側及び背面側は開口され、各々の開口部位には、リアカバー50及びフロントカバー26が夫々グリッパ本体20に取り付けられている。
また、それらが接する箇所にはシール材S3及びS6が夫々設けられ、それによって、密封状態が保たれている。
同様に、隔壁21aの内径とロッド部32(30)との間にはシール材S4、ボルトとピストンとの間にはシール材S5が設けられ、これらシール材によって、グリッパ本体20の内部は密封状態が保たれている。
特開2018-58155号公報 特開2016-120532号公報
上述したように、密封型グリッパは、その形態によっては、マスタージョウやピストンの動作性が損なわれる場合がある。また、この種の密封型グリッパは、ロボットアームの稼動エリアを拡大させるため、稼働中に干渉させないため、または、大きなワークを搬送させるためなどにより、薄型化が要望されている。
そこで本発明の目的は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、動作性が損なわれることを抑制するとともに、薄型化を実現することができる密封型グリッパ提供することにある。
本発明によれば、密封型グリッパにおいて、グリッパ本体と複数のマスタージョウとプランジャとピストンとを備え、前記グリッパ本体の内部には、前記ピストンを軸方向に摺動可能に収容するシリンダ室と、前記各マスタージョウを径方向に摺動可能に案内するガイド部と、が形成され、ここで、前記軸方向は、前記グリッパ本体の中心軸に沿って延びる方向であり、前記径方向は前記中心軸に直交する方向であり、前記各マスタージョウは、一端側にクランプジョウを取付け可能に構成され、他端側に係合部を備え、前記ピストンは、前記軸方向において前記シリンダ室を第1及び第2シリンダ室に区画し、且つ、その先端に前記プランジャが設けられ、前記プランジャは、前記係合部に係合する複数の被係合部を有し、前記各被係合部は、前記プランジャの中央に対して放射状に配置され、前記各係合部及び前記各被係合部は、正面側から背面側に行くにつれて次第に前記中心軸に近づくように夫々傾斜するように構成されている、密封型グリッパが提供される。
本発明に係る密封型グリッパは、前記各係合部及び前記各被係合部が、正面側から背面側に行くにつれて次第に前記中心軸に近づくように夫々傾斜するように構成されている。このため、従来技術の隔壁を備えなくても、シリンダ室にエアが供給されたときに、マスタージョウに互いに逆向きの力が働くことが抑制される。すなわち、本発明に係る密封型グリッパは、動作性が損なわれることを抑制しながら、薄型化を実現することができる。
好ましくは、密封型グリッパにおいて、グリッパ本体と複数のマスタージョウとプランジャとを備え、
前記グリッパ本体の内部は、その一端側にピストンを軸方向に摺動可能に収容するシリンダ室と、その他端側に各マスタージョウを径方向に摺動可能に案内するガイド部と、を有し、ここで、軸方向は、グリッパ本体の中心軸に沿って延びる方向であり、径方向はその中心軸に直交する方向であり、前記グリッパ本体は、その一端側の前記シリンダ室を閉塞するリアカバーを備え、前記各マスタージョウは、一端にクランプジョウを取付け、他端に係合部を備え、前記ピストンは、軸方向において前記シリンダ室を第1及び第2シリンダ室に区画し、且つ、その先端に前記プランジャを設け、前記プランジャは、中央から放射状に前記係合部に係合する複数の被係合部を有し、前記各係合部及び前記各被係合部は、正面側から背面側に行くにつれて次第に前記中心軸に近づくように夫々傾斜して設けられ、グリッパ本体内とマスタージョウとの摺動部、グリッパ本体内とピストンとの摺動部、グリッパ本体とリアカバーとの嵌合部は、夫々にシール材が設けられ、該シール材によって、グリッパ本体の内部が密封される、密封型グリッパが提供される。
好ましくは、前記係合部が凹状の係合溝であり、前記被係合部が凸状の張出部である、密封型グリッパが提供される。
好ましくは、前記ピストンと前記プランジャとが、一体加工品である、密封型グリッパが提供される。
好ましくは、前記グリッパ本体が、一体加工品である、密封型グリッパが提供される。
好ましくは、シール材を更に備え、前記グリッパ本体は、リアカバーを備え、前記リアカバーは、前記シリンダ室を閉塞するように、前記グリッパ本体の背面側に設けられ、前記シール材は、前記グリッパ本体と前記各マスタージョウとの摺動部と、前記グリッパ本体と前記ピストンとの摺動部と、前記グリッパ本体と前記リアカバーとの嵌合部と、にそれぞれ設けられている、密封型グリッパが提供される。
好ましくは、前記グリッパ本体の内部には、環状の突出部が形成され、前記突出部には、前記各マスタージョウが摺動するように設けられ、前記ピストンは、前記軸方向において、前記突出部に接触する位置まで摺動可能に構成されている、密封型グリッパが提供される。
好ましくは、第2シリンダ室は、第1シリンダ室よりも正面側に配置され、前記突出部は、環状の周面を有し、前記周面には、第2シリンダ室にエアを給排するためのエア給排通路が開口している、密封型グリッパが提供される。
密封型グリッパの全体を斜めから見た概略斜視図である。 密封型グリッパを正面から見た概略図である。 図2における矢印I-I線での概略断面図。マスタージョウが待機位置にある状態を表している。 マスタージョウが把持位置にある状態を表した、図3に相当する図である。 図3に示すA-A矢視図であってプランジャとマスタージョウの嵌合状態を示した図であり、図3におけるグリッパ本体20等が取り除かれた状態を示している。 従来の密封型グリッパの概略断面図である。
グリッパは、粉塵が発生する環境や水等の液体を使用する環境などでも使用される場合がある。そのため、グリッパ内部への粉塵や液体などの異物の侵入防止、またはグリッパ外部へのグリースなどの漏洩防止として、シール材を用いることで、グリッパ内部及びグリッパ外部の相互間を密封する構造の密封型グリッパがある。
以下、密封型グリッパの好適な実施形態について、図面を用いて具体的に説明する。本実施形態においては、便宜上、3つのジョウを有する密封型グリッパを例に挙げて説明するが、2つのジョウを有する密封型グリッパ、または4つ以上のジョウを有する密封型グリッパにも好適に組み込むことができる。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではないし、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で適宜変更は可能である。
なお、以下、説明で方向を表す際、特に言及しない限り、ワークが把持される側を"正面側"、その反対側を"背面側"とし、グリッパの中心軸Jに沿って延びる方向を"軸方向"、その軸方向に直交する方向を"径方向"という場合がある。
1.密封型グリッパの概略構成
第1節では、密封型グリッパ1の概略構成を説明する。図1~図4に、本発明を適用した密封型グリッパ1を示す。この密封型グリッパ1は、主に、工作機械で加工されるワークの搬送や組み付けを行なうために、産業用ロボットに用いられている。したがって、本実施形態では、産業用ロボットの多関節アーム2に密封型グリッパ1を用いた場合を例にして説明する。
密封型グリッパ1は、主に、ジョウ10、グリッパ本体20、ピストン30、プランジャ40、そして、リアカバー50などで構成されている。そのような密封型グリッパ1は、グリッパ本体20がボルトB1によって多関節アーム2の先端部分に締結されることで、産業用ロボットに組み付けられている。
グリッパ本体20には、径方向にスライドする複数(図示の密封型グリッパ1では3つ)のジョウ10が、その中心部位に位置するワークを内側又は外側から把持するために、周方向に等間隔で配置されている。
各ジョウ10は、グリッパ本体20に収容されたマスタージョウ11と、このマスタージョウ11に取り付けられ、ワークを把持するクランプジョウ12とで構成されている。
2.マスタージョウの構成
第2節では、マスタージョウ11の構成を説明する。このマスタージョウ11は、薄型軽量化、高い把持力を有するように工夫されていることに留意されたい。
各マスタージョウ11は、略円柱状の部材からなり、その長手方向の一端側(径方向外方)にクランプジョウ12が着脱可能に取り付けられ、他端側(中心軸J側)にプランジャ40が係合されている。
換言すると、各マスタージョウ11は、後述のグリッパ本体20の内部に設けられたY状の凹部23に夫々径方向に移動可能に収容され、その他端側にプランジャ40が係合されている。すなわち、各マスタージョウ11の中心軸J側の端面には、図5に示すように正面視略T字状の係合溝11a(係合部)が貫通して形成され、その係合溝11aに後述のプランジャ40の張出部41(被係合部の一例)が係合した状態となっている。
また、その係合溝11aは、図3及び図4に示すように、その断面が、ピストン30側(正面側から背面側)に行くにつれて次第に中心軸Jに近づくように傾斜して延びる形状をしている。ここでは、その断面が、ピストン30側に行くにつれて次第に中心軸Jから離れるように傾斜していない点に留意されたい。
3.グリッパ本体の構成
第3節では、グリッパ本体20の構成を説明する。
グリッパ本体20は、円筒状のリアボディ21と、このリアボディ21の正面側(他端側)に配置され、正面視略三角形状をなすフロントボディ22とで構成され、リアボディ21の背面側の開口をリアカバー50で塞ぎ、ボルトB2で締結することで、シリンダ状に構成され、これによって、グリッパ本体20は、密封された状態となっている。
リアボディ21及びフロントボディ22は、アルミニウム材を削り出して加工されている。フロントボディ22は、その中心部分(中心軸J周り)に円形の開口部24が形成された厚みの大きな略三角板状の部材からなり、円筒状のリアボディ21の正面側の開口を塞ぐことで、リアボディ21と一体に成形加工された一体加工品となっている。
また、フロントボディ22の開口部24側の端面には、中心軸J側に向けて突出する環状の突出部24aが形成されている。この突出部24aによって、リアボディ21の内径より、開口部24の外径は径小となっている。
フロントボディ22の正面側の内部には、中央から放射状に3方に延びる断面円形状のY状の凹部23(ガイド部の一例)が貫通して形成され、その各凹部23には夫々マスタージョウ11が摺動可能に嵌合されている。
凹部23に対応するフロントボディ22の径方向外方側の内周面(摺動部の一例)には、シール材S1が取り付けられ、それによって、マスタージョウ11とフロントボディ22との間が密封されている。
また、グリッパ本体20の内部には、ピストン30を組み付けることで密封されるシリンダ室25が形成されている。
ピストン30は、円筒状のリアボディ21の内径と略同一の外径を有する円板状の円盤部31と円盤部31の中心に立設されたロッド部32とで一体に構成されている。
円盤部31がシリンダ室25に収容されることにより、ピストン30は、その中心軸Jに沿ってグリッパ本体20に摺動自在に組み付けられている。
リアボディ21と摺動する円盤部31の外周面(摺動部の一例)には、シール材S2が取り付けられ、円盤部31とリアボディ21との間が密封されている。
また、リアボディ21とリアカバー50の嵌合部にもシール材S3が取り付けられ、リアボディ21とリアカバー50との間も密封されている。それにより、シリンダ室25は、密封された状態で、円盤部31によって背面側の第1シリンダ室25aと正面側の第2シリンダ室25bとに区画されている。
また、円盤部31は、突出部24aが前進端となり正面側の移動規制となり、一方、リアカバー50が後退端となり背面側の移動規制となっている。それによって、円盤部31は、それら規制範囲の中で自在に摺動可能となっている。換言すると、ピストン30は、軸方向において、突出部24aに接触する位置まで摺動可能である。また、その規制範囲の中で、プランジャ40はマスタージョウ11と常時係合した状態となっている。
さらに、密封型グリッパ1は、グリッパ本体20からシリンダ室25にエアを給排することで、ピストン30を中心軸Jに沿って往復動させ、それによって、クランプジョウ12がワークを把持または把持状態を解除するようにしている。
換言すると、グリッパ本体20には、第1シリンダ室25aにエアを給排するためのエア給排通路R1が形成され、同様に第2シリンダ室25bにエアを給排するためのエア給排通路R2が形成され、各々にはエア配管(図示せず)が接続されている。ここで、エア給排通路R2は、突出部24aの環状の周面に開口している。この環状の周面は、円筒状に形成されており、軸方向に延びている。エア給排通路R2は、突出部24aの環状の周面に開口しているため、ピストン30が突出部24aに接触していても、エア給排通路R2がピストン30によって塞がれることがない。
4.プランジャの構成
第4節では、プランジャ40の構成を説明する。このプランジャ40もマスタージョウ11と同様に、薄型軽量化、高い把持力を有するように工夫されていることに留意されたい。
プランジャ40は、Y形状の部材からなり、3つの張出部41(被係合部の一例)を有している。張出部41は、プランジャ40の中央に対して放射状に配置されている。換言すると、張出部41は、プランジャ40の中央部から放射状に張り出すように設けられている。各張出部41は、マスタージョウ11の係合溝11aに対応すべく、その断面がピストン30側に行くにつれて次第に中心軸Jに近づくように傾斜して延びる形状をしている。
また、プランジャ40は、その背面側がロッド部32の先端(正面側)と一体に加工されている。なお、プランジャ40は、別体で形成され、ロッド部32とボルトなどで締結することにより、ピストン30と一体化するようにしても良い。したがって、プランジャ40は、ピストン30の摺動に伴い、中心軸Jに沿って往復動するようになっている。
5.密封型グリッパの動作
第5節では、密封型グリッパ1の動作を説明する。
ワークの外周を把持するときは、外部のエア配管(図示しない)からエア給排通路R1を経由して第1シリンダ室25aにエアを供給する。それに伴って、ピストン30は軸方向正面側に移動する。ここでプランジャ40とピストン30とは一体となっているため、プランジャ40もピストンと一体に軸方向正面側に移動する。
プランジャ40は、マスタージョウ11の係合溝11aと係合され、その溝の断面が、ピストン30側に行くにつれて次第に中心軸Jに近づくように傾斜して延びる形状をしていることから、プランジャ40の軸方向正面側の移動に伴い、マスタージョウ11は、径方向内方(中心軸J側)に摺動していく。それによって、マスタージョウ11に固定されたクランプジョウ12も径方向内方に移動することで、ワークの外周を把持することが可能となる。
なお、このとき、プランジャ40及びマスタージョウ11の係合部位がピストン30側に行くにつれて次第に中心軸Jに近づくように傾斜して延びる形状をしているため、ワークを把持するには、第1シリンダ室25a側にエアを供給していることに留意されたい。
また、ワークの把持力は、受圧面積に比例する。すなわち、本実施形態では、ワークの外周を把持する際に、第1シリンダ室25a側にエアを供給しているため、第2シリンダ室25b側にエアを供給するよりも、ロッド部32がない分、受圧面積を大きくすることができる。
したがって、ワークを把持する際のエア供給室をかえることで、従来よりも把持力を高くすることができる。
5.結言
従来の構成(図6参照)では、プランジャ40及びマスタージョウ11の係合部位の傾斜方向が、本実施形態と逆方向となっているため、ワークをクランプするためには、第2シリンダ室25bにエアを供給する必要がある。ここで、密封型グリッパには薄型化の要請があることから、図6の構成から隔壁21aを取り除いて密封型グリッパを薄型化する手段が考えられる。しかし、図6の構成から隔壁21aを取り除いた構成の場合、第2シリンダ室25bにエアを供給すると、ピストン30には、エアによって背面側に移動する力が働くが、その一方で、マスタージョウ11は、エアによって径方向の外方に押される。マスタージョウ11がエアによって押される方向は、ピストン30の移動に伴うマスタージョウ11の移動方向とは逆方向であるため、図6の構成の密封型グリッパが隔壁21aを備えていないと、第2シリンダ室25bにエアが供給されたときに、マスタージョウ11の動作性及びマスタージョウ11と連動するピストン30の動作性が損なわれ、所定の把握力がでない虞がある。
そこで、本実施形態によれば、プランジャ40及びマスタージョウ11の係合部位を正面側から背面側に行くにつれて次第に中心軸Jに近づくように傾斜して延びる形状としている。換言すると、実施形態におけるプランジャ40及びマスタージョウ11の係合部位の傾斜方向は、従来の構成(図6参照)と比較すると、逆方向である。
これにより、実施形態の密封型グリッパ1は、ワークをクランプする場合には、第2シリンダ室25bではなく、第1シリンダ室25aにエアを供給する構成が実現されている。その結果、ワークをクランプする場合には、マスタージョウ11はエアに押し出されないため、エアによって動作性に影響を受けない。
ワークのクランプを解除する場合には、第2シリンダ室25bにエアが供給され、マスタージョウ11が外方に移動して、ワークの把持が解除される。このとき、ピストン30は、エアに直に押されて背面側に移動しようとするが、マスタージョウ11も、エアによって直に外方に押される。ここで、マスタージョウ11がエアに押される方向は、ピストン30の移動に伴うマスタージョウ11の移動方向と同じである。このため、マスタージョウ11の動きがエアによって妨げられることが抑制され、その結果、マスタージョウ11に連動して動作するピストン30の動きも妨げられることが抑制される。
このように、実施形態に係る密封型グリッパ1は、プランジャ40及びマスタージョウ11の係合部位の傾斜方向が、従来の構成(図6参照)と比較すると、逆方向となっているので、ワークをクランプする場合及び当該クランプを解除する場合のいずれにおいても、マスタージョウ11の動作性及びピストン30の動作性が損なわれることが抑制される。
また、実施形態によれば、図6の隔壁21aを省くことができ、密封型グリッパ1の内部の密封された空間を第1シリンダ室25aと第2シリンダ室25bとの2つのみとすることができる。それによって、密封型グリッパ1の軸方向における長さを短く(薄型)にすることができる。また、密封型グリッパは、ロボットアームに搭載されるが、密封型グリッパが薄型であると、その分、ロボットアームの可動範囲を拡大することができる。ここで、実施形態にかかる密封型グリッパ1は、上述したように、隔壁21aが不要となる分、薄型化を実現することができる。このため、実施形態にかかる密封型グリッパ1は、例えば、従来の構成ではロボットアームと密封型グリッパとが干渉して把持することができなかった長尺状のワークを、把持し、搬送することができる。
従来の構成(図6参照)は、隔壁21aを備えているので、当該従来の構成では、プランジャ40とピストン30とを別部材としないと、プランジャ40及びピストン30をグリッパ本体20内に取り付けることができない。つまり、当該従来の構成では、作業者が、ピストン30をグリッパ本体20の背面側からグリッパ本体20内に挿入し、また、プランジャ40をグリッパ本体20の正面側からグリッパ本体20内に挿入する必要がある。更には、作業者は、プランジャ40とピストン30とをボルトで連結する必要もある。その他に、作業者がプランジャ40をグリッパ本体20の正面側からグリッパ本体20内に挿入するためには、グリッパ本体20の正面側には開放部が形成されている必要があり、また、この開放部をフロントカバー26で塞ぐ必要もある。
それに対し、実施形態では、上述したように、図6の隔壁21aを備えない構成を採用している。このため、プランジャ40とピストン30とが別部材ではなくても、グリッパ本体20内にプランジャ40及びピストン30を収容することができる。すなわち、作業者は、グリッパ本体20の背面側(リアカバー50)を開放し、一体部材であるプランジャ40及びピストン30をグリッパ本体20内に挿入するだけで、グリッパ本体20内にプランジャ40及びピストン30の両方を収容することができる。
実施形態は、プランジャ40及びピストン30が別部材ではないので、その分、部品点数を削減することができる。また、実施形態は、プランジャ40とピストン30とを連結するボルトが不要となるので、部品点数を削減することができる。更に、実施形態は、正面側のフロントカバー26やシール材S6が不要となり、部品点数を削減することができる。
更に、実施形態は、図6に示すフロントカバー26及び図6に示すグリッパ本体20が、別部材ではなく、一体成形された構成を採用している。このため、グリッパ本体20に上述した開放部を形成する作業や、フロントカバー26をグリッパ本体20に組み付ける作業が不要になり、密封型グリッパ1を製造する工数を削減することができる。また、フロントカバー26とグリッパ本体20との間に隙間が形成されないので、グリッパ本体20の密閉性を高めることができるとともに、グリッパ本体20内に異物が侵入してしまうことを抑制することができる。
また、密封空間を2つにしたことで、エア排出通路R3の加工が不要となり、加工工数も削減することができる。
また、一般的に、密封型グリッパは、ロボットアームの先端側に配置され、重いと力のモーメントが大きくなるため、ランニングコストが高くなる、移動速度が制限される、急停止が困難になるなどの影響も受ける。そのため、密封型グリッパは軽量化も要望されている。上述したように、実施形態に係る密封型グリッパ1は、隔壁21aが不要となる分、軽量化にもなるため、ロボット側の多様な移動速度にも柔軟に対応できる。
さらに、密封型グリッパは、軽いワークだけでなく重いワークを把持する場合もあるため、高い把持力も求められる場合がある。実施形態によれば、ワークの外周を把握する際のエアを供給する空間を第1シリンダ室25aとしたため、ピストン30の受圧面積を広く確保することができ、高い把持力を備える密封型グリッパ提供することができる。
なお、本実施形態ではシール材(S1~S3)は、Oリングを用いているが、これに限らず、グリッパ本体20内を密封にするシール材であれば、Xリングなどでも良く、またシリコーンゴムなどで接着することで密封しても構わない。
また、シール材S1をマスタージョウ11側に、または、シール材S3をリアボディ21側に設けても構わない。
また、マスタージョウ11は、円柱状の部材としているが、密封できればこの形状に限らない。
また、グリッパ本体20の形状は薄肉軽量化が実現できれば、この形状に限らない。
また、係合部と被係合部は、係合部が張出部であり、被係合部が係合溝であっても構わない。
:1,100:密封型グリッパ、:11:マスタージョウ、:11a:係合溝(係合部の一例)、:12:クランプジョウ、:20:グリッパ本体、:23:凹部(ガイド部の一例)、:25:シリンダ室、:25a:第1シリンダ室、:25b:第2シリンダ室、:30:ピストン、:40:プランジャ、:41:張出部(被係合部の一例)、:50:リアカバー、:J:中心軸、:S1~S4:シール材

Claims (7)

  1. 密封型グリッパにおいて、
    グリッパ本体と複数のマスタージョウとプランジャとピストンとを備え、
    前記グリッパ本体の内部には、
    前記ピストンを軸方向に摺動可能に収容するシリンダ室と、
    前記各マスタージョウを径方向に摺動可能に案内するガイド部と、が形成され、
    ここで、前記軸方向は、前記グリッパ本体の中心軸に沿って延びる方向であり、前記径方向は前記中心軸に直交する方向であり、
    前記各マスタージョウは、一端側にクランプジョウを取付け可能に構成され、他端側に係合部を備え、
    前記ピストンは、
    前記軸方向において前記シリンダ室を第1及び第2シリンダ室に区画し、
    且つ、その先端に前記プランジャが設けられ、
    前記プランジャは、前記係合部に係合する複数の被係合部を有し、
    前記各被係合部は、前記プランジャの中央に対して放射状に配置され、
    前記各係合部及び前記各被係合部は、正面側から背面側に行くにつれて次第に前記中心軸に近づくように夫々傾斜するように構成されており
    前記第2シリンダ室は、前記第1シリンダ室よりも正面側に配置され、
    前記第1シリンダ室にエアを供給することにより前記各マスタージョウが径方向内方に摺動し、
    前記第2シリンダ室にエアを供給することにより前記各マスタージョウが径方向外方に摺動し、前記第2シリンダ室に前記各マスタージョウの前記係合部が配置される、
    密封型グリッパ。
  2. 前記係合部が係合溝であり、前記被係合部が張出部である、
    請求項1に記載の密封型グリッパ。
  3. 前記ピストンと前記プランジャとが、一体加工品である、
    請求項1又は請求項2に記載の密封型グリッパ。
  4. 前記グリッパ本体が、一体加工品である、
    請求項1~請求項3の何れか1つに記載の密封型グリッパ。
  5. シール材を更に備え、
    前記グリッパ本体は、リアカバーを備え、
    前記リアカバーは、前記シリンダ室を閉塞するように、前記グリッパ本体の背面側に設けられ、
    前記シール材は、前記グリッパ本体と前記各マスタージョウとの摺動部と、前記グリッパ本体と前記ピストンとの摺動部と、前記グリッパ本体と前記リアカバーとの嵌合部と、にそれぞれ設けられている、
    請求項1~請求項4の何れか1つに記載の密封型グリッパ。
  6. 前記グリッパ本体の内部には、環状の突出部が形成され、
    前記突出部には、前記各マスタージョウが摺動するように設けられ、
    前記ピストンは、前記軸方向において、前記突出部に接触する位置まで摺動可能に構成されている、
    請求項5に記載の密封型グリッパ。
  7. 第2シリンダ室は、第1シリンダ室よりも正面側に配置され、
    前記突出部は、環状の周面を有し、
    前記周面には、第2シリンダ室にエアを給排するためのエア給排通路が開口している、
    請求項6に記載の密封型グリッパ。
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