JP7470296B2 - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱装置および画像形成装置に関する。
複写機、プリンタなどの画像形成装置に搭載される加熱装置として、用紙上のトナーを熱により定着させる定着装置や用紙上のインクを乾燥させる乾燥装置などが知られている。
例えば、下記特許文献1の定着装置に設けられたヒータは、板状のヒータ基板上に、複数の発熱ブロックを有する。複数の発熱ブロックは、ヒータ基板の長手方向に複数設けられており、その中央側と端部側にそれぞれ分割して複数設けられる。そして、中央側と端部側のヒータに跨る位置に、安全素子が配置されている。
安全素子によりヒータの異常発熱を検知し、ヒータに供給する電力を遮断することができる。
温度検知部材が発熱体の温度を適切に検知できないという課題があった。
上記課題を解決するため、本発明は、加熱部材と、温度検知部材とを備えた加熱装置であって、前記加熱部材は、基材と、前記基材の長手方向に複数設けられた発熱ブロックとを有し、前記発熱ブロックは、発熱体と、前記発熱体よりも抵抗が小さく、前記発熱体に連結された導体部とを有し、前記温度検知部材は、前記発熱体に対向し、前記導体部に対向せず、前記発熱ブロックとして第1の発熱ブロックと第2の発熱ブロックとを有し、前記第1の発熱ブロックは、前記長手方向に直交する方向である短手方向の前記第2の発熱ブロックが前記発熱体を有する位置に前記導体部を有し、前記第1の発熱ブロックにおける前記発熱体に対向して前記温度検知部材が設けられることを特徴とする。
本発明の加熱装置によれば、温度検知部材が発熱体の温度を適切に検知することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 定着装置の概略構成図である。 定着装置の斜視図である。 定着装置の分解斜視図である。 加熱ユニットの斜視図である。 加熱ユニットの分解斜視図である。 ヒータの平面図である。 ヒータの分解斜視図である。 ヒータにコネクタが接続された状態を示す斜視図である。 本実施形態に係るヒータの構成およびヒータへの電力供給を示す図である。 サーモスタットの抵抗発熱体に対する配置を示す図である。 導体部の配置が異なるヒータの変形例において、サーモスタットの抵抗発熱体に対する配置を示す図である。 導体部の配置が異なるヒータの変形例において、サーモスタットの抵抗発熱体に対する配置を示す図である。 導体部の配置が異なるヒータの変形例において、サーモスタットの抵抗発熱体に対する配置を示す図である。 導体部の配置が異なるヒータの変形例において、サーモスタットの抵抗発熱体に対する配置を示す図である。 導体部の配置が異なるヒータの変形例において、サーモスタットの抵抗発熱体に対する配置を示す図である。 発熱ブロック同士を長手方向に重複させた構成のヒータの変形例を示す図である。 上記のヒータと異なる構成のヒータの構成およびヒータへの電力供給を示す図である。 図18のヒータにおいて、サーモスタットの抵抗発熱体に対する配置を示す図である。 他の定着装置の構成を示す図である。 別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。以下、各実施形態の説明において、加熱装置として、トナーを熱により定着させる定着装置として説明する。
図1に示すモノクロの画像形成装置1には、感光体ドラム10が設けられている。感光体ドラム10は、表面上に現像剤としてのトナーを担持可能なドラム状の回転体であり、図の矢印方向に回転する。感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させる帯電ローラ11と、感光体ドラム10の表面にトナーを供給する現像ローラ7等を備えた現像装置12と、感光体ドラム10の表面をクリーニングするためのクリーニングブレード13等で構成されている。
プロセスユニット2の上方には、露光部3が配置されている。露光部3が画像データに基づいて発したレーザ光Lbが、ミラー14を介して感光体ドラム10の表面に照射される。
また、感光体ドラム10に対向する位置に配置され、転写チャージャを備えた転写手段15が配置されている。転写手段15は、感光体ドラム10表面上の画像を用紙Pに転写する。
画像形成装置1の下部には給紙部4が位置しており、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙カセット16や、給紙カセット16から用紙Pを搬送路5へ搬出する給紙ローラ17等からなっている。給紙ローラ17の搬送方向下流側にはレジストローラ18が配置されている。
定着装置9は、後述する加熱部材によって加熱される定着ベルト20、その定着ベルト20を加圧可能な加圧ローラ21等を有している。
以下、図1を参照して上記画像形成装置1の基本的動作について説明する。
印刷動作(画像形成動作)が開始されると、まず感光体ドラム10が帯電ローラ11によってその表面を帯電される。そして、画像データに基づいて露光部3からレーザービームLbが照射され、照射された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム10には、現像装置12から表面部分にトナーが供給され、トナー画像(現像剤像)として可視像化される。そして、転写後の感光体ドラム10に残されたトナー等は、クリーニングブレード13によって取り除かれる。
一方、印刷動作が開始されると、画像形成装置1の下部では、給紙部4の給紙ローラ17が回転駆動することによって、給紙カセット16に収容された用紙Pが搬送路5に送り出される。
搬送路5に送り出された用紙Pは、レジストローラ18によってタイミングを計られ、感光体ドラム10表面上のトナー画像と向かい合うタイミングで転写手段15と感光体ドラム10との対向部である転写部へ搬送され、転写手段15による転写バイアス印加によりトナー画像が転写される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、加熱されている定着ベルト20と加圧ローラ21とによって加熱および加圧されて、トナー画像が用紙Pに定着される。そして、トナー画像が定着された用紙Pは、定着ベルト20から分離され、定着装置9の下流側に設けられた搬送ローラ対によって搬送され、装置外側に設けられた排紙トレイへと排出される。
続いて、定着装置9のより詳細な構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、回転部材あるいは定着部材としての定着ベルト20と、定着ベルト20の外周面に接触してニップ部Nを形成する、対向部材あるいは加圧部材としての加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する加熱ユニット19と、を備えている。また、加熱ユニット19は、加熱部材としての面状のヒータ22と、ヒータ22を保持する保持部材としてのヒータホルダ23と、ヒータホルダ23を支持する支持部材としてのステー24とを有する。
定着ベルト20は、無端状のベルト部材で構成され、例えば外径が25mmで厚みが40~120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂による厚みが5~50μmの離型層が形成される。基体と離型層の間に厚さ50~500μmのゴム等からなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。
定着ベルト20は、後述する加圧機構によって加圧ローラ21の側へ加圧され、加圧ローラ21に圧接されている。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ21は、画像形成装置本体に設けられた駆動手段から駆動力が伝達されて回転駆動する駆動ローラとして機能する。一方、定着ベルト20は、加圧ローラ21の回転に伴って従動回転するように構成されている。定着ベルト20が回転すると、定着ベルト20はヒータ22に対して摺動するため、定着ベルト20の摺動性を高めるために、ヒータ22と定着ベルト20との間にオイルやグリースなどの潤滑剤を介在させてもよい。
ヒータ22は、定着ベルト20の回転軸方向あるいは長手方向(以下、「ベルト長手方向」ともいう。)に渡って長手状に設けられ、加圧ローラ21に対応する位置で定着ベルト20の内周面に接触している。ヒータ22は、被加熱部材としての定着ベルト20を加熱し、定着ベルト20を所定の定着温度まで加熱するための部材である。
本実施形態とは異なり、発熱部60を基材50の定着ベルト20側とは反対側(ヒータホルダ23側)に設けてもよい。その場合、発熱部60の熱が基材50を介して定着ベルト20に伝達されることになるため、基材50は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で構成されることが望ましい。また、本実施形態に係るヒータ22の構成において、さらに基材50の定着ベルト20とは反対側(ヒータホルダ23側)の面に、絶縁層を設けてもよい。
ヒータ22は、定着ベルト20に対して、非接触あるいは低摩擦シートなどを介して間接的に接触する場合であってもよいが、定着ベルト20への熱伝達効率を高めるには、本実施形態のように、ヒータ22を定着ベルト20に対して直に接触させる方が好ましい。また、ヒータ22を定着ベルト20の外周面に接触させることもできるが、定着ベルト20の外周面がヒータ22との接触により傷付くと定着品質が低下する虞があるため、ヒータ22が接触する面は定着ベルト20の内周面とすることが望ましい。
ヒータホルダ23およびステー24は、定着ベルト20の内側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置9の両側壁部に支持されている。ステー24によってヒータホルダ23のヒータ22側とは反対側の面が支持されていることで、ヒータ22およびヒータホルダ23は加圧ローラ21の加圧力に対して大きく撓むことなく保たれ、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制され効率的に定着ベルト20を加熱することができる。
印刷動作が開始されると、ヒータ22に電力が供給されることで、発熱部60が発熱し、定着ベルト20が加熱される。また、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に搬送される(図2の矢印A方向参照)ことで、未定着トナー画像が加熱および加圧されて用紙Pに定着される。
図3は、定着装置の斜視図、図4は、その分解斜視図である。
図3および図4に示すように、定着装置9の装置フレーム40は、一対の側壁部28と前壁部27とから成る第1装置フレーム25と、後壁部29から成る第2装置フレーム26と、を備えている。一対の側壁部28は、ベルト長手方向の一端部側と他端部側とに配置されており、両側壁部28によって、定着ベルト20、加圧ローラ21および加熱ユニット19の両端部側が支持される。各側壁部28には、複数の係合突起28aが設けられ、各係合突起28aが後壁部29に設けられた係合孔29aに係合することで、第1装置フレーム25と第2装置フレーム26とが組み付けられる。
また、各側壁部28は、加圧ローラ21の回転軸などを挿通させるための挿通溝28bが設けられている。挿通溝28bは、後壁部29側で開口し、これとは反対側では開口しない突き当て部となっている。この突き当て部側の端部には、加圧ローラ21の回転軸を支持する軸受30が設けられている。加圧ローラ21は、その回転軸の両端部がそれぞれ軸受30に装着されることで、両側壁部28によって回転可能に支持される。
また、加圧ローラ21の回転軸の一端部側には、駆動伝達部材としての駆動伝達ギヤ31が設けられている。駆動伝達ギヤ31は、加圧ローラ21が両側壁部28に支持された状態で、側壁部28よりも外側に露出した状態で配置される。これにより、定着装置9が画像形成装置本体に搭載された際、駆動伝達ギヤ31が画像形成装置本体に設けられているギヤと連結し、駆動源からの駆動力を伝達可能な状態となる。なお、加圧ローラ21に駆動力を伝達する駆動伝達部材としては、駆動伝達ギヤ31のほか、駆動伝達ベルトを張架するプーリやカップリング機構などであってもよい。
加熱ユニット19の長手方向の両端部には、定着ベルト20やヒータホルダ23、ステー24などを支持する一対のフランジ32が設けられている。各フランジ32には、ガイド溝32aが設けられている。このガイド溝32aを側壁部28の挿通溝28bの縁に沿って進入させることで、フランジ32が側壁部28に対して組み付けられる。
また、各フランジ32には、付勢部材としての一対のバネ33が当接している。各バネ33によってステー24やフランジ32が加圧ローラ21側に付勢されることで、定着ベルト20が加圧ローラ21に押し当てられ、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部が形成される。バネ33は、フランジ32に当接する側とは反対側の端部が、後述する加圧レバーによって加圧されている。
また、図4に示すように、第2装置フレーム26を構成する後壁部29の長手方向の一端部側には、画像形成装置本体に対する定着装置本体の位置決めを行う位置決め部としての孔部29bが設けられている。一方、画像形成装置本体には、位置決め部としての突起101が設けられている。この突起101が、定着装置9の孔部29bに対して挿入されることで、突起101と孔部29bが嵌合し、画像形成装置本体に対する定着装置本体のベルト長手方向の位置決めがなされる。なお、後壁部29の孔部29bが設けられた端部側とは反対の端部側には、位置決め部は設けられていない。これにより、温度変化に伴う定着装置本体のベルト長手方向の伸縮が拘束されないようにしている。
図5は、加熱ユニット19の斜視図、図6は、その分解斜視図である。
図5および図6に示すように、ヒータホルダ23の定着ベルト側の面(図5および図6における手前側の面)には、ヒータ22を収容するための矩形の収容凹部23aが設けられている。収容凹部23aは、ヒータ22とほぼ同等の形状およびサイズに形成されているが、収容凹部23aの長手方向寸法L2はヒータ22の長手方向寸法L1よりも若干長く設定されている。このように、収容凹部23aがヒータ22よりも若干長く形成されていることで、熱膨張によりヒータ22がその長手方向に伸びても、ヒータ22と収容凹部23aとが干渉しないように構成されている。また、ヒータ22は、この収容凹部23a内に収容された状態で、後述のコネクタによってヒータホルダ23と一緒に挟まれて保持される。
一対のフランジ32は、定着ベルト20の内側に挿入されて定着ベルト20を支持するC字状のベルト支持部32bと、定着ベルト20の端面に接触してベルト長手方向の移動(片寄り)を規制するフランジ状のベルト規制部32cと、ヒータホルダ23およびステー24の両端部側が挿入されてこれらを支持する支持凹部32dと、を有している。定着ベルト20は、その両端部側にベルト支持部32bが挿入されることで、ベルト非回転時においては基本的に周方向(ベルト回転方向)の張力は生じない、いわゆるフリーベルト方式で支持される。
図5および図6に示すように、ヒータホルダ23の長手方向一端部側には、位置決め部としての位置決め凹部23eが設けられている。この位置決め凹部23eに対して、図5および図6の左側に示されるフランジ32の嵌合部32eが嵌合することで、ヒータホルダ23とフランジ32とのベルト長手方向の位置決めがなされる。一方、図5および図6の右側に示されるフランジ32には、嵌合部32eは設けられておらず、ヒータホルダ23とのベルト長手方向の位置決めはされない。このように、フランジ32に対するヒータホルダ23の位置決めをベルト長手方向の片側のみとすることで、温度変化に伴ってヒータホルダ23がベルト長手方向へ伸縮したとしても、その伸縮が拘束されないようにしている。
また、図6に示すように、ステー24の長手方向の両端部側には、各フランジ32に対するステー24の移動を規制する段差部24aが設けられている。各段差部24aはフランジ32に突き当たることでフランジ32に対するステー24の長手方向の移動を規制する。ただし、これら段差部24aのうち少
なくとも一方は、フランジ32に対して隙間(ガタ)を介して配置される。このように、少なくとも一方の段差部24aがフランジ32に対して隙間を介して配置されることで、温度変化に伴ってステー24がベルト長手方向に伸縮したとしても、その伸縮が拘束されないようにしている。
図7は、ヒータ22の平面図、図8は、その分解斜視図である。ただし、図7および図8に示すヒータ22は、導体層52のみ、その構成が後述する本実施形態の構成とは異なったものを示している。
図8に示すように、ヒータ22は、基材50と、基材50上に設けられた第1絶縁層51と、第1絶縁層51上に設けられた発熱部60などを有する導体層52と、導体層52を被覆する第2絶縁層53と、を有している。本実施形態では、定着ベルト20側(ニップ部N側)に向かって、基材50、第1絶縁層51、導体層52(発熱部60)、第2絶縁層53の順で積層されており、発熱部60から発された熱は、第2絶縁層53を介して定着ベルト20へと伝達される(図2参照)。
基材50は、ステンレス(SUS)や鉄、アルミニウム等の金属材料で構成された長手状の板材である。以下、基材50の厚み方向(図7の紙面に直交する方向)に直交する方向で、図7の左右方向を基材50の長手方向(図の両矢印X方向参照)、図7の上下方向を基材50の短手方向(図の両矢印Y方向参照、用紙搬送方向でもある)と称する。
また、基材50の材料として、金属材料のほか、セラミック、ガラス等を用いることも可能である。基材50にセラミックなどの絶縁材料を用いた場合は、基材50と導体層52との間の第1絶縁層51を省略することが可能である。一方、金属材料は、急速加熱に対する耐久性に優れ、加工もしやすいため、低コスト化を図るのに好適である。金属材料の中でも、特にアルミニウムや銅は熱伝導性が高く、温度むらが発生しにくい点で好ましい。また、ステンレスはこれらに比べて安価に製造できる利点がある。
各絶縁層51,53は、耐熱性ガラスなどの絶縁性を有する材料で構成されている。また、これらの材料として、セラミックあるいはポリイミド(PI)等を用いてもよい。
導体層52は、発熱部60と、複数の電極部61と、複数の導電体としての給電線62と、で構成されている。発熱部60は、基材50の長手方向に設けられた複数の発熱ブロック59からなる。給電線62は、発熱部60と電極部61とを電気的に接続する。各発熱ブロック59は、基材50上に設けられた複数の給電線62を介して3つの電極部61のいずれか2つに対して電気的に並列接続されている。
発熱ブロック59は、図7にハッチング部で示す抵抗発熱体(発熱体)591により構成される。より詳細には、発熱ブロック59は、線状の抵抗発熱体591が、基材50の長手方向に複数回往復して蛇行形成される。抵抗発熱体591の両端はそれぞれ異なる給電線62に接続されている。
抵抗発熱体591は、給電線62よりも抵抗が大きい。抵抗発熱体591は、例えば、銀パラジウム(AgPd)やガラス粉末などを調合したペーストをスクリーン印刷等により基材50に塗工し、その後、当該基材50を焼成することによって形成される。抵抗発熱体591の材料として、これら以外に、銀合金(AgPt)や酸化ルテニウム(RuO)の抵抗材料を用いてもよい。
給電線62は、抵抗発熱体591よりも抵抗の小さい導体で構成されている。給電線62や電極部61の材料としては、銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)などを用いることができ、このような材料をスクリーン印刷するなどによって給電線62や電極部61が形成されている。
図9は、ヒータ22にコネクタ70が接続された状態を示す斜視図である。
図9に示すように、コネクタ70は、樹脂製のハウジング71と、ハウジング71に設けられた複数のコンタクト端子72と、を有している。各コンタクト端子72は、板バネで構成され、給電用のハーネス73が接続されている。
図9に示すように、コネクタ70は、ヒータ22とヒータホルダ23とを表側と裏側から一緒に挟むようにして取り付けられる。この状態で、各コンタクト端子72の先端に設けられた接触部72aが、それぞれ対応する電極部61に弾性的に接触(圧接)することで、コネクタ70を介して発熱部60と画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続される。これにより、電源から発熱部60へ電力が供給可能な状態となる。また、図9に示す電極部61とは反対側にある電極部61に対しても同様にコネクタ70が接続される。なお、各電極部61は、コネクタ70との接続を確保するため、少なくとも一部が第2絶縁層53に被覆されておらず、露出した状態になっている(図7参照)。
以上のヒータ22において、図7に示すように、各発熱ブロック59の長手方向の幅cは同じに設定され、各抵抗発熱体591の線部の長さおよびその折り返し回数は同じに設定されている。これにより、各抵抗発熱体591の抵抗値および発熱面積が同じになり、その発熱密度も同じになる。また各抵抗発熱体591は、一度のスクリーン印刷によって基材50上に同時に形成できるという利点から、同一の材料(抵抗ペースト)が用いられている。これにより、ヒータ22の製造コストを低減することができる。
以上のように各発熱ブロック59を構成する抵抗発熱体591が同一の材料によって形成され、各抵抗発熱体591の発熱面積(各抵抗発熱体591の線部の長さ)が同じに設定されることで、各発熱ブロック59の発熱密度を均一化し、ヒータ22の長手方向における発熱量のムラをなくすことができる。ただし、以上の説明では、各発熱ブロック59に接続された給電線の長さの違い等による給電線の全抵抗値の違いは考慮しないものとしている。
しかし一方で、このように各発熱ブロック59の長手方向の幅を同じにした場合、1つの発熱ブロック59の幅を決めてしまうと、発熱部60全体の幅や各発熱ブロック59の分割位置が自動的に決定されてしまう。つまり、発熱部60全体の幅やその分割位置を任意に設定することができず、各用紙サイズに合わせた発熱領域を設定することができなくなってしまう。具体的に、図7に示すヒータ22では、長手方向両端の発熱ブロック59と中央側の4つの発熱ブロック59とがそれぞれ別個の抵抗発熱体群をなしている。それぞれの抵抗発熱体群は独立して制御されるようになっており、ヒータ22の長手方向において、中央側の抵抗発熱体群にのみ通電した場合と両方の抵抗発熱体群に通電した場合とで、ヒータ22が異なる発熱領域を形成することができる。しかし、上記の事情から、これらの発熱領域をそれぞれの用紙サイズに合わせた幅にすることが困難であった。
このように、各発熱ブロック59の発熱密度を均一にすることと、用紙サイズに合わせた各発熱領域の幅を設定することとを両立するのが難しいという課題があった。このため、例えば各発熱ブロック59の発熱密度を均一にしようとしたために、用紙サイズに対して余剰な発熱領域が生じてしまい、無駄な発熱が生じて定着装置9のエネルギー消費が増加してしまうといった不具合があった。
このような課題を解決するための本実施形態のヒータ22の構成を以下に説明する。本実施形態では主に、基材50上の発熱ブロック59の構成などが図7に示すヒータ22とは異なっており、このような異なる点を中心に説明する。
図10に示すように、本実施形態では、基材50の長手方向に複数の発熱ブロックが設けられる。具体的には、両端以外の発熱ブロック59Aが4つと、両端にそれぞれ発熱ブロック59Bが設けられる。なお、図10に点線部で各発熱ブロックを示している。これらの発熱ブロックは、図の便宜上、その一部が給電線を含むように記載されているが、実際には給電線を含まない。
各発熱ブロック59Aで第1の発熱部(第1の抵抗発熱体群)60Aを構成し、両端の各発熱ブロック59Bが第2の発熱部(第2の抵抗発熱体群)60Bを構成する。これらの抵抗発熱体群は、それぞれ独立して発熱制御可能に構成されている。つまり、各発熱ブロック59Aは、それぞれ基材50の長手方向の一端部側に設けられた第1の電極部61Aに対して第1の給電線62Aを介して接続されている。また、各発熱ブロック59Aは、第1の電極部61A側とは反対の端部側に設けられた第2の電極部61Bに対して第2の給電線62Bを介して接続されている。一方、各発熱ブロック59Bは、基材50の長手方向の一端部側に設けられた(第1の電極部61Aとは別の)第3の電極部61Cに対して第3の給電線62C又は第4の給電線62Dを介して接続されている。また、各発熱ブロック59Bは、第1の発熱部60Aの各発熱ブロック59Aと同様に、第2の給電線62Bを介して第2の電極部61Bに接続されている。
また、それぞれの電極部61A~61Cは、前述のコネクタ70を介して電源64に接続され、電源64から電力を供給される。第1の電極部61Aと電源64との間に、切替え部としてのスイッチ65Aが設けられる。スイッチ65AのONOFFにより、第1の電極部61Aへの電圧の印加の有無を切り替えることができる。同様に、第3の電極部61Cと電源64との間に、切替え部としてのスイッチ65Cが設けられている。スイッチ65CのONOFFにより、第3の電極部61Cへの電圧の印加の有無を切り替えることができる。さらに、これらのスイッチ65A,65CのONOFFやヒータ22への電力供給のタイミングは制御回路66によって制御されている。また制御回路66は、画像形成装置内の各種センサーの検知結果に基づいて、これらの制御を行う。例えば、ニップ部Nの入口や出口に設けられたセンサーの検知結果に基づいて用紙の通紙タイミングを判断し、ヒータ22への電力の供給の有無やスイッチ65A,65Cの切り替えを行うことができる。
第1の電極部61Aおよび第2の電極部61Bに電圧を印加した場合は、両端以外の各発熱ブロック59Aが通電することで、第1の発熱部60Aのみが発熱する。一方、第2の電極部61Bおよび第3の電極部61Cに電圧を印加した場合は、両端の各発熱ブロック59Bが通電することで、第2の発熱部60Bのみが発熱する。また、全ての電極部61A~61Cに電圧を印加すれば、第1の発熱部60Aおよび第2の発熱部60Bの両方の(全ての)発熱ブロック59A、59Bを発熱させることができる。
発熱ブロック59Bは線状の抵抗発熱体591が基材50の長手方向に複数回往復して蛇行形成される。また、発熱ブロック59Aは、抵抗発熱体591と、導体部592とにより形成される。具体的には、線状の抵抗発熱体591と線状の導体部592とが連結され、これらの線部が、発熱ブロック59Bと同様、基材50の長手方向に複数回往復して蛇行形成される。言い換えると、発熱ブロック59Aは、発熱ブロック59Bと比較すると、抵抗発熱体591の一部が、主となる発熱部分である抵抗発熱体591よりも抵抗の小さい導体部592に置き換えられている。発熱ブロック59A、59Bを構成する抵抗発熱体591は同一の材料によって形成される。
上記のように、導体部592は抵抗発熱体591よりも抵抗の小さい導体によって形成される。具体的には、導体部592の材料として銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)などを用いることができる。このような材料を、抵抗発熱体591等と同じく、基材50上にスクリーン印刷することで導体部592を形成することができる。
本実施形態では、各発熱ブロック59A,59Bの長手方向の幅を不均一にしている。具体的には、第1の発熱部60Aを構成する各発熱ブロック59Aの幅aを54mmに設定し、第2の発熱部60Bを構成する各発熱ブロック59Bの幅bを31.5mmに設定している。このように、各発熱ブロック59A,59Bの幅を不均一にすることで、各発熱領域を各サイズの用紙幅に合わせることができる。具体的には、第1の発熱部60Aのみに通電した場合の発熱領域の幅216mm(54×4)をLTサイズの用紙(用紙幅216mm)に合わせると共に、両方の発熱部に通電した場合の発熱領域の幅279mm(216+31.5×2)をDLTサイズの用紙(用紙幅279mm)に合わせることができる。これにより、必要な幅の発熱領域を設定し、ヒータ22による無駄な発熱を減らして省エネルギー化を図ることができる。上記の幅は一例であり、例えばA4横サイズ(210mm)、A3横サイズ(297mm)に合わせる場合には、幅aを52.5mm、幅bを43.5mmとすることができる。
しかし、上記のように各発熱ブロック59A,59Bの幅を不均一にすると、各発熱ブロック59A,59Bにおける抵抗発熱体591の折り返し長さが異なるため、その線部の長さも異なり、発熱ブロック59Aと発熱ブロック59Bとで、抵抗発熱体591の抵抗値が異なってしまう。具体的には、発熱ブロック59Aは発熱ブロック59Bよりもその幅が長いため、抵抗発熱体591の線部が長くなりその抵抗も大きくなる。本実施形態では、各発熱ブロックが並列接続されているため、発熱ブロック59Bよりも抵抗の大きい発熱ブロック59Aは、相対的に流れる電流の大きさが小さくなる。従って、発熱ブロック59Aは発熱ブロック59Bと比較すると、その単位長さ当たりの発熱量が小さくなり、発熱面積が大きくなる。つまり、発熱ブロック59Aはその発熱密度が小さくなってしまう。
そこで本実施形態では、上記のように各発熱ブロック59A,59Bの幅を不均一にすると共に、各発熱ブロック59Aの一部を導体部592によって形成することで、その発熱密度を調整している。つまり、発熱ブロック59Aの抵抗発熱体591の一部を、抵抗発熱体591よりも抵抗の小さい導体部592に置き換えることで、発熱ブロック59Aに流れる電流の大きさを大きくする。これにより、発熱ブロック59Aの発熱密度を大きくしている。これにより、発熱ブロック59Aと発熱ブロック59Bとの間で発熱密度の差をなくし、ヒータ22の発熱量をその長手方向に均一化している。
このように、本実施形態では、各発熱ブロック59A,59Bの幅を不均一にすると共に、各発熱ブロック59A,59Bの発熱密度を均一化することができる。従って、各発熱領域の幅を各用紙サイズに合わせた幅に設定して無駄な発熱部分をなくすことと、ヒータ22の発熱量を長手方向に均一化することを両立できる。
ところで、定着装置9には、定着装置9内の異常な温度上昇を検知して、ヒータ22への通電を遮断する安全装置として、サーモスタットが設けられる。本実施形態では、サーモスタットがヒータ22に対向して配置され、ヒータ22の発熱部分の温度を検知することでヒータ22を安全温度に保つことができる。例えば、画像形成装置内のCPUの異常運転によりヒータ22が異常な温度上昇をした場合には、サーモスタットがこの異常な温度上昇を検知して(ヒータ22が所定の温度以上になったことを検知して)、ヒータ22への通電を遮断する。
具体的には、図11(a)および図11(b)に示すように、ヒータ22の長手方向中央側および端部側にそれぞれ、温度検知部材としてのサーモスタット68が設けられる。それぞれのサーモスタット68は、発熱ブロック59Aおよび発熱ブロック59Bにそれぞれ対向して配置され、それぞれの発熱ブロック59A,59Bの長手方向(図の左右方向)中央に配置される。
また、発熱ブロック59Aに対向して設けられるサーモスタット68は、抵抗発熱体591に対向し、導体部592に対向しない位置である用紙搬送方向(図の上下方向)の上流側に配置される。言い換えると、サーモスタット68は、導体部592を避けて、抵抗発熱体591に対向して配置される。また、発熱ブロック59Bに対向して配置されるサーモスタット68も、同じく発熱ブロック59Bの用紙搬送方向上流側に対向して配置される。
これらのサーモスタット68により、ヒータ22の長手方向中央側および端部側での異常な温度上昇を検知することができる。なお、本実施形態では、ヒータ22の発熱ブロック59等が設けられる側の面(正面)に対向してサーモスタット68が配置される。
導体部592は、抵抗発熱体591よりも発熱量が少なく、この部分で発熱ブロック59Aの発熱密度が局所的に小さくなる。このため、導体部592に対向してサーモスタット68を配置すると、ヒータ22の異常な昇温を検知できなかったり、検知が遅れてしまう虞がある。しかし本実施形態では、導体部592を避け、抵抗発熱体591に対向させてサーモスタット68を配置することで、サーモスタット68がヒータ22の異常な温度上昇を適切に検知することができる。従って、サーモスタット68が安全装置として適切に機能し、定着装置9が、安全温度でヒータ22への通電を遮断できる。なお、本実施形態において、「サーモスタット68が導体部592を避けて配置される」、あるいは、「サーモスタット68が導体部592に対向しない」、というのは、基材50に平行な平面上(例えば図10の紙面上)において、サーモスタット68の温度検知素子と導体部592とが重なって配置されないことを指す。
また、発熱ブロック59Aに導体部592が配置されることで、発熱ブロック59Bの側の短手方向(用紙搬送方向で、図11の上下方向)の温度分布にも影響がある。つまり、図11の上下方向において、導体部592が配置される側である用紙搬送方向の下流側は、発熱ブロック59Aの発熱量が小さくなる。これにより、用紙搬送方向おいて、基材50を介して発熱ブロック59Bに伝達される熱量は、その下流側が上流側よりも小さくなる。このため、発熱ブロック59Bを、用紙搬送方向の上流側、言い換えると、中央側の発熱ブロック59Aと搬送方向の同じ位置に配置することで、端部側の発熱ブロック59Bに対向して配置されるサーモスタット68がヒータ22の異常な温度上昇をより適切に検知することができる。
次に導体部592の配置の変形例およびその際のサーモスタット68の配置について説明する。
図12(a)および図12(b)に示すように、導体部592が発熱ブロック59Aの用紙搬送方向上流側に設けられる場合には、サーモスタット68は、導体部592を避けて、発熱ブロック59Aの用紙搬送方向下流側の抵抗発熱体591に対向して配置される。これにより、サーモスタット68がヒータ22の異常な温度上昇を適切に検知することができる。つまり、サーモスタット68が安全装置として適切に機能し、定着装置9が、安全温度でヒータ22への通電を遮断できる。また、発熱ブロック59Bに対向して配置されるサーモスタット68も、同じく発熱ブロック59Bの用紙搬送方向下流側に対向して配置される。
また、導体部592を複数箇所に分けて配置してもよい。例えば図13(a)に示すように、発熱ブロック59Aの用紙搬送方向下流側の複数箇所(実施形態では3箇所)に導体部592が配置される。また図14(a)に示すように、発熱ブロック59Aの用紙搬送方向上流側と下流側とに分けて、導体部592を配置することもできる。さらに、図15(a)および図16(a)に示すように、発熱ブロック59Aの用紙搬送方上流側から下流側にわたって、抵抗発熱体591の全ての列に導体部592を連結させることもできる。
これらの各ヒータ22において、導体部592を避けてサーモスタット68を配置する。言い換えると、発熱ブロック59Aにおいて、サーモスタット68が対向配置された位置を避けて、抵抗発熱体591の一部を導体部592に置き換える。これにより、サーモスタット68がヒータ22の異常な温度上昇を適切に検知することができる。つまり、サーモスタット68が安全装置として適切に機能し、定着装置9が、安全温度でヒータ22への通電を遮断できる。また、図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)に示すように、発熱ブロック59Bに対向配置されるサーモスタット68は、発熱ブロック59Aに対向配置されるサーモスタット68と用紙搬送方向の同じ位置に配置される。
以上の実施形態では、ヒータ22の発熱ブロック59A等が配置される側の面にサーモスタット68を配置するものとしたが、これとは反対側の面(背面)に対向してサーモスタット68が配置されもよい。この場合でも、基材50の面と平行な面上において、発熱ブロック59Aに対向するサーモスタット68を、導体部592を避けて抵抗発熱体591に対向して配置することで、サーモスタット68がヒータ22の異常な温度上昇を適切に検知することができる。
また、本発明を適用するヒータ22として、図17に示すように、各発熱ブロック59A,59Bの長手方向の配置が一部重複する構成を採用してもよい。図17では抵抗発熱体591の折り返し部分が、ヒータ22の短手方向に対して傾斜している。これにより、基材50の長手方向において、この傾斜部分が、隣接する発熱ブロックに重複している。このように、隣接する発熱ブロックの重複部分を設けることで、発熱ブロックの隣接部分における発熱量の落ち込みを低減することができ、ヒータ22の発熱量をその長手方向により均一化することができる。
このヒータ22においても、前述した実施形態と同様、発熱ブロック59Aの幅cを発熱ブロック59Bの幅dよりも大きくしている。また、発熱ブロック59Aの一部に導体部592を設けている。これらにより、発熱ブロック59Aと発熱ブロック59Bの発熱密度を均一にすると共に、第1の発熱部60Aに通電した場合の発熱領域と、第1の発熱部60Aおよび第2の発熱部60Bに通電した場合の発熱領域を、それぞれの用紙サイズに合わせることができる。
また、発熱ブロック59Aおよび発熱ブロック59Bのそれぞれに対向してサーモスタット68(図11参照)が配置される。発熱ブロック59Aに対向して配置されるサーモスタット68は、図11(a)のように、導体部592を避けて、抵抗発熱体591に対向して配置される。これにより、サーモスタット68がヒータ22の異常な温度上昇を適切に検知することができる。
以上の実施形態のヒータ22では、中央側の第1の発熱部60Aと両端の第2の発熱部60Bとが独立して制御される場合を示したが、これに限るものではない。例えば図18に示すように、本実施形態のヒータ22では、発熱ブロック59A,59Bが長手方向に6つ並んで配置されている。長手方向両端の発熱ブロックを発熱ブロック59B、それ以外の発熱ブロックを発熱ブロック59Aと称する。各発熱ブロック59A,59Bは、それぞれ基材50の長手方向の一端部側に設けられた第1の電極部61Aに対して第1の給電線62Aを介して接続されている。また、各発熱ブロック59は、第1の電極部61A側と同じ側に設けられた第2の電極部61Bに対して第2の給電線62Bを介して接続されている。
また、それぞれの電極部61A、61Bは、前述のコネクタ70(図9参照)を介して電源64に接続され、電源64から電力を供給される。また、制御回路66により、ヒータ22への通電のタイミングが判断される。
本実施形態においても、各発熱ブロック59A,59Bの幅が不均一である。具体的には、長手方向の両端以外の発熱ブロック59Aの幅aを54mmに設定し、両端の発熱ブロック59Bの幅bを31.5mmに設定する。また発熱ブロック59Aでは、抵抗発熱体591の一部を、抵抗発熱体591よりも抵抗の小さい導体部592に置き換える。これにより、各発熱ブロック59A,59Bの発熱密度を均一化している。なお、各抵抗発熱体591は同一の材料によって形成される。
また、図19に示すように、発熱ブロック59Aに対向してサーモスタット68が配置される。サーモスタット68は、発熱ブロック59Aの長手方向一端側で、導体部592を避ける位置に配置される。これにより、サーモスタット68がヒータ22の異常な温度上昇を適切に検知することができる。なお、図18では一例として、発熱ブロック59Aの用紙搬送方向の上流側に導体部592を配置する場合を示したが、前述の実施形態のように、適宜必要な箇所に、また必要な個数に分割して、導体部592を配置することができる。この際、サーモスタット68は導体部592を避けて抵抗発熱体591に対向して配置されることで、ヒータ22の異常な昇温を適切に検知することができる。
また、本発明は、前述の定着装置のほか、図20~図22に示すような定着装置にも適用可能である。以下、図20~図22に示す各定着装置の構成について簡単に説明する。
まず、図20に示す定着装置9は、定着ベルト20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ90が配置されており、この押圧ローラ90とヒータ22とによって定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材91が配置されている。ニップ形成部材91は、ステー24によって支持されており、ニップ形成部材91と加圧ローラ21とによって定着ベルト20を挟んでニップ部Nを形成している。
図21に示す定着装置9においても、前述の実施形態で説明したように、ヒータ22の各抵抗発熱体の幅が不均一に設けられ、幅の大きい抵抗発熱体の一部に導体部が設けられる。これらにより、ヒータ22の長手方向の発熱量を均一化すると共に、各抵抗発熱体や抵抗発熱体によって形成される発熱領域の幅を所望の幅で設定することができる。またサーモスタットを、導体部を避けて抵抗発熱体に対向して配置する。これにより、サーモスタットが適切にヒータ22の異常な昇温を検知することができる。
次に、図21に示す定着装置9では、前述の押圧ローラ90が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図20に示す定着装置9と同じ構成である。
最後に、図22に示す定着装置9では、定着ベルト20のほかに加圧ベルト92が設けられ、加熱ニップ(第1ニップ部)N1と定着ニップ(第2ニップ部)N2とを分けて構成している。すなわち、加圧ローラ21に対して定着ベルト20側とは反対側に、ニップ形成部材91とステー93とを配置し、これらニップ形成部材91とステー93を内包するように加圧ベルト92を回転可能に配置している。そして、加圧ベルト92と加圧ローラ21との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱および加圧して画像を定着する。その他は、図2に示す定着装置9と同じ構成である。なお、図21に示す定着装置9において、「回転部材」は定着ベルト20が相当し、「対向部材」は加圧ローラ21が該当する。
図22に示す定着装置9においても、前述の実施形態で説明したように、ヒータ22の各発熱ブロックの幅が不均一に設けられ、幅の大きい発熱ブロックの一部に導体部が設けられる。これらにより、ヒータ22の各発熱ブロックの発熱密度を均一化すると共に、各発熱ブロックによって形成される発熱領域の幅を所望の幅で設定することができる。またサーモスタットを、導体部を避けて抵抗発熱体に対向して配置する。これにより、サーモスタットが適切にヒータ22の異常な昇温を検知することができる。
また、本発明は、上記の実施形態で説明したような定着装置に限らず、用紙に塗布されたインクを乾燥させる乾燥装置、さらには、被覆部材としてのフィルムを用紙等のシートの表面に熱圧着するラミネータや、包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの熱圧着装置のような加熱装置にも適用可能である。このような装置にも本発明を適用することで、温度検知部材が加熱部材の温度を適切に検知することができる。
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
以上の実施形態では、温度検知部材として異常な温度上昇を検知して加熱部材を安全な温度に保つためのサーモスタットを例示したが、これに限らない。例えば、ヒータ22や定着ベルトの温度を管理するための温度検知部材としてのサーミスタであってもよい。
1 画像形成装置
9 定着装置(加熱装置)
19 加熱ユニット
20 定着ベルト(被加熱部材あるいは回転部材あるいは定着部材)
21 加圧ローラ(対向部材あるいは加圧部材)
22 ヒータ(加熱部材)
59、59A、59B 発熱ブロック
591 抵抗発熱体(発熱体)
592 導体部
60 発熱部
60A 第1の発熱部
60B 第2の発熱部
61 電極部
61A 第1の電極部
61B 第2の電極部
61C 第3の電極部
62 給電線(導電体)
62A 第1の給電線
62B 第2の給電線
62C 第3の給電線
62D 第4の給電線
65A スイッチ(切替え部)
65C スイッチ(切替え部)
68 サーモスタット(温度検知部材)
70 コネクタ(給電部材)
A 通紙方向
N ニップ部
X 基材の長手方向
Y 基材の短手方向
特許第6336026号公報

Claims (7)

  1. 加熱部材と、
    温度検知部材とを備えた加熱装置であって、
    前記加熱部材は、基材と、前記基材の長手方向に複数設けられた発熱ブロックとを有し、
    前記発熱ブロックは、発熱体と、前記発熱体よりも抵抗が小さく、前記発熱体に連結された導体部とを有し、
    前記温度検知部材は、前記発熱体に対向し、前記導体部に対向せず、
    前記発熱ブロックとして第1の発熱ブロックと第2の発熱ブロックとを有し、
    前記第1の発熱ブロックは、前記長手方向に直交する方向である短手方向の前記第2の発熱ブロックが前記発熱体を有する位置に前記導体部を有し、
    前記第1の発熱ブロックにおける前記発熱体に対向して前記温度検知部材が設けられることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記加熱部材は、
    前記第1発熱ブロックを有する第1の発熱部と、
    前記第1の発熱部よりも前記基材の長手方向両端部側にそれぞれ位置する2つの前記第2発熱ブロックを有する第2の発熱部と、
    複数の導電体と、
    前記導電体を介して前記第1の発熱部に接続される第1の電極部と、
    前記導電体を介して前記第1の発熱部および前記第2の発熱部に接続される第2の電極部と、
    前記導電体を介して前記第2の発熱部に接続される第3の電極部と、
    前記第3の電極部への通電の有無を切り替える切替え部とを有する請求項1記載の加熱装置。
  3. 前記温度検知部材を複数備え、
    複数の前記温度検知部材は、前記第1の発熱部と前記第2の発熱部とにそれぞれ対向して設けられ、かつ、前記基材の短手方向の同じ位置に設けられる請求項2記載の加熱装置。
  4. 複数の前記発熱ブロックは前記基材の長手方向における幅が異なる請求項1から3いずれか1項に記載の加熱装置。
  5. 前記温度検知部材の温度検知結果に基づいて、前記加熱部材への通電を遮断する請求項1から4いずれか1項に記載の加熱装置。
  6. 無端状の定着部材と、
    前記定着部材に対向し、前記定着部材との間にニップ部を形成する対向部材とをさらに備え、
    記録媒体上に画像を定着させる定着装置である請求項1から5いずれか1項に記載の加熱装置。
  7. 請求項1から6いずれか1項に記載の加熱装置を備えた画像形成装置。
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