JP7470229B1 - ドープ用添加剤及び繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】添加剤等を提供する。【解決手段】添加剤を、40℃において、20質量%でジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させた時の粘度をV1、溶解させた後、さらに24時間経過後の粘度をV2とする時、V2/V1の値が1以上であるポリウレタン(A)で構成する。【選択図】なし

Description

本発明はドープ用の添加剤、ドープ、繊維(ポリウレタン繊維等)等に関する。
ポリウレタンの成形(成型)においては溶液成形が多用される。例えば、溶液紡糸や溶液キャストフィルムなどである(特許文献1等)。
国際公開第2015/056763号
本発明の目的は、新規な添加剤(ドープ用の添加剤)、ドープ、ポリウレタン繊維(ポリウレタン弾性繊維)等を提供することにある。
前述のように、ポリウレタンの成形(成型)には溶液成形が多用されている。
このような中、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、溶液(ドープ)に配合する成分(添加剤)として特定の成分を選択することで、ポリウレタン[例えば、ポリウレタン繊維(弾性繊維)]の効率よい成形や良好な物性のポリウレタン[例えば、ポリウレタン繊維(弾性繊維)]の製造を実現しうること等を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の発明等に関する。
[1]
ドープ用の添加剤であって、40℃において、20質量%で(20質量%の濃度で)ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解(又は分散)させた時の粘度をV1、溶解(又は分散)させた後、さらに24時間経過後の粘度をV2とする時、V2/V1の値が1以上であるポリウレタン(A)で構成された添加剤。
[2]
ポリウレタン(A)のV2/V1の値が1.01以上である、[1]記載の添加剤。
[3]
ポリウレタン(A)のV2/V1の値が5以下(例えば、4.3以下、4.1以下)である、[1]又は[2]記載の添加剤。
[4]
ポリウレタン(A)のV2/V1の値が1.02~3.5である、[1]~[3]のいずれかに記載の添加剤。
[5]
ポリウレタン(A)のV2が1000ポアズ以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の添加剤。
[6]
ポリウレタン(A)が、下記(i)又は(ii)を充足する、[1]~[5]のいずれかに記載の添加剤。
(i)V2が1000~5000ポアズであり、V2/V1の値が1.05以上
(ii)V2が5000ポアズ超であり、V2/V1の値が3.5以下
[7]
ポリウレタン(A)の数平均分子量が10000以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の添加剤。
[8]
ポリウレタン(A)が、GPCにおいて、数平均分子量100万以上の領域にピークを有する、[1]~[7]のいずれかに記載の添加剤。
[9]
ポリウレタン(A)が金属石鹸を含む(例えば、0.003~3質量%の割合で金属石鹸を含む)、[1]~[8]のいずれかに記載の添加剤。
[10]
ポリウレタン(A)が、界面活性剤、酸化防止剤、三級アミン化合物、及び架橋構造調節剤から選択された少なくとも1種を含む(例えば、界面活性剤を0.003~3質量%の割合で含む、及び/又は酸化防止剤を0.002~5質量%の割合で含む)、[1]~[9]のいずれかに記載の添加剤。
[11]
ポリウレタン(A)が繊維状である、[1]~[10]のいずれかに記載の添加剤。
[12]
ポリウレタン(A)が、製造後1ヶ月以上保管した成形品[例えば、繊維(糸)]、成形屑及びポストコンシューマー品[例えば、繊維(糸)]から選択された少なくとも1種である(に由来する)、[1]~[11]のいずれかに記載の添加剤。
[13]
粘度調整剤(粘度制御剤、粘度上昇剤、増粘剤)である、[1]~[12]のいずれかに記載の添加剤。
[14]
ドープがポリウレタンドープである、[1]~[13]のいずれかに記載の添加剤。
[15]
[1]~[14]のいずれかに記載のポリウレタン(A)を含むドープ。
[16]
ポリウレタン(A)の割合が1質量%以上である、[15]記載のドープ。
[17]
さらに、樹脂(B)を含む、[15]又は[16]記載のドープ。
[18]
さらに、樹脂(B)を含み、樹脂(B)がポリウレタン(B)を含む、[15]~[17]のいずれかに記載のドープ。
[19]
さらに、樹脂(B)を含み、
ポリウレタン(A)及び樹脂(B)の総量に対する、ポリウレタン(A)の割合が3質量%以上である、[15]~[18]のいずれかに記載のドープ。
[20]
さらに、樹脂(B)を含み、
樹脂(B)がポリウレタン(B)を含み、
ポリウレタン(A)及びポリウレタン(B)の総量に対する、ポリウレタン(A)の割合が5質量%以上(例えば、10~90質量%)である、[15]~[19]のいずれかに記載のドープ。
[21]
ドープを構成する樹脂の数平均分子量が10000以上である、[15]~[20]のいずれかに記載のドープ。
[22]
ドープを構成する樹脂が、GPCにおいて、数平均分子量100万以上の領域にピークを有する、[15]~[21]のいずれかに記載のドープ。
[23]
溶媒(例えば、アミド系溶媒及び硫黄系溶媒から選択された少なくとも1種を含む溶媒)を含む、[15]~[22]のいずれかに記載のドープ。
[24]
溶媒を含み、固形分濃度が5~80質量%である、[15]~[23]のいずれかに記載のドープ。
[25]
40℃において、調製時の粘度をV1、調製後、さらに24時間経過後の粘度をV2とする時、V2/V1の値が0.8以上である、[15]~[24]のいずれかに記載のドープ。
[26]
40℃において、調製時の粘度をV1、調製後、さらに24時間経過後の粘度をV2とする時、V2/V1の値が1以上(例えば、1~5)である、[15]~[25]のいずれかに記載のドープ。
[27]
40℃において、調製時の粘度をV1、調製後、さらに24時間経過後の粘度をV2とする時、V2/V1の値が1.01~3.5であり、粘度が1000~10000ポアズである、[15]~[26]のいずれかに記載のドープ。
[28]
[15]~[27]のいずれかに記載のドープを用いて、成形品を製造する方法{例えば、[15]~[27]のいずれかに記載のドープを紡糸し、繊維[糸、例えば、ポリウレタン繊維(糸)]を製造する方法}。
[29]
[15]~[27]のいずれかに記載のドープを用いて得られる成形品。
[30]
[1]~[14]のいずれかに記載のポリウレタン(A)を含む成形品。
[31]
繊維[糸、例えば、ポリウレタン繊維(糸)]である、[29]又は[30]記載の成形品。
[32]
構成する樹脂(成形品を構成する樹脂)が、GPCにおいて、数平均分子量100万以上の領域にピークを有する、[29]~[31]のいずれかに記載の成形品。
[33]
金属石鹸、界面活性剤、酸化防止剤、三級アミン化合物、及び架橋構造調節剤から選択された少なくとも1種を含む、[29]~[32]のいずれかに記載の成形品。
[34]
構成する樹脂が、GPCにおいて、数平均分子量100万以上の領域にピークを有し、0.003~3質量%の割合で金属石鹸を含む、繊維[糸、例えば、ポリウレタン繊維(糸)]である、[29]~[33]のいずれかに記載の成形品。
本発明によれば、新規な添加剤を提供できる。
このような添加剤は、特定のポリウレタンで構成されており、ポリウレタンの成形や物性(特に、成形及び物性の双方)を良好なものとしうる。
例えば、本発明の添加剤の一態様では、紡糸の際の糸切れを抑制ないし防止し、効率よくポリウレタン繊維を製造しうる。このような効率よい成形は、添加剤的な使用態様であるにもかかわらず、例えば、単純にドープの製造(重合)と紡糸とを行う場合に比べても、同等か又はより一層優れたものとできる。
その他、本発明の添加剤の別の態様では、良好な又は改善された物性{例えば、強度(破断強度等)、伸度(破断伸度等)、耐熱性、耐久性[例えば、強度等の維持(例えば、紫外線、NOx、塩素等の環境(特にこれらを組み合わせた複合的環境)に曝露された時の維持)]、耐黄変性から選択された少なくとも1種(例えば、強度、伸度、耐熱性及び耐久性から選択された少なくとも1種)}を実現しうる。
<添加剤>
本発明の添加剤は、特定のポリウレタン(ポリウレタン(A)等ということがある)で構成されている。このような添加剤は、例えば、ドープ用の添加剤であってもよい。
[ポリウレタン(A)]
ポリウレタン(A)は、溶媒(極性溶媒)中において特定の粘度挙動を示してもよい。
具体的には、ポリウレタン(A)は、40℃において、ジメチルアセトアミド(N,N-ジメチルアセトアミド、DMAc)に20質量%の濃度で溶解(分散)させた(混合した)時の粘度(初期粘度、V1)と、溶解させた(混合した)後、さらに24時間経過(放置)後の粘度(24時間後粘度、V2)との割合(比、比率、粘度比、24時間後粘度/初期粘度、V2/V1)において、1以上(例えば、1超、1.001以上、1.005以上)の範囲から選択でき、例えば、1.01以上(例えば、1.02以上)、好ましくは1.03以上(例えば、1.04以上)、さらに好ましくは1.05以上(例えば、1.06以上)を充足してもよく、1.08以上(例えば、1.1以上、1.15以上、1.2以上、1.25以上、1.3以上、1.35以上、1.4以上、1.45以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上、1.7以上、1.8以上、1.9以上、2以上、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、2.5以上、2.6以上、2.7以上、2.8以上、2.9以上、3以上、3.1以上、3.2以上等)を充足してもよい。
上記24時間後粘度/初期粘度(V2/V1)(の上限値)は、特に限定されず、例えば、20以下(例えば、15以下)程度の範囲から選択してもよく、例えば、10以下(例えば、8以下)、好ましくは7以下(例えば、6以下)、さらに好ましくは5以下(例えば、4.5以下、4.4以下、4.3以下、4.2以下、4.1以下)、特に4以下(例えば、3.8以下、3.7以下、3.6以下、3.5以下、3.4以下)であってもよく、3.3以下(例えば、3.2以下、3.1以下、3以下、2.9以下、2.8以下、2.7以下、2.6以下、2.5以下、2.4以下、2.3以下、2.2以下、2.1以下、2以下、1.9以下、1.8以下、1.7以下、1.6以下、1.5以下、1.4以下、1.3以下)程度とすることもできる。
なお、これらの範囲(上限値と下限値)を適宜組み合わせて範囲を選択してもよい(例えば、1~10、1.01~5等、以下、範囲の記載について同じ)。
具体的な24時間後粘度/初期粘度(V2/V1)としては、例えば、1~10、1.01~5、1.05~4、1.03~3.5、1.1~3.3、1.2~3.5、1.05~3、1.05~1.2等が挙げられる。
このような24時間後粘度/初期粘度(V2/V1)であれば、ポリウレタンの効率よい成形(例えば、良好な紡糸性)の実現や、良好な物性のポリウレタンを得やすい。このような理由は、例えば、次のような理由が考えられる。
まず、前述のように、ポリウレタンは、溶融状態で成形(特に、溶液成形)されるが、本発明者の検討によれば、このような成形において、粘性(粘度)が重要であることがわかった。
具体的には、粘性が十分ないし適当でない(又は経時的にこのような粘性を維持ないし保持できない)と、糸切れが生じやすくなる等、成形性(紡糸性等)を損なう場合があったり、得られる成形品の物性(例えば、強度、伸度、耐熱性、耐久性等)を損なう場合があった。
なお、この理由は定かではないが、ポリウレタンにおける粘性は、ポリウレタンの強力な水素結合による会合が大きな要因になっているものと考えられ、そうすると、このような会合が十分でない場合、十分な粘性も得られにくくなるものと考えられる。
そして、このような会合(粘性)が十分でないと、成形の際に十分な強度が得られず、糸切れのような成形不良が生じやすくなったり、その他、得られる成形品にも物性の発現に影響すると考えられる会合が不十分であることが影響(反映)し[例えば、成形品における会合が少ないか又は不均一になりやすくなり]、物性を損なうことが予測される。
一方、上記のようなV2/V1(粘度の経時変化)は、増粘しやすさ(さらには増粘状態の維持ないし継続しやすさ)、ひいては、会合しやすさに関係するものと考えられる。つまり、上記のようなV2/V1のポリウレタンは、粘性(会合)を維持ないし増大(経時的に維持ないし増大)させ、自身を単独で使用する場合はもちろん、樹脂やその重合系(例えば、ポリウレタンやその重合系)に配合しても、十分な粘性ないし会合を発現ないし誘発して、経時的な粘性の低下を極力抑え、特に、組み合わせる対象やその配合割合によっては、粘性をより高めるものと考えられ、そして、これに伴い、良好な成形性や成形品の物性につながるものと考えられる。
なお、粘性は大きくなりすぎても、かえって紡糸性や物性を損なう可能性があるため、配合する(組み合わせる)対象(例えば、ポリウレタン)の粘性等によって、ポリウレタン(A)のV2/V1の値や使用割合(配合割合)を選択してもよい。
例えば、配合する対象の粘性が比較的高いような場合には、ポリウレタン(A)としてV2/V1の値が大きすぎないものを選択したり、配合する割合を小さくする等としてもよい。
ポリウレタン(A)の初期粘度(V1)は、限定されないが、10ポアズ(=1Pa・s=1000mPa・s)以上程度の範囲から選択してもよく、100ポアズ以上(例えば、200ポアズ以上、300ポアズ以上、400ポアズ以上)、好ましくは500ポアズ以上(例えば、600ポアズ以上、700ポアズ以上、800ポアズ以上)、さらに好ましくは1000ポアズ以上(例えば、1100ポアズ以上、1200ポアズ以上)程度であってもよく、1300ポアズ以上(例えば、1400ポアズ以上、1500ポアズ以上、1600ポアズ以上、1700ポアズ以上、1750ポアズ以上、1800ポアズ以上、1900ポアズ以上、2000ポアズ以上、2100ポアズ以上、2200ポアズ以上、2300ポアズ以上、2400ポアズ以上、2500ポアズ以上、2600ポアズ以上、2700ポアズ以上、2800ポアズ以上、2900ポアズ以上、3000ポアズ以上、3100ポアズ以上、3200ポアズ以上、3300ポアズ以上、3400ポアズ以上、3500ポアズ以上、3600ポアズ以上、3700ポアズ以上、3800ポアズ以上、3900ポアズ以上、4000ポアズ以上)等とすることもできる。
前述のようなV2/V1を充足することで、十分な粘性等を実現しうるのであるが、初期粘度が小さすぎると、配合対象、配合割合やV2の値にもよるのであるが、効率よく十分な粘性等を実現しにくくなる(例えば、十分な粘性に到達するまで過度な時間を要する等)場合があり、上記のような小さすぎない初期粘度としてもよい。
ポリウレタン(A)の初期粘度(V1)(の上限値)は、限定されないが、100000ポアズ以下程度の範囲から選択してもよく、80000ポアズ以下(例えば、60000ポアズ以下、50000ポアズ以下、40000ポアズ以下)、好ましくは30000ポアズ以下(例えば、20000ポアズ以下、15000ポアズ以下、12000ポアズ以下)、さらに好ましくは10000ポアズ以下(例えば、9000ポアズ以下、8000ポアズ以下)程度であってもよく、7000ポアズ以下(例えば、6500ポアズ以下、6000ポアズ以下、5500ポアズ以下、5000ポアズ以下、4500ポアズ以下、4400ポアズ以下、4300ポアズ以下、4200ポアズ以下、4100ポアズ以下、4000ポアズ以下、3900ポアズ以下、3800ポアズ以下、3700ポアズ以下、3600ポアズ以下、3500ポアズ以下、3400ポアズ以下、3300ポアズ以下、3200ポアズ以下、3100ポア以下、3000ポアズ以下、2900ポアズ以下、2800ポアズ以下、2700ポアズ以下、2600ポアズ以下、2500ポアズ以下、2400ポアズ以下、2300ポアズ以下、2200ポアズ以下、2100ポアズ以下、2000ポアズ以下、1900ポアズ以下、1850ポアズ以下、1800ポアズ以下)等とすることもできる。
前述のようなV2/V1を充足することで、十分な粘性等を実現しうるのであるが、初期粘度が大きすぎると、配合対象、配合割合やV2の値にもよるのであるが、過度な粘性を発現する場合があり、上記のような大きすぎない初期粘度としてもよい。
ポリウレタン(A)の24時間経過後粘度(V2)は、例えば、50ポアズ(=5Pa・s=5000mPa・s)以上程度の範囲から選択してもよく、300ポアズ以上(例えば、400ポアズ以上、500ポアズ以上、600ポアズ以上)、好ましくは700ポアズ以上(例えば、800ポアズ以上、900ポアズ以上、1000ポアズ以上)、さらに好ましくは1100ポアズ以上(例えば、1200ポアズ以上、1300ポアズ以上)程度であってもよく、1400ポアズ以上(例えば、1500ポアズ以上、1600ポアズ以上、1700ポアズ以上、1800ポアズ以上、1900ポアズ以上、1950ポアズ以上、2000ポアズ以上、2100ポアズ以上、2200ポアズ以上、2300ポアズ以上、2400ポアズ以上、2500ポアズ以上、2600ポアズ以上、2700ポアズ以上、2800ポアズ以上、2900ポアズ以上、3000ポアズ以上、3100ポアズ以上、3200ポアズ以上、3300ポアズ以上、3400ポアズ以上、3500ポアズ以上、3600ポアズ以上、3700ポアズ以上、3800ポアズ以上、3900ポアズ以上、4000ポアズ以上、4200ポアズ以上、4500ポアズ以上、5000ポアズ以上、5500ポアズ以上、6000ポアズ以上、6500ポアズ以上、7000ポアズ以上、7500ポアズ以上、8000ポアズ以上、8500ポアズ以上)等とすることもできる。
前述のようなV2/V1を充足することで、十分な粘性等を実現しうるのであるが、V2が小さすぎると、配合対象、配合割合にもよるのであるが、効率よく十分な粘性等を実現しにくくなる(例えば、十分な粘性に到達するまで過度な時間を要する等)場合があり、上記のような小さすぎないV2としてもよい。
ポリウレタン(A)の24時間経過後粘度(V2)(の上限値)は、1000000ポアズ以下程度の範囲から選択してもよく、500000ポアズ以下(例えば、400000ポアズ以下、300000ポアズ以下、200000ポアズ以下)、好ましくは100000ポアズ以下(例えば、80000ポアズ以下、70000ポアズ以下、60000ポアズ以下)、さらに好ましくは50000ポアズ以下(例えば、40000ポアズ以下、30000ポアズ以下)程度であってもよく、25000ポアズ以下(例えば、22000ポアズ以下、20000ポアズ以下、18000ポアズ以下、15000ポアズ以下、14000ポアズ以下、13000ポアズ以下、12000ポアズ以下、11500ポアズ以下、11000ポアズ以下、10500ポアズ以下、10000ポアズ以下、9500ポアズ以下、9000ポアズ以下、8800ポアズ以下、8500ポアズ以下、8000ポアズ以下、7500ポアズ以下、7000ポアズ以下、6800ポアズ以下、6500ポアズ以下、5000ポアズ以下、4500ポアズ以下、4000ポアズ以下、3500ポアズ以下、3200ポアズ以下、3000ポアズ以下、2900ポアズ以下、2800ポアズ以下、2700ポアズ以下、2600ポアズ以下、2500ポアズ以下、2400ポアズ以下、2300ポアズ以下、2200ポアズ以下、2100ポアズ以下、2000ポアズ以下)等とすることもできる。
前述のようなV2/V1を充足することで、十分な粘性等を実現しうるのであるが、V2が大きすぎると、配合対象や配合割合の値にもよるのであるが、過度な粘性を発現する場合があり、上記のような大きすぎないV2としてもよい。
なお、上記粘度(V1、V2)は、40℃において、20質量%の濃度(割合)で十分にDMAcに溶解(分散)させた状態を起点(初期粘度(V1))とし、この起点から24時間経過後を終点(24時間後粘度(V2))として、粘度計(例えば、落球粘度計)を用いて測定(例えば、ASTM D1343-69の方法に従って測定)でき、例えば、後述の方法にて測定できる。
ポリウレタン(A)の数平均分子量は、2000以上(例えば、3000以上、4000以上)程度の範囲から選択してもよく、例えば、5000以上(例えば、6000以上、7000以上)、好ましくは8000以上(例えば、9000以上)、さらに好ましくは10000以上(例えば、11000以上、12000以上、13000以上、14000以上)程度であってもよく、15000以上(例えば、16000以上、17000以上、18000以上、19000以上、20000以上、21000以上、22000以上、23000以上、24000以上、25000以上、26000以上、27000以上、28000以上)程度であってもよい。
前述のようなV2/V1を充足することで、十分な粘性等を実現しうるのであるが、数平均分子量が小さすぎると、配合対象、配合割合やV2/V1の値にもよるのであるが、効率よく十分な粘性等を実現しにくくなる(例えば、十分な粘性に到達するまで過度な時間を要する等)場合があり、上記のような小さすぎない数平均分子量としてもよい。また、強度、耐久性等の物性の点でも、小さすぎない数平均分子量とするのが好ましい。
なお、ポリウレタン(A)の数平均分子量(の上限値)は、限定されないが、2000000以下(例えば、1500000以下、1200000以下)程度の範囲から選択してもよく、例えば、1000000以下(例えば、800000以下、700000以下)、好ましくは500000以下(例えば、300000以下)、さらに好ましくは200000以下(例えば、180000以下、150000以下、120000以下)程度であってもよく、100000以下(例えば、90000以下、80000以下、70000以下、60000以下、55000以下、50000以下、45000以下、40000以下、35000以下)程度であってもよい。
具体的なポリウレタンの数平均分子量としては、例えば、10000~300000、20000~200000、30000~150000等が挙げられる。
特に、ポリウレタン(A)は、GPC(GPCチャート)において、高分子量成分に由来するピーク[例えば、概ね、数平均分子量100万以上(例えば、100万~5000万、100万~3000万、200万~1500万、300万~1000万)の領域にピーク]を有していてもよい。
本発明者の検討によれば、このような高分子量成分は、会合を誘発ないし促進する成分として機能(例えば、拡剤的に機能)するためか、粘性の増大(経時的増大)に寄与しうるようであり、配合対象、配合割合、V2/V1の値や所望の粘性(粘性の程度)等にもよるが、前述のV2/V1の値の充足と相まって(充足に加え)、高分子量成分を含むポリウレタン(A)を好適に使用してもよい。
なお、このような高分子量成分を有するポリウレタン(A)は、特に限定されず、ポリウレタンに高分子量成分を別途配合する等として得てもよいが、各種成形法(例えば、溶液成形)によって形成されたポリウレタン等が高分子量成分を含んでいる場合もあり、このような高分子量成分を元来含んでいるポリウレタンをそのまま使用してもよい。
なお、分子量(数位平均分子量)や高分子量成分の有無は、例えば、GPC(ポリスチレン換算等)により確認(測定)でき、具体的には後述の方法により確認(測定)してもよい(以下、)。
ポリウレタン(A)の形状(態様)は、特に限定されず、繊維状、非繊維状[粒状、粉状、成形品の粗粉砕物(非繊維状の塊)等]等のいずれであってもよい。
繊維状のポリウレタン(A)の繊維径(平均繊維径)は、特に限定されないが、例えば、1~10000μm、好ましくは10~5000μm、さらに好ましくは20~2000μm程度であってもよい。
ポリウレタン(A)の大きさ(サイズ、繊維における長さ)は、特に限定されないが、取扱性や配合ないし使用態様等に鑑み、平均径(最大径)10mm以下[例えば、5mm以下(例えば、3mm以下)、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下]のような比較的小さいサイズであってもよい。
なお、このようなサイズのポリウレタン(A)は、原料となるポリウレタンの態様によるが、例えば、汎用の粉砕処理により得ることができる。
なお、繊維径やサイズは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定できる。
具体的には、後述の実施例の方法により、測定してもよい。
特に、ポリウレタン(A)は、繊維状のものを好適に使用してもよい。繊維状であると、粘性の増大等を効率よく(例えば、早期に)実現ないし発揮しやすい。
ポリウレタン(A)[ポリウレタン(A)を構成する(ポリウレタン(A)に含まれる)樹脂成分(ポリウレタン)]は、特に限定されず、例えば、ポリマージオールおよびジイソシアネートを出発物質とする構造を有する任意のものであってもよく、特に限定されるものではない。
また、その合成法も特に限定されるものではない。例えば、ポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤として低分子量ジアミンとからなるポリウレタンウレアであってもよく、また、ポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤として低分子量ジオールとからなるポリウレタンウレタンであってもよい。また、鎖伸長剤として水酸基とアミノ基を分子内に有する化合物を使用したポリウレタンウレアであってもよい。必要に応じて(本発明の効果を妨げない範囲で)3官能性以上の多官能性のグリコールやイソシアネート等が使用されることも好ましい。
ポリマージオールはポリエーテル系、ポリエステル系ジオール、ポリカーボネートジオール等が好ましい。そして、成形品(糸等)において、柔軟性、伸度を付与する観点からは、ポリエーテル系ジオールが使用されることが好ましい。
ポリエーテル系ジオールとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールの誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略すこともある)、テトラヒドロフラン(以下、THFと略すこともある)および3-メチルテトラヒドロフランの共重合体である変性PTMG、THFおよび2-メチルテトラヒドロフランの共重合体である変性PTMG、THFおよび2,3-ジメチルTHFの共重合体である変性PTMG、特許第2615131号公報などに開示される側鎖を両側に有するポリオール、THFとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキサイドが不規則に配列したランダム共重合体等が好ましく使用される。これらポリエーテル系ジオールを1種または2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。
また、ポリウレタン弾性繊維として耐摩耗性や耐光性を得る観点からは、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、特開昭61-26612号公報などに開示されている側鎖を有するポリエステルポリオールなどのポリエステル系ジオールや、特公平2-289516号公報などに開示されているポリカーボネートジオール等が好ましく使用される。
また、こうしたポリマージオールは単独で使用してもよいし、2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。
ポリマージオールの分子量は、糸にした際の伸度、強度、耐熱性などを得る観点から、数平均分子量が1,000以上8,000以下のものが好ましく、1,500以上6,000以下がより好ましい。この範囲の分子量のポリオールが使用されることにより、伸度、強度、弾性回復力、耐熱性等に優れた糸(弾性糸)を容易に得ることができる。
次に、ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略すこともある)、トリレンジイソシアネート、1,4-ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6-ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成するのに好適である。さらに脂環族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,4-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6-ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ1,5-ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。脂環族ジイソシアネートは、特にポリウレタン弾性糸の黄変を抑制する際に有効に使用できる。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
次にポリウレタンを合成するにあたって用いられる鎖伸長剤は、低分子量ジアミンおよび低分子量ジオールのうちの少なくとも1種を使用するのが好ましい。なお、エタノールアミンのような水酸基とアミノ基を一分子中に両方有するものであってもよい。
好ましい低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p-フェニレンジアミン、p-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p,p’-メチレンジアニリン、1,3-シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4-アミノフェニル)フォスフィンオキシドなどが挙げられる。これらの中から1種または2種以上が使用されることが好ましい。特に好ましくはエチレンジアミンである。エチレンジアミンを用いることにより伸度および弾性回復性、さらに耐熱性に優れた糸を容易に得ることができる。これらの鎖伸長剤に架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミン等を効果が失わない程度に加えてもよい。
また、低分子量ジオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1-メチル-1,2-エタンジオールなどが代表的なものである。これらの中から1種または2種以上が使用されることが好ましい。特に好ましくはエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールである。これらを用いると、ジオール伸長のポリウレタンとしては耐熱性がより高くなり、また、より強度の高い糸を得ることができるのである。
ポリウレタンには、末端封鎖剤が1種または2種以上混合使用されることも好ましい。末端封鎖剤としては、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどが好ましい。
ポリウレタン(A)は、樹脂成分(ポリウレタン)以外の成分(他の成分)を含んでいてもよい。このような成分としては、ポリウレタン(A)の成形法や成形品の態様等によって適宜選択でき、特に限定されない。
他の成分としては、例えば、金属石鹸、界面活性剤、酸化防止剤、三級アミン化合物、架橋構造調節剤、シリコーン類(例えば、シリコーンオイル、変性シリコーン)、微粒子(例えば、タルク、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化チタン)、高級脂肪族アルコール、ワックス類、着色剤、ロジン、染料、顔料、油剤(鉱物油、シリコーンオイル等)、無機物や無機多孔質(例えば、竹炭、木炭、カーボンブラック、多孔質泥、粘土、ケイソウ土、ヤシガラ活性炭、石炭系活性炭、ゼオライト、パーライト等)、触媒(触媒成分、例えば、ポリウレタンアミン系触媒、有機金属触媒)等が挙げられる。
ポリウレタン(A)は、1種又は2種以上の他の成分を含んでいてもよい。
なお、ポリウレタン(A)が、他の成分を含む場合、他の成分の割合(総量の割合)は、ポリウレタン(A)全体に対して、50質量%以下程度の範囲から選択でき、40質量%以下(例えば、30質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下等)であってもよい。
中でも、ポリウレタン(A)は、金属石鹸を含むのが好ましい。金属石鹸を含むことで、前述のV2/V1の充足等と相まって、効率よい十分な粘性の付与や粘度上昇の制御が容易となりやすく、成形性(紡糸性等)や物性の点で有利になりうる。この理由は定かではないが、金属石鹸が、水素結合を促進しつつも、過度な水素結合の促進を抑制し、結果として、会合を安定化し、効率よく粘度調整の機能を果たすものと考えられる。
金属石鹸としては、例えば、酸と金属との塩が挙げられる。
酸としては、例えば、オクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、リシノール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、d-ピマル酸、イソ-d-ピマル酸、ポドカルプ酸、アガテンジカルボン酸、安息香酸、ケイ皮酸、p-オキシケイ皮酸、ジテルペン酸、ナフテン酸などの有機酸(脂肪酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸等)等が挙げられる。
代表的な酸には、脂肪酸[例えば、オクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、リシノール酸等の炭素数6以上(例えば、8以上、8~40、8~30等)の脂肪酸]等が含まれる。
金属としては、例えば、ナトリウム及びカリウム以外のアルカリ金属(例えば、リチウム)、アルカリ土類金属(例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等)、その他の金属(例えば、アルミニウム、亜鉛、カドミウム、コバルト、クロム、銅、銀、鉄、水銀、マンガン、ニッケル、鉛、スズ、チタン)等のナトリウム及びカリウム以外の金属}等が挙げられる。
具体的な金属石鹸としては、例えば、オクチル酸金属塩(例えば、オクチル酸亜鉛)、ラウリン酸金属塩(例えば、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛)、ステアリン酸金属塩(ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛)、リシノール酸金属塩(例えば、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛)等が挙げられる。
ポリウレタン(A)は、1種又は2種以上の金属石鹸を含んでいてもよい。
ポリウレタン(A)が金属石鹸を含む場合、金属石鹸の割合は、ポリウレタン(A)全体に対して、例えば、0.0001質量%以上程度の範囲から選択でき、0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.003質量%以上程度であってもよく、20質量%以下[例えば、15質量%以下(例えば、12質量%以下)、好ましくは10質量%以下(例えば、8質量%以下)、さらに好ましくは5質量%以下(例えば、3質量%以下)]であってもよい。
具体的な金属石鹸の割合としては、ポリウレタン(A)全体に対して、0.0001~10質量%、好ましくは0.001~5質量%、さらに好ましくは0.003~3質量%等が挙げられる。
また、ポリウレタン(A)は、界面活性剤、酸化防止剤、三級アミン化合物、及び架橋構造調節剤から選択された少なくとも1種を含むのも好ましい。このような成分もまた、金属石鹸同様、水素結合に関与して、会合を安定化し、効率よく粘度調整の機能を果たすためか、前述のV2/V1の充足等と相まって、効率よい十分な粘性の付与や粘度上昇の制御が容易となりやすく、成形性(紡糸性等)や物性の点で有利になりうる。
界面活性剤としては、例えば、非イオン(ノニオン)系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルモノグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ジエタノールアミドなどが挙げられる。これらのうち、いわゆる界面活性剤の親水部(Hydrophil)はエーテル型が好ましく、例えば、エチレンオキシド重合体、プロピレンオキシド重合体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体のうち少なくとも1種であることが好ましい。
ノニオン系界面活性剤としてエチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシド重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体のうちの少なくとも1種を含有することで、紡糸性を高めつつ、例えば抗菌性を良好なものとすることができる。
いわゆる界面活性剤の疎水部(Hydrophob)は前述の末端変性構造のことであるが、アルキル基、フェニル基、スチレン化フェニル基が好ましく、ノニオン系界面活性剤として、具体的には、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンエチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンプロピルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート等が挙げられる。より好ましいのはポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルであり、ポリオキシエチレンオキシプロピレントリススチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンモノスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン‐2,4,6‐トリス(α,α‐ジメチルベンジル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン‐2,4‐ビス(α,α‐ジメチルベンジル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン‐2‐モノ(α,α‐ジメチルベンジル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン‐4‐モノ(α,α‐ジメチルベンジル)フェニルエーテル等が挙げられる。最も好ましいのは、これらのスチレン基の付加モル数が分布を持ち、これらの混合物を用いる場合である。
カチオン系界面活性剤としては、4級アンモニウム塩(4級アンモニウムイオン)等が挙げられる。4級アンモニウム塩の中でも、アンモニウムイオン中のアルキル基の鎖長により抗菌力に差があり、抗菌力の強いものが望ましいが、熱分解抑制等の観点からアルキル基等の鎖種、鎖長が大きく、すなわち炭素数の大きいアルキル基等を選ぶことが好ましい。そして、衛生面からも抗菌剤を含有する(抗菌性を有する)ことが好ましい。
この観点から特に好ましいアンモニウムイオンは、ジデシルジメチルアンモニウムイオン、オレイルトリメチルアンモニウムイオンなどである。これらは通常、塩化物、臭化物、ヨウ化物などの無機塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩等の有機酸塩により供給され、中でも、変色や耐熱性等の安定性の観点からスルホン酸塩とカルボン酸塩が好ましい。
上記構造を有する塩の具体例としては、ジデシルジメチルアンモニウム3フッ化メチルスルホン酸塩、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムペンタフルオロエタンスルホン酸塩、n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、及びベンジルジメチルヤシ油アルキルアンモニウムペンタフルオロエタンスルホン酸塩等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール化合物が挙げられる。フェノール化合物は、ヒンダードフェノール化合物であってもよく、特にヒンダードフェノールを好適に使用してもよい。
フェノール化合物(ヒンダードフェノール化合物等)としては、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-トルエン、n-オクタデシル-β-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6’-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、カルシウム(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル-モノエチル-フォスフェート)、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-{β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、トコフェロール、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、N,N’-ビス[3-(3,5-ジーt-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、2,2’-オキサミドビス[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、エチレン-1,2-ビス(3,3-ビス[3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]ブチレート)、エチレン-1,2-ビス(3-[3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]ブチレート)、1,1-ビス(2-メチル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,3,5-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-S-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(3’-t-ブチル-4’-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-S-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン等の他、高分子量のヒンダードフェノール化合物が挙げられる。
かかる高分子量のヒンダードフェノール化合物の好ましい具体例としては、例えば、ジビニルベンゼンとクレゾールとの付加重合体、ジシクロペンタジエンとクレゾールとの付加重合体イソブチレン付加物、クロロメチルスチレンと、クレゾール、エチルフェノール、t-ブチルフェノールなどの化合物との重合体が使用される。ここで、ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレンは、p-でもm-でもよい。また、クレゾール、エチルフェノール、t-ブチルフェノールは、o-、m-、p-のいずれでもよい。
なかでも、粘度を安定化し、良好な紡糸性を得やすい等の観点から、分子量300以上の化合物であることが好ましく、さらには、高い紡糸速度、染色時における耐熱性、不飽和脂肪酸への耐性、重金属への耐性を効率よく発揮する等のためには、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレン-1,2-ビス(3,3-ビス[3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]ブチレート)、ジビニルベンゼンとp-クレゾールとの付加物であって、6~12の繰り返し数を持つ重合体のいずれかまたはそれらを併用して用いてもよい。なかでも1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを好適に使用してもよい。
フェノール化合物として、片ヒンダードフェノール化合物も好ましい。片ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、片ヒンダードのヒドロキシフェニル基がビスエステル骨格に共有結合した構造のエチレン-1,2-ビス(3,3-ビス[3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]ブチレート)(下記化合物)等が挙げられる。
Figure 0007470229000001
具体的には分子量が1,000以上のヒンダードフェノール化合物が好ましい。分子量が1,000以上と云う比較的高分子量である以外には特に制限はなく、かかる高分子量のヒンダードフェノール化合物の好ましい具体例としては、ジビニルベンゼンとクレゾールとの付加重合体、ジシクロペンタジエンとクレゾールとの付加重合体イソブチレン付加物、クロロメチルスチレンと、クレゾール、エチルフェノール、t-ブチルフェノールなどの化合物との重合体が使用される。ここで、ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレンは、p-でもm-でもよい。また、クレゾール、エチルフェノール、t-ブチルフェノールは、o-、m-、p-のいずれでもよい。
なかでも、粘度を安定化し、良好な紡糸性を得る等の観点から、クレゾールから誘導される重合体のヒンダードフェノール化合物であることが好ましい。さらには、高い紡糸速度、染色時における耐熱性、不飽和脂肪酸への耐性、重金属への耐性を効率よく発揮する等のためには、その高分子量ヒンダードフェノール化合物をある程度多く含むことが好ましいが、ポリウレタン糸としてより良好な基本物性を得る観点からすると多過ぎないことが好ましい。
三級アミン化合物としては、構造中にアミノ基を有する化合物であれば特に限定されるものではないが、ポリウレタン弾性糸の耐塩素劣化性および黄変性の観点から1級から3級アミノ基のうち、3級アミノ基のみを分子中に有するものが特に好ましい。
三級アミン化合物には、比較的分子量の大きいものを好適に使用してもよい。このような三級アミン化合物において、数平均分子量の範囲としては、例えば、2,000~10,000の範囲のものが好ましく、より好ましくは2,000~4,000の範囲であってもよい。
三級アミン化合物としては、より具体的には、例えば、t-ブチルジエタノールアミンとメチレン-ビス-(4-シクロヘキシルイソシアネ-ト)の反応による、数平均分子量2,000以上の線状の高分子化合物、ポリエチレンイミンや分子骨格中に、第一級アミノ基と、第二級アミノ基と、第三級アミノ基とを含む分岐構造を有している高分子量化合物等が挙げられる。
架橋構造調節剤としては、例えば、モノアミン、ジアミン等が挙げられる。より具体的には、モノアミン(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン等)、ジアミン(例えば、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p-フェニレンジアミン、p-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン、1,3-シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン)等が挙げられる。特に好ましいのは、モノアミンとジアミンの混合使用である。
ポリウレタン(A)が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の割合は、ポリウレタン(A)全体に対して、例えば、0.0001質量%以上程度の範囲から選択でき、0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.003質量%以上程度であってもよく、20質量%以下[例えば、15質量%以下(例えば、12質量%以下)、好ましくは10質量%以下(例えば、8質量%以下)、さらに好ましくは5質量%以下(例えば、3質量%以下)]であってもよい。
具体的な界面活性剤の割合としては、ポリウレタン(A)全体に対して、0.0001~10質量%、好ましくは0.001~5質量%、さらに好ましくは0.003~3質量%等が挙げられる。
ポリウレタン(A)が酸化防止剤を含む場合、酸化防止剤の割合は、ポリウレタン(A)全体に対して、例えば、0.0001質量%以上程度の範囲から選択でき、0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.002質量%以上程度であってもよく、20質量%以下[例えば、15質量%以下(例えば、12質量%以下)、好ましくは10質量%以下(例えば、8質量%以下)、さらに好ましくは7質量%以下(例えば、5質量%以下)]であってもよい。
具体的な酸化防止剤の割合としては、ポリウレタン(A)全体に対して、0.0001~10質量%、好ましくは0.001~7質量%、さらに好ましくは0.002~5質量%等が挙げられる。
なお、ポリウレタン(A)は、成形性(例えば、紡糸性)や物性(強度、耐黄色性、耐久性等)等の観点から、酸化防止剤(フェノール化合物等)の分解物の割合が、ポリウレタン(A)全体に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であってもよい。
ポリウレタン(A)が三級アミン化合物を含む場合、三級アミン化合物の割合は、ポリウレタン(A)全体に対して、例えば、0.01質量%以上程度の範囲から選択でき、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上程度であってもよく、30質量%以下[例えば、20質量%以下(例えば、15質量%以下)、好ましくは12質量%以下(例えば、10質量%以下)、さらに好ましくは7質量%以下(例えば、5質量%以下)]であってもよい。
具体的な三級アミン化合物の割合としては、ポリウレタン(A)全体に対して、0.01~20質量%、好ましくは0.1~10質量%、さらに好ましくは0.2~5質量%等が挙げられる。
なお、ポリウレタン(A)は、成形性(例えば、紡糸性)や物性(強度、耐黄色性、耐久性等)等の観点から、三級アミン化合物の分解物の割合が、ポリウレタン(A)全体に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であってもよい。
ポリウレタン(A)が架橋構造調節剤を含む場合、架橋構造調節剤の割合は、ポリウレタン(A)全体に対して、例えば、0.0001質量%以上程度の範囲から選択でき、0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.002質量%以上程度であってもよく、20質量%以下[例えば、15質量%以下(例えば、12質量%以下)、好ましくは10質量%以下(例えば、8質量%以下)、さらに好ましくは5質量%以下(例えば、2質量%以下)]であってもよい。
具体的な架橋構造調節剤の割合としては、ポリウレタン(A)全体に対して、0.0001~10質量%、好ましくは0.001~5質量%、さらに好ましくは0.002~2質量%等が挙げられる。
ポリウレタン(A)は、特に限定されず、市販品(流通品)を用いてもよく、慣用の方法により製造ないし成形したものを用いてもよい。
このようなポリウレタン(A)において、由来する製法ないし成形法もまた、特に限定されるものではなく、成形品の種類・態様等に応じて適宜選択できる。例えば、繊維状のポリウレタン(A)は、慣用の紡糸法(例えば、溶融紡糸法、湿式紡糸法、乾式紡糸法等)により得られたものであってもよい。
その他、ポリウレタン(A)は、未使用品であってもよく、既使用品であってもよい。
また、ポリウレタン(A)は、製造後使用(販売、各種用途に使用等)されることなく放置ないし保管(例えば、1ヶ月以上(例えば、6ヶ月以上、1年以上等)放置ないし保管)されたもの{例えば、繊維そのもの、巻糸体[例えば、編織加工の中間製品である整経用巻体(ビーム)]、加工糸等}等であってもよく、成形屑[例えば、各種紡糸法を経て巻糸体を得る際に裁断等された(巻糸体を形成しなかった)屑等)]であってもよい。また、使用済み品(ポストコンシューマー品)であってもよい。
このような放置ないし保管されたもの(例えば、過剰在庫等により廃棄に供されるもの)、成形屑や使用済み品等を利用することで、効率よくポリウレタンを利用[再利用(リサイクル)]することができる。
なお、前記のような特性を充足するポリウレタンは、市販品であれば市販品の中でも前記のような特性を充足するものを選択すればよいし、製造したものであれば前記のような特性を充足するように製造したものを使用してもよい。
例えば、ポリウレタンの粘性(増粘しやすさ)は、前記のように会合が影響するものと認められるから、このような会合のしやすさを調整することにより効率よく調整できる。具体的な例を挙げると、樹脂成分(ポリウレタン)そのものついていえば、反応の進行の程度により会合のしやすさを効率よく調整できるし[例えば、重合成分の反応を十分に進行させた(ひいては会合核となりうる結晶核が生じやすい)ポリウレタンを使用する等]、その他、前記のような高分子量成分の有無や他の成分の配合(さらにはその量)等によってもこのような会合のしやすさを効率よく調整しやすい。
なお、他の成分を含むポリウレタン(A)は、ベースとなる樹脂成分(ポリウレタン)に、慣用の方法より添加・配合する等して製造してもよく、市販品やリサイクル品等において既に他の成分が配合された(他の成分を含む)ものをそのまま使用してもよい。
[添加剤の用途]
本発明の添加剤は、ポリウレタン(A)で構成されている。
このような添加剤の対象(添加対象、配合対象)としては、限定されないが、特に、ドープであってもよい。すなわち、本発明の添加剤は、ドープ用の添加剤(ドープに添加するための剤)であってもよい。
また、添加剤(ポリウレタン(A))は、前記のように、粘性の増大や調整(粘性の維持、粘性の低下抑制)を実現したり、その他、成形性(紡糸性)や物性を改善しうる。
そのため、添加剤(ポリウレタン(A))は、このような機能に対応する用途に用いてもよい。例えば、添加剤(ポリウレタン(A))は、粘性(粘度)調整剤[粘性(粘度)制御剤、粘性(粘度)上昇剤、増粘剤、粘性(粘度)保持剤]、成形性(紡糸性等)改善剤(向上剤)、及び/又は物性(例えば、強度、伸度、耐熱性及び耐久性から選択された少なくとも1種の物性)改善剤(向上剤)等であってもよい(等の用途に用いてもよい)。
特に、添加剤(ポリウレタン(A))は、ドープ用(さらには、上記のような粘性や物性の改善用)として好適であるため、以下、ドープ用途について詳述する。
<ドープ等>
ドープは、樹脂(樹脂成分)を含む液体(液状物、液体状物)であり、溶媒を含まないもの(バルク用ドープ)であってもよいが、通常、樹脂と溶媒とを含んでいてもよい{特に、樹脂を含む溶液[又は分散液、少なくとも樹脂が溶解(又は分散)した溶液(又は分散液)]であってもよい}。
なお、ポリウレタン(A)も樹脂であるため、ドープに配合されると、ドープを構成する樹脂となる。
このようなドープを構成する(ドープに含まれる)樹脂成分(ポリウレタン等)は、ポリウレタン(A)のみで構成してもよく、ポリウレタン(A)と他の樹脂(B)(ポリウレタン(A)とは異なる樹脂成分)を含んでいてもよい。
すなわち、ドープは、樹脂としてポリウレタン(A)のみを含むドープであってもよく、樹脂としてポリウレタン(A)と樹脂(B)とを含むドープであってもよい。
なお、ポリウレタン(A)と樹脂(B)を含むドープは、ポリウレタン(A)と樹脂(B)とを混合することで得てもよく、予め樹脂(B)を含む系(ドープ)中にポリウレタン(A)を混合することで得てもよい。
特に、ポリウレタン(A)は、粘性の制御、成形性(紡糸性)や物性の改善等の機能に鑑み、樹脂(B)と組み合わせて使用するのが好ましい。
樹脂(B)としては、非ポリウレタン、ポリウレタンのいずれであってもよいが、添加剤(ポリウレタン(A))がポリウレタンであることに鑑みると、少なくともポリウレタンを含むのが好ましい。換言すれば、ドープは、ポリウレタンドープ(樹脂(B)としてポリウレタンを含むドープ)であってもよい。
このようなポリウレタン(樹脂(B)としてのポリウレタン、ポリウレタン(B)等ということがある)としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン(A)の項に記載のものと同様のポリウレタンが挙げられる。ポリウレタン(B)の好ましい態様等も、前記ポリウレタン(A)に記載のものと同様である。
特に、ポリウレタン(B)とポリウレタン(A)とは、互いに、同種又は同系統のポリウレタン(例えば、ポリウレタン(A)及び(B)のいずれもポリウレタンウレアである等)であってもよい。
ドープが樹脂(B)を含む場合、ポリウレタン(A)及び樹脂(B)(例えば、ポリウレタン(B))の総量に対する、ポリウレタン(A)の割合は、向上ないし改善しようとする対象[例えば、成形性(紡糸性等)、物性(強度、伸度、耐熱性等)]やその程度等に応じて適宜選択でき、例えば、0.1質量%以上(例えば、0.5質量%以上)、好ましくは1質量%以上(例えば、2質量%以上)、さらに好ましくは3質量%以上(例えば、5質量%以上)程度であってもよく、8質量%以上(例えば、10質量%以上、12質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上)等とすることもできる。
ポリウレタン(A)及び樹脂(B)(例えば、ポリウレタン(B))の総量に対する、ポリウレタン(A)の割合(割合の上限値)は、99.9質量%以下(例えば、99.5質量%以下)程度の範囲から選択してもよく、99質量%以下(例えば、98質量%以下)、好ましくは97質量%以下(例えば、95質量%以下)程度であってもよく、90質量%以下(例えば、88質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下)等とすることもできる。
具体的なポリウレタン(A)及び樹脂(B)(例えば、ポリウレタン(B))の総量に対する、ポリウレタン(A)の割合は、例えば、0.1~99.9質量%(例えば、0.5~99質量%)、1~99質量%(例えば、3~97質量%)、5~95質量%(例えば、10~90質量%)、1~50質量%、3~40質量%、50~99質量%、60~95質量%等が挙げられる。
なお、ポリウレタン(A)及び樹脂(B)(例えば、ポリウレタン(B))の総量100に対するポリウレタン(A)の割合は、後述の粘度や粘度比となるように適宜選択することもできる。
ドープを構成する樹脂の分子量は、樹脂(B)の種類(例えば、ポリウレタン(B))やポリウレタン(A)との混合割合等にもよるが、例えば、樹脂[例えば、ポリウレタン(A)単独、ポリウレタン(A)と樹脂(B)(ポリウレタン(B)等)との混合樹脂()]の数平均分子量は、2000以上(例えば、3000以上、4000以上)程度の範囲から選択してもよく、例えば、5000以上(例えば、6000以上、7000以上)、好ましくは8000以上(例えば、9000以上)、さらに好ましくは10000以上(例えば、11000以上、12000以上、13000以上、14000以上)程度であってもよく、15000以上(例えば、16000以上、17000以上、18000以上、19000以上、20000以上、21000以上、22000以上、23000以上、24000以上、25000以上、26000以上、27000以上、28000以上)程度であってもよい。
なお、ドープを構成する樹脂の数平均分子量(の上限値)は、限定されないが、2000000以下(例えば、1500000以下、1200000以下)程度の範囲から選択してもよく、例えば、1000000以下(例えば、800000以下、700000以下)、好ましくは500000以下(例えば、300000以下)、さらに好ましくは200000以下(例えば、180000以下、150000以下、120000以下)程度であってもよく、100000以下(例えば、90000以下、80000以下、70000以下、60000以下、55000以下、50000以下、45000以下、40000以下、35000以下)程度であってもよい。
具体的なドープを構成する樹脂の数平均分子量としては、例えば、10000~300000、20000~200000、30000~150000等が挙げられる。
特に、ドープを構成する樹脂は、GPC(GPCチャート)において、高分子量成分に由来するピーク[例えば、概ね、数平均分子量100万以上(例えば、100万~5000万、100万~3000万、200万~1500万、300万~1000万)の領域にピーク]を有していてもよい。
なお、このような高分子量成分に由来するピークは、系中(ドープ内での重合)で生成してもよく、ポリウレタン(A)に含まれる高分子量成分に由来してもよい。通常、高分子量成分を含むポリウレタン(A)を使用することで、ドープを構成する樹脂においても高分子量成分に由来するピークを見出すことができる。
上記のような分子量範囲や高分子量成分に由来するピークを有していると、例えば、成形性(紡糸性等)や物性の点で有利なものとしやすい。
樹脂(B)は、ドープ(ドープとして使用中)においてポリウレタン(A)とともに樹脂を構成できれば、原料(モノマー)の段階からドープに含まれていてもよい。例えば、ポリウレタン(A)と、樹脂(B)の原料(例えば、ポリウレタンの原料となるモノマー)を含むドープを経て、系中(ドープ中)で重合が進行し、ポリウレタン(A)と樹脂(B)を含むドープを得てもよい。
ドープは、他の成分(樹脂以外の成分)を含んでいてもよい。このような他の成分としては、ドープを構成する樹脂やドープの用途等によるが、例えば、金属石鹸、界面活性剤、酸化防止剤、三級アミン化合物、架橋構造調節剤、シリコーン類(例えば、シリコーンオイル、変性シリコーン)、微粒子(例えば、タルク、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化チタン)、高級脂肪族アルコール、ワックス類、着色剤、ロジン、染料、顔料、油剤(鉱物油、シリコーンオイル等)、無機物や無機多孔質(例えば、竹炭、木炭、カーボンブラック、多孔質泥、粘土、ケイソウ土、ヤシガラ活性炭、石炭系活性炭、ゼオライト、パーライト等)、触媒(触媒成分、例えば、ポリウレタンアミン系触媒、有機金属触媒)等の前述の成分等が挙げられる。
なお、このような他の成分は、予めポリウレタン(A)に含まれていてもよく、別途、ドープに添加してもよく、ポリウレタン(A)含まれるものと別途添加するものとを組み合わせてもよい。
他の成分の好ましい態様(好ましい成分、樹脂に含まれる割合)等もまた、前記ポリウレタン(A)に記載のものと同様である。
ドープが他の成分を含む場合、他の成分の割合(総量の割合)は、樹脂及び他の成分の総量(例えば、他の成分を含むポリウレタン(A);他の成分を含むポリウレタン(A)及び樹脂(B)の総量;他の成分を含んでいてもよいポリウレタン(A)、樹脂(B)及び別途ドープに配合する他の成分の総量等)に対して、例えば、50質量%以下程度の範囲から選択でき、40質量%以下(例えば、30質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下等)であってもよい。
ドープが金属石鹸を含む場合、金属石鹸の割合は、樹脂及び金属石鹸の総量(例えば、金属石鹸を含むポリウレタン(A);金属石鹸を含むポリウレタン(A)及び樹脂(B)の総量;金属石鹸を含んでいてもよいポリウレタン(A)、樹脂(B)及び別途ドープに配合する金属石鹸の総量等)に対して、例えば、0.0001質量%以上程度の範囲から選択でき、0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.003質量%以上程度であってもよく、20質量%以下[例えば、15質量%以下(例えば、12質量%以下)、好ましくは10質量%以下(例えば、8質量%以下)、さらに好ましくは5質量%以下(例えば、3質量%以下)]であってもよい。
具体的な金属石鹸の割合としては、樹脂及び金属石鹸の総量に対して、例えば、0.0001~10質量%、好ましくは0.001~5質量%、さらに好ましくは0.003~3質量%等が挙げられる。
ドープが界面活性剤を含む場合、界面活性剤の割合は、樹脂及び界面活性剤の総量(例えば、界面活性剤を含むポリウレタン(A);界面活性剤を含むポリウレタン(A)及び樹脂(B)の総量;界面活性剤を含んでいてもよいポリウレタン(A)、樹脂(B)及び別途ドープに配合する界面活性剤の総量等)に対して、例えば、0.0001質量%以上程度の範囲から選択でき、0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.003質量%以上程度であってもよく、20質量%以下[例えば、15質量%以下(例えば、12質量%以下)、好ましくは10質量%以下(例えば、8質量%以下)、さらに好ましくは5質量%以下(例えば、3質量%以下)]であってもよい。
具体的な界面活性剤の割合としては、樹脂及び界面活性剤の総量に対して、0.0001~10質量%、好ましくは0.001~5質量%、さらに好ましくは0.003~3質量%等が挙げられる。
ドープが酸化防止剤を含む場合、酸化防止剤の割合は、樹脂及び酸化防止剤の総量(例えば、酸化防止剤を含むポリウレタン(A);酸化防止剤を含むポリウレタン(A)及び樹脂(B)の総量;酸化防止剤を含んでいてもよいポリウレタン(A)、樹脂(B)及び別途ドープに配合する酸化防止剤の総量等)に対して、例えば、0.0001質量%以上程度の範囲から選択でき、0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.002質量%以上程度であってもよく、20質量%以下[例えば、15質量%以下(例えば、12質量%以下)、好ましくは10質量%以下(例えば、8質量%以下)、さらに好ましくは7質量%以下(例えば、5質量%以下)]であってもよい。
具体的な酸化防止剤の割合としては、樹脂及び酸化防止剤の総量に対して、0.0001~10質量%、好ましくは0.001~7質量%、さらに好ましくは0.002~5質量%等が挙げられる。
なお、成形性(例えば、紡糸性)や物性(強度、耐黄色性、耐久性等)等の観点から、酸化防止剤(フェノール化合物等)の分解物の割合が、樹脂及び酸化防止剤の分割物の総量に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であってもよい。
ドープが三級アミン化合物を含む場合、三級アミン化合物の割合は、樹脂及び三級アミン化合物の総量(例えば、三級アミン化合物を含むポリウレタン(A);三級アミン化合物を含むポリウレタン(A)及び樹脂(B)の総量;三級アミン化合物を含んでいてもよいポリウレタン(A)、樹脂(B)及び別途ドープに配合する三級アミン化合物の総量等)に対して、例えば、0.01質量%以上程度の範囲から選択でき、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上程度であってもよく、30質量%以下[例えば、20質量%以下(例えば、15質量%以下)、好ましくは12質量%以下(例えば、10質量%以下)、さらに好ましくは7質量%以下(例えば、5質量%以下)]であってもよい。
具体的な三級アミン化合物の割合としては、樹脂及び三級アミン化合物の総量に対して、0.01~20質量%、好ましくは0.1~10質量%、さらに好ましくは0.2~5質量%等が挙げられる。
なお、成形性(例えば、紡糸性)や物性(強度、耐黄色性、耐久性等)等の観点から、三級アミン化合物の分解物の割合が、樹脂及び三級アミン化合物の分解物の総量に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であってもよい。
ドープが架橋構造調節剤を含む場合、架橋構造調節剤の割合は、樹脂及び架橋構造調節剤の総量(例えば、架橋構造調節剤を含むポリウレタン(A);架橋構造調節剤を含むポリウレタン(A)及び樹脂(B)の総量;架橋構造調節剤を含んでいてもよいポリウレタン(A)、樹脂(B)及び別途ドープに配合する架橋構造調節剤の総量等)に対して、例えば、0.0001質量%以上程度の範囲から選択でき、0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.002質量%以上程度であってもよく、20質量%以下[例えば、15質量%以下(例えば、12質量%以下)、好ましくは10質量%以下(例えば、8質量%以下)、さらに好ましくは5質量%以下(例えば、2質量%以下)]であってもよい。
具体的な架橋構造調節剤の割合としては、樹脂及び架橋構造調節剤の総量に対して、0.0001~10質量%、好ましくは0.001~5質量%、さらに好ましくは0.002~2質量%等が挙げられる。
ドープは、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒としては、樹脂(B)の種類、成形法や成形品の態様等にもよるが、例えば、有機溶媒{例えば、アミド系溶媒[例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)等の鎖状脂肪族アミド;N-メチル-2-ピロリドン、N-ビニルピロリドン等の環状脂肪族アミド]、ハロゲン系溶媒(例えば、1,1-ジフルオロテトラクロロエタン、ジクロロメタン等)、エーテル系溶媒(例えば、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル等の脂肪酸エステル)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等の鎖状ケトン;シクロヘキサノン等の環状ケトン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル等)、硫黄系溶媒(例えば、ジエチルスルホン等のスルホン系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルカノール類)、アミンオキシド系溶媒(例えば、N-メチルモルホリンN-オキシド)等}、水等が挙げられる。
溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
中でも、アミド系溶媒(例えば、DMAc、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ビニルピロリドン等)、硫黄系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド等)等の極性溶媒(例えば、非プロトン性極性溶媒又はプロトン性極性溶媒、特に、非プロトン性極性溶媒)を好適に使用できる。
このような溶媒(例えば、極性溶媒)のSP値[(cal/cm)1/2]は、例えば、5~16、好ましくは6~15、さらに好ましくは6.5~14(例えば、7~13)程度であってもよい。
なお、SP値は、例えば、ハンセン溶解度パラメータ(ハンセンによる方法)であってもよい。このようなハンセン溶解度パラメータは、例えば、ハンセン球法等により、測定ないし算出できる。
溶媒を含むドープにおいて、固形分(又は溶媒以外の成分、樹脂、他の成分等)濃度は、成形の態様等にもよるが、例えば、1~90質量%(例えば、3~95質量%)、好ましくは5~80質量%(例えば、10~70質量%)、さらに好ましくは15~60質量%(例えば、20~50質量%)等であってもよい。
特に、ドープを紡糸液(紡糸用液)等に用いる場合、固形分濃度は、例えば、5~80質量%、好ましくは8~70質量%、さらに好ましくは10~60質量%(例えば、15~55質量%、20~50質量%、25~45質量%、35~55質量%、30~60質量%)程度であってもよい。
ドープ(例えば、溶媒を含むドープ)において、ポリウレタン(A)の割合は、例えば、0.1質量%以上(例えば、0.5質量%以上)、好ましくは1質量%以上(例えば、2質量%以上)、さらに好ましくは3質量%以上(例えば、5質量%以上)程度であってもよく、8質量%以上(例えば、10質量%以上、12質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上)等とすることもできる。
ドープにおいて、ポリウレタン(A)の割合の上限値は、溶媒を含むか否か等に応じて適宜選択できる。特に、溶媒を含むドープにおいて、ポリウレタン(A)の割合(割合の上限値)は、99質量%以下(例えば、97質量%以下)程度の範囲から選択でき、95質量%以下(例えば、90質量%以下)、好ましくは85質量%以下(例えば、80質量%以下)、さらに好ましくは75質量%以下(例えば、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下)等とすることもできる。
ドープの粘度は、成形の態様(例えば、紡糸液として用いるか否か)や固形分濃度(例えば、上記のような紡糸液において好適な濃度とするか否か)等にもよるが、例えば、40℃において、10ポアズ(=1Pa・s=1000mPa・s)以上程度の範囲から選択してもよく、100ポアズ以上(例えば、200ポアズ以上、300ポアズ以上、400ポアズ以上)、好ましくは500ポアズ以上(例えば、600ポアズ以上、700ポアズ以上、800ポアズ以上)、さらに好ましくは1000ポアズ以上(例えば、1100ポアズ以上、1200ポアズ以上)程度であってもよく、1300ポアズ以上(例えば、1400ポアズ以上、1500ポアズ以上、1600ポアズ以上、1700ポアズ以上、1750ポアズ以上、1800ポアズ以上、1900ポアズ以上、2000ポアズ以上、2100ポアズ以上、2200ポアズ以上、2300ポアズ以上、2400ポアズ以上、2500ポアズ以上、2600ポアズ以上、2700ポアズ以上、2800ポアズ以上、2900ポアズ以上、3000ポアズ以上、3100ポアズ以上、3200ポアズ以上、3300ポアズ以上、3400ポアズ以上、3500ポアズ以上、3600ポアズ以上、3700ポアズ以上、3800ポアズ以上、3900ポアズ以上、4000ポアズ以上)等とすることもできる。
ドープの粘度(の上限値)は、限定されないが、40℃において、100000ポアズ以下程度の範囲から選択してもよく、80000ポアズ以下(例えば、60000ポアズ以下、50000ポアズ以下、40000ポアズ以下)、好ましくは30000ポアズ以下(例えば、20000ポアズ以下、15000ポアズ以下、12000ポアズ以下)、さらに好ましくは10000ポアズ以下(例えば、9000ポアズ以下、8000ポアズ以下)程度であってもよく、7000ポアズ以下(例えば、6500ポアズ以下、6000ポアズ以下、5500ポアズ以下、5000ポアズ以下、4500ポアズ以下、4400ポアズ以下、4300ポアズ以下、4200ポアズ以下、4100ポアズ以下、4000ポアズ以下、3900ポアズ以下、3800ポアズ以下、3700ポアズ以下、3600ポアズ以下、3500ポアズ以下、3400ポアズ以下、3300ポアズ以下、3200ポアズ以下、3100ポア以下、3000ポアズ以下、2900ポアズ以下、2800ポアズ以下、2700ポアズ以下、2600ポアズ以下、2500ポアズ以下、2400ポアズ以下、2300ポアズ以下、2200ポアズ以下、2100ポアズ以下、2000ポアズ以下、1900ポアズ以下、1850ポアズ以下、1800ポアズ以下)等とすることもできる。
ドープの粘度は、経時的に変化してもよいが、ドープとして使用する際には、上記のような範囲内となるような粘度を維持(保持)していてもよい。
また、ドープの粘度は、経時的に変化してもよいが、その変化は小さいのが好ましく、より好ましくは経時的に増粘するのが好ましい。
例えば、40℃において、ドープ調製時(例えば、ポリウレタン(A)を溶解させた(混合した)時の粘度(初期粘度、V1)と、調製[例えば、溶解させた(混合した)]後、さらに24時間経過(放置)後の粘度(24時間後粘度、V2)との割合(比、比率、粘度比、24時間後粘度/初期粘度、V2/V1)において、0.7以上(例えば、0.75以上)の範囲から選択でき、例えば、0.8以上(例えば、0.85以上、0.9以上)、好ましくは0.95以上(例えば、0.98以上、0.99以上)、さらに好ましくは1以上(例えば、1超、1.001以上、1.005以上)、特に1.01以上(例えば、1.02以上、1.03以上、1.04以上、1.05以上、1.06以上)を充足してもよく、1.08以上(例えば、1.1以上、1.15以上、1.2以上、1.25以上、1.3以上、1.35以上、1.4以上、1.45以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上、1.7以上、1.8以上、1.9以上等)を充足してもよい。
上記24時間後粘度/初期粘度(V2/V1)(の上限値)は、特に限定されず、例えば、20以下(例えば、15以下)程度の範囲から選択してもよく、例えば、10以下(例えば、8以下、7以下、6以下)、好ましくは5以下(例えば、4.5以下、4以下)、さらに好ましくは3.5以下(例えば、3.3以下、3.2以下、3.1以下、3以下、2.9以下、2.8以下、2.7以下、2.6以下、2.5以下、2.4以下、2.3以下、2.2以下、2.1以下、2以下、1.9以下、1.8以下、1.7以下、1.6以下、1.5以下、1.4以下、1.3以下)程度とすることもできる。
具体的な24時間後粘度/初期粘度(V2/V1)としては、例えば、0.7~10、1~5、1.01~4、1.03~3.5、1.1~3.3、1.2~3.5、1.05~3、1.05~1.2等が挙げられる。
このような範囲であれば、効率よく粘度低下を抑えられるか又は適度に増粘でき、成形性(紡糸性等)や物性の点で有利なものとしやすい。
なお、ドープにおける上記粘度(V1、V2)は、40℃において、十分に固形分(樹ポリウレタン(A)、樹脂(B)等)を溶解(分散)させた状態を起点(初期粘度(V1))とし、この起点から24時間経過後を終点(24時間後粘度(V2))として、粘度計(例えば、落球粘度計)を用いて測定(例えば、ASTM D1343-69の方法に従って測定)でき、例えば、後述の方法にて測定できる。
ドープは、ドープを構成する成分を混合することで製造できる。
このような混合において、ポリウレタン(A)の混合(添加)方法は、特に限定されない。例えば、溶媒及び樹脂(B)を含むドープは、ポリウレタン(A)を、樹脂(B)(又はその原料)及び溶媒を含む系中に混合して得てもよく、ポリウレタン(A)と樹脂(B)と溶媒とを一度に混合して得てもよい。
なお、混合の際には、適宜、ポリウレタン(A)の溶融(溶解)ないし分散を促進する等の目的で、加熱、撹拌を行ってもよく、各種成分を混合してもよい。
ドープは、成形品の形態等に応じた用途に利用でき、例えば、繊維(糸)の製造に好適に用いてもよい。
具体的には、ドープを紡糸することで、繊維(糸)を製造することができる。
繊維は、樹脂としてポリウレタン(A)を含んでおり、代表的には、ポリウレタン繊維(糸){例えば、ポリウレタンを主たる樹脂として含む[例えば、ポリウレタン(A)を主として含む、ポリウレタン(A)及びポリウレタン(B)を主として含む]ポリウレタン繊維(例えば、ポリウレタン弾性繊維)}であってもよい。
紡糸法としては、ドープを用いる方法であれば特に限定されず、例えば、溶液紡糸法(例えば、乾式紡糸法)を好適に利用してもよい。
このような紡糸法(例えば、乾式紡糸法)において、紡糸条件等もまた公知ないし慣用のものを利用でき、特に限定されない。なお、得られた繊維(糸)には、適当なタイミング(例えば、巻き取る際等)において、慣用の添加剤(繊維処理剤又は仕上げ剤、例えば、シリコーン類、油剤、無機物や無機多孔質等の前述の成分等)による処理(又は表面処理)を行ってもよい(慣用の添加剤を付与、付着又は含有させてもよい)。
前記ドープ(又はポリウレタン(A))を用いることで、成形品[繊維(糸)等]を得ることができる。そのため、本発明には、このような成形品も含まれる。
このような成形品は、通常、ポリウレタン(A)やドープの態様を反映していてもよい。例えば、ポリウレタン(A)やドープが、前記のように高分子量成分や他の成分を含む場合、成形品もまた、このような成分を含んでいてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら制限されるものではない。
まず、各物性等の測定・評価方法等を示す。なお、特に規定がない限り、23℃、相対湿度60%の条件にて測定を行った。
<粘度>
粘度は、40℃において、モデルDV-8落球粘度計(Duratech Corp.(Waynesboro,VA))を用いてASTM D1343-69の方法に従って測定した。なお、粘度管内径は31.4(±0.2)mmのものを使用した。
<20質量%のDMAc溶液における、初期と24時間後の粘度比>
試料(ポリウレタン、ポリウレタン(A))を、十分に乾燥(真空乾燥機にて40℃程度、減圧度1キロパスカル以下で8時間)させた後、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)に20質量%の濃度となるように混合し、23℃(雰囲気温度)で4時間撹拌し、20質量%DMAc溶液を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
得られた20質量%DMAc溶液を、40℃(落球粘度計の恒温槽の温度)において2時間放置して安定させた後、前記<粘度>に記載の方法にて、40℃における初期粘度(2時間放置して安定させた後の粘度)及び24時間放置(さらに、24時間経過)後のそれぞれについて測定した。
そして、得られた初期粘度と24時間後粘度から、これらの粘度比(初期粘度/24時間後粘度)を算出した。
<ドープの初期と24時間後の粘度比>
ドープ(紡糸液)を、40℃(落球粘度計の恒温槽の温度)において2時間放置して安定させた後、前記<粘度>に記載の方法にて、40℃における初期粘度(2時間放置して安定させた後の粘度)及び24時間放置(さらに、24時間経過)後のそれぞれについて測定した。
そして、初期粘度と24時間後粘度から、これらの粘度比(初期粘度/24時間後粘度)を算出した。
<分子量>
GPCによる分子量測定は次の条件で実施した。
カラム:昭和電工(株)製 SHODEX KF-806M2本
溶媒:N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc) 1ml/min
温度:40℃
検出器:示差屈折計(RI検出器)
標準物質:ポリスチレン
<繊維径・サイズ>
包埋剤(パラフィン樹脂ないしエポキシ樹脂)にて包埋し、繊維軸に垂直方向の繊維横断面をSEMでフィラメントが観察できる倍率として画像を撮影して求めた。
撮影された各画像から同一画像内で無作為に抽出した繊維の面積を測定し、真円換算で求められる直径をμm単位で小数点1桁目まで測定した。これを10フィラメントについて行った結果の単純な数平均を求め、小数点第1位を四捨五入した値を繊維径(μm)とした。
ここで繊維軸に垂直方向の繊維横断面に中空部や間隙部が存在する場合には、繊維の面積に中空部の面積も加えた。
また、長さ・サイズ(大きさ)も、同様にしてSEMにて測定した。
<紡糸性>
乾式紡糸にて、22dtex、3フィラメントの糸(繊維)を96時間連続紡糸したときの糸切れ回数をカウントし、以下の判定を行った。
糸切れ回数0回=非常に良好 ◎
糸切れ回数1~2回=良好 〇
糸切れ回数3~4回=可 △
糸切れ回数5回以上=不良 ×
<破断伸度、破断強度>
破断伸度、破断強度は、試料を、インストロン5564型引張試験機を用いて引張テストすることにより測定した。
試長5cm(L1)の試料を50cm/分の引張速度で300%伸長を5回繰返した。このとき、300%伸長時の応力を(G1)とした。次に試料の長さを300%伸長のまま30秒間保持した。30秒間保持後の応力を(G2)とした。次に試料の伸長を回復せしめ応力が0になった際の試料の長さを(L2)とした。この300%伸張、保持及び回復の操作を繰り返し、6回目の伸張において試料が切断するまで伸長した。この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L3)とした。以下、上記特性は下記式により算出される。
破断強度(cN)=(G3)
20以上:◎、17以上20未満:〇、14以上17未満:△、14未満:×
破断伸度(%)=100×((L3)-(L1))/(L1)
480以上:◎、460以上480未満:〇、430以上460未満:△、430未満:×
<耐熱性>
ナイロンフィラメント(24dtex、7フィラメント)85重量%と試料(繊維、44dtex)15重量%とからなる機上ウエル数9/インチ、機上コース数18/インチの2ウエイハーフトリコットを、通常の編成方法で作製し、生編布帛とした。
得られた生編布帛を、170℃、60秒間、3%伸長下の条件でプレセットし、0.1mlの薬剤1を塗布し、続いて(ほぼ同時ないし1分以内に)0.1mlの薬剤2を塗布した後、乾熱処理(175℃、60秒間の乾熱処理後、一旦取り出し室温まで放熱した後、180℃、60秒間で乾熱処理)を行い、次に、縦横両方向交互に最大20%伸長、2回/秒の屈曲試験機にかけた。なお、薬剤1にはオレイン酸1%含有する鉱物油系ナイロン用紡糸油剤を使用した。また、薬剤2には酢酸銅水溶液(銅濃度100ppm)を使用した。このようにして薬剤1及び薬剤2を付着させた生編布帛は、染色前の段階のナイロン系ストレッチ生編布帛に、編成時の機械油(金属分混入)とナイロン用紡糸油剤が微量付着していることをモデル的に再現したものであり、生編布帛0.9gに対する薬剤1の付着量は3.0mg、薬剤2の付着量は3.0mgであった。
得られたストレッチ布帛を、常法にて染色した。
得られた染色ストレッチ布帛における試料(ポリウレタン)組織の損傷の程度を目視または拡大して観察し、次の基準で判定を行った。なお、判定は5人で行い、最頻値(最も多く現れた判定)を用いた。また、2人、2人、1人と判定が分かれた場合は、判定は「△」とした 。
◎:損傷がなく、編組織も均質である。
○:損傷がない。
△:生地にへたり、陥没がみられ、拡大観察すると試料(ポリウレタン弾性繊維)が脆化している。
×:布帛に穴が空いている。
<複合耐久性、耐黄化性>
複合耐久性は、試料糸を100%伸長し、以下の(ア)(イ)(ウ)の暴露処理後の破断強度の保持率を求めた。
耐黄化性(黄変色性)の測定サンプル形態および測定法は、試料糸を5×5cmの試料板に、試料板の色の影響が現れない程度に密接に最小の荷重で巻き取り、試料とした。試料及び常用標準白色面(JIS Z 8722の4.3.4)の前面を均質平たんで透明な約1mmのガラス板で密着させて覆った。b値の測定は、JIS L 1013のC法(ハンターの方法)に準じ、ハンター形色差計を用い、下記式に基づき算出した。測定回数は、5回とし、その平均値を採用した。
b=7.0(Y-0.847Z)/Y1/2
(但し、X、Y、ZはJIS Z 8701により算出した)
耐黄化性(黄変色性)は、試料を(ア)および(イ)の暴露処理後の黄変度(以下Δbと略記)によって評価した。各暴露処理の際、黄変度は下記のようにして算出した。
Δb=暴露処理後のb値-暴露処理前のb値
各暴露処理は下記のとおり実施した。
(ア)紫外線(UV)暴露処理
スガ試験機(株)社製のカーボンアーク型ウェザーメーターを用い、63℃、60%RHの温湿度で試料を25時間暴露処理した。
(イ)窒素酸化物(NOx)暴露処理
試料スタンドが回転する密閉容器(スコットテスター)を用い、NOガス10ppm、40℃、60%RHの温湿度で試料を20時間暴露処理した。
(ウ)塩素漂白剤(Cl)暴露処理
恒温槽中の花王(株)製「花王ハイター」500ppm水溶液に試料を40℃、30分間暴露後、10分水洗というサイクルを8回繰り返した。
判定基準は以下の通りである。
・複合耐久性
60%以上を◎、40%以上60%未満を〇、20%以上40%未満を△、20%未満を×
・黄変度
3未満を◎、3以上6未満を〇、6以上10未満を△、10以上を×
[参考例1]
分子量2,000のテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’-MDI)およびエチレンジアミン(EDA)を含むN、N’-ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略する場合がある)溶液(35質量%)を重合しポリマー溶液PUUVとした。
なお、4,4’-MDIと2,4’-MDIのモル比は97:3とし、重合停止剤にはジエチルアミンを使用し、エチレンジアミンとジエチルアミンのモル比は8:1とした。
次に、酸化防止剤として、t-ブチルジエタノールアミンとメチレン-ビス-(4-シクロヘキシルイソシアネート)との反応によって生成せしめたポリウレタン(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2462)と、p-クレゾールとジビニルベンゼンの縮合重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390)との1対1(質量比)の混合物を用い、この混合物のDMAc溶液(35質量%)を調製し、酸化防止剤溶液とした。
上記の溶液PUUV、酸化防止剤溶液、エチレンジアミンを、それぞれ、99.5質量部、0.5質量部、0.1質量部の割合にて均一に混合し、濃度35質量%の紡糸原液(紡糸液、ドープ)とした。
なお、紡糸原液の初期粘度は1900P(ポアズ)(=19万mPa・s)、24時間後の粘度は1850Pであり、これらの粘度比は0.97と算出された。
こうして得られた紡糸原液をそのままドープとして用いて、紡糸溶液中のDMAcおよび浮遊するエチレンジアミンを紡糸原液含有量の1/100以下になる様に乾燥窒素温度300℃以上にて乾式紡糸した。
このとき、ゴデローラーと巻取機の速度比を1:1.20として、22dtex/3filのマルチフィラメントの繊維(ポリウレタン弾性繊維)を紡糸して、巻き取り前のオイリングローラーによって後述する処理剤(油剤)をローラー給油し、巻き取り速度が600m/分で、長さ58mmの円筒状紙管に、巻き幅38mmを与えるトラバースガイドを介して、サーフェイスドライブの巻取機を用いて巻き取り、500gの巻糸体として乾式紡糸繊維(ポリウレタン弾性繊維)を得た。
得られた繊維は3本のフィラメントを合着させた合着糸であった。処理剤付与量が糸に対して所定量になるようにオイリングローラーの回転数を調整した。また、処理剤の付与量は、JIS-L1073(合成繊維フィラメント糸試験方法)に準拠して、抽出溶剤としてn-ヘキサンを用いて測定した。
ここで使用した処理剤の組成は、25℃で1×10-5/sの粘度を有するポリジメチルシロキサン80質量部、25℃で1.2×10-5/sの粘度を有する鉱物油15質量部、平均粒子径0.5μmのジステアリン酸マグネシウム塩5質量部の混合物である。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、20000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
[参考例2]
参考例1において、調製した溶液PUUVを、そのまま、紡糸原液(濃度35質量%の紡糸原液)とした。
なお、紡糸原液の初期粘度は2200P、24時間後の粘度は2000Pであり、これらの粘度比は0.91と算出された。
そして、この紡糸原液をドープとしてそのまま用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、27000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、得られる繊維において、より物性面(破断強度、破断伸度、耐熱性、耐黄化性)において劣る結果となった。
[参考例3]
参考例2において、4,4’-MDIと2,4’-MDIのモル比を98:1、エチレンジアミンとジエチルアミンのモル比を12:1としたこと以外は、参考例2と同様にして、紡糸原液(濃度35質量%の紡糸原液)を得た。
なお、紡糸原液の初期粘度は3000P、24時間後の粘度は2450Pであり、これらの粘度比は0.82と算出された。
そして、この紡糸原液をドープとしてそのまま用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、30000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、得られる繊維において、より物性(破断強度、耐熱性、耐黄化性)において劣る結果となった。
[参考例4]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、BDO(ブタンジオール))、溶融紡糸法により製造されたポストコンシューマー糸の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)244μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は2200P、24時間後の粘度は1975Pと測定され、これらの粘度比は0.90と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は23000であり、数平均分子量100万以上の領域(数平均分子量100万以上に相当するGPCチャートの領域)にピーク(ピークトップ)は無かった。
次に、上記ポリウレタンと、参考例1で得た紡糸原液と、DMAcとを混合し、23℃(雰囲気温度)で4時間撹拌し、溶液を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
そして、得られた溶液を、さらに濃縮し、ドープを得た。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は2200P、24時間後の粘度は1700Pであり、これらの粘度比は0.77と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、20000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、得られる繊維において、より物性(耐黄化性)において劣る結果となった。
[実施例1]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、BDO)、乾式紡糸法により製造されたポストコンシューマー糸の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)260μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は1800P、24時間後の粘度は2000Pと測定され、これらの粘度比は1.11と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は30000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった(存在した)。
そして、このポリウレタンを用いて、参考例4と同様にしてドープを得た。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は2600P、24時間後の粘度は2600Pであり、これらの粘度比は1.00と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、29000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断伸度、耐熱性、複合耐久性)において顕著に優れる結果となった。
前述の通り、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)は、参考例1とは別に製造した参考例2ないし3のドープに比べると優れた物性を実現できるドープであるが、この参考例1で得られたドープに比べても、このような紡糸性の顕著な改善やさらなる物性面の顕著な改善を実現できた。
[実施例2]
実施例1において、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が60質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、ドープ(濃度35質量%のドープ)を得た。
このドープの初期粘度は1950P、24時間後の粘度は2600Pであり、これらの粘度比は1.33と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、29500であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性)において顕著に優れる結果となった。
なお、物性(破断強度)は、より添加割合の少ない実施例1に比べて、顕著に優れるものとなった。
[実施例3]
実施例1において、ドープ(35質量%)に、金属石鹸(ステアリン酸マグネシウム)のDMAc分散液(35質量%)、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)のDMAc分散液(35質量%)をドープ98質量部に対しそれぞれ1質量部となるように均一に混合(配合)したこと以外は、実施例1と同様にして、ドープを得た。
このドープの初期粘度は1900P、24時間後の粘度は2700Pであり、これらの粘度比は1.42と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、30000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性)に顕著に優れる結果となった。
なお、紡糸性及び物性(破断強度、破断伸度)は、金属石鹸及び界面活性剤を配合していない実施例1に比べて、顕著に優れるものとなった。
そのため、ポリウレタンとして金属石鹸(さらには界面活性剤)を含むものを使用しても、同様の結果が得られることとなる。
このことを確認すべく、金属石鹸(及び界面活性剤)を同量となるように、予めポリウレタンに含有させて、上記と同様に乾式紡糸繊維を得たが、紡糸性および物性において同様の傾向を示した。
なお、予め金属石鹸(及び界面活性剤)を含有させたポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は1760P、24時間後の粘度は1970Pと測定され、これらの粘度比は1.12と算出された。
[実施例4]
実施例1において、ドープ(35質量%)に、酸化防止剤(エチレン-1,2-ビス(3,3-ビス[3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]ブチレート))のDMAc溶液(35質量%)をドープ97質量部に対し3質量部となるように均一に混合(配合)したこと以外は、実施例1と同様にして、ドープを得た。
このドープの初期粘度は1800P、24時間後の粘度は2600Pであり、これらの粘度比は1.44と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、31000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性)に顕著に優れる結果となった。
なお、紡糸性及び物性(破断強度、耐熱性、複合耐久性)は、酸化防止剤を配合していない実施例1に比べて、顕著に優れるものとなった。
そのため、ポリウレタンとして酸化防止剤を含むものを使用しても、同様の結果が得られることとなる。
このことを確認すべく、酸化防止剤を同量となるように、予めポリウレタンに含有させて、上記と同様に乾式紡糸繊維を得たが、紡糸性および物性において同様の傾向を示した。
なお、予め酸化防止剤を含有させたポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は1710P、24時間後の粘度は1900Pと測定され、これらの粘度比は1.11と算出された。
[実施例5]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、乾式紡糸法により製造されたポストコンシューマー糸の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)220μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は2900P、24時間後の粘度は3050Pと測定され、これらの粘度比は1.05と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は30000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった。
そして、このポリウレタンを用いて、参考例4と同様にしてドープを得た。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は2600P、24時間後の粘度は2800Pであり、これらの粘度比は1.08と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、30000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性)に顕著に優れる結果となった。
実施例1で使用したものとは異なるポリウレタンであるが、同様の傾向を示すことがわかった。
[実施例6]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、乾式紡糸法により製造された巻糸体の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)225μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は3000P、24時間後の粘度は3900Pと測定され、これらの粘度比は1.30と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は30500であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった。
そして、このポリウレタンを用いて、参考例4と同様にしてドープを得た。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は2900P、24時間後の粘度は3200Pであり、これらの粘度比は1.10と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、33000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性)に顕著に優れる結果となった。
実施例1で使用したものとは異なるポリウレタンであるが、同様の傾向を示すことがわかった。
特に、20質量%のDMAc溶液における24時間後の粘度比が、実施例1で使用したポリウレタンに比べても大きいためか、紡糸性の改善は格別顕著なものであった。
[実施例7]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、乾式紡糸法により製造された巻糸体の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)560μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は4200P、24時間後の粘度は6500Pと測定され、これらの粘度比は1.55と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は30000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった。
次に、上記ポリウレタンの20質量%のDMAc溶液を35質量%のDMAc溶液となるまで60℃で減圧濃縮し、参考例1で得た紡糸原液と混合し、2時間撹拌し、溶液(ドープ)を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は2900P、24時間後の粘度は4200Pであり、これらの粘度比は1.45と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、30000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性、耐黄化性)に顕著に優れる結果となった。
実施例1で使用したものとは異なるポリウレタンであり、ドープの調製方法も変更したが、同様の傾向を示すことがわかった。
[実施例8]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、乾式紡糸法により製造された巻糸体の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)1265μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は2900P、24時間後の粘度は8600Pと測定され、これらの粘度比は2.97と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は29000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった。
次に、上記ポリウレタンの20質量%のDMAc溶液を35質量%のDMAc溶液となるまで80℃で減圧濃縮し、参考例1で得た紡糸原液と混合し、溶液(ドープ)を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は2680P、24時間後の粘度は3800Pであり、これらの粘度比は1.42と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、29000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性、耐黄化性)に顕著に優れる結果となった。
実施例1で使用したものとは異なるポリウレタンであり、ドープの調製方法も変更したが、同様の傾向を示すことがわかった。
[実施例9]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、乾式紡糸法により製造された巻糸体の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)1205μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は4200P、24時間後の粘度は10500Pと測定され、これらの粘度比は2.50と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は28000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった。
次に、上記ポリウレタンと、参考例1で得た紡糸原液と、ジエチルアミンとを混合し、2時間撹拌し、溶液(ドープ)を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%、ジエチルアミンの割合が0.2質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は3300P、24時間後の粘度は4300Pであり、これらの粘度比は1.30と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、44000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性)に顕著に優れる結果となった。
実施例1で使用したものとは異なるポリウレタンであり、ドープの調製方法も変更したが、同様の傾向を示すことがわかった。
[実施例10]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、乾式紡糸法により製造された巻糸体の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)1245μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は4200P、24時間後の粘度は6600Pと測定され、これらの粘度比は1.57と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は30000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった。
次に、上記ポリウレタンの20質量%のDMAc溶液98質量部に、界面活性剤(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル)の20質量%DMAc溶液2質量部を配合し、溶液を調製した。そして、参考例1で得た紡糸原液と混合した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
そして、得られた溶液を、さらに濃縮し、ドープを得た。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%、界面活性剤の割合が0.6質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は3300P、24時間後の粘度は4300Pであり、これらの粘度比は1.30と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、40000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性)に顕著に優れる結果となった。
実施例1で使用したものとは異なるポリウレタンであり、ドープの調製方法も変更したが、同様の傾向を示すことがわかった。
[実施例11]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、乾式紡糸法により製造された巻糸体の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)1222μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は2800P、24時間後の粘度は9000Pと測定され、これらの粘度比は3.21と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は33000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった。
次に、上記ポリウレタンと、参考例1で得た紡糸原液と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤{エチレン-1,2-ビス(3,3-ビス[3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]ブチレート)}の20質量%DMAc溶液を混合し、溶液を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
そして、得られた溶液を、さらに濃縮し、ドープを得た。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の割合が1.0質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は4200P、24時間後の粘度は8080Pであり、これらの粘度比は1.92と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、34000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、破断伸度、耐熱性、複合耐久性)に顕著に優れる結果となった。
実施例1で使用したものとは異なるポリウレタンであり、ドープの調製方法も変更したが、同様の傾向を示すことがわかった。
[実施例12]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、乾式紡糸法により製造された巻糸体の粉砕品(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)660μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は2800P、24時間後の粘度は9000Pと測定され、これらの粘度比は3.21と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は33000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった。
次に、上記ポリウレタンに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤{エチレン-1,2-ビス(3,3-ビス[3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]ブチレート)}およびエチレンジアミンの20質量%DMAc溶液を混合し、溶液(ドープ)を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
このドープの濃度は35質量%(うち、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の濃度が0.7質量%、エチレンジアミンの濃度が0.07質量%)であった。
また、このドープの初期粘度は7200P、24時間後の粘度は12100Pであり、これらの粘度比は1.68と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、53000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(破断強度、複合耐久性)に顕著に優れる結果となった。
実施例1で使用したものとは異なるポリウレタンであり、ドープにおけるポリウレタンの割合も実施例12から変更した(ドープにおけるポリウレタンを上記のみとした)が、同様の傾向を示すことがわかった。
なお、他の実施例との比較から、上記ポリウレタンと別途ポリウレタンの重合成分とを組み合わせてドープを構成する場合、より物性の点で有利であることが示唆された。
[実施例13]
ポリウレタンウレア樹脂成形品(RIM成形品)[ポリウレタンウレア組成(PTMG、MDI、EDA)の粉砕品(粒状、粒子径約0.1~2mm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は2900P、24時間後の粘度は3200Pと測定され、これらの粘度比は1.10と算出された。
次に、上記ポリウレタンと、参考例1で得た紡糸原液と、ジエチルアミンと、DMAcとを混合し、40℃(雰囲気温度)で2時間撹拌し、溶液を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
そして、得られた溶液を、さらに濃縮し、ドープを得た。
このドープの濃度は35質量%であり、ドープに含まれる固形分(ポリマー、ポリウレタン)全体に占める上記ポリウレタンの割合が30質量%、ジエチルアミンの割合が0.06質量%となるようにした。
また、このドープの初期粘度は3000P、24時間後の粘度は2800Pであり、これらの粘度比は0.93と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、12000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性が顕著に改善し、得られる繊維においても物性(耐熱性)に顕著に優れる結果となった。
実施例1で使用したものとは異なるポリウレタンであるが、同様の傾向を示すことがわかった。なお、他の実施例との比較から、ポリウレタンの形状が繊維状である方が、より紡糸性や物性の点で有利であることが示唆された。
[実施例14]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、湿式紡糸法により製造されたポストコンシューマー糸の巻糸体(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)660μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は2800P、24時間後の粘度は12000Pと測定され、これらの粘度比は4.29と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は33000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークが無かった。
次に、上記ポリウレタンと、DMAcとを混合し、23℃(雰囲気温度)で2時間撹拌し、溶液を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
そして、得られた溶液を、さらに濃縮し、ドープを得た。
このドープの濃度は35質量%であった。
また、このドープの初期粘度は6600P、24時間後の粘度は13400Pであり、これらの粘度比は2.03と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、34000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、得られる繊維において物性において遜色がないか又は一部の物性(複合耐久性)において顕著に優れる結果となった。
なお、他の実施例との比較から、20質量%のDMAc溶液における24時間後の粘度比が大きすぎない場合や高分子量成分を含む場合、より紡糸性や物性の点で有利であることが示唆された。
[実施例15]
繊維状のポリウレタン[ポリウレタン組成(PTMG、MDI、EDA)、湿式紡糸法により製造されたポストコンシューマー糸の巻糸体(長さ約2mm、繊維径(平均繊維径)1290μm)]を準備した。
なお、粉砕には三枚刃ヘリカルカッティング方式粉砕機を用いて、2mmのサイズとなるまで粉砕を実施した。
このポリウレタンについて、20質量%のDMAc溶液における初期粘度は2200P、24時間後の粘度は8850Pと測定され、これらの粘度比は4.02と算出された。
また、このポリウレタンの数平均分子量は33000であり、数平均分子量100万以上の領域にピークがあった。
次に、上記ポリウレタンと、DMAcとを混合し、23℃(雰囲気温度)で2時間撹拌し、溶液を調製した。
なお、攪拌には円筒型容器を用い、容器の底面に対し投影面外形の85%をカバーするヘリカルリボンの撹拌翼を使用した。
そして、得られた溶液を、さらに濃縮し、ドープを得た。
このドープの濃度は35質量%であった。
また、このドープの初期粘度は3020P、24時間後の粘度は6450Pであり、これらの粘度比は2.14と算出された。
そして、このドープを用いて、参考例1と同様にして、乾式紡糸繊維を得た。
なお、繊維(又は糸)を構成するポリマーの数平均分子量は、42000であった。
各種評価等を含めた結果を表に示す。
表からも明らかなように、上記ポリウレタンを配合したドープ(紡糸原液)を用いると、参考例1で得られたドープ(紡糸原液)を用いた場合に比べ、紡糸性において顕著に改善でき、得られる繊維においても物性において遜色がないか又は一部の物性(複合耐久性)において顕著に優れる結果となった。
なお、他の実施例との比較から、20質量%のDMAc溶液における24時間後の粘度比が大きすぎない場合、より紡糸性や物性の点で有利であることが示唆された。
Figure 0007470229000002
本発明によれば、添加剤等を提供できる。このような添加剤は、ドープ用の添加剤等として好適に使用しうる。

Claims (30)

  1. ドープ用の添加剤であって、40℃において、20質量%でジメチルアセトアミドに溶解させた時の粘度をV1、溶解させた後、さらに40℃において24時間経過後の粘度をV2とする時、V2/V1の値が1以上5以下であり、GPCにおいて、分子量100万以上の領域にピークを有するポリウレタン(A)で構成された添加剤。
  2. ポリウレタン(A)のV2/V1の値が1.01~4.29である、請求項1記載の添加剤。
  3. ポリウレタン(A)のV2/V1の値が1.02~3.5である、請求項1記載の添加剤。
  4. ポリウレタン(A)のV2/V1の値が1.05~3.21である、請求項1記載の添加剤。
  5. ポリウレタン(A)のV2が1000ポアズ以上である、請求項1記載の添加剤。
  6. ポリウレタン(A)が、下記(i)又は(ii)を充足する、請求項1記載の添加剤。
    (i)V2が1000~5000ポアズであり、V2/V1の値が1.05以上
    (ii)V2が5000ポアズ超であり、V2/V1の値が3.5以下
  7. ポリウレタン(A)の数平均分子量が10000以上である、請求項1記載の添加剤。
  8. ポリウレタン(A)が、金属石鹸、界面活性剤及び酸化防止剤から選択された少なくとも1種を含む、請求項1記載の添加剤。
  9. ポリウレタン(A)が0.003~3質量%の割合で金属石鹸を含む、請求項1記載の添加剤。
  10. ポリウレタン(A)が、界面活性剤を0.003~3質量%の割合で含む、及び/又は酸化防止剤を0.002~5質量%の割合で含む、請求項1記載の添加剤。
  11. ポリウレタン(A)が繊維状である、請求項1記載の添加剤。
  12. ポリウレタン(A)が、製造後1ヶ月以上保管した成形品、成形屑及びポストコンシューマー品から選択された少なくとも1種である、請求項1記載の添加剤。
  13. 粘度調整剤である、請求項1記載の添加剤。
  14. ドープがポリウレタンドープである、請求項1記載の添加剤。
  15. 請求項1~14のいずれかに記載のポリウレタン(A)を含むドープ。
  16. ポリウレタン(A)の割合が1質量%以上である、請求項15記載のドープ。
  17. さらに、樹脂(B)を含む、請求項15記載のドープ。
  18. さらに、樹脂(B)を含み、樹脂(B)がポリウレタン(B)を含む、請求項15記載のドープ。
  19. さらに、樹脂(B)を含み、
    ポリウレタン(A)及び樹脂(B)の総量に対する、ポリウレタン(A)の割合が3質量%以上である、請求項15記載のドープ。
  20. さらに、樹脂(B)を含み、
    樹脂(B)がポリウレタン(B)を含み、
    ポリウレタン(A)及びポリウレタン(B)の総量に対する、ポリウレタン(A)の割合が10~90質量%である、請求項15記載のドープ。
  21. ドープを構成する樹脂の数平均分子量が10000以上である、請求項15記載のドープ。
  22. 金属石鹸、界面活性剤及び酸化防止剤から選択された少なくとも1種を含む、請求項15記載のドープ。
  23. アミド系溶媒及び硫黄系溶媒から選択された少なくとも1種を含む溶媒を含む、請求項15記載のドープ。
  24. 溶媒を含み、固形分濃度が5~80質量%である、請求項15記載のドープ。
  25. 40℃において、調製時の粘度をV1、調製後、さらに40℃において24時間経過後の粘度をV2とする時、V2/V1の値が0.8以上である、請求項15記載のドープ。
  26. 40℃において、調製時の粘度をV1、調製後、さらに40℃において24時間経過後の粘度をV2とする時、V2/V1の値が1~5である、請求項15記載のドープ。
  27. 40℃において、調製時の粘度をV1、調製後、さらに40℃において24時間経過後の粘度をV2とする時、V2/V1の値が1.01~3.5であり、粘度V1及びV2が1000~10000ポアズである、請求項15記載のドープ。
  28. 請求項15記載のドープを紡糸し、繊維を製造する方法。
  29. 請求項15記載のドープを用いて得られる繊維。
  30. 請求項1~14のいずれかに記載のポリウレタン(A)を含む繊維。
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