JP7469841B2 - 口内乾燥症の治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は口内乾燥症の治療で使用するための化合物に関する。
口内乾燥症及び口腔乾燥は、医学的な本質として口腔乾燥症(xerostomia)及び唾液分泌減退を包含する一般用語である。口腔乾燥症は口腔乾燥の自覚症状であって、医学的には症状として分類される。唾液分泌減退は、唾液腺機能の低下の結果としての唾液分泌の客観的な減少である。一般に、これらの状態は相互に密接に関連しており、減少した唾液の分泌が口腔乾燥症の最も多い原因であり、唾液分泌率が少なくとも50%低下した場合に唾液分泌減退が口腔乾燥の症状を引き起こすということが一般に受け入れられている(https://www.eaom.eu/pdf/content/dry_mouth.pdf)。また、口内乾燥症は他の症状、例えば舌荒れ、口内炎及び唇のひび割れを引き起こす。さらにそれは嚥下障害にもつながる。
口内乾燥症には多くの原因がある。それは脱水の結果であることが多い。頭頸部がんに対する放射線治療は唾液腺を損傷させることが多く、唾液分泌減退の原因となる。また、いくつかの疾患、例えば糖尿病及びシェーグレン症候群は唾液産生に影響する。より深刻には口内乾燥症は特定の薬剤の副作用になり得る。実際、副作用として口内乾燥症が挙げられている1800種を超える一般処方薬がある。
特に注目すべきは、口内乾燥症が抗コリン性薬物の副作用であることである。唾液分泌は自律神経活動の制御下にあって、流体出力の速度は、唾液分泌に関与している唾液腺細胞におけるムスカリンアセチルコリン受容体(mAChRs)によって仲介される副交感神経活性で調節される(非特許文献1、非特許文献2)。mAChRサブタイプに関して、M1及びM3の両方のサブタイプが唾液腺に存在すると報告されているが、結果は決定的ではない。どのmAChRサブタイプが、特には生理的条件で唾液のコリン性制御に、どの程度寄与するか議論されているが、M3ムスカリン受容体の拮抗剤が副作用としての口内乾燥症につながることが多く見られる。
特許文献1は、治療上有効量の第1化合物と治療上有効量の第2化合物とを含む医薬組成物を開示している。第1化合物は抗ムスカリン性又は抗コリン性物質で、第2化合物は唾液腺を刺激する。特許文献1における第2化合物は、とりわけピロカルピン、セビメリン、及びアミホスチン又はそれらの薬学上許容される塩又はプロドラッグからなる群から選択されるコリン作動薬である。この組み合わせは、受容体レベルでは、M2/M3ムスカリン拮抗薬の有害作用が意図された治療と協調はするものの、反対方向に機能するコリン性物質で無効にされるか、あるいは否定されるという概念に基づく。事例研究では、特許文献1は、オキシブチニン及びピロカルピンの組み合わせ使用について記載しており、5mgのオキシブチニンと5mgのピロカルピンとの組み合わせがベースラインと比較して唾液産生をわずかに増加させている。
特許文献2は、M3ポジティブアロステリックモジュレーターとしてのビアリールアミド化合物及び口内乾燥症を含むその医薬用途を開示する。特許文献2はポジティブアロステリックモジュレーターがリガンド結合部位以外のアロステリック部位に結合し、主に受容体の構造変化を引き起こし、作動剤と受容体との間の結合力を増大させ、アゴニストシグナルレベルを変化させることを説明している。ポジティブアロステリックモジュレーターはin vivoではそれら自体にアゴニスト効果を示すわけではなく、M3作動剤の活性を増強すると言われている。
ピロカルピンは唾液分泌に用量依存的に影響する。ヒトでの試験で、2.5、5及び10mgのピロカルピンが唾液分泌を増加させた(下記実施例1参照)。しかし、臨床的に意義のある投与量(5mg及び10mg qd)では、かなりの数の患者が発汗してしまう。このため、ピロカルピンは口内乾燥症の症状を軽減するが、さらに副作用として多汗症をもたらす。さらに、ラットの実験において、唾液分泌に対するピロカルピンの効果は持続期間が短く、初期の唾液分泌レベルに、約60分後に達してしまう(図1)ことが示された。
Baum, Ann NY Acad Sci. 1993;694:17-23 Cook et al., Physiology of the Gastrointestinal Tract. Raven, New York: 1994. pp. 1061-1117
国際公開第2007/027675号 国際公開第2019/189766号 欧州特許出願公開第3153511号明細書 欧州特許第3153511号明細書
したがって、多汗症のようなさらなる副作用をもたらすことなく口内乾燥症を軽減する薬剤がさらに必要とされている。また、効果が長続きする薬剤があることは有益である。
本発明者は、本発明に係る化合物がこの必要性に対応可能であることを見出した。本発明の基礎となるこの知見は、少なくとも3つの点で驚くべきものである。第1に、本発明に係る化合物はムスカリン作動剤又は抗コリン性作動剤のいずれの処理がなくても口内乾燥症の治療に有用であることである。第2に、本発明に係る使用のための化合物は発汗を引き起こすことなく口内乾燥症の治療に有用であることである。第3に、本発明に係る化合物の効果が長続きすることである。
本発明における使用のための化合物及びその製造方法は、特許文献3で知られている。特許文献3には本発明に係る使用のための化合物、並びにムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮に関連する膀胱及び尿路疾患の治療のためのその使用について記載されている。特許文献3はそこに開示された化合物が口内乾燥症の治療に有用であることは開示も示唆もしていない。
本発明に係る使用のための化合物は、特許文献4における実施例144の、フリー体の化合物、そのエステル又は二マレイン酸塩のようなその薬学上の塩である。
覚醒ラットにおける唾液分泌に対するピロカルピン(経口)の影響を示す。 覚醒ラットにおける本発明の化合物(経口)の影響を示す。 ピロカルピンの臨床試験の結果を示す。 本発明の化合物の単回投与の臨床試験の結果を示す。 本発明の化合物の複数回投与の臨床試験の結果を示す。 参照M3 PAMの臨床試験の結果を示す。
さらに、本発明に係る化合物の薬学上許容されるプロドラッグも記載される。薬学上許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解によって、あるいは生理的な条件下でアミノ基、水酸基又はカルボキシル基などに転換し得る基を有する化合物をいう。プロドラッグを形成する基の例は、Prog. Med., 5, 2157-2161 (1985)又は"Pharmaceutical Research and Development" (Hirokawa Publishing Company, 1990), vol. 7, Drug Design, 163-198に記載されたものなどである。
さらに、化合物の塩は、化合物の薬学上許容される塩、及び一部の例では置換基の種類に応じて酸付加塩又は塩基を有する塩を形成する化合物である。具体的には、それらの例として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸などの無機酸、及びギ酸、酢酸、プロパン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトリル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などの有機酸を有する酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムなどの金属アニオンを有する塩、メチルアミン、エチルアミン及びエタノールアミンなどの有機塩基を有する塩、アセチルロイシン、リシン及びオルニチンなどの各種アミノ酸又はアミノ酸の誘導体を有する塩、並びにアンモニウム塩などが挙げられる。
さらに、本発明は、化合物及びその塩の各種の水和物又は溶媒和物並びに結晶多形物質も包含する。また、本発明は、種々の放射性又は非放射性同位体でラベルされた化合物も包含する。
有効成分として化合物を含む医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、すなわち、薬剤用賦形剤及び薬剤用担体などを用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤及び液剤などによる経口投与、あるいは、関節内、静脈内及び筋肉内などの注射剤、坐剤、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤及び吸入剤などによる非経口投与のいずれの形態であってもよい。経口投与が好ましい。
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤及び顆粒剤などが用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合させる。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば滑沢剤、崩壊剤、安定化剤又は可溶化補助剤を含有していてもよい。必要に応じて、錠剤又は丸剤は、糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜されてもよい。錠剤が投与の好ましい形態である。
経口投与のための液体組成物は、薬学上許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤などを含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含む。当該液体組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化補助剤、湿潤剤及び懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤並びに防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤は、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液などである。非水性の溶剤の例としては、例えばエタノールのようなアルコール類が挙げられる。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は可溶化補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
外用剤の例は、軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤及びローション剤を含む。外用剤は、一般に用いられる軟膏基剤、ローション基剤、水性又は非水性の液剤、懸濁剤又は乳剤などをさらに含んでもよい。
吸入剤又は経鼻剤などの経粘膜剤が予期される場合、医薬組成物は固体、液体又は半固体状の形態が挙げられ、それは当技術分野で公知の方法に従って製造することができる。例えば、公知の賦形剤、さらに、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤又は増粘剤などが適宜添加されていてもよい。投与に関しては、適当な吸入又は吹送のためのデバイスが使用される。例えば、計量投与吸入デバイスなどの公知のデバイス又は噴霧器を使用して、化合物が単独で又は処方された混合物の粉末として、若しくは薬学上許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器などは、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン及び二酸化炭素などの好適な気体を使用する加圧エアゾールスプレーなどの形態であってもよい。
経口投与の場合、1日の経口及び経粘膜投与量は、通常、体重当たり約0.001~100mg/kg、好ましくは0.01~30mg/kg、さらに好ましくは0.01~10mg/kg、最も好ましくは0.01~5mg/kgである。1日の経口及び経粘膜投与量は、1回で、又は2回~4回に分けて投与されてもよい。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、上記経口の投与量相当であるが、好ましくは1/10である。投与量は症状、年令、性別などを考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。経口又は経粘膜での1日の投与量30mg又はそれ以上、特には100~150mgなどの50~200mgが優先される。
投与経路、剤形、投与部位、賦形剤又は添加剤の種類によって異なるが、本発明に係る医薬組成物は、有効成分として、0.01~100重量%、好ましくは0.01~50重量%の化合物、その塩又はエステルを含む。
化合物は、抗コリン性物質のような口内乾燥症を引き起こす種々の物質と組み合わせて使用されてもよい。抗コリン性物質の例としては、アトロピン、アクリジニウム、ベンズトロピン、シクロペントラート、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ジメンヒドリナート、ジクロミン、ダリフェナシン、フラボキサート、ヒドロキシジン、イパトロピウム、メベベリン、オキシブチニン、ピレンゼピン、プロシクリジン、スコポラミン、ソリフェナシン、トロピカミド、トルテロジン、チオトロピウム、トロスピウム及びそれらの薬学上許容される塩である。
また、化合物は、ピロカルピンのような副交感神経作用物質と組み合わせて投与されてもよい。副交感神経作用薬は口内乾燥症を抑制するために使用されるが、それらは多汗症の原因となる。そのような副交感神経作用化合物と本発明に係る化合物との組み合わせによって、副交感神経作用化合物の投与量を減らすことができ、望ましくない発汗を抑制し、あるいは起こさずに、口内乾燥症を治療することができる。
驚くべきことに、本発明に係る化合物は、それ自体の使用によって口内乾燥症を治療することができる。また、それは多汗症を起こさない。さらに、実験によって、その唾液分泌に対する効果が長く継続することが示された(図2に加え、図3、図4及び図5)。具体的には、ラットの実験においてピロカルピンは短期間の効果を示すのみであったのに対し(約60分以下)、本発明に係る化合物は同じ実験(覚醒ラットへの有効成分の経口投与)において8時間以上続く効果を有していた。
本発明に係る化合物及び他の治療薬は、同時に、又は別々にかつ連続して若しくは所望の時間間隔で投与されてもよい。併用される調製物は、混合物であってもよいし、あるいは個別に調製されてもよい。
実施例1(参照)
唾液分泌に対するピロカルピンの影響を調べるための第一相試験が12人の健常者で行われた。試験は無作為化され、対象も治験責任医師もブラインドで、プラセボを対照とし、5通りの偏りのない追加期間で構成された経口投与臨床試験で行われた。
2.5mgを含むピロカルピンカプセルを経口で投与した(2.5mg投与では1カプセル、5.0mgピロカルピンの投与では2カプセル及び10mgピロカルピンの投与では4カプセル)。対象は第1日に臨床ユニットに入り、5晩、6日間居住した。対象は薬剤投与試験の前の第1日に4つの治療シークエンスのうちの1つに無作為に選ばれた。各試験期間は、およそ1日で、対象は期間1から5までに、異なる経口投与量の試験薬剤(ピロカルピン又は一致するプラセボ)を服用した。各投与に続く4時間の唾液収集期間と、各投与の間に少なくとも24時間の投与中止期間とがあった。
唾液分泌に対するピロカルピンの薬力学的効果を評価するために、5分間間隔にわたって、唾液サンプルが投与前から投与後4時間(0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、3.0及び4.0時間の時点)まで収集された。時間に対する唾液分泌速度を図3に示す。
期間1から4で一般に最も報告された副作用は多汗症であった。ピロカルピン5mgの投与では、この副作用は1名の参加者によって報告された(8.3%)。ピロカルピン10mgの投与では、この副作用は参加者の半数で報告された。
実施例2
無作為化で、対象及び治験責任医師もブラインドで、プラセボを対照とし、単回の漸増経口用量で、7つのコホート(コホート1.1~1.7)を含む並行群試験の第1の部分において、本発明に係る化合物が1、3、10、30、100及び150mgの投与量で投与された。各コホートは、3:1の比で化合物又は一致するプラセボを服用するように無作為に選択された8名の健常な非高齢の男女の対象からなる。
21日の評価期間後に、本試験に参加するためにインフォームドコンセント用紙(ICF)に署名した適格な対象が5日/4晩の1つの治療期間、居住した。対象は第1日に臨床ユニットに入った。第1日の無作為化の後、対象は絶食後に単回の経口用量の化合物又は一致するプラセボを服用した。各コホートは、最後の薬力学的サンプルが採取された後、5~9日行われた試験終了(又は試験の早期中断)で完了した。
本試験の第2の部分では、4つのコホート(2.1~2.4)で複数の漸増経口用量が検討された。各コホートは、12名の健常な非高齢の男女の対象からなり、1つの任意のコホート(コホート2.5)は、12名の健常な非高齢の男女の対象からなり、1つのコホート(コホート2.6)は、12名の健常な高齢の男女の対象からなり、対象は、3:1の比で化合物又は一致するプラセボを服用するように無作為に選択された。
実際の投与量は、10、30、100及び150mgの化合物であった(コホート2.1~2.4それぞれ)。任意のコホート2.5は登録されなかった。高齢のコホート(コホート2.6)における実際の投与量は、150mgの化合物であった。
センチネル投与がすべてのコホートで使用された。コホートにおける最初の2名の対象(1名の対象は化合物を服用し、1名の対象は一致するプラセボを服用)が少なくとも5分間違いで投与された。これら2名の対象は最初の投与を受けてから48時間にわたって安全性が監視されて投与が続けられた。残りの10名の対象(8名が化合物で2名が一致するプラセボ)が2つのサブコホートに分けられ、2つのサブコホートの間を48時間あけたうえで、最初の2名の対象の後少なくとも48時間で投与された。
両方の試験において、化合物は唾液分泌速度を増加させたが、副作用として多汗症は報告されなかった。第1の試験(単回投与)の結果が図4に示され、第2の試験(複数回投与)の結果が図5に示されている。
実施例3(参照)
実施例2の第1の試験と同様の試験において、次の構造を有する公知のM3ポジティブアロステリックモジュレーター参照化合物(欧州特許出願公開第2963036号明細書の実施例8)が1、3、10、30及び90mgの用量で投与された。結果が図6に示されている。データは、他のM3ポジティブアロステリックモジュレーターのみでは唾液分泌に優位な影響を与えないことを示す。
上記データは、本発明に係る化合物が、それ自体で唾液分泌を増加させるのに有用であることを示している。動物実験は、当該効果が長く続くことを示している。さらに、臨床試験は、本発明に係る化合物が多汗症を引き起こすことを示唆していない。このため、本発明に係る化合物は現行の口内乾燥症治療における最も重篤な副作用を除外するのに適していると考えられる。
(付記)
(付記1)
口内乾燥症の治療で使用するための次の式に示す化合物、薬学上許容されるその塩又はそのエステル。
(付記2)
前記化合物は、マレイン酸塩、特には二マレイン酸塩として使用される、付記1に記載の使用のための化合物。
(付記3)
前記口内乾燥症は、シェーグレン症候群、放射線治療又は抗コリン性拮抗剤のような薬物治療に関連する、付記1又は2に記載の使用のための化合物。
(付記4)
前記化合物は、抗コリン性拮抗剤とともに投与される、付記1から3のいずれか一つに記載の使用のための化合物。
(付記5)
前記抗コリン性拮抗剤は、アトロピン、アクリジニウム、ベンズトロピン、シクロペントラート、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ジメンヒドリナート、ジクロミン、ダリフェナシン、フラボキサート、ヒドロキシジン、イパトロピウム、メベベリン、オキシブチニン、ピレンゼピン、プロシクリジン、スコポラミン、ソリフェナシン、トロピカミド、トルテロジン、チオトロピウム、トロスピウム及びそれらの薬学上許容される塩から選択される、付記4に記載の使用のための化合物。
(付記6)
前記化合物は、ピロカルピンと組み合わせて使用される、付記1から5のいずれか一つに記載の使用のための化合物。

Claims (6)

  1. の式に示す化合物、薬学上許容されるその塩又はそのエステルを含む、口内乾燥症の治療剤
  2. 前記化合物は、マレイン酸塩、特には二マレイン酸塩である、請求項1に記載の口内乾燥症の治療剤
  3. 前記口内乾燥症は、シェーグレン症候群、放射線治療又は抗コリン性拮抗剤のような薬物治療に関連する、請求項1又は2に記載の口内乾燥症の治療剤
  4. コリン性拮抗剤とともに投与される、請求項1から3のいずれか一項に記載の口内乾燥症の治療剤
  5. 前記抗コリン性拮抗剤は、アトロピン、アクリジニウム、ベンズトロピン、シクロペントラート、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ジメンヒドリナート、ジクロミン、ダリフェナシン、フラボキサート、ヒドロキシジン、イパトロピウム、メベベリン、オキシブチニン、ピレンゼピン、プロシクリジン、スコポラミン、ソリフェナシン、トロピカミド、トルテロジン、チオトロピウム、トロスピウム及びそれらの薬学上許容される塩から選択される、請求項に記載の口内乾燥症の治療剤
  6. ロカルピンと組み合わせて使用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の口内乾燥症の治療剤
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