JP7468420B2 - 電池装置 - Google Patents

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Description

本明細書に記載の開示は、電池装置に関する。
特許文献1には、複数のリチウム2次電池のSOCを均等化する容量調整装置が開示されている。
特開2010-141957号公報
複数のリチウム2次電池のSOCを均等化するためにリチウム2次電池の閉路電圧が用いられる。そのために閉路電圧の検出精度の向上が求められる。
本開示の目的は、閉路電圧の検出精度の向上が図られた電池装置を提供することである。
本開示の一態様による電池装置は、電気的に接続された複数の電池セル(220)の閉路電圧を検出する検出部(11)と、
検出部で検出された閉路電圧のゲインとオフセットを調整するレベルシフタ(12)と、
レベルシフタによってゲインとオフセットの調整された閉路電圧をデジタル信号に変換するAD変換部(13)と、
閉路電圧を含む電池情報、および、AD変換部の入力電圧と出力電圧の入出力特性としての実際の実特性と理想とする理想特性に関連する変換部情報を記憶する記憶部(32)と、
ゲインとオフセットの少なくとも一方を調整することで、実特性と理想特性の交点の入力電圧と、記憶部に記憶された閉路電圧との差を狭める演算部(33)と、を有する。
これによれば、閉路電圧の検出精度の向上が期待される。
なお、上記の括弧内の参照番号は、後述の実施形態に記載の構成との対応関係を示すものに過ぎず、技術的範囲を何ら限定するものではない。
電池装置と組電池を示すブロック図である。 SOCとOCVの特性を示すグラフ図である。 実特性と理想特性の関係性を示すグラフ図である。 実特性の理想特性の関係性を示すグラフ図である。 オフセット調整を示すグラフ図である。 ゲイン調整を示すグラフ図である。 電圧検出を説明するためのフローチャートである。 電圧検出を説明するためのタイミングチャートである。 電圧検出を説明するためのフローチャートである。 電圧検出を説明するためのフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせが可能である。また、特に組み合わせに支障が生じなければ、組み合わせが可能であることを明示していなくても、実施形態同士、実施形態と変形例、および、変形例同士を部分的に組み合せることも可能である。
<第1実施形態>
第1実施形態を図1~図7に基づいて説明する。
図1に電池装置100と組電池200を示す。電池装置100と組電池200はハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車両に搭載される。この電動車両には、乗用車、バス、建設作業車、および、農業機械車両などが含まれる。
電池装置100は組電池200の状態を監視するとともに制御する。組電池200は電動車両に推進力を提供する電動機などの各種車載機器に電源電力を供給する。
<組電池>
組電池200は複数の電池スタック210を有する。複数の電池スタック210それぞれは電気的に直列接続された複数の電池セル220を有する。この電池セル220としてはリチウムイオン2次電池、ニッケル水素2次電池、および、有機ラジカル電池などの2次電池を採用することができる。直列接続された複数の電池セル220の出力電圧が電池スタック210の出力電圧になっている。図1では1つの電池スタック210に含まれる複数の電池セル220を破線で囲って示している。
複数の電池スタック210は電気的に直列接続若しくは並列接続される。本実施形態では、複数の電池スタック210が電気的に直列接続されている。これら直列接続された複数の電池スタック210の出力電圧の総和が組電池200の出力電圧になっている。この出力電圧に依存する電源電力が各種車載機器に供給される。
複数の電池スタック210それぞれには、電池セル220の物理量を検出する物理量センサ230が設けられている。物理量センサ230の検出する物理量としては、例えば、電池セル220の温度や電流がある。
物理量センサ230で検出される物理量は、電池セル220、電池スタック210、および、組電池200それぞれのSOCの推定などに用いられる。SOCはstate of chargeの略である。SOCは充電量に相当する。
SOCは上記した電源電力の各種車載機器への供給によって減少する。また、電池セル220は自己放電する。そのためにSOCは電源電力の非供給時においても減少する。
このSOCの減少は、例えば、車外に設けられた電気スタンドなどの充電機器から組電池200への充電電力の供給によって改善される。この充電機器から組電池200への充電電力の供給は、電池装置100によって制御される。電池装置100は図示しない配線を介してCPLT信号を充電機器と送受信しながら、組電池200の充電を制御する。
なお、複数の電池セル220の品質や環境などは均一ではない。そのために複数の電池セル220のSOCにばらつきが生じる。このばらつきは、後述の均等化処理によって改善される。
<OCV、CCV、SOC>
電池セル220には内部抵抗がある。そのために電池セル220のSOCに応じた実際のセル電圧と、監視部10で検出されるセル電圧とには、この内部抵抗と電池セル220を流れる電流に応じた電圧降下分の差がある。
以下においては、必要に応じて、電池セル220のSOCに応じた実際のセル電圧を開路電圧OCVと示す。監視部10で検出されるセル電圧を閉路電圧CCVと示す。電池セル220内の抵抗を内部抵抗R、電池セル220を実際に流れる電流を実電流Iとする。OCVはOpen Circuit Voltageの略である。CCVはClosed Circuit Voltageの略である。
閉路電圧CCVと開路電圧OCVの関係は、CCV=OCV±I×Rとあらわされる。電池セル220の放電時では、CCV=OCV-I×Rとなる。電池セル220の充電時では、CCV=OCV+I×Rとなる。
<SOCとOCVの特性>
電池セル220はSOCとOCVの特性を有している。電池セル220がリチウムイオン2次電池である場合のSOCとOCVの特性データを図2に示す。
図2に示すように、SOCが0%に近い過放電領域では、SOCに対するOCVの変化率が高くなっている。SOCが100%に近い過充電領域では、SOCに対するOCVの変化率が高くなっている。
これに対して、過放電領域と過充電領域との間の充放電領域では、SOCに対するOCVの変化率が低くなっている。電池セル220は主としてこの充放電領域で使用される。図2では、一例として、過放電領域と充放電領域との間のSOCとOCVの値をSOC1,OCV1と表記している。充放電領域と過充電領域との間のSOCとOCVの値をSOC2,OCV2と表記している。
図2に示す特性データは温度に依存している。そのため、温度によってSOCに対するOCVの変化率が変わる。それとともにSOC1,SOC2,OCV1,OCV2の値も変わる。
<電池装置>
電池装置100は監視部10と制御部30を有する。電池装置100は監視部10を電池スタック210と同数有している。複数の監視部10は複数の電池スタック210それぞれの状態にかかわる電池情報を検出する。
制御部30は複数の監視部10で検出された電池情報を取得する。また制御部30は他の図示しない各種ECUと各種センサから入力される車両情報を取得する。電動車両に充電機器が接続されている場合、制御部30は充電機器から入力される充電情報を取得する。これら車両情報と充電情報の制御部30への入力と、制御部30の処理結果の各種ECUと充電機器などへの出力は図1において白抜き矢印で示している。
制御部30は取得した諸情報に基づいて組電池200の状態を判定する。それとともに制御部30は組電池200に対する処理を実行する。組電池200に対する処理としては、例えば、組電池200の充放電、組電池200に含まれる複数の電池セル220のSOCを均等化する均等化処理などがある。
<監視部>
複数の監視部10それぞれは複数の電池スタック210それぞれに個別に設けられる。1つの監視部10は1つの電池スタック210に含まれる複数の電池セル220それぞれの正極と負極との間の端子間電圧(閉路電圧)を検出する。また、監視部10は物理量センサ230で検出された物理量を取得する。監視部10は制御部30から入力される指示信号に基づいて処理を実行する。
図1に示すように監視部10は、マルチプレクサ11、レベルシフタ12、AD変換部13、監視制御部14、および、監視通信部15を有している。図面ではマルチプレクサ11をMUXと表記している。レベルシフタ12をLSと表記している。AD変換部13をADと表記している。監視制御部14をMCUと表記している。監視通信部15をMCSと表記している。
マルチプレクサ11は1つの電池スタック210に含まれる複数の電池セル220それぞれの正極と負極とに接続されている。これにより、マルチプレクサ11には複数の電池セル220の閉路電圧が入力される。
また、マルチプレクサ11は物理量センサ230に接続されている。これにより、マルチプレクサ11には物理量が入力される。
マルチプレクサ11は入力された複数の閉路電圧を順次選択して検出する。そしてマルチプレクサ11は検出した閉路電圧をレベルシフタ12に順次出力する。また、マルチプレクサ11は入力された複数の物理量も順次選択して検出する。マルチプレクサ11は検出した物理量もレベルシフタ12に順次出力する。マルチプレクサ11が検出部に相当する。
レベルシフタ12は、オペアンプと、オペアンプの入力端子と出力端子との間で並列接続された複数の帰還回路と、を有する。この帰還回路には直列接続されたスイッチとコンデンサが含まれている。複数の帰還回路に含まれるコンデンサの静電容量は同一でも不同でもよい。
レベルシフタ12の有する複数の帰還回路のスイッチが、監視制御部14によって選択的に通電状態と遮断状態とに制御される。これによりオペアンプの入力端子と出力端子との間で接続されるコンデンサの数が変化する。オペアンプの入力端子と出力端子との間の静電容量が変化する。また、オペアンプの入力端子と出力端子との間の抵抗が変化する。この結果、レベルシフタ12のゲインとオフセットが制御される。
AD変換部13にはレベルシフタ12からゲインとオフセットの調整された閉路電圧と物理量のアナログ信号が入力される。AD変換部13は入力レンジを制限するためのクランプ回路を有する。このクランプ回路が監視制御部14によって制御される。これによってAD変換部13の入力レンジが制御される。
AD変換部13の入力レンジの制限とレベルシフタ12のゲインとオフセットの調整により、AD変換部13でアナログデジタル変換されるアナログ信号の電圧レンジが制御される。AD変換部13でアナログデジタル変換される閉路電圧と物理量の電圧レンジが制御される。この結果、閉路電圧と物理量の取得範囲が制御される。
AD変換部13は連続的なアナログ信号を断続的にサンプリングする。そしてAD変換部13はサンプリングした値を量子化して、離散したデジタル信号に変換する。係る変換を行うため、アナログ信号とデジタル信号とには誤差(量子化誤差)がある。
この量子化誤差は、AD変換部13の量子化ビット数が大きいほどに小さくなる。しかしながら、量子化ビット数は固定値になっている。そのため、例えば、閉路電圧の取得範囲が0.0V~5.0Vの場合、AD変換部13の分解能は、この0.0V~5.0Vを量子化ビット数で割った値になる。
これに対して、例えば、閉路電圧の取得範囲が10分の1の3.0V~3.5Vの場合、AD変換部13の分解能は、この3.0V~3.5Vを量子化ビット数で割った値になる。この場合、AD変換部13の分解能は10倍程度に高まる。このように、取得範囲を制限することで、閉路電圧の検出精度が向上される。
監視制御部14はプロセッサとこのプロセッサによって読み取り可能なプログラムを非一時的に記憶する非遷移的実体的記憶媒体を有する。この非遷移的実体的記憶媒体にAD変換部13から入力されるデジタル信号や制御部30から入力される指示信号が保存される。監視制御部14のプロセッサは指示信号に基づいてマルチプレクサ11、レベルシフタ12、および、AD変換部13を制御する。
監視制御部14に入力される指示信号には、検出対象の電池セル220の閉路電圧の取得範囲が含まれている。監視制御部14は検出対象の閉路電圧をマルチプレクサ11が選択する際に、レベルシフタ12のゲインとオフセットを制御する。監視制御部14はAD変換部13の入力レンジを制限する。これにより閉路電圧の取得範囲が制御される。なお、監視制御部14は係る閉路電圧の取得範囲の制限を実施しなくともよい。同様にして、監視制御部14は物理量の取得範囲の制限を実施しなくともよい。
監視通信部15にはデジタル信号の閉路電圧と物理量が入力される。監視通信部15はこのデジタル信号を制御部30に出力する。
<制御部>
図1に示すように制御部30は、制御通信部31、記憶部32、および、演算部33を有する。図面では制御通信部31をCCUと表記している。記憶部32をMUと表記している。演算部33をOPと表記している。
制御通信部31には諸情報が入力される。この諸情報には監視部10で取得された閉路電圧と物理量が含まれる。また、この諸情報には車両情報と充電情報が含まれる。車両情報には電動車両の走行状態や現在時刻が含まれている。充電情報には充電電力が含まれている。
なお、図示しない通信部に車両情報と充電情報が入力されてもよい。そして、制御部30がRTCを有する場合、現在時刻が車両情報に含まれていなくともよい。RTCはreal time clockの略である。
記憶部32はコンピュータやプロセッサによって読み取り可能なプログラムを非一時的に記憶する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶部32は揮発性メモリと不揮発性メモリとを有している。この記憶部32に制御通信部31に入力された諸情報や演算部33の処理結果が記憶される。
また、記憶部32には演算部33が演算処理するためのプログラムや参照値があらかじめ記憶されている。この参照値には、例えば、各種2次電池のSOCとOCVの特性データの温度依存性、均等化処理の実行を判定する均等化判定値、複数の電池セル220の製造日、および、劣化判定値などが含まれている。また、参照値には、AD変換部13の入出力特性に関連する変換部情報が含まれている。
演算部33にはプロセッサが含まれている。演算部33は制御通信部31に入力された諸情報を記憶部32に記憶する。演算部33は記憶部32に記憶された情報に基づいて各種演算処理を実行する。この演算処理された結果を含む電気信号は、制御通信部31を介して監視部10に出力される。この演算処理された結果を含む電気信号は、制御通信部31若しくは図示しない通信部を介して各種ECUに出力される。
演算処理を具体的に例示すると、演算部33は記憶部32に記憶された情報に基づいて電池セル220のSOCの推定を行う。演算部33は推定したSOCと記憶部32に記憶された情報に基づいて監視部10の動作を指示する指示信号の生成を行う。この指示信号には、後述のゲインとオフセットの調整が含まれている。なお、記憶部32にSOCを推定するための電池情報が記憶されていない場合、演算部33はレベルシフタ12のゲインとオフセットを初期値に設定する。
ゲインとオフセットの調整のほかに、演算部33は検出対象の電池セル220の閉路電圧の取得範囲を定めてもよい。演算部33は複数の電池スタック210それぞれに対する取得範囲を含む指示信号を監視部10に出力する。なお、記憶部32にSOCを推定するための電池情報が記憶されていない場合、演算部33は閉路電圧の取得範囲を、電池セル220の閉路電圧の取りうる範囲に設定する。
ゲインとオフセットの調整、および、閉路電圧の取得範囲の決定のほかに、演算部33は複数の電池セル220のSOCのばらつきを低減する均等化処理の実行を決定してもよい。演算部33は複数の電池スタック210それぞれに対する均等化処理を含む指示信号を監視部10に出力する。
演算部33は監視部10から入力された閉路電圧の最大値と最小値の差を演算する。この差が均等化判定値を上回る場合、演算部33は均等化処理の実行を決定する。この均等化処理は、例えば、上記した閉路電圧の最大値と最小値のうちの少なくとも一方が検出された電池スタック210だけで行われてもよい。均等化処理は、すべての電池スタック210で行われてもよい。
図面では明記していないが、監視部10は、マルチプレクサ11と複数の電池セル220の正極および負極それぞれとを接続する複数の配線を架橋する複数のスイッチを有する。監視制御部14は演算部33から入力される指示信号に基づいて、これら複数のスイッチを選択的に通電状態と遮断状態とに制御する。これにより、電気的に接続された複数の電池セル220のうちの相対的にSOCの高い電池セル220が放電される。これとは逆に、相対的にSOCの低い電池セル220が充電される。この結果、複数の電池セル220のSOCが均等化される。
<積分非直線性誤差>
上記したように、AD変換部13は連続的なアナログ信号を離散したデジタル信号に変換する。そのためにアナログ信号とデジタル信号とには量子化誤差がある。また、AD変換部13には積分非直線性誤差がある。
AD変換部13に入力されるアナログ信号と、AD変換部13から出力されるデジタル信号とに対するAD変換部13の入出力特性は、理想的には、線形的な振る舞いを示すことが期待される。しかしながら、AD変換部13の入出力特性は、実際には、非線形的な振る舞いを示す。
積分非直線性誤差は、理想とする入出力特性を備えるAD変換部13から出力されるデジタル信号と、実際の入出力特性を備えるAD変換部13から出力されるデジタル信号との差に相当する。積分非直線性誤差は、AD変換部13に入力されるアナログ信号の値によって、大きくなったり小さくなったりする。
図3~図6に、AD変換部13に入力されるアナログ信号とAD変換部13から出力されるデジタル信号の関係性を示す。横軸はAD変換部13に入力されるアナログ信号の電圧値であり、AVで示している。縦軸はAD変換部13から出力されるデジタル信号の電圧値であり、DVで示している。横軸と縦軸それぞれの単位はボルトである。以下においては、表記を簡明とするため、AD変換部13に入力されるアナログ信号の電圧を入力電圧と示す。AD変換部13から出力されるデジタル信号の電圧を出力電圧と示す。
図面では、理想的な入出力特性を一点鎖線で示している。実際の入出力特性を実線で示している。そして、積分非直線性誤差を二点鎖線で示している。以下においては表記を簡明とするため、理想的な入出力特性を理想特性と示す。実際の入出力特性を実特性と示す。
理想特性と実特性は温度依存性を有する。本実施形態の変換部情報には、理想特性と実特性の温度依存性が含まれている。なお、変換部情報に積分非直線性誤差の温度依存性が含まれてもよい。
例えば図3において模式的に示すように、AD変換部13の理想特性は線形的な振る舞いを示す。実特性は非線形的な振る舞いを示す。しかしながら、以下においては説明を簡便とするため、図4~図6に示すように、理想特性と実特性それぞれを線形で示す。
図4に示すように、理想特性と実特性とは交差している。これら2つの特性の交点の入力電圧がLSTになっている。図4に示す関係性の場合、LSTの入力電圧がAD変換部13に入力される場合、理想特性と実特性との差が最も小さくなることが期待される。積分非直線性誤差が最も小さくなることが期待される。以下においては2つの特性の交点の入力電圧を誤差最小点と示す。
しかしながら、実際に入力される入力電圧がIVの場合、AD変換部13から実際に出力される出力電圧はOV1になる。AD変換部13から理想的に出力されることの期待される出力電圧はOV0になる。積分非直線性誤差がOV1とOV0の差の絶対値になる。
積分非直線性誤差を少なくするために、演算部33はレベルシフタ12のゲインとオフセットを調整する。ゲインとオフセットの調整により、実特性が変化する。誤差最小点が変化する。
演算部33はレベルシフタ12のオフセットを調整する。こうすることで、例えば図5で簡易的に示すように、演算部33は実特性のオフセットを変化させる。演算部33は誤差最小点LSTを入力電圧IVにする。これにより、実際の出力電圧OV1が理想の出力電圧OV0になることが期待される。この結果、積分非直線性誤差が少なくなることが期待される。
演算部33はレベルシフタ12のゲインを調整する。こうすることで、例えば図6で簡易的に示すように、演算部33は実特性の傾きを変化させる。演算部33は誤差最小点LSTを入力電圧IVにする。これにより、出力電圧OV1が出力電圧OV0になることが期待される。積分非直線性誤差が少なくなることが期待される。
なお、図3に示すように、本来の実特性は非線形性を示す。そのため、図5と図6に示すように、ゲインとオフセットの一方だけを変化させるだけで、誤差最小点LSTを入力電圧IVにするのは難しい。演算部33は、ゲインとオフセットの少なくとも一方を変化させることで、誤差最小点LSTと入力電圧IVとの差を狭める。
また、上記したように本来の実特性は非線形性を示すため、理想特性と実特性との交点は複数になることが想定される。図3に示す例の場合、交点は2つになる。2つの交点のアナログ信号の電圧値が、第1誤差最小点LST1と第2誤差最小点LST2になる。
この場合、演算部33は、第1誤差最小点LST1と第2誤差最小点LST2のいずれか一方が入力電圧IVになるようにゲインとオフセットの少なくとも一方を変化させる。演算部33は、例えば、第1誤差最小点LST1と第2誤差最小点LST2のうち、入力電圧IVとの差の少ないほうを選択する。若しくは、演算部33は、第1誤差最小点LST1と第2誤差最小点LST2のうち、誤差最小点と入力電圧IVとの差を極力狭めた場合に、誤差最小点の近傍における積分非直線性誤差が少ないほうを選択する。そして演算部33は選択した誤差最小点が入力電圧IVになるようにゲインとオフセットの少なくとも一方を変化させる。
なお、上記の近傍とは、誤差最小点を中心とする幅に相当する。近傍の値は誤差最小点と幅の上下限値との差に相当する。近傍の値は、例えば、後述の取得周期の時間が経過する間に、閉路電圧が変化することの想定される電圧変化量に基づいて決定することができる。
<電圧検出処理>
次に、演算部33の電圧検出処理を図7に基づいて説明する。演算部33はこの電圧検出処理をサイクルタスクとして実行している。
電圧検出処理は取得周期で実行される。取得周期は、急速充電などによって電池セル220の充放電状態が急変しない限り、電池セル220のSOCが急変しないことの期待される時間間隔である。
ステップS10で演算部33は、閉路電圧が記憶部32に記憶されているか否かを判定する。閉路電圧が記憶部32に記憶されている場合、演算部33はステップS20へ進む。閉路電圧が記憶部32に記憶されていない場合、演算部33はステップS60へ進む。
ステップS20へ進むと演算部33は、物理量センサ230で検出された温度を取得する。そして演算部33はその温度に対応する理想特性と実特性の温度依存性を記憶部32から読み出す。演算部33はこれら理想特性と実特性とに基づいて、誤差最小点を算出する。なお、記憶部32に積分非直線性誤差の温度依存性が記憶されている場合、ステップS20において演算部33は、物理量センサ230で検出された温度に対応する誤差最小点を読み出す。この後に演算部33はステップS30へ進む。
ステップS30へ進むと演算部33は、算出した誤差最小点と、記憶部32に記憶されている閉路電圧との差分値を算出する。この後に演算部33はステップS40へ進む。
ステップS40へ進むと演算部33は、ステップS40で算出した差分値をゼロに近づけるためのゲインとオフセットを算出する。この後に演算部33はステップS50へ進む。
ステップS50へ進むと演算部33は、ステップS40で算出したゲインとオフセットを含む指示信号を、調整信号として監視部10に送信する。この後に演算部33はステップS60へ進む。
ステップS60へ進むと演算部33は、監視部10で検出された閉路電圧を取得する。この後に演算部33はステップS70へ進む。
ステップS70へ進むと演算部33は、取得した閉路電圧を記憶部32に記憶する。そして演算部33は電圧検出処理を終了する。
<作用効果>
これまでに説明したように演算部33は、レベルシフタ12のゲインとオフセットの少なくとも一方を調整することで、記憶部32に記憶された過去の閉路電圧と、誤差最小点との差を狭めている。そして、演算部33は新たな閉路電圧を取得している。
これによれば、新たに取得される閉路電圧と誤差最小点との差が小さくなることが期待される。AD変換部13の積分非直線性誤差が低減されることが期待される。この結果、閉路電圧の検出精度の向上が期待される。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図8~図10に基づいて説明する。
第1実施形態では、演算部33が記憶部32に記憶された過去の閉路電圧と誤差最小点と差が狭まるように、レベルシフタ12のゲインとオフセットの少なくとも一方を調整する例を示した。
これに対して本実施形態では、演算部33が記憶部32に記憶された過去の閉路電圧と記憶部32に記憶された情報とに基づいて、新たに取得する際の閉路電圧を推定する。そして演算部33は、この推定した閉路電圧(推定電圧)と誤差最小点との差が狭まるように、レベルシフタ12のゲインとオフセットの少なくとも一方を調整する。この後に演算部33は閉路電圧を新たに取得する。
これにより、AD変換部13の積分非直線性誤差が効果的に低減されることが期待される。閉路電圧の検出精度が効果的に向上されることが期待される。
<閉路電圧の時間変化>
図2に示す電池セル220のSOCとOCVの特性のため、放電によってSOCが低下するとOCVも低下する。それにともなって電池セル220の閉路電圧CCVも減少する。これとは逆に、充電機器からの充電電力の供給によってSOCが増大すると、閉路電圧CCVも増大する。このように、閉路電圧CCVは時間変化する。
図8に閉路電圧の時間変化を示す。縦軸は任意単位である。横軸は時間である。任意単位はa.u.で表記している。時間はTで表記している。
図8には、閉路電圧のほかに、電池装置100の駆動状態、組電池200を流れる実電流、ある一つの電池セル220の閉路電圧を示している。電池装置100の駆動状態はDSと表記している。説明を簡便とするため、図面に示す電池セル220の閉路電圧の挙動と組電池200の閉路電圧の挙動は同等とする。挙動を明示するため、図面では電池セル220の閉路電圧が短時間で大きく変化するように図示している。
時間0の初期状態において、電池装置100は非駆動状態になっている。記憶部32には閉路電圧や物理量などの電池情報が記憶されていない。組電池200と各種車載機器との間の導通状態を制御するシステムメインリレーが遮断状態になっている。そのために組電池200に電流が実質的に流れていない。電池セル220の閉路電圧は充放電領域の値になっている。
電池セル220に電流が実質的に流れていなくとも、自己放電のために電池セル220のSOCは減少する。そのために時間0の初期状態において、電池セル220の閉路電圧は微量ながら減少傾向にある。
時間t0になると、電池装置100は非駆動状態から駆動状態になる。システムメインリレーが遮断状態から通電状態になる。これにより組電池200から各種車載機器への電源電力の供給が開始する。組電池200に実電流が流れはじめる。電池セル220のSOCの減少率が増大する。それにともなって、電池セル220の閉路電圧の減少率も増大する。
時間t1になると演算部33は、電池セル220の閉路電圧を取得する。この際、記憶部32には電池情報が記憶されていない。そのため、演算部33は時間t1でのレベルシフタ12のゲインとオフセットを初期値に設定している。演算部33はこの時間t1において監視部10で検出された閉路電圧を取得する。なお、時間t1と時間t0の時間差は実質的にはほとんどない。電池装置100が非駆動状態から駆動状態に移行した際に、閉路電圧の検出処理が実質的に行われ始める。
時間t1から取得周期が経過して時間t2になると演算部33は、再び電池セル220の閉路電圧を取得する。時間t1から時間t2へと時間経過する間に、電池セル220のSOCが変化する。図8に示す例でいえば、ハッチングで示す分の電力の放電が行われる。この放電のために時間t1での閉路電圧と時間t2での閉路電圧とが異なることが想定される。
そこで演算部33は、時間t1で取得した閉路電圧と、時間t1から時間t2までの閉路電圧の変化量とに基づいて、時間t2での閉路電圧を推定する。そして演算部33はその推定電圧と誤差最小点との差をゼロとするためのゲインとオフセットを算出する。演算部33は算出したゲインとオフセットへの変更を含む指示信号を監視部10に出力する。演算部33はこの時間t2でのゲインとオフセットの調整された監視部10で検出された閉路電圧を取得する。時間t1が第1検出タイミングに相当する場合、時間t2が第2検出タイミングに相当する。推定電圧が推定値に相当する。
なお、厳密にいえば、電池装置100での演算処理があるため、時間t2における、ゲインとオフセットの調整タイミングと、閉路電圧の取得タイミングとは同一にならない。調整タイミングは取得タイミングの手前である。しかしながら、これら2つのタイミングの差は微小である。そのためにこれら2つのタイミングを同一とみなして記載している。
時間t2から取得周期が経過して時間t3になると演算部33は、時間t2の閉路電圧と、時間t2から時間t3までの閉路電圧の変化量と、に基づいて推定電圧を算出する。そして演算部33は推定電圧と誤差最小点とに基づいてゲインとオフセットを算出する。演算部33はこの時間t3でのゲインとオフセットの調整された監視部10で検出された閉路電圧を取得する。時間t2が第1検出タイミングに相当する場合、時間t3が第2検出タイミングに相当する。
時間t3から時間tc1になると、実電流が低減する。これに伴って、閉路電圧の減少率も低減する。
時間t3から取得周期が経過して時間t4になると演算部33は、時間t3の閉路電圧と、時間t3から時間t4までの閉路電圧の変化量と、に基づいて推定電圧を算出する。そして演算部33は推定電圧と誤差最小点とに基づいてゲインとオフセットを算出する。演算部33はこの時間t4でのゲインとオフセットの調整された監視部10で検出された閉路電圧を取得する。
このように時間t3と時間t4との間の閉路電圧の変化量を加味しているため、例え時間t3と時間t4との間の時間tc1で閉路電圧の減少率が低減し始めたとしても、時間t4において積分非直線性誤差が効果的に低減されなくなることが抑制される。
時間t4から時間tc2になると、電動車両に充電機器が接続される。充電機器により組電池200が急速充電される。これにより実電流が急上昇する。演算部33は係る情報を車両情報若しくは充電情報から取得する。
時間t4から取得周期が経過して時間t5になると演算部33は、時間t4の閉路電圧と、時間t4から時間t5までの閉路電圧の変化量と、に基づいて推定電圧を算出する。演算部33は推定電圧と誤差最小点とに基づいてゲインとオフセットを算出する。演算部33はこの時間t5でのゲインとオフセットの調整された監視部10で検出された閉路電圧を取得する。
このように時間t4と時間t5の間の閉路電圧の変化量を加味しているため、例え時間t4と時間t5との間の時間tc2で閉路電圧が急上昇し始めたとしても、時間t5において積分非直線性誤差が効果的に低減されなくなることが抑制される。
時間t5から時間tc3になると、組電池200の出力電圧が目標電圧に到達する。これを検出すると、演算部33は充電機器による急速充電を終了させる。演算部33は充電機器に満充電を実行させる。
上記した急速充電と満充電とでは、供給電流量が異なる。急速充電は満充電よりも供給電流量が大きくなっている。
上記したように閉路電圧CCVと開路電圧OCVとには電圧降下I×R分の差がある。充電時では、CCV=OCV+I×Rとなる。したがって、例えば組電池200の最高出力電圧が閉路電圧CCVとして検出されたとしても、開路電圧OCVは最高出力電圧に達していないことになる。組電池200のSOCは満充電量に達していないことになる。
上記の目標電圧は、組電池200の最高出力電圧に基づく値である。演算部33は組電池200の閉路電圧が目標電圧に到達したと判定すると、満充電を充電機器に実行させる。満充電では、過充電を避けつつ、組電池200のSOCを満充電量に近づけるため、組電池200で検出される閉路電圧を目標電圧に保った状態で、組電池200への充電電力の供給が行われる。目標電圧と最高出力電圧は記憶部32に予め記憶されている。
時間t5から取得周期が経過して時間t6になると、目標電圧と、時間t5から時間t6までの閉路電圧の変化量と、に基づいて推定電圧を算出する。演算部33はこの推定電圧と誤差最小点とに基づいてゲインとオフセットを算出する。演算部33は時間t6でのゲインとオフセットの調整された監視部10で検出された閉路電圧を取得する。
時間t6以降、満充電が実行され続ける限り、目標電圧が取得されることが期待される。この場合、演算部33は目標電圧と誤差最小点とに基づいてゲインとオフセットを算出する。そして演算部33はこのゲインとオフセットの調整された監視部10で検出された閉路電圧を取得し続ける。若しくは、演算部33は閉路電圧の取得をやめる。
なお、図示しないが、組電池200のSOCが過度に低減したり、電動車両の電動機が不調だったりした場合、電動車両は駆動を制限した定電圧駆動を実行する。この際に組電池200から出力される電源電力の電圧が制限される。電源電力の電圧が例えば一定値に保たれる。このため、電池セル220の閉路電圧が所定電圧に保たれることが期待される。
この場合、演算部33は所定電圧と誤差最小点とに基づいてゲインとオフセットを算出する。演算部33はこのゲインとオフセットの調整された監視部10で検出された閉路電圧を取得し続ける。若しくは、演算部33は閉路電圧の取得をやめる。
<閉路電圧の推定>
上記したように演算部33は、ゲインとオフセットを算出するにあたって、新たに取得する際の閉路電圧を推定する。例えば図8に示す時間t2において演算部33は、時間t1で取得した閉路電圧と、時間t1から時間t2までの閉路電圧の変化量と、に基づいて時間t2での閉路電圧を推定する。
時間t1から時間t2までの閉路電圧の変化量は、時間t1と時間t2との間の充放電履歴と、時間t1と時間t2との間の温度、および、SOCとOCVの特性データの温度依存性に基づいて算出される。充放電履歴が充放電量に相当する。
時間t1と時間t2との間の充放電履歴は、例えば、時間t1と時間t2との間の時間と、時間t1と時間t2との間の電流と、に基づいて算出される。時間t1と時間t2との間の充放電履歴は、時間t1と時間t2との間の電流の積算値として算出される。なお、時間t1と時間t2との間の電流は、例えば、時間t1の電流と時間t2の電流の加算平均値で推定される。
時間t1と時間t2との間の温度は、例えば、時間t1の温度と時間t2の温度の加算平均値で推定される。演算部33はこの温度のSOCとOCVの特性データを記憶部32から読み出す。そして演算部33は読みだしたSOCとOCVの特性データと、算出した時間t1と時間t2との間の充放電履歴とに基づいて、時間t1から時間t2までの閉路電圧の変化量を算出する。
なお、当然ながら、演算部33は各種2次電池のSOCとOCVの特性データのうち、電池セル220のSOCとOCVの特性データを記憶部32から読み出す。電池セル220がリチウムイオン2次電池の場合、演算部33はリチウムイオン2次電池のSOCとOCVの特性データを記憶部32から読み出す。
演算部33は、例えば記憶部32に記憶された電池セル220の製造日と時間t2との差、および、劣化判定値に基づいて、時間t2での電池セル220の経年劣化を推定してもよい。演算部33は電池セル220の経年劣化と、時間t2の温度に基づいて、時間t2での電池セル220の内部抵抗を推定してもよい。演算部33はこの時間t2での内部抵抗と電流とに基づいて、時間t2での電池セル220で生じる電圧降下を算出してもよい。演算部33はこの電圧降下も加味して、時間t2での閉路電圧を推定してもよい。
また、演算部33は、電池セル220の等価回路モデル若しくは化学反応モデルと、電池セル220の電流および温度に基づいて、時間t1から時間t2までの閉路電圧の変化量を推定してもよい。
さらに例示すれば、上記した閉路電圧の変化量を概算するための放電値と充電値が記憶部32に記憶されていてもよい。閉路電圧の変化量を、所定の放電値に時間t1と時間t2との間の時間を乗算して決定してもよい。閉路電圧の変化量を、所定の充電値に時間t1と時間t2との間の時間を乗算して決定してもよい。
<電圧検出処理>
本実施形態の場合、演算部33は図9に示す電圧検出処理を実行する。図9に示す電圧検出処理は、第1実施形態で説明した図7に示す電圧検出処理に対して、ステップS110とステップS120が追加されている。
ステップS10において閉路電圧が記憶部32に記憶されていると判断すると、演算部33はステップS110へ進む。
ステップS110へ進むと演算部33は、推定電圧を算出するための諸情報を取得する。この諸情報には、記憶部32に記憶されている閉路電圧、取得周期、電流、温度、SOCとOCVの特性データなどが含まれている。この後に演算部33はステップS120へ進む。
ステップS120へ進むと演算部33は、ステップS110で取得した諸情報に基づいて、推定電圧を算出する。この後に演算部33はステップS20へ進む。
ステップS20へ進むと演算部33は誤差最小点を算出する。若しくは、演算部33は誤差最小点を記憶部32から読み出す。この後に演算部33はステップS30へ進む。
ステップS30へ進むと演算部33は、誤差最小点と推定した閉路電圧(推定電圧)との差分値を算出する。この後に演算部33はステップS40へ進む。以降、第1実施形態で説明したのと同等の処理を演算部33は実行する。
<取得範囲>
第1実施形態で説明したように、演算部33は検出対象の電池セル220の閉路電圧の取得範囲を定めてもよい。例えば、時間t2での取得範囲の中心値は、時間t1での閉路電圧に基づいて決定することができる。時間t2での取得範囲の中心値は、時間t1での閉路電圧と、時間t1から時間t2までの閉路電圧の変化量とに基づいて決定することもできる。
そして、取得範囲の幅は、閉路電圧の検出誤差よりも大きな値に定めることができる。また、時間t2での取得範囲の幅は、時間t2での電池セル220の温度と電流に基づいて決定することもできる。時間t3での取得範囲の幅は、時間t2での取得範囲の中心値と、時間t2で取得された閉路電圧との差(推定誤差)に基づいて決定することもできる。なお、取得範囲の中心値とその上限値との差、および、中心値と下限値との差は、同一でも不同でもよい。
閉路電圧の取得範囲を定める処理を実行する場合、演算部33は図10に示す電圧検出処理を実行する。図10に示す電圧検出処理は、図9に示す電圧検出処理に対して、ステップS210とステップS220が追加されている。
ステップS50の後に演算部33はステップS210へ進む。ステップS210へ進むと演算部33は、推定電圧などに基づいて取得範囲を算出する。そして演算部33はその取得範囲を含む指示信号を、限定範囲信号として監視部10に送信する。
記憶部32に閉路電圧が記憶されていない場合、演算部33はステップS10からステップS220へ進む。ステップS220へ進むと演算部33は、閉路電圧の取りうる全範囲を取得範囲に設定する。そして演算部33はその取得範囲を含む指示信号を、全範囲信号として監視部10に送信する。
(その他の変形例)
本実施形態では、複数の監視部10に1つの制御部30が設けられる例を示した。しかしながら、複数の監視部10に複数の制御部30が個別に設けられる構成を採用することもできる。
本実施形態では、複数の電池セル220それぞれの閉路電圧を検出する際に、演算部33がレベルシフタ12のゲインとオフセットを調整する例を示した。しかしながら、複数の電池スタック210それぞれの閉路電圧を検出する際に、演算部33がレベルシフタ12のゲインとオフセットを調整する構成を採用することもできる。1つの電池スタック210に含まれる複数の電池セル220の閉路電圧を検出する際に、演算部33がレベルシフタ12を共通のゲインとオフセットに調整する構成を採用することもできる。係る変形例では、組電池200は少なくとも2つの電池スタック210を有する。
本実施形態では、複数の電池セル220それぞれが同一種類の2次電池である例を示した。しかしながら、複数の電池セル220のうちの一部が異なる2次電池でもよい。例えば、複数の電池スタック210のうちの一部の電池スタック210に第1種類の電池セル220が含まれ、残りの電池スタック210に第1種類とは異なる第2種類の電池セル220が含まれてもよい。種類の異なる電池セル220としては、例えば、電池セル220の内部構成や外観構成が同一であるものの、正極や負極の組成材料が異なるものを採用することができる。
係る変形例の場合、閉路電圧の変化量を推定する際に演算部33は、第1種類の電池セル220のSOCとOCVの特性データと、第2種類の電池セル220のSOCとOCVの特性データを記憶部32から読み出す。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
10…監視部、11…マルチプレクサ、12…レベルシフタ、13…AD変換部、14…監視制御部、15…監視通信部、30…制御部、31…制御通信部、32…記憶部、33…演算部、100…電池装置、200…組電池、210…電池スタック、220…電池セル、230…物理量センサ

Claims (4)

  1. 電気的に接続された複数の電池セル(220)の閉路電圧を検出する検出部(11)と、
    前記検出部で検出された前記閉路電圧のゲインとオフセットを調整するレベルシフタ(12)と、
    前記レベルシフタによって前記ゲインと前記オフセットの調整された前記閉路電圧をデジタル信号に変換するAD変換部(13)と、
    前記閉路電圧を含む電池情報、および、前記AD変換部の入力電圧と出力電圧の入出力特性としての実際の実特性と理想とする理想特性に関連する変換部情報を記憶する記憶部(32)と、
    前記ゲインと前記オフセットの少なくとも一方を調整することで、前記実特性と前記理想特性の交点の前記入力電圧と、前記記憶部に記憶された前記閉路電圧との差を狭める演算部(33)と、を有する電池装置。
  2. 前記電池情報には、前記閉路電圧の他に、前記閉路電圧の変化量が含まれており、
    前記変化量には、前記記憶部に記憶された前記閉路電圧が前記検出部で検出される第1検出タイミングから、新たに前記閉路電圧が前記検出部で検出される第2検出タイミングの手前までの間の前記電池セルの充放電量が含まれている請求項1に記載の電池装置。
  3. 前記演算部は、
    前記電池情報に基づいて前記第2検出タイミングの前記閉路電圧を推定して前記記憶部に記憶し、
    前記ゲインと前記オフセットの少なくとも一方を調整することで、前記交点の前記入力電圧と、前記記憶部に記憶された、前記第2検出タイミングの前記閉路電圧の推定値との差を狭める請求項2に記載の電池装置。
  4. 前記演算部は、前記電池情報に基づいて前記閉路電圧の取得範囲を設定し、
    前記AD変換部は、前記演算部で設定される前記取得範囲で、前記検出部で検出された前記閉路電圧を前記デジタル信号に変換する請求項1~3のいずれか1項に記載の電池装置。
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