JP7467303B2 - 流体動圧軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体動圧軸受装置に関する。
周知のように、流体動圧軸受装置は、高速回転、高回転精度および低騒音等の特長を有する。このため、流体動圧軸受装置は、例えば、HDD等のディスク駆動装置に組み込まれるスピンドルモータ、PC等に組み込まれるファンモータ、あるいはレーザビームプリンタに組み込まれるポリゴンスキャナモータなどのモータ用軸受装置として好適に使用される。
例えば下記の特許文献1に開示されている流体動圧軸受装置は、円筒状の軸受スリーブ(軸受部材)と、軸受部材の内周に配置された軸部材と、軸受部材と軸部材の相対回転に伴って軸受部材の内周面と軸部材の外周面との間に形成されるラジアル軸受隙間と、ラジアル軸受隙間に生じる流体(例えば、潤滑油)の動圧作用で軸部材をラジアル方向に相対回転自在に非接触支持するラジアル軸受部とを備える。この場合、ラジアル軸受隙間を形成する対向二面の何れか一方には動圧発生部(ラジアル動圧発生部)が設けられる。
図6に、特許文献1の図2にも記載されている公知のラジアル動圧発生部を示す。同図に示すラジアル動圧発生部100は、静止側の軸受部材110の内周面に設けられたものであって、軸方向に対して傾斜し、周方向に間隔を空けて設けられた複数の上側動圧溝101と、上側動圧溝101とは反対方向に傾斜し、周方向に間隔を空けて設けられた複数の下側動圧溝102と、両動圧溝101,102を区画する凸状の丘部(図中クロスハッチングで示す)103とで構成され、丘部103は全体としてヘリングボーン形状に形成されている。従って、凸状の丘部103は、周方向で隣り合う動圧溝間に設けられた傾斜丘部104と、上下の動圧溝101,102間に設けられた環状丘部105とからなる。
特開2011-196544号公報
図6に示す従来のラジアル動圧発生部100でラジアル軸受隙間内の流体に動圧を発生させるためには、軸受部材110の内周に挿入された回転側の軸部材111が回転するのに伴ってラジアル軸受隙間内の流体を動圧溝101,102に沿って環状丘部105側に流動させ(図6中の黒塗り矢印参照)、環状丘部105に衝突させる必要がある。そのため、従来のラジアル動圧発生部100を採用した場合、軸部材111の回転方向が一方向に限定される。従って、流体動圧軸受装置の組立時には、軸受部材110の姿勢に注意を払う必要があり、組立作業の作業性等に難がある。
また、ラジアル動圧発生部100を採用した場合には、上記の理由から、ラジアル軸受隙間のうち環状丘部105の対向領域で動圧が発生する(環状丘部105の対向領域で油膜の圧力が高まる)ため、軸部材111が回転したときには、ラジアル動圧発生部100のうち環状丘部105の形成領域に圧力(面圧)が集中的に負荷される。そのため、環状丘部105の摩耗が進展し易いという問題もある。
さらに、ラジアル動圧発生部100を採用した場合、流体動圧軸受装置の起動・停止時のような低回転速度域では十分な動圧効果を得ることができず、軸部材111を精度良く支持することが難しいという問題も指摘されている。
そこで、本発明は、公知のラジアル動圧発生部が有する上記の各種問題点をまとめて解消し、これにより、組立作業性、耐久寿命および低回転速度域での回転精度が良好な流体動圧軸受装置を実現することを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、円筒状の軸受部材と、軸受部材の内周に配置された軸部材と、軸受部材の内周面および軸部材の外周面の何れか一方に設けられ、軸受部材と軸部材の相対回転に伴って両者間に形成されるラジアル軸受隙間内の流体に動圧作用を発生させるラジアル動圧発生部と、を備えた流体動圧軸受装置において、ラジアル動圧発生部が、周方向に沿って間隔を空けて設けられた複数の多角形丘部と、この多角形丘部を囲饒するように設けられた多角形溝部と、周方向で隣り合う2つの多角形溝部を連結する周方向溝部とからなることを特徴とする。なお、上記の「流体」は、潤滑油等の液体のみならず空気等の気体も含む概念である。
上記の構成を有するラジアル動圧発生部であれば、軸部材の回転方向(軸受部材と軸部材の相対回転方向)が正方向又は逆方向の何れであっても対応することができる。そのため、流体動圧軸受装置の組立時に、ラジアル動圧発生部が設けられた部材(例えば軸受部材)の組み込み方向(姿勢)を考慮する必要がなくなる。これにより、流体動圧軸受装置の組立作業性を高めることができる。
本発明で採用するラジアル動圧発生部は、周方向に間隔を空けて設けられた複数の多角形溝部と、周方向で隣り合う2つの多角形溝部を連結する周方向溝部とで構成された環状形態の溝パターンを有し、軸受部材と軸部材の相対回転時に上記溝パターンに沿って流れる流体は、溝同士の接続箇所(流体の流れ方向が変わる箇所)や複数の溝が合流する箇所において、その圧力が高められることになる。つまり、本発明に係るラジアル動圧発生部を採用した場合、ラジアル軸受隙間内の流体の圧力が高まる箇所(動圧が発生する箇所)は、図6に示す従来のラジアル動圧発生部100を採用する場合のようにラジアル軸受隙間の軸方向一部領域(環状丘部105の対向領域)に限定されるわけではなく、ラジアル軸受隙間の軸方向複数箇所に分散されることになる。これにより、軸受部材と軸部材の相対回転時にラジアル動圧発生部の一部に面圧が集中的に負荷されることに起因したラジアル動圧発生部(特に丘部)の摩耗を可及的に防止することができる他、低回転速度域でも十分な動圧効果を得ることが可能となる。
上記構成のラジアル動圧発生部は、軸方向の一箇所のみに設けても良いし、軸方向に間隔を空けて複数設けても良い。ラジアル動圧発生部を軸方向の複数箇所に設ければ、軸受剛性を高めることができるので、軸受部材と軸部材の相対回転時における両者の接触頻度を減じる上で有利となる。これにより、軸受部材および/または軸部材の摩耗を抑える上で、また、両者の接触に起因した異音の発生を防止する上で一層有利となる。
ラジアル動圧発生部を有する上記一方の部材(軸受部材又は軸部材)は、焼結金属や多孔質樹脂などといった多孔質体で形成することができる。この種の多孔質体は加工性に優れるので、ラジアル動圧発生部の形状精度を高める上で有利となる。また、多孔質体は、その内部気孔に流体を保持することができるので、ラジアル軸受隙間に介在させるべき流体量が不足するのを防止する上で有利となる。このとき、多角形溝部および周方向溝部の表面開孔率を多角形丘部の表面開孔率よりも大きくしておけば、内部気孔に保持させた流体を多角形溝部および周方向溝部に積極的に供給し、多角形溝部および周方向溝部を潤沢な流体で満たすことができるので、所望の軸受性能を安定的に発揮することができる。
以上で説明した本発明に係る流体動圧軸受装置は、ファンモータ、スピンドルモータおよびポリゴンスキャナモータ等の各種モータ用軸受装置として好適に用い得る。
以上より、本発明によれば、図6に示す従来のラジアル動圧発生部100が有する各種問題点をまとめて解消することができるので、組立作業性、耐久寿命および低回転速度域での回転精度(軸受性能)が良好な流体動圧軸受装置を実現することが可能となる。
ファンモータの一例を概念的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る流体動圧軸受装置の概略断面図である。 図2に示す軸受部材の内周面の部分展開平面図である。 (A)図は、軸部材が正回転する場合の潤滑油の流通態様を説明する図、(B)図は、軸部材が逆回転する場合の潤滑油の流通態様を説明する図である。 (A)~(C)図は、ラジアル動圧発生部の変形例を模式的に示す図である。 従来のラジアル動圧発生部が形成された軸受部材の縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る流体動圧軸受装置1、より詳細には軸回転型の流体動圧軸受装置1が組み込まれたファンモータの一例を概念的に示す。同図に示すファンモータは、流体動圧軸受装置1と、モータの静止側を構成するモータベース6と、モータベース6に固定されたステータコイル5と、モータの回転側を構成し、ファン(羽根)を有するロータ3と、ロータ3に固定され、ステータコイル5と半径方向のギャップを介して対向するロータマグネット4とを備える。流体動圧軸受装置1はモータベース6の内周に固定され、流体動圧軸受装置1の軸部材2にはロータ3が固定されている。このように構成されたファンモータにおいて、ステータコイル5に通電すると、ステータコイル5とロータマグネット4との間の電磁力でロータマグネット4が回転し、これに伴って軸部材2及びロータ3が一体的に回転する。
軸部材2が回転すると、ロータ3に設けられた羽根の形態に応じて図中上向き又は下向きに風が送られる。このため、軸部材2の回転時にはこの送風作用の反力として、軸部材2に図中下向き又は上向きの推力が作用する。ステータコイル5とロータマグネット4との間には、この推力を打ち消す方向の磁力(斥力)を作用させており、上記推力と磁力の大きさの差により生じたスラスト荷重が流体動圧軸受装置1のスラスト軸受部Tで支持される。上記推力を打ち消す方向の磁力は、例えば、ステータコイル5とロータマグネット4とを軸方向にずらして配置することにより発生させることができる(詳細な図示は省略)。また、軸部材2の回転時には、軸部材2にラジアル荷重が作用する。このラジアル荷重は、流体動圧軸受装置1のラジアル軸受部R1,R2で支持される。
図2に、図1に示す流体動圧軸受装置1を拡大して示す。以下では、説明の便宜上、図2の紙面下側を「下側」、図2の紙面上側を「上側」と言うが、流体動圧軸受装置1の使用姿勢を限定するわけではない。
図2に示す流体動圧軸受装置1は、回転側を構成する軸部材2と、静止側を構成するハウジング7、軸受部材8およびシール部材9と、ハウジング7の内部空間に充填された流体としての潤滑油(図示省略)とを備えた、いわゆる軸回転型の流体動圧軸受装置である。潤滑油は、ハウジング7の内部空間全域を満たすように充填される場合と、ハウジング7の内部空間の一部に充填される場合とがあるが、後者の場合でも、少なくとも軸部材2の外周面2aと軸受部材8の内周面8aの間の径方向隙間(ラジアル軸受部R1,R2のラジアル軸受隙間)およびスラスト軸受部Tを収容した底空間10は潤滑油で満たされる。
軸部材2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成され、その外周面2aは凹凸のない平滑な円筒面に、またその下端面2bは凸球面に形成されている。軸部材2の上端には、羽根を有するロータ3(図1参照)が固定される。
ハウジング7は、黄銅等の軟質金属材料、又は樹脂材料により、円筒状の筒部7aと、筒部7aの下端開口を閉塞する底部7bと、筒部7aと底部7bの境界部内周に設けられた段部7cとを一体に有する有底筒状に形成されている。本実施形態のハウジング7の内底面(底部7bの上端面)7b1は、流体動圧軸受装置1の運転時に軸部材2をスラスト方向に接触支持するスラスト軸受部Tを形成する。そのため、図示は省略しているが、ハウジング7よりも耐摩耗性に優れた材料で形成された板状部材(スラストプレート)をハウジング7の底部7bに配置し、このスラストプレートで軸部材2を接触支持するようにしても良い。
シール部材9は、金属材料又は樹脂材料で円筒状に形成され、ハウジング7の筒部7aの上端部内周に適宜の手段で固定される。シール部材9の内周面9aは、対向する軸部材2の外周面2aとの間にシール隙間Sを形成する。シール隙間Sの隙間幅は、軸部材2の外周面2aと軸受部材8の内周面8aとの間に形成される径方向隙間(ラジアル軸受隙間)の隙間幅よりも大きく設定される。
本実施形態の軸受部材8は、無数の内部気孔(多孔質組織)を有する多孔質体、例えば鉄および銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成され、その内部気孔には潤滑油が含浸されている。軸受部材8としては、焼結金属以外の多孔質体(例えば多孔質樹脂)で形成されたものや、中実の軟質金属材料や樹脂材料などといった非多孔質材料で形成されたものを用いても良い。
本実施形態の軸受部材8は、その下端面8bをハウジング7の段部7cの上端面7c1に当接させた状態でハウジング7の内周に固定されている。軸受部材8は、圧入、接着、又は圧入接着(圧入と接着の併用)等によってハウジング7に固定することができるが、本実施形態では、シール部材9とハウジング7の段部7cとで軸受部材8を軸方向両側から挟持することにより軸受部材8をハウジング7の内周に固定している。このような固定方法を採用すれば、ハウジング7に対してシール部材9を固定するのと同時に軸受部材8をハウジング7に固定することができるので、部材同士の組み付けに要する手間を軽減することができる。また、例えば、軸受部材8をハウジング7の筒部7aの内周に大きな締め代をもって圧入すると、圧入に伴う軸受部材8の変形が軸受部材8の内周面8aに波及し、ラジアル軸受隙間の幅精度、ひいてはラジアル軸受部R1,R2の軸受性能に悪影響が及ぶ可能性がある。本実施形態で採用している上記の固定方法では、このような問題発生を可及的に防止することができる。
図3に、軸受部材8の内周面8aの部分展開平面図を示す。同図に示すように、軸受部材8の内周面8aには、対向する軸部材2の外周面2aとの間にラジアル軸受隙間を形成するラジアル軸受面が上下に離間した二箇所に設けられている。二つのラジアル軸受面には、それぞれ、ラジアル軸受隙間に介在する潤滑油に動圧作用を発生させるためのラジアル動圧発生部20が設けられている。
各ラジアル動圧発生部20は、周方向Yに沿って間隔を空けて設けられた複数の多角形丘部21と、多角形丘部21を囲饒するように設けられた多角形溝部22と、周方向Yに延び、周方向Yで隣り合う2つの多角形溝部22を連結する周方向溝部23とからなる。図示例の多角形丘部21は、平面視で八角形をなした丘部(凸状部)である。そのため、多角形丘部21を囲饒するように設けられた多角形溝部22は、八本の溝を八角形の形態に連結して構成される。なお、図示例の多角形丘部21(およびその周囲を囲饒する多角形溝部22)は、軸方向Xに延びる直線を中心とした線対称形状(左右対称形状)であると共に、周方向Yに延びる直線を中心とした線対称形状(上下対称形状)である。
以上の構成を有する流体動圧軸受装置1において、軸部材2が回転すると、軸受部材8の内周面8a(に軸方向に間隔を空けて設けられた2つのラジアル動圧発生部20)と、これに対向する軸部材2の外周面2aとの間にラジアル軸受隙間が形成される。また、軸受部材8を焼結金属の多孔質体で形成している本実施形態においては、軸部材2が回転すると、軸受部材8の内部気孔に含浸させた潤滑油が、軸部材2の回転に伴う圧力(負圧)の発生と昇温による潤滑油の熱膨張により軸受部材8の表面開孔を介して軸受部材8の外部に次々と滲み出し、ラジアル軸受隙間に引き込まれる。ラジアル軸受隙間に予め介在する潤滑油、および軸受部材8から滲み出てラジアル軸受隙間に引きまれた潤滑油は油膜を形成し、この油膜の圧力がラジアル動圧発生部20の動圧作用によって高められる。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部R1,R2が上下に離間した二箇所に形成される。
また、これと同時に、軸部材2をスラスト方向に接触(点接触)支持するスラスト軸受部Tが形成される。前述したとおり、本実施形態においては、軸部材2を下方に押し付けるための外力(磁力)を軸部材2に作用させている。従って、軸部材2の回転に伴って底空間10内の圧力が高まった場合でも、軸部材2が過浮上するのを可及的に防止することができる。なお、上記外力は必ずしも作用させる必要はなく、必要に応じて作用させれば良い。
以上で説明した流体動圧軸受装置1においては、ラジアル動圧発生部20が、周方向Yに沿って間隔を空けて設けられた複数の多角形丘部21と、この多角形丘部21を囲饒するように設けられた多角形溝部22と、周方向で隣り合う2つの多角形溝部22を連結する周方向溝部23とからなる。この場合、軸部材2が図4(A)中に示す方向(正方向)に回転する場合と、軸部材が図4(B)中に示す方向(逆方向)に回転する場合とで、ラジアル軸受隙間に介在する潤滑油の流れる方向は反対になるものの、潤滑油の流れ方(多角形溝部22と周方向溝部23とからなる溝パターンに沿って流れる潤滑油の流れ方)に差が生じない。そのため、軸部材2の回転方向が正方向又は逆方向の何れであっても、ラジアル軸受隙間に形成される油膜圧力を適切に高め、所望の軸受性能を発揮し得るラジアル軸受部R1,R2を形成することができる。これにより、流体動圧軸受装置1の組立時に、ラジアル動圧発生部20が設けられた部材(ここでは軸受部材8)の組み込み方向(姿勢)を考慮する必要がなくなるので、流体動圧軸受装置1の組立作業性を高めることができる。
本実施形態のラジアル動圧発生部20は、周方向Yに間隔を空けて設けられた複数の多角形溝部22と、周方向Yで隣り合う多角形溝部22を連結する周方向溝部23とで構成された帯状形態の溝パターンを有し、軸部材2の回転時に溝パターンに沿って流れる潤滑油は、図4(A)(B)中に符号Aで示す、溝同士の接続箇所(潤滑油の流れ方向が変わる箇所)や、図4(A)(B)中に符号Bで示す、二本の溝が合流する箇所(溝パターンに沿って流れる潤滑油が合流する箇所)においてその圧力が高められる。
つまり、本実施形態のラジアル動圧発生部20を採用した場合、ラジアル軸受隙間で油膜圧力が高まる箇所(動圧が発生する箇所)は、図6に示す従来のラジアル動圧発生部100を採用する場合のようにラジアル軸受隙間の軸方向一部領域(環状丘部105の対向領域)に限定されるわけではなく、ラジアル軸受隙間の軸方向複数箇所に分散される。これに加え、ラジアル動圧発生部20を構成する多角形丘部21の軸方向幅は、従来のラジアル動圧発生部100を構成する環状丘部105の軸方向幅よりも大きくすることができる。これにより、軸部材2の回転時にラジアル動圧発生部20の一部に面圧が集中的に負荷されることに起因したラジアル動圧発生部20(特に丘部としての多角形丘部21)の摩耗を可及的に防止することができる他、低回転速度域でも十分な動圧効果を得ることが可能となる。
また、本実施形態では、ラジアル動圧発生部20が形成された軸受部材8を、焼結金属の多孔質体で形成している。この種の多孔質体は加工性に優れるので、ラジアル動圧発生部20の形状精度を高める上で、ひいてはラジアル軸受部R1,R2の軸受性能を高める上で有利となる。また、多孔質体からなる軸受部材8は、その内部気孔に潤滑油を保持することができるので、ラジアル軸受隙間に介在させるべき潤滑油量が不足するのを防止することができる。この点からも、ラジアル軸受部R1,R2の軸受性能を高めることができる。
なお、ラジアル動圧発生部20を有する軸受部材8が多孔質体(焼結金属の多孔質体)で形成された本実施形態においては、多角形溝部22および周方向溝部22の表面開孔率を多角形丘部21の表面開孔率よりも大きくしておくのが好ましい。このようにすれば、軸受部材8の内部気孔に保持させた潤滑油を多角形溝部22および周方向溝部23に積極的に供給し、多角形溝部22および周方向溝部23を潤沢な潤滑油で満たすことができるので、ラジアル軸受部R1,R2の軸受性能を安定的に発揮させる上で有利となる。
以上、本発明の一実施形態に係る流体動圧軸受装置1について説明を行ったが、流体動圧軸受装置1には本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。
例えば、以上で説明した実施形態では、動圧軸受からなるラジアル軸受部を形成するためのラジアル動圧発生部20を軸方向の二箇所に間隔を空けて配置したが、ラジアル動圧発生部20は、軸方向の一箇所のみに設けても良いし、軸方向の三箇所以上に間隔を空けて配置しても良い。要するに、本発明は、ラジアル軸受部が軸方向の一箇所のみに設けられる流体動圧軸受装置1や、ラジアル軸受部が軸方向の三箇所以上に設けられる流体動圧軸受装置1にも適用することができる。また、ラジアル動圧発生部20は、ラジアル軸受隙間を形成する対向二面(軸受部材8の内周面8aおよび軸部材2の外周面2a)の何れか一方に設ければ良い。従って、ラジアル動圧発生部20は、軸受部材8の内周面8aに替えて軸部材2の外周面2aに設けられる場合もある。
また、以上で説明したラジアル動圧発生部20においては、平面視で八角形状をなした多角形丘部21(および多角形溝部22)を採用したが、多角形丘部21(および多角形溝部22)は、図5(A)に示すような四角形状、図5(B)に示すような五角形状、図5(C)に示すような六角形状等、八角形以外の多角形状に形成しても構わない。
なお、多角形丘部21を囲饒するように設けられる多角形溝部22は、軸部材2の回転時にラジアル軸受隙間に介在する潤滑油が流通する油路として機能する。このため、油路上に少なくとも二つの鋭角部が形成されることになる三角形状の多角形溝部22では、軸部材2の回転時に潤滑油を円滑に流通させることができず、ラジアル軸受部の軸受性能に悪影響が及ぶおそれがある。従って、多角形丘部21(および多角形溝部22)は、4個以上の角部を有する多角形状に形成するのが好ましい。
また、以上で説明した実施形態においては、周方向Yで隣り合う2つの多角形溝部22を一本の周方向溝部23で連結するようにしたが、周方向Yで隣り合う2つの多角形溝部22は、互いに平行な二本以上の周方向溝部23で連結しても構わない。
また、以上で説明した流体動圧軸受装置1においては、軸部材2を回転側とし、軸受部材8を静止側としたが、軸部材2が静止側を構成すると共に軸受部材8が回転側を構成する場合もある。すなわち、本発明は、いわゆる軸回転型の流体動圧軸受装置1のみならず、いわゆる軸固定型の流体動圧軸受装置1に適用することも可能である。
1 流体動圧軸受装置
2 軸部材
8 軸受部材
20 ラジアル動圧発生部
21 多角形丘部
22 多角形溝部
23 周方向溝部
R1,R2 ラジアル軸受部
T スラスト軸受部
X 軸方向
Y 周方向

Claims (3)

  1. 円筒状の軸受部材と、該軸受部材の内周に配置された軸部材と、前記軸受部材の内周面および前記軸部材の外周面の何れか一方に設けられ、前記軸受部材と前記軸部材の相対回転に伴って両者間に形成されるラジアル軸受隙間内の流体の動圧作用を発生させるラジアル動圧発生部と、を備えた流体動圧軸受装置において、
    前記ラジアル動圧発生部が、周方向に沿って間隔を空けて設けられた複数の多角形丘部と、該多角形丘部を囲饒するように設けられた多角形溝部と、周方向で隣り合う2つの前記多角形溝部を連結する周方向溝部とからなることを特徴とする流体動圧軸受装置。
  2. 複数の前記ラジアル動圧発生部が軸方向に間隔を空けて設けられている請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
  3. 前記ラジアル動圧発生部を有する前記一方の部材が多孔質体からなり、
    前記多角形溝部および前記周方向溝部の表面開孔率が、前記多角形丘部の表面開孔率よりも大きい請求項1又は2に記載の流体動圧軸受装置。
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