JP7465796B2 - 移動店舗管理装置及び移動店舗管理システム - Google Patents

Description

本発明は、自律走行してユーザに商品を販売する移動店舗を管理する移動店舗管理装置及び移動店舗管理システムに関する。

特許文献１には、ユーザが購入したい商品又はサービスを提供する移動店舗が所定位置に移動するように、移動店舗の運行計画を生成する移動店舗システムが開示されている。

特開２０１９－１３９３７１号公報

しかしながら、特許文献１に開示された移動店舗システムにおいては、商品やサービスを購入したいユーザは、移動店舗が移動した所定位置まで移動しなければならず、商品を購入する際の負担になっていた。

そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが商品を購入する際の負担を軽減することを目的とする。

本発明の第１の態様においては、所定の領域において在席中の在席ユーザの在席位置を示す在席情報を取得する在席情報取得部と、前記在席情報が示す前記在席位置に基づいて、前記領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、を備える移動店舗管理装置を提供する。

前記移動店舗管理装置は、前記領域における前記在席ユーザの属性を示す属性情報を取得する属性情報取得部と、前記属性情報が示す前記属性に基づいて、前記移動店舗が前記巡回経路に沿って走行する巡回タイミングを決定する巡回タイミング決定部と、をさらに備える。

前記移動店舗管理装置は、前記移動店舗に搭載する商品として、前記属性情報が示す前記属性に基づいて前記在席ユーザが購入する蓋然性が高い商品を選択する商品選択部をさらに備える。

前記在席情報取得部は、複数の前記在席ユーザの各々の前記在席位置を示す複数の前記在席情報を取得し、前記属性情報取得部は、複数の前記在席ユーザの各々の前記属性情報を取得し、前記巡回経路決定部は、複数の前記属性情報の各々が示す前記属性に基づいて、複数の前記在席ユーザのうちの前記移動店舗から商品を購入する蓋然性が相対的に高い高見込ユーザを特定し、特定した前記高見込ユーザの在席位置を含む前記巡回経路を決定する。

前記属性情報取得部は、前記高見込ユーザに対応する通知先を含む前記属性情報を取得し、前記属性情報が示す前記通知先に、前記属性情報が示す属性に基づいて前記高見込ユーザが購入する蓋然性が高いと判定された商品に関する商品情報を通知する商品情報通知部をさらに備える。

前記巡回タイミング決定部は、特定した前記高見込ユーザの前記属性情報が示す属性に基づいて、前記高見込ユーザが商品を購入する蓋然性が相対的に高くなる時間帯に、前記高見込ユーザの在席位置を目的地として含む前記巡回経路を巡回する前記巡回タイミングを決定する。

前記移動店舗管理装置は、前記在席ユーザを撮像した撮像画像又は前記在席位置の周辺で生じた音を収音した収音情報の少なくともいずれかに基づいて前記在席ユーザの行動を特定する行動特定部をさらに備え、前記巡回経路決定部は、前記行動特定部が特定した前記行動に基づいて、前記移動店舗から商品を購入する蓋然性が相対的に低い低見込ユーザを特定し、特定した前記低見込ユーザの在席位置から所定範囲内の通路を通らない前記巡回経路を決定する。

前記在席情報取得部は、複数の前記在席ユーザの前記在席位置を示す複数の前記在席情報を取得し、前記巡回経路決定部は、複数の前記在席情報に基づいて、前記領域内の他の区域よりも相対的に多くの前記在席ユーザが存在する高密度区域を特定し、特定した前記高密度区域を通る前記巡回経路を決定する。

前記移動店舗管理装置は、前記移動店舗と他の装置との間の無線通信の通信品質を示す品質情報を取得する品質情報取得部をさらに備え、前記巡回経路決定部は、前記品質情報取得部が取得した前記通信品質が、他の経路を通る場合よりも高くなる前記巡回経路を決定する。

前記移動店舗管理装置は、前記領域内における座席の位置を示す座席位置情報に、前記領域内に座席が設定されているユーザを識別するユーザ識別情報を関連付けて記憶する記憶部と、前記領域に入ったユーザのユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、をさらに備え、前記在席情報取得部は、前記識別情報取得部が取得した前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記座席位置情報が示す前記座席の位置を、前記在席ユーザの前記在席位置として取得する。

前記移動店舗管理装置は、前記巡回経路決定部が決定した前記巡回経路を、前記移動店舗に通知する経路通知部をさらに備える。

前記移動店舗管理装置は、前記商品を搭載する商品搭載部と、前記移動店舗を走行させる走行部と、前記走行部を制御することにより、前記巡回経路に沿って前記移動店舗を走行させる走行制御部と、をさらに備える。

前記移動店舗管理装置は、前記商品搭載部から取り出された商品を特定する購入商品特定部と、前記購入商品特定部が特定した前記取り出された商品を取り出した購入ユーザを特定する購入ユーザ特定部と、前記購入商品特定部が特定した前記取り出された商品を示す購入商品情報と、前記購入ユーザ特定部が特定した前記購入ユーザを示す購入ユーザ情報とを関連付けて、前記取り出された商品の決済を行う外部装置に送信する送信制御部と、をさらに備える。

本発明の第２の態様においては、所定の領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗と、前記移動店舗を管理する移動店舗管理装置とを備え、前記移動店舗管理装置は、前記領域において在席中の在席ユーザの在席位置を示す在席情報を取得する在席情報取得部と、前記在席情報が示す前記在席位置に基づいて、前記移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、前記巡回経路決定部が決定した前記巡回経路を、前記移動店舗に通知する経路通知部と、を備え、前記移動店舗は、前記商品を搭載する商品搭載部と、前記移動店舗を走行させるための走行部と、前記移動店舗管理装置から前記巡回経路を取得する経路取得部と、前記走行部を制御することにより、前記巡回経路に沿って前記移動店舗を走行させる走行制御部と、前記商品搭載部から取り出された商品を特定する購入商品特定部と、前記購入商品特定部が特定した前記商品を取り出した購入ユーザを特定する購入ユーザ特定部と、前記購入商品特定部が特定した前記取り出された商品を示す購入商品情報と、前記購入ユーザ特定部が特定した前記購入ユーザを示す購入ユーザ情報とを関連付けて、前記取り出された商品の決済を行う外部装置に送信する送信制御部と、を有する移動店舗管理システムを提供する。

本発明によれば、ユーザが商品を購入する際の負担を軽減できるという効果を奏する。

実施形態に係る移動店舗管理システムの概要を説明するための図である。 移動店舗の構成を模式的に示す図である。 移動店舗管理装置の構成を模式的に示す図である。 巡回経路を説明するための図である。 移動店舗管理装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 リアルタイムで巡回経路を決定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。

［実施形態に係る移動店舗管理システムＳの概要］
図１は、実施形態に係る移動店舗管理システムＳの概要を説明するための図である。移動店舗管理システムＳは、所定の領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗１と、移動店舗１を管理する移動店舗管理装置２とを備える。所定の領域は例えばオフィスである。本実施形態では、複数のユーザが存在するオフィス内で、自律走行ロボットを活用した移動店舗１が商品を販売するユースケースを想定している。

移動店舗管理装置２は、移動店舗１の運行管理を行う。移動店舗管理装置２は、例えばクラウド上に存在するサーバである。移動店舗管理装置２は、オフィス室内に在席中の在席ユーザＵの在席位置やユーザ端末３から取得した情報に基づいて、オフィス室内における移動店舗１の巡回経路を決定する。移動店舗管理装置２は、例えば在席位置付近の通路を通る巡回経路を決定する。そして、移動店舗管理装置２は、巡回経路を移動店舗１に通知する（図１の（１））。

移動店舗１は、移動店舗管理装置２から通知された巡回経路に沿って自律走行し、巡回経路に沿って走行しながら商品を販売する（図１の（２））。在席ユーザＵは、走行してきた移動店舗１から商品を購入する（図１の（３））。このように、移動店舗管理システムＳは、オフィスに在席中の在席ユーザＵが席から遠方まで移動することなく商品を購入できるようにするので、商品を購入する際の在席ユーザＵの負担を軽減できる。

［移動店舗１の構成］
図２は、移動店舗１の構成を模式的に示す図である。移動店舗１は、無線通信部１０と、位置取得部１１と、撮像部１２と、収音部１３と、商品搭載部１４と、走行部１５と、記憶部１６と、制御部１７とを備える。

無線通信部１０は、他の装置と情報の送受信を行うための無線通信モジュールである。無線通信部１０は、移動店舗管理装置２との間で無線通信を介して情報の送受信を行う。例えば、無線通信部１０は、ＬＴＥ（Long Term Evolution）や５Ｇ（第５世代移動通信システム）等の無線通信方式に対応する基地局を介して、無線通信を行う。また、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）等のアンライセンス系の無線通信を行ってもよい。

位置取得部１１は、移動店舗１の現在位置を取得する。位置取得部１１は、ＧＰＳ（Global Positioning System）で用いられる人工衛星から送信される電波を受信するＧＰＳ受信機を含む。位置取得部１１は、ＩＭＥＳ（Indoor MEssaging System）等の屋内測位技術で取得した絶対位置情報を位置情報としても良い。この場合、ＧＰＳ受信機は、ＧＰＳ衛星と同じ電波形式を用いた屋内ＧＰＳ送信機から、屋内ＧＰＳ送信機の送信機位置情報を受信する。位置取得部１１は、受信した送信機位置情報に基づいて、移動店舗１の現在位置を特定する。位置取得部１１は、複数の屋内ＧＰＳ送信機から受信した複数の送信機位置情報に基づいて、オフィス内における移動店舗１の現在位置を特定してもよい。位置取得部１１は、取得した移動店舗１の現在位置を移動店舗管理装置２に無線通信部１０を介して送信する。

撮像部１２は、移動店舗１に搭載されたカメラである。撮像部１２は、移動店舗１の周辺を撮像した撮像画像を生成する。例えば、撮像部１２は、移動店舗１の進行方向前方を撮像した撮像画像を生成する。また、撮像部１２は、カメラを移動させる移動機構を備えていてもよく、移動機構を制御して、進行方向前方だけでなく、左右や上下を撮像することができる。

収音部１３は、移動店舗１に搭載しされたマイクである。収音部１３は、移動店舗１の周囲の音を収音し、収音した音を示す収音情報を生成する。

商品搭載部１４は、商品を搭載する棚である。なお、商品搭載部１４は、棚だけでなく、箱であってもよく、箱の開口部を開閉自在にする扉が設けられてもよい。また、商品搭載部１４は、搭載した商品を保温又は保冷するための装置を含んでもよい。なお、商品搭載部１４への商品の搭載は、人手で行ってもよく良く、アームロボット等を用いて行ってもよい。

走行部１５は、移動店舗１を走行させる。例えば、走行部１５は、移動店舗１を走行させるためのタイヤ及びモータを含み、後述する動作制御部１７２の制御に従って移動店舗１を走行させる。

出力部１８は、各種情報を表示するディスプレイである。また、出力部１８は、スピーカーを含んでもよい。出力部１８は、後述する出力制御部１７５の制御により、各種情報を画像として表示したり、音声として出力したりする。

記憶部１６は、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部１６は、制御部１７が実行するプログラムを記憶する。記憶部１６は、移動店舗管理装置２から取得した巡回経路を記憶する。

制御部１７は、例えばＣＰＵ（Central Processing Unit）等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部１７は、記憶部１６に記憶されたプログラムを実行することにより、経路取得部１７１、動作制御部１７２、購入ユーザ特定部１７３、購入商品特定部１７４及び出力制御部１７５としての機能を実現する。

経路取得部１７１は、オフィス内の通路を通る巡回経路を、移動店舗管理装置２から無線通信部１０を介して取得する。経路取得部１７１は、移動店舗管理装置２から取得した巡回経路を記憶部１６に記憶させる。また、経路取得部１７１は、移動店舗管理装置２から新たな巡回経路を取得する度に、記憶部１６に記憶させた巡回経路を更新する。

動作制御部１７２は、移動店舗１の動作を制御する。例えば、動作制御部１７２は、走行部１５を制御することにより、巡回経路に沿って移動店舗１を走行させる。具体的には、動作制御部１７２は、移動店舗１に搭載された各種センサが検出した状態データに基づいて移動店舗１を走行させる。状態データは、例えば、バッテリー残量、温度、移動速度である。動作制御部１７２は、状態データに基づいて、移動店舗１を前進、後退、右左折させたり、停止させたりする。また、動作制御部１７２は、カメラを移動させる移動機構を制御してカメラの向き変更したり、商品搭載部１４の棚の扉を開閉したりする。

動作制御部１７２は、移動店舗１の現在位置、及び撮像画像を用いて、周囲の状況に応じて移動店舗１を動作させる。例えば、動作制御部１７２は、撮像画像を解析することにより、在席ユーザＵが手を挙げたこと又は移動店舗１に近づいていることを特定した場合、移動店舗１を停車させる。また、動作制御部１７２は、在席ユーザＵが手を挙げたこと又は移動店舗１に近づいていることを特定して移動店舗１を停車させた場合、商品搭載部１４の扉を開いて在席ユーザＵが商品を取り出せるようにする。

また、動作制御部１７２は、収音部１３が取得した在席ユーザＵの発した声に基づいて移動店舗１を停車させてもよい。例えば、動作制御部１７２は、在席ユーザＵの発した声を解析した解析結果に基づいて、在席ユーザＵが移動店舗１を停車させる指示又は商品を購入する指示を示す声を発したと判定した場合、移動店舗１を停車させ、在席ユーザＵが商品搭載部１４から商品を取り出せるようにする。

購入ユーザ特定部１７３は、ユーザの個人認証を行い、商品搭載部１４から商品を取り出した購入ユーザを特定する。例えば、購入ユーザ特定部１７３は、撮像画像を解析することにより特定したユーザの顔に基づいて購入ユーザを特定する（顔認証）。具体的には、購入ユーザ特定部１７３は、ユーザの顔の特徴を示す特徴情報と、当該ユーザを識別するユーザ識別情報とを関連付けた個人情報データベースから、撮像画像から特定したユーザの顔の特徴と一致するユーザ識別情報を特定する。そして、購入ユーザ特定部１７３は、特定したユーザ識別情報が示すユーザを購入ユーザとして特定する。

購入ユーザ特定部１７３は、他の方法で購入ユーザを特定してもよい。例えば、購入ユーザ特定部１７３は、移動店舗１に搭載された指紋認証装置から取得した指紋情報に基づいて購入ユーザを特定する（指紋認証）。また、購入ユーザ特定部１７３は、ユーザが商品を商品搭載部１４から取り出す際に取得された撮像画像からユーザの指紋を特定し、特定した指紋に基づいて購入ユーザを特定してもよい。さらに、購入ユーザ特定部１７３は、複数の方法を組み合わせることにより、購入ユーザを特定する精度を高めることができる。なお、購入ユーザ特定部１７３は、移動店舗１に搭載されたＩＣカードリーダを用いて、ユーザのＩＣカードからユーザ識別情報を読み取ることによって、購入ユーザを特定してもよい。

購入商品特定部１７４は、商品搭載部１４から取り出された商品を特定する。例えば、購入商品特定部１７４は、撮像画像を解析することにより、商品搭載部１４から取り出された商品を特定する。また、購入商品特定部１７４は、商品に取り付けられたＲＦＩＤタグを読み取ることにより、商品搭載部１４から取り出された商品を特定してもよい。さらに、購入商品特定部１７４は、複数の方法を組み合わせることにより、商品搭載部１４から取り出された商品を特定する精度を高めることができる。

出力制御部１７５は、購入された商品と、商品を購入した購入ユーザとを関連付けて、商品の決済を行う外部装置に無線通信部１０を介して送信する。外部装置は、例えば移動店舗管理装置２である。例えば、出力制御部１７５は、購入商品特定部１７４が特定した商品搭載部１４から取り出された商品を示す購入商品情報と、購入ユーザ特定部１７３が特定した購入ユーザを示す購入ユーザ情報とを関連付けて移動店舗管理装置２に送信する。

出力制御部１７５は、移動店舗管理装置２から決済が完了したことを示す情報を取得すると、商品の購入処理が完了したことを示す情報を出力部１８に出力させる。例えば、出力制御部１７５は、特定した購入ユーザを示す情報、特定した商品を示す情報、及び決済が完了したことを示す情報を含む画像を出力部１８のディスプレイに表示させる。購入ユーザを示す情報は、購入ユーザを特定できる情報であり、例えば購入ユーザの氏名、又は購入ユーザの社員番号である。商品を示す情報は、例えば商品名、商品の価格、商品の賞味期限又は消費期限などである。なお、出力制御部１７５は、商品の購入処理が完了したことを示す音声又は効果音を出力部１８のスピーカーに出力させてもよい。

［移動店舗管理装置２の構成］
図３は、移動店舗管理装置２の構成を模式的に示す図である。移動店舗管理装置２は、通信部２１と、記憶部２２と、制御部２３とを備える。通信部２１は、他の装置と情報を送受信するための通信モジュールである。例えば、通信部２１は、無線通信を介して移動店舗１と情報の送受信を行う。

記憶部２２は、ＲＯＭ、ＲＡＭ及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部２２は、制御部２３が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部２２は、各種データベースを記憶する。

記憶部２２は、個人情報データベースを記憶する。個人情報データベースは、各ユーザの属性情報を保管する。例えば、移動店舗１の移動対象室内で働くと想定されるユーザの性別、年齢などの属性情報を含む。また、属性情報は、各ユーザの飲食物の好みや移動店舗１での購入の意欲の強弱を示す情報を含んでもよい。さらに、属性情報は、各ユーザに対して情報を通知する通知先を示す情報を含んでもよい。通知先は、例えば、各ユーザのメールアドレスやＳＮＳ（Social Network Service）のアカウント、ＳＭＳ（Short Message Service）の宛先である。また、属性情報は、各ユーザの顔の特徴を示す特徴データを含んでもよい。

記憶部２２は、各ユーザの購入履歴を示す購入履歴データベースを記憶する。購入履歴データベースは、各ユーザが購入した商品内容と購入時間と含む。移動店舗管理装置２は、購入履歴データベースに記憶された各ユーザが購入した商品内容と購入時間とを分析した分析結果に基づいて、移動店舗１に搭載する商品、移動店舗１の巡回タイミング、及び移動店舗１の巡回経路を決定する。

記憶部２２は、商品情報データベースを記憶する。商品情報データベースは、移動店舗１で販売する各商品の商品情報を含む。商品情報は、例えば、商品名、商品の価格、商品の賞味期限又は消費期限などである。また、商品情報は、商品の外観を示す外観画像を含んでもよい。

記憶部２２は、オフィス内の座席の位置及び通路の位置を示す地図データを記憶する。地図データは、例えば、オフィス内に設定する経路の分岐点であるノードと、各ノード間をリンクとして規定したリンクデータとして与えられる。リンクデータは、リンク固有のリンクＩＤ（識別子）、リンク長、リンクの始点及び終点を示すノードの位置情報、角度（方向）データ、通路幅、通路種別（フローリング等）などを含む。

記憶部２２は、地図データと、走行品質情報とを関連付けて記憶する。走行品質情報は、例えば段差の有無や、移動店舗１の走行しやすさを含む。記憶部２２は、移動店舗１から取得した位置情報と、走行品質情報とを関連付けて記憶してもよい。なお、記憶部２２は、移動店舗１が屋外を移動して複数の建物への移動を可能とするために、屋外の地図情報を地図データとして格納してもよい。

制御部２３は、例えばＣＰＵ等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部２３は、記憶部２２に記憶されたプログラムを実行することにより、移動店舗１の運用監視を行う運用監視部としての機能を実現する。

運用監視部は、移動店舗１から各種情報を取得する。運用監視部が移動店舗１から取得する情報は、例えば、移動店舗１の現在位置を示す位置情報、無線通信の通信品質を示す通信品質情報、移動店舗１の状態を示す状態情報、移動店舗１が撮像した撮像画像、及び移動店舗１が収音した収音情報である。運用監視部は、取得した各種情報を、移動店舗１を識別する移動店舗識別情報に関連付けて記憶部２２に記憶させる。

運用監視部は、例えば、１秒間隔で取得した各種情報に基づいて移動店舗１の運用監視を行う。運用監視部は、取得した各種情報に基づいて移動店舗１に障害が発生したか否かを判定する。そして、運用監視部は、移動店舗１に障害が発生した場合、移動店舗１に障害が発生したことを示す警報情報を通知する。警報情報の通知先は、移動店舗管理システムＳを監視するシステム監視者が使用する端末である。

制御部２３は、記憶部２２に記憶されたプログラムを実行することにより、識別情報取得部２３０、在席情報取得部２３１、品質情報取得部２３２、属性情報取得部２３４、商品選択部２３５、巡回経路決定部２３６、巡回タイミング決定部２３７、商品情報通知部２３８及び経路通知部２３９としての機能を実現する。

識別情報取得部２３０は、オフィス内に入ったユーザのユーザ識別情報を取得する。例えば、識別情報取得部２３０は、ユーザのオフィスへの入退出を管理する入退出管理装置から、オフィス内に入室したユーザのユーザ識別情報を取得する。入退出管理装置は、例えばサーバであり、ユーザのオフィスへの入退室を判定する入退出判定装置と接続されている。入退出判定装置は、例えば、ＩＣカードに記憶された情報を読み取ることにより各ユーザの各オフィス室内への入退出を判定する。また、入退出管理装置は、ユーザの顔を撮像するカメラを備えていてもよく、ユーザの顔を識別することにより、ユーザの入退室を判定してもよい。なお、識別情報取得部２３０は、ユーザがオフィスから退出した場合、ユーザがオフィスに入室する場合と同様の方法で、オフィスから退出したユーザのユーザ識別情報を取得できる

在席情報取得部２３１は、オフィス内において在席中の在席ユーザＵの在席位置を示す在席情報を取得する。例えば、在席情報取得部２３１は、複数の在席ユーザＵの各々の在席位置を示す複数の在席情報を取得する。在席情報取得部２３１は、識別情報取得部２３０が取得したユーザ識別情報に関連付けられた座席位置情報が示す座席の位置を、在席ユーザＵの在席位置として取得する。この場合、記憶部２２は、オフィス内における座席の位置を示す座席位置情報に、オフィス内に座席が設定されているユーザを識別するユーザ識別情報を関連付けて記憶する。

品質情報取得部２３２は、移動店舗１と他の装置との間の無線通信の通信品質を示す品質情報を取得する。具体的には、品質情報取得部２３２は、移動店舗１と移動店舗管理装置２との間の無線通信の通信品質情報を取得する。通信品質情報は、例えば、５Ｇの受信電力を示すＲＳＲＰ（Reference Signal Received Power）である。品質情報取得部２３２は、無線通信方式や周波数帯毎に区分された通信品質情報を取得してもよい。無線通信方式は、例えばＬＴＥや５Ｇである。周波数は、例えば、Ｂａｎｄ１（２．１ＧＨｚ）やＢａｎｄ１８（８００ＭＨｚ）である。なお、品質情報取得部２３２は、Ｗｉ－Ｆｉ等のアンライセンス系の無線通信の通信品質情報を取得してもよい。

行動特定部２３３は、在席ユーザＵの行動を特定する。例えば、行動特定部２３３は、在席ユーザＵを撮像した撮像画像又は在席位置の周辺で生じた音を収音した収音情報の少なくともいずれかに基づいて在席ユーザＵの行動を特定する。具体的には、行動特定部２３３は、在席ユーザＵを撮像した撮像画像及び収音情報を移動店舗１から取得し、取得した撮像画像及び収音情報の少なくともいずれかに基づいて在席ユーザＵの行動を特定する。なお、行動特定部２３３は、在席ユーザＵを撮像した撮像画像及び収音情報をユーザ端末３から取得してもよい（図１を参照）。この場合、ユーザ端末３は、例えばパーソナルコンピュータであり、在席ユーザＵを撮像可能な撮像部、及び在席ユーザＵの周辺生じた音を収音可能なマイクを備える。ユーザ端末３に備えられたマイクは、在席ユーザＵが発した音声やキーボードのタッチ音などを収音する。

行動特定部２３３は、例えば新たに取得された収音情報が示すキーボードのタッチ音が、過去に取得された収音情報が示すキーボードのタッチ音よりも相対的に大きい場合、在席ユーザＵが集中していると特定する。また、行動特定部２３３は、撮像画像に複数の在席ユーザＵが含まれる場合や、収音情報に複数の在席ユーザＵの音声が含まれる場合、複数の在席ユーザＵが打合せ又は会議を行っていると特定する。

属性情報取得部２３４は、オフィスにおける在席ユーザＵの属性を示す属性情報を取得する。例えば、属性情報取得部２３４は、個人情報データベースから、オフィス内に在席中の在席ユーザＵのユーザ識別情報に関連付けられた属性情報を取得する。また、属性情報取得部２３４は、オフィス内に複数の在席ユーザＵが存在する場合、複数の在席ユーザＵの各々の属性情報を取得する。

商品選択部２３５は、移動店舗１に搭載する商品を選択する。商品選択部２３５は、移動店舗１に搭載する商品として、属性情報が示す属性に基づいて在席ユーザＵが購入する蓋然性が高い商品を選択する。例えば、商品選択部２３５は、在席ユーザＵの在席状況と、個人情報データベースに示される在席ユーザＵの属性情報が示す属性と、購入履歴情報データベースに示される各ユーザの購入履歴とに基づいて、商品情報データベースに含まれる商品の中から、在席ユーザＵが購入する蓋然性が高い商品を選択する。具体的には、商品選択部２３５は、チョコレート菓子を好む２０代から３０代女性が多く在席している場合、移動店舗１に搭載する商品としてチョコレート菓子を選択する。なお、商品選択部２３５が選択した商品を移動店舗１の商品搭載部１４に搭載する場合、人が搭載しても良く、アームロボット等が搭載しても良い。

巡回経路決定部２３６は、在席情報が示す在席位置に基づいて移動店舗１が通る巡回経路を決定する。例えば、巡回経路決定部２３６は、複数の在席ユーザＵのうちの利用見込みの高い高見込ユーザの在席位置を目的地とする巡回経路を決定する。具体的には、巡回経路決定部２３６は、属性情報取得部２３４が取得した複数の属性情報の各々が示す属性に基づいて、複数の在席ユーザＵのうちの移動店舗１から商品を購入する蓋然性が相対的に高い高見込ユーザを特定する。例えば、巡回経路決定部２３６は、過去に商品を購入した回数が多いユーザと同じ性別や年齢の在席ユーザＵを、商品を購入する蓋然性が高い高見込ユーザとして特定する。そして、巡回経路決定部２３６は、特定した高見込ユーザの在席位置を含む巡回経路を決定する。具体的には、巡回経路決定部２３６は、高見込ユーザの在席位置を目的地として、在席位置に隣接する通路を通る巡回経路を決定する。

図４は、巡回経路を説明するための図である。図４は、移動店舗１が商品を販売するオフィスを模式的に示す図である。図４の黒丸で示すノードＮ１からノードＮ４は、オフィス内に設定する経路の分岐点であるノードの位置を示す。図４の破線で示すリンクＲ１からリンクＲ６は、各ノード間のリンクを示す。また、図４の四角は、オフィス内における座席の位置を示す。図４において、白丸で囲った符号は、在席ユーザＵ１から在席ユーザＵ５を示す。図４において、在席ユーザＵ１から在席ユーザＵ５までの５名のユーザがオフィス内に在席しているものとする。

巡回経路決定部２３６は、例えば在席ユーザＵ１を高見込ユーザとして特定した場合、高見込ユーザである在席ユーザＵ１の在席位置を目的地として設定し、目的地へ向かう巡回経路を設定する。具体的には、巡回経路決定部２３６は、在席ユーザＵ１の在席位置を目的地として設定し、在席ユーザＵ１の在席位置に隣接する通路であるリンクＲ１を通る巡回経路を決定する。

巡回経路決定部２３６は、複数の在席ユーザＵを高見込ユーザとして特定した場合、各高見込ユーザの在席位置の各々を目的地として設定し、複数の目的地の各々を順次移動する巡回経路を設定する。巡回経路決定部２３６は、移動店舗１が目的地に到着する度に、次の目的地へ向かう巡回経路を決定する。具体的には、巡回経路決定部２３６は、移動店舗１が到着した目的地を現在位置として、現在位置から到達できるノードまでのリンクのリンクコストを順次計算し、リンクコストが最小となる巡回経路を決定する。

巡回経路決定部２３６は、販売対象者である在席ユーザＵが相対的に多くなる巡回経路を決定してもよい。例えば、巡回経路決定部２３６は、在席ユーザＵが相対的に多いリンクを選択し易くするために、人口密度が大きい経路ほどリンクコストが小さくなるように重み付けを行ってもよい。人口密度は、例えば、移動店舗１が生成した撮像画像を解析することにより推定することができる。

巡回経路決定部２３６は、複数の在席情報に基づいて、オフィス内の他の区域よりも相対的に多くの在席ユーザＵが存在する高密度区域を特定してもよい。例えば、巡回経路決定部２３６は、一以上のリンクで囲まれた区域内の在席ユーザＵの数を特定し、特定した数が他の区域内の在席ユーザＵの数よりも相対的に多い区域を高密度区域として特定する。具体的には、巡回経路決定部２３６は、リンクＲ５とリンクＲ６とで囲まれた区域を他の区域よりも多くの在席ユーザＵが存在する高密度区域として特定する（図４を参照）。そして、巡回経路決定部２３６は、特定した高密度区域を通る巡回経路を決定する。

なお、巡回経路決定部２３６は、打合せ又は会議に参加しているため移動店舗１を利用する見込みの低い低見込ユーザの付近を通らない巡回経路を決定してもよい。例えば、巡回経路決定部２３６は、行動特定部２３３が特定した在席ユーザＵの行動に基づいて、移動店舗１から商品を購入する蓋然性が相対的に低い低見込ユーザを特定する。具体的には、巡回経路決定部２３６は、打合せ又は会議を行っていると特定された在席ユーザＵを低見込ユーザとして特定する。そして、巡回経路決定部２３６は、低見込ユーザの在席位置から所定範囲内の通路を通らない巡回経路を決定する。例えば、巡回経路決定部２３６は、低見込ユーザの視界に入り易いリンクのリンクコストが大きくなるように重み付けを行う。このようにすることで、巡回経路決定部２３６は、打合せや会議を行っている在席ユーザＵの視界に移動店舗１が入り難くなるので、打合せや会議を行っている在席ユーザＵの気を散らすことを抑制できる。

巡回経路決定部２３６は、集中しているために移動店舗１を利用する見込みの低い低見込ユーザの付近を通らない巡回経路を決定してもよい。具体的には、巡回経路決定部２３６は、集中していると特定された在席ユーザＵを低見込ユーザとして特定する。例えば、巡回経路決定部２３６は、行動特定部２３３がユーザＵ４を低見込ユーザとして特定した場合（図４を参照）、ユーザＵ４の在席位置に隣接する通路であるリンクＲ４を通らない巡回経路を設定する。

巡回経路決定部２３６は、移動店舗１の無線通信の通信品質が悪化しない巡回経路を設定する。例えば、巡回経路決定部２３６は、品質情報取得部２３２が取得した通信品質が、他の経路を通る場合よりも高くなる巡回経路を決定する。具体的には、巡回経路決定部２３６は、過去に取得した通信品質又は通信品質の変化に基づいて、無線通信の通信品質が悪いリンクのリンクコストが小さくなるように重み付けを行う。このようにすることで、巡回経路決定部２３６、無線通信が不安定になることを抑制できる。その結果、移動店舗１の運用監視が行えなくなったり、購入処理ができなくなったりすることを抑制できる。

巡回経路決定部２３６における巡回経路の探索アルゴリズムは公知の技術を利用できる。例えば、巡回経路の探索アルゴリズムは、ダイクストラ法や、Ａ＊アルゴリズム、遺伝的アルゴリズム等を適用できる。

巡回タイミング決定部２３７は、移動店舗１が巡回経路に沿って走行する巡回タイミングを決定する。例えば、巡回タイミング決定部２３７は、在席ユーザＵの在席状況と、属性情報が示す属性と、購入履歴情報データベースに示される各ユーザの購入履歴とに基づいて、巡回タイミングを決定する。具体的には、巡回タイミング決定部２３７は、複数の在席ユーザＵのうちの移動店舗から商品を購入する蓋然性が相対的に高い高見込ユーザの在席位置を目的地として含む巡回経路を巡回する巡回タイミングを決定する。より具体的には、巡回タイミング決定部２３７は、属性情報が示す属性に基づいて、高見込ユーザが商品を購入する蓋然性が相対的に高くなる時間帯に、巡回経路を巡回する巡回タイミングを決定する。そして、巡回タイミング決定部２３７は、決定した巡回タイミングを移動店舗１に通知する。

巡回タイミングについて例を挙げて説明する。２０代から３０代女性は１５時頃にお菓子類の商品を購入する傾向があるので、巡回タイミング決定部２３７は、２０代から３０代女性が多く在席している場合、１５時を含む時刻に巡回経路を巡回する巡回タイミングを決定する。この場合、商品選択部２３５は、移動店舗１が１５時を含む時刻に巡回経路を巡回する際に２０代から３０代女性が購入する蓋然性が高い商品としてお菓子類の商品を選択する。また、２０代から３０代男性は１２時頃にお弁当を購入する傾向があるので、巡回タイミング決定部２３７は、２０代から３０代男性が多く在席している場合、１２時を含む時刻に巡回経路を巡回する巡回タイミングを設定する。この場合、商品選択部２３５は、１２時を含む時刻に巡回経路を巡回する際に２０代から３０代男性が購入する蓋然性が高い商品としてお弁当を選択する。

商品情報通知部２３８は、目的地となった高見込ユーザに対して商品情報を通知する。この場合、属性情報取得部２３４は、個人情報データベースから、高見込ユーザに対応する通知先を含む属性情報を取得する。通知先は、例えば、メールアドレス、ＳＮＳのアカウント又はＳＭＳの宛先である。商品情報通知部２３８は、属性情報が示す属性に基づいて高見込ユーザが購入する蓋然性が高いと判定された商品に関する商品情報を、取得した高見込ユーザに対応する通知先に通知する。また、商品情報通知部２３８は、高見込ユーザが購入する蓋然性が高いと判定された商品を搭載した移動店舗１が高見込ユーザの付近を巡回する巡回タイミングを、商品情報と共に通知してもよい。このようにすることで、高見込ユーザが移動店舗１の巡回タイミングおよび購入できる商品を知ることができるので、商品の販売を促進する効果が期待できる。

また、商品情報通知部２３８は、高見込ユーザに対応する通知先に、移動店舗１の巡回経路又は移動店舗１の現在位置を通知してもよく、巡回経路と現在位置とを共に通知してもよい。例えば、商品情報通知部２３８は、高見込ユーザが購入する蓋然性が高いと判定された商品を搭載した移動店舗１の巡回経路又は現在位置の少なくともいずれかを、当該高見込ユーザに対応する通知先に通知する。このようにすることで、高見込ユーザが、購入したい商品を搭載した移動店舗１が、どのような巡回経路を走行しているのか、又は現在どこにいるかを知ることができるようになる。その結果、高見込ユーザが、移動店舗１まで移動してでも商品を購入したくなったときに、商品を買いに行きやすくなる。

経路通知部２３９は、巡回経路決定部２３６が決定した巡回経路を移動店舗１に通知する。なお、経路通知部２３９は、巡回タイミング決定部２３７が巡回タイミングを通知する替わりに、巡回経路と巡回タイミングとを共に移動店舗１に通知してもよい。

制御部２３は、記憶部２２に記憶されたプログラムを実行することにより、購入処理部としての機能を実現する。購入処理部は、移動店舗１の購入ユーザ特定部１７３が特定した購入ユーザを示す情報と、購入商品特定部１７４が特定した商品を示す情報とを取得し、取得した情報に基づいて決済処理を行う。購入処理部は、移動店舗１から取得した撮像画像の解析結果から、個人情報データベースを参照して商品を購入した購入ユーザを特定したり、商品情報データベースを参照して購入された商品を特定したりしてもよい。購入処理部は、決済処理が完了すると、決済処理が完了したことを移動店舗１に通知する。

［移動店舗管理装置２が実行する処理の流れ］
図５は、移動店舗管理装置２が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、在席情報取得部２３１は、オフィス内の在席中の在席ユーザＵの在席位置を示す在席情報を取得する（ステップＳ１）。例えば、在席情報取得部２３１は、複数の在席ユーザＵの各々の在席位置を示す複数の在席情報を取得する。

続いて、属性情報取得部２３４は、在席ユーザＵの属性を示す属性情報を取得する（ステップＳ２）。例えば、属性情報取得部２３４は、個人情報データベースから、オフィス内に在席中の複数の在席ユーザＵの各々のユーザ識別情報に関連付けられた属性情報を取得する。

巡回経路決定部２３６は、在席情報が示す在席位置に基づいて移動店舗１が通る巡回経路を決定する（ステップＳ３）。具体的には、巡回経路決定部２３６は、複数の在席ユーザＵのうちの移動店舗１から商品を購入する蓋然性が相対的に高い高見込ユーザの在席位置を目的地として含む巡回経路を決定する。

巡回タイミング決定部２３７は、属性情報に基づいて巡回タイミングを決定する（ステップＳ４）。具体的には、巡回タイミング決定部２３７は、高見込ユーザの在席位置を目的地として含む巡回経路を巡回する巡回タイミングを決定する。そして、経路通知部２３９は、巡回経路及び巡回タイミングを移動店舗１に通知する（ステップＳ５）。移動店舗管理装置２は、上記の処理を、移動店舗１が巡回経路を巡回し終わる度に実行する。

［リアルタイムで巡回経路を決定する処理］
オフィスに在席する在席ユーザＵの在席状況や在席ユーザＵの行動は、時間経過とともに変化する。そこで、移動店舗管理装置２は、在席ユーザＵの在席状況や在席ユーザＵの行動の変化に応じてリアルタイムで巡回経路を決定する。図６は、リアルタイムで巡回経路を決定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。

在席情報取得部２３１は、オフィス内の在席中の在席ユーザＵの在席位置を示す在席情報を取得する（ステップＳ１１）。例えば、在席情報取得部２３１は、複数の在席ユーザＵの各々の在席位置を示す複数の在席情報を取得する。

属性情報取得部２３４は、在席ユーザＵの属性を示す属性情報を取得する（ステップＳ１２）。例えば、属性情報取得部２３４は、個人情報データベースから、オフィス内に在席中の複数の在席ユーザＵの各々のユーザ識別情報に関連付けられた属性情報を取得する。

行動特定部２３３は、在席ユーザＵを撮像した撮像画像及び収音情報を移動店舗１から取得する（ステップＳ１３）。行動特定部２３３は、在席ユーザＵを撮像した撮像画像及び収音情報をユーザ端末３から取得してもよい。

続いて、行動特定部２３３は、取得した撮像画像及び収音情報の少なくともいずれかに基づいて在席ユーザＵの行動を特定する（ステップＳ１４）。行動特定部２３３は、例えば収音情報が示すキーボードのタッチ音が相対的に大きい場合、在席ユーザＵが集中していると特定する。また、行動特定部２３３は、撮像画像に複数の在席ユーザＵが含まれる場合や、収音情報に複数の在席ユーザＵの音声が含まれる場合、複数の在席ユーザＵが打合せ又は会議を行っていると特定する。

巡回経路決定部２３６は、属性情報取得部２３４が取得した属性情報と、行動特定部２３３が特定した在席ユーザＵの行動とに基づいて、高見込ユーザ及び低見込ユーザを特定する（ステップＳ１５）。例えば、巡回経路決定部２３６は、複数の属性情報の各々が示す属性に基づいて、複数の在席ユーザＵのうちの移動店舗１から商品を購入する蓋然性が相対的に高い高見込ユーザを特定する。また、巡回経路決定部２３６は、在席ユーザＵの行動に基づいて、移動店舗１から商品を購入する蓋然性が相対的に低い低見込ユーザを特定する。

巡回経路決定部２３６は、高見込ユーザ及び低見込ユーザの在席位置に基づいて巡回経路を決定する（ステップＳ１６）。具体的には、巡回経路決定部２３６は、高見込ユーザの在席位置を目的地とし、低見込ユーザの在席位置の付近を通らない巡回経路を決定する。

そして、経路通知部２３９は、巡回経路決定部２３６が決定した巡回経路を移動店舗１に通知する（ステップＳ１７）。移動店舗管理装置２は、上記の処理を例えば移動店舗１が目的地に到着する度に実行する。また、移動店舗管理装置２は、上記の処理を所定間隔毎に実行してもよい。所定間隔は、例えば数秒から数十秒の間で適宜設定すればよい。

このようにすることで、移動店舗管理装置２は、時間経過とともに変化する在席ユーザＵの在席状況や行動に応じて、リアルタイムで巡回経路を決定できる。その結果、移動店舗１が、集中している在席ユーザＵや打合せをしている在席ユーザＵを妨げることなく、商品を購入する見込みが高い在席ユーザＵの在席位置の付近を巡回することができる。

（変形例１）
移動店舗管理装置２は、複数の移動店舗１を管理してもよい。この場合、移動店舗管理装置２は、複数の移動店舗１の各々の巡回経路、及び巡回タイミングを決定し、複数の移動店舗１の各々に決定した巡回経路及び巡回タイミングを通知する。

（変形例２）
移動店舗１は、移動店舗管理装置２の機能の一部を備えていてもよく、移動店舗管理装置２の機能を全て備えていてもよい。移動店舗１が移動店舗管理装置２の機能を全て備える場合、移動店舗１は、自身が巡回する巡回経路や巡回タイミングを自ら決定し、オフィス内を自律走行する。

［移動店舗管理システムＳの効果］
上記のとおり、移動店舗管理装置２は、オフィス内に在席中の在席ユーザＵの在席位置に基づいて、移動店舗１が巡回する巡回経路を決定する。その結果、移動店舗１は、オフィス内に在席中の在席ユーザＵの付近を通る通路を巡回できる。そして、オフィスに在席中の在席ユーザは席から移動することなく商品を購入できるようになるので、移動店舗管理システムＳは商品を購入する際のユーザの負担を軽減できる。

以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。

Ｓ 移動店舗管理システム
１ 移動店舗
１０ 無線通信部
１１ 位置取得部
１２ 撮像部
１３ 収音部
１４ 商品搭載部
１５ 走行部
１６ 記憶部
１７ 制御部
１７１ 経路取得部
１７２ 動作制御部
１７３ 購入ユーザ特定部
１７４ 購入商品特定部
１７５ 出力制御部
１８ 出力部
２ 移動店舗管理装置
２１ 通信部
２２ 記憶部
２３ 制御部
２３０ 識別情報取得部
２３１ 在席情報取得部
２３２ 品質情報取得部
２３３ 行動特定部
２３４ 属性情報取得部
２３５ 商品選択部
２３６ 巡回経路決定部
２３７ 巡回タイミング決定部
２３８ 商品情報通知部
２３９ 経路通知部
３ ユーザ端末

Claims (15)

1. 所定の領域において在席中の複数の在席ユーザの各々の在席位置を示す複数の在席情報を取得する在席情報取得部と、
   前記領域における複数の前記在席ユーザの各々の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得部と、
   複数の前記属性情報の各々が示す前記属性に基づいて、前記領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗から複数の前記在席ユーザのうちの商品を購入する蓋然性が相対的に高い高見込ユーザを特定し、特定した前記高見込ユーザの前記在席情報が示す前記在席位置を含む、前記移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、
   前記属性情報が示す前記属性に基づいて、前記移動店舗が前記巡回経路に沿って走行する巡回タイミングを決定する巡回タイミング決定部と、
   商品に関する商品情報を通知する商品情報通知部と、
   を備え、
   前記属性情報取得部は、前記高見込ユーザに対応する通知先を含む前記属性情報を取得し、
   前記商品情報通知部は、前記属性情報が示す属性に基づいて前記高見込ユーザが購入する蓋然性が高いと判定された商品に関する商品情報を前記属性情報が示す前記通知先に通知する移動店舗管理装置。
2. 所定の領域において在席中の在席ユーザの在席位置を示す在席情報を取得する在席情報取得部と、
   前記在席情報が示す前記在席位置に基づいて、前記領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、
   前記在席ユーザを撮像した撮像画像又は前記在席位置の周辺で生じた音を収音した収音情報の少なくともいずれかに基づいて前記在席ユーザの行動を特定する行動特定部と、
   を備え、
   前記巡回経路決定部は、前記行動特定部が特定した前記行動に基づいて、前記移動店舗から商品を購入する蓋然性が相対的に低い低見込ユーザを特定し、特定した前記低見込ユーザの在席位置から所定範囲内の通路を通らない前記巡回経路を決定する移動店舗管理装置。
3. 所定の領域において在席中の在席ユーザの在席位置を示す在席情報を取得する在席情報取得部と、
   前記在席情報が示す前記在席位置に基づいて、前記領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、
   を備え、
   前記在席情報取得部は、複数の前記在席ユーザの前記在席位置を示す複数の前記在席情報を取得し、
   前記巡回経路決定部は、複数の前記在席情報に基づいて、前記領域内の前記在席ユーザの密度を特定し、特定した前記密度に基づいて前記巡回経路を決定する移動店舗管理装置。
4. 所定の領域において在席中の在席ユーザの在席位置を示す在席情報を取得する在席情報取得部と、
   前記在席情報が示す前記在席位置に基づいて、前記領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、
   前記移動店舗と他の装置との間の無線通信の通信品質を示す品質情報を取得する品質情報取得部と、
   を備え、
   前記巡回経路決定部は、前記品質情報取得部が取得した前記通信品質が、他の経路を通る場合よりも高くなる前記巡回経路を決定する移動店舗管理装置。
5. 前記移動店舗に搭載する商品として、前記属性情報が示す前記属性に基づいて前記在席ユーザが購入する蓋然性が高い商品を選択する商品選択部をさらに備える、
   請求項１に記載の移動店舗管理装置。
6. 前記巡回タイミング決定部は、特定した前記高見込ユーザの前記属性情報が示す属性に基づいて、前記高見込ユーザが商品を購入する蓋然性が相対的に高くなる時間帯に、前記高見込ユーザの在席位置を目的地として含む前記巡回経路を巡回する前記巡回タイミングを決定する、
   請求項１に記載の移動店舗管理装置。
7. 前記巡回経路決定部は、複数の前記在席情報に基づいて、前記領域内の他の区域よりも相対的に多くの前記在席ユーザが存在する高密度区域を特定し、特定した前記高密度区域を通る前記巡回経路を決定する、
   請求項３に記載の移動店舗管理装置。
8. 前記領域内における座席の位置を示す座席位置情報に、前記領域内に座席が設定されているユーザを識別するユーザ識別情報を関連付けて記憶する記憶部と、
   前記領域に入ったユーザのユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、をさらに備え、
   前記在席情報取得部は、前記識別情報取得部が取得した前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記座席位置情報が示す前記座席の位置を、前記在席ユーザの前記在席位置として取得する、
   請求項１から７のいずれか一項に記載の移動店舗管理装置。
9. 前記巡回経路決定部が決定した前記巡回経路を、前記移動店舗に通知する経路通知部をさらに備える、
   請求項１から８のいずれか一項に記載の移動店舗管理装置。
10. 前記商品を搭載する商品搭載部と、
    前記移動店舗を走行させる走行部と、
    前記走行部を制御することにより、前記巡回経路に沿って前記移動店舗を走行させる走行制御部と、
    をさらに備える、
    請求項１から８のいずれか一項に記載の移動店舗管理装置。
11. 前記商品搭載部から取り出された商品を特定する購入商品特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記取り出された商品を取り出した購入ユーザを特定する購入ユーザ特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記取り出された商品を示す購入商品情報と、前記購入ユーザ特定部が特定した前記購入ユーザを示す購入ユーザ情報とを関連付けて、前記取り出された商品の決済を行う外部装置に送信する送信制御部と、
    をさらに備える、
    請求項１０に記載の移動店舗管理装置。
12. 所定の領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗と、前記移動店舗を管理する移動店舗管理装置とを備え、
    前記移動店舗管理装置は、
    前記領域において在席中の複数の在席ユーザの各々の在席位置を示す複数の在席情報を取得する在席情報取得部と、
    前記領域における複数の前記在席ユーザの各々の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得部と、
    複数の前記属性情報の各々が示す前記属性に基づいて、複数の前記在席ユーザのうちの前記移動店舗から商品を購入する蓋然性が相対的に高い高見込ユーザを特定し、特定した前記高見込ユーザの前記在席情報が示す前記在席位置を含む、前記移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、
    前記属性情報が示す前記属性に基づいて、前記移動店舗が前記巡回経路に沿って走行する巡回タイミングを決定する巡回タイミング決定部と、
    商品に関する商品情報を通知する商品情報通知部と、
    前記巡回経路決定部が決定した前記巡回経路を、前記移動店舗に通知する経路通知部と、
    を備え、
    前記移動店舗は、
    前記商品を搭載する商品搭載部と、
    前記移動店舗を走行させるための走行部と、
    前記移動店舗管理装置から前記巡回経路を取得する経路取得部と、
    前記走行部を制御することにより、前記巡回経路に沿って前記移動店舗を走行させる走行制御部と、
    前記商品搭載部から取り出された商品を特定する購入商品特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記商品を取り出した購入ユーザを特定する購入ユーザ特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記取り出された商品を示す購入商品情報と、前記購入ユーザ特定部が特定した前記購入ユーザを示す購入ユーザ情報とを関連付けて、前記取り出された商品の決済を行う外部装置に送信する送信制御部と、
    を有し、
    前記属性情報取得部は、前記高見込ユーザに対応する通知先を含む前記属性情報を取得し、
    前記商品情報通知部は、前記属性情報が示す属性に基づいて前記高見込ユーザが購入する蓋然性が高いと判定された商品に関する商品情報を前記属性情報が示す前記通知先に通知する移動店舗管理システム。
13. 所定の領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗と、前記移動店舗を管理する移動店舗管理装置とを備え、
    前記移動店舗管理装置は、
    前記領域において在席中の在席ユーザの在席位置を示す在席情報を取得する在席情報取得部と、
    前記在席情報が示す前記在席位置に基づいて、前記移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、
    前記巡回経路決定部が決定した前記巡回経路を、前記移動店舗に通知する経路通知部と、
    前記在席ユーザを撮像した撮像画像又は前記在席位置の周辺で生じた音を収音した収音情報の少なくともいずれかに基づいて前記在席ユーザの行動を特定する行動特定部と、
    を備え、
    前記移動店舗は、
    前記商品を搭載する商品搭載部と、
    前記移動店舗を走行させるための走行部と、
    前記移動店舗管理装置から前記巡回経路を取得する経路取得部と、
    前記走行部を制御することにより、前記巡回経路に沿って前記移動店舗を走行させる走行制御部と、
    前記商品搭載部から取り出された商品を特定する購入商品特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記商品を取り出した購入ユーザを特定する購入ユーザ特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記取り出された商品を示す購入商品情報と、前記購入ユーザ特定部が特定した前記購入ユーザを示す購入ユーザ情報とを関連付けて、前記取り出された商品の決済を行う外部装置に送信する送信制御部と、
    を有し、
    前記巡回経路決定部は、前記行動特定部が特定した前記行動に基づいて、前記移動店舗から商品を購入する蓋然性が相対的に低い低見込ユーザを特定し、特定した前記低見込ユーザの在席位置から所定範囲内の通路を通らない前記巡回経路を決定する移動店舗管理システム。
14. 所定の領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗と、前記移動店舗を管理する移動店舗管理装置とを備え、
    前記移動店舗管理装置は、
    前記領域において在席中の在席ユーザの在席位置を示す在席情報を取得する在席情報取得部と、
    前記在席情報が示す前記在席位置に基づいて、前記移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、
    前記巡回経路決定部が決定した前記巡回経路を、前記移動店舗に通知する経路通知部と、
    を備え、
    前記移動店舗は、
    前記商品を搭載する商品搭載部と、
    前記移動店舗を走行させるための走行部と、
    前記移動店舗管理装置から前記巡回経路を取得する経路取得部と、
    前記走行部を制御することにより、前記巡回経路に沿って前記移動店舗を走行させる走行制御部と、
    前記商品搭載部から取り出された商品を特定する購入商品特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記商品を取り出した購入ユーザを特定する購入ユーザ特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記取り出された商品を示す購入商品情報と、前記購入ユーザ特定部が特定した前記購入ユーザを示す購入ユーザ情報とを関連付けて、前記取り出された商品の決済を行う外部装置に送信する送信制御部と、
    を有し、
    前記在席情報取得部は、複数の前記在席ユーザの前記在席位置を示す複数の前記在席情報を取得し、
    前記巡回経路決定部は、複数の前記在席情報に基づいて、前記領域内の前記在席ユーザの密度を特定し、特定した前記密度に基づいて前記巡回経路を決定する移動店舗管理システム。
15. 所定の領域内の通路を自律走行して商品を販売する移動店舗と、前記移動店舗を管理する移動店舗管理装置とを備え、
    前記移動店舗管理装置は、
    前記領域において在席中の在席ユーザの在席位置を示す在席情報を取得する在席情報取得部と、
    前記在席情報が示す前記在席位置に基づいて、前記移動店舗が通る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、
    前記巡回経路決定部が決定した前記巡回経路を、前記移動店舗に通知する経路通知部と、
    前記移動店舗と他の装置との間の無線通信の通信品質を示す品質情報を取得する品質情報取得部と、
    を備え、
    前記移動店舗は、
    前記商品を搭載する商品搭載部と、
    前記移動店舗を走行させるための走行部と、
    前記移動店舗管理装置から前記巡回経路を取得する経路取得部と、
    前記走行部を制御することにより、前記巡回経路に沿って前記移動店舗を走行させる走行制御部と、
    前記商品搭載部から取り出された商品を特定する購入商品特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記商品を取り出した購入ユーザを特定する購入ユーザ特定部と、
    前記購入商品特定部が特定した前記取り出された商品を示す購入商品情報と、前記購入ユーザ特定部が特定した前記購入ユーザを示す購入ユーザ情報とを関連付けて、前記取り出された商品の決済を行う外部装置に送信する送信制御部と、
    を有し、
    前記巡回経路決定部は、前記品質情報取得部が取得した前記通信品質が、他の経路を通る場合よりも高くなる前記巡回経路を決定する移動店舗管理システム。

Images