以下、表示媒体の近傍にいる人物の多くが興味を持つと思われるコンテンツを前記表示媒体に表示することができる表示制御装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、本実施形態は、コンテンツを表示する表示媒体を、店舗に設置されたデジタルサイネージとする。そして、店舗に用意されているショッピングカートに情報端末を取り付け、客自身がショッピングカートとともに売場を回りながら情報端末を操作して買上商品の登録を行うようにした場合である。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態のシステム構成図である。本実施形態は、会員管理サーバ10、購買行動管理サーバ20、コンテンツ管理サーバ30、表示制御サーバ40、ビーコン50、アクセスポイント60、デジタルサイネージ70及び情報端末80を含む。会員管理サーバ10、購買行動管理サーバ20、コンテンツ管理サーバ30、表示制御サーバ40、ビーコン50、アクセスポイント60及びデジタルサイネージ70は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNWに接続している。
情報端末80は、ショッピングカート(以下、カートCAと称する)に取り付けられており、カートCを押す客とともに売場を移動する。売場には、ビーコン50、アクセスポイント60及びデジタルサイネージ70がある。
ビーコン50は、売場の例えば商品棚毎に設けられている。情報端末80は、各ビーコン50から発信されるビーコン信号を受信するための受信機804(図9を参照)を備えている。カートCとともに売場を移動中の情報端末80は、各ビーコン50から受信したビーコン信号に含まれるビーコンIDを時系列に記憶する。
アクセスポイント60は、売場の例えば天井部にある。情報端末80は、アクセスポイント60と無線通信が可能な無線通信部805(図9を参照)を備えている。カートCとともに売場を移動中の情報端末80は、アクセスポイント60を介して適宜、ネットワークNW上の各サーバ10,20,30,40とデータ通信を行う。
デジタルサイネージ70は、通信距離が5〜10m程度の近距離無線通信部705(図11を参照)を備えている。情報端末80もまた、通信距離が同程度の近距離無線通信部806(図9を参照)を備えている。かくして、双方の近距離無線通信部によりデジタルサイネージ70の近傍に形成される近距離無線通信領域70A内に位置する情報端末80は、近距離無線通信によりデジタルサイネージ70とデータ通信を行う。
会員管理サーバ10は、ポイント会員等の会員登録をした客、いわゆる会員に関するデータの管理に特化したサーバである。会員管理サーバ10は、会員データベース11と買物リストファイル12とを備える。
会員データベース11は、会員に関するデータを保存する。図2は、会員データベース11に保存される1会員あたりの会員データレコード11Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように会員データレコード11Rは、会員ID、客情報、嗜好情報、健康情報等の人物の属性に関する情報を含む。
会員IDは、各会員を個々に識別するために会員毎に設定された固有のコードである。会員は、会員IDが記録された記録媒体を所有する。記録媒体は、例えば磁気カード、接触式IC(Integrated Circuit)カード、非接触式ICカード、スマートフォン等である。客情報は、その人物が属する客層を特定するための情報である。例えば性別と生年月日とが客情報として会員データレコード11Rに記録される。嗜好情報は、その人物の好みに関する情報である。例えば「甘い物が好物」、「辛い物が好物」等が嗜好情報として会員データレコード11Rに記録される。健康情報は、その人物の健康に関する情報である。例えば「塩分を控えめ」、「糖分を控えめ」等が健康情報として会員データレコード11Rに記録される。
買物リストファイル12は、会員別に買物リストデータ12R(図3を参照)を記憶する。図3は、買物リストデータ12Rのデータ構造を示す模式図である。図示するように買物リストデータ12Rは、会員IDと関連付けて1乃至複数の商品分類を記憶する。商品分類は、商品が属する分類(カテゴリ)を示す。例えば「りんご」には、「ふじ」、「ジョナゴールド」、「紅玉」等多くの品種があり、品種毎に異なる商品IDが設定される。しかし、いずれの品種であっても、商品分類は「りんご」となる。会員である客は、例えば自宅のパソコンやスマートフォン等を操作してインターネット経由で会員管理サーバ10にアクセスし、自らの会員IDを含む買物リストデータ12Rを編集することができる。例えば客は、購入を予定している商品の商品分類を買物リストデータ12Rに追加したり、購入を取り止めた商品の商品分類を買物リストデータ12Rから削除したりすることができる。
購買行動管理サーバ20は、客の購買行動に関するデータの管理に特化したものである。購買行動管理サーバ20は、POSシステムのPOSサーバ90とデータ通信が可能である。POSサーバ90は、POS端末とともにPOSシステムを構築する周知のサーバであって、少なくとも商品データベース91を備える。商品データベース91は、店舗で販売される各商品の識別情報である商品IDに関連付けて、商品名、価格、商品分類等の商品データを記憶したものである。
また購買行動管理サーバ20は、ログインファイル21、動線ファイル22及び購買ファイル23を備える。
ログインファイル21は、情報端末80に対してログインを行った会員に関するデータを記憶する。図4は、ログインファイル21に記憶される1つの情報端末80に対するログインデータレコード21Rを示す模式図である。図示するようにログインデータレコード21Rは、端末IDと会員IDと削除フラグとを含む。端末IDは、情報端末80を個々に識別するために情報端末80毎に割り当てられた固有のコードである。会員IDは、対応する端末IDで特定される情報端末80にログインした会員の会員IDである。ログインについては後述する。削除フラグは、当該ログインデータレコード21Rが有効であるか無効であるかを識別する1ビットデータである。本実施形態では、削除フラグが“0”のときログインデータレコード21Rは有効であるとし、削除フラグが“1”のときログインデータレコード21Rは無効であるとする。
動線ファイル22は、ログインが行われた情報端末80の売場における動線データを記憶する。図5は、動線ファイル22に記憶される1つの情報端末80の動線データレコード22Rを示す模式図である。図示するように動線データレコード22Rは、端末IDと動線データと削除フラグとを含む。動線データは、カートCとともに移動する情報端末80の位置データを時系列に並べたものである。削除フラグは、当該動線データレコード22Rが有効であるか無効であるかを識別する1ビットデータである。本実施形態では、削除フラグが“0”のとき動線データレコード22Rは有効であるとし、削除フラグが“1”のとき動線データレコード22Rは無効であるとする。
情報端末80は、前述したようにビーコンIDを時系列に記憶している。そして情報端末80は、時系列のビーコンID群を当該情報端末80に設定された端末IDとともに定期的に無線送信している。情報端末80から無線送信されたデータ(ビーコンID群+端末ID)は、アクセスポイント60で受信され、ネットワークNWを介して購買行動管理サーバ20へと送られる。購買行動管理サーバ20は、情報端末80からのデータを受信すると、そのデータに含まれるビーコンIDを当該ビーコンIDで特定されるビーコン50の位置データに変換して動線データを生成する。すなわち購買行動管理サーバ20は、各ビーコンIDにそれぞれ関連付けて位置データを記憶したデータテーブルを備えており、このデータテーブルを参照して動線データを生成する。購買行動管理サーバ20は、生成した動線データを、情報端末80からのデータに含まれる端末IDの動線データレコード22Rに追加する。
購買ファイル23は、ログインが行われた情報端末80で登録された買上商品の購買データを記憶する。図6は、購買ファイル23に記憶される1つの情報端末80の購買データレコード23Rを示す模式図である。図示するように購買データレコード23Rは、端末IDと購買データと削除フラグとを含む。購買データは、買上商品の商品ID、商品分類等を含む。削除フラグは、当該購買データレコード23Rが有効であるか無効であるかを識別する1ビットデータである。本実施形態では、削除フラグが“0”のとき購買データレコード23Rは有効であるとし、削除フラグが“1”のとき購買データレコード23Rは無効であるとする。
情報端末80は、買上商品の商品IDを入力するための入力デバイスを備えており、当該入力デバイスを介して商品IDが入力される毎にその商品IDを当該情報端末80に設定された端末IDとともに無線送信する。情報端末80から無線送信されたデータ(商品ID+端末ID)は、アクセスポイント60で受信され、ネットワークNWを介して購買行動管理サーバ20へと送られる。購買行動管理サーバ20は、情報端末80からのデータを受信すると、そのデータに含まれる商品IDの商品データをPOSサーバ90に問い合わせる。問合せを受けたPOSサーバ90は、商品データベース91を検索して該当する商品データを購買行動管理サーバ20へと返信する。購買行動管理サーバ20は、その商品データを基に買上商品の購買データを生成する。購買行動管理サーバ20は、買上商品の購買データを、情報端末80からのデータに含まれる端末IDの購買データレコード23Rに追加する。
因みに、情報端末80を介して登録された買上商品の会計は、POSシステムの会計機(不図示)で行われる。会計機で買上商品の会計が行われると、その買上商品を登録した情報端末80の端末ID、すなわち会計済の端末IDが、POSサーバ90から購買行動管理サーバ20へと通知される。会計済の端末IDの通知を受けると、購買行動管理サーバ20は、当該端末IDを含むログインデータレコード21R、動線データレコード22R及び購買データレコード23Rの削除フラグをいずれも“1”に変更する。
コンテンツ管理サーバ30は、デジタルサイネージ70に表示されるコンテンツに関するデータの管理に特化したサーバである。コンテンツ管理サーバ30は、コンテンツデータベース31と、マッチングテーブル32とを備える。
コンテンツデータベース31は、コンテンツに関するデータを保存する。コンテンツは、不特定多数の客に提示する広告、案内、レシピ等である。コンテンツは、アニメーションを含む動画のコンテンツと、テロップ、テキストを含む静止画のコンテンツとがある。図7は、コンテンツデータベース31に記憶される1コンテンツあたりのコンテンツデータレコード31Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図示するようにコンテンツデータレコード31Rは、コンテンツID、データ区分及びコンテンツデータを含む。
コンテンツIDは、各コンテンツを個々に識別するためにコンテンツ毎に設定された固有のコードである。データ区分は、当該コンテンツデータが動画のコンテンツであるのか静止画のコンテンツであるのかを区分するためのデータである。
マッチングテーブル32は、統計項目とコンテンツとの組み合わせを設定したデータテーブルである。図8は、マッチングテーブル32のデータ構造を示す模式図である。図示するようにマッチングテーブル32は、分類対象のフィールド321と、統計項目のフィールド322と、動画コンテンツのフィールド323と、静止画コンテンツのフィールド324とを備える。フィールド321には、分類対象として“A”、“B”、“C”及び“D”が設定される。分類対象“A”、“B”、“C”及び“D”は、任意である。
フィールド322には、分類対象“A”に属する統計項目“a1”、“a2”、“a3”、…、分類対象“B”に属する統計項目“b1”、“b2”、“b3”、…、分類対象“C”に属する統計項目“c1”、“c2”、“c3”、…、及び、分類対象“D”に属する統計項目“d1”、“d2”、“d3” …が設定される。各統計項目も任意である。
フィールド323には、対応する統計項目に整合した動画コンテンツ、すなわちデータ区分が「動画」のコンテンツのコンテンツIDが設定される。フィールド324には、対応する統計項目に整合した静止画コンテンツ、すなわちデータ区分が「静止画」のコンテンツのコンテンツIDが設定される。なお、複数の統計項目に対して同じコンテンツのコンテンツIDが重複して設定されてもよい。
表示制御サーバ40は、デジタルサイネージ70に対するコンテンツの表示制御に特化したサーバである。すなわち表示制御サーバ40は、表示媒体(デジタルサイネージ70)の近傍にいる人物の多くが興味を持つと思われるコンテンツを表示媒体に表示することができる表示制御装置の一態様である。
図9は、情報端末80の要部回路構成を示すブロック図である。情報端末80は、プロセッサ801、メインメモリ802、補助記憶デバイス803、受信機804、無線通信部805、近距離無線通信部806、タッチパネル807、スキャナ808、リーダ809及びシステム伝送路810を備える。システム伝送路810は、アドレスバス,データバス,制御信号線等を含む。情報端末80は、システム伝送路810に、プロセッサ801、メインメモリ802、補助記憶デバイス803、受信機804、無線通信部805、近距離無線通信部806、タッチパネル807、スキャナ808及びリーダ809を直接または信号入出力回路を介して接続する。かくして情報端末80は、プロセッサ801、メインメモリ802及び補助記憶デバイス803と、これらを接続するシステム伝送路810とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ801は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ801は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、情報端末80としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ801は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
メインメモリ802は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ802は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ802は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ802は、プロセッサが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ802は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば不揮発性のメモリ領域はROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域はRAM(Random Access Memory)である。
補助記憶デバイス803は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス803として使用される。補助記憶デバイス803は、プロセッサ801が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ801での処理によって作成されたデータを保存する。補助記憶デバイス803は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
受信機804、無線通信部805及び近距離無線通信部806は、前述したとおりである。
タッチパネル807は、情報端末80の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。スキャナ808は、撮像部としてのカメラを有し、このカメラで撮影した画像からバーコード又は二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。リーダ809は、記録媒体に記録された会員IDを読取る。リーダ809は、記録媒体が磁気カードの場合は磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカードやスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ809となる。
かかる構成の情報端末80は、例えば、プロセッサ801、メインメモリ802、補助記憶デバイス803、受信機804、無線通信部805、近距離無線通信部806及びタッチパネル807を備えたタブレット端末TM(図10を参照)に、スキャナ808とリーダ809とを電気的に接続することで構成される。
図10は、情報端末80が取り付けられたカートCの一例を示す斜視図である。カートCは、移動用のキャスタ部C1と、ハンドルフレーム部C2と、籠受部C3とを備えている。キャスタ部C1は、床面上を円滑に移動させるための車輪(4輪)を有する。ハンドルフレーム部C2は、キャスタ部C1の後輪側に立設された一対の縦フレームC21,C21と、これら縦フレームC21,C21の上端を連結するハンドルバーC22と、を含む。籠受部C3は、ハンドルフレーム部C2の中途部位から前方にある。カートCは、籠受部C3及びキャスタ部C1上に、商品を収容するための買物カゴBAを載せる。
スキャナ808は、ハンドルバーC22の中途部にある。スキャナ808は、前方に向けて読取窓が位置するようにハンドルバーC22に取り付ける。カートCは、一方の縦フレームC21に、ポールC4を取り付ける。ポールC4は、その先端がハンドルバーC22よりも上方に位置する。タブレット端末TMは、タッチパネル807の画面が後方に向けて位置するようにポールC4の先端部に取り付ける。リーダ809は、カードスリットが後方に向けて位置するようにタブレット端末TMに取り付ける。図10においては、リーダ809を磁気カードリーダとしている。バッテリBTは、ハンドルフレーム部C2の下端側に、縦フレームC21,C21に亘って取り付ける。バッテリBTは、タブレット端末TM及びスキャナ808の駆動電源となる。
図11は、デジタルサイネージ70の要部構成を示すブロック図である。デジタルサイネージ70は、プロセッサ701、メインメモリ702、補助記憶デバイス703、通信インターフェース704、近距離無線通信部705、ディスプレイ706及びシステム伝送路707を備える。システム伝送路707は、アドレスバス,データバス,制御信号線等を含む。デジタルサイネージ70は、システム伝送路707に、プロセッサ701、メインメモリ702、補助記憶デバイス703、通信インターフェース704、近距離無線通信部705及びディスプレイ706を直接または信号入出力回路を介して接続する。かくしてデジタルサイネージ70は、プロセッサ701、メインメモリ702及び補助記憶デバイス703と、これらを接続するシステム伝送路707とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ701、メインメモリ702及び補助記憶デバイス703の概略説明は、情報端末80に対する説明と同様である。通信インターフェース704は、ネットワークNWを介して接続される各部との間で所定の通信プロトコルに従いデータの送信及び受信を行う。近距離無線通信部705は、前述したとおりである。
ディスプレイ706は、デジタルサイネージ70の表示デバイスとして機能する。ディスプレイ706としては、例えば液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を適用することができる。
図12は、表示制御サーバ40の要部回路構成を示すブロック図である。表示制御サーバ40は、プロセッサ401、メインメモリ402、補助記憶デバイス403、通信インターフェース404、時計405及びシステム伝送路406を備える。システム伝送路406は、アドレスバス,データバス,制御信号線等を含む。表示制御サーバ40は、システム伝送路406に、プロセッサ401、メインメモリ402、補助記憶デバイス403、通信インターフェース404及び時計405を直接または信号入出力回路を介して接続する。かくして表示制御サーバ40は、プロセッサ401、メインメモリ402及び補助記憶デバイス403と、これらを接続するシステム伝送路406とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ401、メインメモリ402、補助記憶デバイス403及び通信インターフェース404の概略説明は、情報端末80及びデジタルサイネージ70に対する説明と同様である。時計405は、表示制御サーバ40の時刻情報源として機能する。プロセッサ401は、時計405によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
かかる構成の表示制御サーバ40は、デジタルサイネージ70の近傍にいる人物に関する情報を取得する取得手段、取得した複数の人物に関する情報の共通点を検出する検出手段、複数のコンテンツの中から検出された共通点に整合したコンテンツを選択する選択手段、及び、選択されたコンテンツをデジタルサイネージ70に表示する制御手段を有する。
詳しくは、検出手段は、前記情報の分類毎に、その分類に属する情報の前記共通点をそれぞれ検出する。選択手段は、前記情報の分類毎に、その分類に属する情報から検出された共通点に整合したコンテンツを選択する。制御手段は、前記情報の分類毎に選択された複数のコンテンツを順次デジタルサイネージ70に表示する、
さらに表示制御サーバ40は、選択手段により選択された分類毎のコンテンツに対して優先順位を決定する決定手段を有する。そして制御手段は、優先順位が高い順にコンテンツの表示時間を長くする。あるいは制御手段は、優先順位が高い順にコンテンツの表示領域を割り当てる。
より詳しくは、取得手段は、デジタルサイネージ70と情報端末80との近距離無線通信により、近距離無線通信領域70A内に位置する全ての情報端末80にそれぞれログインした複数の客を特定する。そして取得手段は、各客の会員データ、買物データ、動線データ及び購買データを、会員管理サーバ10及び購買行動管理サーバ20から取得する。
検出手段は、会員データ、買物データ、動線データ及び購買データをそれぞれ分類対象とする。そして検出手段は、分類対象に対してクラスタリングの手法を利用して、複数の客に関して共通点となる統計項目を検出する。
選択手段は、コンテンツ管理サーバ30のマッチングテーブル32を参照して、複数の客に関して共通点となる統計項目に対して設定された動画コンテンツ及び静止画コンテンツの各コンテンツIDを取得する。そして選択手段は、取得したコンテンツIDで識別されるコンテンツをコンテンツ管理サーバ30のコンテンツデータベース31から取得する。
制御手段は、コンテンツデータベース31から取得したコンテンツのコンテンツデータによる動画又は静止画がディスプレイ706に表示されるようにデジタルサイネージ70を制御する。
表示制御サーバ40は、上述した各手段を実現するために、メインメモリ402の揮発性メモリ領域の一部をデータ管理テーブル41の領域としている。図13はデータ管理テーブル41のデータ構造を示す模式図である。図示するようにデータ管理テーブル41は、端末IDのデータフィールド411と、会員IDのデータフィールド412と、会員データのデータフィールド413と、買物データのデータフィールド414と、動線データのデータフィールド415と、購買データのデータフィールド416とを備える。
また表示制御サーバ40は、上述した各手段を実現するために、プロセッサ401に、図14乃至図16の流れ図に示す手順の情報処理を実行させるための制御プログラムを備えている。制御プログラムは、メインメモリ402または補助記憶デバイス403に記憶されている。以下、図14乃至図16の流れ図を用いて表示制御サーバ40の動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、動作の手順及び内容は特に限定されるものではない。
例えば時計405によって計時される時間が1分を経過する毎に、プロセッサ401は、図14及び図15の流れ図に示す処理を開始する。先ずプロセッサ401は、デジタルサイネージ70に対して端末探索指示のコマンドを送信するように通信インターフェース404を制御する。通信インターフェース404は、ネットワークNWを介してデジタルサイネージ70に端末探索指示のコマンドを送信する。
デジタルサイネージ70のプロセッサ701は、通信インターフェース704を介して端末探索指示のコマンドを受信すると、近距離無線通信部705を制御して端末探索信号を発信する。このとき、近距離無線通信領域70A内に情報端末80が位置している場合、情報端末80の近距離無線通信部806は、端末探索信号を受信する。そして端末探索信号を受信した情報端末80のプロセッサ801は、当該情報端末80の端末IDを含む応答信号を近距離無線通信部806から発信する。この応答信号は、デジタルサイネージ70の近距離無線通信部705で受信され、ネットワークNWを介して表示制御サーバ40へと送信される。
表示制御サーバ40のプロセッサ401は、端末探索指示のコマンド送信を制御した後、Act2として端末IDを含む応答信号を受信したか否かを確認する。プロセッサ401は、応答信号を受信していない場合(Act2、NO)、Act3として探索時間がタイムアウトしたか否かを確認する。探索時間は例えば10秒とする。プロセッサ401は、探索時間がタイムアウトしていない場合(Act3、NO)、再び応答信号を受信したか否かを確認する。ここにプロセッサ401は、Act2及びAct3により上記応答信号を受信するかタイムアウトするのを待ち受ける。
この待ち受け状態において、応答信号を受信すると(Act2、YES)、プロセッサ401は、Act4としてその応答信号に含まれる端末IDを取得し、データ管理テーブル41のデータフィールド411に記憶する。そしてプロセッサ401は、再び待ち受け状態に戻る。したがって、データ管理テーブル41のデータフィールド411には、探索時間内に応答した情報端末80、すなわちデジタルサイネージ70の近距離無線通信領域70A内に位置している情報端末80の端末IDが記憶される。
ところで、来店した客は、カートCAを使用する際にそのカートCAに取り付けられた情報端末80に対してログインを行う。具体的には、客は、記録媒体に記録されている会員IDをリーダ809で読み取らせる。こうしてログインを行うと、情報端末80のプロセッサ801は、ログインコマンドの送信を制御する。この制御により、無線通信部805を介してログインコマンドが無線送信される。ログインコマンドには、リーダ809によって読み取られた会員IDと当該情報端末80の端末IDとが含まれる。ログインコマンドは、アクセスポイント60で受信され、ネットワークNWを介して購買行動管理サーバ20へと送信される。ログインコマンドを受信した購買行動管理サーバ20は、そのログインコマンドに含まれる端末IDと会員IDとからログインデータレコード21Rを作成し、ログインファイル21に保存する。このとき、ログインデータレコード21Rの削除フラグは“0”、すなわち有効データを示す。
情報端末80に対してログインを行った客は、カートCAとともに売場を回る。そして客は、買上商品をカートCAの買物カゴBAに入れる。その際、客は、買上商品に付されているコードシンボルをスキャナ808の読取窓に翳して、商品IDを読み取らせる。このように、情報端末80のスキャナ808を介して商品IDを読み取らせることで、購買行動管理サーバ20の購買ファイル23に、当該情報端末80の端末コードを含む購買データレコード23Rが作成されるのは前述したとおりである。また、客がカートCAとともに売場を回ることで、購買行動管理サーバ20の動線ファイル22に、当該情報端末80の端末コードを含む動線データレコード22Rが作成されるのも前述したとおりである。
プロセッサ401は、探索時間がタイムアウトしたことを検知すると(Act3、YES)、Act5として購買行動管理サーバ20にアクセスしてログインファイル21を参照し、データ管理テーブル41のデータフィールド411に記憶された端末IDに対して関連付けられた会員IDを検出する。そしてプロセッサ401は、ログインファイル21から検出した会員IDを、データ管理テーブル41のデータフィールド412に記憶する。
プロセッサ401は、Act6として会員管理サーバ10にアクセスして会員データベース11を参照し、データ管理テーブル41のデータフィールド412に記憶された会員IDに対して関連付けられた会員データ(客情報、嗜好情報、健康情報等)を検出する。そしてプロセッサ401は、会員データベース11から検出した会員データを、データ管理テーブル41のデータフィールド413に記憶する。
プロセッサ401は、Act7として会員管理サーバ10にアクセスして買物リストファイル12を参照し、データ管理テーブル41のデータフィールド412に記憶された会員IDに対して関連付けられた買物データを検出する。そしてプロセッサ401は、買物リストファイル12から検出した買物データを、データ管理テーブル41のデータフィールド414に記憶する。
プロセッサ401は、Act8として購買行動管理サーバ20にアクセスして動線ファイル22を参照し、データ管理テーブル41のデータフィールド411に記憶された端末IDに対して関連付けられた動線データを検出する。そしてプロセッサ401は、動線ファイル22から検出した動線データを、データ管理テーブル41のデータフィールド415に記憶する。
プロセッサ401は、Act9として購買行動管理サーバ20にアクセスして購買ファイル23を参照し、データ管理テーブル41のデータフィールド411に記憶された端末IDに対して関連付けられた購買データを検出する。そしてプロセッサ401は、購買ファイル23から検出した購買データを、データ管理テーブル41のデータフィールド416に記憶する。
ここに、プロセッサ401を主体とするコンピュータは、通信インターフェース404と協働してAct1乃至Act9の処理を実行することにより、取得手段として機能する。
Act6乃至Act9の処理により、会員データ、買物データ、動線データ及び購買データを取得し終えると、プロセッサ401は、Act10として分類対象Aのクラスタリング(クラスター分析)を行う。本実施の形態では、分類対象Aを会員データに含まれる客情報とする。したがって、マッチングテーブル32において、分類対象Aに対する統計項目a1,a2,a3,…は、客情報から導出される客層、例えば「男性40代」、「女性30代」等となる。そして本実施の形態では、各々の客層の客がそれぞれ興味を持つと思われる動画コンテンツ及び静止画コンテンツのコンテンツIDを、マッチングテーブル32の統計項目a1,a2,a3,…に対応したフィールド323及びフィールド324に設定する。
このように、分類対象Aのクラスタリングは、デジタルサイネージ70の近傍に位置する情報端末80に対してログインした客に対応する客層の共通点を求める処理である。分類対象Aのクラスタリングを終えると、プロセッサ401は、Act11としてクラスタリングの結果客層の共通点が最大となる統計項目ax(xは1,2,3,…)に関連付けられた動画コンテンツのコンテンツIDを候補A1とし、同統計項目axに関連付けられた静止画コンテンツのコンテンツIDを候補A2とする。
なお、客層の共通点が最大となる統計項目axが複数あった場合には、予め定めた定義により1つの統計項目axを選出する。その定義としては、例えば予め統計項目axに順位を設定しておき、客層の共通点が最大となる統計項目axの中で順位が最高位の統計項目axを選出する。または、客層の共通点が最大となった回数を統計項目ax毎に計数し、客層の共通点が最大となる統計項目axの中でその計数値が最も少ない統計項目axを選出する。あるいは、前回までのクラスタリングで客層の共通点が最大となったときからの経過時間を統計項目ax毎に計時し、客層の共通点が最大となる統計項目axの中でその計時時間が最も長い統計項目axを選出する。なお、定義がこれらに限定されないのは言うまでもない。
プロセッサ401は、Act12として分類対象Bのクラスタリングを行う。本実施の形態では、分類対象Bを買物データとする。したがって、マッチングテーブル32において、分類対象Bに対する統計項目b1,b2,b3,…は、買物データに含まれ得る商品分類となる。そして本実施の形態では、各々の商品分類に属する商品の購入を予定している客がそれぞれ興味を持つと思われる動画コンテンツ及び静止画コンテンツのコンテンツIDを、マッチングテーブル32の統計項目b1,b2,b3,…に対応したフィールド323及びフィールド324に設定する。
このように、分類対象Bのクラスタリングは、デジタルサイネージ70の近傍に位置する情報端末80に対してログインした客が購入を希望する商品分類の共通点を求める処理である。分類対象Bのクラスタリングを終えると、プロセッサ401は、Act13としてクラスタリングの結果、商品分類の共通点が最大となる統計項目bx(xは1,2,3,…)に関連付けられた動画コンテンツのコンテンツIDを候補B1とし、同統計項目bxに関連付けられた静止画コンテンツのコンテンツIDを候補B2とする。
なお、客が購入を希望する商品分類の共通点が最大となる統計項目bxが複数あった場合には、予め定めた定義により1つの統計項目bxを選出する。その定義は、前述した統計項目axの場合と同様である。
プロセッサ401は、図15のAct14として分類対象Cのクラスタリングを行う。本実施の形態では、分類対象Cを動線データとする。したがって、マッチングテーブル32において、分類対象Cに対する統計項目c1,c2,c3,…は、動線データに含まれ得る位置データとなる。位置データは、例えば野菜売場、果物売場、鮮魚売場、精肉売場、等の売場単位とする。そして本実施の形態では、各々の売場を経由していない客がそれぞれ興味を持つと思われる動画コンテンツ及び静止画コンテンツのコンテンツIDを、マッチングテーブル32の統計項目c1,c2,c3,…に対応したフィールド323及びフィールド324に設定する。
このように、分類対象Cのクラスタリングは、デジタルサイネージ70の近傍に位置する情報端末80に対してログインした客が通過していない売場の共通点を求める処理である。分類対象Cのクラスタリングを終えると、プロセッサ401は、Act15としてクラスタリングの結果、通過していない売場の共通点が最大となる統計項目cx(xは1,2,3,…)に関連付けられた動画コンテンツのコンテンツIDを候補C1とし、同統計項目cxに関連付けられた静止画コンテンツのコンテンツIDを候補C2とする。
なお、客が通過していない売場の共通点が最大となる統計項目cxが複数あった場合には、予め定めた定義により1つの売場を選出する。その定義は、前述した統計項目ax,bxの場合と同様である。
プロセッサ401は、Act16として分類対象Dのクラスタリングを行う。本実施の形態では、分類対象Dを購買データとする。したがって、マッチングテーブル32において、分類対象Dに対する統計項目d1,d2,d3,…は、購買データに含まれ得る商品分類となる。そして本実施の形態では、各々の商品分類に属する商品を購入した客がそれぞれ興味を持つと思われる動画コンテンツ及び静止画コンテンツのコンテンツIDを、マッチングテーブル32の統計項目d1,d2,d3,…に対応したフィールド323及びフィールド324に設定する。
このように、分類対象Dのクラスタリングは、デジタルサイネージ70の近傍に位置する情報端末80に対してログインした客がカートCに入れている商品の商品分類の共通点を求める処理である。分類対象Dのクラスタリングを終えると、プロセッサ401は、Act17としてクラスタリングの結果、商品分類の共通点が最大となる統計項目dx(xは1,2,3,…)に関連付けられた動画コンテンツのコンテンツIDを候補D1とし、同統計項目dxに関連付けられた静止画コンテンツのコンテンツIDを候補D2とする。
なお、カートCに入っている商品の商品分類の共通点が最大となる統計項目dxが複数あった場合には、予め定めた定義により1つの売場を選出する。その定義は、前述した統計項目ax,bx,cxの場合と同様である。
ここに、プロセッサ401を主体とするコンピュータは、Act10、Act12、Act14及びAct16の処理を実行することにより、検出手段として機能する。また同コンピュータは、Act11、Act13、Act15及びAct17の処理を実行することにより、選択手段として機能する。
こうして、分類対象A,B,C,D毎にコンテンツ候補A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2を選出したならば、プロセッサ401は、Act18として分類対象A,B,C,Dに対して優先順位を決定する。
例えばプロセッサ401は、共通点が最大となった統計項目ax,bx,cx,dx毎に、共通点の最大値を照合する。そしてプロセッサ401は、最大値が大きい順に、1位から降順に優先順位を割り当てる。あるいはデジタルサイネージ70の近距離無線通信部705は、電波受信強度を測定可能である。そこでプロセッサ401は、共通点が最大となった統計項目ax,bx,cx,dx毎に、その統計項目ax,bx,cx,dxの情報を有する情報端末80の中から電波受信強度の最大値を求める。そしてプロセッサ401は、その最大値の大きい順に優先順位を割り当てる。因みに、電波受信強度は、デジタルサイネージ70までの距離が近い情報端末80ほど大きくなると想定される。
ここに、プロセッサ401を主体とするコンピュータは、Act18の処理を実行することにより、決定手段として機能する。
プロセッサ401は、Act19として分類対象Aが優先順位の1位であるか否かを確認する。分類対象Aが優先順位の1位である場合(Act19、YES)、プロセッサ401は、Act20としてコンテンツ候補A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2の中から、コンテンツA1,B2,C2,D2を選出する。
分類対象Aが優先順位の1位でない場合には(Act19、NO)、プロセッサ401は、Act21として分類対象Bが優先順位の1位であるか否かを確認する。分類対象Bが優先順位の1位である場合(Act21、YES)、プロセッサ401は、Act22としてコンテンツ候補A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2の中から、コンテンツA2,B1,C2,D2を選出する。
分類対象Bが優先順位の1位でない場合には(Act21、NO)、プロセッサ401は、Act23として分類対象Cが優先順位の1位であるか否かを確認する。分類対象Cが優先順位の1位である場合(Act23、YES)、プロセッサ401は、Act24としてコンテンツ候補A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2の中から、コンテンツA2,B2,C1,D2を選出する。
分類対象Cが優先順位の1位でない、すなわち分類対象Dが優先順位の1位の場合には(Act23、NO)、プロセッサ401は、Act25としてコンテンツ候補A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2の中から、コンテンツA2,B2,C2,D1を選出する。
このようにプロセッサ401は、優先順位が1位の分類対象の統計項目に関連付けられたコンテンツとして動画コンテンツを選出し、2位以下の分類対象の統計項目に関連付けられたコンテンツとして静止画コンテンツを選出する。分類対象A,B,C,D,毎のコンテンツを選出し終えると、プロセッサ401は、Act26として表示処理を実行する。
図16は、表示処理の具体的な手順を示す流れ図である。表示処理に入ると、プロセッサ401は、Act31として優先順位が1位に設定された分類対象のコンテンツがディスプレイ706に表示されるようにデジタルサイネージ70を制御する。
すなわちプロセッサ401は、Act20、Act22、Act24又はAct25の処理で選出されたコンテンツ候補の中から、優先順位が1位に設定された分類対象のコンテンツ候補を取得する。例えば分類対象Aが1位であれば、プロセッサ401はコンテンツ候補A1を取得する。分類対象Bが1位であれば、プロセッサ401はコンテンツ候補B1を取得する。分類対象Cが1位であれば、プロセッサ401はコンテンツ候補C1を取得する。分類対象Dが1位であれば、プロセッサ401はコンテンツ候補D1を取得する。
プロセッサ401は、コンテンツ管理サーバ30にアクセスし、取得したコンテンツ候補A1,B1,C1,またはD1をコンテンツIDとしたコンテンツデータをコンテンツデータベース31から取得する。そしてプロセッサ401は、通信インターフェース404を介して当該コンテンツデータ、すなわち動画のコンテンツデータを、デジタルサイネージ70に送信する。この制御により、デジタルサイネージ70のディスプレイ73には、優先順位が1位に設定された分類対象のコンテンツデータに基づく動画コンテンツが表示される。
プロセッサ401は、Act32としてコンテンツの表示時間Tを監視し、予め設定された第1閾値時間T1を経過したか否かを確認する。表示時間Tが第1閾値時間T1に達していない場合(Act32、NO)、プロセッサ401は、表示時間Tの監視を続ける。表示時間Tが第1閾値時間T1に達したことを検知したならば(Act32、YES)、プロセッサ401は、Act33として優先順位が2位に設定された分類対象のコンテンツがディスプレイ706に表示されるようにデジタルサイネージ70を制御する。
すなわちプロセッサ401は、Act20、Act22、Act24又はAct25の処理で選出されたコンテンツ候補の中から、優先順位が2位に設定された分類対象のコンテンツ候補を取得する。例えば分類対象Aが2位であれば、プロセッサ401はコンテンツ候補A2を取得する。分類対象Bが2位であれば、プロセッサ401はコンテンツ候補B2を取得する。分類対象Cが2位であれば、プロセッサ401はコンテンツ候補C2を取得する。分類対象Dが2位であれば、プロセッサ401はコンテンツ候補D2を取得する。
プロセッサ401は、コンテンツ管理サーバ30にアクセスし、取得したコンテンツ候補A2,B2,C2,またはD2をコンテンツIDとしたコンテンツデータをコンテンツデータベース31から取得する。そしてプロセッサ401は、通信インターフェース404を介して当該コンテンツデータ、すなわち静止画のコンテンツデータを、デジタルサイネージ70に送信する。この制御により、デジタルサイネージ70のディスプレイ73には、優先順位が2位に設定された分類対象のコンテンツデータに基づく静止画コンテンツが表示される。
プロセッサ401は、Act34としてコンテンツの表示時間Tを監視し、予め設定された第2閾値時間T2を経過したか否かを確認する。第2閾値時間T2は、第1閾値時間T1よりも短い時間である。表示時間Tが第2閾値時間T2に達していない場合(Act34、NO)、プロセッサ401は、表示時間Tの監視を続ける。
表示時間Tが第2閾値時間T2に達したことを検知したならば(Act34、YES)、プロセッサ401は、Act35として優先順位が3位に設定された分類対象のコンテンツがディスプレイ706に表示されるようにデジタルサイネージ70を制御する。この制御は、優先順位が2位から3位に変わった点を除いてAct33と同様である。かくして、デジタルサイネージ70のディスプレイ73には、優先順位が3位に設定された分類対象のコンテンツデータに基づく静止画コンテンツが表示される。
プロセッサ401は、Act36としてコンテンツの表示時間Tを監視し、予め設定された第3閾値時間T3を経過したか否かを確認する。第3閾値時間T3は、第2閾値時間T2よりも短い時間である。表示時間Tが第3閾値時間T3に達していない場合(Act36、NO)、プロセッサ401は、表示時間Tの監視を続ける。
表示時間Tが第3閾値時間T3に達したことを検知したならば(Act36、YES)、プロセッサ401は、Act37として優先順位が4位に設定された分類対象のコンテンツがディスプレイ706に表示されるようにデジタルサイネージ70を制御する。この制御は、優先順位が2位から4位に変わった点を除いてAct33と同様である。かくして、デジタルサイネージ70のディスプレイ73には、優先順位が4位に設定された分類対象のコンテンツデータに基づく静止画コンテンツが表示される。
プロセッサ401は、Act37としてコンテンツの表示時間Tを監視し、予め設定された第4閾値時間T4を経過したか否かを確認する。第4閾値時間T4は、第3閾値時間T3よりも短い時間である。表示時間Tが第4閾値時間T4に達していない場合(Act38、NO)、プロセッサ401は、表示時間Tの監視を続ける。表示時間Tが第4閾値時間T4に達したことを検知したならば(Act38、YES)、プロセッサ401は、この表示処理を終了する。
ここに、プロセッサ401を主体とするコンピュータは、Act19乃至Act26の処理を実行することにより、制御手段として機能する。詳しくは、コンピュータは、分類対象A,B,C,D毎に選択された複数のコンテンツを順次デジタルサイネージ70に表示する制御手段として機能する。より詳しくは、コンピュータは、Act31乃至Act38の処理を実行することにより、分類対象A,B,C,D毎に決定された優先順位が高い順にコンテンツの表示時間を長くする制御手段として機能する。
このように本実施形態によれば、デジタルサイネージ70の近傍にいる人物に関する情報の共通点に整合したコンテンツを、より高い確率で効率的にデジタルサイネージ70に表示することができる。例えば分類対象A、すなわち客情報に関して統計項目「女性30代」が共通点であった場合、30代の女性が興味を持つと思われるコンテンツをデジタルサイネージ70に表示することができる。分類対象B、すなわち買物データに含まれる商品分類に関して統計項目「りんご」が共通点であった場合、りんごを購入しようとする客が興味を持つと思われるコンテンツをデジタルサイネージ70に表示することができる。分類対象C、すなわち動線データに含まれる位置データに関して統計項目「鮮魚売場」が共通点であった場合、鮮魚売場に行っていない客が興味を持つと思われるコンテンツをデジタルサイネージ70に表示することができる。分類対象D、すなわち購買データに含まれる商品分類に関して統計項目「ニンジン」が共通点であった場合、ニンジンを購入した客が興味を持つと思われるコンテンツをデジタルサイネージ70に表示することができる。
したがって、デジタルサイネージ70の近傍にいる多くの客が興味を示すコンテンツがデジタルサイネージ70から発信されることとなるので、デジタルサイネージ70の利用価値が高められる。
ところで本実施形態では、分類対象A,B,C,D毎のコンテンツに対して優先順位が設定される。そして優先順位が高い順に、各コンテンツがデジタルサイネージ70に表示される。したがって、デジタルサイネージ70の近傍にいる客が興味を持つコンテンツが高い確率で発信されることとなるので、デジタルサイネージ70の利用価値がより一層高められる。
しかも本実施形態では、優先順位が1位のコンテンツの表示時間をT1、2位のコンテンツの表示時間をT2、3位のコンテンツの表示時間をT3、4位のコンテンツの表示時間をT4としたとき、T1>T2>T3>T4となるようにコンテンツの表示時間を制御している。したがって、同じ消費電力で効果的なコンテンツを効率よく発信できる効果を奏し得る。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態は、分類対象A,B,C,D毎に選出された複数のコンテンツを順番にデジタルサイネージ70のディスプレイ76に表示する場合を例示した。第2の実施形態は、ディスプレイ76の画面を複数(本実施形態では4つ)の領域に区分し、各領域に分類対象A,B,C,D毎に選出された複数のコンテンツを表示する。
第2の実施形態においては、表示制御装置の一態様である表示制御サーバ40のプロセッサ401が実行する表示処理が第1の実施形態と異なる。それ以外は第1の実施形態と共通である。共通部分については第1の実施形態をそのまま適用し、説明は省略する。
図17は、表示制御サーバ40のプロセッサ401が実行する表示処理の手順を示す流れ図である。また、図18は、ディスプレイ76の画面SC1の一例である。図18に示すように、画面SC1は、領域M1、M2,M3,M4の4つの領域に区分されている。そして、画面SC1に向かって左上の領域M1の面積が一番大きく、右上の領域M2の面積が2番目に大きく、左下の領域M3の面積が3番目に大きく、左下の領域M4の面積が最も小さい。
図15のAct26で示される表示処理に入ると、プロセッサ401は、図17のAct41として、Act20、Act22、Act24又はAct25の処理で選出されたコンテンツ候補の中から、優先順位が1位に設定された分類対象のコンテンツ候補を左上の領域M1に割り当てる。すなわちプロセッサ401は、優先順位が1位に設定された分類対象の動画コンテンツが領域M1に表示されるように、デジタルサイネージ70を制御する。
プロセッサ401は、Act42として、前記コンテンツ候補の中から、優先順位が2位に設定された分類対象のコンテンツ候補を右上の領域M2に割り当てる。すなわちプロセッサ401は、優先順位が2位に設定された分類対象の静止画コンテンツが領域M2に表示されるように、デジタルサイネージ70を制御する。
プロセッサ401は、Act43として、前記コンテンツ候補の中から、優先順位が3位に設定された分類対象のコンテンツ候補を右上の領域M3に割り当てる。すなわちプロセッサ401は、優先順位が3位に設定された分類対象の静止画コンテンツが領域M3に表示されるように、デジタルサイネージ70を制御する。
プロセッサ401は、Act44として、前記コンテンツ候補の中から、優先順位が4位に設定された分類対象のコンテンツ候補を右上の領域M4に割り当てる。すなわちプロセッサ401は、優先順位が4位に設定された分類対象の静止画コンテンツが領域M4に表示されるように、デジタルサイネージ70を制御する。
プロセッサ401は、Act45として、デジタルサイネージ70に対してコンテンツの表示を指令する。この指令を受けて、デジタルサイネージ70のディスプレイ76には、図18に示すように領域M1,M2,M3,M4に4分割された画面が表示される。そして領域M1には、優先順位が1位に設定された分類対象の動画コンテンツが表示される。領域M2には、優先順位が2位に設定された分類対象の静止画コンテンツが表示される。領域M3には、優先順位が3位に設定された分類対象の静止画コンテンツが表示される。領域M4には、優先順位が4位に設定された分類対象の静止画コンテンツが表示される。
このように第2の実施形態においても、デジタルサイネージ70の近傍にいる多くの客が興味を示すコンテンツがデジタルサイネージ70から発信される。その結果、デジタルサイネージ70の利用価値が高められる。その上、第2の実施形態では、異なる分類対象A,B,C,Dから選出された複数のコンテンツがデジタルサイネージ70の一画面に同時に表示される。このため、第1の実施形態と比較して短い時間で効果的に多くの客が興味を持つコンテンツを発信することができる。したがって、消費電力を節約できる効果を奏する。
しかも、第2の実施形態では、分類対象A,B,C,Dに対する優先順位が高いほどコンテンツの表示領域が大きくなるようにしている。また、優先順位が1位の分類対象については、動画のコンテンツを再生するようにしている。したがって、デジタルサイネージ70の近傍にいる多くの客が興味を持つと思われる度合いが高いコンテンツをより効果的に発信することができる。
[第2の実施形態の変形例]
第2の実施形態では、ディスプレイ76の画面SC1を、異なる面積の領域M1,M2,M3,M4で4分割した。変形例では、図19に示す画面SC2の例ように、等しい面積の領域M1,M2,M3,M4で4分割する。プロセッサ401が実行する表示処理の手順は、図17に示したものと同様である。
一般に、図19に示すように画面SC2を4分割した場合、画面SC2に向かって左上の領域M1が一番視認されやすい領域であり、広告効果が最も高い領域である。続いて、画面SC2に向かって右上の領域M2が二番目に視認されやすい領域であり、広告効果がかなり高い領域である。続いて、画面SC2に向かって左下の領域M3が三番目に視認されやすい領域であり、広告効果がやや高い領域である。これに対して、画面SC2に向かって右下の領域M4が最後に視認されやすい領域であり、広告効果が低い領域である。
変形例によれば、広告効果が最も高い領域M1に優先順位1位の動画コンテンツが表示される。また、広告効果がかなり高い領域M2に優先順位2位の静止画コンテンツが表示され、広告効果がやや高い領域M3に優先順位3位の静止画コンテンツが表示される。そして、広告効果が低い領域M4には、優先順位4位の静止画コンテンツが表示される。したがって、第2の実施形態と同様の作用効果を奏し得る。
第2の実施形態においては、高齢者の多い順に優先順位を決定してもよい。優先順位が1位の領域M1は面積が最も広い。したがって、多くの高齢者にとってコンテンツが見やすいものになるであろう。
以上、デジタルサイネージ70の近傍にいる人物の多くが興味を持つと思われるコンテンツを当該デジタルサイネージ70に表示することができる表示制御サーバ40の実施形態について説明した。かかる実施形態は、これに限定されるものではない。
例えば表示媒体は、店舗に設置されたデジタルサイネージ70に限定されるものではない。役所、駅等の公共施設、交通機関等に設置されたデジタルサイネージ70であってもよい。この場合、デジタルサイネージ70の近傍にいる人物が所有するスマートフォン、タブレット端末等の無線通信機器との無線通信により人物を特定し、その人物に関する情報を取得してもよい。あるいは、デジタルサイネージ70の近傍に位置する人物をカメラで撮影し、顔認証によって人物を特定して、その人物に関する情報を取得することも可能である。したがって、必ずしも会員ID、購買データ等のように事前にデータを登録しておく必要はない。
前記実施形態では、分類対象をA,B,C,Dの4つとしたが、分類対象の数は4つに限定されるものではない。分類対象は、2つであってもよいし3つであってもよい。分類対象を2つ又は3つとした場合には、第2の実施形態の表示処理を適用することが望ましい。分類対象は、5つ以上であってもよい。5つ以上の場合には、第1の実施形態の表示処理を適用することが望ましい。
分類対象は1つだけであってもよい。この場合は、単に、デジタルサイネージ70の近傍にいる人物に関する情報を取得し、その取得した複数の人物に関する情報の共通点を検出する。そして、複数のコンテンツの中から検出された共通点に整合したコンテンツを選択し、選択されたコンテンツをデジタルサイネージ70に表示することとなる。
例えば、飲食店の待合所に設置されたデジタルサイネージにお勧めのメニューを表示させる場合を想定する。この場合、表示制御サーバ40は、待合所で順番待ちをしている客の客層を取得する。そして表示制御サーバ40は、例えば女性客が多い場合にはヘルシーなメニューを紹介し、子供が多い場合には子供向けのメニューを紹介することになろう。
また、ディスプレイ706をタッチパネルとする。表示制御サーバ40は、例えば外国人の客が多い場合に言語選択ボタンをタッチパネルに表示させる。表示制御サーバ40は、言語選択ボタンがタッチ操作された場合に、その選択された言語でコンテンツを表示する。この場合、第2の実施形態では、領域M1.M2.M3.M4毎に言語選択ボタンを表示させ、タッチされた領域毎に異なる言語でコンテンツを表示させる。このような実施形態も可能であろう。
前記実施形態では、分類対象Aを会員データに含まれる客情報とした。分類対象Aを会員データに含まれる嗜好情報又は健康情報であってもよい。分類対象を嗜好対象とした場合、統計項目は、「甘い物が好物」、「辛い物が好物」等とすればよい。分類対象を健康情報とした場合、統計項目は、「塩分を控えめ」、「糖分を控えめ」等とすればよい。また、食物性アレルゲンに関する情報を統計項目としてもよい。
なお、客情報から選択されるコンテンツの場合、個人が特定されてしまうようなコンテンツは避けなければならない。例えば、第三者に居所が分かってしまうようなコンテンツは表示しないようにコントロールする必要がある。
前記実施形態では、1つの統計項目に対して動画コンテンツと静止画コンテンツとを設定した。この点に関しては、1つの統計項目に対して動画コンテンツまたは静止画コンテンツの何れか一方を設定するだけでもよい。この場合は、優先順位が1位の分類対象に対するコンテンツが動画コンテンツとなる場合もあり得るし、静止画コンテンツとなる場合もあり得る。同様に、優先順位が2位以下の分類対象に対するコンテンツが動画コンテンツとなる場合もあり得るし、静止画コンテンツとなる場合もあり得る。
なお、表示制御サーバ40の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、プログラムがROMに記憶されていない状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、表示制御サーバ40が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この表示制御サーバ40とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。