JP7464061B2 - 圧電体薄膜素子の製造方法及び電子素子の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、圧電体薄膜素子を製造するにあたり、圧電膜は高温で長時間結晶成長させるため、圧電体薄膜素子の製作工程においては初期にウエハ基板に成膜されるのが一般的である。
したがって、圧電膜成膜面上の欠陥が圧電体薄膜素子の圧電機能領域に位置した場合は、圧電機能や耐電圧特性に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
そのため外観的に欠陥が機能領域に見える場合は不良として扱うので圧電体薄膜素子の歩留まりが低下する。
ウエハ基板に圧電膜を成膜する成膜工程と、 前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記圧電膜成膜面を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記圧電膜の一部を含む素子構造を有した前記圧電体薄膜素子の所定数分のパターンを、前記圧電膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記圧電体薄膜素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記圧電膜成膜面上の欠陥の分布データを取得し、
前記欠陥の分布データを参照しつつ、前記所定数分のパターンのレイアウトを全体として、前記ウエハ基板に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、前記圧電膜が前記圧電体薄膜素子として機能する領域中にある欠陥の数若しくは面積又は当該領域中に欠陥がある素子数が、最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行し、
前記ウエハ基板の結晶方位に由来する特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する圧電体薄膜素子の製造方法である。
また、請求項2記載の発明は、前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウト に掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する請求項1記載の圧電体薄膜素子の製造方法である。
また、請求項3記載の発明は、一枚のウエハ基板から所定数の圧電体薄膜素子を製造する方法であって、
ウエハ基板に圧電膜を成膜する成膜工程と、前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記圧電膜成膜面を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記圧電膜の一部を含む素子構造を有した前記圧電体薄膜素子の所定数分のパターンを、前記圧電膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記圧電体薄膜素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記圧電膜成膜面上の欠陥の分布データを取得し、
前記欠陥の分布データを参照しつつ、前記所定数分のパターンのレイアウトを全体として、前記ウエハ基板に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、前記圧電膜が前記圧電体薄膜素子として機能する領域中にある欠陥の数若しくは面積又は当該領域中に欠陥がある素子数が、最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行し、
前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウトに掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する圧電体薄膜素子の製造方法である。
一枚のウエハ基板から所定数の圧電体薄膜素子を製造する方法であって、
ウエハ基板に圧電膜を形成する成膜工程と、前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記圧電膜成膜面を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記圧電膜の一部を含む素子構造を有した前記圧電体薄膜素子の所定数分のパターンを、前記圧電膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記圧電体薄膜素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記圧電膜成膜面上の欠陥の分布データを取得し、
圧電体薄膜素子の領域ごとに欠陥の影響度を示す欠陥影響係数を予め設定しておき、1枚のウエハ基板上の欠陥の個数をn、n番目の欠陥の面積をSnとし、n番目の欠陥が仮想的にレイアウトされる圧電体薄膜素子の領域の欠陥影響係数をKnとしたとき、評価関数Lを式(1)で定義し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行する圧電体薄膜素子の製造方法である。
ウエハ基板に前記電子素子の作用膜を形成する成膜工程と、
前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記作用膜を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記作用膜の一部を含む素子構造を有した前記電子素子の所定数分のパターンを、前記作用膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記電子素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記作用膜上の欠陥の分布データを取得し、
前記欠陥の分布データを参照しつつ、前記所定数分のパターンのレイアウトを全体として、前記ウエハ基板に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、前記作用膜が前記電子素子として機能する領域中にある欠陥の数若しくは面積又は当該領域中に欠陥がある素子数が、最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行し、
前記ウエハ基板の結晶方位に由来する特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する電子素子の製造方法である。
請求項8記載の発明は、前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウトに掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する請求項7記載の電子素子の製造方法である。
請求項9記載の発明は、一枚のウエハ基板から所定数の電子素子を製造する方法であって、
ウエハ基板に前記電子素子の作用膜を形成する成膜工程と、
前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記作用膜を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記作用膜の一部を含む素子構造を有した前記電子素子の所定数分のパターンを、前記作用膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記電子素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記作用膜上の欠陥の分布データを取得し、
前記欠陥の分布データを参照しつつ、前記所定数分のパターンのレイアウトを全体として、前記ウエハ基板に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、前記作用膜が前記電子素子として機能する領域中にある欠陥の数若しくは面積又は当該領域中に欠陥がある素子数が、最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行し、
前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウトに掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する電子素子の製造方法である。
ウエハ基板に前記電子素子の作用膜を形成する成膜工程と、
前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記作用膜を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記作用膜の一部を含む素子構造を有した前記電子素子の所定数分のパターンを、前記作用膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記電子素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記作用膜上の欠陥の分布データを取得し、電子素子の領域ごとに欠陥の影響度を示す欠陥影響係数を予め設定しておき、1枚のウエハ基板上の欠陥の個数をn、n番目の欠陥の面積をSnとし、n番目の欠陥が仮想的にレイアウトされる電子素子の領域の欠陥影響係数をKnとしたとき、評価関数Lを式(1)で定義し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行する電子素子の製造方法。
第1実施形態の圧電体薄膜素子の製造方法につき説明する。インクジェットプリンターに使用するインクジェットアクチュエータを圧電体薄膜素子により構成する場合を例とする。
まず、図1に示すようなウエハ基板11に対し成膜工程を実行する。ウエハ基板11としてはシリコン基板が一般的に用いられる。ウエハ基板11には、結晶方位をわかるようにするための目印として、オリフラ(オリエンテーション・フラット(orientation flat))、ノッチ等と呼ばれる切り欠き部12が設けられている。
本成膜工程では、図2に示すようにウエハ基板11上に、下部電極膜(振動板)13、圧電膜14、上部電極膜15の順で成膜し積層する。
圧電体材料の代表的なものは、ペロブスカイト型結晶構造の酸化物であるチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)(以下「PZT」という)や、このPZTにマグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、ニオブ(Nb)などを添加したものなどがある。特に、ペロブスカイト型結晶構造の正方晶系PZTの場合には、<001>軸方向(C軸方向)に大きな圧電変位が得られ、 菱面体晶系PZTの場合には、<111>軸方向に大きな圧電変位が得られる。
圧電膜(PZT膜)は、600℃以上の高温で厚み3μm程度成膜される。このとき成膜装置内部にもPZT膜が堆積するが、その一部が剥落してウエハに付着し欠陥となりやすい。装置内部は常に清浄に保つことが望ましいが、装置の清掃・部品交換等のメンテナンスコストや設備の稼働率とのバランスがあり、一定レベル以上に欠陥の発生率を抑制することは難しい。したがって圧電膜を成膜した後のウエハには一定レベルの欠陥の発生は許容せざるをえない。
図3は、圧電膜14成膜後のウエハ基板11の圧電膜14成膜面に欠陥dが表出した様子を模式的に示す。
1素子分のパターン17を図5に示す。
圧電体薄膜素子の1素子分のパターン17は、図5に示すように圧力室領域17aと、配線領域17bと、給電パッド領域17cと、無機能領域17dとを有する。各領域分けのみを図6に示す。圧力室領域17aは、各々の圧電素子の上部電極を含む領域であり、圧電素子に駆動電圧が印加されることにより、圧電膜14の圧電効果によりインク吐出動作が駆動される部分であるため最重要である。配線領域17bと、給電パッド領域17cは、圧力室領域17aと同様に、上部電極膜15を所定形状に残した部分であり、その下地には圧電膜14は残る。無機能領域17dについては、上部電極膜15及び圧電膜14は除去される。
以上の圧電体薄膜素子の領域17a,17b,17c,17dごとに設計的な欠陥dの影響度を示す欠陥影響係数を予め設定しておく。
例えば、圧力室領域17aの欠陥影響係数Kaを、Ka=1とし、配線領域17bの欠陥影響係数Kbを、Kb=0.2とし、給電パッド領域17cの欠陥影響係数Kcを、Kc=0.3とし、無機能領域17dの欠陥影響係数Kdを、Kd=0とする。
1枚のウエハ基板11上の欠陥dの個数をn、n番目の欠陥の面積をSnとし、n番目の欠陥dnが仮想的にレイアウトされる圧電体薄膜素子の領域の欠陥影響係数をKnとしたとき、評価関数を式(1)で定義する。欠陥dが異なる領域に跨る場合は、領域ごとに1個の欠陥として計算する。
評価関数Lが最小となる回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出したら、実際にその算出値に従った回転の角度又は/及びXYシフト量にウエハパターンレイアウト16をウエハ基板11に対して配置して、パターニング工程及びダイシング工程を実行する。
図7に示すように10個の欠陥d1~d10が検出されている。欠陥影響係数の高い圧力室領域17aに7個の欠陥d1,d3,d4,d5,d6,d8,d10が配置されている。また、これらの欠陥は、それぞれ別の7素子分のパターン17に分かれて存在しているため、7個の圧電体薄膜素子が不良となる可能性がある。
上記評価関数Lが最小となるように回転の角度を選択しているので、図8に示すように、圧力室領域17a、配線領域17b、給電パッド領域17cに存在する欠陥は減少した。特に欠陥影響係数を大きく設定している圧力室領域17aに存在する欠陥を顕著に減少させることができる。
また、圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中にある欠陥dの数としても、減少した。
圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中にある欠陥dの面積としても、減少した。
当該領域17a,17b,17c中に欠陥がある素子数としても、減少した。
以上により、全28素子が良品となる可能性が高いレイアウトにすることができる。
図9は、図7と同じ欠陥の分布があった場合について、上記評価関数Lに基づくXYシフトによる最適化を行った後のウエハ基板11上の欠陥分布の一例を示す。
この場合も同様に、上記評価関数Lが最小となるようにXYシフト量を選択しているので、図9に示すように、圧力室領域17a、配線領域17b、給電パッド領域17cに存在する欠陥は減少した。特に欠陥影響係数を大きく設定している圧力室領域17aに存在する欠陥を顕著に減少させることができる。
また、圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中にある欠陥dの数としても、減少した。
圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中にある欠陥dの面積としても、減少した。
当該領域17a,17b,17c中に欠陥がある素子数としても、減少した。
以上により、全28素子が良品となる可能性が高いレイアウトにすることができる。
なお、ウエハ基板11の結晶方位に由来する特定の角度を忌避して、回転の角度を算出することがよい。ウエハ基板は特定の結晶方位が割れやすいからである。割れについては、シリコンウエハの取り扱い時のみでなく、素子の切断時・空洞部18のための裏面からのエッチング時・ノズルとの接合時などの衝撃や応力が割れを誘発する可能性があり、特定の工程において結晶の劈開方向が一致すると割れる可能性がある。
また、ウエハ基板11の切り欠き部12がウエハパターンレイアウト16に掛かる特定の角度を忌避して、回転の角度を算出する。切り欠き部12がウエハパターンレイアウト16に掛かると、切り欠き部12が配置されたパターン17については製品にならず、歩留まりが低下するからである。
無論、XYシフト量についても、切り欠き部12がウエハパターンレイアウト16に掛かる場合を忌避する。(なお、当然にウエハパターンレイアウト16がウエハ基板11内に収まっていることを条件とする。)
以上のように、何らかの要請により選択できない角度、XYシフト量を忌避する。
したがって、評価関数Lが最小となる回転の角度、XYシフト量を選択できないときは、可及的に最小に近い値を選択する。
パターニング工程においては、図10及び図11に示すように上部電極膜15をエッチングして所定のパターンに形成する。
次に、図12及び図13に示すように、上部電極膜15の下の圧電膜14をエッチングして所定のパターンに形成する。
次に、図14及び図15に示すように、ウエハ基板11を裏面からエッチングして所定のパターンの空洞部18を形成する。空洞部18は、圧力室18a、圧力室18aへのインク供給路を有したパターンである。なお、17Aは表面側、17Bを裏面側とする。
次に、図16及び図17に示すように、ウエハ基板11の裏面にノズル孔19aを有したノズル板19を接合して、各ノズル孔19aを各圧力室18aに接続する。
1素子分のパターン17部分が切り出され、1個の圧電体薄膜素子27となる。
圧電体薄膜素子27は、駆動回路(不図示)に接続されて、図18に示すように上部電極膜15と下部電極膜13との間に駆動電圧が印加されて、圧電膜14が変形させられて振動板を兼ねる下部電極膜13が振動する。
インクジェットヘッドとして使用される際には、図19に示すようにインクタンク28に接続され、圧力室18aにインク29が供給され、上記の振動板の振動によりインク滴30がノズル孔19aから吐出される。
ウエハパターンレイアウト16を、全体として回転又は/及びXYシフト移動させるので、ウエハパターンレイアウト16中の1素子分のパターン同士の相対的位置関係は不変である。したがって、パターニング工程と、ダイシング工程は、ウエハパターンレイアウト16の全体として回転又は/及びXYシフトした移動量を同じ量だけ移動した基準により実行すればよく、生産効率を落とすことがない。
以上のようにして、ウエハ基板11上に成膜した膜(14)に欠陥dがあっても、所定数分のパターンのレイアウト16を全体として回転又は/及びXYシフトして可及的に欠陥dを避けてパターニング工程及びダイシング工程を実行するため、生産効率を低下させることなく、歩留まりを向上することができる。
また本実施例ではパターニングの後、ウエハ基板の切断を実行したが、ウエハ基板を所定の大きさに切断し、切断された各ウエハ基板に対してパターニングを行い、圧電体薄膜素子を個片に分離しても本発明の効果は同様である。
他の実施形態を開示する。
(A)以上の第1実施形態では、式(1)で定義される評価関数Lが最小又は可及的に最小に近い値となる回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出し、当該算出値に従ってパターニング工程及びダイシング工程を実行した。
第1実施形態における評価関数Lを以下のパラメーターに置き換えた方法も実施できる。
第1実施形態において、1枚のウエハ基板上の欠陥dの個数をnとしたが、そのうち圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中にある欠陥dの数をmとする。
ウエハパターンレイアウト16を、ウエハ基板11に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、欠陥の数mが最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出する。
同様に、当該算出値に従ってパターニング工程及びダイシング工程を実行する。
これにより、圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中にある欠陥dの数mは減少するので、圧電体薄膜素子を歩留まり良好に製造することができる。
圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中にある欠陥dの面積をDSとする。
ウエハパターンレイアウト16を、ウエハ基板11に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、面積DSが最小又は可及的に最小に近い値となる回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出する。
同様に、当該算出値に従ってパターニング工程及びダイシング工程を実行する。
これにより、圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中にある欠陥dの面積DSは減少するので、圧電体薄膜素子を歩留まり良好に製造することができる。
圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中に欠陥dがある素子数をNとする。
ウエハパターンレイアウト16を、ウエハ基板11に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、欠陥のある素子数Nが最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出する。
同様に、当該算出値に従ってパターニング工程及びダイシング工程を実行する。
これにより、圧電膜14が圧電体薄膜素子として機能する領域17a,17b,17c中に欠陥dがある素子数Nは減少するので、圧電体薄膜素子を歩留まり良好に製造することができる。
12 切り欠き部
13 下部電極膜(振動板)
14 圧電膜
15 上部電極膜
16 ウエハパターンレイアウト
17 1素子分のパターン
18a 圧力室
19 ノズル板
19a ノズル孔
27 圧電体薄膜素子
28 インクタンク
29 インク
30 インク滴
d 欠陥
Claims (12)
- 一枚のウエハ基板から所定数の圧電体薄膜素子を製造する方法であって、
ウエハ基板に圧電膜を成膜する成膜工程と、 前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記圧電膜成膜面を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記圧電膜の一部を含む素子構造を有した前記圧電体薄膜素子の所定数分のパターンを、前記圧電膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記圧電体薄膜素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記圧電膜成膜面上の欠陥の分布データを取得し、
前記欠陥の分布データを参照しつつ、前記所定数分のパターンのレイアウトを全体として、前記ウエハ基板に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、前記圧電膜が前記圧電体薄膜素子として機能する領域中にある欠陥の数若しくは面積又は当該領域中に欠陥がある素子数が、最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行し、
前記ウエハ基板の結晶方位に由来する特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する圧電体薄膜素子の製造方法。 - 前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウトに掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する請求項1記載の圧電体薄膜素子の製造方法。
- 一枚のウエハ基板から所定数の圧電体薄膜素子を製造する方法であって、
ウエハ基板に圧電膜を成膜する成膜工程と、前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記圧電膜成膜面を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記圧電膜の一部を含む素子構造を有した前記圧電体薄膜素子の所定数分のパターンを、前記圧電膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記圧電体薄膜素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記圧電膜成膜面上の欠陥の分布データを取得し、
前記欠陥の分布データを参照しつつ、前記所定数分のパターンのレイアウトを全体として、前記ウエハ基板に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、前記圧電膜が前記圧電体薄膜素子として機能する領域中にある欠陥の数若しくは面積又は当該領域中に欠陥がある素子数が、最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行し、
前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウトに掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する圧電体薄膜素子の製造方法。 - 一枚のウエハ基板から所定数の圧電体薄膜素子を製造する方法であって、
ウエハ基板に圧電膜を形成する成膜工程と、前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記圧電膜成膜面を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記圧電膜の一部を含む素子構造を有した前記圧電体薄膜素子の所定数分のパターンを、前記圧電膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記圧電体薄膜素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記圧電膜成膜面上の欠陥の分布データを取得し、
圧電体薄膜素子の領域ごとに欠陥の影響度を示す欠陥影響係数を予め設定しておき、1枚のウエハ基板上の欠陥の個数をn、n番目の欠陥の面積をSnとし、n番目の欠陥が仮想的にレイアウトされる圧電体薄膜素子の領域の欠陥影響係数をKnとしたとき、評価関数Lを式(1)で定義し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行する圧電体薄膜素子の製造方法。 - 前記ウエハ基板の結晶方位に由来する特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する請求項4記載の圧電体薄膜素子の製造方法。
- 前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウトに掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する請求項4又は5に記載の圧電体薄膜素子の製造方法。
- 一枚のウエハ基板から所定数の電子素子を製造する方法であって、
ウエハ基板に前記電子素子の作用膜を形成する成膜工程と、
前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記作用膜を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記作用膜の一部を含む素子構造を有した前記電子素子の所定数分のパターンを、前記作用膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記電子素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記作用膜上の欠陥の分布データを取得し、
前記欠陥の分布データを参照しつつ、前記所定数分のパターンのレイアウトを全体として、前記ウエハ基板に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、前記作用膜が前記電子素子として機能する領域中にある欠陥の数若しくは面積又は当該領域中に欠陥がある素子数が、最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行し、
前記ウエハ基板の結晶方位に由来する特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する電子素子の製造方法。 - 前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウトに掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する請求項7記載の電子素子の製造方法。
- 一枚のウエハ基板から所定数の電子素子を製造する方法であって、
ウエハ基板に前記電子素子の作用膜を形成する成膜工程と、
前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記作用膜を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記作用膜の一部を含む素子構造を有した前記電子素子の所定数分のパターンを、前記作用膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記電子素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記作用膜上の欠陥の分布データを取得し、
前記欠陥の分布データを参照しつつ、前記所定数分のパターンのレイアウトを全体として、前記ウエハ基板に対し仮想的に回転又は/及びXYシフトさせたとき、前記作用膜が前記電子素子として機能する領域中にある欠陥の数若しくは面積又は当該領域中に欠陥がある素子数が、最小又は可及的に最小に近い値となる当該回転の角度又は/及びXYシフト量の算出値を算出し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行し、
前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウトに掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する電子素子の製造方法。 - 一枚のウエハ基板から所定数の電子素子を製造する方法であって、
ウエハ基板に前記電子素子の作用膜を形成する成膜工程と、
前記成膜工程の後、前記ウエハ基板の前記作用膜を検査する検査工程と、
前記検査工程の後、前記作用膜の一部を含む素子構造を有した前記電子素子の所定数分のパターンを、前記作用膜成膜面上にレイアウトして形成するパターニング工程と、
前記パターニング工程の後、前記パターニング工程における所定数分のパターンのレイアウトに従って前記電子素子を個片に分離するダイシング工程と、を有し、
前記検査工程において、前記作用膜上の欠陥の分布データを取得し、電子素子の領域ごとに欠陥の影響度を示す欠陥影響係数を予め設定しておき、1枚のウエハ基板上の欠陥の個数をn、n番目の欠陥の面積をSnとし、n番目の欠陥が仮想的にレイアウトされる電子素子の領域の欠陥影響係数をKnとしたとき、評価関数Lを式(1)で定義し、
前記算出値に従って前記パターニング工程及びダイシング工程を実行する電子素子の製造方法。 - 前記ウエハ基板の結晶方位に由来する特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する請求項10に記載の電子素子の製造方法。
- 前記ウエハ基板の切り欠き部が前記所定数分のパターンのレイアウトに掛かる特定の角度を忌避して、前記回転の角度を算出する請求項10又は11に記載の電子素子の製造方法。
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JP2003215060A (ja) | 2002-01-22 | 2003-07-30 | Tokyo Seimitsu Co Ltd | パターン検査方法及び検査装置 |
JP2006253331A (ja) | 2005-03-09 | 2006-09-21 | Sharp Corp | 製造検査解析システム、解析装置、解析装置制御プログラム、解析装置制御プログラムを記録した記録媒体、および製造検査解析方法 |
JP2010043330A (ja) | 2008-08-13 | 2010-02-25 | Fujifilm Corp | 成膜装置、成膜方法、圧電膜、および、液体吐出装置 |
JP2011007648A (ja) | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Hitachi High-Technologies Corp | 基板検査装置および基板検査方法 |
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JP2003215060A (ja) | 2002-01-22 | 2003-07-30 | Tokyo Seimitsu Co Ltd | パターン検査方法及び検査装置 |
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JP2011007648A (ja) | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Hitachi High-Technologies Corp | 基板検査装置および基板検査方法 |
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