JP7462877B2 - 車両制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、シフトバイワイヤ方式の自動変速機を備えた車両制御システムに関する。
従来から、自動変速機のレンジがパーキングレンジであるときに、自動変速機から車輪へと動力を伝達するための動力伝達軸の回転を拘束するように動作するパーキングロック装置が知られている。このパーキングロック装置は、動力伝達軸に固定された被係合要素に対して係合要素を係合させることで、具体的には動力伝達軸に取り付けられたパーキングギヤの溝部に対してパーキングポールの突起部を係合させることで、動力伝達軸の回転を拘束する。例えば、特許文献1には、このようなパーキングロック装置に関する技術が開示されている。具体的には、特許文献1に記載された技術では、自動駐車時において、パーキングポールの突起部とパーキングギヤの溝部とがしっかり係合する位置にパーキングギヤが停止するように最終停車位置を決定することで、パーキングロック装置によるショックを抑制している。
特開2020-001575号公報
ところで、車両の一般的な固定方法(停車時や駐車時などにおいて車両の移動を規制するための方法である。以下同様とする。)として、上記した自動変速機のパーキングレンジでのパーキングロック装置による固定、パーキングブレーキ装置による固定、及び液圧ブレーキ装置による固定がある。特に車両の駐車時には、一般的に、パーキングロック装置による固定及びパーキングブレーキ装置による固定が用いられる。
ここで、勾配路において車両を駐車させるときに、パーキングブレーキ装置による固定が完了する前にパーキングロック装置が作動状態になると(液圧ブレーキ装置が作動していないものとする)、パーキングロック装置においてショックが発生する場合がある。これについて、図6を参照して説明する。
図6は、パーキングロック装置におけるパーキングギヤ24及びパーキングポール25の部分拡大図である。具体的には、パーキングギヤ24の溝部24aとパーキングポール25の突起部25bとの係合状態を示している。なお、図6において、符号23は、自動変速機から車輪へと動力を伝達するための動力伝達軸を示し、この動力伝達軸23にパーキングギヤ24が取り付けられている。
勾配路において車両を駐車させた場合、パーキングロック装置が係合状態になったときに、液圧ブレーキ装置が作動しておらず、パーキングブレーキ装置による固定が完了していないと、車両が勾配路により移動する。具体的には、パーキングギヤ24の歯部24bとパーキングポール25の突起部25bとのバックラッシュに相当する量だけ、車両がずり下がる。すなわち、勾配により車輪が転がり、車輪に連結された動力伝達軸23が回転することで、動力伝達軸23に取り付けられたパーキングギヤ24が回転して(矢印A1)、その結果、パーキングギヤ24の歯部24bがパーキングポール25の突起部25bに衝突するまで(矢印A2)、車両が移動するのである。こうして歯部24bが突起部25bに衝突すると(つまり歯当たりが生じると)、車両にショックが発生する。
なお、勾配路においてドライバがブレーキペダルから足を離しても液圧ブレーキ装置による固定を継続することで、勾配路による車両の移動を防止する技術が知られている。しかしながら、この技術では、上記したような勾配路での駐車時において発生する問題を解決するには不十分である。これは、液圧ブレーキ装置による固定(液圧を利用した車輪への制動力付与)の保持時間が短く、駐車中に保持時間が終了して車両が移動するからである。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、勾配路においてパーキングロック装置を作動させる場合に、パーキングロック装置での係合に起因する車両ショックを防止することができる車両制御システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、車両制御システムであって、車両の駆動源と車輪との動力伝達経路上に設けられたシフトバイワイヤ方式の自動変速機と、自動変速機から車輪へと動力を伝達するための動力伝達軸上に設けられ、自動変速機のレンジがパーキングレンジであるときに、動力伝達軸に固定された被係合要素に対して係合要素を係合させることで、動力伝達軸の回転を拘束するように動作するパーキングロック装置と、ドライバによるブレーキペダルの操作に応じて、液圧を利用して車両に制動力を付与する液圧ブレーキ装置と、電動により駆動されて車両に制動力を付与する電動パーキングブレーキ装置と、車両の前後方向の傾斜角(勾配角)を検出する傾斜角センサと、パーキングロック装置、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置のそれぞれの作動及び解除を制御するように構成されたコントローラと、を有し、前記コントローラは、前記傾斜角センサにより検出された傾斜角が所定の閾値以上である状態において、パーキングロック装置を作動させる要求が発せられたときに、ドライバによるブレーキペダルの操作の有無にかかわらず、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後に、パーキングロック装置を作動させるように構成され、コントローラは、傾斜角が閾値以上である状態においてパーキングロック装置を作動させる要求が発せられたときに、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた場合、電動パーキングブレーキ装置の作動が完了するまでは、ドライバによるブレーキペダルの操作の有無にかかわらず、液圧ブレーキ装置の解除を禁止し、電動パーキングブレーキ装置の作動が完了したときに液圧ブレーキ装置を解除するように構成されている
このように構成された本発明では、コントローラは、勾配路でのパーキングロック装置の作動要求時に、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置を最初に作動させて、勾配路による車両の移動を抑制した状態において、パーキングロック装置を後から作動させるようにする。これにより、勾配路でのパーキングロック装置の作動時において、勾配路による車輪の転がりに起因する、パーキングロック装置に設けられた動力伝達軸及び被係合要素の回転を抑制して、勾配路でのパーキングロック装置の係合に起因する車両ショックを防止することができる。具体的には、パーキングロック装置の被係合要素と係合要素との衝突(典型的にはパーキングギヤの歯部とパーキングポールの突起部との衝突)による車両ショックを防止することができる。
また、本発明では、コントローラは、上述したような勾配路による車両の移動を抑制するに当たって、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させる。こうすることで、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置への作動信号の出力開始時、具体的には作動完了時間が長い電動パーキングブレーキ装置の作動が完了するまでの間(つまり電動パーキングブレーキ装置が十分な制動力を発揮できない間)、作動完了時間が短い液圧ブレーキ装置によって車両を固定することができる。これにより、勾配路による車両の移動を確実に抑制することができる。
また、本発明によれば、電動パーキングブレーキ装置の作動遅れに起因して車両が勾配路により移動することを抑制できると共に、液圧ブレーキ装置を無駄に作動し続けることによる燃費の悪化を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、コントローラは、傾斜角が閾値よりも大きい別の閾値以上である場合には、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後にパーキングロック装置を作動させる制御を行う代わりに、電動パーキングブレーキ装置及びパーキングロック装置の両方を同時に作動させる制御を行うように構成されている。
このように構成された本発明によれば、傾斜角がかなり大きい場合には、電動パーキングブレーキ装置による固定のみによって車両の停止状態を維持するのが困難になるので、コントローラは、パーキングロック装置での車両ショックの抑制よりも、勾配路による車両の移動の抑制を優先すべく、パーキングロック装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方を略同時に作動させるようにする。これにより、急な勾配路での車両の安全性を確保することができる。
なお、パーキングロック装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方を略同時に作動させるとは、理想的にはパーキングロック装置及び電動パーキングブレーキ装置が同時に作動するのが望ましいが、これらの作動開始時に生じ得る遅れなどに起因して、パーキングロック装置及び電動パーキングブレーキ装置の作動が完全に同時ではなく、若干ずれる場合も含む概念である。このような制御は、典型的には、パーキングロック装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方に対して同時に作動信号を出力させることにより実現される。
他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、車両制御システムであって、車両の駆動源と車輪との動力伝達経路上に設けられたシフトバイワイヤ方式の自動変速機と、自動変速機から車輪へと動力を伝達するための動力伝達軸上に設けられ、自動変速機のレンジがパーキングレンジであるときに、動力伝達軸に固定された被係合要素に対して係合要素を係合させることで、動力伝達軸の回転を拘束するように動作するパーキングロック装置と、ドライバによるブレーキペダルの操作に応じて、液圧を利用して車両に制動力を付与する液圧ブレーキ装置と、電動により駆動されて車両に制動力を付与する電動パーキングブレーキ装置と、車両の前後方向の傾斜角を検出する傾斜角センサと、パーキングロック装置、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置のそれぞれの作動及び解除を制御するように構成されたコントローラと、を有し、コントローラは、傾斜角センサにより検出された傾斜角が所定の閾値以上である状態において、パーキングロック装置を作動させる要求が発せられたときに、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後に、パーキングロック装置を作動させるように構成され、コントローラは、傾斜角が閾値よりも大きい別の閾値以上である場合には、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後にパーキングロック装置を作動させる制御を行う代わりに、電動パーキングブレーキ装置及びパーキングロック装置の両方を同時に作動させる制御を行うように構成されている。
本発明において、好ましくは、コントローラは、傾斜角が閾値以上である状態において電動パーキングブレーキ装置及びパーキングロック装置が作動されているときに、パーキングロック装置を解除させる要求が発せられた場合、パーキングロック装置の解除が完了するまでは電動パーキングブレーキ装置の解除を禁止し、パーキングロック装置の解除が完了したときに電動パーキングブレーキ装置を解除するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、コントローラは、勾配路でのパーキングロック装置の解除要求時に、電動パーキングブレーキ装置の作動を継続させて、勾配路による車両の移動を抑制した状態において、パーキングロック装置を最初に解除するようにする。これにより、勾配路でのパーキングロック装置の解除時において、勾配路による車輪の転がりに起因する、パーキングロック装置に設けられた動力伝達軸及び被係合要素の回転を抑制して、勾配路でのパーキングロック装置の係合に起因する車両ショックを防止することができる。
本発明において、好ましくは、車両は、当該車両を自動で駐車させる自動駐車モードを備え、コントローラは、自動駐車モードによる駐車時に、傾斜角が閾値以上である状態においてパーキングロック装置を作動させる要求が発せられたときに、液圧ブレーキ装置及び電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後に、パーキングロック装置を作動させるように構成されている。
このように構成された本発明によれば、自動で車両の駐車動作が行われているときに、上述した車両ショックが生じることを防止することができる。具体的には、ドライバが操作していないのにショックが突然生じて違和感を与えることを防止することができる。
本発明の車両制御システムによれば、勾配路においてパーキングロック装置を作動させる場合に、パーキングロック装置での係合に起因する車両ショックを防止することができる。
本発明の実施形態による車両制御システムが搭載された車両の概略図である。 本発明の実施形態による車両制御システムの構成図である。 本発明の実施形態においてロック状態にあるパーキングロック装置の概略断面図である。 本発明の実施形態において非ロック状態にあるパーキングロック装置の概略断面図である。 本発明の実施形態におけるパーキングロック装置の作動時の制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるパーキングロック装置の解除時の制御を示すフローチャートである。 勾配路におけるパーキングロック装置での係合に起因する車両ショックの説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両制御システムを説明する。
<車両制御システムの構成>
図1Aは、本発明の実施形態による車両制御システムが搭載された車両の概略図であり、図1Bは、本発明の実施形態による車両制御システムの構成図である。
車両1は、図1Aに示すように、フロントエンジンフロントドライブ式(FF式)の車両である。エンジン(駆動源)10は、車両前側で横置きされており、エンジン10の車両左側には自動変速機20が配置されている。エンジン10からの出力は、自動変速機20を介して車輪(前輪)5に伝達され、これにより、車両1が走行するようになっている。なお、車両1は、車両後側の車輪(後輪)6を駆動するフロントエンジンリアドライブ式(FR式)の車両であってもよい。
本実施形態の車両制御システムSは、図1Bに示すように、シフトバイワイヤ方式の自動変速機20と、自動変速機20と一体に構成されたパーキングロック装置21と、シフト操作部(シフトレバー)3と、液圧ブレーキ装置40と、電動パーキングブレーキ装置50と、ドアロックアクチュエータ60と、報知装置70と、各種検出センサ及び操作スイッチとを備えている。検出センサには、セレクターセンサSN1、ロッド位置センサSN2、勾配センサ(傾斜角センサ)SN3、ブレーキペダルセンサSN4、車速センサSN5等が含まれる。また、操作スイッチには、車両電源スイッチ(IGスイッチ)SW1、パーキングスイッチSW2、ドア開閉スイッチSW3、自動駐車スイッチSW4等が含まれる。
シフト操作部3は、車両1の車室内に配置されている。ドライバは、シフト操作部3を操作することにより、所望のシフトレンジ(変速レンジ)を選択することができる。シフトレンジには、「P」(パーキングレンジ)、「R」(後退レンジ)、「N」(ニュートラルレンジ)、「D」(ドライブレンジ)等が含まれる。セレクターセンサSN1は、シフト操作部3の操作によって選択されたシフトレンジを検出し、検出したシフトレンジを表す電気信号(シフトレンジ信号)をコントローラ100へ出力する。なお、以下では、パーキングレンジを適宜「Pレンジ」と呼び、パーキングレンジ以外のシフトレンジを適宜「NotPレンジ」と呼ぶ。
自動変速機20は、エンジン10から駆動輪5へ動力を伝達する動力伝達経路22上に配置されている。自動変速機20は、シフトバイワイヤ方式である。このため、コントローラ100は、シフト操作部3においてPレンジ以外のシフトレンジ(Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ等)が選択されているとき、セレクターセンサSN1から受け取った電気信号に基づいて、自動変速機20へ作動信号を出力する。シフトバイワイヤ方式の自動変速機20は、コントローラ100から受け取った作動信号に応じてシフトレンジを切り替えるように構成されている。
パーキングロック装置21は、自動変速機20に一体に設けられている。パーキングロック装置21は、動力伝達軸23の動作(回転)を規制(ロック)することにより、駆動輪5が回転することを防止するように構成されている。動力伝達軸23は、自動変速機20と駆動輪5との間に設けられており、動力伝達経路22の一部を構成している。コントローラ100は、シフト操作部3においてPレンジからPレンジ以外のレンジにレンジ選択が変更されると、動力伝達軸23の動作(回転)が許容されるようにパーキングロック装置21へ作動信号を出力する。一方、コントローラ100は、Pレンジ以外からPレンジへレンジ選択が変更されると、動力伝達軸23の動作(回転)が規制(ロック)されるようにパーキングロック装置21へ作動信号を出力する。
液圧ブレーキ装置40は、ドライバによるブレーキペダルの操作に応じて、油圧を利用して各車輪5、6に制動力を付与する。コントローラ100は、ブレーキペダルの操作量に応じて、液圧ブレーキ装置40が油圧を介して各車輪5、6に付与する制動力を調整するように構成されている。
電動パーキングブレーキ装置50は、所定の条件に応じて、電気モータを介してブレーキディスクに押圧力を付与することにより、後輪6に制動力を付与する。コントローラ100は、例えば、ドライバがパーキングスイッチSW2を操作すると、電動パーキングブレーキ装置50に作動信号を出力する。電動パーキングブレーキ装置50は、作動信号に応答して、内部の電気モータを作動させることにより、後輪6に制動力を付与するように構成されている。
ドアロックアクチュエータ60は、各車両ドアに設けられたドアロックを作動させる作動装置である。ドアロックアクチュエータ60は、コントローラ100からドアロック開信号を受け取るとドアロックを解錠し、ドアロック閉信号を受け取るとドアロックを施錠するように構成されている。
報知装置70は、車両1に設けられたスピーカ、ディスプレイ、報知灯等である。コントローラ100は、報知装置70を用いて、音、ディスプレイ表示、報知光によって、車両1の異常又は不具合をドライバに報知することができる。
コントローラ100は、回路により構成されており、周知のマイクロコンピュータをベースとする制御器である。コントローラ100は、図1Bに示すように、プログラムを実行する中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)としての1以上のマイクロプロセッサ100aと、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)により構成されてプログラム及びデータを格納するメモリ100bと、電気信号の入出力をする入出力バス等を備えている。例えば、コントローラ100は、ECU(Electronic Control Unit)及びTCM(Transmission Control Module)などにより構成される。
コントローラ100は、セレクターセンサSN1からシフトレンジ信号、ロッド位置センサSN2からロッド位置信号、勾配センサSN3から傾斜角信号、ブレーキペダルセンサSN4からペダル操作信号、車速センサSN5から車速信号、車両電源スイッチSW1から電源ON信号、パーキングスイッチSW2からパーキング指令信号、ドア開閉スイッチSW3からドアロック開信号、ドアロック閉信号、自動駐車スイッチSW4から自動駐車ON信号を受け取る。
シフトレンジ信号は、シフト操作部3により選択されたシフトレンジを表す。コントローラ100は、シフトレンジ信号に基づいて、自動変速機20のシフト変更処理や、パーキングロック装置21のロック作動/解除処理を実行する。
ロッド位置信号は、パーキングロック装置21内のパーキングロッド26の位置を示す。勾配センサSN3は、加速度センサを用いて路面の勾配角(又は、路面上の車両1の前後方向の傾斜角)を検出する。よって、傾斜角信号は、車両1の前後方向の傾斜角を表す。ペダル操作信号は、ブレーキペダルの操作量を表す。コントローラ100は、ペダル操作信号に基づいて、液圧ブレーキ装置40により適宜な制動力を車輪5、6に付与する。車速信号は、車両1の速度を表す。なお、コントローラ100は、勾配センサSN3により検出される傾斜角の代わりに、ナビゲーション装置などから取得される地図データに含まれる路面の傾斜角を用いてもよい。
電源ON信号は、車両電源スイッチSW1がON操作されていることを表す。ドライバが車両電源スイッチSW1をON操作することにより、車両1が作動可能となる。すなわち、コントローラ100は、電源ON信号を受け取っている間は、電源コントローラとして、車両1の各電装部品に電力を供給する。一方、コントローラ100は、電源ON信号を受け取らない状態になると、電源コントローラとして、待機状態で作動する一部の電装品を除いて、車両1の各電装部品への電力供給を停止する。これにより、車両1は待機機能を除いて不作動となる。
パーキング指令信号は、ドライバによりパーキングスイッチSW2がON操作されていることを表す。コントローラ100は、パーキング指令信号に基づいて、電動パーキングブレーキ装置50を作動させる。ドアロック開信号は、車両ドアロックの解錠指令を表し、ドアロック閉信号は車両ドアロックの施錠指令を表す。コントローラ100は、解錠指令に基づいて、車両1のドアロックを解錠し、施錠指令に基づいて、車両1のドアロックを施錠する。また、コントローラ100は、エンジン10の始動及び停止を制御する。
自動駐車ON信号は、自動駐車スイッチSW4がON操作されていることを表す。ドライバが自動駐車スイッチSW4をON操作することにより、車両1を自動で駐車させる自動駐車モードが設定される。コントローラ100は、自動駐車スイッチSW4から自動駐車ON信号を受け取ると、つまり自動駐車モードが設定されると、車両1のアクセル操作、ブレーキ操作及びステアリング操作の少なくともいずれかを自動で行って、車両1を所望のエリアに駐車させる。
<パーキングロック装置の構成>
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施形態によるパーキングロック装置の具体的な構成について説明する。図2及び図3はパーキングロック装置の概略断面図である。特に、図2はロック状態にあるパーキングロック装置の概略断面図であり、図3は非ロック状態にあるパーキングロック装置の概略断面図である。
図2及び図3に示すように、パーキングロック装置21は、自動変速機20の変速機ケース(図示省略)の内部に配設されている。パーキングロック装置21は、動力伝達軸23をロック状態に維持するロック機構21Aと、ロック機構21Aをロック状態と非ロック状態との間で切り替えるアクチュエータ21Bと、を備えている。
ロック機構21Aは、動力伝達軸23に取り付けられたパーキングギヤ24と、パーキングギヤ24と係合するパーキングポール25と、を備えている。ロック機構21Aは、Pレンジにおいてパーキングギヤ24とパーキングポール25との係合により、動力伝達軸23の回転を拘束し(拘束状態)、一方、Pレンジ以外においてパーキングギヤ24とパーキングポール25とを非係合状態にすることにより、動力伝達軸23の回転を許容(非拘束状態)するように構成されている。
アクチュエータ21Bは、油圧式(液圧式)のアクチュエータである。アクチュエータ21Bは、拘束位置と非拘束位置との間で軸方向に移動するパーキングロッド26と、パーキングロッド26を軸方向に移動させるためのシリンダ31と、パーキングロッド26を軸方向の所定位置(拘束位置、非拘束位置)に保持する状態保持機構35と、パーキングロッド26の位置を検出するロッド位置センサSN2と、を備えている。なお、以下の説明において、パーキングロッド26の軸方向における、パーキングポール25側(図2及び図3では左側)をロック側と呼び、パーキングポール25と反対側(図2及び図3では右側)を非ロック側と呼ぶ。
シリンダ31は、円筒状のハウジングであり、内部に円筒状の空間であるシリンダ室31aを有する。シリンダ31の両端には封止部材32a、32bが取り付けられており、これら封止部材32a、32bは、シリンダ31の両側の開口を封止している。
パーキングロッド26は、ピストンロッド26aとプッシュロッド26bとが軸方向に連結された可動ロッドである。ピストンロッド26aは、アクチュエータ21Bによって拘束位置と非拘束位置との間で軸方向に移動可能に構成されている。ピストンロッド26aは、非ロック側の封止部材32aを貫通して、シリンダ室31a内を通って、ロック側の封止部材32bを貫通するように延びている。ピストンロッド26aは、シリンダ室31a内に嵌挿されたピストン26cに連結されている。
ピストン26cは、シリンダ室31aを2つの閉空間に区画している。区画された閉空間のうち、ピストン26cよりもロック側の閉空間は、オイルが供給される油圧室33である。一方、ピストン26cよりも非ロック側の閉空間には、ロッド付勢スプリング34が配置されている。ロッド付勢スプリング34は、圧縮コイルスプリングであって、一端が封止部材32aに当接し、他端がピストン26cに当接し、常時、封止部材32aに対してピストン26cをロック側に付勢している。
よって、油圧室33が油圧によって加圧されないと、ロッド付勢スプリング34の付勢力によって、ピストン26cはロック側へ押圧され、パーキングロッド26は拘束位置に移動する(図2参照)。一方、油圧室33が油圧によって加圧されると、ピストン26cは非ロック側へ押圧され、ロッド付勢スプリング34の付勢力に抗して、パーキングロッド26は非拘束位置に移動する(図3参照)。
油圧室33は、油路12を介してオイルポンプ11から加圧オイルの供給を受ける。オイルポンプ11は、本実施形態では、上記変速機ケース内に配設されて、自動変速機20の摩擦締結要素へ供給する油圧を生成するオイルポンプであり、エンジン10により駆動される。油路12には、油圧制御弁13が設けられている。油圧制御弁13は、コントローラ100からの作動信号に基づいて、油圧室33とオイルポンプ11とを連結して油圧室33を加圧する弁位置と、油圧室33からオイルを排出(ドレン)する弁位置とを切り替えるように構成されている。オイルポンプ11から供給されるオイルは、油圧制御弁13によって油圧が調整された後、油圧室33に供給される。すなわち、油圧室33の油圧は油圧制御弁13によって制御される。なお、油圧制御弁13は、例えばリニアソレノイドバルブなどである。本実施形態では、油圧制御弁13は、ソレノイドへの非通電時に油圧室33に加圧オイルが供給され、通電時に油圧室33からオイルが排出されるように構成されている。
プッシュロッド26bは、ブラケット30によって軸方向に移動可能に支持されており、非ロック側の端部にピストンロッド26aが連結され、ロック側の端部にパーキングカム29が設けられている。パーキングカム29は、ロック側への移動に伴って、パーキングポール25をパーキングギヤ24に向けて案内する役割を有している。このため、パーキングカム29は、拘束位置へ移動する際に、パーキングポール25(ポール押圧部25a)をパーキングギヤ24に向けて押圧するように、円柱体と円錐台とを組み合わせた形状をなしている。この円柱体のロック側の面に、ロック側に向かって縮径するように円錐台が取り付けられている。すなわち、パーキングロッド26が係合位置へ移動すると、パーキングポール25は、パーキングカム29の縮径部分に案内されて、ピン28周りに回動する。また、ブラケット30には、パーキングカム29の移動を案内するガイド38が設けられている。
パーキングポール25は、概略、ロック側の基端部から非ロック側の先端部に向けて延びている。パーキングポール25の基端部には、支持部25cが形成されており、支持部25cが変速機ケースにピン28で回動可能に支持されている。これにより、パーキングポール25は、ピン28を中心としてパーキングギヤ24に接近する方向(係合方向;図2及び図3において時計回り方向)と、離反する方向(係合解除方向;図2及び図3において反時計回り方向)に揺動可能に構成されている。パーキングポール25の先端部には、パーキングカム29に押圧されるポール押圧部25aが形成されている。
パーキングギヤ24は、外周面に複数の溝部24a及び歯部24bを有する。パーキングポール25の支持部25cとポール押圧部25aとの間には、パーキングギヤ24の溝部24aと係合可能な突起部25bが形成されている。また、ポール押圧部25aは、2本のパーキングポール付勢スプリング25d、25eによって、係合解除方向に付勢されている。パーキングポール付勢スプリング25d、25eは、捻りコイルスプリングである。パーキングポール付勢スプリング25dは、ロック側の端部がポール押圧部25aに当接しかつ非ロック側の端部が上記変速機ケースに当接している。一方、パーキングポール付勢スプリング25eは、ロック側の端部がポール押圧部25aに当接しかつ非ロック側の端部が後述するブラケット30に当接している。
パーキングポール25は、図2に示すように、パーキングロッド26がロック側の係合位置に移動したときには、ポール押圧部25aがパーキングカム29に押圧される。これにより、パーキングポール付勢スプリング25d、25eの付勢力に抗して、パーキングポール25がピン28周りに係合方向に回動し、パーキングポール25の突起部25bがパーキングギヤ24の溝部24aと係合する。これにより、動力伝達軸23の回転が拘束されるので、駆動輪5の回転(すなわち、車両1の移動)が防止される。なお、パーキングギヤ24(特に溝部24a)は本発明における「被係合要素」に相当し、パーキングポール25(特に突起部25b)は本発明における「係合要素」に相当する。
一方、図3に示すように、パーキングロッド26が非ロック側の非係合位置に移動したときには、パーキングポール付勢スプリング25d、25eの付勢力によって、パーキングポール25がピン28周りに係合解除方向に回動し、突起部25bと溝部24aとの係合が解除される。これにより、動力伝達軸23の回転が可能となるので、駆動輪5の回転(すなわち、車両1の移動)が可能となる。
状態保持機構35は、ストッパ35Aと、ソレノイドアクチュエータ35Bと、ピストンロッド26aに設けられた第1係合溝36及び第2係合溝37とを備えている。ストッパ35Aは、常時、ピストンロッド26aに向けてストッパ付勢スプリング(図示せず)によって付勢されている。ピストンロッド26aには、シリンダ31の外部位置に、ストッパ35Aと係合するための第1係合溝36、第2係合溝37が軸方向に離間して形成されている。第1係合溝36は、パーキングロッド26が係合位置(図2参照)に位置しているときにストッパ35Aと係合するように形成されている。一方、第2係合溝37は、パーキングロッド26が非係合位置(図3参照)に位置しているときにストッパ35Aと係合するように形成されている。なお、第1係合溝36及び第2係合溝37は、ピストンロッド26aの周方向全周に亘って形成されていてもよく、周方向の一部であって、ストッパ35Aが係合する部分のみに形成されていてもよい。
ソレノイドアクチュエータ35Bは、所謂プッシュ型であり、内部に駆動用のコイル等が配置されたソレノイド本体と、該コイル等によって電磁的に駆動される可動体とを備えている。ソレノイドアクチュエータ35Bは、コントローラ100からの作動信号を受けると駆動する。駆動時には、ストッパ付勢スプリングの付勢力に抗して、可動体が押し出され、ストッパ35Aをピストンロッド26aから離間する方向に移動させる。
常時は、ストッパ35Aは、ストッパ付勢スプリングによって、ピストンロッド26aに向けて付勢されている。よって、ソレノイドアクチュエータ35Bの不作動時において、ストッパ35Aは、パーキングロッド26が係合位置に位置しているときは第1係合溝36と係合し(図2参照)、パーキングロッド26が非係合位置に位置しているときは第2係合溝37と係合する(図3参照)。ストッパ35Aがいずれかの係合溝と係合しているときは、油圧室33への油圧の印加とは無関係に、パーキングロッド26は、現在の位置(拘束位置又は非拘束位置)に保持される。
一方、ソレノイドアクチュエータ35Bがコントローラ100の作動信号に応じて作動すると、ストッパ35Aがピストンロッド26aから離間した位置に保持されるので、パーキングロッド26は、軸方向に移動可能となる。パーキングロッド26が所定の位置(拘束位置又は非拘束位置)まで移動した後、ソレノイドアクチュエータ35Bが不作動状態になると、ストッパ35Aは、ストッパ付勢スプリングの付勢力によって、ピストンロッド26aに向けて移動し、第1係合溝36又は第2係合溝37と係合する。これにより、再びパーキングロッド26は、軸方向への移動が規制される。
ロッド位置センサSN2は、パーキングロッド26の非ロック側の端部の位置を検出するように構成されている。ロッド位置センサSN2は、磁気タイプの位置センサであって、略C字型構造の磁気センサ105aと、磁気センサ105aにおけるC字型構造の内部をスライド可能なスライダ105bとで構成されている。スライダ105bには、係合部105cが設けられており、この係合部105cがパーキングロッド26の非ロック側の端部と係合することで、スライダ105bとパーキングロッド26とが一体結合される。これにより、スライダ105bは、パーキングロッド26の軸方向の移動に合わせて、磁気センサ105aにおけるC字型構造の内部をスライドする。スライダ105bには、所定の磁気パターンが着磁されており、この磁気パターンを磁気センサ105aで検出して、スライダ105bの位置を検出することで、パーキングロッド26の位置が検出される。すなわち、ロッド位置センサSN2は、拘束位置(図2参照)と非拘束位置(図3参照)の間のパーキングロッド26の位置を表すロッド位置信号をコントローラ100へ出力する。
<制御内容>
次に、本発明の実施形態においてコントローラ100が行う制御について説明する。本実施形態では、コントローラ100は、車両1が勾配路上に位置する状態において、パーキングロック装置21を作動させる要求が発せられたときに、パーキングロック装置21を速やかに作動させずに、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を作動させた後に、パーキングロック装置21を作動させる。こうすることで、「発明が解決しようとする課題」のセクションにおいて図6を参照して説明したような、勾配路でのパーキングロック装置21の係合に起因する車両ショックを抑制するようにする。すなわち、電動パーキングブレーキ装置50による固定が完了する前にパーキングロック装置21が作動状態になることで、車両1が勾配路により移動して(ずり下がり)、動力伝達軸23及びパーキングギヤ24が回転することにより、パーキングギヤ24の歯部24bとパーキングポール25の突起部25bとが衝突することによる車両ショックを抑制するようにする。
図4を参照して、本発明の実施形態においてパーキングロック装置21を作動させるときに行われる制御内容について具体的に説明する。図4は、本発明の実施形態におけるパーキングロック装置21の作動時の制御を示すフローチャートである。図4に示す制御は、自動変速機20のパーキングロック装置21が作動していない状態(つまり解除状態)において開始される。また、この制御は、例えば自動駐車モードが設定されているときに実行される(当然、自動駐車モードが設定されていないときでも実行可能である)。なお、この制御は、コントローラ100内のマイクロプロセッサ100aによって、メモリ100bに記憶されたプログラムに基づき、所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS10において、コントローラ100は、スイッチSW1~SW4、センサSN1~SN5からの信号を取得する。次いで、ステップS11において、コントローラ100は、パーキングロック装置21を作動させる要求があるか否かを判定する。1つの例では、コントローラ100は、ドライバによってシフト操作部3のPレンジが選択された場合に、つまり、セレクターセンサSN1からのシフトレンジ信号が、シフト操作部3によって選択されているシフトレンジがPレンジであることを示している場合に、パーキングロック装置21を作動させる要求があると判定する。他の例では、コントローラ100は、自動駐車スイッチSW4から自動駐車ON信号を受けている状態、つまり自動駐車モードが設定されている状態において、この自動駐車モードにより車両1を停車させる要求が発せられた場合に、パーキングロック装置21を作動させる要求があると判定する。更に他の例では、コントローラ100は、車両電源スイッチSW1から電源ON信号を受け取らなくなった場合に、つまり車両電源スイッチSW1がOFF操作された場合に、パーキングロック装置21を作動させる要求があると判定する。
ステップS11の結果、コントローラ100は、パーキングロック装置21を作動させる要求がある場合(ステップS11:Yes)、ステップS12に進み、パーキングロック装置21を作動させる要求がない場合(ステップS11:No)、図4に示す制御のルーチンを抜ける。次いで、ステップS12において、コントローラ100は、勾配センサSN3からの傾斜角信号に対応する傾斜角(勾配角)が第1閾値未満であるか否かを判定する。この第1閾値は、車両1を適切に固定していない場合に、例えば電動パーキングブレーキ装置50による固定が完了する前にパーキングロック装置21が作動状態になった場合に、車両1が移動する(ずり下がる)ような傾斜角に基づき設定される。好適な例では、第1閾値は、車両1が勾配路により移動することでパーキングロック装置21において許容し難いショックが発生するような傾斜角に基づき設定される。1つの例では、第1閾値は、2~5%程度の傾斜角に設定される。
ステップS12の結果、コントローラ100は、傾斜角が第1閾値未満である場合(ステップS12:Yes)、ステップS13に進む。この場合には、路面による車両1の移動(ずり下がり)が生じないので、勾配路でのパーキングロック装置21の係合に起因する車両ショックは発生しないと言える。したがって、ステップS13において、コントローラ100は、通常通り、パーキングロック装置21を作動させる要求に応じて、パーキングロック装置21を速やかに作動させるべく、パーキングロック装置21に対して作動信号を出力する。具体的には、コントローラ100は、加圧オイルが油圧室33へ供給されず、且つ、油圧室33からオイルが排出されるように、油圧制御弁13の弁位置を切り替える制御を行うことで、ロッド付勢スプリング34の付勢力によってパーキングロッド26を拘束位置へ向けて移動させて、パーキングポール25の突起部25bをパーキングギヤ24の溝部24aと係合させる(図2参照)。
一方、ステップS12の結果、コントローラ100は、傾斜角が第1閾値以上である場合(ステップS12:No)、ステップS14に進み、勾配センサSN3からの傾斜角信号に対応する傾斜角(勾配角)が第2閾値(>第1閾値)未満であるか否かを判定する。この第2閾値は、電動パーキングブレーキ装置50による固定のみによっては車両1の停止状態を維持するのが困難な傾斜角に基づき設定される。1つの例では、第2閾値は、10%程度の傾斜角に設定される。
ステップS14の結果、コントローラ100は、傾斜角が第2閾値未満である場合(ステップS14:Yes)、つまり傾斜角が第1閾値以上で第2閾値未満である場合、ステップS15に進む。ステップS15において、コントローラ100は、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を作動させるべく、これらのそれぞれに対して作動信号を同時に出力する。こうすることで、コントローラ100は、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50によって車輪5、6に制動力を付与する。そして、コントローラ100は、ステップS16に進み、パーキングロック装置21を作動させるべく、パーキングロック装置21に対して作動信号を出力する。この制御は、ステップS13と同様である。
このように、本実施形態では、勾配路でのパーキングロック装置21の作動要求時に、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50を最初に作動させて、勾配路による車両1の移動を抑制した状態において、パーキングロック装置21を後から作動させるようにする。これにより、勾配路による車輪5、6の転がりに起因する、パーキングロック装置21に設けられた動力伝達軸23及びパーキングギヤ24の回転を抑制して、パーキングギヤ24の歯部24bとパーキングポール25の突起部25bとの衝突による車両ショックを防止することができる。
ここで、液圧ブレーキ装置40に関しては、当該液圧ブレーキ装置40に作動信号を出力してから、当該液圧ブレーキ装置40が所望の制動力を車両1に付与するまでの時間(以下「作動完了時間」と呼ぶ。)は短いが、所望の制動力を車両1に付与し続けることが可能な時間(以下「作動継続時間」と呼ぶ。)は短い。一方で、電動パーキングブレーキ装置50に関しては、作動完了時間は長いが、作動継続時間は長い。本実施形態では、このような液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50の特性を考慮して、上述したように、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50を併用することで、勾配路による車両1の移動を抑制するようにしている。すなわち、本実施形態では、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50の作動開始時(具体的には、これらへの作動信号の出力開始時)には、電動パーキングブレーキ装置50が十分な制動力を発揮していないので、作動完了時間が短い液圧ブレーキ装置40によって車両1を固定する。そして、電動パーキングブレーキ装置50の作動完了後は、作動継続時間が長い電動パーキングブレーキ装置50によって車両1を固定することとし、作動継続時間が短い液圧ブレーキ装置40の作動を解除する(後述するステップS17、S18参照)。このようにすることで、勾配路による車両1の移動を確実に抑制することができる。
次いで、ステップS17において、コントローラ100は、電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了したか否かを判定する。例えば、コントローラ100は、電動パーキングブレーキ装置50への作動信号の出力を開始してからの経過時間に基づき、電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了したか否かを判定する。この例では、コントローラ100は、電動パーキングブレーキ装置50への作動信号の出力を開始してからの経過時間が、事前に定めた所定時間に達したときに、電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了したと判定する。コントローラ100は、電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了したと判定した場合(ステップS17:Yes)、ステップS18に進む。一方で、コントローラ100は、電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了していないと判定した場合(ステップS17:No)、ステップS17に戻る。この場合、コントローラ100は、電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了するまで、ステップS17の判定を繰り返す。
次いで、ステップS18において、コントローラ100は、液圧ブレーキ装置40の作動を解除すべく、液圧ブレーキ装置40に対して解除信号を出力する。このように、本実施形態では、コントローラ100は、電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了したときに液圧ブレーキ装置40の作動を解除する、つまり電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了するまでは液圧ブレーキ装置40の作動を継続する(換言すると液圧ブレーキ装置40の解除を禁止する)。これにより、電動パーキングブレーキ装置50の作動遅れに起因して車両1が勾配路により移動することを適切に抑制できる。
一方で、ステップS14の結果、コントローラ100は、傾斜角が第2閾値以上である場合(ステップS14:No)、ステップS19に進み、パーキングロック装置21及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を作動させるべく、これらのそれぞれに対して作動信号を同時に出力する。この場合には、路面の傾斜角が、電動パーキングブレーキ装置50による固定のみによっては車両1の停止状態を維持するのが困難な傾斜角であるので、パーキングロック装置21での車両ショックの抑制よりも、勾配路による車両1の移動の抑制を優先すべく、パーキングロック装置21及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を略同時に作動させるようにする。これにより、急な勾配路での車両1の安全性を確実に確保することができる。
次に、図5を参照して、本発明の実施形態においてパーキングロック装置21を解除させるときに行われる制御内容について具体的に説明する。本実施形態では、コントローラ100は、パーキングロック装置21を解除するときにも、勾配路においてパーキングロック装置21で発生する車両ショックを抑制するようにする。具体的には、コントローラ100は、勾配路において電動パーキングブレーキ装置50及びパーキングロック装置21が作動されているときに、パーキングロック装置21を解除させる要求が発せられた場合、パーキングロック装置21の解除が完了するまでは電動パーキングブレーキ装置50の解除を禁止し、パーキングロック装置21の解除が完了したときに電動パーキングブレーキ装置50を解除する。こうすることで、パーキングロック装置21の解除が完了するまでに電動パーキングブレーキ装置50が解除されることで、車両1が勾配路により移動して、パーキングギヤ24の歯部24bとパーキングポール25の突起部25bとが衝突することによる車両ショックを抑制する。
図5は、本発明の実施形態におけるパーキングロック装置21の解除時の制御を示すフローチャートである。図5に示す制御は、自動変速機20のパーキングロック装置21及び電動パーキングブレーキ装置50の作動状態(つまり車両1がパーキングロック装置21及び電動パーキングブレーキ装置50による固定により停止している状態)において開始される。なお、この制御も、コントローラ100内のマイクロプロセッサ100aによって、メモリ100bに記憶されたプログラムに基づき、所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS20において、コントローラ100は、スイッチSW1~SW4、センサSN1~SN5からの信号を取得する。次いで、ステップS21において、コントローラ100は、パーキングロック装置21を解除させる要求があるか否かを判定する。具体的には、コントローラ100は、ドライバによってシフト操作部3のPレンジ以外のシフトレンジ(Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ等)が選択された場合に、つまり、セレクターセンサSN1からのシフトレンジ信号が、シフト操作部3によって選択されているシフトレンジがNotPレンジであることを示している場合に、パーキングロック装置21を解除させる要求があると判定する。
ステップS21の結果、コントローラ100は、パーキングロック装置21を解除させる要求がある場合(ステップS21:Yes)、ステップS22に進み、パーキングロック装置21を解除させる要求がない場合(ステップS21:No)、図5に示す制御のルーチンを抜ける。次いで、ステップS22において、コントローラ100は、勾配センサSN3からの傾斜角信号に対応する傾斜角(勾配角)が第1閾値未満であるか否かを判定する。
ステップS22の結果、コントローラ100は、傾斜角が第1閾値未満である場合(ステップS22:Yes)、ステップS23に進む。この場合には、勾配路に起因するパーキングロック装置21での車両ショックは発生しないと言える。したがって、ステップS23において、コントローラ100は、通常通り、パーキングロック装置21及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を速やかに解除すべく、パーキングロック装置21及び電動パーキングブレーキ装置50に対して解除信号を同時に出力する。この場合、パーキングロック装置21に関して、コントローラ100は、加圧オイルを油圧室33に供給して、油圧室33がオイルで充填されるように、油圧制御弁13の弁位置を切り替える制御を行うことで、ロッド付勢スプリング34の付勢力に抗してパーキングロッド26を非拘束位置へ向けて移動させて、パーキングポール25の突起部25bとパーキングギヤ24の溝部24aとの係合を解放する(図3参照)。
一方、ステップS22の結果、コントローラ100は、傾斜角が第1閾値以上である場合(ステップS22:No)、ステップS24に進む。ステップS24において、コントローラ100は、電動パーキングブレーキ装置50の作動を維持する一方で、パーキングロック装置21の作動を解除すべく、パーキングロック装置21に対して解除信号を出力する。
次いで、コントローラ100は、ステップS25において、パーキングロック装置21の解除が完了したか否かを判定する。例えば、コントローラ100は、パーキングロック装置21への解除信号の出力を開始してからの経過時間に基づき、パーキングロック装置21の解除が完了したか否かを判定する。この例では、コントローラ100は、パーキングロック装置21への解除信号の出力を開始してからの経過時間が、事前に定めた所定時間に達したときに、パーキングロック装置21の解除が完了したと判定する。コントローラ100は、パーキングロック装置21の解除が完了したと判定した場合(ステップS25:Yes)、ステップS26に進む。一方で、コントローラ100は、パーキングロック装置21の解除が完了していないと判定した場合(ステップS25:No)、ステップS25に戻る。この場合、コントローラ100は、パーキングロック装置21の解除が完了するまで、ステップS25の判定を繰り返す。
次いで、ステップS26において、コントローラ100は、電動パーキングブレーキ装置50の作動を解除すべく、電動パーキングブレーキ装置50に対して解除信号を出力する。このように、本実施形態では、コントローラ100は、パーキングロック装置21の解除が完了したときに電動パーキングブレーキ装置50を解除する、つまりパーキングロック装置21の解除が完了するまでは電動パーキングブレーキ装置50の作動を継続する(換言すると電動パーキングブレーキ装置50の解除を禁止する)。すなわち、本実施形態では、勾配路でのパーキングロック装置21の解除要求時に、電動パーキングブレーキ装置50の作動を継続させて、勾配路による車両1の移動を抑制した状態において、パーキングロック装置21を最初に解除するようにする。これにより、勾配路による車輪5、6の転がりに起因する、パーキングロック装置21に設けられた動力伝達軸23及びパーキングギヤ24の回転を抑制して、パーキングギヤ24の歯部24bとパーキングポール25の突起部25bとの衝突による車両ショックを防止することができる。
<作用効果>
次に、本発明の実施形態による車両制御システムSによる作用及び効果について説明する。
本実施形態では、コントローラ100は、勾配センサSN3によって検出された傾斜角(勾配角)が第1閾値以上である状態において、パーキングロック装置21を作動させる要求が発せられたときに、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を作動させた後に、パーキングロック装置21を作動させる。すなわち、本実施形態では、コントローラ100は、勾配路でのパーキングロック装置21の作動要求時に、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50を最初に作動させて、勾配路による車両1の移動を抑制した状態において、パーキングロック装置21を後から作動させるようにする。これにより、勾配路による車輪5、6の転がりに起因する、パーキングロック装置21に設けられた動力伝達軸23及びパーキングギヤ24の回転を抑制して、勾配路でのパーキングロック装置21の係合に起因する車両ショックを防止することができる。つまり、パーキングギヤ24の歯部24bとパーキングポール25の突起部25bとの衝突による車両ショックを防止することができる。
また、本実施形態では、コントローラ100は、上述したような勾配路による車両1の移動を抑制するに当たって、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を作動させる。こうすることで、作動完了時間が長い電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了するまでの間、つまり電動パーキングブレーキ装置50が十分な制動力を発揮できない間(具体的には液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50への作動信号の出力開始時)、作動完了時間が短い液圧ブレーキ装置40によって車両1を固定することができる。これにより、勾配路による車両1の移動を確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、コントローラ100は、傾斜角が第1閾値以上である状態においてパーキングロック装置21を作動させる要求が発せられたときに、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を作動させた場合、電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了するまでは液圧ブレーキ装置40の解除を禁止し、電動パーキングブレーキ装置50の作動が完了したときに液圧ブレーキ装置40を解除する。これにより、電動パーキングブレーキ装置50の作動遅れに起因して車両1が勾配路により移動することを抑制できると共に、液圧ブレーキ装置40を無駄に作動し続けることによる燃費の悪化を抑制することができる。
また、本実施形態では、コントローラ100は、傾斜角が第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合には、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を作動させた後にパーキングロック装置21を作動させる制御を行う代わりに、電動パーキングブレーキ装置50及びパーキングロック装置21の両方を略同時に作動させる制御を行う。傾斜角がかなり大きい場合には、電動パーキングブレーキ装置50による固定のみによっては車両1の停止状態を維持するのが困難になるので、パーキングロック装置21での車両ショックの抑制よりも、勾配路による車両1の移動の抑制を優先すべく、パーキングロック装置21及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を略同時に作動させるようにする。これにより、急な勾配路での車両1の安全性を確保することができる。
また、本実施形態では、コントローラ100は、傾斜角が第1閾値以上である状態において電動パーキングブレーキ装置50及びパーキングロック装置21が作動されているときに、パーキングロック装置21を解除させる要求が発せられた場合、パーキングロック装置21の解除が完了するまでは電動パーキングブレーキ装置50の解除を禁止し、パーキングロック装置21の解除が完了したときに電動パーキングブレーキ装置50を解除する。すなわち、本実施形態では、コントローラ100は、勾配路でのパーキングロック装置21の解除要求時に、電動パーキングブレーキ装置50の作動を継続させて、勾配路による車両1の移動を抑制した状態において、パーキングロック装置21を最初に解除するようにする。これにより、勾配路による車輪5、6の転がりに起因する、パーキングロック装置21に設けられた動力伝達軸23及びパーキングギヤ24の回転を抑制して、パーキングギヤ24の歯部24bとパーキングポール25の突起部25bとの衝突による車両ショックを防止することができる。
また、本実施形態では、コントローラ100は、自動駐車モードによる駐車時に、傾斜角が第1閾値以上である状態においてパーキングロック装置21を作動させる要求が発せられたときに、液圧ブレーキ装置40及び電動パーキングブレーキ装置50の両方を作動させた後に、パーキングロック装置21を作動させる。このように自動駐車モードの設定時に本実施形態による制御を適用することで、自動で車両1の駐車動作が行われているときに上記の車両ショックが生じることを防止することができる。具体的には、ドライバが操作していないのにショックが突然生じて違和感を与えることを防止することができる。
1 車両
3 シフト操作部
10 エンジン
13 油圧制御弁
20 自動変速機
21 パーキングロック装置
21A ロック機構
21B アクチュエータ
23 動力伝達軸
24 パーキングギヤ
24a 溝部
24b 歯部
25 パーキングポール
25a ポール押圧部
25b 突起部
25c 支持部
26 パーキングロッド(可動ロッド)
26a ピストンロッド
26b プッシュロッド
26c ピストン
29 パーキングカム
31 シリンダ
31a シリンダ室
32a、32b 封止部材
33 油圧室
34 ロッド付勢スプリング
35 状態保持機構
35A ストッパ
35B ソレノイドアクチュエータ
40 液圧ブレーキ装置
50 電動パーキングブレーキ装置
100 コントローラ
S 車両制御システム
SN3 勾配センサ(傾斜角センサ)

Claims (5)

  1. 車両制御システムであって、
    車両の駆動源と車輪との動力伝達経路上に設けられたシフトバイワイヤ方式の自動変速機と、
    前記自動変速機から前記車輪へと動力を伝達するための動力伝達軸上に設けられ、前記自動変速機のレンジがパーキングレンジであるときに、前記動力伝達軸に固定された被係合要素に対して係合要素を係合させることで、前記動力伝達軸の回転を拘束するように動作するパーキングロック装置と、
    ドライバによるブレーキペダルの操作に応じて、液圧を利用して前記車両に制動力を付与する液圧ブレーキ装置と、
    電動により駆動されて前記車両に制動力を付与する電動パーキングブレーキ装置と、
    前記車両の前後方向の傾斜角を検出する傾斜角センサと、
    前記パーキングロック装置、前記液圧ブレーキ装置及び前記電動パーキングブレーキ装置のそれぞれの作動及び解除を制御するように構成されたコントローラと、
    を有し、
    前記コントローラは、前記傾斜角センサにより検出された傾斜角が所定の閾値以上である状態において、前記パーキングロック装置を作動させる要求が発せられたときに、前記ドライバによる前記ブレーキペダルの操作の有無にかかわらず、前記液圧ブレーキ装置及び前記電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後に、前記パーキングロック装置を作動させるように構成され、
    前記コントローラは、前記傾斜角が前記閾値以上である状態において前記パーキングロック装置を作動させる要求が発せられたときに、前記液圧ブレーキ装置及び前記電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた場合、前記電動パーキングブレーキ装置の作動が完了するまでは、前記ドライバによる前記ブレーキペダルの操作の有無にかかわらず、前記液圧ブレーキ装置の解除を禁止し、前記電動パーキングブレーキ装置の作動が完了したときに前記液圧ブレーキ装置を解除するように構成されている、車両制御システム。
  2. 前記コントローラは、前記傾斜角が前記閾値よりも大きい別の閾値以上である場合には、前記液圧ブレーキ装置及び前記電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後に前記パーキングロック装置を作動させる制御を行う代わりに、前記電動パーキングブレーキ装置及び前記パーキングロック装置の両方を同時に作動させる制御を行うように構成されている、請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 車両制御システムであって、
    車両の駆動源と車輪との動力伝達経路上に設けられたシフトバイワイヤ方式の自動変速機と、
    前記自動変速機から前記車輪へと動力を伝達するための動力伝達軸上に設けられ、前記自動変速機のレンジがパーキングレンジであるときに、前記動力伝達軸に固定された被係合要素に対して係合要素を係合させることで、前記動力伝達軸の回転を拘束するように動作するパーキングロック装置と、
    ドライバによるブレーキペダルの操作に応じて、液圧を利用して前記車両に制動力を付与する液圧ブレーキ装置と、
    電動により駆動されて前記車両に制動力を付与する電動パーキングブレーキ装置と、
    前記車両の前後方向の傾斜角を検出する傾斜角センサと、
    前記パーキングロック装置、前記液圧ブレーキ装置及び前記電動パーキングブレーキ装置のそれぞれの作動及び解除を制御するように構成されたコントローラと、
    を有し、
    前記コントローラは、前記傾斜角センサにより検出された傾斜角が所定の閾値以上である状態において、前記パーキングロック装置を作動させる要求が発せられたときに、前記液圧ブレーキ装置及び前記電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後に、前記パーキングロック装置を作動させるように構成され、
    前記コントローラは、前記傾斜角が前記閾値よりも大きい別の閾値以上である場合には、前記液圧ブレーキ装置及び前記電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後に前記パーキングロック装置を作動させる制御を行う代わりに、前記電動パーキングブレーキ装置及び前記パーキングロック装置の両方を同時に作動させる制御を行うように構成されている、車両制御システム。
  4. 前記コントローラは、前記傾斜角が前記閾値以上である状態において前記電動パーキングブレーキ装置及び前記パーキングロック装置が作動されているときに、前記パーキングロック装置を解除させる要求が発せられた場合、前記パーキングロック装置の解除が完了するまでは前記電動パーキングブレーキ装置の解除を禁止し、前記パーキングロック装置の解除が完了したときに前記電動パーキングブレーキ装置を解除するように構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  5. 前記車両は、当該車両を自動で駐車させる自動駐車モードを備え、
    前記コントローラは、前記自動駐車モードによる駐車時に、前記傾斜角が前記閾値以上である状態において前記パーキングロック装置を作動させる要求が発せられたときに、前記液圧ブレーキ装置及び前記電動パーキングブレーキ装置の両方を作動させた後に、前記パーキングロック装置を作動させるように構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両制御システム。
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