本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮してできる限り現在広く使用されている一般的案用語を選択しているが、これは該当技術分野に携わる技術者の意図、慣例、または新たな技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、このような場合は該当する発明の説明部分でその意味を記載する。よって、本明細書で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する実質的な意味と本明細書全般にわたる内容に基づいて解釈すべきであることを明らかにする。
明細書全体にわたって、ある構成が他の構成と「連結」されているとすると、これは「直接連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を間に挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素が特定の構成要素を「含む」とすると、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素を更に含み得ることを意味する。加えて、特定臨界値を基準に「以上」または「以下」という限定事項は、実施例によってそれぞれ「超過」または「未満」に適切に代替され得る。
以下、本発明において、フィールドとサブフィールドは同じ意味で使われてよい。
図1は、本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
無線LANシステムは、一つまたはそれ以上のベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)を含むが、BSSは同期化に成功し互いに通信し得る機器の集合を示す。一般に、BSSはインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS、IBSS)に区分されるが、図1はこのうちインフラストラクチャBSSを示している。
図1に示すように、インフラストラクチャーBSS BSS1,BSS2は、1つ又はそれ以上のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4,STA5、分配サービス(Distribution Service)を提供するステーションであるアクセスポイントAP-1,AP-2、及び複数のアクセスポイントAP-1,AP-2を連結させる分配システム(Distribution System)DSを含む。
ステーション(Station、STA)は、IEEE 802.11標準の規定に従う媒体接続制御(Medium Access Control、MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インタフェースを含む任意のディバイスであって、広い意味では非アクセスポイントnon-APステーションのみならずアクセスポイントAPを全て含む。また、本明細書において、「端末」とはnon-APまたはAPを指すか、両者を全て指す用語として使用される。無線通信のためのステーションはプロセッサと通信部を含み、実施例によってユーザインタフェース部とディスプレーユニットなどを更に含む。プロセッサは無線ネットワークを介して伝送するフレームを生成するか、または前記無線ネットワークを介して受信されたフレームを処理し、その他にステーションを制御するための多様な処理を行う。そして、通信部は前記プロセッサと機能的に連結されており、ステーションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信する。本発明において、端末はユーザ端末機(user equipment、UE)を含む用語として使用される。
アクセスポイント(Access Point、AP)は、自らに結合された(associated)ステーションのために無線媒体を経由して分配システムDSに対する接続を提供する個体である。インフラストラクチャBSSにおいて、非APステーション間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定されている場合は非APステーションの間でも直接通信が可能である。一方、本発明において、APはPCP(Personal BSS Coordination Point)を含む概念として使用されるが、広い意味では集中制御器、基地局(Base Station、BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などの概念を全て含む。本発明において、APはベース無線通信端末とも称されるが、ベース無線通信端末は、広い意味ではAP、ベースステーション(base station)、eNB(eNodeB)、及びトランスミッションポイントTPを全て含む用語として使用される。それだけでなく、ベース無線通信端末は複数の無線通信端末との通信で通信媒介体(medium)資源を割り当て、スケジューリング(scheduling)を行う多様な形態の無線通信端末を含む。
複数のインフラストラクチャBSSは、分配システムDSを介して互いに連結される。この際、分配システムを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)という。
図2は、本発明の他の実施例による無線LANシステムである独立BSSを示す図である。図2の実施例において、図1の実施例と同じであるか相応する部分は重複する説明を省略する。
図2に示したBSS3は独立BSSであってAPを含まないため、全てのステーション(STA6、STA7)がAPと接続されていない状態である。独立BSSは分配システムへの接続が許容されず、自己完備的ネットワーク(self-contained network)をなす。独立BSSにおいて、それぞれのステーション(STA6、STA7)はダイレクトに互いに連結される。
図3は、本発明の一実施例によるステーション100の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるステーション100は、プロセッサ110、通信部120、ユーザインタフェース部140、ディスプレーユニット150、及びメモリ160を含む。
まず、通信部120は、無線LANパケットなどの無線信号を送受信し、ステーション100に組み込まれる又は外付けられて具備されてよい。実施例によれば、通信部120は、互いに異なる周波数バンドを用いる少なくとも1つの通信モジュールを含むことができる。例えば、前記通信部120は、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzなどの異なる周波数バンドの通信モジュールを含むことができる。一実施例によれば、ステーション100は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてAP又は外部ステーションと無線通信を行うことができる。通信部120は、ステーション100の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。ステーション100が複数の通信モジュールを含む場合に、各通信モジュールはそれぞれ独立した形態で備えられてもよく、複数のモジュールが1つのチップとして統合して備えられてもよい。本発明の実施例において、通信部120は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
次に、ユーザインタフェース140は、ステーション100に備えられた多様な形態の入出力手段を含む。つまり、ユーザインタフェース部140は多様な入力手段を利用してユーザの入力を受信し、プロセッサ110は受信されたユーザ入力に基づいてステーション100を制御する。また、ユーザインタフェース部140は、多様な出力手段を利用してプロセッサ110の命令に基づいた出力を行う。
次に、ディスプレーユニット150は、ディスプレー画面にイメージを出力する。前記ディスプレーユニット150は、プロセッサ110によって行われるコンテンツ、またはプロセッサン110の制御命令に基づいたユーザインタフェースなどの多様なディスプレーオブジェクトを出力する。また、メモリ160は、ステーション100で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーション100がAPまたは外部のステーションと接続を行うのに必要な接続プログラムが含まれる。
本発明のプロセッサ110は多様な命令またはプログラムを行い、ステーション100内部のデータをプロセッシングする。また、前記プロセッサ110は上述したステーション100の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信の制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ110はメモリ160に貯蔵されたAPとの接続のためのプログラムを行い、APが伝送した通信設定メッセージを受信する。また、プロセッサ110は通信設定メッセージに含まれたステーション100の優先条件に関する情報を読み取り、ステーション100の優先条件に関する情報に基づいてAPに関する接続を要請する。本発明のプロセッサ110はステーション100のメインコントロールユニットを指してもよく、実施例によってステーション100の一部の構成、例えば、通信部120などを個別的に制御するためのコントロールユニットを指してもよい。つまり、プロセッサ110は通信部120から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部(modulator and/or demodulator)であってもよい。プロセッサ110は、本発明の実施例によるステーション100の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
図3に示したステーション100は本発明の一実施例によるブロック図であって、分離して示したブロックはディバイスのエレメントを論理的に区別して示したものである。よって、上述したディバイスのエレメントは、ディバイスの設計に応じて一つのチップまたは複数のチップに取り付けられる。例えば、前記プロセッサ110及び通信部120は一つのチップに統合されて具現されてもよく、別途のチップで具現されてもよい。また、本発明の実施例において、前記ステーション100の一部の構成、例えば、ユーザインタフェース部140及びディスプレーユニット150などはステーション100に選択的に備えられてもよい。
図4は、本発明の一実施例によるAP200の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるAP200は、プロセッサ210、通信部220、及びメモリ260を含む。図4において、AP200の構成のうち図3のステーション100の構成と同じであるか相応する部分については重複する説明を省略する。
図4を参照すると、本発明に係るAP 200は、少なくとも1つの周波数バンドにおいてBSSを運営するための通信部220を備える。図3の実施例において前述したように、前記AP 200の通信部220も、互いに異なる周波数バンドを用いる複数の通信モジュールを含むことができる。すなわち、本発明の実施例に係るAP 200は、異なる周波数バンド、例えば、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzのいずれかを用いる2つ以上の通信モジュールを共に備えることができる。好ましくは、AP 200は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてステーションと無線通信を行うことができる。前記通信部220は、AP 200の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。本発明の実施例において、通信部220は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
次に、メモリ260は、AP200で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーションの接続を管理する接続プログラムが含まれる。また、プロセッサ210はAP200の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信の制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ210はメモリ260に貯蔵されたステーションとの接続のためのプログラムを行い、一つ以上のステーションに対する通信設定メッセージを伝送する。この際、通信設定メッセージには各ステーションの接続優先条件に関する情報が含まれる。また、プロセッサ210はステーションの接続要請に応じて接続設定を行う。一実施例によると、プロセッサ210は通信部220から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部である。プロセッサ210は、本発明の実施例によるAP200の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
図5は、STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
図5を参照すると、STA100とAP200間のリンクは大きくスキャニング(sanning)、認証(authentication)、及び結合(association)の3つのステップを介して設定される。まず、スキャニングステップは、AP200が運営するBSSの接続情報をSTA100が獲得するステップである。スキャニングを行うための方法としては、AP200が周期的に伝送するビーコン(beacon)メッセージS101のみを活用して情報を獲得するパッシブスキャニング(passive sanning)方法と、STA100がAPにプローブ要請(probe request)を伝送しS103、APからプローブ応答(probe response)を受信してS105、接続情報を獲得するアクティブスキャニング(active sanning)方法がある。
スキャニングステップにおいて無線接続情報の受信に成功したSTA100は、認証要請(authentication request)を伝送しS107a、AP200から認証応答(authentication response)を受信してS107b、認証ステップを行う。認証ステップが行われた後、STA100は結合要請(association request)を伝送しS109a、AP200から結合応答(association response)を受信してS109b、結合ステップを行う。本明細書において、結合とは基本的に無線結合を意味するが、本発明はこれに限らず、広い意味での結合は無線結合及び有線結合を全て含む。
一方、追加に802.1X基盤の認証ステップS111、及びDHCPを介したIPアドレス獲得ステップS113が行われる。図5において、サーバ300はSTA100と802.1X基盤の認証を処理するサーバであって、AP200に物理的に結合されて存在するか、別途のサーバとして存在してもよい。
図6は、無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance) 方法を示す図である。
無線LAN通信を行う端末は、データを伝送する前にキャリアセンシング(Carrier Sensing)を行ってチャネルが占有状態(busy)であるのか否かをチェックする。もし一定強度以上の無線信号が感知されれば該当チャネルが占有状態と判別され、前記端末は該当チャネル対するアクセスを遅延する。このような過程をクリアチャネル評価(Clear Channel Assessment、CCA)といい、該当信号の感知有無を決定するレベルをCCA臨界値(CCA threshold)という。もし端末に受信されたCCA臨界値以上の無線信号が該当端末を受信者とすれば、端末は受信された無線信号を処理する。一方、該当チャネルから無線信号が感知されないかCCA臨界値より小さい強度の無線信号が感知されれば、前記チャネルは遊休状態(idle)と判別される。
チャネルが遊休状態と判別されれば、伝送するデータがある各端末は、各端末の状況によるIFS(Inter Frame Space)、例えば、AIFS(Arbitration IFS)、PIFS(PCF IFS)などの時間の後にバックオフ手順を行う。実施例によって、前記AIFSは従来のDIFS(DCF IFS)を代替する構成として使用される。各端末は、該当端末に決定された乱数(random number)だけのスロットタイムを前記チャネルの遊休状態の間隔(interval)の間に減少させながら待機し、スロットタイムを全て消尽した端末が該当チャネルに対するアクセスを試みる。このように、各端末がバックオフ手順を行う区間を競争ウィンドウ区間という。このとき、乱数をバックオフカウンターと呼ぶことができる。すなわち、端末の取得した乱数である整数によってバックオフカウンターの初期値が設定される。端末が、スロットタイム間にチャネルが遊休であると感知した場合に、端末は、バックオフカウンターを1減少させることができる。また、バックオフカウンターが0に到達すると、端末は当該チャネルでチャネルアクセスを行うことが許容されてよい。したがって、AIFS時間及びバックオフカウンターのスロット時間にチャネルが遊休である場合に端末の送信が許容されてよい。
もし特定端末が前記チャネルのアクセスに成功すれば、該当端末は前記チャネルを介してデータを伝送する。しかし、アクセスを試みた端末が他の端末と衝突すれば、衝突した端末はそれぞれ新しい乱数を割り当てられて更にバックオフ手順を行う。一実施例によると、各端末に新しく割り当てられる乱数は、該当端末が以前割り当てられた乱数の範囲(競争ウィンドウ、CW)の2倍の範囲(2*CW)内で決定される。一方、各端末は、次の競争ウィンドウ区間で更にバックオフ手順を行ってアクセスを試みるが、この際、各端末は以前の競争ウィンドウ区間に残ったスロットタイムからバックオフ手順を行う。このような方法で無線LAN通信を行う各端末は、特定チャネルに対する互いの衝突を回避することができる。
<様々なPPDUフォーマットの実施例>
図7には、様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。より具体的に、図7(a)は、802.11a/gに基づくレガシーPPDUフォーマットの一実施例、図7(b)は、802.11axに基づくHE PPDUフォーマットの一実施例を示し、図7(c)は、802.11beに基づくノン-レガシーPPDU(すなわち、EHT PPDU)フォーマットの一実施例を示す。また、図7(d)は、前記PPDUフォーマットで共通に用いられるL-SIG及びRL-SIGの細部フィールド構成を示す。
図7(a)を参照すると、レガシーPPDUのプリアンブルは、L-STF(Legacy Short Training field)、L-LTF(Legacy Long Training field)及びL-SIG(Legacy Signal field)を含む。本発明の実施例において、前記L-STF、L-LTF及びL-SIGは、レガシープリアンブルと呼ぶことができる。
図7(b)を参照すると、HE PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、HE-SIG-A(High Efficiency Signal A field)、HE-SIG-B(High Efficiency Signal B field)、HE-STF(High Efficiency Short Training field)、HE-LTF(High Efficiency Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、HE-STF及びHE-LTFは、HEプリアンブルと呼ぶことができる。HEプリアンブルの具体的な構成は、HE PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、HE-SIG-Bは、HE MU PPDUフォーマットのみにおいて用いられてよい。
図7(c)を参照すると、EHT PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、U-SIG(Universal Signal field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal A field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal B field)、EHT-STF(Extremely High Throughput Short Training field)、EHT-LTF(Extremely High Throughput Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、EHT-SIG-A、EHT-SIG-B、EHT-STF及びEHT-LTFは、EHTプリアンブルと呼ぶことができる。ノン-レガシープリアンブルの具体的な構成は、EHT PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、EHT-SIG-AとEHT-SIG-Bは、EHT PPDUフォーマットのうち一部のフォーマットのみにおいて用いられてよい。
PPDUのプリアンブルに含まれたL-SIGフィールドは、64 FFT OFDMが適用され、総64個のサブキャリアで構成される。このうち、ガードサブキャリア、DCサブキャリア及びパイロットサブキャリアを除く48個のサブキャリアが、L-SIGのデータ送信用に用いられる。L-SIGにはBPSK、Rate=1/2のMCS(Modulation and Coding Scheme)が適用されるので、総24ビットの情報を含むことができる。図7(d)には、L-SIGの24ビット情報構成を示す。
図7(d)を参照すると、L-SIG、は、L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドを含む。L_RATEフィールドは、4ビットで構成され、データ送信に用いられたMCSを示す。具体的に、L_RATEフィールドは、BPSK/QPSK/16-QAM/64-QAMなどの変調方式と1/2、2/3、3/4などの符号率を組み合わせた6/9/12/18/24/36/48/54Mbpsの送信速度のうち1つの値を示す。L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドの情報を組み合わせると当該PPDUの全長を示すことができる。ノン-レガシーPPDUフォーマットでは、L_RATEフィールドを最小速度である6Mbpsに設定する。
L_LENGTHフィールドの単位はbyteであり、総12ビットが割り当てられて最大4095までシグナリング可能であり、L_RATEフィールドとの組合せで当該PPDUの長さを示すことができる。このとき、レガシー端末とノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを互いに異なる方法で解析できる。
まず、レガシー端末又はノン-レガシー端末がL_LENGTHフィールドを用いて当該PPDUの長さを解析する方法は次の通りである。L_RATEフィールドが6Mbpsに設定された場合に、64FFTの1個のシンボルデューレーションである4usで3バイト(すなわち、24ビット)が送信されてよい。したがって、L_LENGTHフィールド値に、SVCフィールド及びテール(Tail)フィールドに該当する3バイトを足し、これを、1個のシンボルの送信量である3バイトで割ると、L-SIG以後の64FFT基準シンボル個数が取得される。取得されたシンボル個数に1個のシンボルデューレーションである4usをかけた後、L-STF、L-LTF及びL-SIGの送信にかかる20usを足すと、当該PPDUの長さ、すなわち、受信時間(RXTIME)が取得される。これを数式で表現すれば、下記の式1の通りである。
このとき、
は、xより大きい又は等しい最小の自然数を表す。L_LENGTHフィールドの最大値は4095であるので、PPDUの長さは、最大5.484msまでに設定されてよい。当該PPDUを送信するノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを下記の式2のように設定しなければならない。
ここで、TXTIMEは、当該PPDUを構成する全体送信時間であり、下記の式3の通りである。このとき、TXは、Xの送信時間を表す。
以上の式を参照すると、PPDUの長さは、L_LENGTH/3の切上げ値に基づいて計算される。したがって、任意のk値に対してL_LENGTH={3k+1,3k+2,3(k+1)}の3つの異なる値が、同一のPPDU長を指示する。
図7(e)を参照すると、U-SIG(Universal SIG)フィールドは、EHT PPDU及び後続世代の無線LANのPPDUにおいて存続し、11beを含めてどの世代のPPDUであるかを区分する役割を担う。U-SIGは、64FFTベースのOFDMの2シンボルであり、総52ビットの情報を伝達することができる。このうち、CRC/テール9ビットを除く43ビットは、大きく、VI(Version Independent)フィールドとVD(Version Dependent)フィールドに区分される。
VIビットは、現在のビット構成を後にも維持し続け、後続世代のPPDUが定義されても、現在の11be端末が、当該PPDUのVIフィールドから当該PPDUに関する情報を得ることができる。そのために、VIフィールドは、PHYバージョン、UL/DL、BSSカラー、TXOP、リザーブド(Reserved)フィールドで構成される。PHYバージョンフィールドは3ビットであり、11be及び後続世代の無線LAN標準を順次にバージョンで区分する役割を担う。11beは000bの値を有する。UL/DLフィールドは、当該PPDUが上りリンク/下りリンクPPDUのいずれであるかを区分する。BSSカラーは、11axで定義されたBSS別識別子を意味し、6ビット以上の値を有する。TXOPは、MACヘッダーで伝達されていた送信機会デュレーション(Transmit Opportunity Duration)を意味するが、PHYヘッダーに追加することにより、MPDUをデコードすることなく、当該PPDUが含まれたTXOPの長さを類推でき、7ビット以上の値を有する。
VDフィールドは、11beバージョンのPPDUにのみ有用なシグナリング情報としてPPDUフォーマット、BWのように、如何なるPPDUフォーマットにも共通に用いられるフィールド、及びPPDUフォーマット別に異なるように定義されるフィールドで構成されてよい。PPDUフォーマットは、EHT SU(Single User)、EHT MU(Multiple User)、EHT TB(Trigger-based)、EHT ER(Extended Range)PPDUなどを区分する区分子である。BWフィールドは、大きく、20、40、80、160(80+80)、320(160+160)MHzの5個の基本PPDU BWオプション(20*2の冪乗の形態で表現可能なBWを基本BWと呼ぶことができる。)と、プリアンブルパンクチャリング(Preamble Puncturing)によって構成される様々な残りのPPDU BWをシグナルする。また、320MHzでシグナルされた後、一部の80MHzがパンクチャーされた形態でシグナルされてよい。また、パンクチャーされて変形されたチャネル形態は、BWフィールドで直接シグナルされてもよく、或いはBWフィールドとBWフィールド以後に現れるフィールド(例えば、EHT-SIGフィールド内のフィールド)を共に用いてシグナルされてもよい。仮に、BWフィールドを3ビットとする場合に、総8個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で3個をシグナルできる。仮にBWフィールドを4ビットとする場合に総16個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で11個をシグナルできる。
BWフィールド以後に位置するフィールドは、PPDUの形態及びフォーマットによって異なり、MU PPDUとSU PPDUは同一のPPDUフォーマットでシグナルされてよく、EHT-SIGフィールドの前に、MU PPDUとSU PPDUを区別するためのフィールドが位置してよく、そのための追加のシグナリングが行われてよい。SU PPDUとMU PPDUは両方ともEHT-SIGフィールドを含んでいるが、SU PPDUで不要な一部のフィールドが圧縮(compression)されてよい。この時、圧縮が適用されたフィールドの情報は省略されるか、あるいはMU PPDUに含まれる本来フィールドのサイズよりも縮小したサイズを有してよい。例えば、SU PPDUの場合、EHT-SIGの共通フィールドが省略又は代替されるか、ユーザ特定フィールドが代替されるか、或いは1個に縮小するなど、異なる構成を有してよい。
又は、SU PPDUは、圧縮されたか否かを示す圧縮フィールドをさらに含むことができ、圧縮フィールドの値によって一部のフィールド(例えば、RAフィールドなど)が省略されてよい。
SU PPDUのEHT-SIGフィールドの一部が圧縮された場合に、圧縮されたフィールドに含まれる情報は、圧縮されていないフィールド(例えば、共通フィールドなど)で一緒にシグナルされてよい。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのPPDUフォーマットであるので、U-SIGフィールド以後にEHT-SIGフィールドが必須に送信される必要があり、シグナルされる情報の量が可変的であってよい。すなわち、複数個のMU PPDUが複数個のSTAに送信されるので、それぞれのSTAは、MU PPDUが送信されるRUの位置、それぞれのRUが割り当てられたSTA、及び送信されたMU PPDUが自分に送信されたか否かを認識しなければならない。したがって、APは、EHT-SIGフィールドに上のような情報を含めて送信しなければならない。そのために、U-SIGフィールドではEHT-SIGフィールドを効率的に送信するための情報をシグナルし、これは、EHT-SIGフィールドのシンボル数及び/又は変調方法であるMCSであってよい。EHT-SIGフィールドは、各ユーザに割り当てられたRUのサイズ及び位置情報を含むことができる。
SU PPDUである場合、STAに複数個のRUが割り当てられてよく、複数個のRUは連続又は不連続してよい。STAに割り当てられたRUが連続しない場合、STAは、中間にパンクチャーされたRUを認識してこそ、SU PPDUを効率的に受信することができる。したがって、APは、SU PPDUに、STAに割り当てられたRUのうちパンクチャーされたRUの情報(例えば、RUのパンクチャリングパターンなど)を含めて送信できる。すなわち、SU PPDUの場合、パンクチャリングモードが適用されたか否か及びパンクチャリングパターンをビットマップ形式などで示す情報を含むパンクチャリングモードフィールドがEHT-SIGフィールドに含まれてよく、パンクチャリングモードフィールドは、帯域幅内で現れる不連続するチャネルの形態をシグナルできる。
シグナルされる不連続チャネルの形態は制限的であり、BWフィールドの値と組み合わせてSU PPDUのBW及び不連続チャネル情報を示す。例えば、SU PPDUの場合、単一端末にのみ送信されるPPDUであるので、STAは、PPDUに含まれたBWフィールドから、自分に割り当てられた帯域幅が認識でき、PPDUに含まれたU-SIGフィールド又はEHT-SIGフィールドのパンクチャリングモードフィールドから、割り当てられた帯域幅のうちパンクチャーされたリソースが認識できる。この場合、端末は、パンクチャーされたリソースユニットの特定チャネルを除く残りのリソースユニットでPPDUを受信できる。このとき、STAに割り当てられた複数個のRUは、互いに異なる周波数帯域又はトーンで構成されてよい。
制限された形態の不連続チャネル形態のみがシグナルされる理由は、SU PPDUのシグナリングオーバーヘッドを減らすためである。パンクチャリングは、20MHzサブチャネル別に行われてよいので、80、160、320MHzのように20MHzサブチャネルを複数個有するBWに対してパンクチャリングを行うと、320MHzの場合、プライマリーチャネルを除く残りの20MHzサブチャネル15個の使用有無をそれぞれ表現して、不連続チャネル(端部20MHzのみがパンクチーされた形態も不連続と見なす場合)形態をシグナルしなければならない。このように単一ユーザ送信の不連続チャネル形態をシグナルするために15ビットを用いることは、シグナリング部分の低い送信速度を考慮したとき、過大なシグナリングオーバーヘッドとなり得る。
本発明は、SU PPDUの不連続チャネル形態をシグナルする手法を提案し、提案した手法によって決定された不連続チャネル形態を図示する。また、SU PPDUの320MHz BW構成においてプライマリー160MHzとセカンダリー160MHzのパンクチャリング形態をそれぞれシグナルする手法を提案する。上の不連続チャネル形態規定手法が適用された時に許容される不連続チャネル形態と、3ビットで不連続チャネル形態をシグナルする手法は、図17~図19に示す。
また、本発明の一実施例では、PPDUフォーマットフィールドに、シグナルされたPPDUフォーマットによって、プリアンブルパンクチャリングBW値が指示するPPDUの構成を異ならせる手法を提案する。BWフィールドが4ビットである場合を仮定し、EHT SU PPDU又はTB PPDUである場合には、U-SIG以後に1シンボルのEHT-SIG-Aをさらにシグナルするか、初めからEHT-SIG-Aをシグナルしなくてよいので、これを考慮して、U-SIGのBWフィールドのみを用いて最大で11個のパンクチャリングモードを完全にシグナルする必要がある。しかし、EHT MU PPDUである場合に、U-SIG以後にEHT-SIG-Bをさらにシグナルするので、最大で11個のパンクチャリングモードを、SU PPDUと異なる方法でシグナルできる。EHT ER PPDUの場合に、BWフィールドを1ビットに設定し、20MHz又は10MHzのいずれの帯域を使用するPPDUであるかをシグナルできる。前記PPDUタイプ別に細部的なパンクチャリングパターンは、図11及び図12で詳細に後述する。
図7(f)には、U-SIGのPPDUフォーマットフィールドでEHT MU PPDUと指示された場合に、VDフィールドのフォーマット特異的(Format-specific)フィールドの構成を示す。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのシグナリングフィールドであるSIG-Bが必須であり、U-SIG後に別途のSIG-A無しでSIG-Bが送信されてよい。そのために、U-SIGではSIG-Bをデコードするための情報をシグナルしなければならない。このようなフィールドは、SIG-B MCS、SIG-B DCM、SIG-Bシンボルの数(Number of SIG-B Symbols)、SIG-B圧縮(SIG-B Compression)、EHT-LTFシンボルの数(Number of EHT-LTF Symbols)フィールドなどである。
図8は、本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
図8を参照すると、PPDUは、プリアンブルとデータ部分で構成されてよく、一つのタイプであるEHT PPDUのフォーマットは、プリアンブルに含まれているU-SIGフィールドによって区別されてよい。具体的に、U-SIGフィールドに含まれているPPDUフォーマットフィールドに基づき、PPDUのフォーマットがEHT PPDUであるか否かが指示されてよい。
図8の(a)は、単一STAのためのEHT SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT SU PPDUは、APと単一STA間の単一ユーザ(Single User:SU)送信のために用いられるPPDUであり、U-SIGフィールド以後に追加のシグナリングのためのEHT-SIG-Aフィールドが位置してよい。
図8の(b)は、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであるEHTトリガーベース(Trigger-based)PPDUフォーマットの一例を示す。EHTトリガーベースPPDUは、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであり、トリガーフレームに対する応答のために用いられる上りリンクPPDUである。EHT PPDUは、EHT SU PPDUとは違い、U-SIGフィールド以後にEHT-SIG-Aフィールドが位置しない。
図8の(c)は、多重ユーザのためのEHT PPDUであるEHT MU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT MU PPDUは、1つ以上のSTAにPPDUを送信するために用いられるPPDUである。EHT MU PPDUフォーマットは、U-SIGフィールド以後にHE-SIG-Bフィールドが位置してよい。
図8の(d)は、拡張された範囲にあるSTAとの単一ユーザ送信のために用いられるEHT ER SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT ER SU PPDUは、図8の(a)で説明したEHT SU PPDUよりも広い範囲のSTAとの単一ユーザ送信のために用いられてよく、時間軸上でU-SIGフィールドが反復して位置してよい。
図8の(c)で説明したEHT MU PPDUは、APが複数個のSTAに下りリンク送信のために用いることができる。このとき、EHT MU PPDUは、複数個のSTAがAPから送信されたPPDUを同時に受信できるようにスケジューリング情報を含むことができる。EHT MU PPDUは、EHT-SIG-Bのユーザ特定(user specific)フィールドを通じて送信されるPPDUの受信者及び/又は送信者のAID情報を、STAに伝達することができる。したがって、EHT MU PPDUを受信した複数個の端末は、受信したPPDUのプリアンブルに含まれたユーザ特定フィールドのAID情報に基づいて空間再使用(spatial reuse)動作を行うことができる。
具体的に、HE MU PPDUに含まれたHE-SIG-Bフィールドのリソースユニット割り当て(resource unit allocation,RA)フィールドは、周波数軸の特定帯域幅(例えば、20MHzなど)におけるリソースユニットの構成(例えば、リソースユニットの分割形態)に関する情報を含むことができる。すなわち、RAフィールドは、STAがPPDUを受信するために、HE MU PPDUの送信のための帯域幅で分割されたリソースユニットの構成を指示できる。分割された各リソースユニットに割り当て(又は、指定)されたSTAの情報は、EHT-SIG-Bのユーザ特定フィールドに含まれてSTAに送信されてよい。すなわち、ユーザ特定フィールドは、分割された各リソースユニットに対応する1つ以上のユーザフィールドを含むことができる。
例えば、分割された複数個のリソースユニットのうち、データ送信のために用いられる少なくとも1つのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、受信者又は送信者のAIDを含むことができ、データ送信に用いられない残りのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、既に設定されたヌル(Null)STA IDを含むことができる。
説明の便宜のために、本明細書においてフレーム又はMACフレームは、MPDUと同じ意味で使われてよい。
1つの無線通信装置が複数のリンクを用いて通信する場合に、無線通信装置の通信効率を高めることができる。このとき、リンクは物理的経路(path)であり、MSDU(MAC service data unit)を伝達するために使用可能な一つの無線媒介体として構成されてよい。例えば、いずれか一つのリンクの周波数帯域が他の無線通信装置によって使用中である場合に、無線通信装置は、他のリンクで継続して通信を行うことができる。このように、無線通信装置は複数のチャネルを有用に使用することができる。また、無線通信装置が複数のリンクを用いて同時に通信を行う場合に、全体スループット(throughput)を高めることができる。ただし、既存無線LANは、1つの無線通信装置が1つのリンクを用いることを前提に規定されている。このため、複数のリンクを用いるための無線LAN動作方法が必要である。図9~図26を参照して、複数のリンクを用いる無線通信装置の無線通信方法について説明する。まず、図9を用いて、複数のリンクを用いる無線通信装置の具体的な形態について説明する。
図9は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置(multi-link device)を示す。
前述した複数のリンクを用いる無線通信方法のためにマルチリンク装置(multi-link device,MLD)が定義されてよい。マルチリンク装置は、一つ以上の提携された(affiliated)ステーションを有する装置を表すことができる。具体的な実施例によって、マルチリンク装置は、2つ以上の提携されたステーションを有する装置を表すことができる。また、マルチリンク装置はマルチリンクエレメントを交換することができる。マルチリンクエレメントは、一つ以上のステーション又は一つ以上のリンクに関する情報を含む。マルチリンクエレメントは、後述されるmulti-link setupエレメントを含むことができる。このとき、マルチリンク装置は論理的なエンティティ(entity)であってよい。具体的には、マルチリンク装置は複数の提携されたステーションを有することができる。マルチリンク装置は、MLLE(multi-link logical entity)又はMLE(multi-link entity)と呼ぶことができる。マルチリンク装置は、ロジカルリンク制御(logical link control,LLC)まで一つのMACサービスアクセスポイント(medium access control service access point,SAP)を有することができる。また、MLDは一つのMACデータサービス(MAC data service)を有することができる。
マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のリンクで動作できる。また、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のチャネルで動作できる。具体的には、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、異なる複数のリンク又は異なる複数のチャネルで動作できる。例えば、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、2.4GHz、5GHz、及び6GHzの異なる複数のチャネルで動作できる。
マルチリンク装置の動作は、マルチリンクオペレーション、MLD動作、又はマルチ-バンド動作と呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがAPである場合に、マルチリンク装置は、AP MLDと呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがノン-APステーションである場合に、マルチリンク装置は、non-AP MLDと呼ぶことができる。
図9は、non-AP MLDとAP-MLDとが通信する動作を示す。具体的には、non-AP MLDとAP-MLDはそれぞれ3個のリンクを用いて通信する。AP MLDは、第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)を含む。non-AP MLDは、第1non-AP STA(non-AP STA1)、第2non-AP STA(non-AP STA2)及び第3non-AP STA(non-AP STA3)を含む。第1AP(AP1)と第1non-AP STA(non-AP STA1)は第1リンク(Link1)を通じて通信する。また、第2AP(AP2)と第2non-AP STA(non-AP STA2)は第2リンク(Link2)を通じて通信する。また、第3AP(AP3)と第3non-AP STA(non-AP STA3)は第3リンク(Link3)を通じて通信する。
マルチリンク動作はマルチリンク設定(setup)動作を含むことができる。マルチリンク設定は、前述したシングルリンク動作の結合(association)動作に対応するものであり、マルチリンクでのフレーム交換のために先行される必要がある。マルチリンク装置は、マルチリンク設定のために必要な情報をmulti-link setupエレメントから取得することができる。具体的には、multi-link setupエレメントは、マルチリンクと関連した能力情報を含むことができる。このとき、能力情報は、マルチリンク装置に含まれた複数の装置のいずれか一つが送信を行い、同時に他の装置が受信を行うことができるかを示す情報を含むことができる。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるリンクに関する情報を含むことができる。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるチャネルに関する情報を含むことができる。
マルチリンク設定はピアステーション間の交渉によって設定されてよい。具体的には、APとの通信無しでステーション間の通信によってマルチリンク設定が行われてよい。また、マルチリンク設定は、いずれか一つのリンクを通じて設定されてよい。例えば、マルチリンクを通じて第1リンク~第3リンクが設定される場合であっても、第1リンクを通じてマルチリンク設定が行われてよい。
また、TID(traffic identifier)とリンクとのマッピングが設定されてよい。具体的には、特定値のTIDに該当するフレームは、あらかじめ指定されたリンクのみを通じて交換されてよい。TIDとリンクとのマッピングは、方向ベース(directional-based)で設定されてよい。例えば、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に複数のリンクが設定された場合に、第1マルチリンク装置は、複数の第1リンクに第1TIDのフレームを送信するように設定され、第2マルチリンク装置は、第1リンクに第2TIDのフレームを送信するように設定されてよい。また、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は、基本(default)設定にしたがって各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全TIDが交換されるものであってよい。
TIDについて具体的に説明する。TIDは、QoS(quality of service)を支援するためにトラフィック、データを分類するIDである。また、TIDは、MACレイヤよりも上位レイヤにおいて用いられたリ割り当てられてよい。また、TIDは、トラフィックカテゴリー(traffic category,TC)、トラフィックストリーム(traffic stream,TS)を示すことができる。また、TIDは16個に区別されてよい。例えば、TIDは、0から15のいずれか一つと指定されてよい。アクセス政策(access policy)、チャネルアクセス又は媒体(medium)アクセス方法によって、使用されるTID値が異なるように指定されてよい。例えば、EDCA(enhanced distributed channel access)又はHCAF(hybrid coordination function contention based channel access)が用いられる場合に、TIDの値は0から7の範囲で割り当てられてよい。EDCAが用いられる場合に、TIDはユーザ優先順位(user priority,UP)を示すことができる。このとき、UPはTC又はTSによって指定されてよい。UPは、MACよりも上位レイヤで割り当てられてよい。また、HCCA(HCF controlled channel access)又はSPCAが用いられる場合に、TIDの値は8から15の範囲で割り当てられてよい。HCCA又はSPCAが用いられる場合に、TIDはTSIDを示すことができる。また、HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDの値は8から15の範囲で割り当てられてよい。HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDはTSIDを示すことができる。
UPとAC (access category)はマップされてよい。ACは、EDCAにおいてQoSを提供するためのラベルであってよい。ACは、EDCAパラメータセットを示すためのラベルであってよい。EDCAパラメータ又はEDCAパラメータセットは、EDCAのチャネル競合(contention)で用いられるパラメータである。QoSステーションはACを用いてQoSを保障することができる。また、ACは、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOを含むことができる。AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOのそれぞれは、バックグラウンド(background)、ベストエフォート(best effort)、ビデオ(video)、ボイス(voice)を示すことができる。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOは、下位ACに分類されてよい。例えば、AC_VIは、AC_VI primaryとAC_VI alternateとに細分化できる。また、AC_VOは、AC_VO primaryとAC_VO alternateとに細分化できる。また、UP又はTIDはACにマップされてよい。例えば、UP又はTIDにおける1、2、0、3、4、5、6、7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI、AC_VI、AC_VO、AC_VOのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6及び7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI alternate、AC_VI primary、AC_VO primary、AC_VO alternateのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6、及び7はその順に優先順位が高いものであってよい。すなわち、1の方が低い優先順であり、7の方が高い優先順位であってよい。したがって、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOの順に優先順位が高くなってよい。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOのそれぞれは、ACI(AC index)0、1、2、3のそれぞれに該当し得る。このようなTIDの特性上、TIDとリンクとのマッピングは、ACとリンクとのマッピングを表すことができる。また、リンクとACとのマッピングは、TIDとリンクとのマッピングを表すことができる。
前述したように、複数のリンクのそれぞれにTIDがマップされてよい。マッピングは、特定TID又はACに該当するトラフィックが交換され得るリンクが指定されることであってよい。また、リンク内で送信方向別に送信され得るTID又はACが指定されてよい。前述したように、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は基本(default)設定にしたがって、各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全てのTIDが交換されるものであってよい。常に、ある時点に、いかなるTID又はACも少なくともいずれか一つのリンクとマップされてよい。マネジメントフレームとコントロールフレームは全てのリンクで送信されてよい。
リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされたTID又はACに該当するデータフレームのみが送信されてよい。したがって、リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされていないTID又はACに当該しないフレームは送信されなくてよい。リンクがTID又はACにマップされた場合に、ACKもTID又はACがマップされたリンクに基づいて送信されてよい。例えば、ブロックACK合意(agreement)が、TIDとリンクとのマッピングに基づいて決定されてよい。さらに他の具体的な実施例において、TIDとリンクとのマッピングがブロックACK合意に基づいて決定されてよい。具体的には、特定リンクにマップされたTIDに対してブロックACK合意が設定されてよい。
前述したTIDとリンクとのマッピングにより、QoSが保障されてよい。具体的には、相対的に少ない数のステーションが動作するか、或いはチャネル状態の良いリンクに優先順位の高いAC又はTIDがマップされてよい。また、前述したTIDとリンクとのマッピングにより、ステーションがより長い時間に節電状態を保つようにすることができる。
図10は、本発明の実施例によって、マルチリンク動作において互いに異なるリンクの送信が同時に行われることを示す。
マルチリンク装置の具現によって、マルチリンクで同時動作が支援されないことがある。例えば、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に送信を行う、複数のリンクで同時に受信を行う、或いはいずれか一つのリンクで送信を行うと同時に他のリンクで受信を行うことが支援されことがある。いずれか一つのリンクで行われる受信又は送信が他のリンクで行われる受信又は送信に影響を及ぼすことがあるわけである。具体的に、一つのリンクでの送信が他のリンクの干渉として作用することがある。一つのマルチリンク装置の一つのリンクで他のリンクに作用する干渉を内部洩れ(internal leakage)と呼ぶことができる。リンク間の周波数間隔が小さいほど内部洩れが大きくなることがある。内部洩れが大きすぎないと、いずれか一つのリンクで送信を行う時に他のリンクで送信が行うことができる。内部洩れが大きいと、いずれか一つのリンクで送信を行う時に他のリンクで送信を行うことができない。このように、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に動作を行うことをSTR(simultaneous transmit and receive,simultaneous transmission and reception)と呼ぶことができる。例えば、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に送信する、いずれか一つのリンクで送信を行うと同時に他のリンクで受信を行う、或いは複数のリンクで同時に受信を行うことを、STRと呼ぶことができる。
先に言及したように、マルチリンク装置はSTRを支援することもでき、制限的に支援することもできる。具体的に、マルチリンク装置は特定条件下でのみSTRを支援することができる。例えば、マルチリンク装置が単一ラジオ(single radio)で動作する場合に、マルチリンク装置はSTRを行えないことがある。また、マルチリンク装置が単一アンテナで動作する場合に、マルチリンク装置がSTRを行えないことがある。また、内部洩れがあらかじめ指定された大きさ以上と感知される場合に、マルチリンク装置はSTRを行えないことがある。
ステーションは、ステーションのSTR能力に関する情報を他のステーションと交換できる。具体的に、ステーションは、ステーションが複数のリンクで同時に送信を行うか複数のリンクで同時に受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報を、他のステーションと交換できる。具体的に、複数のリンクで送信又は受信を行う能力の制限の有無に関する情報は、複数のリンクで同時に送信するか、同時に受信するか、或いは送信と受信が同時に行われるかを示すことができる。また、複数のリンクで送信を行うか受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報は、段階別に指示される情報であってよい。具体的に、複数のリンクで送信を行うか受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報は、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報であってよい。具体的な実施例において、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報は、内部洩れによって発生する干渉の大きさを示す段階を指示する情報であってよい。さらに他の具体的な実施例において、内部洩れに影響を及ぼし得るリンク間の周波数間隔を示す段階を指示する情報であってよい。また、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報は、リンク間の周波数間隔と内部洩れの大きさとの関係を段階別に指示する情報であってよい。
図10で、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)は一つのnon-APマルチリンク装置に提携(affiliate)される。また、第1AP(AP1)と第2AP(AP2)は一つのnon-APマルチリンク装置に提携されてよい。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)との間には第1リンク(link1)が設定され、第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)との間には第2リンク(link2)が設定される。図10で、non-APマルチリンク装置は制限的にSTRを行うことができる。第2ステーション(STA2)が第2リンク(Link2)で送信を行う場合に、第1リンク(Link1)で第1ステーション(STA1)の受信は、第2リンク(Link2)で行われる送信によって妨害されることがある。例えば、次のような場合、第1リンク(Link1)で第1ステーション(STA1)の受信は、第2リンク(Link2)で行われる送信によって妨害されることがある。第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が第1データ(Data1)を送信し、第1AP(AP1)が第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)を第1ステーション(STA1)に送信する。第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が第2データ(Data2)を送信する。この時、第2データ(Data2)の送信時期と第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)の送信時期が重なることがある。この時、第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)への送信によって第1リンク(Link1)に干渉が発生し得る。このため、第1ステーション(STA1)が第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)を受信できないことがある。
マルチリンク装置がチャネルアクセスを行う動作について説明する。具体的な説明がないマルチリンクの動作は、図6で説明したチャネルアクセス手順に従うことができる。
マルチリンク装置は、複数のリンクから独立にチャネルアクセスを行うことができる。このとき、チャネルアクセスはバックオフベースチャネルアクセスであってよい。マルチリンク装置が複数のリンクから独立にチャネルアクセスを行い、複数のリンクでバックオフカウンターが0に到達する場合に、マルチリンク装置は複数のリンクで同時に送信を始めることができる。具体的な実施例において、マルチリンクのリンクのバックオフカウンターのいずれか一つが0に到達し、あらかじめ指定された条件を満たす場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達したリンクの他に、バックオフカウンターが0に到達していない他のリンクでもチャネルアクセスを行うことができる。具体的に、マルチリンクのリンクのバックオフカウンターのいずれか一つが0に到達した場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達していない他のリンクでエネルギー感知を行うことができる。この時、あらかじめ指定された大きさ以上のエネルギーが感知されない場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達したリンクの他に、エネルギー感知を行ったリンクでもチャネルアクセスを行うことができる。これにより、マルチリンク装置は複数のリンクで同時に送信を始めることができる。エネルギー感知に用いられる閾値の大きさは、バックオフカウンターを減少させるかを判断する時に用いられる閾値の大きさよりも小さくてよい。また、バックオフカウンターを減らすかを判断する時に、マルチリンク装置は、無線LAN信号だけでなく、いかなる形態の信号も感知できる。また、前述したエネルギー感知において、マルチリンク装置は、無線LAN信号だけでなく、いかなる形態の信号も感知できる。内部洩れは無線LAN信号として感知されないことがある。このような場合、マルチリンク装置は、内部洩れによって感知される信号をエネルギー感知によって感知することができる。また、前述したように、エネルギー感知に用いられる閾値の大きさが、バックオフカウンターを減らすか否かを判断する時に用いられる閾値の大きさよりも小さくてよい。したがって、いずれか一つのリンクで送信が行われている中であっても、マルチリンク装置は他のリンクでバックオフカウンターを減らすことができる。
マルチリンク装置が用いるリンク間の干渉の程度によって、マルチリンク装置は、各リンクで動作するステーションが独立して動作できるかが決定されてよい。このとき、リンク間の干渉程度は、マルチリンク装置のいずれか一つのステーションがいずれか一つのリンクで送信を行う時にマルチリンク装置の他のステーションが感知する干渉の大きさであってよい。マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ以上の干渉を発生させる場合に、第2ステーションの動作が制限されてよい。具体的に、第2ステーションの受信又はチャネルアクセスが制限されてよい。干渉が発生する場合に、第2ステーションは干渉によって受信する信号のデコーディングに失敗することがあるわけである。また、干渉が発生する場合に、第2ステーションがバックオフを用いたチャネルアクセス時に、第2ステーションはチャネルが使用中であると判断することがあるわけである。
また、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立して動作できる。具体的に、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立してチャネルアクセスを行うことができる。また、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立して送信又は受信を行うことができる。あらかじめ指定された大きさ未満の干渉が発生する場合に、第2ステーションは、干渉が存在する場合にも、受信する信号のデコーディングに成功できるわけである。また、あらかじめ指定された大きさ未満の干渉が発生する場合に、第2ステーションがバックオフを用いたチャネルアクセス時に、第2ステーションはチャネルが遊休であると判断できるわけである。
マルチリンク装置のステーション間に発生する干渉程度は、ステーションが動作するリンクの周波数帯域間の間隔だけでなく、マルチリンク装置のハードウェア特性によって変わることがある。例えば、高RF(radio frequency)装置を含むマルチリンク装置で発生する内部干渉は、低RF装置を含むマルチリンク装置で発生する内部干渉もより小さくてよい。したがって、マルチリンク装置のステーション間に発生する干渉程度は、マルチリンク装置の特性に基づいて判断されてよい。
図10には、リンクの周波数帯域間の間隔とマルチリンク装置の特性によって発生する干渉の大きさが変わることを示す。図10の実施例において、第1マルチリンク装置(MLD#1)は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)-1と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA1)-2を含む。第2マルチリンク装置(MLD#2)は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA2)-1と、第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)-2を含む。第1マルチリンク装置(MLD#1)が動作する第1リンク(Link1)と第2リンク(Link2)間の周波数間隔と、第2マルチリンク装置(MLD#2)が動作する第1リンク(Link1)と第2リンク(Link2)間の周波数間隔は同一である。ただし、第1マルチリンク装置(MLD#1)の特性と第2マルチリンク装置(MLD#2)の特性との差によって発生する干渉の大きさが異なる。具体的に、第1マルチリンク装置(MLD#1)で発生する干渉の大きさよりも第2マルチリンク装置(MLD#2)で発生する干渉の大きさが大きくてよい。このように、マルチリンク装置の特性によって発生する干渉の大きさが異なることがあり、マルチリンク装置別にSTR支援の有無が異なることがあることを考慮するとき、STRの支援されるか否かに関する情報が交換される必要がある。
マルチリンク装置は、マルチリンク装置が含むステーションのSTR支援の有無をシグナルすることができる。具体的に、APマルチリンク装置とnon-APマルチリンク装置は、APマルチリンク装置が含むAPのSTR支援の有無とnon-APマルチリンク装置が含むSTAのSTR支援の有無を交換することができる。このような実施例において、STR支援の有無を示すエレメントが用いられてよい。STR支援の有無を示すエレメントは、STR支援(support)エレメントと呼ぶことがてきる。STR支援エレメントは、1ビットにより、STR支援エレメントを送信したマルチリンク装置のステーションのSTR支援の有無を示すことができる。具体的に、STR支援エレメントは、STR支援エレメントを送信するマルチリンク装置が含むステーションのそれぞれのSTR支援の有無を1ビット別に示すことができる。このとき、ステーションがSTRを支援する場合に、ビットの値は1であり、ステーションがSTRを支援しない場合に、ビットの値は0であってよい。STR支援エレメントを送信したマルチリンク装置が第1ステーション(STA1)、第2ステーション(STA2)及び第3ステーション(STA3)を含み、第1ステーション(STA1)と第3ステーション(STA3)はSTRを支援し、第2ステーション(STA2)はSTRを支援しない場合に、STR支援エレメントは、1011bを有するフィールドを含むことができる。互いに異なる周波数帯域で動作するステーションはSTRを支援すると仮定され、STR支援エレメントは、互いに異なる周波数帯域で動作するステーション間のSTR支援の有無に対するシグナリングを省略してよい。例えば、第1ステーション(STA1)が2.4GHzの第1リンクで動作し、第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)のそれぞれが5GHzの第2リンクと第3リンクで動作する。この時、STR支援エレメントは、第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)間にSTRが支援されることを1ビットで示すことができる。また、STR支援エレメントは、STR支援エレメントがシグナルするステーションが2個である場合に1ビットのみを含むことができる。
具体的な実施例において、マルチリンク装置のリンクのうち2.4GHzに位置しているリンクと、5GHz又は6GHzに位置しているリンクとの関係は、常にSTRと判断されてよい。したがって、2.4GHzに位置しているリンクと5GHz又は6GHzに位置しているリンクのSTRの有無に対してはシグナリングが省略されてよい。
図11には、本発明の一実施例によってリンクが変更された場合に、マルチリンク装置の動作を示す。
リンクの周波数帯域が変更される場合に、STR支援エレメントが交換されてよい。前述したように、ステーションのSTR支援の有無は、リンクの周波数帯域間の距離によって変わることがあり、リンクの周波数帯域が変更される場合に、ステーションのSTR支援の有無が変更されることがあるためである。リンクの周波数帯域が変更される場合は、リンクの中心周波数の変更、周波数帯域の帯域幅の変更及び20MHz主チャネルのうち少なくともいずれか一つを含むことができる。APとステーションは要請と応答によってSTR支援エレメントを交換することができる。さらに他の具体的な実施例において、リンクの周波数帯域が変更される場合に、STR支援エレメントが別途の要請無しにも交換されてよい。また、前述した実施例において、リンクの周波数帯域が変更される場合は、ステーションの動作チャネル(operating channel)が変更されることを含むことができる。
non-APマルチリンク装置のステーションがSTRを行うことができない場合に、non-APマルチリンク装置のステーションはAPにリンクの変更を要請することができる。具体的に、non-APマルチリンク装置のステーションは、中心周波数の変更、周波数帯域の帯域幅の変更及び20MHz主チャネルのうち少なくともいずれか一つの変更を要請することができる。リンク変更要請は、変更を要請するリンクを通じてAPに送信されてよい。さらに他の具体的な実施例において、リンク変更要請は、変更を要請しないリンクを通じてAPに送信されてよい。このとき、リンク変更要請は、変更を要請するリンクを指示する情報を含むことができる。リンクを指示する情報は、リンクを識別する番号であってよい。このような実施例において、リンクの変更は、一つの周波数帯域内で動作(operating)チャネルが変更されることであってよい。また、リンクの変更は、リンクを変更する方法に関する情報を含むことができる。具体的に、リンク変更要請は、リンクの中心周波数を現在中心周波数よりも高い周波数に移動させるか、リンクの中心周波数を現在中心周波数よりも低い周波数に移動させるかを示すことができる。さらに他の具体的な実施例において、リンク変更要請は、隣接したリンクと遠ざかる周波数帯域への変更を暗示的に示すことができる。また、リンク変更要請は、リンクの帯域幅を減らすことを示すことができる。また、リンク変更要請は、主チャネルの位置の変更を要請できる。具体的に、リンク変更要請は、主チャネルの位置を、現在の主チャネルの位置よりも低い周波数帯域のチャネル又は高い周波数帯域のチャネルに変更することを示すことができる。リンク変更要請を受信したAPは、リンク変更要請に応じてリンクを変更することができる。また、具体的な実施例において、リンク変更要請を受信したAPは、リンク変更要請を無視できる。
図11の実施例において、non-APマルチリンク装置の第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)はSTRを支援できない状態である。Non-APマルチリンク装置はAPマルチリンク装置に第3リンク(Link3)の変更を要請する。リンク変更要請を受信したAPマルチリンク装置は、第3AP(AP3)の動作リンクを変更する。この時、変更する第3リンク(link3)で動作する第3ステーション(STA3)が、第3AP(AP3)に変更要請を送信できる。さらに他の具体的な実施例において、第3リンク(link3)で動作しないステーションが、第3リンク(link3)で動作しないAPに変更要請を送信できる。
APがリンクを変更する場合に、APはビーコンフレームを用いてリンク変更に関する情報をブロードキャストすることができる。このとき、リンク変更に関する情報はリンクの周波数に関する情報を含むことができる。リンクの周波数に関する情報は、リンクの中心周波数、動作帯域幅及び主チャネルの変更のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。また、リンク変更に関する情報は、リンク変更時点に関する情報を含むことができる。また、リンク変更は、リンク変更に関する情報を含むビーコン送信時に完了されてよい。
図11で、第3ステーション(STA3)が動作するリンクが変更され、第3ステーション(STA3)と第2ステーション(STA2)はSTRを支援できる。前述したように、non-APマルチリンク装置は、APマルチリンク装置にSTR支援エレメントを送信し、変更されたSTR支援の有無をシグナルすることができる。
前述したリンク変更が許容されないか或いはリンク変更によってもSTRが支援されないことがある。また、図11の実施例のように、APマルチリンク装置はSTRを支援するが、non-APマルチリンク装置がSTRを支援しないことがある。これは、APマルチリンク装置に相対的に高RF装置が用いられ、non-APマルチリンク装置に相対的に低RF装置が用いられることが一般的であるためである。したがって、マルチリンク装置間の通信時に、いずれか一つのマルチリンク装置がSTRを支援しない時にも効率的な通信ができる方法が必要である。この時、STRは、送信と受信が同時に行われることを表すことができる。これについて図12で説明する。
図12には、本発明の一実施例によってnon-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが受信中である時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションのチャネルアクセスが禁止されることを示す。
non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで送信が行われ、non-STRマルチリンク装置の他のリンクで受信が行われる場合に、non-STRマルチリンク装置の受信と送信に失敗することがある。これを解決するために、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が行われる時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクでチャネルアクセスが禁止されてよい。具体的に、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が行われる時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクでチャネルアクセスのバックオフが禁止されてよい。これにより、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が行われる時にnon-STRマルチリンク装置の他のリンクで送信が始まることを防止できる。具体的な実施例において、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が始まる時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクでチャネルアクセスのバックオフが禁止されてよい。これは、チャネル接近禁止フラグのようなメモリの特定ビットによって設定されてよい。これは、マルチリンク装置内部のメモリによってチャネルアクセス禁止の有無が共有されてよい。このような実施例により、別途のフレーム交換無しでチャネルアクセス禁止を具現することができる。説明の便宜のために、本明細書で用いられるチャネルアクセス禁止は、特に説明がない限り、non-STRマルチリンク装置の送信又は受信を保護するためにチャネルアクセス又は送信を禁止することを表す。
チャネルアクセスが禁止される場合に、チャネルアクセスが禁止されるリンクで動作するステーションは、NAV及びCCA結果に関係なくバックオフ手順を行うことができない。また、チャネルアクセスが禁止される場合に、チャネルアクセスが禁止されるリンクで動作するステーションは、NAV及びCCA結果に関係なく送信を行うことができない。ただし、チャネルアクセスが禁止されても、チャネルアクセスが禁止されるリンクで動作するステーションは受信を行うことができる。また、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクでの受信が完了した時に基づいて解除されてよい。具体的に、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクでの受信が完了した時に解除されてよい。さらに他の具体的な実施例において、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクで受信が完了した後にACKが送信される時点に基づいて解除されてよい。具体的に、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクで受信が完了した後にACKが送信される時点に解除されてよい。さらに他の具体的な実施例において、具体的な実施例において、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクで受信が完了した後にACKが送信が完了した時点に解除されてよい。また、チャネルアクセス禁止が解除された直後に、ステーションは追加センシング無しでバックオフカウンターを直ちに減らすことができる。このとき、追加センシングは、DIFS(DCF Interframe Space)間に行われるセンシングを表すことができる。さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセス禁止が解除される直前に、あらかじめ指定された時間でチャネルが遊休である場合に、ステーションは、追加センシング無しでバックオフカウンターを直ちに減らすことができる。このとき、あらかじめ指定された時間は、PIFS(PCF Interframe Sapce)、DIFS、SIFS(Short Interframe Sapce)及びAIFS(Arbitration Interframe Space)のいずれか一つであってよい。
図12の実施例において、non-STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1ステーション(STA1)が受信を行う間に第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が送信を行う場合に、装置内干渉が発生する。前述したように、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)が受信を行う間に、第2リンク(Link2)で行われる第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される。第1リンク(Link1)での第1ステーション(STA1)の受信が完了した後に、チャネルアクセス禁止が解除される。チャネルアクセス禁止が解除された直後に、第2ステーション(STA2)は追加センシング無しで以前バックオフカウンター値を3から2へと、1減らすことができる。
表現上の便宜のために、図12では、Rx及びTxを単一ブロック(Tx実線、Rx点線)を用いて表現しており、該単一ブロックは別途のAckブロックが示されていなくとも、Tx/Ack受信、Rx/Ack送信が含まれた動作を表現したものと理解されてよい。これは、以後に説明する図面にも同一に適用されてよい。
ステーションが受信するPPDUの意図した受信者がステーションでないことを確認した場合に、ステーションはPPDUの受信を中断してよい。このような場合、マルチリンク装置のチャネルアクセス禁止解除動作が問題になる。本明細書において、意図した受信者は、目的ステーションと同じ意味で使われる。
図13には、本発明の実施例によってnon-STRマルチリンク装置のステーションが受信するPPDUの意図した受信者がステーションでないことを確認した場合に、チャネルアクセス禁止を解除する動作を示す。
ステーションが受信するPPDUの意図した受信者がステーションでないことを確認した場合に、ステーションはチャネルアクセス禁止を解除できる。ステーションは、PPDUのシグナリングフィールドの受信者アドレスを指示する情報に基づいて、ステーションがPPDUの意図した受信者であるか否か判断できる。このとき、PPDUのシグナリングフィールドの受信者アドレスを指示する情報は、前述したEHT-SIGフィールドのSTA-IDフィールドの値であってよい。具体的に、ステーションは、EHT-SIGフィールドのSTA-IDフィールドがステーションを指示するか否か判断できる。また、ステーションは、PPDUが含むMACフレームのRAフィールドの値に基づいて、ステーションがPPDUの意図した受信者であるか否か判断できる。具体的に、ステーションは、PPDUが含むMACフレームのRAフィールドがステーションを指示するか否か判断できる。図13で、non-STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1ステーション(STA1)がPPDUを受信する。第1ステーション(STA1)は、受信されるPPDUの意図した受信者が第1ステーション(STA1)でないことに判断し、PPDUの受信を中断する。この時、第1ステーション(STA1)は第2ステーション(STA2)のチャネルアクセス禁止を解除することができる。第2ステーション(STA2)のチャネルアクセス禁止が解除されても、第2ステーション(STA2)に設定されたNAVによって第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが遅延されることがある。
図13のように、チャネルアクセス禁止が解除されても、マルチリンク装置に含まれないステーション又はSTRマルチリンク装置に含まれたステーションに比べて、non-STRマルチリンク装置に含まれたステーションがチャネルアクセス機会を有し得ない場合が多い。したがって、他のステーションと公正な競合のために、non-STRマルチリンク装置に含まれたステーションのチャネルアクセス機会を補償するための方法が必要である。例えば、チャネルアクセス禁止解除の直後に、チャネルアクセス禁止が解除されたステーションがバックオフカウンターを減らす時に2以上減らすことが許容されてよい。これについては図14で説明する。
図14には、本発明の実施例に係るステーションがチャネルアクセス禁止が解除された後にチャネルアクセスを行うことを示す。
チャネルアクセス禁止が解除されたステーションは、チャネルアクセス禁止解除直後にバックオフカウンターを2以上減らすことができる。ステーションのチャネルアクセスが禁止される間に他のステーションはバックオフ手順を行ったため、他のステーションとチャネルアクセス機会の公平性を合わせるためである。
さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセスが禁止されたステーションは、チャネルアクセスが禁止される間にCCA(CSMA)及びバックオフカウンターを減らすチャネルアクセス手順を行うことができる。図14で、non-STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。図14で、第1ステーション(STA1)が受信を行う間に第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される。図14(a)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2ステーション(STA2)は、CCA(CSMA)及びバックオフカウンターを減らすチャネルアクセス手順を行うことができる。図14(a)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2リンク(Link2)のチャネルが遊休であるので、第2ステーション(STA2)はバックオフカウンターを減らす。
また、チャネルアクセスが禁止されたステーションは、チャネルアクセスが禁止される間にバックオフカウンターが0に到達しても送信を始めずに送信を遅延させることができる。この時、ステーションはバックオフカウンターの値を0と維持できる。また、ステーションが送信を遅延させても、ステーションはCWの値をそのまま維持できる。したがって、ステーションのアクセスするチャネルが使用中(busy)であることから、ステーションがCWの値をダブリング(doubling)することとは差別化される。これは、送信が遅延された事由が、チャネルが使用中であると判断された場合でないためである。図14(b)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2ステーション(STA2)はCCA(CSMA)及びバックオフカウンターを減らすチャネルアクセス手順を行うことができる。図14(b)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2リンク(Link2)のチャネルが遊休であるので、第2ステーション(STA2)はバックオフカウンターを減らす。第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2ステーション(STA2)のバックオフカウンターが0に到達する。第2ステーション(STA2)は送信を遅延させ、チャネルアクセス禁止が解除された後に送信を始める。
前述したように、チャネルアクセス禁止は、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが送信を行う時に、第2ステーションに対する送信が禁止されることを含むことができる。また、チャネルアクセス禁止は、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが受信を行う時に、第2ステーションの送信が禁止されることを含むことができる。
図14(b)で説明される実施例において、チャネルアクセスが禁止されたステーションが複数である場合に、複数のステーションのチャネルアクセス禁止が同時に解除され、複数のステーションが同時に送信を試みる可能性が高い。このため、送信衝突確率を下げ得る方法が必要である。これについては図15で説明する。
図15には、本発明の一実施例に係るステーションがチャネルアクセス禁止解除後に送信を行う動作を示す。
前述したように、non-STRマルチリンク装置が動作する複数のリンクのうち、第1リンクで送信が行われ、第2リンクで送信が禁止されることがある。第1リンクで当該送信が完了した場合に、第2リンクでの送信はRTS/CTSフレーム交換によって始まってよい。したがって、non-STRマルチリンク装置が動作する複数のリンクのうち第1リンクで送信が行われる場合に、non-STRマルチリンク装置は第2リンクでRTS/CTSフレーム交換を始めることができる。チャネルアクセス禁止によって送信が遅延されたステーションのチャネルアクセス禁止解除後に、ステーションは、遅延された送信を始める前にRTS/CTS(request to send/clear to send)フレームの交換を始めることができる。この時、ステーションがCTSフレームを受信できないと、遅延された送信を開始できないことがある。図15(a)の実施例において、チャネルアクセス禁止によって送信が遅延されたステーションは、遅延された送信を始める前にRTSフレームを送信する。ステーションはRTSフレームに対する応答としてCTSフレームを受信した後、遅延された送信を始める。
さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセス禁止によって送信が遅延されたステーションのチャネルアクセス禁止解除後に、ステーションは、遅延された送信の一部のみを含むフレームを送信できる。この時、ステーションが遅延された送信の一部のみを含むフレームに対する応答、例えばACKを受信した後に、ステーションは、遅延された送信のうち送信されていない部分の送信を行うことができる。ステーションが遅延された送信の一部のみを含むフレームに対する応答を受信できないと、ステーションは、遅延された送信のうち、送信されない部分の送信を行わなくてよい。このように、ステーションがチャネルアクセス禁止解除後にRTS/CTS交換を始める或いは遅延された送信の一部のみを送信することは、一般的な送信に比べてチャネルアクセス禁止後の送信の衝突確率が高いためである。したがって、前述した実施例が、チャネルアクセス禁止解除後に行われた送信に義務的に適用されてよい。既存の無線LAN動作においてRTS/CTSフレームは隠しノード(hidden node)問題を解決するために用いられ、送信データの大きさに基づいて用いることができた。前述した実施例においてRTS/CTSフレームは、non-STRマルチリンク装置の送信又は受信を保護するために遅延された送信を行おうとするステーションとの送信衝突を防止するためのものである。
前述したように、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが受信を行う時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションの送信が制限されてよい。また、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが送信を行う時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションが、ステーションが動作するリンクのチャネル状態を正確にセンシングし難いことがあり得る。具体的に、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが送信を行う時に、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションは、第2ステーションが動作するリンクのチャネル状態を常に使用中(busy)と判断することがある。このため、第2ステーションは、第2ステーションが動作するリンクのチャネルが遊休である場合にも、装置内干渉によってチャネルを使用中と判断することがある。このように、装置内干渉によってチャネル状態を判断できないステーション又はnon-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションの送信が継続中である場合に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションをブラインド(blind)状態であるという。前述した状況によってブラインド状態であるステーションは、バックオフ手順を行って送信を試みることが困難であり得る。また、前述した状況によってブラインド状態であるステーションは、PPDUの受信を始めたりデコーディングに成功したりすることが難しいであろう。このため、ブラインド状態であるステーションを考慮した送信方法が必要である。これについては図16で説明する。
図16には、本発明の実施例によってnon-STRマルチリンク装置内のステーションの状態に基づいて行われる送信を示す。
non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であるか否かによって送信を行うか否かを決定できる。このとき、non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、STRマルチリンク装置に含まれたステーションであってよい。また、non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、APマルチリンク装置に含まれたAPであり、non-STRマルチリンク装置は、non-APマルチリンク装置であってよい。non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であるか否かによって判断できる。送信を行おうとするステーションは、ステーションが含まれたマルチリンク装置の他のステーションが当該non-STRマルチリンク装置に送信を実行中であるか否か判断できる。ステーションが含まれたマルチリンク装置の他のステーションが当該non-STRマルチリンク装置から受信を実行中である場合に、ステーションは、ステーションの送信を受信するnon-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であると判断できる。図16の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に送信中である。したがって、第2AP(AP2)は第2ステーション(STA2)から受信中であることを第1AP(AP1)に知らせることができる。具体的に、第2AP(AP2)は、第2AP(AP2)に対する送信の主体が第2ステーション(STA2)であることを第1AP(AP1)に知らせることができる。さらに他の具体的な実施例において、第2AP(AP2)は、第2ステーション(STA2)が現在送信中であることを第1AP(AP1)に知らせることができる。この時、第1AP(AP1)は、知らせに基づいて、第1ステーション(STA1)がブラインド状態であると判断できる。
ステーションは、ブラインド状態であるステーションに送信を行わなくてよい。これは、ブラインド状態であるステーションに送信を行っても、ブラインド状態であるステーションが受信を開示できないか、或いはブラインド状態であるステーションがPPDUをデコードできない可能性が高いためである。この時、ステーションは、ブラインド状態であるステーションに対する送信を取消し、他のステーションに対する送信を行うことができる。
STRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に送信を行う時に、STRマルチリンク装置は複数のリンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信を行うことができる。具体的に、STRマルチリンク装置が第1リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信を行う時に、STRマルチリンク装置は第2リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信を始めることができる。この時、STRマルチリンク装置はnon-STRマルチリンク装置に対する送信であることに基づいて、第2リンクで行われる送信の長さを決定できる。具体的に、STRマルチリンク装置は、第1リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信の長さに基づいて第2リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信の長さを決定できる。具体的な実施例において、STRマルチリンク装置は、第1リンクでの送信と第2リンクでの送信を同時に終了できる。これは、non-STRマルチリンク装置のステーションのいずれか一つに対する送信が先に終了し、non-STRマルチリンク装置のステーションのいずれか一つが送信に対する応答、例えばACKを送信する間にnon-STRマルチリンク装置の他のステーションに対する送信が行われることを防止するためである。前述した実施例によってnon-STRマルチリンク装置の複数のステーションが複数のステーションに対する送信に対する応答を同時に送信することができる。
STRマルチリンク装置はnon-STRマルチリンク装置に含まれたステーションの状態を実時間で判断できない。このため、STRマルチリンク装置が図16で説明した実施例によって動作しても、non-STRマルチリンク装置が動作するリンク間で干渉又は送信衝突が発生することがある。例えば、図16の実施例において、第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に対する送信を実行中であることを認識する前に、第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)に対する送信を始めることがある。このように、リンク間の干渉又は衝突の発生確率がリンク内干渉又は送信衝突の発生確率よりも大きいことがある。これについては図17でより具体的に説明する。
図17には、リンク間の干渉又は衝突が発生し得る状況を示す。
non-STRステーションマルチリンク装置の第2ステーションのSTR APマルチリンク装置の第2APに対する送信が、STR APマルチリンク装置の第1APのnon-STRステーションマルチリンク装置の第1ステーションに対する送信と同時に始まる場合に、リンク間で送信衝突が発生することがある。これは図17(a)に示さている。これは、前述したように、STRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に含まれたステーションの状態を実時間で判断出できないことから発生し得る。
また、non-STRステーションマルチリンク装置の第2ステーションのSTR APマルチリンク装置の第2APに対する送信が、STR APマルチリンク装置の第1APのnon-STRステーションマルチリンク装置の第1ステーションに対する送信よりも早く始まった場合であっても、リンク間で送信衝突が発生し得る。れは図17(b)に示されている。第2AP(AP2)が第1AP(AP1)に、第2ステーション(STA2)が送信を実行中であることを知らせるまでに時間がかかり得るためである。このように、互いに異なる時点に送信を始めたステーション間でも送信衝突が発生するので、装置間の干渉又は送信衝突の発生確率が、リンク内干渉又は衝突の発生確率よりも大きいことがある。また、STRマルチリンク装置のAPが受信するPPDUの送信者を識別する時間が遅延されるほどリンク間の干渉又は送信衝突の発生確率が大きくなり得る。したがって、これを解決するための方法が必要である。STRマルチリンク装置のステーションのうち一つが受信を実行中である場合に、STRマルチリンク装置の他のステーションのチャネルアクセスを行わなくてよい。ただし、このようにチャネルアクセスが禁止される場合、STR機能具現の意味が消えることがある。このため、STRマルチリンク装置のチャネルアクセス禁止でない動作方法が必要である。これについては図18で説明する。
図18には、本発明の一実施例によってSTRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に対する送信を中止する動作を示す。
STRマルチリンク装置のステーションがnon-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信中にnon-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態と判断した場合に、STRマルチリンク装置は、ブラインド状態であるnon-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を中断できる。具体的に、STRマルチリンク装置は、受信されるPPDUのシグナリングフィールドがSTA(AID)-IDとして指示する値又は受信されるPPDUが含むMACフレームのTA(transmitting address)フィールドに基づいて、non-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であるか否かを判断できる。このとき、STA-IDは、UL PPDUでUL PPDUを送信するステーションを指示する値であってよい。具体的な実施例において、STRマルチリンク装置は、受信されるPPDUのシグナリングフィールドがSTA(AID)-IDとして指示する値が、non-STRマルチリンク装置に含まれた第1ステーションを示す場合に、non-STRマルチリンク装置に含まれた第2ステーションがブラインド状態であると判断できる。また、STRマルチリンク装置は、受信されるPPDUが含むMACフレームのTAフィールドがnon-STRマルチリンク装置に含まれた第1ステーションを指示する場合に、non-STRマルチリンク装置に含まれた第2ステーションがブラインド状態であると判断できる。送信取消後のステーションの動作についてまず説明する。
non-STRマルチリンク装置のステーションに設定されたTXOPが残っている場合に、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取消したステーションは、当該non-STRマルチリンク装置のステーション以外の他のステーションに対する送信を試みることができる。この時、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取消したステーションは、別途のバックオフ手順無しでnon-STRマルチリンク装置のステーション以外の他のステーションに対する送信を行うことができる。具体的な実施例において、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取り消した後、別途のバックオフ手順無しであらかじめ指定された時間区間でチャネルが遊休と感知される場合に、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取消したステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーション以外の他のステーションに対する送信を行うことができる。このとき、あらかじめ指定された時間区間は、SIFS、PDIF及びDIFSのいずれか一つであってよい。
non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取消したステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーション以外の他のステーションに対する送信を行う時に、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取消したステーションは、取消した送信のトラフィックと同じ優先順位(priority)を有するトラフィック又はより高い優先順位を有するトラフィックを送信することができる。これは、取消した送信のためのチャネルアクセス時に使用したトラフィックの優先順位よりも低い優先順位に該当するトラフィックを送信すると、公平性に合わないためである。前述した実施例において、STRマルチリンク装置のステーションはAPであってよい。
non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取消したステーションは、設定したTXOPを初期化できる。具体的に、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取消したステーションは、送信取消後にCF-Endフレームを送信できる。これにより、送信の予定されたリンクで動作する他のステーションがリンクを用いることができる。
図18で、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に送信中である。第1AP(AP1)は第1ステーション(STA1)に対する送信を実行中に第1ステーション(STA1)がブラインド状態であると判断する。したがって、第1AP(AP1)は第1ステーション(STA1)に対する送信を中断する。図18(a)で、第1ステーション(STA1)に対する送信を中断後に、第1AP(AP1)は、先に説明した実施例のように、第1ステーション(STA1)以外の他のステーションに対する送信を行う。図18(b)で、第1ステーション(STA1)に対する送信を中断後に、第1AP(AP1)は、後に説明した実施例のようにCF-ENDフレームを送信する。
ステーションが送信を中断する時に、送信中であったフラグメントを送信した後に、次のフラグメントを送信しなくてよい。さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、送信中であったパケットの送信を直ちに中止してよい。
前述した実施例において、STRマルチリンク装置がブラインド状態であるnon-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を中断し、ブラインド状態であるnon-STRマルチリンク装置のステーション以外の他のステーションに対する送信を行う時に、安定した受信のために、他のステーションに、他のステーションに対する送信が行われ得るということを知らせる必要がある。そのための方法について説明する。説明の便宜のために、ブラインド状態であるnon-STRマルチリンク装置のステーション以外の他のステーションを他のステーションと呼ぶ。
STRマルチリンク装置のステーションは、MACフレームに他のステーションのアドレスを挿入することができる。具体的に、STRマルチリンク装置のステーションは、MACフレームのRA(receiving address)に、MACフレームの意図した受信者のアドレスを挿入し、別途のフィールドに他のステーションのアドレスを挿入できる。さらに他の具体的な実施例において、装置のステーションは、EHT-SIGに他のステーションのアドレスを挿入できる。具体的に、STRマルチリンク装置のステーションは、PPDUのシグナリングフィールドのUserフィールドにPPDUの意図した受信者のアドレス及び他のステーションのアドレスを挿入できる。このとき、他のステーションのアドレスはPPDUのシグナリングフィールドのUserフィールドにおいてPPDUの意図した受信者のアドレス後に挿入されてよい。
さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、受信されるPPDUの意図した受信者がステーションでないことを認識した後にも、あらかじめ指定された時間でPPDUの受信をモニタすることができる。具体的に、ステーションは、受信されるPPDUの意図した受信者がステーションでないことを認識した後にも、あらかじめ指定された時間でPPDUの受信が続くか否かをモニタできる。これにより、ステーションは、PPDUの送信が中断され、ステーションに対する送信が始まるか否かを判断できる。このような実施例において、あらかじめ指定された時間でPPDUの送信が続くと判断された場合に、ステーションは、節電状態(doze state)に進入できる。あらかじめ指定された時間でPPDUの送信が続かないと判断された場合に、ステーションは、ウエイク-アップ状態を維持できる。この時、ステーションに新しいPPDUが受信される場合に、ステーションはPPDUをデコードすることができる。
さらに他の具体的な実施例において、PPDUを送信するステーションが、PPDUの送信が中断され得ることをシグナルする情報をPPDUに挿入することができる。PPDUの送信が中断され得ることをシグナルする情報は、1ビットのサブフィールドであってよい。例えば、PPDUの送信が中断され得ることをシグナルするサブフィールドの値が1である場合に、PPDUを受信するステーションは、PPDUの送信がPPDUのシグナリングフィールドのLengthフィールド及びMACフレームのDurationフィールドが指示する時点よりも前にPPDUの送信が中断され得ると判断できる。ステーションがPPDUの送信がPPDUのシグナリングフィールドのLengthフィールド及びMACフレームのDurationフィールドが指示する時点よりも前にPPDUの送信が中断され得ると判断した場合に、ステーションは節電状態に進入することを猶予できる。また、PPDUを送信するステーションがPPDUのリザーブドフィールドに、送信が中断され得ることをシグナルする情報を挿入できる。
このように、送信取消又は送信中断により、不要にチャネルを占有することを防止することができる。
リンク間の送信衝突によって送信が中断又は延期された場合に、一般的な送信失敗と同様に、チャネルアクセスに用いられるCWの値がダブリングされてよい。リンク間の送信衝突によって送信が中断又は延期された場合に、一般的なチャネルアクセス失敗又は送信失敗とは違い、チャネルアクセスに用いられるCWの値がダブリング(doubling)されなくてよい。すなわち、ステーションは、チャネルアクセスに用いられるCWの値をそのまま維持できる。CWの値をダブリングすることは、バックオフカウンターの値になり得る数の範囲を増やし、送信衝突の確率を減らすためである。ステーションがリンク間の送信衝突であることを明確に認識できる場合、このような必要は減り得る。また、リンク間の送信衝突によって送信が中断又は延期された場合に、ステーションがCWの値をダブリングすることが、送信を遅延させることがある。ただし、リンク間の送信衝突とリンク内衝突が同時に発生する場合に、ステーションはCWの値をダブリングする必要がある。これについては図19で説明する。
図19には、本発明の実施例によってSTRマルチリンク装置がリンク間の送信衝突を認知した場合に、CWの値を処理することを示す。
ステーションは、前述した実施例におけるように、non-STRマルチリンク装置で行われる送信によって送信を取消した場合に、送信を取消した後にチャネル状態を感知することができる。チャネルが遊休でないと感知された場合に、ステーションはCWの値をダブリングすることができる。このとき、ダブリングは、図6で説明した実施例に従うことができる。また、チャネルが遊休であると感知された場合に、ステーションはCWの値を維持できる。このような実施例は、チャネルが遊休であると感知されても、リンク内の送信衝突が発生する可能性が低いので、送信成時とし異なるように取扱うためである。さらに他の具体的な実施例において、チャネルが遊休であると感知された場合に、ステーションは、CWの値をトラフィックのCWの最小値(CW_min)に設定できる。このような実施例は、チャネルが遊休であると感知された場合に、リンク内の送信衝突が発生する可能性が低いので、送信成功時と同一に取扱うためである。ステーションは、前述した実施例は、取消した送信に含まれたトラフィックのACのCWに適用できる。
また、ステーションは、前述した実施例によって送信を取消した場合に、Retry Counterを増加させなくてよい。このとき、Retry Counterは、long retry counter及びshort retry counterのうち少なくとも一つを含むことができる。
先の実施例において、送信を取消すことは、送信を中断するか或いは送信を始める前に送信を遅延することのうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
ステーションが送信を試みる前にCTS-to-Selfフレームを送信した後、送信を取消した場合に、ステーションは、送信取消後に送信を試みる前にRTS/CTSフレーム交換を始めなくてよい。既にCTS-to-SelfフレームによってNAVが設定されたためである。また、ステーションが送信を取消した後、再び送信を試みる時にTXOPが残っていると、ステーションは、バックオフ手順無しで送信を試みることができる。
図19で、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に送信中である。第1AP(AP1)は、第1ステーション(STA1)に対する送信を実行中に第1ステーション(STA1)をブラインド状態と判断する。したがって、第1AP(AP1)は第1ステーション(STA1)に対する送信を中断する。図19(a)で、第1AP(AP1)は第1リンク(Link1)のチャネルが遊休であると判断する。この時、TXOPが残っていないので、第1AP(AP1)はバックオフ手順によってチャネルにアクセスする。図19(b)で、第1AP(AP1)は第1リンク(Link1)のチャネルが遊休でないと判断する。この時、TXOPが残っているので、第1AP(AP1)はバックオフ手順無しで送信を試みる。
前述した実施例において、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取消した後に、別途のバックオフ手順無しであらかじめ指定された時間区間でチャネルが遊休であると感知される場合に、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取消したステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーション以外の他のステーションに対する送信を行うことができる。この時、あらかじめ指定された時間区間のデューレーションが問題になり得る。取り消された送信のPPDUを受信したステーションは、PPDUのデコーディングに失敗することがある。この時、EIFS(extended interframe space)分だけチャネルが遊休であると感知された場合に、PPDUのデコーディングに失敗したステーションは、バックオフ手順を始めることができる。このため、あらかじめ指定された時間区間をEIFSよりも長く設定するか同一に設定するかが問題になる。これについては図20で説明する。
図20には、本発明の実施例によってSTRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に対する送信を中止した後に再度チャネルアクセスを行う動作を示す。
図20(a)のように、あらかじめ指定された時間区間はDIFSであってよい。これは、STRマルチリンク装置のステーションが競合手順によってチャネルアクセス機会を獲得し、リンク間の送信衝突によって獲得したチャネルアクセス機会を失ったことが考慮されたものである。すなわち、STRマルチリンク装置のステーションが競合手順によってチャネルアクセス機会を獲得したので、他のステーションがチャネルアクセスを行うことに比べて優先権を与えたものである。EDCAが適用される場合に、DIFSはAIFS[AC]に代替されてよい。
さらに他の具体的な実施例において、図20(b)のように、あらかじめ指定された時間区間はEIFSであってよい。これは、STRマルチリンク装置が既に送信機会を消尽したものと見なし得ること、及び他のステーションとの公平性が考慮されたものである。
さらに他の具体的な実施例において、図20(c)のように、PPDUのシグナリングフィールドで送信が中断され得ることをシグナルする場合に、あらかじめ指定された時間区間はDIFSであってよい。また、PPDUを受信したステーションがPPDUの送信が中断されたことを感知した場合に、ステーションは、EIFSの代わりにDIFSでチャネルが遊休であるか否か感知することができる。この時、DIFSでチャネルが遊休であると感知された場合に、当該ステーションはバックオフ手順を始めることができる。このような実施例により、全体ネットワークの性能を向上させ、ステーション間の公平性も保障することができる。EDCAが適用される場合に、DIFSはAIFS[AC]に代替されてよい。
前述したように、STRマルチリンク装置は、リンク間の送信衝突が発生し得ることを認知できる。具体的に、STRマルチリンク装置の第1ステーションがバックオフ手順を完了した時に、STRマルチリンク装置の第2ステーションがPPDUの受信中であってよい。この時、第2ステーションがPPDUのシグナリングフィールドのデコーディングを完了できなかった場合、第1ステーションはリンク間の送信衝突が起きたことを認知できないが、可能性があると判断できる。この時、第1ステーションは、前述したように、送信するPPDUに、送信が中断され得ることを示す情報を挿入できる。また、NSTRマルチリンク装置は、安定且つ効率的な送信のために、non-STRマルチリンク装置に対する送信前にCTS-to-Selfフレームを送信できる。これについては図21で説明する。
図21には、本発明の実施例によってSTRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に対する送信を行う前にCTS-to-Selfフレームを送信する動作を示す。
STRマルチリンク装置のステーションは、non-STRマルチリンク装置に対する送信前にCTS-to-Selfフレームを送信できる。具体的に、STRマルチリンク装置の第1ステーションが受信を行う間にSTRマルチリンク装置の第2ステーションがnon-STRマルチリンク装置に対する送信を試みる場合、STRマルチリンク装置の第2ステーションは、non-STRマルチリンク装置に対する送信前にCTS-to-Selfフレームを送信できる。これにより、第2ステーションはnon-STRマルチリンク装置に対する送信のためのTXOPを確保することができる。また、第2ステーションは、non-STRマルチリンク装置に対する送信を行う前に、第1ステーションに対する送信が当該non-STRマルチリンク装置から送信されるか否かを判断できる。第2ステーションは、第1ステーションに対する送信が当該non-STRマルチリンク装置から送信されているか否かによって送信の目的ステーションを決定できる。具体的に、第1ステーションに対する送信が当該non-STRマルチリンク装置から送信されない場合に、第2ステーションは、当該non-STRマルチリンク装置に対する送信を行うことができる。第1ステーションに対する送信が当該non-STRマルチリンク装置から送信される場合に、第2ステーションは、当該non-STRマルチリンク装置に含まれていないステーションに対する送信を行うことができる。例えば、第1ステーションがnon-STRマルチリンク装置のステーションに対するSU-PPDU、non-STRマルチリンク装置のステーションに対するデータを含むMU-PPDU、non-STRマルチリンク装置のステーションの送信をトリガーするトリガーフレームを含むPPDUの送信を計画した場合に、第1ステーションは、計画した送信を取消すことができる。この時、第1ステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーション以外のステーションに対するSU-PPDU、non-STRマルチリンク装置のステーションに対するデータを含まないMU-PPDU、non-STRマルチリンク装置のステーションの送信をトリガーしないトリガーフレームを含むPPDUの送信を試みることができる。この時、第1ステーションは、CTS-to-Selfフレームを送信した時からSIFSよりも大きい時間後に送信を始めることができる。具体的に、第1ステーションは、CTS-to-Selfフレームを送信してからPIFS後に送信を始めることができる。CTS-to-Selfフレームを送信したステーションは、CTS-to-Selfフレームを送信した時からSIFS後に送信を始めなければならない。前述した実施例のように、計画された送信を取消し、新しい送信を試みる場合に、新しく送信しようとするMPDUを生成するなど、STRマルチリンク装置のプロセシング時間が必要である。このため、CTS-to-Selfフレームと送信との間の時間間隔に対する規定に対する例外が適用されてよい。このような実施例においては原則として、第2ステーションはCTS-to-Selfによって獲得されたTXOPを超えて送信を行うことができない。
図21で、STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。第2AP(AP2)が受信を行い、第1AP(AP1)がnon-STRマルチリンク装置のステーションに送信を計画するので、第1AP(AP1)は、計画した送信前にCTS-to-Selfフレームを送信する。前述したように、第1AP(AP1)は、第2AP(AP2)が受信するPPDUを送信したステーションに対する判断に基づいて送信の目的ステーションを決定する。また、第1AP(AP1)は、CTS-to-Selfフレームを送信した時からSIFS又はPIFS後に送信を行う。
第2ステーションは、CTS-to-Selfフレームを送信する代わりにRTSフレームを送信し、RTS/CTSフレーム交換手順を始めることができる。これにより、第2ステーションは、CTS-to-Selfフレームを送信することと類似の効果を得ることができる。RTS/CTSフレーム交換の場合、送信の目的ステーションがブラインド状態でない場合にのみ、第2ステーションがTXOPを獲得できる。
図22には、本発明の実施例によってSTRマルチリンク装置に含まれた複数のAPが、一つのnon-STRマルチリンク装置に含まれた複数のステーションに送信を行うことを示す。
一つのnon-STRマルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、同時に受信を行うことができる。複数のステーションが同時に受信することは、比較的小さい干渉しか起こさないためである。図22は、一つのnon-STRマルチリンク装置に含まれた複数のステーションは同時に受信を行うことを示す。この時、STRマルチリンク装置は、non-STRマルチリンク装置の安定した動作のために、STRマルチリンク装置に含まれた複数のAPが、一つのnon-STRマルチリンク装置に含まれた複数のステーションに、送信の終了が同期化した複数の送信を行うことができる。これについては図23で説明する。
図23には、本発明の実施例によってSTRマルチリンク装置に含まれた複数のAPが、一つのnon-STRマルチリンク装置に含まれた複数のステーションに、送信の終了が同期化した複数の送信を行うことを示す。
non-STRリンクにおいて、いずれか一つのリンクでマルチリンク装置が送信を行う時に、マルチリンク装置は、他のリンクで行われる送信のためのチャネルアクセス手順を簡素化できる。具体的に、マルチリンク装置の第1ステーションが第1リンクでバックオフチャネルアクセス手順を完了した時に、STRマルチリンク装置の第2ステーションのリンク内であらかじめ指定された時間区間でチャネルが遊休であると、STRマルチリンク装置の第2ステーションは第2リンクで送信を始めることができる。
具体的な実施例において、STRマルチリンク装置の一つのステーションがnon-STRマルチリンク装置の一つのステーションに対する送信を行う時に、STRマルチリンク装置の他のステーションのチャネルアクセス手順が簡素化し得る。具体的に、STRマルチリンク装置の第1ステーションがnon-STRマルチリンク装置の第1ステーションに対する送信のバックオフチャネルアクセス手順を完了した時に、STRマルチリンク装置の第2ステーションのリンク内であらかじめ指定された時間区間でチャネルが遊休であると、STRマルチリンク装置の第2ステーションは、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションに対する送信を始めることができる。このとき、あらかじめ指定された時間区間はPIFSであってよい。このような動作は、STRマルチリンク装置の第1ステーションと第2ステーションが一つのnon-STRマルチリンク装置に含まれるステーションに送信を行う時に適用されてよい。このような実施例において、第1ステーションと第2ステーションは、あらかじめ指定された時間区間以内の差で送信を始めることができる。あらかじめ指定された時間区間はスロットタイムであってよい。
また、STRマルチリンク装置の第1ステーションと第2ステーションが一つのnon-STRマルチリンク装置に含まれるステーションに送信を行う場合に、第1ステーションと第2ステーションの送信終了は同期化してよい。この時、第1ステーションと第2ステーションの送信終了が同期化することは、第1あらかじめ指定された時間区間内の差で第1ステーションの送信と第2ステーションの送信が終了することを表すことができる。第1あらかじめ指定された時間区間内は、スロット境界内又はシンボル境界内を表すことができる。
同期化した送信終了を受信したnon-STRマルチリンク装置の複数のステーションは、同時に、続く送信、例えば、応答を送信できる。この時、応答は、ACKを含むことができる。従来の無線LANでは受信後に続く送信は、受信からSIFS後に送信される。ただし、若干の時差をおいて終了した複数の送信に対して、若干の時差をおいて、続く送信を送信することが、同時に、続く送信を送信するこら比べて具現を複雑にさせることがある。したがって、前述したように、同期化した送信終了を受信したnon-STRマルチリンク装置の複数のステーションは、同時に、続く送信を送信できる。この時、送信終了が同期化した複数の送信のうち少なくともいずれか一つに続く送信と送信との間隔は、SIFSと、あらかじめ指定された時間区間内の時間との和であってよい。具体的に、送信終了が同期化した複数の送信のうち、先に終了した送信に続く送信は、送信からSIFSとあらかじめ指定された時間区間内の時間が合算された間隔で送信されてよい。この時、あらかじめ指定された時間区間は、スロットタイム又はシンボル長のうち一つであってよい。また、あらかじめ指定時間区間内の差は、送信終了が同期化した複数の送信のうち、最後に終了した送信の終了と、送信終了が同期化した複数の送信のうち先に終了した送信との差であってよい。
さらに他の具体的な実施例において、第1あらかじめ指定された時間区間内の時間差で複数の送信が終了した場合に、送信を受信した複数のステーションは、同期化した続く送信を送信できる。送信終了が同期化した複数の続く送信は、第2あらかじめ指定された時間区間内の時間差で送信された複数の続く送信を表すことができる。また、第2あらかじめ指定時間区間内の差は、同期化した複数の送信のうち、最後に終了した送信の終了と、送信終了が同期化した複数の送信のうち先に終了した送信との差であってよい。このとき、第2あらかじめ指定された時間区間は、第1あらかじめ指定された時間区間よりも小さくてよい。このように、送信終了が同期化したPPDUをシンク(sync)PPDUと呼ぶことができる。
図23で、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第2AP(AP2)はそれぞれ、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)に対する送信の終了を同期化する。すなわち、第1ステーション(STA1)が送信を終了した後、第2ステーション(STA2)は、第1ステーション(STA1)からあらかじめ指定された時間区間内で送信を終了する。第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)は同時にACKを送信する。この時、第1ステーション(STA1)は、第1ステーション(STA1)に対する送信終了から、SIFSと、第1ステーションに対する送信の終了と第2ステーション(STA2)に対する送信終了との差の後にACKを送信する。
このような実施例は、ACK政策(policy)がNo ACKと設定されていない送信に対して適用されてよい。具体的に、ACK政策が即座応答でない場合にも適用されてよい。具体的な実施例において、マルチリンク装置の複数のステーションが、送信の終了が同期化した送信を受信した場合に、マルチリンク装置の複数のステーションは、ACK要請(request)を同時に受信し、ACK要請に応じて同時にACKを送信できる。No ACK以外の値にACK政策が設定された送信をあらかじめ指定された時間内で受信したマルチリンク装置の複数のステーションは、同時にACKを始めることができる。
non-STRマルチリンク装置が存在する場合に、RTS/CTSフレーム及びCTS-to-Selfフレームを送信してTXOPを設定する動作においてnon-STRマルチリンク装置が考慮される必要がある。これについては図24~図29で説明する。
図24は、本発明の実施例によってマルチリンク装置がRTS/CTSフレームを交換することを示す。
non-STRマルチリンク装置が存在する場合にも、RTS/CTSフレーム交換手順は、既存無線LANで定義する手順に従うことができる。RTS/CTSフレームは、他のリンクで動作するステーションのNAVを設定するのに用いられてよい。具体的に、RTS/CTSフレームを受信したステーションは、当該ステーションが動作するリンク以外の他のリンクで動作し、当該ステーションが含まれたマルチリンク装置に含まれた他のステーションに伝達することができる。
ただし、前述した実施例におけるように、non-STRマルチリンク装置が存在する場合に、チャネルアクセス又は送信が制限されてよい。このため、図24のようにRTS/CTSを送信できないことがある。すなわち、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションに対する送信を計画するステーションは、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションが受信を実行中である場合に、RTS/CTSフレーム交換を試みなくてよい。
図24で、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)にRTSフレームを送信する時に、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される。第2AP(AP2)は、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止されると判断できる。このため、第2AP(AP2)は第2ステーション(STA2)とのRTS/CTSフレーム交換を試みない。このような実施例において隠しノード(hidden node)問題が発生し得る。これについては図25で説明する。
図25には、図24で説明した実施例に係るRTS/CTSフレーム交換手順において発生する隠しノード問題を示す。
non-STRマルチリンク装置のステーションに送信するステーションは、前述したように、CTS/RTS交換をできずに送信を行うことがある。この時、他のステーションにTXOPが設定されないため、他のステーションが送信を試み、non-STRマルチリンク装置のステーションが送信受信に失敗することがある。図25の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)の第1ステーション(STA1)に対する送信によって、第2AP(AP2)は送信前にRTSフレームを送信できなかった。したがって、第2AP(AP2)の送信のためのTXOPが、第2リンク(Link2)で動作するステーションに設定されない。このため、第2AP(AP2)が第2ステーション(STA2)に対する送信を行う時に、他のBSSのステーション(OBSS STA)が第2リンク(Link2)で送信を行う。これによって第2ステーション(STA2)は第2AP(AP2)の送信を受信することに失敗する。このような隠しノード問題を解決するために次のような実施例が適用されてよい。
具体的な実施例において、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが受信を実行中である場合に、ステーションは、non-STRマルチリンク装置のいかなるステーションにも送信を行うことが許容されなくてよい。さらに他の具体的な実施例において、ステーションがnon-STRマルチリンク装置の第1ステーションに送信する時に、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションが受信実行中であると、ステーションは、第2ステーションに対する送信と同時に送信を行ってよい。ステーションがnon-STRマルチリンク装置の第1ステーションに送信する時に、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションが受信実行中であると、ステーションは、第1ステーションに対する送信終了を第2ステーションに対する送信の終了と同期化してよい。具体的に、ステーションがnon-STRマルチリンク装置の第1ステーションに送信する時に、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションが受信実行中であると、ステーションは、第1ステーションに対する送信を第2ステーションに対する送信と同時に終了してよい。このような実施例において、第2ステーションに対する送信は、ステーションを含むマルチリンク装置の他のステーションによって行われてよい。
図26には、本発明の実施例によってマルチリンク装置がRTS/CTSフレームを交換することを示す。
本発明のさらに他の実施例において、マルチリンク装置の第1ステーションがnon-STRマルチリンク装置の第3ステーションに送信を継続している中に、マルチリンク装置の第2ステーションがnon-STRマルチリンク装置の第4ステーションにRTSフレームを送信しようとする場合、第1ステーションは、第4ステーションがRTSフレームを送信しようとする時点前に第3ステーションに対する送信を終了してよい。これにより、第4ステーションは第2ステーションにCTSフレームを送信することができる。したがって、第2ステーションと第4ステーション間のフレーム交換のためのTXOP仮設定ができる。ただし、第1ステーションにとって、第4ステーションがRTSフレームを送信しようとする時点前に送信を終了することが具現し難いことがあり得る。
本発明のさらに他の実施例において、マルチリンク装置の第1ステーションがnon-STRマルチリンク装置の第3ステーションに送信を継続する中に、マルチリンク装置の第2ステーションがnon-STRマルチリンク装置の第4ステーションにRTSフレームを送信しようとする場合、第2ステーションは、第1ステーションの第3ステーションに対する送信終了時点に合わせて第4ステーションにRTSフレームを送信できる。そのために、第2ステーションはRTSフレームにパディングを挿入できる。このとき、RTSフレームは、送信長を柔軟に調節できるRTSフレームフォーマットであってよい。説明の便宜のために、このようなRTSフレームフォーマットをML(multilink)-RTSフレームと呼ぶ。ML-RTSフレームは、パディングのためのパッドフィールドを含むことができる。例えば、ML-RTSフレームのフォーマットは、図26に記載のRTSフレームフォーマットと同一であってよい。また、第1ステーションは、RTSフレームと送信終了時点を合わせるために、第3ステーションに対する送信にパディングを挿入できる。
図26の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第2AP(AP2)は、第1AP(AP1)の第1ステーション(STA1)に対する送信終了時点に合わせて第2STA(STA2)にML-RTSフレームを送信する。その後、第1ステーション(STA1)は第1AP(AP1)にACKを送信する時に、第2ステーション(STA2)は第2AP(AP2)にACKを送信する。これにより、第2リンクのチャネルで動作するステーションに、第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)間のフレーム交換のためのTXOPが設定される。
さらに他の具体的な実施例において、RTS/CTSフレームの代わりにNAVを設定する他のフレームが交換されてよい。前述した実施例において、RTSフレームの代わりにACK要請フレームが送信されてよい。ACK要請フレームは、送信終了時点と関連したデューレーション情報を含むことができる。また、ACK要請に対応して送信されるACKを含むフレームも、デューレーション情報を含むことができる。このとき、ACKを含むフレームのデューレーション情報は、ACK要請フレームのデューレーション情報によって設定されてよい。
前述した実施例は、RTS/CTSフレーム交換のためのものと説明されたが、RTS/CTSフレーム以外の制御(control)フレーム交換のためにも用いられてよい。このとき、制御フレーム交換は、PS-Pollフレーム及びPS-Pollに対する応答フレームの交換を含むことができる。
図27には、本発明の一実施例によってマルチリンク装置が、チャネルアクセスが禁止された場合にも例外的に制御フレームに対する応答を送信することを示す。
前述した実施例で説明したように、non-STRマルチリンク装置が存在する場合に、一部のステーションのチャネルアクセスが禁止されてよい。ステーションのチャネルアクセスが禁止されても、ステーションは制御フレームに対する応答を送信できる。具体的に、ステーションのチャネルアクセスが禁止されても、ステーションはRTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信できる。
このように、チャネルアクセス禁止の例外として制御フレームに対する応答が送信される場合に、次のような実施例が適用されてよい。第1ステーションがチャネルアクセス禁止の例外として制御フレームに対する応答を送信する。第1ステーションが制御フレームに対する応答を送信する時に、第3ステーションは、第1ステーションが含まれたマルチリンク装置に含まれた第2ステーションに送信を行う。このような場合、第3ステーションは、第1ステーションに対する再送信を行うことができる。第3ステーションは、第2ステーションに対する送信が失敗すると予想できるわけである。
図27の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP)は、第1ステーション(STA1)に対する送信を行う。第2AP(AP2)は、第2ステーション(STA2)にRTSフレームを送信する。第1ステーション(STA1)が受信を行うので、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される。ただし、第2ステーション(STA2)は、チャネルアクセス禁止の例外として第2AP(AP2)にCTSフレームを送信する。第1AP(AP1)は、第2ステーション(STA2)のCTSフレーム送信によって第1AP(AP1)の送信に失敗する可能性が高いと判断できる。したがって、第1AP(AP1)は第1ステーション(STA1)に再送信を行う。再送信方法については図28でより詳細に説明する。
図28には、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を再送信することを示す。
図27で説明した再送信において最初の送信に含まれたパケットのうち一部のみが再送信されてよい。具体的に、再送信を行うステーションは、最初の送信に含まれたパケットのうち一部のみを再送信できる。再送信を行うステーションは、再送信を行うステーションがCTSフレームを受信した時間区間に基づいて、最初の送信に含まれたパケットのうち一部を再送信するパケットと決定できる。具体的に、再送信を行うステーションは、最初の送信に含まれたパケットのうち、再送信を行うステーションがCTSフレームを受信した時間区間を含む時間区間に送信されたパケットを、再送信するパケットと決定できる。この時、再送信を行うステーションは、伝搬遅延(propagation delay)に基づいて再送信を行うステーションCTSフレームを受信した時間区間を含む時間区間で送信されたパケットを再送信できる。さらに他の具体的な実施例において、再送信を行うステーションは、最初の送信に含まれた全てのパケットを再送信できる。
また、再送信を行うステーションは、送信に対するACKを受信する前に再送信を行うことができる。この時、再送信を行うステーションは、再送信を行った後、最初の送信及び再送信に対する受信の有無を示すBlock ACKを受信することができる。そのために、再送信を行うステーションは、最初の送信後からSIFS以前に再送信を行うことができる。さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセス禁止の例外として送信された制御フレームによって受信に失敗したステーションは、ACKを送信しないで再送信の受信を待つことができる。
図28の実施例において、第1AP(AP1)は、第2AP(AP2)がCTSフレームを受信する区間と送信ディールレイを考慮して、第4パケットと第5パケットを再送信する。第1AP(AP1)は、再送信後に、再送信の受信有無を含むACKを受信する。
図29には、本発明の実施例によってチャネルアクセスが禁止されたステーションが動作するリンクではなくチャネルアクセスが禁止されていないステーションが動作するリンクで制御フレームが送信されることを示す。
図26で説明した実施例のようにnon-STRマルチリンク装置の複数ステーションに対する送信の終了を同期化してよい。ただし、これは、既に生成したMPDUを調整したり或いは再びMPDUを生成したすることがあり、具現し難い。したがって、マルチリンク装置は、チャネルアクセスが禁止されたステーションが動作するリンクではなくチャネルアクセスが禁止されていないステーションが動作するリンクで制御フレームを送信してよい。具体的に、マルチリンク装置は、non-STRマルチリンク装置のステーションのうちマルチリンク装置から現在受信を実行中であるリンクを通じて制御フレームを送信できる。このとき、制御フレームはRTSフレームであってよい。
図29の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)は、第1ステーション(STA1)に送信を行う。第2AP(AP2)がバックオフ手順に成功しても、第1ステーション(STA1)が第1AP(AP1)から送信された送信を受信中であるため、第2AP(AP2)は第2ステーション(STA2)に対する送信を行うことができない。この時、第2AP(AP2)は第1AP(AP1)に、第2ステーション(STA2)が受信者であるRTSフレームを送信することを要請する。この時、第1AP(AP1)が、第1AP(AP1)が実行中である送信に、第2ステーション(STA2)が受信者であるRTSフレームを含めることができる。さらに他の具体的な実施例において、第1AP(AP1)が、第1AP(AP1)が実行中である送信を終了した後、第1AP(AP1)は第1リンク(Link1)を通じて、当該送信からSIFS後に、第2ステーション(STA2)が受信者であるRTSフレームを送信できる。第1ステーション(STA1)は、第2ステーション(STA2)が受信者であるRTSフレームを受信し、受信したRTSフレームを第2ステーション(STA2)に伝達する。第2ステーション(STA2)はPIFSでCCA行う。PIFSでチャネルが遊休である場合に、第2ステーション(STA2)はCTS-to-Selfフレームを送信する。第1AP(AP1)は、第2ステーション(STA2)がRTSフレームに対する応答を送信すると予想される時間区間で第1ステーション(STA1)に対する送信を中止してよい。また、第2ステーション(STA2)がRTSフレームに対する応答を送信する間に、第1ステーション(STA1)は受信した送信に対するACKを送信できる。さらに他の具体的な実施例において、第2ステーション(STA2)がRTSフレームに対する応答を送信する間に、第1ステーション(STA1)はRTSフレームに対する応答を共に送信できる。図29は説明の理解を助けるためのものであり、RTSフレーム及びCTS-to-Selfフレーム以外の制御フレームの送信にも用いられてよい。また、PIFS以外の他の時間区間が用いられてもよい。
図30は、本発明の実施例によってマルチリンク装置がACKを送信することを示す。
マルチリンク装置のステーションは、no-STRマルチリンク装置のステーションにACKを送信するリンクを要請できる。具体的に、マルチリンク装置のステーションは、送信を行ったリンク以外の他のリンクでACKを送信することを要請できる。図28の実施例において、STRマルチリンク装置の第1AP(AP1)は、non-STRマルチリンク装置の第1ステーション(STA1)に対する送信(Tx(#2))を行う。この時、第1AP(AP1)は、送信(Tx(#2))に対するACKを第2リンク(Link2)で送信することを要請する。これは、第2AP(AP2)の第2ステーション(STA2)に対する送信よりも第1AP(AP1)の送信(Tx(#2))が先に終了し、第1AP(AP1)の送信(Tx(#2))に対するACKを送信し難いと判断したためである。
また、このようなACK送信のためにステーションは、送信に対する即刻応答を送信しないように暗黙的(implicit)BARとACK政策を設定できる。さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、送信に対するACK政策をBlockAckReqと設定できる。ただし、Block ACKを送信するためにはBlockAckReqを送信しなければならず、チャネルアクセス負担と送信遅延が発生し得る。このため、マルチリンク装置のための新しいACK政策が必要である。
マルチリンク装置の一つのステーションは、ステーションが受信した送信に対するACKと、同じマルチリンク装置に含まれた他のステーションが受信した送信に対するACKを共に送信できる。このようなACK送信をML(multilink)-ACKと呼ぶことができる。また、ACK政策としてML-ACKが設定されてよい。図30の実施例において、第1AP(AP1)は送信(Tx(#2))のACK政策をML-ACKと設定する。第1ステーション(STA1)は送信(Tx(#2))を受信した後に、第1AP(AP1)にACKを送信しない。第2ステーション(STA2)は、第2AP(AP2)から送信された送信を受信完了し、第2AP(AP2)に、第1AP(AP1)からの送信に対するACKと第2AP(AP2)からの送信に対するACKを共に送信する。non-STRマルチリンク装置が第1ステーション(STA1)、第2ステーション(STA2)の他に、第3ステーション(STA3)も含み、STRマルチリンク装置が第1AP(AP1)、第2AP(AP2)の他に第3AP(AP3)も含むことができる。このとき、第2AP(AP2)からの第2ステーション(STA2)に対する送信のACK政策もML-ACKと設定されてよい。第3AP(AP3)からの第3ステーション(STA3)に対する送信が第2AP(AP2)からの第2ステーション(STA3)に対する送信よりも遅く完了する場合に、第3ステーション(STA1)は、第1AP(AP1)から第1ステーション(STA1)への送信に対するACK、第2AP(AP2)から第2ステーション(STA2)への送信に対するACK、及び第3AP(AP3)から第3ステーション(STA3)への送信に対するACKを第3AP(AP3)に送信できる。
このような実施例により、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信が同時に完了しなくても、ACK送信によって発生し得るリンク間の干渉を防止することができる。前述した実施例において、ACK政策はML-ACKの代わりにBlockAckと設定されてもよい。さらに他の具体的な実施例において、ACK政策は、ML-ACK代わりにNo Ackと設定されてもよい。
マルチリンク装置がトラフィックを送信を行いながら送信機会を獲得したリンクの個数が増えることがある。このとき、マルチリンク装置は、先に送信機会を獲得したリンクで送信しようとしたトラフィックを、後で信機会を獲得したリンクで送信することがある。この時、マルチリンク装置が先に送信機会を獲得したリンクで設定されたNAVは、トラフィックを送信するために必要なNAVよりも大きく設定されていることがある。マルチリンク装置が先に送信機会を獲得したリンクでトラフィックを送信するために必要なNAVよりも大きく設定された場合に、マルチリンク装置は、先に送信機会を獲得したリンクで送信を完了した後、CF-ENDフレームを送信してNAVをリセットできる。
前述したシンクPPDUの受信及びシンクPPDUの受信に関連したシグナリングに関して図31~図34で説明する。
non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが前述したシンクPPDUを受信するためには、第1ステーションとnon-STR関係である第2ステーションがシンクPPDUを受信し始めるか否かを判断しなければならない。また、第1ステーションは、持続してPD(preamble detection)を行わなければならない。シンクPPDUを受信する第1ステーションがnon-STRマルチリンク装置の他のステーションの受信実行によってチャネルアクセスが禁止されたことを考慮すれば、第1ステーションのこのような動作は不合理であり得る。したがって、第1ステーションは、あらかじめ指定された条件内で節電状態に入ることができる。シンクPPDUは、既存に設定されたTXOP内で送信されてよい。したがって、シンクPPDUを受信することによって得られる性能利得は、残っているTXOPの長さによって決定されてよい。したがって、第1ステーションは、シンクPPDUの長さに基づいて、シンクPPDUの受信をあきらめるか否かを判断できる。第1ステーションがシンクPPDUの受信をあきらめる場合に、第1ステーションは節電状態に進入できる。このような節電動作をinter-link TXOP PS(power save)と称することができる。inter-link TXOP PSで節電状態に進入したステーションは、APから周期的に送信されるフレーム、例えば、ビーコンフレーム、TIMフレーム及びDTIMフレームを受信するために、節電状態から起床することができる。また、TXOPが終了する場合に、例えば、CF-ENDフレームが送信される場合に、inter-link TXOP PSで節電状態に進入したステーションは、節電状態から起床することができる。
前述したTXOPは、PPDUのシグナリングフィールドのlengthフィールド、MACフレームのDurationフィールドで指示される期間に変更されてよい。具体的に、前述した実施例において、ステーションは、lengthフィールド、MACフレームのDurationフィールドで指示される期間に基づいて、PPDUが占有する時間を判断できる。
non-APマルチリンク装置はAPマルチリンク装置に、シンクPPDU受信支援の有無及びシンクPPDU支援条件に関する情報をシグナルすることができる。また、APマルチリンク装置はnon-APマルチリンク装置に、APマルチリンク装置シンクPPDUの送信支援の有無をシグナルすることができる。この時、マルチリンク装置は、マルチリンク装置別にシンクPPDUの支援の有無をシグナルすることができる。例えば、APマルチリンク装置は、APマルチリンク装置別にシンクPPDU送信支援の有無をシグナルすることができる。さらに他の具体的な実施例において、マルチリンク装置は、ステーション別にシンクPPDUの支援の有無をシグナルすることができる。具体的に、APマルチリンク装置は、APマルチリンク装置に含まれたAP別にシンクPPDU送信支援の有無をシグナルすることができる。例えば、第1AP、第2AP及び第3APを含むAPマルチリンク装置は、第1APはシンクPPDU送信を支援し、第2AP及び第3APはシンクPPDU送信を支援しないことを指示できる。
non-APマルチリンク装置と連結(association)されたAPマルチリンク装置がシンクPPDU送信を支援しないことをシグナルする場合に、non-APマルチリンク装置のステーションは、non-APマルチリンク装置の他のステーションが受信を行う中に、前述したinter-link PSの節電状態に進入できる。これは、non-APマルチリンク装置と連結(association)されたAPマルチリンク装置がシンクPPDUを送信できないためである。この時、non-APマルチリンク装置のステーションは、non-APマルチリンク装置の他のステーションが受信するPPDUの長さに基づいて、節電状態を維持する時間の長さを決定できる。
前述したシンクPPDUの送信支援又は受信支援の有無は、ハードウェア性能の他にも運営政策によって決定されてよい。したがって、シンクPPDUの送信支援又は受信支援の有無は、性能に関する情報の他にも動作モード(operating mode)に関する情報によってシグナルされてよい。シンクPPDUの送信支援又は受信支援のシグナリング方法については、図31で具体的に説明する。
図31には、本発明の実施例によってシンクPPDU受信支援又は送信支援に関する情報を指示するエレメントフィールドを示す。
前述したように、シンクPPDU送信支援の有無を示す情報は、ステーションの能力を指示するエレメントに含まれてよい。説明の便宜のために、ステーションの能力を指示するエレメントをCapabilityエレメントと呼ぶ。また、CapabilityエレメントにおいてシンクPPDU送信支援の有無を示す情報のフィールドをSupporting Sync PPDU Txサブフィールドと称する。このとき、Capabilityエレメントは、マルチリンクに関する能力を指示するエレメントであるMulti-Linkエレメントであってよい。また、Capabilityエレメントは、EHT関連能力を指示するエレメントであるEHT Capabilityエレメントであってよい。図31(a)には、Capabilityエレメントの一例を示す。
Supporting Sync PPDU Txサブフィールドの値が1である場合に、Supporting Sync PPDU Txは、Supporting Sync PPDU Txサブフィールドが指示するステーション又はマルチリンク装置がシンクPPDUの送信を支援することを示すことができる。Supporting Sync PPDU Txサブフィールドの値が0である場合に、Supporting Sync PPDU Txは、Supporting Sync PPDU Txサブフィールドが指示するステーション又はマルチリンク装置がシンクPPDUの送信を支援しないことを示すことができる。また、マルチリンク装置に含まれないステーションがCapabilityエレメントを送信する場合に、Supporting Sync PPDU Txサブフィールドは、シンクPPDU送信支援の有無と関連のない情報でない情報をシグナルするか或いはリザーブドフィールドとして用いられてよい。
前述したように、シンクPPDU受信支援の有無を示す情報は、ステーションの動作関連情報を指示するエレメントに含まれてよい。説明の便宜のために、ステーションの動作関連情報を指示するエレメントを、Operationエレメントと称する。また、OperationエレメントにおいてシンクPPDU受信支援の有無を示す情報のフィールドを、Supporting Sync PPDU Rx Disableサブフィールドと称する。図31(b)は、Operationエレメントの一例を示す。Supporting Sync PPDU Rx Disabledサブフィールドの値が1である場合に、シンクPPDUの受信を所望しないことを示すことができる。具体的に、Supporting Sync PPDU Rx Disabledサブフィールドの値が1である場合に、Supporting Sync PPDU Rx Disabledサブフィールドは、Supporting Sync PPDU Rx Disabledサブフィールドを送信するステーションが、シンクPPDUの受信待機を所望しないことを示すことができる。Supporting Sync PPDU Rx Disabledサブフィールドの値を1に設定したマルチリンク装置は、マルチリンク装置の第1ステーションが受信を実行中に、マルチリンク装置の第2ステーションがPD及びCCAを行わなくてよい。Supporting Sync PPDU Rx Disabledサブフィールドを送信したマルチリンク装置と連結されたAPマルチリンク装置は、Supporting Sync PPDU Rx Disabledサブフィールドを送信したマルチリンク装置の複数ステーションに同時にPPDUを送信しない。PPDUは、non-HT PPDU、HT PPDU、VHT PPDU、HE PPDU及びEHT PPDUフォーマットのいずれか一つで送信されるSU PPDU、Full BW MU PPDU、OFDMA MU PPDUであってよい。この時、APマルチリンク装置は、応答、例えば、即刻応答を要請するフレームを送信してはならない。応答を要請するフレームは、RTS、MU-RTS(Multi-User RTS)、トリガーフレーム、BAR(Block Ack Request)のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
また、Operationエレメントは、Operationエレメントを送信したステーション又はマルチリンク装置が受信できるシンクPPDUの最小長と関連した情報を含むことができる。このとき、シンクPPDUの最小長さと関連した情報を指示するサブフィールドを、Remaining TXOP Thresholdサブフィールドと称する。Remaining TXOP Thresholdサブフィールドは時間を指示できる。また、Remaining TXOP Thresholdサブフィールドは、us、ms又はシンボル単位で指示できる。Remaining TXOP Thresholdサブフィールドを送信したマルチリンク装置と連結されたマルチリンク装置は、Remaining TXOP Thresholdサブフィールドが指示する長さよりも短いシンクPPDUを、Remaining TXOP Thresholdサブフィールドを送信したマルチリンク装置又はステーションに送信することが許容されなくてよい。
また、Remaining TXOP Thresholdサブフィールドがあらかじめ指定された値に設定された場合に、Remaining TXOP Thresholdサブフィールドを送信したマルチリンク装置又はステーションがシンクPPDUの受信を支援しないことを示すことができる。あらかじめ指定された値は、Remaining TXOP Thresholdサブフィールドが示し得る最大時間よりも大きい時間を示す値であってよい。さらに他の具体的な実施例において、あらかじめ指定された値は0であってよい。このような実施例が適用される場合に、OperationエレメントにおいてSync PPDU Rx Disableサブフィールドは省略されてよい。
また、前述した実施例においてSync PPDU Rx Disableサブフィールド及びRemaining TXOP ThresholdサブフィールドがOperationエレメントによってシグナルされ得ることを説明した。Sync PPDU Rx Disableサブフィールド及びRemaining TXOP Thresholdサブフィールドが、Operationエレメント以外のエレメント又はシグナリング情報によってシグナルされてよい。図32~図34で、図31で説明したシグナリングによってリンク間TXOP節電モードが行われる実施例を説明する。
図32には、本発明の実施例によってnon-STRマルチリンク装置がリンク間TXOP節電モード動作を行うことを示す。
non-STRマルチリンク装置がシンクPPDU受信を支援しないことをシグナルした場合に、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが受信を実行中に、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションは節電状態に進入できる。この時、第2ステーションは、第1ステーションの受信するPPDUが指示するTXOPの終了時点まで節電状態を維持できる。前述したように、第2ステーションは、APから周期的に送信されるフレーム受信が予測される時点が、第1ステーションの受信するPPDUが指示するTXOPの終了時点前の場合であってよい。この時、第2ステーションは、第1ステーションの受信するPPDUが指示するTXOPの終了時点前に節電状態から起床することができる。前述したように、APから周期的に送信されるフレームは、ビーコンフレーム、TIMフレーム及びDTIMフレームのうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
第2ステーションは、第1ステーションの受信するPPDUが指示するTXOPの終了時点後にも節電状態を維持できる。具体的に、第2ステーションは、第2ステーションが連結されたAPから受信した情報に基づいて、第1ステーションの受信するPPDUが指示するTXOPの終了時点後にも節電状態を維持するか否かを判断できる。この時、第2ステーションが連結されたAPから受信した情報は、NAV関連情報であってよい。また、第2ステーションが連結されたAPから受信した情報は、第1ステーションが連結されたAPの動作情報であってよい。non-APマルチリンク装置の第2ステーションに送信を実行中であるAPマルチリンク装置の第2APが設定したNAVが満了していない場合に、APマルチリンク装置の第1APはシンクPPDUの受信を所望しないことをシグナリングしたnon-APマルチリンク装置の第1ステーションに、第1APの送信又は受信の予想終了時点及びNAVの満了予定時点に関する情報を送信することができる。non-APマルチリンク装置の第2ステーションに送信を実行中であるAPマルチリンク装置の第2APが設定したNAVが満了していない場合は、第2APがいずれか一つのステーションからPPDUを送信又は受信することを含むことができる。non-APマルチリンク装置の第2ステーションに送信を実行中であるAPマルチリンク装置の第2APが設定したNAVが満了していない場合は、第2ステーションが送信しなかったPPDUによって第2APにNAVが設定されたことを含むことができる。
図32の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、シンクPPDUの受信を所望しないことをシグナルする。第1AP(AP1)は、第1ステーション(STA1)に送信を行う。このとき、第2ステーション(STA2)は、第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)に送信したPPDUが指示するTXOPの終了時点まで節電状態を維持する。
図33には、本発明の実施例によってnon-STRマルチリンク装置のステーションがシンクPPDU受信待機において節電状態に進入することを示す。
non-STRマルチリンク装置の第1ステーションは、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが受信中であるPPDUが指示したTXOPの残ったデューレーションが、non-STRマルチリンク装置の送信したRemaining TXOP Thresholdサブフィールドが指示する長さと同一である又は短い場合に、inter-link TXOPの節電状態に進入できる。この時、節電状態に進入する前に、すなわち第1ステーションが受信中であるPPDUが指示したTXOPの残ったデューレーションが、non-STRマルチリンク装置が送信したRemaining TXOP Thresholdサブフィールドが指示する長さよりも大きい場合に、第2ステーションが、第2ステーションに送信されたシンクPPDUを受信することができる。この時、第2ステーションはシンクPPDUを受信することができる。そのために、第2ステーションはPDを行い、受信したPPDUの意図した受信者が第2ステーションであるか否かを判断できる。具体的に、第2ステーションは、PPDUのシグナリングフィールドが指示するAID又はPPDUに含まれたMACフレームのRAが第2ステーションを指示するか否かを判断できる。
図33の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、シンクPPDUの受信を所望することをシグナルする。この時、non-STR non-APマルチリンク装置は、シンクPPDU受信に必要な最小TXOPの長さ、「a」を共にシグナルする。第1AP(AP1)は第1ステーション(STA1)に送信を行い、第2ステーション(STA2)はシンクPPDUの受信を待つ。第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)に送信したPPDUのTXOPが「a」と同一である又は短い時に、第2ステーション(STA2)はinter-link TXOP節電状態に進入する。
図34には、本発明のさらに他の実施例によってnon-STRマルチリンク装置のステーションがシンクPPDU受信待機において節電状態に進入することを示す。
non-STRマルチリンク装置のステーションがシンクPPDUを受信を待機する中に、non-STRマルチリンク装置のステーションと連結されたAPが運営するBSSからシンクPPDU以外のPPDUの送信を感知した場合に、non-STRマルチリンク装置のステーションはinter-link TXOP節電状態に進入できる。このとき、ステーションは、ステーションが意図した受信者でないPPDUをシンクPPDUでないと判断できる。また、ステーションは、ステーションのシグナルした最小TXOPが残っていても、non-STRマルチリンク装置のステーションと連結されたAPが運営するBSSからシンクPPDUでないPPDUの送信を感知した場合に、non-STRマルチリンク装置のステーションはinter-link TXOP節電状態に進入できる。
図34の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、シンクPPDUの受信を所望することをシグナルする。この時、non-STR non-APマルチリンク装置は、シンクPPDU受信に必要な最小TXOPの長さ、「a」を共にシグナルする。第1AP(AP1)は第1ステーション(STA1)に送信を行い、第2ステーション(STA2)はシンクPPDUの受信を待つ。第2ステーション(STA2)は、第2ステーションの属したBSSからシンクPPDUでないPPDUが送信されることを感知する。第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)に送信したPPDUのTXOPが「a」よりも大きいが、第2ステーション(STA2)はinter-link TXOP節電状態に進入する。
上記のように無線LAN通信を取り上げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、セルラー通信などの他の通信システムでも同一に適用されてよい。また、本発明の方法、装置及びシステムは特定実施例と関連して説明されたが、本発明の構成要素、動作の一部又は全部は、汎用ハードウェアアーキテクチャーを有するコンピュータシステムを用いて具現されてよい。
以上、実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれるものであり、必ずしも一つの実施例に限定されない。なお、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組合せ又は変形されて実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関係する内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
以上では実施例を中心に説明したが、これは単に例示に過ぎず、本発明を限定するものでなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で、以上に例示されていない様々な変形と応用が可能であることが理解できよう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に関係する差異点は、添付する特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。