JP7456257B2 - 押出成形用ダイ - Google Patents

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Description

本発明は、押出成形用ダイに関する。
熱可塑性樹脂で形成されるシートを製造するための装置として、樹脂を成形するダイを備える押出成形装置が知られている。押出成形装置において、ダイは、一対のリップを備える。溶融した樹脂が一対のリップの間から吐出されることによって、樹脂がシート状に成形される。特許文献1には押出成形装置の一例が記載されている。特許文献1においては、各層の厚みを制御するために、ダイに可撓性リップとダイボルトが設けられている。ダイボルトが可撓性リップを流路に向かって押し引きすることによって、各層の厚みが調整される。
しかし、特許文献1のダイにおいては、流路が延びる方向とは異なる方向にダイボルトが突出する。このため、流路の形状によっては、ダイボルトが他の流路又はダイの周辺に配置される装置に干渉することがある。すなわち、ダイボルトの配置が困難であることがある。これに対して、特許文献2には、流路に沿った調整ボルトによって押し引きされる梁状ブロックを備えたダイが記載されている。
特開2000-343582号公報 特開平10-217310号公報
しかし、特許文献2のダイにおいては、梁状ブロックを押し引きした量に対する流路の短手方向の幅の変化量が不安定である。このため、流路の短手方向の幅の調整精度を向上させることが難しい。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、溶融樹脂が通る流路の短手方向の幅を高い精度で調整できる押出成形用ダイを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の押出成形用ダイは、空洞と溶融樹脂が流れる流路の一部である調整流路とを隔てる壁部、及び前記壁部から前記空洞側に突出する凸部を備えるダイ本体と、前記空洞に配置されるスライドブロックと、前記スライドブロックに接続され且つ前記スライドブロックを移動させる調整装置と、を備え、前記凸部は、前記壁部の前記調整流路に面する内壁に対して傾斜する第1傾斜面を備え、前記スライドブロックは、前記第1傾斜面に沿い且つ前記第1傾斜面に接する第2傾斜面を備える。
これにより、第1調整装置を操作することによって、スライドブロックの移動に伴って第2傾斜面が第1傾斜面を押す。壁部が調整流路側に向かって突出するように弾性変形する。壁部が調整流路側に移動することによって、調整流路の短手方向の幅が小さくなる。このように、調整流路の短手方向の幅の調整が可能である。さらに、第2傾斜面が第1傾斜面を押す構造によって、スライドブロックの移動量に対する調整流路の短手方向の幅の変化量が安定する。したがって、本開示の押出成形用ダイは、溶融樹脂が通る流路の短手方向の幅を高い精度で調整できる。
本開示の押出成形用ダイの一態様として、前記調整流路の長手方向に沿って配置される複数の前記スライドブロックを備え、前記調整流路の長手方向に沿って配置される複数の前記調整装置を備え、前記調整装置の前記調整流路の長手方向における位置は、前記スライドブロックの前記調整流路の長手方向における位置と一対一で対応していることが望ましい。
これにより、調整流路の長手方向の複数箇所において、調整流路の短手方向の幅を調整できる。したがって、押出成形用ダイは、複数箇所において、流路の短手方向の幅を高い精度で調整できる。本開示の押出成形用ダイは、各層の厚み精度をより向上させることができる。
本開示の押出成形用ダイの一態様として、前記調整流路の短手方向における前記壁部の幅は、前記調整流路の短手方向の幅の2倍以上4倍以下であることが望ましい。
壁部の幅が調整流路の幅の2倍以上であることによって、壁部は、スライドブロックによって押された場合でも破損が生じない程度の強度を有することができる。壁部の幅が調整流路の幅の4倍以下であることによって、壁部は、スライドブロックによって押された場合に変形しやすい。したがって、本開示の押出成形用ダイは、壁部の強度と壁部の変形しやすさを両立させることができる。
本開示の押出成形用ダイの一態様として、前記第1傾斜面が前記内壁に対してなす角度の正接は、1/20以上1/5以下であることが望ましい。
第1傾斜面が内壁に対してなす角度の正接が1/5以下であることによって、壁部の変形量の微調整が容易になる。第1傾斜面が内壁に対してなす角度の正接が1/20以上であることによって、第1調整装置の操作量あたりの壁部の変形量が大きくなる。したがって、本開示の押出成形用ダイは、流路の短手方向の幅を高い精度で調整でき且つ調整時間を短縮できる。
本開示の押出成形用ダイの一態様として、前記スライドブロックの移動方向は、前記調整流路における溶融樹脂の流れ方向と平行であることが望ましい。
これにより、スライドブロックの移動方向が溶融樹脂の流れ方向と交差する場合と比較して、第1調整装置を調整流路に沿うように配置することができる。このため、第1調整装置の配置が容易になる。スライドブロックの移動方向が調整流路における溶融樹脂の流れ方向と平行である構造は、特に、多層のシートを成形するために複数の流路を有するダイに有用である。また、スライドブロックの移動方向が溶融樹脂の流れ方向と交差する場合と比較して、第1調整装置を操作するための力が低減される。すなわち、本開示の押出成形用ダイによれば、より小さい力で第1調整装置を操作できるようになる。
本開示の押出成形用ダイの一態様として、前記凸部が前記スライドブロックに押されることによる前記壁部の前記調整流路側への移動量は、前記調整流路の短手方向の幅の0.2倍以下であることが望ましい。
これにより、壁部の過剰な変形が抑制される。本開示の押出成形用ダイは、壁部に塑性変形が生じることを抑制できる。
本開示の押出成形用ダイの一態様として、前記調整流路の長手方向の幅は、一定であることが望ましい。
これにより、本開示の押出成形用ダイは、流路のうち長手方向の幅が一定である部分において、短手方向の幅を調整できる。本開示の押出成形用ダイによれば、成形されるシートの各層の厚み又は全体の厚みが調整しやすくなる。
本開示の押出成形用ダイの一態様として、前記スライドブロックと接続され且つ一部が前記ダイ本体の外部に配置される標識部材を備えることが望ましい。
これにより、スライドブロックがダイ本体から見えない場合であっても、標識部材の位置に基づいて、スライドブロックの位置を特定することが可能となる。スライドブロックの位置精度を、より向上させることができる。したがって、本開示の押出成形用ダイは、溶融樹脂が通る流路の短手方向の幅をより高い精度で調整できる。
本開示の押出成形用ダイの一態様として、前記標識部材は、前記スライドブロックの移動方向と平行な方向又は前記スライドブロックの移動方向に対して垂直な方向に延びていることが望ましい。
標識部材をスライドブロックと接続するために貫通孔が必要である。また、標識部材はスライドブロックと共に移動するので、貫通孔は、標識部材と干渉しない程度の大きさを有する必要がある。これに対して、スライドブロックの移動方向と平行な方向又はスライドブロックの移動方向に対して垂直な方向に標識部材が延びることによって、貫通孔が小さくても標識部材と干渉しにくくなる。したがって、本開示の押出成形用ダイは、標識部材を通す貫通孔を小さくできるので、より容易に製造できる。
本開示の押出成形用ダイの一態様として、前記調整流路は、上流部と、下流部と、前記上流部と前記下流部の間に配置され且つ前記調整流路の短手方向から見た場合に前記凸部に重なる前記中間部と、を備え、前記調整流路の短手方向において、前記中間部の幅は、前記上流部の幅及び前記下流部の幅よりも小さいことが望ましい。
スライドブロックを移動させるために調整装置が操作されるが、調整装置の操作できる量には限界がある。このため、調整装置の操作量当たりの調整流路の短手方向の幅の変化量が大きい方が望ましい。その一方で、調整流路の短手方向の幅を全長に亘って小さくすると、溶融樹脂を流路に流すために必要な圧力が増加する。これに対して、本開示の押出成形用ダイにおいては、凸部に近い中間部が、上流部及び下流部よりも狭くなっている。これにより、調整装置の操作量当たりの調整流路の短手方向の幅の変化量が大きくなる。その結果、調整流路における溶融樹脂の流量について、調整できる範囲が広くなる。さらに、中間部の両側に上流部及び下流部が配置されていることによって、溶融樹脂を流路に流すために必要な圧力の増加を抑制できる。したがって、本開示の押出成形用ダイは、溶融樹脂の流量の調整範囲を広くでき、且つ溶融樹脂を流すために必要な圧力の増加を抑制できる。
本発明によれば、溶融樹脂が通る流路の短手方向の幅を高い精度で調整できる。
図1は、本実施形態の押出成形用ダイの断面図である。 図2は、本実施形態のスライドブロックを拡大した断面図である。 図3は、本実施形態の押出成形用ダイの左側面図である。 図4は、第1変形例の押出成形用ダイの断面図である。 図5は、第4変形例の押出成形用ダイの断面図である。 図6は、第5変形例の調整流路を拡大した断面図である。 図7は、図6のA-A断面図である。 図8は、第6変形例の調整流路を拡大した断面図である。 図9は、図8のB-B断面図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本実施形態の押出成形用ダイの断面図である。図2は、本実施形態のスライドブロックを拡大した断面図である。図3は、本実施形態の押出成形用ダイの左側面図である。
押出成形用ダイ20は、溶融樹脂をシート状に成形する装置である。押出成形用ダイ20の上側に、押出機から溶融樹脂が供給される。押出機は、ペレット状の樹脂を溶融して押し出す装置である。溶融樹脂は、押出成形用ダイ20の内部を下側に移動し、押出成形用ダイ20の下端部から吐出される。
押出成形用ダイ20は、多層のシートを作成する装置である。多層のシートとは、複数種類の樹脂の層で形成されたシートである。図1に示すように、押出成形用ダイ20は、ダイ本体21と、第1リップ31と、第2リップ32と、スライドブロック40と、第1調整装置50と、ストッパ55と、第2調整装置60と、を備える。
図1に示すように、ダイ本体21は、第1流路23と、第2流路33と、空洞25と、壁部27と、凸部29と、を備える。第1流路23及び第2流路33は、溶融樹脂が流れる孔である。ダイ本体21は、3つの第1流路23を備える。それぞれの第1流路23には、異なる種類の溶融樹脂が供給される。第1流路23は、導入流路23aと、マニホールド23bと、調整流路23cと、を備える。導入流路23aは、上下方向に延びる孔又はスリット状である。マニホールド23bは、導入流路23aの下流端部と繋がっている。マニホールド23bは、水平方向に延びる。導入流路23aを流れる溶融樹脂は、マニホールド23bに至ると水平方向に向かって拡がる。調整流路23cは、マニホールド23bの下流端部と繋がっている。調整流路23cの長手方向(図1の紙面に対する直交方向)の幅は、一定である。
図1に示すように、第2流路33は、複数の第1流路23の下流に配置される。複数の第1流路23を通過した溶融樹脂が、第2流路33で合流する。第2流路33の下流端部には、開口部である吐出口35が設けられる。第2流路33を通過した溶融樹脂は、吐出口35から下側に向かって吐出される。吐出口35の長手方向は、調整流路23cの長手方向と平行である。吐出口35の短手方向は、調整流路23cの短手方向に対して直交している。
以下の説明においては、XYZ直交座標軸が用いられる。X軸は、吐出口35の短手方向と平行である。Y軸は、吐出口35の長手方向と平行である。Z軸は、吐出口35における溶融樹脂の吐出方向と平行である。X軸と平行な方向は、X方向と記載される。Y軸と平行な方向は、Y方向と記載される。Z軸と平行な方向は、Z方向と記載される。図1に示すように正面から押出成形用ダイ20を見た場合の右方向を、+X方向とする。溶融樹脂の吐出方向(第2流路33における溶融樹脂の流れ方向)を+Z方向とする。-Z方向を上として+X方向を向いた場合の左方向を+Y方向とする。
図1に示すように、空洞25は、調整流路23cの隣りに配置される。ダイ本体21は、複数の空洞25を備える。図1に示すように、XZ平面でダイ本体21を切った1つの断面において、3つの空洞25が配置される。また、複数の空洞25は、それぞれY方向に沿って貫通したひと繋ぎの空洞25である。貫通したひと繋ぎの空洞25内に、スライドブロック40が、Y方向に沿って等間隔に配置される。
壁部27は、空洞25と調整流路23cとの間に配置される。壁部27は、空洞25と調整流路23cとを隔てる。壁部27は、調整流路23cに面する内壁271を備える。内壁271は、XY平面と平行な平面状である。図2に示すように、壁部のZ方向の幅W2は、調整流路23cのZ方向の幅W1よりも大きい。幅W2は、幅W1の2倍以上4倍以下であることが望ましい。幅W1は、例えば1mmである。幅W2は、例えば2mm以上4mm以下である。
図2に示すように、凸部29は、壁部27から空洞25側に突出する。凸部29は、壁部27の内壁271に対して傾斜する第1傾斜面291を備える。第1傾斜面291は、調整流路23cの下流側に向かうにしたがって調整流路23cから離れるように傾斜している。或いは、第1傾斜面291は、調整流路23cの下流側に向かうにしたがって調整流路23cに近付くように傾斜していてもよい。第1傾斜面291は、内壁271に対して角度θ1をなす。角度θ1の正接(tanθ1)は、1/20以上1/5以下であることが望ましい。
図1に示すように、第1リップ31は、ダイ本体21の+Z方向の端部に配置される。第2リップ32は、ダイ本体21の+Z方向の端部に配置される。第2リップ32は、吐出口35を挟んで第1リップ31に面する。X方向に隣接する第1リップ31及び第2リップ32が、吐出口35を形成している。吐出口35のX方向の幅であるリップギャップは、第1リップ31及び第2リップ32の相対的な位置によって変化する。
図1に示すように、スライドブロック40は、空洞25に配置される。図3に示すように、押出成形用ダイ20は、複数のスライドブロック40を備える。複数のスライドブロック40は、Y方向に沿って等間隔に配置される。スライドブロック40は、複数の空洞25のそれぞれに配置される。
図2に示すように、スライドブロック40は、第2傾斜面41を備える。第2傾斜面41は、第1傾斜面291に沿う平面である。第2傾斜面41は、第1傾斜面291に接する。第2傾斜面41は、調整流路23cの下流側に向かうにしたがって調整流路23cから離れるように傾斜している。或いは、第2傾斜面41は、調整流路23cの下流側に向かうにしたがって調整流路23cに近付くように傾斜していてもよい。第2傾斜面41は、内壁271に対して角度θ2をなす。角度θ2の正接(tanθ2)は、1/20以上1/5以下であることが望ましい。本実施形態において、角度θ2は、角度θ1と等しい。
図1に示すように、第1調整装置50は、スライドブロック40を移動させるための装置である。第1調整装置50は、調整ボルトである。第1調整装置50は、ダイ本体21に設けられる。第1調整装置50の一部(可動部)は、ダイ本体21に対してX方向に移動できる。第1調整装置50の一端は、ダイ本体21から突出している。第1調整装置50の他端は、スライドブロック40に取り付けられる。スライドブロック40は、第1調整装置50のうちダイ本体21に対して移動可能な可動部に取り付けられる。第1調整装置50の一端が回転させられると、他端がX方向に移動する。これにより、スライドブロック40がX方向に移動する。スライドブロック40の移動方向は、調整流路23cにおける溶融樹脂の流れ方向と平行である。第1調整装置50は、ヒータを備えることが望ましい。ヒータによって第1調整装置50を伸縮させることが可能となる。第1調整装置50がヒータを備えることによって、スライドブロック40の位置の微調整が容易となる。
押出成形用ダイ20が成形する多層のシートの各層の厚さを調整する場合、調整流路23cのZ方向の幅を調整する。調整流路23cのZ方向の幅を調整する時、第1調整装置50が回転させられる。第1調整装置50が回転すると、スライドブロック40がX方向に移動する。スライドブロック40が調整流路23cの下流側に移動すると、第2傾斜面41が凸部29の第1傾斜面291を押す。これにより、凸部29が調整流路23c側に向かって移動するので、壁部27が調整流路23c側に向かって突出するように弾性変形する。壁部27が調整流路23c側に移動する。調整流路23cのZ方向の幅が小さくなる。その結果、多層のシートの各層の厚さが小さくなる。凸部29がスライドブロック40に押されることによる壁部27の調整流路23c側への移動量は、調整流路23cのZ方向の幅W1の0.2倍以下であることが望ましい。壁部27の調整流路23c側への移動量は、例えば0.13mm以下である。壁部27の調整流路23c側への移動量の最大値は、ストッパ55によって規定される。
第1調整装置50を逆回転させると、スライドブロック40が調整流路23cの上流側に移動する。これにより、凸部29がスライドブロック40側に向かって移動する。壁部27の変形は元に戻る。調整流路23cのZ方向の幅が大きくなる。その結果、多層のシートの各層の厚さが大きくなる。
図3に示すように、押出成形用ダイ20は、複数の第1調整装置50を備える。複数の第1調整装置50は、Y方向に沿って等間隔に配置される。第1調整装置50のY方向の位置は、スライドブロック40のY方向の位置と一対一で対応している。すなわち、第1調整装置50のY方向の位置は、スライドブロック40のY方向の位置と等しい。複数の第1調整装置50によって、Y方向の複数の位置でスライドブロック40の位置調整が可能である。
図1に示すように、ストッパ55は、第1調整装置50に取り付けられる。ストッパ55は、第1調整装置50のX方向への移動を規制する部材である。ストッパ55は、ダイ本体21の表面に接することによって、第1調整装置50のX方向への移動を規制する。
第2調整装置60は、リップギャップを変化させるための装置である。図1に示すように、第2調整装置60は、調整ボルトである。第2調整装置60は、ダイ本体21に設けられる。第2調整装置60の一端は、ダイ本体21から突出している。第2調整装置60の他端は、第2リップ32に取り付けられる。第2調整装置60の一端が回転させられると、他端が移動し、第2リップ32が弾性変形する。第2調整装置60が第2リップ32を押し引きする。これにより、リップギャップが変化する。第2調整装置60は、ヒータを備えることが望ましい。ヒータによって第2調整装置60を伸縮させることが可能となる。第2調整装置60がヒータを備えることによって、リップギャップの微調整が容易となる。
押出成形用ダイ20は、複数の第2調整装置60を備える。複数の第2調整装置60は、Y方向に沿って等間隔に配置される。第2調整装置60のY方向の位置は、スライドブロック40のY方向の位置と一対一で対応している。すなわち、第2調整装置60のY方向の位置は、スライドブロック40のY方向の位置と等しい。複数の第2調整装置60によって、Y方向の複数の位置でリップギャップの調整が可能である。
押出成形用ダイ20が成形する多層のシートの全体の厚さを調整する場合、リップギャップを調整する。リップギャップを調整する時、第2調整装置60が回転させられる。第2調整装置60が回転すると、第2リップ32が弾性変形するので、リップギャップが変化する。その結果、多層のシートの全体の厚さが変化する。
押出成形用ダイ20は、第1調整装置50及び第2調整装置60を操作することによって、多層のシートの各層の厚さ及び全体の厚さを容易に調整できる。このため、押出成形用ダイ20は、所望のシートを容易に成形できる。
なお、空洞25及びスライドブロック40は、必ずしも全ての調整流路23cの隣りに配置されなくてもよい。空洞25及びスライドブロック40は、少なくとも1つの調整流路23cの隣りに配置されていればよい。また、スライドブロック40の移動方向は、調整流路23cにおける溶融樹脂の流れ方向と必ずしも平行でなくてもよい。スライドブロック40の移動方向は、調整流路23cにおける溶融樹脂の流れ方向に対して交差していてもよい。
押出成形用ダイ20は、単層のシートを作成する装置であってもよい。単層のシートとは、1種類の樹脂で形成されたシートである。この場合、空洞25は、吐出口35の近くに配置される。空洞25に配置されるスライドブロック40、及び第1調整装置50によって、リップギャップを調整することができる。
以上で説明したように、押出成形用ダイ20は、ダイ本体21と、スライドブロック40と、第1調整装置50と、を備える。ダイ本体21は、空洞25と溶融樹脂が流れる第1流路23の一部である調整流路23cとを隔てる壁部27、及び壁部27から空洞25側に突出する凸部29を備える。スライドブロック40は、空洞25に配置される。第1調整装置50は、スライドブロック40に接続され且つスライドブロック40を移動させる。凸部29は、壁部27の調整流路23cに面する内壁271に対して傾斜する第1傾斜面291を備える。スライドブロック40は、第1傾斜面291に沿い且つ第1傾斜面291に接する第2傾斜面41を備える。
これにより、第1調整装置50を操作することによって、スライドブロック40の移動に伴って第2傾斜面41が第1傾斜面291を押す。壁部27が調整流路23c側に向かって突出するように弾性変形する。壁部27が調整流路23c側に移動することによって、調整流路23cの短手方向の幅が小さくなる。このように、調整流路23cの短手方向の幅の調整が可能である。さらに、第2傾斜面41が第1傾斜面291を押す構造によって、スライドブロック40の移動量に対する調整流路23cの短手方向の幅の変化量が安定する。したがって、本実施形態の押出成形用ダイ20は、溶融樹脂が通る流路の短手方向の幅を高い精度で調整できる。
押出成形用ダイ20は、調整流路23cの長手方向(Y方向)に沿って配置される複数のスライドブロック40と、調整流路23cの長手方向(Y方向)に沿って配置される複数の第1調整装置50を備える。第1調整装置50の調整流路23cの長手方向(Y方向)における位置は、スライドブロック40の調整流路23cの長手方向(Y方向)における位置と一対一で対応している。
これにより、調整流路23cの長手方向(Y方向)の複数箇所において、調整流路23cの短手方向の幅を調整できる。したがって、押出成形用ダイ20は、複数箇所において、流路の短手方向の幅を高い精度で調整できる。本実施形態の押出成形用ダイ20は、各層の厚み精度をより向上させることができる。
押出成形用ダイ20において、調整流路23cの短手方向(Z方向)における壁部27の幅W2は、調整流路23cの短手方向(Z方向)の幅W1の2倍以上4倍以下である。
壁部27の幅W2が調整流路23cの幅W1の2倍以上であることによって、壁部27は、スライドブロック40によって押された場合でも破損が生じない程度の強度を有することができる。壁部27の幅W2が調整流路23cの幅W1の4倍以下であることによって、壁部27は、スライドブロック40によって押された場合に変形しやすい。したがって、押出成形用ダイ20は、壁部27の強度と壁部27の変形しやすさを両立させることができる。
押出成形用ダイ20において、第1傾斜面291が内壁271に対してなす角度θ1の正接(tanθ1)は、1/20以上1/5以下である。
第1傾斜面291が内壁271に対してなす角度θ1の正接が1/5以下であることによって、壁部27の変形量の微調整が容易になる。第1傾斜面291が内壁271に対してなす角度θ1の正接が1/20以上であることによって、第1調整装置50の操作量あたりの壁部27の変形量が大きくなる。したがって、押出成形用ダイ20は、流路の短手方向の幅を高い精度で調整でき且つ調整時間を短縮できる。
押出成形用ダイ20において、スライドブロック40の移動方向は、調整流路23cにおける溶融樹脂の流れ方向と平行である。
これにより、スライドブロック40の移動方向が溶融樹脂の流れ方向と交差する場合と比較して、第1調整装置50を調整流路23cに沿うように配置することができる。このため、第1調整装置50の配置が容易になる。スライドブロック40の移動方向が調整流路23cにおける溶融樹脂の流れ方向と平行である構造は、特に、多層のシートを成形するために複数の第1流路23を有するダイに有用である。また、スライドブロック40の移動方向が溶融樹脂の流れ方向と交差する場合と比較して、第1調整装置50を操作するための力が低減される。すなわち、押出成形用ダイ20によれば、より小さい力で第1調整装置50を操作できるようになる。
押出成形用ダイ20において、凸部29がスライドブロック40に押されることによる壁部27の調整流路23c側への移動量は、調整流路23cの短手方向の幅の0.2倍以下である。
これにより、壁部27の過剰な変形が抑制される。押出成形用ダイ20は、壁部27に塑性変形が生じることを抑制できる。
押出成形用ダイ20において、調整流路23cの長手方向の幅は、一定である。
これにより、押出成形用ダイ20は、第1流路23のうち長手方向の幅が一定である部分において、短手方向の幅を調整できる。押出成形用ダイ20によれば、成形されるシートの各層の厚み又は全体の厚みが調整しやすくなる。
(第1変形例)
図4は、第1変形例の押出成形用ダイの断面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図4に示すように、第1変形例の押出成形用ダイ20Aは、ダイ本体21Aを備える。ダイ本体21Aは、上述した第1流路23とは異なる形状を有する第1流路24を備える。ダイ本体21Aは、3つの第1流路24を備える。それぞれの第1流路24には、異なる種類の溶融樹脂が供給される。第1流路24は、導入流路24aと、マニホールド24bと、調整流路24cと、を備える。導入流路24aは、上下方向に延びる孔である。3つの導入流路24aが、X方向に並ぶように配置される。マニホールド24bは、導入流路24aの下流端部と繋がっている。マニホールド24bは、水平方向に延びる。3つのマニホールド24bが、X方向に並ぶように配置される。導入流路24aを流れる溶融樹脂は、マニホールド24bに至ると水平方向に向かって拡がる。調整流路24cは、マニホールド24bの下流端部と繋がっている。調整流路24cの長手方向(図1の紙面に対する直交方向)の幅は、一定である。調整流路24cの短手方向は、YZ平面に対して角度をなしている。3つの調整流路24cにおいて、短手方向がYZ平面に対してなす角度は、互いに異なる。3つの調整流路24cにおいて、溶融樹脂の流れ方向は、互いに異なる。
図4に示すように、ダイ本体21Aにおいて、空洞25、壁部27及び凸部29は、3つの調整流路24cのうち1つの調整流路24cの隣りに配置される。XZ平面でダイ本体21Aを切った1つの断面において、1つの空洞25が配置される。ダイ本体21Aは、Y方向に沿って貫通したひと繋ぎの空洞25を備える。貫通したひと繋ぎの空洞25内に、スライドブロック40が、Y方向に沿って等間隔に配置される。
第1調整装置50が回転すると、スライドブロック40がX方向に移動する。スライドブロック40の移動方向は、調整流路24cにおける溶融樹脂の流れ方向と平行である。スライドブロック40が調整流路24cの下流側に移動すると、凸部29が調整流路24c側に向かって移動するので、壁部27が調整流路24c側に向かって突出するように弾性変形する。壁部27が調整流路24c側に移動する。調整流路24cの短手方向の幅が小さくなる。その結果、多層のシートのうち1層の厚さが小さくなる。
(第2変形例)
第1調整装置50は、図1におけるX方向に変位が可能な手段であれば、調整ボルトに替えて油圧又はバネ制御などの他の手段に置き換えることができる。
(第3変形例)
凸部29の第1傾斜面291及びスライドブロック40の第2傾斜面41は、本実施形態の作用効果を奏するものであれば、他の手段を採用することもできる。例えば、第1傾斜面291を傾斜した雄ネジに替え、第2傾斜面41を当該雄ネジに対応した雌ネジに替えることにより、傾斜面と同様の作用効果を奏することができる。この場合は、第1調整装置50の回転動作は、スライドブロック40にも回転動作として伝達されることとなる。そのため、第1調整装置50を逆回転させることによって壁部27の変形を元に戻す作用が一層確実に行われる。また、調整流路23cの幅W1を意図的に拡張することも可能となる。
(第4変形例)
図5は、第4変形例の押出成形用ダイの断面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図5に示すように、第4変形例の押出成形用ダイ20Bは、ダイ本体21Bと、標識部材70と、を備える。ダイ本体21Bは、第1変形例と同様に第1流路24を備える。ダイ本体21Bにおいて、空洞25、壁部27及び凸部29は、3つの調整流路24cのうち1つの調整流路24cの隣りに配置される。
ダイ本体21Bは、貫通孔211を備える。貫通孔211は、調整流路24cにおける溶融樹脂の流れ方向に対して直交する方向に貫通する。貫通孔211は、空洞25とダイ本体21Bの外部とを繋ぐ。例えば、ダイ本体21Bの外部側の貫通孔211の縁には、目盛が設けられる。
標識部材70は、スライドブロック40の位置を示す部材である。標識部材70は、例えば棒状に形成されている。標識部材70は、貫通孔211を貫通する。標識部材70の一端は、スライドブロック40に接続される。標識部材70は、スライドブロック40の移動方向に対して垂直な方向に延びている。すなわち、標識部材70の長手方向は、スライドブロック40の移動方向に対して垂直である。標識部材70の他端は、ダイ本体21Bから突出している。標識部材70の他端は、ダイ本体21Bの外部に配置される。標識部材70は、ダイ本体21Bの外部から人が視認できる。標識部材70は、ダイ本体21Bの外部からカメラ等の検出装置によって検出できる。
第1調整装置50が回転すると、スライドブロック40がX方向に移動する。スライドブロック40の移動方向は、調整流路24cにおける溶融樹脂の流れ方向と平行である。スライドブロック40が移動すると、標識部材70も一緒に移動する。このため、スライドブロック40が移動すると、標識部材70のうちダイ本体21Bの外部にある部分の位置が変化する。標識部材70のうちダイ本体21Bの外部にある部分の位置に基づき、スライドブロック40の位置が特定される。例えば、スライドブロック40の位置、予め記憶されたスライドブロック40初期位置と、標識部材70の現在の位置に基づき算出される。
なお、標識部材70は、必ずしもスライドブロック40の移動方向に対して垂直な方向に延びていなくてもよい。標識部材70は、スライドブロック40の移動方向に対して鋭角をなす方向に延びていてもよい。標識部材70は、スライドブロック40の移動方向と平行な方向に延びていてもよい。すなわち、標識部材70の長手方向が、スライドブロック40の移動方向と平行であってもよい。
上述したように、第4変形例の押出成形用ダイ20Bは、スライドブロック40と接続され且つ一部がダイ本体21Bの外部に配置される標識部材70を備える。
これにより、スライドブロック40がダイ本体21Bから見えない場合であっても、標識部材70の位置に基づいて、スライドブロック40の位置を特定することが可能となる。スライドブロック40の位置精度を、より向上させることができる。したがって、第4変形例の押出成形用ダイ20Bは、溶融樹脂が通る流路の短手方向の幅をより高い精度で調整できる。
第4変形例の押出成形用ダイ20Bにおいて、標識部材70は、スライドブロック40の移動方向と平行な方向又はスライドブロック40の移動方向に対して垂直な方向に延びている。
標識部材70をスライドブロック40と接続するために貫通孔211が必要である。また、標識部材70はスライドブロック40と共に移動するので、貫通孔211は、標識部材70と干渉しない程度の大きさを有する必要がある。これに対して、スライドブロック40の移動方向と平行な方向又はスライドブロック40の移動方向に対して垂直な方向に標識部材70が延びることによって、貫通孔211が小さくても標識部材70と干渉しにくくなる。したがって、第4変形例の押出成形用ダイ20Bは、標識部材70を通す貫通孔211を小さくできるので、より容易に製造できる。
(第5変形例)
図6は、第5変形例の調整流路を拡大した断面図である。図7は、図6のA-A断面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図6に示すように、第5変形例の押出成形用ダイ20Cは、ダイ本体21Cを備える。ダイ本体21Cは、第1流路26を備える。第1流路26は、溶融樹脂が流れる孔である。ダイ本体21Cは、例えば3つの第1流路26を備える。例えば、それぞれの第1流路26には、異なる種類の溶融樹脂が供給される。第1流路26は、導入流路26aと、マニホールド26bと、調整流路26cと、を備える。マニホールド26bは、導入流路26aの下流端部と繋がっている。導入流路26aを流れる溶融樹脂は、マニホールド26bに至るとY方向に向かって拡がる。調整流路26cは、マニホールド26bの下流に配置される。
図6に示すように、調整流路26cは、上流部261と、下流部263と、中間部265と、を備える。上流部261は、マニホールド26bの下流端部と繋がっている。上流部261のZ方向の幅W261は、略一定である。下流部263は、上流部261の下流に配置される。下流部263のZ方向の幅W263は、略一定である。例えば、幅W263は、幅W261と等しい。中間部265は、上流部261と下流部263の間に配置される。調整流路26cのZ方向から見た場合、中間部265は、凸部29に重なる。中間部265のZ方向の幅W265は、幅W261及び幅W263よりも小さい。より具体的には、例えば幅W261及び幅W263が1.2mmであり、幅W265が1.1mmである。
図7に示すように、マニホールド26bのY方向の幅は、下流に向かって大きくなっている。調整流路26cの上流部261のY方向の幅は、下流に向かって大きくなっている。中間部265のY方向の幅は、略一定である。下流部263のY方向の幅は、略一定である。
上述したように、第5変形例の押出成形用ダイ20Cにおいて、調整流路26cは、上流部261と、下流部263と、上流部261と下流部263の間に配置され且つ調整流路26cの短手方向(Z方向)から見た場合に凸部29に重なる中間部265と、を備える。調整流路26cの短手方向において、中間部265の幅W265は、上流部261の幅W261及び下流部263の幅W263よりも小さい。
スライドブロック40を移動させるために第1調整装置50が操作されるが、第1調整装置50の操作できる量には限界がある。このため、第1調整装置50の操作量当たりの調整流路26cの短手方向の幅の変化量が大きい方が望ましい。その一方で、調整流路26cの短手方向の幅を全長に亘って小さくすると、溶融樹脂を第1流路26に流すために必要な圧力が増加する。これに対して、第5変形例の押出成形用ダイ20Cにおいては、凸部29に近い中間部265が、上流部261及び下流部263よりも狭くなっている。これにより、第1調整装置50の操作量当たりの調整流路26cの短手方向の幅の変化量が大きくなる。その結果、調整流路26cにおける溶融樹脂の流量について、調整できる範囲が広くなる。さらに、中間部265の両側に上流部261及び下流部263が配置されていることによって、溶融樹脂を第1流路26に流すために必要な圧力の増加を抑制できる。したがって、第5変形例の押出成形用ダイ20Cは、溶融樹脂の流量の調整範囲を広くでき、且つ溶融樹脂を流すために必要な圧力の増加を抑制できる。
(第6変形例)
図8は、第6変形例の調整流路を拡大した断面図である。図9は、図8のB-B断面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図8に示すように、第6変形例の押出成形用ダイ20Dは、ダイ本体21Dを備える。ダイ本体21Dは、第1流路26Dを備える。第1流路26Dは、溶融樹脂が流れる孔である。ダイ本体21Dは、例えば3つの第1流路26Dを備える。例えば、それぞれの第1流路26Dには、異なる種類の溶融樹脂が供給される。第1流路26Dは、調整流路26dを備える。調整流路26dは、マニホールド26bの下流に配置される。
図8に示すように、調整流路26dは、中間部267を備える。中間部267は、上流部261と下流部263の間に配置される。調整流路26dのZ方向から見た場合、中間部267は、凸部29に重なる。中間部267のZ方向の幅W267は、幅W261及び幅W263よりも小さい。より具体的には、例えば幅W261及び幅W263が1.2mmであり、幅W267が1.1mmである。中間部267のY方向の幅は、下流に向かって大きくなっている。
上述したように、第6変形例の押出成形用ダイ20Dにおいて、調整流路26dは、上流部261と、下流部263と、上流部261と下流部263の間に配置され且つ調整流路26dの短手方向(Z方向)から見た場合に凸部29に重なる中間部267と、を備える。調整流路26dの短手方向において、中間部267の幅W267は、上流部261の幅W261及び下流部263の幅W263よりも小さい。
第6変形例の押出成形用ダイ20Dにおいては、凸部29に近い中間部267が、上流部261及び下流部263よりも狭くなっている。これにより、第1調整装置50の操作量当たりの調整流路26dの短手方向の幅の変化量が大きくなる。その結果、調整流路26dにおける溶融樹脂の流量について、調整できる範囲が広くなる。さらに、中間部267の両側に上流部261及び下流部263が配置されていることによって、溶融樹脂を第1流路26Dに流すために必要な圧力の増加を抑制できる。したがって、第6変形例の押出成形用ダイ20Dは、溶融樹脂の流量の調整範囲を広くでき、且つ溶融樹脂を流すために必要な圧力の増加を抑制できる。また、中間部267の短手方向(Z方向)の幅W267が下流に向かって大きくなっていることによって、第1調整装置50の操作量当たりの調整流路26dの短手方向の幅の変化量がより大きくなる。
20、20A、20B、20C、20D 押出成形用ダイ
21、21A、21B、21C、21D ダイ本体
23 第1流路
23a 導入流路
23b マニホールド
23c 調整流路
24 第1流路
24a 導入流路
24b マニホールド
24c 調整流路
25 空洞
26、26D 第1流路
26a 導入流路
26b マニホールド
26c 調整流路
26d 調整流路
27 壁部
29 凸部
31 第1リップ
32 第2リップ
33 第2流路
35 吐出口
40 スライドブロック
41 第2傾斜面
50 第1調整装置
55 ストッパ
60 第2調整装置
70 標識部材
211 貫通孔
261 上流部
263 下流部
265 中間部
267 中間部
271 内壁
291 第1傾斜面

Claims (10)

  1. 空洞と溶融樹脂が流れる流路の一部である調整流路とを隔てる壁部、及び前記壁部から前記空洞側に突出する凸部を備えるダイ本体と、
    前記空洞に配置されるスライドブロックと、
    前記スライドブロックに接続され且つ前記スライドブロックを移動させる調整装置と、
    を備え、
    前記凸部は、前記壁部の前記調整流路に面する内壁に対して傾斜する第1傾斜面を備え、
    前記スライドブロックは、前記第1傾斜面に沿い且つ前記第1傾斜面に接する第2傾斜面を備える
    押出成形用ダイ。
  2. 前記調整流路の長手方向に沿って配置される複数の前記スライドブロックを備え、
    前記調整流路の長手方向に沿って配置される複数の前記調整装置を備え、
    前記調整装置の前記調整流路の長手方向における位置は、前記スライドブロックの前記調整流路の長手方向における位置と一対一で対応している
    請求項1に記載の押出成形用ダイ。
  3. 前記調整流路の短手方向における前記壁部の幅は、前記調整流路の短手方向の幅の2倍以上4倍以下である
    請求項1又は2に記載の押出成形用ダイ。
  4. 前記第1傾斜面が前記内壁に対してなす角度の正接は、1/20以上1/5以下である
    請求項1から3のいずれか1項に記載の押出成形用ダイ。
  5. 前記スライドブロックの移動方向は、前記調整流路における溶融樹脂の流れ方向と平行である
    請求項1から4のいずれか1項に記載の押出成形用ダイ。
  6. 前記凸部が前記スライドブロックに押されることによる前記壁部の前記調整流路側への移動量は、前記調整流路の短手方向の幅の0.2倍以下である
    請求項1から5のいずれか1項に記載の押出成形用ダイ。
  7. 前記調整流路の長手方向の幅は、一定である
    請求項1から6のいずれか1項に記載の押出成形用ダイ。
  8. 前記スライドブロックと接続され且つ一部が前記ダイ本体の外部に配置される標識部材を備える
    請求項1から7のいずれか1項に記載の押出成形用ダイ。
  9. 前記標識部材は、前記スライドブロックの移動方向と平行な方向又は前記スライドブロックの移動方向に対して垂直な方向に延びている
    請求項8に記載の押出成形用ダイ。
  10. 前記調整流路は、上流部と、下流部と、前記上流部と前記下流部の間に配置され且つ前記調整流路の短手方向から見た場合に前記凸部に重なる中間部と、を備え、
    前記調整流路の短手方向において、前記中間部の幅は、前記上流部の幅及び前記下流部の幅よりも小さい
    請求項1から9のいずれか1項に記載の押出成形用ダイ。
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