JP5678545B2 - スロットダイ装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、溶融樹脂をダイ本体に形成されたマニホールド部から供給してダイランド部、リップランド部を介してリップ出口から押出し、目的の幅に拡幅されたシートまたはフィルムを成形する押出成形用Tダイにおいて、ダイ本体のマニホールド部およびダイランド部ならびにリップランド部内に摺動自在に配置され、互いに接近離間して成形幅を調整可能な一対のインナーディッケルの内面に、リップ出口端縁部の樹脂流量を絞る端縁絞り部をそれぞれ設けた押出成形用Tダイが開示されている。
この押出成形用Tダイによれば、端縁絞り部により、樹脂フィルムの端縁部における樹脂の吐出流量を減少させ、リップ出口からの吐出時に、樹脂シートの左右の端縁部が円形断面に膨らむ事を抑制している。
また、特許文献1には、インナーディッケルの内面に、リップ出口端縁部の樹脂流量を絞る端縁絞り部をそれぞれ設けていることにより、樹脂フィルムの端縁部における樹脂の吐出流量を減少させていると記載されているが、リップ出口端縁部を絞ることで樹脂フィルムの端縁部に樹脂が集まり、樹脂フィルムの端縁部が円形断面に膨らみ厚くなる事が考えられる。
言い換えると、本発明は、溶融樹脂がマニホールドに供給され、前記マニホールドの下流部に設けられたスロットを通過し、フィルム状に成形されるスロットダイ装置において、前記マニホールドおよびスロットの幅方向の両端部には通過する前記溶融樹脂と接してガイドするインナーディッケルが設けられて、前記インナーディッケルが吐出口近辺ではゆるやかに幅方向に広がり、吐出口上部では幅方向に大きく広がる形状であることを特徴としたスロットダイ装置である。
言い換えると、請求項2に係る発明では、インナーディッケルは、溶融樹脂との接触面が上流側よりも下流側がマニホールドおよびスロットの幅方向外側に傾斜して拡幅していることにより、溶融樹脂には、幅方向の端部にインナーディッケルに沿って、上流側から下流側に向かうと共にマニホールドおよびスロットの幅方向外側に傾斜して拡幅する流れが形成されることを特徴とする請求項1に記載のスロットダイ装置である。
また、請求項3に係る発明では、前記第二のインナーディッケルのガイド部が前記排出口に向かうにつれて幅方向に広がる度合は、前記第一のインナーディッケルのガイド部が前記排出口に向かうにつれて幅方向に広がる度合はよりも大きいことを特徴とした請求項1または2記載のスロットダイ装置である。
また、請求項4に係る発明では、前記第1拡幅部と前記第2拡幅部は、互いに連続する曲線状に形成されていることを特徴とした請求項1ないし3に何れか1項記載のスロットダイ装置である。
スロットダイ本体2は、成形される樹脂フィルムR2の幅方向に細長い外形に形成されている。
マニホールド3は、スロットダイ本体2の幅方向にわたって筒状に形成されていて、幅方向の中間部の上部にスロットダイ本体2の供給口2aが接続されており、供給口2aから溶融樹脂R1が供給される。
排出口5はスロットダイ本体2の下端部に形成されていて、スロット4の下端部に位置している。
すなわち、スロットダイ本体2の成形室は、供給口2aに接続するマニホールド3と、マニホールド3の下流部に接続するスロット4とを有している。
第一、第二のインナーディッケル11、12および絞り部材13は、マニホールド3およびスロット4内において幅方向の移動が可能で、その表面(ガイド部)11a、12a、13aでマニホールド3とスロット4の幅方向の寸法を規定している。スロットダイ本体2に供給された溶融樹脂R1は、この表面(ガイド部)11a、12a、13aにガイドされて下方へ通過する。
また、第二インナーディッケル12は、スロット4の下流側に位置し、スロット4の下流側の幅方向の寸法を規定している。第二のインナーディッケル12の表面(ガイド部)12aは、上側から下側に向かってスロット4幅方向の寸法を広げるように傾斜または湾曲している。
また、絞り部材13は、スロット4の下端部に位置し、スロット4の下端部の幅方向の寸法を規定することで、排出口5の幅方向の寸法を規定している。
第二のインナーディッケル12の表面(ガイド部 )12aが排出口5に向かうにつれて幅方向に広がる度合は、第一のインナーディッケル11の表面(ガイド部)11aが排出口5に向かうにつれて幅方向に広がる度合よりも大きい。
まず、スロットダイ本体2に供給口2aから溶融樹脂R1を供給する。溶融樹脂R1はマニホールド3に流入しマニホールド3の幅方向に広がり、下方のスロット4へ流入する。そして、溶融樹脂R1はスロット4を通過することによって、所定の厚さのフィルム状に成形される。
そして、スロット4内でフィルム状に成形された溶融樹脂R1は、排出口5から排出され、空気中を通る間に溶融樹脂R1は冷却され、徐々に固化され、溶融フィルムR2の状態になり、スロットダイ装置1の下方(下流側)に設けられた図示しないローラーによって圧延される。ローラーは樹脂フィルムR2が排出されるスピードよりも速いスピードで回転されている。
排出口5から排出された時点では、樹脂フィルムR2は完全に固化しておらず、ローラー部などによって冷却され固化する。
より詳細に説明すると、第二インナーディッケル12の表面(ガイド部)12aは、排出口5近辺の上流側の箇所で排出口5に向かうにつれて幅方向に広がる第1拡幅部31と、第1拡幅部31の下流側端に接続され幅方向に広がりつつ排出口5に至る第2拡幅部32とを備えている。
そして、第1拡幅部31が排出口5に向かうにつれて幅方向に広がる度合は、第2拡幅部32が排出口5に向かうにつれて幅方向に広がる度合よりも大きい。
本実施の形態では、図2(b)に示す第二インナーディッケル12は、第1拡幅部31と第2拡幅部32は、互いに連続する曲線状に形成されている。
また、図2(c)に示す第二インナーディッケル12は、第1拡幅部31と第2拡幅部32とが曲線状に形成されると共に、第1拡幅部31と第2拡幅部32との間に、幅を変えずに排出口5に向かって直線状に延在する直線部33を備えている。
また、第一、第二のインナーディッケル11、12が溶融樹脂R1との接触面11a、12aが水平方向の断面において円弧状に凹に湾曲する形状であっても、本構成上は問題ない。
そのため、本請求範囲のインナーディッケルを用いる事で、端部近傍で薄くなる現象、端部でのネックインを抑制することができることがわかる。
2 ・・・スロットダイ本体
2a・・・供給口
3 ・・・マニホールド
4 ・・・スロット
5 ・・・排出口
6 ・・・インナーディッケル機構
11・・・第一のインナーディッケル
12・・・第二のインナーディッケル
13・・・絞り部材
31・・・第1拡幅部
32・・・第2拡幅部
11a、12a・・・表面
R1・・・溶融樹脂
R2・・・樹脂フィルム
Claims (4)
- 溶融樹脂がスロットダイ本体の供給口から成形室に供給され、前記成形室で幅方向に拡げられて成形室の排出口から排出されることでフィルム状に成形されるスロットダイ装置において、
前記成形室の幅方向の両端部には通過する前記溶融樹脂と接してガイドするガイド部を有するインナーディッケルが設けられ、
前記ガイド部は、前記排出口近辺の上流側の箇所で前記排出口に向かうにつれて幅方向に広がる第1拡幅部と、前記第1拡幅部の下流側端に接続され幅方向に広がりつつ前記排出口に至る第2拡幅部とを備え、
前記第1拡幅部が前記排出口に向かうにつれて幅方向に広がる度合は、前記第2拡幅部が前記排出口に向かうにつれて幅方向に広がる度合よりも大きく、
前記成形室は、前記供給口に接続するマニホールドと、前記マニホールドの下流部に接続するスロットとを有し、
前記インナーディッケルは、前記マニホールドと前記スロットの上流部の幅方向の両端部に設けられる第一のインナーディッケルと、前記スロットの下流部の幅方向の両端部に設けられる第二のインナーディッケルとを含んで構成され、
前記第1拡幅部と前記第2拡幅部は、第二のインナーディッケルのガイド部に設けられている、
ことを特徴としたスロットダイ装置。 - 前記ガイド部は、前記供給口側から前記排出口側に向かうにつれて幅方向に拡がっている、
ことを特徴とした請求項1記載のスロットダイ装置。 - 前記第二のインナーディッケルのガイド部が前記排出口に向かうにつれて幅方向に広がる度合は、前記第一のインナーディッケルのガイド部が前記排出口に向かうにつれて幅方向に広がる度合よりも大きい、
ことを特徴とした請求項1または2記載のスロットダイ装置。 - 前記第1拡幅部と前記第2拡幅部は、互いに連続する曲線状に形成されている、
ことを特徴とした請求項1ないし3に何れか1項記載のスロットダイ装置。
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