JP7455288B2 - 車輪踏面粗し制御装置および車輪踏面粗し制御方法 - Google Patents

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Description

本開示は、鉄道車両の車輪の踏面を対象とした車輪踏面粗し制御装置および車輪踏面粗し制御方法に関する。
従来、鉄道車両では、ブレーキとして回生ブレーキおよび空制ブレーキが併用されており、通常時は回生ブレーキが主に使用されている。空制ブレーキは、回生ブレーキが立ち上がるまでの数十msのみ、または鉄道車両の停車中の転動防止用として使用される。鉄道車両は、回生ブレーキ中にブレーキを直ちに作用できるように、初込めBC(Brake Cylinder)圧で空制ブレーキを動作させ、空制ブレーキを初込め状態にしている。空制ブレーキとして踏面式ブレーキ装置を用いる場合、鉄道車両では、初込め状態の押付位置において、摩擦材と車輪踏面とが軽く接触する位置となる。そのため、車輪踏面の面粗さが小さくなることで、車輪踏面が鏡面状態になる。車輪踏面が鏡面状態になると、鉄道車両が高速時に空制ブレーキを作用させた場合に粘着力が確保できず滑走を引き起こす、また、鉄道車両が非常時に非常ブレーキを動作させた場合に規定された減速度を確保できないなどの問題が生じる。また、一般的に、鉄道車両が通常走行をしている場合でも、レール面と車輪踏面との摩擦によって車輪踏面の面粗さが小さくなり、鏡面状態が進行して同様の問題が生じる。従って、鉄道車両は、車輪踏面が鏡面状態になった場合、踏面ブレーキ、すなわち空制ブレーキによって摩擦材を車輪踏面に押し付け、車輪踏面を粗くする必要がある。
特許文献1には、滑走時の車輪踏面のフラット発生を抑制するために滑走検知の閾値を設定し、滑走を検知した際に空制ブレーキのBC圧を制御する技術が開示されている。特許文献1では、滑走検知の有無によって制御を管理するため、滑走検知している間は常に空制ブレーキによる粗し制御を行っている。
特開2007-22421号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、車輪踏面にフラットが発生していても、滑走を検知しない程度のフラットの場合は空制ブレーキによる粗し制御が行われない。そのため、滑走を検知しない程度のフラットの状態において、所望のブレーキ力を確保できない可能性がある、という問題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、所望のブレーキ力を確保することができる車輪踏面粗し制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の車輪踏面粗し制御装置は、鉄道車両の制動距離に影響を及ぼす操作または設備の状態の情報を取得する第1の情報取得部と、鉄道車両の運行中の車両情報を取得する第2の情報取得部と、第1の情報取得部で取得された情報と、第2の情報取得部で取得された車両情報または車両情報に応じた閾値とに基づいて、鉄道車両の車輪踏面を粗す踏面粗し制御の実施を判定する車輪踏面粗さ判定部と、車両情報に応じて閾値を取得する閾値取得部と、鉄道車両でブレーキ指令が発生した場合に、車輪踏面粗さ判定部の判定結果に基づいて、鉄道車両で必要なブレーキ力における空制ブレーキおよび回生ブレーキの比率を制御する踏面粗し制御部と、を備える。第1の情報取得部は、鉄道車両の制動距離に影響を及ぼす設備の状態の情報として、鉄道車両の車輪踏面の状態を示す車輪踏面粗さ情報を取得し、車輪踏面粗さ判定部は、車輪踏面粗さ情報と閾値とを比較し、鉄道車両でブレーキ指令が発生した場合に、比較結果に基づいて踏面粗し制御の実施を判定する。閾値取得部は、鉄道車両が運行されている路線の情報である運行路線情報を取得し、運行路線情報を用いて閾値を取得することを特徴とする。
本開示の車輪踏面粗し制御装置は、所望のブレーキ力を確保することができる、という効果を奏する。
実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置の構成例を示すブロック図 実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置が搭載される鉄道車両のブレーキ装置の構成例を示す図 実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置の閾値取得部が保持する閾値テーブルの例を示す図 実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置の動作を示すフローチャート 実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置の制御状態および鉄道車両の車両状態を示すタイミングチャート 実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置を実現する処理回路をプロセッサおよびメモリで実現する場合の処理回路の構成の一例を示す図 実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置を実現する処理回路を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路の構成の一例を示す図 実施の形態2に係る車輪踏面粗し制御装置の構成例を示すブロック図 実施の形態2に係る車輪踏面粗し制御装置の動作を示すフローチャート
以下に、本開示の実施の形態に係る車輪踏面粗し制御装置および車輪踏面粗し制御方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置10の構成例を示すブロック図である。車輪踏面粗し制御装置10は、車輪踏面粗さ情報取得部11と、車両情報取得部12と、閾値取得部13と、車輪踏面粗さ判定部14と、踏面粗し制御部15と、を備える。車輪踏面粗し制御装置10は、環境情報取得部21と、運行路線情報取得部22と、に接続される。
車輪踏面粗さ情報取得部11は、図示しない鉄道車両の車輪の踏面の粗さを示す車輪踏面粗さ情報を取得する。車輪踏面粗さ情報取得部11は、車輪踏面粗さ情報について、車輪踏面粗さを推定する車輪踏面粗さ推定装置から取得してもよいし、鉄道車両の累積走行時間から推定してもよいし、車輪踏面粗さを計測可能なセンサなどから取得してもよい。車輪踏面粗さ情報取得部11は、鉄道車両の制動距離に影響を及ぼす設備の状態の情報として、鉄道車両の車輪踏面の状態を示す車輪踏面粗さ情報を取得する第1の情報取得部である。
車両情報取得部12は、鉄道車両に搭載される車両情報管理装置またはセンサなどから、鉄道車両の混雑度を表す応荷重圧力であるAS(Air Suspension)圧、鉄道車両の速度などの情報を車両情報として取得する。車両情報取得部12は、鉄道車両の運行中の車両情報を取得する第2の情報取得部である。
閾値取得部13は、車両情報取得部12で取得された車両情報に応じて、車輪踏面粗さ判定部14が車輪踏面粗さ情報取得部11で取得された車輪踏面粗さ情報と比較するための閾値を取得する。閾値取得部13の具体的な動作については後述する。
車輪踏面粗さ判定部14は、車輪踏面粗さ情報取得部11で取得された情報である車輪踏面粗さ情報と、車両情報取得部12で取得された車両情報に応じた閾値とに基づいて、鉄道車両の車輪踏面を粗す踏面粗し制御のオンオフ、すなわち踏面粗し制御の実施を判定する。具体的には、車輪踏面粗さ判定部14は、車輪踏面粗さ情報と閾値とを比較し、比較結果に基づいて踏面粗し制御のオンオフ、すなわち踏面粗し制御の実施を判定する。以降の説明において、踏面粗し制御をオンすることを踏面粗し制御を実施すると表記し、踏面粗し制御をオフすることを踏面粗し制御を実施しないと表記することがある。また、以降の説明において、「オン」を「ON」と表記し、「オフ」を「OFF」と表記することがある。
踏面粗し制御部15は、鉄道車両でブレーキ指令が発生した場合に、車輪踏面粗さ判定部14の判定結果に基づいて、鉄道車両で必要なブレーキ力における空制ブレーキおよび回生ブレーキの比率を制御する。
環境情報取得部21は、鉄道車両周辺の天候、温度、湿度などの環境情報を取得する。天候、温度、湿度などは、鉄道車両のブレーキの効きに影響を及ぼすためである。環境情報取得部21は、鉄道車両に搭載されていてもよいし、地上に設置された列車運行管理システムなどに設置されていてもよい。環境情報取得部21は、取得した環境情報を車輪踏面粗し制御装置10に出力する。
運行路線情報取得部22は、鉄道車両が運行される路線などの運行路線情報を取得する。鉄道車両が回生ブレーキを掛けるためには先行する鉄道車両または後続する鉄道車両などの他の鉄道車両の存在が重要になるが、鉄道車両が運行される路線が郊外の路線か都心部の路線かによって他の鉄道車両が存在する頻度が異なるためである。運行路線情報取得部22は、鉄道車両に搭載されていてもよいし、地上に設置された列車運行管理システムなどに設置されていてもよい。運行路線情報取得部22は、取得した運行路線情報を車輪踏面粗し制御装置10に出力する。
ここで、車輪踏面粗し制御装置10が搭載される鉄道車両のブレーキ装置について簡単に説明する。図2は、実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置10が搭載される鉄道車両100のブレーキ装置の構成例を示す図である。速度センサ101は、各鉄道車両100の前後の台車に設置され、各車輪110の速度信号101Dを取り込み、ブレーキ制御部103に出力する。ブレーキ指令部102は、規定された減速度を得るためのブレーキ指令102Dを出力する。ブレーキ制御部103は、ブレーキ指令部102から出力されたブレーキ指令102D、各鉄道車両100の重量を検出する図示しない応荷重装置から出力された応荷重信号などを取得し、規定された圧力制御信号103Dを出力する。圧力制御信号103Dはブレーキ制御部103から電空変換弁104を介して中継弁105に出力され、ブレーキシリンダ圧力105Dの生成に用いられている。電空変換弁104は、ブレーキ制御部103から出力された電気信号である圧力制御信号103Dを規定された圧力の空気信号に変換する。中継弁105は、空気信号に変換された圧力制御信号103Dを規定された値まで増幅し、ブレーキシリンダ圧力105Dの応答性を向上させる。中継弁105には元空気タンク112が接続されている。元空気タンク112には規定された圧力の空気である圧縮空気が貯留されているため、中継弁105は、圧力制御信号103Dに対応する圧縮空気112Dを出力することで、規定されたブレーキシリンダ圧力105Dを生成することができる。
圧力センサ106は、ブレーキシリンダ圧力105Dを検出し、ブレーキシリンダ圧力105Dに基づいてフィードバック指令106Dを生成してブレーキ制御部103に帰還する。ブレーキシリンダ107は、ブレーキシリンダ圧力105Dの強さによって、制輪子108を車輪110に押し付ける。制輪子108は、規定された摩擦係数を有する摩擦材である。鉄道車両100のブレーキ力は、制輪子108の摩擦係数とブレーキシリンダ圧力105Dとの積によって導出することが可能である。ブレーキ制御部103は、図示しない空気ばね圧センサから入手する応荷重情報、およびブレーキ指令102Dによる目標減速度から必要ブレーキ力を演算し、回生ブレーキ制御部114に対して回生パターン信号113Dを出力する。図示しない主回路制御装置に搭載される回生ブレーキ制御部114は、実トルクに応じた実回生ブレーキ力を回生フィードバック信号114Dとしてブレーキ制御部103に出力する。ブレーキ制御部103は、必要ブレーキ力から回生フィードバック信号114Dの値を減算した値を空制補足量とし、圧力制御信号103Dとして電空変換弁104に出力することでBC圧制御を行う。
鉄道車両100は、頻繁に空制ブレーキを使用すると車輪踏面が粗くなるので車輪110の鏡面状態も解消し、所望のブレーキ力を確保することができる。一方で、鉄道車両100は、空制ブレーキを多用すると回生ブレーキを有効に使用できず、省エネ効果が得られない。そのため、本実施の形態において、車輪踏面粗し制御装置10は、通常の常用ブレーキ中は回生ブレーキを有効に使用し、車輪110が鏡面状態になった場合に空制ブレーキを使用し、摩擦材である制輪子108を車輪110に押し付けて車輪110の踏面を粗くすることで、車輪110の鏡面状態を解消する。
つづいて、閾値取得部13が閾値を取得する動作について説明する。図3は、実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置10の閾値取得部13が保持する閾値テーブルの例を示す図である。図3に示すように、閾値取得部13は、AS圧ごと、および速度ごとに、前述の閾値として2つの閾値、すなわち閾値1および閾値2が記載された閾値テーブルを保持し、車両情報取得部12で取得された車両情報に応じて、該当する閾値を取得する。例えば、閾値取得部13は、車両情報取得部12で取得された車両情報として、AS圧が350kPaであり、鉄道車両100の速度が50km/hであった場合、閾値1として0.20mmを取得し、閾値2として0.40mmを取得する。閾値1および閾値2の単位については、車輪踏面の粗さ、例えば溝の深さを示すmmを想定しているが、これに限定されない。車輪踏面の粗さの指標として、鉄道車両100の走行距離、ブレーキ回数、ブレーキ力積算値など、車輪踏面の粗さに相関のある物理量を用いてもよいし、時間の単位を用いてもよい。例えば、車輪踏面粗し制御装置10の車輪踏面粗さ情報取得部11で取得される情報が車輪踏面粗さ情報ではなく、単なる鉄道車両100の累積走行時間などの場合、閾値1,2の単位は時間の単位となる。以降の説明において、閾値1を第1の閾値と称し、閾値1よりも大きい閾値2を第2の閾値と称することがある。
図3に示す閾値テーブルは、AS圧および速度に対して閾値が3段階で分けられているが、2段階で分けられていてもよいし、4段階以上で分けられていてもよい。図3に示す閾値テーブルは、AS圧ごと、および速度ごとに対応する閾値が記載されているが、AS圧のみで各閾値が閾値テーブルに規定されていてもよいし、速度のみで各閾値が閾値テーブルに規定されていてもよい。このように、閾値取得部13は、車両情報として、鉄道車両100の混雑度であるAS圧、および鉄道車両100の速度のうち少なくとも1つを用いて閾値を取得する。
また、前述のように、天候、温度、湿度などは鉄道車両100のブレーキの効きに影響を及ぼす。そのため、閾値取得部13は、天候ごと、温度ごと、および湿度ごとに、図3に示すような閾値テーブルを保持していてもよい。なお、閾値取得部13は、天候、温度、および湿度のうち1つの情報のみを用いてよい。このように、閾値取得部13は、天候、温度、および湿度のうち少なくとも1つの情報を含む環境情報を取得し、環境情報を用いて閾値を取得する。
また、前述のように、路線情報は、鉄道車両100が回生ブレーキを掛けるうえで重要な情報になる。そのため、閾値取得部13は、路線ごとに、図3に示すような閾値テーブルを保持していてもよい。このように、閾値取得部13は、鉄道車両100が運行されている路線の情報である運行路線情報を取得し、運行路線情報を用いて閾値を取得する。
なお、図3の閾値テーブルの例では、各条件で閾値を2つ用意しているが、これはヒステリシスを考慮しているためである。一般的に、閾値が1つの場合、閾値の前後で車輪踏面粗さ情報が頻繁に変動すると、踏面粗し制御のオンオフの切り替えが頻繁に発生して制御が不安定になってしまうためである。そのため、ヒステリシスを考慮する必要がない制御が安定している場合、各条件で閾値を1つにしてもよい。また、図3の閾値テーブルの例では閾値は車輪踏面粗さ判定部14が踏面粗し制御のON/OFFを判定するために使用されるが、車輪踏面粗さ判定部14が踏面粗し制御を段階的に、例えば、強い踏面粗し制御、弱い踏面粗し制御のように判定する場合、閾値は3つ以上あってもよい。
車輪踏面粗し制御装置10の動作について説明する。図4は、実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置10の動作を示すフローチャートである。車輪踏面粗し制御装置10において、車輪踏面粗さ情報取得部11は、車輪踏面粗さ推定装置などから車輪踏面粗さ情報を取得する(ステップS1)。車両情報取得部12は、車両情報管理装置などから車両情報を取得する(ステップS2)。閾値取得部13は、閾値として閾値1および閾値1よりも大きい閾値2を取得する(ステップS3)。
車輪踏面粗さ判定部14は、車輪踏面粗さ情報と閾値1とを比較する(ステップS4)。車輪踏面粗さ情報が閾値1未満の場合(ステップS4:No)、車輪踏面粗さ判定部14は、踏面粗し制御をONすると判定する(ステップS5)。この場合、車輪踏面粗さ判定部14は、踏面粗し制御部15に対して踏面粗し制御ON指令を出力する。車輪踏面粗さ情報が閾値1以上の場合(ステップS4:Yes)、車輪踏面粗さ判定部14は、車輪踏面粗さ情報と閾値2とを比較する(ステップS6)。車輪踏面粗さ情報が閾値2未満の場合(ステップS6:No)、車輪踏面粗さ判定部14は、現在の踏面粗し制御のONまたはOFFの状態を維持する。車輪踏面粗さ情報が閾値2以上の場合(ステップS6:Yes)、車輪踏面粗さ判定部14は、踏面粗し制御をOFFすると判定する(ステップS7)。この場合、車輪踏面粗さ判定部14は、踏面粗し制御部15に対して踏面粗し制御OFF指令を出力する。
車輪踏面粗し制御装置10は、図4に示すフローチャートの動作を繰り返し、または規定された周期で実施する。このように、車輪踏面粗さ判定部14は、車輪踏面粗さ情報が閾値1未満の場合、踏面粗し制御をONする、すなわち踏面粗し制御を実施すると判定し、車輪踏面粗さ情報が閾値2以上の場合、踏面粗し制御をOFFする、すなわち踏面粗し制御を実施しないと判定する。
なお、車輪踏面粗さ判定部14が踏面粗し制御をONすると判定したときに鉄道車両100が実際に車輪踏面を粗くする方法については特に問わない。例えば、鉄道車両100は、車輪踏面に図示しない摩擦材を押し付けることで車輪踏面を粗くする、すなわち鏡面状態を解消することができるが、これに限定されない。また、車輪踏面粗さ判定部14は、前述のように閾値を3つ以上用いる場合、踏面粗し制御部15に対して踏面粗し制御ON指令とともに、各閾値との比較結果の情報を出力してもよい。踏面粗し制御部15は、各閾値との比較結果の情報に基づいて、車輪踏面に前述の摩擦材を押し付ける押し付け力を変化させてもよい。すなわち、踏面粗し制御部15は、各閾値との比較結果の情報に基づいて、鉄道車両100で必要なブレーキ力における空制ブレーキおよび回生ブレーキの比率を変化させてもよい。また、車輪踏面粗さ判定部14は、車輪踏面粗さ情報と閾値1との差分を算出し、踏面粗し制御部15に対して踏面粗し制御ON指令とともに、車輪踏面粗さ情報と閾値1との差分の情報を出力してもよい。踏面粗し制御部15は、車輪踏面粗さ情報と閾値1との差分の情報に基づいて、車輪踏面に前述の摩擦材を押し付ける押し付け力を変化させてもよい。すなわち、踏面粗し制御部15は、車輪踏面粗さ情報と閾値1との差分の情報に基づいて、鉄道車両100で必要なブレーキ力における空制ブレーキおよび回生ブレーキの比率を変化させてもよい。
図5は、実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置10の制御状態および鉄道車両100の車両状態を示すタイミングチャートである。図5において、図5(a)は車輪踏面粗さ情報を示し、図5(b)は鉄道車両100の速度を示し、図5(c)は鉄道車両100の空制ブレーキ力としてBC圧を示している。図5(a)において、0.20mmは閾値1を示し、0.40mmは閾値2を示している。なお、図5(a)から図5(c)の全てにおいて横軸は時間を示している。図5に示すように鉄道車両100がブレーキを掛けている期間では鉄道車両100の速度は減少している。鉄道車両100は、踏面粗し制御がOFFの状態において、タイミングT0からタイミングT1では力行惰行で走行しており、ブレーキは掛けていないが、通常走行中で車輪踏面とレールとの摩擦によって車輪踏面は鏡面化し、車輪踏面粗さ情報は小さくなる。鉄道車両100は、タイミングT1からタイミングT2にかけてブレーキ初込め状態になると、摩擦材と車輪踏面とが接触することになるため、力行惰行中よりも車輪踏面粗さ情報がより小さくなる。
鉄道車両100は、タイミングT3で車輪踏面粗さ情報が閾値1である0.20mm未満になると踏面粗し制御をONにする。図5に示すタイミングT3は、図4に示すフローチャートのステップS4:NoおよびステップS5に相当する。鉄道車両100は、走行中にブレーキを掛けるタイミングT3からタイミングT4、およびタイミングT5からタイミングT6で空制ブレーキを使用することによって、摩擦材を車輪踏面に押し付けて車輪踏面が粗くなることから、車輪踏面粗さ情報が大きくなる。そして、鉄道車両100は、タイミングT6で車輪踏面粗さ情報が閾値2である0.40mm以上になると踏面粗し制御をOFFにする。図5に示すタイミングT6は、図4に示すフローチャートのステップS6:YesおよびステップS7に相当する。なお、鉄道車両100は、踏面粗し制御ON中であっても、ブレーキを使用していない期間、例えば、タイミングT4からタイミングT5の力行惰行中の期間では、空制ブレーキを使用せず、車輪踏面を粗くする制御は行わない。
本実施の形態では、車輪踏面粗し制御装置10は鉄道車両100に搭載されていることを想定しているが、鉄道車両100の内部であれば、車輪踏面粗し制御装置10はBCU(Brake Control Unit)の内部にあってもよいし、BCUの外部にあってもよい。BCUは、例えば、図2に示すブレーキ制御部103、電空変換弁104、中継弁105、圧力センサ106などによって構成される。例えば、車輪踏面粗し制御装置10がBCUの内部にある場合、車輪踏面粗し制御装置10の踏面粗し制御部15は、ブレーキ制御部103における常用ブレーキの際の回生ブレーキおよび空制ブレーキの比率を制御する。車輪踏面粗し制御装置10がBCUの外部にある場合、車輪踏面粗し制御装置10の踏面粗し制御部15は、ブレーキ制御部103に対して、常用ブレーキの際の回生ブレーキおよび空制ブレーキの比率を指示する。
図4に示すフローチャートの動作とは別に、車輪踏面粗さ判定部14は、鉄道車両100が一日の運行を開始してから最初のブレーキ操作、および鉄道車両100が1以上の規定された走行距離を走行後の最初のブレーキ操作、および鉄道車両100が1以上の規定された走行時間を走行後の最初のブレーキ操作のうち少なくとも1つで、鉄道車両100で必要なブレーキ力を全て空制ブレーキでまかなうようにして強制的に車輪踏面を粗くする制御を行ってもよい。1以上の規定された走行距離とは、例えば、最初の走行距離をAとすると、2A,3A,4A,…,のようにAごとである。1以上の規定された走行時間とは、例えば、最初の走行時間をBとすると、2B,3B,4B,…,のようにBごとである。これにより、車輪踏面粗し制御装置10は、仮に車輪踏面粗さ情報取得部11において車輪踏面粗さ情報を取得できない場合、または車両情報取得部12において車両情報を取得できない場合でも、強制的に車輪踏面を粗くする制御を行うことで所望のブレーキ力を確保することができる。
本実施の形態では、鉄道車両100が空制ブレーキとして踏面ブレーキを採用している場合を想定しているが、これに限定されない。例えば、鉄道車両100が空制ブレーキとしてディスクブレーキを採用していても踏面清掃装置を搭載している場合、車輪踏面粗し制御装置10は、踏面清掃装置が備える制輪子を利用し、前述の制御と同様の制御を行うことで、車輪踏面の鏡面状態を解消することができる。
つづいて、実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置10のハードウェア構成について説明する。車輪踏面粗し制御装置10において、車輪踏面粗さ情報取得部11、車両情報取得部12、閾値取得部13、車輪踏面粗さ判定部14、および踏面粗し制御部15は処理回路により実現される。処理回路は、プログラムを格納するメモリ、およびメモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。処理回路は制御回路とも呼ばれる。
図6は、実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置10を実現する処理回路をプロセッサ91およびメモリ92で実現する場合の処理回路90の構成の一例を示す図である。図6に示す処理回路90は制御回路であり、プロセッサ91およびメモリ92を備える。処理回路90がプロセッサ91およびメモリ92で構成される場合、処理回路90の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。処理回路90では、メモリ92に記憶されたプログラムをプロセッサ91が読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、処理回路90は、車輪踏面粗し制御装置10の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を備える。このプログラムは、処理回路90により実現される各機能を車輪踏面粗し制御装置10に実行させるためのプログラムであるともいえる。このプログラムは、プログラムが記憶された記憶媒体により提供されてもよいし、通信媒体など他の手段により提供されてもよい。
上記プログラムは、車輪踏面粗さ情報取得部11が、鉄道車両100の車輪踏面の状態を示す車輪踏面粗さ情報を取得する第1のステップと、車両情報取得部12が、鉄道車両100の運行中の車両情報を取得する第2のステップと、閾値取得部13が、車両情報に応じて閾値を取得する第3のステップと、車輪踏面粗さ判定部14が、車輪踏面粗さ情報と閾値とを比較し、比較結果に基づいて、鉄道車両100の車輪踏面を粗す踏面粗し制御のオンオフを判定する第4のステップと、を車輪踏面粗し制御装置10に実行させるプログラムであるとも言える。
ここで、プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などである。また、メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
図7は、実施の形態1に係る車輪踏面粗し制御装置10を実現する処理回路を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路93の構成の一例を示す図である。図7に示す処理回路93は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路93については、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路93は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、車輪踏面粗し制御装置10は、車輪踏面粗さ情報を取得し、車輪踏面粗さ情報が閾値1未満になった場合は踏面粗し制御をONし、車輪踏面粗さ情報が閾値2以上になった場合は踏面粗し制御をOFFすることとした。これにより、車輪踏面粗し制御装置10は、所望のブレーキ力を確保することができる。車輪踏面粗し制御装置10は、車輪踏面粗さ情報が小さい、すなわち車輪踏面が鏡面状態のときには摩擦材を車輪踏面に押し付ける空制ブレーキを使用することで、車輪踏面の鏡面状態を解消することができる。また、車輪踏面粗し制御装置10は、踏面粗し制御がOFFの状況では回生ブレーキを積極的に使用することで、回生ブレーキを有効に利用することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、車輪踏面粗し制御装置10は、鉄道車両100の制動距離に影響を及ぼす設備の状態の情報として、車輪踏面粗さ情報を取得していた。実施の形態2では、車輪踏面粗し制御装置が、鉄道車両100の制動距離に影響を及ぼす操作の情報として、運転情報を取得する場合について説明する。
図8は、実施の形態2に係る車輪踏面粗し制御装置10aの構成例を示すブロック図である。車輪踏面粗し制御装置10aは、運転情報取得部16と、車両情報取得部12aと、車輪踏面粗さ判定部14aと、踏面粗し制御部15と、を備える。車輪踏面粗し制御装置10aは、環境情報取得部21と、運行路線情報取得部22と、に接続される。
運転情報取得部16は、鉄道車両100に搭載される図示しない運転台または車両情報管理装置などから、鉄道車両100の運転情報を取得する。運転情報は、例えば、鉄道車両100の運転士によるブレーキ操作の情報である。ブレーキ操作の情報は、例えば、鉄道車両100が力行中かまたは惰行中かの情報、空制ブレーキを使用しているのかまたは回生ブレーキを使用しているのかまたは各ブレーキの比率の情報、現在のノッチの情報、などの情報である。運転情報取得部16は、鉄道車両100の制動距離に影響を及ぼす操作の情報として、鉄道車両100の運転士によるブレーキ操作情報を取得する第1の情報取得部である。
車両情報取得部12aは、車両情報取得部12と同様、鉄道車両100に搭載される車両情報管理装置またはセンサなどから、BC圧、初込めBC圧、鉄道車両100の速度などの情報を車両情報として取得する。車両情報取得部12aは、鉄道車両100の運行中の車両情報を取得する第2の情報取得部である。車両情報取得部12aは、さらに踏面粗し制御の情報である踏面粗し制御情報を取得する。踏面粗し制御情報は、現在、踏面粗し制御がONまたはOFFなのかを示す情報であるが、過去に踏面粗し制御をONした回数などを含んでいてもよい。車両情報取得部12aは、踏面粗し制御情報について、車輪踏面粗さ判定部14aから取得してもよいし、踏面粗し制御部15から取得してもよいし、BCUなど他の装置を介して取得してもよい。
車輪踏面粗さ判定部14aは、運転情報取得部16で取得された鉄道車両100の制動距離に影響を及ぼす操作の情報であるブレーキ操作情報、車両情報取得部12aで取得された車両情報、および踏面粗し制御情報と各情報に対する閾値とを比較し、比較結果に基づいて踏面粗し制御のON/OFF、すなわち踏面粗し制御の実施を判定する。また、車輪踏面粗さ判定部14aは、環境情報取得部21から環境情報を取得し、運行路線情報取得部22から運行路線情報を取得する。
車輪踏面粗し制御装置10aの動作について説明する。図9は、実施の形態2に係る車輪踏面粗し制御装置10aの動作を示すフローチャートである。車輪踏面粗し制御装置10aにおいて、運転情報取得部16は、運転台などから運転情報を取得する(ステップS11)。車両情報取得部12aは、車両情報管理装置などから車両情報を取得する(ステップS12)。また、車両情報取得部12aは、踏面粗し制御情報を取得する(ステップS13)。
車輪踏面粗さ判定部14aは、常用ブレーキがONか否かを判定する(ステップS14)。車輪踏面粗さ判定部14aは、運転情報から現在のノッチの情報を取得することで、常用ブレーキがONか否かを判定することができる。常用ブレーキがOFFの場合(ステップS14:No)、車輪踏面粗し制御装置10aは、ステップS11の動作に戻る。常用ブレーキがONの場合(ステップS14:Yes)、車輪踏面粗さ判定部14aは、ステップS15の動作に進む。例えば、車輪踏面粗さ判定部14aは、鉄道車両100において常用ブレーキの掛け始めにステップS15以降の動作を1回実施するようにしてもよい。
車輪踏面粗さ判定部14aは、鉄道車両100がブレーキを掛け始めたときの速度である初速度が100km/h以上か否かを判定する(ステップS15)。車輪踏面粗さ判定部14aは、車両情報から初速度を取得することができる。なお、車輪踏面粗さ判定部14aは、環境情報および運行路線情報などを用いて、閾値である100km/hの値を適宜変更してもよい。例えば、車輪踏面粗さ判定部14aは、環境情報で天候が雨の場合、ブレーキの効きが悪化することから初速度の閾値を100km/hより小さくしてもよい。初速度が100km/h未満の場合(ステップS15:No)、車輪踏面粗し制御装置10aは、ステップS11の動作に戻る。
初速度が100km/h以上の場合(ステップS15:Yes)、車輪踏面粗さ判定部14aは、初込めBC圧累積時間が規定された閾値3以上か否かを判定する(ステップS16)。車輪踏面粗さ判定部14aは、車両情報を用いて初込めBC圧累積時間を求めることができる。車輪踏面粗さ判定部14aは、踏面粗し制御をONからOFFにした場合、BC圧累積時間をリセットする。なお、車輪踏面粗さ判定部14aは、ステップS15の場合と同様、環境情報および運行路線情報などを用いて、閾値3の値を適宜変更してもよい。
初込めBC圧累積時間が規定された閾値3未満の場合(ステップS16:No)、車輪踏面粗さ判定部14aは、累積走行時間が規定された閾値4以上か否かを判定する(ステップS17)。車輪踏面粗さ判定部14aは、車両情報を用いて累積走行時間を求めることができる。車輪踏面粗さ判定部14aは、踏面粗し制御をONからOFFにした場合、累積走行時間をリセットする。なお、車輪踏面粗さ判定部14aは、ステップS15の場合と同様、環境情報および運行路線情報などを用いて、閾値4の値を適宜変更してもよい。累積走行時間が規定された閾値4未満の場合(ステップS17:No)、車輪踏面粗し制御装置10aは、ステップS11の動作に戻る。
初込めBC圧累積時間が規定された閾値3以上の場合(ステップS16:Yes)、または累積走行時間が規定された閾値4以上の場合(ステップS17:Yes)、車輪踏面粗さ判定部14aは、BC圧×速度の積算値が規定された閾値5以上か否かを判定する(ステップS18)。車輪踏面粗さ判定部14aは、車両情報を用いてBC圧×速度の積算値を求めることができる。なお、車輪踏面粗さ判定部14aは、ステップS15の場合と同様、環境情報および運行路線情報などを用いて、閾値5の値を適宜変更してもよい。
BC圧×速度の積算値が規定された閾値5未満の場合(ステップS18:No)、車輪踏面粗さ判定部14aは、踏面粗し制御回数が規定された閾値6以上か否かを判定する(ステップS19)。車輪踏面粗さ判定部14aは、踏面粗し制御情報を用いて踏面粗し制御回数を求めることができる。なお、車輪踏面粗さ判定部14aは、ステップS15の場合と同様、環境情報および運行路線情報などを用いて、閾値6の値を適宜変更してもよい。踏面粗し制御回数が規定された閾値6未満の場合(ステップS19:No)、車輪踏面粗さ判定部14aは、踏面粗し制御をONすると判定する(ステップS20)。この場合、車輪踏面粗さ判定部14aは、踏面粗し制御部15に対して踏面粗し制御ON指令を出力する。
BC圧×速度の積算値が規定された閾値5以上の場合(ステップS18:Yes)、または踏面粗し制御回数が規定された閾値6以上の場合(ステップS19:Yes)、車輪踏面粗さ判定部14aは、踏面粗し制御をOFFすると判定する(ステップS21)。この場合、車輪踏面粗さ判定部14aは、踏面粗し制御部15に対して踏面粗し制御OFF指令を出力する。
車輪踏面粗し制御装置10aは、図9に示すフローチャートの動作を繰り返し、または規定された周期で実施する。図9に示すフローチャートの動作とは別に、車輪踏面粗さ判定部14aは、鉄道車両100が一日の運行を開始してから最初のブレーキ操作、および鉄道車両100が1以上の規定された走行距離を走行後の最初のブレーキ操作、および鉄道車両100が1以上の規定された走行時間を走行後の最初のブレーキ操作のうち少なくとも1つで、鉄道車両100で必要なブレーキ力を全て空制ブレーキでまかなうようにして強制的に車輪踏面を粗くする制御を行ってもよい。これにより、車輪踏面粗し制御装置10aは、仮に運転情報取得部16において運転情報を取得できない場合、または車両情報取得部12aにおいて車両情報または踏面粗し制御情報を取得できない場合でも、強制的に車輪踏面を粗くする制御を行うことで所望のブレーキ力を確保することができる。
本実施の形態では、実施の形態1と同様、鉄道車両100が空制ブレーキとして踏面ブレーキを採用している場合を想定しているが、これに限定されない。例えば、鉄道車両100が空制ブレーキとしてディスクブレーキを採用していても踏面清掃装置を搭載している場合、車輪踏面粗し制御装置10aは、踏面清掃装置が備える制輪子を利用し、前述の制御と同様の制御を行うことで、車輪踏面の鏡面状態を解消することができる。
つづいて、実施の形態2に係る車輪踏面粗し制御装置10aのハードウェア構成について説明する。車輪踏面粗し制御装置10aにおいて、運転情報取得部16、車両情報取得部12a、車輪踏面粗さ判定部14a、および踏面粗し制御部15は処理回路により実現される。処理回路は、実施の形態1の車輪踏面粗し制御装置10の場合と同様、プログラムを格納するメモリ、およびメモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、車輪踏面粗し制御装置10aは、運転情報、車両情報、および踏面粗し制御情報を取得し、各情報と各情報に対する閾値とを比較して、踏面粗し制御のON/OFFを制御することとした。これにより、車輪踏面粗し制御装置10aは、所望のブレーキ力を確保することができる。車輪踏面粗し制御装置10aは、車輪踏面粗さ情報が小さい、すなわち車輪踏面が鏡面状態のときには摩擦材を車輪踏面に押し付ける空制ブレーキを使用することで、車輪踏面の鏡面状態を解消することができる。また、車輪踏面粗し制御装置10aは、踏面粗し制御がOFFの状況では回生ブレーキを積極的に使用することで、回生ブレーキを有効に利用することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10,10a 車輪踏面粗し制御装置、11 車輪踏面粗さ情報取得部、12,12a 車両情報取得部、13 閾値取得部、14,14a 車輪踏面粗さ判定部、15 踏面粗し制御部、16 運転情報取得部、21 環境情報取得部、22 運行路線情報取得部、100 鉄道車両、101 速度センサ、102 ブレーキ指令部、103 ブレーキ制御部、104 電空変換弁、105 中継弁、106 圧力センサ、107 ブレーキシリンダ、108 制輪子、110 車輪、112 元空気タンク、114 回生ブレーキ制御部。

Claims (12)

  1. 鉄道車両の制動距離に影響を及ぼす操作または設備の状態の情報を取得する第1の情報取得部と、
    前記鉄道車両の運行中の車両情報を取得する第2の情報取得部と、
    前記第1の情報取得部で取得された情報と、前記第2の情報取得部で取得された前記車両情報または前記車両情報に応じた閾値とに基づいて、前記鉄道車両の車輪踏面を粗す踏面粗し制御の実施を判定する車輪踏面粗さ判定部と、
    前記車両情報に応じて前記閾値を取得する閾値取得部と、
    前記鉄道車両でブレーキ指令が発生した場合に、前記車輪踏面粗さ判定部の判定結果に基づいて、前記鉄道車両で必要なブレーキ力における空制ブレーキおよび回生ブレーキの比率を制御する踏面粗し制御部と、
    を備え、
    前記第1の情報取得部は、前記鉄道車両の制動距離に影響を及ぼす設備の状態の情報として、前記鉄道車両の前記車輪踏面の状態を示す車輪踏面粗さ情報を取得し、
    前記車輪踏面粗さ判定部は、前記車輪踏面粗さ情報と前記閾値とを比較し、前記鉄道車両でブレーキ指令が発生した場合に、比較結果に基づいて前記踏面粗し制御の実施を判定
    前記閾値取得部は、前記鉄道車両が運行されている路線の情報である運行路線情報を取得し、前記運行路線情報を用いて前記閾値を取得する、
    ことを特徴とする車輪踏面粗し制御装置。
  2. 前記閾値取得部は、前記車両情報として、前記鉄道車両の混雑度、および前記鉄道車両の速度のうち少なくとも1つを用いて前記閾値を取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車輪踏面粗し制御装置。
  3. 前記閾値取得部は、天候、温度、および湿度のうち少なくとも1つの情報を含む環境情報を取得し、前記環境情報を用いて前記閾値を取得する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車輪踏面粗し制御装置。
  4. 前記閾値取得部は、前記閾値として第1の閾値および前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値を取得し、
    前記車輪踏面粗さ判定部は、前記車輪踏面粗さ情報が前記第1の閾値未満の場合、前記踏面粗し制御を実施すると判定し、前記車輪踏面粗さ情報が前記第2の閾値以上の場合、前記踏面粗し制御を実施しないと判定する、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の車輪踏面粗し制御装置。
  5. 前記第1の情報取得部は、前記鉄道車両の制動距離に影響を及ぼす操作の情報として、前記鉄道車両の運転士によるブレーキ操作情報を取得し、
    前記第2の情報取得部は、さらに前記踏面粗し制御の情報を取得し、
    前記車輪踏面粗さ判定部は、前記ブレーキ操作情報、前記車両情報、および前記踏面粗し制御の情報と各情報に対する閾値とを比較し、比較結果に基づいて前記踏面粗し制御の実施を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車輪踏面粗し制御装置。
  6. 前記車輪踏面粗さ判定部は、前記鉄道車両が一日の運行を開始してから最初のブレーキ操作、および前記鉄道車両が1以上の規定された走行距離を走行後の最初のブレーキ操作、および前記鉄道車両が1以上の規定された走行時間を走行後の最初のブレーキ操作のうち少なくとも1つで、前記鉄道車両で必要なブレーキ力を全て空制ブレーキでまかなうようにして強制的に前記車輪踏面を粗くする制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の車輪踏面粗し制御装置。
  7. 車輪踏面粗し制御装置が実行する車輪踏面粗し制御方法であって、
    第1の情報取得部が、鉄道車両の制動距離に影響を及ぼす操作または設備の状態の情報を取得する第1のステップと、
    第2の情報取得部が、前記鉄道車両の運行中の車両情報を取得する第2のステップと、
    車輪踏面粗さ判定部が、前記第1の情報取得部で取得された情報と、前記第2の情報取得部で取得された前記車両情報または前記車両情報に応じた閾値とに基づいて、前記鉄道車両の車輪踏面を粗す踏面粗し制御の実施を判定する第3のステップと、
    閾値取得部が、前記車両情報に応じて前記閾値を取得する第4のステップと、
    踏面粗し制御部が、前記鉄道車両でブレーキ指令が発生した場合に、前記車輪踏面粗さ判定部の判定結果に基づいて、前記鉄道車両で必要なブレーキ力における空制ブレーキおよび回生ブレーキの比率を制御する第5のステップと、
    を含み、
    前記第1のステップにおいて、前記第1の情報取得部は、前記鉄道車両の制動距離に影響を及ぼす設備の状態の情報として、前記鉄道車両の前記車輪踏面の状態を示す車輪踏面粗さ情報を取得し、
    前記第3のステップにおいて、前記車輪踏面粗さ判定部は、前記車輪踏面粗さ情報と前記閾値とを比較し、前記鉄道車両でブレーキ指令が発生した場合に、比較結果に基づいて前記踏面粗し制御の実施を判定
    前記第4のステップにおいて、前記閾値取得部は、前記鉄道車両が運行されている路線の情報である運行路線情報を取得し、前記運行路線情報を用いて前記閾値を取得する、
    ことを特徴とする車輪踏面粗し制御方法。
  8. 前記第4のステップにおいて、前記閾値取得部は、前記車両情報として、前記鉄道車両の混雑度、および前記鉄道車両の速度のうち少なくとも1つを用いて前記閾値を取得する、
    ことを特徴とする請求項に記載の車輪踏面粗し制御方法。
  9. 前記第4のステップにおいて、前記閾値取得部は、天候、温度、および湿度のうち少なくとも1つの情報を含む環境情報を取得し、前記環境情報を用いて前記閾値を取得する、
    ことを特徴とする請求項またはに記載の車輪踏面粗し制御方法。
  10. 前記第4のステップにおいて、前記閾値取得部は、前記閾値として第1の閾値および前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値を取得し、
    前記第3のステップにおいて、前記車輪踏面粗さ判定部は、前記車輪踏面粗さ情報が前記第1の閾値未満の場合、前記踏面粗し制御を実施すると判定し、前記車輪踏面粗さ情報が前記第2の閾値以上の場合、前記踏面粗し制御を実施しないと判定する、
    ことを特徴とする請求項からのいずれか1つに記載の車輪踏面粗し制御方法。
  11. 前記第1のステップにおいて、前記第1の情報取得部は、前記鉄道車両の制動距離に影響を及ぼす操作の情報として、前記鉄道車両の運転士によるブレーキ操作情報を取得し、
    前記第2のステップにおいて、前記第2の情報取得部は、さらに前記踏面粗し制御の情報を取得し、
    前記第3のステップにおいて、前記車輪踏面粗さ判定部は、前記ブレーキ操作情報、前記車両情報、および前記踏面粗し制御の情報と各情報に対する閾値とを比較し、比較結果に基づいて前記踏面粗し制御の実施を判定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の車輪踏面粗し制御方法。
  12. 前記第3のステップにおいて、前記車輪踏面粗さ判定部は、前記鉄道車両が一日の運行を開始してから最初のブレーキ操作、および前記鉄道車両が1以上の規定された走行距離を走行後の最初のブレーキ操作、および前記鉄道車両が1以上の規定された走行時間を走行後の最初のブレーキ操作のうち少なくとも1つで、前記鉄道車両で必要なブレーキ力を全て空制ブレーキでまかなうようにして強制的に前記車輪踏面を粗くする制御を行う、
    ことを特徴とする請求項から11のいずれか1つに記載の車輪踏面粗し制御方法。
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